JP6917747B2 - 空調装置及び環境試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は、試験室等の空間内に特定の環境を作り出す空調装置及び空調方法に関するものである。
また本発明は、試験室内に特定の環境を作り出し、被試験物を所望の環境にさらすことができる環境試験装置に関するものである。
製品や部品等の性能や耐久性を調べる試験として、環境試験が知られている。環境試験は、環境試験装置と称される設備を使用して実施される場合がある。環境試験装置は、例えば特許文献1に開示された様な構造を有するものであり、高温環境や、低温環境、高湿環境等を人工的に作り出すものである。
環境試験の一つとして、氷点下の低温環境であり、且つ相対湿度が高湿度の環境下に被試験物を置く試験がある。
環境試験装置で多用される加湿装置は、加湿用のヒータで容器に満たされた加湿用水を加熱して水蒸気化するものや、高周波振動を利用するものである。
いずれの場合でも、加湿用水が試験室から戻された空気と接触する機会がある。
ここで、試験室内が氷点下の温度であれば、加湿用水が氷点下の空気と接触して凍結してしまう場合がある。また加湿ヒータを使用する加湿装置によると、空気の温度が上昇することとなる。そのため低温高湿の環境を作る用途には、上記した加湿装置は不向きである。
そこで従来技術においては、試験室内を低温高湿の環境とし、これを維持する場合には、特殊な方法が採用されている。
低温高湿の環境を維持する方法には、試験室から空調部側に戻った空気に水蒸気を混入させる方法と、試験室から空調部側に戻った空気から水蒸気を除去する方法がある。
例えば試験室内の相対湿度が低下傾向にある場合に湿度を維持するには試験室から空調部側に戻った空気に水蒸気を混入させる必要がある。
すなわち試験室内で空気温度が上がり、試験室内の相対湿度が低下傾向にある場合に、相対湿度を上げて適正範囲に戻す方法としては、試験室から戻った空気を一旦、冷却器に通して低温低湿度に調整し、低温低湿度の空気を加湿器で加湿して所望の低温高湿の空気を得る方法がある。
また試験室内の相対湿度が上昇傾向にある場合に、湿度を下げて適正範囲に戻す方法としては、試験室から戻った空気を一時的に加熱して摂氏0度以上に昇温し、乾湿除湿器等で空気に含有される水蒸気を除去し、その後に空気を冷却して所望の相対湿度の空気を得る方法がある。
特開2016−3950号公報
低温高湿度の環境を維持する方法として、前者の様な空気を低温低湿度に調整し、加湿器で加湿して所望の低温高湿の空気を得る方法は、空気を低温低湿度に調整する段階で冷却器や送風機等に霜が発生する場合があり、試験室内の環境が安定しない場合ある。そのため長時間にわたる連続運転ができない場合がある。
後者の様な空気を一時的に加熱して摂氏0度以上に昇温し、乾湿除湿器等で空気が含有する水蒸気を除去する方法は、空気の温度を上昇させるために加熱したり、再び温度を戻すのに再冷却を行う必要があり、温度上昇、温度降下にエネルギーを要し、非効率である。
本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、氷点下であって且つ高相対湿度の環境を安定して作り出すことが可能な空調装置及び空調方法を提供することを課題とするものである。
また本発明は、試験室内の環境を氷点下であって且つ高相対湿度の安定した環境とすることが可能な環境試験装置を提供することを課題とするものである。
上記した課題を解決するための発明は、対象物が配置される配置空間と連通し、少なくとも配置空間の環境を、所望の設定温度及び設定相対湿度の設定環境に調整する空調装置において、凝固点降下処理した水を調湿用水とし、当該調湿用水と空気とを接触させて空気中の水蒸気分圧を調整する調湿装置と、前記調湿装置を通過した空気が導入されて当該空気を加熱する加熱装置を有し、前記調湿装置によって、或いは調湿装置を通過した空気をさらに調整して、加熱装置に導入される空気を前記設定温度よりも低温であり、且つ空気の水蒸気分圧が設定環境における水蒸気分圧Paと同等になる様に調整し、前記加熱装置で加熱して空気の温度を設定温度に上昇させ、空気の相対湿度を設定環境における設定相対湿度に合致させることを特徴とする空調装置である。
請求項1に記載の発明は、特定の空間の環境を所望の設定温度及び設定相対湿度の設定環境に調整する空調装置において、凝固点降下処理した水を調湿用水とし、当該調湿用水と空気とを接触させて空気中の水蒸気分圧を調整する調湿装置と、前記調湿装置を通過した空気が導入されて当該空気を加熱する加熱装置を有し、前記調湿装置によって、或いは調湿装置を通過した空気をさらに調整して、前記加熱装置に導入される空気を前記設定温度よりも低温であり、且つ空気の水蒸気分圧が設定環境における水蒸気分圧Paと同等になる様に調整し、前記加熱装置で加熱して空気の温度を設定温度に上昇させ、空気の相対湿度を前記設定環境における設定相対湿度に合致させるものであり、前記調湿装置は、水温調節手段と、強制飽和装置を有し、前記水温調節手段は、前記調湿用水の温度を氷点下の所定の温度に調節するものであり、前記強制飽和装置は、前記水温調節手段によって温度調節された前記調湿用水と空気とを接触させて、空気が含有する水蒸気を飽和状態に至らせるものであり、前記調湿用水を所定温度の空気と接触させて水蒸気飽和状態とし、この飽和水蒸気分圧が前記設定環境における水蒸気分圧Paと同じ水蒸気分圧となる空気の前記所定温度をTaとしたとき、前記水温調節手段によって前記調湿用水の温度がTaの近傍に調節され、凝固点降下処理を行っていない過冷却水と前記所定温度の空気とを接触させて水蒸気飽和状態とし、この飽和水蒸気分圧が前記設定環境における水蒸気分圧Paと同じ水蒸気分圧となる空気の前記所定温度をTbとしたとき、前記Taに代わって前記Tbの温度に基づいて制御することを特徴とする空調装置である。
請求項2に記載の発明は、特定の空間の環境を所望の設定温度及び設定相対湿度の設定環境に調整する空調装置において、凝固点降下処理した水を調湿用水とし、当該調湿用水と空気とを接触させて空気中の水蒸気分圧を調整する調湿装置と、前記調湿装置を通過した空気が導入されて当該空気を加熱する加熱装置を有し、前記調湿装置によって、或いは調湿装置を通過した空気をさらに調整して、前記加熱装置に導入される空気を前記設定温度よりも低温であり、且つ空気の水蒸気分圧が設定環境における水蒸気分圧Paと同等になる様に調整し、前記加熱装置で加熱して空気の温度を設定温度に上昇させ、空気の相対湿度を前記設定環境における設定相対湿度に合致させるものであり、前記調湿用水を所定温度の空気と接触させて水蒸気飽和状態とし、この飽和水蒸気分圧が前記設定環境における水蒸気分圧Paと同じ水蒸気分圧となる空気の前記所定温度をTaとしたとき、前記調湿装置によって前記調湿用水と空気とが、温度Taの近傍の雰囲気下で接触し、凝固点降下処理を行っていない過冷却水と前記所定温度の空気とを接触させて水蒸気飽和状態とし、この飽和水蒸気分圧が前記設定環境における水蒸気分圧Paと同じ水蒸気分圧となる空気の前記所定温度をTbとしたとき、前記Taに代わって前記Tbの温度に基づいて制御することを特徴とする空調装置である。
上記した発明に関連する発明は、特定の空間の環境を所望の設定温度及び設定相対湿度の設定環境に調整する空調装置において、凝固点降下処理した水を調湿用水とし、当該調湿用水と空気とを接触させて空気中の水蒸気分圧を調整する調湿装置と、前記調湿装置を通過した空気が導入されて当該空気を加熱する加熱装置と、前記調湿装置より上流側で、前記空間から前記調湿装置に導入される空気のみを冷却する顕熱除去用冷却装置と、を有し、前記調湿装置によって、或いは前記調湿装置を通過した空気をさらに調整して、前記加熱装置に導入される空気を前記設定温度よりも低温であり、且つ空気の水蒸気分圧が設定環境における水蒸気分圧Paと同等になる様に調整し、前記加熱装置で加熱して空気の温度を設定温度に上昇させ、空気の相対湿度を前記設定環境における設定相対湿度に合致させる空調装置である。
凝固点降下処理した調湿用水とは、例えば水に不凍液を添加したものであり、大気圧下における凝固点が0度未満の水である。不凍液等の添加量は任意であり、50パーセントを超える場合もある。
「水蒸気分圧」を測定することは必ずしも必要ではなく、「水蒸気分圧を調整する」とは実質的に水蒸気分圧を変更するものであることを意味する。「空気の水蒸気分圧が設定環境における水蒸気分圧Paと同等になる様に調整」についても同様であり、「水蒸気分圧」の測定は必ずしも必要ではなく、実質的に、水蒸気分圧が設定環境と同等の水蒸気分圧Paとなればよい。要するに空気中の水蒸気含有量や絶対湿度が、設定環境の設定温度における設定相対湿度に対応する水蒸気含有量や絶対湿度と同等になれば足る。
本発明の空調装置では、調湿装置によって凝固点降下処理した調湿用水と空気とを接触させ、空気中の水蒸気分圧を調整する。本発明の空調装置では、凝固点降下処理した水を調湿用水として使用するので、氷点下の雰囲気でも調湿用水が凍結しない。そのため調湿用水と接触する空気が氷点下の温度であっても調湿用水は凍結せず、氷点下の温度であって水蒸気を含有した空気を作り出すことができる。
また本発明の空調装置では、調湿装置によって、設定温度よりも低温であり、且つ水蒸気分圧が設定環境と同等の水蒸気分圧Paとなる様に調整する。或いは調湿装置を通過した空気をさらに調整して、設定温度よりも低温であり、且つ水蒸気分圧が設定環境と同等の水蒸気分圧Paとなる様に調整する。
そして水蒸気分圧が設定環境と同等に調整された空気を、加熱装置で加熱して、空気の温度を設定温度に上昇させる。
ここで相対湿度は、その温度における飽和水蒸気量に対する実際の空気中の水蒸気含有量の割合である。即ち水蒸気飽和状態の水蒸気分圧(飽和水蒸気分圧)に対する実際の水蒸気分圧の割合である。相対湿度は、飽和水蒸気分圧を分母とし、実際の水蒸気分圧を分子とする数値である。
ここで空気の温度が変化しても分子たる水蒸気量や水蒸気分圧は変化しない。その一方で、空気の温度が変わると飽和水蒸気量や飽和水蒸気分圧が変わるので分母の数値が変わり、相対湿度が変化する。
そのため水蒸気分圧が設定環境の設定相対湿度と同等の空気を加熱装置で加熱して空気の温度を設定温度に上昇させると、現実の相対湿度は必然的に設定相対湿度となる。
上記した発明は、前記調湿装置は、水温調節手段と、強制飽和装置を有し、前記水温調節手段は、前記調湿用水の温度を氷点下の所定の温度に調節するものであり、前記強制飽和装置は、前記水温調節手段によって温度調節された前記調湿用水と空気とを接触させて、前記空気が含有する水蒸気を飽和状態に至らせるものである空調装置であってもよい
本発明の空調装置では、水温調節手段によって調湿用水の温度を氷点下の所定の温度に調節し、温度調節された調湿用水と空気とを接触させて空気が含有する水蒸気を飽和状態に至らせる。そのため調整直後の空気は、その温度が水温と同等であって、且つ水蒸気が飽和状態となっている。従って調整直後の水蒸気含有量や水蒸気分圧は、一義的に決まるか、あるいは推定可能な値となる。
上記した発明は、前記調湿用水を所定温度の空気と接触させて水蒸気飽和状態とし、この飽和水蒸気分圧が前記設定環境における水蒸気分圧Paと同じ水蒸気分圧となる空気の前記所定温度をTaとしたとき、前記水温調節手段によって前記調湿用水の温度がTaの近傍に調節される空調装置であってもよい
「飽和水蒸気分圧」は、飽和水蒸気量に相当する水蒸気分圧である。即ち水蒸気を飽和状態になるまで内包した空気の水蒸気分圧である。
本発明によると、調整直後の空気は、設定環境における設定相対湿度の空気と同等量の水蒸気を含有している。
上記した発明は、前記調湿用水を所定温度の空気と接触させて水蒸気飽和状態とし、この飽和水蒸気分圧が前記設定環境における水蒸気分圧Paと同じ水蒸気分圧となる空気の前記所定温度をTaとしたとき、前記調湿装置によって前記調湿用水と空気とが、温度Taの近傍の雰囲気下で接触する空調装置であってもよい
本発明によると、調整直後の空気は、設定環境における設定相対湿度の空気と同等量の水蒸気を含有している。
請求項1、2に記載の発明は、凝固点降下処理を行っていない過冷却水と所定温度の空気とを接触させて水蒸気飽和状態とし、この飽和水蒸気分圧が前記設定環境における水蒸気分圧Paと同じ水蒸気分圧となる空気の前記所定温度をTbとしたとき、前記Taに代わって前記Tbの温度に基づいて制御することを特徴とする
水と空気を接触させて空気中の水蒸気分圧を上昇させる場合、空気と接する水の性状によって達成される飽和水蒸気分圧が変わってしまう場合がある。本発明では、調湿用水として凝固点降下処理を施した調湿用水を使用するので、凝固点降下処理を施した調湿用水を接触させることによって達成される飽和水蒸気分圧が、通常の水による場合と異なる場合がある。しかしながら、空気の温度が同じであるという前提のもと、凝固点降下処理を施した調湿用水を空気と接触させて水蒸気飽和状態とした場合の水蒸気分圧と、通常の水を空気と接触させて水蒸気飽和状態とした場合の水蒸気分圧は大差無い場合も多い。
特に空気が低温である条件下においては、両者の差が無視できる場合がある。
本発明における凝固点降下処理を施した調湿用水は、通常の過冷却水と空気とを接触させて水蒸気飽和状態とした場合の水蒸気分圧と大差ないものを使用している。
そこで本発明は、温度Taの近似値として、温度Tbを使用するものである。
請求項に記載の発明は、水温調節手段を有し、前記水温調節手段は、前記調湿用水の温度を調節するものであり、前記空間の相対湿度が前記水温調節手段にフィードバックされ、前記空間の相対湿度が設定相対湿度よりも低い場合には前記水温調節手段によって前記調湿用水の温度を上昇させ、前記空間の相対湿度が設定相対湿度よりも高い場合には前記水温調節手段によって前記調湿用水の温度を降下させることを特徴とする請求項1又は2に記載の空調装置である。
空気の温度が高くなると飽和水蒸気量が多くなり、空気の温度が低下すると飽和水蒸気量も減少する。
本発明は、調湿用水と空気とを接触させて空気中の水蒸気分圧を上昇させるので、水温が上がるとこれと接する空気の温度も上昇する。そして空気の温度が上昇すると、飽和水蒸気量が増大する。逆に水温が下がるとこれと接する空気の温度も低下する。そして空気の温度が下がると、飽和水蒸気量が減少する。
本発明の空調装置は、配置空間の相対湿度が水温調節手段にフィードバックされ、配置空間の相対湿度が設定相対湿度よりも低い場合には水温調節手段によって調湿用水の温度を上昇させる。その結果、調湿用水と接する空気の温度が上昇し、飽和水蒸気量が増大する。
配置空間の相対湿度が設定相対湿度よりも低い状態は、空気中の水蒸気量が過少であり、水蒸気分圧が低い状態であるが、水温の上昇によって空気の温度が上昇し、飽和水蒸気量が増大するので、配置空間の相対湿度が上昇し、配置空間の相対湿度が設定相対湿度に近づく。
逆に配置空間の相対湿度が設定相対湿度よりも高い場合には水温調節手段によって調湿用水の温度を降下させる。その結果、調湿用水と接する空気の温度が降下し、飽和水蒸気量が減少する。
配置空間の相対湿度が設定相対湿度よりも高い状態は、空気中の水蒸気量が過剰であり、水蒸気分圧が高過ぎる状態であるが、水温の降下によって空気の温度が降下し、飽和水蒸気量が減少するので、配置空間の相対湿度が降下し、配置空間の相対湿度が設定相対湿度に近づく。
請求項に記載の発明は、前記空間であって被試験物を設置する試験室と、請求項1乃至のいずれかに記載の空調装置を備えたことを特徴とする環境試験装置である。
本発明の環境試験装置によると、低温高湿環境を安定して創出することができる。
方法に関する発明は、空気の温度を所望の設定温度及び設定相対湿度に調整する空調方法において、凝固点降下処理され、且つ氷点下の温度に冷却された調湿用水と、空気とを接触させて空気中の水蒸気分圧を変化させ、前記設定温度よりも低温であり、且つ水蒸気分圧が設定環境における水蒸気分圧Paと同等となる様に調整し、調整後の空気の温度を設定温度に調整して空気の相対湿度を設定相対湿度に合致させることを特徴とする空調方法である。
本発明の空調方法では、凝固点降下処理された水を調湿用水として使用するので、低温環境下においても凍結しにくく、低温の空気と接触させて空気中の水蒸気分圧を上昇あるいは降下させることができる。本発明では、設定温度よりも低温であり、且つ水蒸気分圧が設定環境と同等の水蒸気分圧となる様に調整する。
そして調整後の空気を加熱又は冷却して空気の温度を設定温度に上昇又は降下させることによって空気の相対湿度を設定相対湿度に合致させる。
もう一つの方法に関する発明は、対象空間を所望の設定温度及び設定相対湿度に調整する空調方法において、凝固点降下処理され、且つ氷点下の温度に冷却された調湿用水と、空気とを接触させて前記設定温度よりも低温であり、且つ含有する水蒸気が飽和状態となった空気を作り、当該空気を加熱して空気の温度を設定温度に上昇させ、前記空間の相対湿度が設定相対湿度よりも低い場合には調湿用水の温度を上昇させ、前記空間の相対湿度が設定相対湿度よりも高い場合には調湿用水の温度を降下させることを特徴とする空調方法である。
対象空間の相対湿度が設定相対湿度よりも低い状態は、空気中の水蒸気量が過少であり、水蒸気分圧が低い状態であるが、水温の上昇によって空気の温度が上昇し、飽和水蒸気量が増大するので、対象空間の相対湿度が上昇し、配置空間の相対湿度が設定相対湿度に近づく。
逆に配置空間の相対湿度が設定相対湿度よりも高い場合には水温調節手段によって調湿用水の温度を降下させる。その結果、調湿用水と接する空気の温度が降下し、飽和水蒸気量が減少し、相対湿度が設定相対湿度に近づく。
上記した方法の発明においては、調湿用水を所定温度の空気と接触させて水蒸気飽和状態とし、この飽和水蒸気分圧が前記設定環境における水蒸気分圧Paと同じ水蒸気分圧となる空気の前記所定温度をTaとしたとき、前記調湿用水の温度を前記Taの近傍に調節して空気と接触させることが望ましい。
本発明によると、調湿用の水と空気とを接触させて空気中の水蒸気分圧を上昇させた直後の水蒸気量が、設定環境の水蒸気量と略等しくなる。そのため調整後の空気を加熱して空気の温度を設定温度に上昇させることによって空気の相対湿度を設定相対湿度に合致させることができる。
本発明の空調装置及び空調方法によると、氷点下であって且つ高相対湿度の環境を安定してつくり出すことできる。
また本発明の環境試験装置は、試験室内の環境を氷点下であって且つ高相対湿度の安定した環境とすることが可能である。
本発明の実施形態の空調装置を備えた環境試験装置の概念図である。 図1に示す環境試験装置の制御装置のブロック図である。 図1に示す環境試験装置の各部の空気の蒸気分圧と飽和蒸気圧曲線との関係を示すグラフである。 本発明の他の実施形態における環境試験装置の各部の空気の蒸気分圧と飽和蒸気圧曲線との関係を示すグラフである。 本発明のさらに他の実施形態における環境試験装置の各部の空気の蒸気分圧と飽和蒸気圧曲線との関係を示すグラフである。 本発明の他の実施形態の空調装置の調湿装置の断面図である。
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の環境試験装置1は、複数の空調装置と接続されるものである。即ち高温環境を作る空調装置(図示せず)と低温環境を作る空調装置3があり、図1では、試験室2に低温環境を作る空調装置3が接続された状態を示している。
図1に示す環境試験装置1は、低温環境を作るものであるから、試験室2や空調装置3の各部材、接続配管は、全て断熱材で覆われている。断熱材については、本発明の分野において周知であるから、図示及び説明を省略する。
試験室2は、被試験物を設置する試験空間6を有している。試験空間6は、被試験物を設置する設置空間であり、空調の対象空間である。試験空間6は、前記した様に断熱壁によって覆われている。
試験室2は、環境試験を行う際に、試料となる機器や部品等を配置する空間で、当該空間の温度を検知する温度センサー10と、当該空間の相対湿度を検知する湿度センサー11が設けられている。温度センサー10は、例えば、従来公知の測温抵抗体等の温度センサーである。一方、湿度センサー11は、例えば、従来公知の湿度センサーである。
試験室2には、送風導入口15と、送風排出口16がある。
空調装置3は、低温高湿の空気を作るものであり、再加熱装置38と特徴的な調湿装置20を有している。また付属装置として、顕熱除去用冷却装置22と、気水分離装置23、及び送風機25を有している。
顕熱除去用冷却装置22は、公知の冷却装置である。気水分離装置23は、公知のデミスターやサイクロン式分離機であり、空気中の水滴を除去するものである。
次に特徴的な調湿装置20について説明する。
調湿装置20は、強制飽和装置21と水温調節手段46を有している。
強制飽和装置21は、図示しない断熱材で覆われていている。強制飽和装置21は、相当の容積を有する気・水接触用空間26を有している。気・水接触用空間26は、下部に空気導入口27があり、上部に空気排出口18がある。
また気・水接触用空間26内の上部には、ノズル36が複数設けられている。気・水接触用空間26内には、ノズル36に給水する給水配管30があり、当該給水配管30は、気・水接触用空間26の外に延長されている。
また気・水接触用空間26の底には、排水口31がある。
気・水接触用空間26は、前記した空気導入口27、空気排出口18、給水配管30及び排水口31を除いて密閉された空間となっている。
気・水接触用空間26の底部は、調湿用水溜部32となっており、水温を検知する水温センサー33が設けられている。
水温調節手段46は、循環ポンプ35、加熱器47と、冷却器37及びこれらを直列的に接続する循環配管40を有している。循環配管40の両端は、気・水接触用空間26の給水配管30と、排水口31に接続されている。
水温調節手段46は、気・水接触用空間26の排水口31から気・水接触用空間26内に溜まった調湿用水を吸引し、加熱器47と冷却器37で所定の温度に調節して、気・水接触用空間26内のノズル36に調湿用水を供給するものである。
ノズル36に供給された水は、シャワー状となって、気・水接触用空間26内に降り注ぎ、気・水接触用空間26内を落下し、調湿用水溜部32に戻る。
調湿用水は、気・水接触用空間26と水温調節手段46を循環し、気・水接触用空間26内では、所定の温度の調湿水がノズル36から大量に降り注ぐ。
空調装置3は、内部に一連の空気流路45を構成するものであり、その空気流路45に顕熱除去用冷却装置22、気・水接触用空間26、気水分離装置23、再加熱装置38及び送風機25がこの順に設けられている。
また空調装置3は、ダクト42、43によって試験室2の送風排出口16と送風導入口15に接続されている。
そのため送風機25を起動すると、試験室2内の空気が送風排出口16及びダクト42を経由して空調装置3に導入される。すなわち試験室2内の空気は、顕熱除去用冷却装置22を通過して温度調整され、気・水接触用空間26で調湿され、気水分離装置23で水滴が除かれ、再加熱装置38で加熱され、送風機25及びダクト43を経由して試験室2の送風導入口15から試験室2に戻る。
即ち試験室2内の空気は、空調装置3を経由して循環する。
次に空調装置3の制御装置52について説明する。制御装置52は、公知のCPUやメモリを内蔵するものであり、図2の様に、目標環境設定手段と、環境監視手段と、水蒸気分圧決定手段と、調湿用水温度決定手段と、調湿用水温度制御手段と、フィードバック手段に相当するプログラムを有している。
目標環境設定手段は、図示しないキーボードやタッチネルによって目標とする設定環境の条件を入力するものである。
試験室2の設定環境は、少なくとも試験室2の設定温度と、設定相対湿度を含み、少なくとも設定温度と、設定相対湿度が入力される。
環境監視手段は、試験室2に設けられた温度センサー10及び湿度センサー11の検出値から、現状の試験室2内の環境を監視するものである。
水蒸気分圧決定手段は、設定環境における水蒸気分圧を演算するものである。即ち設定環境の設定温度と設定相対湿度から、設定環境における水蒸気分圧Paを算出する。水蒸気分圧演算手段は、計算式をプログラムしたものでもよく、所定の表やグラフに相当するものから算出してもよく、データテーブルから導き出すものであってもよい。
調湿用水温度決定手段は、調湿用水を使用して空気中の水蒸気を飽和したとき、当該空気の飽和水蒸気分圧を設定環境における水蒸気分圧Paとする為の空気の温度Taを求める。
即ち所定温度の空気と接触させて水蒸気飽和状態とし、この飽和水蒸気分圧が、前記設定環境における水蒸気分圧Paと同じ水蒸気分圧となる場合の空気の温度Taを求める。
本実施形態では、温度Taの近似値として、温度Tbを使用している。
温度Tbは、通常の水を使用して空気中の水蒸気を飽和したとき、当該空気の飽和水蒸気分圧を設定環境における水蒸気分圧Paとする為の空気の温度である。即ち温度Tbは、飽和水蒸気分圧が設定環境における水蒸気分圧Paと同じ圧力となる場合の空気温度である。
例えば、設定環境が摂氏マイナス20度、相対湿度が80パーセントであるならば、図3の様にその条件における水蒸気分圧は、0.08264kPaである。
一方、飽和水蒸気分圧が、0.08264kPaとなる場合の飽和空気温度Tbは、摂氏マイナス22.3度である。
例えば調湿用水として不凍液を添加した物を使用する場合、不凍液の種類や濃度によっては、空気と接触させることによって達成される飽和水蒸気分圧が通常の水とは違ってしまう場合がある。
この様な場合には、通常の水による場合の温度Tbと、現実に使用する調湿用水による場合の温度Taが違う場合がある。本発明では、調湿用水として凝固点降下処理を施した水を使用するが、凝固点降下処理を施した水を接触させることによって達成される飽和水蒸気分圧が、通常の水による場合と異なる場合には、通常の水による場合の空気温度Tbに補正値を加えたり、予備実験によってTaを調べることが望ましい。
調湿用水温度制御手段は、水温調節手段46を制御して、ノズル36から噴射される調湿用水の温度が、演算されたTaとなる様に制御するものである。
具体的には調湿用水溜部32に設けられた水温センサー33の信号を水温調節手段46へフィードバックし、調湿用水の温度が、演算されたTaとなる様に制御する。
フィードバック手段は、目標環境設定手段で設定された設定相対湿度と、湿度センサー11で検出された現実の試験室2内の相対湿度を比較し、その差を水温調節手段46にフィードバックして、調湿用水の温度を修正するものである。
具体的には、試験室2内の相対湿度が設定相対湿度よりも低い場合には調湿用水の温度を上昇させ、試験室2内の相対湿度が設定相対湿度よりも高い場合には調湿用水の温度を降下させる。
次に、本実施形態の環境試験装置1の機能について説明する。
環境試験の準備として、調湿装置20の強制飽和装置21に、調湿用水を入れる。調湿用水は、例えば不凍液を水に添加したものである。
不凍液の種類及び添加量は任意であり、試験環境に応じて適宜選択される。
不凍液は人体に無害であって、凝固点を降下させる効果に優れ、且つ、配管等を腐食させないものであることが望ましい。
この観点から、プロピレングリコール系の水溶液を調湿用水として採用することが推奨される。
なおプロピレングリコールは、食品添加物の一つであり、安全性が高い。プロピレングリコールの濃度は、例えば50パーセントである。
また試験の経過と共に、調湿用水の濃度が変化するので、濃度が一定となる様に、水や不凍液を追加することが望ましい。
試験開始に先立って、目標環境設定手段によって目標とする設定環境の条件を入力する。具体的には、試験室2の設定温度と、設定相対湿度を入力する。
例えば、先の例に従って、摂氏マイナス20度、相対湿度が80パーセントを設定環境として入力する。
制御装置の水蒸気分圧決定手段は、設定環境たる摂氏マイナス20度、相対湿度が80パーセントから、設定環境における水蒸気分圧を演算する。
先の例に従えば、設定環境における水蒸気分圧は、0.08264kPaである。
そして調湿用水温度決定手段によって、調湿用水を使用して空気中の水蒸気を飽和させたとき、当該空気の飽和水蒸気分圧が設定環境における水蒸気分圧Paとする為の空気の温度Taを求める。本実施形態では、近似値として、飽和水蒸気分圧が設定環境における水蒸気分圧Paと同じ圧力となる場合の空気温度Tbを演算する。
先の例に従えば、飽和水蒸気分圧が、0.08264kPaとなる場合の空気の温度Tbは、摂氏マイナス22.3度である。
この温度は、設定環境の設定温度よりも低い温度である。
そして、気・水接触用空間26内の調湿用水の水温がTbとなる様に、水温調節手段46を制御する。即ち、循環ポンプ35を起動して、循環配管40内の調湿用水を循環させ、循環配管40中の加熱器47及び冷却器37で調湿用水の温度をTbに調整する。
また気・水接触用空間26内では、ノズル36から調湿用水が大量に噴射され、気・水接触用空間26内は調湿用水のシャワーで満たされた状態となる。また気・水接触用空間26内の気温は、調湿用水の温度に追従し、温度Tbとなって安定する。即ち気・水接触用空間26内は温度Tbの雰囲気となる。
ここで、調湿用水の温度や、気・水接触用空間26内の温度は、氷点下の温度であるが、調湿用水は、不凍液が添加されているのて凍結することはない。
続いて空調装置3の送風機25を起動し、試験室2内の空気を、空調装置3を経由して循環させる。
試験室2から空調装置3に導入された空気は、顕熱除去用冷却装置22を通過する。顕熱除去用冷却装置22の冷却器温度は、目標環境の露点を下限とし、ここでの霜が付かない範囲で強制飽和装置の顕熱負荷を低減するものである。
顕熱除去用冷却装置22を通過した空気は、強制飽和装置21の気・水接触用空間26を通過する。ここで気・水接触用空間26は、調湿用水の水滴で満たされている。そのため気・水接触用空間26を通過する間に、空気が高密度に調湿用水と接触し、空気中の水蒸気は飽和状態に至る。
また調湿用水の温度及び気・水接触用空間26内の雰囲気温度は、温度Tbである。温度Tbは、前記した様に、飽和水蒸気分圧が設定環境における水蒸気分圧Pa(0.08264kPa)と同じ圧力となる場合の空気の温度であるから、気・水接触用空間26を通過した空気は、水蒸気飽和状態であり、且つその水蒸気分圧は、飽和水蒸気分圧が設定環境における水蒸気分圧Pa(0.08264kPa)となっている。
また気・水接触用空間26を通過した空気の温度は、Tbたる摂氏マイナス22.3度であり、設定温度たる摂氏マイナス20度よりも低い。
気・水接触用空間26を通過した空気は、気水分離装置23に入り、水滴が除去される。しかしながら、空気の水蒸気分圧は、変わらず、設定環境における水蒸気分圧Pa(0.08264kPa)を維持している。
気水分離装置23で水滴が除かれた空気は、再加熱装置38に入り、設定環境の温度(設定温度)に昇温される。
再加熱装置38においても、空気は設定環境における水蒸気分圧Pa(0.08264kPa)を維持している。そして再加熱装置38に導入される空気は、水蒸気飽和状態であるから、相対湿度は100パーセントである。また再加熱装置38に導入される空気は、Tbであり、設定温度よりも低い。
再加熱装置38に導入された空気は、加熱されて温度が上昇するが、含有する水蒸気量は変わらない。その一方で、空気の飽和水蒸気量は上昇する。従って再加熱装置38に導入された空気は、次第に相対湿度が低下する。そして、再加熱装置38によって、空気が設定温度まで昇温されると、温度が設定温度であり、水蒸気分圧が設定環境のそれと同じであるから、相対湿度は設定湿度と一致することとなる。
従って、試験室2には、設定環境に調節された空気が導入される。
試験室2内に入った空気は循環し、再度空調装置3に導入される。
ここで、設定環境は低温であるから、外部との熱交換によって空気の温度が昇温傾向となる場合が多い。即ち試験室2内において、空気の顕熱が上昇する傾向となる。
空調装置3に戻った空気は、前記した様に顕熱除去用冷却装置22を通過するので、試験室2内で与えられた顕熱が除かれ、温度Tb近くに調節されて気・水接触用空間26に入る。以下、空気は、試験室2と空調装置3の間を循環して、試験室2内の環境を設定環境に維持する。
試験室2と空調装置3の間を循環する際の、空気の状態は、図3の様である。
図中、番号1は、空調装置3から試験室2に導入直後の空気の状態を示し、番号2は、試験室2から排出される空気の状態を示す。番号3は、気・水接触用空間26を出た直後の空気の状態を示し、番号4は、再加熱装置38内の空気の状態を示す。
順次説明すると、番号1で示す様に、空調装置3から試験室2に導入直後の空気は、設定環境の空気であり、摂氏マイナス20度であって相対湿度は、80パーセントである。
試験室2から排出される空気は、顕熱を得て温度が摂氏マイナス18度まで上昇している。また何らかの理由で水蒸気分圧が上昇している。相対湿度はなりゆきである。
気・水接触用空間26に入ると、グラフの番号2から番号3に至る変化がある。即ち温度は、摂氏マイナス18度から、設定温度マイナス20度を通過して下がり、摂氏マイナス22.3度まで低下する。
またいずれの経路を通過するにせよ、空気は水蒸気飽和状態となる。即ち水蒸気分圧は、設定環境のレベルまで低下し、且つ温度も低い状態となり、相対湿度は、100パーセントとなる。
そして気・水接触用空間26を通過した空気は、再加熱装置38で加熱され、温度が、摂氏マイナス20度の設定温度に至り、相対湿度も設定相対湿度の80パーセントとなる。
以上説明した実施形態では、気・水接触用空間26内で、空気を水蒸気飽和状態としたが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
例えば図4に示す様に、番号3の気・水接触用空間26を出た段階で、水蒸気分圧が設定環境における水蒸気分圧となっているが、飽和状態ではなくてもよい。この場合は、再度空調装置3に導入される空気の水蒸気分圧を確認し、再度空調装置3に導入される空気の水蒸気分圧を制御する必要がある。
また他の方法として、気・水接触用空間26から排出された空気をさらに他の装置によって調整し、水蒸気分圧が設定環境における水蒸気分圧となる様にしてもよい。
例えば図5に示す様に、番号3の気・水接触用空間26を出た段階の水蒸気分圧が設定環境のそれよりも高い状態とする。そしてその空気を冷却し、飽和水蒸気曲線に沿って水蒸気分圧を低下させ、設定環境における水蒸気分圧に合わせる。その後に再加熱装置38で加熱して、温度及び相対湿度を設定環境に一致させる。
また上記した実施形態では、気・水接触用空間26内をシャワー状の調湿用水で満たし、その中に空気を通過させて水蒸気が飽和状態となる様に構成したが、いわゆるバブリングによって水蒸気が飽和状態の空気を作ってもよい。図6は、バブリング方式による強制飽和装置50を例示するものである。強制飽和装置50は、タンク51内にエアノズルを設置したものである。
タンク51内は調湿用水で満たされている。タンク51には水温調節手段46が接続され、タンク51内の調湿用水の温度調節がなされている。
以上説明した実施形態では、空調装置3の空気流路45に顕熱除去用冷却装置22と気水分離装置23を設けたが、これらは必須の装置ではない。
本実施形態の環境試験装置1や空調装置3は、氷点下の環境試験を行うことができるものであるが、氷点を越える環境を作る用途に使用することもでき、氷点を境として試験室2の温度が変わる用途に使用することもできる。
次に、TaとTbの関係についての発明者の見解を説明する。また不凍液が添加された調湿用水を空気と接触させることによって達成される飽和水蒸気分圧と、通常の水を空気と接触させることによって達成される飽和水蒸気分圧との関係について、発明者の見解を説明する。
不凍液としてプロピレングリコールを使用し、不凍液50パーセント濃度の水を調湿用水とした場合、空気温度が低下する程、飽和水蒸気分圧は、通常の水に近いものとなる。従って、設定環境の温度が、氷点下の温度であるならば、調湿用水を所定温度の空気と接触させて水蒸気飽和状態とし、この飽和水蒸気分圧が前記設定環境における水蒸気分圧Paと同じ水蒸気分圧となる空気の前記所定温度Taと、凝固点降下処理を行っていない水と空気とを接触させて空気中の水蒸加熱飽和状態とし、この飽和水蒸気分圧が前記設定環境における水蒸気分圧Paと同じ水蒸気分圧となる空気の前記所定温度Tbとは略同じ温度となる。
従ってTaをTbに置き換えて各機器を制御しても、実質的に大きな不具合は生じない。仮にズレが生じても、実施形態で説明したフィードバック制御を活用することにより、修正されるので、実質的に問題とならない。
1 環境試験装置
3 空調装置
6 試験空間
20 調湿装置
21,50 強制飽和装置
22 顕熱除去用冷却装置
23 気水分離装置
25 送風機
26 気・水接触用空間
38 再加熱装置
46 水温調節手段

Claims (4)

  1. 特定の空間の環境を所望の設定温度及び設定相対湿度の設定環境に調整する空調装置において、
    凝固点降下処理した水を調湿用水とし、当該調湿用水と空気とを接触させて空気中の水蒸気分圧を調整する調湿装置と、
    前記調湿装置を通過した空気が導入されて当該空気を加熱する加熱装置を有し、
    前記調湿装置によって、或いは調湿装置を通過した空気をさらに調整して、前記加熱装置に導入される空気を前記設定温度よりも低温であり、且つ空気の水蒸気分圧が設定環境における水蒸気分圧Paと同等になる様に調整し、
    前記加熱装置で加熱して空気の温度を設定温度に上昇させ、空気の相対湿度を前記設定環境における設定相対湿度に合致させるものであり、
    前記調湿装置は、水温調節手段と、強制飽和装置を有し、
    前記水温調節手段は、前記調湿用水の温度を氷点下の所定の温度に調節するものであり、
    前記強制飽和装置は、前記水温調節手段によって温度調節された前記調湿用水と空気とを接触させて、空気が含有する水蒸気を飽和状態に至らせるものであり、
    前記調湿用水を所定温度の空気と接触させて水蒸気飽和状態とし、この飽和水蒸気分圧が前記設定環境における水蒸気分圧Paと同じ水蒸気分圧となる空気の前記所定温度をTaとしたとき、
    前記水温調節手段によって前記調湿用水の温度がTaの近傍に調節され、
    凝固点降下処理を行っていない過冷却水と前記所定温度の空気とを接触させて水蒸気飽和状態とし、この飽和水蒸気分圧が前記設定環境における水蒸気分圧Paと同じ水蒸気分圧となる空気の前記所定温度をTbとしたとき、
    前記Taに代わって前記Tbの温度に基づいて制御することを特徴とする空調装置。
  2. 特定の空間の環境を所望の設定温度及び設定相対湿度の設定環境に調整する空調装置において、
    凝固点降下処理した水を調湿用水とし、当該調湿用水と空気とを接触させて空気中の水蒸気分圧を調整する調湿装置と、
    前記調湿装置を通過した空気が導入されて当該空気を加熱する加熱装置を有し、
    前記調湿装置によって、或いは調湿装置を通過した空気をさらに調整して、前記加熱装置に導入される空気を前記設定温度よりも低温であり、且つ空気の水蒸気分圧が設定環境における水蒸気分圧Paと同等になる様に調整し、
    前記加熱装置で加熱して空気の温度を設定温度に上昇させ、空気の相対湿度を前記設定環境における設定相対湿度に合致させるものであり、
    前記調湿用水を所定温度の空気と接触させて水蒸気飽和状態とし、この飽和水蒸気分圧が前記設定環境における水蒸気分圧Paと同じ水蒸気分圧となる空気の前記所定温度をTaとしたとき、
    前記調湿装置によって前記調湿用水と空気とが、温度Taの近傍の雰囲気下で接触し、
    凝固点降下処理を行っていない過冷却水と前記所定温度の空気とを接触させて水蒸気飽和状態とし、この飽和水蒸気分圧が前記設定環境における水蒸気分圧Paと同じ水蒸気分圧となる空気の前記所定温度をTbとしたとき、
    前記Taに代わって前記Tbの温度に基づいて制御することを特徴とする空調装置。
  3. 水温調節手段を有し、前記水温調節手段は、前記調湿用水の温度を調節するものであり、
    前記空間の相対湿度が前記水温調節手段にフィードバックされ、前記空間の相対湿度が設定相対湿度よりも低い場合には前記水温調節手段によって前記調湿用水の温度を上昇させ、前記空間の相対湿度が設定相対湿度よりも高い場合には前記水温調節手段によって前記調湿用水の温度を降下させることを特徴とする請求項1又は2に記載の空調装置。
  4. 前記空間であって被試験物を設置する試験室と、請求項1乃至のいずれかに記載の空調装置を備えたことを特徴とする環境試験装置。
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