JP6917627B2 - 管理支援装置および管理支援方法 - Google Patents

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Description

本発明はデータ処理技術に関し、特に管理支援装置および管理支援方法に関する。
本発明者は、交換代数を適用して実物の取引を記録する手法を提案している(例えば非特許文献1参照)。
出口 弘、"トランザクションベースの経済システム学 - そのリサーチプログラムと方法論 -"、[online]、平成25年2月21日、進化経済学会、[平成27年10月10日検索]、インターネット<URL:http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~jafee/papers/Deguchi_Hiroshi2.pdf>
組織のものづくりとサービス生産を管理するための従来のシステムでは、財務会計、環境会計、マテリアルフローコスト会計、生産計画等の処理毎に独立して情報を管理していた。そのため、従来の管理システムは大規模化し、また、そのメンテナンスにも多大な手間とコストを要していた。さらに、システムの改修や改善は容易でなかった。
本発明者は、ものづくりやサービス生産等のイベントを交換代数を用いた複式簿記記述による取引情報として記録することにより、種々のイベントに関する統合的な情報管理のシステムを構築できることに想到した。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その主な目的は、ものづくりやサービス生産等の種々のイベントに関する統合的な情報管理を支援する技術を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の管理支援装置は、所定の組織で発生するイベントを構成する入力要素の数量と、イベントを構成する出力要素の数量とを含むイベント情報を受け付けるイベント受付部と、イベント受付部により受け付けられたイベント情報にしたがって、交換代数を適用して表現された取引情報であって、入力要素を貸方科目としてその数量を入力要素の計量単位で示し、出力要素を借方科目としてその数量を出力要素の計量単位で示す複式簿記記述による取引情報を記録する取引記録部と、取引記録部により記録された取引情報にしたがって、複数種類の手法による組織の管理を支援するための複数種類の支援情報を生成する情報生成部と、を備える。
本発明の別の態様は、管理支援方法である。この方法は、所定の組織で発生するイベントを構成する入力要素の数量と、イベントを構成する出力要素の数量とを含むイベント情報を受け付けるステップと、受け付けるステップで受け付けられたイベント情報にしたがって、交換代数を適用して表現された取引情報であって、入力要素を貸方科目としてその数量を入力要素の計量単位で示し、出力要素を借方科目としてその数量を出力要素の計量単位で示す複式簿記記述による取引情報を記録するステップと、記録するステップで記録された取引情報にしたがって、複数種類の手法による組織の管理を支援するための複数種類の支援情報を生成するステップと、をコンピュータが実行する。
本発明のさらに別の態様もまた、管理支援方法である。この方法は、実物単位で計られた(1)原料や労働、エネルギー、装置の投入量、(2)生産物や副産物、サービスの生産量等を示すイベント情報に基づいて、価格や技術(設備投資等)、環境制約等のシナリオを複数仮定し、価格単位や物質単位、廃棄物の評価等の軸を用いて、生産のための技術(設備投資等)や計画を評価する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、システム、プログラム、プログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、ものづくりやサービス生産等の種々のイベントに関する統合的な情報管理を支援することができる。
売上伝票の例を示す図である。 前提技術2のデータ編集装置の機能構成を示すブロック図である。 会計型データを操作するためのユーザコードの一例を示す図である。 図3のユーザコードに対応する実行コードを示す図である。 図3のユーザコードに対応する実行コードを示す図である。 レコード型データを操作するためのユーザコードの一例を示す図である。 図5のユーザコードに対応する実行コードを示す図である。 図5のユーザコードに対応する実行コードを示す図である。 データ編集装置の動作を示すフローチャートである。 取引情報と組織管理プロセスとの関係を模式的に示す図である。 実施の形態の企業システムの構成を示す図である。 図9の管理支援装置の機能構成を示すブロック図である。 塗装済製品を製造するプロセスを模式的に示す図である。 多元簿記のテーブル表現例を示す図である。 多元簿記のテーブル表現例を示す図である。 BOMの例を示す図である。 サービスフロー情報の例を示す図である。
(前提技術1)
本発明の実施の形態の構成を説明する前に、本実施の形態の前提となる交換代数について説明する。
本発明者は、以下に示す2つのデータ構造により、企業等の組織における8〜9割のデータを表現することができると考えた。
1.多分類数値型(以下、「会計型データ」とも呼ぶ。)
データの値とデータの属性(以下、「基底」とも呼ぶ。)の組み合わせであり、データの値として数値が用いられ、データの属性として名称・単位・時間・主体が用いられる。例えば、40<現金,円>+30<ミカン,個>・・・と表現される。
2.多分類混合型(以下、「レコード型データ」とも呼ぶ。)
データの値と基底の組み合わせであり、データの値および基底には数値や数値以外の様々なリテラルが用いられる。例えば、55<年齢>+山田太郎<名前>+津軽<好きな果物>・・・と表現される。
以下では、主に会計型データについて詳細に説明する。
会計型データは、何らかの分類された項目ごとに与えられた数値データをまとめて表現し、その上で演算を行うための代数系(以下、「交換代数」とも呼ぶ。)に属するものであり、交換代数データとも言える。会計型データにおける基底(すなわち分類項目)は、<名称,単位,時間,主体>と4つの項目からなる。データは、1以上の基底に対する値の組み合わせ、言い換えれば、1以上の基底に対する値の和で表現される。
例1:x=200<リンゴ,円,#,#>+400<さんま,円,#,#>
例2:y=200<リンゴ,円,2006年第1四半期,#>+400<リンゴ,円,2006年第2四半期,#>+720<リンゴ,円,2006年第3四半期,#>
上記の例1では時間と主体が省略されており、例2では主体が省略されている。例2は時系列データが表現されたものとも言える。また基底の主体には企業名等の組織の識別情報が設定されてもよい。
交換代数による表現のメリットとして、様々な基底(分類)を用いてデータを表現できること、またプログラムコードではなく人間に解釈容易な文字で基底を表現できることが挙げられる。さらにまた、後述するように振替という演算による統一的なデータ編集が可能になる。
前提技術の交換代数では、マイナスの数値の代わりに^(ハット)という記号を用いる。例えばx=20^<リンゴ,#,#,#>はリンゴが20減ることを示す。言い換えれば、^はある項目に対して相殺すべき反対項目を意味する基底を示す。また相殺操作を表す作用素(オペレータ)として「〜(バー)」を導入する。以下例を示す。
x1=30<現金>+20<リンゴ>+50<負債>
y1=^x1=30^<現金>+20^<リンゴ>+50^<負債>
〜(y1+x1)=(30^<現金>+20^<リンゴ>+50^<負債>)+(30<現金>+20<リンゴ>+50<負債>)=0
次に、交換代数による振替え操作について説明する。簿記では振替という操作がある。これは一種の分類替え(基底変換)の操作と言える。ここでは、図1の(a)に示す八百屋の売上伝票を図1の(b)に示す売上伝票へ振替える例を示す。
図1の(a)および(b)で示す取引は円表示で以下のように表現できる。
x1=200<現金,円>+100^<リンゴ,円>+100<利益,円>
x2=50<光熱費,円>+50^<現金,円>
x3=100^<利益,円>+100<営業収益,円>
x4=50^<営業収益,円>+50^<光熱費,円>
y=x1+x2+x3+x4=(200<現金,円>+100^<リンゴ,円>+100<利益,円>)+(50<光熱費,円>+50^<現金,円>)+(100^<利益,円>+100<営業収益,円>)+(50^<営業収益,円>+50^<光熱費,円>)
〜y=150<現金,円>+100^<リンゴ,円>+50<営業収益,円>
次に、振替え操作と見なすアグリゲーション(合併)と按分について説明する。
1.アグリゲーション
300円の津軽と200円の富士と100円の紅玉(いずれもリンゴの1品種)があったとする。これを、x=300<津軽,円>+200<富士,円>+100<紅玉,円>と表現する。この津軽・富士・紅玉を「リンゴ」とまとめて分類する操作も一種の振替であり、アグリゲーションとよぶ。なお前提として{津軽,富士,紅玉}-->{リンゴ}という対応関係のマップが与えられている必要がある。
この例では上記の対応関係のマップにしたがって、F(x)=300^<津軽,円>+200^<富士,円>+100^<紅玉,円>+300<リンゴ,円>+200<リンゴ,円>+100<リンゴ,円>、という元を生成する。基底<リンゴ>の値は、集約対象の基底<津軽>、<富士>、<紅玉>のそれぞれに対する値である。言い換えれば、集約対象の基底<津軽>、<富士>、<紅玉>のそれぞれに対する値の集計値が、基底<リンゴ>の値として算出される。
アグリゲーションを表す振替G(x)は、F(x)を用いて、〜{x+F(x)}で与えられる。すなわち、G(x)=〜{x+F(x)}=(300<津軽,円>+200<富士,円>+100<紅玉,円>)+(300^<津軽,円>+200^<富士,円>+100^<紅玉,円>+300<リンゴ,円>+200<リンゴ,円>+100<リンゴ,円>)=600<リンゴ,円>、となる。
2.按分
按分とは、1つの分類項目をさらに細かく複数の分類項目へ分割することである。例えば、アグリゲーションに示した例では基底<リンゴ>に対応する値を、津軽・富士・紅玉へ分割することを意味する。なお前提として{リンゴ}-->{津軽,富士,紅玉}の按分比率が与えられている必要があり、ここでは1:1:1であることとする。
この例では上記の按分比率にしたがって、x=600<リンゴ,円>に対して、F(x)=600^<リンゴ,円>+200<津軽,円>+200<富士,円>+200<紅玉,円>、という元を生成する。
按分を表す振替えG(x)は、F(x)を用いて、〜{x+F(x)}で与えられる。すなわち、G(x)=〜{x+F(x)}=600<リンゴ,円>+(600^<リンゴ,円>+200<津軽,円>+200<富士,円>+200<紅玉,円>)=200<津軽,円>+200<富士,円>+200<紅玉,円>、となる。
(前提技術2)
以下、前提技術1の交換代数の考え方を利用してデータ編集処理を実行する情報処理装置(以下、「データ編集装置」と呼ぶ。)について説明する。前提技術2において、ユーザは、対象がその集合に属するための必要十分条件を与えることによって集合を記述する方法である内包的記法を用いて、データの編集内容を記述する。前提技術2のデータ編集装置は、内包的記法により記述された編集内容に基づいて、集合の要素をすべて列挙することで集合を記述する方法である外延的記法で記述されたプログラムコードを出力する。そして、編集対象のデータを、交換代数に対応する形式のデータオブジェクトとしてメモリに読み込み、上記のプログラムコードを実行することによりデータの編集処理を実行する。
図2は、前提技術2のデータ編集装置10の機能構成を示すブロック図である。データ編集装置10は、データ保持部12と、コード対応関係テーブル14と、集約規則テーブル16と、按分規則テーブル18と、コード取得部20と、コード生成部22と、編集処理部24を備える。
本明細書のブロック図において示される各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。例えば、図2の各機能ブロックは、ソフトウェアとして記録媒体に格納されデータ編集装置10のハードディスクにインストールされ、データ編集装置10のメインメモリに適宜読み出されてCPUにて実行されてもよい。
データ保持部12は、編集対象となる編集前のデータと編集後のデータとを保持する記憶領域である。データ保持部12は、編集前のデータと編集後のデータのそれぞれについて、データの値と基底とを対応づけたCSV(Comma Separated Values)ファイルを保持する。例えば、CSVファイルの一行が「値,ハットの有無,名称,単位,時間,主体」となり、空白行が元(げん)の区切りを示してもよい。なおデータ保持部12は、データ編集装置10とは異なる情報処理装置、例えばデータベースサーバ内に設けられてもよいことはもちろんである。この場合、LAN・WAN・インターネット等の通信網を介して当該データベースサーバとデータ編集装置10が接続された情報処理システムが構築されてもよい。
コード対応関係テーブル14は、データの編集内容(編集操作)を内包的記法により記述するためのプログラム言語(以下、「内包的記法言語」とも呼ぶ。)と、データの編集内容を外延的記法により記述するためのプログラム言語(以下、「外延的記法言語」)との対応関係を保持する記憶領域である。前提技術2における外延的記法言語はJava(登録商標)言語であることとするが、C言語等、他のプログラム言語であってもよい。
内包的記法言語と外延的記法言語との対応関係は、例えば、内包的記法言語における編集操作を示すキーワードと、外延的記法言語におけるその編集操作を実現するためのロジックを実装したコード(関数)とを対応づけたものである。より具体的には、内包的記法言語における複数のデータから特定のデータを抽出する条件の記述は、外延的記法言語における複数のデータを逐次列挙するための繰り返し命令の記述と対応づけられる。また例えば、内包的記法言語において入力データを指定するコードと、外延的記法言語においてその入力データをメモリ内に読み込むロジックを実装したコードとを対応づけたものである。なお、対応関係の具体例は図3〜図6において後述する。
集約規則テーブル16は、アグリゲーション操作時に参照されるべき複数種類の基底の集約関係を定めた集約規則を保持する記憶領域である。集約規則は、例えば上述の{津軽,富士,紅玉}-->{リンゴ}という集約関係を定めたものである。複数種類の基底を集約する基底(上記例ではリンゴ)を以下では「集約基底」と呼ぶこととする。按分規則テーブル18は、按分操作時に参照される複数種類の基底の按分比率を定めた按分規則を保持する記憶領域である。按分規則は、例えば上述の{リンゴ}-->{津軽,富士,紅玉}という按分関係と、1:1:1という按分比率を定めたものである。
コード取得部20は、キーボード等の所定の入力装置を介してユーザにより入力されたプログラムコード(以下、「ユーザコード」とも呼ぶ。)を取得する。このユーザコードは、内包的記法言語で記述される。具体的なユーザコード例は後述する。
コード生成部22は、コード対応関係テーブル14に保持された対応関係にしたがって、ユーザコードから、ユーザコードに記述されたデータ編集内容が外延的記法言語で記述されたプログラムコード(以下、「実行コード」とも呼ぶ。)を生成する。前提技術2における実行コードはJavaバイトコードであることとする。具体的には、ユーザコードに対応するJavaソースコードを生成し、そのソースコードをコンパイルすることによりJavaバイトコードを生成する。具体的な実行コード例は後述する。
編集処理部24は、コード生成部22において生成された実行コードにしたがって、データ保持部12に保持された編集対象のデータを編集する。編集処理部24は、データ読込部26とデータ編集部28と編集結果出力部30を含む。なお、実行コードが所定の実行エンジンにおいて実行されることにより、編集処理部24(データ読込部26〜編集結果出力部30)の機能が実現されてもよいことはもちろんである。例えば、実行コードがJavaバイトコードの場合、実行エンジンはJVM(Java Virtual Machine)となる。
データ読込部26は、データ保持部12から編集対象のデータを読み込み、そのデータから、データの値と基底とが対応づけられたデータオブジェクトをメモリ上に生成する。データ編集部28は、データ読込部26において生成されたデータオブジェクトに対する操作を実行して編集結果のデータを設定する。編集結果出力部30は、データ読込部26において設定された編集結果のデータをCSVファイルとして記録し、データ保持部12へ格納する。
図3は、会計型データを操作するためのユーザコードの一例を示す。以下のコード例では、左端に行番号を示しており、その行番号によりコードの位置を適宜示す。図3では、編集対象データとして、200<現金>+100<小麦>という元と、200<現金>+200<大豆>という元を含む集合Cが指定されている。ここでは説明の簡明化のため編集対象データを直接入力しているが、典型的には入力ファイルとしてのCSVファイルの名称や、そのCSVファイルにおける入力データの記述位置が指定されることにより入力データを示すデータオブジェクトが生成される。
図3の4行目では、交換代数のプロジェクション処理、すなわち指定された基底と一致する部分要素を抽出する射影操作が指定されている。具体的には、集合Cから基底<現金>もしくは<小麦>に該当し、かつ、値が設定済という条件を充足する元を抽出して集合asetへ代入する処理が指定されている。そして5行目でaset内の元の加算処理が指定されている。asetは200<現金>、100<小麦>、200<現金>を含むため、加算結果alphaは400<現金>+100<小麦>となる。ここでは説明の簡明化のため編集結果を標準出力へ出力することとしているが、典型的には出力ファイルとしてのCSVファイルが指定されて、当該CSVファイルに編集結果(ここでは加算結果alphaの内容)が記録される。
図4(a)は、図3のユーザコードに対応する実行コードを示す。具体的には図3の2行目に応じてコード生成部22が生成する実行コードであり、データ読込部26の機能に対応する。なお、前提技術2の説明では実行コードとして便宜的にJavaソースプログラムを示す。同図では、集合Cに対応するExAlgeSetオブジェクトに、200<現金>+100<小麦>という元に対応するExAlgeオブジェクト(15〜23行目)と、200<現金>+200<大豆>という元に対応するExAlgeオブジェクト(24〜32行目)が格納されている。
図4(b)は、図3のユーザコードに対応する実行コードを示す。具体的には図3の4行目に応じてコード生成部22が生成する実行コードであり、データ編集部28の機能に対応する。同図では、集合Cに含まれる複数の元に対応するExAlgeオブジェクトを列挙するforループと、集合Dに含まれる複数の基底に対応するExBaseオブジェクトを列挙するforループとの2重ループの中で、プロジェクションメソッドが呼び出され、プロジェクション処理の結果がリストへ追加される。そして、そのリストから集合asetが設定されている。
図5は、レコード型データを操作するためのユーザコードの一例を示す。同図では、山田<name>+5<score>、田中<name>+3<score>、鈴木<name>+4<score>、佐藤<name>+2<score>、本田<name>+5<score>の5つの元を含む集合datasetが指定されている。
図5の9行目では、基底<score>に対応づけられた値が4以上の元が存在するたびに、元「1<4以上,人,#,#>」を集合asetへ代入する処理が指定されている。そして、11行目でaset内の元の加算処理が指定されている。この結果として、asetには元「1<4以上,人,#,#>」が3個含まれることになり、ret=3<4以上,人,#,#>となる。すなわちこの例は、scoreが4以上の人数を集計するものとなる。
図6(a)は、図5のユーザコードに対応する実行コードを示す。具体的には図5の2〜7行目に応じてコード生成部22が生成する実行コードであり、データ読込部26の機能に対応する。同図では、集合datasetに対応するDtAlgeSetオブジェクトに、上記5つのレコード型データの元のそれぞれに対応するDtalgeオブジェクトが格納される。レコード型データは値と基底の両方で様々なデータ型を許容するため、値と基底のそれぞれのデータ型を示す情報もDtalgeオブジェクトに設定される。
図6(b)は、図5のユーザコードに対応する実行コードを示す。具体的には図5の9行目に応じてコード生成部22が生成する実行コードであり、データ編集部28の機能に対応する。同図では、集合datasetに含まれる複数の元に対応するDtAlgeSetオブジェクトを列挙するforループの中で、基底<score>に対応する値が4以上の場合に、元「1<4以上,人,#,#>」がリストへ追加される。そして、そのリストから集合asetが設定されている。
なおユーザコードにアグリゲーション命令(関数)が設定された場合、コード生成部22は、集約規則テーブル16に保持された集約規則を参照して、まず簿記の記載に対応するオブジェクト(以下、「中間オブジェクト」とも呼ぶ。)を設定する実行コードを生成する。具体的には、集約対象の複数のデータの集計値を算出し、その集計値と集約基底とを対応づけたデータと、集約対象の複数のデータそれぞれの値を差し引くことを示すデータ(すなわち集約対象の複数のオリジナルデータにハット属性を付加したデータ)とを加算する元を示すオブジェクトを、中間オブジェクトとして設定する実行コードを生成する。この中間オブジェクトは、前提技術1のアグリゲーションで示したF(x)に対応する。
そしてコード生成部22は、集約対象の複数のオリジナルデータが加算される元を示すオブジェクトと中間オブジェクトとを加算する、言い換えれば、集約対象の複数のオリジナルデータとそれらのデータにハット属性を付加したデータとを相殺することにより、集約対象の複数のデータの集計値と集約基底とを対応づけたデータを、集計結果のオブジェクトへ格納する実行コードを生成する。この実行コードは、前提技術1のアグリゲーションで示した〜(x+F(x))に対応するコードである。なおコード生成部22は、中間オブジェクトの内容を所定のファイルへ出力する実行コードをさらに生成してもよい。この態様によると、中間オブジェクトの内容をユーザへ提示することにより、効率的なデバッグを支援するとともに、簿記の振替計算に利用可能な情報をユーザへ提供できる。
またユーザコードに按分命令(関数)が設定された場合、コード生成部22は、按分規則テーブル18に保持された集約規則を参照して、アグリゲーション時と同様にまず中間オブジェクトを設定する実行コードを生成する。具体的には、按分対象のデータの値を按分比率にしたがって按分し、按分した値と按分先の各基底とを対応づけたデータと、按分対象のオリジナルデータにハット属性を付加したデータとを加算する元を示すオブジェクトを、中間オブジェクトとして設定する実行コードを生成する。この中間オブジェクトは、前提技術1の按分で示したF(x)に対応する。
そしてコード生成部22は、按分対象のオリジナルデータの元を示すオブジェクトと中間オブジェクトとを加算する、言い換えれば、按分対象のオリジナルデータとそのデータにハット属性を付加したデータとを相殺することにより、按分した値と按分先の各基底とを対応づけたデータを、按分結果のオブジェクトへ格納する実行コードを生成する。この実行コードは、前提技術1の按分で示した〜(x+F(x))に対応するコードである。なおコード生成部22は、アグリゲーションと同様に、中間オブジェクトの内容を所定のファイルへ出力する実行コードをさらに生成してもよい。
以上の構成による動作を以下説明する。
図7は、データ編集装置10の動作を示すフローチャートである。まずユーザは、内包的記法言語を用いてデータの編集内容を内包的記法により記述し、そのプログラムコードを指定したデータの編集指示をデータ編集装置10へ入力する。データ編集装置10が所定の入力装置を介してデータの編集指示を受け付けた場合(S10のY)、データ編集装置10のコード取得部20は、ユーザにより入力されたプログラムコードをユーザコードとして取得する(S12)。コード生成部22は、コード対応関係テーブル14に保持されたユーザコードと実行コード間の対応関係にしたがって、ユーザコードから実行コードの生成処理を開始する(S14)。
ユーザコードにアグリゲーション命令や按分命令等の振替え命令が存在する場合(S16のY)、コード生成部22はその振替え命令に応じた相殺処理のための中間オブジェクトの出力命令を実行コードへ設定する(S18)。ユーザコードに振替え命令がなければ(S16のN)、S18をスキップする。編集処理部24は、生成された実行コードにしたがって編集対象データに対する編集処理を実行する(S20)。例えば、データ読込部26は、データ保持部12の入力データ格納用のCSVファイルから、ユーザコードおよびユーザコードから生成された実行コードにおいて指定された編集対象のデータを読み込みデータオブジェクトを生成する。そしてデータ編集部28は、生成されたデータオブジェクトに対して実行コードにて指定された編集操作(基底に基づく射影操作・アグリゲーション操作・按分操作等)を実行し、編集結果を示すデータオブジェクトを生成する。編集結果出力部30は、編集処理部24による編集結果、例えばデータ編集部28により生成された編集結果を示すデータオブジェクトの内容(属性値等)を、データ保持部12の編集結果格納用のCSVファイルへ出力する(S22)。データ編集装置10がデータの編集指示を受け付けなければ(S10のN)、S12以降はスキップされる。
前提技術2のデータ編集装置10によれば、従来RDBで扱われていたデータを、会計型データに対応するデータオブジェクト、もしくは、レコード型データに対応するデータオブジェクトとして表現することができる。これにより、コンピュータ上におけるデータオブジェクト表現の標準化を支援することができる。また、編集対象のデータの蓄積においてRDBのような複雑な仕組みを必要とせず、可視性の高いCSVファイルで蓄積することができる。
またデータ編集装置10によれば、ユーザはデータの編集内容を内包的記法言語で記述できるため、データの編集内容を正しく理解しているユーザであれば、実際にコンピュータを動作させるための外延的記法言語について理解していなくても、正しいデータ編集を実現させることができる。またデータ編集装置10では編集対象のデータが値と基底との組み合わせとして保持されるため、ユーザは内包的記法を用いることで、規定に基づく編集内容を容易に記述することができる。また内包的記法はコンピュータに依存せず、データ編集の仕様を反映するものであるため、ユーザは正しい仕様記述を行えば、正しいデータ編集を実現させることができる。例えば、forループ等を意識せずに、ユーザはデータの編集内容を仕様通りに記載すればよい。したがって、ユーザコードへのバグの混入を低減させることができ、言い換えれば、バグの発生箇所をデータそのもののバグに限定させやすくなる。例えば、会計型データの操作においては、アグリゲーションや按分等、様々な振替処理をロバストに記述することができる。
またデータ編集装置10によれば、データの基底に基づいて値の編集処理が行われることにより、データの形式(スキーマ)に変更があった場合でも、その影響範囲を限定することができる。例えば、編集対象のデータを格納したテーブルにおいてカラムの入れ替えが発生しても、ユーザコードにおける編集ロジックへの影響を排除することができる。
またデータ編集装置10によれば、アグリゲーションや按分等の振替処理の規則がプログラムコード外のテーブルに保持されるため、規則に変更が生じてもテーブルのデータを変更すればよく、プログラムコードへの影響を排除できる。
変形例として、データ編集装置10は振替規則テーブルをさらに備えてもよい。振替規則テーブルは、振替操作(ここではアグリゲーションや按分を伴わない基底の変換操作であることとする)において参照されるべき振替規則を保持する記憶領域である。振替規則は、振替元の基底と振替先の基底とを対応づけたデータである。コード生成部22は、ユーザコードに振替命令が設定された場合、振替規則テーブルに保持された振替規則を参照して、中間オブジェクトF(x)を設定する実行コードを生成する。例えば、x=数値A<振替元の基底>の場合、F(x)=数値A^<振替元の基底>+数値A<振替先の基底>となる。そしてコード生成部22は、〜(x+F(x))に対応した実行コードを生成する。当該コードの実行結果として、上記の例では、数値A<振替元の基底>が、数値A<振替先の基底>に変換されることになる。
(実施の形態)
近年、M2M(Machine To Machine)、IoT(Internet Of Things)、IoE(Internet Of Everything)等の技術革新を受け、サイバーフィジカル空間上でのものづくりやサービス構築に関して、新たな産業インフラのアーキテクチャデザインが必須となっている。ここでは、物的勘定とサービス勘定を用いて交換代数で記述された代数的多元簿記(Algebraic Multi-dimensional Bookkeeping System:AMBS)を基軸として、生産やサービス提供のシステムに関する諸情報を統合的に扱う生産支援システムの構築を提案する。
IoE時代の生産システム・サービス提供システムについて、「インダストリー4.0」で構想されているようなトップダウンのシステムとして工場のフランチャイズ化が進むシナリオがある。これに対し、本実施の形態で提案する生産支援システムは、改善が常に可能、ボトムアップ的、自律分散協調的であるという特徴を有する。
(実施の形態の概要説明)
IoEといわれる時代において、自律性の高い人・モノ・ソフトウェア等のエージェントが相互に結びついて、モノの生産や、サービスのワークフローを組織の内部および組織の壁を越えて、管理(設計・実装・保守を含む)することの必要性が高まっている。現状、その管理を支援する情報システムは、データベースソリューションの延長上で設計されており、会計や原価管理、生産計画、在庫管理、環境管理等の各種処理について、それぞれ別個に情報を管理していた。
また、各処理が情報連携し、生産計画、原価計算、マテリアルコストフロー会計等を統合的に実行するためには、複雑なシステム実装や運用が必要であった。例えば、データベースの情報とERPソフトの情報を関連づけたシステム運用が必要であった。また例えば、別々に登録されたデータを相互に関係づけて運用することが求められた。その結果、システムは大規模になり、そのメンテナンスにも大きな手間とコストを要し、さらにシステムの絶えざる改修や改善は容易でなかった。さらにまた、サブライチェーンや外注関係を利活用したシステムの構築には、インダストリー4.0のように、ものづくりに対する統合システム(例えばERP)の導入が想定されている。だが、このようなシステムは、企業等の競争力の源泉の一つである、後付け的な改善の継続を前提とした物作りのマネージメントを難しくすることがある。
実施の形態では、簿記の抽象化である交換代数を用い、実物勘定・サービス勘定を勘定基底とする代数表現を用いた代数的多元簿記を用いることによって、ものづくりやサービス生産における一貫した統合的な生産管理のシステムを構築する。このシステムは、組織活動を示すプロセス(例えば完成品の生産プロセス等)を構成する個々のタスクを、代数的多元簿記記述により取引形式で記録したデータを共通のソースとして、財務会計、原価管理、環境管理、マテリアルフローコスト会計、調達管理、生産計画等を支援するための複数種類の情報を求める。
実施の形態では、モノやサービスの生産・提供等のタスクをイベントとして、各イベントを、実物勘定・サービス勘定を用いた多元簿記である実物簿記を用いて取引(トランザクション)形式で記録する。言い換えれば、交換代数を基盤として、管理対象組織のトランザクションを記述する。具体的には、タスク遂行結果のモノ、サービス、副産物と、タスクに投入するサービスや原材料等を含む構成情報を実物単位を用いて複式簿記記述(言い換えれば仕訳形式)による取引情報として記録する。
タスクの構成情報記述は、複式でかつ実物勘定・サービス勘定を用いて取引量を測定している。それゆえ、金額的にゼロ評価の環境情報も、また金額評価では分からない投入資材の分量や投入サービスの所要時間、機械の稼働時間も情報として容易に記述できる。また、製造における材料や仕掛品(マテリアル)の投入を示す情報だけでなく、その製造に関わる人的サービスやファブリケーションサービスの投入も、タスクイベントでの多元簿記情報として記述することができる。
以下、モノの生産・製造のタスク(イベントと同義)を「モノ生産タスク」とも呼び、サービスの生産・遂行のタスクを「サービスタスク」とも呼ぶ。複数のタスクの遂行順序を半順序関係として結んだ、単品生産(仕掛品の製造も含む)やサービスのプロジェクト(クリティカルパス)自体は、通常、タスク実行の順序関係(半順序となる)とそれぞれのタスクの遂行時間の情報で表現される。この製造やサービス遂行のクリティカルパス自体も、実物簿記での個々のタスクのトランザクションに含まれる。
そのため、あるモノ生産タスクやサービスタスク(例えば完成品のモノ生産タスク)から、前段階のタスクへ次々に遡ることで、製造やサービス遂行のためのタスク順序を構築することができる。同様に、モノやサービスの投入プロセスを階層的に示したBOM(Bill Of Materials、「部品表」、「部品展開表」とも呼ばれる)や、BOMを拡張したサービス展開表であるBOS(Bill Of Services)を構築できる。なお前段階のタスクは、例えば仕掛品やサービス途上の状態を示すタスクであり、以下「仕掛タスク」とも呼ぶ。
また、生産やサービス遂行のクリティカルパスを構成するそれぞれの仕掛タスク遂行における投入サービスの所要時間や機械の稼働時間から、生産指示やスケジューリングのための稼働情報を得ることができる。また、これらから生産指示書の作成に必要な情報であり、生産機械やサービス人員などの資源をモノ生産タスクやサービスタスクへ割当てるために必要な管理情報を抽出することができる。さらにまた、サービスや機械の投入に関するリソースの総量が別途与えられれば、生産スケジューリングのガントチャートのような生産スケジューリング情報も作成できる。なお本発明者は、特願2011−104944において、生産スケジューリング情報を提案している。
ここまで説明したように、実物簿記を用いた取引情報から、複数の手法による組織管理を支援するための複数種類の支援情報を生成できる。図8は、元データとしての取引情報と、組織管理プロセスとの関係を模式的に示す。本図の取引情報は、組織の生産プロセスを構成する複数のモノ生産タスク、サービスタスクに対応する複数のトランザクションデータである。また、本図の「パラメータと処理」欄では、パラメータ(例えば取引情報とは独立して外部から与えられるデータ)を網掛けの角丸四角で示し、データ処理を楕円で示している。
取引情報には、組織活動(図8の例では生産プロセス)における入力要素および出力要素についての情報が、捨象されることなく、代数的多元簿記の記述でそのまま記録される。ここで入力要素は、モノやサービスを生産するために投入(利用)される原料や仕掛品、装置、サービスを意味する。また出力要素は、イベントの結果として生産されるモノやサービスを意味する。このような交換代数を適用した取引情報を一元的なソースとして代数的なオペレーションを実行することにより、複数の手法による組織の管理を支援するための複数種類の情報(以下「管理支援情報」と呼ぶ。)を提供できる。例えば、財務会計を支援するための原価情報を取引情報から抽出して、財務会計システムへ提供できる。また、マテリアルフローコスト会計を支援するための副産物(鉄屑等)の生産に要する資源データを取引情報から生成して、マテリアルフローコスト会計システムへ提供できる。
(実施の形態の詳細説明)
以下、製造業の企業に構築された情報処理システムである企業システムを例として説明するが、実施の形態に記載の技術は、製造業に限らず、様々な業種の企業や団体、公的機関における情報管理に適用可能である。図9は、実施の形態の企業システム100の構成を示す。企業システム100は、管理支援装置102、担当者端末104、会計システム106、生産管理システム108を備える。各装置の物理的な台数に制限はない。
会計システム106は、企業の財務会計やマテリアルフローコスト会計のためのデータ処理を実行する。例えば、財務会計やマテリアルフローコスト会計のための文書(財務諸表等)を作成する。生産管理システム108は、原料の調達計画、また仕掛品および完成品の生産計画や生産管理のためのデータ処理を実行する。例えば、BOMに基づいて生産計画文書を生成する。担当者端末104は、企業の業務担当者により操作される情報端末であり、例えばPCやタブレット端末、スマートフォン等である。
管理支援装置102は、実物・サービス勘定を用いた多元取引記述によって「もの」と「サービス」を統合的に管理する情報処理装置である。本実施の形態では、管理支援装置102にて実現される、ものづくりとサービス生産に関するデータ処理技術を主に説明する。
管理支援装置102は、担当者端末104から入力された企業活動を示す情報(以下「イベント情報」と呼ぶ。)を複式簿記形式の取引情報として記憶する。管理支援装置102は、その取引情報を共通のソースとして、会計システム106および生産管理システム108による企業管理のためのデータ処理を支援する複数種類の管理支援情報を生成する。そして、複数種類の管理支援情報を会計システム106および生産管理システム108へ提供することにより、会計システム106および生産管理システム108による企業管理の正確性や効率性、保守性等を向上させる。
図10は、図9の管理支援装置102の機能構成を示すブロック図である。管理支援装置102は、制御部110、記憶部112、通信部114を備える。制御部110は、各種データ処理を実行する。記憶部112は、制御部110により参照され、また更新されるデータを記憶する記憶領域である。通信部114は、各種の通信プロトコルにしたがって外部装置と通信する。制御部110は、通信部114を介して、担当者端末104、会計システム106、生産管理システム108とデータを送受する。
例えば、制御部110内の各機能ブロックに対応するモジュールを含むコンピュータプログラムが、DVD等の記録媒体に格納されて管理支援装置102のストレージへインストールされてもよい。そして管理支援装置102のプロセッサが、そのプログラムを適宜メインメモリへ読出して実行することにより、制御部110内の各機能ブロックの機能が発揮されてもよい。記憶部112内の各機能ブロックは、管理支援装置102のメインメモリやストレージがデータを記憶することにより実現されてもよい。
記憶部112は、基底情報保持部120、取引情報保持部122、パラメータ保持部124、支援情報保持部126を含む。基底情報保持部120は、イベントを構成する複数の要素(すなわち入力要素と出力要素)のそれぞれに対して付与すべき基底に関する情報を保持する。例えば、要素の名称と基底のデータ(例えば<塗装済完成品,個,#,#>)とを対応付けて保持する。また基底情報保持部120は、各基底が、複式簿記における貸方科目に該当するか、借方科目に該当するか、を定めた情報を保持する。また、要素が入力要素である場合に基底に「^」(ハット)を付与するか否か、要素が出力要素である場合に基底に「^」を付与するか否か、さらに「^」の有無毎に貸方科目と借方科目のいずれに該当するかを定めた情報を保持する。
取引情報保持部122は、後述の取引記録部132により生成された取引情報を保持する。取引情報は、企業で発生するイベントへの入力要素を貸方科目に対応付けて、入力要素の数量を入力要素の計量単位で示した複式簿記記述の情報である。また取引情報は、イベントの出力要素を借方科目に対応付けて、出力要素の数量を出力要素の計量単位で示した複式簿記記述の情報である。取引情報は実際には複式簿記を抽象化した交換代数のデータである。なお取引情報は、イベントの構成要素を仕訳形式で示す情報とも言える。
パラメータ保持部124は、取引情報から管理支援情報を生成する際に参照されるパラメータ情報を保持する。パラメータ情報は、イベントを構成する各要素の価格や資源制約情報を含む。資源制約情報は、例えば、労働者の人数やマシンの台数、労働者やマシンの稼働時間の上限値等を示す情報である。パラメータ情報は、取引情報を管理支援情報へ変換するための基準や変数を定めた情報とも言える。なお、パラメータ情報は、企業の担当者により任意のタイミングで設定され、典型的には、管理支援情報の生成前に最新のパラメータが設定される。
支援情報保持部126は、後述の支援情報生成部134により生成された複数種類の管理支援情報を保持する。
制御部110は、イベント受付部130、取引記録部132、支援情報生成部134、支援情報提供部136を含む。イベント受付部130は、企業で発生するイベントを構成する入力要素の数量と、イベントを構成する出力要素の数量とを含むイベント情報を担当者端末104から受け付ける。例えばイベント情報は、(1)各要素の名称、(2)各要素が入力要素か出力要素かを示す情報、(3)各要素の数量、を含む。
取引記録部132は、イベント受付部130によりイベント情報が受け付けられた場合に、イベント情報が含む複数の要素のそれぞれについて、基底情報保持部120に保持された基底のうち要素に対応する基底を識別する。そして、要素毎に、その数量に基底(または基底および「^」)を付加した項を生成し、要素毎の項を「+」で連結した交換代数データ(前提技術の会計型データ)を取引情報として生成する。取引記録部132は、生成した取引情報を取引情報保持部122へ格納する。
支援情報生成部134は、取引情報保持部122に格納された取引情報と、パラメータ保持部124に格納されたパラメータ情報にしたがって、複数種類の手法による前記組織の管理を支援するための複数種類の支援情報を生成する。詳細は後述するが、複数種類の支援情報は、財務会計を支援する情報、マテリアルフローコスト会計を支援する情報、調達計画や生産計画の策定を支援する情報を含む。支援情報生成部134は、生成した複数種類の支援情報を支援情報保持部126へ格納する。支援情報提供部136は、支援情報保持部126に格納された複数種類の支援情報のそれぞれを、会計システム106または生産管理システム108へ送信する。
支援情報生成部134は、毎月1日や、10日おき等、予め定められたタイミングにて定期的に、最新のイベント情報やパラメータ情報にしたがって管理支援情報を生成し、また更新してもよい。また支援情報生成部134は、担当者端末104、会計システム106、生産管理システム108からの要求に応じて管理支援情報を生成してもよい。また、最新のイベント情報が入力されたことを契機に管理支援情報を生成してもよい。支援情報提供部136は、予め定められたタイミングにて定期的に最新の管理支援情報を送信してもよい。また、管理支援情報が更新されたことを検出した場合に最新の管理支援情報を送信してもよい。また、担当者端末104、会計システム106、生産管理システム108からの要求に応じて管理支援情報を送信してもよい。
なお、イベント情報はCSVファイルに記録されて管理支援装置102へ入力されてもよい。また取引情報も、取引情報保持部122に対応するCSVファイルに記録されてもよい。また、取引記録部132および支援情報生成部134が取引情報を処理する場合、取引情報はJavaオブジェクトとしてメモリ内に展開されてもよい。
以上の構成による動作を説明する。
1.多元簿記による生産タスクおよびサービスタスクの記録:
ここでは、完成品としての塗装済製品を製造する一連のプロセス(プロジェクト)を考える。具体的には、塗装済製品の製造パスを構成する個々のタスクを製造イベントとして、実物勘定・サービス勘定を用いた複式の取引として特徴付ける。すなわち、モノの生産やサービスの遂行の単位としてのタスクを、生産やサービスに関するプロジェクト遂行の単位となるイベントとして認識し、そのイベントを実物勘定およびサービス勘定を用いたトランザクションとして記録する。
図11は、塗装済製品を製造するプロセスを模式的に示す。具体的には、鉄板材と銅板材の購買を出発点として、それらを原料として切削加工することで銅板切削加工仕掛品と鉄板切削加工仕掛品を生産する。次に、その2つの仕掛品をプレス加工によって、1つのプレス成形仕掛品を生産する。最後に、プレス成形仕掛品に塗装を施すことで塗装済製品を生産する。この塗装済製品は、さらに大きなサプライチェーンの中では部品となるものであるが、今想定する企業の生産プロセスの中では最終製品と見なされる。
図11で示すように塗装済製品を生産する一連のプロセスは、鉄板切削加工仕掛品生産、銅板切削加工仕掛品生産、プレス成型仕掛品生産、塗装済製品生産の4つのイベント(タスク)で構成される。企業の担当者は、これら4つのイベント情報を担当者端末104から管理支援装置102へ入力する。これらのイベント情報では、入力要素と出力要素の数量が各要素の計量単位(すなわち価格換算されていない単位であり、通常の計量時に使用される単位)で記述される。
例えば、鉄板切削加工仕掛品生産のイベント情報では、入力要素として鉄材20Kgと切削加工サービス2時間が定められ、出力要素として鉄切削加工仕掛品1個と鉄屑5Kgが定められる。また、銅板切削加工仕掛品生産のイベント情報では、入力要素として銅材8Kgと切削加工サービス1時間が定められ、出力要素として銅切削加工仕掛品1個と銅屑2Kgが定められる。また、プレス成形仕掛品生産のイベント情報では、入力要素として鉄板切削加工仕掛品1個、銅板切削加工仕掛品1個、プレス加工サービス1時間が定められ、出力要素としてプレス成形仕掛品1個が定められる。また、塗装済製品生産のイベント情報では、入力要素としてプレス成形仕掛品1個、塗料2Kg、塗装サービス1時間が定められ、出力要素として塗装済製品1個が定められる。
管理支援装置102のイベント受付部130がこれらのイベント情報を受け付けると、取引記録部132は、各イベント情報を実物勘定を用いて交換代数で表現した取引情報を記録する。具体的には、入力要素と出力要素のそれぞれに、基底情報保持部120に記憶された、各要素の名称および入出力種類に対応する基底を付加した取引情報を記録する。ここで記録される取引情報は、物的材料資源制約の視点からの取引記述であり、以下「モノ取引情報」と呼ぶ。
上記4つのイベントに対応する4つのモノ取引情報A1〜A4を示す。
(A1)鉄板切削加工仕掛品生産のイベントに対応する取引情報:
x[鉄板切削加工仕掛品生産]
=1<鉄板切削加工仕掛品,個,#,#>
+5<鉄屑,Kg,#,#>
+20^<鉄材,Kg,#,#>
+2^<切削加工サービス,時間,#,#>
これは、鉄版材20Kgを原料として切削加工を2時間実施すると、鉄板切削加工仕掛品1個と副産物としての鉄屑5Kgが生産されるという取引を示している。図12は、多元簿記のテーブル表現例を示す。同図は、鉄板切削加工仕掛品生産の取引情報をテーブル形式で示している。複式簿記の観点では、入力要素の鉄材と切削加工サービスが貸方に該当し、出力要素の鉄切削加工仕掛品と鉄屑が借方に該当する。借方と貸方は実物記述の段階ではバランスしないが、金銭評価に置き換えると、利益や損失を含めてバランスする。
(A2)銅板切削加工仕掛品生産のイベントに対応する取引情報:
x[銅板切削加工仕掛品生産]
=1<銅板切削加工仕掛品,個,#,#>
+2<銅屑,Kg,#,#>
+8^<銅材,Kg,#,#>
+1^<切削加工サービス,時間,#,#>
これは、銅板材8Kgを原料として切削加工を1時間実施すると、銅板切削加工仕掛品1個と副産物としての銅屑2Kgが生産されるという取引を示している。
(A3)プレス成形仕掛品生産のイベントに対応する取引情報:
x[プレス成形仕掛品生産]
=1<プレス成形仕掛品,個,#,#>
+1^<鉄板切削加工仕掛品,個,#,#>
+1^<銅板切削加工仕掛品,個,#,#>
+1^<プレス加工サービス,時間,#,#>
これは、鉄板切削加工仕掛品1個と銅板切削加工仕掛品1個に対してプレス加工を1時間実施すると、プレス成形仕掛品1個が生産されるという取引を示している。
(A4)塗装済製品生産のイベントに対応する取引情報:
x[塗装済製品生産]
=1<塗装済製品,個,#,#>
+1^<プレス成形仕掛品,個,#,#>
+2^<塗料,Kg,#,#>
+1^<塗装サービス,時間,#,#>
これは、プレス成形仕掛品1個と塗料2Kgを原料として塗装サービスを1時間実施すると、塗装済製品1個が生産されるという取引を示している。
これら4つのモノ取引情報では、原料あるいは仕掛品を中心とした生産加工イベントが、実物勘定を用いた多元簿記によるトランザクションとして記述される。これは製造タスクをPOE(Point Of Event)データとして認識し、それを複式の多元簿記で記述した形となっている。モノ取引情報は、(1)マテリアルや仕掛品の投入、(2)マテリアルを加工し、また利用するサービスの投入、という2種類の投入項目(すなわち入力要素)と、(3)完成品または仕掛品の生成、(4)副産物の生成、という2種類の産出項目(すなわち出力要素)を含む取引として記述される。
本実施の形態では、マテリアルや仕掛品を実際に加工するサービスを、時間単位で計測されるサービス投入として扱う。そして、サービスを遂行するために必要な機械や人員、エネルギー等の資本財の投入や、その資本財を利用したサービスの時間制約等の産出関係を示す取引情報(以下「サービス取引情報」とも呼ぶ。)を、モノ取引情報とは別に記述し、管理する。すなわち本実施の形態では、原料等の物質の投入に関するイベントのトランザクションと、原料等の物質の加工サービスのイベントのトランザクションを区別して記述する。
ここでの事例では、(1)切削加工サービス、(2)プレス加工サービス、(3)塗装サービスが一連の製造プロセスの中で時間単位に投入される加工サービスタスクとなる。企業の担当者は、これら3つのイベント情報を担当者端末104から管理支援装置102へ入力する。これらのイベント情報も、入力要素と出力要素の数量を各要素の計量単位で示すものである。
例えば、切削加工サービスのイベント情報では、入力要素として電力2.5KWh、労働サービス0.2時間、切削装置利用サービス1時間が定められ、出力要素として切削加工サービス1時間と二酸化炭素12.9Kgが定められる。また、プレス加工サービスのイベント情報では、入力要素として電力10KWh、労働サービス1時間、プレス加工装置利用サービス1時間が定められ、出力要素としてプレス加工サービス1時間と二酸化炭素10Kgが定められる。また、塗装サービスのイベント情報では、入力要素として地下水4L(リットル)と労働サービス1時間が定められ、出力要素として塗装サービス1時間と汚染物質0.01Kgが定められる。
管理支援装置102のイベント受付部130がこれらのイベント情報を受け付けると、取引記録部132は、各イベント情報をサービス勘定を用いて交換代数で表現したサービス取引情報を記録する。具体的には、入力要素と出力要素のそれぞれに、基底情報保持部120に記憶された、各要素の名称および入出力種類に対応する基底を付加したサービス取引情報を記録する。サービス取引情報は、所要時間や資源(人員や機械等)制約の視点からの加工サービスの取引記述とも言える。
上記3つのサービスイベントに対応する3つのサービス取引情報B1〜B3を示す。これらのサービス取引情報は、ファブリケーションサービスの単位時間あたりの内訳を示す取引情報である。その一方、A1〜A4で示したモノ取引情報では、必要な時間数分のファブリケーションサービスの投入が記録される。なお、B1で示す切削加工サービスは、A1の鉄板切削加工仕掛品生産とA2の銅板切削加工仕掛品生産の両方で利用される。
(B1)切削加工サービスのイベントに対応する取引情報:
x[単位切削加工サービス]
=1<切削加工サービス,時間,#,#>
+2.5^<電力,KWh,#,#>
+12.9<CO2,Kg,#,#>
+0.2^<労働サービス,時間,#,#>
+1^<切削装置利用サービス,時間,#,#>
これは、単位時間である1時間の切削加工サービスを提供するために、2.5KWhの電力で切削加工装置を1時間稼働させ、人が0.2時間労働し、二酸化炭素を12.9Kg排出するという取引を示している。図13は、多元簿記のテーブル表現例を示す。同図は、切削加工サービスの取引情報をテーブル形式で示している。複式簿記の観点では、入力要素の電力、切削装置利用サービス、労働サービスが貸方に該当し、出力要素の切削加工サービスが借方に該当する。なお出力要素の二酸化炭素は、バッズ(マイナスの価値を有する財であり、言い換えれば負債と同じ項目の財)であるため貸方に該当する。後述のB3の汚染物質も同様である。サービス取引情報の借方と貸方も、実物記述の段階ではバランスしないが、金銭評価に置き換えると、利益や損失を含めてバランスする。なお、取引情報の記録時に、出力要素がバッズかどうかを判定できない場合は、一旦副産物として記録しておき、事後的にバッズに振替えてもよい。
また労働サービスは、0.2<労働サービス,時間,#,#>+0.2<労働債務,時間,#,#>という形で、労働債務と交換で生産された労働サービスが、切削加工サービスを生成する取引に投入されると見なしている。これは、一般的な間接経費項目として労賃を支払うことと比べると、労働サービスの投入項目を明確化した原価計算方式となっている。機械装置についても、間接経費としての減価償却費に対応して減価償却引当金を計上する減価償却の間接法(減価償却引当金を債務として計上する)に対して、ここでは1<切削装置利用サービス,時間,#,#>+1<切削装置減価償却引当金,時間,#,#>という形で切削装置利用サービスが生成され、切削加工サービスに投入されることとしている。なお、切削加工サービスそのものと、それに投入する原価項目としての切削加工装置利用サービスが別であることには留意されたい。
(B2)プレス加工サービスのイベントに対応する取引情報:
x[単位プレス加工サービス]
=1<プレス加工サービス,時間,#,#>
+10^<電力,KWh,#,#>
+10<CO2,Kg,#,#>
+1^<労働サービス,時間,#,#>
+1^<プレス装置利用サービス,時間,#,#>
(B3)塗装サービスのイベントに対応する取引情報:
x[単位塗装サービス]
=1<塗装サービス,時間,#,#>
+4^<地下水,L,#,#>
+0.01<汚染物質,Kg,#,#>
+1^<労働サービス,時間,#,#>
B1〜B3のサービス取引情報では、生産に関する材料等の物材以外の資源制約であり、例えばタスクの最大時間制約と、タスク遂行のための人員や機械装置等の資本制約が記述される。このように本実施の形態では、マテリアルの投入に係る部分(モノ取引情報)と、マテリアルの加工に必要なサービス部分(サービス取引情報)を、分離したトランザクションとして記録する。これにより、原料や仕掛品の調達や相互関係に関する情報(例えばBOM)や、加工のスケジュール等の時間に関する情報(例えば後述のサービスフロー情報)等、それぞれの制約要件を統合的に抽出できる。詳細は後述する。
2.実物取引データを中核とする諸データの導出:
既述したように、取引記録部132は、企業活動に関する諸タスクのPOEデータを、実物基底を用いて複式簿記形式の取引情報として記録する。支援情報生成部134は、記録された取引情報と、価格情報等のパラメータにもとづいて、サービス提供の管理やモノの生産の管理に必要な諸データ(すなわち管理支援情報)を抽出する。なお、パラメータは取引情報の記録時点で定められる必要はなく、管理支援情報の生成時点までに定められればよい。
2−1.財務会計情報と原価管理情報の抽出:
生産加工タスクとしての4つのPOE情報の実物勘定に基づく取引情報(A1〜A4)と、生産加工タスクで投入される3つの加工サービスタスクの取引情報(B1〜B3)を現金評価に換算することにより通常の財務会計情報と、それを用いた原価計算の基本情報が得られる。取引記録部132は、パラメータ保持部124が保持する入力要素の価格情報にしたがって、取引情報において入力要素の計量単位で示された入力要素の数量を金銭単位へ変換することにより、取引情報における出力要素の原価を示す情報を支援情報として生成し、支援情報保持部126へ格納する。
ここでは、電力料金、銅材価格、鉄材価格、労働サービス価格(言わば人件費)、切削装置利用サービス価格、プレス加工装置利用サービス価格、地下水の利用料金、塗料価格が以下のように与えられることとする。具体的には、以下に示すような、オリジナルの取引情報に含まれる多元記述(左側の項)と、現金記述(右側の項)との対応関係を定めた価格情報がパラメータ保持部124に保持される。c1〜c8は円単位の価格を示す。なお、基底情報保持部120は、以下に示す金銭単位の基底も保持し、また金銭単位の各基底が、「^」付きの場合と「^」無しの場合のそれぞれにおいて貸方科目にあたるか、借方科目にあたるかを示す情報を保持する。
T1=1<電力,KWh,#,#> −> c1<電力,円,#,#>
T2=1<銅材,Kg,#,#> −> c2<銅材,円,#,#>
T3=1<鉄材,Kg,#,#> −> c3<鉄材,円,#,#>
T4=1<労働サービス,時間,#,#> −> c4<労働サービス,円,#,#>
T5=1<切削装置利用サービス,時間,#,#> −> c5<切削装置利用サービス,円,#,#>
T6=1<プレス加工装置利用サービス,時間,#,#> −> c6<プレス加工装置利用サービス,円,#,#>
T7=1<地下水,L,#,#> −> c7<地下水,円,#,#>
T8=1<塗料,Kg,#,#> −> c8<塗料,円,#,#>
支援情報生成部134は、上記の価格情報にしたがって、以下のような振替取引データを生成する。以下の「a」は投入量、投入時間を示す。
T1(a)=a^<電力,KWh,#,#>+a×c1<電力,円,#,#>
T2(a)=a^<銅材,Kg,#,#>+a×c2<銅材,円,#,#>
T3(a)=a^<鉄材,Kg,#,#>+a×c3<鉄材,円,#,#>
T4(a)=a^<労働サービス,時間,#,#>+a×c4<労働サービス,円,#,#>
T5(a)=a^<切削装置利用サービス,時間,#,#>+a×c5<切削装置利用サービス,円,#,#>
T6(a)=a^<プレス加工装置利用サービス,時間,#,#>+a×c6<プレス加工装置利用サービス,円,#,#>
T7(a)=a^<地下水,L,#,#>+a×c7<地下水,円,#,#>
T8(a)=a^<塗料,Kg,#,#>+a×c8<塗料,円,#,#>
なお、通常の財務会計や原価計算では、汚染物質や二酸化炭素等はゼロ評価で捨象されるが、これらは環境簿記を計算するときに情報として利用できる。また、この例では、地下水は、外部調達でなく内部調達であるとして利用料金を積算する。また、労働サービスは、多能工として一律で積算している。また、銅屑や鉄屑等の副産物の情報は、マテリアルフローコスト会計で使用するが、その販売価格あるいは処理コストがゼロの場合は財務会計からは捨象できる。
ここでは簡便に、汚染物質や二酸化炭素、銅屑、鉄屑をゼロ価格として捨象することとする。支援情報生成部134は、以下のような振替取引データを生成する。
Q1(a)=a^<CO2,Kg,#,#>+0<CO2,円,#,#>
Q2(a)=a^<汚染物質,Kg,#,#>+0<汚染物質,円,#,#>
Q3(a)=a^<鉄屑,Kg,#,#>+0<鉄屑,円,#,#>
Q4(a)=a^<銅屑,Kg,#,#>+0<銅屑,円,#,#>
さらに支援情報生成部134は、原価計算の対象となるモノやサービスに関して、多元基底(すなわち物量基底)から現金基底へ振替えるための以下のような振替取引データを生成する。具体的には、取引情報におけるメインの出力要素(屑やバッズは除く)について、出力要素の単位を現金へ振替えるための振替用計算式を生成する。以下のα、β、γはそれぞれ、切削加工サービス、プレス加工サービス、塗装サービスの原価(単位時間あたりの価格)を示す。また、δ[鉄板切削]、δ[銅板切削]、δ[プレス]、δ[塗装]はそれぞれ、鉄板切削加工仕掛品、銅板切削加工仕掛品、プレス成形仕掛品、塗装済製品の原価(単位量あたりの価格)を示す。
R[切削加工サービス](a)=a^<切削加工サービス,時間,#,#>+a×α<切削加工サービス,円,#,#>
R[プレス加工サービス](a)=a^<プレス加工サービス,時間,#,#>+a×β<プレス加工サービス,円,#,#>
R[塗装サービス](a)=a^<塗装サービス,時間,#,#>+a×γ<塗装サービス,円,#,#>
R[鉄板切削加工仕掛品](a)=a^<鉄板切削加工仕掛品,個,#,#>+a×δ[鉄板切削]<鉄板切削加工仕掛品,円,#,#>
R[銅板切削加工仕掛品](a)=a^<銅板切削加工仕掛品,個,#,#>+a×δ[銅板切削]<銅板切削加工仕掛品,円,#,#>
R[プレス成形仕掛品](a)=a^<プレス成形仕掛品,個,#,#>+a×δ[プレス]<プレス成形仕掛品,円,#,#>
R[塗装済製品](a)=a^<塗装済製品,個,#,#>+a×δ[塗装]<塗装済製品,円,#,#>
支援情報生成部134は、以上の振替取引データにしたがって、モノ取引情報とサービス取引情報のそれぞれを金銭単位に変換する。
x[単位切削加工サービス:円]
=〜{x[単位切削加工サービス]+R[切削加工サービス](1)+^T1(2.5)+Q1(12.9)+^T4(0.2)+^T5(1)}
=〜{1<切削加工サービス,時間,#,#>+2.5^<電力,KWh,#,#>+12.9<CO2,Kg,#,#>+0.2^<労働サービス,時間,#,#>+1^<切削装置利用サービス,時間,#,#>
+1^<切削加工サービス,時間,#,#>+α<切削加工サービス,円,#,#>
+2.5<電力,KWh,#,#>+2.5c1^<電力,円,#,#>
+12.9^<CO2,Kg,#,#>+0<CO2,円,#,#>
+0.2<労働サービス,時間,#,#>+0.2c4^<労働サービス,円,#,#>
+1<切削装置利用サービス,時間,#,#>+c5^<切削装置利用サービス,円,#,#>}
=α<切削加工サービス,円,#,#>+2.5c1^<電力,円,#,#>+0.2c4^<労働サービス,円,#,#>+c5^<切削装置利用サービス,円,#,#>
ここで、基底「<切削加工サービス,円,#,#>」は借方科目に該当し、基底「^<電力,円,#,#>」、「^<労働サービス,円,#,#>」「^<切削装置利用サービス,円,#,#>」は貸方科目に該当し、貸方科目と借方科目はバランスする。したがって、支援情報生成部134は、単位時間(ここでは1時間)あたりの切削加工サービスの原価を次のように導出する。
α=2.5c1+0.2c4+c5
c1、c4、c5は所与の値であるため、1時間あたりの切削加工サービスの原価であるαの値が定まることになる。他のモノおよびサービスについても同様である。
具体的には、支援情報生成部134は、単位時間(ここでは1時間)あたりのプレス加工サービスおよび塗装サービスの原価を次のように導出する。
x[単位プレス加工サービス:円]
=〜{x[単位プレス加工サービス]+R[プレス加工サービス](1)+^T1(10)+Q1(10)+^T4(1)+^T6(1)}
=β<プレス加工サービス,円,#,#>+10c1^<電力,円,#,#>+c4^<労働サービス,円,#,#>+c6^<プレス加工装置利用サービス,円,#,#>
これより、β=10c1+c4+c6、が導出される。
x[単位塗装サービス:円]
=〜{x[単位塗装サービス]+R[塗装サービス](1)+^T7(4)+Q2(0.01)+^T4(1)}
=γ<塗装サービス,円,#,#>+4c7^<地下水,円,#,#>+c4^<労働サービス,円,#,#>
これより、γ=4c7+c4、が導出される。
次に支援情報生成部134は、各サービスの原価にもとづいて、仕掛品と完成品の原価を次のように導出する。
x[鉄板切削加工仕掛品生産:円]
=〜{x[鉄板切削加工仕掛品生産]+R[鉄板切削加工仕掛品](1)+Q3(5)+T3^(20)+^R[切削加工サービス](2)}
=δ[鉄板切削]<鉄板切削加工仕掛品,円,#,#>+20c3^<鉄材,円,#,#>+2α^<切削加工サービス,円,#,#>
これより、δ[鉄板切削]=20c3+2α、が導出される。すなわち鉄板切削加工仕掛品の原価として、5c1+20c3+0.4c4+2c5が導出される。
x[鉄板切削加工仕掛品生産:円]
=〜{x[銅板切削加工仕掛品生産]+R[銅板切削加工仕掛品](1)+Q4(2)+T2^(8)+^R[切削加工サービス](1)}
=δ[銅板切削]<銅板切削加工仕掛品,円,#,#>+8c2^<銅材,円,#,#>+α^<切削加工サービス,円,#,#>
これより、δ[銅板切削]=8c2+α、が導出される。すなわち銅板切削加工仕掛品の原価として、2.5c1+8c2+0.2c4+c5が導出される。
仕掛品が入力要素の場合、その仕掛品の振替取引データを「^」付きで付加することにより、仕掛品も現金に換算する。
x[プレス成形仕掛品生産:円]
=〜{x[プレス成形仕掛品生産]+R[プレス成形仕掛品](1)+^R[鉄板切削加工仕掛品](1)+^R[銅板切削加工仕掛品](1)+^R[プレス加工サービス](1)}
=δ[プレス]<プレス成形仕掛品,円,#,#>+δ[鉄板切削]^<鉄板切削加工仕掛品,円,#,#>+δ[銅板切削]^<銅板切削加工仕掛品,円,#,#>+β^<プレス加工サービス,円,#,#>
これより、δ[プレス]=δ[鉄板切削]+δ[銅板切削]+β、が導出される。すなわちプレス成形仕掛品の原価として、17.5c1+8c2+20c3+1.6c4+3c5+c6が導出される。
x[塗装済製品生産:円]
=〜{x[塗装済製品生産]+R[塗装済製品](1)+^R[プレス成形仕掛品](1)+^T8(2)+^R[塗装サービス](1)}
=δ[塗装]<塗装済製品,円,#,#>+δ[プレス]^<プレス成形仕掛品,円,#,#>+2c8^<塗料,円,#,#>+γ^<塗装サービス,円,#,#>
これより、δ[塗装]=δ[プレス]+2c8+γ、が導出される。すなわち塗装済製品の原価として、17.5c1+8c2+20c3+2.6c4+3c5+c6+4c7+2c8が導出される。
支援情報生成部134は、導出したモノおよびサービスの原価情報を支援情報保持部126へ格納する。支援情報提供部136は、所定の提供条件が満たされた場合に、モノおよびサービスの原価情報を会計システム106へ送信する。会計システム106は、モノおよびサービスの原価情報を使用して財務会計処理を実行し、種々の財務諸表を作成する。
このように、製造タスクとそれに用いられる加工サービスタスクに対する実物基底を用いた代数的多元複式記述(すなわち取引情報)は、価格情報にもとづく振替によって容易に通常の現金ベースでの記述へ変換することができる。実物基底を用いた代数的多元複式記述でイベントを記録することにより、価格変化に関するシナリオ分析も容易にでき、さらにバッズの処理価格や副産物の価格等、様々に異なるシナリオにも容易に対応できる。
これに対し、最初から現金ベースの記述にすると、ゼロ価値と評価される要素等、価格表記にそぐわない要素の情報は捨象されてしまい、また、現金ベースの記述から物的記述(実物ベースの記述)に戻ることは容易でない。これまでの複式簿記では、借方と貸方を見た目上バランスさせるために現金記述が基本であった。しかし、借方と貸方のバランスは、個々のイベント(トランザクション)に対して事後的に定義されうる。したがって、情報の源流では多元複式記述を採用する方がはるかに柔軟であり、また汎用的である。さらに多元複式記述を交換代数を用いて代数的に記述することで、テーブル形式の制約を受けることなく、様々な演算を代数的に容易に定式化して扱うことができる。また、その計算は、上流のデータから順次データフロー型で実行でき、巨大なデータベース上で複雑なテーブルの管理は不要になる。
2−2.マテリアルフローコスト会計情報の抽出
マテリアルフローコスト会計(以下「MFCA」とも呼ぶ。)は、生産プロセスにおける材料の無駄などを管理するための特殊な管理会計として近年注目を集めている。MFCAでは財務会計の原価計算とは異なる基準で製品の価値を評価する。
例えば、通常の原価計算では、無駄(例えば屑等)の部分の原価の算定等は行われない。これに対し、MFCAでは、製品の生産において屑が副産物として生じる場合に、製品と屑それぞれの原料の利用率を重量比率で求める。次にその利用率を用いて、生産に用いる諸サービス投入を、メインとなる産物の生産に用いられた分と、屑の生産に用いられた分に按分する。これにより、生産プロセスで生じる屑という無駄を、生産プロセスでのサービス投入の無駄として把握し、管理することを目的とする。すなわち、MFCAでの生産投入原価は、あくまで屑の無駄を明らかにするための戦略会計的な指標となる。
支援情報生成部134は、モノ取引情報が示すモノ(すなわちメインとなる産物)と副産物の生産比率にて、サービス取引情報が示す入力要素の数量を按分することにより、副産物の生産に使用される入力要素の数量を示す情報を管理支援情報として生成し、支援情報保持部126へ格納する。
ここでの事例では、屑が発生する鉄板切削加工仕掛品と銅板切削加工仕掛品の生産イベントについてMFCAの計算を行う。まず支援情報生成部134は、鉄板切削加工仕掛品と銅板切削加工仕掛品それぞれのモノ取引情報について、投入された原料の重量であるInput[鉄]とInput[銅]を、交換代数の射影操作とノルム演算により求める。なお、射影操作を以下「Pro」と表記する。また、ここでのノルム演算は絶対値を求める計算である。なお、イベント情報および取引情報では、各入力要素について原料であるかを示す情報と、各出力要素についてメインの産物であるか、副産物であるかを示す情報が付加されてよい。また、これらの情報は予め担当者により決定されて、取引情報保持部122に格納されてもよい。
Input[鉄]
=|Pro[^<鉄材,Kg,#,#>](x[鉄板切削加工仕掛品生産])|
=|20^<鉄材,Kg,#,#>|
=20
Input[銅]
=|Pro[^<銅材,Kg,#,#>](x[銅板切削加工仕掛品生産])|
=|8^<鉄材,Kg,#,#>|
=8
次に支援情報生成部134は、鉄板切削加工仕掛品と銅板切削加工仕掛品それぞれのモノ取引情報について、屑の重量であるwaste[鉄]とwaste[銅]を、交換代数の射影操作とノルム演算により求める。
Waste[鉄]
=|Pro[^<鉄屑,Kg,#,#>](x[鉄板切削加工仕掛品生産])|
=|5<鉄屑,Kg,#,#>|
=5
Input[銅]
=|Pro[^<銅屑,Kg,#,#>](x[銅板切削加工仕掛品生産])|
=|2^<銅屑,Kg,#,#>|
=2
次に支援情報生成部134は、投入重量と屑の重量の差から製品となった原料の重量であるproduct_use[鉄]とproduct_use[銅]を求める。
product_use[鉄]=Input[鉄]−Waste[鉄]=15
product_use[銅]=Input[銅]−Waste[銅]=6
支援情報生成部134は、原料のうち製品に使用された重量と屑に使用された重量との比率を求める。ここでは、鉄の場合に15:5となり、銅の場合に6:2になる。支援情報生成部134は、この比率をサービスに関する按分比率として識別し、鉄の場合に3/4:1/4、銅の場合も3/4:1/4を按分比率として識別する。
このケースで按分対象になるものは切削加工サービスである。支援情報生成部134は、鉄板切削加工仕掛品生産のイベントで利用される切削加工サービスを、上記の按分比率にもとづいて、鉄板切削加工仕掛品を生産するサービスと、鉄屑を生産するサービスに按分する。以下では、前者をx[鉄板切削加工サービス:製品]で示し、後者をx[鉄板切削加工サービス:屑]で示す。
まず、鉄板切削加工仕掛品生産のイベントにおける切削加工サービスの利用時間を抽出する。
利用時間[切削加工サービス]
=|Pro[^<切削加工サービス,時間,#,#>](x[鉄板切削加工仕掛品生産])|
=|2^<切削加工サービス,時間,#,#>|=2
x[鉄板切削加工サービス:製品]
=3/4×利用時間[切削加工サービス]×x[単位切削加工サービス]
=1.5x[単位切削加工サービス]
=1.5<切削加工サービス,時間,#,#>
+3.75^<電力,KWh,#,#>
+19.35<CO2,Kg,#,#>
+0.3^<労働サービス,時間,#,#>
+1.5^<切削装置利用サービス,時間,#,#> ・・・(式1)
x[鉄板切削加工サービス:屑]
=1/4×利用時間[切削加工サービス]×x[単位切削加工サービス]
=0.5x[単位切削加工サービス]
=0.5<切削加工サービス,時間,#,#>
+1.25^<電力,KWh,#,#>
+6.45<CO2,Kg,#,#>
+0.1^<労働サービス,時間,#,#>
+0.5^<切削装置利用サービス,時間,#,#> ・・・(式2)
同様に支援情報生成部134は、銅板切削加工仕掛品生産のイベントで利用される切削加工サービスを、上記の按分比率にもとづいて、銅板切削加工仕掛品を生産するサービスと、銅屑を生産するサービスに按分する。以下では、前者をx[銅板切削加工サービス:製品]で示し、後者をx[銅板切削加工サービス:屑]で示す。
まず、銅板切削加工仕掛品生産のイベントにおける切削加工サービスの利用時間を抽出する。
利用時間[切削加工サービス]
=|Pro[^<切削加工サービス,時間,#,#>](x[銅板切削加工仕掛品生産])|
=|1^<切削加工サービス,時間,#,#>|=1
x[銅板切削加工サービス:製品]
=3/4×利用時間[切削加工サービス]×x[単位切削加工サービス]
=0.75x[単位切削加工サービス]
=0.75<切削加工サービス,時間,#,#>
+1.875^<電力,KWh,#,#>
+9.675<CO2,Kg,#,#>
+0.15^<労働サービス,時間,#,#>
+0.75^<切削装置利用サービス,時間,#,#> ・・・(式3)
x[鉄板切削加工サービス:屑]
=1/4×利用時間[切削加工サービス]×x[単位切削加工サービス]
=0.25x[単位切削加工サービス]
=0.25<切削加工サービス,時間,#,#>
+0.625^<電力,KWh,#,#>
+3.225<CO2,Kg,#,#>
+0.05^<労働サービス,時間,#,#>
+0.25^<切削装置利用サービス,時間,#,#> ・・・(式4)
支援情報生成部134は、導出した式1〜式4の情報を管理支援情報として支援情報保持部126へ格納する。支援情報提供部136は、所定の提供条件が満たされた場合に、式1〜式4の情報を会計システム106へ送信する。会計システム106は、式1〜式4の情報を使用してMFCAのデータ処理を実行する。
変形例として、支援情報生成部134は、式2と式4にもとづいて、塗装済製品1個あたり0.75x[単位切削加工サービス]が屑(ここでは鉄屑および銅屑)の生産のために使用されることを示す情報を管理支援情報として生成してもよい。また電力であれば、1.875^<電力,KWh,#,#>が屑の生産のために投入されていることを示す情報を管理支援情報として生成してもよい。
さらに支援情報生成部134は、式1と式3にもとづいて、塗装済製品1個あたり2.25x[単位切削加工サービス]が製品(ここでは鉄板切削加工仕掛品および銅板切削加工仕掛品)の生産のために使用されることを示す情報を管理支援情報として生成してもよい。さらにまた電力であれば、5.625^<電力,KWh,#,#>が屑の生産のために投入されていることを示す情報を管理支援情報として生成してもよい。支援情報生成部134は、上述の原価情報生成の場合と同様に、価格データを用いて式1〜式4等を金銭評価(金銭単位)の情報へ変換してもよいことはもちろんである。支援情報提供部136は、変形例で示した管理支援情報を会計システム106へ送信してもよい。
2−3.エネルギー会計情報の抽出:
エネルギーは一般的に間接経費として計上される。しかし本実施の形態では、B1〜B3が示すサービス取引情報において、エネルギーを切削加工サービスおよびプレス加工サービスへの入力要素として扱うことにより直接原価計算を行っている。
上記事例には記載していないが、取引記録部132は、電力を用いた照明やエアコンのサービスについても、そのイベント情報にもとづいて、
a<照明サービス,lmh,#,#>+b^<電力,KWh,#,#>、
c<エアコンサービス,KWh,#,#>+c^<電力,KWh,#,#>
等のサービス取引情報を記録してもよい。これにより、(1)エアコンサービスや照明サービスを生成すること、(2)それらのサービスをさらに別のサービスの生成に投入すること、(3)それらのサービスを消費すること、を明確にでき、エネルギー利用のプロファイルを明確にすることができる。
支援情報生成部134は、上述の原価情報生成の場合と同様に、価格データを用いて、照明サービスやエアコンサービスの取引情報から原価を求め、支援情報提供部136は、その原価情報を会計システム106へ送信してもよい。これにより、会計システム106におけるエネルギー会計のデータ処理を支援できる。
2−4.BOMの作成:
生産管理では、BOMのコード体系の管理と、BOMに基づいてMRP(Materials Requirements Planning、資材所要量計画)により資材の調達計画を策定することが重要な管理事項になる。
既述したように、取引記録部132は、完成品の生産に関する入力要素と出力要素を含む取引情報であって、その入力要素に仕掛品を含むモノ取引情報(ここでは「完成品取引情報」とも呼ぶ。)を記録する。また取引記録部132は、その仕掛品の生産に関する入力要素と出力要素を含む取引情報であって、その入力要素に別の仕掛品または原料を含むモノ取引情報(ここでは「仕掛品取引情報」とも呼ぶ。)を記録する。この事例では、塗装済製品生産の取引情報(A4)が完成品取引情報に該当し、プレス成形仕掛品生産、鉄板切削加工仕掛品生産、銅板切削加工仕掛品生産の取引情報(A1〜A3)が仕掛品取引情報に該当する。
支援情報生成部134は、完成品取引情報から仕掛品の情報を抽出し、その仕掛品に関する仕掛品取引情報から別の仕掛品を抽出するように生産プロセスを遡って仕掛品を順次抽出していくことにより、管理支援情報としてBOMの情報を生成する。後述するように、生産プロセスの遡行は、入力要素から原料(鉄材や銅材等)のみが抽出された時点で終了する。
この事例では、支援情報生成部134は、取引情報保持部122に格納された複数のモノ取引情報(A1〜A4)に基づいて、以下の式を生成する。なお、イベント情報および取引情報では、各要素が、入力要素と出力要素のいずれであるかを示す情報と、完成品、仕掛品、原料、副産物のいずれであるかを示す情報とが付加されてよい。
ProjectSet={x[鉄板切削加工仕掛品生産],x[銅板切削加工仕掛品生産],x[プレス成形仕掛品生産],x[塗装済製品生産]}
このProjectSetは、塗装済製品を生産するための工程の集合を示す。
Basis_for_Product&InProcess(出力要素の集合)
={<鉄板切削加工仕掛品,個,#,#>,<銅板切削加工仕掛品,個,#,#>,<プレス成形仕掛品,個,#,#>,<塗装済完成品,個,#,#>}
Hat_Basis_for_Product&InProcess
={^<鉄板切削加工仕掛品,個,#,#>,^<銅板切削加工仕掛品,個,#,#>,^<プレス成形仕掛品,個,#,#>,^<塗装済完成品,個,#,#>}
Basis_for_ByProduct(副産物の集合)
={<鉄屑,Kg,#,#>,<銅屑,Kg,#,#>}
Hat Basis_for_ByProduct
={^<鉄屑,Kg,#,#>,^<銅屑,Kg,#,#>}
Basis_for_Material(原料の集合)
={<鉄材,Kg,#,#>,<銅材,Kg,#,#>,<塗料,Kg,#,#>}
Hat Basis_for_Material
={^<鉄材,Kg,#,#>,^<銅材,Kg,#,#>,^<塗料,Kg,#,#>}
Basis_for_Fab Service(ファブリケーションサービスの集合)
={<切削加工サービス,時間,#,#>,<プレス加工サービス,時間,#,#>,<塗装サービス,時間,#,#>}
Hat_Basis_for_Fab Service
={^<切削加工サービス,時間,#,#>,^<プレス加工サービス,時間,#,#>,^<塗装サービス,時間,#,#>}
Hat_Basis_for_Project
=Basis_for_Product&InProcess
∪ Basis_for_ByProduct
∪ Basis_for_Material
∪ Basis_for_Fab Service
∪ Hat_Basis_for_Product&InProcess
∪ Hat_Basis_for_ByProduct
∪ Hat_Basis_for_Material
∪ Hat_Basis_for_Fab Service
支援情報生成部134は、工程の順序関係(半順序)を得るために、次のオペレーションを実行する。まず、完成品生産の取引情報に対して射影操作を実行する。
1)Next to 塗装済製品生産
={Pro[a](x[塗装済製品生産])|a∈Hat_Basis_for_Product&InProcess ∪ Hat_Basis_for_Material}
={1^<プレス成形仕掛品,個,#,#>,2^<塗料,Kg,#,#>}
これは、塗装済製品生産の取引情報から、入力要素としての仕掛品および原料を抽出する射影操作である。
次に支援情報生成部134は、1)で抽出されたプレス成形仕掛品生産の取引情報に対して射影操作を実行する。
2)Next to プレス成形仕掛品生産
={Pro[a](x[プレス成形仕掛品生産])|a∈Hat_Basis_for_Product&InProcess ∪ Hat_Basis_for_Material}
={1^<鉄板切削加工仕掛品,個,#,#>,1^<銅板切削加工仕掛品,個,#,#>}
これは、プレス成形仕掛品生産の取引情報から、入力要素としての仕掛品および原料を抽出する射影操作である。
次に支援情報生成部134は、2)で抽出された鉄板切削加工仕掛品生産と銅板切削加工仕掛品生産の取引情報に対して射影操作を実行する。
3)Next to 鉄板切削加工仕掛品生産
={Pro[a](x[鉄板切削加工仕掛品生産])|a∈Hat_Basis_for_Product&InProcess ∪ Hat_Basis_for_Material}
={20^<鉄材,Kg,#,#>}
4)Next to 銅板切削加工仕掛品生産
={Pro[a](x[銅板切削加工仕掛品生産])|a∈Hat_Basis_for_Product&InProcess ∪ Hat_Basis_for_Material}
={8^<銅材,Kg,#,#>}
以上のオペレーションにより、以下のようなマテリアルの投入関係が導出される。
塗装済製品 1個
塗料 2Kg
プレス成形仕掛品 1個
鉄板切削加工仕掛品 1個
鉄材 20Kg
銅板切削加工仕掛品 1個
銅材 8Kg
次に支援情報生成部134は、BOMへの記載が必要なファブリケーションサービスの投入時間を次のように抽出する。
5)Fab_Service_of_塗装済製品生産
={Pro[a](x[塗装済製品生産])|a∈Hat_Basis_for_Fab Service}
={1^<塗装サービス,時間,#,#>}
以降、ノルム演算により、塗装サービスの投入時間を1時間と識別する。
6)Fab_Service_of_プレス成形仕掛品製造
={Pro[a](x[プレス成形仕掛品生産])|a∈Hat_Basis_for_Fab Service}
={1^<プレス加工サービス,時間,#,#>}
以降、ノルム演算により、プレス加工サービスの投入時間を1時間と識別する。
7)Fab_Service_of_銅板切削加工仕掛品生産
={Pro[a](x[銅板切削加工仕掛品生産])|a∈Hat_Basis_for_Fab Service}
={1^<切削加工サービス,時間,#,#>}
以降、ノルム演算により、切削加工サービスの投入時間を1時間と識別する。
8)Fab_Service_of_鉄板切削加工仕掛品生産
={Pro[a](x[鉄板切削加工仕掛品生産])|a∈Hat_Basis_for_Fab Service}
={2^<切削加工サービス,時間,#,#>}
以降、ノルム演算により、切削加工サービスの投入時間を2時間と識別する。
支援情報生成部134は、1)〜4)で導出されたマテリアルの投入関係に、5)〜8)で導出されたファブリケーションサービスの投入時間の情報を付加することにより、図14に示すBOMのデータを生成して、支援情報保持部126へ格納する。支援情報提供部136は、所定の提供条件が満たされた場合に、BOMのデータを生産管理システム108へ送信する。
2−5.計画支援情報の生成
一般的にMRPで策定する調達計画は、生産スケジューリングを考慮に入れておらず、いわば無限生産能力を仮定した下での計画となる。分かり易い例として、図11において塗装済製品を1000個、所定日時に納品することを考える。BOMのみに基づく調達計画では、納品の1時間前までにプレス成形仕掛品1000個と塗料2000Kgを用意することになる。さらに、プレス加工に必要な期間から、塗装の1時間前に、銅板切削加工仕掛品と鉄板切削加工仕掛品を1000個ずつ用意することになる。さらに、銅板の切削加工に1時間、鉄板の切削加工に2時間かかるため、プレス加工の1時間前に銅材8000Kgを用意し、プレス加工の2時間前に鉄材20000Kgを用意することになる。
しかし、仮に切削加工のための利用可能な切削装置が1台しかなければ、この調達計画は根本的に見直しが必要になる。鉄材と銅材が用意されても、塗装済製品1個に対応する加工に延べ3時間かかるからである。塗装済製品1000個分を加工するのであれば延べ3000時間かかることになる。仮にプレス機械も1台とし、銅板切削加工と鉄板切削加工の仕掛品ができ次第、プレス加工を順次行うこととすると、3時間に1組ずつ切削加工仕掛品セットができることから、最初の切削加工を開始して3001時間後にはプレス成形仕掛品1000個の生産も終了する。仮に塗装タスクを実施する塗装工が1人の場合、全ての塗装が終了するのは、最初の切削加工を開始してから3002時間後になる。これは、それぞれの工程で提供されるファブリケーションサービスB1〜B3で、1組の資源(切削装置、プレス加工装置、塗装工)だけが利用可能という仮定があるからである。
逆に、必要なだけ加工サービス資源が提供される状況、例えば2000台の切削装置、1000台のプレス加工装置、1000人の塗装工が用意される状況であれば、4時間で全ての作業が完了する。現実に用意される加工資源の制約下では、上限と下限の間で実際のスケジューリングがなされる。したがって、無限資源を仮定した下でのMRPは、必然的に過剰な在庫を抱えることになる。その大きな要因は、生産機械や人員等の資源の制約にある。生産工程では、原料や仕掛品とは別に、生産機械や人員の割当等の時間単位での資源割当の計画が必要になる。BOMに基づくMRP的な資材調達計画だけでは、加工機械や労働資源等の、加工サービス遂行のための資源制約によって生じる資源割当のスケジューリングの課題を解決することは困難である。
上記の事例では、スケジューリングに関する情報は、B1〜B3のファブリケーションサービスの取引情報に記述されている。切削加工サービスを1時間提供するためには、電力2.5KWh、労働0.2時間、切削装置の1時間の利用が必要になる。またプレス加工サービスを1時間提供するためには、電力10KWh、労働1時間、プレス加工装置の1時間の利用が必要になる。また塗装サービスを1時間提供するためには、塗装工の労働1時間が必要になる。ここでスケジューリングのためには、最もボトルネックとなる資源に注目する。切削、プレス、塗装の3つのサービスではそれぞれ、切削装置、プレス加工装置、塗装工がボトルネックとなる資源となり、その供給のタイミングが全体の工程のスケジュールとなる。
支援情報生成部134は、BOM生成時と同様に、複数のモノ生産タスクの順序を特定する。本事例では、鉄板切削加工仕掛品生産および銅板切削加工仕掛品生産(これらは並行)→プレス成形仕掛品生産→塗装済製品生産と特定する。支援情報生成部134は、それぞれのモノ生産タスクで利用されるサービスを識別し、そのサービスの取引情報におけるボトルネック資源と、その利用時間を射影操作により抽出する。なお、イベント情報および取引情報では、ある入力要素がボトルネック資源である場合、その入力要素にその旨のフラグが付加されてよい。もしくは、予め特定の入力要素(資源)がボトルネック資源として定められ、その旨の情報が取引情報保持部122へ予め格納されてもよい。
支援情報生成部134は、複数のモノ生産タスクの実行順序にて、各モノ生産タスクで利用するサービスを並べ、各サービスのボトルネック要素とその利用時間を記述したサービスフロー情報を生成する。図15は、本事例で生成するサービスフロー情報の例を示している。本図はサービス展開表とも言える。支援情報生成部134は、サービスフロー情報と、予め定められた労働者や機械に関する資源制約情報(図1)を対応付けて支援情報保持部126に格納する。支援情報提供部136は、サービスフロー情報と資源制約情報を管理支援情報として生産管理システム108へ送信する。
これまでも生産計画については様々な手法がERPパッケージ等で提案されている。しかし、これまでの手法では、資源制約に関するデータベースを別途構築する等、複雑な管理が必要であった。本実施の形態では、交換代数で記述されたタスクの記述(取引情報)から、タスクの遂行に必要なリソースとその占有時間を抽出し、生産管理システム108へ提供する。生産管理システム108は、管理支援装置102からの提供情報と既知のアルゴリズム(例えば本発明者が特願2011−104944で提案した並列プロジェクトに対する動的資源配置問題に対するアルゴリズム)により、資源割当の動的計画と、ガントチャート等の情報を容易に計算することができる。
以上、本実施の形態では、企業のモノ生産タスクおよびサービスタスクのPOEデータを、実物勘定およびサービス勘定を用いた多元簿記による取引情報として記述することを提案した。これにより、モノ生産タスクおよびサービスタスクにより構成される様々な企業活動に関して、財務会計、原価計算、MRP、生産計画、環境会計等による企業管理を支援するための情報を統合的に設計・実装・管理することができる。本実施の形態で提案する方法を情報処理として実現する際には、データベースによるトップダウンのシステムとして構築する必要はない。
従来の方法では、財務会計データ、原価計算データ、部品調達に関するデータ、生産計画のデータ、環境管理データ等をそれぞれ別個のデータベースで管理するため、これらのデータ間の連携や、基盤となるコードが異なるデータ体系間のすり合わせ等、非常に複雑な管理が必要であった。これに対して、本実施の形態で提案する方法では、タスクのトランザクション記述に用いる、財やサービスの勘定科目に基づくコード体系によって一元的に管理される(名称管理となる)。企業管理に必要な様々な情報は、代数的多元簿記データ(取引情報)を一元的な共通のソースとして、資源制約情報等のパラメータを適宜参照することにより、代数的なオペレーションによって自動的に得られる。また、企業管理に必要な情報間での部品や仕掛品、完成品のコードも、代数的多元簿記の基底を用いることで統合的に扱うことができる
また、ものづくりでは、設計の段階から、資材調達計画や原価計算等、生産に向けての様々な計画が必要となる。その計画においても、原料(部品)、仕掛品、完成品への一連のプロセスの設計と原価管理、生産のスケジューリングへの配慮が必要となる。本実施の形態における代数的多元簿記による生産管理のアプローチでは、1)設計フェーズ、2)工程計画フェーズ、3)工程実行管理フェーズの3つのフェーズに亘って、代数的多元簿記に基づく一元的な情報管理を実現できる。
1)の設計フェーズでは、CAD等による、原料(部品)から仕掛品、完成品に至るプロセスを設計する段階等で、原料や仕掛品の構成や、部品の調達計画、生産コストの積算が求められる。管理支援装置102が、多元簿記でなされたタスクの記述(取引情報)から、価格情報を用いて、生産サービスや仕掛品、完成品の原価を容易に計算し、その原価情報を提供することは既に示した。これは同時に、材料やエネルギーコスト、人件費、設備装置の資本コスト(装置の利用サービス料等)、バッズの処理コスト等、様々な要因の変動をシナリオとして与えることで原価のリスク管理情報を得られることを意味している。
2)の工程計画フェーズでは、管理支援装置102が提供するBOM情報やサービスフロー情報にもとづいて、MRP的な在庫管理や発注管理を実施できる。3)の工程実行管理フェーズでも、管理支援装置102が提供する種々の管理支援情報にもとづいて、実際の運用の中での様々な課題管理を実施できる。実際の生産プロセスでは、計画からの乖離がしばしば生じるが、実施の形態の管理支援装置102は、上記1)〜3)のフェーズに亘り、最新のイベント情報やパラメータを反映した管理支援情報を生成し、逐次提供する。これにより、会計システム106や生産管理システム108は、最新の状況に応じた会計処理や生産管理処理を実行できる。
なお、本実施の形態では、1つの事例として「モノ」の製造プロセスの管理について説明した。しかし、本実施の形態で示した、実物勘定を用いた多元簿記による製造タスクの取引としての記述と、結果としての製造プロジェクトの統合的な設計・実装・管理のための情報システム設計の枠組みは、ものづくりではないサービスタスクからなるプロジェクトに対しても適用できる。以下その例を示す。
(1)内装工事のサービスプロジェクト:
マンション等の内装工事では、一部屋の工事一式を、床張りや電気工事、配管工事等のタスクを半順序で連鎖させたプロジェクトの形式で記述できる。そこでは、資材の投入も行われるが、主な関心は電気工などのサービスを提供する人的資源のスケジューリングにある。しかし同時に資材計画も必要であり、その意味では本実施の形態のアプローチを用いることにより、内装工事等の工事のプロジェクトにおける資材計画とスケジューリングの両方を統合的に扱うことが可能となる。
(2)医療のクリニカルパス:
医療における診療プロセスは、診察や検査等一連の医療タスクと、その連鎖からなるプロジェクトとして記述される。ここでも、個々のタスクでの資材投入と、タスクを遂行する資源である医師や看護師、検査機械などの資源のスケジューリングが課題となる。本実施の形態の枠組みはこのようなケースにも容易に適用可能である。
(3)様々なサービスワークフロー:
上記のようなものづくりや内装工事、医療のクリニカルパスに限らず、災害時の避難所での支援サービスから、観光客や高齢者に対するサービスまで、様々なサービスは、サービスの個々のタスクとそれを半順序関係で結んだプロジェクトの形で表現される。そこでは、個々のタスクの定義と、個々のタスクを遂行するための資材の投入計画と、さらにサービスを実行する資源に関するスケジューリングとを統合的に行うことが求められる。本実施の形態にて提案した、個々のタスクを資材投入部分とサービス投入部分に分離して、代数的多元複式記述により定式化する方法により、極めて一般的な形で、複数のタスクからなるプロジェクトの原価計算から資材計画、スケジューリング等の多彩な管理業務を統合的に支援することが可能になる。
従来の、モノやサービスの生産プロジェクトの管理では、バラバラに情報が入力され、複雑なデータベース構築と手間のかかるメンテナンスが要求されていた。これに対して、本実施の形態の管理支援装置102は、プロジェクトのクリティカルパスを構成するタスク(例えば仕掛品生産タスクや完成品生産タスク)のイベント毎に取引情報を記録する。本実施の形態では、実物単位での取引形式による記述だけを基盤として、サービスや生産に関する統合的管理システムを、一貫した原理に基づく管理の容易な形で実現できる。
また、タスク遂行に関するトランザクション記述に基づくシステムの構築は、大規模なデータベースやその管理を必要としない。また、事後的に生じる生産やサービスの改善や改変に対して、それを管理する企業システム100もロバストな形で改変することが可能である。例えば、代数的多元記述のデータを用い、公知の動的スケジューリングのアルゴリズムを適用することで、生産途中でのスケジュールの組み替えに対しても柔軟に対応することが可能である。
さらに、計画問題としてではなく、生産システムのPOP(Point of Production)イベントデータを、タスクやサービスの処理に関する代数的多元記述と紐づけることで、実際のプロセスの遂行の実績ベースでの様々な管理も可能となる。IoT、IoE時代には、様々なPOEの事象とその時点で発生するデータとを紐づけることでリアルタイムのトランザクション処理が容易となる。このようなシステムは、クラウド的な巨大なシステムとしてではなく、本実施の形態のように自律分散協調型のシステムとして設計される方が遥かに柔軟な設計が可能となる。
本実施の形態で提案したアーキテクチャーは、交換代数とレコード型のパラメータデータ(データ代数)による生産情報の表現を基軸に、それらを様々に振替え、また変換することによって、データフローとしての計算を実行する。このようなシステムは、絶えざる後付け的な改善や付け加えが可能であり、またシステムの導入も必要な部分から順次始めればよい。さらに、小さな資本コストで、かつ、現場の担当者に分かる概念で、タスクのデータは構成されている。
他方でE−R図からデータベースの生成へと繋がる既存のデータベースソリューションでは、現場の管理概念とは別の概念に則り、データベースとして多くのデータテーブルが構築される。そこではトップダウンにビジネスロジックも構築され、現場からの改善的なフィードバックがそこに取り入れられるプロセスを構築することは非常に困難であり、プロセスは現場にインプリメントされるものとして定義される。
本実施の形態のアーキテクチャは、ダブルエントリーの多元記述とその代数表現さえ理解できれば、現場の概念でタスクを定式化し、その連鎖から様々な生産管理に必要な諸データを導出することが可能となる。これは、ものづくりだけでなく、様々なサービス生産に関しても同様であり、1つの企業の中のみならず多数の組織を結んだ、生産のプロジェクト、サービスのプロジェクトに対して、その原価管理からモノやサービスの生産管理まで、ボトムアップに、絶えざる改善に耐えるシステムとしてデザインし、導入することが可能となる。
このように、本実施の形態で提案したものづくりとサービス生産に関する管理支援方法では、実物単位で計られた(1)原料や労働、エネルギー、装置の投入量、(2)主産物・副産物・サービスの生産量等のイベント情報(入力パラメータ)に基づいて、価格や技術(設備投資等)、環境制約等のシナリオを複数仮定し、価格単位や物質単位、廃棄物の評価等の様々な軸を用いて、生産のための技術(設備投資等)や計画を評価する。この管理支援方法は、(1)製造プロセスの基本設計、(2)設備を含めた工場の生産システムの導入、(3)受注に応じた生産プロセス等、複数の工程の管理に適用でき、言い換えれば、各工程の管理業務を支援することができる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上述した実施の形態、変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態、変形例それぞれの効果をあわせもつ。請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
100 企業システム、 102 管理支援装置、 120 基底情報保持部、 122 取引情報保持部、 124 パラメータ保持部、 126 支援情報保持部、 130 イベント受付部、 132 取引記録部、 134 支援情報生成部、 136 支援情報提供部。
本発明は、情報処理装置に適用することができる。

Claims (8)

  1. 所定の組織で発生するイベントを構成する入力要素の数量と、前記イベントを構成する出力要素の数量とを含むイベント情報を受け付けるイベント受付部と、
    前記イベント受付部により受け付けられたイベント情報にしたがって、交換代数を適用して表現された取引情報であって、前記入力要素を貸方科目としてその数量を前記入力要素の計量単位で示し、前記出力要素を借方科目としてその数量を前記出力要素の計量単位で示す複式簿記記述による取引情報を記録する取引記録部と、
    前記取引記録部により記録された取引情報にしたがって、複数種類の手法による前記組織の管理を支援するための複数種類の支援情報を生成する情報生成部と、
    を備え
    前記情報生成部は、前記入力要素の価格情報にしたがって、前記取引情報において前記入力要素の計量単位で示された前記入力要素の数量を金銭単位へ変換することにより、前記複数種類の支援情報の1つとして、前記取引情報における出力要素の原価を示す情報を生成することを特徴とする管理支援装置。
  2. 所定の組織で発生するイベントを構成する入力要素の数量と、前記イベントを構成する出力要素の数量とを含むイベント情報を受け付けるイベント受付部と、
    前記イベント受付部により受け付けられたイベント情報にしたがって、交換代数を適用して表現された取引情報であって、前記入力要素を貸方科目としてその数量を前記入力要素の計量単位で示し、前記出力要素を借方科目としてその数量を前記出力要素の計量単位で示す複式簿記記述による取引情報を記録する取引記録部と、
    前記取引記録部により記録された取引情報にしたがって、複数種類の手法による前記組織の管理を支援するための複数種類の支援情報を生成する情報生成部と、
    を備え
    前記取引記録部は、モノの生産に関する入力要素と出力要素を含む取引情報であるモノ取引情報と、前記モノの生産のために投入されるサービスの生産に関する入力要素と出力要素を含む取引情報であるサービス取引情報を記録し、
    前記情報生成部は、前記モノ取引情報と前記サービス取引情報にしたがって、前記複数種類の支援情報を生成し、
    前記モノ取引情報の出力要素は、前記モノと、前記モノの生産に伴って生じる副産物を含み、
    前記情報生成部は、前記モノ取引情報が示す前記モノと前記副産物の生産比率にて、前記サービス取引情報が示す入力要素の数量を按分することにより、前記複数種類の支援情報の1つとして、前記副産物の生産に使用される入力要素の数量を示す情報を生成することを特徴とする管理支援装置。
  3. 所定の組織で発生するイベントを構成する入力要素の数量と、前記イベントを構成する出力要素の数量とを含むイベント情報を受け付けるイベント受付部と、
    前記イベント受付部により受け付けられたイベント情報にしたがって、交換代数を適用して表現された取引情報であって、前記入力要素を貸方科目としてその数量を前記入力要素の計量単位で示し、前記出力要素を借方科目としてその数量を前記出力要素の計量単位で示す複式簿記記述による取引情報を記録する取引記録部と、
    前記取引記録部により記録された取引情報にしたがって、複数種類の手法による前記組織の管理を支援するための複数種類の支援情報を生成する情報生成部と、
    を備え
    前記取引記録部は、完成品の生産に関する入力要素と出力要素を含む取引情報であって、その入力要素に仕掛品を含む完成品生産取引情報と、前記仕掛品の生産に関する入力要素と出力要素を含む取引情報であって、その入力要素に別の仕掛品を含む仕掛品生産取引情報を記録し、
    前記情報生成部は、前記完成品生産取引情報から仕掛品の情報を抽出し、その仕掛品に関する仕掛品生産取引情報から別の仕掛品を抽出するように生産プロセスを遡って仕掛品を抽出していくことにより、前記複数種類の支援情報の1つとして、部品表の情報を生成することを特徴とする管理支援装置。
  4. 所定の組織で発生するイベントを構成する入力要素の数量と、前記イベントを構成する出力要素の数量とを含むイベント情報を受け付けるステップと、
    前記受け付けるステップで受け付けられたイベント情報にしたがって、交換代数を適用して表現された取引情報であって、前記入力要素を貸方科目としてその数量を前記入力要素の計量単位で示し、前記出力要素を借方科目としてその数量を前記出力要素の計量単位で示す複式簿記記述による取引情報を記録するステップと、
    前記記録するステップで記録された取引情報にしたがって、複数種類の手法による前記組織の管理を支援するための複数種類の支援情報を生成するステップと、
    をコンピュータが実行し、
    前記生成するステップは、前記入力要素の価格情報にしたがって、前記取引情報において前記入力要素の計量単位で示された前記入力要素の数量を金銭単位へ変換することにより、前記複数種類の支援情報の1つとして、前記取引情報における出力要素の原価を示す情報を生成することを特徴とする管理支援方法。
  5. 所定の組織で発生するイベントを構成する入力要素の数量と、前記イベントを構成する出力要素の数量とを含むイベント情報を受け付けるステップと、
    前記受け付けるステップで受け付けられたイベント情報にしたがって、交換代数を適用して表現された取引情報であって、前記入力要素を貸方科目としてその数量を前記入力要素の計量単位で示し、前記出力要素を借方科目としてその数量を前記出力要素の計量単位で示す複式簿記記述による取引情報を記録するステップと、
    前記記録するステップで記録された取引情報にしたがって、複数種類の手法による前記組織の管理を支援するための複数種類の支援情報を生成するステップと、
    をコンピュータが実行し、
    前記記録するステップは、モノの生産に関する入力要素と出力要素を含む取引情報であるモノ取引情報と、前記モノの生産のために投入されるサービスの生産に関する入力要素と出力要素を含む取引情報であるサービス取引情報を記録し、
    前記生成するステップは、前記モノ取引情報と前記サービス取引情報にしたがって、前記複数種類の支援情報を生成し、
    前記モノ取引情報の出力要素は、前記モノと、前記モノの生産に伴って生じる副産物を含み、
    前記生成するステップは、前記モノ取引情報が示す前記モノと前記副産物の生産比率にて、前記サービス取引情報が示す入力要素の数量を按分することにより、前記複数種類の支援情報の1つとして、前記副産物の生産に使用される入力要素の数量を示す情報を生成することを特徴とする管理支援方法。
  6. 所定の組織で発生するイベントを構成する入力要素の数量と、前記イベントを構成する出力要素の数量とを含むイベント情報を受け付けるステップと、
    前記受け付けるステップで受け付けられたイベント情報にしたがって、交換代数を適用して表現された取引情報であって、前記入力要素を貸方科目としてその数量を前記入力要素の計量単位で示し、前記出力要素を借方科目としてその数量を前記出力要素の計量単位で示す複式簿記記述による取引情報を記録するステップと、
    前記記録するステップで記録された取引情報にしたがって、複数種類の手法による前記組織の管理を支援するための複数種類の支援情報を生成するステップと、
    をコンピュータが実行し、
    前記記録するステップは、完成品の生産に関する入力要素と出力要素を含む取引情報であって、その入力要素に仕掛品を含む完成品生産取引情報と、前記仕掛品の生産に関する入力要素と出力要素を含む取引情報であって、その入力要素に別の仕掛品を含む仕掛品生産取引情報を記録し、
    前記生成するステップは、前記完成品生産取引情報から仕掛品の情報を抽出し、その仕掛品に関する仕掛品生産取引情報から別の仕掛品を抽出するように生産プロセスを遡って仕掛品を抽出していくことにより、前記複数種類の支援情報の1つとして、部品表の情報を生成することを特徴とする管理支援方法。
  7. 所定の組織で発生するイベントを構成する入力要素の数量と、前記イベントを構成する出力要素の数量とを含むイベント情報を受け付ける機能と、
    前記受け付ける機能により受け付けられたイベント情報にしたがって、交換代数を適用して表現された取引情報であって、前記入力要素を貸方科目としてその数量を前記入力要素の計量単位で示し、前記出力要素を借方科目としてその数量を前記出力要素の計量単位で示す複式簿記記述による取引情報を記録する機能と、
    前記記録する機能により記録された取引情報にしたがって、複数種類の手法による前記組織の管理を支援するための複数種類の支援情報を生成する機能と、
    をコンピュータに実現させ
    前記生成する機能は、前記入力要素の価格情報にしたがって、前記取引情報において前記入力要素の計量単位で示された前記入力要素の数量を金銭単位へ変換することにより、前記複数種類の支援情報の1つとして、前記取引情報における出力要素の原価を示す情報を生成することを特徴とするコンピュータプログラム。
  8. 所定の組織で発生するイベントを構成する入力要素の数量と、前記イベントを構成する出力要素の数量とを含むイベント情報を受け付ける機能と、
    前記受け付ける機能により受け付けられたイベント情報にしたがって、交換代数を適用して表現された取引情報であって、前記入力要素を貸方科目としてその数量を前記入力要素の計量単位で示し、前記出力要素を借方科目としてその数量を前記出力要素の計量単位で示す複式簿記記述による取引情報を記録する機能と、
    前記記録する機能により記録された取引情報にしたがって、複数種類の手法による前記組織の管理を支援するための複数種類の支援情報を生成する機能と、
    をコンピュータに実現させ
    前記記録する機能は、完成品の生産に関する入力要素と出力要素を含む取引情報であって、その入力要素に仕掛品を含む完成品生産取引情報と、前記仕掛品の生産に関する入力要素と出力要素を含む取引情報であって、その入力要素に別の仕掛品を含む仕掛品生産取引情報を記録し、
    前記生成する機能は、前記完成品生産取引情報から仕掛品の情報を抽出し、その仕掛品に関する仕掛品生産取引情報から別の仕掛品を抽出するように生産プロセスを遡って仕掛品を抽出していくことにより、前記複数種類の支援情報の1つとして、部品表の情報を生成することを特徴とするコンピュータプログラム。
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