以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<基本プリント動作>
図1および図2を用いて、画像形成装置の構成について説明する。図1は、電子写真方式の画像形成装置10の断面図である。本実施形態における画像形成装置10は、像担持体である感光ドラム102に形成されたトナー像を中間転写ベルトに一次転写した後、二次転写ローラ106で紙(シート)に二次転写する中間転写方式を採用する。
画像形成装置10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)それぞれ専用の感光ドラム(像担持体)102y、102m、102c、102kを備える。各感光ドラム102y、102m、102c、102kは、帯電器によって帯電される。露光手段である露光制御部103y、m、c、kは、画像形成ジョブの注目ページの画像データをレーザ駆動信号に変換する。露光制御部103は、レーザ駆動信号に基づきレーザ光を感光ドラム102に照射し、静電潜像を形成する。感光ドラム102y、102m、102c、102kに形成された静電潜像は、現像器109y、109m、109c、109kによって現像剤を用いて現像され、各色のトナー像が感光ドラム102に形成される。
画像形成装置10は、各感光ドラム102y、102m、102c、102kに隣接した、中間転写ベルトであるITB(Intermediate Transfer Belt)104を備える。本実施形態では、感光ドラム102yを、ITB104の回転方向における上流側の感光体とし、感光ドラム102kを、ITB104の回転方向における下流側の感光体とする。上流側に配置される感光体への像形成は、下流側に配置される感光体に比べ、先に開始される。
感光ドラム102y、102m、102c、102kに形成された各色のトナー像は、一次転写ローラ105y、105m、105c、105kによってITB104に転写される(一次転写)。ITB104上のトナー像は、二次転写ローラ106によって紙に転写される(二次転写)。トナー像が転写された紙は、定着器107により加熱、加圧され定着される。定着器107を通過した紙は、フィニッシャ500に搬送され、フィニッシャ500により、後処理が施され、装置外に排出される。フィニッシャ500は、針を用いてシート束を綴じる綴じ処理や、シートにパンチ穴を形成するパンチ処理、製本処理、といった後処理を実行する後処理装置である。
次に画像形成装置10の画像形成ジョブの動作を説明する。画像形成装置10は、操作部20又は不図示の外部装置から画像形成ジョブを受信すると、リーダ部100を制御し、原稿を読み取って画像データを生成する。そして画像形成装置10は、この画像データをエンジン特性に応じた階調テーブルを通して補正する。この画像データ(ビデオ信号)を露光制御部103に入力することで、レーザ駆動信号に変換する。露光制御部103は、レーザ駆動信号に基づきレーザ光を感光ドラム102に照射する。これにより、感光ドラム102上に静電潜像が形成される。感光ドラム102上の静電潜像は、現像器109によって現像される。感光ドラム102上に形成されたトナー像は、それぞれ所定のタイミングでITB104上に一次転写され、各色成分が重なることで、所望の色画像が形成される。なお、以下では、露光から一次転写までの一連の動作を「作像動作」と呼ぶ。
一方、負荷駆動部625は、給紙モータ626a,b,c,dを駆動し、用紙収納部であるカセット110a,b,c,dに収納されている紙を給紙ローラ120a,b,c,dにより給紙する。そして、給紙センサ130a,b,c,dにより紙が給紙完了したかどうかを確認し、給紙完了タイミングで、紙有無センサ131a,b,c,dによりカセット(用紙収納部)110a,b,c,dに紙の有無を検知する。CPU621は、紙有無センサ131が出力する検知信号に基づき、カセット110に紙が無いと判断する。なお、以下では、用紙収納部であるカセット110a,b,c,dから紙を給紙する動作を「給紙動作」と呼ぶ。
紙を給紙した後、負荷駆動部625は、不図示の搬送モータを駆動させ、レジストローラ111まで紙を搬送する。紙の先端がレジストローラ111まで達したところで、負荷駆動部625は、レジストローラ111を任意のタイミングで駆動し、作像動作によりITB104上に転写されたトナー像にあわせて、ITB104と二次転写ローラ106の間に紙を搬送する。
二次転写ローラ106は、ITB104上に一次転写されたトナー像を紙に二次転写する。以下では、ITB104上のトナー像を紙上に二次転写する一連の動作を「転写動作」と呼ぶ。ITB104上のトナー像を紙上に二次転写した後、ITB104上のトナーに残留した残留トナーは、ITBクリーニングユニット108によって取り除かれる。本実施形態においてITBクリーニングユニット108は、ブレードによって残留トナーを掻き取るタイプのものである。
定着器107は、紙上に転写された未定着トナーを加熱および加圧することでトナー像を紙に定着させる。負荷駆動部625は、不図示の搬送モータを駆動させ、トナーが定着された紙を、排紙ローラ112を経てフィニッシャ500へ排出する。この時、紙はフェイスアップの状態で排出される。フィニッシャ500は、フラッパ518が切り換わり、ノンソートパス516を経由し、搬送ローラ517により、スタックトレイ510に紙を排出する。この時紙がフィニッシャ500の機外へ排出されたかどうかは排紙センサ140aにより検知される。
なお、図1の画像形成装置10は、後処理装置であるフィニッシャ500が接続するタイプのものであるが、そのような後処理装置が接続されないタイプの画像形成装置であってもよい。
(作像先行と給紙先行)
次に作像先行と給紙先行について説明する。本実施形態の画像形成装置10は、中間転写方式を採用するため、感光ドラム102yから二次転写ローラ106までの距離分、露光から二次転写までの時間がかかる。そのため、画像形成動作を実行する場合、カセット110a及びカセット110bから紙を給紙するときには、給紙動作よりも先に露光を開始することで生産性を高めている。露光を先に開始することを「作像先行」と呼び、給紙を先に開始することを「給紙先行」と呼ぶ。本実施形態の画像形成装置10においては、カセット110a,カセット110bから紙を給紙する場合は作像先行、カセット110c,カセット110dから紙を給紙する場合は給紙先行である。
(オートカセットチェンジ)
次にオートカセットチェンジについて説明する。複数枚の紙に連続して画像形成を行う場合、画像形成動作の途中で使用中のカセットに紙が無くなり、用紙切れが発生することがある。本実施形態の画像形成装置10は、途中でカセットに紙が無くなった場合、紙無しエラーとして画像形成動作を停止するのではなく、同じ種類の紙が収納されている他のカセットに自動的に切り替えて画像形成動作を継続させる。この機能のことを「オートカセットチェンジ(Auto Cassette Change:ACC)」と呼ぶ。
(二次転写ローラ106のクリーニング)
次に二次転写ローラ106のクリーニング制御について説明する。例えば、作像先行で画像形成動作を行う場合、感光ドラム102への静電潜像の形成が開始された後に、カセットの用紙切れを検知する場合がある。この場合、既に作像(露光・帯電・一次転写)が開始されているため、紙が搬送されずにITB104上のトナー像が二次転写ローラ106を通過する。本実施形態の画像形成装置10は、ITB104と二次転写ローラ106が離間できない構成であるため、ITB104上のトナー像が二次転写ローラ106を通過した時に、一部のトナーが二次転写ローラ106に付着し、トナー汚れが発生する。そこで本実施形態では、二次転写ローラ106のトナー汚れによる用紙裏面汚れを防止する為、二次転写ローラ106のクリーニングを行う。すなわち転写制御部635は、二次転写ローラ106のクリーニングを行うための電界を形成する。例えば、シートにトナー像を転写するとき二次転写バイアス(DCプラス)とは逆極性の転写バイアス(DCマイナス)を二次転写ローラ(二次転写外ローラ)106に印加する。あるいは、二次転写クリーニングバイアス(DCプラス、DCマイナス)を二次転写ローラ106に交互に印加する。このようにクリーニング用の転写電圧を印加することにより、二次転写ローラ106に付着したトナーはITB104に転写され、ITBクリーニングユニット108によって回収される。二次転写ローラ106のクリーニングの時間は、本実施形態では600[msec]程度であり、通常の二次転写動作時におけるシート間隔よりも長い時間である。
なお本実施形態では、二次転写電圧を変化させることで二次転写ローラ106のクリーニングを行う構成としたが、これ以外の方法で二次転写ローラのクリーニングを行ってもよい。例えば、二次転写ローラ上の残留トナーを回収トナーバッファに排出する構成でもよい。この構成の場合、二次転写外ローラに接触する2本のファーブラシローラと、バイアスローラと、ブレードとを備え、二次転写ローラ上の残留トナーをファーブラシローラ、バイアスローラに付着させた後、ブレードによって掻き落とされる。そして、この構成を適用したときに、作像開始後の用紙無し発生時において、二次転写ローラのクリーニング制御用の電界を形成してもよい。
<画像形成装置10のブロック図>
図2は、画像形成装置10のブロック図である。画像形成装置10は大きく分けて、画像処理部610と画像形成部620を有する。画像処理部610内のCPU611は、ROM612に記憶されているプログラムに従って各種処理を実行する。CPU611は第1の制御手段の例である。RAM613は、プログラム動作時の作業領域として使用される。CPU611は、操作部20を介してコピーの指示を受信すると、リーダ部100を制御して原稿を読み取らせ、読み取った原稿から生成された画像データを画像メモリ615に記憶する。その後、CPU611は、画像メモリ615内の画像データに対し、RAM613に格納されている階調テーブルを用いて画像処理を施し、画像信号として画像メモリ615の別領域に記憶する。
画像形成部620内のCPU621は、ROM622に記憶されているプログラムに従って各種処理を実行する。CPU621は、第2の制御手段の例である。RAM623は、プログラム動作時のデータの一時記憶するための領域として使用される。画像処理部610の通信インターフェース616と、画像形成部620の通信インターフェース624は、CPU611とCPU621の間でコマンドを送受信するためのインターフェースである。作像制御部630は、露光制御部103、帯電・現像・一次転写部160で構成される。画像信号インターフェース617と画像信号インターフェース650は、相互通信可能に接続されており、画像メモリ615上に展開されている画像信号がこれらのインターフェースを介して露光制御部103に入力される。露光制御部103は、入力された画像信号をレーザ駆動信号に変換し、レーザ駆動信号をもとにレーザ光を感光ドラム102に照射する。帯電・現像・一次転写部160は、感光ドラム102上の静電潜像を現像し、ITB104上に一次転写する。負荷駆動部625は、給紙モータ626a,b,c,dと搬送モータ170で構成され、紙を画像形成装置10の機外に排出する。転写制御部635は、二次転写ローラ106の転写高圧を制御し、ITB104上のトナー像を紙に二次転写する。また転写制御部635は、二次転写ローラ106の転写高圧を逆バイアス、正バイアスにし、二次転写ローラ106に付着したトナーを再度ITB104に転写し、二次転写ローラ106のクリーニングを行う。情報読取部640は、給紙センサ130a,130b,130c,130dや紙有無センサ131a,131b,131c,131d、排紙センサ140からの検知信号を読み取る。フィニッシャ制御部580は、排出された紙をスタックトレイ510へ排出する制御を行う。
<従来例と本実施例の動作を比較したタイミングチャート>
図3は、オートカセットチェンジ(Auto Cassette Change、以下ACCという)を行う例である。この例は、カセット110aに紙が1枚、カセット110bに同じ紙が複数枚収納されているときに画像形成ジョブを実行する例である。具体的に説明すると、この例は、まずカセット110aに収納されている紙に1ページ目の画像を形成した後に、オートカセットチェンジを行い、同じ紙が収納されているカセット110bから紙を給紙して2ページ目の画像を形成する例である。
図3(a)は、従来例の動作を示すタイミングチャートであり、図3(b)は、本実施形態の動作を示すタイミングチャートである。なお、カセット110aおよびカセット110bは、上述したように、カセット110a、110bから二次転写ローラ106までの距離が短いため、「作像先行」により画像形成が行われる。
図3(a)および図3(b)のタイミングチャートは、給紙モータ626a、給紙モータ626b、露光制御部103、二次転写ローラ106、排紙センサ140の関係を示している。さらに図3(a)および図3(b)のタイミングチャートは、画像処理部610のCPU611と、画像形成部620のCPU621間で送受信されるコマンドを示している。
まず従来例を、図3(a)を用いて説明する。CPU611は、画像形成ジョブ(プリントジョブ)を受信すると、該ジョブを開始させる為、CPU621へプリント開始コマンドを通信I/F 616を介して送信する。CPU621は、プリント開始コマンドを通信I/F 624を介して受信し、ITB104、感光ドラム102等の安定回転や、帯電・現像・一次転写部材の高圧ONといった画像形成動作の為の準備動作を開始する。
次にCPU611は、1ページ目のページ情報を含むページ情報コマンド(1)をCPU621へ送信する。ページ情報とは、本実施形態では、ページ番号や、紙を給紙するカセットの識別番号(カセット番号)等である。これ以外のページ情報として、紙サイズ、紙種等の情報が含まれていてもよい。ページ情報コマンドを受信したCPU621は、上記準備動作が終了し、画像形成動作を開始できる状態になると、作像開始コマンド(P1)をCPU611へ送信する。作像開始コマンド(P1)がCPU611によって受信されると、画像メモリ615から読み出された1ページ目の画像データが、画像信号I/F617、650を介して画像形成部620に送信される。
1ページ目の画像データを受信すると、露光制御部103は、受信した画像データをレーザ駆動信号に変換し、レーザ露光を開始する(S1311)。露光制御部103は、ページサイズ分の時間が経過すると、レーザ露光を停止する(S1312)。
次に作像制御部630は、帯電・現像・一次転写部160を制御し、感光ドラム102上に形成された静電潜像を、現像剤を用いて現像し、次いでITB104上にトナー像を一次転写する。
次に負荷駆動部625は、ITB104上のトナー像を二次転写ローラ106で紙に転写するタイミングに合わせて、カセット110aの給紙モータ626aを駆動させる(S1111)。給紙モータ626aの駆動を開始したときに、CPU621は、1枚目の紙(1ページ目の画像を形成する紙)の給紙が開始した事を示す給紙開始コマンド(P1)をCPU611に送信する。そして、1枚目の紙の給紙が完了したとき、負荷駆動部625は、給紙モータ626aの駆動を停止する(S1112)。給紙モータ626aの駆動を停止すると、紙有無センサ131aは、カセット110a内の紙有無を検知する。
転写制御部635は、二次転写ローラ106を制御し、二次転写を行う。転写制御部635は、トナー像と紙が重なるタイミングで画像形成用の転写高圧を印加し、トナー像を紙に転写させる(S1411)。転写制御部635は、ページサイズ分の時間が経過すると、転写高圧をオフする(S1412)。その後、定着器107はトナーを紙に定着させる。紙がフィニッシャ500に排出され、紙の先端が排紙センサ140に到達し(S1511)、紙の後端が排紙センサ140を通過した後、紙はフィニッシャ500から排出される(S1512)。CPU621は、紙の後端が排紙センサ140を通過したときに、1ページ目の処理(ページ処理)が完了したことを示すページ完了コマンド(P1)をCPU611に送信する。CPU611は、このページ完了コマンド(P1)を受信すると、1ページ目の画像形成動作が正しく完了したと認識する。
次に、2ページ目の画像形成動作について説明する。CPU611は、1ページ目の給紙開始コマンド(P1)を受信すると、2ページ目のページ情報(ページ番号やカセット識別番号等)を含むページ情報コマンド(P2)をCPU621に送信する。
ところで、仮に2ページ目の画像を形成する紙がカセット110aに収納されていたならば、CPU621は、1ページ目と同様に2ページ目の処理を行った後、2ページ目のページ完了コマンド(P2)をCPU611に送信する。
しかし図3の例では、カセット110aに紙が1枚しか収納されていない。そのため、2ページ目の画像を形成するための紙は、カセット110aではなくカセット110bから給紙する。しかしながら、画像形成装置10は、作像先行の為、カセット110aに紙が無いと判断された時点では既に露光制御部103による2ページ目の画像データに対応する露光動作が開始されている。そのため、先行して作像した2ページ目の画像は、現像・一次転写された後、ITBクリーニングユニット108によって回収され、再度2ページ目の露光動作から始める。
2ページ目の画像データに基づく露光を開始した後(S1321)に、S1112にて、カセット110aの紙が無いことが分かる(S1112)。しかし、2ページ目のトナー像は、ITB104を介して二次転写ローラ106まで搬送される。このトナー像が二次転写ローラ106を汚さないようにするため、二次転写ローラ106の転写高圧をOFFしたままにする(S1421からS1422の区間)。しかし転写高圧をOFFするだけでは、二次転写ローラ106(二次転写外ローラ)にトナーが付着する。そのため、転写制御部635は、二次転写ローラ106(二次転写外ローラ)のクリーニング処理を行う(S1423)。このクリーニング処理とは、二次転写ローラ106のクリーニングを行うための電界を形成することであり、具体的には、二次転写クリーニングバイアス(DCプラス、DCマイナス)を二次転写ローラ106(二次転写外ローラ)に交互に印加する。これにより、二次転写ローラ106のトナーはITB104に転写され、ITBクリーニングユニット108によって回収される。
二次転写ローラ106のクリーニングを終えた後に、前のページである1ページ目の紙が排紙される(S1511)。1ページ目の紙の排紙が完了した後(S1512)、CPU621は、2ページ目のページ処理が紙無しで終了したことを示すページ完了コマンド(P2、紙無し)をCPU611に送信する。なお、従来は、ページ完了コマンド(P2、紙無し)の送信を紙無しを検知した時点ではなく、ページ完了コマンド(1)の送信後としていた。その理由は、CPU611の処理を簡略化するためである。
CPU611は、ページ完了コマンド(P2、紙無し)を受信すると、カセット110aに収納されている紙と同じ種類の紙が他のカセット110b〜dに収納されているかを判断する。図3(a)の例では、カセット110bに同じ種類の紙が収納されている。そのため、CPU611は、オートカセットチェンジできると判断する。そしてCPU611は、2ページ目の画像形成を再度行わせる為、画像データの再生成、及び、カセット110bへの切り替えを行い、2ページ目のページ情報を含むページ情報コマンド(P2、リカバリ)をCPU621に送信する。ページ情報コマンド(P2、リカバリ)には、カセット110aではなくカセット110bを指定する情報が含まれる。その後の2ページ目に対する処理は正常プリントと同様である。
次に本実施例のオートカセットチェンジ時の動作を、図3(b)を用いて説明する。図3(b)のS2111、S2112の処理は、図3(a)のS1111、S1112と同様である。また、図3(b)のS2311、S2312の処理は、図3(a)のS1311、S1312と同様である。図3(b)のS2321、S2322の処理は、図3(a)のS1321、S1322と同様である。図3(b)のS2411、S2412の処理は、図3(a)のS1411、S1412の処理である。
図3(a)と図3(b)の大きな違いは、ページ完了コマンド(P2、紙無し)が送信されるタイミングである。従来、ページ完了コマンド(P2、紙無し)は、1ページ目の画像が形成された紙が排紙された(S1512)後に送信されていた(図3(a)を参照)。一方、本実施例では、ページ完了コマンド(P2、紙無し)は、S2112にて紙無と判断した時に送信される。この点が従来例と異なる。
すなわち、S2112で1枚目の紙の給紙が終わり、給紙モータ626aの駆動を停止すると、紙有無センサ131aは、カセット110a内の紙有無を検知する。紙有無センサ131aからの検知信号によりカセット110a内に紙が無くなったと判断したCPU621は、該判断結果に応じて、ページ完了コマンド(P2、紙無し)をCPU611に送信する。ページ完了コマンド(P2、紙無し)を受信したCPU611は、カセット110aに収納されている紙と同じ種類の紙が他のカセット110b〜dに収納されているかを判断する。図3(b)の例では、図3(a)と同様、カセット110bに同じ種類の紙が収納されている。そのため、CPU611は、オートカセットチェンジできると判断する。そしてCPU611は、2ページ目の画像形成を再度行わせる為、画像データの再生成、及び、カセット110bへの切り替えを行い、2ページ目のページ情報を含むページ情報コマンド(P2、リカバリ)をCPU621に送信する。図3(a)と図3(b)を比較すると、このページ情報コマンド(P2、リカバリ)の送信タイミングが、本実施例は従来例よりも早くなっている。
ページ情報コマンド(P2、リカバリ)を受信した後、露光制御部103は、二次転写ローラ106のクリーニングにかかる時間(所定時間)だけ待機する。二次転写ローラ106のクリーニングにかかる時間だけ待機するのは、二次転写ローラ106のクリーニング中に再開ページのトナー像が二次転写ローラ106に到達することを防ぐ為である。二次転写ローラ106のクリーニングの時間は、紙サイズなどにもよるが、本実施形態では600msec程度である。このクリーニングの時間は、少なくとも通常の転写動作時の紙間より長い時間である。CPU621は、作像開始コマンド(P2)をCPU611に送信する。作像開始コマンド(P2、リカバリ)を受信すると、画像処理部610は画像データを画像形成部620に送信する。そして、露光制御部103は、二次転写ローラ106のクリーニングの時間(所定時間)待機した後に、再開ページ(リカバリページ)である2ページ目の画像データに応じたレーザ露光を開始する(S2331)。その後の処理は正常プリントと同様である。
従来例(図3(a))と本実施例(図3(b))を比較すると、従来例に比べてカセット110aからカセット110bの切替時間が短縮されている。
<CPU611とCPU621の動作を示すフローチャート>
図4及び図5は、画像処理部610のCPU611の動作を示すフローチャートである。図4のフローチャートに示される各ステップは、CPU611がROM612に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって行われる。
まずCPU611は、操作部20又は不図示の外部装置からからジョブの受信を待機する(図4のS100でNO)。本実施形態では、ジョブとは画像形成を行う画像形成ジョブであり、例えばコピーやネットワークプリント等である。
ジョブが受信されると(S100でYES)、CPU611は、ジョブの開始を知らせる為、プリント開始コマンドをCPU621に送信する(S101)。次にCPU611は、受信したジョブの内容に従って、図10に示すページリストを生成する(S102)。図10はページリストの例である。図10に示すように、ページリストには、ページ番号、ページ処理状況、カセット番号の情報が設定される。ページ番号には、各ページを識別するためのページ番号が割り当てられる。例えば図3で示したジョブが受信されたときは、ページ番号として、それぞれ1、2が割り当てられる。
図10のページ処理状況は、各ページの処理状況を示す情報が設定され、該情報は画像形成動作の処理状況に応じてリアルタイムに更新される。具体的に説明すると、まず、ページリストが生成された時には、画像形成部620へ出力するための画像データが未生成である事を示す「未生成」の情報が格納される。「未生成」は、画像データの生成が未だ完了しておらず、かつページ情報コマンドをCPU621に送信していない状態である。次に画像データが生成され、ページ情報コマンドをCPU621に送信すると、ページ処理状況は、「未生成」から「生成」に更新される。その後、カセットから紙が給紙され、CPU621から給紙開始コマンドを受信すると、ページ処理状況は、「生成」から「給紙完了」に更新される。さらにその後、該当ページの画像形成が完了すると、CPU611は、CPU621からページ完了コマンドを受信する。これを受け、ページ処理状況は、「給紙完了」から「完了」に更新される。
カセット番号には、各ページの画像を形成する紙を給紙するカセットの情報が設定・格納される。本実施例では、カセット110a、110b、110c、110dの何れかを識別する識別情報がカセットに設定される。例えばカセット110aから紙を給紙して画像形成を行うジョブが受信されたときは、カセット番号にはカセット110aを示す「a」が設定される。
また、「無」という情報が設定されることもある。これは、紙有無センサ131が紙無を検知した場合であって、かつ同じ種類の紙が収納されているカセットが無い場合に設定されるものである。「無」の情報がカセット番号に設定された場合、紙無し発生時にオートカセットチェンジする対象のカセットが無いことを意味する。この場合、画像形成装置10は、紙がユーザに補給されるまで画像形成動作を一時停止する。
図4の説明に戻る。S102でページリスト(図10)を生成した後、CPU611は、S103〜S106で、ページリスト記載のページ数分、後述するページ処理およびページリストの更新を繰り返す。
S104で、CPU611は、注目ページの画像形成動作を実行する為、CPU621との間で、画像データの転送や各種コマンドの送受信など様々な処理を行う(S104)。このような注目ページに対する各種処理のことを本実施例では「ページ処理」と呼ぶ。ページ処理の詳細は後述するが、ページ処理を実行すると、S104にて、CPU611は、ページリスト100のページ処理状況を更新する(S105)。
ページリストのページ数分のページ処理が終わった後、S107で、CPU611は、全ページについての紙の排紙が完了したかを判定する(S107)。具体的には、CPU611は、ページリスト100を参照し、全てのページのページ処理状況が「完了」となっている場合に、全ページの排紙完了と判定する。
S107で全ての排紙完了していないと判定していない場合(S107でNO)は再度S103〜S106の処理を繰り返す。全ページの排紙が完了した場合(S107でYES)、CPU611は、画像形成ジョブの終了と判断し、図10のページリストを削除し(S108)、プリント終了コマンドをCPU621に送信する(S109)。プリント終了コマンドがCPU621へ送信されると、ジョブ完了となる。
(ページ処理)
図5は、ページ処理を説明するフローチャートであって、S104の詳細を示すフローチャートである。このフローチャートは、画像形成ジョブのページ単位で実行される。
まず、CPU611は、注目ページのページ処理状況が「未生成」であるかを判定する(S200)。S200でYESと判定した場合はS201−aに進み、S200でNOと判定した場合はS210に進む。
S201−aで、CPU611は、注目ページが先頭ページ、すなわち1ページ目であるか否かを判定する。先頭ページであると判定した場合(S201−aでYES)はS202に進み、先頭ページでないと判定した場合(S201−aでNO)はS201−bに進む。CPU621は、S201−bで、前のページの給紙動作が完了しているか否かを判定する。具体的には、図10のページリストの、注目ページよりも前のページ番号に対応するページ処理状況が、「給紙完了」または「完了」になっているか否かを判定する。言い換えると、前のページの給紙開始コマンドが受信済みかどうかを判定する。前のページの給紙が完了していると判定した場合(S201―bでYESの場合)、CPU611は、画像形成部620へ送信するための画像データを生成する(S202)。ここで生成された画像データは画像メモリ615に記憶される。次にCPU611は、ページ番号やカセット番号、ページサイズ等の情報を含むページ情報コマンドをCPU621に送信し(S203)、図10のページリストのページ処理状況を、「未生成」から「生成」に更新する(S204)。給紙が完了していないと判定した場合(S201―bでNO)、CPU611は、CPU621から注目ページより前のページについての給紙開始コマンドの受信を待ち、給紙ページ処理を終了し、次のページ処理をするためにS200に戻る。なお、前ページのページ処理状態が「給紙完了」又は「完了」になるのを待つのは、2ページ目以降の処理を一度に処理せず、CPU621の処理に合わせてページ処理を進めるためである。
次にCPU611は、S210で、CPU621から作像開始コマンドを受信したかを判定する。作像開始コマンドを受信すると(S210でYES)、CPU611は、S202で生成された画像データを画像メモリ615から読み出し、画像信号インターフェース617を介して画像形成部620に送信する(S211)。CPU621から作像開始コマンドを受信していない場合(S210でNO)、CPU611は、CPU621からの給紙開始コマンドを受信したか否かを判定する(S220)。給紙開始コマンドを受信した場合(S220でYES)、CPU611は、図10のページリストのページ処理状況を、「生成」から「給紙完了」に更新する(S221)。
ここで、CPU621が作像開始コマンドと給紙開始コマンドを送信する順番は、「作像先行」の場合、作像開始コマンドが先になり、「給紙先行」の場合、給紙開始コマンドが先になる。
次にCPU611は、CPU621からページ完了コマンドを受信したか否かを判定する(S230)。ページ完了コマンドを受信した場合(S230でYES)、このページ完了コマンド内のパラメータが紙無しであるか正常であるかを更に判定する。ページ完了コマンド内のパラメータが紙無しであると判定した場合(S231でYES)はS232以降の処理に進み、正常であると判定した場合(S231でNO)はS241に進む。
まずページ完了コマンドのパラメータが紙無しであると判定した場合の処理について詳しく説明する。まずCPU611は、S232で、図10のページリストのページ処理状況を「未生成」に更新する。そして、S202で生成した画像データを画像メモリ615上から削除する(S233)。その後、同じ紙種の紙が収納されている他のカセットがあるかを確認し、オートカセットチェンジが可能かどうかを判断する(S234)。オートカセットチェンジが可能と判断した場合(S234でYES)は、ページリストの該当するカセット番号を、紙がある他のカセットに変更する(S235)。本実施例では、使用していたカセットに収納されている紙と同じ種類の紙が収納されているカセットを、カセット110aから順番に検索する。そして、検索の結果見つかったカセットに変更する。ただし、本実施例の変更方法は一例であり、検索していく順番を変えてもよいし、あらかじめ次のカセットを設定しておいてもよい。
オートカセットチェンジが可能でない場合(S234でNO)、ページリストのカセット番号を「無」に変更する(S236)。次にCPU611は、紙無し停止するページより前のページが全て排紙完了しているか否かを判定し(S237)、排紙完了していない場合は、前のページが全て排紙されるまで待機する(S237でNO)。一方、前のページが全て排紙されているときは(S137でYES)、CPU611は、紙をカセットに補充する必要がある旨のメッセージを操作部20に表示し(S239)、紙をユーザが補充するまで待つ(S239でNO)。ユーザの紙の補充が完了した場合(S239でYES)、CPU611は、ページリストの紙無しページのカセットの設定を、「無」から、紙が補充されたカセットの識別情報に変更する(S114)。
一方、ページ完了コマンドのパラメータが「正常」である場合(S231でNO)は、ページリストのページ処理状況を「完了」に更新し(S241)。本フローチャートの処理を終了する。
(ページリストの具体例)
図3で説明した画像形成ジョブを用いて、上記したページリストの具体的な更新を図11に示す。図11の(a)から(i)はページリスト作成時と、CPU611とCPU621とのコマンドのやりとりでページ状態が更新された時のスナップショットである。図11(a)から図11(i)は時系列に並べてあり、更新箇所は太字で表している。ジョブはカセット110aに紙が1枚、カセット110bに同じ紙が複数枚収納された状態の、2枚プリントである。
図11(a)はページリストを生成した時のもので、2枚プリントであるため2行分生成される。ページ番号は、CPU611が一意に決まる番号を割り振り、1ページ目を「1」、2ページ目を「2」としている。ページ処理状況は、初期値は「未生成」とし、カセットは、操作部20からの指示に従って、2ページともにa(カセット110a)を設定する。
図11(b)は、1ページ目のページ情報コマンド(P1)をCPU611からCPU621に送信した(S203)ときのページリストである。図11(b)に示されるように、1ページ目のページ情報コマンド(P1)がCPU611からCPU621に送信されると、ページリストの1ページ目のページ処理状況が、「未生成」から「生成」に更新される。
図11(c)は、1ページ目の給紙開始コマンド(P1)をCPU611がCPU621から受信した(S221)ときのページリストである。図11(c)に示されるように、給紙開始コマンド(P1)を受信すると、1ページ目のページ処理状況が「生成」から「給紙完了」に更新される。
図11(d)は、2ページ目のページ情報コマンド(P2)をCPU611がCPU621に送信した(S203)ときのページリストである。図11(d)に示されるように、ページ情報コマンド(P2)を送信すると、2ページ目のページ処理状況が「未生成」から「生成」に更新される。
図11(e)は、2ページ目のページ完了コマンド(P2、紙無し)をCPU611がCPU621から受信したときのページリストである。図11(e)に示されるように、2ページ目のページ完了コマンド(P2、紙無し)を受信すると、2ページ目のページ処理状況が「生成」から「未生成」に更新される。更に、図3で説明したオートカセットチェンジが実行される結果、カセットが「a」から「b」に更新される。
図11(f)は、2ページ目のページ情報コマンド(P2、リカバリ)をCPU611がCPU621に送信したときのページリストである。図11(f)に示されるように、2ページ目のページ情報コマンドを送信すると、2ページ目のページ処理状況が「未生成」から「生成」に更新される。
図11(g)は、2ページ目で給紙開始コマンド(P2)をCPU611がCPU621から受信したときのページリストである。図11(g)に示されるように、2ページ目で給紙開始コマンド(P2)を受信すると、2ページ目のページ処理状況が「生成」から「給紙完了」に更新される。
図11(h)は、1ページ目のページ完了コマンド(P1)をCPU611がCPU621から受信した直後のページリストである。図11(h)に示されるように、1ページ目のページ完了コマンド(P1)を受信すると、1ページ目のページ処理状況は「給紙完了」から「完了」に更新される。
図11(i)は、2ページ目のページ完了コマンドをCPU611がCPU621から受信した時のページリストである。図11(i)に示されるように、2ページ目のページ処理状況は、「給紙完了」から「完了」に更新される。
以上で、画像処理部610の処理について説明した。
(CPU621のフローチャート)
図6は、本実施形態におけるCPU621によって実行される処理を示すフローチャートである。図6のフローチャートに示される各ステップは、CPU621がROM622に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって行われる。
まず、CPU621は、CPU611からのプリント開始コマンドの受信を待つ(S400)。プリント開始コマンドを受信すると(S400でYES)、CPU621は、エンジン開始処理を行う(S401)。エンジン開始処理とは作像制御部630の前処理のことであり、ITB104や感光ドラム102といった負荷の安定回転や、帯電・現像・一次転写部材の高圧ONといった、レーザ露光以外のトナー像形成までの必要処理のことを指す。
CPU611からページ情報コマンドを受信すると(S402でYES)、CPU621は、そのページ情報コマンドを解析する(S403)。ページ情報コマンドには、ページ番号やカセット識別番号、紙種、紙サイズ等の情報が含まれており、CPU621は、これらの情報を解析した結果に基づいて、S405〜S407で画像形成条件を決定する。作像、給紙及び転写を行うための画像形成条件を決定する。画像形成条件とは、作像動作、給紙動作、転写動作の開始タイミングを決めるものであって、これら3つの動作の関係が定義されたものである。ここで決定される画像形成条件は、後に説明する作像動作(S412)、給紙動作(S413)、および転写動作(S414)の時に参照される。
図12は、S405〜S407で決定される画像形成条件を示す図である。図12のページ番号の項目には、CPU611から受信したページ情報コマンドに含まれるページ番号が登録される。カセットの項目には、CPU611から受信するページ情報コマンドに含まれるカセット番号が登録される。基準時刻は、画像形成装置10の生産性により決まる時刻であり、ページ間隔で決まる。各動作の開始時刻は、基準時刻に対してのオフセット時間を足して決める。つまり、基準時刻に対して、作像動作の開始時刻はA時間オフセットになり、給紙動作の開始時刻はB時間オフセットになり、転写動作の開始時刻はC時間オフセットになる。そして開始時刻を経過してから完了時刻になるまでの間、各動作を実行する。完了時刻は各開始時刻に対して、ページ情報コマンド内のページサイズ(紙サイズ)分の時間をオフセットしたものである。
次にCPU621は、ページ情報コマンドの解析結果から作像先行か給紙先行かを判定する(S404)。具体的には、カセット110a又は110bを使用する場合は作像先行と判定し、カセット110c又はカセット110dを使用する場合は給紙先行と判定する。作像先行と判定した場合(S404でYES)、CPU621は、基準時刻を作像開始時刻として登録する(S405)。つまり、図12で説明すると、作像先行の場合には作像動作の開始時刻のオフセットAは0になる。作像動作の開始時刻を画像形成条件に登録した後、S406で、CPU621は、給紙動作の開始時刻として、基準時間からB時間だけ加算した時刻を登録し、転写動作の開始時刻として、さらにC時間だけ加算した時刻を登録する。
またS404で給紙先行と判定した場合(S404でNO)、CPU621は、基準時刻を給紙開始時刻として登録する(S407)。つまり、図12で説明すると、給紙先行の場合には給紙動作の開始時刻のオフセットBは0になる。給紙動作の開始時刻を登録した後、S408で、CPU621は、作像動作の開始時刻、および転写動作の開始時刻をそれぞれ登録する。
S411で、CPU621は、作像動作のページ処理(S412)、給紙動作のページ処理(S413)、転写動作のページ処理(S414)を、S403で画像形成条件を決定したページ数分繰り返す。その後、CPU621は、注目ページの紙が排紙されたと判断すると、ページ完了コマンドをCPU611に送信する(S416)。
CPU621は、CPU611からプリント終了コマンドを受信すると、画像形成ジョブが終了したと判断し、エンジン停止処理を行う(S419)。エンジン停止処理とは、帯電・現像・一次転写部材の高圧OFFとITB104や感光ドラム102といった負荷の回転停止のことを指している。
(露光・一次転写動作のページ処理)
図7は、露光から一次転写までの動作を行う作像動作のフローチャートであって、S412の詳細を説明するフローチャートである。
まずS500で、CPU621は、注目ページの前のページが紙無しであったか否かを判定する。S500でYESと判定した場合、S501で、CPU621は、前のページの作像が開始されているか否かを判定する。このような判定を行うのは、前ページが紙無と判定され作像が開始されていると、二次転写ローラ106のクリーニング処理の時間だけ露光を遅延させる必要があるからである。S500でNOと判定された場合、又は、S501でNOと判定された場合は、二次転写ローラ106のクリーニングを待つ必要はないため、CPU621はS406で決定した作像開始時刻になるまで待つ(S503でNO)。なお、給紙先行の場合、紙無と分かった時点では作像を開始していないため、該当ページの前ページが紙無しで(S500でYES)、かつ、該当ページの前ページが作像を開始していない場合(S501でNO)にあたる。作像開始時刻が経過すると(S503でYES)、露光を開始させためにCPU621はCPU611に作像開始コマンドを送信する(S506)。ここで作像開始コマンドがCPU611に送信されると、該作像開始コマンドを受信した画像処理部610は、画像データを送信する。これにより、露光制御部103のレーザ露光が開始される。次にCPU621は作像動作の完了を待つ(S510でNO)。ここで作像完了とは、S405〜S408で決定した画像形成条件の作像動作完了時刻(図12)を過ぎたことである。作像動作が完了したと判定した場合(S510でYES)、作像を停止し(S512)、図7のフローチャートを終了する。
次に、注目ページの前ページが紙無しである場合(S500でYES)であってその前ページが既に作像を開始している場合(S501でYES)、注目ページの二次転写を行う前に、二次転写ローラ106のクリーニング制御をする必要がある。そのため、紙無しページのトナー画像後端から、二次転写ローラ106のクリーニング時間分(例えば600msec程度)、該当ページの作像開始時刻を遅らせる(S502)。ここで、二次転写ローラ106のクリーニングは、紙無しページのトナー画像が二次転写ローラ106を通過した後に、二次転写ローラ106の高圧極性を変化させる。
本実施形態では、二次転写ローラ106に付着したトナーをITB104に転写させる方法としているため、生産性を落とす(紙間を広げる)必要がある。ただし、前ページのトナー画像後端から注目ページの作像開始までの時間が二次転写ローラ106のクリーニング時間よりも長い場合には、作像開始時刻を遅らせる必要はない。
(給紙動作のページ処理)
図8は、カセットから紙を給紙する給紙動作のフローチャートであって、S413の詳細を説明するフローチャートである。
まずS600で、CPU621は、決定した給紙開始時刻になるまで待機する。給紙開始時刻になると(S600でYES)、負荷駆動部625により、指定されたカセット110a,b,c,dの給紙モータ626a,b,c,dを駆動開始し(S602)、CPU621はCPU611に給紙開始コマンドを送信する(S603)。ここで指定されるカセットは、S406で決定したカセット(図12)のことである。次に給紙が完了すると(S610でNO)。負荷駆動部625は、カセット110a,b,c,dの給紙モータ626a,b,c,dを駆動停止する(S612)。ここで、給紙完了とは、紙の先端が給紙センサ130a,b,c,dを斜光した後、紙の後端が給紙センサ130a,b,c,dを抜けて透過した時を指している。また、S406で決定した給紙動作の完了時刻(図12)は目安であり、この目安時刻から大きく時刻が乖離した場合には紙詰まりと判断してもよい。そしてCPU621は、紙有無センサ131からの検知信号に基づき紙有無判断を行う(S613)。なお、本実施形態で、このタイミングで紙有無判断を行っている理由は、給紙モータ駆動中は紙有無の判断ができないというメカ機構のためである。ただし、紙有無判断のタイミングはこれに限定される訳ではない。
S613の結果、カセットに紙が有ると判断した場合(S614でNO)、本フローチャートの処理は終了する。一方で、S613の結果、カセットに紙が無いと判断した場合(S614でYES)、CPU621は、次のページがあるか否かを判断する(S615)。次のページがあるということは、画像形成ジョブの最終ページではないということである。この場合(すなわち紙無で且つ次ページがある場合)、画像形成動作を継続するためにはオートカセットチェンジさせる必要がある。そこで、このタイミングでCPU621は、紙無しであることを通知するためにページ完了コマンド(紙なし)をCPU611に送信し、処理を終了する。本実施形態では、紙無を示すページ完了コマンドをこのタイミングで送信することで、画像形成動作の再開を早くしている。すなわち、紙無しを示すページ完了コマンドを受信したCPU611は、図5のS231で示したように、画像データの再生成、ACC可否の判断、他のカセットの切り替え等の処理を行う(S232〜S236)。従来は全ての紙が排紙されたタイミングでページ完了コマンドを送信していたため、ACCの処理が遅延していたが、このページ完了コマンドを紙無判断時に行うようにすることで、処理の高速化が可能となっている。
(転写動作のページ処理)
図9は、ITB104上のトナー像を紙上に二次転写する転写動作のフローチャートであって、S414の詳細を説明するフローチャートである。
S800で、CPU621は、作像が開始されるまで待ち(S800でNO)、作像が開始された後(S800でYES)、転写開始時刻を経過するまで待つ(S801でNO)。ここで転写開始時刻とは、ITB104上のトナー像が二次転写ローラ106に入ってくる時刻のことで、S406で決定した転写動作の開始時刻のことである。転写開始時刻が経過した場合(S801でYES)、CPU621は、該当ページが紙無しか否かを判定する。紙無しのページではないと判定した場合(S803でNO)、二次転写ローラ106の転写高圧をONし、ITB104上のトナー画像を紙に転写する(S820)。そして、紙が二次転写ローラ106を抜けるまで待つ(S830でNO)。ここで紙が二次転写ローラ106を抜けたかどうかはS406で決定した転写動作の完了時刻(図12)を過ぎたかどうかである。紙が二次転写ローラ106を抜けた後(S830でYES)、二次転写ローラ106の転写高圧をOFFし(S832)、本フローチャートの処理を終了する。
一方、該当ページが紙無しの場合(S803でYES)、二次転写ローラ106の転写高圧をOFFする(S804)。ここで二次転写ローラ106の転写高圧をOFFするのは、二次転写ローラ106にトナーが付着しないようにするためである。しかしながら、ITB104と二次転写ローラ106は圧接しているため、二次転写ローラ106はいくらかのトナーは付着してしまう。このような二次転写ローラ106に付着した残留トナーを除去すべく、クリーニング動作が必要になる。そしてITB104上のトナー画像が二次転写ローラ106を抜けるまで待つ(S805でNO)。ここで紙が二次転写ローラ106を抜けたかどうかはS406で決定した転写動作の完了時刻(図12)が経過したかどうかである。トナー画像が二次転写ローラ106を抜けた後(S805でYES)、CPU621は、クリーニングを開始させる(S807)。ここでのクリーニング動作は、二次転写ローラ106の高圧を逆バイアス(マイナス1000V)にして、二次転写ローラ1周分待ち、次に正バイアス(プラス1000V)にして、二次転写ローラ1周分待つという動作を2回繰り返す。二次転写ローラ106のクリーニングを開始した後(S806でNO)、クリーニングの完了を待つ(S810でNO)。ここでクリーニングの完了とは、上記した二次転写ローラ1周分待つという動作を2回繰り返した後のことである。クリーニングが完了した後(S810でYES)、二次転写ローラ106の高圧をOFFしクリーニングを停止する(S811)。
以上により、本実施形態の画像形成装置は、紙無しと判断されたときにACCを行って画像形成動作を継続できるとともに、作像開始後に紙無と判断された時にページの画像形成動作の再開を早くすることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。