本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る流体機器の接続構造の断面図である。図2は、図1の部分拡大図である。
図1、図2に示すように、本実施形態に係る流体機器の接続構造は、第1流体機器1と第2流体機器2とを流体的に接続するために用いられる。換言すれば、流体機器の接続構造は、第1流体機器1と第2流体機器2とが接続されることにより、内部に流体を流すことができるものである。
第1流体機器1および第2流体機器2は、互いに近接した状態で並置され得る形状を有する。第1流体機器1および第2流体機器2の各々の具体例としては、所定の流体流路を有するバルブ、流量計、ポンプおよび継手が挙げられるが、これに限定されるものではない。
前記流体機器の接続構造は、第1受口部11と、第2受口部12と、第1筒状部材13と、第2筒状部材14と、接続体15と、締結部材16とを備える。
第1受口部11は、第1流体機器1に設けられる。第1受口部11は、第1流体機器1の第1流体流路21に接続される。第1受口部11は、筒状に形成される。
第2受口部12は、第2流体機器2に設けられる。第2受口部12は、第2流体機器2の第2流体流路25に接続される。第2受口部12は、筒状に形成される。
第1筒状部材13は、第1受口部11の外周側に設けられる。
第2筒状部材14は、第2受口部12の外周側に設けられる。
接続体15は、第1受口部11と第2受口部12との間に設けられる。接続体15は、第1受口部11との間をシールし、かつ、第2受口部12との間をシールするように構成されている。
ここで、第1シール部31は、接続体15と第1受口部11との間をシールするものである。第2シール部32は、接続体15と第2受口部12との間をシールするものである。
締結部材16は、接続体15が第1受口部11および第2受口部12の間に設けられた状態において、第1筒状部材13および第2筒状部材14のうち、一方を他方に対して近づく方向に締め付けるように構成される。
本実施形態において、前記流体機器の接続構造に係る2台の流体機器1・2は、それぞれの受口部11・12が互いに軸方向に対向した状態で設置される。
第1受口部11は、第1流体機器1に適用されるものである。第1受口部11は、本実施形態においては第1流体機器1のケーシング35と一体化されたものである。なお、第1受口部11は、ケーシング35と一体に形成されている必要はなく、別体としてもよい。
第1受口部11は、外筒部41と、内筒部42とを有する。外筒部41は、概ね一定の内径を有する円筒体からなり、ケーシング35における第1流体流路21の開口部周囲近傍にケーシング35の外部へ突出するように設けられる。
外筒部41は、その突出端部(軸方向一方の端部)43側から接続体15の一部を嵌め込むことができるように形成される。外筒部41は、その径方向において、嵌込後の接続体15の一部に対して略隙間なく配置される。
また、外筒部41は、第1ネジ23を含む。第1ネジ23は、外筒部41の外周に、第1ネジ23が外筒部41の軸方向に沿って設けられる。第1ネジ23は、雄ネジから構成される。
内筒部42は、外筒部41の内径よりも小さく、概ね一定の外径を有する円筒体からなり、ケーシング35における第1流体流路21の開口部周囲近傍に外筒部41の突出方向(第1受口部11の軸方向一方)と同方向へ突出するように設けられる。内筒部42は、外筒部41の径方向内方に所定間隔を隔てて配置されるとともに、外筒部41との関係において軸方向に伸びている。
ここで、内筒部42は、その突出端部44が外筒部41の突出端部43よりも突出方向に対して反対側に位置するように、即ちケーシング35から外筒部41よりも突出しないように設けられる。こうして、第1受口部11が、外筒部41の軸方向(第1受口部11の軸方向)において外筒部41の軸方向他方側(ケーシング35側)で二重筒状を呈するように形成される。
内筒部42は、第1流体流路21の流路径と略同一の内径を有し、かつ、接続体15の内径と略同一の内径を有する。内筒部42は、第1受口部11により第1流体機器1と接続体15とを流体的に接続させるべく、第1流体流路21と接続体15の内部空間48とを連通させるように第1流体機器1と接続体15との間に配置される。
内筒部42の外周面と、これに対向する外筒部41の内周面との間には、環状の溝部46が形成される。溝部46は、外筒部41および内筒部42の突出方向と同じ方向(軸方向)へ開口しかつ全周にわたって形成される。また、内筒部42の突出端部44近傍には、傾斜面47が形成される。傾斜面47は、第1流体流路21側から内筒部42の突出端部44側へ向かって径が漸次拡大するように形成される。
本実施形態において、第1受口部11は、所定の樹脂、例えば、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)またはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂により製造される。なお、フッ素樹脂に限定されず、ポロプロピレン(PP)等のその他の樹脂であってもよい。
本実施形態において第2受口部12は、第1受口部11を仮想中央面68に沿って反転させた形状であって、第1受口部11と実質的に同じ形状を有する。そのため、第2受口部12については、第1受口部11の構成要素と略同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。なお、説明の便宜上、第1ネジ23および第2ネジ26のように実質的に同じ構成要素であっても異なる符号を付していることもある。
第1筒状部材13は、第1受口部11、詳しくはその外筒部41を包囲した状態で、第1受口部11(外筒部41)に着脱可能に固定される。
より詳しくは、第1筒状部材13は、第1受口部11の第1ネジ23の軸方向長さよりも小さい軸方向長さを有する。第1筒状部材13は、第1受口部11の軸方向(外筒部41の軸方向)において、第1流体機器1に対して所定間隔を隔てるように配置される。
第1筒状部材13は、第3ネジ28を有する。第3ネジ28は、第1筒状部材13の内周に形成される。第3ネジ28は、第1ネジ23に螺合する。ここで、第1筒状部材13は、例えばナットから構成され得る。
第1筒状部材13の軸方向両端部のうち、第1流体機器1側に位置する端部には、テーパ部51が形成される。テーパ部51は、その径が仮想中央面68(第2筒状部材14)側から第1流体機器1側へ向かって漸次縮小するように形成される。第1筒状部材13は、本実施形態のように第1流体機器1のケーシング35よりも径方向外方へ突出しないものであることが好ましい。
なお、テーパ部51および後述のテーパ部52の形状は、図2に示したものと反転した形状、すなわち、径方向内側に向かうにつれ、第1筒状部材13の軸方向に漸次拡大するように形成されていてもよい。
第2筒状部材14は、第2受口部12、詳しくはその外筒部41を包囲した状態で、第2受口部12(外筒部41)に着脱可能に固定される。第2筒状部材14は、第1筒状部材13と軸方向に対向して配置される。
より詳しくは、第2筒状部材14は、第2受口部12の外筒部41を包囲するように、当該外筒部41に設けられる。本実施形態において第2筒状部材14は、第2受口部12の外筒部41に着脱可能に取り付けられる。
第2筒状部材14は、第2受口部12の第2ネジ26の軸方向長さよりも小さい軸方向長さを有する。第2筒状部材14は、第2受口部12の軸方向(外筒部41の軸方向)において、第2流体機器2に対して所定間隔を隔てるように配置される。
また、第2筒状部材14は、第4ネジ29を有する。第4ネジ29は、第2筒状部材14の内周に形成される。第4ネジ29は、第2ネジ26に螺合する。ここで、第2筒状部材14は、例えばナットから構成され得る。
第2筒状部材14の軸方向両端部のうち、第2流体機器2側に位置する端部には、テーパ部52が形成される。テーパ部52は、その径が仮想中央面68(第1筒状部材13)側から第2流体機器2側へ向かって漸次縮小するように形成される。なお、本実施形態における第2筒状部材14は、第1筒状部材13を仮想中央面68に沿って反転させた形状であって、第1筒状部材13と実質的に同じ形状を有する。
本実施形態において、第1筒状部材13は、所定の樹脂、例えば、PFA、PVDF、ETFE、FEPまたはPTFE等のフッ素樹脂により製造される。また、第2筒状部材14は、第1筒状部材13と同様に、所定の樹脂、例えば、PFA、PVDF、ETFE、FEPまたはPTFE等のフッ素樹脂により製造される。
接続体15は、第1シール部31と、第2シール部32とを有する。ここで、第1シール部31は、接続体15と第1受口部11との間をシールするものである。第2シール部32は、接続体15と第2受口部12との間をシールするものである。
詳しくは、接続体15は、筒状に形成される。接続体15は、第1受口部11に対応する第1の部分15aと、第2受口部12に対応する第2の部分15bとを有する(図2参照)。第1の部分15aは、概ね一定の内径を有する円筒体からなり、接続体15の内部空間48の一部からなる流体流路を備える。第1の部分15aの流体流路は、第1流体流路21と連通するように、外筒部41に嵌め込まれた状態で第1受口部11に装着される。
第1の部分15aには、嵌合部61と、突部62と、突起63とが含まれる。嵌合部61は、円筒状に形成される。嵌合部61は、第1の部分15aが第1受口部11に装着された際、外筒部41を全周にわたって径方向内側から包囲した状態で嵌合される。そして、嵌合部61の軸方向両端部のうちの一方の端部(第1流体機器1側)には、突部62および突起63がそれぞれ形成される。
突部62および突起63は、それぞれ円環状に形成される。突部62は、第1の部分15aが第1受口部11に装着された際に、第1受口部11の溝部46に対して全周にわたって圧入される。また、突部62は、第1受口部11に形成された溝部46の第1流体機器1側の側面に接触しない状態で挿通される。
突起63には、仮想中央面68側から第1流体機器1側に向かって漸次縮小するテーパ面65が形成される。テーパ面65は、第1の部分15aの径方向において、突部62の内方に配置される。テーパ面65は、第1の部分15aの軸方向において、内筒部42の傾斜面47に対向して配置される。テーパ面65は、第1の部分15aが第1受口部11に装着された際に内筒部42の傾斜面47に圧接される。
本実施形態において、接続体15は、その軸方向と直交しかつ当該軸方向における接続体15の中央に位置する仮想中央面68に対して対称な形状を有する。すなわち、第1の部分15aおよび第2の部分15bが実質的に同じ形状を有する。そのため、第2の部分15bについては、図中で第1の部分15aの構成要素と略同じ構成要素に同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態において、接続体15は、所定の樹脂、例えば、PFA、PVDF、ETFE、FEPまたはPTFE等のフッ素樹脂やその他の熱可塑性樹脂により製造される。
なお、接続体15は、本実施形態においては実質的に同じ形状を有する第1の部分15aおよび第2の部分15bを一体化したものとしているが、これに代えて、互いに異なる形状を有する第1の部分および第2の部分を連結したものとしてもよい。
締結部材16は、第1筒状部材13の第3ネジ28が第1受口部11の第1ネジ23に螺合し、かつ、第2筒状部材14の第4ネジ29が第2受口部12の第2ネジ26に螺合した状態で、第1筒状部材13および第2筒状部材14のうちの一方を他方に対して締め付ける。本実施形態において、2台の流体機器1・2は、それぞれの受口部11・12が互いに対向した状態で設置される。
締結部材16は、本実施形態においてはクランプから構成される。図3に示すように、前記クランプは、一対のクランプ片71・72と、二組のボルト73およびナット等の筒状部材74とを有する。一対のクランプ片71・72は、それぞれ略半円状に形成される。
一対のクランプ片71・72は、円形を呈するように構成される。一対のクランプ片71・72(締結部材16)は、その軸方向が第1筒状部材13および第2筒状部材14と軸方向と同方向となるように配置される。
各クランプ片71・72の内周部には、第1筒状部材13及び第2筒状部材14のテーパ部51・52に接する傾斜部76・77が設けられる。傾斜部76・77は、それぞれ、締結部材16(一対のクランプ片71・72)の軸方向においてテーパ部51・52と対向する。
傾斜部76は、第1筒状部材13よりも第1流体機器1側に位置するように設けられる。傾斜部76は、テーパ部51に対して略平行に傾斜して形成される。具体的には、傾斜部76は、その径が仮想中央面68(第2筒状部材14)側から第1流体機器1側へ向かって漸次縮小するように形成される。
傾斜部77は、第2筒状部材14よりも第2流体機器2側に位置するように設けられる。傾斜部77は、テーパ部52に対して略平行に傾斜して形成される。具体的には、傾斜部77は、その径が仮想中央面68(第1筒状部材13)側から第2流体機器2側へ向かって漸次縮小するように形成される。
そして、一対のクランプ片71・72は、それぞれ、傾斜部76がテーパ部51に当接し、かつ傾斜部77がテーパ部52に当接しつつ、第1筒状部材13と第2筒状部材14とを軸方向外側から挟む。その状態で、一対のクランプ片71・72の長手方向(周方向)両端部の各々の筒状部材74にボルト73が締め付けられる。
以上のような構成により、第1流体機器1と第2流体機器2とが流体的に接続される。締結部材16としてのクランプが、第1受口部11と第2受口部12との径方向外側に設けられる。その際に、締付部材16は、第1筒状部材13および第2筒状部材14を互いに軸方向内側である仮想中央面68側に締め付ける力を作用させる。これにより、接続体15の突部62が、溝部46に圧入され、かつ、突起63のテーパ面65が、内筒部42の突出端部44および傾斜面47に圧接される。
したがって、第1流体機器1側において、第1シール部31により接続体15と第1受口部11との間がシールされる。また、第2流体機器2側において、第2シール部32により接続体15と第2受口部12との間がシールされる。ここで、第1シール部31と第2シール部32とによれば、シール力が軸方向に作用する一次シール領域81と、シール力が径方向に作用する二次シール領域82とが形成される。
なお、第1流体機器1と第2流体機器2とが流体的に接続された状態においては、締結部材16におけるボルト73の締め付けが続行されるに従って、第1筒状部材13および第2筒状部材14がそれらの軸方向において互いに近接する方向に移動させられる。これにより、各傾斜部76・77とこれに対応する各テーパ部51・52とがより強く圧接される。その結果、各突起63のテーパ面65が各内筒部42の突出端部44の傾斜面47により強く圧接することとなる。
このように、本実施形態に係る流体機器の接続構造によれば、2台の流体機器1・2の接続部からの流体の漏洩を防止することができる。また、第1流体機器1と第2流体機器2とを流体的に接続するために、第1流体機器1と第2流体機器2との間にチューブ等の部材を介在させる必要がない。よって、2台の流体機器1・2をできるだけ近接させた状態で流体的に接続して、これらの流体機器1・2の設置スペースの省スペース化を図ることができる。
なお、本実施形態においては、締結部材16のボルト73の締め付け実行時に第1筒状部材13および第2筒状部材14の移動に伴って容易に移動し得る第1流体機器1および第2流体機器2に適用しているが、第1筒状部材および第2筒状部材の移動に伴って容易に移動できないように所定箇所に固定された第1流体機器および第2流体機器2に適用することも可能である。
また、本実施形態における接続体15は、張出部88を有する。張出部88は、第1流体機器1と第2流体機器2とが流体的に接続された状態において、第1受口部11と第2受口部12との間に配置される。
張出部88は、第1受口部11と第2受口部12との間に非接触状態で挟まれる。張出部88は、接続体15の径方向外方へ張り出しており、環状に形成される。
張出部88は、第1受口部11および第2受口部12の各々の突出端部43の外径よりも大きい外径を有する。張出部88は、接続体15における仮想中央面88上であって、接続体15の軸方向中途部(接続体15における第1の部分15aと第2の部分15bとの境界部)に設けられる。
より詳しくは、張出部88は、接続体15が第1受口部11と第2受口部12とに装着される際に各々の突出端部43・43間に介在するように配置される。張出部88は、第1受口部11の突出端部43と軸方向に対向し、かつ、第1受口部11の突出端部43軸方向に対向する。張出部88は、第1受口部11および第2受口部12から接続体15を取り外すことを容易にする。
なお、本実施形態における締結部材16は、前述のようなクランプとしたが、これに限定されるものではない。例えば、回動ピンにより回動可能に固定された一対のクランプ片が互いに重ね合わされた状態でボルトおよびナットにより締結を行うクランプとすることも可能である。
以下、図4乃至図7を用いて、本発明の第2実施形態乃至第5実施形態について説明する。なお、図中、前述の第1実施形態に係る流体機器の接続構造の構成要素と実質的に同じ構成要素については、図中で同じ符号を付して、その説明を適宜省略する。
図4は、本発明の第2実施形態に係る流体機器の接続構造の断面図である。同図に示すように、本実施形態に係る流体機器の接続構造は、第1受口部111と接続体115との間をシールする第1シール部121に関する構成、および、第2受口部112と接続体115との間をシールする第2シール部122に関する構成が、前述の第1実施形態に係る流体機器の接続構造と相違する。
第1受口部111は、第1流体機器1に適用されるものであり、本実施形態においては第1流体機器1のケーシング35と一体化されたものである。第1受口部111は、筒部125と、環状突起126とを有する。筒部125は、概ね一定の内径を有する円筒体からなり、ケーシング35における第1流体流路21の開口部周囲近傍にケーシング35の外部に向かって突出するように設けられる。
筒部125は、その突出端部(軸方向一方の端部)側から接続体115の一部を嵌め込むことができるように形成される。筒部125は、嵌込後の接続体115の一部に対して略隙間なく配置される。また、筒部125の外周には、第1ネジ23が筒部125の軸方向に沿って形成される。第1ネジ23は、雄ネジから構成される。
環状突起126は、筒部125の内径よりも小さい外径を有するリング状体からなり、ケーシング35における第1流体流路21の開口部周囲近傍に筒部125の突出方向(筒部125の軸方向一方)と同方向へ突出するように設けられる。環状突起126は、筒部125の径方向内方に所定間隔を隔てて配置されるとともに、筒部125と同一方向に延長する。
環状突起126は、第1流体流路21の流路径と略同一の内径を有し、かつ、接続体115の内径と略同一の内径を有する。環状突起126は、第1流体機器1と接続体115との間に配置され、第1流体流路21と接続体115の内部空間138とを連通させる。第1受口部111により第1流体機器1と接続体115とが流体的(流体が内部を流れることができるよう)に接続される。
環状突起126の外周面には、テーパ面128が含まれる。テーパ面128は、その径が環状突起126の突出方向(第1受口部111の軸方向一方)へ向かって軸方向に漸次縮小するように形成される。テーパ面128は、環状突起126の外周において全周にわたって延設され、当該テーパ面128と対向する筒部125の内周面とが所定間隔を隔てて配置される。
第2受口部112は、本実施形態においては第1受口部111と実質的に同じ形状を有する。そのため、第2受口部112については、第1受口部111の構成要素と略同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。なお、説明の便宜上、第1ネジ23、第2ネジ26のように実質的に同じ構成要素であっても異なる符号を付していることもある。
接続体115は、第1受口部111に対応する第1の部分115aと、第2受口部112に対応する第2の部分115bとを有する。第1の部分115aは、概ね一定の内径を有する円筒体からなり、流体流路を備える。この第1の部分115aの流体流路は、接続体115において第1の部分115aに対応する内部空間から形成される。第1の部分115aの流体流路は、第1流体流路21と連通するように、筒部125に嵌め込まれた状態で第1受口部111に装着される。
第1の部分115aには、嵌合部131と、突出部132とが含まれる。嵌合部131は、円筒状に形成される。嵌合部131は、第1の部分115aが第1受口部111に装着された際、筒部125に内嵌される。そして、第1の部分115aにおける嵌合部131の軸方向両端部のうちの一方の端部(嵌合部131の第1流体機器1側)には、突出部132が軸方向に突出するように形成される。
突出部132は、円環状に形成される。突出部132は、第1の部分115aが第1受口部111に装着された際に、当該突出部132の内周側に形成された傾斜面135を環状突起126のテーパ面128に対して圧接させる。傾斜面135は、突出部132の突出方向(第1流体機器1側)へ向かって漸次拡大するように形成される。傾斜面135は、突出部132と対向し、突出部132の全周にわたって延設される。
本実施形態に係る接続体115は、その軸方向と直交しかつ当該軸方向において接続体115の中央に位置する仮想中央面148に対して対称な形状を有する。すなわち、第1の部分115aおよび第2の部分115bが実質的に同じ形状を有する。
このような流体機器の接続構造により、前述した第1実施形態に係る流体機器の接続構造と同様に、互いに流体的に接続された第1流体機器1および第2流体機器2の設置スペースの省スペース化を図ることができる。また、第1流体機器1と第2流体機器2との接続時、接続体115が、第1シール部121および第2シール部122を形成する。そして、接続体115の第1の部分115aの傾斜面135が、第1受口部111におけるテーパ面128に圧接され、第2の部分115bの傾斜面135が、第2受口部112におけるテーパ面128に圧接される。
よって、第1流体機器1と第2流体機器2との接続部から流体が漏洩することを防止でき、第1流体機器1と第2流体機器2とを従来のチューブ等の部材を用いずに短距離で接続することが可能となる。
図5は、本発明の第3実施形態に係る流体機器の接続構造の断面図である。同図に示すように、本実施形態に係る流体機器の接続構造は、第1受口部151と接続体155との間をシールする第1シール部161に関する構成、および、第2受口部152と接続体155との間をシールする第2シール部162に関する構成が、前述の第1実施形態に係る流体機器の接続構造と相違する。
第1受口部151は、第1流体機器1に適用されるものであり、本実施形態においては第1流体機器1のケーシング35と一体化されたものである。第1受口部151の外周には、第1ネジ23が第1受口部151の軸方向に沿って形成される。第1ネジ23は、雄ネジから構成される。
第1受口部151は、筒部165と、突出部166とを有する。筒部165は、段差を内周に有する円筒体からなり、ケーシング35から離れる方向に向かって突出するように設けられる。筒部165は、ケーシング35に形成される第1流体流路21の開口部近傍に設けられる。
筒部165は、段差部167よりも軸方向一方側(第1受口部151の開口部側)に、第1筒状部分165aを有する。この第1筒状部分165aは、接続体155の一部を嵌め込むことができるように形成される。この第1筒状部分165aは、嵌込後の接続体155の一部に対して概ねの領域で隙間なく配置される。
筒部165は、段差部167よりも軸方向他方側(第1流体機器1側)に、第2筒状部分165bを有する。この第2筒状部分165bは、第1流体流路21の流路径と略同一の内径を有し、かつ、接続体115の内径と略同一の内径を有する。第2筒状部分165bは、第1受口部151により第1流体機器1と接続体155とを流体的に接続させるべく、第1流体流路21と接続体155の内部空間178とを連通させるように第1流体機器1と接続体155との間に配置される。
突出部166は、環状体からなり、第1筒状部分165aから筒部165の軸方向一方側に突出するように設けられる。突出部166の内周側は、傾斜面168が形成される。傾斜面168は、その径が筒部165側から突出部166の突出端部側(第1受口部151の開口部側)へ向かって漸次拡大するように形成される。傾斜面168は、突出部166の全周にわたって延設される。
本実施形態に係る第2受口部152は、第1受口部151を仮想中央面198において反転させた形状であって、第1受口部151と実質的に同じ形状を有する。
接続体155は、第1受口部151に対応する第1の部分155aと、第2受口部152に対応する第2の部分155bとを有する。第1の部分155aは、概ね一定の内径を有する円筒体からなり、流体流路を備える。この第1の部分155aの流体流路は、接続体155において第1の部分155aに対応する内部空間から形成される。第1の部分155aは、筒部165に嵌め込まれ、第1受口部151に装着されることにより、この流体流路としての内部空間178が第1流体流路21と接続される。
第1の部分155aには、嵌合部171と、突出部172とが形成される。嵌合部171は、円筒状に形成される。嵌合部171は、第1の部分155aが第1受口部151に装着された際、筒部165に対し全周にわたって包囲された状態で嵌合される。第1の部分155aの嵌合部171の端部(接続体15の軸方向中途部)には、突出部172が接続体155の径方向外方へ突出するように設けられる。
突出部172は、円環状に形成される。突出部172は、第1の部分155aが第1受口部151に装着された際に、当該突出部172の外周面であるテーパ面175を突出部166の傾斜面168に圧接させる。テーパ面175は、その径が筒部165側から径方向外側に向かうにつれて、漸次拡大するように形成される。テーパ面175は、突出部172の全周にわたって延設される。
本実施形態に係る接続体155は、その軸方向と直交しかつ当該軸方向において接続体155の中央に位置する仮想中央面198に対して対称な形状を有する。すなわち、第1の部分155aおよび第2の部分155bが実質的に同じ形状を有する。
このような構成により、第1流体機器1と第2流体機器2との接続時に、接続体155が、第1シール部161および第2シール部162を形成する。そして、接続体155の第1の部分155aのテーパ面175が、第1受口部151における傾斜面168に圧接され、第2の部分155bのテーパ面175が、第2受口部152における傾斜面168に圧接される。これにより、流体が第1流体機器1と第2流体機器2との接続部から漏洩することを防止でき、第1流体機器1と第2流体機器2とを従来のチューブ等の部材を用いずに短距離で接続することが可能となる。
よって、第1実施形態に係る流体機器の接続構造と同様に、互いに流体的に接続された第1流体機器1および第2流体機器2の設置スペースの省スペース化を図ることができる。
図6は、本発明の第4実施形態に係る流体機器の接続構造の断面図である。同図に示すように、本実施形態に係る流体機器の接続構造は、第1受口部211と接続体215との間をシールする第1シール部221に関する構成、および、第2受口部212と接続体215との間をシールする第2シール部222に関する構成が、前述の第1実施形態に係る流体機器の接続構造と相違する。
本実施形態において、第1受口部211は、第1流体機器1に適用されるものであり、本実施形態においては第1流体機器1のケーシング35と一体化されたものである。第1受口部211は、外筒部225と、内筒部226とを有する。外筒部225は、概ね一定の内径を有する円筒体からなり、ケーシング35の外部に向かって突出し、ケーシング35における第1流体流路21の近傍に設けられる。
外筒部225は、その突出端部(軸方向一方の端部)側から接続体215の一部を嵌め込むことができるように形成される。外筒部225は、嵌込後の接続体215の一部に対して略隙間なく配置される。また、外筒部225の外周には、第1ネジ23が外筒部225の軸方向に沿って形成される。第1ネジ23は、雄ネジから構成される。
内筒部226は、外筒部225の内径よりも小さい概ね一定の外径を有する円筒体である。内筒部226は、外筒部225の突出方向(第1受口部211の軸方向一方)と同方向へ突出し、ケーシング35における第1流体流路21の近傍に設けられる。内筒部226は、外筒部225に対して所定間隔を隔てるように径方向内方に配置されるとともに、外筒部225と同方向に延長する。
ここで、内筒部226は、その突出端部が外筒部225の突出端部よりも突出方向側(第1流体機器1、第2流体機器2から離れる方向)に位置するように、即ちケーシング35から外筒部225よりも突出するように設けられる。こうして、第1受口部211が、外筒部225の軸方向(第1受口部211の軸方向)において外筒部225の軸方向中途部で二重筒状を呈するように形成される。
内筒部226は、第1流体流路21の流路径と略同一の内径を有し、かつ接続体215の内径と略同一の内径を有する。内筒部226は、第1流体機器1と接続体215との間に配置され、第1流体流路21と接続体215の内部空間とを連通させる。第1受口部211により第1流体機器1と接続体215とが流体的に接続される。
内筒部226の突出端部は、内筒部226の突出方向へ向かって先細り状に形成される。内筒部226の突出端部の外周面には、テーパ面228が形成される。テーパ面228は、その径が内筒部226の突出方向(第1受口部211の軸方向一方)である仮想中央面248側へ向かって漸次縮小するように形成される。テーパ面228は、内筒部226の突出端部の全周にわたって延設される。
第2受口部212は、本実施形態においては第1受口部211と実質的に同じ形状を有する。
接続体215は、第1受口部211に対応する第1の部分215aと、第2受口部212に対応する第2の部分215bとを有する。第1の部分215aは、円筒体からなり、流体流路を備える。この第1の部分215aの流体流路は、接続体215において第1の部分215aに対応する内部空間から形成される。第1の部分215aは、内筒部226に嵌合された状態で第1受口部211に装着されることにより、第1の部分215aの流体流路が第1流体流路21と接続される。
第1の部分215aには、嵌合部231と、突出部232とが含まれる。嵌合部231は、円筒状に形成される。嵌合部231は、第1の部分215aが第1受口部211に装着された際、内筒部226に外嵌される。そして、嵌合部231の軸方向両端部のうちの一方の端部(接続体215の中途部)において、突出部232が接続体215の径方向内方へ突出するように設けられる。
突出部232は、円環状に形成される。突出部232は、第1の部分215aが第1受口部211に装着された際に当該突出部232の内周面にある傾斜面235を内筒部226のテーパ面228に圧接させる。傾斜面235は、その径が仮想中央面248から第1流体機器1又は第2流体機器2側へ向かって漸次拡大するように形成される。傾斜面235は、突出部232の全周にわたって延設される。
本実施形態において、接続体215は、その軸方向と直交しかつ当該軸方向において接続体215の中央に位置する中央面248に対して対称な形状を有する。すなわち、第1の部分215aおよび第2の部分215bが実質的に同じ形状を有する。
このような流体機器の接続構造により、第1流体機器1と第2流体機器2との接続時、接続体215が、第1シール部221及び第2シール部222を形成する。そして、接続体215の第1の部分215aの傾斜面235が、第1受口部211におけるテーパ面228に圧接され、第2の部分215bの傾斜面235が、第2受口部212におけるテーパ面228に圧接される。これにより、流体が第1流体機器1と第2流体機器2との接続部から漏洩することを防止でき、第1流体機器1と第2流体機器2とを従来のチューブ等の部材を用いずに短距離で接続することが可能となる。
よって、第1実施形態に係る流体機器の接続構造と同様に、互いに流体的に接続された第1流体機器1および第2流体機器2の設置スペースの省スペース化を図ることができる。
図7は、本発明の第5実施形態に係る流体機器の接続構造の断面図である。
同図に示すように、本実施形態に係る流体機器の接続構造は、締結部材266およびこれに関連する箇所(第1筒状部材263および第2筒状部材264)が、前述の第1実施形態に係る流体機器の接続構造と相違する。
第1筒状部材263は、円周方向に沿って複数の第1貫通孔271を有する。各第1貫通孔271は、第1筒状部材263の軸部に軸方向に開口する開口部(第3ネジ28)と同方向に延びるように設けられる。複数の第1貫通孔271は、前記開口部よりも第1筒状部材263の径方向外方において、第1筒状部材263の周方向に所定間隔ごとに形成される。
第2筒状部材264は、円周方向に沿って複数の第2貫通孔272を有する。各第2貫通孔272は、第2筒状部材264の軸部に軸方向に開口する開口部(第4ネジ29)と同方向に延びるように設けられる。複数の第2貫通孔272は、前記開口部よりも第2筒状部材264の径方向外方において、第2筒状部材264の周方向に所定間隔ごとに形成される。
締結部材266は、ボルト283およびナット等の筒状部材284から構成される。ボルト283は、互いに同軸上に配された第1貫通孔271および第2貫通孔272に挿通される。第1貫通孔271または第2貫通孔272から突出したボルト283が、筒状部材284により締着される。
このような流体機器の接続構造により、締結部材266が、第1受口部11および第2受口部12の径方向外側で、第1筒状部材263および第2筒状部材264を締め付け得るように設けられる。ボルト283の締め付けが行われるに従って、第1筒状部材263および第2筒状部材264が互いに近接する方向に移動する。
したがって、第1流体機器1と第2流体機器2とを流体的に接続するために、第1流体機器1と第2流体機器2との間に介在させる必要があった従来のチューブ等の部材を用いる必要がない。よって、2台の流体機器1・2の接続部からの流体の漏洩も防止でき、互いに接続された2台の流体機器1・2の設置スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
上述の教示を考慮すれば、本発明が多くの変更形態および変形形態をとり得ることは明らかである。したがって、本発明が、添付の特許請求の範囲内において、本明細書に記載された以外の方法で実施され得ることを理解されたい。