JP6914825B2 - ゲートドライブ回路 - Google Patents

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Description

本発明は、ゲートドライブ回路に関する。
近年、電力変換器の小型化のため、パワー半導体デバイスのスイッチング周波数が高速化している。特に、大電力かつ高周波化可能なSiC−MOSFETは、次世代のパワー半導体デバイスとして注目されている。但し、SiC−MOSFETはSi−MOSFETよりも、印加すべきゲート−ソース間電圧(以下、ゲート駆動電圧という。)が高くなっている(例えば、15〜20V)。
高いゲート駆動電圧と高速なスイッチング周波数とを両立させ、かつ、スイッチング損失を低減するために、ゲート駆動電圧の急速な立ち上がりと立ち下がりが可能なゲートドライブ回路が求められている。また、スイッチング周波数をfsw、入力容量をCiss、ゲート駆動電圧をVとすると、ゲート駆動に必要な電力Pは、P=Ciss×V ×fswで表され、スイッチング周波数に比例し、ゲート駆動電圧の2乗に比例する。従って、スイッチング周波数とゲート駆動電圧の上昇によってゲート駆動に必要な電力が増大し、放熱器が大型になる。
そこで、LC共振を用いて急速な立ち上がりと立ち下がりを可能にし、また、電力回生によってゲート駆動に必要な電力を抑制するゲートドライブ回路が提案されている(非特許文献1〜2及び特許文献1〜3参照。)。
特開2006−54954号公報 国際公開WO2007/127378 特開2008−131668号公報
Wilson Eberle, et al., "A current source gate driver achieving switching loss savings and gate energy recovery at 1-MHz," IEEE Trans. Power Electron., vol.23, no.2, pp.678-691, 2008年3月 Jaya Venkata Phani Sekhar, et al., "An energy recovery based low loss resonant gate driver circuit for silicon carbide MOSFETs," IEEE International Conference on Power Electronics, Drives and Energy Systems, pp.1-5, 2016年12月
しかしながら、これらの先行技術文献に開示されたゲートドライブ回路では、ゲート駆動電圧はゲートドライブ回路の電源電圧と等しいか、又は、2倍程度までである。必要なゲート駆動電圧は例えば15〜20Vであるが、一般に制御回路に使用する制御電源の電圧は3.3Vや5Vといった比較的低電圧である。すなわち、ゲート駆動電圧は、制御電源の電圧の3〜6倍にもなる。従って、ゲート駆動用の電源を制御電源とは別に用意するのが一般的であり、そのため、部品点数の増加による大型化やコスト増加を招く、という問題点があった。
かかる問題点に鑑み、本発明はゲート駆動電圧の迅速な立ち上がりと立ち下がり及び回生動作を可能とし、かつ、ゲート駆動用の別電源が不要となるゲートドライブ回路を提供することを目的とする。
本開示は、以下の発明を含む。但し、本発明は、特許請求の範囲によって定められるものである。
本発明の一表現に係るゲートドライブ回路は、電源から与えられる直流の入力電圧を変圧してパワー半導体デバイスのゲートに制御電圧を与えるゲートドライブ回路であって、第1の相互接続点で互いに直列に接続される第1スイッチ及び第2スイッチによりスイッチ直列体を構成し、当該直列体の両端に前記入力電圧が与えられる入力側スイッチ直列体と、前記第1スイッチと並列に存在し、アノードが前記第1の相互接続点側にある第1ダイオードと、前記第2スイッチと並列に存在し、カソードが前記第1の相互接続点側にある第2ダイオードと、第2の相互接続点で互いに直列に接続される第3スイッチ及び第4スイッチによりスイッチ直列体が構成され、当該スイッチ直列体の両端に現れる出力電圧が前記制御電圧となる出力側スイッチ直列体と、前記第3スイッチと並列に存在し、カソードが前記第2の相互接続点側にある第3ダイオードと、前記第4スイッチと並列に存在し、アノードが前記第2の相互接続点側にある第4ダイオードと、一端が前記第1の相互接続点に、他端が前記第2の相互接続点に、それぞれ接続されたインダクタと、前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、前記第3スイッチ、及び、前記第4スイッチの開閉を制御することにより、入力電流を前記インダクタに流す第1段階、続いて、前記インダクタから前記ゲートに電流を流して前記出力電圧を立ち上げる第2段階、その後、前記ゲートから前記インダクタに電流を戻して前記出力電圧を立ち下げる第3段階、続いて、前記インダクタから前記電源に電流を回生する第4段階、を実行する制御部と、を備えている。
本発明によれば、ゲート駆動電圧の迅速な立ち上がりと立ち下がり及び回生動作を可能とし、かつ、ゲート駆動用の別電源が不要となるゲートドライブ回路を提供することができる。
第1実施形態に係るゲートドライブ回路の回路構成の一例を示す回路図である。 制御部の制御による、第1スイッチ〜第4スイッチのオン(Hレベル)/オフ(Lレベル)動作と、ゲート駆動電圧VGSの変化とを例示するタイムチャートである。 図1から説明上必要な部分のみを抜き出した回路図であり、図2中のゲート駆動状態が状態C’の回路図である。 図2中のゲート駆動状態が、状態Aの回路図である。 図2中のゲート駆動状態が、状態Bの回路図である。 図2中のゲート駆動状態が、状態Cの回路図である。 図2中のゲート駆動状態が、状態B’の回路図である。 図2中のゲート駆動状態が、状態A’の回路図である。 シミュレーションした結果を示すグラフである。 シミュレーションした結果を示すグラフである。 第2実施形態にかかるゲートドライブ回路において、制御部の制御による、第1スイッチ〜第4スイッチのオン(Hレベル)/オフ(Lレベル)動作と、ゲート駆動電圧VGSの変化とを例示するタイムチャートである。 図11中のゲート駆動状態が、状態B2の回路図である。 シミュレーションした結果を示すグラフである。 シミュレーションした結果を示すグラフである。 第3実施形態にかかるゲートドライブ回路において、制御部1cの制御による、第1スイッチ〜第4スイッチのオン(Hレベル)/オフ(Lレベル)動作と、ゲート駆動電圧VGSの変化とを例示するタイムチャートである。 図15中のゲート駆動状態が、状態C3’の回路図である。 図15中のゲート駆動状態が、状態A3の回路図である。 図15中のゲート駆動状態が、状態A3’の回路図である。 シミュレーションした結果を示すグラフである。 シミュレーションした結果を示すグラフである。 上記各実施形態によるゲートドライブ回路の使用形態の2例を示すブロック図である。
[実施形態の要旨]
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
(1)これは、電源から与えられる直流の入力電圧を変圧してパワー半導体デバイスのゲートに制御電圧を与えるゲートドライブ回路であって、第1の相互接続点で互いに直列に接続される第1スイッチ及び第2スイッチによりスイッチ直列体を構成し、当該直列体の両端に前記入力電圧が与えられる入力側スイッチ直列体と、前記第1スイッチと並列に存在し、アノードが前記第1の相互接続点側にある第1ダイオードと、前記第2スイッチと並列に存在し、カソードが前記第1の相互接続点側にある第2ダイオードと、第2の相互接続点で互いに直列に接続される第3スイッチ及び第4スイッチによりスイッチ直列体が構成され、当該スイッチ直列体の両端に現れる出力電圧が前記制御電圧となる出力側スイッチ直列体と、前記第3スイッチと並列に存在し、カソードが前記第2の相互接続点側にある第3ダイオードと、前記第4スイッチと並列に存在し、アノードが前記第2の相互接続点側にある第4ダイオードと、一端が前記第1の相互接続点に、他端が前記第2の相互接続点に、それぞれ接続されたインダクタと、前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、前記第3スイッチ、及び、前記第4スイッチの開閉を制御することにより、入力電流を前記インダクタに流す第1段階、続いて、前記インダクタから前記ゲートに電流を流して前記出力電圧を立ち上げる第2段階、その後、前記ゲートから前記インダクタに電流を戻して前記出力電圧を立ち下げる第3段階、続いて、前記インダクタから前記電源に電流を回生する第4段階、を実行する制御部と、を備えている。
上記のように構成されたゲートドライブ回路では、インダクタのインダクタンスと、パワー半導体デバイスのゲート−ソース間のキャパシタンスとで、電流の受け渡しをするので、LC共振の共振周波数の(1/4)周期の時間で、出力電圧すなわちゲート駆動電圧の立ち上げ及び立ち下げを実現することができる。また、インダクタに電流を流す時間の設定により、入力電圧から所望のゲート駆動電圧への変圧(昇降圧)を行い、かつ、回生を行うことができる。このようにして、ゲート駆動電圧の迅速な立ち上がりと立ち下がりを可能とし、かつ、ゲート駆動用の別電源が不要となるゲートドライブ回路を提供することができる。
(2)また、(1)のゲートドライブ回路において例えば、前記第1段階において前記制御部は、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを共に開路し、かつ、前記第3スイッチが閉路している状態から、前記第1スイッチを閉路した状態として所定時間経過させ、前記第2段階において前記制御部は、前記第1段階の帰着状態から、前記第1スイッチを開路した後、前記第3スイッチを開路した状態とし、前記第3段階において前記制御部は、前記第1スイッチ、前記第3スイッチ、前記第4スイッチをそれぞれ開路し、かつ、前記第2スイッチを閉路した状態から、前記第4スイッチを閉路した状態とし、前記第4段階において前記制御部は、前記第3段階の帰着状態から、前記第2スイッチを開路した状態とすることができる。
各スイッチをこのように動作させることで、入力電圧から所望のゲート駆動電圧への変圧(昇降圧)を行い、かつ、回生を行うことができる。
(3)また、(2)のゲートドライブ回路において、前記第2段階において前記制御部は、前記第1スイッチを開路した後、前記第2スイッチを閉路し、かつ、前記第3スイッチを開路した状態としてもよい。
この場合、第1スイッチを開路してから第2スイッチを閉路することにより、電源の電圧をバイアス電圧とせずに、必要なゲート駆動電圧を与えることができる。
(4)また、(2)又は(3)のゲートドライブ回路において、前記入力電圧をVin、前記インダクタのインダクタンスをL、前記パワー半導体デバイスの入力容量のキャパシタンスをCGS、前記出力電圧をVoutとして、前記第1段階から前記第2段階までの間において前記インダクタに電流を流す時間Tは、
Figure 0006914825

であることが好ましい。
このような時間設定により、所望のゲート駆動電圧を正確に出力することができる。
(5)また、(1)のゲートドライブ回路において例えば、前記第1段階において前記制御部は、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを共に開路し、かつ、前記第3スイッチが閉路している状態から、前記第1スイッチを閉路した状態として所定時間経過させ、前記第2段階において前記制御部は、前記第1段階の帰着状態から、前記第3スイッチを開路した状態とし、前記第3段階において前記制御部は、前記第1スイッチ、前記第3スイッチ、前記第4スイッチをそれぞれ開路し、かつ、前記第2スイッチを閉路した状態から、前記第4スイッチを閉路した状態とし、前記第4段階において前記制御部は、前記第3段階の帰着状態から、前記第2スイッチを開路した状態とすることができる。
各スイッチをこのように動作させることで、入力電圧から所望のゲート駆動電圧への変圧(昇圧)を行い、かつ、回生を行うことができる。なお、この場合、電源の電圧がバイアス電圧となり、高い電圧を得るには好適である。但し、昇圧のみの動作となる。
(6)また、(5)のゲートドライブ回路において、前記入力電圧をVin、前記インダクタのインダクタンスをL、前記パワー半導体デバイスの入力容量のキャパシタンスをCGS、前記出力電圧をVoutとして、前記第1段階から前記第2段階までの間において前記インダクタに電流を流す時間Tは、
Figure 0006914825

であることが好ましい。
このような時間設定により、電源の電圧をバイアス電圧とする場合に、所望のゲート駆動電圧を正確に出力することができる。
(7)また、(2)〜(6)のいずれかのゲートドライブ回路において、前記第4段階において前記制御部は、前記第3段階の帰着状態から、前記第4スイッチを開路してから前記第2スイッチを開路するまでの間、又は、前記第2スイッチを開路した後に前記第3スイッチを閉路するようにしてもよい。
この場合、第3スイッチが、第3ダイオードの順方向電圧による損失を低減することができる。
(8)また、(2)〜(7)のいずれかのゲートドライブ回路において、前記制御部は、前記出力電圧を立ち下げる際に、前記出力電圧が0V近傍まで低下してから前記出力電圧が立ち上がり始めるまでの間に前記第3スイッチ及び前記第4スイッチを共に閉路する期間を設けるようにしてもよい。
この場合、ゲートがGND接続されるので、ゲート電圧がノイズ等に影響されること無く安定する。
[実施形態の詳細]
以下、本発明の実施形態に係るゲートドライブ回路について、図面を参照して説明する。
〈第1実施形態〉
《回路構成》
図1は、第1実施形態に係るゲートドライブ回路1の回路構成の一例を示す回路図である。
ゲートドライブ回路1には、電源2から直流の入力電圧Vin(例えば5V)が与えられる。ゲートドライブ回路1の出力側には、当該ゲートドライブ回路1の駆動制御対象であるパワー半導体デバイスQが接続されている。パワー半導体デバイスQは、例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)であり、ゲートドライブ回路1の出力電圧は、ゲートーソース間の電圧すなわち、ゲート駆動電圧VGS(例えば20V)として与えられる。ゲートドライブ回路1は、機能的に大別すると、スイッチング部1aと、制御部1cとによって構成されている。
制御部1cは例えば、CPU(Central Processing Unit)を含み、ソフトウェアをCPUが実行することで、必要な制御機能を実現する。ソフトウェアは、制御部1cの記憶装置(図示せず。)に格納される。但し、CPUを含まないハードウェアのみのアナログ回路で制御部1cを構成することも可能である。制御部1cを動作させるための制御電源電圧(例えば5V)は、電源2から与えることができる。
詳細には、ゲートドライブ回路1のスイッチング部1aは、入力ポートPと、出力ポートPとの間に、第1スイッチS,第2スイッチS,第3スイッチS,第4スイッチSと、第1ダイオードD,第2ダイオードD,第3ダイオードD,第4ダイオードDと、インダクタL(インダクタンスもLとする。)と、を備えている。第1〜第4の各スイッチS〜Sとしては、例えば、MOSFET又はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることができる。第1〜第4ダイオードD〜Dとしては、MOSFETのボディダイオードを用いてもよいし、外付けでダイオードを接続してもよい。
入力ポートPには電源2が接続され、出力ポートPにはパワー半導体デバイスQのゲートが接続される。電源2、スイッチS、スイッチS、及び、パワー半導体デバイスQは、GND(グラウンド)側が共通の電路となっている。パワー半導体デバイスQのゲート−ソース間にはキャパシタンスCGSが存在する。電圧VGSは、このキャパシタンスCGSに印加されている。
上記のゲートドライブ回路1の回路構成を、包括的に表現すると、例えば、電源2から与えられる直流の入力電圧を、インダクタLを用いて変圧(昇降圧)してパワー半導体デバイスQのゲートに制御電圧を与えるゲートドライブ回路1である。
そして、図1におけるゲートドライブ回路1のスイッチング部1aは、第1の相互接続点CN1で互いに直列に接続される第1スイッチS及び第2スイッチSによりスイッチ直列体を構成し、当該直列体の両端に入力電圧が与えられる入力側スイッチ直列体SB1と、第1スイッチSと並列に存在し、アノードが第1の相互接続点CN1側にある第1ダイオードDと、第2スイッチSと並列に存在し、カソードが第1の相互接続点CN1側にある第2ダイオードDと、第2の相互接続点CN2で互いに直列に接続される第3スイッチS及び第4スイッチSによりスイッチ直列体が構成され、当該スイッチ直列体の両端に現れる出力電圧が制御電圧となる出力側スイッチ直列体SB2と、第3スイッチSと並列に存在し、カソードが第2の相互接続点CN2側にある第3ダイオードD3と、第4スイッチSと並列に存在し、アノードが第2の相互接続点CN2側にある第4ダイオードDと、一端が第1の相互接続点CN1に、他端が第2の相互接続点CN2に、それぞれ接続されたインダクタLと、を備えている。
《ゲートドライブ回路の動作》
次に、上記のように構成されたゲートドライブ回路1の動作について説明する。
図2は、制御部1cの制御による、第1スイッチS〜第4スイッチSのオン(Hレベル)/オフ(Lレベル)動作と、ゲート駆動電圧VGSの変化とを例示するタイムチャートである。上端のC’,A,B,C,B’,A’,C’は、後述の状態を文字で表している。各状態の対応する期間が、それぞれ、下端の期間TC’,T,T,T,TB’,TA’,TC’となる。
まず、状態C’から状態Cにする場合(ゲート駆動電圧VGSの立ち上がり)の動作について説明する。
(初期状態)
図3は、図1から説明上必要な部分のみを抜き出した回路図であり、図2中のゲート駆動状態が状態C’の回路図である。図3において、出力ポートPに接続されたキャパシタンスCGSは、図1中のパワー半導体デバイスQのゲート−ソース間容量を示している(以下、図4〜8,図11,15も同様。)。
図3に示す状態C’では、第1スイッチS,第2スイッチS,第4スイッチSがそれぞれ開路しており、第3スイッチSのみが閉路している。なお、第2スイッチS及び第3スイッチSは、共に、閉路/開路のどちらでもよいが、次の状態Aでは第2スイッチSは開路、第3スイッチSは閉路する必要があるため、予め図3の状態にしておくことが望ましい。
(第1段階)
図4は、図2中のゲート駆動状態が、状態Aの回路図である。すなわち、ゲートドライブ開路1は、図3の状態C’から図4の状態Aに遷移する。制御部1cは、図3の状態C’から第1スイッチSを閉路する(なお、状態C’で第3スイッチSを開路していた場合は、第1スイッチSを閉路するより前に第3スイッチSを閉路しておく。)。
図4の状態Aでは、入力ポートPに接続された電源2(入力電圧Vin)から第1スイッチS、インダクタL、第3スイッチSを介して電源2に戻る閉ループが構成される。これにより、電源2からインダクタLに電流Iを流し、電流を蓄える。理論的には、IはインダクタLに電流を流す時間Tに比例して増加するため、時間Tの長さを制御することによって電流Iを所望の値に制御することができる。電流Iが所望の値に達したとき、状態Aから次の状態Bに遷移させる。
(第2段階)
図5は、図2中のゲート駆動状態が、状態Bの回路図である。すなわち、ゲートドライブ回路1は、図4の状態Aから図5の状態Bに遷移する。具体的には、状態Aから第1スイッチSを開路したのち、第2スイッチSを閉路し、その後、第3スイッチSを開路して状態Bに遷移させる。なお、第2スイッチSは閉路/開路のどちらでもよいが、立ち下がり時には閉路する必要があり、かつ、ダイオードDの順方向電圧による損失を低減するために閉路しておくことが望ましい。第2スイッチSを閉路するタイミングは第3スイッチSを開路した後でもよい。
図5の状態Bでは、状態AでインダクタLに蓄えた電流を出力ポートPに接続されたパワー半導体デバイスQのゲート−ソース間のキャパシタンスCGSに供給してこれを充電する。このとき、インダクタンスLとキャパシタンスCGSは共振しており、ゲート駆動電圧VGSの立ち上がり波形は、インダクタンスLとキャパシタンスCGSの共振周波数のsin波の1/4周期分(位相0→π/2)と等しくなる。最終的にキャパシタンスCGSに印加されるゲート駆動電圧VGSは電流Iに比例する。すなわち、電流Iを制御することで、ゲート駆動電圧VGSを所望の値に制御することが可能となる。
ゲート駆動電圧VGSが所望の値になると、ゲートドライブ回路1は、状態Bから状態Cに遷移する。
図6は、図2中のゲート駆動状態が、状態Cの回路図である。状態Bから状態Cへは自動的に切り替わるため、各スイッチを制御する必要はない。すなわち、図5と同様に、第1スイッチSが開路、第2スイッチSが閉路、第3スイッチSが開路、第4スイッチSが開路のままである。なお、第2スイッチS及び第3スイッチSは、閉路/開路のどちらでもよいが、次の状態では第2スイッチSは閉路、第3スイッチSは開路にする必要があるため、図6の状態にしておくことが望ましい。
次に、状態Cから再び状態C’に戻す場合(ゲート駆動電圧VGSの立ち下がり)の動作について説明する。
(初期状態)
まず、図6の状態C、すなわち第1スイッチSが開路、第2スイッチSが閉路、第3スイッチSが開路、第4スイッチSが開路の状態(なお、第2スイッチSが開路若しくは第3スイッチSが閉路、又は、その両方の場合は、遷移前に予め図6の状態にする。)から、状態B’に遷移させる。
(第3段階)
図7は、図2中のゲート駆動状態が、状態B’の回路図である。ゲートドライブ回路1は、状態Cから第4スイッチSを閉路して状態B’に遷移する。状態B’では、キャパシタンスCGSに蓄えられた電力によりインダクタLに電流を流して、電力をインダクタLに戻す。このとき、インダクタンスLとキャパシタンスCGSは共振しており、ゲート駆動電圧VGSの立ち下がり波形は、インダクタンスLとキャパシタンスCGSの共振周波数のsin波の1/4周期分(位相π/2→π)と等しくなる。
(第4段階)
ゲート駆動電圧VGSが0Vになったとき、ゲートドライブ回路1は、状態B’から状態A’に遷移する。
図8は、図2中のゲート駆動状態が、状態A’の回路図である。すなわち、図7の状態B’から第4スイッチSを開路したのち、第3スイッチSを閉路し、その後、第2スイッチSを開路して、状態A’に遷移させる。なお、第3スイッチSは閉路/開路のどちらでもよいが、立ち上がり時に閉路する必要があり、かつ、ダイオードDの順方向電圧による損失を低減するために閉路しておくことが望ましい。第3スイッチSを閉路するタイミングは、第2スイッチSを開路した後でもよい。
図8の状態A’では、状態B’でインダクタLに蓄えた電流を入力ポートPに接続された電源2に流して回生する。
その後、回生し終えると図3の状態C’となる。
各スイッチを上述のように動作させることで、入力電圧から所望のゲート駆動電圧への変圧(昇降圧)を行い、かつ、回生を行うことができる。
(具体的な回路定数設計)
上記のような所望の動作を実現するための回路定数設計について説明する。まず、インダクタンスLの設計方法から説明する。
所望のゲート駆動電圧を例えばVoutとし、所望の立ち上がり時間(状態Bの時間)をTとする。ここで、立ち上がり時間Tはゲート駆動電圧VGSが0VからVoutに遷移する時間と定義する。従って、立ち上がり時間は状態Bの時間となる。立ち上がり時間Tは、インダクタンスLとキャパシタンスCGSの共振周波数のsin波の1/4周期分(位相0→π/2)であるため、共振周波数をfrとすると、以下の関係となる。
2πf=π/2 ・・・(1)
ここで、f=1/√(LCGS)を代入してLについて解くと、
L=4T /(πGS) ・・・(2)
となる。
式(2)より、所望のTと出力ポートPに接続するパワー半導体デバイスQのキャパシタンスCGSよりインダクタンスLを設計することができる。なお、立ち下がり時間(状態B’の時間)T’は、立ち上がり時間Tと等しいため、
’=T=(π/2)√(LCGS) ・・・(3)
である。
次に、状態Aの時間Tの設計方法について説明する。
状態Aが開始してから時間T経過後にインダクタンスLに流れる電流をIとすると、Iは、
=(Vin/L)T ・・・(4)
となる。時間T経過後に状態Bに遷移したとき、インダクタンスLからキャパシタンスCに流れる電流Iは、状態Bに遷移した時からの時間をtとすると、
=Icos(ωt) ・・・(5)
となるため、ゲート駆動電圧VGSは前記電流Iと前記共振周波数fを用いて以下の式(6)となる。
Figure 0006914825

・・・(6)
ここで、状態CのVGS(=Vout)は前記状態B終了時、つまり
Figure 0006914825

・・・(7)
のときであるため、以下の式(8)及び式(9)の関係となる。
Figure 0006914825

・・・(8)
Figure 0006914825

・・・(9)
従って、インダクタンスL、キャパシタンスCGS、入力電圧Vin及び所望のゲート駆動電圧Voutより、状態Aの時間Tを算出することができる。なお、回路が無損失であると仮定すると、状態AにおいてキャパシタンスCGSに供給される電力と、状態A’においてキャパシタンスCGSから回生される電力とは相等しいので、
Figure 0006914825

・・・(10)
である。このような時間設定により、所望のゲート駆動電圧を正確に出力することができる。
次に、状態Cの時間T、及び、状態C’の時間T’の設計方法について説明する。
所望のデューティ比をD(0≦D≦1)とし、ゲート駆動電圧の周波数(スイッチング周波数)をfswとすると、所望の閉路時間Tonと、開路時間Toffとは、それぞれ以下のようになる。
on=D/fsw
off=(1−D)/fsw
ゲート駆動電圧が0Vでない期間は、状態B、B’、Cを足した期間すなわち、Ton=T+T’+Tであるから、時間Tは、
=(D/fsw)−2T ・・・(11)
となる。また、ゲート駆動電圧が0Vの期間は、状態A、A’、C’を足した期間すなわち、Toff=T+T’+T’であるから、時間T’は、

’={(1−D)/fsw}−T−T’ ・・・(12)
となる。
次に、ゲートドライブ回路の動作を、シミュレーションにて確認した。条件として、入力電圧Vin=5V、ゲート駆動電圧Vout=20V、ゲート駆動電圧の周波数すなわちスイッチング周波数fsw=1MHz、ゲート−ソース間のキャパシタンスCGS=1nF、立ち上がり時間T=50ns(=T’)、デューティ比D=0.5とした。そして、上述の設計方法を用いて設計した結果、インダクタンスL=1μH、時間T=130ns(=T’)、時間T=400ns、時間T’=240nsとなった。
図9及び図10は、上記設計でシミュレーションした結果を示すグラフである。まず、図9はゲート駆動電圧VGSの1周期分の波形である。所望の立ち上がり時間及び立ち下がり時間(50ns)、所望のゲート駆動電圧(約20V)が実現されていることがわかる。ゲート駆動電圧が20Vよりも若干低い原因は、回路内の損失である。
図10は、入力電流Iinの1周期分の波形である。電流を供給する際の向きを正、回生する際の向きを負、としている。図10により、回生が行われていることがわかる。正の電流(供給)よりも負の電流(回生)が若干小さい原因は、回路内の損失である。
〈第2実施形態〉
次に、第2実施形態にかかるゲートドライブ回路について説明する。
図11は、第2実施形態にかかるゲートドライブ回路において、制御部1cの制御による、第1スイッチS〜第4スイッチSのオン(Hレベル)/オフ(Lレベル)動作と、ゲート駆動電圧VGSの変化とを例示するタイムチャートである。第2実施形態にかかるゲートドライブ回路の回路構成は、第1実施形態と同じであるが、制御のタイミングが少し異なる。すなわち、図1に示すゲートドライブ回路のままで、回路中のスイッチの制御タイミングを変更することにより、状態Aの期間Tを短縮することが可能である。具体的には、図11では、図2には無い状態B2が、状態Aと状態Cとの間にある。
(初期状態)
まず、状態C’の状態(初期状態)は第1実施形態と同じであり、図3に示される。すなわち、第1スイッチS1、第2スイッチS2、第4スイッチS4がそれぞれ開路であり、第3スイッチS3が閉路である。なお、第1実施形態と同様に、第2スイッチS2及び第3スイッチS3は閉路/開路のどちらでもよいが、次の状態では第2スイッチS2は開路に、第3スイッチS3は閉路にする必要があるため、予め図3の状態にしておくことが望ましい。
(第1段階)
次に、ゲートドライブ回路1は、状態C’(図3)から状態A(図4)に遷移する。制御部1cは第1実施形態と同様に、状態C’から第1スイッチS1を閉路して状態Aに遷移させる(なお、状態C’で第3スイッチS3を開路していた場合は、第1スイッチS1を閉路するより前に第3スイッチS3を閉路しておく)。時間Tの長さを制御することによって電流Iを、所望の値に制御することができる。電流Iが所望の値に達したとき、状態Aから状態B2(Bではない。)に遷移させる。
(第2段階)
図12は、図11中のゲート駆動状態が、状態B2の回路図である。状態A(図4)から、制御部1cは、第1スイッチS1及び第2スイッチS2についてはそれぞれ閉路及び開路のままとし、第3スイッチS3を開路して状態B2(図12)に遷移させる。
このような制御にすることにより、ゲート駆動電圧VGSの立ち上がり波形は、インダクタンスLとキャパシタンスCGSの共振周波数のsin波の1/4周期分(位相0→π/2)に入力電圧Vinが加わった波形と等しくなる。従って、sin波の振幅はVinの分だけ小さくてよいため、状態Aで蓄える電流が小さくて済み、結果的に、第1実施形態よりも時間Tを短縮することが可能となる。
ゲート駆動電圧VGSが所望の値になると、各スイッチを制御しなくても出力電流は0になる。このとき、第1スイッチS1が閉路、第2スイッチS2が開路、第3スイッチS3が開路、第4スイッチS4が開路のままである。しかし、立ち下がり時には入力電圧Vinを切り離しておく必要があるため、第1スイッチS1は開路することが望ましい。また、第1スイッチS1を開路したとは第2スイッチS2及び第3スイッチS3は閉路/開路のどちらでもよいが、次の状態では第2スイッチS2は閉路、第3スイッチS3は開路にする必要があるため、状態C(図6)にしておくことが望ましい。図11は、状態B2の終了時に状態Cに遷移する例を示している。
その後の、ゲート駆動電圧の立ち下がり(状態Cから状態C’までの遷移)は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
各スイッチを上記第2実施形態のように動作させることで、入力電圧から所望のゲート駆動電圧への変圧(昇圧)を行い、かつ、回生を行うことができる。なお、この場合、電源2の電圧がバイアス電圧となり、高い電圧を得るには好適である。但し、昇圧のみの動作となる。
第2実施形態の所望の動作を実現するための回路定数設計について説明する。
まず、インダクタンスLの設計方法は、立ち上がり時間Tが第1実施形態と概ね同じであるため、省略する。
次に、状態Aの時間Tの設計方法について説明する。
状態Aが開始してから時間T経過後にインダクタンスLに流れる電流をI及び時間T経過後に状態Bに遷移したとき、LからCに流れる電流Iは実施例1と同様に、式(4)及び式(5)で表される。
従って、ゲート駆動電圧VGSは前記Icと前記fr、及び、入力電圧Vinを用いて以下のように表される。
Figure 0006914825

・・・(13)
ここで、状態Cのゲート駆動電圧VGS(=Vout)は、状態Bの終了時、つまり前述の式(7)のときであるため、
Figure 0006914825

・・・(14)
となり、時間Tは以下のようになる。
Figure 0006914825

・・・(15)
式(15)の時間設定により、電源2の電圧をバイアス電圧とする場合に、所望のゲート駆動電圧を正確に出力することができる。
式(15)の分子は、式(9)と比較すると、Voutが、(Vout−Vin)になっているため、インダクタンスL、キャパシタンスCGS、出力電圧Vout、入力電圧Vinが全て同じ条件であれば、第2実施形態の制御の方が時間Tを短縮することができる。
但し、Vout<Vinのとき、T<0となるため、降圧はできず、昇圧のみである。
その他、時間T’は式(10)と同じであるため説明を省略する。また、状態Cの時間T及び状態C’の時間T’の設計はそれぞれ第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
第2実施形態のゲートドライブ回路の動作を、シミュレーションにて確認した。条件として、入力電圧Vin=5V、ゲート駆動電圧Vout=20V、ゲート駆動電圧の周波数すなわちfsw=1MHz、ゲート−ソース間のキャパシタンスCGS=1nF、立ち上がり時間T=50ns(=T’)、デューティ比D=0.5とした。そして、上述の設計方法を用いて設計した結果、インダクタンスL=1μH、時間T=95ns、時間T’=130ns、時間T=400ns、時間T’=275nsとなった。
図13及び図14は、上記設計でシミュレーションした結果を示すグラフである。まず、図13はゲート駆動電圧VGSの1周期分の波形である。所望の立ち上がり時間(55ns)及び立ち下がり時間(50ns)、所望のゲート駆動電圧(約20V)が実現されていることがわかる。ゲート駆動電圧が20Vよりも若干低い原因は回路内の損失である。
図14は、入力電流Iinの1周期分の波形である。電流を供給する際の向きを正、回生する際の向きを負、としている。図14により、第1実施形態と同様に回生が行われていることがわかる。正の電流(供給)よりも負の電流(回生)が小さい原因は、回路内の損失である。
〈第3実施形態〉
次に、第3実施形態にかかるゲートドライブ回路について説明する。
図15は、第3実施形態にかかるゲートドライブ回路において、制御部1cの制御による、第1スイッチS〜第4スイッチSのオン(Hレベル)/オフ(Lレベル)動作と、ゲート駆動電圧VGSの変化とを例示するタイムチャートである。第3実施形態にかかるゲートドライブ回路の回路構成も、第1実施形態と同じであるが、制御のタイミングが少し異なる。すなわち、図1に示すゲートドライブ回路のままで、回路中のスイッチの制御タイミングを変更することにより、ポートPの電位をGNDに落とし、ノイズ耐性を向上させることが可能である。具体的には、図15は、図2と比較して、期間C3’,A3,A3’が異なる。
(初期状態)
図16は、図15中のゲート駆動状態が、状態C3’の回路図である。この状態では第1スイッチS1、第2スイッチS2が共に開路であり、第3スイッチS3、第4スイッチS4が共に閉路である。第3スイッチS3及び第4スイッチS4が閉路であるとき、出力ポートPがGNDに接続されるため電位が安定し、ノイズ耐性を向上させることができる。第2スイッチS2及び第3スイッチS3は閉路/開路でもどちらでもよいが、次の状態では第2スイッチS2は開路、第3スイッチS3は閉路にする必要があるため、図16の状態にしておくことが望ましい。
(第1段階)
図17は、図15中のゲート駆動状態が、状態A3の回路図である。ゲートドライブ回路1は、状態C3’(図16)から状態A3に遷移する。すなわち、制御部1cは、状態C3’(図16)から第1スイッチSを閉路させる(なお、状態C3’で第3スイッチS3を開路していた場合は第1スイッチS1を閉路するより前に第3スイッチS3を閉路しておく)。時間Tの長さを制御することによって電流Iを所望の値に制御可能である。
(第2段階)
電流Iが所望の値に達したとき、ゲートドライブ回路1は、状態A3(図17)から状態B(図5)に遷移する。第1実施形態と同様に、制御部1cは、状態A3から第1スイッチS1を開路したのち、第2スイッチS2を閉路し、その後、第3スイッチS3を開路にして状態Bに遷移させる。その後、ゲート駆動電圧が所望の電圧になるまでに第4スイッチS4を開路する。第2スイッチS2は閉路/開路のどちらでもよいが、立ち下がり時に閉路にする必要があり、かつダイオードの順方向電圧による損失を低減するために閉路にしておくことが望ましい。第2スイッチS2を閉路にするタイミングは第3スイッチS3を開路した後でもよい。
状態Bでは、状態A3でインダクタLに蓄えた電流をキャパシタンスCGSに供給して充電する。このとき、インダクタンスLとキャパシタンスCGSは共振しており、ゲート駆動電圧VGSの立ち上がり波形はインダクタンスLとキャパシタンスCGSの共振周波数のsin波の1/4周期分(位相0→π/2)と等しくなる。最終的にキャパシタンスCGSに印加されるゲート駆動電圧VGSはIに比例する。すなわち、電流Iを制御することでVGSを所望の値に制御することが可能となる。
ゲート駆動電圧VGSが所望の値になると、状態Bから状態Cに自動的に遷移する。そのため、各スイッチを制御する必要はない。すなわち、第1スイッチS1が開路、第2スイッチS2が閉路、第3スイッチS3が開路、第4スイッチS4が開路のままである。第2スイッチS2及び第3スイッチS3は閉路でも開路でもどちらでもよいが、次の状態では第2スイッチS2は閉路、第3スイッチS3は開路にする必要があるため、上記状態にしておくことが望ましい。
次に、状態Cから再び状態C3’に戻す場合(ゲート駆動電圧VGSの立ち下がり)の動作について説明する。
(第3段階)
まず、状態C、すなわち第1スイッチS1が開路、第2スイッチS2が閉路、第3スイッチS3が開路、第4スイッチS4が開路(もし、第2スイッチS2が開路若しくは第3スイッチS3が閉路、又はその両方の場合は、上記状態Cにする。)から、状態B’に遷移させる。すなわち、状態Cから第4スイッチS4を閉路して状態B’に遷移させる。状態B’では、キャパシタンスCGSに蓄えられた電力をインダクタンスLに流して、電力をインダクタンスLに戻す。このとき、インダクタンスLとキャパシタンスCGSは共振しており、ゲート駆動電圧VGSの立ち下がり波形はインダクタンスLとキャパシタンスCGSの共振周波数のsin波の1/4周期分(位相π/2→π)と等しくなる。
(第4段階)
続いて、ゲート駆動電圧VGSが0Vになったとき、状態B’から状態A3’に遷移させる。
図18は、図15中のゲート駆動状態が、状態A3’の回路図である。すなわち制御部1cは、状態B’から第3スイッチS3を閉路し、その後、第2スイッチS2を開路にして状態A3’に遷移させる。第3スイッチS3は閉路/開路のどちらでもよいが、立ち上がり時に閉路にする必要があり、かつダイオードDの順方向電圧による損失を低減するために閉路にしておくことが望ましい。第3スイッチS3を閉路にするタイミングは第2スイッチS2を開路した後でもよい。状態A3’では、状態B’でインダクタLに蓄えた電流を入力ポートPに接続された電源2に流して回生する。
その後、回生し終えると状態C3’(図16)となる。
上記第3実施形態は、いわば第1実施形態の制御の変形例とも言えるが、同様に、第2実施形態の制御の変形例としても適用することができる。すなわち、出力電圧を立ち下げる際に出力電圧が0V付近まで低下してから、出力電圧が立ち上がり始めるまでの間に、第3スイッチS及び第4スイッチSが共に閉路している期間を設けることで、その期間は出力ポートPがGNDに接続されるため、電位が安定する。
なお、第3実施形態において所望の動作を実現するための設計については、第1実施形態又は第2実施形態と同様であるため説明を省略する。シミュレーションの条件は第1実施形態と同じであるが、第4スイッチSの切替タイミングを、図15に合わせた。
図19及び図20は、第3実施形態の設計でシミュレーションした結果を示すグラフである。図19は、ゲート駆動電圧VGSの1周期分の波形である。第1実施形態と同様に所望の立ち上がり時間(50ns)、立ち下がり時間(50ns)、所望のゲート駆動電圧(約20V)を実現している。ゲート駆動電圧が20Vよりも若干低い原因は回路内の損失である。
図20は入力電流Iinの1周期分の波形である。電流を供給する際の向きを正、回生する際の向きを負、としている。図20より、第1実施形態と同様に回生が行われていることがわかる。正の電流(供給)よりも負の電流(回生)が小さい原因は回路内の損失である。
〈使用形態〉
図21は、上記各実施形態によるゲートドライブ回路の使用形態の2例を示すブロック図である。(a)の例では、電源2から入力電圧5Vが、ゲートドライブ回路1に与えられ、スイッチング部1aは、5Vを昇圧して得た20Vを、パワー半導体デバイスQのゲート駆動電圧として与える。このようにして、5Vの電源2から、5Vの制御電源電圧と、20Vのゲート駆動電圧とを得ることができる。すなわち、ゲート駆動用の別電源は不要である。また、(b)の例では、制御電源電圧としての入力電圧24Vが、ゲートドライブ回路1に与えられ、スイッチング部1aは、24Vを降圧して得た20Vを、パワー半導体デバイスQのゲート駆動電圧として与える。このようにして、24Vの制御電源電圧から、20Vのゲート駆動電圧を得ることができる。すなわち、ゲート駆動用の別電源は不要である。
〈開示のまとめ〉
上記各実施形態により例示したゲートドライブ回路1は、図1に示す回路構成に基づいて、制御部1cが、第1スイッチS、第2スイッチS、第3スイッチS、及び、第4スイッチSの開閉を制御することにより、入力電流をインダクタLに流す第1段階、続いて、インダクタLからゲートに電流を流して出力電圧を立ち上げる第2段階、その後、ゲートからインダクタLに電流を戻して出力電圧を立ち下げる第3段階、続いて、インダクタLから電源2に電流を回生する第4段階、を実行する。この第1〜第4段階が、パワー半導体デバイスがターンオンしてからターンオフし、次のターンオンに備えるまでの1サイクルである。
上記のように構成されたゲートドライブ回路1では、インダクタLのインダクタンスと、パワー半導体デバイスQのゲート‐ソース間のキャパシタンスQGSとで、電流の受け渡しをするので、LC共振の共振周波数の(1/4)周期の時間で、出力電圧すなわちゲート駆動電圧VGSの立ち上げ及び立ち下げを実現することができる。また、インダクタLに電流を流す時間の設定により、入力電圧から所望のゲート駆動電圧への変圧(昇降圧)を行い、かつ、回生を行うことができる。このようにして、ゲート駆動電圧の迅速な立ち上がりと立ち下がりを可能とし、かつ、ゲート駆動用の別電源が不要となるゲートドライブ回路1を提供することができる。
また、第2段階において、第1スイッチS1を開路した後、第2スイッチS2を閉路し、かつ、第3スイッチS3を開路した状態とすることにより、電源の電圧をバイアス電圧とせずに、必要なゲート駆動電圧を与えることができる。さらに、第1スイッチS1を閉路したまま、第2スイッチS2を閉路し、かつ、第3スイッチS3を開路した状態とすることにより、電源の電圧をバイアス電圧として、必要なゲート駆動電圧を与えることができる。この場合は、電源の電圧がバイアス電圧となり、高い電圧を得るには好適である。
〈その他〉
なお、上述の各実施形態については、その少なくとも一部を、相互に任意に組み合わせてもよい。例えば、前述のように、第3実施形態における第4スイッチの制御の要領を、第2実施形態に取り入れてもよい。
〈補記〉
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 ゲートドライブ回路
1a スイッチング部
1c 制御部
2 電源
N1 相互接続点
N2 相互接続点
GS ゲート−ソース間容量(キャパシタンス)
ダイオード
ダイオード
ダイオード
ダイオード
L インダクタ(インダクタンス)
パワー半導体デバイス
入力ポート
出力ポート
第1スイッチ
第2スイッチ
第3スイッチ
第4スイッチ
B1 入力側スイッチ直列体
B2 出力側スイッチ直列体

Claims (8)

  1. 電源から与えられる直流の入力電圧を変圧してパワー半導体デバイスのゲートに制御電圧を与えるゲートドライブ回路であって、
    第1の相互接続点で互いに直列に接続される第1スイッチ及び第2スイッチによりスイッチ直列体を構成し、当該直列体の両端に前記入力電圧が与えられる入力側スイッチ直列体と、
    前記第1スイッチと並列に存在し、アノードが前記第1の相互接続点側にある第1ダイオードと、
    前記第2スイッチと並列に存在し、カソードが前記第1の相互接続点側にある第2ダイオードと、
    第2の相互接続点で互いに直列に接続される第3スイッチ及び第4スイッチによりスイッチ直列体が構成され、当該スイッチ直列体の両端に現れる出力電圧が前記制御電圧となる出力側スイッチ直列体と、
    前記第3スイッチと並列に存在し、カソードが前記第2の相互接続点側にある第3ダイオードと、
    前記第4スイッチと並列に存在し、アノードが前記第2の相互接続点側にある第4ダイオードと、
    一端が前記第1の相互接続点に、他端が前記第2の相互接続点に、それぞれ接続されたインダクタと、
    前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、前記第3スイッチ、及び、前記第4スイッチの開閉を制御することにより、入力電流を前記インダクタに流す第1段階、続いて、前記インダクタから前記ゲートに電流を流して前記出力電圧を立ち上げる第2段階、その後、前記ゲートから前記インダクタに電流を戻して前記出力電圧を立ち下げる第3段階、続いて、前記インダクタから前記電源に電流を回生する第4段階、を実行する制御部と、
    を備えているゲートドライブ回路。
  2. 前記第1段階において前記制御部は、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを共に開路し、かつ、前記第3スイッチが閉路している状態から、前記第1スイッチを閉路した状態として所定時間経過させ、
    前記第2段階において前記制御部は、前記第1段階の帰着状態から、前記第1スイッチを開路した後、前記第3スイッチを開路した状態とし、
    前記第3段階において前記制御部は、前記第1スイッチ、前記第3スイッチ、前記第4スイッチをそれぞれ開路し、かつ、前記第2スイッチを閉路した状態から、前記第4スイッチを閉路した状態とし、
    前記第4段階において前記制御部は、前記第3段階の帰着状態から、前記第2スイッチを開路した状態とする
    請求項1に記載のゲートドライブ回路。
  3. 前記第2段階において前記制御部は、前記第1スイッチを開路した後、前記第2スイッチを閉路し、かつ、前記第3スイッチを開路した状態とする請求項2に記載のゲートドライブ回路。
  4. 前記入力電圧をVin、前記インダクタのインダクタンスをL、前記パワー半導体デバイスの入力容量のキャパシタンスをCGS、前記出力電圧をVoutとして、前記第1段階から前記第2段階までの間において前記インダクタに電流を流す時間Tは、
    Figure 0006914825

    である請求項2又は請求項3に記載のゲートドライブ回路。
  5. 前記第1段階において前記制御部は、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを共に開路し、かつ、前記第3スイッチが閉路している状態から、前記第1スイッチを閉路した状態として所定時間経過させ、
    前記第2段階において前記制御部は、前記第1段階の帰着状態から、前記第3スイッチを開路した状態とし、
    前記第3段階において前記制御部は、前記第1スイッチ、前記第3スイッチ、前記第4スイッチをそれぞれ開路し、かつ、前記第2スイッチを閉路した状態から、前記第4スイッチを閉路した状態とし、
    前記第4段階において前記制御部は、前記第3段階の帰着状態から、前記第2スイッチを開路した状態とする
    請求項1に記載のゲートドライブ回路。
  6. 前記入力電圧をVin、前記インダクタのインダクタンスをL、前記パワー半導体デバイスの入力容量のキャパシタンスをCGS、前記出力電圧をVoutとして、前記第1段階から前記第2段階までの間において前記インダクタに電流を流す時間Tは、
    Figure 0006914825

    である請求項5に記載のゲートドライブ回路。
  7. 前記第4段階において前記制御部は、前記第3段階の帰着状態から、前記第4スイッチを開路してから前記第2スイッチを開路するまでの間、又は、前記第2スイッチを開路した後に前記第3スイッチを閉路する請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載のゲートドライブ回路。
  8. 前記制御部は、前記出力電圧を立ち下げる際に、前記出力電圧が0V近傍まで低下してから前記出力電圧が立ち上がり始めるまでの間に前記第3スイッチ及び前記第4スイッチを共に閉路する期間を設ける請求項2〜請求項7に記載のゲートドライブ回路。
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