JP6917264B2 - Motor control method and motor control device. - Google Patents
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Description
本発明は、モータの制御方法、及び、モータの制御装置に関する。 The present invention relates to a motor control method and a motor control device.
モータにおいては、回転速度が制御される際に、磁気的な非線形性や磁気飽和に起因してモータのインダクタンスが変動することがある。そこで、特許文献1に開示されている技術のように、モータの非線形有限要素法などの解析により、あらかじめ電流値に対する各巻線の磁束鎖交数を求め、これらの電流値と磁束鎖交数とを対応させたデータテーブルを使用してモータのトルクなどを制御する技術が知られている。この技術により、制御パラメータが適正化され、より高い精度のモータ制御を実現することができる。
In a motor, when the rotation speed is controlled, the inductance of the motor may fluctuate due to magnetic non-linearity and magnetic saturation. Therefore, as in the technique disclosed in
ここで、モータの中には、回転子に物理的な空隙などの磁気的障壁が設けられた構造の可変磁束型(または、可変漏れ磁束型)と称されるモータがある。この可変磁束型のモータにおいては、回転子が有する永久磁石から固定子へと向かう磁束の一部が磁気的障壁にて妨げられるように構成され、この磁気的障壁にて妨げられる磁束量はモータへの印加電流に応じて変化する。したがって、印加電流の大きさに応じて回転子から固定子へと向かう磁束量が変化するので、インダクタンスの変化量が比較的大きいという特徴がある。 Here, among the motors, there is a motor called a variable magnetic flux type (or variable leakage flux type) having a structure in which a magnetic barrier such as a physical gap is provided in the rotor. In this variable magnetic flux type motor, a part of the magnetic flux from the permanent magnet to the stator of the rotor is configured to be blocked by a magnetic barrier, and the amount of magnetic flux blocked by this magnetic barrier is the motor. It changes according to the applied current to. Therefore, since the amount of magnetic flux from the rotor to the stator changes according to the magnitude of the applied current, there is a feature that the amount of change in inductance is relatively large.
この可変磁束型のモータにおいては、磁気的障壁が設けられることにより、印加電流によってインダクタンスが大きく変化してしまう。そのため、特許文献1に開示されたような解析手法を用いてもインダクタンスの算出精度が十分に高くならないため、算出したインダクタンスを用いてトルク、速度、及び、位置などを制御しても、精度よく回転制御できないおそれがある。このようなことから、さらなる回転制御の精度を向上させる技術が求められている。
In this variable magnetic flux type motor, the inductance is greatly changed by the applied current due to the provision of the magnetic barrier. Therefore, the calculation accuracy of the inductance is not sufficiently high even if the analysis method disclosed in
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、モータの回転制御の精度を向上させることができるモータの制御方法、及び、モータの制御装置を提供することを目的とする。 The present invention has been made in view of such problems, and an object of the present invention is to provide a motor control method capable of improving the accuracy of motor rotation control, and a motor control device.
本発明のモータの制御方法の一態様は、永久磁石を備える回転子に設けられる磁気的障壁によって、永久磁石から固定子へと向かう磁束をモータへの印加電流に応じて変化させることが可能な可変磁束型のモータの制御方法である。この制御方法は、印加電流のフィードバック制御に用いるゲインを、印加電流により示される現在の動作点から目標電流により示される目標動作点までの経路における複数の算出タイミングで、算出し、ゲインを用いたフィードバック制御によって印加電流を制御する。 In one aspect of the motor control method of the present invention, a magnetic barrier provided in a rotor provided with a permanent magnet can change the magnetic flux from the permanent magnet to the stator according to the current applied to the motor. This is a control method for a variable magnetic flux type motor. In this control method, the gain used for the feedback control of the applied current was calculated at a plurality of calculation timings in the path from the current operating point indicated by the applied current to the target operating point indicated by the target current, and the gain was used. The applied current is controlled by feedback control.
本発明の一態様によれば、モータの回転制御の精度を向上させることができる。 According to one aspect of the present invention, the accuracy of motor rotation control can be improved.
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
(第1実施形態)
一般に、可変磁束型もしくは可変漏れ磁束型と称されるモータは、回転子などにおける物理的な構成に起因して、回転子から固定子へと向かう磁束量を変化可能に構成されている。この磁束の変化量はモータへの印加電流に応じて変化することが知られており、印加電流を制御することでインダクタンスを変化させることができるので、要求負荷に応じた最適動作点を実現することができる。
(First Embodiment)
Generally, a motor called a variable magnetic flux type or a variable leakage flux type is configured so that the amount of magnetic flux from the rotor to the stator can be changed due to the physical configuration of the rotor or the like. It is known that the amount of change in this magnetic flux changes according to the current applied to the motor, and the inductance can be changed by controlling the applied current, so that the optimum operating point according to the required load is realized. be able to.
図1は、第1実施形態の可変磁束型の電動モータ(回転電機)100の軸方向に垂直な断面図であって、構成全体の4分の1を示す図である。全体構成の残りの4分の3の部分は、図1で示す部分構成が連続的に繰り返される。本実施形態のモータ100は、円環形状をなす固定子1と、固定子1と同心円状をなし、かつ、固定子1との間にエアギャップ13を有するように配置された回転子2と、回転子2に嵌装された複数の永久磁石3とを備え、電動機或いは発電機を構成する。
FIG. 1 is a cross-sectional view of the variable magnetic flux type electric motor (rotary electric machine) 100 of the first embodiment perpendicular to the axial direction, showing a quarter of the entire configuration. For the remaining three-quarters of the overall configuration, the partial configuration shown in FIG. 1 is continuously repeated. The
固定子1は、リング状の固定子コア11と、固定子コア11から内周側に向けて突起する複数のティース8と、隣接するティース8間の空間であるスロット9とからなる。ティース8には、固定子巻線10が巻き回される。固定子コア11は、例えば軟磁性材料である電磁鋼板により形成される。
The
回転子2は、回転子コア12を有している。回転子コア12は、透磁率の高い金属製の鋼板を円環状に打ち抜き加工して形成された多数の電磁鋼板を軸方向に積層して構成された、いわゆる積層鋼板構造により円筒形に形成されている。また、回転子コア12の、固定子1と対向する周辺部の近傍には、周方向に沿って、複数の永久磁石3が互いに等間隔で、且つ、互いに隣接する永久磁石3の極性が異極性となるように設けられている。なお、本実施形態の可変磁束型のモータ100に係る回転子コア12は、図1で示す部分構成から推察されるとおり、周方向に沿って8個の永久磁石3が設けられた8極構造を有する。
The
また、回転子2は、隣接する永久磁石3が構成する各磁極間に、回転子コア12を形成する電磁鋼板を打ち抜き加工することで形成される空間部分である磁気的障壁(フラックスバリアともいう)4、5を有する。磁気的障壁4、5は、電磁鋼板よりも磁気抵抗が大きい。したがって、磁気的障壁4、5は、永久磁石3が回転子2上に構成する磁気回路において、磁石磁束に対する磁束障壁として作用する。図で示す通り、磁気的障壁4は回転子2の外周側よりも回転中心側の方が幅の狭い略三角形状に形成される。磁気的障壁5は、磁気的障壁4よりも回転中心側に、磁気的障壁4を覆うように略U字状に形成される。ただし、磁気的障壁4、5の形状は、後述する技術的効果を奏する限り、図で示す形状に限定されるものではない。また、回転子2には、磁気的障壁4、5が図のように形成されていることにより、ある一磁極を構成する永久磁石3から出た磁束が、隣接する他の永久磁石3が構成する磁極側へ漏洩する際の経路となる磁束バイパス路6が形成される。さらに、回転子2には、磁気的障壁4の外周側に、磁束バイパス路6と連結する幅狭のブリッジ形状部7が設けられている。
Further, the
永久磁石3は、回転子コア12の対応部分に形成された空隙に嵌め込まれることにより回転子コア12に固定されている。また、永久磁石3は、回転子2の半径方向が磁化方向とされる。ここで、本実施形態では、永久磁石3の幾何学的な中心をd軸とし、当該d軸と電気的に直交する位置をq軸と定義する。なお、本実施形態の可変磁束型のモータ100は8極構造なので、d軸から機械角で22.5度の位置がq軸と定義される。なお、上述の磁気的障壁4、5は、q軸上に形成される。
The
以上が、第1実施形態の可変磁束型のモータ100の基本となる構成である。ここで、本実施形態の詳細な説明の前に、本発明の対象である可変磁束型のモータ100の基本原理について説明する。
The above is the basic configuration of the variable magnetic
本発明が対象とする可変磁束型のモータ100は、固定子巻線10に印加される負荷電流(ステータ電流)の作用によって、回転子2が備える永久磁石3から出る磁束の一部(漏れ磁束)の磁路を変化させることができることを特徴とする。この特徴により、モータ100は、ステータ電流を制御することでステータ鎖交磁束を受動的に変化させることができるので、回転子2が備える永久磁石3の磁力を電流制御によって見かけ上可変にすることができる特性を有する。このような特性から、上述のように、本発明の対象である可変磁束型のモータ100は、可変漏れ磁束型とも呼ばれる。
The variable magnetic
図2は、モータ100の一部分を示した構成図であって、可変磁束型における作動の概要を説明するための図である。なお、図2で示す可変磁束型のモータ100が有する各構成の形状および配置は、作動の概要を説明するために示した一般的なものである。
FIG. 2 is a configuration diagram showing a part of the
モータ100は、固定子1と、固定子1との間にエアギャップ13を形成して配置される回転子2とを備える。そして、回転子2は、永久磁石3と、磁気的障壁4、5と、隣接する2つの永久磁石の間に設けられる磁気的障壁4、5間を経由して連結された磁束バイパス路6とを有する。なお、図の左側に示す矢印の指す方向は、回転子2の回転方向を示している。
The
図2で示す磁路方向15は、固定子1が備える固定子巻線10に電流を通電しないときの漏れ磁束の流れる方向を示している。図2で示すように、回転子内において、永久磁石3から出た磁束の一部は、磁束バイパス路6を通って、隣接する異極側へ漏洩する。
The
このため、永久磁石3から出る固定子1側への主磁束成分の磁束量、すなわちステータ鎖交磁束が相対的に低減されるので、永久磁石3の磁力が見かけ上弱くなる。これにより、ステータ鎖交磁束によって発生する鉄損を低減することができる。この効果は、特に、低負荷、高速領域におけるモータ100の効率を改善する上で有効となる。
Therefore, the amount of magnetic flux of the main magnetic flux component to the
他方、磁路方向20は、固定子巻線10に電流を通電しているときの磁束の流れる方向を示している。ステータ電流が流れることで、永久磁石3から出た磁束は、磁路方向20が指し示すとおり、回転子2の回転方向の固定子側へ引き寄せられる。このため、固定子巻線10に電流を通電しないときには漏れ磁束として回転子2内で漏洩していた磁束をステータ鎖交磁束へと効率よく変換できる。これにより、モータ100は、永久磁石3から出る磁束が漏洩していない状態と同等の高トルクを出力することができる。
On the other hand, the
このように、回転子2に構成される磁極間に磁束バイパス路6を設け、ステータ電流を制御することで回転子内漏れ磁束を変化させることで、ステータ鎖交磁束が受動的に変化する特性を有するモータを可変磁束型(可変漏れ磁束型)という。
In this way, the magnetic flux bypass path 6 is provided between the magnetic poles formed in the
以上が本発明の対象となる可変磁束型のモータ100の基本原理である。以下、このような可変磁束型のモータ100を制御する制御装置の詳細について説明する。
The above is the basic principle of the variable magnetic
図3は、モータ100及び制御装置200のブロック図である。なお、制御装置200は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。制御装置200は、プログラムを記憶しており、記憶しているプログラムを実行することで、後述の制御などを実行する。
FIG. 3 is a block diagram of the
制御装置200は、目標電流算出部230にて算出されるd軸目標電流Id *及びq軸目標電流Iq *に基づいて、回転制御に用いる三相交流電流Iu、Iv及びIwをモータ100に出力する。なお、目標電流算出部230においては、ドライバによるアクセルやブレーキなどの操作に基づいて、モータ100において所望の回転速度を実現するようなd軸目標電流Id *及びq軸目標電流Iq *が算出される。また、制御装置200には、モータ100の回転速度ωがフィードバック入力される。
The
d軸PI制御部201には、前段に設けられる減算器202から、d軸目標電流Id *からインバータ211から出力されるd軸電流Idを減じた減算値が入力される。さらに、d軸PI制御部201においては、ゲインマップ212にて求められるd軸ゲインGdが入力される。d軸ゲインGdには、比例制御ゲイン、及び、積分制御ゲインが含まれており、d軸PI制御部201は、入力されるd軸ゲインGdを用いた比例及び積分制御によって、d軸電流Idをフィードバック制御する。
A subtraction value obtained by subtracting the d-axis current I d output from the
d軸PI制御部201の後段には、減算器203が設けられており、d軸PI制御部201から出力されるフィードバック制御されたd軸目標電流Id *から、d軸非干渉制御部204から出力されるd軸非干渉制御電流を減じた減算値が、インバータ211に出力される。
A
q軸に関しても、制御装置200に入力されるq軸目標電流Iq *は、q軸PI制御部221、及び、減算器222によってフィードバック制御された後に、減算器223、及び、q軸非干渉制御部224により干渉成分がキャンセルされて非干渉化されて、インバータ211へ出力される、なお、この算出の過程において、ゲインマップ212からはq軸ゲインGqが入力される。
Regarding the q-axis, the q-axis target current I q * input to the
インバータ211においては、入力されるd軸目標電流Id *及びq軸目標電流Iq *に応じてスイッチング素子が制御されることで、三相交流電流Iu、Iv及びIwがモータ100に出力される。このようにして、モータ100の回転制御が行われる。なお、インバータ211とモータ100との間には、電流計101が設けられており、電流計101において測定された三相交流電流Iu、Iv及びIwに対して、uvw相からdq軸への変換が行われて、d軸電流Id及びq軸電流Iqが制御装置200へフィードバック入力される。
In the
ここで、ゲインマップ212における処理について説明する。可変磁束型のモータ100においては、印加電流に応じてインダクタンスが大きく変化する。また、一般に、モータ100においては、インダクタンスに応じて、印加電流のフィードバック制御における応答性が変化する。すなわち、可変磁束型のモータ100においては、印加電流に応じてフィードバック制御の応答性が大きく異なることになる。
Here, the processing in the
d軸PI制御部201、及び、q軸PI制御部221におけるフィードバック制御に用いられるゲイン(比例制御ゲイン、及び、積分制御ゲイン)が大きければ、電流が定常状態になるまでの時間が短いが振動して発散するおそれがある。一方、ゲインが小さければ、発散するおそれは小さいが定常状態になるまでの時間が長い。そこで、モータ100への印加電流に応じて、発散することなく最短で定常状態となるようなゲインを、ゲインマップ212が予め記憶しているものとする。
If the gains (proportional control gain and integral control gain) used for feedback control in the d-axis
ゲインマップ212は。このような予め記憶しているマップを用いて、モータ100に入力されるd軸電流Id、及び、q軸電流Iqに応じて、d軸ゲインGd、及び、q軸ゲインGqを算出する。なお、ゲインマップ212によるゲインの算出は、算出タイミング生成部214により生成される算出タイミングTMに応じて行われる。そして、算出されたゲインは、次の算出タイミングまで使用されることになる。
インダクタンス推定部213においては、d軸ゲインGd、及び、q軸ゲインGqの入力から、モータ100のd軸インダクタンスLd、及び、q軸インダクタンスLqが求められる。これは、モータ100への印加電流は、ゲイン、及び、インダクタンスのそれぞれと対応しているので、求められるゲインに応じてインダクタンスを推定することができるためである。モータ100への印加電流からインダクタンスを推定することもできる。
In the
算出タイミング生成部214においては、入力されるd軸電流Id、及び、q軸電流Iqにより定まる現在の動作点と、d軸目標電流Id *、及び、q軸目標電流Iq *により定まる目標動作点とから、ゲインの算出タイミングを算出し、このタイミングを示す算出タイミングTMをゲインマップ212に出力する。算出タイミング生成部214には、モータ100の制御周期、負荷条件、回転速度などの運転状態が入力され、これらの運転状態を用いて算出タイミングが算出されてもよい。
In the calculation
d軸非干渉制御部204、及び、q軸非干渉制御部224は、d軸とq軸とのそれぞれにおいて、相互の非干渉化を実現するd軸非干渉制御電流、q軸非干渉制御電流を求め、それぞれを減算器203、及び、減算器223に出力する。d軸非干渉制御部204は、モータの回転速度ω、インバータ211から出力されるd軸電流Id、及び、インダクタンス推定部213にて推定されるd軸インダクタンスLdから、d軸非干渉制御電流を求める。同様に、q軸非干渉制御部224は、モータの回転速度ω、インバータ211から出力されるq軸電流Iq、及び、インダクタンス推定部213にて推定されるq軸インダクタンスLqから、q軸非干渉制御電流を求める。
The d-axis
ここで、一般的なモータの制御においては、ゲインは固定値を用いる場合が多い。これに対して、可変磁束型のモータ100においては、印加電流に応じてインダクタンスが大きく変化するため、フィードバック制御に用いるゲインとして固定値を用いると追従性が悪くなり、オーバーシュートや安定化までに時間を要してしまうことがある。そこで、算出タイミング生成部214により指示される算出タイミングで、ゲインマップ212におけるゲインの算出を逐次行うことにより、フィードバック制御によって発散することなく安定化までの時間を短くすることができる。
Here, in general motor control, a fixed value is often used for the gain. On the other hand, in the variable magnetic
図4は、算出タイミング生成部214による算出タイミングを示す図である。
FIG. 4 is a diagram showing the calculation timing by the calculation
この図においては、横軸にd軸電流Idが縦軸にq軸電流Iqが示されるとともに、モータ100の動作点が示されている。d軸電流Id及びq軸電流Iqが共にゼロとなる初期動作点であるP0から、d軸目標電流Id *及びq軸目標電流Iq *により示される目標動作点であるP*へと印加電流を変化させる場合の経路が示されている。そして、この例においては、初期動作点P0から目標動作点P*までの経路において、P1からP7までの複数の算出タイミングでゲインマップ212によるゲインの算出が行われる。なお、P1からP7までの算出タイミングは一度に決められる必要はなく、たとえばP1においてP2を決定した後にP2においてP3を決定するように、逐次算出タイミングを求めてもよい。
In this figure, the d-axis current I d is shown on the horizontal axis, the q-axis current I q is shown on the vertical axis, and the operating point of the
具体的には、例えば、初期動作点P0においては、その電流値からゲインが算出され、算出されたゲインを用いて初期動作点P0から次の算出タイミングである動作点P1までのフィードバック制御が行われる。動作点P1においては、動作点P1における電流値からゲインが算出され、動作点P1から次のゲインの算出タイミングである動作点P2までのフィードバック制御が行われる。このように、逐次ゲインの算出を行うことで、フィードバック制御の制御精度を向上させることができる。 Specifically, for example, at the initial operating point P0, a gain is calculated from the current value, and feedback control is performed from the initial operating point P0 to the operating point P1 which is the next calculation timing using the calculated gain. It is said. At the operating point P1, the gain is calculated from the current value at the operating point P1, and feedback control is performed from the operating point P1 to the operating point P2, which is the timing for calculating the next gain. By calculating the sequential gain in this way, the control accuracy of the feedback control can be improved.
なお、本実施形態においては、経路上の7つの動作点にてゲインが算出されたがこれに限らない。複数の動作点において逐次ゲインが算出されればよい。また、算出タイミング生成部214は、モータ100の制御周期、負荷条件、回転速度などの運転状態に応じて、ゲインの算出タイミングやゲインの算出タイミングや算出周期を適宜決定することができる。
In the present embodiment, the gain is calculated at seven operating points on the path, but the gain is not limited to this. The sequential gain may be calculated at a plurality of operating points. Further, the calculation
第1実施形態によれば以下の効果を得ることができる。 According to the first embodiment, the following effects can be obtained.
第1実施形態の制御方法によって制御されるモータ100は、可変磁束型であって、磁気的障壁4、5が設けられる回転子2を有しており、印加される電流に応じて回転子2が有する永久磁石3から固定子1へと向かう磁束を変化させることができる。このモータ100を制御するために、モータ100に印加するd軸電流Id及びq軸電流Iqを用いたd軸PI制御部201、q軸PI制御部221におけるフィードバック制御に用いるゲインがゲインマップ212にて求められる。
The
算出タイミング生成部214は、初期動作点P0から目標電流により示される目標動作点P*までの経路において、経路上の複数の動作点P1からP7までを算出タイミングとして設定する。そして、ゲインマップ212は、逐次、算出タイミングにおける動作点の電流に基づいて、ゲインを算出する。このように逐次算出されるゲインを用いてd軸PI制御部201、及び、q軸PI制御部221においてフィードバック制御がされて、モータ100に印加される電流Id、Iq(Iu、Iv、Iw)が求められる。
The calculation
可変磁束型のモータ100は、印加電流に応じてインダクタンスが大きく変化する特徴を有する。また、一般に、モータ100においては、インダクタンスに応じて印加電流のフィードバック制御における応答性が異なる。すなわち、可変磁束型のモータ100においては、入力される電流に応じてフィードバック制御の応答性が大きく異なるので、印加電流に応じてフィードバック制御に用いるd軸ゲインGd及びq軸ゲインGqを算出する必要がある。
The variable magnetic
そこで、モータ100において初期動作点P0から目標動作点P*までの変化を制御する場合には、変化の経路において複数の算出タイミングを設定し、これらの算出タイミングで、印加電流に応じたゲインの算出を行う。このようにすることで、インダクタンスが大きく変化しても適時ゲインが算出されるので、フィードバック制御が適切に行われ、発散の抑制や安定化時間の短縮を図ることができる。
Therefore, when controlling the change from the initial operating point P0 to the target operating point P * in the
第1実施形態のモータ100の制御方法によれば、算出タイミング生成部214は、モータ100の制御周期、負荷条件、回転速度などの運転状態に応じて、ゲインの算出タイミングを定める。このようにすることで、例えば、モータ100のインダクタンスの変化量が大きい場合にはゲインの算出間隔を短くすることで最適なフィードバック制御を実現することができる。一方、モータ100のインダクタンスの変化量が小さい場合には算出間隔を長くすることで不要なゲインの変化を抑制することができる。
According to the control method of the
第1実施形態のモータ100の制御方法によれば、ゲインマップ212は、ゲインの算出タイミングにおいて、現在の算出タイミング動作点を示す電流値に基づいてゲインを算出する。このようにすることで、比較的単純な制御でゲインを逐次算出することができるので、全体の処理を簡略化することができる。
According to the control method of the
(第1変形例)
上述の第1実施形態の例においては、ゲインの算出タイミングにおいて、現在の動作点の電流に基づいて所定の算出周期ごとにゲインを修正する例について説明した。本実施形態においては、ゲインの算出タイミングの設定方法の変形例について説明する。
(First modification)
In the above-mentioned example of the first embodiment, an example in which the gain is corrected at a predetermined calculation cycle based on the current at the current operating point at the gain calculation timing has been described. In this embodiment, a modified example of the method for setting the gain calculation timing will be described.
図5Aは、ゲインの算出タイミングの第1変形例を示す図である。この図においては、動作点の変化の経路のみが一次元で示されている。 FIG. 5A is a diagram showing a first modification of the gain calculation timing. In this figure, only the path of change of the operating point is shown in one dimension.
この例によれば、算出タイミング生成部214は、初期動作点P0から目標動作点P*までの経路において、P1からP6までの動作点をゲインの算出タイミングとして設定する。そして、各々のゲインの算出タイミングにおいては、現在の算出タイミングの動作点と次の算出タイミングでの動作点との中間動作点を求め、この中間動作点を示す電流を用いてゲインを算出する。
According to this example, the calculation
具体的には、例えば、初期動作点P0においては、算出タイミング生成部214は、現在の算出タイミングの初期動作点P0と次の算出タイミングでの動作点P1との中間動作点を、経路上における初期動作点P0と動作点P1との中間に生成する。そして、中間動作点は、算出タイミングTMを用いて、ゲインマップ212に伝達される。このようにして、ゲインマップ212において中間動作点でのゲインが算出されるので、そのゲインを用いて初期動作点P0から動作点P1までのフィードバック制御を行うことができる。
Specifically, for example, at the initial operating point P0, the calculation
ここで、ゲインを算出するタイミングにおいて、現在の動作点のインダクタンスに対して次の算出タイミングでのインダクタンスが小さい場合について検討する。 Here, a case where the inductance at the next calculation timing is smaller than the inductance at the current operating point at the timing of calculating the gain will be examined.
図5Bは、インダクタンスが小さくなる場合の電流とインダクタンスとの関係を示す図である。この図には、現在の算出タイミングにおける動作点と、次の算出タイミングでの動作点が示されている。そして、現在の動作点から次の算出タイミングの動作点に向かって、インダクタンスLが小さくなることが示されている。 FIG. 5B is a diagram showing the relationship between the current and the inductance when the inductance becomes small. This figure shows the operating point at the current calculation timing and the operating point at the next calculation timing. Then, it is shown that the inductance L decreases from the current operating point to the operating point at the next calculation timing.
現在の動作点から次の算出タイミングの動作点までの区間について検討すれば、この区間の開始タイミングである現在の動作点においては、インダクタンスは比較的大きいのにも関わらず、中間動作点に基づいて算出された比較的小さなゲインがフィードバック制御に用いられるので、応答性が低くなる。これに対して、この区間の終了タイミングである次の算出タイミングの動作点においては、インダクタンスは比較的小さいのにも関わらず、中間動作点に基づいて算出された比較的大きなゲインが用いられるので、応答性が高くなる。このように、初期動作点P0から動作点P1へと変化する区間においては、応答性が徐々に高くなることによる安定性の向上が見込まれる。 Considering the section from the current operating point to the operating point of the next calculation timing, the current operating point, which is the start timing of this section, is based on the intermediate operating point even though the inductance is relatively large. Since the relatively small gain calculated in the above is used for the feedback control, the responsiveness becomes low. On the other hand, at the operating point of the next calculation timing, which is the end timing of this section, a relatively large gain calculated based on the intermediate operating point is used even though the inductance is relatively small. , High responsiveness. As described above, in the section where the initial operating point P0 changes to the operating point P1, the stability is expected to be improved by gradually increasing the responsiveness.
次に、ゲインを算出するタイミングにおいて、現在の動作点のインダクタンスに対して次の算出タイミングでのインダクタンスが大きい場合について検討する。 Next, at the timing of calculating the gain, a case where the inductance at the next calculation timing is larger than the inductance of the current operating point will be examined.
図5Cは、インダクタンスが大きくなる場合の電流とインダクタンスとの関係を示す図である。この図には、現在の動作点から次の算出タイミングの動作点に向かって、インダクタンスLが大きくなることが示されている。 FIG. 5C is a diagram showing the relationship between the current and the inductance when the inductance becomes large. In this figure, it is shown that the inductance L increases from the current operating point to the operating point at the next calculation timing.
現在の動作点から次の算出タイミングの動作点までの区間においては、開始タイミングである現在の動作点においては、インダクタンスは比較的小さいのにも関わらず、中間動作点に基づいて算出された比較的大きなゲインが用いられるので、応答性が高くなる。これに対して、この区間の終了タイミングである次の算出タイミングの動作点においては、インダクタンスは比較的大きいのにも関わらず、中間動作点に基づいて算出された比較的小さいゲインが用いられるので、応答性が低くなる。このように、動作点がP0からP1へと変化する区間においては、応答性が徐々に低くなるため、当該区間の始期では応答性が高く発散しやすいが終期では発散の抑制が見込まれる。 In the section from the current operating point to the operating point of the next calculation timing, the comparison calculated based on the intermediate operating point is performed at the current operating point, which is the start timing, even though the inductance is relatively small. Since a large gain is used, the responsiveness is high. On the other hand, at the operating point of the next calculation timing, which is the end timing of this section, a relatively small gain calculated based on the intermediate operating point is used even though the inductance is relatively large. , The responsiveness becomes low. As described above, in the section where the operating point changes from P0 to P1, the responsiveness gradually decreases, so that the responsiveness is high at the beginning of the section and the divergence is likely to occur, but the divergence is expected to be suppressed at the end.
第1変形例によれば以下の効果を得ることができる。 According to the first modification, the following effects can be obtained.
第1変形例のモータ100の制御方法によれば、算出タイミング生成部214は、ゲインの算出タイミングにおいて、現在の動作点と、次の算出タイミングにおける動作点との中間動作点を両者間の経路において生成する。そして、ゲインマップ212は、その中間動作点を示す電流に基づいてゲインを算出する。このようにすることにより、次のゲインの算出タイミングまでの間にモータ100のインダクタンスが大きく変化するような場合であっても、中間動作点の電流を用いて算出したゲインを用いることにより、フィードバック制御による発散や収束時間の長期化を抑制することができる。
According to the control method of the
第1変形例のモータ100の制御方法によれば、図5Bに示したように、現在の動作点から次の算出タイミングでの動作点に向かって、モータ100のインダクタンスが小さくなる。このような場合には、現在の動作点から次の算出タイミングの動作点までの区間において、応答性が徐々に高くなることにより安定性の向上を図ることができる。
According to the control method of the
第1変形例のモータ100の制御方法によれば、図5Cに示したように、現在の動作点から次の算出タイミングでの動作点に向かって、モータ100のインダクタンスが大きくなる。このような場合には、現在の動作点から次の算出タイミングの動作点までの区間において、応答性が徐々に低くなることにより発散の抑制を図ることができる。
According to the control method of the
(第2変形例)
第1実施形態におけるこれまでの例においては、ゲインの算出周期が一定である例について説明した。第2変形例においては、算出周期を変化させる例について説明する。
(Second modification)
In the examples so far in the first embodiment, an example in which the gain calculation cycle is constant has been described. In the second modification, an example of changing the calculation cycle will be described.
図6A、図6Bは、第2変形例における動作点の変化を示す図である。 6A and 6B are diagrams showing changes in the operating point in the second modification.
図6Aに示される場合には、図6Bに示される場合と比較すると、初期動作点P0と目標動作点P*との間におけるq軸電流Iqの差が大きい。ここで、q軸電流Iqはモータ100のトルクに影響を与えるため、図6Aに示される場合には、図6Bに示される場合と比較すると、初期動作点P0から目標動作点P*までの間のモータ100のトルクの変化が小さい。
In the case shown in FIG. 6A, the difference in the q-axis current I q between the initial operating point P0 and the target operating point P * is larger than that in the case shown in FIG. 6B. Here, since the q-axis current I q affects the torque of the
そこで、図6Aに示したような比較的トルクの変化が大きい場合には、ゲインの大きな変化が見込まれるので、初期動作点P0から目標動作点P*までの間において、ゲインの算出間隔を短く設定する。これに対して、図6Bに示したような比較的トルクの変化が小さい場合には、算出間隔を長く設定する。 Therefore, when the change in torque is relatively large as shown in FIG. 6A, a large change in gain is expected. Therefore, the gain calculation interval is shortened between the initial operating point P0 and the target operating point P *. Set. On the other hand, when the change in torque is relatively small as shown in FIG. 6B, the calculation interval is set long.
これにより、トルクの変動が大きくゲインの算出頻度を高める必要がある場合には、ゲインの算出間隔を短くすることで、ゲインの算出頻度が高くなり、フィードバック制御における追従性を向上させることができる。一方、トルクの変動が小さく、多くのゲインの算出を必要としない場合には、ゲインの算出間隔を長くすることで、ゲインの算出頻度が低くなり、不要な処理を省略することができる。 As a result, when the torque fluctuation is large and it is necessary to increase the gain calculation frequency, the gain calculation frequency is increased by shortening the gain calculation interval, and the followability in the feedback control can be improved. .. On the other hand, when the fluctuation of the torque is small and it is not necessary to calculate a large amount of gain, the gain calculation frequency becomes low by lengthening the gain calculation interval, and unnecessary processing can be omitted.
第2変形例によれば以下の効果を得ることができる。 According to the second modification, the following effects can be obtained.
第2変形例のモータ100の制御方法によれば、初期動作点P0から目標動作点P*までの経路においてq軸電流の変化が大きい場合には、算出タイミング生成部214は、ゲインの算出タイミングの間隔を多くする。このようにすることで、トルクの変動が大きい場合には頻繁にゲインを算出できるので、追従性を向上させることができる。一方、d軸電流の変化が小さく、トルクの変化が小さい場合には、ゲインの頻繁な変更は不要なので、ゲインの算出間隔を長くすることで、不要な処理を省略することができる。
According to the control method of the
(第3変形例)
第2変形例においては、ゲインの算出周期を変更する例について説明した。第3変形例においては、複数のゲインの算出周期を可変に設定する例について説明する。
(Third modification example)
In the second modification, an example of changing the gain calculation cycle has been described. In the third modification, an example in which a plurality of gain calculation cycles are variably set will be described.
図7は、制御装置200によって制御される場合のモータ100のトルクと、経過時間との関係を示す図である。なお、縦軸には、トルクが示されており、初期動作点P0、及び、目標動作点P*におけるトルクが、T0、及び、T*として示されている。トルクT0、及び、T*となる時刻が、t0、及び、teとして示されている。
FIG. 7 is a diagram showing the relationship between the torque of the
この図によれば、トルクは、その値が小さい場合には変化率が大きく、その値が大きい場合には変化率が小さい。そこで、トルクについては、トルクT0からT*までの間隔が等間隔になるようにT1乃至T8が設定される。そして、トルクT1乃至T8と対応する時刻が、t1乃至t8として設定される。 According to this figure, the torque has a large rate of change when its value is small, and a small rate of change when its value is large. Therefore, with respect to the torque, T1 to T8 are set so that the intervals from the torques T0 to T * are evenly spaced. Then, the time corresponding to the torques T1 to T8 is set as t1 to t8.
例えば、トルクがT0からT1に変化する区間においては、トルクの変化率が比較的大きいので、時刻t0からt1までのゲインの算出間隔は比較的短くなる。これに対して、トルクがT8から目標トルクTfに変化するまでの区間においては、トルクの変化率が比較的小さいので、時刻t8から目標時刻tfまでのゲインの算出間隔は比較的長くなる。 For example, in the section where the torque changes from T0 to T1, the rate of change of the torque is relatively large, so that the gain calculation interval from the time t0 to t1 is relatively short. On the other hand, in the section from the torque change from T8 to the target torque Tf, the torque change rate is relatively small, so that the gain calculation interval from the time t8 to the target time tf is relatively long.
このように、算出タイミング生成部214は、図7に示すようなトルクと時間との関係を用いて、トルクの変化量が等間隔となるように、ゲインの算出タイミングであるt1乃至t8を設定する。このようにすることで、トルクの変化率が大きい場合にはゲインの算出回数が増えるので追従性を高くすることができるととともに、トルクの変化率が小さい場合にはゲインの算出回数が減るので不要な処理を省略することができる。
In this way, the calculation
第3変形例によれば以下の効果を得ることができる。 According to the third modification, the following effects can be obtained.
第3変形例のモータ100の制御方法によれば、算出タイミング生成部214は、初期動作点P0から目標動作点P*までの経路において、トルクの変化率が比較的大きい場合には、ゲインの算出間隔を短くする。このようにすることで頻繁にゲインが更新されるので、追従性を向上させることができる。一方、トルクの変化率が比較的小さい場合には、ゲインの変更は頻繁に行う必要性が低いので、算出間隔を長くすることで、不要な処理を省略することができる。
According to the control method of the
(第2実施形態)
第1実施形態においては、ゲインマップ212の後段にインダクタンス推定部213が設けられる例について説明した。本実施形態においては、インダクタンス推定部213の後段にゲイン算出器を設ける例について説明する。
(Second Embodiment)
In the first embodiment, an example in which the
図8は、本実施形態の制御装置200を示す図である。
FIG. 8 is a diagram showing the
この図によれば、本実施形態の制御装置200は、第1実施形態の制御装置200と比較すると減算器203とインバータ211との間にd軸電圧計231が追加されおり、また、減算器223と、インバータ211との間にq軸電圧計232が追加されている。
According to this figure, the
さらに、インダクタンス推定部213へは、d軸電流Id、及び、q軸電流Iqに加えて、d軸電圧計231にて計測されるd軸電圧Vd、及び、q軸電圧計232にて計測されるq軸電圧Vqが入力される。インダクタンス推定部213は、d軸電流Idとd軸電圧Vdとからd軸インダクタンスLdを求めるとともに、q軸電流Iqとq軸電圧Vqとからq軸インダクタンスLqを求める。そして、求められたd軸インダクタンスLdは、d軸ゲイン算出器233とd軸非干渉制御部204に出力され、q軸インダクタンスLqは、q軸ゲイン算出器234とq軸非干渉制御部224に出力される。
Further, to the
d軸ゲイン算出器233は、d軸インダクタンスLdに基づいてd軸PI制御部201にて用いられるd軸ゲインGdを求める。q軸ゲイン算出器234は、q軸インダクタンスLqに基づいてq軸PI制御部221にて用いられるq軸ゲインGqを求める。これは、可変磁束型のモータ100においては、インダクタンスに応じて応答性が変化するため、インダクタンスに基づいてフィードバック制御に用いられるゲインを定めることができるためである。
The d-
d軸ゲイン算出器233、及び、q軸ゲイン算出器234においては、第1実施形態において図4にて示した場合と同様に、算出タイミング生成部214にて生成された算出タイミング、すなわち、初期動作点P0から目標動作点P*までの経路にける複数のタイミングで、ゲインを算出する。このように逐次ゲインの算出を行うことで、フィードバック制御の制御精度を向上させることができる。
In the d-
なお、本実施形態においても、第1実施形態の第1変形例乃至第3変形例で示したように、ゲインの算出タイミングを定めることで、フィードバック制御をより精度よく行うことができる。 Also in this embodiment, as shown in the first modification to the third modification of the first embodiment, the feedback control can be performed more accurately by determining the gain calculation timing.
第2実施形態によれば以下の効果を得ることができる。 According to the second embodiment, the following effects can be obtained.
第2実施形態の制御方法によれば、d軸ゲイン算出器233、及び、q軸ゲイン算出器234は、インダクタンス推定部213にて算出されたインダクタンスに基づいて、ゲインを算出する。ここで、モータ100はインダクタンスに応じて応答性が変化するため、インダクタンスに基づいてもゲインを求めることができる。そのため、第1実施形態のようにd軸電流Id及びq軸電流Iqに基づいてゲインを算出する実施形態以外にも、インダクタンスを用いた異なる実施形態でゲインを設定してフィードバック制御を安定させることができるので、設計の自由度を向上させることができる。
According to the control method of the second embodiment, the d-
(第3実施形態)
第1実施形態及び第2実施形態においては、モータ100からのフィードバック入力を用いてインダクタンスを測定する例について説明された。第3実施形態においては、インダクタンスを測定するために動作点を微小に変化させてインダクタンスを測定する例について説明する。
(Third Embodiment)
In the first embodiment and the second embodiment, an example of measuring the inductance by using the feedback input from the
図9は、本実施形態における制御装置200を示す図である。本実施形態の制御装置200は、第2実施形態の制御装置200と比較すると、制御装置200の算出タイミング生成部214から目標電流算出部230に対してゲインの算出タイミングTMが通知される点が異なる。目標電流算出部230は、算出タイミング生成部214から算出タイミングTMを受信すると、d軸目標電流Id *をΔIdの振幅で所定の時間だけ振動させる。このようにすることで、モータ100への印加電流も振動する。
FIG. 9 is a diagram showing a
図10は、d軸目標電流Id *が振動する場合の動作点が示されている。 FIG. 10 shows an operating point when the d-axis target current I d * vibrates.
この図によれば、あるゲインの算出タイミングにおいて振動する動作点について、d軸電流の下限がid1であり、上限がid2であるものとする。ここで、d軸電流がid1である場合のq軸電圧をVq1、q軸電流をiq1する。d軸電流がid2である場合のq軸電圧をVq2、q軸電流をiq2すると、以下の式が成立する。 According to this figure, it is assumed that the lower limit of the d-axis current is id1 and the upper limit is id2 for the operating point that vibrates at a certain gain calculation timing. Here, when the d-axis current is id1 , the q-axis voltage is V q1 and the q-axis current is i q1 . d-axis current to the V q2, q-axis current q-axis voltage i q2 Then when it is i d2, the following expression holds.
ただし、モータ100の抵抗をRa、微分演算子をρと示すものとする。また、モータ100における磁石磁束をψaとし、鎖交磁束をλとする。
However, it is assumed that the resistance of the
これらの式を用いることにより、第1実施形態及び第2実施形態のようにマップを用いなくても、d軸インダクタンスLd及びq軸インダクタンスLqを推定することができる。 By using these equations, without using a map as in the first embodiment and the second embodiment, it is possible to estimate the d-axis inductance L d and the q-axis inductance Lq.
第3実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。 According to the third embodiment, the following effects can be obtained.
第3実施形態のモータ100の制御方法によれば、算出タイミングにおける動作点を示す電流値が所定の振幅で振動される。このような場合には、例えば、振動の上限の電流と対応する動作点と、下限の電流と対応する動作点との2つの動作点について、それぞれの動作点と対応する電流値、及び、電圧を用いて、モータ100のインダクタンスを求めることができる。したがって、第1及び第2実施形態のように、ゲインマップ212を有する必要がなくなるので、記憶メモリの容量を削減することができる。
According to the control method of the
第3実施形態のモータ100の制御方法によれば、目標電流のうちd軸目標電流Id *が振動される。このようにすることで、モータ100のトルクに影響を与えるq軸目標電流Iq *は変化しないので、モータ100の回転制御に影響を与えることなく、インピーダンスの推定を行うことができる。
According to the control method of the
なお、本実施形態においては、モータ100へのトルクへの影響が少ないd軸電流Idを振動させたが、これに限らない。q軸電流Iqを振動させてもよいし、また、図11のようにd軸電流Id及びq軸電流Iqの両者を変化させるために、算出タイミングの動作点を示すd軸電流、及び、q軸電流を中心に、rを半径とする円状の軌跡に電流を変化させてもよい。
In the present embodiment, the d-axis current I d, which has little effect on the torque on the
このような場合には、(1)式に替えて次の式と、(2)及び(3)式とが用いられることによりd軸インダクタンスLd及びq軸インダクタンスLqを推定することができる。この例においてはq軸電流も変化するため、さらに、d軸電圧Vd1、Vd2が用いられる。 In such a case, the d-axis inductance L d and the q-axis inductance Lq can be estimated by using the following equations and the equations (2) and (3) instead of the equation (1). In this example, since the q-axis current also changes, the d-axis voltages V d1 and V d2 are further used.
(第4変形例)
第3実施形態の例においては、算出タイミングにおける動作点を示す電流を所定の振幅で振動させる例について説明した。第4変形例においては、この振幅を動作点ごとに変化させる例について説明する。
(Fourth modification)
In the example of the third embodiment, an example in which the current indicating the operating point at the calculation timing is vibrated with a predetermined amplitude has been described. In the fourth modification, an example in which this amplitude is changed for each operating point will be described.
図12は、d軸目標電流Id *が振動させる動作点が複数示されている。 FIG. 12 shows a plurality of operating points that the d-axis target current I d * vibrates.
この図によれば、ゲインの算出タイミングである動作点P1、P2、P3と変化するにつれて、振幅がΔd1、Δd2、Δd3と順に大きくなるように設定する。振幅は、動作点におけるd軸電流の大きさに応じて一定の割合で定められるものとする。すなわち、動作点P1のようにd軸目標電流Id *の絶対値が比較的小さい場合には、比較的小さな振幅Δd1で振動させる。一方、動作点P3のようにd軸目標電流Id *の絶対値が比較的大きい場合には、比較的大きな振幅Δd3で振動させる。このようにすることで、動作点ごとに電流に応じた大きさの振幅で振動させることになるので、不要な大きさでの振動を抑制することができる。 According to this figure, the amplitude is set to increase in the order of Δ d1 , Δ d2 , and Δ d3 as the operating points P1, P2, and P3, which are the gain calculation timings, change. The amplitude shall be determined at a constant rate according to the magnitude of the d-axis current at the operating point. That is, when the absolute value of the d-axis target current I d * is relatively small as in the operating point P1, the vibration is performed with a relatively small amplitude Δ d1. On the other hand, when the absolute value of the d-axis target current I d * is relatively large as in the operating point P3, the vibration is performed with a relatively large amplitude Δ d3. By doing so, it is possible to vibrate at each operating point with an amplitude of a magnitude corresponding to the current, so that vibration at an unnecessary magnitude can be suppressed.
第4変形例によれば以下の効果を得ることができる。 According to the fourth modification, the following effects can be obtained.
第4変形例のモータ100の制御方法によれば、動作点P1、P2、P3と変化するにつれて、d軸電流が大きくなる場合には、それぞれの動作点における振動の振幅がΔd1、Δd2、Δd3と順に大きくなるように設定する。このようにすることで、それぞれの動作点に応じた振幅を設定することができるので、不必要に大きな振幅での振動が抑制されるので、インダクタンスを測定するための振動がモータ100の回転制御に与える影響を抑制できる。
According to the control method of the
なお、本変形例においては、モータ100へのトルクへの影響が少ないd軸電流Idを振動させたが、これに限らない。q軸電流Iqを振動させてもよいし、また、図13のようにd軸電流Id及びq軸電流Iqの両者を変化させるために、算出タイミングの動作点を示すd軸電流、及び、q軸電流を中心に、rを半径とする円状の軌跡に電流を変化させてもよい。このような場合には、半径rがd軸電流の大きさに応じて変化する。
In this modification, the d-axis current I d, which has little effect on the torque on the
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。 Although the embodiments of the present invention have been described above, the above embodiments are only a part of the application examples of the present invention, and the technical scope of the present invention is limited to the specific configurations of the above embodiments. do not have.
100 モータ
200 制御装置
201 d軸PI制御部
212 ゲインマップ
213 インダクタンス推定器
214 算出タイミング生成部
221 q軸PI制御部
230 目標電流算出部
100
Claims (11)
前記印加電流のフィードバック制御に用いるゲインを、前記印加電流により示される現在の動作点から目標電流により示される目標動作点までの経路における複数の算出タイミングで、算出し、
前記ゲインを用いた前記フィードバック制御によって前記印加電流を制御する、モータの制御方法。 A variable magnetic flux type motor control method capable of changing the magnetic flux from the permanent magnet to the stator according to the current applied to the motor by a magnetic barrier provided on the rotor provided with the permanent magnet. ,
The gain used for the feedback control of the applied current is calculated at a plurality of calculation timings in the path from the current operating point indicated by the applied current to the target operating point indicated by the target current.
A motor control method in which the applied current is controlled by the feedback control using the gain.
前記経路における前記動作点の電流を用いて前記モータのインダクタンスを求め、前記モータのインダクタンスに基づいて前記ゲインを算出する、モータの制御方法。 In the motor control method according to claim 1,
A motor control method in which the inductance of the motor is obtained using the current of the operating point in the path, and the gain is calculated based on the inductance of the motor.
前記目標電流を振動させることにより前記印加電流を振動させ、振動される前記印加電流の複数の値を用いて前記モータのインダクタンスを算出する、モータの制御方法。 In the motor control method according to claim 2,
A motor control method in which the applied current is vibrated by vibrating the target current, and the inductance of the motor is calculated using a plurality of values of the vibrated applied current.
振動させる前記目標電流は、d軸電流である、モータの制御方法。 In the motor control method according to claim 3,
A method for controlling a motor, wherein the target current to be vibrated is a d-axis current.
前記振動の振幅を前記動作点に応じて定める、モータの制御方法。 In the motor control method according to claim 3 or 4,
A motor control method in which the amplitude of the vibration is determined according to the operating point.
前記算出タイミングは、前記モータの運転状態に応じて、複数定められる、モータの制御方法。 In the motor control method according to any one of claims 1 to 5,
A plurality of motor control methods for which the calculation timing is determined according to the operating state of the motor.
前記算出タイミングの間隔は、前記経路におけるトルク変化量が大きいほど、短くなるように設定される、モータの制御方法。 In the motor control method according to claim 6,
A motor control method in which the calculation timing interval is set so as to become shorter as the amount of torque change in the path increases.
前記算出タイミングの間隔は、該間隔においてトルク変化量が等しくなるように設定される、モータの制御方法。 In the motor control method according to claim 6,
A motor control method in which the calculation timing interval is set so that the amount of torque change is equal at the interval.
前記算出タイミングは、現在の前記動作点における電流に基づいて、複数定められる、
モータの制御方法。 In the motor control method according to any one of claims 1 to 8,
A plurality of the calculation timings are determined based on the current current at the operating point.
Motor control method.
前記算出タイミングにおいて、現在の前記動作点と、次の前記算出タイミングにおける前記動作点との中間動作点を生成し、該中間動作点における電流に基づいて、前記ゲインを算出する、モータの制御方法。 In the motor control method according to any one of claims 1 to 9,
A motor control method in which an intermediate operating point between the current operating point and the operating point at the next calculation timing is generated at the calculation timing, and the gain is calculated based on the current at the intermediate operating point. ..
前記印加電流のフィードバック制御に用いるゲインの算出タイミングを、現在の前記印加電流により示される動作点から目標電流により示される目標動作点までの経路において、複数定める算出タイミング生成部と、
前記算出タイミングで、前記ゲインを算出するゲイン算出部と、
前記ゲインを用いた前記フィードバック制御により求められる電流を、前記モータへ印加するインバータと、を備えるモータの制御装置。 A variable magnetic flux type motor control device capable of changing the magnetic flux from the permanent magnet of the rotor toward the stator according to the current applied to the motor by a magnetic barrier provided on the rotor. ,
A calculation timing generator that determines a plurality of gain calculation timings used for feedback control of the applied current in a path from the current operating point indicated by the applied current to the target operating point indicated by the target current.
A gain calculation unit that calculates the gain at the calculation timing,
A motor control device including an inverter that applies a current obtained by the feedback control using the gain to the motor.
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