JP6912861B2 - ホウ素/セレン含有水の処理装置および処理方法 - Google Patents

ホウ素/セレン含有水の処理装置および処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、ホウ素化合物およびセレン化合物のうちの少なくとも1つと、フッ素化合物と、懸濁物質とを含有する脱硫排水等のホウ素/セレン含有水の処理装置および処理方法に関する。
石炭を燃焼して発電等を行う設備では排ガスを浄化するための脱硫設備が設置され、水酸化カルシウムや水酸化マグネシウム等を溶解させた水により、排ガス中の硫黄分や集塵機で除去されなかった煤塵等を除去している。硫黄分や煤塵等を吸収した水は適宜、脱硫設備から脱硫排水として排出され、排水基準以下にまで処理されて海洋等に放流される。この脱硫排水には、排水基準項目であるフッ素、ホウ素、セレン(6価または4価セレン)が含有されることも多く、これらの物質を対象とした処理が行われる。
ホウ素は、脱硫排水中ではホウ酸(HBO)等として存在していると考えられ、その含有量は200〜500mg/L程度である。脱硫排水には、排水基準項目であるホウ素が海域排水基準(230mg/L)以上に含有されることもあり、これらの物質を対象とした処理が行われる。
一つは、ホウ素含有排水にカルシウム剤およびアルミニウム塩を添加し、pHをアルカリ性に調整して、ホウ素・カルシウム・アルミニウムからなる固形物を生成し、固液分離することにより、水からホウ素を除去する方法である(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法で高いホウ素除去率を得るためには、多量のカルシウム剤およびアルミニウム塩を要し、汚泥量も多量に発生するという問題があった。
ホウ素含有排水をホウ素選択性陰イオン交換樹脂に通水してホウ素を除去する方法は、99%以上の高いホウ素除去率が得られる。イオン交換樹脂は交換容量が飽和に達すると硫酸で再生し、その再生排水からホウ素を除去する操作が行われる。再生排水の処理には、カルシウム剤およびアルミニウム塩を添加してホウ素・カルシウム・アルミニウムからなる固形物を生成し固液分離する方法、蒸発濃縮、乾燥させてホウ素を固形物化する方法がある(例えば、特許文献2,3参照)。
これらの方法は、処理水質はよいという利点はあるが、カルシウム剤およびアルミニウム塩により固形物を生成し、固液分離する方法は、使用する薬剤が多量であり、汚泥も多量に生成し、かつ汚泥脱水性も悪く、汚泥処分費が高い、大きな容量の脱水装置が必要になるという問題がある。蒸発濃縮、乾燥させる方法は、乾燥物の量は少ないものの、多量の水を蒸発させるために多量の熱エネルギーが必要であり、ランニングコストが高いという問題があった。また、蒸発濃縮装置および乾燥装置は設備費が大きいという問題があった。
これらに対し、近年、セリウム塩を含有する溶液の吸着剤(以下、セリウム含有吸着剤)が開発されている。この溶液を排水に添加し、アルカリ性に調整すると水酸化セリウムが析出し、ホウ酸が吸着される。このホウ酸が吸着した水酸化セリウムを沈殿等により固液分離することで、ホウ素を処理することができる(例えば、特許文献4参照)。
フッ素は、脱硫排水中ではフッ化カルシウム(固形物)またはフッ素イオン(フッ化物イオン)として存在していると考えられ、その含有量は10〜200mg/L程度である。これらの処理は、フッ素含有排水にポリ塩化アルミニウム等のアルミニウム系凝集剤や塩化第二鉄等の鉄系凝集剤を添加し、生成した水酸化アルミニウムあるいは水酸化鉄でフッ化カルシウム等の固形物を凝集させ、フッ素イオンを吸着させて、排水から固液分離される。このような処理によってフッ素化合物の含有量を海域での排水基準15mg/L以下にまで低減して放流する。
この他に、脱硫排水にはホウ素、フッ素の他に、セレンも排水基準0.1mg/Lを超える濃度で含有されることがある。セレンは、脱硫排水中では4価セレンまたは6価セレンの形態で存在する。
前記セリウム含有吸着剤は、ホウ素だけでなく、フッ化物イオンや4価セレンも吸着することができ、0価(単体セレン)の粒子は水酸化セリウムで凝集させることができる。よって、セリウム含有吸着剤を用いて、ホウ素、フッ素、およびセレンを含有する排水中のホウ素、フッ素、およびセレンをまとめて処理することは可能である。しかし、セレンが6価セレンの場合は、第一鉄塩等の還元剤または嫌気性生物による還元処理等で4価セレンまたは0価セレン(単体セレン)に還元してから、セリウム含有吸着剤で処理することが必要である。
このように、ホウ素含有排水からのホウ素の固液分離にはセリウム含有吸着剤の使用が効率的であり、またセリウム含有吸着剤によってフッ素およびセレンも除去可能であるため、これらの物質を含む排水の処理に適しているが、一方で、セリウムは希少金属であり、このセリウム含有吸着剤の価格が高く、薬剤費が高くなることから、処理コストに大きく影響するため、実排水の処理においてセリウム含有吸着剤の使用量の少ない処理方法が求められている。また、セリウムの水酸化物は膨潤であり、固液分離で汚泥になると汚泥量が多くなることから、汚泥量の削減も求められている。
特公平7−61473号公報 特許4315567号公報 特開2012−183477号公報 特開2006−341139号公報
本発明の目的は、ホウ素化合物およびセレン化合物のうちの少なくとも1つと、フッ素化合物と、懸濁物質とを含有するホウ素/セレン含有水から、各物質を少ないセリウム使用量で処理することができ、かつ、汚泥の発生量が少ないホウ素/セレン含有水の処理装置および処理方法を提供することにある。
本発明は、ホウ素化合物およびセレン化合物のうちの少なくとも1つと、フッ素化合物と、懸濁物質とを含有するホウ素/セレン含有水の処理装置であって、前記ホウ素/セレン含有水にセリウム含有吸着剤を添加して、前記ホウ素化合物およびセレン化合物のうちの少なくとも1つと、前記フッ素化合物と、前記懸濁物質とを、アルカリ性条件下で凝集または吸着させ、固液分離により処理する第一処理手段と、前記固液分離により分離した中間処理水にアルミニウム系凝集剤を添加して、前記固液分離処理水中に残留するフッ素化合物を凝集または吸着させ、固液分離により処理する第二処理手段と、を備え、前記ホウ素/セレン含有水中の前記懸濁物質の含有量は、50mg/L〜1,000mg/Lの範囲であり、前記セリウム含有吸着剤の添加量は、セリウムの濃度として、ホウ素1molに対して0.5mol〜3molの範囲であホウ素/セレン含有水の処理装置である。
前記ホウ素/セレン含有水の処理装置において、前記第一処理手段におけるアルカリ性条件が、pH8.5以上のアルカリ性条件であることが好ましい。
また、本発明は、ホウ素化合物およびセレン化合物のうちの少なくとも1つと、フッ素化合物と、懸濁物質とを含有するホウ素/セレン含有水の処理方法であって、前記ホウ素/セレン含有水にセリウム含有吸着剤を添加して、前記ホウ素化合物およびセレン化合物のうちの少なくとも1つと、前記フッ素化合物と、前記懸濁物質とを、アルカリ性条件下で凝集または吸着させ、固液分離により処理する第一処理工程と、前記固液分離により分離した中間処理水にアルミニウム系凝集剤を添加して、前記固液分離処理水中に残留するフッ素化合物を凝集または吸着させ、固液分離により処理する第二処理工程と、を含み、前記ホウ素/セレン含有水中の前記懸濁物質の含有量は、50mg/L〜1,000mg/Lの範囲であり、前記セリウム含有吸着剤の添加量は、セリウムの濃度として、ホウ素1molに対して0.5mol〜3molの範囲である、ホウ素/セレン含有水の処理方法である。
前記ホウ素/セレン含有水の処理方法において、前記第一処理工程におけるアルカリ性条件が、pH8.5以上のアルカリ性条件であることが好ましい。
本発明によれば、ホウ素化合物およびセレン化合物のうちの少なくとも1つと、フッ素化合物と、懸濁物質とを含有するホウ素/セレン含有水から、各物質を少ないセリウム使用量で処理することができ、かつ、汚泥の発生量が少ないホウ素/セレン含有水の処理装置および処理方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係るホウ素/セレン含有水の処理装置の一例を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係るホウ素/セレン含有水の処理装置の一例の概略構成を図1に示し、その構成について説明する。
ホウ素/セレン含有水の処理装置1は、主に、第一処理工程を実施するための反応手段として第一反応槽10および固液分離手段として第一沈殿槽12と、第二処理工程を実施するための反応手段として第二反応槽14および固液分離手段として第二沈殿槽16と、を備える。
ホウ素/セレン含有水の処理装置1において、第一反応槽10の入口には、ホウ素/セレン含有水供給ライン34が接続されている。第一反応槽10の上部には、セリウム含有吸着剤添加手段としてセリウム含有吸着剤添加ライン22と、pH調整手段としてのpH調整剤添加ライン24と、凝集物粗大化手段としての高分子凝集剤添加ライン26とが接続されている。第一沈殿槽12の上部出口と、第二反応槽14の入口とは、中間処理水ライン36により接続されている。第二反応槽14の上部には、アルミニウム系凝集剤添加手段としてアルミニウム系凝集剤添加ライン28と、pH調整手段としてのpH調整剤添加ライン30と、凝集物粗大化手段としての高分子凝集剤添加ライン32とが接続されている。第二沈殿槽16の上部出口には、処理水排出ライン38が接続されている。第一沈殿槽12の下部出口には、汚泥排出ライン40が接続され、第二沈殿槽16の下部出口には、汚泥排出ライン42が接続されている。第一反応槽10および第二反応槽14には、撹拌手段として撹拌機18,20がそれぞれ設置されている。
第一反応槽10、第一沈殿槽12、第二反応槽14、および第二沈殿槽16は、それぞれ別個の槽として設け、ライン等により接続して連続処理してもよいし、同一の槽として回分処理してもよい。処理水量が大きい場合は連続処理が好ましい。
本実施形態に係るホウ素/セレン含有水の処理方法およびホウ素/セレン含有水の処理装置1の動作について説明する。
本実施形態に係るホウ素/セレン含有水の処理方法および処理装置の処理対象となるホウ素/セレン含有水は、ホウ素化合物およびセレン化合物のうちの少なくとも1つと、フッ素化合物と、懸濁物質とを含有する水であればよく、特に制限はないが、好ましくは、ホウ素化合物と、セレン化合物と、フッ素化合物と、懸濁物質とを含有する水であり、例えば、石炭火力発電所の脱硫排水、めっき排水、ガラス製造排水等が挙げられる。
処理対象となるホウ素/セレン含有水中のホウ素化合物の含有量は、例えば、10mg/L〜50mg/Lの範囲であり、セレン化合物の含有量は、例えば、0.1mg/L〜10mg/Lの範囲であり、フッ素化合物の含有量は、例えば、10mg/L〜200mg/Lの範囲であり、懸濁物質の含有量は、例えば、50mg/L〜1,000mg/Lの範囲である。
[第一処理工程]
まず、被処理水である、ホウ素化合物およびセレン化合物のうちの少なくとも1つと、フッ素化合物と、懸濁物質とを含有するホウ素/セレン含有水が、ホウ素/セレン含有水供給ライン34を通して第一反応槽10に供給される。撹拌機18が稼働され、セリウム含有吸着剤添加ライン22を通して第一反応槽10にセリウム含有吸着剤が所定量添加される(セリウム含有吸着剤添加工程)。さらにpH調整剤添加ライン24を通してpH調整剤として酸またはアルカリが所定量添加され、アルカリ性の所定pHに調整されて(pH調整工程)、アルカリ性条件下で凝集反応または吸着が行われる(反応工程)。所定の時間の反応後、必要に応じて、高分子凝集剤添加ライン26から高分子凝集剤が添加されて、凝集物の粗大化が行われてもよい(凝集物粗大化工程)。
第一処理工程では、ホウ素/セレン含有水にセリウム含有吸着剤が添加され、pHがアルカリ性に調整されて、水酸化セリウムが形成される。ホウ酸またはホウ酸イオン等として存在するホウ素化合物、4価セレンとして存在するセレン化合物はアルカリ性で析出する水酸化セリウムによって吸着され、不溶化される。また、水酸化セリウムによって、フッ化カルシウム等の固形状のフッ素化合物を含む懸濁物質は凝集される。
通常、生成する水酸化セリウムは膨潤であり、固液分離で発生する汚泥は密度が低く、体積が大きい傾向にあるが、本実施形態に係るホウ素/セレン含有水の処理方法では、ホウ素/セレン含有水中に懸濁物質が存在する(例えば、50mg/L以上)ため、懸濁物質が核となって密度の高い汚泥が生成し、固液分離で生じる汚泥の体積は小さなものとなる。
この反応後、第一沈殿槽12において、不溶化されたホウ素化合物、不溶化されたセレン化合物、固形状のフッ素化合物、懸濁物質は固液分離される(固液分離工程)。固液分離処理された中間処理水は、中間処理水ライン36を通して、第二反応槽14へ送液される。一方、固液分離処理された汚泥は、汚泥排出ライン40を通して排出される(以上、第一処理工程)。
[第二処理工程]
次に、撹拌機20が稼働され、アルミニウム系凝集剤添加ライン28を通して第二反応槽14にアルミニウム系凝集剤が所定量添加される(アルミニウム系凝集剤添加工程)。さらにpH調整剤添加ライン30を通してpH調整剤として酸またはアルカリが所定量添加され、所定pHに調整されて(pH調整工程)、凝集反応または吸着が行われる(反応工程)。
第二処理工程では、主として中間処理水に残留するフッ素化合物が除去される。中間処理水にアルミニウム系凝集剤が添加され、酸またはアルカリでpH調整され、反応が行われる。中間処理水中に残留するフッ化物イオンは水酸化アルミニウムに吸着され、不溶化される。
この反応後、第二沈殿槽16において、不溶化されたフッ化物イオン等のフッ素化合物は固液分離される(固液分離工程)。固液分離処理された処理水は、処理水排出ライン38を通して排出される。一方、固液分離処理された汚泥は、汚泥排出ライン42を通して排出される(以上、第二処理工程)。
第二処理工程では、懸濁物質が少なくなった中間処理水にアルミニウム系凝集剤を添加し、膨潤な水酸化アルミニウムが生成するが、後述するようにアルミニウム系凝集剤の添加量が少ないため、水酸化アルミニウムの生成量は、第一処理工程の水酸化セリウムの生成量に比べて少なく、第一処理工程と第二処理工程の生成する水酸化物の総体積は比較的小さくなる。
一方、本実施形態に係る処理方法および処理装置とは逆に、第一処理工程でホウ素/セレン含有水にアルミニウム系凝集剤を添加して懸濁物質およびフッ素化合物を除去し、第二処理工程で中間処理水にセリウム含有吸着剤を添加してホウ素化合物、セレン化合物を除去すると、第一処理工程では生成する汚泥量が比較的少ないが、第二処理工程で核となる懸濁物質がほとんど存在しないため、懸濁物質をほとんど含まない膨潤な水酸化セリウムの汚泥が生成する。このため、第一処理工程と第二処理工程の水酸化物の総体積は大きくなり、汚泥処理に必要な設備が大きくなり、設備費や処理コストが高くなるといった問題が生じる。
水酸化セリウムは不溶化されたフッ素化合物も吸着するため、第二処理工程としてアルミニウム系凝集剤を使用せず、第一処理工程でセリウム含有吸着剤だけを用いた固液分離でも、本実施形態に係る処理方法および処理装置と同等の処理水質を得ることは可能である。しかし、フッ素に関して本実施形態に係る処理方法および処理装置と同等の処理水質を得るには、アルミニウム系凝集剤よりも高価なセリウム含有吸着剤の添加量が多くなり、発生する水酸化セリウムの汚泥も多くなる。水酸化セリウムは、ホウ素(ホウ酸)よりフッ素の吸着選択性は高いが、例えば脱硫排水の場合、ホウ素/セレン含有水中のホウ素の含有量(モル含有量)が、フッ素の含有量(モル含有量)より圧倒的に高い場合が多く、処理水のフッ素濃度を下げるには多くのセリウム含有吸着剤が必要となってしまう。
このように、本実施形態に係る処理方法および処理装置では、第一処理工程において、懸濁物質を含むホウ素/セレン含有水にセリウム含有吸着剤が添加されてフッ素化合物が粗除去され、ホウ素化合物およびセレン化合物のうちの少なくとも1つ、懸濁物質が除去される。その後段の第二処理工程では、中間処理水にアルミニウム系凝集剤が添加されて、残留したフッ素化合物がさらに除去される。
これにより、ホウ素化合物およびセレン化合物のうちの少なくとも1つと、フッ素化合物と、懸濁物質とを含有するホウ素/セレン含有水から、各物質を少ないセリウム使用量で処理することができ、かつ、汚泥の発生量が少なくすることができる。ホウ素化合物とフッ素化合物の両者を含有する脱硫排水のようなホウ素/セレン含有水の処理において、少ないセリウム使用量でホウ素化合物、フッ素化合物、およびセレン化合物を除去することができ、汚泥の発生量を減らすことができ、また薬品費、汚泥処分費等の処理に要するランニングコストを少なくすることができる。
以下に、各処理工程における条件および変形例等について説明する。
[第一処理工程]
セリウム含有吸着剤は、例えば、セリウム無機塩を含有する酸性溶液であり、水への溶解のし易さ等の点から塩化セリウム水溶液の使用が好ましい。
セリウム含有吸着剤の添加量は、セリウムの濃度として、例えば、ホウ素1molに対して0.5mol〜3molの範囲、好ましくは、1.0mol〜2.5molの範囲である。セリウム含有吸着剤の添加量がホウ素1molに対して0.5mol未満であると、反応が十分に行われず、3molを超えると、凝集物の沈降速度が遅い場合がある。
ホウ素/セレン含有水にホウ素化合物が海域排水基準230mg/L以上の濃度(例えば300〜500mg/L)程度含まれる場合、第一処理工程でホウ素化合物を排水基準以下またはそれに近いレベルにまで低減するには、セリウム含有吸着剤をセリウムの濃度として2〜8mmol/L添加すればよい。
第一処理工程の反応におけるpHは、pH8以上のアルカリ性であればよいが、セリウムが水酸化セリウム固形物として析出し、ホウ素化合物が効果的に吸着するpH8.5以上のアルカリ性が好ましい。pH8.5未満では、水酸化セリウムの析出量が少なく、ホウ素化合物を十分に吸着できない場合がある。pH11を超えるとアルカリが多量に必要になり、また、汚泥量も増える傾向にあるので、より好ましくはpH8.5〜10.5の範囲である。
pH調整剤は、アルカリであれば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等が挙げられ、酸であれば、硫酸、塩酸等が挙げられる。
反応温度は、例えば、5℃以上、好ましくは、20℃以上である。反応温度が5℃未満であると、反応が十分に行われない場合がある。
反応時間は、例えば、5分〜60分の範囲、好ましくは、15分〜60分の範囲である。すなわち、第一反応槽10内の滞留時間は、5分〜60分の範囲、好ましくは、15分〜60分の範囲である。反応時間が5分未満であると、反応が十分に行われず、60分を超えると、除去対象物質の除去効果があまり上がらず、装置だけが大きくなる場合がある。
なお、セリウム含有吸着剤で除去できるセレンは4価セレンまたは0価セレンであり、6価セレンはほとんど除去できないため、第一反応槽10の前段において第一鉄塩等の還元剤で6価セレンを4価セレンまたは0価セレンに還元するのがよい。また、第一反応槽10の前段において、セレン還元用に馴養した嫌気性微生物を担持した担体が流動する槽にホウ素/セレン含有水を通水し、メタノール等の水素供与体および栄養塩を添加し、微生物により6価セレンを4価セレンまたは0価セレンに還元してもよい。
沈殿で固液分離を行う場合は、不溶物を早く沈降させるため、沈殿前に高分子凝集剤を添加して不溶物を粗大化するのが好ましい。必要に応じて添加する高分子凝集剤の量は、1〜10mg/Lの範囲が好ましい。高分子凝集剤の量が1mg/L未満では、凝集物に沈降速度の遅い小さな粒子が多数存在し、後段の固液分離工程において中間処理水への凝集物の流出が多くなる場合がある。また、高分子凝集剤の量が10mg/Lを超えると、凝集物の沈降性は10mg/Lの場合とほとんど変わらず、凝集剤使用量だけが多くなるとともに、固液分離工程で汚泥となった際の汚泥の粘性が大きくなり、汚泥配管の閉塞といった問題が生じることもある。
高分子凝集剤としては、例えば、アニオン性のポリアクリルアミド等が挙げられる。
高分子凝集剤の反応時間は、3分〜15分の範囲であることが好ましい。すなわち、第一反応槽10内の滞留時間が3分〜15分の範囲であることが好ましい。上記反応時間が3分未満では、十分な凝集反応が行われず、凝集物に沈降速度の遅い小さな粒子が多数存在し、中間処理水に多数の凝集物が流出することがある。一方、上記反応時間が15分を超えると、大きく成長した凝集物が再び撹拌で壊れてしまい、多数の壊れた小さな凝集物が中間処理水に流出することがある。
固液分離は、沈殿分離が最も簡易な操作であり好ましいが、微細気泡を供給して浮上分離させてもよいし、精密ろ過膜等によるろ過を行ってもよい。
[第二処理工程]
アルミニウム系凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム(PAC)や硫酸アルミニウム(硫酸バンド)等が挙げられる。ホウ素/セレン含有水がカルシウムを含む場合、アルミニウム系凝集剤として硫酸アルミニウムを用いると、析出した硫酸カルシウムが核となり、沈降性の高い汚泥が生成し、汚泥量が低減することから、アルミニウム系凝集剤としては硫酸アルミニウムが好ましい場合もある。
アルミニウム系凝集剤の添加量は、アルミニウムの濃度として、例えば、中間処理水に対して0.5〜2mmol/Lの範囲、好ましくは、0.7〜1.5mmol/Lの範囲である。アルミニウム系凝集剤の添加量が中間処理水に対して0.5mmol/L未満であると、凝集反応が十分に行われず、2mmol/Lを超えても、それ以上大きなフッ素低減効果が得られない場合がある。
第二処理工程の凝集反応におけるpHは、アルミニウムの大部分が水酸化アルミニウムとして存在するpH6.0〜8.0の範囲が好ましい。
pH調整剤は、アルカリであれば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等が挙げられ、酸であれば、硫酸、塩酸等が挙げられる。
凝集反応温度は、例えば、5℃以上、好ましくは、20℃以上である。凝集反応温度が5℃未満であると、凝集反応が十分に行われない場合がある。
凝集反応時間は、例えば、5分〜60分の範囲、好ましくは、15分〜60分の範囲である。すなわち、第二反応槽14内の滞留時間は、5分〜60分の範囲、好ましくは、15分〜60分の範囲である。凝集反応時間が5分未満であると、凝集反応が十分に行われず、60分を超えても、それ以上大きなフッ素低減効果が得られない場合がある。
沈殿で固液分離を行う場合は、不溶物を早く沈降させるため、沈殿前に高分子凝集剤を添加して不溶物を粗大化するのが好ましい。必要に応じて添加する高分子凝集剤の量は、1〜10mg/Lの範囲が好ましい。高分子凝集剤の量が1mg/L未満では、凝集物に沈降速度の遅い小さな粒子が多数存在し、後段の固液分離工程において処理水への凝集物の流出が多くなる場合がある。また、高分子凝集剤の量が10mg/Lを超えると、凝集物の沈降性は10mg/Lの場合とほとんど変わらず、凝集剤使用量だけが多くなるとともに、固液分離工程で汚泥となった際の汚泥の粘性が大きくなり、汚泥配管の閉塞といった問題が生じることもある。
高分子凝集剤としては、例えば、アニオン性のポリアクリルアミド等が挙げられる。
高分子凝集剤の反応時間は、3分〜15分の範囲であることが好ましい。すなわち、第二反応槽14内の滞留時間が3分〜15分の範囲であることが好ましい。上記反応時間が3分未満では、十分な凝集反応が行われず、凝集物に沈降速度の遅い小さな粒子が多数存在し、処理水に多数の凝集物が流出することがある。一方、上記反応時間が15分を超えると、大きく成長した凝集物が再び撹拌で壊れてしまい、多数の壊れた小さな凝集物が処理水に流出することがある。
固液分離は、沈殿分離が最も簡易な操作であり好ましいが、微細気泡を供給して浮上分離させてもよいし、精密ろ過膜等によるろ過を行ってもよい。
本実施形態に係る処理方法および処理装置により、処理水中のホウ素化合物の濃度を、例えば、200mg/L以下程度まで低減することができ、セレン化合物の濃度を、例えば、0.1mg/L以下程度まで低減することができ、フッ素化合物の濃度を、例えば、8mg/L以下程度まで低減することができ、懸濁物質の濃度を、例えば、5mg/L以下程度まで低減することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1および比較例1>
ホウ素/セレン含有水として、フッ素化合物、ホウ素化合物、セレン化合物および懸濁物質を含有する脱硫排水500mLを5個のビーカに用意した。この脱硫排水は、表1に示す水質を有するものであり、フッ素は固形状物質と溶解性のものが含有されている。これを被処理水とした。
Figure 0006912861
第一処理工程では、各ビーカ内の被処理水(室温23℃)を撹拌しながら、セリウム含有吸着剤として塩化セリウムを含有する酸性溶液(日本海水製、READ−CX)をそれぞれに0g/L(比較例1)、1.0g/L(実施例1−1)、2.0g/L(実施例1−2)、3.0g/L(実施例1−3)、4.0g/L(実施例1−4)添加し、水酸化ナトリウム溶液(水溶液、5重量%)でpH9.5に調整し、撹拌しながら15分間反応させた。反応中は適宜、水酸化ナトリウム溶液を添加して、pH9.5に保持した。その後、高分子凝集剤としてアニオン性ポリアクリルアミド水溶液(0.1重量%、オルガノ株式会社製オルフロックAP−1)を3mL/L添加し、5分間撹拌反応後、撹拌を停止して、反応で生成した凝集物を30分間沈殿させた。30分後の汚泥体積を測定後、上澄水(中間処理水)を採取し、その一部について全フッ素、ホウ素、セレン等を分析した。
第二処理工程では、表2に示す水量の中間処理水に硫酸アルミニウム溶液(Al=8重量%、比重1.2)を添加してpH7.0に調整した。15分間撹拌後、アニオン性ポリアクリルアミド水溶液(0.1重量%)を3mL/L添加し、5分間撹拌反応後、撹拌を停止して、反応で生成した凝集物を沈殿させた。30分間静置後、汚泥体積を測定するとともに、上澄水(以下、最終処理水)を採取し、ホウ素、フッ素等の水質分析を行った。なお、各水質は、JIS 0102に規定される方法により測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006912861
<比較例2>
比較例2では、実施例1の第一処理工程(塩化セリウム添加)、第二処理工程(硫酸アルミニウム添加)を逆にして処理を行った。
ホウ素/セレン含有水として、実施例1と同じ脱硫排水3Lをビーカに用意した。第一処理工程では、ビーカ内の被処理水(室温23℃)を撹拌しながら硫酸アルミニウム(Al=8重量%、比重1.2)を150μg/L添加し、さらに水酸化ナトリウム溶液(水溶液、1重量%)を添加してpH7.0に調整した。15分間撹拌後、アニオン性ポリアクリルアミド水溶液(0.1%)を3mL/L添加し、5分間撹拌反応後、撹拌を停止して、反応で生成した凝集物を沈殿させた。30分間静置後、汚泥体積を測定するとともに、上澄水(以下、中間処理水)を2.7L採取し、そのうち一部はホウ素、フッ素等の水質分析に供し、2.5Lを次工程の処理に供した。
第二処理工程では、中間処理水を5つのビーカに0.5Lずつ入れ、塩化セリウムを含有する酸性溶液(日本海水製、READ−CX)をそれぞれに0g/L(比較例2−0)、1.0g/L(比較例2−1)、2.0g/L(比較例2−2)、3.0g/L(比較例2−3)、4.0g/L(比較例2−4)添加し、水酸化ナトリウム溶液(水溶液、5重量%)でpH9.5に調整し、撹拌しながら15分間反応させた。アニオン性ポリアクリルアミド水溶液(0.1重量%)を3mL/L添加し、5分間撹拌反応後、撹拌を停止して、反応で生成した凝集物を沈殿させた。30分間静置後、各汚泥体積を測定するとともに、上澄水(最終処理水)を採取し、ホウ素、フッ素、濁度等の水質分析に供した。また、上澄水の一部を環境に放流可能なpH7.0に調整し、再度濁度を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0006912861
<比較例3>
比較例3では、1工程で塩化セリウムと硫酸アルミニウムとを添加して処理を行った。
ホウ素/セレン含有水として、実施例1と同じ脱硫排水500mLをビーカ3個に用意した。比較例3−1、比較例3−2では、ビーカ内の被処理水(室温23℃)を撹拌しながら塩化セリウムを含有する酸性溶液(日本海水製、READ−CX)を2.0g/Lおよび硫酸アルミニウム(Al=8重量%、比重1.2)をそれぞれ600mg/L(比較例3−1)、1000mg/L(比較例3−2)添加し、さらに水酸化ナトリウム溶液(水溶液、1重量%)を添加してpH9.5に調整した。比較例3−3では、ビーカ内の被処理水(室温23℃)を撹拌しながら塩化セリウムを含有する酸性溶液(日本海水製、READ−CX)を2.0g/Lおよび硫酸アルミニウム(Al=8重量%、比重1.2)を600mg/L添加し、さらに水酸化ナトリウム溶液(水溶液、1重量%)を添加してpH7.0に調整した。15分間撹拌後、アニオン性ポリアクリルアミド水溶液(0.1重量%)を3mL/L添加し、5分間撹拌反応後、撹拌を停止して、反応で生成した凝集物を沈殿させた。30分間静置後、汚泥体積を測定するとともに、上澄水(以下、最終処理水)を採取し、ホウ素、フッ素等の水質分析に供した。結果を表4に示す。
Figure 0006912861
<実施例2>
本試験では第一処理工程のみを行い、本工程における反応pHの影響を確認した。
ホウ素/セレン含有水として、実施例1と同じ脱硫排水500mLを5個のビーカに用意した。各ビーカ内の被処理水(室温23℃)を撹拌しながら塩化セリウムを含有する酸性溶液(日本海水製、READ−CX)を2.0g/L添加し、水酸化ナトリウム溶液5重量%でそれぞれpH8.0(実施例2−1)、pH8.5(実施例2−2)、pH9.0(実施例2−3)、pH10.5(実施例2−4)、pH11.0(実施例2−5)に調整し、撹拌しながら15分間反応させた。反応中は適宜、水酸化ナトリウム溶液を添加し、それぞれのpHを保持した。その後、アニオン性ポリアクリルアミド水溶液(0.1重量%)を3mL/L添加し、5分間撹拌反応後、撹拌を停止して、反応で生成した凝集物を30分間沈殿させた。30分後の汚泥体積を測定後、上澄水(中間処理水)を採取し、その一部で全フッ素、ホウ素、セレン、濁度等を分析した。また、上澄水の一部を環境に放流可能なpH7.0に調整し、再度濁度を測定した。結果を、実施例1−2の結果(pH9.5)とともに表5に示す。
Figure 0006912861
[結果]
<実施例1および比較例1>
セリウム含有吸着剤を添加せずpH9.5に調整して固液分離した比較例1では、被処理水中のマグネシウムイオンが不溶化し、その際にフッ素、ホウ素、セレンが一部不溶化され、フッ素28.7mg/L、ホウ素312mg/L、セレン0.38mg/Lまで低減した。さらに硫酸アルミニウムを添加して凝集沈殿処理することにより、フッ素が低減したが、硫酸アルミニウムの添加量1200mg/L でも最終処理水のフッ素は15.8mg/Lであった。
これに対し、セリウム含有吸着剤を添加した実施例1−1〜1−4では、第一処理工程ではフッ素19.8mg/L以下、ホウ素268mg/L以下、セレン0.19mg/L以下となり、各物質とも比較例1の中間処理水より大幅に低減した。さらに第二処理工程では、硫酸アルミニウム960mg/L以下の添加量でフッ素は10.5mg/L以下となった。特に、実施例1−2〜1−4ではフッ素、ホウ素、セレンいずれも排水基準(海域)を満たす値であった。
第一処理工程では、30分静置後の汚泥体積は、セリウム含有吸着剤の添加量が多いほど増える傾向にあり、比較例1の152mLに対し、実施例1では168〜383mLであった。第二処理工程では、第一処理工程とは逆に汚泥が少なくなる傾向にあり、34〜16mL(被処理水500mL換算)であったが、総汚泥体積はセリウム含有吸着剤の添加量が多いほど増える傾向ではあり、202〜399mLであった。
なお、実施例1−3および1−4のセリウム含有吸着剤の添加量では、第一処理工程の中間処理水の時点で、各項目は排水基準(海域)を満たしているが、それらよりセリウム含有吸着剤の添加量が少ない実施例1−2でも最終処理水は排水基準(海域)を満たしており、かつ総汚泥体積も小さい。このことから、セリウム含有吸着剤だけで不溶化処理する方法よりも、実施例のようにセリウム含有吸着剤で処理を行った後に硫酸アルミニウムで処理を行う方法が、汚泥発生量抑制の点で優れていると言える。
<比較例2>
比較例2−0〜2−4では、第一処理工程で硫酸アルミニウムによる凝集沈殿でフッ素は低減したが、ホウ素、セレンは高いままであった。30分沈殿後、汚泥体積は7mL(排水500mL当たり)であった。
第二処理工程の処理において、懸濁物質をほとんど含まない(濁度0.5度未満)中間処理水にセリウム含有吸着剤を添加した比較例2−1〜2−4では、フッ素、ホウ素、セレンともよく低減され、比較例2−2〜2−4の最終処理水はいずれの項目も排水基準(海域)を満たす値であった。なお、上澄水の一部を環境に放流可能なpH7.0に調整し、再度濁度を測定した場合、濁度の悪化は無かった。
しかし、第二処理工程の汚泥発生量は多く、30分沈降後の汚泥体積は292〜462mL(排水500mL当たり)であった。セリウム含有吸着剤の添加量は実施例1−1〜1−4の第一処理工程と同じであるが、懸濁物質を含まない水にセリウム含有吸着剤を添加したため、膨潤な水酸化セリウムの汚泥が生成し、汚泥体積は著しく多かった。第一処理工程および第二処理工程の汚泥を合わせた総汚泥体積でも実施例1−1〜1−4と比較して顕著に多い結果となった。
<比較例3>
比較例3−1(反応pH9.5)では、実施例1−2と同等の薬品添加量であったが、最終処理水のフッ素濃度が高く、また、pH7.0に調整後の濁度は3.5度と高く、薄く白濁した。硫酸アルミニウムを1000mg/Lまで増やした比較例3−2では、最終処理水質は実施例1−2と同等となったが、pH7.0に調整後の濁度は3.5度と高く、薄く白濁した。反応pHを7.0に調整した比較例3−3では、フッ素は実施例1−2と同等のレベルまで処理でき、汚泥発生量が少なかったものの、ホウ素、セレンの除去が不十分であった。
以上の実施例と比較例の比較から、ホウ素化合物、フッ素化合物、セレン化合物および懸濁物質を含む脱硫排水に対して、実施例の処理方法および処理装置では、各物質を少ないセリウム使用量で処理することができ、かつ、汚泥の発生量が少なかった。
<実施例2>
実施例2−1のpH8.0では処理水質が各項目ともやや高かったが、実施例2−2〜2−5および実施例1−2の反応pH8.5〜11の範囲においては、処理水質は各項目とも良好であった。
このことから、第一処理工程における反応pHは8.5以上のアルカリ性が望ましいと言えた。
1 処理装置、10 第一反応槽、12 第一沈殿槽、14 第二反応槽、16 第二沈殿槽、18,20 撹拌機、22 セリウム含有吸着剤添加ライン、24,30 pH調整剤添加ライン、 26,32 高分子凝集剤添加ライン、28 アルミニウム系凝集剤添加ライン、34 ホウ素/セレン含有水供給ライン、36 中間処理水ライン、38 処理水排出ライン、40,42 汚泥排出ライン。

Claims (4)

  1. ホウ素化合物およびセレン化合物のうちの少なくとも1つと、フッ素化合物と、懸濁物質とを含有するホウ素/セレン含有水の処理装置であって、
    前記ホウ素/セレン含有水にセリウム含有吸着剤を添加して、前記ホウ素化合物およびセレン化合物のうちの少なくとも1つと、前記フッ素化合物と、前記懸濁物質とを、アルカリ性条件下で凝集または吸着させ、固液分離により処理する第一処理手段と、
    前記固液分離により分離した中間処理水にアルミニウム系凝集剤を添加して、前記固液分離処理水中に残留するフッ素化合物を凝集または吸着させ、固液分離により処理する第二処理手段と、
    を備え
    前記ホウ素/セレン含有水中の前記懸濁物質の含有量は、50mg/L〜1,000mg/Lの範囲であり、
    前記セリウム含有吸着剤の添加量は、セリウムの濃度として、ホウ素1molに対して0.5mol〜3molの範囲であることを特徴とするホウ素/セレン含有水の処理装置。
  2. 請求項1に記載のホウ素/セレン含有水の処理装置であって、
    前記第一処理手段におけるアルカリ性条件が、pH8.5以上のアルカリ性条件であることを特徴とするホウ素/セレン含有水の処理装置。
  3. ホウ素化合物およびセレン化合物のうちの少なくとも1つと、フッ素化合物と、懸濁物質とを含有するホウ素/セレン含有水の処理方法であって、
    前記ホウ素/セレン含有水にセリウム含有吸着剤を添加して、前記ホウ素化合物およびセレン化合物のうちの少なくとも1つと、前記フッ素化合物と、前記懸濁物質とを、アルカリ性条件下で凝集または吸着させ、固液分離により処理する第一処理工程と、
    前記固液分離により分離した中間処理水にアルミニウム系凝集剤を添加して、前記固液分離処理水中に残留するフッ素化合物を凝集または吸着させ、固液分離により処理する第二処理工程と、
    を含み、
    前記ホウ素/セレン含有水中の前記懸濁物質の含有量は、50mg/L〜1,000mg/Lの範囲であり、
    前記セリウム含有吸着剤の添加量は、セリウムの濃度として、ホウ素1molに対して0.5mol〜3molの範囲であることを特徴とするホウ素/セレン含有水の処理方法。
  4. 請求項3に記載のホウ素/セレン含有水の処理方法であって、
    前記第一処理工程におけるアルカリ性条件が、pH8.5以上のアルカリ性条件であることを特徴とするホウ素/セレン含有水の処理方法。
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