JP6914058B2 - ガスの製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスの製造装置に関する。
アンモニア(NH)は、肥料等の原料になるばかりでなく、水素キャリアの有力な候補である。水素キャリアとして用いる場合、水素保有率が高く(17.8質量%)、容易に液化可能であり、使用後は窒素及び水のみが生じるという利点がある。現在、アンモニアは、ハーバー・ボッシュ法で生産されているが、多くのエネルギーを消費する高温・高圧条件が必要なため、代替法が研究されている。
代替法の1つとして、プラズマを用いる方法が知られている。例えば、特許文献1には、気体反応物質の流路を形成する反応塔と、流路に配置される触媒と、第1電極と、第2電極とを含むガス製造装置が開示されている。このガス製造装置では、第1電極と第2電極との間に印加される電圧に基づいて触媒の表面近傍に低温プラズマを発生させて気体反応物質を励起し、ガスを生成している。
特開2002−241774号公報
しかしながら、従来の技術では、原料ガスを充分に励起させることは困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、無声放電(誘電体バリア放電)によって、効率よく原料ガスを励起させ、ガスの合成を促進できるガスの製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、誘電体で構成される側壁を有する反応室と、反応室の内部に配置される内部電極と、反応室の外部において、誘電体の少なくとも一部を覆うように配置される外部電極と、内部電極及び外部電極に接続され、パルス電圧を印加するパルス電源と、を備えており、内部電極が、周期表の第4族〜第14族から選ばれる少なくとも1種の元素を含む導体を有し、パルス電圧を印加することによって反応室内に供給される原料ガスを励起させ、原料ガスとは異なるガスを合成する、ガスの製造装置を提供する。
本発明に係る製造装置は、常温・常圧でも原料ガスを無声放電(誘電体バリア放電)によって、効率よく励起させることができ、さらに内部電極を触媒として作用し得るため、原料ガスとは異なるガスに変換することができる。また、装置の構造が簡易であるため、オンサイトで用いることができ、小規模生産においても有利である。
上記内部電極は、棒状、網状又はウール状の導体を有していてもよい。内部電極が網状又はウール状の導体を有すると、表面積が大きくなるため、反応収率を向上させることが可能となる。
上記外部電極は網状、板状又は膜状の導体を有していてもよい。外部電極が網状、板状又は膜状の導体を有すると、誘電体の外側で電荷を一定に保持することができるため、反応収率を向上させることができる。
上記誘電体は絶縁体であり、かつ強誘電体であってもよい。上記誘電体が絶縁体であり、かつ強誘電体であると、原料ガスを励起させ易くなる。上記誘電体は石英ガラスであってもよい。
上記原料ガスの励起された状態は大気圧非平衡プラズマであってもよい。大気圧非平衡プラズマは、消費電力が少なく、効率よく原料ガスを励起することができる。
上記パルス電源の電圧と電流との波形は減衰正弦波であってもよい。波形が減衰正弦波であると、ガスの収率を向上させることができる。
上記原料ガスが窒素、並びに水素、低級炭化水素及び水からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、上記ガスがアンモニアであってもよい。上記製造装置は、アンモニア合成に好適に用いることができる。
上記反応室内において、上記内部電極と上記外部電極との間に触媒をさらに備えていてもよい。上記製造装置が、触媒をさらに備えることにより、反応をより促進することができる。また、内部電極の役割を電極と触媒機能に分割することによって、装置構成を簡素化することができる。
上記触媒は周期表の第4族〜第14族から選ばれる少なくとも1種の元素からなる単体、及び/又は当該元素を有する酸化物、窒化物若しくは酸窒化物を含んでいてもよい。触媒が第4族〜第14族から選ばれる少なくとも1種の元素からなる単体、及び/又は当該元素を有する酸化物若しくは酸窒化物であると、反応収率を向上させることができる。
上記触媒は上記反応室の側壁の内面に付着していてもよい。反応室の内表面近傍には、励起状態の原料ガスが多く存在することが推測されるため、反応収率を向上させることが可能となる。上記触媒は網状、板状又は膜状に形成され、上記反応室の側壁の内面上に設けられていてもよい。
上記内部電極は上記触媒よりも上記誘電体から離れて設けられていてもよい。このような構成とすることにより、反応収率を向上させることができる。
上記触媒は粒状であり、反応室内において内部電極と外部電極との間に充填されていてもよい。これによって、反応収率を向上させることができる。
上記内部電極は黒鉛からなる導体を有していてもよい。黒鉛からなる導体は安価であり、取扱いが簡便である。
本発明によれば、無声放電(誘電体バリア放電)によって、効率よく原料ガスを励起させ、ガスの合成を促進できるガスの製造装置を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る製造装置を示す部分断面図である。 本発明の一実施形態に係る製造装置によるアンモニア合成の模式図である。 本発明の別の実施形態に係る製造装置によるアンモニア合成の模式図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る製造装置によるアンモニア合成の模式図である。 図4の変形例に係る製造装置によるアンモニア合成の模式図である。 図4の別の変形例に係る製造装置の模式図である。 製造装置100を用いたアンモニア合成システムの一例を示す概念図である。 パルス電源の電圧と電流との波形における正弦波の種類を示す模式図である。 減衰正弦波の電圧と電流との波形を示すグラフである。 アンモニア合成における内部電極の種類による触媒活性を示すグラフである。 窒素に対する水素のモル比と、アンモニアの生成速度及び収率との関係を示すグラフである。 印加電圧に対するアンモニアの生成速度及び製造装置全体での消費電力当たりのアンモニア生成量を示すグラフである。 添加ガスの割合に対するアンモニアの生成速度及び収率を示すグラフである。 アンモニア合成における触媒の種類による触媒活性を示すグラフである。 触媒として固体酸化物を用いた場合の触媒活性を示すグラフである。 各固体酸化物を用いたときの、消費電力当たりのアンモニアの生成速度を示すグラフである。 各固体酸化物の比誘電率と、消費電力当たりのアンモニアの生成速度との関係を示すグラフである。 Al粉末の表面積と、消費電力当たりのアンモニアの生成速度との関係を示すグラフである。 (θ+γ)−Al粉末の平均粒子径と、アンモニアの生成速度及び収率を示すグラフである。 窒素に対する水素のモル比と、アンモニアの生成速度及び収率との関係を示すグラフである。 原料ガスの流量と、アンモニアの生成速度及び収率との関係を示すグラフである。 触媒としてCaO粉末を用いた場合の窒素に対する水素のモル比と、アンモニアの生成速度及び収率との関係を示すグラフである。 触媒としてGa粉末を用いた場合の窒素に対する水素のモル比と、アンモニアの生成速度及び収率との関係を示すグラフである。 触媒として金属担持Alを用いた場合の触媒活性を示すグラフである。 Pt担持Al触媒を用いた場合のPtの担持量と、アンモニアの生成速度及び収率との関係を示すグラフである。 Pt担持Al触媒を用いた場合の窒素に対する水素のモル比と、アンモニアの生成速度及び収率との関係を示すグラフである。 Pt担持Al触媒を用いた場合の原料ガスの流量と、アンモニアの生成速度及び収率との関係を示すグラフである。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る製造装置を示す部分断面図である。一実施形態に係る製造装置100は、誘電体からなる管体20と、管体20の上下端の開口をそれぞれ封止する蓋22、24とによって、外部空間から区画される反応室2を備える。反応室2は、誘電体で構成される側壁2aを有する。製造装置100は、反応室2の内部に配置される内部電極4と、反応室2の外部において、側壁2aを構成する誘電体の少なくとも一部を覆うように配置される外部電極6と、内部電極4及び外部電極6に接続され、内部電極4と外部電極6の間にパルス電圧を印加するパルス電源8と、を備える。
蓋22、24には、原料ガスの導入部10及び生成ガスの排出部12が接続されている。棒状の内部電極4は、管体20の中心軸に沿って反応室2内に配置されるように蓋22に固定されている。外部電極6は、管体20の外周面上に巻き付けられて固定されている。一実施形態に係る製造装置100は、パルス電圧を印加することによって反応室2内に供給される原料ガスを励起させ、原料ガスとは異なるガスを合成する。
反応室2は、誘電体で構成される側壁2aを有する。側壁2aのうち、外部電極6で覆われる部分の少なくとも一部が誘電体で構成されていればよく、側壁2a全体が誘電体で構成されていなくてもよい。ただし、反応室2の側壁2a全体が誘電体で構成されていてもよいし、反応室2全体が誘電体で構成されていてもよい。反応室2の形状は、管状に限定されず、例えば、箱状であってもよい。
反応室2は、高圧(例えば、200kPa以上)に耐えられるものであってもよい。ガスが気体であるとき、気体は高圧下では液体に変化するため、ガスを液体として回収できるという利点がある。
誘電体は、原料ガスの励起が容易であることから、絶縁体で、かつ強誘電体であってもよい。絶縁体としては、例えば、抵抗率が1×10Ω・m以上のものが挙げられる。強誘電体としては、例えば、比誘電率が2〜10000のものを用いることができる。
誘電体としては、例えば、石英ガラス、アルミナ、ジルコニア、チタン酸バリウム等の酸化物、窒化ケイ素等の窒化物、チタン酸バリウムの窒素含有体等の酸窒化物などが挙げられる。これらのうち、誘電体は石英ガラスであってもよい。
誘電体の厚みは、絶縁破壊が生じない範囲で任意に設定することができる。誘電体の厚みは、例えば、0.5mm以上であってもよく、100mm以下であってもよい。
内部電極4は、反応室2の内部に配置される導体を有する。内部電極4は、周期表の第4族〜第14族から選ばれる少なくとも1種の元素を含む導体(金属又は合金)を有する。導体に含まれる元素は、ガスの合成において、触媒として作用し得ればよく、周期表の第8族〜第14族の元素であってもよい。ガスの合成を充分に促進する観点から、導体に含まれる元素は、好ましくはアルミニウム、チタン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、銀、パラジウム、白金及び金からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは金、銀、銅、パラジウム及び白金から選ばれる少なくとも1種である。
内部電極4の形状は、その少なくとも一部の導体が反応室2の内部に配置できるものであれば特に制限されない。例えば、棒状、板状、網状又はウール状等の導体を有していてもよい。これらのうち、表面積を大きくできることから、網状又はウール状の導体を有することが好ましい。網状又はウール状の導体は、導体を直径1mm以下に加工したものであり得る。
内部電極4と側壁2aを構成する誘電体との距離は、特に制限されず、例えば、4mm以下であってもよい。
外部電極6は、反応室2の外部において、側壁2aを構成する誘電体の少なくとも一部を覆うように配置される。外部電極6は、誘電体の全部を覆うように配置されていてもよい。外部電極6としては、導電性を有するもの(導体)であれば、特に制限なく用いることができる。導体は銅、アルミニウム又は炭素であってもよい。
外部電極6の形状は、側壁2aを構成する誘電体の少なくとも一部を覆うように配置されるものであれば、特に制限されない。誘電体(側壁2a)の外側の電荷を均一に保つ観点から、網状、板状又は膜状であってもよい。
パルス電源8は、内部電極4及び外部電極6に接続される。パルス電源8としては、内部電極4と外部電極6との間にパルス電圧を印加して、無声放電(誘電体バリア放電)を発生させることができるものであれば、特に制限なく用いることができる。パルス電源8は、電源の電圧と電流との波形を調整でき、さらにはその波形において、好ましくは正弦波又は矩形波を、より好ましくは減衰正弦波を発生できるものであることが好ましい。
パルス電源の電圧と電流との波形は正弦波であってもよい。パルス電源の電圧と電流との波形は、ガスの収率を向上させることから、減衰正弦波であることが好ましい。
原料ガスの励起された状態はプラズマであればよく、特にプラズマの種類は限定されない。プラズマは、例えば、非平衡プラズマであってもよい。高圧条件が不要であり、かつ消費電力を抑えて効率よく原料ガスを活性化できることから、大気圧非平衡プラズマであってもよい。
原料ガスは、窒素、並びに水素、低級炭化水素及び水(水蒸気)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。低級炭化水素としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン等が挙げられる。生成するガスは、これら原料ガスから変換されるアンモニアであってもよい。製造装置100は、アンモニア合成に好適に用いることができる。なお、反応室2の温度及び圧力は、常温及び常圧に限定されず、例えば、温度は室温(25℃)〜500℃であってもよく、圧力は101〜1000kPaであってもよい。
図2は、一実施形態に係る製造装置によるアンモニア合成の模式図である。この場合、反応室2内に原料ガスとして窒素及び水素が供給される。そして、パルス電源8からパルス電圧を印加することにより、側壁2aを構成する誘電体を挟むように配置される内部電極4と外部電極6との電極間の空間bで無声放電(誘電体バリア放電)が発生する。この無声放電によって、原料ガス(主に窒素)が活性化され、水素と反応してアンモニアに変換される。このとき、内部電極4は原料ガスを活性化する触媒として作用し得る。このため、内部電極4を構成する導体の組成を変えることによってアンモニアの収率が変化する。
図3は、別の実施形態に係る製造装置によるアンモニア合成の模式図である。本実施形態に係る製造装置は、内部電極の形状の点で図1、2に示す実施形態と異なっている。その他の構成は、図1、2に示す実施形態と同じである。内部電極は、ウール状の導体4aを有する。ウール状の導体4aを有することによって、反応室2内における導体の表面積を充分に大きくすることができる。これによって、原料ガスの励起を一層促進することが可能となり、生成するガスの収率を一層高くすることができる。本実施形態においても、後述の実施形態と同様に、反応室2内において、内部電極4と外部電極6との間に触媒(層)をさらに備えていてもよい。
図4は、さらに別の実施形態に係る製造装置によるアンモニア合成の模式図である。本実施形態の製造装置は、反応室2内に内部電極4とは別に触媒14を備える点で図1、2に示す実施形態と異なっている。その他の構成は、図1、2に示す実施形態と同じである。触媒14は、例えば、蒸着、めっき等によって形成され得る。
本実施形態に係る製造装置100は、反応室2内において、内部電極4と外部電極6との間に触媒(層)14をさらに備えていてもよい。触媒14をさらに備えることにより、反応をより促進することができる。触媒14は反応室2内に配置されるのであれば、配置場所は特に制限されない。例えば、触媒14は、反応室2の誘電体で構成される側壁2aの内面に付着又は積層されていてもよい。反応室2の内表面近傍には、励起状態の原料ガスが多く存在する傾向にある。このため、側壁2aの内面に触媒14を付着又は積層することによって、反応収率を向上させることが可能となる。触媒は網状、板状又は膜状に形成され、又は積層され、反応室2の誘電体で構成される側壁2aの内面上に設けられていてもよい。
触媒14は、周期表の第4族〜第14族から選ばれる少なくとも1種の元素からなる単体、及び/又は当該元素を構成元素として有する酸化物、窒化物若しくは酸窒化物を含んでいてもよい。当該元素は、反応収率を向上する観点から、周期表の第8族〜第14族の元素であってもよい。当該元素は、好ましくはアルミニウム、チタン、鉄、パラジウム、ニッケル、銅、亜鉛、銀、白金及び金からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは金、銀、銅、パラジウム及び白金からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
製造装置100が反応室2内に触媒14を備える場合、内部電極4は触媒14よりも誘電体から離れて設けられていてもよい。このような構成とすることにより、反応収率を向上させることができる。内部電極4は黒鉛からなる導体を有していてもよい。黒鉛からなる導体は安価であり、取扱いが簡便である。
本実施形態では、反応室2内に原料ガスとして窒素及び水素が供給される。そして、パルス電源8(図1)から内部電極4と外部電極6との間にパルス電圧を印加することにより、側壁2aをなす誘電体及び触媒14を挟むように配置される内部電極4と外部電極6との間の空間bで無声放電(誘電体バリア放電)が発生する。この無声放電によって、原料ガス(主に窒素)が活性化され、触媒14を介してアンモニアに変換される。
図5は、図4の変形例に係る製造装置によるアンモニア合成の模式図である。本変形例では、反応室2内に、触媒14に代えて網状の触媒14aを備えている。パルス電源8(図1)から内部電極4と外部電極6との間にパルス電圧を印加することにより、側壁2aをなす誘電体及び網状の触媒14aを挟むように配置される内部電極4と外部電極6との間の空間bで無声放電(誘電体バリア放電)が発生する。この無声放電によって、原料ガス(主に窒素)が活性化され、網状の触媒14aを介してアンモニアに変換される。網状の触媒14aは複数積層されていてもよい。網状の触媒14aは大きい表面積を有することから、原料ガスの活性化を促進し、アンモニアガスの収率を高くすることができる。
図6は、図4の別の変形例に係る製造装置の模式図である。本変形例では、反応室2内に、触媒14に代えて粒状の触媒14bの充填層14Bを備えている。内部電極4の少なくとも一部は充填層14B内に埋設されている。パルス電源8(図1)から内部電極4と外部電極6との間にパルス電圧を印加することにより、充填層14Bにおいて無声放電(誘電体バリア放電)が発生する。この無声放電によって、原料ガス(主に窒素)が活性化されアンモニアに変換される。
充填層14Bの下側には、粒状の触媒14bを保持する保持部材50が設けられている。保持部材50としては、ガスが流通するための孔を有する板状部材が用いられる。そのような板状部材としては、石英板及び目皿等が挙げられる。保持部材50における孔のサイズを粒状の触媒14bのサイズよりも小さくすることによって、粒状の触媒14bが下方に落下することが防止され、充填層14Bを形成することができる。保持部材50における孔径は、例えば0.1〜1mmである。孔の数に制限はなく、例えば2〜20個である。保持部材50の厚みは例えば0.1〜5mmである。
保持部材50は、支持部材52で支持されることによって反応室2内に保持される。支持部材52としては石英管などの管体が例示される。この場合、支持部材52は管体20の内径よりも小さい外径を有する。このような支持部材52は、管体20の下方から挿入され、管体20内に同心となるように収容される。支持部材52は、蓋24によって下方に移動しないように管体20内に固定される。
粒状の触媒14bとしては、固体酸化物の粒子が挙げられる。固体酸化物としては、Al、ZrO、及びアルカリ土類金属の酸化物が好ましい。触媒14bは、固体酸化物を担体として、金属又はその酸化物、窒化物若しくは酸窒化物が担持されていてもよい。金属としては、周期表の第4族〜第14族から選ばれる少なくとも1種の元素が挙げられる。当該元素は、反応収率を向上する観点から、周期表の第8族〜第14族の元素であってもよい。当該元素は、好ましくはアルミニウム、チタン、鉄、パラジウム、ニッケル、銅、亜鉛、銀、白金及び金からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは金、銀、銅、パラジウム及び白金からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
粒状の触媒14bの平均粒子径は、原料ガスの活性化を促進し、アンモニアガスの収率を高くする観点から、好ましくは0.1〜1mmであり、より好ましくは0.2〜0.9mmである。平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
上述のように金属を担持する触媒は、含浸担持法、析出沈殿法、イオン交換法等の通常の方法によって調製することができる。担体における金属の含有量は、担体に対して好ましくは1〜20wt%であり、より好ましくは5〜15wt%である。
図7は、製造装置100を用いたアンモニア合成システムの一例を示す概念図である。アンモニア合成システム200は、水を電気分解して酸素及び水素を製造する電気分解装置30と、空気から窒素を分離する空気分離装置40と、電気分解装置30で製造された水素と空気分離装置40で得られた窒素を原料ガスとして用いてアンモニアを合成する製造装置100を備える。製造装置100は、消費電力が少なく、効率よく原料ガスを励起することができるため、再生可能電力によって、アンモニアを製造することができる。製造装置100は、二酸化炭素を発生しないオンサイトで小規模生産が可能なアンモニアの製造装置にも適用できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、各実施形態の要素同士を組み合わせて上述の実施形態とは構成の異なる製造装置としてもよい。例えば、図5の反応室2内の内部電極として、図3に示すようなウール状の導体を有するものを用いてもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
窒素及び水素を原料ガスとしてアンモニア合成を行い、パルス電源の電圧と電流との波形の最適化を検討した。アンモニア合成は、図1に示すような常圧流通式反応装置を用いて常温(20℃)で行った。管内径10.7mmの石英ガラス管を反応室として用いた。内部電極として、電極径8mmの棒状の銅を用いた。この棒状の銅を、石英ガラス管の中心軸に沿って配置した。
外部電極として、長手方向の長さが150mmである80メッシュの銅(株式会社大里製、細線直径:0.120mm、目開き:0.198mm)を用いた。この銅製メッシュを、石英ガラス管の外周面を覆うように巻き付けた(巻回数:1回)。このとき、外部電極の長手方向が、鉛直方向になるように巻き付けた。
酸化鉄(Fe)2.0gを触媒として用い、触媒層の長さが約18mmになるように、内部電極の直下に配置した。PCT−MBS−50A(株式会社プラズマコンセプト東京製)をパルス電源として用いた。窒素及び水素の励起は、表1に示す正弦波を印加することによって行い、反応室内でプラズマを発生させた。図8は、パルス電源の電圧と電流との波形における正弦波の種類を示す模式図である。原料ガス(窒素及び水素の混合ガス(モル比1:1))の流量は100mL/分とした。生成したアンモニアは希硫酸水で捕集し、捕集溶液中のアンモニア濃度を15分ごとにイオンクロマトグラフで分析した。アンモニア収率(モル基準、以下同様)は、窒素基準で算出した。上述の触媒が無い場合も同様にしてアンモニア合成を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006914058
表1より、触媒として酸化鉄を用いた場合において、パルス電源の電圧と電流との波形が減衰正弦波であるとき、アンモニアの収率が高いことが確認された。
(実施例2−1)
窒素及び水素を原料ガスとして、アンモニア合成を行い、アンモニア合成における内部電極の種類による触媒活性を検討した。アンモニア合成は、図1に示すような常圧流通式反応装置を用い、常温(20℃)で行った。石英ガラス管を反応室として用いた。石英ガラス管の外径及び内径を表2に示す。内部電極として、表2に示す3種類の銅製の導体を用いた。棒状の導体は、表2に示す電極径を有し且つ電極長が150mmのものを、図2に示すように石英ガラス管の中心軸に沿って配置した。筒型網状の導体としては、23.2gの80メッシュの銅(細線直径:0.12mm)を、ガラス管の内周面と所定の間隔(表2に示す距離)を有するように、当該内周面に沿って配置した。ウール状の導体としては、1.1gのウール状の銅を、図3に示すように石英ガラス管内に配置した。
外部電極として、長手方向の長さが150mmである80メッシュの銅(株式会社大里製、細線直径:0.120mm、目開き:0.198mm)を用いた。外部電極は、石英ガラス管の外周面を覆うように巻き付けた。このとき、外部電極の長手方向が、鉛直方向になるように巻き付けた(巻回数:1回)。
PCT−MBS−50A(株式会社プラズマコンセプト東京製)をパルス電源として用いた。窒素及び水素の励起は、主に5kV、50kHzの減衰正弦波を印加することによって行い、反応室内で大気圧非平衡プラズマを発生させた。図9は、減衰正弦波の電圧と電流との波形を示すグラフである。原料ガス(窒素及び水素の混合ガス(モル比:H/N=1〜3))の流量は100mL/分とした。生成したアンモニアは希硫酸水で捕集し、捕集溶液中のアンモニア濃度を15分ごとにイオンクロマトグラフで分析した。アンモニア収率は、窒素基準で算出した。すなわち、アンモニア収率[%]=(アンモニア生成量[mol]÷2)/窒素ガス流入量[mol]×100の数式で求めた。以下の実施例も同様である。結果を表2に示す。
Figure 0006914058
表2より、内部電極の形状が網状(ワイヤ)又はウール状である場合、棒状(ロッド)である場合に比べて、アンモニア収率が高いことが確認された。
(実施例2−2)
窒素及び水素を原料ガスとして、アンモニア合成を行い、アンモニア合成における内部電極の種類による触媒活性を検討した。アンモニア合成は、常圧流通式反応装置を用い、常温(20℃)で行った。管内径10.7mmの石英ガラス管を反応室として用いた。内部電極として、触媒として作用するウール状の導体を用いた。内部電極を構成するウール状の導体の仕様を表3に示す。反応室内に配置される内部電極の全体の表面積が61.3cmとなるようにウール状の導体の使用量を調整した。
外部電極として、長手方向の長さが150mmである80メッシュの銅(株式会社大里製、細線直径:0.120mm、目開き:0.198mm)を用いた。外部電極は、石英ガラス管の外周面を覆うように巻き付けた。このとき、外部電極の長手方向が、鉛直方向になるように巻き付けた(巻回数:1回)。
PCT−MBS−50A(株式会社プラズマコンセプト東京製)をパルス電源として用いた。窒素及び水素の励起は、主に5kV、50kHzの減衰正弦波を印加することによって行い、反応室内で大気圧非平衡プラズマを発生させた。原料ガス(窒素及び水素の混合ガス(モル比:H/N=1))の流量は100mL/分とした。生成したアンモニアは希硫酸水で捕集し、捕集溶液中のアンモニア濃度を15分ごとにイオンクロマトグラフで分析した。アンモニア収率は、窒素基準で算出した。
Figure 0006914058
図10は、アンモニア合成における内部電極の種類による触媒活性を示すグラフである。図10に示すように、各導体を内部電極として用いたときにアンモニアが合成されることが確認された。また、モリブデン及びタングステンを用いた場合においても、アンモニアが合成されることが確認された(アンモニア収率:0.8%(Mo)、0.5%(W))。また、ウール状の銅を内部電極の導体として用いたときに非常に高い触媒活性を示すことが判明した。
(実施例2−3)
ウール状の銅(1.1g)を内部電極の導体として用いたこと以外は、実施例2−2と同様にしてアンモニア合成を行い、水素/窒素のモル比を0.11〜3.0の範囲で変化させて、速度論的研究を行った。
図11は、水素/窒素のモル比に対するアンモニアの生成速度及び収率を示すグラフである。水素/窒素のモル比が0.5付近で、アンモニアの生成速度が最大となった。アンモニア収率は、水素/窒素のモル比が増加するにつれて増加し、水素/窒素のモル比が3のときに3.5%に達した。
(実施例2−4)
ウール状の銅(1.1g)を内部電極の導体として用いたこと以外は、実施例2−2と同様にしてアンモニア合成を行い、パルス電源の印加電圧を1〜7kVの範囲で変化させて、アンモニアの生成速度と印加電圧との関係性を検討した。
図12は、印加電圧に対するアンモニアの生成速度及び製造装置全体での消費電力当たりのアンモニア生成量を示すグラフである。印加電圧が約2kV以上になると、プラズマ発光が観測されるとともにアンモニアが生成し始めた。印加電圧が3〜7kVになると、アンモニアの生成速度は印加電圧とともに直線的に増加した。プラズマ発生に用いられる電力量あたりのアンモニアの生成量を算出したところ、5kVで極大値を示し、製造装置全体での使用電力量を基準としたアンモニアの生成速度は0.4μmol/min/Wであった。プラズマ発生に消費している使用電力を基準とすると、アンモニアの生成速度は3.2μmol/min/Wであった。
(実施例2−5)
筒型網状の銅(23.2g)を内部電極の導体として用いたこと以外は、実施例2−2と同様にしてアンモニア合成を行った。原料ガスにヘリウム、アルゴン又は水素を添加して、アンモニア合成に対するペニング効果の有効性を検討した。
図13は、添加ガス(ヘリウム、アルゴン、水素)の割合に対するアンモニアの生成速度及び収率を示すグラフである。塗りつぶしのプロットがアンモニアの生成速度を示し、白抜きのプロットがアンモニアの収率を示す。いずれの場合も、添加ガス量の増加とともにアンモニアの生成速度は単調に減少したが、ヘリウムを共存させたとき、アンモニアの収率が向上した。75%ヘリウム共存時において、アンモニア収率は5.4%であった。このことから、ヘリウムガス共存下で合成を行うことによって、アンモニア収率を高くできることが確認された。
(実施例3)
内部電極を、電極径8mm、電極長150mmの黒鉛電極に変更し、反応室内において、内部電極と外部電極との間における石英ガラス管の側壁の内面上に網状の触媒を設置したこと以外は、実施例2−1と同様にして、アンモニア合成を行った。網状の触媒の仕様を表4に示す。
Figure 0006914058
図14は、アンモニア合成における触媒の種類による触媒活性を示すグラフである。図14が示すように、各元素を含む触媒を用いた場合においても、アンモニアが生成することが確認された。また、触媒として白金又は金を用いたときに非常に高い触媒活性を示すことが判明した。
(実施例4−1〜4−24)
窒素及び水素を原料ガスとしてアンモニア合成を行い、触媒活性を検討した。アンモニア合成は、図1に示すような常圧流通式反応装置を用い、常温(20℃)で行った。石英ガラス管(外径:12.7mm、内径:10.7mm)を反応室として用いた。
外部電極は実施例2−1と同じものを用い、内部電極は表2に記載の「棒状(電極径:8mm)」のものを用いた。そして、内部電極と外部電極が巻き付けられている石英ガラス管との間に、触媒として粒状の固体酸化物を充填し、図6に示すような充填層を設けた。触媒の充填層の上面が外部電極の上端に一致するように触媒を充填した。充填層の下部には、図6に示すように、反応室の下部に貫通孔を有する円板状の保持部材が配置されており、支持部材(石英管)で当該保持部材を支持した。なお、対照とするため、実施例4−1のみは固体酸化物(触媒)を充填しなかった。
実施例4−2〜4−24では、固体酸化物として表5に示すものを用いた。各固体酸化物は、市販の固体酸化物を、空気中、500℃で4時間焼成した後、粒径を0.3〜0.6mmに整粒して充填した。実施例4−15では、Zr(OH)を焼成して得られたZrOを用いた。実施例4−22、4−23におけるBEA、FAUは、それぞれゼオライトの一種であり(どちらも東ソー株式会社製)、実施例4−24のAg−BEAは、東ソー株式会社製のBEAに銀イオンを交換して調製した銀イオン交換ゼオライトである。
PCT−MBS−50A(株式会社プラズマコンセプト東京製)をパルス電源として用いた。窒素及び水素の励起は、主に6kV、50kHzの減衰正弦波を印加することによって行い、反応室内で大気圧非平衡プラズマを発生させた。原料ガス(窒素及び水素の混合ガス(モル比:H/N=1)の流量は100mL/分とし、常温で120分間反応を行った。
生成したアンモニアは希硫酸水で捕集し、導電率計の値の変化から捕集溶液中のアンモニア濃度を測定した。なお、実施例4−1及び4−13のみ、導電率計ではなく、イオンクロマトグラフで捕集溶液中のアンモニア濃度を測定した。導電率計の測定は1分毎(イオンクロマトグラフは15分毎)に行い、その平均値に基づいて、アンモニアの生成速度、アンモニアの収率及び生成ガス中のアンモニアの濃度を算出した。結果は表5及び図15に示すとおりであった。また、各固体酸化物を用いたときの、消費電力当たりのアンモニアの生成速度を算出した。図16はその結果を示すグラフである。
表5、図15及び図16に示されるように、固体酸化物を用いない場合(実施例4−1)に比べて、固体酸化物を用いた場合の方が、アンモニアの生成速度、アンモニアの収率及び生成ガス中のアンモニアの濃度が大きくなっていた。固体酸化物のうち、Al、ZrO、及びアルカリ土類金属の酸化物が高い活性を示した。図17は、各固体酸化物の比誘電率と、消費電力当たりのアンモニアの生成速度との関係を示すグラフである。比誘電率が5〜15程度の固体酸化物を用いたときに消費電力当たりのアンモニアの生成速度が大きくなる傾向にあった。
Figure 0006914058
(実施例5−1〜5−12)
結晶系及び表面積が異なる複数種類の市販のAl粉末を準備した。触媒としてこれらを用いたこと以外は、実施例4−2〜4−24と同様にしてアンモニア合成を行った。結果は表6に示すとおりであった。図18は、Al粉末の表面積と、消費電力当たりのアンモニアの生成速度との関係を示すグラフである。
Figure 0006914058
表6及び図18に示すとおり、結晶系及び表面積は、触媒の活性に本質的な影響を与えないことが確認された。
(実施例6−1〜6−5)
平均粒子径が異なる複数種類の(θ+γ)−Al粉末(触媒学会参照触媒、試料番号:JRC6)を準備した。触媒としてこれらを用いたこと以外は、実施例4−2〜4−24と同様にしてアンモニア合成を行った。結果は表7に示すとおりであった。図19は、(θ+γ)−Al粉末の平均粒子径と、アンモニアの生成速度及び収率との関係を示すグラフである。
Figure 0006914058
表7及び図19に示すとおり、平均粒子径が0.45mmの場合に、アンモニアの生成速度が最も大きくなることが確認された。一方、消費電力当たりのアンモニアの生成速度は、平均粒子径が小さい方が大きかった。
(実施例7−1〜7−6)
原料ガスとして用いる窒素及び水素のモル比を表8に示すとおりに変更したこと以外は、実施例6−2と同様にしてアンモニア合成を行った。結果は、表8に示すとおりであった。図20は、窒素に対する水素のモル比と、アンモニアの生成速度及び収率との関係を示すグラフである。なお、表8及び図20には、実施例6−2の結果も併せて示す。
Figure 0006914058
表8及び図20に示すとおり、アンモニアの生成速度は、H/Nのモル比が2のときが最も大きかった。一方、アンモニアの収率は、H/Nのモル比が4のときが最も大きかった。
(実施例8−1〜8−5)
原料ガス(窒素と水素の混合ガス)の流量を表9に示すとおりに変更したこと以外は、実施例6−2と同様にしてアンモニア合成を行った。結果は、表9に示すとおりであった。図21は、原料ガスの流量と、アンモニアの生成速度及び収率との関係を示すグラフである。なお、表9及び図21には、実施例6−2の結果も併せて示す。
Figure 0006914058
表9及び図21に示すとおり、流量が大きい方がアンモニアの生成速度は大きくなるが、アンモニアの収率は小さくなることが確認された。
(実施例9−1〜9−4)
触媒として市販のCaO粉末(和光純薬社製、商品名:酸化カルシウム特級)を用いたこと以外は、実施例7−1〜7−6と同様にしてアンモニア合成を行った。すなわち、原料ガスとして用いる窒素及び水素のモル比を表10に示すとおりに変更してアンモニア合成を行った。結果は、表10に示すとおりであった。図22は、窒素に対する水素のモル比と、アンモニアの生成速度及び収率との関係を示すグラフである。
Figure 0006914058
表10及び図22に示すとおり、アンモニアの生成速度は、H/Nのモル比が1のときが最も大きかった。一方、アンモニアの収率は、H/Nのモル比が3のときが最も大きかった。
(実施例10−1〜10−5)
触媒として市販のGa粉末(和光純薬社製、商品名:酸化ガリウム特級)を用いたこと以外は、実施例7−1〜7−6と同様にしてアンモニア合成を行った。すなわち、原料ガスとして用いる窒素及び水素のモル比を表11に示すとおりに変更してアンモニア合成を行った。結果は、表11に示すとおりであった。図23は、窒素に対する水素のモル比と、アンモニアの生成速度及び収率との関係を示すグラフである。
Figure 0006914058
表11及び図23に示すとおり、アンモニアの生成速度は、H/Nのモル比が0.5のときが最も大きかった。一方、アンモニアの収率は、H/Nのモル比が3のときが最も大きかった。
(実施例11−1〜11−16)
実施例5−5で用いたγ−Al粉末を準備した。このγ−Al粉末に、各種金属又はその酸化物を担持させて金属又は金属酸化物担持Al触媒を調製した。金属としては、Al,Ti,Fe,Ni,Cu,Zn,Mo,Ru,Pd,Ag,W,Pt,Auを用いた。担持量は、γ−Alに対していずれも10wt%とした。なお、実施例11−1では、対照とするため実施例5−5で用いたγ−Al粉末を触媒としてそのまま用いた。
実施例11−2では、γ−Al粉末に硝酸アルミニウムの水溶液を含浸させ、空気中、500℃で4時間焼成してγ−Alが担持された触媒を調製した。実施例11−3では、γ−Al粉末にAlナノ粒子を付着させ、空気中、500℃で4時間焼成してα−Alが担持された触媒を調製した。実施例11−4では、γ−Al粉末にオルトチタン酸ブチルの水溶液を含浸させ、空気中、500℃で4時間焼成してTiOが担持された触媒を調製した。実施例11−5では、γ−Al粉末に硝酸鉄の水溶液を含浸させ、空気中、500℃で4時間焼成してFeが担持された触媒を調製した。
実施例11−6では、実施例11−5で調製した触媒を、還元ガス[N(95体積%)+H(5体積%)]を30mL/minで流通させながら、室温から5℃/分で昇温し、700℃で2時間焼成してFeを還元して、Fe及びFeが担持された触媒を調製した。実施例11−7では、γ−Al粉末に硝酸ニッケル溶液を含浸させ、空気中、500℃で4時間焼成してNiが担持された触媒を調製した。実施例11−8では、γ−Al粉末に酢酸銅溶液を含浸させ、空気中、500℃で4時間焼成してCuが担持された触媒を調製した。実施例11−9では、γ−Al粉末に硝酸亜鉛溶液を含浸させ、空気中、500℃で4時間焼成してZnが担持された触媒を調製した。実施例11−10では、γ−Al粉末にモリブデン酸アンモニウム溶液を含浸させ、空気中、500℃で4時間焼成してMoが担持された触媒を調製した。
実施例11−11では、γ−Al粉末にドデカカルボニウム三ルテニウムの水溶液を含浸させ、空気中、500℃で4時間焼成してRuが担持された触媒を調製した。実施例11−12では、γ−Al粉末に硝酸パラジウム溶液を含浸させ、空気中、500℃で4時間焼成してPdが担持された触媒を調製した。実施例11−13では、γ−Al粉末に硝酸銀溶液を含浸させ、空気中、500℃で4時間焼成してAgが担持された触媒を調製した。実施例11−14では、γ−Al粉末にタングステン酸アンモニウムの水溶液を含浸させ、空気中、500℃で4時間焼成してWが担持された触媒を調製した。
実施例11−15では、γ−Al粉末に塩化白金酸溶液を含浸させ、空気中、500℃で4時間焼成してPtが担持された触媒を調製した。実施例11−16では、γ−Al粉末に塩化金酸溶液を含浸させ、空気中、500℃で4時間焼成してAuが担持された触媒を調製した。
上述の各触媒を用いて、実施例4−2〜4−24と同様にしてアンモニア合成を行って触媒活性を検討した。生成したアンモニアは希硫酸水で捕集し、120分間の反応終了後に、捕集溶液中のアンモニア濃度をイオンクロマトグラフで分析した。その分析結果に基づいて、アンモニアの生成速度、アンモニアの収率及び生成ガス中のアンモニアの濃度を算出した。結果は、表12に示すとおりであった。図24は、触媒として金属担持Al触媒を用いた場合のアンモニアの生成速度、アンモニアの収率及び生成ガス中のアンモニア濃度を示すグラフである。
Figure 0006914058
表12及び図24に示すとおり、担持される金属元素がTi、Fe及びRuである場合は、金属が担持されていないγ−Al粉末を用いた実施例11−1よりも触媒活性が低下した。これに対し、担持される金属元素がNi、Mo,Pd,Ag,W,Pt又はAuの場合は、実施例11−1よりも触媒活性が向上した。金属元素としてPtを用いた場合(実施例11−15)に触媒活性が最も高かった。
(実施例12−1〜12−2)
触媒におけるPtの担持量を表13に示すとおりに変更したこと以外は、実施例11−15と同様にしてアンモニア合成を行った。結果は、表13に示すとおりであった。図25は、Ptの担持量と、アンモニアの生成速度及び収率との関係を示すグラフである。なお、表13及び図25には、実施例11−1及び実施例11−15の結果も併せて示している。
Figure 0006914058
表13及び図25に示すとおり、アンモニアの生成速度及び収率のいずれも、白金担持量が10wt%の場合が最も大きかった。
(実施例13−1〜13−4)
原料ガスとして用いる窒素及び水素のモル比を表8に示すとおりに変更したこと以外は、実施例11−15と同様にしてアンモニア合成を行った。結果は、表14に示すとおりであった。図26は、窒素に対する水素のモル比と、アンモニアの生成速度及び収率との関係を示すグラフである。なお、表14及び図26には、実施例11−15の結果も併せて示している。
Figure 0006914058
表14及び図26に示すとおり、アンモニアの生成速度は、H/Nのモル比が1のときが最も大きかった。一方、アンモニアの収率は、H/Nのモル比が4のときが最も大きかった。
(実施例14−1〜14−3)
原料ガス(窒素と水素の混合ガス)の流量を表15に示すとおりに変更したこと以外は、実施例11−15と同様にしてアンモニア合成を行った。結果は、表15に示すとおりであった。図27は、原料ガスの流量と、アンモニアの生成速度及び収率との関係を示すグラフである。なお、表15及び図27には、実施例11−15の結果も併せて示している。
Figure 0006914058
表15及び図27に示すとおり、原料ガスの流量が100ml/分のときにアンモニアの生成速度が最も大きくなった。一方、アンモニアの収率は、流量が25mL/分のときに最も大きくなった。
2…反応室、2a…側壁、4…内部電極、4a…ウール状の導体、6…外部電極、8…パルス電源、10…導入部、12…排出部、14,14a,14b…触媒、14B…充填層、20…管体、22,24…蓋、30…電気分解装置、40…空気分離装置、50…保持部材、52…支持部材、100…製造装置、200…アンモニア合成システム。

Claims (12)

  1. 誘電体で構成される側壁を有する反応室と、
    前記反応室の内部に配置される内部電極と、
    前記反応室の外部において、前記誘電体の少なくとも一部を覆うように配置される外部電極と、
    前記反応室内において、前記内部電極と前記外部電極との間に触媒と、
    前記内部電極及び前記外部電極に接続され、パルス電圧を印加するパルス電源と、を備えており、
    前記内部電極が、周期表の第4族〜第14族から選ばれる少なくとも1種の元素を含む導体を有し、
    前記パルス電源の電圧と電流との波形が減衰正弦波であり、
    前記パルス電圧を印加することによって前記反応室内に供給される原料ガスである窒素及び水素を励起させ、アンモニアを合成する、ガスの製造装置。
  2. 前記内部電極が、棒状、網状又はウール状の導体を有する、請求項1に記載の製造装置。
  3. 前記外部電極が網状、板状又は膜状の導体を有する、請求項1又は2に記載の製造装置。
  4. 前記誘電体が絶縁体であり、かつ強誘電体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造装置。
  5. 前記誘電体が石英ガラスである、請求項1〜のいずれか一項に記載の製造装置。
  6. 前記原料ガスの励起された状態が大気圧非平衡プラズマである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造装置。
  7. 前記触媒が周期表の第4族〜第14族から選ばれる少なくとも1種の元素からなる単体、及び/又は当該元素を有する酸化物、窒化物若しくは酸窒化物を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造装置。
  8. 前記触媒が前記反応室の側壁の内面に付着している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造装置。
  9. 前記触媒が網状、板状又は膜状に形成され、前記反応室の側壁の内面上に設けられている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造装置。
  10. 前記内部電極が前記触媒よりも前記誘電体から離れて設けられている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造装置。
  11. 前記触媒が粒状であり、前記反応室内において前記内部電極と前記外部電極との間に充填されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造装置。
  12. 前記内部電極が黒鉛からなる導体を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造装置。
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