JP6915867B2 - 光学特性測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、試料に光を照射したときの透過光に基づき該試料の光学特性を測定する光学特性測定装置に関する。
試料の種類や該試料に含まれる成分を同定する手法の一つに、屈折率や吸光度、透過率、分光特性(スペクトル)等の光学特性を利用する方法がある。これらの方法では、光源からの光を試料に照射したときの透過光の波長や強度を検出器で検出することにより光学特性を測定する(特許文献1、2)。
試料を通過する光は、該試料に含まれる成分に吸収されたり該成分によって散乱されたりするため、試料を透過した光の強度は、試料の内部を通過した距離(光路長)に依存する。従って、透過光の強度を試料中の成分の濃度のみに対応したものとするためには、透過光の光路長を一定にする必要がある。
液体試料を測定する場合、該液体試料は光源からの光に対して透過性を有する材料から形成された試料セルに封入又は流通される。試料セルは、例えば内部に液体試料の収容空間を有する角筒状の容器から成る。収容空間の大きさは一定であるため、光源からの光を試料セルの対向する側壁の一方から入射させ、他方から出射させると、その出射光が収容空間内を通過した距離、つまり、光路長を一定にすることができる。
測定対象の液体試料が生体由来のもの(例えば血液)や有機化合物などである場合、その光学特性の測定に中赤外領域の光が用いられることが多い。中赤外領域の光は、水による吸収率が非常に高く、光路長が100μmを超えるとほぼ全ての光がそれらの液体試料に含まれる水に吸収されてしまう。そのため、中赤外領域の光をそれらの液体試料に照射してその光学特性を測定する場合は、収容空間を小さくした試料セルが用いられる。ところが、収容空間が小さいと、該収容空間に液体試料を入れる際に入り込んでしまった気泡が抜けにくい。また、液体試料の粘度が高い場合は収容空間に充填することが難しい。さらに、収容空間が小さいと試料セルを洗浄し難いという問題もある。
これに対して、2枚の板状の窓材の間にリング状のスペーサを挟み、これらをホルダーで共締めすることにより構成された組み立て式の試料セルがある。この試料セルでは、1枚の窓材の上にスペーサを載せた状態で該スペーサの内側に液体試料をやや過大に入れ、もう1枚の窓材をスペーサの上に被せてホルダーで共締めする。このような組み立て式の試料セルを用いると、どのような液体試料であっても、2枚の窓材とスペーサに囲まれた空間に容易に、また、気泡を含むことなく充填することができる。また、上記試料セルは、ホルダーを外すことにより窓材とスペーサを分離することができるため、試料セルを容易に洗浄することができる。
特開2008-309706号公報 特開2008-309707号公報
上記組み立て式の試料セルでは2枚の窓材のうちの一方側から他方側に向かって光が通過するように光源からの光が照射される。従って、2枚の窓材の間隔が光路長となる。ところが、2枚の窓材の間隔はホルダーの締め具合によって僅かながら変化するという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、液体試料に光を照射することにより該液体試料の内部を通過した光を検出する光学特性測定装置において、その光が液体試料の内部を通過する距離を一定にすることである。
本発明者は、上記の課題を解決することができる以下の光学特性測定装置を発明し、先に特許出願した(以下、この光学特性測定装置を「先願の装置」と呼ぶ。)。
即ち、先願の装置は、
試料の表面に光を照射する光源と、
前記表面から所定の距離だけ内側に該表面に最も近い節が位置する、該表面に垂直な音響定在波を前記試料中に形成する定在波形成器と、
前記光入射表面に対して前記光源と同じ側に配置された、前記試料の表面から出射された光を検出する検出器と
を備えたものである。
先願の装置は固体試料の測定と液体試料の測定の両方に使用することができる。
先願の装置は、試料内に音響定在波が形成されると試料内に密度が高い部分と低い部分(つまり「粗密」)が生じる現象を利用している。
上記「試料の表面から所定の距離だけ内側に節が位置する、前記光入射に垂直な音響定在波」は、試料の表面に垂直な方向に沿って腹と節が順に並ぶ定在波をいう。
この装置を液体試料の測定に用いる場合を例にその作用を説明する。
先願の装置では、定在波形成器により試料セルに収容された液体試料の内部に、その表面(液面)から所定の距離だけ内側に節が位置する、該液面に垂直な音響定在波を形成する。これにより、液体試料の内部では、液体試料中の成分が節近傍に凝集して該節近傍の密度が増加し、その部分(以下、節部分)の屈折率が、腹部分を含むその他の部分よりも高くなる。前記音響定在波は、液面から所定の距離だけ内側に該液面に最も近い節(液面から1番目の節)が位置するものであることから、液体試料の内部では、1番目の節部分と、該1番目の節部分と液面によって挟まれた部分との間で屈折率差が生じ、この屈折率差による見かけ上の反射面が形成される。このように、液体試料の内部に音響定在波が形成されている状態で光源からの光を液面に照射すると、その光の一部は液面で反射され、一部は液面から液体試料の内部に進入した後、上記した見かけ上の反射面で反射されて液面から出射し、検出器により検出される。つまり、液面から出射される光には、液面における反射光と、液体試料内部の見かけ上の反射面による反射光が含まれることになる。見かけ上の反射面による反射光は液体試料の内部を前記所定の距離の倍の距離だけ通過(往復)した光であり、試料の光学特性を反映したものとなる。
このように、先願の装置では、液面から所定の距離だけ内側に節が位置するような音響定在波が形成され、液体試料の内部の所定の位置に見かけ上の反射面が形成されるため、光源から発せられた後、液体試料の内部に進入し、該見かけ上の反射面で反射されて液面から出射される光が液体試料の内部を通過する距離、つまり光路長を一定にすることができる。このように、先願の装置を用いることにより液体試料の内部を通過する光の光路長を一定にすることができる。
先願の装置を用いて液体試料を測定する際に、該液体試料の内部に形成される音響定在波の振幅を大きくすることにより、液体試料の内部で粗密の差を増大させて節部分と腹部分の屈折率差を大きくし、前記見かけ上の反射面による光の反射効率を高めて測定感度を向上することができる。しかし、液体試料の内部に形成される音響定在波の振幅を大きくしていくと、液体試料の内部に生じる対流が徐々に大きくなって液面に揺れが生じ(波打ち)、該液面に照射された光が液面で反射する方向と、液面から液体試料内に進入したあと該液面から外部に出射する光の方向とが変動して、それらの光を安定的に検出することが難しくなる。このような場合、光学特性測定装置を次のような構成とするのが有効である。
即ち、本発明に係る光学特性測定装置は、
a) 試料セルと、
b) 前記試料セルに収容された液体試料の液面から所定の距離だけ内側に、該液面に最も近い節が位置する、該液面に垂直な音響定在波を該液体試料の内部に形成する定在波形成器と、
c) 所定の音響インピーダンスを有する材料からなり、その内部に前記液体試料が流入し、上端が前記液面よりも上方に、下端が前記節よりも下方に位置するように配置される筒状体と、
d) 前記筒状体の内部の液面に測定光を照射する光源と、
e) 前記液面から出射される光を検出する検出器と
を備えることを特徴とする。
前記所定の音響インピーダンスを有する材料は、測定対象である液体試料の音響インピーダンスと異なる音響インピーダンスを有する材料をいう。
本発明に係る光学特性測定装置では、試料セルの内部に、所定の(測定対象の液体試料と異なる)音響インピーダンスを有する材料からなる中空の筒状体を配置する。この光学特性測定装置でも先願の装置と同様に、光源から試料を測定するための測定光を試料セルに収容された液体試料の表面に照射するとともに、定在波形成器により液面から所定の距離だけ内側に該液面に最も近い節が位置する、該液面に垂直な音響定在波を形成する。先願の装置では、定在波形成器により与えられる音波が試料セルに収容された液体試料全体に広がっていく。この音波は基本的には鉛直方向に伝播するが、その指向性は完全ではなく、わずかながら水平方向にも伝播する。そのため、液体試料に与える音波の振幅を大きくすると液体試料の内部に生じる対流が徐々に大きくなって液面に揺れが生じる。本発明に係る光学特性測定装置では、試料セルの内部に、測定対象の液体試料と異なる音響インピーダンスを有する材料からなる筒状体を、その上端が液面よりも上方に、下端が液面に最も近い節よりも下方に位置するように配置するため、該筒状体の内部では、液体試料の内部に対流を生じさせる要因となる、音波の水平方向への伝播が抑制される。従って、液体試料の内部に形成される音響定在波の振幅を大きくしても筒状体の内部の液面に揺れは生じず、該液面から出射する光が検出器によって安定的に検出されるため、先願の装置よりも測定感度を高くすることができる。
本発明に係る光学特性測定装置を用いることにより、液体試料に光を照射することにより該液体試料内を通過した光を検出する光学特性測定装置及び方法において、その光が液体試料内を通過した距離を一定にすることができる。また、先願の光学特性測定装置よりも測定感度を高くすることができる。
本発明に係る光学特性測定装置の一実施例の概略構成図。 本実施例の光学特性測定装置において、試料セルに収容された液体試料の内部に音響定在波が形成されている状態を示す図。 本実施例の光学特性測定装置において、試料セルに収容された試料の内部に音響定在波が形成されていない状態を示す図。 本実施例の光学特性測定装置において、試料セルに収容された対照試料の内部に定在波が形成されている状態を示す図。 先願の光学特性測定装置における、加振前の液面及び加振中の液面と仮想反射面の様子を示す図。 x-y平面に位置する直径20mmの円形振動面からz軸方向に放射される音圧波面の伝播のシミュレーション結果を説明する図。 x-y平面に位置する直径20mmの円形振動面からz軸方向に放射される音圧波面の伝播のシミュレーション結果を説明する別の図。 実験1においてアルミチューブを用いたときの、加振中の液面及び仮想反射面の様子を示す図。 実験1においてビニールチューブを用いたときの、加振中の液面及び仮想反射面の様子を示す別の図。 実験2において使用した筒状体と各筒状体を用いた結果。 実験3において実施例として使用した試料セル。 実験3において比較例として使用した試料セル。 実験3で使用した光学測定装置の構成図。 実施例3において実施例の試料セルを使用することにより得られたスペクトル。 実施例3において比較例の試料セルを使用することにより得られたスペクトル。 変形例の光学特性測定装置の概略構成図。
本発明に係る光学特性測定装置の一実施例について、以下、図面を参照して説明する。
図1に本実施例の光学特定測定装置の概略構成を示す。この光学特性測定装置は、測定対象の液体試料20(以下、単に「試料20」という)が収容されるとともに、その内部に中空の筒状体23が配置された試料セル21と、該試料20の表面(液面)に光を照射する光源30と、定在波形成部40と、光源30からの光が入射する試料20の表面(液面)から出射された光を検出する検出器50と、該検出器50による検出信号をデジタルデータに変換するアナログ−デジタル変換部(A/D変換部)60と、アナログ−デジタル変換された検出データに対して所定のデータ処理を行うデータ処理部70とを備えている。
試料セル21は、上下に開口部を有する角筒状の容器22と、下部の開口部を塞ぐ窓材24から構成されている。本実施例では試料セル21の上部を開放しているが、上部に透光性の窓材を配置してもよい。
定在波形成部40は、超音波振動子41と該超音波振動子41を駆動する駆動部42とから構成されている。超音波振動子41は、試料セル21の底面に載置されており、その上部には筒状体23が載置されている。筒状体23の上端は液面よりも上方に露出している。ここでは、筒状体23が超音波振動子41の上面(超音波発生面)に接触した配置を示しているが、これらは離間していてもよい。
駆動部42は、交流電源421が出力する交流電力の周波数を調整する周波数調整部422と、超音波振動子41が発生する超音波の振幅を調整する振幅調整部423を備えている。駆動部42には使用者によって操作される操作部424が接続されており、該操作部424からの入力信号に基づき駆動部42は、超音波振動子41の動作をオン/オフしたり、交流電力の周波数を調整したり、あるいは超音波振動子41が発生する超音波の振幅を調整したりする。従って、操作部424及び駆動部42は本発明における切替器に相当する。また、周波数調整部422、振幅調整部423は、本発明における波長変更器、音波振動変更部に相当する。
光源30からの光はハーフミラー83によって反射された後、試料20の表面に照射される。また、試料20の表面から出射された光はハーフミラー83を透過した後、検出器50に入射する。検出器50としては、光電子増倍管、フォトダイオード、CCD、焦電検出器等の光検出器や分光光度計等を用いることができる。図1に示す実施例ではハーフミラー83を用いたが、光源30からの光が直接、試料20の表面に入射し、試料20の表面から出射された光が直接検出器50に入射するように、試料20、光源30及び検出器50を配置するようにしても良い。その場合は、ハーフミラー83を省略することができる。
データ処理部70は、アナログ−デジタル変換された検出データを収集するデータ収集部71と、収集した検出データを解析するデータ解析部72と、データ解析部72による解析の際に用いられるデータベース73と、検出データを用いて試料の光学特性である吸光度(又は透過率)を計算し、吸光スペクトルを作成する吸光度算出部74とを含む。吸光度算出部74は本発明における光学特性算出器に相当する。
データ処理部70の機能は、専用のハードウェアを用いて実現することも可能であるが、汎用のパーソナルコンピュータをハードウェア資源とし、該パーソナルコンピュータにインストールされた専用の処理ソフトウェアを実行することにより実現するのが一般的である。データ処理部70は、パーソナルコンピュータに接続された、各種の入力操作を行うためのキーボードやポインティングデバイス(マウス等)による入力部81や測定結果等を表示するためのモニタ82を備えている。
図1に示す光学特性測定装置において超音波振動子41を動作させると、図2に示すように、試料20の内部には超音波振動子41の表面(超音波発生面)に垂直な音響定在波Swが形成される。なお、図2では音響定在波Swを分かりやすく示すために筒状体23の図示を省略している。図1に示す試料20は、超音波振動子41の表面(音波発生面)と光源30からの光が入射する面(液面)が平行であるため、前記音響定在波Swは液面とも垂直となる。また、超音波振動子41に供給する交流電力の周波数や超音波振動子41が発生する超音波の振幅を適宜、調整することにより、光源30からの光が入射する面から所定の距離だけ内側に節が位置するような音響定在波Swを形成することができる。
図2では、試料20内に超音波振動子側及び液面側の両方が自由端の音響定在波Swが形成される様子を示した。音響定在波Swの液面側の端部が自由端と固定端のいずれになるかは、液面において接する材質の音響インピーダンスの大きさによって決まる。図2の例では、液面では試料20と空気が接しており、空気の音響インピーダンスが試料20よりも小さいため、自由端となる。液面側の音響定在波Swの端部が自由端であることから、音響定在波Swの波長をλとすると、液面から該液面に最も近い節(最初の節)までの距離はλ/4となる。
次に、図2〜図4を参照して、本実施例の光学特性測定装置を用いた光学特性の測定原理を説明する。なお、図3及び図4についても、図2と同様に、筒状体23の図示を省略している。
図2は、定在波形成部(超音波振動子41)により試料20の内部に音響定在波Swが形成されている状態、図3は試料20の内部に音響定在波が形成されていない状態、図4は対照試料20Aの内部に音響定在波Swが形成されている状態を示している。いずれの状態においても、光源30からの光(照射光)が試料20又は対照試料20Aに照射されると、該照射光の一部は試料20又は対照試料20Aの表面(液面)で反射され(以下、これを表面反射光という)、一部は試料20又は対照試料20Aの内部に進入する。
試料20の内部に音響定在波Swが形成されると、該音響定在波Swの節と腹によって試料20内の節近傍の密度がその他の領域の密度よりも大きくなる。つまり、試料20の内部に周期的な粗密が生じる。物質の屈折率と該物質の密度は比例関係にあるため、密度が大きくなる節の位置では、屈折率が他の領域の屈折率よりも大きくなる。この結果、音響定在波Swの節の位置とそれ以外の領域の間に屈折率の差が生じ、節の位置には見かけ上の反射面(以下、「仮想反射面」という)が形成される。このため、試料20の表面から該試料20の内部に進入した照射光の一部は前記仮想反射面によって反射された後、試料20の表面から出射され、前記照射光の一部は仮想反射面を通過する。以下の説明では、仮想反射面によって反射された光を、内部反射光という。以上より、試料20内に音響定在波Swが形成された状態で光源30からの光を試料20に照射したときに、該試料20の表面から射出される光は、表面反射光及び内部反射光となる。
なお、照射光の進行方向における試料20の長さ及び音響定在波Swの波長の長さ等により、試料20の内部には1乃至複数の仮想反射面が形成される。試料20の内部に複数の仮想反射面が形成されている場合、試料20内に進入し、該試料20の表面(液面)側から1番目の仮想反射面を通過した照射光の一部は2番目の仮想反射面で反射され、残りは2番目の仮想反射面を通過することになる。3番目以降の仮想反射面も同様である。しかし、1番目の仮想反射面で反射される光量に比べると、2番目以降の仮想反射面で反射される光量は非常に少ないため、ここでは、1番目の仮想反射面によって反射された光のみを考えることとする。
内部反射光は、試料20の表面(液面)から前記仮想反射面までの距離の2倍の距離だけ試料20の内部を通過した後、液面から外部に出射する。内部反射光は、試料20の内部に進入した光が試料20による吸収、散乱等の影響を受けた後の光であり、試料20の光学特性を反映したものであるため、背景技術において説明した「透過光」に相当する。仮想反射面は、試料20内に形成される音響定在波Swの節のうち、試料20の表面から1つ目の節の位置に形成される。音響定在波Swの節の位置は該音響定在波Swの波長によって決まり、音響定在波Swの波長は超音波振動子41の超音波振動の周波数又は周期によって決まる。従って、超音波振動子41の超音波振動の周波数又は周期を適宜の値に調整することにより仮想反射面の位置、つまり、内部反射光の光路長を調整することができる。例えば、試料20が血液等の生体由来のものや有機化合物であり、光源30から中赤外領域の光を照射する場合には、内部反射光の光路長が100μm以下となるように調整するとよい。
一方、試料20内に音響定在波が形成されていない状態では、該試料20内には仮想反射面が形成されない(図3参照)。このため、試料20の表面から該試料20の内部に進入した照射光は、そのまま試料20内を通過して該試料20に吸収されたり、試料20の表面とは反対側に取り付けられた窓材24から試料セル21の外部に放射されたり、或いは、該窓材24で反射された後、試料20に吸収されたりする。以上より、試料20内に音響定在波が形成されていない状態で光源30からの光を試料20に照射したときに、該試料20の表面から射出される光は、ほぼ表面反射光のみとなる。
従って、試料20の内部に音響定在波Swが形成されている状態、及び音響定在波が形成されていない状態のそれぞれにおいて、光源30からの光を試料20に照射したときに検出器50で検出された結果から、内部反射光の強度、つまり試料20の光学特性(吸光度)を求めることができる。
光源30から試料20に照射される光(照射光)の波長λの光量をI(λ)、試料20の表面からの波長λの反射率をα(λ)とすると、試料20の表面からの波長毎の反射光量はα(λ)×I(λ)となる。ここで、反射率α(λ)は大気の屈折率と試料20の屈折率によって決まる。
試料20の内部に入射する光量は、照射光の光量から表面反射光の光量を差し引いた値であり、波長λの内部入射光量は(1−α(λ))×I(λ)と表すことができる。従って、波長λの内部反射光の光量をI(λ)とすると、波長λの吸光度A(λ)は下記式により算出することができる。
A(λ)=−log10[I(λ)/((1−α(λ))×I(λ))]
試料20の屈折率が分かれば、反射率α(λ)は、波長毎の屈折率の違いである分散n(λ)を考慮してフレネル反射則から理論的に求めることができる。また、試料20の屈折率が不明なために反射率α(λ)が求められない場合でも実験的に求めることが可能である。要は、試料20の内部に音響定在波Swが形成されている状態及び形成されていない状態のそれぞれで、光源30からの光を試料20に照射したときに該試料20の表面から発せられた光の検出結果から、試料20の分光吸光度を求めることができる。
試料20の相対的な光学特性を求める場合、あるいは、試料20(生体組織液や血液等)に含まれる1乃至複数の成分の光学特性を求める場合は、試料20の内部に音響定在波Swが形成されている状態、及び対照試料20Aの内部に音響定在波Swが形成されている状態のそれぞれにおける検出器50の検出結果を用いると良い。対照試料20Aとしては、試料20の標準品とされているもの、あるいは、試料20から1乃至複数の特定の成分を除いたものなど(例えば純水)を用いることができる。
具体的には、図4に示すように、試料セル21に対照試料20Aを収容した状態で、該対照試料20Aの内部に音響定在波Swを形成する。そして、この状態で、光源30からの光を対照試料20Aに照射する。この結果、対照試料20Aの表面からは、表面反射光と内部反射光が出射される。
照射光の波長毎の光量をI(λ)とすると、対照試料20Aの表面から出射される表面反射光の波長毎の光量は試料20の表面反射光の光量とほぼ同じであり、α(λ)×I(λ)と考えることができる。一方、内部反射光の波長毎の光量I(λ)は対照試料20Aの光学特性を反映したものとなる。
従って、試料20の内部に音響定在波Swが形成されている状態、及び対照試料20Aの内部に音響定在波Swが形成されている状態のそれぞれにおける検出器50の検出結果から、試料20の相対的な光学特性、あるいは試料20に含まれる成分の光学特性を求めることができる。
この測定原理によれば、試料20の内部に形成される音響定在波の振幅を大きくすれば、試料20の内部の粗密の差が増大して節部分と腹部分の屈折率差が大きくなる。これにより仮想反射面による光の反射効率を向上し、表面反射光の強度を大きくして測定感度を高めることができる。
そこで、先願の装置において超音波振動子41に付与する電圧を高くし、試料20の内部に形成される音響定在波の振幅を大きくしたところ、試料20の液面に揺れが生じたため、光源及び検出器として機能するOCT(光干渉断層計)を用いて試料20の内部を観察した。超音波振動による加振前の液面の様子を図5(a)に、超音波振動子41に10Vの電圧を印加した加振中の液面及び仮想反射面の様子を図5(b)に示す。図5(a)では平坦な液面が観察されているのに対し、図5(b)では液面と仮想反射面の両方が揺れている様子が見て取れる。このように液面及び仮想反射面が揺れると、表面反射光と内部反射光の進行方向がいずれも変動して、それらの光を安定的に検出することが難しくなる。
試料20の内部の様子をより詳細に確認するために、着色した水中に微粒子を分散させた試料20についても同様にOCT(光干渉断層計)を用いて観察したところ、試料20内部に対流が生じていることが確認された。即ち、音圧波面が鉛直方向だけでなく水平方向にも伝播することにより試料20の内部に対流が生じ、液面及び仮想反射面の揺れが生じているものと考えられる。
上記の結果を踏まえ、音波波面の伝播の、鉛直方向の指向性を高めるべく、本実施例の光学特性測定装置では、試料セル21の内部に、中空の筒状体23を配置した。これは図6及び図7に示すシミュレーション結果から導出された構成である。このシミュレーションは、x-y平面に位置する直径20mmの円形振動面からz軸方向に放射される音圧波面の伝播のシミュレーションである。図6の上図は放射音圧波面の位相分布をy-z平面(y軸方向の幅20mm、z軸方向の長さ100mm)で切り出したもの、下図はx-z平面(x軸方向の幅1.0mm、z軸方向の長さ10mm)で切り出したものである。また、図7の上図は音圧分布をy-z平面(y軸方向の幅20mm、z軸方向の長さ100mm)で切り出したもの、下図はx-z平面(x軸方向の幅20mm、z軸方向の長さ100mm)で切り出したものである。これらのシミュレーション結果から、中心軸(z軸)近傍の音圧波面を切り出すことにより、音圧波面の伝播の鉛直方向の指向性を高めることができる。
[実験1]
筒状体23の効果を確認するために、試料20(純水)を収容した試料セル21の底面に載置した超音波振動子41の超音波発生面の中心位置の上部に素材が異なる筒状体23(いずれも内径5mm)を配置し、液面及び仮想反射面をOCT(光干渉断層計)により観察した。使用した筒状体23の材料は金属(アルミニウム、銅、真鍮)及び軟質材(ビニール、アメゴム、シリコーン)である。アメゴムは天然ゴムの一種である。図8にアルミニウムからなる筒状体23を用いたときの様子、図9にビニールからなる筒状体23を用いたときの様子を示す。
図8(a)に示すように、アルミニウムからなる筒状体23を用い、10Vの電圧を印加した時には液面及び仮想反射面が安定することが確認できた。しかし、印加する電圧を15Vに高くすると再び液面及び液中の仮想反射面に揺れが生じた(図8(b))。他の金属(銅、真鍮)についても同様の結果となった。
一方、図9(a)及び(b)に示すように、ビニールからなる筒状体23を用いた場合には、10V、15Vのいずれの電圧を印加した時にも液面及び仮想反射面に揺れが生じることがなかった。シリコン樹脂からなる筒状体23についても同様の結果となった。しかし、アメゴムからなる筒状体23を用いたときには、筒状体23による効果が確認されなかった。
上記の実験結果は、試料20(上記実験では水)と筒状体23を構成する材料の音響インピーダンスの差に基づき解釈することができる。金属(アルミニウム、銅、真鍮)はいずれも硬質材であり、その音響インピーダンスは試料20(上記実験では水)の音響インピーダンス(1.46×106N・s/m3)に比べて数十倍も大きい(例えば銅の音響インピーダンスは44.6×106N・s/m3)。そのため、超音波振動子41への印加電圧が小さい場合には筒状体23による水平方向に伝播する音波がある程度は吸収されるものの、印加電圧が大きくなると水平方向に伝播した音波の一部が反射され、液面及び液中の仮想反射面に揺れが生じたと考えられる。
これに対し、軟質材であるビニールの音響インピーダンスは3.23×106N・s/m3、シリコーンの音響インピーダンスは1.28×106N・s/m3であり、上記の金属に比べると試料20(水)との音響インピーダンスの差が小さい。そのため、水平方向に伝播する音波が吸収され、印加電圧を15Vまで高めても液面及び仮想反射面に揺れが生じなかったと考えられる。また、アメゴムは軟質材ではあるものの、その音響インピーダンスが1.46×106N・s/m3、即ち試料20(水)とほぼ同じであったため、水平方向に伝播する音波を吸収するような筒状体23として機能しなかったと考えられる。
[実験2]
次に、筒状体23を二重管構造にした場合の効果を検証する実験も行った。この実験では、シリコンチューブ(内径4mm、外径6mm、長さ20mm)とビニールチューブ(内径4mm、外径6mm、長さ20mm)の外側に、それぞれアクリル製のカバー(内径6mm、外径15mm、長さ20mm)を取り付けた二重管構造の筒状体23を用いて上記同様の実験を行った。また、比較のために、シリコンチューブ、ビニールチューブ、及び銅チューブ(シリコンチューブ及びビニールチューブの形状は上記同様。銅チューブは内径4mm、外径5mm、長さ20mm。カバーなし)を筒状体23として用いた実験も行った。なお、上述の実験1とは使用した超音波振動子の種類が異なるため、印加電圧の大きさが上記実験と異なっている。
図10に実験結果を示す。
まず、超音波振動子に4Vの電圧を印加した場合には、銅チューブ以外の筒状体23の全てについて液面が安定する効果が確認された。そこで、印加する電圧を15Vまで高めたところ、シリコンチューブ及びビニールチューブについては液面の揺れが見られた一方、それぞれにカバーを取り付けた筒状体23を用いた構成では液面の揺れが見られなかった。これは、シリコンチューブやビニールチューブといった軟質材からなるチューブのみを用いた場合、超音波の強度が大きくするとその直筒形状に撓み等が生じて音圧波面の伝搬の鉛直方向の指向性が低下するのに対し、それらチューブの直筒形状を維持するための補助部材を用いると、強度の大きい超音波を付与した場合でも音圧波面の伝搬の鉛直方向の指向性を維持できるためであると考えられる。この実験では筒状体23を二重管構造としたが、補助部材(上記実験におけるアクリル製のカバー)の形状は必ずしも筒状である必要はなく、シリコンチューブ等の外周面を螺旋状に周回するばね形状の部材や、チューブの外周の長手方向に取り付けられる支持部材等を用いることによっても同様の効果が期待できる。
[実験3]
本実施例の筒状体23を用いる効果を検証するために別の実験も行った。この実験では、本実施例の光学特性測定装置として、各辺が25mmである立方体状のアクリル製の試料セル21内に、ゴムチューブの外側にアクリル製のカバーを配した二重管構造の筒状体23(外径15mm、内径7mm、高さ20mm)を配置した(実施例)。また、比較例として直径32mm、高さ15mmのポリプロプレンからなるポーション容器を試料セル121(筒状体なし)として用いた(比較例)。実施例の試料セル21を図11に、比較例の試料セル121を図12にそれぞれ示す。また、実施例の試料セル21と比較例の試料セル121のそれぞれの底面に同一の超音波振動子41(141)を載置した。この実験では、実施例の試料セル21と比較例の試料セル121にそれぞれ着色した水を収容し、液面に対して53度の入射角で中心波長565nmの光を照射し、その反射光強度を測定した。装置の全体構成を図13に示す。なお、上述の実験1及び2とは使用した超音波振動子の種類が異なるため、印加電圧の大きさが上記実験と異なる。
実施例と比較例のそれぞれについて、超音波振動子41(141)への印加電圧の大きさを変更しつつ、液面からの反射光を測定して400〜800nmの波長範囲のスペクトルを得た。図14に実施例の結果、図15に比較例の結果を示す。
実施例の試料セル21では、超音波振動子41への印加電圧が3.5Vに達するまでの間はスペクトル全体の強度が印加電圧とともに大きくなり、4.0Vになるとスペクトル強度が低下した。この結果から、実施例の試料セル21では最大印加可能電圧(液面及び仮想反射面に揺れを生じさせることなく測定可能な電圧の最大値)が3.5〜4.0Vの間の値であることが分かる。一方、比較例の試料セル121では、印加電圧が1.8Vに達するまでの間は実施例と同様にスペクトル全体の強度が印加電圧とともに大きくなったが、2.0Vとなった時点でスペクトル強度が低下した。つまり、比較例の試料セル121の最大印加可能電圧は1.8〜2.0Vの間の値であることが分かる。そして、実施例のスペクトルの最大強度(任意単位)が57(3.5Vの電圧印加時)であるのに対し、比較例のスペクトルの最大強度(実施例と共通の任意単位)は41(1.8Vの電圧印加時)であった。これらの実験結果からも、試料セル21の内部に筒状体を配置することにより、最大印加可能電圧が先願の装置よりも高くなり、測定感度が向上することが分かる。
上記実施例は一例であって、本発明の趣旨に沿って適宜に変更することができる。上記実施例では、超音波振動子41の超音波振動面の直上から液面に達する長さの筒状体を用いた。しかし、上述のとおり、1番目の仮想反射面(液面に最も近い仮想反射面)で反射される光量に比べると、2番目以降の仮想反射面で反射される光量は非常に少ないことを考慮すれば、筒状体23の下端部は少なくとも上記1番目の仮想反射面よりも下方に位置していればよく、必ずしも超音波振動面(あるいはその直上)まで達する長さのものでなくてもよい。
また、変形例として以下のような構成の光学特性測定装置を構成することができる。この光学特性測定装置90は、本体部90aと蓋部90bから構成される。本体部90aは、図16(a)に示すように、試料セル21の底面の中央部に超音波振動子41を固定したものである。蓋部90bは、図16(b)に示すように、蓋部本体91の内部の上部の一方の側に配置されたLED光源等の小型の光源92、他方の側に配置された小型の検出器93、それらの間に配置された、斜面が鏡面である反射部材94、及び該蓋部本体91の内部の側面から延設された部材と一体化した、シリコーン、ビニール等からなる筒状体95を備えている。なお、実際には超音波振動子41、光源92、及び検出器93等に適宜の配線が接続されるが、図16ではこれらの図示を省略している。
この光学特性測定装置90を使用する際には、本体部90aの試料セル21内に分析対象の液体試料20を収容し、続いて本体部90aに蓋部90bを装着する。そして、光源92から所定の波長の光を照射する。光源92から照射された光は反射部材94により反射され、筒状体23の内部の液面に入射する。液面で反射された光(表面反射光)及び液体試料20の内部に形成された仮想反射面で反射された光(内部反射光)は、反射部材94により反射され検出器93に入射する。検出器93では、入射光の強度に対応する信号を生成し、信号処理部(図示略)に出力する。
変形例の光学特性測定装置90では、本体部90aに液体試料20を導入し、蓋部90bを装着して各部を動作させるだけで、簡単に液体試料20の光学特性を測定することができる。また、上述した実験3で使用した試料セルのように数cm(実験3では25mm)の大きさの試料セルを本体部90aの試料セル21として用いると、光学特性測定装置90全体を数cmという小型に構成することができる。こうした光学特性測定装置90は、例えば個人が自身の健康管理のために尿等に含まれる成分を測定する等の目的に好適に用いることができる。その場合、信号処理部に記憶部を設け、該記憶部に予め対照試料20Aの測定データ(例えばスペクトルデータ)を保存しておくことで、測定完了と同時に測定対象の液体試料20と対照試料20Aのデータの差分を求め、該液体試料20に含まれる成分の同定や定量を行うことができる。こうした信号処理部は、例えばスマートフォン等の携帯型端末で所定のプログラム(アプリケーション)を実行することにより具現化されるものとすることができる。これにより、使用者は小型の光学特性測定装置90と所定のプログラム(アプリケーション)が保存された携帯型端末を用いるのみで簡単に自身の健康管理を行うことができる。
10…光学特性測定装置
20…液体試料(試料)
20A…対照試料
21、121…試料セル
23…筒状体
30…光源
41、141…超音波振動子
42…駆動部
421…交流電源
422…周波数調整部
423…振幅調整部
424…操作部
50…検出器
70…データ処理部
71…データ収集部
72…データ解析部
73…データベース
74…吸光度算出部
81…入力部
82…モニタ
83…ハーフミラー
90…光学特性測定装置
90a…本体部
90b…蓋部
91…蓋部本体
92…光源
93…検出器
94…反射部材
95…筒状体

Claims (10)

  1. a) 試料セルと、
    b) 前記試料セルに収容された液体試料の液面から所定の距離だけ内側に、該液面に最も近い節が位置する、該液面に垂直な音響定在波を該液体試料の内部に形成する定在波形成器と、
    c) 所定の音響インピーダンスを有する材料からなり、その内部に前記液体試料が流入し、上端が前記液面よりも上方に、下端が前記節よりも下方に位置するように配置される筒状体と、
    d) 前記筒状体の内部の液面に測定光を照射する光源と、
    e) 前記液面から出射される光を検出する検出器と
    を備えることを特徴とする光学特性測定装置。
  2. 請求項1に記載の光学特性測定装置において、
    前記筒状体の外周に、該筒状体の形状を維持するための補助部材が取り付けられている
    ことを特徴とする光学特性測定装置。
  3. 請求項1又は2に記載の光学特性測定装置において、さらに、
    f) 前記光源からの光が前記液体試料に照射されたときの前記検出器の検出結果に基づき、該液体試料の光学特性を求める光学特性算出器
    を備え、
    前記光学特性算出器が、前記定在波形成器により前記液体試料の内部に音響定在波が形成されているときの前記検出器の検出結果に基づき、該液体試料の光学特性を求める
    ことを特徴とする光学特性測定装置。
  4. 請求項3に記載の光学特性測定装置において、さらに、
    g) 前記音響定在波形成器により前記液体試料の内部に前記音響定在波が形成されている第1状態と前記液体試料の内部に前記音響定在波が形成されていない第2状態に切り替える切替器と
    を備え、
    前記光学特性算出器が、前記第1状態にあるときの前記検出器の検出結果と、前記第2状態にあるときの前記検出器の検出結果とから、前記液体試料の光学特性を求める
    ことを特徴とする光学特性測定装置。
  5. 請求項3に記載の光学特性測定装置において、さらに、
    h) 前記定在波形成器により対照試料の内部に前記音響定在波が形成されている状態で該対照試料に前記光源からの光が照射されたときの前記検出器の検出結果である対照試料検出結果を記憶する記憶部を備え、
    前記光学特性算出器が、前記定在波形成器により前記液体試料の内部に音響定在波が形成されている状態で前記液体試料の表面に光を照射したときの前記検出器の検出結果と、前記対照試料検出結果とから、前記液体試料の光学特性を求める
    ことを特徴とする光学特性測定装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の光学特性測定装置において、さらに、
    i) 前記定在波形成器が形成する前記音響定在波の波長を変更する波長変更器
    を備えることを特徴とする光学特性測定装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の光学特性測定装置において、
    前記定在波形成器が、音波振動子と、該音波振動子が発する音波振動の周波数及び/又は振幅を変更する音波振動変更部とを備える
    ことを特徴とする光学特性測定装置。
  8. 請求項5に記載の光学特性測定装置において、
    前記液体試料が既知物質と未知物質からなる複合試料であり、前記対照試料が前記既知物質である
    ことを特徴とする光学特性測定装置。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の光学特性測定装置において、
    前記光源が、所定の波長範囲の光を出射する多波長光源であり、
    前記検出器が、波長毎の光の強度を測定する分光光度計であることを特徴とする光学特性測定装置。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の光学特性測定装置において、
    前記検出器が、光干渉断層計であることを特徴とする光学特性測定装置。
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