以下、一実施形態の構成を、図面を参照して説明する。
図7および図8において、11は電気掃除機を示す。この電気掃除機11としては、例えば使用者が直接把持して使用する、いわゆるハンディ型の電気掃除機を例に挙げて説明する。
そして、電気掃除機11は、掃除機本体12を備えている。また、この電気掃除機11は、図示しないが、電源部を備えている。さらに、この電気掃除機11は、電動送風機14を備えている。また、この電気掃除機11は、図示しないが、制御部を備えている。さらに、この電気掃除機11は、電源スイッチである設定手段(設定部)としての設定ボタン16を備えている。また、この電気掃除機11は、使用者が把持するハンドル17を備えていてもよい。さらに、この電気掃除機11は、集塵部18を備えている。なお、以下、電気掃除機11の使用状態を基準として、上下方向(矢印U,D方向)、前後方向(矢印FR,RR方向)、左右方向(矢印L,R方向)を説明する。
掃除機本体12は、例えば電源部、電動送風機14、制御部などを収容している。この掃除機本体12は、本実施形態において例えば前後方向に沿って長手状に形成されている。
電源部は、本実施形態において、例えば電池が用いられる。この電池は、例えば交換可能な一次電池や、充電により繰り返し使用可能な二次電池が用いられる。なお、電池に代えて、例えば商用交流電源などの外部電源に接続される電源コードを備えるコードリール装置を用いることもできる。
電動送風機14は、電源部からの給電により動作し、この動作により集塵部18に塵埃を吸い込む負圧を発生させるものである。この電動送風機14は、電源部に応じて交流のものや直流のものを用いることができる。本実施形態において、この電動送風機14は、例えばブラシレスモータファンが用いられる。
制御部は、電源部からの給電により生成される電源により動作し、電動送風機14などの動作を制御するものである。この制御部には、例えばマイコンが用いられる。
設定ボタン16は、電動送風機14の動作のオンオフ、あるいは、電動送風機14の吸引力の強弱(動作モード)などを制御部に設定するものである。
ハンドル17は、本実施形態では掃除機本体12に配置されている。このハンドル17は、例えば前後方向に沿って長手状に形成されている。すなわち、このハンドル17は、本実施形態において、掃除機本体12の長手方向に沿って配置されている。このハンドル17は、使用者が把持可能な太さであり、把持可能な長さを有するように形成されている。なお、このハンドル17は、必須の構成ではない。
集塵部18は、電動送風機14の動作により吸い込んだ塵埃を空気から分離捕集するものである。この集塵部18は、掃除機本体12に対して着脱可能としてもよい。本実施形態において、この集塵部18は、掃除機本体12の前端部に配置されているが、例えば掃除機本体12に内蔵されてもよい。この集塵部18は、大別して、集塵部本体21と、カバー22とを備えている。また、この集塵部18は、フィルタ部23を備えている。そして、集塵部本体21には、吸込筒25が備えられている。また、集塵部本体21には、外壁26が備えられている。さらに、集塵部本体21には、底面部27が備えられている。また、集塵部本体21には、分離室28が備えられている。さらに、集塵部本体21には、導入部29が備えられている。また、集塵部本体21には、分離カバー30が備えられている。さらに、集塵部本体21には、排出口31が備えられている。したがって、集塵部18は、吸込筒25を備えている。また、集塵部18は、外壁26を備えている。さらに、集塵部18は、底面部27を備えている。また、集塵部18は、分離室28を備えている。さらに、集塵部18は、導入部29を備えている。また、集塵部18は、分離カバー30を備えている。さらに、集塵部18は、排出口31を備えている。一方、カバー22は、集塵部本体21を覆って配置される。このため、集塵部本体21とカバー22との間に、収容部である収容室33が形成される。また、カバー22には、収容室33とは別個に、吸込部34が形成されている。したがって、集塵部18は、収容室33を備えている。また、集塵部18は、吸込部34を備えている。
集塵部本体21は、含塵空気から塵埃の一部、すなわち比較的大きな塵埃である粗塵を分離する機能を備えている。この集塵部本体21により分離された粗塵は、排出口31から収容室33へと排出されて収容室33に溜められるようになっている。
図1ないし図3に示すように、吸込筒25は、集塵部本体21における含塵空気の旋回の中心となるものである。この吸込筒25は、筒状、本実施形態では円筒状(略円筒状も含む)に形成されている。この吸込筒25は、上下方向に沿って軸方向を有して配置されている。この吸込筒25は、分離室28の中央(略中央も含む)に配置されている。また、この吸込筒25は、連通孔である開口41を有している。さらに、この吸込筒25は、周回阻止部42を有している。
開口41は、吸込筒25の外側面(外周面)に形成されている。この開口41は、複数形成されている。本実施形態において、各開口41は、上下方向に長いスリット状に形成されている。また、これら開口41は、吸込筒25の周方向に等間隔(略等間隔も含む)に離れて配置されている。これら開口41は、吸込筒25の周方向全体に亘って配置されている。これら開口41は、図7に示すように、電動送風機14の吸込側と連通している。本実施形態において、これら開口41は、吸込筒25の内部からフィルタ部23の上流側へと連通する風路部44と連通している。したがって、これら開口41は、電動送風機14の吸込側に対して、フィルタ部23を介して連通している。このため、これら開口41を介して、電動送風機14による負圧が吸込筒25の内側(中心軸C(図1)側)から外側(分離室28)に作用するように構成されている。また、図1ないし図3に戻って、これら開口41は、周回阻止部42にも形成されていてもよい。この周回阻止部42において、開口41は等間隔(略等間隔も含む)に離れて配置されている。
周回阻止部42は、分離室28での含塵空気の周回を阻止するものである。すなわち、この周回阻止部42は、含塵空気が分離室28内で吸込筒25の周方向に1周未満の旋回をするように分離室28を分断するものである。この周回阻止部42は、壁状に形成された周回阻止壁である。この周回阻止部42は、吸込筒25の一部が排出口31の一縁部である右縁部に向かって延びて形成されている。すなわち、この周回阻止部42は、吸込筒25の接線方向に沿って形成されている。この周回阻止部42は、吸込筒25の前部に位置している。すなわち、この周回阻止部42は、吸込筒25に対して外壁26とは反対側に位置している。本実施形態において、この周回阻止部42は、前後方向に沿って延びている。また、この周回阻止部42は、吸込筒25の中心軸Cに対して、導入部29の下流端側とは反対側に位置している。すなわち、この周回阻止部42は、分離室28の下流端側に位置している。また、この周回阻止部42の排出口31側の端部(前端部)は、分離カバー30よりも外側に延びている。すなわち、この周回阻止部42の排出口31側の端部には、分離カバー30の外方へと延出する延出部42aが形成されている。この延出部42aは、所定の厚みを有しており、一面(右面)側に分離カバー30が突き当てられ、その反対側の他面(左面)側が吸込筒25の接線と排出口31の一縁部である右縁部とを結ぶ位置に形成されてこの排出口31の右縁部を構成している。
図7に示す風路部44は、分離室28と電動送風機14の吸込側とを連通するものである。この風路部44は、例えば吸込筒25の内側から、分離室28の下部を経由して分離室28の後部に亘って集塵部本体21に形成されている。
図1ないし図3に示す外壁26は、吸込筒25を囲んで位置し、この吸込筒25との間で分離室28を形成するものである。この外壁26は、吸込筒25に対して後方、すなわち導入部29とは反対側に離れて位置している。また、この外壁26は、円筒面状に形成されている。本実施形態において、この外壁26は、略半円筒状に形成されている。また、この外壁26は、吸込筒25に対して同軸状(略同軸状も含む)に形成されている。さらに、この外壁26は、吸込筒25に対して一側方(左方)から他側方(右方)に亘って位置している。さらに、この外壁26は、導入部29の下流端(後端)に対して一部が対向して位置している。また、この外壁26の上端部は、吸込筒25の上端部25aに対して下方に位置している。
底面部27は、分離室28の底部を構成するものである。すなわち、この底面部27は、排出口31の下縁部を構成するものである。この底面部27は、吸込筒25の下端部よりも下方に位置し、この吸込筒25の周囲を囲んで配置されている。したがって、この底面部27は、円弧に沿って曲がった形状に形成されている。本実施形態において、この底面部27は、例えばC字状に形成されている。また、この底面部27は、外壁26と隣接して形成されている。すなわち、この底面部27の外縁の位置から外壁26が立ち上げられて形成されている。また、この底面部27は、導入部29の底面と連続している。さらに、この底面部27は、導入部29側、すなわち分離室28の上流側から排出口31側、すなわち分離室28の下流側に向かって、徐々に上方へと傾斜している。
図1ないし図7に示す分離室28は、電動送風機14の吸込側と連通し、含塵空気から粗塵を分離するものである。本実施形態の分離室28は、例えば直径が5〜10cm程度の小型のものである。この分離室28は、円弧に沿って曲がった形状に形成されている。本実施形態において、この分離室28は、例えばC字状に形成されている。すなわち、この分離室28は、含塵空気の導入方向に対して折り返すように形成されている。この分離室28は、吸込筒25と外壁26および分離カバー30とにより側部が区画され、底面部27および導入部29により下部が区画され、分離カバー30により上部が区画されている。すなわち、分離カバー30が分離室28の天井部28aを構成している。この天井部28aは、水平状(略水平状も含む)に形成され、好ましくは凹凸を有しない平面状となっている。このため、分離室28は、底面部27が上流側から下流側に向かって徐々に上方へと傾斜していることにより、上流側から下流側に向かって風路断面積が徐々に狭くなるように構成されている。
導入部29は、分離室28に含塵空気を導入するものである。この導入部29は、分離室28に対して前方に位置している。また、この導入部29は、集塵部本体21に対してカバー22を取り付けた状態で吸込部34と気密に接続される。この導入部29は、分離室28の接線方向に沿って延出する管状(ダクト状)に形成されている。より具体的に、この導入部29は、吸込筒25側である一縁部を形成する一の側面部である内側面部29aを有している。また、この導入部29は、外壁26側である他縁部を形成する他の側面部である外側面部29bを有している。さらに、この導入部29は、天井面を構成する上面部としての天井部である導入天井部29cを有している。また、この導入部29は、底面を構成する下面部29dを有している。すなわち、本実施形態において、この導入部29は、角筒状に形成されている。また、本実施形態において、この導入部29は、両側方向である幅方向(左右方向)に長い、すなわち横長に形成されている。したがって、この導入部29は、上下方向に潰れた扁平な形状となっている。そして、この導入部29は、両側面部29a,29b、導入天井部29cおよび下面部29dにより囲まれる吸込口46と導入口47とを備えている。
内側面部29aは、分離室28の内周側を構成する吸込筒25の仮想接線Tに沿って形成されている。ここで、仮想接線Tは、導入部29の先端内側である内側面部29aの前端部から吸込筒25の外側面(外周面)を結ぶものである。より詳細に、この内側面部29aは、仮想接線Tに対して吸込筒25の中心軸C側に向かって傾斜して形成されている。この内側面部29aは、本実施形態では、導入部29の左側面を構成している。この内側面部29aは、本実施形態において、例えば導入部29の上流側である前側から下流側である後側へと外壁26に向かって傾斜して形成されている。すなわち、この内側面部29aは、前側から後側へと、右側に向かって傾斜している。また、この内側面部29aには、含塵空気を整流する整流部29eが形成されている。したがって、導入部29は、整流部29eを備えている。この整流部29eは、内側面部29aの下流側に位置している。この整流部29eは、内側面部29aとは反対側の外側面部29bに向かって突出している。この整流部29eは、仮想接線Tに対して接するように形成されている。この整流部29eは、含塵空気を分離室28の可能な限り外周(外壁26)寄りの位置、すなわち吸込筒25に対して離れた位置に沿って流すように整流するものである。
外側面部29bは、分離室28の外周側を構成する外壁26の接線方向に沿って形成されている。この外側面部29bは、本実施形態では、導入部29の右側面を構成している。この外側面部29bは、本実施形態において、例えば導入部29の上流側である前側から下流側である後側へと外壁26に向かって傾斜して形成されている。すなわち、この外側面部29bは、前側から後側へと、右側に向かって傾斜している。また、この外側面部29bの傾斜は、内側面部29aの傾斜よりも小さくなっている。このため、外側面部29bに対して内側面部29aが、導入部29の上流側である前側から下流側である後側へと徐々に接近するように形成されている。換言すれば、導入部29は、上流側(吸込口46側)から下流側(導入口47側)へと、風路断面積が徐々に小さくなるように形成されている。
導入天井部29cは、分離室28の天井部28a(図6)よりも低い位置に配置されている。この導入天井部29cは、導入部29の上流側である前側が分離室28の前方に突出しているとともに、導入部29の下流側である後側が分離室28の内側まで延びている。この導入天井部29cは、分離室28の導入部29との連続位置から導入口47までの間、含塵空気の上側を覆うように配置される。換言すれば、この導入天井部29cは、分離室28とその外側(前方)に位置する導入部29との連続位置よりも分離室28の奥側(下流側)である後側に延びて形成されている。この導入天井部29cは、少なくとも仮想接線Tと外壁26とが交差する位置P(図1)まで分離室28内に延長されている。このため、この導入天井部29cは、分離室28の位置で、分離カバー30により上方が覆われている。本実施形態において、この導入天井部29cの延長位置は、位置P近傍までであり、それ以上分離室28の内部へは延長されていないが、位置Pを超えて、吸込筒25に対して導入部29と反対側(後側)まで延びていてもよい。
下面部29dは、分離室28の前方に突出している。また、この下面部29dの後端は、分離室28の底面部27と滑らかに連続して形成されている。
吸込口46は、導入部29の上流端をなし、含塵空気が吸い込まれるものである。この吸込口46は、カバー22を集塵部本体21に取り付けた状態で吸込部34に対して気密に接続される。
導入口47は、導入部29の下流端をなし、分離室28へと含塵空気を導入するものである。この導入口47は、導入天井部29cが分離室28内へと延びていることにより分離室28内に位置している。この導入口47は、吸込筒25の中心軸Cに対して吸込口46とは反対側である後側まで延びて位置している。
そして、これら吸込筒25、外壁26、底面部27、および、導入部29は、例えば一体に形成されていてもよい。本実施形態では、これら吸込筒25、外壁26、底面部27、および、導入部29が一体となって本体部48を構成している。
図4ないし図6に示す分離カバー30は、分離室28にて吸込筒25の周囲の少なくとも一部を覆いこの分離室28の天井部28aおよび排出口31を区画するものである。この分離カバー30は、有蓋円筒状に形成されている。すなわち、この分離カバー30は、天面部30aを備えている。また、この分離カバー30は、円筒面状の側面部30bを備えている。さらに、この分離カバー30は、排出口31の一部を構成する切欠部30cを備えている。また、この分離カバー30は、本体部48に対して別体に形成されていてもよい。本実施形態において、この分離カバー30は、本体部48に対して回動可能に軸支されていてもよい。すなわち、この分離カバー30は、被取付部である被軸支部30dを備えていてもよい。
天面部30aは、分離室28の天井部28aを構成するものである。この天面部30aは、円形板状に形成されている。この天面部30aは、吸込筒25の上端部25aと近接して、例えば1mm以下の間隙を有して、好ましくは接触して位置している(図6)。したがって、分離室28は、底面部27から吸込筒25の上端部25aまでの高さにより上下方向の大きさが規定される。
側面部30bは、円筒面状に形成され、外壁26とともに分離室28の外周側面部を構成するものである。すなわち、この側面部30bは、外壁26の上部に連続することで、この外壁26と面一(略面一も含む)の円筒面を形成するようになっている。この側面部30bは、天面部30aの外周縁と連続して形成されている。
切欠部30cは、分離カバー30の天面部30aから側面部30bに亘る位置を切り欠いて形成されている。この切欠部30cは、排出口31の上縁部および両縁部を形成する。この切欠部30cは、例えば分離カバー30の軸方向に対して平行(略平行も含む)で周回阻止部42に沿う仮想面とそれに対して交差する仮想面とにより、分離カバー30の前側一側(左前部)を略L字状に切り欠いて形成されている。すなわち、この切欠部30cは、分離カバー30の天面部30aに位置する上縁部30eと、側面部30bに位置する一側縁部である右側縁部30fおよび他側縁部である左側縁部30gとを有している。
右側縁部30fは、周回阻止部42の延出部42aの右面に対して突き当てられる突き当て部である。
左側縁部30gは、外壁26の導入部29側とは反対側である左側の端部26aと面一(略面一も含む)に連続して排出口31の左縁部を構成している。この左側縁部30gは、右側縁部30fよりも後方に離れて位置している。
被軸支部30dは、本体部48に対して分離カバー30を取り付ける部分である。本実施形態において、この被軸支部30dは、例えば分離カバー30を前後方向に回動させるようにするものである。この被軸支部30dは、例えば側面部30bに突設され、軸支部49に軸支されている。この軸支部49は、本体部48の分離室28の外方(前方)の任意の位置に形成できるが、例えば本実施形態では導入部29の上部(導入天井部29c)に形成されている。
図1、図2、図4および図5に示す排出口31は、分離室28で分離された塵埃の一部である粗塵を収容室33へと排出するものである。すなわち、この排出口31は、分離室28と収容室33との境界となっているものである。この排出口31は、周回阻止部42によって一縁部である右縁部が区画されている。また、この排出口31は、外壁26および分離カバー30の左側縁部30gによって他縁部である左縁部が区画されている。さらに、この排出口31は、分離カバー30の上縁部30eによって上縁部が区画されている。また、この排出口31は、底面部27によって下縁部が区画されている。この排出口31は、左縁部が、周回阻止部42に沿う方向である前後方向に対し傾斜する方向に向かって形成されている。すなわち、この排出口31の左縁部における接線方向(外壁26の端部26aにおける接線方向、あるいは分離カバー30の左側縁部30gにおける側面部30bの接線方向)は、排出口31の右縁部における接線方向(周回阻止部42に沿う方向)と非平行に形成され、収容室33に向かって拡開状に傾斜している。換言すれば、排出口31の左縁部は、吸込筒25に対する周回阻止部42の連続位置に対して後方に配置されている。このため、排出口31の間口が、分離部28(分離カバー30)の周方向に沿って形成されることで、より広くなるように設定されている。
また、図8に示すカバー22は、掃除機本体12の前端部に対して着脱可能となっている。このカバー22には、凹部51が形成されている。この凹部51は、カバー22を掃除機本体12(集塵部本体21)から取り外す際に使用者がカバー22を両側から摘むために形成されている。すなわち、この凹部51は、例えばカバー22の両側部(一方のみ図示)に形成されている。
図4に示す収容室33は、排出口31から排出された塵埃である粗塵を収容するものである。この収容室33は、カバー22と分離室28(分離カバー30)との間に区画される空間部である。この収容室33は、カバー22の端部(後端部)を廃棄開口として形成される。すなわち、この収容室33に収容された粗塵は、カバー22を集塵部本体21から取り外すことで開口したカバー22の端部から外部へと廃棄可能となっている。
吸込部34は、含塵空気を集塵部18(導入部29)へと吸い込む本体吸込口である。この吸込部34は、集塵部18の前端部に位置している。この吸込部34には、図示しない延長管や吸込口体などの風路体が接続されてもよい。
フィルタ部23は、分離室28で分離されなかった含塵空気中の塵埃、すなわち比較的小さい塵埃である細塵を捕集するものである。このフィルタ部23は、集塵部18にて分離室28よりも下流側に位置している。このフィルタ部23は、本実施形態において、風路部44(図7)の下流端に着脱可能となっている。また、このフィルタ部23は、本実施形態において、シール部材54を備えている。このシール部材54は、風路部44(図7)に対してフィルタ部23の周縁部をシールするとともに、カバー22の内面に圧接されて隙間を閉塞するように構成されている。すなわち、このシール部材54は、収容室33を密閉する機能を有する。なお、このフィルタ部23は、例えば吸込筒25の開口41など、風路部44(図7)の任意の位置に配置できる。
次に、上記一実施形態の動作を説明する。
まず、電気掃除機11による掃除動作の概略を説明する。電気掃除機11は、電源部から給電可能な状態で設定ボタン16を操作することで制御部が電動送風機14を動作させる。この電動送風機14の動作により生じた負圧によって、塵埃が空気とともに集塵部18に吸い込まれる。そこで、使用者は、ハンドル17を把持して電気掃除機11を所望の位置に持ち運び、床面などの被掃除面の塵埃を集塵部18に吸い込ませる。そして、集塵部18に吸い込まれた塵埃は集塵部本体21により分離されて収容室33に捕集されるとともにフィルタ部23により捕集される。塵埃が分離された空気は、さらに電動送風機14に吸い込まれてこの電動送風機14などを冷却した後、排出される。
より詳細に、電動送風機14の動作により生じた負圧は、フィルタ部23、風路部44、分離室28、導入部29、吸込部34と作用する。このため、吸込部34から塵埃が空気とともに吸い込まれる。この吸込部34から吸い込まれた含塵空気は、導入部29の吸込口46を介して導入部29内へとさらに吸い込まれる。
ここで、導入部29は、分離室28の接線方向に沿って形成されていることにより、含塵空気を分離室28の接線方向に導入することができる。具体的に、導入部29は、外側面部29bと内側面部29aとが上流側から下流側に向かって徐々に接近するように形成されていることで、含塵空気が分離室28に向かって徐々に絞られてその流速が増加される。また、この含塵空気は、内側面部29aに形成されている整流部29eに沿って外側面部29b側に向かうように整流されることで、導入口47から、分離部28の外周、すなわち外壁26近傍の位置に沿って導入される。そして、導入部29の導入天井部29cが分離室28の奥まで延びていることで、分離室28の中央に位置する吸込筒25の開口41へと吸い込まれる分の影響を受けにくく、含塵空気の流速を維持した状態で分離室28へと導入できる。
分離室28内において、含塵空気は、基本的に外壁26および分離カバー30の側面部30bの内面に沿って吸込筒25の周囲を折り返すように旋回して流れつつ、各開口41へと吸い込まれていく(図中の矢印A1)。このため、含塵空気中の、比較的重量が大きい粗塵が分離室28を旋回する際の遠心力によって空気流から分離され、排出口31から収容室33へと投げ込まれるように分離捕集される(図中の矢印A2)。このとき、含塵空気は、分離室28の底面部27の傾斜によって絞られることで、流速を維持したまま各開口41へと吸い込まれるので、粗塵は速度を低下させることなく排出口31から収容室33へと投入される。また、この含塵空気は、周回阻止部42により吸込筒25の周囲を1周以上周回しないように規制されることで、粗塵が吸込筒25の周囲を何度も周回することなく、直ちに収容室33へと投入され、吸込筒25の周囲に貼り付きにくく、開口41を閉塞させにくい。
このように、粗塵は、基本的に導入口47から排出口31側に向かって流れることで、吸込筒25の導入口47から排出口31側の位置、すなわち本実施形態では吸込筒25の後側から左側の位置を通ることとなる。そのため、吸込筒25の後側から左側にかけて位置する(一の)開口41aと比較すると、粗塵が基本的に通らない、導入口47に対して排出口31側とは反対側である吸込筒25の右側に位置する(他の)開口41b(導入天井部29cに臨む開口41b)のほうが、より一層粗塵が貼り付きにくくなっている。そこで、仮に開口41aが塵埃の付着によって目詰まりしてきた場合でも、開口41bには依然として目詰まりが生じにくくなっていることから、これら開口41bから含塵空気をより多く吸い込むようになることで、さらに吸引を持続させることができる。
そして、開口41に吸い込まれた空気中に含まれる、分離室28で分離されなかった細塵は、この空気が風路部44を通過する際にフィルタ部23により捕集されることで、略すべての塵埃が分離捕集される。
この塵埃が分離捕集された空気は、電動送風機14へと吸い込まれ、電動送風機14などの発熱する部材を冷却した後、掃除機本体12の外部へと排出される。
掃除が終了すると、設定ボタン16を操作することで制御部が電動送風機14を停止させる。集塵部18の収容室33やフィルタ部23に捕集された塵埃は、集塵部18を掃除機本体12から取り外し、カバー22やフィルタ部23を取り外すことにより、必要に応じて廃棄できる。
上述したように、上記一実施形態によれば、分離室28に含塵空気を導入する導入部29の導入天井部29cを、少なくともこの導入部29の先端内側から吸込筒25の外側面(外周面)を結ぶ仮想接線Tと外壁26とが交差する位置まで延長することで、含塵空気を、流速を維持した状態で分離室28へと導入できる。このため、含塵空気の流速を利用して、分離室28で分離した粗塵を排出口31から収容室33へと投入することができるので、吸込筒25への粗塵の付着を抑制でき、粗塵による開口41の目詰まりを抑制できて、吸引の持続性を向上できる。
また、導入部29の吸込筒25側の一縁部(内側面部29a)に、この一縁部(内側面部29a)とは反対側の他縁部(外側面部29b)に向かって突出し含塵空気を整流する整流部29eが形成されていることで、この整流部29eによって、導入部29を通過する含塵空気を分離室28内で外壁26寄りの位置、すなわち吸込筒25に対してより離れた位置を旋回させることが可能になる。このため、分離室28で分離される粗塵が吸込筒25の近傍を通りにくくなるので、粗塵が吸込筒25に引っ掛かりにくく円滑に収容室33へと排出できる。したがって、吸込筒25への粗塵の付着を抑制でき、粗塵による開口41の目詰まりを抑制できて、吸引の持続性をより向上できる。
また、導入部29の吸込筒25側の一縁部(内側面部29a)とその反対側の他縁部(外側面部29b)とが上流側から下流側に向かって徐々に接近するように形成されているので、含塵空気を導入部29から分離室28に向かって徐々に絞り、その流速を増加させることができる。そのため、含塵空気を、流速を確実に維持した状態で分離室28へと導入できる。
排出口31の一縁部(右縁部)に向かって延び分離室28での含塵空気の周回を阻止する周回阻止部42を吸込筒25に形成することで、分離室28で分離される粗塵が吸込筒25の周囲を周回することなく排出口31から収容室33へと誘導することができる。このように、粗塵が吸込筒25に引っ掛かることなく円滑に収容室33へと排出されるので、吸込筒25への粗塵の付着を抑制でき、粗塵による開口41の目詰まりを抑制できて、吸引の持続性をより向上できる。
しかも、周回阻止部42にも開口41を形成することで、開口41をより多く配置できるので、粗塵による目詰まりをより生じにくくでき、吸引の持続性をより向上できる。
排出口31の一縁部(右縁部)とは反対側の他縁部(左縁部)が、周回阻止部42に沿う方向に対し拡開する方向に向かって形成されていることで、排出口31の間口を広く取ることができ、分離室28にて吸込筒25の周囲を旋回してきた粗塵を早期に収容室33へと誘導し、かつ、排出口31に粗塵が引っ掛かりにくく収容室33へと円滑に排出できる。この結果、吸込筒25への粗塵の付着を抑制でき、粗塵による開口41の目詰まりを抑制できて、吸引の持続性をより向上できる。
分離室28にて吸込筒25の周囲の少なくとも一部を覆いこの分離室28の天井部28aおよび排出口31を区画する分離カバー30を備えることで、この分離カバー30の形状によって、分離室28や排出口31を容易に所望の形状に設定できる。
周回阻止部42の排出口31側の端部が分離カバー30よりも外側に延びているため、分離室28にて吸込筒25の周囲を旋回してきた粗塵が分離カバー30の縁部に引っ掛かることなく排出口31から収容室33へと排出できる。この結果、吸込筒25への粗塵の付着を抑制でき、粗塵による開口41の目詰まりを抑制できて、吸引の持続性をより向上できる。
分離カバー30の天面部30aが、分離室28の天井部28aを構成し、吸込筒25の上端部25aと近接して位置していることで、分離室28内での乱流を抑制でき、含塵空気を分離室28にて吸込筒25の周囲を円滑に旋回させることができる。したがって、分離室28で分離される粗塵を排出口31から収容室33へと円滑に排出でき、吸込筒25への粗塵の付着を抑制でき、粗塵による開口41の目詰まりを抑制できて、吸引の持続性をより向上できる。
なお、上記一実施形態において、電気掃除機11としては、使用者が引っ張って床面上を走行させながら掃除をする、キャニスタ型、掃除機本体12の下部に吸込口体を直接接続するアップライト型、あるいは、自律走行(自走)するロボット型など、各種の電気掃除機11に対応して用いることができる。
本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。