本願は、既存のデータ伝送の解決法がURLLCサービス要件を満たすことができないという問題を解消するべく、データ伝送方法およびデータ伝送機器を提供する。
第1態様によれば、データ伝送方法が提供される。方法は、UEが、無線アクセス装置によって送信された第1インジケーション情報を受信する段階であって、第1インジケーション情報は、起動インジケーション情報または停止インジケーション情報であり、起動インジケーション情報は、処理操作を実行するようUEに命令するために使用され、停止インジケーション情報は、処理操作を停止するようUEに命令するために使用され、処理操作は、複製操作および切替操作のうち少なくとも1つを含む、段階と、第1インジケーション情報が起動インジケーション情報であるとき、UEが処理操作を実行する段階、または、第1インジケーション情報が停止インジケーション情報であるとき、UEが処理操作を停止する段階とを備え、複製操作は、複数のリンクを通して同一のデータを伝送することを意味し、切替操作は、複数のリンクから1つを選択してデータ伝送を実行することを意味する。
UEが複製操作を実行するとき、UEは、複数のリンクを通して、同一のデータを伝送する。このように、複数のリンクにおける比較的高いリンク信号品質を有するリンクが使用され得て、これにより、データ伝送の信頼性を改善する。UEが切替操作を実行するとき、UEは、複数のリンクから1つを選択してデータ伝送を実行する。選択されたリンクは一般に、比較的高い品質を有する。したがって、データ伝送の信頼性も改善できる。これにより、既存の単一リンクデータ伝送がURLLCについて高い信頼性を保証できないという問題を解消し、URLLCサービス要件を満たす。
実行される必要がある処理操作が無いとき、無線アクセス装置は停止インジケーション情報をUEへ送信し、処理操作を停止するようUEに命令し、それにより、処理操作を通して実行されるデータ伝送によって引き起こされる追加のリソースオーバーヘッドを低減する。
第1態様の第1の可能な実装において、方法は更に、UEが、無線アクセス装置によって送信された実行条件を受信する段階であって、実行条件は、処理操作を実行するかどうかを決定するためにUEによって使用される、段階を備え、この場合、UEが処理操作を実行する段階は、UEが実行条件を満たすとき、UEが処理操作を実行する段階を含む。
第1態様の第2の可能な実装において、UEは、無線アクセス装置によって送信された第1閾値を受信し、この場合、UEは処理操作を実行し、当該処理操作には、UEが、送信予定のアップリンクデータのデータ量を決定すること、および、データ量が第1閾値より少ないとき、UEが複製操作を実行すること、または、データ量が第1閾値より多いとき、UEが切替操作を実行すること、または、データ量が第1閾値より多いとき、UEが複製操作を実行すること、または、データ量が第1閾値より少ないとき、UEが切替操作を実行することが含まれる。
アップリンクデータのデータ量が比較的多いとき、複数のリンク上で同一のデータを送信することはリソースの浪費である。したがって、データ量が第1閾値より少ないときだけ、同一のデータが複数のリンク上で送信される。これによりリソースを節約し、また、データ伝送の信頼性を保証する。アップリンクデータのデータ量が比較的多いとき、1つのリンクを選択してアップリンクデータ伝送を実行し、これにより、アップリンクデータの伝送信頼性を保証する。
第1態様の第3の可能な実装において、方法は更に、UEが、無線アクセス装置によって送信された第2インジケーション情報を受信する段階であって、第2インジケーション情報は、リンクに基づいて確立されたSRB、および/または、リンクに基づいて確立されたDRBを示すために使用され、第2インジケーション情報は、第1インジケーション情報に関連する、段階を備え、この場合、UEは、処理操作を実行し、当該処理操作には、第2インジケーション情報がSRBを示すとき、UEが、SRBに対応するリンクを選択して処理操作を実行すること、または、第2インジケーション情報がDRBを示すとき、UEが、DRBに対応するリンクを選択して処理操作を実行することが含まれる。
第1態様の第3の可能な実装に関連して、第1態様の第4の可能な実装において、方法は更に、UEが、無線アクセス装置によって送信されたDRB識別子を受信する段階を備え、この場合、UEは、DRBに対応するリンクを選択して処理操作を実行し、当該処理操作には、UEが、DRB識別子によって示されるDRBに対応するリンクを選択して処理操作を実行することであって、DRB識別子は第1インジケーション情報に関連する、実行することが含まれる。
任意選択で、UEは更に、マスタ無線アクセス装置によって送信されたSRB識別子を受信し、SRB識別子によって示されるSRBに対応するリンクを選択して処理操作を実行し、ここで、SRB識別子は第1インジケーション情報に関連する。
第1態様の第5の可能な実装において、UEが、無線アクセス装置によって送信された第1インジケーション情報を受信する前に、方法は更に、UEが、UEの能力情報をマスタ無線アクセス装置へ送信する段階であって、能力情報は、UEが処理操作をサポートするかどうかを示すために使用される、段階を備える。
UEは能力情報を無線アクセス装置へ送信して、UEが処理操作をサポートするかどうかを示す。無線アクセス装置は、処理操作をUEがサポートすると決定した後に、第1インジケーション情報をUEへ送信し、それにより、UEが処理操作をサポートしないときに第1インジケーション情報をUEへ送信することによって引き起こされるリソースの浪費を回避する。
第1態様から、第1態様の第5の可能な実装のいずれか1つに関連して、第1態様の第6の可能な実装において、無線アクセス装置がキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation、CA)シナリオに適用されるとき、方法は更に、UEが、マスタ無線アクセス装置によって送信されたセル識別情報を受信し、セル識別情報によって示されるサービングセルを、複製操作を実行するためのサービングセルとして決定する段階、または、UEが、無線アクセス装置によって送信されたセル数および第2閾値を受信し、UEが、リンク信号品質が第2閾値より高いサービングセルを、複製操作を実行するためのサービングセルとして選択する段階であって、選択されたすべてのサービングセルの合計数は、セル数を超えない、段階、または、UEが、ダウンリンクデータをUEへ送信するサービングセルを、複製操作を実行するためのサービングセルとして決定する段階を備える。
リンク信号品質が第2閾値より高いサービングセルを、複製操作を実行するためのサービングセルとして選択する段階は、データ伝送の信頼性を更に改善できる。
第1態様から、第1態様の第5の可能な実装のいずれか1つに関連して、第1態様の第7の可能な実装において、無線アクセス装置がDCシナリオまたはマルチコネクティビティ(Multiple Connectivity、MC)シナリオに適用され、かつ、無線アクセス装置がマスタ無線アクセス装置であるとき、方法は更に、UEが、マスタ無線アクセス装置によって送信された二次無線アクセス装置インジケーション情報を受信し、二次無線アクセス装置インジケーション情報によって示される二次無線アクセス装置を、複製操作を実行するための無線アクセス装置として決定する段階、または、UEが、マスタ無線アクセス装置によって送信される無線アクセス装置数および第3閾値を受信し、リンク信号品質が第3閾値より高い無線アクセス装置を、複製操作を実行するための無線アクセス装置として選択する段階であって、選択されたすべての無線アクセス装置の合計数は、無線アクセス装置数を超えない、段階、または、UEが、ダウンリンクデータをUEへ送信する無線アクセス装置を、複製操作を実行するための無線アクセス装置として決定する段階を備える。
リンク信号品質が第3閾値より高い無線アクセス装置を、複製操作を実行するための無線アクセス装置として選択する段階は、データ伝送の信頼性を更に改善できる。
第1態様の第7の可能な実装に関連して、第1態様の第8の可能な実装において、複製操作が実行されるとき、方法は更に、UEが、第1バッファステータスレポート(Buffer State Reports、BSR)をマスタ無線アクセス装置および各二次無線アクセス装置へ別々に送信する段階であって、第1BSRは、マスタ無線アクセス装置のパケットデータコンバーゼンスプロトコル(Packet Data Convergence Protocol、PDCP)層におけるデータ量と、複製操作を実行する無線アクセス装置の数とを乗算することによって取得される積、および、マスタ無線アクセス装置に対応するそれぞれの無線リンク制御(Radio Link Control、RLC)層におけるデータ量と、各二次無線アクセス装置との和を含む、段階を備える。
第1態様の第7の可能な実装に関連して、第1態様の第9の可能な実装において、複製操作が実行されるとき、方法は更に、UEが、無線アクセス装置によって送信されたアップリンク(Up Link、UL)グラント(grant)を受信する段階であって、無線アクセス装置は、マスタ無線アクセス装置、または、二次無線アクセス装置の1つである、段階と、UEが、ULグラントによって示されるアップリンクリソース上で第2BSRを無線アクセス装置へ送信する段階であって、第2BSRは、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と、複製操作を実行する無線アクセス装置の数とを乗算することによって取得される積、ならびに、マスタ無線アクセス装置および各二次無線アクセス装置のそれぞれのRLC層におけるデータ量の和を含む、または、第2BSRは、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と各二次無線アクセス装置のRLC層におけるデータ量との和、および、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量とRLC層におけるデータ量との和の間の、より小さな値を含む、段階を備える。
第1態様の第7の可能な実装に関連して、第1態様の第10の可能な実装において、複製操作が実行されるとき、方法は更に、UEが、第3BSRをマスタ無線アクセス装置へ送信し、第4BSRを各二次無線アクセス装置へ送信する段階であって、第3BSRは、マスタ無線アクセス装置のPDCP層およびRLC層におけるデータ量の和を含み、第4BSRは、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と、二次無線アクセス装置のRLC層におけるデータ量との和を含む、段階を備える。
第1態様の第7の可能な実装に関連して、第1態様の第11の可能な実装において、複製操作が実行されるとき、方法は更に、UEが、それぞれのリンク上で各無線アクセス装置によって送信されたPDCPプロトコルデータユニット(Protocol Data Unit、PDU)を受信する段階と、UEが、PDCPステータスレポートをマスタ無線アクセス装置へ送信する段階であって、無線アクセス装置がマスタ無線アクセス装置を含むとき、PDCPステータスレポートは、マスタ無線アクセス装置に、マスタ無線アクセス装置のRLC層、および、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置のRLC層へ、正確に受信されたPDCP PDUに対応するシーケンス番号(Sequence Number、SN)を通知するよう命令し、マスタ無線アクセス装置のRLC層、および、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置のRLC層に、RLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDU自動再送要求(Automatic Repeat Request、ARQ)を停止するよう命令するために使用される段階、または、無線アクセス装置がマスタ無線アクセス装置を含まないとき、PDCPステータスレポートは、マスタ無線アクセス装置に、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置のRLC層へ、正確に受信されたPDCP PDUに対応するSNを通知するよう命令するために、および、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置のRLC層に、RLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するよう命令するために使用される、段階とを備える。
複製操作が実行されるとき、UEは、複数のリンク上で同一のPDCP PDUを受信し、UEは、PDCPステータスレポートをマスタ無線アクセス装置に報告する。エアインタフェースオーバーヘッドを低減し、かつ、データ伝送遅延を低減するために、マスタ無線アクセス装置のPDCP層は、マスタ無線アクセス装置のRLC層に、RLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するよう命令することに加えて、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置のRLC層に、二次無線アクセス装置のRLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するよう命令する必要がある。
第1態様の第7の可能な実装に関連して、第1態様の第12の可能な実装において、複製操作が実行されるとき、方法は更に、UEが、無線アクセス装置のそれぞれのリンク上で、PDCP PDUを各無線アクセス装置へ送信する段階と、UEが、マスタ無線アクセス装置によって送信されたPDCPステータスレポートを受信する段階であって、無線アクセス装置がマスタ無線アクセス装置および二次無線アクセス装置を含むとき、PDCPステータスレポートは、UEに、マスタ無線アクセス装置に対応するRLC層、および、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置に対応するRLC層へ、正確に受信されたPDCP PDUに対応するSNを通知するよう命令するために、および、マスタ無線アクセス装置に対応するRLC層、および、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置に対応するRLC層に、RLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するよう命令するために使用される、段階、または、無線アクセス装置が二次無線アクセス装置を含むとき、PDCPステータスレポートは、UEに、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置に対応するRLC層へ、正確に受信されたPDCP PDUに対応するSNを通知するよう命令するために、および、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置に対応するRLC層に、RLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するよう命令するために使用される、段階とを備える。
複製操作が実行されるとき、UEは、複数のリンク上で、同一のPDCP PDUを送信し、マスタ無線アクセス装置は、PDCPステータスレポートをUEへ報告する。エアインタフェースオーバーヘッドを低減し、かつ、データ伝送遅延を低減するべく、UEのPDCP層は、マスタ無線アクセス装置に対応するRLC層に、RLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するよう命令することに加えて、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置に対応するRLC層に、二次無線アクセス装置のRLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するよう命令する必要がある。
第1態様の第13実装において、予め定められた規則は、最高の品質を有するリンクを選択すること、または、最高伝送速度を有するリンクを選択すること、または、もっとも安定的なリンク品質を有するリンクを選択することである。
第2態様によれば、データ伝送方法が提供される。方法は、無線アクセス装置が、第1インジケーション情報を生成する段階であって、第1インジケーション情報は起動インジケーション情報または停止インジケーション情報であり、起動インジケーション情報は、処理操作を実行するようユーザ機器UEに命令するために使用され、停止インジケーション情報は、処理操作を停止するようUEに命令するために使用され、処理操作は、複製操作および切替操作のうち少なくとも1つを含む、段階と、第1インジケーション情報をUEへ送信する段階とを備え、複製操作は、複数のリンクを通して同一のデータを伝送することを意味し、切替操作は、複数のリンクから1つを選択してデータ伝送を実行することを意味する。
UEが複製操作を実行するとき、UEは、複数のリンクを通して、同一のデータを伝送する。このように、複数のリンクにおける比較的高いリンク信号品質を有するリンクが使用され得て、これにより、データ伝送の信頼性を改善する。UEが切替操作を実行するとき、UEは、複数のリンクから1つを選択してデータ伝送を実行する。選択されたリンクは一般に、比較的高い品質を有する。したがって、データ伝送の信頼性も改善できる。これにより、既存の単一リンクデータ伝送がURLLCについて高い信頼性を保証できないという問題を解消し、URLLCサービス要件を満たす。
実行される必要がある処理操作が無いとき、マスタ無線アクセス装置は停止インジケーション情報をUEへ送信し、処理操作を停止するようUEに命令し、それにより、処理操作を通して実行されるデータ伝送によって引き起こされる追加のリソースオーバーヘッドを低減する。
第2態様の第1の可能な実装において、方法は更に、無線アクセス装置が実行条件をUEへ送信する段階であって、実行条件は、処理操作を実行するかどうかを決定するためにUEによって使用される、段階を備える。
第2態様の第2の可能な実装において、方法は更に、無線アクセス装置が、第1閾値をUEへ送信する段階であって、第1閾値は、複製操作または切替操作を実行することを決定するためにUEによって使用される、段階を備える。
第2態様の第3の可能な実装において、方法は更に、無線アクセス装置が、第2インジケーション情報をUEへ送信する段階であって、第2インジケーション情報は、第1インジケーション情報に関連する、段階を備え、第2インジケーション情報は、リンクに基づいて確立されたSRB、および/または、リンクに基づいて確立されたDRBを示すために使用される。
第2態様の第3の可能な実装に関連して、第2態様の第4の可能な実装において、方法は更に、無線アクセス装置がDCシナリオまたはMCシナリオに適用され、かつ、無線アクセス装置がマスタ無線アクセス装置であるとき、マスタ無線アクセス装置が、第3インジケーション情報を二次無線アクセス装置へ送信する段階であって、第3インジケーション情報は、二次無線アクセス装置に、SRBのために無線リソース設定を実行するよう命令するために使用され、マスタ無線アクセス装置は、二次無線アクセス装置によって送信されたSRBの設定情報を受信し、マスタ無線アクセス装置は、設定情報をUEへ送信する、段階を備える。
5Gシステムの新無線(New Radio、NR)は、高周波数で動作するので、深刻な遮蔽効果、および、急激なチャネル変化の条件がある。その結果、頻繁な無線リンク障害(Radio Link Failure、RLF)が引き起こされ得て、制御プレーンの信頼性を保証できない。本実施形態において、UEは、マスタ無線アクセス装置へのRRC接続を確立するだけでなく、二次無線アクセス装置へのRRC接続も確立し、それにより、制御プレーンの信頼性を保証する。
第2態様の第3の可能な実装に関連して、第2態様の第5の可能な実装において、方法は更に、無線アクセス装置がDRB識別子をUEへ送信する段階であって、処理操作を実行するために、DRB識別子によって示されるDRBに対応するリンクが選択され、DRB識別子は、第1インジケーション情報に関連する、段階を備える。
任意選択で、無線アクセス装置は更に、SRB識別子をUEへ送信し、処理操作を実行するために、SRB識別子によって示されるSRBに対応するリンクが選択され、SRB識別子は、第1インジケーション情報に関連する。
第2態様の第6の可能な実装において、方法は更に、無線アクセス装置が、UEによって送信された能力情報を受信する段階であって、能力情報は、UEが処理操作をサポートするかどうかを示すために使用される、段階を備える。
UEは能力情報を無線アクセス装置へ送信して、UEが処理操作をサポートするかどうかを示す。無線アクセス装置は、処理操作をUEがサポートすると決定した後に、第1インジケーション情報をUEへ送信し、それにより、UEが処理操作をサポートしないときに第1インジケーション情報をUEへ送信することによって引き起こされるリソースの浪費を回避する。
第2態様から、第2態様の第6の可能な実装のいずれか1つに関連して、第2態様の第7の可能な実装において、無線アクセス装置がCAシナリオに適用されるとき、方法は更に、無線アクセス装置が、セル識別情報をUEへ送信する段階であって、セル識別情報によって示されるサービングセルは、複製操作を実行するためのサービングセルである、段階、または、無線アクセス装置が、セル数および第2閾値をUEへ送信する段階であって、リンク信号品質が第2閾値より高いサービングセルは、複製操作を実行するためのサービングセルであり、選択されたすべてのサービングセルの合計数は、セル数を超えない、段階、または、無線アクセス装置が、ダウンリンクデータをUEへ送信する段階であって、ダウンリンクデータをUEへ送信するサービングセルは、複製操作を実行するためのサービングセルである、段階を備える。
リンク信号品質が第2閾値より高いサービングセルを、複製操作を実行するためのサービングセルとして選択する段階は、データ伝送の信頼性を更に改善できる。
第2態様から、第2態様の第6の可能な実装のいずれか1つに関連して、第2態様の第8の可能な実装において、無線アクセス装置がDCシナリオまたはMCシナリオに適用され、かつ、無線アクセス装置がマスタ無線アクセス装置であるとき、方法は更に、マスタ無線アクセス装置が二次無線アクセス装置インジケーション情報をUEへ送信する段階であって、二次無線アクセス装置インジケーション情報によって示される二次無線アクセス装置は、複製操作を実行するための無線アクセス装置である、段階、または、マスタ無線アクセス装置が、無線アクセス装置数および第3閾値をUEへ送信する段階であって、リンク信号品質が第3閾値より高い無線アクセス装置は、複製操作を実行するための無線アクセス装置であり、選択されたすべての無線アクセス装置の合計数は、無線アクセス装置数を超えない、段階、または、マスタ無線アクセス装置が、ダウンリンクデータをUEへ送信する段階であって、ダウンリンクデータをUEへ送信する無線アクセス装置は、複製操作を実行するための無線アクセス装置である、段階を備える。
リンク信号品質が第3閾値より高い無線アクセス装置を、複製操作を実行するための無線アクセス装置として選択する段階は、データ伝送の信頼性を更に改善できる。
第2態様の第8の可能な実装に関連して、第2態様の第9の可能な実装において、複製操作が実行されるとき、方法は更に、マスタ無線アクセス装置が、UEによって送信された第1BSRを受信する段階であって、第1BSRは、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と、複製操作を実行する無線アクセス装置の数とを乗算して取得された積、ならびに、マスタ無線アクセス装置および各二次無線アクセス装置に対応するそれぞれのRLC層におけるデータ量の和を含む、段階と、マスタ無線アクセス装置が、UEのアップリンクリソース上で第1BSRを受信する各二次無線アクセス装置とネゴシエートする段階とを備える。
第2態様の第8の可能な実装に関連して、第2態様の第10の可能な実装において、複製操作が実行されるとき、方法は更に、マスタ無線アクセス装置が、UEによって送信された第2BSRを受信する段階と、第2BSRが、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と、複製操作を実行する無線アクセス装置の数とを乗算することによって取得された積、ならびに、マスタ無線アクセス装置および各二次無線アクセス装置のそれぞれのRLC層におけるデータ量の和を含むとき、マスタ無線アクセス装置が、第2BSRに基づいて、UEに割り当てられる予定のアップリンクリソースを決定し、アップリンクリソースの量を、第2BSRにおいて示される量から減算して、要求されたアップリンクリソースの残存数を取得し、要求されたアップリンクリソースの残存数を二次無線アクセス装置へ送信する段階であって、要求されたアップリンクリソースの残存数は、二次無線アクセス装置に、UEに割り当てられる予定のアップリンクリソースを決定するよう命令するために使用される、段階、または、第2BSRが、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と、各二次無線アクセス装置のRLC層におけるデータ量との和、および、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と、RLC層におけるデータ量との和の間の、より小さな値を含むとき、マスタ無線アクセス装置が、第2BSRに基づいて、UEに割り当てられる予定のアップリンクリソースを決定し、第2BSRを各二次無線アクセス装置へ転送する段階であって、第2BSRは、各二次無線アクセス装置に、UEに割り当てられる予定のアップリンクリソースを決定するよう命令するために使用される、段階を備える。
第2態様の第8の可能な実装に関連して、第2態様の第11の可能な実装において、複製操作が実行されるとき、方法は更に、マスタ無線アクセス装置が、二次無線アクセス装置の1つによって送信された、要求されたアップリンクリソースの残存数を受信する段階であって、要求されたアップリンクリソースの残存数は、二次無線アクセス装置によって、二次無線アクセス装置によってUEに割り当てられたアップリンクリソースの量を、UEによって送信された第2BSRにおいて示される量から減算することによって取得される、段階、および、要求されたアップリンクリソースの残存数に基づいて、UEに割り当てられる予定のアップリンクリソースを決定する段階、または、マスタ無線アクセス装置が、二次無線アクセス装置の1つによって送信された第2BSRを受信する段階であって、第2BSRは、UEによって二次無線アクセス装置へ送信された第2BSRである、段階、および、第2BSRに基づいて、UEに割り当てられる予定のアップリンクリソースを決定する段階であって、二次無線アクセス装置は、ULグラントをUEへ送信する二次無線アクセス装置であり、UEは、ULグラントによって示されるアップリンクリソース上で、第2BSRを二次無線アクセス装置へ送信するよう構成される、段階を備える。
第2態様の第8の可能な実装に関連して、第2態様の第12の可能な実装において、複製操作が実行されるとき、方法は更に、マスタ無線アクセス装置が、UEによって送信された第3BSRを受信する段階であって、第3BSRは、マスタ無線アクセス装置のPDCP層およびRLC層におけるデータ量の和を含む、段階、および、第3BSRに基づいて、UEに割り当てられる予定のアップリンクリソースを決定する段階を備える。
第2態様の第8の可能な実装に関連して、第2態様の第13の可能な実装において、複製操作が実行されるとき、方法は更に、マスタ無線アクセス装置が、UEによって送信されたPDCPステータスレポートを受信する段階と、マスタ無線アクセス装置がリンク上でPDCP PDUをUEへ送信するとき、マスタ無線アクセス装置が、マスタ無線アクセス装置のRLC層、および、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置のRLC層へ、UEによって正確に受信されたPDCP PDUに対応するSNを通知し、マスタ無線アクセス装置のRLC層、および、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置のRLC層に、RLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するよう命令する段階、または、マスタ無線アクセス装置がPDCP PDUをUEへ送信しないとき、マスタ無線アクセス装置は、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置のRLC層へ、UEによって正確に受信されたPDCP PDUに対応するシーケンス番号SNを通知し、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置のRLC層に、RLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するよう命令する段階とを備える。
複製操作が実行されるとき、UEは、複数のリンク上で同一のPDCP PDUを受信し、UEは、PDCPステータスレポートをマスタ無線アクセス装置に報告する。エアインタフェースオーバーヘッドを低減し、かつ、データ伝送遅延を低減するために、マスタ無線アクセス装置のPDCP層は、マスタ無線アクセス装置のRLC層に、RLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するよう命令することに加えて、各二次無線アクセス装置のRLC層に、二次無線アクセス装置のRLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDUを停止するよう命令する必要がある。
第2態様の第8の可能な実装に関連して、第2態様の第14の可能な実装において、複製操作が実行されるとき、方法は更に、マスタ無線アクセス装置がPDCP PDUを受信する段階と、マスタ無線アクセス装置がPDCPステータスレポートをUEへ送信する段階であって、PDCP PDUが、UEの各々、および、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置によってそれぞれのリンク上で送信されるとき、PDCPステータスレポートが、UEに、マスタ無線アクセス装置に対応するRLC層、および、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置に対応するRLC層へ、正確に受信されたPDCP PDUに対応するSNを通知するよう命令するために、ならびに、マスタ無線アクセス装置に対応するRLC層、および、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置に対応するRLC層に、RLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するよう命令するために使用される、または、PDCP PDUが、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置によって、それぞれのリンク上で送信されるとき、PDCPステータスレポートが、UEに、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置に対応するRLC層へ、正確に受信されたPDCP PDUに対応するSNを通知するよう命令するために、および、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置に対応するRLC層に、RLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するよう命令するために使用される、段階とを備える。
複製操作が実行されるとき、UEは、複数のリンク上で、同一のPDCP PDUを送信し、マスタ無線アクセス装置は、PDCPステータスレポートをUEへ報告する。エアインタフェースオーバーヘッドを低減し、かつ、データ伝送遅延を低減するべく、UEのPDCP層は、マスタ無線アクセス装置に対応するRLC層に、RLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDUを停止するよう命令することに加えて、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置に対応するRLC層に、二次無線アクセス装置のRLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するよう命令する必要がある。
第3態様によれば、データ伝送機器が提供される。機器は少なくとも1つのユニットを備え、少なくとも1つのユニットは、第1態様、または、第1態様の少なくとも1つの実装において提供されるデータ伝送方法を実装するよう構成される。
第4態様によれば、データ伝送機器が提供される。機器は少なくとも1つのユニットを備え、少なくとも1つのユニットは、第2態様、または、第2態様の少なくとも1つの実装において提供されるデータ伝送方法を実装するよう構成される。
第5態様によれば、データ伝送機器が提供される。機器は、プロセッサ、および、プロセッサに接続された送受信機を備え、送受信機は、プロセッサによって制御されるよう構成され、プロセッサは、第1態様、または、第1態様の少なくとも1つの実装において提供されるデータ伝送方法を実装するよう構成される。
第6態様によれば、データ伝送機器が提供される。機器は、プロセッサ、および、プロセッサに接続された送受信機を備え、送受信機は、プロセッサによって制御されるよう構成され、プロセッサは、第2態様、または、第2態様の少なくとも1つの実装において提供されるデータ伝送方法を実装するよう構成される。
本発明の目的、技術的解決法、および利点をより明確にするべく、以下では更に、添付図面に関連して本発明の実装を詳細に説明する。
本明細書において言及される「ユニット」は、ロジックに従って分割された機能構造である。「ユニット」は、ハードウェアのみにより実装され得るか、またはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実装され得る。
図1は、本発明の実施形態に係るデータ伝送システム100の概略図である。データ伝送システム100は、マスタ無線アクセス装置110、少なくとも1つの二次無線アクセス装置120およびUE130を備える。
データ伝送システム100が1つの二次無線アクセス装置120を備えるとき、DCシナリオに対応して、マスタ無線アクセス装置110と二次無線アクセス装置120との間にリンクが確立され、二次無線アクセス装置120とUE130との間にリンクが確立され、マスタ無線アクセス装置110とUE130との間にリンクが確立される。データ伝送システム100が少なくとも2つの二次無線アクセス装置120を備えるとき、MCシナリオに対応して、マスタ無線アクセス装置110と各二次無線アクセス装置120との間にリンクが別々に確立され、各二次無線アクセス装置120とUE130との間にリンクが確立され、二次無線アクセス装置120の間にリンクが確立され、マスタ無線アクセス装置110とUE130との間にリンクが確立される。マスタ無線アクセス装置110は、M‐gNB(Master gNB)と称され得て、二次無線アクセス装置120は、S‐gNB(Secondary gNB)と称され得る。図1において、データ伝送システム100が1つの二次無線アクセス装置120を備えることは、説明のための例として使用されているに過ぎない。
本実施形態において、制御プレーン上で、UE130はマスタ無線アクセス装置110および二次無線アクセス装置120の各々とのSRBを確立する。具体的な確立プロセスは、以下で詳細に説明される。ユーザプレーン上で、UE130はマスタ無線アクセス装置110および二次無線アクセス装置120の各々とのDRBを確立し、DRBは、SCGベアラおよびスプリットベアラを含む。
SCGベアラは1Aアーキテクチャに適用される。図2を参照すると、1Aアーキテクチャにおいて、MeNBは、物理(PHY)層、PHY層の上の媒体アクセス制御(Medium Access Control、MAC)層、MAC層の上のRLC層、および、RLC層の上のPDCP層を含み、SeNBは、PHY層、PHY層の上のMAC層、MAC層の上のRLC層、RLC層の上のPDCP層を含む。ネットワーク側は、MeNBおよびSeNBの各々とのS1接続を確立する。
スプリットベアラは3Cアーキテクチャに適用される。図3を参照すると、3Cアーキテクチャにおいて、MeNBは、PHY層、PHY層の上のMAC層、MAC層の上のRLC層、RLC層の上のPDCP層を含み、SeNBは、PHY層、PHY層の上のMAC層、MAC層の上のRLC層を含み、SeNBにおけるRLC層は、Xnインタフェースを通して、MeNBにおけるPDCP層に接続される。ネットワーク側は、MeNBとのS1接続を確立する。
データ伝送システム100がCAシナリオに適用されるとき、データ伝送システム100は無線アクセス装置140およびUE130を備え得る。
図4は、本発明の実施形態に係る電子デバイス400の概略構造図である。電子デバイス400は、図1におけるマスタ無線アクセス装置110または二次無線アクセス装置120またはUE130または無線アクセス装置140であり得る。電子デバイス400は、プロセッサ410、および、プロセッサ410に接続される送受信機420を含む。
送受信機420は1または複数のアンテナを含み得る。アンテナは、電子デバイスが無線信号を送信または受信することを可能にする。
送受信機420は、通信回路430に接続され得る。通信回路430は、送受信機420によって受信または送信される信号に対して、例えば、送受信機420によって送信される予定の信号を変調する、または、送受信機420によって受信された信号を復調するなど、様々な処理を実行し得る。実際の実装において、通信回路430は、無線周波数(radio frequency、RF)チップおよびベースバンドチップを含み得る。
通信回路430は、プロセッサ410に接続され得る。代替的に、通信回路430は、プロセッサ410に統合され得る。プロセッサ410は電子デバイスのコントロールセンタである。プロセッサ410は、中央処理装置(central processing unit、CPU)、ネットワークプロセッサ(network processor、NP)、または、CPUおよびNPの組み合わせであり得る。プロセッサ410はハードウェアチップを更に含み得る。ハードウェアチップは、特定用途向け集積回路(application−specific integrated circuit、ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device、PLD)、またはそれらの組み合わせであってよい。PLDは、複合プログラマブル論理デバイス(complex programmable logic device、CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field−programmable gate array、FPGA)、汎用アレイロジック(generic array logic、GAL)またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
メモリ440はバスを使用することによって、または別の方式で、プロセッサ410に接続される。メモリ440は揮発性メモリ(volatile memory)、不揮発性メモリ(non−volatile memory)またはそれらの組み合わせであり得る。揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリ(random−access memory、RAM)、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(static random access memory、SRAM)またはダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random access memory、DRAM)であり得る。不揮発性メモリは、リードオンリーメモリ(read only memory、ROM)、例えば、プログラマブルリードオンリーメモリ(programmable read only memory、PROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(erasable programmable read only memory、EPROM)、または、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(electrically erasable programmable read−only memory、EEPROM)であり得る。代替的に、不揮発性メモリは、フラッシュメモリ(flash memory)、または、ディスクメモリ、例えば、磁気テープ(magnetic tape)、フロッピーディスク、もしくは、ハードディスクであり得る。代替的に、不揮発性メモリは光ディスクであり得る。
本実施形態において、データ伝送システムがマスタ無線アクセス装置および二次無線アクセス装置を備えるとき、UEがマスタ無線アクセス装置および二次無線アクセス装置と通信する前に、マスタ無線アクセス装置は、SRBおよびDRBを設定する必要があり、SRBおよびDRBを設定するよう各二次無線アクセス装置に命令する。二次無線アクセス装置は、SRBおよびDRBを設定する同一のプロセスを有する。マスタ無線アクセス装置によってSRBおよびDRBを設定する技術は非常に成熟している。当該技術については、関連する技術の説明を参照されたい。本実施形態では詳細を説明しない。マスタ無線アクセス装置が、SRBおよびDRBを設定するよう各二次無線アクセス装置に命令するプロセスをここで説明する。説明を容易にするべく、本実施形態において、マスタ無線アクセス装置が、SRBおよびDRBを設定するよう1つの二次無線アクセス装置に命令することは、説明のための例として使用される。
マスタ無線アクセス装置は、SRBおよび/またはDRBの無線リソース設定を実行するよう二次無線アクセス装置に命令する。二次無線アクセス装置は、マスタ無線アクセス装置のインジケーションに基づいてSRBおよび/またはDRBの無線リソース設定を実行し、マスタ無線アクセス装置を通して、生成された設定情報をUEへ送信する。表1は、マスタ無線アクセス装置によって二次無線アクセス装置へ送信される設定要求である。表2は、二次無線アクセス装置によってフィードバックされる設定応答である。
設定要求は、二次無線アクセス装置追加要求(S−gNB addition request)メッセージを使用することによって実装され得る。設定応答は、二次無線アクセス装置追加応答(S−gNB addition response)メッセージを使用することによって実装され得る。
既存の機構において、DRBタイプは、スプリットおよびSCGを含む、DRBのベアラタイプを示す。マスタ無線アクセス装置は、タイプを列挙することによって、スプリットベアラまたはSCGベアラを設定するよう二次無線アクセス装置に命令する。
同様に、マスタ無線アクセス装置は、SRB設定を実行するよう二次無線アクセス装置に命令するために同一の方式を使用し得る。例えば、マスタ無線アクセス装置は、SRB1およびSRB2を設定し、SRB1は、SRB ID1を使用することによって識別され、SRB2は、SRB ID2を使用することによって識別される。この場合、マスタ無線アクセス装置は、SRB IDおよび設定インジケーションに基づいて、SRB IDに対応するSRBのために無線リソース設定を実行するよう二次無線アクセス装置に命令する。代替的に、マスタ無線アクセス装置は、SRB IDを二次無線アクセス装置へ直接送信し、二次無線アクセス装置は、識別子を受信した後に、SRB IDに対応するSRBのために無線リソース設定を実行する。言い換えれば、表1における設定インジケーションは任意選択のパラメータである。
設定インジケーションは、マスタ無線アクセス装置が複製操作および/または切替操作をサポートすることを示すことができることに留意されたい。
データ伝送システムが5Gシステムに適用されるとき、NRは高周波数で動作し、深刻な遮蔽効果、および、急激なチャネル変化の状態がある。その結果、頻繁なRLFが引き起こされ得て、制御プレーンの信頼性を保証できない。本実施形態において、UEは、マスタ無線アクセス装置へのRRC接続を確立するだけでなく、二次無線アクセス装置へのRRC接続を確立し、それにより、制御プレーンの信頼性を保証する。
図5は、本発明の実施形態に係るデータ伝送方法のフローチャートである。本実施形態において、図1に示されるデータ伝送システムに当該方法が適用されることは、説明のための例として使用される。無線アクセス装置110およびUE130は以下の段階を実行する。当該方法は以下のいくつかの段階を備える。
段階501:UEは、UEの能力情報を無線アクセス装置へ送信し、能力情報は、UEが処理操作をサポートするかどうかを示すために使用される。
処理操作は、複製操作および切替操作のうち少なくとも1つを含む。
複製操作は、複数のリンクを通して同一のデータを伝送することを意味する。ここでの複製操作は、duplication操作とも称され得る。例えば、無線アクセス装置がDCシナリオまたはMCシナリオに適用されるとき、データ伝送システムは、マスタ無線アクセス装置および二次無線アクセス装置を備える。UEは、1個のマスタ無線アクセス装置、および、n個(nは正の整数である)の二次無線アクセス装置の各々とのリンクを確立する。UEは、マスタ無線アクセス装置のリンク、および、複数の二次無線アクセス装置のリンクを通して、同一のアップリンクデータを送信し得る、または、UEは、マスタ無線アクセス装置のリンク、および、複数の二次無線アクセス装置のリンクを通して、同一のダウンリンクデータを受信し得る。別の例として、無線アクセス装置がCAシナリオに適用されるとき、データ伝送システムは無線アクセス装置を含む。UEは無線アクセス装置の複数のサービングセルとのリンクを確立する。UEは複数のリンクを通して同一のアップリンクデータを送信する、または、複数のリンクを通して同一のダウンリンクデータを受信し得る。
切替操作は、複数のリンクから1つを選択してデータ伝送を実行することを意味する。切替操作は、ここではswitching操作とも称され得る。例えば、無線アクセス装置がDCシナリオまたはMCシナリオに適用されるとき、データ伝送システムは、マスタ無線アクセス装置および二次無線アクセス装置を備える。UEは、1つのマスタ無線アクセス装置、および、n個(nは正の整数である)の二次無線アクセス装置の各々とのリンクを確立し、複数のリンクから1つを選択して、アップリンクデータを送信する、または、ダウンリンクデータを受信する。別の例として、無線アクセス装置がCAシナリオに適用されるとき、データ伝送システムは無線アクセス装置を含む。UEは無線アクセス装置の複数のサービングセルとのリンクを確立する。UEは、複数のリンクから1つを選択して、アップリンクデータを送信する、または、ダウンリンクデータを受信する。
任意選択で、切替操作は更に、予め定められた規則に従って複数のリンクから1つを選択してデータ伝送を実行することを意味し得る。予め定められた規則は、最高の品質を有するリンクを選択すること、または、最高伝送速度を有するリンクを選択すること、または、もっとも安定的なリンク品質を有するリンクを選択することであり得る。このように、UEは、要件に基づいて1つのリンクを選択し得て、これにより、データ伝送信頼性を改善する、または、伝送速度を増加させる。
いくつかのUEは、処理操作をサポートするが、いくつかのUEはサポートしない。したがって、UEは更に、生成された能力情報において、UEが処理操作をサポートするかどうかを示す必要があり、能力情報を無線アクセス装置へ送信し、その結果、無線アクセス装置は、UEが処理操作をサポートするかどうかを明確化できる。
段階502:無線アクセス装置は、UEによって送信された能力情報を受信する。
段階503:無線アクセス装置は第1インジケーション情報を生成し、第1インジケーション情報は起動インジケーション情報または停止インジケーション情報である。
起動インジケーション情報は、処理操作を実行するようUEに命令するために使用され、停止インジケーション情報は、処理操作を停止するようUEに命令するために使用される。このように、処理操作が実行される必要がないとき、処理操作を停止するようにUEに命令することができ、それにより、処理操作を通して実行されるデータ伝送によって引き起こされるリソースの浪費を低減する。
段階504:無線アクセス装置は第1インジケーション情報をUEへ送信する。
無線アクセス装置は、第1インジケーション情報をMAC制御要素(Control Element、CE)またはRRCメッセージに追加してUEへ送信し得る、または、無線アクセス装置は、第1インジケーション情報を別のメッセージに追加してUEへ送信し得る、または、無線アクセス装置は別々に第1インジケーション情報を送信し得る。本実施形態に制限は課されない。
段階505:UEは、無線アクセス装置によって送信された第1インジケーション情報を受信する。
段階506:第1インジケーション情報が起動インジケーション情報であるとき、UEは処理操作を実行する、または、第1インジケーション情報が停止インジケーション情報であるとき、UEは処理操作を停止する。
別の可能な実装として、本発明の実施形態において、第1インジケーション情報が起動インジケーション情報であるときにUEが処理操作を実行する解決法は、第1インジケーション情報が停止インジケーション情報であるときにUEが処理操作を停止する解決法と並列であり、実行順序は限定されるものではないことに特に留意されたい。第1インジケーション情報が停止インジケーション情報であり、かつ、UEが処理操作を停止するとき、第1インジケーション情報が起動インジケーション情報であり、UEが処理操作を実行することは、任意選択可能な実装上の解決法である。同様に、第1インジケーション情報が起動インジケーション情報であり、かつ、UEが処理操作を実行するとき、第1インジケーション情報が停止インジケーション情報であり、UEが処理操作を停止することは、更なる任意選択可能な実装上の解決法である。例えば、UEによって受信された1つのインジケーション情報が起動インジケーション情報であるとき、UEは処理操作を実行する。または、UEによって受信された1つのインジケーション情報が停止インジケーション情報であるとき、UEの操作は限定されないことがあり得る。同様に、UEによって受信された1つのインジケーション情報が停止インジケーション情報であるとき、UEは処理操作を停止する。または、UEによって受信された1つのインジケーション情報が起動インジケーション情報であるとき、UEの操作は限定されないことがあり得る。
起動シナリオにおいて、起動インジケーション情報は、UEに、処理操作を実行するよう命令するために使用されるが、UEは、処理操作をいつ実行するかを決定できない。したがって、無線アクセス装置は、実行条件をUEへ送信し得て、その結果、UEは、実行条件に基づいて、処理操作をいつ実行するか決定する。
具体的には、無線アクセス装置は、実行条件をUEへ送信し、実行条件は、処理操作を実行するかどうかを決定するためにUEによって使用される。対応して、UEは、無線アクセス装置によって送信された実行条件を受信する。この場合、段階506における「UEは処理操作を実行する」は、「UEが実行条件を満たすとき、UEは処理操作を実行する」と置き換えられ得る。
実行条件は、信号品質閾値またはデータ量閾値を示すために使用され得る。例えば、実行条件が信号品質閾値を示す場合、信号品質が信号品質閾値より低いとき、UEは、処理操作を実行し、信号品質が信号品質閾値より高いとき、UEは、処理操作を実行しない、または、信号品質が信号品質閾値より高いとき、UEは、処理操作を実行し、信号品質が信号品質閾値より低いとき、UEは処理操作を実行しない。実行条件がデータ量閾値を示す場合、送信予定のアップリンクデータのデータ量がデータ量閾値より少ないとき、UEは処理操作を実行し、データ量がデータ量閾値より多いとき、UEは処理操作を実行しない、または、データ量がデータ量閾値より多いとき、UEは処理操作を実行し、データ量がデータ量閾値より少ないとき、UEは処理操作を実行しない。
起動シナリオにおいて、起動インジケーション情報は、UEに、処理操作を実行するよう命令するために使用されるが、UEは、複製操作をいつ実行するか、および、切替操作をいつ実行するかを決定できない。したがって、無線アクセス装置は、第1閾値をUEへ送信し得て、その結果、UEは、第1閾値に基づいて、複製操作または切替操作を実行することを決定する。
具体的には、無線アクセス装置は、第1閾値をUEへ送信する。対応して、UEは、無線アクセス装置によって送信された第1閾値を受信する。この場合、段階506における「UEは処理操作を実行する」は、「UEは送信予定のアップリンクデータのデータ量を決定する」に置き換えられ得て、データ量が第1閾値より少ないとき、UEは複製操作を実行し、データ量が第1閾値より多いとき、UEは切替操作を実行する、または、データ量が第1閾値より多いとき、UEは複製操作を実行し、データ量が第1閾値より少ないとき、UEは切替操作を実行する。
任意選択で、無線アクセス装置は、第1閾値を起動インジケーション情報に追加してUEへ送信し得る、または、無線アクセス装置は、第1閾値および起動インジケーション情報を共に別のメッセージに追加してUEへ送信し得る、または、無線アクセス装置は、第1閾値をUEへ別々に送信し得る。本実施形態に制限は課されない。
起動シナリオにおいて、起動インジケーション情報は、UEに、処理操作を実行するよう命令するために使用されるが、UEは、SRBに対応するリンクを選択して処理操作を実行すること、または、DRBに対応するリンクを選択して処理操作を実行することを決定できない。したがって、無線アクセス装置は更に、第2インジケーション情報をUEへ送信する必要があり、その結果、UEは、第2インジケーション情報に基づいて、SRBに対応するリンクを選択して処理操作を実行するか、または、DRBに対応するリンクを選択して処理操作を実行するかを決定する。
具体的には、無線アクセス装置は、第2インジケーション情報をUEへ送信し、第2インジケーション情報は、SRBおよび/またはDRBを示すために使用され、第2インジケーション情報は、第1インジケーション情報に関連する。対応して、UEは、無線アクセス装置によって送信された第2インジケーション情報を受信する。この場合、段階506における「UEは処理操作を実行する」は、「第2インジケーション情報がSRBを示すとき、UEはSRBに対応するリンクを選択して処理操作を実行する」、または、「第2インジケーション情報がDRBを示すとき、UEはDRBに対応するリンクを選択して処理操作を実行する」と置き換えられ得る。
任意選択で、第1インジケーション情報が起動インジケーション情報であるとき、第2インジケーション情報が第1インジケーション情報に関連しているということは、第2インジケーション情報が起動インジケーション情報において保持されることを意味し、この場合、無線アクセス装置は、第2インジケーション情報を起動インジケーション情報に追加してUEへ送信し得る、または、第2インジケーション情報が第1インジケーション情報に関連しているということは、第2インジケーション情報および起動インジケーション情報が同一メッセージにおいて保持されることを意味し、この場合、無線アクセス装置は、第2インジケーション情報および起動インジケーション情報を共に別のメッセージに追加してUEへ送信し得る、または、第2インジケーション情報が第1インジケーション情報に関連しているということは、第2インジケーション情報と第1インジケーション情報との間に対応関係があることを意味し、この場合、無線アクセス装置は、第2インジケーション情報をUEへ別々に送信し得る。本実施形態に制限は課されない。
無線アクセス装置とUEとの間で設定されるDRBは複数あってよく、処理操作は、いくつかのDRBに対応するリンクで実行される必要があり、処理操作は、他のDRBに対応するリンクで実行される必要はない。したがって、無線アクセス装置は更に、DRB識別子をUEへ送信する必要があり、DRB識別子は、第1インジケーション情報に関連し、その結果、UEは、DRB識別子に基づいて、対応するリンクが処理操作を実行するために選択される予定の特定のDRBを決定する。DRB識別子は、DRBを示すために使用される。
具体的には、本実装は更に、無線アクセス装置がDRB識別子をUEへ送信する段階を備える。対応して、UEは、無線アクセス装置によって送信されたDRB識別子を受信する。この場合、「UEはDRBに対応するリンクを選択して処理操作を実行する」は、「UEはDRB識別子によって示されるDRBに対応するリンクを選択して処理操作を実行する」と置き換えられ得る。
第1インジケーション情報が起動インジケーション情報であるとき、DRB識別子が第1インジケーション情報に関連しているということは、DRB識別子が起動インジケーション情報において保持されることを意味し、この場合、無線アクセス装置は、DRB識別子を起動インジケーション情報に追加してUEへ送信し得る、または、DRB識別子が第1インジケーション情報に関連しているということは、DRB識別子および起動インジケーション情報が同一メッセージにおいて保持されることを意味し、この場合、無線アクセス装置は、DRB識別子および起動インジケーション情報を共に別のメッセージに追加してUEへ送信し得る、または、DRB識別子が第1インジケーション情報に関連しているということは、DRB識別子と第1インジケーション情報との間に対応関係があることを意味し、この場合、無線アクセス装置は、DRB識別子をUEへ別々に送信し得る。本実施形態に制限は課されない。
同様に、無線アクセス装置とUEとの間で設定されるSRBは複数あってよく、処理操作は、いくつかのSRBに対応するリンクで実行される必要があり、処理操作は、他のSRBに対応するリンクで実行される必要はない。したがって、無線アクセス装置は更に、SRB識別子をUEへ送信する必要があり、SRB識別子は、第1インジケーション情報に関連し、その結果、UEは、SRB識別子に基づいて、対応するリンクが処理操作を実行するために選択される予定の特定のSRBを決定する。SRB識別子は、SRBを示すために使用される。
具体的には、本実装は更に、無線アクセス装置がSRB識別子をUEへ送信する段階を備える。対応して、UEは、無線アクセス装置によって送信されたSRB識別子を受信する。この場合、「UEはSRBに対応するリンクを選択して処理操作を実行する」は、「UEはSRB識別子によって示されるSRBに対応するリンクを選択して処理操作を実行する」と置き換えられ得る。
第1インジケーション情報が起動インジケーション情報であるとき、SRB識別子が第1インジケーション情報に関連しているということは、SRB識別子が起動インジケーション情報において保持されることを意味し、この場合、無線アクセス装置は、SRB識別子を起動インジケーション情報に追加してUEへ送信し得る、または、SRB識別子が第1インジケーション情報に関連しているということは、SRB識別子および起動インジケーション情報が同一メッセージにおいて保持されることを意味し、この場合、無線アクセス装置は、SRB識別子および起動インジケーション情報を共に別のメッセージに追加してUEへ送信し得る、または、SRB識別子が第1インジケーション情報に関連しているということは、SRB識別子と第1インジケーション情報との間に対応関係があることを意味し、この場合、無線アクセス装置は、SRB識別子をUEへ別々に送信し得る。本実施形態に制限は課されない。
無線アクセス装置がCAシナリオに適用されるとき、データ伝送システムは無線アクセス装置を含む。複製操作を実行する前に、UEは更に、どのサービングセルが複製操作をサポートするかを決定する必要がある。この実施形態において、複製操作をサポートするサービングセルを選択する3つの方式が提供される。以下では、3つの選択方式を別々に説明する。
(1)第1選択方式において、無線アクセス装置は、セル識別情報をUEへ送信する。対応して、UEは、無線アクセス装置によって送信されたセル識別情報を受信し、セル識別情報によって示されるサービングセルは、複製操作を実行するためのサービングセルである。
具体的には、無線アクセス装置は、セル識別情報を起動インジケーション情報に追加してUEへ送信し得る、または、無線アクセス装置は、セル識別情報および起動インジケーション情報を共に別のメッセージに追加してUEへ送信し得る、または、無線アクセス装置は、セル識別情報をUEへ別々に送信し得る。本実施形態に制限は課されない。
(2)第2の選択方式において、無線アクセス装置は、セル数および第2閾値をUEへ送信する。対応して、UEは、無線アクセス装置によって送信されたセル数および第2閾値を受信し、リンク信号品質が第2閾値より高いサービングセルを、複製操作を実行するためのサービングセルとして選択し、選択されたサービングセルの合計数は、セル数を超えない。
リンク信号品質が第2閾値より高いサービングセルが複製操作を実行し、複製操作を実行するサービングセルの合計数がセル数を超えないので、UEは、これら2つの条件に基づいて、複製操作を実行するためのサービングセルを選択する。
リンク信号品質が第2閾値より高いサービングセルの合計数がセル数を超えるとき、UEは、高いリンク信号品質から低いリンク信号品質の順序でサービングセルをソートし、上位に位置するサービングセルを選択し得る、または、UEは、サービングセルをランダムに選択し得る。ここで、選択されたサービングセルの合計数はセル数を超えない。
無線アクセス装置は、セル数および第2閾値を起動インジケーション情報に追加してUEへ送信し得る、または、無線アクセス装置は、セル数、第2閾値および起動インジケーション情報を共に別のメッセージに追加してUEへ送信し得る、または、無線アクセス装置は、セル数および第2閾値をUEへ別々に送信し得る。本実施形態に制限は課されない。
(3)第3の選択方式において、無線アクセス装置はダウンリンクデータをUEへ送信する。対応して、UEは、ダウンリンクデータをUEへ送信するサービングセルを、複製操作を実行するためのサービングセルとして決定する。
UEは、UEがダウンリンクデータを受信するサービングセルを、複製操作を実行するためのサービングセルとして決定する。
無線アクセス装置がDCシナリオまたはMCシナリオに適用されるとき、データ伝送システムは、マスタ無線アクセス装置および二次無線アクセス装置を備える。複数の異なる無線アクセス装置が、同一のSRBおよび/またはDRBを設定済みであり得る。したがって、複製操作を実行する前に、UEは更に、どの無線アクセス装置が複製操作をサポートするかを決定する必要がある。本実施形態において、複製操作をサポートする無線アクセス装置を選択する3つの方式が提供される。以下では、3つの選択方式を別々に説明する。
(1)第1の選択方式において、マスタ無線アクセス装置は、二次無線アクセス装置インジケーション情報をUEへ送信する。対応して、UEは、マスタ無線アクセス装置によって送信された二次無線アクセス装置インジケーション情報を受信し、二次無線アクセス装置インジケーション情報によって示された二次無線アクセス装置を、複製操作を実行するための無線アクセス装置として決定する。
具体的には、マスタ無線アクセス装置は、二次無線アクセス装置インジケーション情報を起動インジケーション情報に追加してUEへ送信し得る、または、マスタ無線アクセス装置は、二次無線アクセス装置インジケーション情報および起動インジケーション情報を共に別のメッセージに追加してUEへ送信し得る、または、マスタ無線アクセス装置は、二次無線アクセス装置インジケーション情報をUEへ別々に送信し得る。本実施形態に制限は課されない。
(2)第2の選択方式において、マスタ無線アクセス装置は、無線アクセス装置数および第3閾値をUEへ送信する。対応して、UEは、マスタ無線アクセス装置によって送信された無線アクセス装置数および第3閾値を受信し、リンク信号品質が第2閾値より高い無線アクセス装置を、複製操作を実行するための無線アクセス装置として選択し、選択された無線アクセス装置の合計数は、無線アクセス装置数を超えない。
リンク信号品質が第3閾値より高い無線アクセス装置が複製操作を実行し、複製操作を実行する無線アクセス装置の合計数が無線アクセス装置数を超えることができないので、UEは、これら2つの条件に基づいて、複製操作を実行するための無線アクセス装置を選択する。
リンク信号品質が第3閾値より高い無線アクセス装置の合計数が無線アクセス装置数を超えるとき、UEは、高いリンク信号品質から低いリンク信号品質への順序で、無線アクセス装置をソートし、上位に位置する無線アクセス装置を選択し得る、または、UEは、無線アクセス装置をランダムに選択し得る。ここで、選択された無線アクセス装置の合計数は、無線アクセス装置数を超えない。
マスタ無線アクセス装置は、無線アクセス装置数および第3閾値を起動インジケーション情報に追加してUEへ送信し得る、または、マスタ無線アクセス装置は、無線アクセス装置数、第3閾値および起動インジケーション情報を共に別のメッセージに追加してUEへ送信し得る、または、マスタ無線アクセス装置は、無線アクセス装置数および第3閾値をUEへ別々に送信し得る。本実施形態に制限は課されない。
(3)第3の選択方式において、マスタ無線アクセス装置は、ダウンリンクデータをUEへ送信する。対応して、UEは、ダウンリンクデータをUEへ送信する無線アクセス装置を、複製操作を実行する無線アクセス装置として決定する。
UEは、UEがダウンリンクデータを受信する無線アクセス装置を、複製操作を実行する無線アクセス装置として決定する。
無線アクセス装置がDCシナリオまたはMCシナリオに適用されるとき、データ伝送システムは、マスタ無線アクセス装置および二次無線アクセス装置を備える。複製操作を実行する前に、UEは更に、BSRを無線アクセス装置へ送信する必要があり、その結果、無線アクセス装置は、複製操作を実行するために使用されるアップリンクリソースをUEに割り当てる。本実施形態において、BSRを無線アクセス装置へ送信する4つの方式が提供される。以下では、4つの送信方式を別々に説明する。
(1)第1送信方式において、UEは、第1BSRをマスタ無線アクセス装置および各二次無線アクセス装置へ別々に送信し、第1BSRは、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と、複製操作を実行する無線アクセス装置の数とを乗算することによって取得される積、ならびに、マスタ無線アクセス装置および各二次無線アクセス装置に対応するそれぞれのRLC層におけるデータ量の和を含む。対応して、マスタ無線アクセス装置は、UEによって送信された第1BSRを受信し、UEのアップリンクリソース上で第1BSRを受信する各二次無線アクセス装置とネゴシエートする。
複製操作が実行されるとき、UEによって送信されたアップリンクデータは、マスタ無線アクセス装置のRLC層および各二次無線アクセス装置のRLC層の両方へ送信される。各二次無線アクセス装置のRLC層は、マスタ無線アクセス装置のPDCP層に関連する。したがって、マスタ無線アクセス装置に対応するBSRは、マスタ無線アクセス装置のPDCP層およびRLC層におけるデータ量の和を含み、各二次無線アクセス装置に対応するBSRは、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量、および、二次無線アクセス装置のRLC層におけるデータ量の和を含む。この場合、第1BSRは、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と、複製操作を実行する無線アクセス装置の数とを乗算することによって取得される積、ならびに、マスタ無線アクセス装置および各二次無線アクセス装置に対応するそれぞれのRLC層におけるデータ量の和を含む。無線アクセス装置はマスタ無線アクセス装置および二次無線アクセス装置を備える。
二次無線アクセス装置の数が1であると想定すると、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量は200バイトであり、マスタ無線アクセス装置のRLC層におけるデータ量は800バイトであり、二次無線アクセス装置のRLC層におけるデータ量は600バイトであり、第1BSR=2×200+800+600=1800バイトである。二次無線アクセス装置の数が2であると想定すると、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量は200バイトであり、マスタ無線アクセス装置のRLC層におけるデータ量は800バイトであり、二次無線アクセス装置1のRLC層におけるデータ量は600バイトであり、二次無線アクセス装置2のRLC層におけるデータ量は700バイトであり、第1BSR=2×200+800+600+700=2500バイトである。
第1BSRを生成した後に、UEは、第1BSRをマスタ無線アクセス装置および各二次無線アクセス装置へ別々に送信する。マスタ無線アクセス装置は、各無線アクセス装置が第1BSRに対応するアップリンクリソースをUEに割り当てることが原因で引き起こされる過剰なスケジューリングの問題を回避するべく、UEのアップリンクリソース上で第1BSRを受信する各二次無線アクセス装置とネゴシエートし、それにより、スケジューリングのリソースを節約する。図6において、UEが第1BSRをマスタ無線アクセス装置および1つの二次無線アクセス装置へ送信することは、説明のための例として使用され、マスタ無線アクセス装置は1000バイトのアップリンクリソースをUEに割り当て、二次無線アクセス装置は800バイトのアップリンクリソースをUEに割り当てる。
(2)第2送信方式において、UEは、マスタ無線アクセス装置によって送信されたULグラントを受信し、ULグラントによって示されたアップリンクリソース上で第2BSRをマスタ無線アクセス装置へ送信する。対応して、マスタ無線アクセス装置は、UEによって送信された第2BSRを受信し、第2BSRが、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と、複製操作を実行する無線アクセス装置の数とを乗算することによって取得された積、ならびに、マスタ無線アクセス装置および各二次無線アクセス装置のそれぞれのRLC層におけるデータ量の和を含むとき、マスタ無線アクセス装置は、第2BSRに基づいて、UEに割り当てられる予定のアップリンクリソースを決定し、マスタ無線アクセス装置によってUEに割り当てられたアップリンクリソースの量を、第2BSRにおいて示される量から減算して、要求されたアップリンクリソースの残存数を取得し、要求されたアップリンクリソースの残存数を二次無線アクセス装置へ送信し、要求されたアップリンクリソースの残存数は、二次無線アクセス装置に、UEに割り当てられる予定のアップリンクリソースを決定するよう命令するために使用される、または、第2BSRが、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と、各二次無線アクセス装置のRLC層におけるデータ量との和、および、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と、RLC層におけるデータ量との和の間の、より小さな値を含むとき、マスタ無線アクセス装置は、第2BSRに基づいて、UEに割り当てられる予定のアップリンクリソースを決定し、第2BSRを各二次無線アクセス装置へ転送し、第2BSRは、各二次無線アクセス装置に、UEに割り当てられる予定のアップリンクリソースを決定するよう命令するために使用される。
第2BSRを送信する前に、UEは更に、第2BSRを送信するために使用されるアップリンクリソースを決定する必要がある。あるシナリオにおいて、UEは、第2BSRを送信するために使用されるアップリンクリソースを無線アクセス装置に要求する。要求を受信した後に、無線アクセス装置は、ULグラントをUEへ送信する。UEは、ULグラントによって示されるアップリンクリソース上で第2BSRを送信する。代替的に、別のシナリオにおいて、アップリンクデータを送信するために使用される、UEによって無線アクセス装置に要求されるアップリンクリソースが残っているとき、UEは、残っているアップリンクリソース上で第2BSRを無線アクセス装置へ送信する。この場合、無線アクセス装置はマスタ無線アクセス装置、または、二次無線アクセス装置の1または複数、または、マスタ無線アクセス装置および二次無線アクセス装置のすべてであり得る。本実施形態に制限は課されない。
この送信方式において、UEが第2BSRをマスタ無線アクセス装置へ送信することは、説明のための例として使用される。この場合、第2BSRは、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と、複製操作を実行する無線アクセス装置の数とを乗算することによって取得される積、ならびに、マスタ無線アクセス装置および各二次無線アクセス装置のそれぞれのRLC層におけるデータ量の和を含む、または、第2BSRは、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と、各二次無線アクセス装置のRLC層におけるデータ量との和、および、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と、RLC層におけるデータ量との和の間の、より小さな値を含む。以下では、2つのタイプの第2BSRの実装を別々に説明する。
第2BSRが、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と、複製操作を実行する無線アクセス装置の数とを乗算して取得される積、ならびに、マスタ無線アクセス装置および各二次無線アクセス装置のそれぞれのRLC層におけるデータ量の和を含むとき、第2BSRの計算方式の詳細については、第1送信方式における説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
例えば、UEはまず、マスタ無線アクセス装置によって送信されたULグラントを受信し、二次無線アクセス装置の数は1であり、第2BSRにおける量は、第1送信方式において取得された1800バイトである。この場合、UEは、第2BSRをマスタ無線アクセス装置へ送信する。マスタ無線アクセス装置が1000バイトのアップリンクリソースをUEに割り当てることができるとマスタ無線アクセス装置が決定する場合、マスタ無線アクセス装置は、要求されたアップリンクリソースの残存数=1800−1000=800バイトと計算し、要求されたアップリンクリソースの残存数を二次無線アクセス装置へ送信し、その結果、図7において示されるように、二次無線アクセス装置は更に、800バイトのアップリンクリソースをUEに割り当てる。
二次無線アクセス装置の数が少なくとも2であるとき、マスタ無線アクセス装置は、要求されたアップリンクリソースの第1残存数を、複製操作を実行することが許容された二次無線アクセス装置の1つへ送信し得ることに留意されたい。二次無線アクセス装置は、要求されたアップリンクリソースの第1残存数に基づいて、二次無線アクセス装置がアップリンクリソースをUEに割り当てることができると決定し、アップリンクリソースの量を、要求されたアップリンクリソースの第1残存数から減算し、同様に、UEに割り当てられたアップリンクリソースの量が第2BSRによって示される量に到達するまで、要求されたアップリンクリソースの取得された第2残存数を残存する二次無線アクセス装置の1つへ送信する。代替的に、任意選択で、マスタ無線アクセス装置は更に、要求されたアップリンクリソースの残存数を、複製操作を実行する二次無線アクセス装置のすべて、または、いくつかへ送信し得て、その結果、二次無線アクセス装置のすべて、または、いくつかは、UEのアップリンクリソース上で互いにネゴシエートする。
第2BSRはまた、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と、各二次無線アクセス装置のRLC層におけるデータ量との和、および、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と、RLC層におけるデータ量との和の間の、より小さな値を含み得る。
二次無線アクセス装置の数が1であると想定すると、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量は200バイトであり、マスタ無線アクセス装置のRLC層におけるデータ量は800バイトであり、二次無線アクセス装置のRLC層におけるデータ量は600バイトであり、第2BSR=min{200+800,200+600}=800バイトである。マスタ無線アクセス装置は、800バイトのアップリンクリソースをUEに割り当て、次に、第2BSRを二次無線アクセス装置へ転送し、その結果、図8において示されるように、二次無線アクセス装置は、800バイトのアップリンクリソースをUEに割り当てる。
(3)第3の送信方式において、二次無線アクセス装置はULグラントをUEへ送信する。対応して、UEは、二次無線アクセス装置の1つによって送信されたULグラントを受信し、ULグラントによって示されるアップリンクリソース上で、第2BSRを二次無線アクセス装置へ送信する。対応して、マスタ無線アクセス装置は、二次無線アクセス装置の1つによって送信された、要求されたアップリンクリソースの残存数を受信することであって、要求されたアップリンクリソースの残存数は、二次無線アクセス装置によって、二次無線アクセス装置によってUEに割り当てられたアップリンクリソースの量を、第2BSRによって示される量から減算することによって取得される、受信すること、要求されたアップリンクリソースの残存数に基づいて、UEに割り当てられる予定のアップリンクリソースを決定すること、または、二次無線アクセス装置の1つによって送信された第2BSRを受信することであって、第2BSRは、UEによって二次無線アクセス装置へ送信される、受信すること、および、第2BSRに基づいて、UEに割り当てられる予定のアップリンクリソースを決定することを行う。
この送信方式において、UEが第2BSRを二次無線アクセス装置へ送信することは、説明のための例として使用される。この場合、この送信方式における二次無線アクセス装置は、第2送信方式におけるマスタ無線アクセス装置と同様であり、この送信方式におけるマスタ無線アクセス装置は、第2送信方式における二次無線アクセス装置と同様である。実装の詳細については、第2送信方式における説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
上記の3つの送信方式において、UEがBSRをマスタ無線アクセス装置および複数の二次無線アクセス装置へ送信するとき、ネットワーク側は、複製操作を実行する無線アクセス装置を明確にする必要があり、または、そうでない場合、ネットワーク側のネゴシエーションを実行できないことに留意されたい。
(4)第4の送信方式において、UEは、第3BSRをマスタ無線アクセス装置へ送信し、第4BSRを各二次無線アクセス装置へ送信し、第3BSRは、マスタ無線アクセス装置のPDCP層およびRLC層におけるデータ量の和を含み、第4BSRは、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量と、二次無線アクセス装置のRLC層におけるデータ量との和を含む。対応して、マスタ無線アクセス装置は、UEによって送信された第3BSRを受信し、第3BSRに基づいて、UEに割り当てられる予定のアップリンクリソースを決定する。
二次無線アクセス装置の数が1であると想定すると、マスタ無線アクセス装置のPDCP層におけるデータ量は200バイトであり、マスタ無線アクセス装置のRLC層におけるデータ量は800バイトであり、二次無線アクセス装置のRLC層におけるデータ量は600バイトであり、第3BSR=200+800=1000バイト、第4BSR=200+600=800バイトである。UEは、図9に示されるように、第3BSRをマスタ無線アクセス装置へ送信し、第4BSRを二次無線アクセス装置へ送信する。
無線アクセス装置がDCシナリオまたはMCシナリオに適用されるとき、データ伝送システムは、マスタ無線アクセス装置および二次無線アクセス装置を備える。複製操作が実行されるとき、UEは、それぞれのリンク上で各無線アクセス装置によって送信されたPDCP PDUを受信し、PDCPステータスレポートをマスタ無線アクセス装置へ送信する。対応して、マスタ無線アクセス装置は、UEによって送信されたPDCPステータスレポートを受信する。マスタ無線アクセス装置がPDCP PDUをUEへ送信するとき、マスタ無線アクセス装置は、マスタ無線アクセス装置のRLC層、および、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置のRLC層へ、UEによって正確に受信されたPDCP PDUに対応するSNを通知し、マスタ無線アクセス装置のRLC層、および、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置のRLC層に、RLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するよう命令する、または、マスタ無線アクセス装置がPDCP PDUをUEへ送信しないとき、マスタ無線アクセス装置は、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置のRLC層へ、UEによって正確に受信されたPDCP PDUに対応するシーケンス番号SNを通知し、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置のRLC層に、RLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するよう命令する。
UEは、PDCPステータスレポートをマスタ無線アクセス装置へ定期的に送信し得て、マスタ無線アクセス装置はXnインタフェースを通して、各二次無線アクセス装置をRLC層へ通知し得る。
マスタ無線アクセス装置および1つの二次無線アクセス装置がPDCP PDUをUEへ送信することは、説明のための例として使用される。例えば、マスタ無線アクセス装置のPDCP層は、5つのダウンリンク(Down Link、DL)パケットを受信し、PDCP PDU1/2/3/4/5を生成する。マスタ無線アクセス装置のPDCP層は、マスタ無線アクセス装置のRLC層/MAC層/PHY層を通してPDCP PDU1/2/3/4/5をUEへ送信し、マスタ無線アクセス装置のPDCP層は、二次無線アクセス装置のRLC層/MAC層/PHY層を通して、PDCP PDU1/2/3/4/5をUEへ送信する。UEがPDCP PDU1/4/5をマスタ無線アクセス装置から正確に受信し、かつ、PDCP PDU2/5を二次無線アクセス装置から正確に受信する場合、UEは、PDCP PDUを再ソートし、重複パケット検出を実行し、PDCP PDU1/2/4/5が正確に受信されたと決定する。この場合、UEは、SN1/2/4/5を有するPDCP PDUが正確に受信されたとマスタ無線アクセス装置に通知するために、PDCPステータスレポートをマスタ無線アクセス装置へ送信し得る。マスタ無線アクセス装置のPDCP層は、マスタ無線アクセス装置のRLC層へSNを通知し、その結果、マスタ無線アクセス装置のRLC層は、RLC層におけるSN1/2/4/5を有するPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止する。次に、マスタ無線アクセス装置のPDCP層は、Xnインタフェースを通して、二次無線アクセス装置のRLC層を通知し、その結果、二次無線アクセス装置のRLC層は、RLC層におけるSN1/2/4/5を有するPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止し、それにより、不必要なリソースの浪費を低減する。
無線アクセス装置がDCシナリオまたはMCシナリオに適用されるとき、データ伝送システムは、マスタ無線アクセス装置および二次無線アクセス装置を備える。複製操作が実行されるとき、UEは、無線アクセス装置のそれぞれのリンク上で、各PDCP PDUを無線アクセス装置へ送信する。対応して、マスタ無線アクセス装置は、PDCP PDUを受信し、PDCPステータスレポートをUEへ送信する。対応して、UEは、マスタ無線アクセス装置によって送信されたPDCPステータスレポートを受信する。無線アクセス装置がマスタ無線アクセス装置および二次無線アクセス装置を含むとき、PDCPステータスレポートは、UEに、マスタ無線アクセス装置に対応するRLC層、および、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置に対応するRLC層へ、正確に受信されたPDCP PDUに対応するSNを通知するよう命令するために、および、マスタ無線アクセス装置に対応するRLC層、および、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置に対応するRLC層に、RLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するよう命令するために使用される、または、無線アクセス装置が二次無線アクセス装置を含むとき、PDCPステータスレポートは、UEに、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置に対応するRLC層へ、正確に受信されたPDCP PDUに対応するSNを通知するよう命令するために、および、複製操作を実行する各二次無線アクセス装置に対応するRLC層に、RLC層において正確に受信されたPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するよう命令するために使用される。
マスタ無線アクセス装置はPDCPステータスレポートをUEへ定期的に送信し得る。
UEがPDCP PDUをマスタ無線アクセス装置および1つの二次無線アクセス装置へ送信することは、説明のための例として使用される。例えば、UEのPDCP層は、5個のULパケットを受信し、PDCP PDU1/2/3/4/5を生成する。UEのPDCP層は、マスタ無線アクセス装置に対応するRLC層/MAC層/PHY層を通して、PDCP PDU1/2/3/4/5をマスタ無線アクセス装置へ送信し、UEのPDCP層は、二次無線アクセス装置に対応するRLC層/MAC層/PHY層を通して、PDCP PDU1/2/3/4/5を各二次無線アクセス装置へ送信する。マスタ無線アクセス装置がPDCP PDU1/4/5を正確に受信する場合、二次無線アクセス装置は、PDCP PDU2/5を正確に受信し、二次無線アクセス装置は更に、Xnインタフェースを通して、正確に受信されたPDCP PDU2/5をマスタ無線アクセス装置へ転送し、マスタ無線アクセス装置のPDCP層は、受信されたPDCP PDUを再ソートし、重複パケット検出を実行し、PDCP PDU1/2/4/5が正確に受信されたと決定する。この場合、マスタ無線アクセス装置は、SN1/2/4/5を有するPDCP PDUが正確に受信されたことを通知するために、PDCPステータスレポートをUEへ送信し得る。UEのPDCP層は、マスタ無線アクセス装置に対応するRLC層へSNを通知し、RLC層におけるSN1/2/4/5を有するPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するようRLC層に命令する。次に、UEのPDCP層は、二次無線アクセス装置に対応するRLC層を通知し、RLC層におけるSN1/2/4/5を有するPDCP PDUに対応するRLC PDU ARQを停止するようRLC層に命令し、それにより、不必要なリソースの浪費を低減する。
結論として、本発明の本実施形態において提供されるデータ伝送方法によれば、UEが複製操作を実行するとき、UEは、複数のリンクを通して同一のデータを伝送する。このように、複数のリンクにおける比較的高いリンク信号品質を有するリンクが使用され得て、これにより、データ伝送の信頼性を改善する。UEが切替操作を実行するとき、UEは、複数のリンクから1つを選択する。選択されたリンクは一般に、比較的高い品質を有する。したがって、データ伝送の信頼性も改善できる。これにより、既存の技術において、単一リンクのみを通してデータを伝送でき、URLLCデータ伝送信頼性を保証できないという問題を解消し、URLLCサービス要件が満たされる。
実行される必要がある処理操作が無いとき、マスタ無線アクセス装置は停止インジケーション情報をUEへ送信し、処理操作を停止するようUEに命令し、それにより、処理操作を通して実行されるデータ伝送によって引き起こされる追加のリソースオーバーヘッドを低減する。
UEは能力情報を無線アクセス装置へ送信して、UEが処理操作をサポートするかどうかを示す。無線アクセス装置は、処理操作をUEがサポートすると決定した後に、第1インジケーション情報をUEへ送信し、それにより、UEが処理操作をサポートしないときに第1インジケーション情報をUEへ送信することによって引き起こされるリソースの浪費を回避する。
図10は、本発明の実施形態に係るデータ伝送機器のブロック図である。データ伝送機器は、ソフトウェア、ハードウェア、または、ソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせを使用することによって、UEの全体または一部として実装され得る。データ伝送機器は、受信ユニット1010および実行ユニット1020を備え得る。
受信ユニット1010は、段階505の機能を実装するよう構成される。
実行ユニット1020は、段階506の機能を実装するよう構成される。
任意選択で、データ伝送機器は更に、段階501の機能を実装するよう構成される第1送信ユニットを備え得る。
任意選択で、データ伝送機器は更に、ダウンリンクデータをUEへ送信するサービングセルを、複製操作を実行するためのサービングセルとして決定するよう構成される第1決定ユニットを備え得る。
任意選択で、データ伝送機器は更に、ダウンリンクデータをUEへ送信する無線アクセス装置を、複製操作を実行するための無線アクセス装置として決定するよう構成される第2決定ユニットを備え得る。
関連する詳細については、図5に説明されている方法の実施形態を参照されたい。
受信ユニット1010は、UEにおける送受信機によって実装され得て、実行ユニット1020、第1決定ユニットおよび第2決定ユニットは、UEにおけるプロセッサによって実装され得ることに留意されたい。
図11は、本発明の実施形態に係るデータ伝送機器のブロック図である。データ伝送機器は、ソフトウェア、ハードウェア、または、ソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせを使用することによって、マスタ無線アクセス装置の全体または一部として実装され得る。データ伝送機器は生成ユニット1110および送信ユニット1120を備え得る。
生成ユニット1110は、段階503の機能を実装するよう構成される。
送信ユニット1120は、段階504の機能を実装するよう構成される。
任意選択で、データ伝送機器は更に、二次無線アクセス装置によって送信されたSRBの設定情報を受信するよう構成される第1受信ユニットを備え得る。
任意選択で、データ伝送機器は更に、段階502の機能を実装するよう構成される第2受信ユニットを備え得る。
関連する詳細については、図5に説明される方法の実施形態を参照されたい。
生成ユニット1110は、マスタ無線アクセス装置におけるプロセッサによって実装され得て、送信ユニット1120、第1受信ユニットおよび第2受信ユニットは、マスタ無線アクセス装置における送受信機によって実装され得ることに留意されたい。
当業者であれば、本明細書において開示された実施形態で説明された例と組み合わせて、各ユニットおよび各アルゴリズムステップが、電子的ハードウェアまたはコンピュータソフトウェアと電子的ハードウェアとの組み合わせによって実装され得ることを認識するであろう。これらの機能がハードウェアで実行されるのか、またはソフトウェアで実行されるのかは、技術的解決法の特定の用途および設計制約条件によって決まる。
当業者であれば明確に理解し得るように、説明を便利かつ簡潔にするために、上記の機器およびユニットの詳細な動作プロセスについては、上述した方法の実施形態における対応するプロセスを参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
本願において提供される実施形態において、開示された機器および方法は他の方式で実装され得ることを理解されたい。例えば、説明される機器の実施形態は例に過ぎない。例えば、ユニットの分割は、論理的な機能の分割に過ぎないことがあり得て、実際の実装においては、他の分割があり得る。例えば、複数のユニットもしくはコンポーネントが組み合わされても、または別のシステムに統合されてもよく、あるいは一部の機能が無視されてもまたは実行されなくてもよい。
別個の部分として説明されたユニットは、物理的に分かれていてもいなくてもよく、ユニットとして表示された部分が物理的ユニットであってもなくてもよく、1か所に配置されてもよく、または複数のネットワークユニットに分散されてもよい。これらのユニットの一部またはすべてが、実際の要件に基づいて選択され、実施形態の解決法の目的を実現してよい。
上記の説明は、本発明の単なる特定の実装に過ぎず、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。本発明において開示された技術的範囲内において、当業者が容易に考え出すいかなる変形例または置換例も、本発明の保護範囲に含まれることになる。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に記載の保護範囲によって決まることになる。