JP6912057B2 - ヤットコ - Google Patents

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Description

本発明は、架線工事等の高所作業に用いられる遠隔操作棒に取り付け可能な先端工具としてのヤットコに関するものである。
図10に示したのは、従来の遠隔操作用ヤットコ100である。遠隔操作用ヤットコ100は、先端工具であるヤットコ101を支持するための主軸102と、ヤットコ101の開閉操作のための操作軸103とを備えている。
ヤットコ101を構成する固定片101a側が主軸102と一体に固定され、可動片101b側は操作軸103と連結されている。これにより、主軸102を支えて操作軸103を操作することにより、遠隔位置から先端に取り付けたヤットコ101を開閉操作することが可能となる。図示しないが、操作軸103を手元側に備えた操作レバーに連結すると、操作レバーの握り具合によって可動片101bを開閉操作できるので、直感的な作業が可能となる。このような遠隔操作用ヤットコ100については、例えば、特許文献1に記載がある。
一方、ロボットハンドの分野では、図11に示すようなワーク把持装置200の構成が知られている(特許文献2)。
図10に示した遠隔操作用ヤットコ100の構成とは異なり、開閉機構に送りネジ203が利用されている。図11の構成では、2つの可動片201がネジ軸203bを中心として対称に配置されている。それぞれの可動片201には連結片202が連結されており、これらの連結片202が共に送りネジ203を構成するナット203aに連結されている。このように構成されているので、ナット203aが螺合されているネジ軸203bを回転制御することによりナット203aを上下動させ、このナット203aに連結された可動片201を開閉操作することが可能である。
特開2011−097785号公報 特開2009−297886号公報
ところで、近年では、架線工事などの現場において、労力の低減のために、電動機の回転動力を利用した手持ち工具が多く利用されている。よって、上述の図11に示したような構成の把持機構を遠隔操作用のヤットコに転用することも考えられる。
しかしながら、架線工事などで用いられるヤットコは把持対象が重量物であることが多く、安全に把持するためには、大きな把持力を発生させる必要がある。
一方、工事現場で用いられるようなドリルドライバーは、高トルク仕様のものが多いので、大きな把持力を得るという点においては適している。ただし、送りネジ機構のナットを小刻みに移動させるような用途においては、穴あけ又は締付の目的に利用する場合とは異なり微妙な力加減が必要とされるので取り扱いが難しい。
特に、サーボモータを用いて回転制御が行われるロボットハンドとは異なり、汎用の回転工具を用いてネジ軸を回転制御し、視認性の良くない遠隔位置にある小さなナットの位置を調節する作業には熟練を要する。
また、遠隔操作の負担を軽減させるために、先端工具はできるだけ軽量に構成するのが望ましい。したがって、ネジ軸を必要以上に長く設定することができない。そのため、ナットの終端位置を規定するナット止めが必須となる。しかし、ナット止めで規定された小さい可動範囲内でナットを送ると、慎重に操作を行っても、ナットが終端位置のナット止めに突き当たってしまう頻度が高くなる。この場合、高トルクの回転工具であれば、ボルトを締結するときのように、ナットがロックされてしまう可能性もある。さらに、ロック状態を解除するために逆転させる場合、急激に解除されると、可動片が予想外の動きをしてしまう恐れがあり安全性が問題となる。
そこで、本発明では、ドリルドライバー等の回転工具を利用することができ、且つ、ロックが生じ難いヤットコを提供することを目的とする。リンク機構ではなく回転により遠方から伝達駆動することで、作業する上で安全で、またドリルドライバー等を用いた作業が容易になる。
上記目的を達成するために、本発明のヤットコは、固定片及び可動片を有し、送りネジの直線運動を利用して前記可動片を開閉操作するヤットコであって、前記送りネジを構成するネジ軸と、前記ネジ軸に螺合配置され前記可動片に連結されるナットと、前記ナットの可動範囲を規定するために前記ネジ軸上に配置されたナット止部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明のヤットコは、上記構成に加えて、前記ネジ軸と前記ナットと前記ナット止部の少なくとも2つの間に、摩擦を低減する摩擦低減構造を有していることを特徴とする。
また、本発明のヤットコは、上記構成に加えて、前記ナット止部は、少なくとも前記ナットと接触する部分が、前記ネジ軸の軸周りに回転可能に設けられていることを特徴とする。
また、本発明のヤットコは、上記構成に加えて、前記ナット止部は、前記ネジ軸と一体に軸回転するように配置され、前記ナットと対向する領域に、少なくとも1つの凸部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明のヤットコは、上記構成に加えて、前記ナット止部は、前記ネジ軸と一体に軸回転するように配置されており、前記ナットは、前記ナット止部と対向する領域に、少なくとも1つの凸部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明のヤットコは、上記構成に加えて、前記固定片は、前記ネジ軸と交差する方向へ前記ネジ軸の基端側から延設されたベース上に立設されていることを特徴とする。
また、本発明のヤットコは、上記構成に加えて、前記固定片は、先端側へ向かうに連れて前記ネジ軸との間隔が開く方向へ延びるように前記ネジ軸の基端側から延設されたベース上に立設されていることを特徴とする。
以上のように本発明によれば、ナット止部によりナットの可動範囲が規定されるので、
ネジ軸を可動範囲と同程度の長さに設定することができ、軽量化が図られる。
また、本発明によれば、上記効果に加えて、ナット止部に当接するまでナットを移動させた場合であっても、ネジ軸とナット止部、又は、ナット止部とナットとの間の少なくとも一方の接触摩擦が低減されるので、ネジ軸に対するナットの固着を防止することが可能となる。
また、本発明によれば、上記効果に加えて、ナット止部に当接する位置に達したナットは、ネジ軸が逆回転した際に、ネジ軸の軸周りに回転可能に設けられているナット止部の一部と供回りできるので、ネジ軸に対してナットが固着することなく、反転方向への移動が容易になる。
また、本発明によれば、上記効果に加えて、ナット止部には、ナットと対向する領域に少なくとも1つの凸部が形成されているので、ナット止部とナットとは互いに対向する投影領域よりも小さい領域で接触する。これにより、両者間の接触抵抗は小さくなるので、ナット止部に当接する位置に達したナットは、ネジ軸が逆回転した際に、容易に反転方向へ移動できる。
また、本発明によれば、上記効果に加えて、ナットには、ナット止部と対向する領域に少なくとも1つの凸部が形成されているので、ナットとナット止部とは互いに対向する投影領域よりも小さい領域で接触する。これにより、両者間の接触抵抗は小さくなるので、ナット止部に当接する位置に達したナットは、ネジ軸が逆回転した際に、容易に反転方向へ移動させることが可能となる。
また、本発明によれば、上記効果に加えて、固定片がネジ軸に対してオフセット配置されるので、ネジ軸近傍に回転機構を有する操作棒を連結すると、固定片及び可動片が操作軸からオフセット配置される。これにより、上下方向に並んだ障害物との干渉を回避して、下方から把持対象に適切な力で支えることが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係るヤットコの全体斜視図である。 図1のヤットコの動作を示しており、(a)は開状態、(b)は閉状態を示した図である。 図1のネジ軸の上端側周辺の拡大斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係るヤットコのネジ軸上端側周辺の拡大正面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るヤットコのネジ軸上端側周辺の拡大正面図である。 本発明の第4の実施の形態に係るヤットコのネジ軸周辺の拡大正面図である。 本発明の第5の実施の形態に係るヤットコのネジ軸周辺の拡大正面図である。 本発明の第6の実施の形態に係るヤットコのネジ軸周辺の拡大正面図である。 本発明の第7の実施の形態に係るヤットコの正面図である。 従来の遠隔操作用ヤットコを示す図である。 従来のワーク把持装置を示す図である。
以下、本発明に係るヤットコについて図を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るヤットコ1の全体斜視図を示している。この
ヤットコ1は、固定片1aと、これに相対回転可能に軸支された可動片1bとを有し、以下で説明する送りネジ部2から得られる直線運動を利用して円弧運動をする可動片1bを開閉操作できる構成となっている。したがって、二点鎖線で示したような回転力を伝達できる遠隔操作棒50を連結すると、架線工事などの遠隔操作用として使用することができる。
固定片1aと送りネジ部2とは、ベース8上に一体構成されている。このベース8を介した送りネジ部2の下方には外部からの回転力を内側の入力軸9aで受ける回転入力部9が設けられており、上述のような回転機構を内蔵した遠隔操作棒50から回転力を受けることができる。この回転入力部9は、アダプタを用いれば回転工具を近傍で接続することもできるので、作業内容に応じて柔軟な使い分けが可能である。
回転入力部9の入力軸9aはネジ軸4と同軸に構成されている。このネジ軸4にはナット3がネジ対偶で螺合配置されている。したがって、入力軸9aから伝達される回転力によりネジ軸4が回転することによりナット3を上下動させることができる。
ナット3と可動片1bとは連結片7により連結されている。このように構成されているので、外部から入力される回転力によりネジ軸4、ナット3及び連結片7を介してヤットコ1の可動片1bを開閉操作することができる。次に、このヤットコ1の動作について図2を用いて説明する。
図2は図1のヤットコ1の動作を示しており、(a)は開状態を、(b)は閉状態を示している。
まず図2(a)を参照して、本実施の形態に係るヤットコ1の構成では、ネジ軸4の回転によりナット3が持ち上がると可動片1bが開く。図2(a)ではナット3がネジ軸4の上端に設けられた先端側ナット止部5に当接する終端位置まで持ち上がっているので、可動片1bは全開状態である。図2において、ナット3と可動片1bとを連結する連結片7上には、力の伝達方向を示すための一点鎖線を示した。また、可動片1b上には、同様に、連結片7との連結箇所と可動片1bの回動中心である支点1cとを結ぶように一点鎖線を示した。これら2本の一点鎖線の間の角αは、略直角になっており、開状態において最も力の伝達効率が良い角度に設定されているのが分かる。
次に図2(b)を参照して、支点1cと操作端1d側とを結ぶ一点鎖線と、連結片7に沿った一点鎖線との間の閉状態における角βは、図2(a)の状態よりも開かれて90度よりも大きくなっているのが見て取れる。
つまり、本実施の形態に係るヤットコ1は、閉状態に近づくにつれて把持力が徐々に低減される構成になっている。このように構成されているので、必要以上に強大な力で挟圧することを抑止し、把持対象に損傷が生じるのを防止することが可能である。また、連結片7はネジ対偶に配置されたナット3に連結されているので、緩やかな把持状態であっても緩みが生じ難く、安全に作業を行うことが可能である。
ヤットコ1の入力軸9aを回転させるには、工事現場などで多用されているドリルドライバーなどの回転工具を利用することができる。本来穴あけなどの用途に用いられるドリルドライバーは、高トルクの出力が可能である。したがって、予め入力軸9aを回転させるために、適度なトルクの設定をしていなかったり、作業者の熟練度が低いために力加減がうまくいかない場合などに、ナット3が先端側ナット止部5に対して勢いよく突き当たる場合も考えられる。
そうすると、ナット3がネジ軸4に対して締結されてロック状態となる可能性がある。このような問題に対して、本発明のヤットコ1では、ネジ軸4に対してナット3がロックしないように、両者の間に摩擦低減構造が用いられている。なお、本発明に係るヤットコ1では、後述する実施の形態を含めて開示するように、摩擦低減構造は、ネジ軸4とナット3とナット止部の少なくとも2つの間に配置若しくは形成されていればよい。続いて、この摩擦低減構造について図3を用いて説明する。
図3は、図1のネジ軸4の上端側周辺を示した拡大斜視図である。ここでは、ネジ軸4側の構造が理解し易いように、ナット3及び連結片7を仮想線(二点鎖線)で表している。また、ネジ軸4の回転方向を矢印A、Bで示している。
本実施の形態に係るヤットコ1の送りネジ部2では、先端側ナット止部5は、ネジ軸4の周りに回転自在に設けられた回転部5aと、ネジ軸4に締結固定される締結部5bとから構成されている。なお、締結部5bは、ネジ軸4に対して固定されていればよく、固定方法は締結だけに限定されるものではない。図3では説明の便宜のため、回転部5a側に斜線を施し、両者を区別し易いように表している。
図3では、ナット3が先端側ナット止部5に当接する位置まで持ち上げられている状態が示されている。上述のように、ナット3が先端側ナット止部5に対して大きな力で押し付けられると、一般的なボルトとナットでは締結固定の状態となる。しかし、本実施の形態に係る先端側ナット止部5は、ネジ軸4の周りに回転自在である回転部5aとナット3とが当接している。このため、ネジ軸4が図3に示すように矢印Aの方向(平面視で時計回りの方向。すなわち、ナット3が上昇する方向)に回転操作されてナット3が回転部5aに突き当たった場合であっても、矢印Bの方向へ逆回転される際、ナット3に当接している回転部5aに対して締結部5bは相対回転可能であるので、締結部5bが締結されているネジ軸4は比較的小さな力で反転可能となる。
このように、本実施の形態に係るヤットコ1では、先端側ナット止部5を介してナット3からネジ軸4へ繋がる力の伝達経路に摩擦を低減する構造(回転部5aと締結部5bとの間の相対回転可能な構造)が設けられているので、ネジ軸4に対してナット3がロックするのを防止できる。そして、終端位置からのナット3の反転操作がスムーズであれば、不用意に可動片1bが急激な動きをすることを防止できるので、作業の安全性が向上する。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について、図4を用いて説明する。
図4は、第2の実施の形態に係るヤットコのネジ軸4上端側周辺の拡大正面図を示している。なお、第1の実施の形態に係るヤットコ1と同一の構成については同一符号を付して説明する。ここでも図3の場合と同様に、ネジ軸4側の構造が理解し易いように、ナット3及び連結片7を仮想線で表している。
本実施の形態に係る送りネジ部22において、先端側ナット止部25の構成が第1の実施の形態とは異なっている。先端側ナット止部25には、図3の先端側ナット止部5のように、ネジ軸4周りに回転自在となる回転部5aに相当する構成を有していない。先端側ナット止部25は全体がネジ軸4と一体となって回転する。
ここで、図4を詳しく見ると、先端側ナット止部25の下方には、ナット3と対向する領域内に受け側凸部25a(斜線を施した部分)が形成されているのが分かる。本実施の形態に係る受け側凸部25aはナット3側に略半球形状に突出形成されている構造である
。このため、ナット3に対しては点で接触する。これにより、ナット3が先端側ナット止部25と当接した状態で、ナット3を下方へ反転移動させる際、すなわち、ネジ軸4を逆回転させる際、ネジ軸4と一体となって回転する先端側ナット止部25の受け側凸部25aは、それらの頂点でナット3上を滑る。したがって、本実施の形態に係るヤットコでは、受け側凸部25aが摩擦低減構造と言える。
このように、本実施の形態に係る送りネジ部22においては、ナット3から先端側ナット止部25を介したネジ軸4までの力の伝達経路のうち、先端側ナット止部25に、ナット3との摩擦を低減する構造が設けられている。よって、第1の実施の形態に係る構成と同様に、ネジ軸4に対してナット3がロックするのを防止することができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について、図5を用いて説明する。
図5は、第3の実施の形態に係るヤットコのネジ軸上端側周辺の拡大正面図を示している。なお、第1の実施の形態に係るヤットコ1と同一の構成については、同一符号を付して説明する。
本実施の形態に係る送りネジ部42において、ナット43及び先端側ナット止部45の構成が第1の実施の形態とは異なっている。先端側ナット止部45には、図1の先端側ナット止部5のように、ネジ軸4周りに回転自在となる回転部5aに相当する構成を有していない。第2の実施の形態同様、先端側ナット止部45はネジ軸4と一体となって回転する。
ここで、図5を詳しく見ると、ナット43の上方には、先端側ナット止部45と対向する領域内にナット側凸部43a(斜線を施した部分)が形成されているのが分かる。本実施の形態に係るナット側凸部43aは先端側ナット止部45側に略半球形状に突出形成されている構造である。このため、先端側ナット止部45に対しては点で接触する。これにより、ナット43が先端側ナット止部45に当接した状態で、ナット43を下方へ反転移動させる際、すなわち、ネジ軸4を逆回転させる際、ネジ軸4と一体となって回転する先端側ナット止部45は、ナット43の凸部43aの頂点上を滑る。したがって、本実施の形態に係るヤットコでは、ナット側凸部43aが摩擦低減構造と言える。
このように、本実施の形態に係る送りネジ部42においては、ナット43から先端側ナット止部45を介したネジ軸4までの力の伝達経路のうち、ナット43に、先端側ナット止部45との摩擦を低減する構造が設けられている。よって、第1の実施の形態に係る構成と同様に、ネジ軸4に対してナット43がロックするのを防止することができる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について、図6を用いて説明する。
図6は、第4の実施の形態に係るヤットコのネジ軸周辺の拡大正面図を示している。なお、第1の実施の形態に係るヤットコ1と同一の構成については、同一符号を付して説明する。
本実施の形態に係る送りネジ部52において、ナット53及び先端側ナット止部55の構成が第3の実施の形態とは異なっている。先端側ナット止部55には、図5のナット43の上面に形成されていたナット側凸部43aに相当するナット側凸部53a(図中の斜線部分)を備えていることに加えて、上下方向に対象となる位置にも、ナット側凸部53
b(図中の斜線部分)が形成されている。これらナット側凸部53a、53bは、ともに、半球状の突起構造である。
本実施の形態に係る先端側ナット止部55は、第3の実施の形態に係る先端側ナット止部45と同様にネジ軸4と一体となって回転する構成となっており、ナット53が上方で突き当たった際、ナット側凸部53aが摩擦低減構造として作用する。すなわち、点接触する半球状の突起構造の頂点で接するので、ナット53に対して先端側ナット止部55は周方向へ滑りやすい構成となっている。
一方、ネジ軸4の基端側には基端側ナット止部56が設けられている。この基端側ナット止部56も上述の先端側ナット止部55と同様に、ネジ軸4と一体となって回転する構成となっている。したがって、ナット53は、降下した際、下方のナット側凸部53bを介して基端側ナット止部56と当接する。ナット53は、反転操作により上昇する際、摩擦低減構造であるナット側凸部53bの頂点が基端側ナット止部56上を相対的に滑ることによって固着を防ぎ、スムーズに基端側ナット止部56から離間することが可能である。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について、図7を用いて説明する。
図7は、第5の実施の形態に係るヤットコのネジ軸周辺の拡大正面図を示している。なお、第1の実施の形態に係るヤットコ1と同一の構成については、同一符号を付して説明する。
本実施の形態に係る送りネジ部62において、ネジ軸4の下方に基端側ナット止部66が設けられている構成が第1の実施の形態とは異なっている。この基端側ナット止部66は、先端側ナット止部5の回転部5aと同様に、ネジ軸4周りに回転自在の状態で配置されている。したがって、基端側ナット止部66は下降してくるナット3に対して、回転部5a同様に摩擦低減構造となる。これら回転部5a及び基端側ナット止部66は、説明の便宜のため斜線を施して図示されている。
このように、本実施の形態に係る送りネジ部62においては、ナット3から先端側ナット止部5及び基端側ナット止部66を介したネジ軸4までの力の伝達経路のうち、先端側ナット止部5及び基端側ナット止部66とネジ軸4との間の摩擦力を低減する構造が設けられている。よって、第1の実施の形態に係る構成に加えて、可動片1b(図2参照)の閉状態位置においても、ネジ軸4に対するナット3のロックを防止することができる。
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態について、図8を用いて説明する。
図8は、第6の実施の形態に係るヤットコのネジ軸周辺の拡大正面図を示している。なお、第1の実施の形態に係るヤットコ1と同一の構成については、同一符号を付して説明する。
本実施の形態に係る送りネジ部72は、第5の実施の形態において示した送りネジ部62の先端側ナット止部5に相当する先端側ナット止部75を備えると共に、基端側ナット止部66に相当する基端側ナット止部76を備えている。
しかし、本実施の形態に係る先端側ナット止部75において、ネジ軸4に締結される締結部75bを中心に回転自在に配置されている回転部75aの下面には、受け側凸部75
cが少なくとも2箇所に形成されている。したがって、ナット3が上方へ移動し、先端側ナット止部75に突き当たった際、ナット3は受け側凸部75cの頂点で接する。
このように構成されているので、第5の実施の形態の構成と同様に、ナット3が先端側ナット止部75に当接した場合であっても、受け側凸部75cを介してナット3と接する回転部75aが、ネジ軸4に締結された締結部75bに対して回転自在であるため、反転操作を行う際、ネジ軸4の回転の妨げとはならない。
また、注油不足などの原因により回転部75aが締結部75bに固着してしまった場合であっても、本実施の形態に係る構成では、ナット3と先端側ナット止部75とは、回転部75aの下面側に形成された複数の受け側凸部75cの頂点のみで接しているので、接触抵抗は小さい。
これにより、回転部75aは、ナット3の上面を受け側凸部75cの頂点で滑ることにより、ネジ軸4とスムーズに供回りすることができる。
このように、本実施の形態に係る構成では、締結部75bと回転部75aとの間、及び、受け側凸部75cとナット3との間のそれぞれに摩擦低減構造を有しているので、少なくとも一方の摩擦低減構造が作用すれば、ナット3の固着を確実に防止することが可能となる。
さらに、図8の構成では、基端側ナット止部76の上面にも少なくとも2箇所に受け側凸部76aが形成されている。したがって、先端側ナット止部75について上述したのと同様に、ネジ軸4と基端側ナット止部76との間、及び、ナット3の下面と受け側凸部76aとの間のそれぞれに摩擦低減構造を有しており、基端側においても確実にナット3の固着を回避できる構成となっている。
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態について、図9を用いて説明する。なお、上記の各実施の形態に係るヤットコと同一の構成については、同一符号を付して説明する。
図9は、第7の実施の形態に係るヤットコ91の正面図である。第1の実施の形態に示したヤットコ1に対してヤットコ91はベース98の形状が異なっている。ネジ軸4と交差する方向へ延びるように配置されている点においてはヤットコ1のベース8(図1参照)と同様であるが、ヤットコ91では、ネジ軸4の先端側へ向けて傾斜して形成されている点が異なっている。
このように、遠隔操作棒50(図1参照)を連結する回転入力部9からオフセットして固定片1aを配置すると、第1の実施の形態のヤットコ1と同様に、例えば、上下方向に配置された複数の電線に対して、下方の電線と干渉することなく上方の電線に対する操作を容易に行うことができる。
すなわち、斜め方向から遠隔操作棒50を伸ばして操作するのではなく、下方から把持又は持ち上げといった操作をすることができるので、遠隔操作棒50を振り回す際の回転モーメントを最小限に抑えた取り回しが可能となり作業者の負担を軽減できる。
特に、本実施の形態に係る構成のように、ベース98が斜め上方に向かって形成されていると、下方に配置された電線などの障害物を避けて水平方向へ差し込む際に干渉が生じ難いので、より安全に操作することができる。
以上に述べてきたように、本発明の各実施の形態に係る構成によれば、可動片1bの可動範囲がネジ軸4上に設けたナット止部により規定される。また、ナットとナット止部の間には摩擦低減構造が形成されている。したがって、規制のために可動片1bに直接突き当てるストッパ部材のような構成を設ける必要がない。すなわち、開閉動作に伴う可動片1bへの衝撃や損傷を防止できるので、耐久性及び安全性の向上が図られる。また、開閉動作に伴う衝撃や損傷の生じる可能性のあるナット止部は、可動片1bに比べて低コストで交換可能であることから、メンテナンスのコスト削減も可能である。
なお、以上に述べてきた構成は、本発明の一例であり、以下のような変形例も含まれる。
上記の第1の実施の形態では、可動片1bと連結片7とが全開となる状態において略直角の配置が形成される構成を例として示した。このように構成すると、全開状態である先端側のナット止部5と接する位置において最も力の伝達効率が良くなる。すなわち、上方の先端側のナット止部5とナット3との固着解除を容易にすること、または、可動片1bを閉じた際に把持対象を保護することに着目すれば、可動片1bと連結片7とが全開となる状態において互いに直交する方向に配置され、可動片1bが閉じると共に徐々に可動片1bと連結片7とのなす角が大きくなるように設定するのが望ましい。しかし、これは必須の構成ではなく、把持する対象に応じて、力の伝達効率が最大となる位置を全開位置以外に設定しても構わない。
上記の第2の実施の形態では、受け側凸部25aは、先端側ナット止部25に複数形成されている構成を例として示した。しかし、少なくとも1箇所形成されていれば、先端側ナット止部25とナット3との間の摩擦力は大幅に低減することが可能である。
上記の第2の実施の形態では、受け側凸部25aは略半球形状に形成されている構成を例として示した。しかし、半球形状に限らず、ナット3と先端側ナット止部25とが互いに対向する領域よりも小さい範囲で突出形成される構成であれば、例えば円錐型やリング状などの他の形状であっても構わない。第3の実施の形態におけるナット側凸部43aも同様である。
上記の第2及び第3の実施の形態では、ネジ軸4の上端側に摩擦低減構造が設けられている構成を例として示した。しかし、ネジ軸4の基端側にも摩擦低減構造が設けられていても構わない。
上記の第2及び第3の実施の形態では、先端側ナット止部25及び45は、ネジ軸4の周りに回転自在となる部分を有していない構成を例として示した。しかし、第1の実施の形態の先端側ナット止部5における回転部5aのような構成を有していても構わない。このように構成すると、さらに摩擦力を低減することが可能となる。
上記の各実施の形態では、固定片1aがネジ軸4及び遠隔操作棒50の連結される回転入力部9からオフセットした位置に立設された構成を例として示した。しかし、ネジ軸4及び遠隔操作棒50の配置の延長上に固定片1aを設ける構造であっても構わない。
上記の第7の実施の形態では、ネジ軸4と直交する方向に対してネジ軸4の先端側に傾斜して配置されたベース98に対して固定片1aが立設されている構成を例として示した。しかし、ネジ軸4の先端側に向かうにつれて、ネジ軸4との間隔が開く方向へ固定片1aが立設されてる構成であれば、傾斜した領域は、ベース98ではなく固定片1aの軸で形成されていても構わない。すなわち、ベース98はネジ軸4に直交配置されていても、固定片1aの軸がネジ軸4の基端側から先端側に向かって距離を拡大するように傾斜して形成されているような構成も同様の効果を得ることが可能である。
本発明のヤットコは、送りネジ部機構のロックを防止できるので、汎用のドリルドライバー等の回転工具を用いて開閉操作を行っても、ロックなどが原因で急激に動作することを防止できる。このため特に、視認性の悪い架線工事などの遠隔操作において使われるヤットコとしても有用である。
1、91 ヤットコ
1a 固定片
1b 可動片
1c 支点
1d 操作端
2、22、42、52、62、72 送りネジ部
3、43、53 ナット
4 ネジ軸
5、25、45、55、75 先端側ナット止部
5a、75a 回転部(摩擦低減構造)
5b、75b 締結部
56、66、76 基端側ナット止部
7 連結片
8、98 ベース
9 回転入力部
9a 入力軸
25a、75c、76a 受け側凸部(摩擦低減構造)
43a、53a、53b ナット側凸部(摩擦低減構造)
50 遠隔操作棒
100 遠隔操作用ヤットコ
101 ヤットコ
101a 固定片
101b 可動片
102 主軸
103 操作軸
200 ワーク把持装置
201 可動片
202 連結片
203 送りネジ
203a ナット
203b ネジ軸

Claims (7)

  1. 固定片及び可動片を有し、送りネジの直線運動を利用して前記可動片を開閉操作するヤットコであって、
    前記送りネジを構成するネジ軸と、
    前記ネジ軸に螺合配置され前記可動片に連結されるナットと、
    前記ナットの可動範囲を規定するために前記ネジ軸上に配置されたナット止部と
    を備えたことを特徴とするヤットコ。
  2. 前記ネジ軸と前記ナットと前記ナット止部の少なくとも2つの間に、摩擦を低減する摩擦低減構造を有していることを特徴とする請求項1に記載のヤットコ。
  3. 前記ナット止部は、少なくとも前記ナットと接触する部分が、前記ネジ軸の軸周りに回動可能に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のヤットコ。
  4. 前記ナット止部は、前記ネジ軸と一体に軸回転するように配置され、前記ナットと対向する領域に、少なくとも1つの凸部が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のヤットコ。
  5. 前記ナット止部は、前記ネジ軸と一体に軸回転するように配置されており、前記ナットは、前記ナット止部と対向する領域に、少なくとも1つの凸部が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のヤットコ。
  6. 前記固定片は、前記ネジ軸と交差する方向へ前記ネジ軸の基端側から延設されたベース上に立設されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のヤットコ。
  7. 前記固定片は、先端側へ向かうに連れて前記ネジ軸との間隔が開く方向へ延びるように前記ネジ軸の基端側から延設されたベース上に立設されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のヤットコ。
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