<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図2及び図3参照)。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(図3参照)。
次に、前扉枠14について説明する。図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
図1に示すように、ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31の内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32の内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれることとなる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具49が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具49は内枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、図2及び図3に基づき内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース50を主体に構成されている。樹脂ベース50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース50は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース50が幕板の上に載ることとなる。
樹脂ベース50の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具51,52が取り付けられている。支持金具51,52には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース50の前面における回動先端側には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具49を挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、図3に示すように、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置55が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具49が挿入孔を介して施錠装置55(詳しくは前扉用鉤受け部材)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置55は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材57を有している。これら内枠用鉤部材57が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース50の右下隅部には、施錠装置55の解錠操作を行うためのシリンダ錠58が設置されている。シリンダ錠58は施錠装置55に一体化されており、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置55が構成されている。
樹脂ベース50の中央部には略楕円形状の窓孔54が形成され、樹脂ベース50に装着された遊技盤60によって同窓孔54が後方から塞がれている。遊技盤60は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔54を通じて樹脂ベース50の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤60の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。なお、遊技盤60は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤60(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤60の正面図である。
遊技盤60には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、第3作動口64、スルーゲート35,可変入賞装置65、可変表示ユニット67等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口61、可変入賞装置65、第1作動口62、第2作動口63及び第3作動口64への入球が発生すると、それが検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。この場合に、一般入賞口61への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置65への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行される。また、第1作動口62への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、第2作動口63への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、第3作動口64への入球が発生した場合には1個の遊技球の払出が実行される。因みにスルーゲート35への入球が発生しても遊技球の払出は実行されない。
遊技盤60の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入球部に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域PEから排出される。ここで、入球とは、所定の開口部位を遊技球が通過することを意味し、同開口部位を通過した後に遊技球が遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部位を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口68への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口61、作動口62〜64、可変入賞装置65又はスルーゲート35への入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤60には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘69が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘69や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口61等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット67は遊技盤60の中央に配されており、同可変表示ユニット67の周辺に上記作動口62〜64等が配設されている。第1作動口62は可変表示ユニット67の下方に配置され、第2作動口63は可変表示ユニット67の左方に配置されている。また、第3作動口64は可変表示ユニット67の右方に配置されている。第1作動口62及び第3作動口64は共に上向きに開放され、第2作動口63は前向きに開放されている。
第2作動口63は、図5(a)に示すように、前方に向けて開口する正面視矩形状の開口として形成されている。第2作動口63の縦寸法及び横寸法は遊技球の直径寸法Dよりも若干大きくなっており、第2作動口63は、前方(手前側)から見て1個の遊技球が通過可能な大きさとなっている。図5(b)に示すように、第2作動口63の後方には、第2作動口63に入った遊技球を遊技盤60の背面側に案内した後、下方へ誘導する球通路240が形成されている。球通路240の途中位置には、第2作動口63に入賞した遊技球を検知する検知センサ391cが配置されている。第2作動口63には、当該作動口63の開口度合を変化させる電動役物66が設けられている。
電動役物66は、第2作動口63への遊技球の入賞が不可能となる閉鎖状態(非受入状態、非サポート状態又は非ガイド状態)と、第2作動口63への入賞が可能となる開放状態(受入状態、サポート状態又はガイド状態)とに切り替え可能となっている。電動役物66は、図5(b),(c)に示すように、第2作動口63を開閉する開閉役物241と、第2作動口63の前方を流下する遊技球を受ける受け役物242と、を備えている。
開閉役物241は、第2作動口63の上端部に設けられた回動軸243aを支点として前後方向に回動可能な回動板243を備えている。回動板243は、第2作動口63の少なくとも一部を塞ぐことで、第2作動口63の開口面積を遊技球の投影面積よりも小さくし得る大きさを有している。回動板243は、起立姿勢となって第2作動口63を塞ぐ第1位置(図5(b)参照)と、当該第1位置から後方に回動して第2作動口63を開放する第2位置(図5(c)参照)とに変位可能となっている。回動板243は、図示しないリンク機構を通じて駆動部244により駆動されることで、第1位置と第2位置とに切り替えられる。回動板243が第1位置に変位した場合は、回動板243の前面243bが遊技盤60の前面60aと略面一となり、回動板243が第2位置に変位した場合は、回動板243の全体が上記球通路240内に収容される。このため、第1位置及び第2位置のいずれであっても回動板243は遊技盤60の前面60aよりも前方に突出しない。
受け役物242は、第2作動口63の下部に設けられ、前後に進退する板状の受け部材245を備えている。受け部材245は、その全体が上記球通路240内に収容される後退位置(図5(b)参照)と、当該後退位置から前進してその一部が遊技盤60の前面60aよりも前方に突出する前進位置(図5(c)参照)とに変位可能となっている。受け部材245は、前進位置に変位した場合に上方からの遊技球を受けることが可能な状態となり、受け部材245により受けられた遊技球は、受け部材245の上面を後方に進んで第2作動口63へ誘導される。受け部材245は、図示しないリンク機構を通じて駆動部246により駆動されることで、後退位置と前進位置とに切り替えられる。
このような構成の下、図5(c)に示すように、回動板243が第2位置に位置し且つ受け部材245が前進位置に位置する場合は、電動役物66が開放状態となり、遊技球を第2作動口63に受入可能な受入領域RA1が形成される。受入領域RA1は、第2作動口63の前方(電動役物66が閉鎖状態である場合の回動板243の前方)における特定領域RA2(図5(b)参照)に形成される。受入領域RA1は正面視で第2作動口63と同一の形状及び大きさを有しており、受入領域RA1が形成されることで第2作動口63への遊技球の入賞が許容される。
一方、図5(b)に示すように、回動板243が第1位置に位置し且つ受け部材245が後退位置に位置する場合は電動役物66が受入領域RA1が消失する。これにより、電動役物66が閉鎖状態となり、第2作動口63への遊技球の入賞が規制される。その際、回動板243によって第2作動口63が塞がれていることで、釘69等との衝突や遊技球同士の衝突により遊技球の流れが変化した場合でも遊技球の不意な入賞が抑制される。また、電動役物66が閉鎖状態である場合は、電動役物66(第2作動口63)の前方(特定領域RA2)を遊技球が通過可能となっている。
なお、必ずしも、電動役物66が閉鎖状態となった場合に第2作動口63への入賞が不可能となる必要はなく、開放状態に比べて入賞しにくくなる構成であってもよい。例えば、回動板243を省略したり、受け部材245の後退位置において、遊技盤60の前面60aからの突出量が前進位置よりも少ない状態で受け部材245が上記前面60aよりも前方に突出したりする構成とすることができる。要は、開放状態と閉鎖状態とで第2作動口63への入賞し易さが相違するものであれば足り、閉鎖や開放の度合は任意である。
スルーゲート35は、可変表示ユニット67の左方で且つ第2作動口63の上方に配置されている。スルーゲート35は通過型の入賞口として構成されており、スルーゲート35を通過した遊技球は、スルーゲート35の下方における遊技領域PEを引き続き流下可能となっている。つまり、スルーゲート35へ入賞した遊技球は、その後第1作動口62や第2作動口63にも入賞することが可能となっている。
ここで、スルーゲート35と第2作動口63(電動役物66)との位置関係について図5(a)を参照して説明する。スルーゲート35と第2作動口63とは、所定の間隙を隔てて縦方向に並んで配置されている。詳しくは、スルーゲート35の中心軸線と第2作動口63の中心軸線とが縦方向において一致するように両者が配置されている。スルーゲート35と第2作動口63との間には、横方向に並ぶ左右一対の遊技釘が上下二段に亘って植設されている。
左上側遊技釘69aと右上側遊技釘69bとの間隔は、遊技球の直径寸法Dよりも僅かに大きくされており、左下側遊技釘69c及び右下側遊技釘69dは、左上側遊技釘69a及び右上側遊技釘69bとそれぞれ同一鉛直線上に並ぶように配置されている。スルーゲート35の下端と上側遊技釘対69a,69bとの間隔、及び上側遊技釘対69a,69bと下側遊技釘対69c,69dとの間隔は、遊技球の直径寸法Dよりも小さくなっている。このため、遊技釘69a〜69dによって、スルーゲート35を通過した遊技球を電動役物66(第2作動口63)に向けて導く入賞ルートが形成されると同時に、スルーゲート35を通過した遊技球以外の遊技球が当該入賞ルートに進入することが抑制される。これにより、スルーゲート35を通過した遊技球を安定して電動役物66へ向かわせることができるとともに、スルーゲート35を通過直後の遊技球に他の遊技球が衝突したり、他の遊技球が第2作動口63に向かったりすることが抑制される。
本実施の形態では、遊技球がスルーゲート35を通過してから特定領域RA2に到達するまでの所要期間が所定期間(0.6sec)となるように、スルーゲート35と第2作動口63(電動役物66)との位置関係が規定されている。詳しくは、遊技球がスルーゲート35を通過してから前進位置における受け部材245(図5(c)参照)の上面に到達するまでの所要期間が0.6secとなるように、スルーゲート35と受け部材245との距離が設定されている。なお、以下の説明においては、特定領域RA2への遊技球の到達を電動役物66への遊技球の到達ということがある。
因みに、第1作動口62及び第3作動口64については電動役物が設けられていない。すなわち、これらの作動口62,64は、常に上方に開放して遊技球が入賞可能な状態となっている。第1作動口62及び第3作動口64における開口の大きさは、1個の遊技球が入賞可能な大きさとされている。
図4の遊技盤60の説明に戻り、可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)65は、可変表示ユニット67の右方に配置されている。可変入賞装置65には、遊技盤60の背面側へと通じる大入賞口65aが形成され、当該大入賞口65aを開閉する開閉手段としての開閉扉65bが設けられている。開閉扉65bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり又は特別当たり(所謂小当たり)に当選した場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置65の開放態様としては、大当たりである場合は、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば16ラウンド)を上限として可変入賞装置65が繰り返し開放される態様がある。また、特別当たりである場合は、可変入賞装置65が1回開放され、その開放が大当たりである場合よりも短い所定時間(例えば1.8sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞があるまで継続する態様とされる。
次に、可変表示ユニット67について説明する。可変表示ユニット67には、作動口62〜64への入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置75が設けられている。
図柄表示装置75は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示画面75aにおける表示内容が制御される。図柄表示装置75の表示画面75aには、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が縦方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりや特別当たりとなった場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モードに移行することとなる。なお、図柄表示装置75については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
また、可変表示ユニット67には、図柄表示装置75を囲むようにしてセンターフレーム76が配設されている。センターフレーム76は、遊技盤60に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技盤60の前面から起立した状態となることで当該センターフレーム76と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置75に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット67(詳しくはセンターフレーム76)を右側から迂回する上記右ルートと、左側から迂回する左ルートに大別されている。
上述した第3作動口64及び可変入賞装置65については、右ルートに配置されており、左ルートを流下する遊技球についてはそれら第3作動口64及び可変入賞装置65への入賞が回避される。右ルートにおける第3作動口64の上流側では、右ルートに発射された遊技球の多く(およそ70%)を第3作動口64に導くように、遊技球の流下経路(誘導経路)が形成されている。
一方、スルーゲート35、第1作動口62及び第2作動口63については、左ルートに配置されており、右ルートを流下する遊技球はスルーゲート35、第1作動口62及び第2作動口63への入賞が回避される。左ルートへ発射された遊技球が第1作動口62に入球する確率と、右ルートへ発射された遊技球が第3作動口64に入球する確率とを比較した場合、後者よりも前者の方が低くなっている。
遊技者は、遊技状況に応じて遊技球の発射先(遊技球の流下経路)を右ルート/左ルートから選択することにより、遊技を有利に進めることが可能となる。遊技球の発射先の選択は、遊技球の発射勢、すなわち、遊技球発射ハンドル41の操作量(回転量)を調整することで行うことができる。
作動口62〜64は、可変表示ユニット67寄りとなる位置に配置されている。作動口62〜64への入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動口62〜64に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置75に注目するものと考えられる。作動口62〜64を可変表示ユニット67寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット67周辺に集中させるための工夫である。
本実施の形態では、センターフレーム76における左上側の部位が左下方に向けて下る下り傾斜とされているとともに、当該部位における左端部がスルーゲート35に向けて迫り出している。係る構成により、発射された遊技球をスルーゲート35へ誘導する誘導部77が構成されている。誘導部77の上面、すなわち、遊技球が当接する部分にはゴム等の緩衝部材78が全体に亘って配置されている。緩衝部材78により、誘導部77に衝突した遊技球の跳ね返りや、衝撃による誘導部77の破損が抑制されている。緩衝部材78の上面は平坦状とされ、緩衝部材78上を転動する遊技球の流れが阻害されにくい構成とされている。誘導部77の左端部とスルーゲート35との隙間寸法は遊技球の直径寸法Dよりも大きくなっており、それらの間を遊技球が通過可能となっている。このため、誘導部77により誘導される遊技球がスルーゲート35への入賞ルートから逸脱する余地が残されている。これにより、スルーゲート35への入賞を期待する期待感を、遊技球がスルーゲート35に入賞するまで持続し易くなっている。
なお、スルーゲート35に入賞する遊技球としては、誘導部77により誘導される遊技球の他、直接スルーゲート35に向かう遊技球もある。つまり、スルーゲート35の上方領域においては、遊技球の流下方向を規定又は変化させる複数の遊技釘や突出部材等の障害部材(不図示)が設けられており、遊技球が誘導部77に未当接でもスルーゲート35に到達し得るように、上記障害部材により遊技球の流下経路が構築されている。本実施の形態では、左ルートへ発射された遊技球の大半(例えば80%以上)がスルーゲート35に入賞するものとなっている。
可変入賞装置65の下方には、主表示ユニット81が配されている。主表示ユニット81は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤60の前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユニット81の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)と対向しており、さらに後側のガラスパネル23との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット81の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。主表示ユニット81については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、メイン表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示ユニット81においてガラスユニット22と対向している部分には、所定の絵柄等が表示されるメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。これら各表示部43,44については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部43,44の前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。メイン表示部43は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する第1結果表示部ASと、第3作動口64への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する第2結果表示部BSとを有してなる。
第1結果表示部ASでは、第1作動口62又は第2作動口63への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
第2結果表示部BSでは、第3作動口64への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第3作動口64への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第3作動口64への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードに移行される。
以下においては、第1作動口62又は第2作動口63への入賞を契機に変動表示される絵柄と、第3作動口64への入賞を契機に変動表示される絵柄とを区別すべく、前者を第1特別図柄又は第1特図といい、後者を第2特別図柄又は第2特図ということがある。
ここで、いずれかの作動口62〜64への入賞に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口62〜64への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
主表示ユニット81のメイン表示部43には保留数表示部AMが設けられている。保留数表示部AMは、第1作動口62又は第2作動口63に対応している。遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞した回数は最大4回まで保留され、保留数表示部AMの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。なお、遊技球が第3作動口64に入賞した回数は保留されない構成となっており、第3作動口64に対応する保留数表示部は設けられていない。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電動役物66を開放させるサポート状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、サポート状態へ移行する。サポート状態では、第2作動口63に設けられた電動役物66が所定の態様で開放状態となる。なお、スルーゲート35への入賞を契機に変動表示される絵柄を普通図柄又は普図ということがある。
ここで、スルーゲート35への入賞に基づいて、役物用表示部44にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが、役物用表示部44における遊技回の1回に相当する。以下、上記の結果表示部AS,BSにおける遊技回と区別すべく、この役物用表示部44における遊技回を普図遊技回ともいい、メイン表示部43(結果表示部AS,BS)における遊技回を特図遊技回(第1特図遊技回、第2特図遊技回)ともいう。
また、役物用表示部44には普図保留数表示部FMが設けられている。普図保留数表示部FMは、スルーゲート35に対応している。遊技球がスルーゲート35に入賞した回数は最大4回まで保留され、普図保留数表示部FMの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
メイン表示部43における各結果表示部AS,BS及び役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
本パチンコ機10では、第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づく第1特図遊技回と、第3作動口64への入賞に基づく第2特図遊技回とを、重複して実施可能な構成とされている。具体的には、第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づいて第1結果表示部ASにて変動表示が行われている最中に第3作動口64への入賞が発生した場合、第1結果表示部ASの変動表示が継続されつつ第2結果表示部BSにて変動表示が開始される。逆に、第3作動口64への入賞に基づいて第2結果表示部BSにて変動表示が行われている最中に第1作動口62又は第2作動口63への入賞が発生した場合においても、第2結果表示部BSの変動表示が継続されつつ第1結果表示部ASにて変動表示が開始される。但し、第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づく内部抽選にて当選となった場合の開閉実行モードと、第3作動口64への入賞に基づく内部抽選にて当選となった場合の開閉実行モードとは重複して実施されないようになっている。これらの制御については、後に詳細に説明する。
再び図2を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース50において遊技盤60の搭載領域の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ向けて遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース50に固定されることで樹脂ベース50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤60側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤60側、詳しくは遊技盤60に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。遊技球発射ハンドル41の操作量を調整することにより、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の左側となる領域や同遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の右側となる領域への遊技球の打ち分けが可能となっている。
なお、遊技盤60において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100(図4参照)及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤60の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路46が配設されている。ファール球通路46は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路46内に入ることとなる。ファール球通路46は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路46に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット45の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図3に基づき内枠13(樹脂ベース50及び遊技盤60)の背面構成について説明する。
樹脂ベース50の背面における回動基端側には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース50の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース50に対して遊技盤60が取り付けられている。ここで、遊技盤60の背面の構成を説明する。
遊技盤60の中央に配置される可変表示ユニット67には、当該可変表示ユニット67を背後から覆うようにして表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。そして、表示制御装置の後方には当該表示制御装置に重なるようにして報知・演出制御装置ユニット142が搭載されている。報知・演出制御装置ユニット142は、報知・演出制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に報知・演出制御装置143が装着されている。
報知・演出制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤60の背面には、図3に示すように、可変表示ユニット67の下方に集合板150が設けられている。集合板150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入球を検知する検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する回収通路が設けられている。これら回収通路は、それら入球部から遊技盤60の背面に沿って下っており、遊技球の落下経路を規定している。各回収通路は、同遊技盤60の下端付近にて合流しており、一般入賞口61等の入球部を通過した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤60の下部に集合することとなる。各回収通路の出口部分は、下方に開放されており、その先側(詳しくは遊技盤60の下方)には後述する排出通路が設けられている。回収通路により遊技盤60の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。なお、アウト口68も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口68を介して排出通路へ導出される。
検知機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する検知センサが設けられている。これら各種検知センサは、上記一般入賞口61等の入球部に連なる各回収通路の途中位置に配置されており、同回収通路にて遊技球の落下経路が規定された状態にて遊技球の通過を検知する。より詳しくは、各検知センサは、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口61等の入球口への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各種検知センサは、遊技盤60の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置)に電気的に接続されており、それら検知センサにおける検知信号が同主制御装置に対して出力される構成となっている。以下、主制御装置ユニット160及びそれに付随する構成について説明する。
主制御装置ユニット160は、集合板150を後側から覆うようにして遊技盤60に搭載されており、合成樹脂製の取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部は、基板ボックス163の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、図2及び図3に基づき裏パックユニット15について説明する。
図2に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図3に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具が設けられており、当該締結具を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置222が設けられている。払出装置222より払い出された遊技球は、当該払出装置222の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。
遊技球分配部は、払出装置222より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
図3に示すように、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台を有し、同取付台に払出制御装置181と電源・発射制御装置191とが搭載されている。これら払出制御装置181と電源・発射制御装置191とは、払出制御装置181がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置181においては基板ボックス内に払出装置222を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス外に突出している。例えば、払出装置222における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置191は、基板ボックス内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置191にはRAM消去スイッチが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
<パチンコ機10の電気的構成について>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図6のブロック図に基づき説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602には、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置181、各種検知センサなどが接続されている。停電監視基板605には電源・発射制御装置191が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサの一部として、一般入賞口61用の検知センサ391a、第1作動口62用の検知センサ391b、第2作動口63用の検知センサ391c、第3作動口64用の検知センサ391d、スルーゲート35用の検知センサ391e、可変入賞装置65用の検知センサ391fが接続されており、これら各種検知センサ391a〜391fからの検知情報(検知信号)に基づき、主制御装置162のMPU602にて各入球部への入賞判定(入球判定)等が実行される。また、MPU602では、第1作動口62、第2作動口63及び第3作動口64への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置181及び報知・演出制御装置143(詳しくは報知・演出制御基板651)が接続されている。払出制御装置181には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。そして、一般入賞口61への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、大入賞口65aへの入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第1作動口62への入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第2作動口63への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第3作動口64への入賞を特定した場合には1個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置143には、特図遊技回に関する変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種特図用の演出コマンドや、普図遊技回に関する変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種普図用の演出コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、可変入賞装置65の開閉扉65bを開閉動作させる可変入賞駆動部65c、第2作動口63の電動役物66を開閉動作させる駆動部244,246、メイン表示部43及び役物用表示部44が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部等の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口65aが開閉されるように、MPU602において可変入賞装置65における可変入賞駆動部65cの駆動制御が実行される。また、各特図遊技回に際しては、MPU602において主表示ユニット81のメイン表示部43における第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSの表示制御が実行される。そして、普図遊技回に際しては、MPU602において役物用表示部44の表示制御が実行されるとともに、電動役物66の開放状態当選となるサポート状態に際しては役物用表示部44においてそのサポート状態当選を示す表示制御が実行される。
さらには、MPU602の出力側には、外部端子板213が接続されている。外部端子板213には、状態移行に際して信号出力するための出力端子として、大当たり信号出力端子等が設けられている。MPU602は、遊技結果が大当たり結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり信号出力端子を通じて大当たり信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり信号出力端子からLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置191とを中継し、また電源・発射制御装置191から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置181は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。
また、電源・発射制御装置191は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。より具体的には、電源・発射制御装置191には、遊技球発射ハンドル41に設けられた操作レベル検知センサとタッチセンサとが接続されている。操作レベル検知センサは、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)を検知するセンサであり、この操作レベル検知センサからの情報に基づいて遊技球発射機構110による遊技球の発射強度(発射速度)が決定されることとなる。タッチセンサは、遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れている場合に情報を出力する構成となっており、電源・発射制御装置191ではこの情報に基づいて遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れているか否かを把握することができる構成となっている。タッチセンサからの情報に基づいて遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れていると判定し、且つ操作レベル検知センサにて遊技球発射ハンドル41が操作されていると判定した場合に遊技球の発射が許可されることとなる。
なお、タッチセンサからの情報は、電源・発射制御装置191を経由して、主制御装置162ひいては報知・演出制御装置143、表示制御装置660に送信されることとなる。
報知・演出制御装置143は、MPU652が搭載された報知・演出制御基板651を有してなり、MPU652には各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM613、そのROM613内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM614などが内蔵されている。
報知・演出制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたランプ部26〜28やスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置660を制御するものである。詳しくは、報知・演出制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示態様及び最終的に停止表示させる図柄の停止表示態様(例えば図柄の組み合わせの種類)を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等を決定するとともに、その決定した内容を上記コマンドに付与して表示制御装置660に転送する。
表示制御装置660はMPUが搭載された表示制御基板を有してなり、MPUには各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、画像データが格納されたキャラクタROM、キャラクタROMから読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどが内蔵されている。MPUでは、報知・演出制御装置143から入力したコマンドに基づいて、可変表示ユニット67(詳しくは図柄表示装置75)の表示制御を実行する。
ここで、図柄表示装置75の表示内容について説明する。図柄表示装置75の表示画面75aには、左・中・右の3つの図柄列が設定されている。表示画面75aでは、これら各図柄列の図柄が周期性をもって所定の向き(例えば上から下)にスクロールするように変動表示される。
また、表示画面75aは、図柄列毎に1個の図柄が停止表示されるようになっており、計3個の図柄が停止表示されるようになっている。左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、有効ラインに所定の図柄組み合わせが形成された状態で全図柄列の変動表示が終了すれば、大当たり結果や特別当たり結果に対応した特別遊技状態への移行を示す動画等が表示される。
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、左図柄列を第1図柄列(又は第1絵柄列)、右図柄列を第2図柄列(又は第2絵柄列)、中図柄列を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することができる。
因みに、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を縦並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を横方向に設定してもよい。
表示画面75aの下部には、保留表示領域が設定されている。当該保留表示領域は、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域が左右方向に並ぶようにして区画表示された保留数表示領域によって構成されている。
具体的には、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1作動口62又は第2作動口63用の保留数表示領域には、第1単位保留表示領域、第2単位保留表示領域、第3単位保留表示領域、第4単位保留表示領域が設定されている。例えば、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域〜第4単位保留表示領域の全てにおいて所定の保留用画像が表示される構成となっている。
<各種カウンタについて>
次に、図7の概略図を参照して、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作に係る構成について説明する。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、特別遊技状態への移行抽選、主表示ユニット81(メイン表示部43)の表示の設定、図柄表示装置75の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図7に示すように、大当たりや特別当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、当たり(詳しくは大当たり)の種別を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置75が外れ変動する際のリーチ表示の発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット81のメイン表示部43における絵柄の変動表示時間及び図柄表示装置75における図柄の変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、電動役物66をサポート状態(開放状態)とするか否かの抽選に使用する開放乱数カウンタC4と、主表示ユニット81の役物用表示部44における絵柄の変動表示時間を決定する普図変動種別カウンタC5とを用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4,C5は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ641に適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ641において、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口62、第2作動口63又は第3作動口64への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア642に格納される。
保留球格納エリア642には、第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づく保留情報を格納する第1結果表示部用保留エリアRaと、第1特図用実行エリアAE1とが設けられている。第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリアRa1、第2エリアRa2、第3エリアRa3、第4エリアRa4を備えており、第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ641に格納されている当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1エリアRa1〜第4エリアRa4には、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口62又は第2作動口63への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
第1特図用実行エリアAE1は、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアRaの第1エリアRa1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1の特図遊技回の開始に際しては第1特図用実行エリアAE1に記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。第1特図用実行エリアAE1に格納された保留情報は、実行中の遊技回及びそれに基づく開閉実行モードが終了することに基づいて消去される。
また、保留球格納エリア642には、第3作動口64への入賞に基づく保留情報を格納するためのエリアとして、第2特図用実行エリアAE2が設けられている。第2特図用実行エリアAE2には、第3作動口64への入賞が発生した場合に、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各数値情報が第2特図側の保留情報として格納される。これら格納された保留情報を用いて第2特図に係る1遊技回の当否判定や振分判定が行われる。第2特図用実行エリアAE2に格納された保留情報は、実行中の遊技回及びそれに基づく開閉実行モードが終了することに基づいて消去される。
本実施の形態では、第3作動口64への入賞については入賞した個数を保留しない構成とされているため、第2特図遊技回やそれに基づく開閉実行モードの実行中に第3作動口64への新たな入賞が発生しても、第2特図用実行エリアAE2に保留情報は格納されない。すなわち、第2特図用実行エリアAE2は上記各数値情報を1回分しか格納しない構成とされている。このため、当該実行エリアAE2には、第2特図側の遊技回及びそれに基づく開閉実行モードが行われていない状況で第3作動口64への入賞が発生した場合に限り、保留情報が格納されることになる。なお、第2特図用実行エリアAE2は、第1特図用実行エリアAE1と独立して、保留情報に基づく当否判定や保留情報の消去が可能となっている。
さらに、保留球格納エリア642には総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
各カウンタについて詳しくは、当たり乱数カウンタC1は、例えば「0」〜「199」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり199)に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=「0」〜「199」)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動口62〜64に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア642に格納される。より詳しくは、第1作動口62又は第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第3作動口64に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2特図用実行エリアAE2に格納される。
大当たり当選となる乱数の値や特別当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア621に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図8及び図9の概略図を用いて説明する。当否テーブルとしては、第1特図用の当否テーブル(図8参照)及び第2特図用の当否テーブル(図9参照)が設けられている。第1作動口62又は第2作動口63への入球に基づく抽選においては第1特図用の当否テーブルが参照され、第3作動口64への入球に基づく抽選においては第2特図用の当否テーブルが参照される。
抽選モードが低確率モードとなっている場合に参照される第1特図用の当否テーブルにおいては、図8(a)に示すように、大当たり結果に対応する乱数の値は「7」の1個である。すなわち、「0」〜「199」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」が大当たり結果に対応しており、大当たりとなる確率は1/200となっている。第1特図用の低確率モード対応当否テーブルには、特別当たり結果(所謂小当たり)に対応する乱数の値は設けられておらず、大当たり結果となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果に対応している。
抽選モードが高確率モードとなっている場合に参照される第1特図用の当否テーブルにおいては、図8(b)に示すように、大当たり結果に対応する乱数の値は「7」〜「11」の5個である。すなわち、「0」〜「199」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」〜「11」が大当たり結果に対応しており、大当たりとなる確率は5/200となっている。第1特図用の高確率モード対応当否テーブルには、特別当たり結果に対応する乱数の値が設けられておらず、大当たり結果となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果に対応している。
抽選モードが低確率モードとなっている場合に参照される第2特図用の当否テーブルにおいては、図9(a)に示すように、大当たり結果に対応する乱数の値は「7」の1個である。すなわち、「0〜199」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」が大当たり結果に対応しており、大当たりとなる確率は1/200となっている。第2特図用の当否テーブルにおいては、「0」〜「6」,「12」〜「198」が特別当たり結果に対応しており、特別当たり結果となる確率は194/200となっている。なお、大当たり結果となる乱数の値及び特別当たり結果となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となるように構成されている。
抽選モードが高確率モードとなっている場合に参照される第2特図用の当否テーブルにおいては、図9(b)に示すように、大当たり結果に対応する乱数の値は「7」〜「11」の5個である。すなわち、「0」〜「199」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」〜「11」が大当たり結果に対応しており、大当たりとなる確率は5/200となっている。第2特図用の当否テーブルにおいては、「0」〜「6」,「12」〜「198」が特別当たり結果に対応しており、特別当たり結果となる確率は194/200となっている。すなわち、抽選モードが低確率モードと高確率モードとの何れであっても、第3作動口64への入賞に基づく当否判定において特別当たり結果となる確率は同一となっている。なお、大当たり結果となる乱数の値及び特別当たり結果となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となるように構成されている。
このように、第1作動口62又は第2作動口63と、第3作動口64との何れに入賞した場合であっても、大当たり結果となる確率は共通である。但し、第1作動口62又は第2作動口63と、第3作動口64とを比較した場合には、特別当たり結果となる可能性が第3作動口64の方が高く設定されている。つまり、幾らかの出球が期待できる確率で比較すれば第1作動口62又は第2作動口63よりも第3作動口64の方が優遇されている。
再び図7の説明に戻り、当たり種別カウンタC2は、「0」〜「99」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モードに差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。なお、本実施の形態では、電動役物66を備えるものの、開閉実行モードの終了を契機として移行する高頻度サポートモード(所謂電チューサポートモード又は時短遊技状態)の機能は備えていない。
当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動口62〜64に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア642に格納される。より詳しくは、第1作動口62又は第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第3作動口64に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2特図用実行エリアAE2に格納される。
当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア622に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。本実施形態では大当たり結果の種類として、16R通常大当たり結果と16R確変大当たり結果とが設定されている。これら大当たり結果はいずれも実行されるラウンド数が16となるものであるが、16R通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが低確率モードとなる大当たり結果であり、16R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる大当たり結果である。本実施の形態では、16R通常大当たり結果に振り分けられる確率及び16R確変大当たり結果に振り分けられる確率のいずれもが50%に設定されている。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動口62〜64に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア642に格納される。より詳しくは、第1作動口62又は第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第3作動口64に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2特図用実行エリアAE2に格納される。そして、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチ表示(リーチ状態)を発生させるか否かを決定することとしている。
ここで、リーチ表示とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面75aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置75の表示画面75a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
表示画面75aにおける表示内容について更に詳しく説明すると、最初に左図柄列において図柄の変動表示が終了され、さらに右図柄列において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中図柄列にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面75aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット81(メイン表示部43)の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示時間と、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示の開始時(図柄表示装置75による図柄の変動開始時)における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
抽選カウンタ用バッファ641において、開放乱数カウンタC4及び普図変動種別カウンタC5に対応した情報は、スルーゲート35への入賞が発生した場合に、普図側の取得情報記憶手段としての電役保留エリア643に格納される。
電役保留エリア643は、電役用保留エリアRcと、普図用実行エリアAE3とを備えている。電役用保留エリアRcは、第1エリアRc1、第2エリアRc2、第3エリアRc3、第4エリアRc4を備えており、スルーゲート35への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ641に格納されている開放乱数カウンタC4及び普図変動種別カウンタC5の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。
この場合、第1エリアRc1〜第4エリアRc4には、スルーゲート35への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRc1→第2エリアRc2→第3エリアRc3→第4エリアRc4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、スルーゲート35への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
普図用実行エリアAE3は、役物用表示部44の変動表示を開始する際に、保留エリアRcの第1エリアRc1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1の普図遊技回の開始に際しては普図用実行エリアAE3に記憶されている各種数値情報に基づいて、開放判定などが行われる。
普図側の各カウンタについて詳しくは、開放乱数カウンタC4は、例えば、0〜999の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり999)に達した後0に戻る構成となっている。開放乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア643に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された開放乱数カウンタC4の値によって電動役物66を開放状態に制御するか否かの普図当否抽選が行われる。
電動役物66を開放状態とする開放結果となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア621に普図当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、普図当否テーブルの内容について説明する。
普図当否テーブルにおいては、図10(a)に示すように、開放結果に対応する乱数の値は「0」〜「998」の999個である。すなわち、「0」〜「999」の開放乱数カウンタC4の値のうち「0」〜「998」が開放結果に対応しており、開放結果となる確率は999/1000となっている。つまり、開放結果となる確率は約1/1に設定されており、スルーゲート35への遊技球の入賞はその殆どが、電動役物66がサポート状態に移行する開放結果に結び付くものとなっている。
ここで、サポート状態における電動役物66の開閉制御は、電動役物66の開閉が1回行われるものとなっている。具体的には、サポート状態の開始から終了までに、電動役物66が1回だけ開放され、その開放は0.1secが継続するまで又は電動役物66(第2作動口63)への入賞個数が5個となるまで継続される。
本パチンコ機10では、遊技球発射ハンドル41が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PEに向けて発射されるように遊技球発射機構110が駆動制御される。つまり、電動役物66の開放期間は遊技球の発射周期よりも短くなっている。このため、電動役物66が開放されても第2作動口63に遊技球が入賞するとは限らず、電動役物66の開放タイミングと電動役物66(特定領域RA2)への遊技球の到達タイミングとがうまく適合した場合に限り、入賞が生じる構成となっている。また、開放期間が0.1secと非常に短い期間とされていることから、入賞したとしても複数個の入賞が発生することは極めて困難な構成となっている。つまり、内部的に5個までの入賞が許容されているとはいえ、サポート状態における第2作動口63への入賞個数は、実質的には1個までに制限されている。
因みに、普図遊技回の終了後、電動役物66が開放状態に切り替えられるまでの待機期間である普図オープニング期間は、0secに設定されている。このため、普図当否抽選の結果が開放結果である場合は、普図遊技回の終了後(詳しくは、普図遊技回における停止表示時間の終了後)、直ちに電動役物66が開放制御される。また、電動役物66が開放状態から閉鎖状態に切り替えられた後、次の普図遊技回が開始されるまでの待機期間である普図エンディング期間は、0secに設定されている。このため、電役用保留エリアRcの第1エリアRc1に普図保留情報が記憶されていれば、電動役物66が閉鎖状態に切り替えられた後、直ちに次の普図遊技回が開始される。なお、電動役物66の閉鎖タイミング、すなわち、サポート状態の終了タイミングにおいて、上記第1エリアRc1に普図保留情報が記憶されていない場合は、スルーゲート35への次の入賞が発生するまで普図遊技回が開始されない。
普図当否テーブルには、開放結果及び外れ結果以外の抽選結果が設定されておらず、開放結果となる乱数の値以外は外れ結果に対応している。但し、既に説明したように、普図当否抽選の開放結果となる確率は999/1000に設定されているため、当否抽選の結果が外れ結果となるのは稀なケースとなる。なお、この普図当否テーブルは、当否抽選モードが低確率モードである場合と高確率モードである場合とで共通に用いられる。
普図変動種別カウンタC5は、例えば0〜999の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり999)に達した後0に戻る構成となっている。普図変動種別カウンタC5は、主表示ユニット81の役物用表示部44における普図の変動表示時間をMPU602において決定する上で用いられる。普図変動種別カウンタC5は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、役物用表示部44における変動表示の開始時における変動表示時間の決定に際して普図変動種別カウンタC5のバッファ値が取得される。
普図変動種別カウンタC5に対する普図変動表示時間の振分先は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア622に普図変動表示時間テーブル(変動表示時間情報群)として記憶されている。普図変動表示時間テーブルとしては、低確率モード用の普図変動表示時間テーブル(図10(b)参照)と、高確率モード用の普図変動表示時間テーブル(図10(c)参照)とが設けられている。
低確率モード用の普図変動表示時間テーブルでは、図10(b)に示すように、普図変動開始時の普図保留記憶数FN及び普図変動種別カウンタC5と対応付けて変動表示時間が定められている。具体的には、普図保留記憶数FNが1〜3個である場合と、普図保留記憶数FNが4個(上限数)である場合とで、選択可能な変動表示時間、その種類数、及びその選択態様が相違する構成となっている。なお、普図保留記憶数FNが4個である場合とは、電役用保留エリアRcにおける第1エリアRc1〜第4エリアRc4の全てに普図保留情報が記憶されている場合を意味する。
普図保留記憶数FNが1〜3個である場合は、選択可能な変動表示時間として0.05secと10secとの2種類が準備され、それらの変動表示時間のうちの1つが普図変動種別カウンタC5の値に応じて選択・設定されるものとなっている。具体的には、普図変動種別カウンタC5が「0」〜「998」である場合は、変動表示時間が0.05secに設定され、普図変動種別カウンタC5が「999」である場合は、変動表示時間が10secに設定される。すなわち、変動表示時間が0.05secとなる確率は999/1000となっており、10secとなる確率は1/1000となっている。つまり、普図保留記憶数FNが1〜3個である場合において、普図の変動表示時間は、殆どが短時間変動となる0.05secに設定され、稀に長時間変動となる10secに設定される。
これに対し、普図保留記憶数FNが4個である場合は、選択可能な変動表示時間として0.6secの1種類が準備されている。すなわち、普図保留記憶数FNが4個である場合は、普図変動種別カウンタC5の値にかかわらず、常に0.6secの変動表示時間が選択・設定されるものとなっている。
また、普図遊技回における停止表示時間(確定表示期間)、すなわち、普図当否抽選の結果に対応した態様で普図を停止表示させた状態の継続期間は、変動表示時間の長さにかかわらず一律に0.4secに設定されている。
一方、高確率モード用の普図変動表示時間テーブルでは、図10(b)に示すように、選択可能な変動表示時間として20.0secの1種類が準備されている。すなわち、当否抽選モードが高確率モードである場合は、普図変動種別カウンタC5の値にかかわらず、常に20.0secの変動表示時間が選択・設定されるものとなっている。なお、高確率モードである場合の停止表示時間は、低確率モードの場合と同様に一律に0.4secに設定されている。
<主制御装置162のMPU602にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置162内のMPU602にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU602では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサ例えば(上記検知センサ391a〜391f)の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種検知センサの状態を読み込むとともに、当該検知センサの状態(検知センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、第1作動口62への入球が発生したと判定した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリアに第1作動口用の入賞検知フラグを格納し、第2作動口63への入球が発生したと判定した場合には、同各種フラグ格納エリアに第2作動口用の入賞検知フラグを格納し、第3作動口64への入球が発生したと判定した場合は、同各種格納フラグ格納エリアに第3作動口用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート35を遊技球が通過したと判定した場合には、同各種格納フラグ格納エリアにスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3を更新する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、開放乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104にてスルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動口62〜64への入賞に伴う作動入球部用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。以下、スルー用の入賞処理、及び作動口用の入賞処理について、詳細に説明する。
<スルー用の入賞処理>
先ず、図12のフローチャートを参照してスルー用の入賞処理について説明する。
ステップS201では、遊技球がスルーゲート35に入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート35に入球していないと判定した場合は、そのまま本入賞処理を終了する。スルーゲート35に入球したと判定した場合は、ステップS202にて、スルーゲート35に遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。
ステップS203では、電役用保留エリアRcにおける普図保留情報の数を記憶する保留数記憶領域に格納された値を読み出し、普図保留記憶数FNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS203で否定判定した場合はそのまま本入賞処理を終了し、ステップS203で肯定判定した場合は、ステップS204にて普図保留記憶数FNを1インクリメントする。そして、ステップS205にて、開放乱数カウンタC4及び普図変動種別カウンタC5の各値を格納する処理を行い、その後、本入賞処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
次に、図13のフローチャートを参照して作動口用の入賞処理について説明する。
ステップS301では、遊技球が第1作動口62に入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が第1作動口62に入球したと判定した場合は、ステップS302に進み、払出制御装置181に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
続くステップS303では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている第1特図用の始動保留記憶数RaNをセットする。ステップS304では、第1作動口62に遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS305では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
情報取得処理では、上記ステップS303でセットした始動保留記憶数RaNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定し、上限値未満である場合は、第1結果表示部用保留エリアRaの始動保留記憶数Nを1インクリメントする。そして、当たり乱数カウンタC1等の各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。なお、上記始動保留記憶数RaNが上限値以上である場合は始動保留記憶数Nのインクリメント、当たり乱数カウンタC1等の各値の格納を行うことなく情報取得処理を終了する。
一方、ステップS301で遊技球が第1作動口62に入球していないと判定した場合は、ステップS306にて遊技球が第2作動口63に入球したか否かを判定する。遊技球が第2作動口63に入球したと判定した場合は、ステップS307に進み、払出制御装置181に遊技球を10個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、上記ステップS303〜S305の処理を実行し、本入賞処理を終了する。
ステップS306で遊技球が第2作動口63に入球していないと判定した場合は、ステップS308にて遊技球が第3作動口64に入球したか否かを判定する。遊技球が第3作動口64に入球したと判定した場合は、ステップS309に進み、払出制御装置181に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、上記ステップS304及びS305の処理を実行し、本入賞処理を終了する。なお、ステップS305の情報取得処理において、第2特図用実行エリアAE2に当たり乱数カウンタC1等の各値が既に格納されている場合は、それらの値を変更(上書き)することなく情報取得処理を終了する。
これに対し、ステップS308で否定判定した場合、すなわち、作動口62〜64のいずれにも入球しなかった場合は、そのまま本入賞処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図14のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401〜S408の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS409,S410のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS401では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の特図用の演出コマンドや普図用の演出コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置143に送信する。また、RAM604の外部出力バッファに設定されている情報に応じて、外部端子板213に対する出力設定を行う。
次に、ステップS402では、変動種別カウンタCS及び普図変動種別カウンタC5の更新を実行する。具体的には、各変動種別カウンタCS,C5を1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS,C5の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS403では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び大当たり種別の振分判定を行うとともに、図柄表示装置75による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット81(メイン表示部43)における結果表示部AS,BSなどの表示制御などを行う。
その後、ステップS404では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モードなどに移行する。
続くステップS405では、普図遊技回における遊技を制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、普図側のサポート判定、図柄表示装置75による図柄の変動表示の設定、役物用表示部44の表示制御、第2作動口63に設けられた電動役物66の駆動制御等を行う。
その後、ステップS406では遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技球発射ハンドル41に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置191から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(本実施の形態においては0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。つまり、所謂止め打ち等の変則打ちが行われていない場合には、発射操作が行われていることを条件として所定周期にて遊技球の発射が繰り返される構成となっている。
続くステップS407では、RAM604に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板605において停電の発生が確認され当該停電監視基板605からMPU602のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS408にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS409にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS410にて変動種別カウンタCS及び普図変動種別カウンタC5の更新を実行する。
ここで、ステップS401〜S406の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、係る残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に各変動種別カウンタCS,C5についてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS407にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS411以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS411では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS412にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS413にてRAM604のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技回制御処理>
ここで、図15〜図21を参照して、ステップS403の遊技回制御処理について補足説明する。図15に示すように、本実施の形態に示す遊技回制御処理では、先ずステップS501にて開閉実行モード中である否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア634における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
ステップS501にて肯定判定をした場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。ステップS501にて否定判定をした場合には、ステップS502にて第1作動口62又は第2作動口63への入賞に係る遊技回用の遊技回制御処理(第1特図用制御処理)を実行し且つステップS503にて第3作動口64への入賞に係る遊技回用の遊技回制御処理(第2特図用制御処理)を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。これら2つの制御処理については、基本的な流れが共通となっている。以下、先ず図16〜図19を参照して第1特図用制御処理について説明し、その後、図20及び図21を参照して第1特図用制御処理との相違点を中心に第2特図用制御処理について説明する。
<第1特図用制御処理>
図16に示すように、第1特図用制御処理では、先ずステップS601にて、第1作動口62又は第2作動口63(第1特図)に係る遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット81の第1結果表示部ASが変動表示〜確定表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604の各種フラグ格納エリア634における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に第1特図用の変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。第1特図用の変動表示中フラグは、第1結果表示部ASにて変動表示を開始させる場合に格納され、その絵柄が停止表示されて確定表示が終了する場合に消去される。
第1特図に係る遊技回中でない場合には、ステップS601にて否定判定をして、ステップS602に進む。ステップS602では、第3作動口64(第2特図)に係る遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット81の第2結果表示部BSが変動表示〜確定表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604の各種フラグ格納エリア634における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に第2特図用の変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。第2特図用の変動表示中フラグは、第2結果表示部BSにて変動表示を開始させる場合に格納され、抽選結果(遊技結果)に対応した絵柄等が停止表示されて確定表示が終了する場合に消去される。
ステップS602にて肯定判定をした場合にはステップS603に進む。ステップS603では第2特図に係る遊技回が大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS603にて肯定判定をした場合には、そのまま本第1特図用制御処理を終了する。ステップS603又はステップS602にて否定判定をした場合には、ステップS604に進む。ステップS604では、保留球格納エリア642の総保留数記憶領域を参照し、第1特図に係る保留情報の数が「0」か否かを判定する。第1特図に係る保留情報の数が「0」である場合には、そのまま本第1特図用制御処理を終了する。一方、第1特図に係る保留情報の数が「0」でない場合には、ステップS605に進む。ステップS605ではデータ設定処理を行う。
第1特図に係るデータ設定処理では、先ず第1特図に係る保留情報の数を1ディクリメントする。その後、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを第1特図用実行エリアAE1に移動し、第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータがクリアされると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、メイン表示部43における保留数表示部AMにて点灯中のLEDを1つ消灯させる。
上記データ設定処理を行った後は、ステップS606にて第1結果表示部ASにおける絵柄の変動表示及び図柄表示装置75における図柄の変動表示を開始させるための第1特図用の変動開始処理(第1特図用変動開始処理)を実行した後に、本第1特図用制御処理を終了する。ここで、図17を参照して、ステップS606の第1特図用変動開始処理について説明する。
<第1特図用変動開始処理>
第1特図用変動開始処理においては先ず、ステップS701にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、第1特図用の当否テーブル(図8参照)を参照して、第1特図用実行エリアAE1に格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が上述した大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。ステップS701では、現在の当否抽選モードが高確率モードである場合は、第1特図に係る高確率モード用の当否テーブル(図8(b)参照)を参照して当否判定を行い、高確率モードでない場合、すなわち、低確率モードである場合は、第1特図に係る低確率モード用の当否テーブル(図8(a)参照)を参照して当否判定を行う。ステップS701における判定結果が大当たり結果である場合には、ステップS702にて肯定判定をしてステップS703に進む。
ステップS703では種別判定処理を実行する。種別判定処理では、第1特図用実行エリアAE1に格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を把握する。また、ROM603の振分テーブル記憶エリア622に記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した種別判定用の情報が16R確変大当たり結果に対応した情報に対応するものであるか、16R通常大当たり結果に対応するものであるかを特定する。
ステップS704では大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、当該遊技回において主表示ユニット81のメイン表示部43(第1結果表示部AS)に最終的に停止表示させる絵柄をROM603に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルにはメイン表示部43に停止表示される絵柄が複数設定されており、ステップS704では、大当たり結果の種別に応じた絵柄を示す情報をRAM604に記憶する。また、ステップS704では、今回の遊技結果が、16R確変大当たり結果、16R通常大当たり結果の何れかであるかをMPU602にて特定するための情報をRAM604の各種フラグ格納エリア634に格納する。具体的には、16R確変大当たり結果である場合には16R確変フラグを格納し、16R通常大当たり結果である場合には16R通常フラグを格納する。
ステップS704の設定処理を実行した後は、ステップS705に進む。ステップS705では第2特図に係る遊技回が実行されている最中であるか否かを判定する。ステップS705にて肯定判定をした場合には、ステップS706に進む。ステップS706ではRAM604の各種フラグ格納エリア634に第2強制終了フラグを格納する。第2強制終了フラグは、第2特図の変動表示を強制的に終了させるべき旨を示すフラグである。
ステップS702の説明に戻り、ステップS701における判定結果が外れ結果である場合には当該ステップS702にて否定判定をし、ステップS707に進む。ステップS707では外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示ユニット81のメイン表示部43(第1結果表示部AS)に最終的に停止表示させる第1特図(絵柄)を、ROM603に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。
ステップS706,S707の処理を実行した後、又はステップS705にて否定判定をした場合には、ステップS708に進む。ステップS708では変動表示時間(表示継続期間)の設定処理を実行する。ここで、変動表示時間の設定処理について図18のフローチャートを参照して説明する。
図18に示すように、変動表示時間の設定処理では、先ずステップS801にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア634に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、いずれかの確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
高確率モードでない、すなわち、低確率モードであると判定した場合は、ステップS802にて、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている低確率モード用の第1特図変動表示時間テーブルを参照し、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得する。低確率モード用の第1特図変動表示時間テーブルでは、図19(a)に示すように、今回の抽選結果が大当たり結果である場合は変動表示時間が16〜20secとなり、外れ結果である場合は変動表示時間が3〜20secとなるように、当否抽選の結果と対応付けて普図変動種別カウンタC5及び変動表示時間の関係が規定されている。詳しくは、今回の遊技回がリーチ表示に対応している場合は16〜20secとなり、リーチ表示に対応していない場合は3〜8secとなる。なお、リーチ表示に対応していない場合は、第1特図の保留情報の数が多くなるほど変動表示時間が短くなる。これにより、遊技進行の円滑化が図られている。
ステップS801で肯定判定した場合、すなわち、当否抽選モードが高確率モードである場合は、ステップS803にて、変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている高確率モード用の第1特図変動表示時間テーブルを参照し、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得する。高確率モード用の第1特図変動表示時間テーブルでは、図19(b)に示すように、今回の抽選結果が大当たり結果である場合は、低確率モードの場合と同様に変動表示時間が16〜20secとなる。但し、今回の抽選結果が外れ結果である場合は、変動表示時間が低確率モードの場合よりも非常に長い3600secとなるように設定されている。
ステップS802,S803の実行後は、ステップS804にて、ステップS802,S803の各ステップで取得した変動表示時間をRAM604の各種カウンタエリア633に設けられた変動表示時間カウンタエリアにセットする。ここでセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図11)が起動される度に、1ディクリメントされる。その後、本変動表示時間の設定処理を終了する。
図17の第1特図用変動開始処理の説明に戻り、ステップS708の実行後は、ステップS709にて変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンド及び種別コマンドには、それらのコマンドが第1特図に対応するものであることを示す情報が含まれている。ステップS709にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その特図遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置75での図柄の変動表示態様が含まれている。また、当該変動用コマンドは、報知・演出制御装置143を経由して表示制御装置660に送信され、表示制御装置660では当該変動用コマンドを受信することにより、特図遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置75を制御する。
変動用コマンドには、変動表示時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ表示に対応している場合の変動表示時間は、リーチ表示に対応していない場合の変動表示時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置143では変動表示時間の情報からリーチ発生の有無を特定することが可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
ステップS709の設定処理を実行した後は、ステップS710に進み、主表示ユニット81における第1結果表示部ASの変動表示を開始した後、本第1特図用変動開始処理を終了する。ステップS710の処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア634に第1特図用の変動表示中フラグを格納する。これにより、以降の処理では第1特図に係る遊技回(例えば変動表示)が実行されている最中であることを特定可能となる。
図16の説明に戻り、ステップS601にて肯定判定をした場合、すなわち第1特図に係る遊技回中であると判定した場合には、ステップS607に進む。ステップS607では、図17のステップS708にて設定した変動表示時間が経過したタイミングであるか否かを判定する。ステップS607で否定判定した場合は、ステップS608にてRAM604の各種フラグ格納エリア634に第1強制終了フラグが格納されているか否かを判定する。第1強制終了フラグは第1特図に係る変動表示を強制的に終了させるべき旨を示すフラグであり、第2特図に係る遊技回が大当たり結果又は特別当たり結果に対応している場合であって且つ当該第2特図に係る遊技回が第1特図に係る遊技回の実行中に開始される場合に格納されるものである(後述する図21のステップS1106参照)。
第1強制終了フラグが格納されていない場合は、ステップS609にて変動表示用処理を実行した後、本第1特図用制御処理を終了する。一方、ステップS608で肯定判定した場合、すなわち、RAM604の各種フラグ格納エリア634に第1強制終了フラグが格納されている場合は、ステップS610にて、第2特図に係る遊技回にて特別当たり結果に対応する絵柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS610で否定判定をした場合は、ステップS611にて第2特図に係る遊技回であって大当たり結果に対応する遊技回の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS611で否定判定をした場合は、ステップS609に進んで上記変動表示用処理を実行する。
ステップS610又はステップS611で肯定判定した場合は、ステップS612にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、事前に決定された態様となるようにして第1結果表示部ASにて絵柄を停止表示させるように主表示ユニット81の表示制御を行う。すなわち、例えば抽選結果(遊技結果)に対応する絵柄の確定表示が実行される。なお、RAM604の各種フラグ格納エリア634に格納されている第1特図用の変動表示中フラグについては、当該確定表示が終了した際に消去される。
続くステップS613にて変動終了コマンドを設定した後に、本第1特図用制御処理を終了する。ステップS613にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、変動終了コマンドを受信したことに基づいて、その遊技回における演出を終了させるための処理を実行する。また、当該変動終了コマンドは、報知・演出制御装置143を経由して表示制御装置660に送信され、表示制御装置660では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回の遊技結果等に対応した図柄の組み合わせを図柄表示装置75の表示画面75aに確定表示(最終停止表示)させる。なお、変動終了コマンドが送信されずに、報知・演出制御装置143や表示制御装置660にて独自に遊技回用の演出を終了させる構成としてもよい。
一方、ステップS607で肯定判定した場合、すなわち、変動表示時間を経過している場合は、ステップS612に進み、上記変動終了処理及びステップS613の変動終了コマンドの設定処理を順次行い、その後、本第1特図用制御処理を終了する。
<第2特図用制御処理>
次に、図20及び図21を参照して、第2特図用制御処理について説明する。
図20に示すように、第2特図用制御処理では、先ずステップS901にて第3作動口64(第2特図)に係る遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット81の第2結果表示部BSが変動表示〜確定表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604の各種フラグ格納エリア634における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に第2特図用の変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。第2特図用の変動表示中フラグは、第2結果表示部BSにて変動表示を開始させる場合に格納され、その絵柄が停止表示されて確定表示が終了する場合に消去される。
第2特図に係る遊技回中でない場合には、ステップS901にて否定判定をしてステップS902に進む。ステップS902では、第1特図に係る遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット81の第1結果表示部ASが変動表示〜確定表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。
ステップS902にて肯定判定をした場合にはステップS903に進む。ステップS903では第1特図に係る遊技回が大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS903にて肯定判定をした場合には、そのまま本第2特図用制御処理を終了する。ステップS903にて否定判定をした場合、又はステップS902にて否定判定をした場合には、ステップS904に進む。ステップS904では、保留球格納エリア642の第2特図用実行エリアAE2に第2特図の保留情報(当たり乱数カウンタC1等の各値)が格納されている否かを判定する。第2特図用実行エリアAE2に第2特図の保留情報が格納されている場合には、そのまま本第2特図用制御処理を終了する。
一方、第2特図用実行エリアAE2に第2特図の保留情報が格納されていない場合には、ステップS905に進む。ステップS905ではデータ設定処理を行う。データ設定処理では、第2実行エリアAE2に格納されている保留情報を当否判定用の保留情報として設定する処理を行う。なお、本実施の形態では、第2作動口63への入賞時に上記データ設定処理と同等の処理が行われているため、本処理を省略することが可能である。
続くステップS906では、第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示及び図柄表示装置75における図柄の変動表示を開始させるための第2特図用の変動開始処理(第2特図用変動開始処理)を実行した後に、本第2特図制御処理を終了する。ここで、図21を参照して、ステップS906の第2特図用変動開始処理について説明する。
<第2特図用変動開始処理>
第2特図用変動開始処理においては先ず、ステップS1101にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、第2特図用の当否テーブル(図9参照)を参照して、第2特図用実行エリアAE2に格納された各種情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が上述した大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。ステップS1101では、現在の当否抽選モードが高確率モードである場合は、第2特図に係る高確率モード用の当否テーブル(図9(b)参照)を参照して当否判定を行い、高確率モードでない場合、すなわち、低確率モードである場合は、第2特図に係る低確率モード用の当否テーブル(図9(a)参照)を参照して当否判定を行う。ステップS1101における判定結果が大当たり結果である場合には、ステップS1102にて肯定判定をしてステップS1103に進む。
ステップS1103では種別判定処理を実行する。種別判定処理では、第2特図用実行エリアAE2に格納された各種情報のうち種別判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2から取得した数値情報と、ROM603の振分テーブル記憶エリア622に記憶された振分テーブルとを参照して、上記把握した種別判定用の情報が16R確変大当たり結果に対応した情報に対応するものであるか、16R通常大当たり結果に対応するものであるかを特定する。
ステップS1104では大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、当該遊技回において主表示ユニット81のメイン表示部43(第2結果表示部BS)に最終的に停止表示させる絵柄をROM603に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルにはメイン表示部43に停止表示される絵柄が複数設定されており、ステップS1104では、大当たり結果の種別に応じた絵柄を示す情報をRAM604に記憶する。また、ステップS1104では、今回の遊技結果が、16R確変大当たり結果、16R通常大当たり結果の何れかであるかをMPU602にて特定するための情報をRAM604の各種フラグ格納エリア634に格納する。具体的には、16R確変大当たり結果である場合には16R確変フラグを格納し、16R通常大当たり結果である場合には16R通常フラグを格納する。
ステップS1104の設定処理を実行した後は、ステップS1105に進む。ステップS1105では第1特図に係る遊技回が実行されている最中であるか否かを判定する。ステップS1105にて肯定判定をした場合には、ステップS1106に進む。ステップS1106ではRAM604の各種フラグ格納エリア634に第1強制終了フラグを格納する。第1強制終了フラグは、第1特図の変動表示を強制的に終了させるべき旨を示すフラグである。
ステップS1102の説明に戻り、ステップS1101における判定結果が特別当たり結果である場合には、ステップS1102にて否定判定且つステップS1107にて肯定判定をして、ステップS1108に進む。
ステップS1108では特別当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、当該遊技回において主表示ユニット81のメイン表示部43(第2結果表示部BS)に最終的に停止表示させる絵柄をROM603に予め記憶されている特別当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この特別当たり結果用の停止結果テーブルにはメイン表示部43に停止表示される絵柄が複数設定されており、ステップS1108では、特別当たり結果に応じた絵柄を示す情報をRAM604に記憶する。なお、今回の遊技結果が特別当たり結果である場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア634に特別当たりフラグを格納する。ステップS1108の処理を実行した後は、上述したステップS1105,S1106の処理を実行する。
ステップS1101における判定結果が外れ結果であった場合には、ステップS1102及びステップS1107にて否定判定をし、ステップS1109に進む。ステップS1109では外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示ユニット81のメイン表示部43(第2結果表示部BS)に最終的に停止表示させる絵柄を、ROM603に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。
ステップS1106又はステップS1109の処理を実行した後、又はステップS1105にて否定判定をした場合には、ステップS1110に進む。ステップS1110では変動表示時間(表示継続期間)の設定処理を実行する。
ステップS1110の変動表示時間の設定処理は、既に説明した第1特図用の変動表示時間の設定処理(図18)と同様にして行う。図18のフローチャートを援用して第2特図用の変動表示時間の設定処理について説明すると、当該処理では先ず、ステップS801にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。ステップS801で否定判定した場合、すなわち、低確率モードであると判定した場合は、ステップS802にて、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている低確率モード用の第2特図変動表示時間テーブルを参照し、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得する。
低確率モード用の第2特図変動表示時間テーブルでは、図19(c)に示すように、今回の抽選結果が大当たり結果である場合は変動表示時間が16〜20secとなり、特別当たり結果又は外れ結果である場合は3600secとなるように、当否抽選の結果と対応付けて普図変動種別カウンタC5及び変動表示時間の関係が規定されている。すなわち、低確率モード用の第1特図変動表示時間テーブル(図19(a)参照)と、低確率モード用の第2特図変動表示時間テーブルとでは、当選結果が大当たり結果である場合の変動表示時間は共通であるものの、当選結果が大当たり結果以外の結果である場合の変動表示時間は、第2特図用の方が第1特図用に比べて極端に長くなるように設定されている。
既に説明したように、第2特図の当否抽選は抽選結果の1つとして特別当たり結果を有しており、特別当たり結果がない第1特図の当否抽選よりも優遇されている。係る構成の下、第1特図及び第2特図の変動表示時間が上記のように設定されていることで、当否抽選モードが低確率モードである場合は、第2特図よりも第1特図で当否抽選を受ける方が遊技者にとって有利となるように調整されている。
すなわち、第2特図においては、特別当たり結果である場合の変動表示時間が3600secと非常に長いものとなっているため、可変入賞装置65の開放タイミングが第3作動口64への入賞タイミングから大きく遅れるものとなっている。このため、可変入賞装置65が1.8secに亘って開放するとはいえ、遊技者が利益を受けにくいものとなっている。加えて、大当たり結果となる確率は第1特図と第2特図とで共通の1/200であり、いずれの当否抽選であってもその殆どが大当たり結果以外の結果となるところ、係る場合の変動表示時間は第2特図の方が第1特図よりも極端に長くなっている。このため、単位時間(例えば1時間)当たりの当否抽選の実行頻度を比較すると、第2特図の方が第1特図よりも大きく劣るものとなっている。つまり、第2特図で当否抽選を受けるよりも第1特図で当否抽選を受ける方が短時間で大当たりに当選し易く、時間効率に優れている。
このような構成により、常時、第3作動口64へ遊技球を入賞可能であり且つ右ルートに発射された遊技球の多くが第3作動口64に導かれる構成でありながらも、当否抽選モードが低確率モードの状況下において遊技者が第3作動口64への入賞を狙うことが抑制されている。
ところで、上記構成の下では、当否抽選モードが低確率モードである場合に、意図せず第3作動口64に遊技球を入賞させることがある。この際、第2特図の遊技回が終了してから第1特図の遊技回を開始させる構成であると、3600secの第2特図の遊技回が終了するまで第1特図の遊技回が開始されず、実質的に遊技進行が止まった状態が長く続くことになる。この点、本実施の形態では、第1特図及び第2特図の各遊技回を並行して実行可能となっているため、第2特図の遊技回が実行されている最中に第1特図の遊技回を開始することができ、上記不都合の発生が好適に抑制される。
図18の説明に戻り、ステップS801で肯定判定した場合、すなわち、当否抽選モードが高確率モードである場合は、ステップS803にて、変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている高確率モード用の第2特図変動表示時間テーブルを参照し、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得する。
高確率モード用の第2特図変動表示時間テーブルでは、図19(d)に示すように、今回の抽選結果が大当たり結果である場合は変動表示時間が16〜20secとなり、特別当たり結果又は外れ結果である場合は1secとなるように、当否抽選の結果と対応付けて普図変動種別カウンタC5及び変動表示時間の関係が規定されている。すなわち、当否抽選モードが高確率モードである場合は、低確率モードである場合に比べて、大当たり結果以外の結果である場合の変動表示時間が短くなるように設定されている。
係る設定により、当否抽選モードが高確率モードである場合は、第1特図よりも第2特図で当否抽選を受ける方が遊技者にとって有利となるようになっている。すなわち、高確率モードの状況下では、1回あたりの第2特図遊技回を比較的に短時間で消化し得ることに加え、当否抽選結果の殆どが特別当たり結果となるため、特別当たり結果に対応する開閉実行モードが頻発し易くなる。つまり、第2特図側で当否抽選を受け続けることで持ち球を増やすことが可能になる。
因みに、高確率モードである場合の第1特図の変動表示時間テーブル(図19(b)参照)では、外れ結果である場合の変動表示時間が3600secとなっている。第1特図の当否抽選の結果に特別当たり結果が含まれていない時点で第2特図に比べて不利であるところ、さらに変動表示時間の面でも第2特図に比べて不利な構成とすることで、第1特図と第2特図における有利度合の差異をより明確化することができる。
ステップS802,S803の実行後は、ステップS804にて、ステップS802,S803の各ステップで取得した変動表示時間をRAM604の各種カウンタエリア633に設けられた変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
図21の説明に戻り、ステップS1110の変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS1111にて変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンド及び種別コマンドには、それらのコマンドが第2特図に対応するものであることを示す情報が含まれている。ステップS1111にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置143に送信される。
ステップS1111の設定処理を実行した後は、ステップS1112に進み、主表示ユニット81における第2結果表示部BSの変動表示を開始した後、本第2特図用変動開始処理を終了する。ステップS1112の処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア634に第2特図用の変動表示中フラグを格納する。これにより、以降の処理では第2特図に係る遊技回(例えば変動表示)が実行されている最中であることを特定可能となる。
図20の説明に戻り、ステップS901にて肯定判定をした場合、すなわち第2特図に係る遊技回中であると判定した場合には、ステップS907に進む。ステップS907では、図21のステップS1110にて設定した変動表示時間が経過したタイミングであるか否かを判定する。ステップS907で否定判定した場合は、ステップS908にてRAM604の各種フラグ格納エリア634に第2強制終了フラグが格納されているか否かを判定する。第2強制終了フラグは第2特図に係る変動表示を強制的に終了させるべき旨を示すフラグであり、第1特図に係る遊技回が大当たり結果に対応している場合であって且つ当該第1特図に係る遊技回が第2特図に係る遊技回の実行中に開始される場合に格納されるものである(図17のステップS706参照)。
第2強制終了フラグが格納されていない場合は、ステップS909にて変動表示用処理を実行した後、本第2特図用制御処理を終了する。ステップS909の変動表示用処理においては、第2結果表示部BSにおいて表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように表示制御(表示用セグメントの発光制御)することにより、絵柄を変動表示させる。一方、第2強制終了フラグが格納されている場合は、ステップS910にて、第1特図に係る遊技回であって大当たり結果に対応する遊技回の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS910で否定判定した場合は、ステップS909に進んで上記変動表示用処理を実行する。
ステップS910で肯定判定した場合は、ステップS911に進んで停止結果の書替処理を実行する。停止結果の書替処理においては先ず、第2特図に係る今回の遊技結果が特別当たり結果に対応しているか否かを判定する。特別当たり結果に対応していない場合、すなわち、外れ結果に対応している場合は、ステップS906の第2特図用変動開始処理にて決定された停止絵柄(外れ結果に対応する絵柄)の書き替えが回避される。
これに対して、第2特図に係る今回の遊技結果が特別当たり結果に対応している場合には、第2特図用変動開始処理にて決定された停止絵柄(特別当たり結果に対応する絵柄)を外れ結果に対応する絵柄に書き替える。係る処理により、第2特図の特別当たり結果が無効化され、第1結果表示部ASにて表示される停止結果(大当たり結果に対応する停止結果)が優先される。すなわち、第1結果表示部ASにて開閉実行モードの実行に対応する停止絵柄が表示されている中で、第2結果表示部BSでも開閉実行モードの実行に対応する停止絵柄が表示されることが回避される。これに伴い、第1特図の当否抽選の結果が大当たり結果であることに基づく開閉実行モードと、第2特図の当否抽選の結果が特別当たり結果であることに基づく開閉実行モードとの両方が実行されることが回避される。
因みに、本実施の形態では、第1特図及び第2特図の相互間にて、相手側の遊技回の当否抽選の結果が大当たりである場合にその遊技回の開始タイミングであるか否かを判定し(ステップS910及び図16のステップS611を参照)、当該開始タイミングである場合に自身の遊技回を直ちに終了させる構成とされている(ステップS912及び図16のステップS612を参照)。このため、第1特図及び第2特図の一方にて大当たり結果となった場合は、当該一方の遊技回の開始以後であってその実行中は他方の遊技回が開始されないものとなり、第1特図及び第2特図の当否抽選の双方が同時に大当たり結果となることはない。よって、強制終了の対象となるのは、第2特図の当否抽選の結果が特別当たり結果になった場合を除くと、第1特図及び第2特図の一方で外れ結果に対応する遊技回が実行されている間に他方の当否抽選が大当たり結果となった場合となる。この場合、上記一方の外れ結果に対応する遊技回において変動表示時間が短縮されて終了することになるが、当否抽選の結果が外れ結果であるため、停止結果の書替処理を要しない。図16の第1特図用制御処理において停止結果の書替処理がないこと、及び、上記ステップS910の停止結果の書替処理にて第2特図に係る今回の遊技結果が特別当たり結果に対応するか否か(換言すれば外れ結果に対応するか否か)を判定しているのは、このためである。なお、強制終了の構成は上記構成に限定されるものではなく、相手側の遊技回の当否抽選の結果が大当たりである場合にその遊技回の終了タイミングであるか否かを判定する構成としてもよい。
ステップS911の実行後は、ステップS912にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、事前に決定された態様又は上記ステップS911の書替処理にて決定された態様となるようにして第2結果表示部BSにて絵柄を停止表示させるように主表示ユニット81の表示制御を行う。続くステップS913にて変動終了コマンドを設定した後に、本第2特図制御処理を終了する。ステップS913にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図14)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置143に送信される。
ステップS907で肯定判定した場合、すなわち、変動表示時間を経過している場合は、ステップS912に進み、上記変動終了処理及びステップS913の変動終了コマンドの設定処理を順次行い、その後、本第2特図用制御処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
次に、図14のステップS404の遊技状態移行処理について図22のフローチャートを参照して説明する。なお、本実施の形態においては作動口62〜64への入球に基づいて遊技が進行する非特別遊技状態と、可変入賞装置65が開放される特別遊技状態(開閉実行モード)とが設けられている。非特別遊技状態については、当否抽選モードが低確率モードとなる通常遊技状態と、当否抽選モードが高確率モードとなる有利遊技状態とで構成されており、大当たり結果対応の特別遊技状態を経由してこれら通常遊技状態/有利遊技状態の切り替えがなされる。有利遊技状態は、通常遊技状態に比べて大当たりとなる確率が高いことに加え、特別当たりが比較的に短い周期で繰り返されることで遊技球の払出を獲得できることから、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
遊技状態移行処理においては先ず、ステップS1201にて開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1202に進み、1の特図遊技回が終了したタイミング(第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミング)であるか否かを判定する。特図遊技回が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
遊技回が終了している場合には、ステップS1203に進み、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604に、16R確変フラグ、16R通常フラグ、特別当たりフラグの何れかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれも格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1204にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、先ず開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置65の大入賞口65aの開放を開始することなく待機させるためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア633に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。
続くステップS1205では、今回の開閉実行モードが大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS1205にて肯定判定をした場合は、ステップS1206に進み、RAM604の各種カウンタエリア633に設けられたラウンド数カウンタRCに「16」をセットする。一方、ステップS1205にて否定判定をした場合は、今回の開閉実行モードが特別当たり結果に対応することを意味するため、ステップS1207にてラウンド数カウンタRCに「1」をセットする。
ステップS1206、ステップS1207の処理を実行した後は、ステップS1208に進む。ステップS1208では、オープニングコマンドの設定処理を行う。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図14)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置143及び表示制御装置660に送信される。報知・演出制御装置143では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置75における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は報知・演出制御装置143から表示制御装置660に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置660では、主制御装置162から受信したオープニングコマンドや報知・演出制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、背景画像等の切り替えがなされるように図柄表示装置75の表示制御を実行する。
ステップS1208のオープニングコマンド設定処理を実行した後はステップS1209にて外部信号設定処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。ステップS1209の外部信号設定処理では、RAM604に、上記各種大当たり対応フラグ及び特別当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、遊技ホール側の管理制御装置に大当たり又は特別当たりが発生した旨を示す信号が出力される。この外部信号を受信することにより当該管理制御装置にて、開閉実行モードへ移行した旨が把握される。
ステップS1201の説明に戻り、開閉実行モード中である場合には当該ステップS1201にて肯定判定をし、ステップS1210に進む。ステップS1210では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1211にて大入賞口開閉処理を実行する。
大入賞口開閉処理では、大入賞口65aが閉鎖中である場合には、ラウンド数カウンタRCが「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部65cを駆動状態とすることで大入賞口65aを開放させる。また、大入賞口65aが開放中である場合には、当該大入賞口65aの開放から所定時間(本実施の形態においては30sec又は1.8sec)が経過していること又は所定個数(本実施の形態では10個)の遊技球が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部65cの駆動状態を停止し、大入賞口65aを閉鎖させる。
ステップS1211の大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS1212に進む。ステップS1212ではラウンド数カウンタRCが「0」になっているか否かを判定する。ステップS1212にて否定判定をした場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。ステップS1212にて肯定判定をした場合には、ステップS1213に進む。ステップS1213ではエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。エンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ラウンド数カウンタRCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1214にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
開閉実行モード終了時の移行処理においては、RAM604の各種フラグ格納エリア634に16R確変フラグが格納されているか否かを判定する。16R確変フラグが格納されている場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア634に高確率モードフラグが格納されていればそれを維持し、格納されていなければ高確率モードフラグを格納する。また、RAM604の各種フラグ格納エリア634に16R通常フラグが格納されている場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア634に高確率モードフラグが格納されていればこれらを消去し、格納されていなければそれを維持する。その後、開閉実行モードに係る各種フラグ(16R確変フラグ、16R通常フラグ、特別当たりフラグ)を消去する。なお、特別当たり結果対応の開閉実行モードについては、当該開閉実行モード開始前の遊技状態に復帰し、当否抽選モード等が変更になることはない。
<電役サポート用処理>
次に、図14のステップS405の電役サポート用処理について図23のフローチャートを参照しながら説明する。電役サポート用処理では、先ずステップS1301にて普図遊技回制御処理を実行し、続くステップS1302にて普図遊技状態移行処理を実行して、本サポート用処理を終了する。以下、これらの各処理について、詳細に説明する。
<普図遊技回制御処理>
先ず、普図遊技回制御処理について図24のフローチャートを参照して説明する。
普図遊技回制御処理では、ステップS1401にて、サポート状態中か否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア634にサポート状態フラグが格納されているか否かを判定する。当該サポート状態フラグは、後述する普図遊技状態移行処理にて電動役物66の開閉制御を行うサポート状態に移行させる場合に格納され、同じく普図遊技状態移行処理にてサポート状態を終了させる場合に消去される。
サポート状態中である場合はそのまま本普図遊技回制御処理を終了する。つまり、サポート状態中である場合には、スルーゲート35への入賞が発生しているか否かに関係なく、普図遊技回が開始されることはない。
サポート状態中ではない場合には、ステップS1402にて、普図遊技回中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604の各種フラグ格納エリア634に普図変動表示中フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。普図変動表示中フラグは、役物用表示部44について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
普図遊技回中でない場合には、ステップS1403にて、普図保留記憶数FNが0であるか否かを判定する。普図保留記憶数FNが0である場合には、そのまま本普図遊技回制御処理を終了する。
普図保留記憶数FNが0ではない場合には、ステップS1404にて電役用保留エリアRcに記憶されているデータを変動表示用に設定するための普図データ設定処理を実行する。普図データ設定処理では、普図保留記憶数FNを1ディクリメントするとともに、電役用保留エリアRcの第1エリアRc1に格納されたデータを普図用実行エリアAE3に移動する。そして、電役用保留エリアRcの各記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。すなわち、第1エリアRc1〜第4エリアRc4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアRc1のデータをクリアするとともに、第2エリアRc2→第1エリアRc1、第3エリアRc3→第2エリアRc2、第4エリアRc4→第3エリアRc3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、役物用表示部44における普図保留数表示部FMにて点灯中のLEDを1つ消灯させる。
ステップS1404の実行後は、ステップS1405にて普図変動開始処理を実行してから、本普図遊技回制御処理を終了する。ここで、普図変動開始処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。
普図変動開始処理では、先ずステップS1501にて普図当否判定処理を実行する。普図当否判定処理では、普図当否テーブル(図10(a)参照)を参照して、普図用実行エリアAE3に格納された開放乱数カウンタC4の値が開放結果に対応する数値情報と一致しているか否かを判定する。ステップS1501における普図当否判定の結果が開放結果である場合は、ステップS1502にて肯定判定してステップS1503に進む。
ステップS1503では開放結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、当該遊技回において役物用表示部44に最終的に停止表示させる絵柄をROM603に予め記憶されている開放結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。また、ステップS1503では、今回の遊技結果が開放結果であることをMPU602にて特定するための情報として、RAM604の各種フラグ格納エリア634に開放フラグを格納する。
一方、ステップS1501における判定結果が外れ結果である場合にはステップS1502にて否定判定し、ステップS1504に進む。ステップS1504では外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、当該遊技回において役物用表示部44に最終的に停止表示させる絵柄をROM603に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。
ステップS1503又はS1504の実行後は、ステップS1505にて現在の当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。ステップS1505にて否定判定した場合は、ステップS1506にて、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている低確率モード用の普図変動表示時間テーブル(図10(b)参照)を参照し、今回の普図変動種別カウンタC5の値に対応した変動表示時間を取得する。一方、ステップS1505にて肯定判定した場合は、ステップS1507にて、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている高確率モード用の普図変動表示時間テーブル(図10(c)参照)を参照し、今回の普図変動種別カウンタC5の値に対応した変動表示時間を取得する。
ステップS1506又はS1507の実行後は、ステップS1508にて、ステップS1506,S1507の各ステップで取得した普図変動表示時間をRAM604の各種カウンタエリア633に設けられた変動表示時間カウンタエリアにセットする。ここでセットされた普図変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図11)が起動される度に、1ディクリメントされる。
続くステップS1509では、普図変動用コマンド及び普図種別コマンドを設定する。普図変動用コマンドには普図変動表示時間の情報が含まれ、普図種別コマンドには遊技結果(開放結果であるか否か)の情報が含まれる。これら設定されたコマンドは、通常処理(図14)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した普図変動用コマンド及び普図種別コマンドに基づいて、その普図遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置75の普図用表示部(不図示)での図柄の変動表示態様が含まれている。また、普図変動用コマンドは、報知・演出制御装置143を経由して表示制御装置660に送信され、表示制御装置660では当該普図変動用コマンドを受信することにより、普図遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置75を制御する。
その後、ステップS1510にて、役物用表示部44において絵柄の変動表示を開始させ、本普図変動開始処理を終了する。
図24の説明に戻り、ステップS1402で肯定判定した場合、すなわち、普図遊技回中であると判定した場合は、ステップS1406にて、今回の普図遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が未経過である場合は、ステップS1407にて変動表示用処理を実行し、その後、本普図遊技回制御処理を終了する。変動表示用処理では、役物用表示部44において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該役物用表示部44を表示制御する。
一方、変動表示時間が経過している場合は、ステップS1408にて変動終了処理を実行し、その後、本普図遊技回制御処理を終了する。ステップS1408の変動終了処理では、図25のステップS1503又はS1504の処理にてRAM604に記憶した情報を特定し、その情報に対応した図柄が役物用表示部44にて停止表示されるように当該役物用表示部44を制御する。
<普図遊技状態移行処理>
次に、普図遊技状態移行処理について図26のフローチャートを参照して説明する。
普図遊技状態移行処理では、先ずステップS1601にて、サポート状態中か否かを判定する。サポート状態中でない場合はステップS1602に進み、1の普図遊技回の図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。普図変動表示の終了タイミングでない場合はそのまま本遊技状態移行処理を終了する。
普図変動表示の終了タイミングである場合はステップS1603に進み、今回の普図遊技回の遊技結果がサポート状態への移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア634に開放フラグが格納されているか否かを判定する。開放フラグが格納されていない場合はそのまま本遊技状態移行処理を終了する。
開放フラグが格納されている場合は、ステップS1604にてサポート状態の開始処理を実行する。当該処理では普図オープニング用の待機時間を設定する。既に説明したように、本実施の形態では上記待機時間として0secを設定する。続くステップS1605では第2ラウンド数カウンタRC2に「1」をセットする。第2ラウンド数カウンタRC2は、電動役物66の開放回数をカウントするためのものであり、電動役物66が開放される都度1ディクリメントされる。
その後、ステップS1606では、サポート状態が発生した旨を示す情報を遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS1606の実行後は、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップS1601にてサポート状態であると判定した場合は、ステップS1607にて普図オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。当該待機時間が経過している場合は、ステップS1608にて役物開閉処理を実行する。
役物開閉処理では、電動役物66が閉鎖中である場合には、第2ラウンド数カウンタRC2が「1」以上であることを条件として、駆動部244,246を駆動状態とすることで電動役物66を開放状態に切り替える。また、電動役物66が開放中である場合には、電動役物66の開放から所定時間(本実施の形態においては0.1sec)が経過していること又は所定個数(本実施の形態では5個)の遊技球が第2作動口63に入賞していることを条件として、駆動部244,246の駆動状態を停止し、電動役物66を閉鎖状態に切り替える。なお、役物開閉処理では、電動役物66を開放状態から閉鎖状態に切り替える場合に普図エンディング用の待機時間を設定するが、既に説明したように、本実施の形態では上記待機時間として0secを設定する。
ステップS1608の役物開閉処理の実行後は、ステップS1609にて第2ラウンド数カウンタRC2の値が0であるか否か、すなわち、電動役物66の1回の開放が終了したか否かを判定する。ステップS1609で肯定判定した場合は、ステップS1610にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。ステップS1610で肯定判定した場合は、ステップS1611にてサポート状態の終了処理を実行し、その後、本遊技状態移行処理を終了する。ステップS1611の処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア634に格納された開放フラグの消去を行う。ステップS1607、S1609又はS1610で否定判定した場合はそのまま本遊技状態移行処理を終了する。
なお、本実施の形態においては普図オープニング用及び普図エンディング用の各待機時間がいずれも0secに設定されるため、ステップS1607及びS1610の処理を省略してもよい。
<普図遊技の流れについて>
次に、普図遊技の流れについて図27を参照しながら説明する。図27は普図遊技の流れを示すタイミングチャートである。
本実施の形態では、普図の変動表示が開始されるときの普図保留情報の有無によって遊技の流れが相違するものとなっている。ここでは、普図保留記憶数FNが0である場合(普図保留情報が無い場合)と、1以上である場合(普図保留情報を有する場合)とに分けて説明する。ここでは、便宜上、左ルートに発射された遊技球の全てがスルーゲート35に入賞するものとする。
ここで、普図保留記憶数FNが0であるとは、電役用保留エリアRcの普図用実行エリアAE3に保留情報が存在するか否かにかかわらず、同エリアRcの第1エリアRc1〜第4エリアRc4に普図保留情報が記憶されていない状態を意味する。また、普図保留記憶数FNが1以上である場合とは、普図遊技回が実行されている状況下で、未だ普図遊技回の実行対象となっていない普図保留情報が上記第1エリアRc1〜第4エリアRc4の少なくとも1つに記憶されている状態を意味する。なお、普図遊技回が実行されておらず且つ上記第1エリアRc1〜第4エリアRc4のいずれにも保留情報が存在しない状況下でスルーゲート35への入賞が発生した場合のように、ごく一瞬の間だけ普図保留記憶数FNが1となる場合は、普図保留記憶数FNが0である状態に含まれるものとする。
<普図保留記憶数FNが0である場合について>
先ず、図27(a)を参照しながら普図保留記憶数FNが0である場合について説明する。ここで、図27(a)において角括弧書きの数字は遊技球の順番を示している。例えば、図27(a1),(a4)における[1]は、タイミングt1にて1番目(1球目)の遊技球がスルーゲート35を通過し、その遊技球がタイミングt4にて電動役物66(特定領域RA2)に到達することを意味している。既に説明したように、普図遊技回における変動表示時間は殆どが0.05secに設定されることから(図10(b)参照)、図27(a)における変動表示時間はいずれも0.05secであるものとする。また、普図当否抽選の結果は殆どが開放結果となることから(図10(a)参照)、図27(a)における普図当否抽選の結果はいずれも開放結果であるものとする。
タイミングt1において1番目の遊技球がスルーゲート35に入賞すると、図27(a2)に示すように、普図当否抽選が行われて普図変動表示が開始される。変動表示時間である0.05secの経過後、開放結果に対応する態様で普図が停止表示され、その状態が停止表示時間である0.4sec間に亘って維持される。
タイミングt2において停止表示時間が経過すると、普図オープニング期間が0secであることから、図27(a3)に示すように、直ちに電動役物66が閉鎖状態から開放状態に切り替えられる。その状態が開放時間である0.1sec間に亘って維持された後、再び閉鎖状態に復帰される。つまり、遊技球がスルーゲート35に入賞してから0.45sec後に電動役物66が開放状態に移行し、遊技球がスルーゲート35に入賞してから0.55sec後に電動役物66が閉鎖状態に復帰する(タイミングt3)。
一方、スルーゲート35を通過した遊技球が電動役物66(特定領域RA2)に到達するまでの所要期間は、既に説明したように0.6secに設定されている(図5(a)参照)。このため、図27(a4)に示すように、スルーゲート35を通過した遊技球は、電動役物66が閉鎖状態に復帰するタイミングt3から0.05sec遅れたタイミングt4にて特定領域RA2に到達する。すなわち、電動役物66の開放タイミングに対する遊技球の到達タイミングの時間差(位相差)Aは、0.15secの遅れとなり、閉鎖タイミングに対する到達タイミングの時間差Bは、0.05secの遅れとなる。つまり、スルーゲート35を通過した遊技球は、電動役物66の開放中に特定領域RA2(受入領域RA1)に到達することができず、第2作動口63に入賞しない。
ここで、本実施の形態において、スルーゲート35への入賞に基づく1回分の普図遊技期間(普図遊技回が開始されてから次の普図遊技回が開始されるまでの期間)は、普図遊技回における変動表示時間(0.05sec)と、同遊技回における停止表示時間(0.4sec)と、電動役物66における開放時間(0.1sec)とを合計した0.55secとなっている(図27(a3)参照)。これに対して、1番目の遊技球(先行球)がスルーゲート35に入賞してから2番目の遊技球(後続球)がスルーゲート35に入賞するまでの入賞周期(入賞間隔)は、遊技球の発射周期(発射間隔)である0.06secに近似し、同周期と同一又は略同一となる(図27(a1),(a4)参照)。
このように、本実施の形態では、1回分の普図遊技期間がスルーゲート35への入賞周期(遊技球の発射周期)よりも短くなっている。このため、1番目の遊技球のスルーゲート35への入賞に基づいて開始された普図遊技(普図遊技回及びサポート状態からなる一連の遊技)は、2番目の遊技球がスルーゲート35に入賞するよりも早く終了する。故に、1番目の遊技球がスルーゲート35に入賞してから当該入賞に基づく電動役物66のサポート状態が終了するまでに、スルーゲート35への2番目の遊技球の入賞がなされず、新たな普図保留情報の追加が行われない。その結果、タイミングt3において電動役物66が閉鎖状態に復帰した後は、2番目の遊技球がスルーゲート35に入賞することを待機する待機時間が発生する。
そして、タイミングt4において2番目の遊技球がスルーゲート35に入賞すると、当該入賞に基づく普図当否抽選及び普図遊技回が実行され、当該入賞から0.45secの経過後に電動役物66が0.1sec間に亘って開放される。電動役物66の閉鎖後は、1番目の遊技球の場合と同じく、3番目の遊技球がスルーゲート35に入賞するのを待機する状態となる。このような流れは、3番目以降の遊技球の入賞についても同様となり、いずれの入賞であっても、先行球の入賞に基づく普図遊技が後続球のスルーゲート35への入賞よりも早く終了する関係が維持される。
すなわち、普図保留記憶数FNが0の状況下では、常時、電動役物66の開放タイミングがスルーゲート35への入賞タイミングに依存するものとなる。このため、電動役物66の開放周期(一の開放タイミングから次の開放タイミングまでの期間)は、スルーゲート35への入賞周期に従った0.6secとなる(図27(a3)参照)。一方、スルーゲート35を通過した遊技球の電動役物66(特定領域RA2)への到達周期(到達間隔)は、スルーゲート35への入賞周期(遊技球の発射周期)である0.6secに近似し、同周期と同一又は略同一となる(図27(a4)参照)。
このように、電動役物66の開放周期と遊技球の到達周期とが等しくなるため、上で述べた0.15sec遅れの時間差A及び0.05sec遅れの時間差Bは、どの入賞に対しても同様に発生する。したがって、普図保留記憶数FNが0である場合は、電動役物66が都度開放するものの、第2作動口63には遊技球が入賞しない状態が続くものとなる。
<普図保留記憶数FNが1以上である場合について>
次に、図27(b)を参照しながら普図保留記憶数FNが1以上である場合について説明する。ここでは、便宜上、普図保留記憶数FNが3以下であり、上記図27(a)の場合と同様、普図変動表示時間が0.05secに設定されるものとして説明を進める。なお、本ケースにおいてタイミングt1からタイミングt3までの流れは、上記図27(a)の場合と同様であるため、説明を省略する。
タイミングt3において電動役物66が閉鎖状態に復帰すると、普図保留記憶数FNが1以上であることから、図27(b2)に示すように、2番目の遊技球のスルーゲート35への入賞を待つことなく、次の普図遊技回が開始される。本実施の形態では、普図エンディング期間が0secに設定されているため、電動役物66の閉鎖が完了すると直ちに次の普図遊技回が開始される。このため、普図保留記憶数FNが1以上である場合は、普図保留記憶数FNが0である場合と比べ、次の普図遊技回が上記待機時間(0.05sec)の分だけ前倒しで開始されることとなる。その結果、図27(b3)に示すように、電動役物66の開放周期は、待機時間の分が短縮された0.55secとなる。一方、スルーゲート35を通過した遊技球の電動役物66への到達周期(到達間隔)は、上記図27(a)の場合と同様に0.6secとなる。
このように、普図保留記憶数FNが1以上である場合は、電動役物66の開放周期と遊技球の到達周期との間に0.05secのずれが生じる。このため、図27(b4)に示すように、電動役物66の開放タイミングに対する遊技球の到達タイミングの時間差A、及び閉鎖タイミングに対する到達タイミングの時間差Bは、1番目の遊技球の場合は、図27(a)の場合と同様、それぞれ0.15secの遅れ及び0.05secの遅れとなるのに対し、2番目の遊技球の場合は、それぞれ0.2secの遅れ及び0.1secの遅れとなる。すなわち、到達タイミングが開放タイミング及び閉鎖タイミングに対してさらに0.05sec遅れるようになり、上記時間差A及びBには、開放周期と到達周期との差分(0.05sec)に応じた変化が生じる。
このような時間差A及びBの変化は、普図遊技が繰り返される都度、0.05secずつ生じ、累積されていく。このため、普図遊技の繰り返し過程でいずれ開放期間と到達タイミングとが適合し、遊技球が第2作動口63に入賞するようになる。因みに、図27(b)に示すケースでは、時間差A及びBにおける1遊技回あたりの変化幅(開放周期と到達周期との差分)が0.05secであるため、普図遊技が11回行われることで、開放周期(0.55sec)の1周期分と同量の変化が生じ、一巡する。電動役物66の開放時間は上記変化幅の2倍である0.1secであることから、11回の変化の中で2回に亘り、電動役物66の開放中に特定領域RA2(受入領域RA1)に遊技球が到達することが可能となる。すなわち、2/11(約1/6)の確率で第2作動口63に遊技球が入賞し得るものとなる。
ところで、上記構成においては普図保留記憶数FNが1以上の状態で普図遊技を繰り返すことにより第2作動口63に遊技球が入賞可能となるところ、第2作動口63への入賞機会を適切に提供するには、普図保留記憶数FNを確実に貯められる機会があること、及び、当該機会により貯まった普図保留記憶数FNをその後も安定的に維持し得ることが望ましい。そこで、本実施の形態では、普図保留記憶数FNとの関係において普図変動表示時間を工夫することにより、普図保留記憶数FNを増加させる機会の適切な確保や普図保留記憶数FNの安定的な維持を可能としている。以下、この点について図10、図28及び図29を参照しながら説明する。
図28は普図遊技の流れを示すタイミングチャート、図29は、開放タイミングに対する到達タイミングの時間差Aと閉鎖タイミングに対する到達タイミングの時間差Bとにおける変化の様子を説明するための説明図である。なお、図29においては、到達タイミングが開放タイミング又は閉鎖タイミングに対して進み位相となる場合を正とし、遅れ位相なる場合を負としている。
既に説明したように、抽選モードが低確率モードである状況において、普図変動開示時の普図保留記憶数FNが1〜3個である場合は、1/1000の確率で普図変動表示時間が10secに設定される(図10(b)参照)。普図変動表示時間が10secに設定されると、1回分の普図遊技期間(普図遊技回が開始されてから次の普図遊技回が開始されるまでの期間)は、変動表示時間である10secと、停止表示時間である0.4secと、電動役物66の開放時間である0.1secとを合計した10.5secとなる。この間におけるスルーゲート35への入賞は4個を上限として保留化されるところ、遊技球の発射周期は0.6secとなっている。つまり、上記期間にて約17球の遊技球を発射することができ、普図保留記憶数FNを悠々と上限数(4個)まで増やすことができる(図28(a),(b)のタイミングt11〜t12を参照)。
このように、普図遊技期間が遊技球の発射周期(スルーゲート35への入賞周期)の4倍よりも長い期間となるように普図変動表示時間を設定することで、普図保留記憶数FNを増やす機会を好適に提供することができる。また、普段は普図保留が貯まらない(又は貯まりにくい)構成としておき、変動表示時間の長期化により普図保留が貯まる(又は貯まり易くなる)構成としたことで、普図保留が貯まるか否かを乱数を用いた確率設定で制御することが可能となる。これにより、遊技機の設計段階で第2作動口63への入賞期待値を把握し易くなり、入賞し易さの調整を容易化することが可能になる。
上記のようにして普図保留記憶数FNが最大化された後は、1000/1000の確率で普図変動表示時間が0.6secに設定される(図10(b)参照)。このため、図28に示すように、10secの変動表示時間が設定された後は、例外なく変動表示時間が0.6secに設定される。なお、図28及び図29では、便宜上、変動表示時間が10secとされた遊技回の終了後、最初の遊技回の開始タイミングと、最初のスルーゲート35への遊技球の入賞タイミングとが一致するものとしている。
普図変動表示時間が0.6secに設定されると、図28(c),(d)に示すように、1回分の普図遊技期間は、変動表示時間である0.6secと、停止表示時間である0.4secと、電動役物66の開放時間である0.1secとを合計した1.1secとなる。スルーゲート35への入賞周期(遊技球の発射周期)は0.6secであるため、上記1.1secの普図遊技期間にて1個又は2個の遊技球をスルーゲート35に入賞させることができ、その分の普図保留情報を補充可能となる。つまり、普図保留記憶数FNが4個に達した後は、1回分の普図遊技期間がスルーゲート35への入賞周期よりも長くなることで、普図保留情報の消化周期(普図遊技の実行周期)よりも短い周期で普図保留情報を補充することが可能となる。これにより、自然な発射操作を続けているだけで、普図保留記憶数FNを上限値に維持したまま遊技を進めることが可能になる。
普図変動表示時間が0.6secである場合の開放周期は、停止表示時間及び開放時間が一定化されていることから、図28(d)に示すように、上記普図遊技期間と同一の1.1secとなる。一方、スルーゲート35を通過した遊技球の電動役物66(特定領域RA2)への到達周期は0.6secとなる。よって、この場合における電動役物66の開放周期は、遊技球の到達周期の2周期分(1.2sec)よりも0.1secだけ短いものとなる。
このため、電動役物66の開放タイミングに対する遊技球の到達タイミングの時間差A、及び閉鎖タイミングに対する到達タイミングの時間差Bは、図29に示すように、1球目の遊技球の場合は、それぞれ0.4secの進み及び0.5secの進みとなるのに対し、3球目の遊技球の場合は、それぞれ0.3secの進み及び0.4secの進みとなる。すなわち、普図変動表示時間が0.6secである場合は、普図遊技が1回行われる都度、1球おきに上記時間差A及びBが0.1secずつ変化するものとなる。この場合、普図遊技が11回行われることで、上記時間差A及びBが開放周期(1.1sec)の1周期分だけ変化し、その際に要する遊技球の到達球数は22個((1.2sec×11)/0.6sec)となる。
但し、図29に示すように、9球目の遊技球の時間差Aと22球目の遊技球の時間差Aはいずれも同じ0となり、等しくなる。このような関係は、例えば、7球目の遊技球の場合と20球目の遊技球の場合とでも同様に生じる。つまり、奇数番目の遊技球における時間差A及びBは、開放周期の半周期分の変化が生じた後の偶数番目の遊技球における時間差A及びBと同一となる。このため、開放周期の半周期分の変化が生じることで、時間差A及びBの変化が一巡することになる。そして、電動役物66の開放時間は、時間差A及びBにおける1遊技回あたりの変化幅と同一の0.1secであることから、開放周期の半周期分の変化が生じる中(11個の遊技球が電動役物66に到達する中)で1回だけ電動役物66の開放中に遊技球が到達することが可能となる。すなわち、普図保留記憶数FNが4個に維持されていることを条件に、1/11(約1/10)の確率で第2作動口63に遊技球が入賞し続けるものとなる。
ここで、本実施の形態では、図28(d),(e)に示すように、普図保留記憶数FNが4個である場合の電動役物66の開放周期(普図遊技期間)と、電動役物66への遊技球の2到達周期とにおいて、2到達周期(長い側の時間)が開放周期(短い側の時間)の非整数倍となるように構成されている。例えば、これらにおいて長い側の一方が短い側の他方に対して整数倍となる関係であると、両者が同期するため、普図遊技が繰り返されても上記時間差A及びBが変化しないものとなり得るが、本実施の形態によれば、これを好適に抑制し、第2作動口63への入賞機会を適正に確保することが可能になる。
因みに、このような関係は、図27(b)に示すように、普図保留記憶数FNが1〜3個の場合であっても成立し得るものとなっている。すなわち、普図保留記憶数FNが1〜3個である場合の電動役物66の開放周期と、電動役物66への遊技球の到達周期とにおいては、到達周期が開放周期の非整数倍となるように構成されている。
上記のように、普図保留が生じることで第2作動口63への入賞が容易な状態に移行する構成においては、遊技ホールでの安定的な運用を考慮すると、不意に普図保留記憶数FNが1以上となることを避けるべく、スルーゲート35への入賞間隔を一定化させることが理想的となる。例えば、スルーゲート35への入賞ルートを一本化するなど、スルーゲート35に入賞する遊技球の流れを規則的なものとすれば、そのような構成の実現を図ることができる。但し、遊技球の流れが画一的なものとなり、遊技の単調化を招いたり、遊技者の技術介入の余地を過度に狭めたりするおそれがある。このため、遊技球の流れにある程度の不規則性を持たせる方が実用的な場合もあり、入賞間隔のばらつきを許容せざるを得ないこともあり得る。
つまり、上記図27〜図29の説明ではスルーゲート35への遊技球の入賞間隔が一定周期であるものとしたが、これに限定されるものではなく、ある程度のばらつき(不定性)を有するものであってもよい。そのような中でも、1回分の普図遊技期間を遊技球の発射周期よりも短くすることで、設計意図に反して普図保留記憶数FNが増加したりするなどのリスクを低減することができ、想定外の入賞容易状態への移行を抑制することが可能になる。
また、上記構成においては、普図保留記憶数FNを4個とするための変動表示時間として10secを例示したが、これに限定されるものではない。すなわち、普図遊技期間がスルーゲート35への入賞周期(遊技球の発射周期)の4倍よりも長くなるものであれば、任意の時間に設定することができる。さらに、係る変動表示時間が選択される確率についても1/1000である必要はなく、任意の確率とすることができる。
さらに、必ずしも普図保留記憶数FNを上限数まで増加させた後、その保留数を維持できる構成とする必要はない。すなわち、入賞容易状態への移行契機として少なくとも1個の保留が生じるものであれば足り、例えば、1個の普図保留を生じさせた後、その保留数を維持できる構成としてもよい。この場合、普図保留記憶数FNが0個であるときに所定の確率で例えば0.2secの変動表示時間(普図遊技期間が遊技球の発射周期よりも長い0.7secとなる変動表示時間)が選択される構成とした上で、普図保留記憶数FNが1個であるときに0.6secの変動表示時間が設定される構成とするとよい。この際、普図保留記憶数FNが2個以上である場合の変動表示時間は、1個の場合と同じく普図保留記憶数FNを維持可能又は維持容易な時間としてもよいし、普図保留記憶数FNを維持不能又は維持しにくい時間としてもよい。
但し、入賞容易状態への移行契機となる普図保留記憶数FNを少なくした場合は、例えば、先行球と後続球の距離が縮まった状態でスルーゲート35に入賞すると、後続球の入賞が保留となり、変動表示時間の長さとは無関係に入賞容易状態に移行するおそれがある。この点を踏まえると、本実施の形態のように移行契機となる普図保留記憶数FNを上限数としたり、上限数でなくても複数個としたりすることで余裕を確保し、想定外の保留発生により入賞容易状態へ移行するのを抑制し得る構成とするとよい。
また、普図保留記憶数FNを維持するための変動表示時間についても0.6secに限定されるものではなく、1回分の普図遊技期間がスルーゲート35への入賞周期(遊技球の発射周期)よりも長くなるものであれば足りる。
<遊技全体の流れについて>
次に、普図遊技及び特図遊技の双方を含む遊技全体の流れについて図30を参照しながら説明する。図30は遊技状態の遷移を示す状態遷移図である。
当否抽選モードが低確率モードとなっている通常遊技状態では、既に説明したように、第2特図よりも第1特図で当否抽選を受ける方が遊技者にとって有利となっている。このため、遊技状態が通常遊技状態である場合は、左ルート(図4参照)に遊技球を打ち出し、スルーゲート35、第2作動口63(電動役物66)及び第1作動口62への入賞を狙って遊技することになる。
ここで、本実施の形態では、左ルートに向けて発射された遊技球の大半(例えば80%以上)がスルーゲート35に入賞し、また、スルーゲート35に入賞した遊技球については電動役物66に到達することが可能となっている(図5(a)参照)。さらに、電動役物66の下流側においては、電動役物66の前方を通過した遊技球(第2作動口63に入賞しなかった遊技球)が第1作動口62側に向けて流下するように、釘69等によって流下経路が形成されている。つまり、スルーゲート35→電動役物66→第1作動口62の順番で遊技球を流下させ得る構成となっている。このため、左ルートに向けて遊技球を発射している状況下では、スルーゲート35への入賞に基づく普図当否抽選を受けながら、第2作動口63又は第1作動口62への入賞に基づく第1特図の当否抽選を受けることが可能となっている。
通常遊技状態において普図保留記憶数FNが0個である場合は、既に説明したように、スルーゲート35に遊技球が入賞する都度、電動役物66が開放するものの、第2作動口63には遊技球が入賞しない又は入賞しくい第1通常遊技状態(入賞非サポート状態)となる。第1通常遊技状態では、第2作動口63への入賞が期待薄となるため、特図遊技に関しては、実質的に第1作動口62のみへの入賞に基づく第1特図の当否抽選を受けながら大当たりの獲得を目指して遊技するものとなる。
ここで、左ルートに発射された遊技球が第1作動口62に入賞する確率は、左ルートに発射された遊技球がスルーゲート35に入賞する確率よりも低く抑えられている。具体的には、左ルートに向けて10〜15個の遊技球の発射された場合、1個の遊技球が第1作動口62に入賞可能となるように設定されている(入賞確率=7〜10%)。第1作動口62への入賞が発生した場合の遊技球の払い出し数は3個となっているため、第1通常遊技状態においては、発射球数よりも払い出し球数が少ない状態が続き、遊技者は持ち球を減らしながら遊技を進めるものとなる。
なお、第1通常遊技状態となっている場合に右ルートへ遊技球を発射することも可能である。既に説明したように、右ルートに発射された遊技球についてはその多くが(70%以上)が第3作動口64に入賞することになる。しかしながら、第3作動口64への入賞が発生した場合の遊技球の払い出し数は1個となっているため、持ち球の減少速度が抑制されるものの、減ることに変わりはない。しかも、通常遊技状態における第3作動口64に係る遊技回については変動表示時間が特殊時間(36000sec)に設定されるため、第2特図の当否抽選の実行頻度が大きく低下する事態を招き、遊技者にとってのメリットが乏しくなっている。
第1通常遊技状態である場合は、第1作動口62に係る遊技回の変動表示時間は短くても3secであるのに対し(図19(a)参照)、スルーゲート35に係る普図遊技の所要期間は0.55secとなっている(図27(a3)参照)。すなわち、上記普図遊技の所要期間は、第1作動口62に係る遊技回の変動表示時間よりも十分に短くなっている。加えて、スルーゲート35への入賞確率は第1作動口62への入賞確率よりも高くなっているため、第1通常遊技状態においては、スルーゲート35への入賞に基づく普図遊技が高速で繰り返される一方、それよりも少ない頻度で第1作動口62に係る第1特図の当否抽選が行われるものとなる。
因みに、普図保留記憶数FNが0である場合の普図遊技回の実行周期は0.6secとなることから(図27(a)参照)、左ルートに発射された遊技球の全てがスルーゲート35に入賞したと仮定とすると、10分間で1000回の普図遊技回を実行することができる。10secの普図変動表示時間が選択される確率は1/1000であるから(図10(a)参照)、遊技球の発射を10分間に亘り継続する中で約65%の確率で普図保留記憶数FNを4個とすることができる。
普図保留記憶数FNが4個となると、既に説明したように、第2作動口63に遊技球が入賞可能(又は入賞容易)な状態となる(図29参照)。すなわち、第1作動口62に加えて第2作動口63によっても第1特図の当否抽選を受け易くなる第2通常遊技状態(入賞サポート状態)に移行する。この場合、約1/10の確率で第2作動口63に遊技球が入賞可能となるところ、第2作動口63への入賞が発生した場合の遊技球の払い出し数は10個となっている。このため、遊技者は、持ち球を減らさない或いは持ち球の減りを少なく抑えた状態で遊技を続けることが可能となる。
第2通常遊技状態は普図保留記憶数FNが1個以上である限り継続することができる。本実施の形態では、普図保留記憶数FNが4個となった後、普図変動表示時間が普図保留記憶数FN=0の場合よりも長い0.6secに設定される。これにより、自然な発射操作で遊技球を発射し続けているだけで、普図保留記憶数FNを4個(1個以上)に維持することが可能となっている(図10(b)、図29参照)。
第1通常遊技状態又は第2通常遊技状態において第1特図の当否抽選結果が大当たり結果となると、可変入賞装置65が開放される特別遊技状態に移行する。可変入賞装置65は、可変表示ユニット67の右方に配置され、遊技球が右ルートを流下することを条件として入賞可能な構成となっている。このため、遊技者は右ルートに遊技球を発射して遊技することになり、それに伴い、スルーゲート35への遊技球の入賞が回避される。この場合、右ルートへの遊技球の発射を促すべく、図柄表示装置75の表示画面75a等において、右ルートを流下させるべきことを示唆する態様の報知(右打ち報知)を行うとよい。
本実施の形態では、特別遊技状態に移行した場合、大当たり種別の振分結果にかかわらず、ラウンド遊技が16回繰り返されるものとなっている。このため、4回分の普図遊技が行われる期間よりも長い期間に亘って右ルートへの遊技球の発射操作が継続されることとなり、普図保留記憶数FNが0となって第2通常遊技状態(入賞サポート状態)が終了する。すなわち、ひとたび第2通常遊技状態に移行した後は、特図当否抽選の結果が大当たり結果となるまで当該状態を継続し得るものとなっている。
大当たり種別の振分結果が16R確変大当たりであった場合は、上記特別遊技状態の終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなる有利遊技状態に移行する。有利遊技状態では、既に説明したように、第3作動口64に係る第2特図の遊技回の変動表示時間が短くなる(図19(d)参照)。しかも、右ルートに発射された遊技球についてはその多くが第3作動口64に入賞することに加え、第3作動口64に係る第2特図の当否抽選結果はその殆どが特別当たり結果となる。このため、有利遊技状態において第3作動口64への入賞を狙って遊技を進めれば、特別当たり結果に対応する開閉実行モードが頻発することになる。すなわち、左ルートよりも右ルートが有利となり、遊技者は右ルートに遊技球を発射して遊技する。なお、可変入賞装置65は第3作動口64と同じく右ルート側に配置され、第3作動口64に入賞しなかった遊技球が入賞可能となっている。このため、有利遊技状態中における発射方向の切替は不要であり、右ルート側への発射操作を継続するだけで足りるものとなっている。
特別当たり結果に対応する開閉実行モードでは可変入賞装置65が1.8secに亘って開放状態とされるところ、遊技球の発射周期は0.6secであることから2〜3個の遊技球の入賞が見込まれる。可変入賞装置65への入賞が発生した場合の遊技球の払い出し数が15個である場合、特別当たり結果に対応する開閉実行モードが行われる都度、30〜45個の遊技球の払い出しを得ることが可能となる。有利遊技状態では、特別当たり結果に対応する開閉実行モードを繰り返すことで持ち球を増加させつつ、第2特図の当否抽選結果が大当たり結果となることを目指すことができる。
なお、有利遊技状態においては、右ルートへの発射操作が継続されると想定されるため、スルーゲート35及び電動役物66は実質的に機能しないものとなる。但し、有利遊技状態に移行している場合において左ルートに遊技球を発射することも可能であり、この場合、スルーゲート35に遊技球が入賞し得る。かかる場合において、第1通常遊技状態や第2通常遊技状態のように電動役物66が頻繁に開放すると、遊技者にとって紛らわしく、左ルートへの発射操作を誤誘導するおそれがある。そこで、本実施の形態では、有利遊技状態である場合は普図変動表示時間を20.0secと長めの時間に設定し、単位時間当たりの電動役物66の開放頻度を低く抑えるようにしている。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
普図保留記憶数FNが0である場合に、遊技球がスルーゲート35に入賞してから当該入賞に対応する電動役物66のサポート状態が終了するまでの特定期間を遊技球の発射周期よりも短くなるものとし、且つ、スルーゲート35に入賞した遊技球が特定領域RA2に到達するまでの所要期間を上記特定期間よりも長くなるものとした。これにより、普図保留記憶数FNが0である状況下では、特定の条件(1/1000の確率で10secの変動表示が選択される)が成立しない限り、普図保留が発生せず(又は発生しにくく)、且つ係る状況下では第2作動口63への入賞が発生しない(又は発しにくい)という状態を維持することが可能になる。そして、普図保留記憶数FNが1以上となることで、スルーゲート35への遊技球の入賞タイミングとは無関係に電動役物66が開放する結果、電動役物66の開放期間と遊技球への特定領域RA2への到達タイミングとを適合させることが可能となり、第2作動口63への入賞容易状態(第2通常遊技状態)を発生させることができる。すなわち、本実施の形態によれば、大当たり結果とならなくても入賞容易状態に移行可能となる遊技性を実現することができる。その結果、大当たりに未当選の遊技者に対しても入賞容易状態で遊技する機会を提供することができ、遊び易さや親しみ易さを向上させることが可能になる。
また、上記構成では、普図保留記憶数FNを増加させた場合に、当該増加分に応じた抽選回数の確保に留まらず、遊技者にとって有利な入賞容易状態に変わるというメリットも併せて提供することができる。これにより、普図保留記憶数FNを増やす面白みが増強され、スルーゲート35への入賞を目指す意欲を好適に喚起することが可能になる。
さらに、普図保留記憶数FNが0である場合において、スルーゲート35に入賞した遊技球が特定領域RA2に到達するまでの所要期間を上記特定期間よりも長くする構成としたことで、次の効果も期待できる。係る構成では、スルーゲート35を通過した遊技球が電動役物66が開放状態から閉鎖状態に切り替えられた後に特定領域RA2に到達するため、電動役物66を開放しても遊技球が第2作動口63に入球不可能(又は入球困難)とすることができる。このため、第2作動口63への入賞に基づいて遊技球の払い出しや第2特図の当否抽選を行う構成でありながらも、電動役物66の開放機会を増やすことができる。これにより、遊技場での運用に支障を来すことを抑制しながら、遊技者に対して入賞が発生し易い印象を与えることができる。加えて、電動役物66(回動板243や受け部材245)が絶え間なく動き続けることで、これを賑やかしの要素としても利用することができ、演出効果を期待することもできる。これらにより、遊技者の興味をそそったり、遊技意欲を喚起したりすることが可能になる。
普図保留記憶数FNが0である状況下では普図保留が発生しない(又は発生しくい)遊技性の下では、係る状態が永続すると同一遊技を延々と繰り返すものとなり、遊技が単調化するおそれがある。この点に鑑み、本実施の形態では、所定条件(普図変動表示時間における1/1000の抽選に当選)が成立することに基づいて、普図変動表示時間を10secに設定して上記特定期間を遊技球の発射周期よりも長くする構成とした。このため、普図保留記憶数FNが増えにくい遊技性とされている中でも、その増加機会を適正に確保することができる。これにより、保留がない状況が永続化することが回避され、遊技の単調化を抑制することが可能になる。
普図保留記憶数FNが4個である場合に、普図変動表示時間を0.6secに設定して上記特定期間を遊技球の発射周期よりも長くする構成とした。この場合、普図保留記憶数FNが所定数以上となった際に、係る状態をその後も安定して維持することが可能になる。これにより、電動役物66の開放タイミングがスルーゲート35への遊技球の入賞タイミングに依存する場合と、そうでない場合とが頻繁に切り替わることが抑制される。その結果、遊技者が落ち着いて遊技を進めたり、安心して遊技を進めたりすることが可能となり、気軽に遊技し易くすることができる。
普図保留記憶数が1個以上である場合において、電動役物66の開放周期と特定領域RA2への遊技球の到達周期との長さが相違し、且つ、それらのうちの長い側の一方が短い側の他方の非整数倍となる構成とした。この場合、スルーゲート35への遊技球の入賞から電動役物66の開閉制御までの一連の普図遊技が繰り返されることで、電動役物66の開放タイミング(又は閉鎖タイミング)と特定領域RA2への遊技球の到達タイミングとの時間差A(又は時間差B)を変化させていくことができる。これにより、普図保留記憶数FNが1個以上である場合とそうでない場合とで、電動役物66(第2作動口63)への遊技球の入賞し易さを異ならせることができ、普図保留記憶数FNと入賞容易状態とを密接に関連付けた遊技性を実現することが可能になる。
電動役物66の開放時間の長さ(0.1sec)を、電動役物66の開放周期と特定領域RA2への遊技球の到達周期との差分(0.05sec又は0.1sec)以上の長さとする構成とした。上記差分は、時間差A,Bが累積的に変化していく過程で1回分の変化幅となるところ、電動役物66の開放時間の長さが係る変化幅以上の長さとされていることで、特定領域RA2への遊技球の到達タイミングが電動役物66の開放時間を跨いで変化することが抑制される。これにより、普図保留記憶数FNが1個以上である場合において、電動役物66への遊技球の入賞機会を適正に確保することが可能になる。
普図保留記憶数FNが4個である場合において、普図変動表示時間(0.6sec)、その直後の停止表示時間(0.4sec)、電動役物66の開放時間(0.1sec)を画一化し、電動役物66の開放間隔を固定化する構成とした。例えば、電動役物66の開放間隔が多様化されている構成であると、上記一連の遊技が繰り返される中で時間差A,Bが不規則に変化していく。この場合、設計段階において電動役物66(第2作動口63)への遊技球の入賞率を把握しにくくなり、設計負担が増すばかりか、遊技中において想定外に入賞率が上昇したりするなどの不都合が懸念される。この点、本実施の形態によれば、電動役物66の開放間隔を安定させられることから時間差A,Bを規則的に変化させていくことができる。これにより、電動役物66(第2作動口63)への遊技球の入賞率を把握し易くなり、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
スルーゲート35を左ルート側に配置する一方、可変入賞装置65を右ルート側に配置することで、可変入賞装置65に狙って遊技球を発射させた場合にスルーゲート35への入賞が回避される構成とした。この場合、大当たり結果に対応する開閉実行モード(大当たり遊技)が行われることで、自然と普図保留記憶数FNを減らすことができ、電動役物66の入賞容易状態(第2通常遊技状態)を終了させることができる。これにより、上記入賞容易状態が永続することを好適に回避することが可能になる。その際、大当たり遊技と引き換えに入賞容易状態が終了するため、同状態が終了するだけに留まる場合に比べて遊技者の理解を得られ易くなり、遊技者の不満や落胆を軽減することが可能になる。
スルーゲート35への遊技球の入賞率を第1作動口62への入賞率よりも高くする構成とした。この場合、スルーゲート35への遊技球の入賞が第1作動口62へのそれよりも簡単化することで、前者を日常的なものとし、スルーゲート35に対する遊技者の注意を低下させることができる。その分、遊技者の意識を第1作動口62へ向け易くすることができ、その結果、普図保留記憶数FNが所定数以上となったことや、それまでの過程に遊技者が気付きにくくすることができる。これにより、第2通常遊技状態が突如発生した印象を遊技者に与え易くなり、遊技者の驚きと喜びを好適に実現することが可能になる。
その場合において、さらに、スルーゲート35を第1作動口62よりも外観上目立ちにくい構成とすることで、上記効果を増強することが可能になる。このような構成としては、例えば、スルーゲート35を透明性(透光性)を有するものとしたり、正面視でスルーゲート35を第1作動口62よりも小さくしたりするものが考えられる。また、スルーゲート35の色を遊技盤60の前面におけるスルーゲート35の配置領域又は周辺領域の色と同一又は同様のものとして両者を同化させる一方、第1作動口62とその配置領域等との間では異なる色を用いる構成としてもよい。なお、スルーゲート35を第1作動口62よりも小さくするにあたっては、必ずしも入賞口の大きさを異ならせる必要はなく、各作動口35,62に設けられる装飾体を含めた全体サイズを対比し、第1作動口62よりもスルーゲート35が小さいものであれば足りる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、大当たりを契機として電動役物66のサポートモードが高頻度サポートモードに移行する点で、上記第1の実施の形態と異なっている。以下、本実施の形態について図31〜図40を参照しながら説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
先ず、本実施の形態に係る遊技盤60の構成について図31を参照しながら説明する。図31に示すように、本実施の形態では、右ルートに第3作動口が設けられておらず、特別図柄に係る抽選始動口は第1作動口62と第2作動口63との2個になっている。また、本実施の形態では、第2作動口63はメイン表示部43における第2結果表示部BSに対応している。すなわち、第1作動口62が第1特図の抽選始動口となっており、第2作動口63が第2特図の抽選始動口となっている。なお、右ルートには特別図柄に係る抽選始動口が配置されていない。
第2作動口63への入賞が発生した場合の遊技球の払い出し個数は、上記第1の実施の形態の場合(10個)よりも少ない1個となっている。第2作動口63以外の入賞口に対する払い出し個数は上記第1の実施の形態と同様となっている。
主表示ユニット81のメイン表示部43には、第1特図に係る保留数を表示するための第1保留数表示部AMと、第2特図に係る保留数を表示するための第2保留数表示部BMとが設けられている。遊技球が第1作動口62に入賞した回数、遊技球が第2作動口63に入賞した回数はそれぞれ最大4回まで保留され、各保留数表示部AM,BMの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
次に、本実施の形態に係る保留球格納エリア642について図32を参照しながら説明する。図32に示すように、本実施の形態では、保留球格納エリア642において、第2作動口63への入賞に基づく保留情報を格納する第2結果表示部用保留エリアRbが設けられている。第2結果表示部用保留エリアRbは、上記第1の実施の形態に係る第1結果表示部用保留エリアRaと同様のものであり、第1エリアRb1、第2エリアRb2、第3エリアRb3、第4エリアRb4を備えている。
保留球格納エリア642には特図用実行エリアAEが設けられている。特図用実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、各保留エリアRa,Rbの第1エリアRa1,Rb1に格納された保留情報(数値情報)を移動させるためのエリアであり、1の特図遊技回の開始に際しては特図用実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて当否判定などが行われる。特図用実行エリアAEは、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbに対して1つが設けられている。すなわち、本実施の形態では、上記第1の実施の形態の場合とは異なり、第1特図に係る遊技回と第2特図の遊技回とが片方ずつ行われるようになっている。
<特図用の当否判定及び大当たり種別の振分について>
次に、本実施の形態に係る特図用の当否判定及び大当たり種別の振分について図33を参照しながら説明する。図33(a)は低確率モード用の特図当否テーブル、(b)は高確率モード用の特図当否テーブル、(c)は第1特図用の振分テーブル、(d)は第2特図用の振分テーブルを示す概略図である。
当否抽選モードが低確率モードである場合は、図33(a)に示すように、大当たり結果となる確率が1/200となっており、当否抽選モードが高確率モードである場合は、図33(b)に示すように、大当たり結果となる確率が5/200となっている。低確率モード及び高確率モードのいずれの場合であっても、大当たり結果以外は全て外れ結果となるようになっている。これら両当否テーブルは、第1特図及び第2特図の各当否抽選において共通に用いられるものとなっている。すなわち、本実施の形態では第2特図の当否テーブルにおいて特別当たり結果が設定されていない。
第1特図の当否抽選にて大当たり結果となった場合は、図33(c)に示す振分テーブルを用いて大当たり結果の種類が振り分けられる。第1特図の大当たり結果の種類としては、5R確変大当たり結果と5R通常大当たり結果Aと5R通常大当たり結果Bとが設定されている。これらはいずれも実行されるラウンド数が5となるものである。
5R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなり且つ開閉実行モード終了後の第2作動口63の電動役物66におけるサポートモードが高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)となる大当たり結果である。この場合における高頻度サポートモードは、サポートモードの移行後において次の大当たりに当選するまで継続する。
5R通常大当たり結果Aは、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが低確率モードとなり且つサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果であり、5R通常大当たり結果Bは、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが低確率モードとなり且つサポートモードが低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)となる大当たり結果である。5R通常大当たり結果Aとなった場合の高頻度サポートモードは、サポートモードが移行した後の特図遊技回の実行回数(例えば、第1特図遊技回と第2特図遊技回との合計回数)が終了基準回数(具体的には50回)となるまで継続する。特図遊技回の実行回数が終了基準回数に達した場合は、サポートモードが低頻度サポートモードに移行する。
低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、開放乱数カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(共に約1/1)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物66が開放状態となる期間が長く設定されている。具体的には、図34に示すように、低頻度サポートモードである場合の開放時間が0.1sec(第1の実施の形態と同様)であるの対して、高頻度サポートモードである場合の開放時間は3.0secとなっている。遊技球の発射周期が0.6secであるところ、高頻度サポートモードにおいては電動役物66の1回の開放につき、4〜5個の遊技球の入賞が見込めるものとなっている。なお、高頻度サポートである場合の普図オープニング期間及び普図エンディング期間は、開放時間よりも短い時間(例えば0.2sec)となっている。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の普図変動表示時間は、一律に0.1secとなっている(図38(d)参照)。この変動表示時間は低頻度サポートモードにおいて主として選択される0.05secの普図変動表示時間よりも長いものであるが、遊技球の発射周期が0.6secであることを踏まえると、遊技進行の面では比較的に短い時間となっている。つまり、高頻度サポートモードでは、比較的に短い周期で電動役物66のサポート状態への移行を繰り返すことが可能となっている。
このため、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口63よりも第1作動口62への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口62よりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口63への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球の減りを抑制しながら遊技を行うことができる。
既に説明したように、本実施の形態では、第2作動口63への入賞に基づく賞球数が1個となっている。すなわち、第2作動口63への入賞個数と同数の遊技球が払い出されるに留まり、第2作動口63への入賞によって持ち球が増えないものとなっている。このため、電動役物66が相当多数の遊技球を拾うことが想定される中でも、遊技者への特典が過剰となることが抑制される。なお、第2作動口63への入賞に対する賞球数は1個に限定されるものではなく、特典が過剰とならない範囲(例えば、単位時間当たりの遊技球の払い出しの総数が発射された遊技球の数以下となる範囲)で任意に変更することができる。
第2特図の当否抽選にて大当たり結果となった場合は、図33(d)に示す振分テーブルを用いて大当たり結果の種類が振り分けられる。第2特図の大当たり結果の種類としては、16R確変大当たり結果と5R通常大当たり結果Cとが設定されている。このうち16R確変大当たり結果は、実行されるラウンド数が16となるものである。
16R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなり且つサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果であり、5R通常大当たり結果Cは、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが低確率モードとなり且つサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。16R確変大当たり結果となった場合の高頻度サポートモードは次の大当たりに当選するまで継続し、5R通常大当たり結果Cとなった場合の高頻度サポートモードはサポートモードが移行した後の特図遊技回の実行回数が終了基準回数となるまで継続する。
本実施の形態において、当否抽選モードが高確率モードに移行する確率は、第1特図及び第2特図のいずれであっても共通の50/100であるものの、第2特図の大当たり結果にはラウンド数が多い16R大当たり結果が含まれている。加えて、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する確率についても第2特図の方が第1特図よりも高くなっている。つまり、第2特図の当否抽選の方が第1特図のそれよりも優遇されており、第1作動口62よりも第2作動口63の方が遊技者にとって有利となっている。このため、遊技者は第2作動口63への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなる。
次に、本実施の形態にて、主制御装置162のMPU602にて実行される各制御処理について説明する。
<遊技回制御処理>
図35は、本実施の形態における遊技回(特図遊技回)制御処理を示すフローチャートである。同図における処理は、上記第1の実施の形態に係る図15の遊技回制御処理に代えて行われるものである。
既に説明したように、本実施の形態においては第1特図遊技回と第2特図遊技回とが片方ずつ行われる構成となっている。このため、図15のステップS502,S503のように第1特図用及び第2特図用の制御処理が各別に設けられておらず、第1特図及び第2特図に共通する処理として図35の遊技回制御処理が設けられている。また、第1及び第2特図遊技回において相互の当否抽選の結果や実行状況を把握する必要がないものとなっており、それらの処理が省略されている。これらの点を除くと、本実施の形態における遊技回制御処理は、上記第1の実施の形態の場合と略同様となっている。
図35に示すように、遊技回制御処理では、先ずステップS1801にて開閉実行モード中か否かを判定する。ステップS1801で肯定判定した場合は本遊技回制御処理を終了する一方、ステップS1801で肯定判定した場合は、ステップS1802にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。
メイン表示部43が変動表示中でない場合は、ステップS1803にて、第1特図及び第2特図の保留記憶数を合わせた数である共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。ステップS1803で肯定判定した場合は本遊技回制御処理を終了する一方、ステップS1803で否定判定した場合は、ステップS1804にて、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。続くステップS1805では、特図変動開始処理を実行する。ここで、特図変動開始処理について図36を参照しながら説明する。
図36に示すように、特図変動開始処理では、先ずステップS1901にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードでない場合には、ステップS1902にて低確率モード用の当否テーブル(図33(a)参照)を参照して当否判定を行う。一方、高確率モードである場合には、ステップS1903にて高確率モード用の当否テーブル(図33(b)参照)を参照して当否判定を行う。
ステップS1902又はステップS1903の実行後は、ステップS1904にて、ステップS1902又はステップS1903における抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり当選である場合は、ステップS1905にて、RAM604の各種フラグ格納エリア634に第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグは、今回の遊技回が第2特図の遊技回であることを特定するための情報であり、第2作動口63への入賞に基づいて上記格納エリア634に格納されるものである。
第2特図フラグが格納されていない場合は、今回の遊技回が第1特図の遊技回であることを意味するところ、ステップS1906にて第1特図用の振分テーブル(図33(c)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、特図用実行エリアAEに格納されている当たり種別カウンタC2の値が、5R確変大当たり結果、5R通常大当たり結果A及び5R通常大当たり結果Bにおける各数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。一方、第2特図フラグが格納されている場合は、ステップS1907にて第2特図用の振分テーブル(図33(d)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、特図用実行エリアAEに格納されている当たり種別カウンタC2の値が、16R大当たり結果及び5R通常大当たり結果Cにおける各数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
ステップS1906又はステップS1907の実行後は、ステップS1908にて、振り分けた遊技結果が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合は、ステップS1909にて、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける停止結果として確変大当たり結果に対応する停止結果を設定する。また、ステップS1909では、今回の大当たり結果がいずれの確変大当たり結果であるかを特定するための情報として、5R確変フラグ又は16R確変フラグをRAM604の各種フラグ格納エリア634に格納する。
これに対し、振り分けた遊技結果が確変大当たり結果でない場合は、ステップS1910にて、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける停止結果として通常大当たり結果(非確変大当たり結果)に対応する停止結果を設定する。また、ステップS1910では、今回の大当たり結果がいずれの通常大当たり結果であるかを特定するための情報として、5R通常フラグA〜CのいずれかをRAM604の各種フラグ格納エリア634に格納する。
一方、ステップS1904で否定判定した場合は、ステップS1911の外れ時用の停止結果設定処理にて、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける停止結果として外れ結果に対応する停止結果を設定する。
ステップS1909、ステップS1910、ステップS1911のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1912にて、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける今回の特図遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理では、変動種別カウンタCSの値を取得するとともに、ROM603に記憶された変動表示時間テーブルからその変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を選択する。続くステップS1913では、特図変動用コマンド及び特図種別コマンドを報知・演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。特図変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、特図種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。
その後、ステップS1914にて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の特図遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM604に第2特図フラグが格納されていない場合には、今回の特図遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部ASであると特定し、第2特図フラグが格納されている場合には、今回の特図遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部BSであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図35)の説明に戻り、ステップS1802で肯定判定した場合、すなわち、メイン表示部43が変動表示中である場合は、ステップS1806にて、今回の特図遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合には、ステップS1807にて変動表示用処理を実行し、その後、本遊技回制御処理を終了する。一方、変動表示時間が経過している場合は、ステップS1808にて変動終了処理を実行し、その後、ステップS1809にて変動終了コマンドを設定する。ステップS1808の変動終了処理では、変動開始処理(図36)のステップS1909〜S1911のいずれかの処理にて設定した停止結果を把握し、当該結果にて絵柄が停止表示されるようにメイン表示部43を制御する。ステップS1809の実行後は、本遊技回制御処理を終了する。
<普図変動開始処理>
次に、本実施の形態における普図変動開始処理について図37を参照して説明する。この処理は、上記第1の実施の形態に係る図25の普図変動開始処理に代えて行われるものである。
図37におけるステップS2101〜S2104の処理は、図25のステップS1501〜S1504と同様のものである。これらの処理について簡単に説明すると、先ずステップS2101にて、普図当否テーブル(図10(a)参照)を参照し、普図用実行エリアAE3に格納された開放乱数カウンタC4の値を用いて普図当否判定処理を実行する。普図当否判定の結果が開放結果である場合は、ステップS2102にて肯定判定してステップS2103に進み、役物用表示部44における停止結果として開放結果に対応する停止結果を設定する。一方、普図当否判定の結果が外れ結果である場合は、ステップS2102にて否定判定してステップS2104に進み、役物用表示部44における停止結果として外れ結果に対応する停止結果を設定する。
ステップS2103又はステップS2014の実行後は、ステップS2105にて現在のサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS2105にて否定判定した場合は、ステップS2106にて普図保留記憶数FNが4個であるか否かを判定する。ステップS2106で否定判定した場合、すなわち、普図保留記憶数FNが1〜3個である場合はステップS2107に進む。
ステップS2107では、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている普図用の第1変動表示時間テーブル(図38(a)参照)を参照し、今回の普図変動種別カウンタC5の値に対応した変動表示時間を取得する。この第1変動表示時間テーブルは、上記第1の実施の形態に係る低確率モード用の普図変動表示時間テーブル(図10(b)参照)における普図保留記憶数FNが1〜3個である場合と同様のものである。すなわち、999/1000の確率で0.05secの変動表示時間が設定され、1/1000の確率で10secの変動表示時間が設定される。このため、サポートモードが低頻度サポートモードである場合は、0.05secの変動表示時間が設定され続ける限り、普図保留が発生せず(又は発生しにくく)、各回の普図遊技にて電動役物66が開放するものの、第2作動口63への入賞が発生しない(又は発生しくい)状態が継続する。そして、10secの変動表示時間が設定されることで、普図保留が貯まり、第2作動口63への入賞容易状態に移行する。
ここで、普図保留の発生に基づく入賞容易状態において第2作動口63への入賞確率は、高頻度サポートモードにおける第2作動口63への入賞確率よりも低いものとなっている。換言すれば、前者の入賞容易状態は後者よりも遊技者にとっての有利度合が低く抑えられている。以下、両者を区別するため、普図保留の発生に基づく入賞容易状態を中頻度サポートモードということがある。
一方、ステップS2106で肯定判定した場合、すなわち、普図保留記憶数FNが4個である場合は、ステップS2108において、特図の当否判定処理にて大当たり結果と判定され且つその種別が開閉実行モードの終了後に高頻度サポートに移行しない大当たり結果に振り分けられているか否かを判定する。具体的には、第1特図に係る当否抽選にて5R通常大当たり結果Bに当選しているか否かを判定する。この処理は、RAM604の各種フラグ格納エリア634に5R通常フラグBが格納されているか否かを判定することで行う。
ステップS2108で否定判定した場合は、ステップS2109にて、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている普図用の第2変動表示時間テーブル(図38(b)参照)を参照し、今回の普図変動種別カウンタC5の値に対応した変動表示時間を取得する。この第2変動表示時間テーブルは、上記第1の実施の形態に係る低確率モード用の普図変動表示時間テーブル(図10(b)参照)における普図保留記憶数FNが4個である場合と同様のものである。すなわち、普図保留記憶数FNが4個である場合は、普図変動種別カウンタC5の値にかかわらず一律に0.6secの変動表示時間が設定される。これにより、普図保留記憶数FNが4個となった状態を簡単に維持することが可能となり、中頻度サポートモードを継続することが可能になる。
これに対し、ステップS2108で肯定判定した場合は、ステップS2110にて、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている普図用の第3変動表示時間テーブル(図38(c)参照)を参照し、今回の普図変動種別カウンタC5の値に対応した変動表示時間を取得する。第3変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動表示時間として200secと0.6secとの2種類が準備されている。このうち、200secの変動表示時間については、少なくとも5R通常大当たり結果Bに対応する開閉実行モードの実行期間(消化時間)よりも長くなるように配慮して設定されているものである。なお、200secの変動表示時間が設定された場合の利点については後述する。
普図変動種別カウンタC5の値が「0」〜「499」である場合は、変動表示時間が200secに設定され、普図変動種別カウンタC5の値が「500」〜「999」である場合は、変動表示時間が0.6secに設定される。すなわち、200sec、0.6secの各変動表示時間が選択される確率はいずれも500/1000となっている。
一方、ステップS2105で肯定判定した場合、すなわち、現在のサポートモードが高頻度サポートモードである場合は、ステップS2111にて、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている高頻度サポートモード用の普図変動表示時間テーブル(図38(d)参照)を参照し、今回の普図変動種別カウンタC5の値に対応した変動表示時間を取得する。高頻度サポートモード用の普図変動表示時間テーブルでは、普図変動種別カウンタC5の値にかかわらず一律に0.1secの変動表示時間が設定される。
ステップS2107,S2109〜S2111のいずれかの処理の後は、ステップS2112にて、上記各ステップで取得した普図変動表示時間をRAM604の各種カウンタエリア633に設けられた変動表示時間カウンタエリアにセットする。続くステップS2113では、普図変動用コマンド及び普図種別コマンドを報知・演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップS2114にて普図変動表示の開始処理を実行し、本普図変動開始処理を終了する。なお、ステップS2112〜S2114の処理は、図25におけるステップS1508〜S1510と同様のものである。
<遊技の流れについて>
次に、本実施の形態における遊技の流れについて図39を参照しながら説明する。図39は遊技状態の遷移を示す状態遷移図である。
本実施の形態では、作動口62,63及びスルーゲート35が左ルート側に配置され、可変入賞装置65が右ルート側に配置されている(図31参照)。このため、可変入賞装置65が開放される特別遊技状態(開閉実行モード)以外の遊技状態では、左ルートに遊技球を打ち出し、スルーゲート35、第2作動口63(電動役物66)及び第1作動口62への入賞を狙って遊技することになる。
当否抽選モードが低確率モードとなっている通常遊技状態において普図保留記憶数FNが0個である場合は、上記第1の実施の形態と同様に、スルーゲート35に遊技球が入賞する都度、電動役物66が開放するものの、第2作動口63には遊技球が入賞しない又は入賞しくい第1通常遊技状態(低頻度サポートモード)となる。第1通常遊技状態では、第2作動口63への入賞が期待薄となるため、特図遊技に関しては、実質的に第1作動口62のみへの入賞に基づく第1特図の当否抽選を受けながら大当たりの獲得を目指して遊技するものとなる。
そして、普図遊技回にて10secの変動表示時間が設定されると、普図保留記憶数FNを4個に増やすことができる。普図保留記憶数FNが4個となると、上記第1の実施の形態にて説明したように、第2作動口63に遊技球が入賞可能(又は入賞容易)な第2通常遊技状態(中頻度サポートモード)に移行する。第2通常遊技状態に移行することで、第1作動口62による第1特図の当否抽選と、第2作動口63による第2特図の当否抽選との両方が受けられるようになる。すなわち、第2作動口63への入賞サポートを受けながら、引き続き第1作動口62に遊技球を入賞させて遊技することが可能になる。
本実施の形態では、第2作動口63の方が第1作動口62よりも有利となっているため、第2通常遊技状態に移行することで、特図の当否抽選の機会が増えるだけでなく、有利側の当否抽選を受ける(又は受け易くなる)チャンスが提供されることにもなる。このような状態は普図保留記憶数FNが1以上である限り継続され、実質的に特別遊技状態が実行されるまで継続されるものとなる。
第1通常遊技状態又は第2通常遊技状態において第1特図又は第2特図の当否抽選結果が大当たり結果となると、可変入賞装置65が開放される特別遊技状態に移行する。この際、普図保留記憶数FNが4個である状況下(第2通常遊技状態である状況下)で、5R通常大当たり結果B(開閉実行モードの終了後に高頻度サポートに移行しない大当たり結果)に当選した場合は、所定の確率(500/1000)で200secの普図変動表示時間が設定される。ここで、200secの普図変動表示時間が設定された場合の流れについて図40のタイミングチャートを参照して説明する。
タイミングt21における第1特図の変動表示の開始時にて、第1特図の当否抽選にて大当たり結果となり、且つ、大当たり結果の種別が5R通常大当たり結果Bに振り分けられると、その後の普図遊技回の開始タイミングであるタイミングt22にてそれが把握される。5R通常大当たり結果Bが発生したことの把握は、既に説明したように、RAM604の各種フラグ格納エリア634に5R通常フラグBが格納されていることに基づいて行われる。
上記タイミングt22では普図変動表示時間テーブルとして普図用の第3変動表示時間テーブル(図38(c)参照)が参照され、所定の確率(500/1000)で200secの普図変動表示時間が設定される。200secの普図変動表示時間が設定されると、当該タイミングから200secに亘って普図変動表示が継続され、この間において新たな普図遊技は実行されない。すなわち、普図保留記憶数FNが減少せず、4個の状態が維持される。
タイミングt22の後、第1特図遊技回の変動表示時間が経過したタイミングt23では、5R通常大当たり結果Bに対応する開閉実行モードが開始される。本実施の形態では、可変入賞装置65が右ルート側に配置されていることから、開閉実行モードの実行期間中においては右ルートに遊技球を発射して遊技することになる。すなわち、スルーゲート35に遊技球が入賞せず、新たな普図保留情報が補充されない状態となる。
開閉実行モードの実行期間中には5回のラウンド遊技が行われるところ、1ラウンドあたりの実行期間は長くても可変入賞装置65の上限開放時間である30secである(ラウンドインターバル期間を除く)。200secの普図変動表示時間はこれを踏まえて設定されたものであり、5ラウンド分の開放時間である150secに対して所定の余裕時間(50sec)を付加したものとなっている。この余裕時間は、開閉実行モードにおけるオープニング期間、エンディング期間及び各ラウンド間におけるインターバル期間(待機期間)に加え、大当たり結果となる第1特図の変動表示時間(タイミングt21〜t23の変動表示時間)を考慮したものとなっている。すなわち、それらの合計時間よりも長くなるように上記余裕時間が設定されている。
このような構成とされていることで、普図変動表示が終了するタイミングt25よりも早く開閉実行モードが終了するものとなり(タイミングt24)、普図保留記憶数FNを4個とした状態のまま開閉実行モードを終了させることが可能になる。これにより、開閉実行モードの終了後も引き続き第2通常遊技状態にて遊技し得るものとなり、開閉実行モードを跨いで第2通常遊技状態を連続させることが可能となる(図39の移行ルート401を参照)。
なお、200secという具体的な時間長は一例に過ぎず、これに限定されるものではない。すなわち、普図遊技回が開閉実行モードを跨くことが可能となるものであれば足り、開閉実行モードにおけるラウンド遊技の実行回数や可変入賞装置65の上限開放時間、可変入賞装置65への上限入賞数等の各種パラメータに応じて任意に設定することができる。
因みに、第1通常遊技状態である状況下で5R通常大当たり結果Bに当選しても、第3変動表示時間テーブルが参照されないため(図37のステップS2106参照)、200secの変動表示時間が設定されることはない。つまり、200secの変動表示時間が設定され得るのは、第2通常遊技状態の下で5R通常大当たり結果Bに当選した場合に限定されている。
このように、開閉実行モードの終了後に第2通常遊技状態に移行する機会を、第2通常遊技状態の下で大当たり当選した場合に限定することで、第1通常遊技状態との有利度合の差異をより明確化することができ、第2通常遊技状態の魅力を一層向上させることが可能になる。加えて、第2通常遊技状態は不利側の第1特図(第1作動口62)だけでなく、有利側の第2特図(第2作動口63)によっても当否抽選を受けることが可能な遊技状態であるところ、期待に反して不利側の当否抽選で大当たり当選した場合に、第2通常遊技状態での再遊技を可能とする仕掛けとしても活用することが可能になる。
図39の説明に戻り、第2通常遊技状態で5R通常大当たり結果Bとなった際に0.6secの普図変動表示が設定された場合、及び、第1通常遊技状態で5R通常大当たり結果Bとなった場合は、上記第1の実施の形態で説明したように、開閉実行モードの実行期間においてスルーゲート35に遊技球が入賞しないことにより、普図保留記憶数FNが減少して0個となる。すなわち、開閉実行モードの終了後、第1通常遊技状態に移行する(移行ルート402、403)。
これに対し、5R確変大当たり結果(第1特図)又は16R確変大当たり結果(第2特図)となった場合は、開閉実行モードの終了後、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである第1有利遊技状態に移行する(移行ルート405)。この場合、第2通常遊技状態の下で16R確変大当たり結果となったとしても、開閉実行モードの実行中は0.6sec(普図保留記憶数FNの減少に伴い0.05sec又は10sec)の普図変動表示時間が設定されるため、開閉実行モードの実行中に第2通常遊技状態が終了する。すなわち、一旦、第2作動口63への入賞に対する中頻度サポートが終了し、サポート態様がリセットされてから高頻度サポートが開始される。
作動口62,63及びスルーゲート35は左ルート側に配置されているため、第1有利遊技状態では、遊技球の打ち出しを左ルートに戻して遊技することになる。第1有利遊技状態における高頻度サポートモードは、第2作動口63への入賞に対するサポートの度合が第2通常遊技状態における中頻度サポートモードよりも高くなるように設定されている。このため、第1有利遊技状態では、有利側の第2特図で当否抽選を受ける割合を第2通常遊技状態よりも高くして遊技することが可能になる。このような状態は次の大当たりに当選するまで継続される。
また、5R通常大当たり結果A(第1特図)又は5R通常大当たり結果C(第2特図)となった場合は、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである第2有利遊技状態に移行する(移行ルート404)。この場合も第1有利遊技状態と同様、遊技球の打ち出しを左ルートに戻して遊技することになる。第2有利遊技状態は規定回数(50回)の特図遊技が終了するまで継続される。
第2有利遊技状態の終了後は通常遊技状態に移行するが(移行ルート406)、第2有利遊技状態の終了時における普図保留記憶数FNに応じて第1通常遊技状態に移行するか、第2通常遊技状態に移行するかが分岐する。規定回数の終了に近付くほど諦め易くなり遊技への集中力が途切れがちとなるが、上記構成とされていることで、普図保留記憶数FNを多くした状態で第2有利遊技状態を終了させる意欲が高まり、第2有利遊技状態の終盤まで集中して遊技に臨み易くなる。さらに、上記構成では、有利状態の終了後の移行先が画一的なものとはならず、不利状態に移行する中でも有利状態の終了状況に基づいて移行先が変化するものとなる。これにより、有利状態の終了に対する遊技者の落胆を軽減できるばかりか、遊技性の多様化を図ることができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
電動役物66(第2作動口63)への入賞が容易となる遊技状態への移行ルートとして、普図保留記憶数FNが所定数以上となることを契機とする第1ルートとは別に、当否抽選の結果が大当たり結果となることを契機とする第2ルートを設ける構成とした。これにより、入賞容易状態への移行態様を多様化することができ、楽しみ方の幅を拡げることが可能になる。その場合において、第1ルートを通じて移行する入賞容易状態(中頻度サポートモード)の有利度合を、第2ルートを通じて移行する入賞容易状態(高頻度サポートモード)のそれよりも低く抑える構成とした。これにより、過度に有利となることを抑制できるだけでなく、大当たりの魅力低減を抑制しながら入賞容易状態への移行機会を拡充することが可能になる。
第2通常遊技状態において5R通常大当たり結果Bに当選し且つ所定の抽選処理(普図変動表示時間の選択)にて当選した場合に、遊技球がスルーゲート35に入賞してから当該入賞に対応する電動役物66のサポート状態が終了するまでの特定期間を、5R通常大当たり結果Bに対応する開閉実行モードの実行期間よりも長くする構成とした。この場合、開閉実行モードの実行中における普図保留記憶数FNの減少が抑制され、開閉実行モードを跨いで普図保留記憶数FNを維持することができる。これにより、開閉実行モードの終了後も引き続き第2通常遊技状態とすることができ、第2通常遊技状態を連続させることが可能になる。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、V入賞口への遊技球の入賞に基づいて大当たり結果(V大当たり)が発生する機能を備えている点で、上記第2の実施の形態と異なっている。以下、本実施の形態について図41〜図61を参照しながら説明する。なお、上記第2の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
先ず、本実施の形態に係る遊技盤60の構成について図41を参照しながら説明する。図41に示すように、本実施の形態では、可変入賞装置65とは別に第2可変入賞装置500が設けられている。両者を区別するため、以下においては前者を第1可変入賞装置65ということがある。
第2可変入賞装置500は、可変表示ユニット67の下方において第1作動口62とアウト口68との間(遊技盤60の中央下部)に設けられており、第2可変入賞装置500には左ルートを流下する遊技球が到達可能となっている。因みに図41の構成では、右ルート側からでも遊技球を第2可変入賞装置500に到達させ得るものなっているが、これを不可又は困難とする構成としてもよい。以下、第2可変入賞装置500の構成について図42を参照しながら説明する。
図42(a)に示すように、第2可変入賞装置500は、前後方向に開放され遊技球が通過可能な大きさの振分入口501が形成されているとともに、当該振分入口501を遊技球が通過不可又は通過しにくい閉鎖状態と遊技球が通過可能である開放状態とに切り替える振分部材502を備えている。振分部材502は振分入口用の駆動部503により図示しないリンク機構を通じて駆動されることで開放状態となる。振分入口501は案内通路504の入口を構成しており、振分入口501から流入した遊技球は案内通路504を下流側へと流下する。
案内通路504は、図42(b)に示すように、その途中位置から二股に分岐しており、分岐位置よりも上流側を構成する上流領域505と、分岐位置よりも下流側の一方を構成するV入賞用領域(又は有利用領域)506と、分岐位置よりも下流側の他方を構成する排出用領域(又は不利用領域)507と、を備えている。また、分岐位置には、上流領域505から当該分岐位置に到達した遊技球をV入賞用領域506及び排出用領域507のいずれかに振り分ける振分手段としてシャッタ508が設けられている。シャッタ508がシャッタ用の駆動部509により駆動されていない状態では分岐位置に到達した遊技球が排出用領域507へ流入することとなり、シャッタ508がシャッタ用の駆動部509により駆動されている状態では分岐位置に到達した遊技球がV入賞用領域506へ流入(V入賞)することとなる。
上流領域505に流入した遊技球が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにしてカウント用の検知センサ511が設けられている。カウント用の検知センサ511にて遊技球が検知されたことに基づき、第2可変入賞装置500への入賞に対応した賞球の払い出しが実行される。第2可変入賞装置500への入賞が発生した場合の賞球数は第1可変入賞装置65の場合よりも少ない所定数(例えば3個)となっている。また、V入賞用領域506に流入した遊技球が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにしてV入賞用の検知センサ512が設けられている。
V入賞用の検知センサ512にて遊技球が検知されたことに基づき、開閉実行モード後に、再度、開閉実行モードが開始される。より詳しくは、第2可変入賞装置500が開放されることとなる開閉実行モードは、1回のラウンド遊技が行われる所謂小当たりとされる開閉実行モードであり、当該開閉実行モード中にV入賞用の検知センサ512に検知されることにより、当該開閉実行モード後に、所定回数のラウンド遊技が行われる大当たり用の開閉実行モードが実行される。以下においては、V入賞用の検知センサ512による遊技球の検知(V検知)に基づいて実行される開閉実行モードをV大当たり用の開閉実行モードということがある。
また、排出用領域507に流入した遊技球が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにして排出用の検知センサ513が設けられている。排出用の検知センサ513及びV入賞用の検知センサ512からの検知結果に基づき、第2可変入賞装置500内に遊技球が残存しているか否かが判定される。
シャッタ用の駆動部509は、予め定められた所定のタイミングから周期的に駆動制御される。具体的には、第2可変入賞装置500が開放されることとなる開閉実行モードの開始タイミングから、所定周期でシャッタ用の駆動部509が駆動制御される。その結果、第2可変入賞装置500へ入賞した遊技球がV入賞用領域506側へ振り分けられるタイミングと、排出用領域507側へ振り分けられるタイミングとが周期的に切り替わることになる。
第2可変入賞装置500が開放される開閉実行モードには、振分部材502が開放状態となる期間が相違する複数の開閉実行モードが設定されている。詳細は後述するが、本パチンコ機10では、振分部材502が開放状態となる期間を相違させることによって、入賞した遊技球がV入賞用領域506に振り分けられる確率が相対的に高低となるようにされている。以下、V入賞用領域506に振り分けられる確率が高い側の開放態様を高振分態様(高期待度態様)といい、上記確率が低い側の開放態様を低振分態様(低期待度態様)という。
なお、遊技球が第2可変入賞装置500へ入賞可能となる低振分態様の開閉実行モードと高振分態様の開閉実行モードとで、遊技球がV入賞用領域506を通過するトータルの確率は所定確率(1/10)以下となるように設定されている。つまり、高振分態様の開閉実行モードにおいてV入賞用領域506を通過する確率が高められているとはいえ、低振分態様の開閉実行モードにおいてV入賞用領域506を通過する確率とあわせると、所定確率以下となるように、高振分態様・低振分態様の開閉実行モードにおける第2可変入賞装置500への入賞率やV入賞用領域506の通過率、第2可変入賞装置500での開閉実行モードが実施される場合の高振分態様と低振分態様の振分割合等が設定されている。
第2可変入賞装置500は、入賞した遊技球がV入賞用領域506及び排出用領域507のいずれに振り分けられるのかをパチンコ機10の前方から視認可能となるように形成されていることが好ましく、具体的には第2可変入賞装置500の前面側が有色透明又は無色透明に形成されていることが好ましい。
<特図用の当否判定について>
次に、本実施の形態に係る特図用の当否判定について図43を参照しながら説明する。図43(a)は第1特図用の当否テーブル、(b)は第2特図用の当否テーブルを示す概略図である。
本実施の形態では、第1特図及び第2特図を有し、それらに係る各遊技回が片方ずつ実行される点では上記第2の実施の形態と同様であるものの、当否抽選モードが低確率モードから高確率モードに移行する機能(所謂確変機能)を備えてない。すなわち、当否抽選により大当たり結果となる確率は一の確率(1/200)とされている。このため、第1特図用及び第2特図用の各当否テーブルは、低確率用と高確率用との区別がなく、ROM603の当否テーブル記憶エリア621においてそれぞれ1つずつ記憶されている。
各当否テーブルにおいて、当否抽選の結果としては大当たり結果と特別当たり結果と外れ結果とが設定されている。大当たり結果となる乱数は、いずれの特図用の当否テーブルにおいても1個であり、大当たり当選となる確率は第1特図側と第2特図側とで同じく1/200となっている。
図43(a)に示すように、第1特図用の当否テーブルには不利特別当たり結果が設けられている。不利特別当たり結果は特別当たり結果の一種であり、不利特別当たり結果となると、第2可変入賞装置500による1ラウンドの開閉実行モードが実行される。詳しくは、第2可変入賞装置500へ入賞した遊技球がV入賞用領域506に振り分けられにくい低振分態様で第2可変入賞装置500が開閉制御される。第1特図用の当否テーブルでは、不利特別当たり結果となる確率が198/200に設定されている。
一方、図43(b)に示すように、第2特図用の当否テーブルには、特別当たり結果として不利特別当たり結果の他、有利特別当たり結果A,Bが設けられている。便宜上、ここでは、有利特別当たり結果A,Bをひとまとめにして有利特別当たり結果として説明する。不利特別当たり結果は上記第1特図用の当否テーブルに係る不利特別当たり結果と同様のものであるが、有利特別当たり結果は不利特別当たり結果よりも有利なものとなっている。すなわち、有利特別当たり結果となると、第2可変入賞装置500へ入賞した遊技球がV入賞用領域506に振り分けられ易い高振分態様で第2可変入賞装置500が開閉制御される。第2特図用の当否テーブルでは、有利特別当たり結果となる確率(有利特別当たり結果Aと有利特別当たり結果Bとの合算確率)が99/200に設定され、不利特別当たり結果となる確率が99/200に設定されている。つまり、第2特図の当否抽選にて特別当たり結果となった場合は1/2の確率で有利特別当たり結果となる。
ここで、図44を参照しながら低振分態様及び高振分態様について説明する。因みに、低振分態様及び高振分態様のいずれにおいてもシャッタ508の動作は同一であるため、先ずはシャッタ508の動作について説明する。図44(a3)に示すように、開閉実行モードの開始タイミングであるタイミングt31では、シャッタ508は、第2可変入賞装置500に入賞した遊技球を排出用領域507(外れ側)に振り分ける位置に位置している。そして、タイミングt31から1.0secの待機期間が経過したタイミングt34となると、シャッタ508は、第2可変入賞装置500に入賞した遊技球をV入賞用領域506へ振り分ける位置に変位する。その後、タイミングt34から2.0secの振分期間が経過するまでその状態を維持し、当該振分期間が経過したタイミングt35にて上記外れ側の位置に復帰する。
この場合において、不利特別当たり結果に基づいて実行される低振分態様の開閉実行モードでは、図44(a2)に示すように、開閉実行モードの開始後のオープニング期間として0.5secが設定されており(タイミングt32)、当該オープニング期間の経過後、第2可変入賞装置500が0.1secに亘って開放状態となる(タイミングt33)。すなわち、低振分態様の開閉実行モードでは、第2可変入賞装置500の開放時間(0.1sec)が遊技球の発射周期(0.6sec)よりも短く、極めて短時間とされているため、第2可変入賞装置500が開放状態となっても遊技球が入賞しにくいものとなっている。仮に遊技球が入賞したとしても、低振分態様の開閉実行モードでは、シャッタ508が排出用領域507側に位置しているタイミングt31〜t34の中で第2可変入賞装置500の開放から閉鎖までが完了するため、入賞した遊技球は排出用領域507へ振り分けられる。つまり、図44(a2),(a3)に示すように、シャッタ508がV入賞用領域506側に位置する期間と、第2可変入賞装置500が開放状態とされる期間とが重複しない関係となるため、遊技球がV入賞用領域506を通過できないものとなっている。
一方、有利特別当たり結果に基づいて実行される高振分態様の開閉実行モードでは、図44(b2)に示すように、開閉実行モードの開始後のオープニング期間として0.5secが設定されており(タイミングt42)、当該オープニング期間の経過後、第2可変入賞装置500が1.8secに亘って開放状態となる(タイミングt43)。このため、高振分態様の開閉実行モードでは、図44(b2),(b3)に示すように、第2可変入賞装置500の開放中であるタイミングt43にてシャッタ508が排出用領域507側からV入賞用領域506側に変位するものとなる。その結果、シャッタ508がV入賞用領域506側に位置する期間と、第2可変入賞装置500が開放状態とされる期間とが重複し、その期間は1.3secとなる。遊技球の発射周期は0.6secであることから、当該期間にておよそ2個の遊技球を第2可変入賞装置500に入賞させ得るため、1個以上の遊技球がV入賞用領域506を通過できるものとなっている。
加えて、高振分態様の開閉実行モードでは、第2可変入賞装置500が開放状態となってからシャッタ508がV入賞用領域506側への変位を開始するまでの期間(0.5sec)は、遊技球の発射周期と開閉実行モードの上限入賞個数(10個)との積よりも短い期間となっている。そのため、第2可変入賞装置500が開放状態となってからシャッタ508がV入賞用領域506側に変位するよりも前に、上限入賞個数に達して開閉実行モードが終了してしまうこと(V入賞用領域506へ振り分けられることなく開閉実行モードが終了してしまうこと)が回避されている。
なお、有利特別当たり結果A及び有利特別当たり結果Bのいずれとなっても、それらの結果に基づく開閉実行モードにおける第2可変入賞装置500の開閉制御の態様は同一となっている。
<特図用の大当たり種別の振分について>
次に、本実施の形態に係る特図用の大当たり種別の振分について図45を参照しながら説明する。図45(a)は第1特図用の振分テーブル、(b)は第2特図用の振分テーブル、(c)はV大当たり用の振分テーブルを示す概略図である。
図45(a)に示すように、第1特図の大当たり結果の種類としては、5R大当たり結果Aと5R大当たり結果Bとが設定されている。これらはいずれも実行されるラウンドが5となるものである。5R大当たり結果Aは、開閉実行モードの終了後にサポートモードが高頻度サポートモードとなり、高頻度サポートモードにおける終了基準回数は50回に設定されている。一方、5R大当たり結果Bは、開閉実行モードの終了後にサポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。5R大当たり結果Aへの振分確率及び5R大当たり結果Bへの振分確率はいずれも50/100となっている。
サポートモードが高頻度サポートモードとなると、低頻度サポートモードよりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる点については上記第2の実施の形態と同様であるが、本実施の形態ではV入賞に基づくV大当たりの機能が搭載されている。既述のように、第2特図(第2作動口63)に係る当否抽選の結果には、V入賞が発生し易い有利特別当たり結果が含まれているため、高頻度サポートモードである場合はV大当たりが発生し易くなる。因みに、本実施の形態では、第2特図の当否抽選にて有利特別当たり結果となる確率が99/200(約1/2)となっている(図43(b)参照)。高頻度サポートモードでは、特図遊技回の実行回数が終了基準回数(50回)となるまでの間で上記有利特別当たり結果を引き当てる遊技となり、略確実にV大当たりを獲得することが可能となっている。
図45(b)に示すように、第2特図の大当たり結果の種類としては、16R大当たり結果と5R大当たり結果Cとが設定されている。前者は実行されるラウンドが16となるものであり、後者は5となるものである。16R大当たり結果は、開閉実行モードの終了後にサポートモードが高頻度サポートモードとなり(終了基準回数は50回)、5R大当たり結果Cは、開閉実行モードの終了後にサポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。16R大当たり結果への振分確率は60/100となっており、5R大当たり結果Cへの振分確率は40/100となっている。
V入賞にてV大当たり結果となった場合は、図45(c)に示すV大当たり用の振分テーブルを用いてV大当たり結果の種類が振り分けられる。V大当たり結果の種類としては16RV大当たり結果と5RV大当たり結果とが設定されている。前者は実行されるラウンドが16となるものであり、後者は5となるものである。16RV大当たり結果は、開閉実行モードの終了後にサポートモードが高頻度サポートモードとなり(終了基準回数は50回)、5RV大当たり結果は、開閉実行モードの終了後にサポートモードが低頻度サポートモードとなるV大当たり結果である。
V大当たり用の振分テーブルでは、後述するV当選フラグの種別とV大当たり結果の種別とが対応付けられている。後に詳述するが、V当選フラグの種別は、V大当たりの契機となった有利特別当たり結果の種別に相当するものとなっている。このため、V大当たり結果の種別は、実質的にV大当たりの契機となった有利特別当たり結果の種別に基づいて振り分けられる。具体的には、V入賞が発生したときに実行されている開閉実行モードが、第2特図の当否抽選の結果が有利特別当たり結果Aとなったことに基づくものである場合は、16RV大当たり結果に振り分けられ、V入賞が発生したときに実行されている開閉実行モードが、有利特別当たり結果Bとなったことに基づくものである場合は、5RV大当たり結果に振り分けられる。このため、16RV大当たり結果への振分確率は、有利特別当たり結果のうち有利特別当たり結果Aとなる確率と同一の60/100となり、5RV大当たり結果への振分確率は、有利特別当たり結果Bとなる確率と同一の40/100となる。
このように、本実施の形態では、第2特図の当否抽選の結果には有利特別当たり結果が含まれ、V大当たりの獲得を期待できるものとなっており、さらに、高頻度サポートモードに移行する確率についても第2特図の方が第1特図よりも高くなっている。つまり、第2特図の当否抽選の方が第1特図のそれよりも優遇されており、第1作動口62よりも第2作動口63の方が遊技者にとって有利となっている。このため、遊技者は第2作動口63への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなる。
なお、16R大当たり結果、5R大当たり結果A〜C、16RV大当たり結果及び5RV大当たり結果に対応する開閉実行モードは、第1可変入賞装置65を開閉制御することで行われる。第1可変入賞装置65は右ルート側に配置されているため、大当たり結果に対応する開閉実行モードが実行される間は、遊技者は右ルートに遊技球を発射して遊技することになる。
次に、本実施の形態にて、主制御装置162のMPU602にて実行される各制御処理について説明する。なお、以下の説明において上記各実施の形態と同一の処理については適宜説明を簡略化又は省略する。
<通常処理>
図46は、本実施の形態における通常処理を示すフローチャートである。この処理は上記第1の実施の形態に係る図14の通常処理に代えて行われるものである。
本実施の形態では、図14の通常処理に対してステップS2306のV振分設定処理(シャッタ508の位置制御を行うための処理)が追加されている。V振分設定処理の詳細については後述する。
なお、本実施の形態では、上記第2の実施の形態の場合と同様に第1特図遊技回と第2特図遊技回とが片方ずつ行われる構成となっているため、ステップS2303の遊技回制御処理としては、上記第2の実施の形態に係る図35の遊技回制御処理が実行される。
<特図変動開始処理>
次に、本実施の形態における特図変動開始処理について図47を参照して説明する。この処理は上記第2の実施の形態に係る図36の特図変動開始処理に代えて行われるものである。
特図変動開始処理では、先ずステップS2401にて、RAM604の各種フラグ格納エリア634に第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグは、今回の遊技回が第2特図の遊技回であることを特定するための情報であり、第2作動口63への入賞に基づいて上記格納エリア634に格納されるものである。
第2特図フラグが格納されていない場合は、ステップS2402にて第1特図用の当否テーブル(図43(a)参照)を参照して当否判定を行い、第2特図フラグが格納されている場合は、ステップS2403にて第2特図用の当否テーブル(図43(b)参照)を参照して当否判定を行う。ステップS2402又はステップS2403の実行後は、ステップS2404にて上記各当否判定の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。
大当たり当選である場合は、ステップS2405にて、RAM604の各種フラグ格納エリア634に第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグが格納されていない場合は、ステップS2406にて第1特図用の振分テーブル(図45(a)参照)を参照して振分判定を行い、第2特図フラグが格納されている場合は、ステップS2407にて第2特図用の振分テーブル(図45(b)参照)を参照して振分判定を行う。
ステップS2406又はステップS2407の実行後は、ステップS2408にて、振り分けた遊技結果が16R大当たり結果であるか否かを判定する。16R大当たり結果である場合は、ステップS2409にて、メイン表示部43における停止結果として16R大当たり結果に対応する停止結果を設定する。また、ステップS2409では、今回の大当たり結果の種別を特定するための情報として、16RフラグをRAM604の各種フラグ格納エリア634に格納する。
振り分けた遊技結果が16R大当たり結果でない場合は、5R大当たり結果A〜Cのいずれかであることを意味する。この場合は、ステップS2410にて、メイン表示部43における停止結果として5R大当たり結果に対応する停止結果を設定する。また、ステップS2410では、今回の大当たり結果の種別を特定するための情報として、5RフラグA〜CのいずれかをRAM604の各種フラグ格納エリア634に格納する。
一方、ステップS2404で否定判定した場合は、ステップS2411にて、ステップS2402又はステップS2403の当否判定の結果が特別当たり結果であるか否かを判定する。特別当たり結果である場合は、ステップS2412にて、特別当たり結果の種別が有利特別当たり結果A又はBであるか否かを判定する。それら有利特別当たり結果のいずれかである場合は、ステップS2413にて、メイン表示部43における停止結果として有利特別当たり結果に対応する停止結果を設定する。また、ステップS2413では、今回の特別当たり結果の種別を特定するための情報として、有利特別当たりフラグA(有利特別当たり結果Aに対応)又は有利特別当たりフラグB(有利特別当たり結果Bに対応)をRAM604の各種フラグ格納エリア634に格納する。
特別当たり結果の種別が有利特別当たり結果A又はBでない場合、すなわち、不利特別当たり結果である場合は、ステップS2414にて、メイン表示部43における停止結果として不利特別当たり結果に対応する停止結果を設定する。また、ステップS2414では、今回の特別当たり結果の種別を特定するための情報として、不利特別当たりフラグをRAM604の各種フラグ格納エリア634に格納する。
一方、ステップS2411で否定判定した場合、すなわち、今回の当否判定の結果が大当たり結果及び特別当たり結果のいずれでもない場合は、ステップS2415にて、メイン表示部43における停止結果として外れ結果に対応する停止結果を設定する。
ステップS2409,S2410,S2413〜S2415の実行後は、ステップS2416〜S2418にて図36のステップS1912〜ステップS1914と同様の処理を実行し、その後、本変動開始処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
次に、本実施の形態における遊技状態移行処理について図48を参照して説明する。この処理は上記第1の実施の形態に係る図22の遊技状態移行処理に代えて行われるものである。
本遊技状態移行処理では、先ずステップS2501にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS2502に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア634に16Rフラグ、5RフラグA〜Cのいずれかの大当たりフラグ、有利特別当たりフラグA,B、不利特別当たりフラグのいずれかの特別当たりフラグ、又は、V当選フラグA,BのいずれかのV当選フラグが格納されているか否かを判定する。V当選フラグは、特別当たり結果に基づく開閉実行モードにおいてV入賞が発生したことに基づいて、当該開閉実行モードの終了時に格納されるフラグである。V当選フラグが格納されることに基づいて、特別当たり結果に基づく開閉実行モード後に新たな開閉実行モードが実施される。
ステップS2502で否定判定した場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了し、ステップS2502で肯定判定した場合は、ステップS2503にて、対応する遊技回の変動表示の終了タイミング又は対応する開閉実行モードの終了タイミングか否かを判定する。具体的には、いずれかの大当たりフラグ又はいずれかの特別当たりフラグが格納されている場合は、対応する遊技回の終了タイミングであるか否かを判定し、V当選フラグが格納されている場合は、対応する開閉実行モードの終了タイミングであるか否かを判定する。いずれの終了タイミングでもない場合には、そのまま遊技状態移行処理を終了する。
いずれかの終了タイミングである場合にはステップS2504に進み、開閉実行モードの開始処理を実行する。この処理は図22のステップS1204と同様のものである。続くステップS2505では、今回の開閉実行モードにおけるラウンド数を設定するべく、特別当たりフラグの有無を確認する。すなわち、有利特別当たりフラグA,B、不利特別当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。
それら特別当たりフラグのいずれも格納されていない場合は、ステップS2506にて16Rフラグ又はV当選フラグAが格納されている否かを判定する。これらフラグのいずれかが格納されている場合は、ステップS2507にてラウンド数カウンタRCに「16」をセットし、いずれも格納されていない場合は、ステップS2508にてラウンド数カウンタRCに「5」をセットする。一方、ステップS2505で肯定判定した場合、すなわち、有利特別当たりフラグA,B、不利特別当たりフラグのいずれかが格納されている場合は、ステップS2509にてラウンド数カウンタRCに「1」をセットする。
ステップS2507〜S2509のいずれかの処理を実行した後は、ステップS2510のオープニングコマンドの設定処理、ステップS2511の外部信号設定処理を実行する。なお、外部信号設定処理にあたっては、特別当たり結果の種類によって、特別当たり信号出力状態とするか否かを異ならせてもよい。例えば、有利特別当たり結果及び不利特別当たり結果のうち、有利特別当たり結果に基づいて、外部端子板213に設けられた特別当たり信号用の出力端子の信号出力状態を特別当たり信号出力状態とし、不利特別当たり結果に基づいて、特別当たり信号出力状態としない構成としてもよい。このようにすれば、遊技ホール側の管理制御装置において、有利特別当たり結果に基づく開閉実行モードが発生したことを把握することができる一方、頻繁に発生する不利特別当たり結果に基づく開閉実行モードを把握する必要が生じず、頻繁な信号出力によるデータ管理の煩雑さや処理負荷の増加を回避することができる。
ステップS2501の説明に戻り、開閉実行モード中である場合には当該ステップS2501にて肯定判定をし、ステップS2512に進む。ステップS2512では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS2513にて大入賞口開閉処理を実行する。
大入賞口開閉処理では、大入賞口65a又は振分入口501が閉鎖中である場合には、ラウンド数カウンタRCが「1」以上であることを条件として、第1可変入賞装置65用の可変入賞駆動部65c又は第2可変入賞装置500用の駆動部503を駆動状態とすることで大入賞口65a又は振分入口501を開放させる。また、大入賞口65a又は振分入口501が開放中である場合には、当該大入賞口65a又は振分入口501の開放から所定時間(大入賞口65aにおいては30sec、振分入口501においては0.1sec又は1.8sec)が経過していること又は所定個数(いずれも10個)の遊技球が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部65c又は駆動部503の駆動状態を停止し、大入賞口65a又は振分入口501を閉鎖させる。
さらに、大入賞開閉処理では、第2可変入賞装置500に設けられたV入賞の検知センサ512の検知結果に基づいてV入賞が発生したか否かを判定する。これにより、有利特別当たり結果に対応する開閉実行モードにて第2可変入賞装置500に遊技球が入賞し、その遊技球がV入賞用領域506に流入した場合は、それが検知される。V入賞が発生したと判定した場合は、RAM604の各種フラグ格納エリア634にV入賞フラグを格納する。
大入賞口開閉処理の実行後は、ステップS2514,S2515の各判定処理を実行し、その後、ステップS2516にて開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。ここで、図49を参照しながら開閉実行モード終了時の移行処理について説明する。
開閉実行モード終了時の移行処理では、先ずステップS2601にて、RAM604の各種フラグ格納エリア634に16Rフラグ、5RフラグA〜Cのいずれかの大当たりフラグ、V当選フラグA,BのいずれかのV当選フラグが格納されているか否かを判定する。それらのうちのいずれかが格納されている場合は、ステップS2602にて、上記格納エリア634に5RフラグA、16Rフラグ又はV当選フラグAが格納されているか否かを判定する。
その結果、それらフラグのいずれも格納されていない場合は、上記格納エリア634に5RフラグB,C又はV当選フラグB(開閉実行モードの終了後にサポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果)が格納されていることを意味する。この場合は、ステップS2603にて上記格納エリア634の5RフラグB,C又はV当選フラグBを消去し、その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
一方、ステップS2602で肯定判定した場合は、ステップS2604にて、上記格納エリア634の5RフラグA、16Rフラグ又はV当選フラグAを消去した後、ステップS2605にて同エリア634に高頻度サポートフラグをセットする。これにより、開閉実行モードの終了後、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する。続くステップS2606では高頻度遊技回数カウンタの値を「50」にセットする。高頻度遊技回数カウンタは、高頻度サポートモードでの特図遊技回の実行回数をカウントするためのものであり、第1特図又は第2特図の遊技回が実行される都度、1ずつディクリメントされる。そして、高頻度遊技回数カウンタの値が「0」となった場合は、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。次いで、ステップS2607にて、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である高頻度サポートコマンド(高頻度サポート設定情報)を、報知・演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
一方、ステップS2601で否定判定した場合、すなわち、RAM604の各種フラグ格納エリア634に16Rフラグ、5RフラグA〜Cのいずれかの大当たりフラグ、V当選フラグA,Bのいずれも格納されていない場合は、有利特別当たりフラグA,B又は不利特別当たりフラグが格納されていることを意味する。この場合は、ステップS2608に進み、上記格納エリア634にV入賞フラグが格納されているか否かを判定する。V入賞フラグは、既に説明したように、図48におけるステップS2513の大入賞口開閉処理にて、V入賞が発生したと判定した場合に格納されるものである。
V入賞フラグが格納されている場合は、続くステップS2609にて、上記格納エリア634に格納されている有利特別当たりフラグA,B又は不利特別当たりフラグをV入賞フラグとともに消去した後、ステップS2610にて同エリア634にV当選フラグA又はBを格納する。この際、ステップS2609の実行前にて上記格納エリア634に有利特別当たりフラグAが格納されていた場合はV当選フラグAを格納し、ステップS2609の実行前にて上記格納エリア634に有利特別当たりフラグBが格納されていた場合はV当選フラグBを格納する。その後、ステップS2611にて、V入賞が発生したこと、換言すれば、V大当たりに対応する開閉実行モードが行われる旨をサブ側の制御装置に認識させるための情報であるV入賞コマンド(V入賞情報)を、報知・演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。なお、ステップS2611の処理は、上記ステップS2513の大入賞口開閉処理にてV入賞が発生したと判定した場合に実行してもよい。ステップS2611の実行後は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
一方、ステップS2608で否定判定した場合、すなわち、上記格納エリア634にV入賞フラグが格納されていないと判定した場合は、同エリア634に格納されている有利特別当たりフラグA,B又は不利特別当たりフラグを消去し、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
図48の説明に戻り、ステップS2516の開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後は、ステップS2517にて開閉実行モードの終了処理を実行し、その後、本遊技状態の移行処理を終了する。
以上の遊技状態移行処理において、特別当たり結果に基づく1ラウンドの開閉実行モード中に遊技球がV入賞用領域506を通過した場合は、それに基づいてV入賞フラグが格納され、その後、V当選フラグに書き替える処理が行われることによって、当該開閉実行モード後にV大当たりに対応する新たな開閉実行モードが開始される。当該新たな開閉実行モードでは、ステップS2507又はS2508にてラウンド数カウンタRCに「16」又は「5」が入力され、第1可変入賞装置65側にて16回又は5回のラウンド遊技が行われることとなる。第1可変入賞装置65への入賞が発生した場合の賞球数は、第2可変入賞装置500の場合(3個)よりも多い15個となっていることから、上記新たな開閉実行モードが行われることで多量の遊技球の獲得を期待することが可能になる。一方、特別当たり結果に基づく開閉実行モード中にV入賞用領域506を通過させることができなければ、当該開閉実行モードはそのまま終了し、その後、新たな開閉実行モードが開始されることはない。
<V振分設定処理>
次に、図46のステップS2306におけるV振分設定処理について図50を参照しながら説明する。図50はV振分設定処理を示すフローチャートである。
V振分設定処理では、先ずS2701にて、開閉実行モードの開始タイミングであるか否かを判定する。開始タイミングである場合には、ステップS2702にてRAM604の各種カウンタエリア633に設けられたタイマカウンタTCに「500」(すなわち1.0sec)をセットする。ここでセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1ディクリメントされる。続くステップS2703では、RAM604の各種カウンタエリア633に設けられた振分回数カウンタHCに「1」をセットする。振分回数カウンタHCは、シャッタ508の動作回数をMPU602が把握するためのカウンタである。
ステップS2701にて否定判定した場合、又はステップS2703の処理を実行した後は、ステップS2704に進む。ステップS2704では、シャッタ用の駆動部509の駆動状態を把握することにより、シャッタ508がV入賞用領域506への振り分け側に位置しているか否かを判定する。シャッタ508が排出用領域507への振り分け側に位置している場合は、ステップS2705にて上記タイマカウンタTCが「0」であるか否かを判定する。
上記タイマカウンタTCが「0」でない場合は本振分設定処理を終了する一方、「0」である場合は、ステップS2706にて振分回数カウンタHCが「0」であるか否かを判定する。ステップS2706で否定判定した場合、すなわち、振分回数カウンタHCが「1」である場合は、ステップS2707にて、シャッタ508をV入賞用領域506への振り分け側の位置に変位させる。続くステップS2708にてタイマカウンタTCに「1000」をセットする。これにより、シャッタ508をV入賞用領域506への振り分け側に位置させる期間が2.0secに設定される。ステップS2708の実行後又はステップS2706で肯定判定した場合は本振分設定処理を終了する。
一方、ステップS2704で肯定判定した場合、すなわち、シャッタ508がV入賞用領域506への振り分け側に位置している場合は、ステップS2709にてタイマカウンタTCが「0」であるか否かを判定し、シャッタ508をV入賞用領域506への振り分け側に位置させる期間が経過したか否かを判定する。ステップS2709で肯定判定した場合は、ステップS2710にてシャッタ508を排出用領域507への振り分け側の位置に変位させた後、ステップS2711にて振分回数カウンタHCを1減算する処理を実行する。ステップS2711の実行後又はステップS2709で否定判定した場合は、本振分設定処理を終了する。
<普図変動開始処理>
次に、本実施の形態に係る普図変動開始処理について図51を参照しながら説明する。この処理は上記第1の実施の形態に係る図25の普図変動開始処理に代えて行われるものである。具体的には、図25のステップS1505〜S1507に代えてステップS2805〜S2807の処理が実行されるものとなっている。
これらの処理について説明すると、ステップS2805では、現在のサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS2805にて否定判定した場合は、ステップS2806にて、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている低頻度サポートモード用の普図変動表示時間テーブルを参照し、今回の普図変動種別カウンタC5の値に対応した変動表示時間を取得する。ここで、図52(a)を参照して低頻度サポートモード用の普図変動表示時間テーブルについて説明する。
低頻度サポートモード用の普図変動表示時間テーブルは、上記第1の実施の形態に係る低確率モード用の普図変動表示時間テーブル(図10(b)参照)における普図保留記憶数FNが1〜3個である場合と同様のものである。すなわち、999/1000の確率で0.05secの変動表示時間が設定され、1/1000の確率で10secの変動表示時間が設定される。このため、サポートモードが低頻度サポートモードである場合は、0.05secの変動表示時間が設定され続ける限り、普図保留が発生せず(又は発生しにくく)、各回の普図遊技にて電動役物66が開放するものの、第2作動口63への入賞が発生しない(又は発生しくい)状態が継続する。そして、10secの変動表示時間が設定されることで、普図保留が貯まり、第2作動口63への入賞容易状態に移行する。
但し、本実施の形態に係る低頻度サポートモード用の普図変動表示時間テーブルでは、上記第1の実施の形態に係る図10(b)の普図変動表示時間テーブルとは異なり、普図保留記憶数FNと変動表示時間との対応付けがなされていない。すなわち、普図保留記憶数FNによる変動表示時間の区別がなされておらず、普図保留記憶数FNが4個の場合であっても当該記憶数FNが1〜3個である場合と同様に変動表示時間の選択が行われる。つまり、普図保留記憶数FNが4個である場合、基本的に0.05secの変動表示時間が設定されるものとなっている。このため、本実施の形態では、10secの変動表示時間が設定されることで普図保留記憶数FNが4個となった後、遊技球を発射し続けていても当該記憶数FNが次第に減少していくものとなっている。なお、低頻度サポートモードである場合の普図遊技回の停止表示時間(確定表示期間)は、変動表示時間の長さにかかわらず一律に0.4secに設定されている。
図51の普図変動表示時間の説明に戻り、ステップS2805で肯定判定した場合、すなわち、現在のサポートモードが高頻度サポートモードである場合は、ステップS2807にて、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている高頻度サポートモード用の普図変動表示時間テーブルを参照し、今回の普図変動種別カウンタC5の値に対応した変動表示時間を取得する。高頻度サポートモード用の普図変動表示時間テーブルでは、図52(b)に示すように、選択可能な変動表示時間として0.05secの1種類が準備されている。すなわち、サポートモードが高頻度サポートモードである場合は、普図変動種別カウンタC5の値にかかわらず、常に0.05secの変動表示時間が選択・設定されるものとなっている。なお、高頻度サポートモードである場合の停止表示時間は、低頻度サポートモードの場合と同様に一律に0.4secに設定されている。
<特別演出用処理>
次に、報知・演出制御装置143のMPU652によって実行される特別演出用処理について図53〜図58を参照して説明する。特別演出用処理は、普図遊技回にて10secの変動表示時間が設定されたことを契機として所定の演出表示を行うためのものである。この処理は所定の周期(例えば2msec)ごとに起動される。
図53に示すように、特別演出用処理では、先ずステップS2901にて現在のサポートモードが低頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、主制御装置162から送信される、サポートモードが低頻度サポートモードである旨のコマンドを受信しているか否か、換言すれば、MPU652のRAM654に上記コマンドが格納されているか否かを判定する。
ステップS2901で否定判定した場合はそのまま本特別演出用処理を終了する一方、肯定判定をした場合は、ステップS2902にて、第2可変入賞装置500が開放中であるか否かを判定する。具体的には、主制御装置162からの第2可変入賞装置500に係る開放コマンド(図48のステップS2513参照)がMPU652のRAM654に格納されているか否かを判定する。既述のように、第2可変入賞装置500は特別当たり結果に対応する開放実行モードにて開閉制御される入賞装置であるため、ステップS2902は、実質的に特別当たり結果に対応する開閉実行モードが実行されているか否かを判定するものとなる。
第2可変入賞装置500が開放中でないと判定した場合は、ステップS2903にて第2特図に係る遊技回の実行中であるか否かを判定する。具体的には、主制御装置162から送信された第2特図に係る変動用コマンド(図47のステップS2417参照)を受信しているか否かを判定する。第2特図に係る遊技回が実行されていない場合は、ステップS2904にて第1特別演出用処理を実行する。ここで、図54のフローチャートを参照して第1特別演出用処理について説明する。
図54に示すように、第1特別演出用処理では、先ずステップS2911にて、主制御装置162から送信された普図変動用コマンド(図51のステップS2809参照)を受信しているか否かを判定する。普図変動用コマンドを受信している場合は、ステップS2912にて、主制御装置162から送信された普図変動種別コマンド(図51のステップS2809参照)に基づいて、上記変動用コマンドに係る普図遊技回の変動表示時間が10secに設定されているか否かを判定する。上記ステップS2911,S2912のいずれかにて否定判定した場合は、本第1特別演出用処理を終了する一方、ステップS2912で肯定判定した場合は、ステップS2913にて、変動表示時間が10secに設定されている普図遊技回が実行中であるか否かを判定する。
実行中でない場合、すなわち、当該普図遊技回の変動開始タイミングである場合は、ステップS2914にて第1特別演出表示の表示処理を実行し、その後、本第1特別演出用処理を終了する。第1特別演出表示S1について図57(a)を参照しながら説明する。
第1特別演出表示S1は、遊技者に対してスルーゲート35を狙った遊技球の発射を促すものである。すなわち、普図遊技回の変動表示時間が通常時間(0.05sec)よりも非常に長い特殊時間とされ、普図保留記憶数FNを貯め易い状況となることから、スルーゲート35に遊技球を入賞させるべき旨を報知することで、普図保留記憶数FNが上限値(4個)となるように誘導するものである。第1特別演出表示S1では、図57(a)に示すように、例えば、図柄表示装置75の表示画面75aの左上部において、スルーゲート35を指すようにした矢印と併せて「スルーゲートに入賞させて」といった文字表示521を表示したりする構成が考えられる。
また、第1特別演出表示S1では、上記文字表示521と併せて遊技球の発射を行う又は継続すべき旨の報知を行うとよい。例えば、図57(a)に示すように、上記文字表示521と重ならないように、表示画面75aの右上部にて「発射を止めないで」の文字表示522を表示するとよい。これにより、折角10secの変動表示時間が設定されたにも関わらず、遊技球を発射していなかったが故にスルーゲート35に遊技球が入賞せず、普図保留記憶数FNを十分に貯められなかったという不都合の発生が抑制される。
図54の第1特別演出用処理の説明に戻り、ステップS2914の第1特別演出表示の表示処理では、上記第1特別演出表示S1の内容の情報が含まれるコマンドを表示制御装置660へ出力する。当該コマンドを受信した表示制御装置660は、第1特別演出表示S1用の画像データをキャラクタROMから読み出し、その画像データの内容が表示画面75aにて表示されるように図柄表示装置75を制御する。
なお、第1特別演出表示S1は普図遊技回に基づいて実行されるため、その実行開始タイミング又は実行後において表示画面75aでは、第1特図に係る図柄(演出図柄)の変動表示が行われている場合がある。その場合は、図57(a)に示すように、特図用の演出図柄の手前側に上記文字表示521や文字表示522が表示されるようにして第1特別演出表示S1を実行するとよい。但し、文字表示521や文字表示522は、少なくとも特図用の演出図柄が変動表示されていることを遊技者が識別可能な範囲で当該図柄に重ねて表示され、具体的には特図用の演出図柄における図柄列(変動表示領域)の一部を覆うに留まっている。これにより、遊技者が特図遊技回の実行の有無を適正に把握しつつ、第1特別演出表示S1の見逃しを抑制することが可能になる。
図54の説明に戻り、ステップS2913で肯定判定した場合、すなわち、普図遊技回の実行中である場合は、ステップS2915にて、第2特別演出表示S2を開始する開始タイミングであるか否かを判定する。第2特別演出表示S2について図57(b),(c)を参照して説明する。
第2特別演出表示S2は2種類の報知が段階的に行われるものとなっている。具体的には、1段階目として図57(b)に示す第2特別演出表示S2−1が実行され、2段階目として図57(c)に示す第2特別演出表示S2−2が実行されるものとなっている。1段階目の第2特別演出表示S2−1は、遊技者に対してV大当たりを獲得できるチャンスが到来した旨を示唆するものである。第2特別演出表示S2−1としては、例えば、図57(b)に示すように、表示画面75aの中央部において「Vチャレンジ!!」の文字表示523を表示したりする構成が考えられる。その際、遊技者の注意を惹くために上記文字表示523を文字表示521,522よりも大きく表示するとよいが、その分、特図用の演出図柄の視認性が妨げられることになる。そこで、図57(b)に示すように、特図用の演出図柄を変動表示させる表示領域524を縮小化し、文字表示523と表示領域524とを重ねずに表示したり、或いは、文字表示523における余白領域(文字のない部分)に表示領域524を設けたりするとよい。その場合、文字表示523を目立たせるべく、表示領域524を文字表示523よりも小さくするとよい。
2段階目の第2特別演出表示S2−2は、遊技者に対して電動役物66(第2作動口63)を狙って遊技球を発射すべき旨を示唆するものであり、第2作動口63への遊技球の入賞を促すものである。V大当たりを獲得するまでの流れは、第2作動口63への遊技球の入賞→特別当たり結果に対応する開閉実行モード(第2可変入賞装置500の開閉制御)の実行→第2可変入賞装置500への遊技球の入賞→V入賞用領域506の遊技球の通過の順序となるところ、第2特別演出表示S2−2はその最初のステップの実行を誘導するためのものである。第2特別演出表示S2−2としては、例えば、図57(c)に示すように、表示画面75aの中央部において「step1 電チューを狙え!」の文字表示525を表示したりする構成が考えられる。「電チュー」とは、電動チューリップの略称であり、換言すれば、電動役物66及び第2作動口63を指す俗称である。
本実施の形態では、普図遊技回の変動表示が終了する所定時間(例えば3sec)前から第2特別演出表示S2を開始するものとしており、図54におけるステップS2915の処理では、普図遊技回の変動表示が終了する3sec前のタイミングとなったか否かを判定する。ステップS2915で肯定判定した場合は、ステップS2916にて第2特別演出表示S2の表示処理を実行する。ステップS2916では上記第2特別演出表示S2の内容の情報が含まれるコマンドを表示制御装置660へ出力し、表示制御装置660では、第2特別演出表示S2が表示画面75aにて行われるように図柄表示装置75を制御する。ステップS2916の実行後又はステップS2915で否定判定した場合は、本第1特別演出用処理を終了する。
図53の特別演出用処理の説明に戻り、ステップS2903で肯定判定した場合、すなわち、第2特図に係る遊技回の実行中である場合は、ステップS2905にて第2特別演出用処理を実行し、その後、本特別演出用処理を終了する。ここで、図55のフローチャートを参照して第2特別演出用処理について説明する。
第2特別演出用処理では、先ずステップS2921にて、実行中の第2特図の遊技回における当否抽選の結果が特別当たり結果であるか否かを判定する。この処理は、主制御装置162から送信される第2特図の変動用コマンドに基づいて行う。第2特図の当否抽選の結果が特別当たり結果である場合は、ステップS2922にて、第3特別演出表示S3−Aを開始する開始タイミングであるか否かを判定する。第3特別演出表示S3−Aについて図57(d)を参照して説明する。
第3特別演出表示S3−Aは、遊技者に対して第2可変入賞装置500を狙って遊技球を発射すべき旨を示唆するものであり、第2可変入賞装置500への遊技球の入賞を促すものである。第3特別演出表示S3−Aは、前述のV大当たりを獲得するまでの流れのうち、第2可変入賞装置500への遊技球の入賞→V入賞用領域506の遊技球の通過の実行を誘導するためのものである。第3特別演出表示S3−Aとしては、例えば、図57(d)に示すように、表示画面75aの中央部において「step2 下アタッカを狙え!」の文字表示526を表示したりする構成が考えられる。「下アタッカ」は、第2可変入賞装置500を指すものであり、当該入賞装置500が遊技盤60の中央下部に配置されていることに基づくものである。この場合も第2特別演出表示S2の場合と同様、文字表示526が表示領域524よりも大きく表示される。
本実施の形態では、第2特図遊技回の変動表示が終了する所定時間(例えば2sec)前から第3特別演出表示S3−Aを開始するものとしており、図55のステップS2922の処理では、第2特図遊技回の変動表示が終了する2sec前のタイミングとなったか否かを判定する。ステップS2922で肯定判定した場合は、ステップS2923にて第3特別演出表示S3−Aの表示処理を実行する。ステップS2923では上記第3特別演出表示S3−Aの内容の情報が含まれるコマンドを表示制御装置660へ出力し、表示制御装置660では、第3特別演出表示S3−Aが表示画面75aにて行われるように図柄表示装置75を制御する。また、第3特別演出表示S3−Aが実行される場合は、変動表示の終了タイミングに対応して表示領域524において特別当たり結果に対応する特図用の演出図柄(例えば7★7)が停止表示される。ステップS2923の実行後又はステップS2922で否定判定した場合は、本第2特別演出用処理を終了する。
一方、ステップS2921で否定判定した場合、すなわち、実行中の第2特図の遊技回における当否抽選の結果が特別当たり結果でない場合は、ステップS2924にて当該当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。当否抽選の結果が大当たり結果である場合は、ステップS2925にて第3特別演出表示S3−Bの表示処理を実行する。第3特別演出表示S3−Bは、大当たりが発生したことを遊技者に報知するものであり、例えば、図58(a)に示すように、「大当たり!!」という文字表示527を表示したりする構成が考えられる。第3特別演出表示S3−Bの実行タイミングは、例えば第2特図の遊技回における変動表示の終了タイミングとすることができる。また、第3特別演出表示S3−Bが実行される場合は、表示領域524において大当たり結果に対応する特図用の演出図柄(例えば777)が停止表示される。図55のステップS2925の実行後又はステップS2924で否定判定した場合は、本第2特別演出用処理を終了する。
図53の特別演出用処理の説明に戻り、ステップS2902で肯定判定した場合、すなわち、第2可変入賞装置500が開放中である場合は、ステップS2906にてV入賞用処理を実行する。ここで、V入賞用処理について図56を参照して説明する。
V入賞用処理では、先ずステップS2931にて、主制御装置162からのV入賞コマンドを受信しているか否か、すなわち、V入賞が発生しているか否かを判定する。V入賞コマンドを受信している場合は、ステップS2932にて第4特別演出表示S4の表示処理を実行する。第4特別演出表示S4は、V入賞が発生したこと、換言すれば、V大当たりを獲得したことを遊技者に報知するものである。第4特別演出表示S4としては、例えば図58(b)に示すように、表示画面75aの中央部において「V大当たり!!」の文字表示528を表示したりする構成が考えられる。この場合も第2特別演出表示S2の場合と同様、文字表示528が表示領域524よりも大きく表示される。図56のステップS2932の処理では、上記第4特別演出表示S4の内容の情報が含まれるコマンドを表示制御装置660へ出力し、表示制御装置660では、第4特別演出表示S4が表示画面75aにて行われるように図柄表示装置75を制御する。
ステップS2931で否定判定した場合、すなわち、主制御装置162からのV入賞コマンドを受信していない場合は、ステップS2933にて第2可変入賞装置500が閉鎖されているか否かを判定する。具体的には、主制御装置162から送信される第2可変入賞装置500に係る閉鎖コマンド(図48のステップS2513参照)を受信しているか否かを判定する。第2可変入賞装置500が閉鎖されていない場合(第2可変入賞装置500が開放中である場合)は、そのまま本V入賞用処理を終了する。一方、第2可変入賞装置500が閉鎖されている場合は、ステップS2934にて、第2特図の保留記憶数が0であるか否かを判定する。
第2特図の保留記憶数が0でない場合、すなわち1以上である場合は、第2可変入賞装置500が再び開放される可能性があるところ、この場合はステップS2935にて第5特別演出表示S5の表示処理を実行し、その後、本V入賞用処理を終了する。第5特別演出表示S5は、V大当たりを獲得するチャンスが残っていることを遊技者に報知するものである。第5特別演出表示S5としては、例えば図58(c)に示すように、表示画面75aの中央部において「まだまだ!!」の文字表示529を表示したりする構成が考えられる。因みに、本実施の形態では、上記第2の実施の形態と同様に、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の最大保留数が4個に設定されている。このため、第2特図の保留情報を上限値まで記憶させることができれば、4回に亘って第2可変入賞装置500を開放させることが可能になる。
一方、図56のステップS2934で肯定判定した場合は、ステップS2936にて第6特別演出表示S6の表示処理を実行する。第6特別演出表示S6は、V大当たりを獲得できなかった旨を遊技者に報知するものである。第6特別演出表示S6としては、例えば図58(d)に示すように、表示画面75aの中央部において「残念・・・」の文字表示530を表示したりする構成が考えられる。図56のステップS2935,S2936の処理では、上記第5特別演出表示S5又は第6特別演出表示S6の内容の情報が含まれるコマンドを表示制御装置660へ出力する。表示制御装置660では、上記演出表示S5又はS6が表示画面75aにて行われるように図柄表示装置75を制御する。
以上の特別演出用処理の流れについて簡単にまとめると、サポートモードが低頻度サポートモードである状況下で普図遊技回の変動表示時間が10secに設定されると、その普図遊技回の変動開始タイミングにて図57(a)に示す第1特別演出表示S1が表示される。その後、当該普図遊技回が終了する3sec前になると、図57(b),(c)に示す第2特別演出表示S2−1が表示され、その後、第2特別演出表示S2−2が表示される。
当該普図遊技回の終了後、当該遊技回の実行期間にて記憶された普図保留情報が消化され、普図当否抽選の結果が開放結果となることに基づき電動役物66が開放される。その際、遊技球が第2作動口63に入賞した場合は、第2特図に係る遊技回が開始される。係る遊技回の当否抽選の結果が特別当たり結果である場合は、当該遊技回の変動表示が終了する2sec前から図57(d)に示す第3特別演出表示S3−Aが表示される。
第2特図に係る当否抽選の結果が特別当たり結果である場合は、当該当否抽選に係る第2特図の遊技回が終了した後、第2可変入賞装置500が開放される。そして、第2可変入賞装置500に遊技球が入賞し、且つ、その遊技球がV入賞用領域506に流入した場合は、図58(b)に示す第4特別演出表示S4が表示される。逆に、第2可変入賞装置500に遊技球が入賞しない、又は、第2可変入賞装置500に遊技球が入賞しても排出用領域507に振り分けられた場合は、その際の第2特図の保留記憶数に応じて図58(c)に示す第5特別演出表示S5又は図58(d)に示す第6特別演出表示S6が表示される。なお、第2特図に係る当否抽選の結果が大当たり結果である場合は、当該当否抽選に係る第2特図の遊技回の変動終了タイミングにて図58(a)に示す第3特別演出表示S3−Bが表示される。
<遊技の流れについて>
次に、本実施の形態における遊技の流れについて図59〜図61を参照しながら説明する。図59は遊技状態の遷移を示す状態遷移図である。
サポートモードが低頻度サポートモードであり且つ普図保留記憶数FN=0である場合(第1通常遊技状態)は、上記第2の実施の形態における第1通常遊技状態と同様である。つまり、第1通常遊技状態では、実質的に第1作動口62のみへの入賞によって遊技を進めるものとなる。そして、第1作動口62(第1特図)に係る当否抽選にて5R大当たり結果Aとなった場合は、開閉実行モードの終了後、サポートモードが高頻度サポートモードとなる有利遊技状態に移行する。第1特図の大当たり結果に占める5R大当たり結果Aの割合は50/100であるため(図45(a)参照)、大当たりとなった場合は50%の確率で有利遊技状態に移行する。
有利遊技状態では第2作動口63への入賞が発生し易くなっており、第2作動口63(第2特図)に係る当否抽選の結果はその多くが特別当たり結果となっている(図43(b)参照)。このため、有利遊技状態では、頻繁に第2可変入賞装置500が特別当たり結果に対応する開閉実行モードにて開閉制御されることになる。その際、特別当たり結果の種別が有利特別当たり結果A,Bであれば第2可変入賞装置500に入賞した遊技球がV入賞用領域506に振り分けられ易く、不利特別当たり結果であれば第2可変入賞装置500に入賞した遊技球が排出用領域507に振り分けられ易くなっている(図44参照)。第2特図の特別当たり結果に占める有利特別当たり結果A,Bの割合は5割となっているため(図43(b)参照)、規定回数(50回)という制約がある中でも簡単に有利特別当たり結果A,Bを引き当てることができ、V大当たりが発生し易くなっている。
本実施の形態では、第1作動口62、スルーゲート35、第2作動口63及び電動役物66が左ルート側に配置され、第2可変入賞装置500には左ルートを流下した遊技球が入賞可能となっている。このため、第1通常遊技状態に限らず、有利遊技状態でも遊技球を左ルート側に発射させて遊技することになるが、第1通常遊技状態では全くと言ってよいほどV大当たりを望めなくなっている一方、有利遊技状態ではV大当たりが発生し易くなっており、遊技性が明確に切り分けられている。しかも、V大当たりの方が開閉実行モードにて実行されるラウンド遊技の数が多くなり易くなっていることに加え、開閉実行モードの終了後に有利遊技状態に移行する確率も高くなっている(図45参照)。遊技開始当初の遊技状態は第1通常遊技状態であるため、遊技者としては先ずは第1特図の当否抽選にて大当たり結果となり、その上で大当たりの種別として5R大当たり結果Aへの振り分けを成し遂げることができるかが最大の関心事項となる。
そのような構成の下、本実施の形態では、第1通常遊技状態において普図遊技回の変動表示時間が10secに設定されると、普図保留記憶数FNを4個に増やすことができる。この場合、上記各実施の形態で説明したように、高頻度サポートモードほどではないまでも、第1通常遊技状態に比べて第2作動口63への入賞が発生し易い第2通常遊技状態に移行する。つまり、遊技状態が有利遊技状態に移行しなくても第2作動口63(第2特図)で当否抽選を受ける機会が到来する。第2特図の当否抽選の態様(特別当たり結果となる確率や特別当たり結果の種別の振分)は、第2通常遊技状態と有利遊技状態との間で差異がないため、通常遊技状態といえどもV大当たりを獲得するチャンスが生じることになる。
但し、本実施の形態では、普図保留記憶数FNに応じた変動表示時間の区別がなされておらず、普図保留記憶数FNが4個であっても1〜3個の場合と同様に、殆どが0.05secに設定されるものとなっている。変動表示時間が0.05secに設定された場合の普図保留情報の消化周期は、普図遊技期間(普図遊技回が開始されてから次の普図遊技回が開始されるまでの期間)である0.55secとなり、スルーゲート35への遊技球の入賞周期である0.6secよりも短いものとなる。このため、変動表示時間が10secに設定されることで普図保留記憶数FNが増えた後は、補充周期よりも短い周期で普図保留情報の消化されることになり、普図保留記憶数FNが次第に減少していく。
例えば、図60に示すように、変動表示時間が10secの普図遊技回が終了した後、当該タイミングから電動役物66の開放時間(0.1sec)の分だけ遅れたタイミングt51にて最初の普図遊技回が開始され、さらにそこから0.1sec遅れたタイミングt52にてスルーゲート35への最初の入賞が発生するケースでは、図61に示すように、発射した全ての遊技球がスルーゲート35に入賞したと仮定すると、1個の普図保留記憶数FNが減少するにつき、11回の普図遊技回を実行することができる。すなわち、10回の普図遊技回が実行されるまでの間は、普図保留記憶数FNが1個減少しても、2個目が減る前にスルーゲート35に遊技球が入賞して1個の保留情報が補充されるものの、11回目の普図遊技回については保留情報の補充前に実行されるものとなる。このような流れは、普図保留記憶数FNが1個ずつ減っていく過程で同様のものとなるため、普図保留記憶数FNが4個となった後は、当該記憶数が0個となるまでに最大で44回の普図遊技回を実行することができ、その間において第2通常遊技状態を継続させることが可能になる。
因みに、本実施の形態における電動役物66の開放周期と特定領域RA2(図5(b)参照)への遊技球の到達周期とは、上記第1の実施の形態にて説明した図27(b)の場合と同様になり、それぞれ0.55secと0.6secになる。この場合、時間差A(開放タイミングに対する到達タイミングの時間差)及び時間差B(閉鎖タイミングに対する到達タイミングの時間差)の変化は、普図遊技が繰り返される都度、0.05secずつ生じ、第2作動口63への遊技球の入賞確率は2/11(約1/6)となる。
このような条件の下、第2作動口63に遊技球を入賞させることができた場合は、その当否抽選の結果が有利特別当たり結果となることで、第2可変入賞装置500が高振分態様にて開閉制御される開閉実行モードが実行される。そして、当該開閉実行モードにて第2可変入賞装置500に遊技球を入賞させることができれば、V入賞が発生し、V大当たりを獲得することができる。つまり、サポートモードが高頻度サポートモードに移行していなくても、V大当たりの発生を期待することが可能になる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
V大当たりが期待できる遊技状態への移行ルートとして、当否抽選の結果が大当たり結果となることを契機とする第1ルートと別には、普図保留記憶数FNが所定数以上となることを契機とする第2ルートを設ける構成とした。これにより、大当たり結果とならなくもV大当たりを獲得する機会を提供することができ、楽しみ方の幅を拡げることが可能になる。しかも、普図保留記憶数FNを移行条件として用いる構成としたため、自己の技量によって上記遊技状態を獲得したかのような印象を遊技者に与え易くなり、興趣性の向上が図られる。その場合において、第2ルートを通じて移行する入賞容易状態(第2通常遊技状態)の有利度合(第2作動口63への入賞し易さ)を、第1ルートを通じて移行する入賞容易状態(高頻度サポートモード)のそれよりも低く抑える構成とした。これにより、過度に有利となることを抑制できるだけでなく、大当たりの魅力低減を抑制しながらV大当たりの獲得機会を拡充することが可能になる。
普図保留記憶数FNが所定数以上となった後、普図変動表示時間を0.05secに設定し、遊技球がスルーゲート35に入賞してから当該入賞に対応する電動役物66のサポート状態が終了するまでの特定期間(0.05sec)を、遊技球の発射周期よりも短くする構成とした。この場合、普図保留記憶数FNを自然と減少させることができ、第2通常遊技状態を一時的なものとすることができる。これにより、V大当たりの発生が簡単化し過ぎるなどの過度な有利化が進まないように制限を加えることが可能になる。加えて、第2通常遊技状態になったとしても第2可変入賞装置500への遊技球の入賞やV入賞の発生が確約されないものとなるため、それらが未発生のまま第2通常遊技状態が終了するかもしれない緊張感の下で遊技することができ、興趣性が向上する。しかも、第2通常遊技状態の実行期間が予め定めたものとはならず、スルーゲート35への入賞状況によって流動的に変化するものとなる。すなわち、第2通常遊技状態である間、当該状態がいつまで続くのかを遊技者が予測しにくくできるため、上記緊張感を好適に高めることが可能になる。
遊技状態が第2通常遊技状態にある間において、発射操作の実行を促す旨の報知(文字表示522)を継続して表示する構成とした。これにより、遊技者が発射操作を控えることが抑制され、第2通常遊技状態が理不尽に早期終了することが抑制される。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、遊技盤60の構成が上記各実施の形態と異なっている。図62は本実施の形態における遊技盤60の構成を示している。なお、上記各実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
本実施の形態では、可変入賞装置65が複数設けられている。複数の可変入賞装置65のうち、下可変入賞装置700は、可変表示ユニット67の下方、より詳しくは、第1作動口62の下方に配置されている。一方、複数の可変入賞装置65のうち、上可変入賞装置710は、可変表示ユニット67の左方、より詳しくは、スルーゲート35の上方に配置されている。特図側の当否抽選に結果に基づいて開閉実行モードが実施される場合、下可変入賞装置700及び上可変入賞装置710のいずれかが開閉制御される。
可変入賞装置700,710の構成は、上記可変入賞装置65の構成と同様である。詳しくは、図62及び図63に示すように、下可変入賞装置700,上可変入賞装置710には、遊技盤60の背面側へと通じる下大入賞口700a,上大入賞口710aがそれぞれ形成され、当該下大入賞口700a,上大入賞口710aを開閉する開閉手段としての下開閉扉700b,上開閉扉710bがそれぞれ設けられている。下開閉扉700b,上開閉扉710bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り替えられるようになっている。下開閉扉700bには下可変入賞駆動部700cが接続されており、上開閉扉710bには上可変入賞駆動部710cが接続されており、主制御装置162は下可変入賞駆動部700cや上可変入賞駆動部710cを駆動制御することによって、下開閉扉700bや上開閉扉710bの開閉制御を行う。
下開閉扉700bや上開閉扉710bについて、より詳細には、下開閉扉700bや上開閉扉710bが閉鎖状態の場合、遊技盤60の前面と下開閉扉700bや上開閉扉710bの前面とが略面一となり、遊技球が遊技盤60の前方を流下する際に、下開閉扉700bや上開閉扉710bが障壁とならないようになる。一方、下開閉扉700bや上開閉扉710bが開放状態となると、下開閉扉700bや上開閉扉710bは遊技盤60に対して起立し、遊技盤60の前方を流下する遊技球は下開閉扉700bや上開閉扉710bによって下方から受けられることで下大入賞口700aや上大入賞口710aへ誘導される。言い換えると、下開閉扉700bや上開閉扉710bが閉鎖状態である場合には、その前方を遊技球が流下可能である一方で、下開閉扉700bや上開閉扉710bが開放状態となると、その前方を遊技球が流下できなくなる。
上記のように下可変入賞装置700が配置されていることにより、下可変入賞装置700へは、左ルートを流下する遊技球、及び右ルートを流下する遊技球のいずれの遊技球も入賞が許容される。一方、上可変入賞装置710へは、左ルートを流下する遊技球は入賞が許容されるものの、右ルートを流下する遊技球は入賞が回避される。
なお、本実施の形態では、第1の実施の形態とは異なり、可変表示ユニット67の右方には可変入賞装置65が設けられていない。そのため、開閉実行モードにおいて、右ルートを流下するように遊技球発射ハンドル41の操作量を調節すると、下可変入賞装置700による開閉実行モードであれば入賞が発生するものの、上可変入賞装置710による開閉実行モードであれば入賞が発生しない。言い換えると、開閉実行モードにおいて左ルートを流下するように遊技球発射ハンドル41の操作量を調節することにより、いずれの可変入賞装置700,710による開閉実行モードであっても入賞を発生させることが可能となる。
本実施の形態における特図側の作動口としては、可変表示ユニット67の下方であって、上記下可変入賞装置700の上方に第1作動口62が設けられている。また、可変表示ユニット67の左方であって、上可変入賞装置710及びスルーゲート35の下方に第2作動口63が設けられている。
第1作動口62への入賞が発生すると、上記第1の実施の形態と同様に、第1特図側の当否抽選が行われる。一方、第2作動口63への入賞が発生すると、上記第1の実施の形態とは異なり、第1特図側の当否抽選ではなく、第2特図側の当否抽選が行われる。そこで、上記第1の実施の形態における第1作動口62や第2作動口63と明確に区別すべく、以下の説明では、本実施の形態における第1作動口62を第4作動口720とも称し、本実施の形態における第2作動口63を第5作動口730とも称することとする。
ここで、第5作動口730と上可変入賞装置710、スルーゲート35の位置関係について、図63を参照しながら説明する。
上可変入賞装置710とスルーゲート35とは、所定の間隙を隔てて縦方向に並んで配置されている。詳しくは、上可変入賞装置710の中心軸線とスルーゲート35の中心軸線とが縦方向において一致するように両者が配置されている。上可変入賞装置710とスルーゲート35との間には、横方向に並ぶ左右一対の遊技釘が植設されている。左遊技釘69eと右遊技釘69fとの間隔は、遊技球の直径寸法Dよりも僅かに大きくなるように配置されており、上側遊技釘対69a,69bや下側遊技釘対69c,69dとそれぞれ同一鉛直線上に並ぶように配置されている。そして、上可変入賞装置710における上開閉扉710bの下端と左右の遊技釘69e,69fとの間隔、及び、左右の遊技釘69e,69fとスルーゲート35の上端との間隔は、遊技球の直径寸法Dよりも小さくなっている。このため、上可変入賞装置710の上開閉扉710bが開放状態とされた場合、上開閉扉710bとスルーゲート35との間を遊技球が通過することができなくなり、スルーゲート35への入賞が回避される。その一方で、上可変入賞装置710の上開閉扉710bが閉鎖状態となると、上開閉扉710bの前方を遊技球が流下することにより、スルーゲート35への入賞が許容される。
スルーゲート35と第5作動口730との位置関係については、上記第1の実施の形態において説明したとおりであり、スルーゲート35を通過した遊技球は第5作動口730に到達するとともに、スルーゲート35を通過しない遊技球が第5作動口730に到達しないように、各釘69a〜69bが設けられている。また、遊技球がスルーゲート35を通過してから第5作動口730に到達するまでの所要期間も、上記第1の実施の形態と同様(0.6sec)となるように設定されている。
第5作動口730には、上記第1の実施の形態と同様に、電動役物66が設けられている。そして、スルーゲート35への入賞に基づいて、殆ど毎回電動役物66が開放される点、通常時には電動役物66が開放されても入賞が発生しない点、スルーゲート35への入賞に基づいて普図側の長い変動表示時間が設定されること(1/1000の確率で10.0secの変動表示時間が選択されること)によって入賞容易状態へ移行する点、入賞容易状態へ移行した後は保留数がなくなるまでは定期的な保留の補充(スルーゲート35への入賞)が生じる限り、当該入賞容易状態が継続する点は上記第1の実施の形態と同様である。ちなみに、本実施の形態における入賞容易状態とは、普図保留記憶数FNの数の増加に基づいて第5作動口730への入賞が許容される状態を指し、上記第3の実施の形態における第2通常遊技状態をいう。以下の説明で入賞容易状態と表現する場合も同様である。なお、かかる入賞容易状態を入賞補助状態とも称することもある。
また、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、第1特図側の遊技回と第2特図側の遊技回とが同時並行で実施される。
以上のように、本実施の形態では、第4作動口720への入賞を発生させると、第1特図用の当否抽選が実行される。また、左ルートを流下させてスルーゲート35への入賞を発生させると、通常時は第5作動口730への入賞は発生しないものの、入賞容易状態となることによって第5作動口730への入賞が発生し得るようになる。そして、当該入賞容易状態が継続する限り、第5作動口730への入賞に基づく第2特図用の当否抽選が実行されることになる。
第1特図用の当否判定処理(ステップS701)や第1特図用の振分判定処理(ステップS703)、第2特図用の当否判定処理(ステップS1101)や第2特図用の振分判定処理(ステップS1103)は、上記第1の実施の形態と同様であり、第1特図側の当否抽選によって、16R確変大当たり結果及び16R通常大当たり結果のいずれかに当選すると、16ラウンドの開閉実行モードへ移行する。また、第2特図側の当否抽選によって、16R確変大当たり結果及び16R通常大当たり結果のいずれかに当選すると、16ラウンドの開閉実行モードに移行し、特別当たり結果に当選すると、1ラウンドの開閉実行モードへ移行する。
但し、本実施の形態では、特図用の当否抽選が行われることに基づく遊技回の変動表示時間が、上記第1の実施の形態等と異なっている。すなわち、本実施の形態では、第1特図側の遊技回においては、当否抽選モードの高低にかかわらず、図19(a)の変動表示時間テーブルが参照されて変動表示時間が設定される。一方、第2特図側の遊技回においては、当否抽選モードの高低にかかわらず、図19(d)の変動表示時間テーブルが参照されて変動表示時間が設定される。
本実施の形態では、開閉実行モードが行われることにより、入賞容易状態が終了し得るように設定されている。図64は、本実施の形態における大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理(図22)におけるステップS1211にて実施される処理である。
本実施の形態では、先ずステップS3101にて、いずれかの大入賞口700a,710aが開放されているか否かを、可変入賞駆動部700c,710cの駆動状態に基づいて判定する。いずれの大入賞口700a,710aも開放されていないと判定した場合には、ステップS3102に進む。
ステップS3102では、ラウンド数カウンタRCが「0」であるか否かを判定する。「0」ではない場合、ステップS3103にて、RAM604の各種カウンタエリア633に設けられた開閉タイマカウンタTが「0」であるか否かを判定する。開閉タイマカウンタTは、大入賞口700a,710aを開閉するタイミングをMPU602が把握するためのカウンタである。開閉タイマカウンタTの値は、タイマ割込み処理が起動される度に1ずつ減算される。そして、ステップS3103にて開閉タイマカウンタTが「0」であると判定する場合とは、ラウンドの開始タイミングであって、いずれかの大入賞口700a,710aを開放すべきタイミングであることを示している。ステップS3103にて開閉タイマカウンタTが「0」であると判定した場合、ステップS3104にて開放時間の設定処理を実行する。
開放時間の設定処理では、図65のフローチャートに示すように、ステップS3201にて、今回の開閉実行モードが大当たり結果に基づくものであるか否かを判定する。大当たり結果に基づくものである場合、ステップS3202にて、今回のラウンド遊技の上限開放時間として30secに相当する数値(15000)を、開閉タイマカウンタTに入力する処理を実行する。一方、大当たり結果に基づく開閉実行モードではなく、特別当たり結果に基づくものである場合、ステップS3203にて、今回のラウンド遊技の上限開放時間として1.8secに相当する数値(900)を、開閉タイマカウンタTに入力する処理を実行する。ステップS3202又はステップS3203の処理を実行した後は、開放時間の設定処理を終了する。
大入賞口開閉処理の説明に戻り、ステップS3105では、各ラウンドの上限入賞個数を設定する。本実施の形態では、大当たり結果に基づく開閉実行モードであっても、特別当たり結果に基づく開閉実行モードであっても、いずれも上限入賞個数として、10個を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア633に設けられた入賞個数カウンタPCに「10」をセットする処理を実行する。これら、上限開放時間や上限入賞個数は、上記第1の実施の形態と同様であり、大当たり結果に基づく各ラウンドでは、上限入賞個数(10個)の遊技球の入賞が見込める一方、特別当たり結果に基づくラウンドでは、上限入賞個数の遊技球の入賞は見込めず、せいぜい3個の入賞が発生する。
ステップS3106では、今回の開閉実行モードが第1特図側の当否抽選の結果に基づくものであるか否かを判定する。第1特図側の当否抽選の結果に基づくものである場合、ステップS3107にて、上大入賞口開放処理を実行する。かかる処理では、上大入賞口710aが開放されるように、上可変入賞駆動部710cの駆動制御を開始し、上開閉扉710bを開放状態に切り替える。一方、ステップS3106にて、今回の開閉実行モードが第2特図側の当否抽選の結果に基づくものであると判定した場合、ステップS3108にて、下大入賞口開放処理を実行する。かかる処理では、下大入賞口700aが開放されるように、下可変入賞駆動部700cの駆動制御を開始し、下開閉扉700bを開放状態に切り替える。
ステップS3107又はステップS3108の処理を実行した後は、ステップS3109にて開放コマンドを報知・演出制御装置143への出力対象として設定してから、大入賞口開閉処理を終了する。開放コマンドには、今回開始するラウンドが何ラウンド目のラウンド遊技かを示す情報の他、開放される大入賞口700a,710aの情報が含まれており、報知・演出制御装置143は、受信した開放コマンドに基づいて、開始するラウンド遊技及び開放する大入賞口700a,710aに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置75における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は報知・演出制御装置143から表示制御装置660に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置660では、報知・演出制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回のラウンド遊技に対応した表示(例えば、ラウンド数及び開放される大入賞口を示す表示)が行われるように図柄表示装置75を表示制御する。
ステップS3101にて、いずれかの大入賞口700a,710aが開放状態であると判定した場合、ステップS3110へ進む。ステップS3110では、開閉タイマカウンタTが「0」となり、上限開放時間が経過したか否かを判定する。開閉タイマカウンタTが「0」ではないと判定した場合、ステップS3111にて、いずれかの可変入賞装置700,710へ遊技球が入賞したか否かを、下可変入賞装置700用の検知センサ700d及び上可変入賞装置710用の検知センサ710dの検知状態に基づいて判定する。いずれかの可変入賞装置700,710への入賞が発生したと判定した場合、ステップS3112にて入賞個数カウンタPCを1減算する処理を実行する。そして、ステップS3113にて、減算後の入賞個数カウンタPCが「0」となり、上限入賞個数の入賞が発生したか否かを判定する。ステップS3111にて入賞が発生していないと判定した場合、又はステップS3113にて上限入賞個数に達していないと判定した場合は、そのまま大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS3110にて上限開放時間が経過したと判定した場合、又はステップS3113にて上限入賞個数の入賞が発生したと判定した場合、ステップS3114にて大入賞口閉鎖処理を実行する。大入賞口閉鎖処理では、開放状態とされている大入賞口700a,710aを可変入賞駆動部700c,710cの駆動状態によって判定するとともに、当該判定結果に基づいて、対応する可変入賞駆動部700c,710cの駆動制御を終了することにより大入賞口700a,710aを閉鎖状態とする。そして、ステップS3115にてラウンド数カウンタRCを1減算する処理を実行し、ステップS3116にて、当該減算後のラウンド数カウンタRCが「0」となったか否かを判定する。
ラウンド数カウンタRCが「0」ではない場合、ステップS3117にて、待機時間の設定処理を実行する。待機時間の設定処理は、大入賞口700a,710aが閉鎖状態とされてから次に開放状態とされるまでの期間であって、ラウンド遊技とラウンド遊技の間の待機時間、所謂インターバル期間(インターバル時間)を設定する処理である。本実施の形態では、当該インターバル期間を遊技球の発射周期(0.6sec)よりも短い時間である0.5secとして設定する。より具体的には、ステップS3117では、開閉タイマカウンタTに0.5secに対応する数値(250)を入力する処理を実行する。そして、ステップS3118にて、閉鎖コマンドを報知・演出制御装置143への出力対象として設定してから、大入賞口開閉処理を終了する。閉鎖コマンドには、今回終了するラウンドが何ラウンド目のラウンド遊技かを示す情報が含まれており、報知・演出制御装置143は当該閉鎖コマンドに基づいて、ラウンド遊技が終了されることの報知等を行うように表示制御装置660等を制御する。
ステップS3116にて、ラウンド数カウンタRCが「0」であると判定した場合、ステップS3119にて、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、開閉タイマカウンタTに、ROM603に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS3120にて、エンディングコマンドを報知・演出制御装置143への出力対象として設定してから、大入賞口開閉処理を終了する。報知・演出制御装置143では、受信したエンディングコマンドに基づいて、終了する開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
本実施の形態における入賞容易状態とラウンド遊技との関係について、図66のタイミングチャートを参照しながら説明する。
上記のように、スルーゲート35へは、上大入賞口710aが閉鎖状態である状況で入賞が可能となり、上大入賞口710aが開放状態となると入賞が不可となる。上大入賞口710aが開放状態とされるのは、第1特図側の当否抽選の結果として大当たり結果となった場合であり、第2特図側の当否抽選にて大当たり結果となった場合や第2特図側の当否抽選にて特別当たり結果となった場合は、下大入賞口700aが開放状態とされる開閉実行モードが実行される。
例えば、タイミングt60にて上大入賞口710aが開放状態となる場合について説明する。タイミングt60よりも前に上大入賞口710aに到達する遊技球は、上大入賞口710aへは入賞せず、スルーゲート35へ入賞し得る。当該タイミングt60よりも前の状態が、入賞容易状態であれば、スルーゲート35への入賞によって普図保留記憶数FNが一定数に保たれ、当該入賞容易状態が維持される。
一方、タイミングt60にて上大入賞口710aが開放状態とされると、例えばタイミングt61にて上大入賞口710aに到達する遊技球は、上大入賞口710aへ入賞することとなる。その結果、スルーゲート35への入賞が発生しなくなる。開閉実行モード中も普図側の遊技回は進行し得る構成であるところ、スルーゲート35への入賞が発生せず保留の追加がなされないものの、普図側の遊技回の進行に伴って普図側の保留の消化のみが行われる。
ここで、左ルートを流下するように発射された遊技球は、その殆どが上大入賞口710aへ到達する。そのため、タイミングt60にて開始されたラウンド遊技は、左ルートへの発射が継続されていれば、遊技球の発射周期に、ラウンド遊技の上限入賞個数を乗じた期間(以下、最短継続期間ともいう、0.6sec×10=6sec)で終了させることが可能となる。すなわち、タイミングt60にて開始されたラウンド遊技は、左ルートへの発射が継続された場合、上記最短継続期間が経過するタイミングt63にて終了し得る。そして、当該最短継続期間は、普図側の保留情報が上限数記憶されている状況(普図保留記憶数FNが4である状況)から普図保留記憶数FNが0となるまでの期間よりも長くなるように設定されている。
具体的には、普図側の保留情報が上限個数(4個)記憶されている状況からスタートする場合、先ず、普図側の保留情報が4個記憶されている状況での普図遊技回の変動表示時間は0.6secが設定され(図10)、停止表示期間(0.4sec)及びサポート期間(0.1sec)を含めて1.1sec後には、保留情報が3個記憶されている状況での普図遊技回が開始される。当該普図遊技回の変動表示時間は、その殆どが0.05secが設定され(図10)、停止表示期間及びサポート期間を含めて0.55sec後には、保留情報が2個記憶されている状況での普図遊技回が開始される。同様に、0.55sec後に保留情報が1個記憶されている状況での普図遊技回が開始され、当該普図遊技回は0.55sec後に終了する。つまり、普図側の保留情報が上限個数記憶されている状況から、保留情報の補充がない状況で普図側の遊技回が進行すると、1.1sec+0.55sec+0.55sec+0.55sec=2.75sec後に普図側の保留情報が0となり普図側の遊技が行われていない状況となる。仮に、普図側の保留情報が上限個数記憶されている状況で普図遊技回が開始された直後に普図側の保留情報の補充が行われたとしても、2.75secに保留情報4個での普図遊技期間である1.1secを加えた3.85sec後には普図側の遊技が行われていない状況となる。
つまり、上大入賞口710aが開放状態となってラウンド遊技が開始されると、当該ラウンド遊技を終了させるためには、普図側の保留情報が上限数記憶されている状況から普図保留記憶数FNが0となるまでの期間よりも長い期間を要することとなり、当該ラウンド遊技中である、タイミングt62において入賞容易状態(第2通常遊技状態)が入賞非容易状態(第1通常遊技状態、第5作動口730への入賞補助なしの状態)となる。
タイミングt63にて今回のラウンド遊技が終了すると、インターバル期間が設定されて、当該インターバル期間の経過後に次のラウンド遊技が開始される。本実施の形態では、インターバル期間として、発射周期よりも短い期間が設定される構成としており(ステップS3117)、当該インターバル期間中にスルーゲート35への入賞は発生しない。すなわち、タイミングt63にて上大入賞口710aへラウンド遊技の上限入賞個数目の入賞が発生して当該ラウンド遊技が終了すると、当該遊技球の次に発射された遊技球は、タイミングt63から発射周期後であるタイミングt65に上大入賞口710aに到達する。そして、このタイミングt65よりも前のタイミングであるタイミングt64にて、次のラウンド遊技が開始され、上大入賞口710aは開放状態とされる。そのため、インターバル期間中に普図側の保留情報を補充する余地がない構成となる。
また、仮に、上大入賞口710aが開放されるラウンド遊技中に遊技球の発射を停止したり、左ルートではなく右ルートを発射させると、ラウンド遊技は、上記の最短終了期間(6sec)よりも長い期間に亘って継続する。例えば、タイミングt64にて開始されたラウンド遊技中に、上大入賞口710aへの入賞が発生しない期間が生じたとすると、当該ラウンド遊技は、最長で、上限開放期間(30sec)が経過するタイミングt66にて終了することとなる。この場合も、当該ラウンド遊技中に普図保留記憶数FNが0となる。
ちなみに、上記のように上限開放期間が経過したことに基づいてラウンド遊技が終了する場合、インターバル期間中にスルーゲート35への入賞が発生する場合が生じる。つまり、上限開放期間の経過に基づいてラウンド遊技が終了する場合、当該終了タイミングで上大入賞口710aへの入賞は生じていないため、遊技球の発射タイミングを調節することによって、インターバル期間中に遊技球が上大入賞口710aに到達し得ることとなる(タイミングt67)。そして、当該到達した遊技球は、上大入賞口710aへ入賞することなくスルーゲート35へ入賞する。但し、インターバル期間が発射周期よりも短いことから、当該インターバル期間中に上大入賞口710aへ遊技球が到達するとしても、1球に限定される。上記のとおり、上限開放期間に亘ってラウンド遊技が継続することによって、入賞容易状態から入賞非容易状態に切り換わっていることから、当該1球のスルーゲート35への入賞によっては、入賞非容易状態から入賞容易状態へは切り換わらない。
また、既に説明したとおり、大当たり結果に基づく開閉実行モードは、16回に亘ってラウンド遊技が行われる。そのため、例えば、開閉実行モードの開始前に記憶されていた普図側の保留情報についての遊技回にて、長い変動表示時間(10sec、図10参照)が選択された場合であっても、当該開閉実行モードの終了までに、全保留が消化されるようになっている。つまり、各ラウンド遊技では最短でも6sec要するとともに、インターバル期間として0.5secが設定されることから、オープニング期間やエンディング期間を含めないと、16ラウンドの開閉実行モードは、最短でも、6sec×16+0.5sec×15=103.5sec要することとなる。これに対して、普図保留記憶数FNが1〜3個である状況で行われる全ての遊技回で長い変動表示時間が選択されたとしても(図10)、1.1sec(保留4個時)+10.5sec(保留3個時)+10.5sec(保留2個時)+10.5sec(保留1個時)=32.6secであり、普図遊技回の開始直後に保留情報の補充があった場合(+1.1sec)であっても、開閉実行モードの終了までには保留情報が0個となって、入賞容易状態から入賞非容易状態に切り換わることとなる。
以上のように、本実施の形態では、第1特図側の当否抽選の結果に基づく開閉実行モードは、入賞容易状態の終了契機(入賞非容易状態への移行契機)となる。かかる構成を利用した、本実施の形態における遊技の流れを図67のタイミングチャート、及び、図68の各遊技状態の説明図を参照しながら説明する。
電動役物66の入賞補助がなく入賞容易状態ではない状況であるタイミングt70において、第4作動口720への入賞が発生した場合、第1特図側の遊技回が開始され、タイミングt71にて当該遊技回が終了する。タイミングt72にて開始された第1特図側の遊技回が大当たり結果であった場合(なお、図67では、大当たり結果となる遊技回を黒塗りの矢印にて示し、特別当たり結果となる遊技回を白塗りの矢印にて示している)、当該大当たり結果に基づく開閉実行モードは、上大入賞口710aにて行われる。上大入賞口710aへの入賞が発生すると、所定数(15個)の賞球が払い出される。当該開閉実行モードにおいては、上限入賞個数(10個)にラウンド数(16回)を乗じた回数の入賞が発生し得ることから、当該開閉実行モードでは、遊技者は多量の賞球(10個×16回×15個=2400個)の払出を受けることが可能となり、タイミングt73で当該開閉実行モードが終了する際には、持ち球が大幅に増加していることとなる。
既に説明したとおり、左ルートを流下させて上記第1特図側の遊技回を実行させている状況においては、スルーゲート35への入賞が発生し、当該スルーゲート35への入賞に基づく普図側の遊技回にて長い変動表示時間が選択されることによって、入賞容易状態に移行する。例えばタイミングt74で入賞容易状態に移行したとすると、第5作動口730への入賞が発生することとなり、タイミングt75にて第5作動口730への入賞に基づく第2特図側の遊技回が開始される。
第2特図側の遊技回では、その殆どが特別当たり結果となる。そして、当該特別当たり結果に基づく1ラウンドの開閉実行モードは、下大入賞口700aにて実行される。その結果、タイミングt75にて開始された第2特図側の遊技回が終了するタイミングt76にて、1ラウンドの開閉実行モードが開始される。また、タイミングt77にて開始される第2特図側の遊技回が終了するタイミングt78にて、1ラウンドの開閉実行モードが開始される。なお、図では第2特図側の開始タイミングを、開閉実行モードの終了タイミングと同じタイミングとして示しているが、実際には、当該終了タイミングから第5作動口730への入賞まで第2特図側の遊技回は開始されない。但し、上記のように入賞容易状態であれば、比較的早期に第5作動口730への入賞が発生し、開閉実行モードの終了後に第2特図側の遊技回は早期に開始されることとなる。
上記のとおり、本実施の形態においても、第2特図側の遊技回を実行中に第1特図側の遊技回を実行可能であり、第1特図側の遊技回の実行中に第2特図側の遊技回を実行可能としている。そして、一方の遊技回を実行中に、他方の遊技回が開閉実行モードへ移行を伴う遊技結果として終了した場合、当該実行中の一方の遊技回は強制的に終了する。そのため、上記タイミングt76やタイミングt78にて、特別当たり結果として第2特図側の遊技回が終了すると、実行中の第1特図側の遊技回は外れ結果であることを条件として強制的に終了される。そして、第1特図側の保留情報が存在することを条件として、上記特別当たり結果に基づく開閉実行モードの終了後に第1特図側の遊技回が開始される。
そして、上記のように入賞容易状態となることに基づいて第2特図側の遊技回を実行可能となると、1ラウンドの開閉実行モードが頻繁に発生することとなり、持ち球は徐々に増加することとなる。つまり、入賞容易状態となることに基づいて、第5作動口730への入賞が許容されるだけでなく、当該第5作動口730への入賞に基づく1ラウンドの開閉実行モードによって賞球を得ることが可能となって遊技者にとって有利な状態へと移行することとなる。
しかも、このような有利な状態における遊技を、入賞容易状態を継続させつつ実施することができる。そのため、当該遊技においては、頻繁に発生する第5作動口730への入賞による賞球(10個)によって持ち球の減りを抑えつつ、特別当たり結果に基づく開閉実行モードの賞球(15個×約3個=約45個)を得ることが可能となる。
タイミングt79にて開始された第2特図側の遊技回が、大当たり結果である場合、タイミングt80では、下大入賞口700aにて16ラウンドの開閉実行モードが実行される。当該開閉実行モードにおいても、遊技者は多量の賞球(10個×16回×15個=2400個)の払出を受けることが可能となり、タイミングt81で当該開閉実行モードが終了する際には、持ち球が大幅に増加していることとなる。
このように、本実施の形態では、入賞容易状態となることに基づいて、第2特図側の遊技を実行可能となって、特別当たり結果の開閉実行モードに期待できる状態(所謂小当たりラッシュ)となる。しかも、かかる状態においても大当たり結果となることが期待でき、大当たり結果となると、16ラウンドの開閉実行モードにて出球を得ることが可能となる。そして、当該大当たり結果が第2特図側の抽選に基づくものであれば、その後も入賞容易状態は継続し、特別当たり結果に期待できる状態にて遊技を行うことが可能となっている。
しかも、大当たり結果が確変大当たり結果であれば、早期に次の大当たり結果となることが期待できるため、大当たり結果と特別当たり結果との各開閉実行モードの連鎖によって多量の出球を得ることが可能となる。
その一方で、上記のように、左ルートを流下させて第2特図側の遊技を行おうとすれば、第4作動口720への入賞も必然的に発生し得るものとなり、第1特図側の遊技も同時並行で実行されることとなる。そして、例えば、タイミングt82にて開始された第1特図側の遊技回にて大当たり結果となった場合、タイミングt83にて上大入賞口710aによる開閉実行モードが実施されることとなる。その結果、上大入賞口710aへの入賞が許容されて多量の賞球の払出が期待できるものの、当該上大入賞口710aが開放状態となることによって普図側の保留情報の補充がなされなくなり、タイミングt84にて入賞容易状態は入賞非容易状態へ移行することとなる。
そうすると、タイミングt85にて上記上大入賞口710aによる開閉実行モードが終了すると、第5作動口730への入賞は発生しなくなることから、第1特図側の遊技回のみが実行されるようになる。
この場合、低確率モードよりも高確率モードのほうが早期に大当たり結果に結びつきやすいことから、入賞容易状態中においても第1特図側の抽選が行われる構成では、高確率モードとなると、低確率モード時よりも早期に第1特図側の抽選にて大当たり結果となるといえる(図68参照)。そうすると、大当たり結果に基づく出球を得たい、という観点からすると、高確率モードとなることを遊技者は望むものと考えられるものの、入賞容易状態を長く継続させたい、という観点からすると、高確率モードとならないことや低確率モードとなることを遊技者は望むものと考えられる。つまり、入賞容易状態前(入賞非容易状態、入賞補助なし)では高確率モードとなることや、入賞容易状態となることに期待させ、入賞容易状態となってからは高確率モードとはならないことや低確率モードとなることを期待させる、といった大当たり確率の高低とそのメリットが相反することとなる斬新な遊技性を実現することが可能となる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
入賞容易状態となることに基づいて、第2特図側の遊技回を実行させることが可能となって、特別当たり結果に基づく開閉実行モードが頻繁に実施される有利状態(所謂小当たりラッシュ)となる。この場合、第1特図側の抽選結果や第2特図側の抽選結果によらずに、普図側の情報を利用して当該有利状態とすることから、特図側の抽選結果待ちで有利状態となる従来の遊技機とは大きく異なる斬新な遊技性とすることができる。
上記各実施の形態と同様に、入賞容易状態は、普図遊技回制御処理における当否判定処理にて開放結果となる確率は変化しない。また、開放結果となった場合における電動役物66の開閉パターンも変更がなされない。そして、普図側の変動表示時間として長い変動表示時間が設定されることに基づいて、保留数を増加させることが可能となって入賞容易状態となる構成としている。仮に、これら当否判定の確率や開閉パターンの変更を伴う構成とすると、特図側の当否抽選の結果を踏まえて(開閉実行モードを経由して)変更する構成とすることが、遊技の透明性の観点から好ましいと考えられる。その前提に立つと、これら当否判定の確率や開閉パターンの変更によって上記有利状態とする構成としてしまうと、結局は特図側の当否抽選の結果に基づいて有利状態とする構成となり、従来からの遊技性とさほど差異が生じないものとなり得る。その点、上記のように普図保留記憶数FNによって、有利状態とすることで、従来とは大きく異なる斬新な遊技性を実現することが可能となる。
しかも、当該有利状態の継続契機を、特図側の当否抽選の結果によらず、普図側の保留情報の数が4である状況で普図遊技回が実施されることとし、終了契機を普図側の保留情報の数が3以下である状況で普図遊技回が実施されることとしているため、有利状態を特図側の遊技状況とは完全に独立して普図側の遊技状況によって管理することが可能となる。
その一方で、特図側の当否抽選の結果として、第1特図側の当否抽選にて大当たり結果となり、上可変入賞装置710にて開閉実行モードが実施されると、普図側の保留を補充することができなくなり、上記有利状態が終了し得る構成とした。このようにしたことで、有利状態を、普図側の遊技状況によって管理しつつ特図側の遊技状況とも関連付けることが可能となり、両遊技が同時並行で実施される遊技性の興趣向上が図られる。
上可変入賞装置710をスルーゲート35の上流側に配置し、上可変入賞装置710を開放状態とすることで、スルーゲート35への入賞を制限する構成とした。このようにしたことで、上可変入賞装置710の開閉制御によって、普図保留記憶数FNの増減を調節することが可能となる。すなわち、上記のように、特図側の遊技結果によって、開閉実行モードに移行させ、当該開閉実行モードによって入賞容易状態に基づく有利状態が終了する構成となる。このようにすれば、普図側の遊技状況によって管理される有利状態に、間接的に特図側の遊技状況を関連付けることが可能となる。
開閉実行モードにおける各ラウンド遊技のインターバル期間を、遊技球の発射周期よりも短くした。これにより、上可変入賞装置710にて実施される開閉実行モードのインターバル期間において、普図側の保留情報の補充がなされる事象が抑制される。具体的には、上限入賞個数の入賞によってラウンド遊技が終了した場合、当該上限入賞個数目の入賞となった遊技球の次に発射された遊技球は、インターバル期間が経過した後に上可変入賞装置710へ到達するし、上限開放時間の経過によってラウンド遊技が終了した場合、インタバール期間中に遊技球が到達し得るものの、当該到達し得る遊技球は1球に限定される。これにより、インターバル期間中に生じ得る普図保留記憶数FNの増加は、多くて1となり、入賞容易状態に基づく有利状態をより確実に終了させることができる。
<第4の実施の形態における第1変形例>
本第1変形例では、特図用の当否抽選の振分テーブルが異なっている。図69(a)は本第1変形例における振分テーブルを示している。本第1変形例では、当否抽選モードの高低は設定されておらず、大当たり結果としては、大当たり結果Aと大当たり結果Bとが設定されている。なお、本第1変形例でも、電動役物66が高確率で開放状態となる所謂高頻度サポートモードや電チューモードは設定されていない。
大当たり結果Aは、16ラウンドの開閉実行モードへ移行する大当たり結果である。また、大当たり結果Bも、16ラウンドの開閉実行モードへ移行する大当たり結果である。大当たり結果Aと大当たり結果Bとは、実行される開閉実行モードにおいて開放状態とされる大入賞口が異なっている。より詳しくは、大当たり結果Aに基づく開閉実行モードでは、所定回数目のラウンドでは上大入賞口710aが開放されるラウンド遊技が行われ、それ以外のラウンドでは下大入賞口700aが開放されるラウンド遊技が行われる。一方、大当たり結果Bに基づく開閉実行モードでは、いずれのラウンドも下大入賞口700aが開放されるラウンド遊技が行われる。
上記のように、上大入賞口710aが開放状態とされることによって、普図側の保留情報の補充がなされなくなることから、入賞容易状態で移行した開閉実行モードが大当たり結果Aに基づくものであった場合は、当該入賞容易状態が終了する可能性がある。一方、入賞容易状態で移行した開閉実行モードであっても、大当たり結果Bに基づくものであった場合には、当該入賞容易状態は継続し得る。その点、大当たり結果Aよりも大当たり結果Bの方が遊技者にとって有利なものといえる。
本第1変形例の振分テーブルでは、第1特図側の当否抽選にて大当たり結果となった場合と第2特図側の当否抽選にて大当たり結果となった場合とで、大当たり結果Aと大当たり結果Bとの振り分け率が異なっており、より詳しくは、第1特図側の当否抽選にて大当たり結果となった場合のほうが第2特図側の当否抽選にて大当たり結果となった場合よりも大当たり結果Aに振り分けられる確率が高くなるように設定されている。更に詳しくは、第1特図側の当否抽選にて大当たり結果となった場合には100%の確率で大当たり結果Aに振り分けられ、第2特図側の当否抽選にて大当たり結果となった場合には、50%の確率で大当たり結果Aに振り分けられ、50%の確率で大当たり結果Bに振り分けられる。
図69(b)は、本第1変形例における大入賞口開閉処理の一部を示している。
すなわち、本第1変形例における大入賞口開閉処理では、下大入賞口開放処理(ステップS3108)及び上大入賞口開放処理(ステップS3107)に至るまでの大入賞口選択処理(ステップS3106)の構成が異なっている。具体的には、ステップS3105にて入賞個数カウンタPCの設定を行った後、ステップS3301にて今回の開閉実行モードが第1特図側の当否抽選の結果に基づくものであるか否かを判定する。第1特図側の当否抽選の結果に基づく開閉実行モードとは、大当たり結果Aであるため、ステップS3302にて、上大入賞口開放処理を行う。
一方、今回の開閉実行モードが第1特図側の当否抽選の結果に基づくものではなく第2特図側のものである場合には、ステップS3303にて、今回の開閉実行モードが大当たり結果Aに基づくものであるか否かを判定する。大当たり結果Aに基づくものである場合には、ステップS3304にて、ラウンド数カウンタRCが「1」であり、今回開始するラウンドが所定回数目のラウンドである分岐ラウンドとして、最終ラウンドであるか否かを判定する。最終ラウンドである場合には、ステップS3302にて、上大入賞口開放処理を実行する。一方、大当たり結果Aに基づく開閉実行モードであっても最終ラウンドではない場合(ステップS3304:NO)、又は大当たり結果Bに基づく開閉実行モードや特別当たり結果に基づく開閉実行モードである場合(ステップS3303:NO)は、ステップS3305にて下大入賞口開放処理を実行する。
ステップS3302又はステップS3305の処理を実行した後は、ステップS3109にて開放コマンドを出力対象として設定する処理を行ってから大入賞口開閉処理を終了する。
次に、本第1変形例における、開閉実行モード中の演出の一例を説明する。図70(a)は、開閉実行モードのラウンド演出設定処理を示すフローチャートである。ラウンド演出設定処理は、報知・演出制御装置143において定期的に起動される処理の一部であり、開閉実行モード中に実施される処理である。
ステップS3401では、ラウンド開始タイミングであるか否かを判定する。ラウンド開始タイミングではない場合には、そのまま本演出設定処理を終了する。ラウンド開始タイミングである場合には、ステップS3402にて、今回の開閉実行モードが大当たり結果に基づくものであるか否かを判定する。大当たり結果に基づく開閉実行モードではない場合とは、今回の開閉実行モードが特別当たり結果に基づく開閉実行モードであることを意味する。この場合、ステップS3403にて、特別当たり用ラウンド演出を今回のラウンド演出として設定する処理を行ってから、本ラウンド演出設定処理を終了する。
ラウンド演出の各演出データは、ROM653のラウンド演出データ記憶エリアに予め記憶されており、ステップS3403では、当該ラウンド演出データ記憶エリアから特別当たり用ラウンド演出の演出データを読み出して、当該演出データに沿って、表示制御装置660による表示演出やスピーカ部29による効果音演出、環状電飾部26による発光演出等が行われるように制御する。
特別当たり用ラウンド演出の表示演出としては、例えば図70(b)に示すように、魔法のステッキを手にした女の子をアニメーション等によって表示する。特別当たり結果に基づく開閉実行モードは、第2特図側の当否抽選が行われる状況、すなわち、入賞容易状態となっている状況で生じるものであり、遊技者にとって有利な第1の有利状態中を示すものである。そして、当該第2特図側の当否抽選が行われる状況では、下大入賞口700aによる開閉実行モードが行われるか、上大入賞口710aによる開閉実行モードが行われるか、によって、その後の遊技性が大きく変化するものとなっている。そこで、女の子が魔法を使えることを示すことによって遊技性の変化を示唆し、遊技者のドキドキ感を高めることが可能となる。
ステップS3402にて大当たり結果に基づく開閉実行モードであると判定した場合、ステップS3404に進む。ステップS3404では、入賞容易状態であるか否かを判定するとともに、今回開始するラウンドが分岐ラウンドであるか否かを判定する。入賞容易状態ではない場合、又は分岐ラウンドではない場合には、ステップS3405にて、通常ラウンド演出を今回のラウンド演出として設定する処理を行ってから、本ラウンド演出設定処理を終了する。ステップS3405では、ラウンド演出データ記憶エリアから通常ラウンド演出の演出データを読み出して、当該演出データに沿って、表示制御装置660による表示演出やスピーカ部29による効果音演出、環状電飾部26による発光演出等が行われるように制御する。
通常ラウンド演出の表示演出としては、例えば図70(c)に示すように、魔法のステッキを手にした女の子が当該ステッキをかざして魔法を使っている様子をアニメーション等によって表示する。魔法のステッキをかざすことで、当該ステッキは光り輝いているものの、女の子は魔法を唱えていない。つまり、通常ラウンド演出は、魔法使用前の演出となっている。ステップS3405の処理が行われる場合とは、今回のラウンド遊技開始時おいて入賞容易状態ではないか、入賞容易状態であっても少なくとも今回のラウンド遊技では当該入賞容易状態が終了することはない場合である。そこで、上記のように今にも魔法が唱えられるかのような演出とすることで、その後の遊技性の変化のドキドキ感をさらに高めることが可能となる。
ステップS3404にて、入賞容易状態ではあって且つ分岐ラウンドではあると判定した場合、ステップS3406に進み、今回の開閉実行モードが大当たり結果Bに基づくものであるか否かを判定する。大当たり結果Bに基づく開閉実行モードである場合、今回の分岐ラウンド(最終ラウンド)は上大入賞口710aではなく下大入賞口700aにて実行される。そのため、入賞容易状態が継続し得ることとなる。そこで、ステップS3407にて、第1特別ラウンド演出(祝福演出)を今回のラウンド演出として設定する処理を行ってから、本ラウンド演出設定処理を終了する。ステップS3407では、ラウンド演出データ記憶エリアから第1特別ラウンド演出の演出データを読み出して、当該演出データに沿って、表示制御装置660による表示演出やスピーカ部29による効果音演出、環状電飾部26による発光演出等が行われるように制御する。
第1特別ラウンド演出の表示演出としては、例えば図70(d)に示すように、魔法のステッキを手にした女の子が魔法によって大人の女性に変身する様子をアニメーション等によって表示する。当該演出によって、遊技者は、魔法が成功したことを理解でき、入賞容易状態が継続することを把握することが可能となる。
ステップS3406にて、大当たり結果Aに基づく開閉実行モードである場合、今回の分岐ラウンド(最終ラウンド)は下大入賞口700aではなく上大入賞口710aにて実行される。そのため、入賞容易状態が終了し得ることとなる。そこで、ステップS3408にて、第2特別ラウンド演出(失敗演出)を今回のラウンド演出として設定する処理を行ってから、本ラウンド演出設定処理を終了する。ステップS3408では、ラウンド演出データ記憶エリアから第2特別ラウンド演出の演出データを読み出して、当該演出データに沿って、表示制御装置660による表示演出やスピーカ部29による効果音演出、環状電飾部26による発光演出等が行われるように制御する。
第2特別ラウンド演出の表示演出としては、例えば図70(e)に示すように、残念がる女の子の様子をアニメーション等によって表示する。当該演出によって、遊技者は、魔法が失敗に終わったことを理解でき、入賞容易状態が終了することを把握することが可能となる。
以上のようにすることで、入賞容易状態に基づいて第2特図側の当否抽選を行わせることが可能な有利状態となっている状況にて、第2特図側の当否抽選の結果に基づいて、当該有利状態(入賞容易状態)を終了させることができる。これにより、特図側の当否抽選の結果の種類に大きく関心を寄せさせることが可能となる。
また、開閉実行モードにおける分岐ラウンドまでは、普図側の保留情報の補充がなされ得る下大入賞口700aによるラウンド遊技が行われ、当該分岐ラウンドにて、上大入賞口710aによるラウンド遊技が行われ得る構成とした。このようにしたことで、分岐ラウンドまでは入賞容易状態が終了せずに、当該開閉実行モードを介しても入賞容易状態が終了しないことを期待させることができる。そして、上記分岐ラウンドにて、入賞容易状態が終了するか否かを分岐させることで、関心が寄せられるポイントを集約し、開閉実行モードを存分に楽しませることが可能となる。
特に、分岐ラウンドを最終ラウンドとしたことによって、開閉実行モードの開始直後に入賞容易状態を終了させてしまう構成よりも、開閉実行モード中の期待感を後側に継続させることが可能となる。
また、分岐ラウンドにて、上大入賞口710aが開放されるか、下大入賞口700aが開放されるかを、表示画面75aにて報知する構成としたことによって、開閉実行モード中の遊技演出を好適に盛り上げることが可能となる。
<第4の実施の形態の第2変形例>
本第2変形例では、開閉実行モードに移行することに基づいて、普図遊技回において参照される変動表示時間テーブルが変更される。図71(a)は、第2変形例における開閉実行モード用の普図変動表示時間テーブルを示している。
開閉実行モード中においては、普図保留記憶数FNが上限数である4個である状況で、比較的長い変動表示時間である6.0secと比較的短い0.6secとのいずれかが選択され得るようになっている。具体的には、保留数が1〜3個である場合には、一律で最も短い変動表示時間である0.05secが設定される。また、保留数が4個である場合には、上記短い変動表示時間である0.6sec(以下、保4時短変動ともいう)か、上記長い変動表示時間である6.0sec(以下、保4時長変動ともいう)かが設定される。変動表示時間は、普図変動種別カウンタC5の値によって設定される構成としているが、他のカウンタや他の抽選処理を経て変動表示時間の長さが決定される構成としてもよい。
本第2変形例では、大当たり結果に基づく開閉実行モードの各ラウンド遊技における上限開放時間の設定や、インターバル時間の設定が異なっている。図71(b)は、本変形例における開放時間の設定処理(図64、ステップS3104)を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS3501にて、今回の開閉実行モードが大当たり結果に基づくものであるか否かを判定する。大当たり結果に基づく開閉実行モードである場合、ステップS3502にて、今回のラウンド遊技の上限開放時間として、上限入賞個数と遊技球の発射周期との積よりは長く、上記第4の実施の形態のもの(30sec)よりも短い期間である8secを設定する(開閉タイマカウンタTに「4000」を入力する)。
また、ステップS3501にて特別当たり結果に基づく開閉実行モードであると判定した場合には、ステップS3503にて上記第4の実施の形態と同様に、今回のラウンド遊技の上限開放時間として、1.8secを設定する(開閉タイマカウンタTに「900」を入力する)。ステップS3502又はステップS3503の処理を実行した後は、開放時間の設定処理を終了する。
図71(c)は、本変形例における待機時間の設定処理(図64、ステップS3117)を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS3601にて、開閉タイマカウンタTが「250」よりも多いか否かを判定する。開閉タイマカウンタTが「250(0.5sec)」よりも多い場合とは、少なくとも今回終了するラウンド遊技が、上限開放時間の経過(ステップS3110:YES)によって終了するのではなく、上限入賞個数の入賞(ステップS3113:YES)によって終了することを意味する。この場合、今回のインターバル期間を、開閉タイマカウンタTの残りの数値に対応する時間として設定して(開閉タイマカウンタTに新たな数値を入力することなく)、本待機時間の設定処理を終了する。一方、ステップS3601にて開閉タイマカウンタTが「250」以下であると判定した場合、すなわち、今回終了するラウンド遊技が、上限開放時間の経過に基づいて終了する、又は上限入賞個数の入賞に基づいて終了するもののそのタイミングが上限開放時間の経過間際であった場合、ステップS3602にて、今回のインターバル時間を0.5secとして設定し(開閉タイマカウンタTに「250」を入力し)、本待機時間の設定処理を終了する。
本変形例の開閉実行モードの進行と、入賞容易状態との関係について、図72のタイミングチャートを参照しながら説明する。
既に説明したとおり、開閉実行モード中の普図遊技回では、保留情報の数が上限である4個であれば、保4時短変動(0.6sec)又は保4時長変動(6.0sec)が設定される。例えば、タイミングt90にて開始される普図遊技回にて保4時短変動が設定された場合と、タイミングt91にて開始される普図遊技回にて保4時長変動が設定された場合とを比較すると、保留情報の消化スピードが異なるようになっている。具体的には、保4時短変動であれば、タイミングt90から0.6sec(変動表示時間)+0.4sec(停止表示時間)+0.1sec(サポート時間)である1.1sec後であるタイミングt91に次の保留情報の消化タイミングとなるのに対して、保4時長変動であれば、タイミングt91から6.0sec(変動表示時間)+0.4sec(停止表示時間)+0.1sec(サポート時間)である6.5sec後であるタイミングt94に次の保留情報の消化タイミングとなる。
また、本変形例では、ラウンド遊技の継続期間が、開放時間とインターバル期間との合計期間として固定期間(8sec)となっている。そのため、例えば、タイミングt92にて開始されたラウンド遊技において、遊技球が絶え間なく入球し、上限入賞個数と発射周期との積である6.0sec後(最短継続期間)であるタイミングt93に終了すると、インタバール期間は、固定期間と開放期間との差である2.0secとして設定されることとなる。
例えば、タイミングt91にて開始された普図遊技回が、保4時長変動が設定されており、且つ、タイミングt92にて開始されたラウンド遊技が最短継続期間で上大入賞口710aが閉鎖状態に切り換えられた場合、当該上大入賞口710aが閉鎖状態に切り換えられるタイミングt93では、未だ普図遊技は継続されており、保留情報の消化タイミングには至っていない。そのため、入賞容易状態は維持されていることとなる。
しかも、この場合のインターバル期間は上記のように2.0secとなり、遊技球の発射周期よりも長くなる。そうすると、当該インターバル期間中であるタイミングt95等においては、スルーゲート35への入賞が発生し得ることとなり、普図側の保留情報の補充を当該インターバル期間中に行うことが可能となる。
上記インターバル期間が経過して、タイミングt97にて次のラウンド遊技が開始されると、上大入賞口710aが開放状態となって、上大入賞口710aへの入賞が許容される一方、スルーゲート35への入賞は発生しないようになる。
タイミングt97よりも若干前のタイミングであるタイミングt96にて開始された普図遊技回が、保4時長変動が設定されている場合、上記のように、ラウンド遊技を最短期間で終了させれば、当該普図遊技の終了前にラウンド遊技を終了させることが可能である。しかし、例えば、遊技球の発射を停止したり、左ルートではなく右ルートを流下するように遊技球を発射させた場合は、その分、ラウンド遊技は上記最短継続期間よりも長い期間に亘って継続する。そうすると、例えば、タイミングt99にて当該ラウンド遊技が終了するものの、それよりも前のタイミングであるタイミングt98にて、上記タイミングt96にて開始された普図遊技が終了して次の保留情報の消化タイミングとなり得る。
しかも、上記のようにラウンド遊技を最短期間で終了させないと、インターバル期間は、発射周期(0.6sec)よりも短い期間(0.5sec)となり得る。この場合、ラウンド遊技が終了しても、次のラウンド遊技が開始されるタイミングt100までのインターバル期間中に保留情報の補充を行うことができず、保留情報の消化のみが進行してしまって、タイミングt101には入賞容易状態が終了することとなる。
以上のように、本変形例によれば、上大入賞口710aによるラウンド遊技が行われる場合であっても、入賞容易状態を継続させ得る構成となり、当該ラウンド遊技の遊技性が向上する。しかも、上大入賞口710aによるラウンド遊技が行われる場合において、入賞容易状態が継続することは確定しないし、終了することも確定せず、上大入賞口710aへの入賞タイミング、及び、普図側の遊技回における変動表示時間の長短によって、入賞容易状態の継続の有無が異なる構成としている。このようにしたことで、入賞容易状態の継続の有無に関して、遊技者の遊技内容が反映される構成となり、遊技者自らが入賞容易状態の継続を勝ち取ったという実感を持たせることができる。よって、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
<第4の実施の形態における第3変形例>
本変形例では、上記第2変形例に示した、普図遊技の継続期間とラウンド遊技の継続期間との関係性を利用した遊技性を、演出に反映させる。図73(a)は、本変形例における開閉実行モード用の普図変動表示時間テーブルを示している。
本変形例では、普図用の保留情報の数が、1である場合を除き、2〜4において相対的に長短となる変動表示時間が設定されている。具体的には、普図用の保留情報の数が1である場合には、一律で0.05secの変動表示時間が設定され、当該変動表示時間が設定された場合の普図遊技は、停止表示時間(確定時間)及びサポート時間(開放時間)を含めて0.55secである。一方、普図用の保留情報の数が2〜4である場合には、比較的短い0.5secの変動表示時間が設定される場合と、比較的長い3.0secの変動表示時間が設定される場合とがある。いずれの変動表示時間が設定されるかは、普図変動種別カウンタC5の値に基づいて決定される構成としているが、他のカウンタや他の抽選処理によって変動表示時間を決定する構成としてもよい。0.5secの変動表示時間が設定された場合の普図遊技は、停止表示時間及びサポート時間を含めて1.0secである一方、3.0secの変動表示時間が設定された場合の普図遊技は、停止表示時間及びサポート時間を含めて3.5secとなる。
図73(b)は、上大入賞口710aが開放されることによって普図側の保留情報の補充が行われなくなった状況において、保留情報の数が4である状況から、保留情報の数が0となって入賞容易状態が終了するまでの時間の長さと、その割合を示している。
入賞容易状態が終了するまでの時間の長さである入賞補助継続時間としては、保留情報の数が4である状況からは上記変動表示時間の組合せで算出可能である。すなわち、3.55sec、6.05sec、8.55sec、11.05secの4種類の長さが存在し、これらは、それぞれ、8.4%、40.0%、42.0%、9.6%の割合で選択される。本変形例においても、第2変形例のように、ラウンド遊技の開放時間とインターバル時間との合計の長さを固定期間としており、ラウンド遊技を最短で終了させると、上限入賞個数と発射周期との積である6.0secでインターバル期間へ移行して、保留情報の補充を行うことが可能となる。
すなわち、上記入賞補助継続時間として、6.0sec以上の長さが選択されていれば、最短期間でラウンド遊技を終了させればインターバル期間中に保留情報の補充を行うことができる。その一方で、入賞補助継続時間が6.0sec未満である場合には、最短期間にてラウンド遊技を終了させてもラウンド遊技の終了前に入賞補助継続時間が経過してしまうため、入賞容易状態が終了することとなる。また、入賞補助継続時間が6.0sec以上であっても、最短期間にてラウンド遊技を終了させないと、入賞補助継続時間が先に経過してしまう可能性もあるし、ラウンド遊技が延びた分だけインターバル期間が短くなって、ラウンド遊技の終了時に入賞補助継続時間が経過していなくても普図用の保留情報の補充を行えず、次のラウンド遊技にて入賞容易状態が終了してしまう可能性がある。
本変形例では、上記のような普図遊技の進行スピードと、上大入賞口710aへの入賞タイミングとの関係を利用して、ラウンド遊技中にバトル演出が発生する。
バトル演出とは、例えば、主人公であるメインキャラクタと敵キャラクタとが闘う所定演出を経て、メインキャラクタが勝利して遊技者にとって有利となることを示唆する勝利演出、及び敵キャラクタが勝利してメインキャラクタが敗北し遊技者にとって不利となることを示唆する敗北演出を含む複数の結果演出の中から一の結果演出が行われる演出である。
より具体的には、バトル演出では、メインキャラクタと敵キャラクタとの戦いを経て、ラウンド遊技の開始時に移行していた入賞容易状態がラウンド遊技の終了時まで維持されていれば、メインキャラクタが勝利する勝利演出が実行され、入賞容易状態がラウンド遊技の終了時までに終了してしまっていれば、メインキャラクタが敗北する敗北演出が行われる。そのため、遊技者は、メインキャラクタと敵キャラクタとの戦いを通じて、ラウンド遊技の開始時に移行していた入賞容易状態がラウンド遊技の終了時まで継続するか否かを楽しむことが可能となっている。
図74は、本変形例におけるラウンド演出設定処理を示している。既に説明したとおり、ラウンド演出設定処理は、所定周期で起動される周期処理の一処理であり、開閉実行モード中に実行される処理である。上記のバトル演出はラウンド演出設定処理にて設定される。以下、ラウンド演出設定処理の処理構成の説明を行いつつ、上記バトル演出の詳細の内容を説明する。
ラウンド演出設定処理では、先ず、ステップS3701にて、ラウンド遊技の開始タイミングか否かを判定する。ラウンド遊技の開始タイミングである場合には、ステップS3702にて、今回開始するラウンド遊技が上大入賞口710aを開放するラウンド遊技であるか否かを判定する。具体的には、例えば、上記第1変形例であれば、大当たり結果Aに基づく開閉実行モードである場合、及び大当たり結果Bに基づく開閉実行モードにおける最終ラウンドである場合に、ステップS3702にて肯定判定することとなる。ステップS3702にて否定判定して、下大入賞口700aを開放するラウンド遊技である場合には、ステップS3703にて通常ラウンド演出を設定してから本ラウンド演出設定処理を終了する。
ステップS3702にて上大入賞口710aを開放するラウンド遊技であると判定した場合、ステップS3704にて、普図遊技状況の把握処理を実行する。普図遊技状況の把握処理では、現状の普図用の保留情報の数、当該保留情報が普図遊技回の対象となった場合の変動表示時間の情報、及び現状の普図遊技回の残りの変動表示時間の情報を把握し、現状が入賞容易状態であるか否かの情報及び入賞容易状態である場合には入賞補助継続時間を特定する処理を行う。
ステップS3705では、ステップS3704の処理結果に基づいて、現状が入賞容易状態であるか否かを判定する。入賞容易状態ではない場合には、ステップS3703に進み、通常ラウンド演出を設定してから本ラウンド演出設定処理を終了する。
ステップS3705にて入賞容易状態であると判定した場合、ステップS3706にてHP表示設定処理を実行する。
図75(a)に示すように、ラウンド遊技が開始されてバトル演出が開始される場合には、先ず、メインキャラクタとして、武器を手にした軍人のメインキャラクタが表示されるバトル開始演出を実行する。当該開始演出では、当該メインキャラクタの他、これから開始されるラウンド数を示すラウンド表示、及び、メインキャラクタの体力を示すHP表示がメインキャラクタに並べて表示される。HP表示は、例えばハートマークで形成される複数個のメモリによって構成されている。ハートマークは、例えば、色がついた状態(図75(a)参照、以下、色つきハートマークとも称する)と、色がついていない状態(図77(b)参照、以下、色なしハートマークとも称する)とに変化可能となっており、色がついたハートマークの分だけメインキャラクタの体力が残存していること、すなわち、敵キャラクタに敗北しにくいことが示される。
HP表示は、入賞補助継続時間の長さに応じて設定される。すなわち、入賞補助継続時間が長いほど、メインキャラクタの体力が残存していることを示すように設定される。ステップS3706では、ROM653に記憶されているプレイヤーHP設定テーブルと、ステップS3704にて特定した入賞補助継続時間とに基づいて、バトル演出の開始時のHP表示を設定する。
プレイヤーHP設定テーブルでは、図73(c)に示すように、入賞補助継続時間が3.5sec未満であれば、80%が2個の色つきハートマークが表示されるようにHP表示を設定し、20%で3個の色つきハートマークが表示されるようにHP表示を設定する。また、入賞補助継続時間が3.5sec以上6.0sec未満であれば、80%が3個の色つきハートマークが表示されるようにHP表示を設定し、20%で4個の色つきハートマークが表示されるようにHP表示を設定する。入賞補助継続時間が6.0sec以上8.5sec未満であれば、50%が3個の色つきハートマークが表示されるようにHP表示を設定し、50%で4個の色つきハートマークが表示されるようにHP表示を設定する。入賞補助継続時間が8.5sec以上11.0sec未満であれば、20%が3個の色つきハートマークが表示されるようにHP表示を設定し、80%で4個の色つきハートマークが表示されるようにHP表示を設定する。そして、入賞補助継続時間が11.0sec以上であれば、100%の確率で4個の色つきハートマークが表示されるようにHP表示を設定する。
ステップS3706にてHP表示設定処理を実行した後は、ステップS3707にて今回のラウンド演出として、バトル演出を設定してから、本演出設定処理を終了する。ステップS3707では、バトル演出として、先ずバトル開始演出が行われるように設定する。その開始演出では、上記ステップS3706にて設定された今回の入賞補助継続時間に基づくHP表示を行うとともに、メインキャラクタの表示、及びラウンド数の表示を行う(図75(a))。
当該バトル開始演出後は、ラウンド遊技の進行に伴って、メインキャラクタと敵キャラクタとがバトルする戦闘中演出が行われる。
戦闘中演出では、図75(b)のように、メインキャラクタの視線での表示に切り換わり、敵キャラクタとしての複数のゾンビがメインキャラクタに襲いかかってくる様子が表示される。当該戦闘中演出においては、敵キャラクタの他、敵キャラクタの数を示す敵数表示が敵キャラクタに並べて表示される。また、上記のHP表示も、敵キャラクタに並べて表示される。敵数表示は、例えば、倒した敵キャラクタの数と開始時の敵キャラクタの数とによって構成されている。例えば、開始時には敵キャラクタは100体であって、倒した敵キャラクタは0体であり、敵数表示としては「0/100」と表示される。
敵キャラクタは、上大入賞口710aへの入賞数に対応しており、基本的には1球入球させる度に敵キャラクタを10体倒したことになり、10球入球させることで残りの敵キャラクタ数が0体となる。
バトル演出設定処理の説明に戻り、ステップS3701にてラウンド開始タイミングではないと判定した場合、ステップS3708にてバトル演出中であるか否かを判定する。すなわち、ステップS3708の処理は、バトル演出が設定されたラウンド遊技中であるか否かを判定する。ステップS3708にて否定判定した場合には、そのまま本ラウンド演出設定処理を終了する。
ステップS3708にて肯定判定した場合、ステップS3709にて結果演出設定済みであるか否かを判定する。結果演出とは、勝利演出と敗北演出とを示し、ステップS3709では、バトル演出において既に勝利演出又は敗北演出が設定されたか否かを判定する。結果演出を設定済みである場合には、そのまま本ラウンド演出設定処理を終了する。
ステップS3709にて否定判定した場合、ステップS3710に進む。ステップS3710では、上大入賞口710aへの入賞が発生したか否かを判定する。なお、この判定は、主制御装置162からの入賞情報(コマンド)を参照して行うとよい。入賞が発生している場合にはステップS3711にて、敵キャラダメージ付与処理を実行する。敵キャラダメージ付与処理では、上大入賞口710aへの入賞に対応させて、敵数表示の表示内容を更新するとともに、敵キャラクタを対応する数だけ倒した様子を示すダメージ付与演出が表示画面75aにて行われるように設定する。ダメージ付与演出では、図76(a)に示すように、複数の敵キャラクタのうちの一部のキャラクタが後方に吹っ飛ばされた様子が表示されるとともに、それを祝福するように「NICE!!」という文字表示が行われる。敵数表示は、1球入賞する度に倒した敵キャラクタ数が10体分加算されるように表示内容が更新される。
ステップS3712では、今回の上大入賞口710aへの入賞が、ラウンド遊技の上限入賞個数目の入賞であったか否かを判定する。上限入賞個数目の入賞であった場合には、ステップS3713にて、バトル勝利演出が表示画面75aにて行われるように設定する。バトル勝利演出では、図77(a)に示すように、メインキャラクタである軍人が雄叫びを挙げている様子が表示されるとともに、メインキャラクタが勝利したことを示す「WIN」という文字表示が行われる。なお、バトル勝利演出が実行される場合には、敵数表示は倒した敵キャラクタの数が開始時の敵キャラクタ数に達したことを示すように「100/100」となっている。また、HP表示では、メインキャラクタの体力が残存していることを示すように、色つきハートマークが1個以上残存した状態で表示されている。ステップS3713の処理を実行した後は、本演出設定処理を終了する。
ステップS3710にて上大入賞口710aへの入賞が発生していないと判定した場合、又は、ステップS3712にて上限入賞個数目の入賞ではないと判定した場合は、ステップS3714に進む。ステップS3714では、現在の普図遊技状況の把握処理を実行する。かかる処理は、ステップS3705に対応するものであり、現状の普図用の保留情報の数、当該保留情報が普図遊技回の対象となった場合の変動表示時間の情報、及び現状の普図遊技回の残りの変動表示時間の情報を把握し、現状の入賞補助継続時間を特定する処理を行う。
続くステップS3715では、HP減少タイミングであるか否かを判定する。HP減少タイミングか否かは、残りの入賞補助継続時間と表示されている色つきハートマークの数とによって決定される。例えば、バトル演出の開始時の入賞補助継続時間を開始時に表示させる色つきハートマークの数で等分割し、当該等分割した時間が経過する度にHP減少タイミングであると判定する。
HP減少タイミングである場合、ステップS3716にてHP減少演出を設定する。HP減少演出では、図76(b)に示すように、HP表示における一の色つきハートマークを色なしハートマークに変更されるようにするとともに、敵キャラが襲ってくる様子が表示されるようにする。
ステップS3716の処理を実行した後は、ステップS3717にて色つきハートマークが0個となったか否かを判定する。色つきハートマークが0個となった場合とは、入賞補助継続時間が0となり、入賞容易状態が終了したことを意味する。この場合、ステップS3718にてバトル敗北演出を設定する。バトル敗北演出では、図77(b)に示すように、メインキャラクタである軍人がうつぶせで倒れている様子が表示されるとともに、メインキャラクタが敗北したことを示す「LOSE」という文字表示が行われる。なお、バトル敗北演出が実行される場合には、今回のバトル演出において敵キャラクタを全滅させるよりも前にメインキャラクタの体力がなくなってしまったことがHP表示によって明示されるとともに、今回のバトル演出において倒した敵キャラクタ数が開始時の敵キャラクタ数に達していないことが敵数表示によって明示される。
ステップS3715若しくはステップS3717にて否定判定した場合、又はステップS3718の処理を実行した後は、本ラウンド演出設定処理を終了する。
以上のように、本変形例によれば、上大入賞口710aへの入賞に基づくラウンド遊技の終了、スルーゲート35への入賞に基づく普図側の保留情報の補充及び普図側の遊技回の進行を反映したバトル演出とすることが可能となり、斬新な遊技演出を実現することが可能となる。
より具体的には、バトル演出時のラウンド遊技にて、上大入賞口710aへの入賞を発生させて早期に当該ラウンド遊技を終了させることで、入賞容易状態が継続してバトル演出は勝利演出となり易くなる。その一方で、普図側の保留情報が少なかったり、普図側の遊技回における変動表示時間が短かったりして、普図側の遊技の進行が早いと、入賞容易状態が終了してバトル演出は敗北演出となり易くなる。そして、バトル演出が勝利演出となるか敗北演出となるかは、両遊技進行のバランスによって定まるため、予め勝利と敗北が決定された所謂出来レースのような演出とは異なり、常時、バトル演出の行方を楽しませることが可能となる。
上記の変形例では、開閉実行モード中の所定ラウンド遊技にてバトル演出が行われる構成としたが、例えば、複数のラウンド遊技にてバトル演出が行われるようにしてもよいし、全ラウンド遊技にてバトル演出が行われるようにしてもよい。上記構成においては、少なくともインターバル期間中においては、スルーゲート35への入賞が発生し得るため、普図側の保留情報の補充がなされ得る。そうすると、例えば、一のバトル演出が行われたラウンド遊技が、HPを減らしつつも勝利演出として終了した場合、インターバル期間中のスルーゲート35への入賞にてHPが回復する様子を演出として行うことも可能である。このようにすることで、早期にラウンド遊技を終了させることを、当該ラウンド遊技におけるバトル演出にて勝利し易くすることと関連付けるとともに、次のラウンド遊技におけるバトル演出にて勝利し易くなることとも関連付けることが可能となり、複数のラウンド遊技が行われる開閉実行モードの遊技性を更に向上させることが可能となる。
また、バトル演出が行われないラウンド遊技では、上大入賞口710aではなく下大入賞口700aによる開閉制御が行われる構成とし、バトル演出が行われないラウンド遊技にて、普図側の保留情報の補充を行わせ、上記のHPが補充される演出を行うことも可能となる。
<第4の実施の形態における第4変形例>
本変形例では、上可変入賞装置710とスルーゲート35との位置関係が、上記第4の実施の形態と異なっている。図78は、本変形例における上記位置関係の概要を示す図である。
本変形例では、上可変入賞装置710における上開閉扉710bの下端と、スルーゲート35との間隔が遊技球の直径寸法Dよりも大きくなっている。そのため、上開閉扉710bが遊技盤60に対して起立し、上大入賞口710aが開放状態とされても、上開閉扉710bとスルーゲート35との間を遊技球が通過可能となり、スルーゲート35への入球が生じ得る。
上可変入賞装置710の下方において、スルーゲート35に向けて下り傾斜となるように左誘導釘群69gと右誘導釘群69hとが設けられている。左右の誘導釘群69g,69hは複数の釘からなり、誘導釘群69g,69hにおけるそれぞれの釘の間隔が遊技球の直径寸法Dよりも小さくなっている。そのため、遊技球は、左右の誘導釘群69g,69hの各釘の間をすり抜けて落下することなく、スルーゲート35へ向けて誘導される。
この場合、上可変入賞装置710へ到達した遊技球は、上大入賞口710aが開放状態であることを条件として上大入賞口710aへ入賞する第1ルートR1と、上大入賞口710aが閉鎖状態であることを条件として上開閉扉710bの前方を流下してスルーゲート35へ入賞する第2ルートR2と、上開閉扉710bの状態にかかわらず左右の誘導釘群69g,69hによって誘導されてスルーゲート35へ入賞する第3ルートR3と、のいずれかのルートを通過する。第3ルートR3は、上大入賞口710aが開放状態である場合には、上開閉扉710b上を転動したうえで、上大入賞口710a側ではなく上開閉扉710bからこぼれ落ちた球が左右の誘導釘群69g,69hによってスルーゲート35へ誘導されるルートである。
上記のようにすることによって、上大入賞口710aが開放状態である場合であっても、スルーゲート35へ入賞する余地が生じ、ラウンド遊技中において普図側の保留情報の補充を行うことが可能となる。これにより、上大入賞口710aが開放状態となるラウンド遊技が行われる場合であっても、入賞補助継続時間をラウンド遊技の最中に補充することが可能となり、入賞容易状態を終わらせにくくすることが可能となる。
但し、第3ルートR3は、上大入賞口710aが開放状態となっている際に上開閉扉710bからこぼれ落ちた球が通過するルートであるため、上大入賞口710aが開放状態となることで、スルーゲート35への入賞率は低下する。つまり、上可変入賞装置710に到達した遊技球の多くは上大入賞口710aへ入賞し、そのうちの一部がスルーゲート35へ入賞する。例えば、上大入賞口710aが開放状態となっている際に上可変入賞装置710へ到達した遊技球のうち、上大入賞口710aへ入賞する遊技球とスルーゲート35へ入賞する遊技球の割合が5対1となるように設定されている。この場合、上大入賞口710aが開放されるラウンド遊技を終了させるまでに(10球入賞させるまでに)、2球はスルーゲート35へ入賞し得る構成となる。このような関係とすることで、上大入賞口710aによるラウンド遊技を行うことによって、入賞容易状態が終了する場合としない場合とを生じさせることが可能となり、入賞容易状態がなかなか終了しないことによって出球率が高騰する不都合を回避しつつ上大入賞口710aによるラウンド遊技の遊技性を向上させることができる。
<第4の実施の形態の第5変形例>
本変形例では、スルーゲート35への入賞率を変化させる構成が上記第4の実施の形態と異なっている。
図79に示すように、スルーゲート35の上方に上可変入賞装置710ではなく、可動役物820が設けられている。可動役物820は、遊技盤60を前後方向に開口させた開口部821に嵌め込まれており、図79(b)に示すように、その前面が遊技盤60の前面と略面一となる退避状態と、図79(c)に示すように、遊技盤60から突出した突出状態と、に変位可能となっている。可動役物820には、可動役物駆動部830が接続されている。より詳しくは、可動役物駆動部830には歯車831が設けられており、当該歯車831と、可動役物820側のギア822とが噛みあわされている。そして、可動役物駆動部830が制御されて歯車831が回動すると、ギア822を通じて可動役物820が動作し、上記の退避状態と突出状態とに変位する。可動役物駆動部830は主制御装置162と接続されており、可動役物820は、周期的に退避状態と突出状態とに変位する。なお、この動作周期は任意であるが、例えば、遊技球の発射周期よりも短い周期とすることで、退避状態である状況や突出状態である状況を狙い打つ行為を行いにくくすることができる。
可動役物820が突出状態となった場合、当該可動役物820の下端と、スルーゲート35の上端との間隔は遊技球の直径寸法Dよりも小さくなる。そのため、可動役物820が突出状態となると、スルーゲート35への入賞が生じなくなる。一方、可動役物820が退避状態となると、可動役物820はスルーゲート35への入賞の障壁とならず、スルーゲート35への入賞が生じるようになる。つまり、可動役物820は、スルーゲート35への入賞を許容する状態と、スルーゲート35への入賞を制限する状態とに変位可能な役物といえる。そして、可動役物820の状態変位や動作周期によって、スルーゲート35への入賞率を変化させることが可能となる。
なお、可動役物820の前面を、例えば上方に向かうほど奥側へ傾斜するように形成するとよい。このようにすることで、可動役物820の前方に遊技球が存在している状況で、可動役物820が退避位置から突出位置に変異した際の遊技球の逃がしとすることが可能となる。
<第4の実施の形態における第6変形例>
本変形例では、第5変形例における可動役物の構成が異なっている。
図80に示すように、本変形例における可動役物として、回転体800が設けられている。回転体800は、前方へ延伸させた円柱状をなし、遊技盤60の前面から前方に向けて起立している回転軸801を回転中心軸として、遊技盤60の前面と平行となる面に沿って回転可能とされている。回転体800には図示しない駆動部が接続されており、主制御装置162によって駆動部が駆動制御されることによって、回転体800は周期的に回転する。
回転体800は、遊技盤60の前方に向けた厚さが遊技球の直径寸法Dよりも大きくなっている。回転体800の下端とスルーゲート35との間隔は、遊技球の直径寸法Dよりも小さくなっている。
回転体800の周面には、一部が遊技球の直径寸法Dよりも大きく陥没させた収容部810が形成されており、当該収容部810にて遊技球を収容可能となっている。収容部810は所定個数(1個)の遊技球を収容可能となっている。
すなわち、収容部810が上向きに配置される状況で遊技球が上方から回転体800へ落下すると、当該遊技球は収容部810に受けられて収容部810に収容される。回転体800が回転し、収容部810が下向きに配置されてスルーゲート35の上方に配置されると、収容部810に収容されていた遊技球がスルーゲート35へ向けて落下して当該遊技球はスルーゲート35に入賞する。
このようにすることで、スルーゲート35への入賞を回転体800の回転周期によって定期的に生じさせることができる。この場合、回転周期を調節することで、スルーゲート35への入賞周期も調節することが可能となり、入賞容易状態への移行を設計するうえで、その設計が容易に行えるようになる。
なお、回転体800の回転周期を、普図側の遊技回において低頻度で設定される長い変動表示時間の4分の1(保留上限分の1)程度とすることで、当該長い変動表示時間が設定された場合に、普図保留記憶数FNを上限数である4とすることが可能となる。
また、上記構成のようにすることで、回転体800が回転する期間によって、到達タイミングとは異なるタイミングでスルーゲート35への入賞を発生させることが可能となる。これにより、例えば、上記の上可変入賞装置710を有する構成に本構成を適用することで、ラウンド遊技の開始前に到達した遊技球をラウンド遊技中にスルーゲート35へ入賞させることも可能となり、入賞容易状態の継続性を変化させることができる。
<第5の実施の形態>
本実施の形態では、普図側の保留情報の取得契機となる入球部が、スルーゲート35の他に別途設けられている。図81は、本実施の形態における遊技盤60の構成を示す正面図である。なお、本実施の形態の遊技盤60は、第1の実施の形態の遊技盤60と基本構成は同じであり、上記第1の実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
本実施の形態では、可変表示ユニット67の左方であって、スルーゲート35及び第2作動口63よりも下流側に、第2スルーゲート850が設けられている。第2スルーゲート850は、スルーゲート35と同様の構成であり、入球した遊技球が再び遊技領域PEへ排出される通過型の入球部となっている。そして、本実施の形態では、スルーゲート35へ遊技球が入賞した場合だけでなく、第2スルーゲート850へ遊技球が入賞した場合にも、普図側の保留情報の取得が行われる。
スルーゲート35を通過して第2作動口63前を流下した遊技球は、第2スルーゲート850へ向かうルートと、第2スルーゲート850へ向かわないルートとによって釘69等によって振り分けられる。その振り分け率としては、例えば、第2スルーゲート850側へ振り分けられる場合よりも第2スルーゲート850とは異なる側へ振り分けられる場合の方が多くなっている。
なお、第2スルーゲート850へ向かうルートへの振り分け率については任意であるが、例えば、200分の1の確率で第2スルーゲート850へ振り分けられ、200分の199の確率で第2スルーゲート850へ振り分けられない構成とする。
以上のような構成とすることによって、左ルートを流下するように遊技球が発射されて、周期的にスルーゲート35への入賞が生じ得る状況において、第2スルーゲート850への入賞という事象を生じさせることができる。これにより、スルーゲート35への入賞に基づく普図側の遊技回にて長い変動表示時間が選択されることによって入賞容易状態へ移行させる場合だけでなく、第2スルーゲート850への入賞によっても電動役物66の開放タイミングで電動役物66へ到達する遊技球を生じさせることが可能となり、第2作動口63への入賞が生じ得るようになる。つまり、第2スルーゲート850への入賞が生じたタイミングでスルーゲート35への入賞に基づく普図遊技回が実行中又は当該スルーゲート35への入賞に基づくサポート状態中であれば、普図保留記憶数FNが1となる。そうすると、次の普図遊技回は、スルーゲート35への入賞を待たずに開始されることとなり、普図遊技の周期が変更されることになる(図27)。このようにすることで、入賞容易状態(第2通常遊技状態)となる前の通常遊技状態(第1通常遊技状態)における第2作動口63への入賞を可能とし、興趣向上が図られる。
言い換えると、本実施の形態では、上記第1の実施の形態において普図側の変動表示時間の設定という数値情報に基づく抽選によって第2作動口63への入賞率を変化させる構成としていたところに、遊技球の流下態様によっても、当該第2作動口63への入賞率を変化させることが可能となる構成としている。このようにしたことで、第2スルーゲート850へ向かうルート(有利ルート)に遊技球が振り分けられることを期待させ、遊技球の流下態様を楽しむという遊技性が追加される。
なお、上記構成においては、スルーゲート35以外の普図側の保留情報の取得契機として、第2スルーゲート850を1個設ける構成としたが、第2スルーゲート850を複数設けてもよい。例えば、4個のスルーゲートを上下に連なるように配置し、1つ目のスルーゲートを通過すると4個全てのスルーゲートへの通過が生じるようにする。これら複数のスルーゲートの間隔を、普図遊技の周期よりも短い時間で遊技球が流下可能な間隔とすることで、当該複数のスルーゲートを通過することによって、普図保留記憶数FNが4個増加することになる。これにより、当該複数のスルーゲートを通過した場合に入賞容易状態に移行させることが可能となる。
上記のようにした場合、より詳しくは、4個の連続するスルーゲートを通過する際に、単独のスルーゲート35への入賞に基づく普図遊技が実行されていれば、普図保留記憶数FNは4個となり、入賞容易状態となる。その一方で、当該4個の連続するスルーゲートを通過する際に単独のスルーゲート35への入賞に基づく普図遊技が実行されていなかったり、4個の連続するスルーゲートの通過中に単独のスルーゲート35への入賞に基づく普図遊技が終了してしまった場合(連続するスルーゲート全ての入賞が完了する前に、当該連続するスルーゲートのうちの一のスルーゲートへの入賞に基づく保留情報が消化された場合)は、当該連続するスルーゲート全ての入賞が完了した時点での普図保留記憶数FNは3個となり、そのままでは入賞容易状態とはならない。この場合、後続の遊技球が単独のスルーゲート35へ入賞するタイミングによっては、当該入賞時の普図保留記憶数FNが4個となる場合と、3個となる場合とが生じ、入賞容易状態を継続させることが可能となる場合とそうではない場合とが生じすることとなる。よって、連続するスルーゲートへの入賞タイミング及びスルーゲート35への入賞タイミングへ関心を寄せさせ、遊技性を向上させることが可能となる。
なお、連続するスルーゲートの個数を5個以上とすることで、一の通過によって確実に入賞容易状態の継続性を担保することが可能となる。
<第5の実施の形態における第1変形例>
本変形例では、普図側の保留情報が一つ取得される第1のルートと、複数の保留情報が取得される第2のルートとを設ける。図82は、本変形例において、普図側の保留情報が取得される入賞部への入賞ルートを概念的に示す図である。
遊技領域PEには、上記第1のルートや第2のルートを形成するための通路壁860が設けられている。通路壁860は遊技盤60から前方へ起立させており、樹脂製の板状壁部として遊技盤60の前面に取り付けられている。なお、通路壁860を複数の釘69によって形成してもよい。
通路壁860のうち、第1通路壁861及び第2通路壁862が遊技球の直径寸法Dよりも大きい間隔で上下方向に延在するように配置されており、当該第1通路壁861及び第2通路壁862の間を遊技球が通過可能となっている。第2通路壁862は第1通路壁861よりも短くなっている。そして、第2通路壁862の下方において当該第2通路壁862と遊技球の直径寸法Dよりも大きな間隔を隔てて、第3通路壁863が当該第2通路壁862の仮想延長線上に連続して配置されており、第1通路壁861及び第2通路壁862の間を通過する領域と、第1通路壁861及び第3通路壁863の間を通過する領域と、によって第1ルートR1が形成されている。
第2通路壁862と第3通路壁863との間には、振分弁867が設けられている。振分弁867は、第2通路壁862及び第3通路壁863と連続する面を形成する第1状態と、第2通路壁862及び第3通路壁863と交差する面を形成し、第1通路壁861との間隔が遊技球の直径寸法Dよりも小さくなる第2状態とに変位可能となっている。振分弁687は、回転軸868を中心に回転可能とされており、第1状態から第2状態へ、又は第2状態から第1状態へ図示しない駆動部によって回転制御される。
第2通路壁862の下端と第3通路壁863の上端とからは、いずれも斜め下方に連続する壁部として第4通路壁864と第5通路壁865とが遊技球の直径寸法Dを隔てて設けられている。そして、上記第1通路壁861及び第2通路壁862との間を通過する領域と、第4通路壁864と第5通路壁865との間を通過する領域と、によって第2ルートR2が形成されており、振分弁867が第2状態となった場合に、当該第2ルートR2を遊技球が通過可能となる。
第1ルートR1における振分弁867よりも下流側には、スルーゲート35が設けられている。また、第2ルートR2における振分弁867よりも下流側には、第3スルーゲート851と第4スルーゲート852とが設けられている。第3スルーゲート851及び第4スルーゲート852は、いずれも普図側の保留情報が取得される通過型の入賞部である。また、第3スルーゲート851及び第4スルーゲート852の間隔は、遊技球の直径寸法Dよりも小さくなっている。
本変形例における電動役物は、上記電動役物66よりも幅広に形成されており、スルーゲート35を通過した遊技球と、第3スルーゲート851及び第4スルーゲート852を通過した遊技球とが、いずれも入賞可能となっている。つまり、第1ルートR1から流下する遊技球を受ける位置であって、且つ第2ルートR2から流下する遊技球を受ける位置に、本変形例における電動役物870が設けられている。
振分弁867の振分態様としては、例えば、第1状態から第2状態に変位し、その後、第1状態となる変位動作が、予め定められた所定周期で行われるように、上記図示しない駆動部が駆動制御される。なお、当該駆動部の駆動制御は主制御装置162により行われる構成とするとよい。
そして、当該振分弁867の変位動作により、第1ルートR1と第2ルートR2とに遊技球が振り分けられ、スルーゲート35へ入賞する場合と、第3スルーゲート851及び第4スルーゲート852へ入賞する場合とが生じることとなる。すなわち、普図側の保留情報が1つ取得される第1ルートR1と、普図側の保留情報が2つ取得される第2ルートR2と、を有し、いずれのルートに振り分けられるかが、振分弁867の振分によって実現される構成としている。振分弁867による振り分け率は任意であるが、第2ルートR2よりも第1ルートR1の方が振り分けられ易い構成が好ましく、本変形例では、例えば、200分の1の確率で第2ルートR2に振り分けられて200分の199の確率で第1ルートR1に振り分けられる構成としている。
以上のようにすることで、遊技球が通過するルートによって、普図側の保留情報の取得数を相違させることが可能となる。これにより、普図側の保留情報が1つずつ増加する場合と、2つずつ増加する場合とを生じさせることができ、入賞容易状態への移行態様を多様化することが可能となる。
<第5の実施の形態における第2変形例>
本変形例では、上記第1変形例における複数の普図保留取得ルートの振分態様が異なっている。
図83にて概念的に示すように、例えば、遊技領域PEには、遊技球が転動可能な転動面881を有する転動部880が設けられている。転動面881は、例えば平坦状又は椀状等に形成された所謂クルーンとしての機能を有する。転動部880は、例えば、左ルートを流下する遊技球が比較的低頻度で通過する通過領域(ワープ通路)を設け、当該通過領域を通過した遊技球が導出される位置に設ける。
転動部880には、転動面881を転動する遊技球が当該転動面881から落下する落下口が複数設けられている。落下口は遊技球の直径寸法Dよりも若干大きな開口として形成されている。落下口の一種である第1落下口882から遊技球が落下すると、例えば樹脂等によって形成された第1導出通路891を通過して、遊技領域PEへ排出され、例えば、可変表示ユニット67の下方へ導出される。一方、落下口の一種である第2落下口883から遊技球が落下すると、第2導出通路892を通過して遊技領域PEへ排出される。また、第3落下口884から遊技球が落下すると、第3導出通路893を通過して遊技領域PEへ排出される。なお、第1導出通路891、第2導出通路892、第3導出通路893からの排出先を同じ領域としてもよいし、異なる領域としてもよい。
第1導出通路891には、スルーゲート35が設けられている。一方、第2導出通路892には、第5スルーゲート853及び第6スルーゲート854が設けられている。また、第3導出通路893には、第7スルーゲート855、第8スルーゲート856及び第9スルーゲート857が設けられている。第5スルーゲート853〜第9スルーゲート857はいずれも普図側の保留情報が取得される通過型の入賞部である。
すなわち、転動部880を転動する遊技球が第1落下口882から落下して第1導出通路891による第1ルートR1を通過すると、普図側の保留情報が1つ取得される。一方、転動部880を転動する遊技球が第2落下口883から落下して第2導出通路892による第2ルートR2を通過すると、普図側の保留情報が2つ取得される。そして、転動部880を転動する遊技球が第3落下口884から落下して第3導出通路893による第3ルートR3を通過すると、普図側の保留情報が3つ取得される。
つまり、転動部880を転動する遊技球が、いずれの落下口882〜884から落下するかによって、取得される保留情報の数が異なっている。取得される保留情報の数が多いほど、入賞容易状態へとなり易くなることから、落下口882〜884のそれぞれの有利度が異なる構成といえる。これにより、転動部880の転動面881を転動する遊技球に対する注目度を好適に高めることができる。
その一方で、転動面881にて遊技球が転動してから落下口882〜884のいずれかから落下させる構成としたことで、当該転動する期間が長くなり得る。つまり、普図側の保留情報が取得されてから、次の普図側の保留情報が取得されるまでの期間が長くなり得る。より具体的には、先に落下した遊技球によって取得された保留情報は、後続の遊技球が転動面881を転動中に消化される可能性がある。そうすると、転動面881は、保留情報の取得タイミングを到達タイミングとは異なるタイミングとなるようにする機能を有しているといえる。そのため、例えば、せっかく第3落下口884から落下させて保留情報を3つ取得させたとしても、その後の保留情報の取得タイミングが遅ければ、保留情報は4つとならず入賞容易状態とはならない。このようにしたことで、遊技球が転動面881にて転動する期間と、転動後に落下する落下口882〜884との関係性を利用した遊技性となり、遊技球の流下態様を上記入賞容易状態の設定とうまく関係づけて遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
<第5の実施の形態における第3変形例>
本変形例では、上記の第2スルーゲート850が、スルーゲート35の真上に配置されている。図84は本変形例の遊技盤60を示す正面図である。本変形例においても、上記各実施の形態と同様の構成については同じ符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
第2スルーゲート850とスルーゲート35とは、中心軸線が縦方向において一致するように両者が配置されており、第2スルーゲート850とスルーゲート35との間隔は遊技球の直径寸法Dよりも小さくなっている。そのため、第2スルーゲート850を通過した遊技球はスルーゲート35を通過し、第2スルーゲート850を通過しない遊技球がスルーゲート35を通過することがないように設定されている。
第2スルーゲート850とスルーゲート35との間隔について、より詳しくは、第2スルーゲート850を通過した遊技球が普図遊技の周期よりも短い時間でスルーゲート35を通過するように、第2スルーゲート850とスルーゲート35とが配置されている。そのため、第2スルーゲート850への入賞に基づいて普図側の保留情報が取得された場合、当該保留情報に基づく普図遊技が終了するよりも前にスルーゲート35への入賞が発生して保留情報の取得が行われる。なお、第2スルーゲート850へ入賞が発生する場合にはスルーゲート35への入賞が必ず発生する構成であることから、以下の説明では、これら第2スルーゲート850及びスルーゲート35をまとめて連続スルーとも称し、当該連続スルーへの入賞を連続スルー入賞とも称する。
図85(a)は、本変形例における普図当否テーブルを示している。
本変形例では、普図側の当否抽選にて1000分の500の確率で開放結果となり、1000分の500の確率で外れ結果となる。つまり、殆どが開放結果となっていた上記各実施の形態とは異なり、半数が開放結果となる構成とする。
本変形例においては、所定の切換条件が成立したことに基づいて、普図遊技回にて参照される普図変動表示時間テーブルが切り換えられる。所定の切換条件としては、例えば、特図側の当否抽選において大当たり結果となることであり、開閉実行モードの終了に基づいて、普図変動表示時間テーブルの切換が行われる。そして、本変形例では、図85(b)に示す第1状態用の普図変動表示時間テーブルと、図85(c)に示す第2状態用の普図変動表示時間テーブルとが設けられている。
第1状態用の普図変動表示時間テーブルが参照されて普図遊技回が実行される場合、上記第1の実施の形態における普図変動表示時間テーブル(図10(b))と、選択される変動表示時間は同じ時間となっている。その一方で、確定表示としての停止表示時間が、第1の実施の形態のそれと異なっており、第1の実施の形態の停止表示時間(0.4sec)よりも短い時間が設定される。具体的には、普図当否抽選の結果によって異なる停止表示時間が設定されるようになっており、普図保留記憶数FNが1〜3の場合において開放結果である場合には0.125secの停止表示時間が設定され、普図保留記憶数FNが1〜3の場合において外れ結果である場合には0.225secの停止表示時間が設定される。また、普図保留記憶数FNが4の場合において開放結果である場合には0.4secの停止表示時間が設定され、普図保留記憶数FNが4の場合において外れ結果である場合には0.5secの停止表示時間が設定される。
すなわち、停止表示時間は、電動役物66が開放状態とされる開放時間(0.1sec)の分だけ外れ結果の場合には長くなるように設定されており、その結果、普図当否抽選の結果によらず、同じ保留数において普図遊技の実行時間(普図遊技時間)は同じ時間となるように設定されている。具体的には、普図遊技時間は普図保留記憶数FNが1〜3である場合には、殆どが0.275secであり、稀に10.225secとなる。また、普図保留記憶数FNが4の場合には、普図遊技時間は1.1secとなる。
上記のように、本変形例では、第2スルーゲート850への入賞に伴ってスルーゲート35へも入賞する。そして、普図保留記憶数FNが1〜3である通常時においては、普図遊技時間が0.275secであって、これら両スルーゲート850,35への入賞に基づく遊技時間の合計は0.55secとなる。つまり、2回分の普図遊技時間が、上記第1の実施の形態において普図保留記憶数FNが1〜3である場合の1回分の普図遊技時間と同じ時間であり、遊技球の発射周期よりも短い時間となる。この場合、第2スルーゲート850へ入賞した遊技球が電動役物66が開放されるまでに電動役物66に到達しないことはもちろんのこと、当該遊技球がスルーゲート35へ入賞し、当該入賞に基づいて電動役物66が開放されるまでにも電動役物66へは到達しないことになる。その結果、第2作動口63への入賞は発生しないし、後続の遊技球が第2スルーゲート850へ入賞しても、普図保留記憶数FNは0と1を繰り返すだけであって、それ以上の増加は見込めない。
普図保留記憶数FNが1〜3である状況で、比較的低確率で選択される変動表示時間として、普図遊技時間が発射周期よりも長い時間となる10.0secが選択されると、その後、容易に普図保留記憶数FNを上限まで達しさせることが可能となり、普図保留記憶数FNが上限数である4に保たれる入賞容易状態に移行させることが可能となる。これは、第2スルーゲート850への入賞に基づいても保留情報が取得される分だけ、早期に入賞容易状態へ移行させることができるという相違点はあるものの、長い変動表示時間が選択されることによって普図保留記憶数FNを増加させる、という構成は第1の実施の形態と共通している。
第1状態において、普図保留記憶数FNが4である状況では、普図遊技時間は1.1secとなる。この場合、上記第1の実施の形態と同様に、電動役物66への到達タイミングと、電動役物66が開放されているタイミングとが重複する状況が、約10球に1球の割合で生じることとなる。上記の普図遊技時間は発射周期よりも長いため、定期的な第2スルーゲート850への入賞が発生する限り、普図保留記憶数FNは4と3とを繰り返し、入賞容易状態が継続される。
但し、上記のとおり、本変形例では、普図当否抽選において開放結果となる確率が2分の1となっている。そのため、第1状態において、入賞容易状態となった場合、実質的に約20球に1球の割合で第2作動口63への入賞が発生することとなる。
これに対して、第2状態用の普図変動表示時間テーブルが参照されて普図遊技回が実行される場合、図85(c)に示すように、普図保留記憶数FNが1〜2の場合においては、普図遊技時間が第1状態である場合と同様に、殆どが0.275secとなり、稀に10.225secとなるように変動表示時間、停止表示時間が設定されている。すなわち、普図保留記憶数FNが1〜2の場合は、上記第1状態と同様に、10.225secの普図遊技時間となるまでは、普図保留記憶数FNは0と1を繰り返すだけであって、それ以上の増加は見込めない。そして、10.225secの普図遊技時間となることで、普図保留記憶数FNを増加させることが可能となる。
普図保留記憶数FNが3となると、変動表示時間は0.3secが設定され、停止表示時間は開放結果である場合には0.4secが設定されるとともに、外れ結果である場合には0.5secが設定される。そのため、普図保留記憶数FNが3である場合の普図遊技時間は0.8secとなり、発射周期よりも長くなる。
普図保留記憶数FNが4となると、変動表示時間は0.075secが設定され、停止表示時間は開放結果である場合には0.125secが設定されるとともに、外れ結果である場合には0.225secが設定される。そのため、普図保留記憶数FNが4である場合の普図遊技時間は0.3secとなり、発射周期よりも短くなる。
すなわち、第2状態用の普図変動表示時間テーブルが参照される状況で、10.0secの変動表示時間が選択されて、普図保留記憶数FNを増加させ、例えば、普図保留記憶数FNが4となると、発射周期よりも短い普図遊技時間が設定されるため、後続の遊技球が第2スルーゲート850へ入賞するよりも先に当該普図遊技が終了し、普図保留記憶数FNが3である状況での普図遊技が開始されることになる。普図保留記憶数FNが3である状況での普図遊技は、発射周期よりも長い普図遊技時間が設定されることから、当該普図遊技の終了よりも前のタイミングで、第2スルーゲート850への入賞が発生する。第2スルーゲート850への入賞が発生すると、続けてスルーゲート35への入賞も発生するため、普図保留記憶数FNは2増加して4となる。そして、再び、普図保留記憶数FNが4である状況での0.3secの普図遊技と、普図保留記憶数FNが3である状況での0.8secの普図遊技とが実行されるとともに、第2スルーゲート850への入賞に基づく普図保留情報の補充がなされることとなる。
そして、電動役物66への遊技球の到達タイミングと、電動役物66が開放されているタイミングとが重複する状況が生じると、第2作動口63への入賞が発生することとなり第2状態における入賞容易状態となる。この場合、当該入賞容易状態においては、上記第1状態よりも単位時間当たりの普図遊技の回数が多くなる。具体的には、上記0.3secの普図遊技と0.8secの普図遊技との合計が、第1状態における入賞容易状態の普図遊技の遊技時間である1.1secと等しいことから、第2状態の入賞容易状態では、第1状態の入賞容易状態よりも約2倍の回数の普図遊技が単位時間当たりに実行されることとなる。
その結果、第2状態の入賞容易状態において、電動役物66への遊技球の到達タイミングと、電動役物66が開放されているタイミングとが重複する状況は、第1状態の入賞容易状態の約2倍の頻度で発生することとなり、約5球に1球の割合で生じることとなる。
但し、上記のとおり、本変形例では、普図当否抽選において開放結果となる確率が2分の1となっている。そのため、第2状態において、入賞容易状態となった場合、実質的に約10球に1球の割合で第2作動口63への入賞が発生することとなる。
なお、普図保留記憶数FNが3である状況での普図遊技の実行中に保留情報の補充が行われることもあるため、第2状態の入賞容易状態においては、普図保留記憶数FNが4である状況で開始される普図遊技の方が、普図保留記憶数FNが3である状況で開始される普図遊技よりも実行回数が多くなる。そのため、第1状態における入賞容易状態と、第2状態における入賞容易状態と、を比較すると、第1状態の入賞容易状態よりも第2状態の入賞容易状態の方が2倍よりも多い回数の普図遊技が単位時間当たりに実行されることとなる。つまり、第2状態の入賞容易状態においては、電動役物66への遊技球の到達タイミングと、電動役物66が開放されているタイミングとが重複する状況も、第1状態の場合において重複する状況と比較して2倍よりも多く発生し、第2作動口63への入賞も5球に1球の割合よりも大きい割合で生じることとなる。
いずれにしても、上記のようにすることによって、第1状態における入賞容易状態の第2作動口63への入賞率と、第2状態における入賞容易状態の第2作動口63への入賞率とを異ならせることが可能となる。これにより、変動表示時間の長短の設定を変更するだけで、第2作動口63への入賞率が異なる複数の入賞容易状態を創出することができ、遊技の多様化を図ることが可能となる。
より具体的には、第1状態において入賞容易状態となった場合よりも第2状態において入賞容易状態となった場合のほうが第2作動口63への入賞率が高くなるため、第1状態よりも第2状態の方が入賞容易状態中の第1特図側の当否抽選の実行頻度が高まり、大当たり結果への期待感が高められる。しかも、第2作動口63への入賞によって賞球を得ることが可能であることから、第1状態よりも第2状態の方が入賞容易状態中の球持ちが良くなる、又は持ち球の増加が見込めるようになる。このように、第1状態と第2状態とで入賞容易状態となった場合の遊技者にとっての有利度を異ならせることが可能となる。
<第5の実施の形態の第4変形例>
本変形例では、複数個の保留情報が取得され得る構成を利用した、新たな遊技性を創出する。図86(a)は本変形例における遊技盤60の構成を示す正面図である。本変形例でも、上記各実施の形態と同様の構成は同じ符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
本変形例では、可変表示ユニット67の左方に、第10スルーゲート858及び第11スルーゲート859が設けられている。第10スルーゲート858及び第11スルーゲート859は、中心軸線が縦方向において一致するように両者が配置されており、第10スルーゲート858が第11スルーゲート859の上方となるように両者が上下に並設されている。第10スルーゲート858及び第11スルーゲート859は、その間隔が遊技球の直径寸法Dよりも小さくなっている。そのため、第10スルーゲート858へ入賞した遊技球は、その後、第11スルーゲート859へ入賞し、第10スルーゲート858へ入賞せずに第11スルーゲート859へ入賞することがないようになっている。すなわち、第10スルーゲート858及び第11スルーゲート859は、上記第3変形例における第2スルーゲート850及びスルーゲート35の連続スルーの関係となっている。
可変表示ユニット67の左方であって、第10スルーゲート858及び第11スルーゲート859の下方には、第3可変入賞装置910が設けられている。第3可変入賞装置910は、普図用の当否抽選にて当選した場合に開閉制御される入球部である。より具体的には、上記第3の実施の形態における第2可変入賞装置500と同様の構成をなしており、振分部材502が開閉制御されることで振分入口501へ遊技球が入賞可能となる。また、第3可変入賞装置910内のV入賞用領域506へ遊技球が流入することによって、その後、V入賞用の開閉実行モードが実行される点も上記第3の実施の形態と同様である。
可変表示ユニット67の下方には、上記各実施の形態と同様に第1作動口62が設けられており、当該第1作動口62へ遊技球が入賞することによって第1特図用の当否抽選が行われる。なお、本変形例においては、第2特図用の作動口は設けられていない。
可変表示ユニット67の下方であって、第1作動口62の下方には、第4可変入賞装置900が設けられている。第1特図用の当否抽選にて大当たり当選した場合、及び、上記第3可変入賞装置910内のV入賞用領域506を遊技球が通過した場合、当該第4可変入賞装置900による16ラウンドの開閉実行モードが実行される。
本変形例では、上記各実施の形態とは、普図側の当否抽選の確率が異なっている。図86(b)に示すように、本変形例では、普図側の当否抽選において、その殆どが外れ結果となり(999/1000)、比較的低頻度で開放結果となる(1/1000)。開放結果となると、第3可変入賞装置910が所定期間に亘って開放状態とされる。この場合、上記各実施の形態とは異なり、第3可変入賞装置910の上限開放時間は10secとして設定される。そのため、第3可変入賞装置910が開放状態とされた場合、ほぼ確実に第3可変入賞装置910への入賞を発生させることが可能となっている。そして、当該第3可変入賞装置910内のV入賞用領域506を通過させること(V入賞させること)によって、その後、第4可変入賞装置900による開閉実行モードが実施されることになる。
なお、本変形例において、第3可変入賞装置910が開放状態とされた場合に、V入賞する確率は約5分の1となっている。具体的には、第3可変入賞装置910が5回開放状態とされると(5回開放結果となると)、そのうち1回の割合でV入賞するようになっている。そのため、第10スルーゲート858又は第11スルーゲート859への入賞に基づいて普図側の保留情報が取得された場合、一の保留情報に対して約5000分の1の確率でV入賞を発生させることが可能となる。
また、本変形例でも、左ルートを流下するように遊技球が発射された場合、その殆どが第10スルーゲート858及び第11スルーゲート859へ入賞するようにゲージ設計がなされている。
図87は、本変形例における普図変動表示時間テーブルを示している。
本変形例では、第1状態用の普図変動表示時間テーブルと第2状態用の普図変動表示時間テーブルとが設けられており、普図抽選時の状態によって対応する変動表示時間テーブルが選択される。第1状態と第2状態とは、特図側の当否抽選によって切り換えられる。より具体的には、特図側の当否抽選において大当たり結果となることによって、第1状態から第2状態に切り換えられ、第2状態において特図側の当否抽選が所定回数(例えば50回)行われたことに基づいて、第2状態から第1状態に切り換わるように設定されている。
図87(a)に示すように、第1状態用の普図変動表示時間テーブルでは、保留情報が3個である状況での変動表示時間がそれよりも少ない(1個又は2個である)状況よりも長くなり得るように設定されているとともに、保留情報が上記3個よりも多い4個である状況での変動表示時間が他の個数の変動表示時間よりも短くなるように設定されている。
具体的には、保留情報が1個又は2個である場合の変動表示時間は、一律で第1時間としての0.79secが選択される。確定時間(停止表示時間)は0.01secであり、第3可変入賞装置910が開放状態とされなければ、保留情報が1個又は2個である状況では、普図遊技は0.8secで1回実行されることになる。つまり、変動表示時間が第1時間として設定されると、遊技球の発射周期(0.6sec)よりも若干長い周期で普図遊技が進行するため、保留情報の消化速度よりも保留情報の補充速度の方が早く、保留情報は貯まり易くなる。
保留情報が3個である場合、上記第1時間である0.79secと、第1時間よりも長い第2時間としての1.29secとのいずれかが選択される。1.29secである場合、普図遊技は1.3secで1回実行されることとなり、第1時間が選択される場合よりも保留情報は貯まり易くなる。つまり、保留情報が3個である状況で普図遊技が開始され第2時間が選択されると、保留情報の消化速度が遅くなるため、第1時間が選択された場合よりも保留情報が貯まり易くなる。第1時間と第2時間とは、普図変動種別カウンタC5の値によって決定され、第1時間よりも第2時間の方が選択され易くなっている。なお、変動表示時間について、他のカウンタや他の抽選処理等によって決定される構成であってもよい。
保留情報が上限個数である4個である場合、上記第1時間や第2時間よりも短い第3時間としての0.29secが一律で選択される。第3時間が選択されると、普図遊技は0.3secで1回実行されることとなる。そのため、保留情報の消化速度の方が保留情報の補充速度よりも早くなり、保留情報は貯まりにくくなる。
第2状態用の普図変動表示時間テーブルでは、図87(b)に示すように、保留情報が2個である状況での変動表示時間がそれよりも少ない(1個である)状況よりも長くなり得るように設定されているとともに、保留情報が上記2個よりも多い3個又は4個である状況での変動表示時間が他の個数の変動表示時間よりも短くなるように設定されている。
具体的には、保留情報が1個である場合の変動表示時間は、一律で第1時間としての0.79secが選択される。この場合、上記のように普図遊技は0.8secで1回実行されることとなるため、保留情報の消化速度よりも保留情報の補充速度の方が早く、保留情報は貯まり易くなる。
保留情報が2個である場合、上記第1時間である0.79secと、上記第2時間である1.29secとのいずれかが選択される。上記のとおり、第2時間が選択されると、第1時間が選択される場合よりも保留情報は貯まり易くなる。第1時間と第2時間とは、上記第1状態と同様に、普図変動種別カウンタC5の値によって決定され、第1時間よりも第2時間の方が選択され易くなっている。
保留情報が3個である場合、上記第3時間である0.29secが一律で選択される。第3時間が選択されると、普図遊技は0.3secで1回実行されることとなる。そのため、保留情報の消化速度の方が保留情報の補充速度よりも早くなり、保留情報は貯まりにくくなる。
保留情報が上限個数である4個である場合、上記第1〜第3時間よりも短い第4時間として0.01secが一律で設定される。第4時間が設定されると、普図遊技は0.02secで1回実行されることとなり、保留情報の消化速度は保留情報の補充速度よりも圧倒的に早くなる。その結果、保留情報が3個の場合よりも更に貯まりにくくなる。
第1状態と第2状態とにおいて、普図用の保留情報が取得される様子を、図88及び図89のタイミングチャートを参照しながら説明する。
既に説明したとおり、第10スルーゲート858及び第11スルーゲート859へは、左ルートを流下する遊技球の殆どが入賞する。言い換えると、左ルートを流下するように遊技球が発射されると、その発射周期に従って定期的に第10スルーゲート858及び第11スルーゲート859への入賞が発生する。
第1状態では、図88に示すように、例えば、タイミングta1にて第10スルーゲート858への入賞が発生すると、続けてタイミングta2にて第11スルーゲート859への入賞が発生する。タイミングta1において、普図側の保留情報の個数が0個であった場合、タイミングta1及びタイミングta2にて1個ずつ保留情報が取得される。但し、タイミングta1にて保留情報が取得されると同時に保留情報が消化(普図遊技が開始)されるため、タイミングta2では保留情報の記憶数は1個となる。なお、タイミングta1にて開始される普図遊技回は、0.8sec後であるタイミングta5にて終了する(タイミングta5にて次の普図遊技が開始される)。
タイミングta3にて後続の遊技球が第10スルーゲート858へ入賞すると、続けてタイミングta4にて第11スルーゲート859への入賞が発生する。タイミングta1にて開始された普図遊技は未だ継続中であるため、タイミングta3の入賞に基づいて保留情報の記憶数は2個となり、タイミングta4の入賞に基づいて保留情報の記憶数は3個となる。そして、タイミングta5にてタイミングta1に開始された普図遊技の次の普図遊技が開始されることによって、保留情報の記憶数は1個減って2個となる。
タイミングta5にて開始される普図遊技は、保留情報が3個である状況で開始される普図遊技であり、例えば変動表示時間が第2時間である1.29secが選択されると、当該普図遊技は1.3sec後であるタイミングta10に終了する(タイミングta10にて次の普図遊技が開始される)。
タイミングta10よりも前のタイミングであるタイミングta6にて、次の遊技球が第10スルーゲート858へ入賞し、続けてタイミングta7にて、第11スルーゲート859へ入賞する。この場合、タイミングta6の入賞に基づいて保留情報の記憶数は3個となり、タイミングta7の入賞に基づいて保留情報の記憶数は4個となる。つまり、保留情報が記憶可能な上限数に達する。
タイミングta8にて、次の遊技球が第10スルーゲート858へ入賞し、続けてタイミングta9にて、第11スルーゲート859へ入賞する。但し、この場合、タイミングta5にて開始された普図遊技が未だ終了前であり、上記のとおりタイミングta7にて保留情報の記憶数は上限に達しているため、タイミングta8及びタイミングta9の入賞によっては保留情報の取得は行われない。つまり、第10スルーゲート858や第11スルーゲート859への入賞を発生させても、普図側の当否抽選を受けることができない。
タイミングta10にて普図遊技が終了すると、次の普図遊技が開始される。この場合、保留情報が4個である状況で開始される普図遊技であり、変動表示時間は第3時間である0.29secが設定される。そして、当該普図遊技は、0.3sec後であるタイミングta13にて終了する(タイミングta13にて次の普図遊技が開始される)。
タイミングta10の普図遊技の開始後であって、当該普図遊技の終了前であるタイミングta11にて第10スルーゲート858への入賞が発生し、続けてタイミングta12にて第11スルーゲート859への入賞が発生する。この場合、上記のとおり、タイミングta10の普図遊技の開始によって、保留情報が1個消化されているため、普図側の記憶領域に空きが1個分生じている。そのため、タイミングta11の入賞では、保留情報が1個取得されるものの、当該取得によって、上記空きがなくなり保留情報の記憶数は上限に達し、タイミングta12の入賞では、保留情報が取得されない。言い換えると、第10スルーゲート858及び第11スルーゲート859への入賞を発生させても、2個の保留情報の取得はされず、1個だけ保留情報が取得され、普図側の当否抽選は1個分だけ行われる。
タイミングta13にて普図遊技が終了すると、次の普図遊技が開始される。タイミングta10の場合と同様に、保留情報が4個である状況で開始される普図遊技であり、変動表示時間は第3時間である0.29secが設定される。そして、当該普図遊技は、0.3sec後であるタイミングta16にて終了する(タイミングta16にて次の普図遊技が開始される)。
タイミングta13の普図遊技の開始後であって、当該普図遊技の終了前であるタイミングta14にて第10スルーゲート858への入賞が発生し、続けてタイミングta15にて第11スルーゲート859への入賞が発生する。この場合も、上記のとおり、タイミングta13の普図遊技の開始によって、保留情報が1個消化されているため、普図側の記憶領域に空きが1個分生じている。そのため、タイミングta14の入賞によって保留情報の記憶数は上限に達し、タイミングta15の入賞では、保留情報が取得されない。言い換えると、第10スルーゲート858及び第11スルーゲート859への入賞を発生させても、2個の保留情報の取得はされず、1個だけ保留情報が取得され、普図側の当否抽選は1個分だけ行われる。
タイミングta16にて普図遊技が終了すると、次の普図遊技が開始され、保留情報の記憶領域に空きが1個分生じる。その結果、タイミングta17にて第10スルーゲート858への入賞が発生し、タイミングta18にて第11スルーゲート859への入賞が発生しても、2個の保留情報の取得はされず、1個だけ保留情報が取得され、普図側の当否抽選は1個分だけ行われる。
タイミングta16にて開始された普図遊技がタイミングta19にて終了し、次の普図遊技が開始された場合も同様であり、タイミングta20及びタイミングta21にて発生した入賞によって、1個だけ保留情報が取得され、普図側の当否抽選は1個分だけ行われる。
つまり、第1状態においては、普図側の保留情報を定期的に取得させていくと、タイミングta11(タイミングta12)や、タイミングta14(タイミングta15)、タイミングta17(タイミングta18)、タイミングta20(タイミングta21)にて、第10スルーゲート858及び第11スルーゲート859への入賞が発生しても、入賞分の保留情報よりも少ない数の保留情報の取得が行われる状態となる。言い換えると、入賞分よりも少ない数の普図用の当否抽選が行われる状態となる。ここでは、1個分の保留情報の取得がなされ、1個分の普図用の当否抽選が行われることから、当該状態をシングル抽選状態とも称する。つまり、第1状態は、シングル抽選状態となり易い状態といえる。
第2状態では、図89に示すように、例えば、タイミングtb1にて第10スルーゲート858への入賞が発生すると、続けてタイミングtb2にて第11スルーゲート859への入賞が発生する。タイミングtb1において、普図側の保留情報の個数が0個であった場合、タイミングtb1及びタイミングtb2にて1個ずつ保留情報が取得される。但し、タイミングtb1にて保留情報が取得されると同時に保留情報が消化(普図遊技が開始)されるため、タイミングtb2では保留情報の記憶数は1個となる。なお、タイミングtb1にて開始される普図遊技回は、0.8sec後であるタイミングtb5にて終了する(タイミングtb5にて次の普図遊技が開始される)。
タイミングtb3にて後続の遊技球が第10スルーゲート858へ入賞すると、続けてタイミングtb4にて第11スルーゲート859への入賞が発生する。タイミングtb1にて開始された普図遊技は未だ継続中であるため、タイミングtb3の入賞に基づいて保留情報の記憶数は2個となり、タイミングtb4の入賞に基づいて保留情報の記憶数は3個となる。そして、タイミングtb5にてタイミングtb1に開始された普図遊技の次の普図遊技が開始されることによって、保留情報の記憶数は1個減って2個となる。
タイミングtb5にて開始される普図遊技は、保留情報が3個である状況で開始される普図遊技であり、変動表示時間は第3時間である0.29secが設定されると、当該普図遊技は0.3sec後であるタイミングtb8に終了する(タイミングtb8にて次の普図遊技が開始される)。
タイミングtb5の普図遊技の開始後であって、当該普図遊技の終了前であるタイミングtb6にて第10スルーゲート858への入賞が発生し、続けてタイミングtb7にて第11スルーゲート859への入賞が発生する。この場合、タイミングtb5の普図遊技の開始によって、保留情報が1個消化されているため、普図側の記憶領域に空きが2個分生じている。そのため、タイミングtb6及びタイミングtb7の入賞に伴って、いずれも保留情報の取得は行われる。言い換えると、第10スルーゲート858及び第11スルーゲート859への入賞を発生させると、入賞分に対応する個数の保留情報が取得され、普図側の当否抽選は入賞分(2個分)行われる。
タイミングtb5にて開始された普図遊技がタイミングtb8にて終了すると、当該タイミングtb8にて次の普図遊技が開始される。この場合、保留情報が4個である状況で開始される普図遊技であり、変動表示時間は第4時間である0.01secが設定される。そのため、当該普図遊技は0.02sec後であるタイミングtb9にて終了する。つまり、タイミングtb8からごくわずかの期間で、次の保留情報の消化タイミングとなり、タイミングtb9にて次の普図遊技が開始される。そうすると、タイミングtb8では保留情報が3個となり、タイミングtb9では保留情報が2個となる。タイミングtb9にて開始される普図遊技は、保留情報が3個である状況で開始される普図遊技であり、当該普図遊技は0.3sec後であるタイミングtb12にて終了する。
タイミングtb10にて第10スルーゲート858への入賞が発生し、続けてタイミングtb11にて第11スルーゲート859への入賞が発生する。この場合、普図側の記憶領域に空きが2個分生じているため、タイミングtb10及びタイミングtb11の入賞に伴って、いずれも保留情報の取得は行われる。言い換えると、第10スルーゲート858及び第11スルーゲート859への入賞を発生させると、入賞分に対応する個数の保留情報が取得され、普図側の当否抽選は入賞分(2個分)行われる。
タイミングtb9で開始された普図遊技はタイミングtb12で終了し、同タイミングにて次の普図遊技が開始される。そして、その直後である、タイミングtb13にて再び次の普図遊技が開始される。そうすると、タイミングtb14及びタイミングtb15にて、第10スルーゲート858及び第11スルーゲート859への入賞が発生すると、その入賞分だけの保留情報の取得が行われる。
タイミングtb13にて開始された普図遊技の次の普図遊技がタイミングtb16で開始され、その直後である、タイミングtb17にて更に次の普図遊技が開始される。そうすると、タイミングtb18及びタイミングtb19にて、第10スルーゲート858及び第11スルーゲート859への入賞が発生すると、その入賞分だけの保留情報の取得が行われる。
つまり、第2状態においては、普図側の保留情報を定期的に取得させていくと、タイミングtb1(タイミングtb2)や、タイミングtb3(タイミングtb4)、タイミングtb6(タイミングtb7)、タイミングtb10(タイミングtb11)、タイミングtb14(タイミングtb15)、タイミングtb18(タイミングtb19)にて、第10スルーゲート858及び第11スルーゲート859への入賞が発生すると、入賞分の保留情報の取得が行われる状態となる。言い換えると、入賞分と同じ数の普図用の当否抽選が行われる状態となる。ここでは、2個分の保留情報の取得がなされ、2個分の普図用の当否抽選が行われることから、当該状態をダブル抽選状態とも称する。つまり、第2状態は、ダブル抽選状態となり易い状態といえる。
本変形例の遊技の流れを、図90を参照しながら説明する。
左ルートを流下するように遊技球を発射させ、第1作動口62への入賞が発生すると、特図側の当否抽選が行われる。特図側の当否抽選によって大当たり結果(1/200)となると、第4可変入賞装置900による16ラウンドの開閉実行モードが実施され、多量の賞球を得ることが可能となる。なお、図においては、第4可変入賞装置900をアタッカーと称して示している。
左ルートを流下するように遊技球を発射させると、第10スルーゲート858及び第11スルーゲート859への入賞が発生する。なお、図においては、これら第10スルーゲート858及び第11スルーゲート859を連続スルーとして示している。
連続スルー入賞が発生した場合において、第1状態では、第1状態用の普図変動表示時間テーブルが参照されて普図遊技が実行される。この場合、上記のようにシングル抽選状態となり易く、シングル抽選状態では、1回の連続スルー入賞に対して、1回の普図抽選が行われる。つまり、1の連続スルー入賞に基づく普図抽選にて開放結果となる確率は実質1000分の1となる。
一方、第2状態では、第2状態用の普図変動表示時間テーブルが参照されて普図遊技が実行される。この場合、上記のようにダブル抽選状態となり易く、ダブル抽選状態では、1回の連続スルー入賞に対して、2回の普図抽選が行われる。つまり、1の連続スルー入賞に基づく普図抽選にて開放結果となる確率は、それぞれの普図抽選で1000分の1であることから実質的に約500分の1となる。
普図抽選にて開放結果となると、第3可変入賞装置910が開放状態とされる。そして、第3可変入賞装置910内でV入賞が発生することによって、第4可変入賞装置900(アタッカー)による16ラウンドの開閉実行モードへ移行させることが可能となる。
第1状態と第2状態との切り換えは、特図側の当否抽選の結果によって行われ、大当たり結果となることに基づいて、第1状態から第2状態に切り換わる。その後、特図側の当否抽選が所定回数(50回)行われることによって、第2状態から第1状態に切り換わる。つまり、特図側の当否抽選にて大当たり結果となると、16ラウンドの開閉実行モードによる賞球を得るだけでなく、その後、第2状態によるダブル抽選状態という遊技者にとって有利な状態での遊技を行うことが可能となる。第2状態でV入賞を発生させると、16ラウンドの開閉実行モードへ移行し、その後、再び第2状態での遊技を行うことができる。この場合、残りの回数分だけ特図側の当否抽選が行われるまで当該第2状態が継続する。
以上のように、普図保留情報の取得数が、普図保留情報の記憶領域の空き数によって変化することを利用して、実質的な普図抽選の確率を変化させることができる。これにより、実際の普図抽選の確率を変化させることなく、実質的な普図抽選の確率を変化させるという斬新な遊技性を実現することができる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施の形態では、普図当否抽選において開放結果となる確率を約1/1としたが、これに限定されるものではなく、他の確率であってもよい。但し、電動役物66の開放頻度を高めたり、時間差A,Bが変化していく過程で特定領域RA2への遊技球の到達タイミングを電動役物66の開放期間に適合させ易くしたりする上では、開放結果となる確率が外れ結果となる確率よりも高くなる構成とすることが好ましい。
(2)上記各実施の形態では、第2作動口63の横幅、換言すれば、電動役物66が開放状態となった場合の受入領域RA1の横幅を約1個の遊技球分の大きさとしたが、2個以上の大きさとしてもよい。但し、2個以上の大きさとすると、スルーゲート35を通過した遊技球だけでなく、それ以外の遊技球も第2作動口63に入賞し易くなるため、第2作動口63への入賞率を調整する上では上記各実施の形態のように構成することが好ましい。
(3)上記各実施の形態では、受け部材245が前後に進退することで開閉する電動役物66を備えるが、前後回動タイプや横開きタイプ等の他の構成のものであってもよい。すなわち、第2作動口63の開口度合を変化させ得るものであれば、電動役物の構成は任意である。
(4)上記各実施の形態では、スルーゲート35と電動役物66(第2作動口63)とを縦並びに配置したが、これらの並び方向は横方向や斜め方向であってもよい。要は、遊技球の流れにおいてスルーゲート35が電動役物66の上流に位置すれば足り、これらの並び方向は任意である。
(5)上記各実施の形態では、スルーゲート35と電動役物66との間に遊技釘69a〜69dを設け、スルーゲート35を通過した遊技球を電動役物66(特定領域RA2)に誘導したり、当該遊技球以外の遊技球が電動役物66(特定領域RA2)に向かうことを阻害したりする構成としたが、これらの誘導手段や阻害手段を設けない構成としてもよい。但し、第2作動口63への遊技球の入賞率を安定させる上では上記各実施の形態のように構成することが好ましい。
また、誘導手段は必ずしも遊技釘によって構成される必要はなく、例えば、誘導方向に延びる壁部(連続する一の壁や断続的に並ぶ複数の壁)によって誘導手段を構成することもできる。このことは阻害手段についても同様である。壁部によって誘導手段を構成する場合は、当該壁部における遊技球の流路側の面(誘導面)を平坦状としてもよい。これにより、特定領域RA2に到達するまでの遊技球の流れを円滑化し、スルーゲート35を通過した遊技球が特定領域RA2に到達するまでの所要時間の安定化を促進することが可能になる。また、上記流路側の面に当該流路側に突出する少なくとも1つの突出部を設け、遊技球を減速させる減速手段を備える構成としたり、当該誘導手段をつづら折り状に形成するなど湾曲させる構成としたりしてもよい。このような構成とすることで、上記誘導手段の配置領域を、誘導領域としてだけでなく、特定領域RA2に到達するまでの遊技球の所要時間や、特定領域RA2に到達する際の遊技球の勢いを調整する調整領域としても利用することが可能になる。
なお、誘導手段は、必ずしも、スルーゲート35を通過した遊技球の全てが特定領域RA2に向かう構成とする必要はなく、例えば、スルーゲート35を通過した遊技球のうち、特定領域RA2に到達する遊技球の割合が到達しない遊技球の割合よりも高くなる(換言すれば、電動役物66が開放状態である場合に当該電動役物66に拾われる遊技球の割合が拾われない遊技球の割合よりも高くなる)など、当該誘導手段がない場合に比べて遊技球が特定領域RA2に向かい易くなる構成であれば足りる。また、阻害手段についても、スルーゲート35を通過した遊技球以外の遊技球が特定領域RA2に向かうことを完全に遮断する必要はなく、例えば、特定領域RA2に到達する遊技球のうち(換言すれば、電動役物66が開放状態である場合に当該電動役物66に拾われる遊技球のうち)、スルーゲート35を通過した遊技球の割合が通過していない遊技球の割合よりも高くなるなど、阻害手段がない場合に比べてスルーゲート35を通過した遊技球以外の遊技球が特定領域RA2に向かいにくくなるものであれば足りる。
(6)上記各実施の形態では、普図保留記憶数FNが4個となり易くするにあたり、普図変動表示時間を通常(0.05sec)よりも長い期間(10sec)とすることで、遊技球がスルーゲート35に入賞してから当該入賞に対応する電動役物66のサポート状態が終了するまでの特定期間を長くする構成としたが、これに代えて又は加えて、普図遊技回に係る停止表示時間を長くすることで上記特定期間を長くする構成としてもよい。
また、普図変動表示時間や停止表示時間に代えて又は加えて、普図オープニング期間、エンディング期間及び電動役物66の開放時間の少なくとも1つを長くすることで、上記特定期間を長くする構成としてもよい。但し、普図保留記憶数FNとの関係で特定期間を長くする構成の下では、普図変動表示時間及び/又は停止表示時間によって特定期間の変更を図る構成とすることが好ましい。
(7)上記各実施の形態では、第1通常遊技状態から第2通常遊技状態に変化させるための特定期間(10.5sec)を、第2通常遊技状態を維持するための特定期間(1.1sec)よりも長くしたが、それらを同一の時間長としてもよいし、長短を逆転させてもよい。要は、前者の特定期間については第1通常遊技状態から第2通常遊技状態に変化させ得るものであれば任意の長さとすることができ、後者についても第2通常遊技状態を維持し得るものであれば任意の長さとすることができる。
(8)上記各実施の形態では、サポート状態における電動役物66の開放回数を1回としたが、一のサポート状態で電動役物66が複数回開放する構成としてもよい。但し、上記各実施の形態のように、単位時間当たりのサポート状態への移行回数が多くなる構成の下では、一のサポート状態で電動役物66が複数回開放すると、回動板243や受け部材245等の可動体において変位の回数が著しく多くなり、摺動摩擦等による摩耗が進み易くなる。また、特定期間を遊技球の発射周期よりも短くするという条件の下では、1回当たりの開放時間を極度に短くする必要が生じ、第2通常遊技状態となっても第2作動口63に遊技球が入賞しなくなる事態が想定される。それらを踏まえると、上記各実施の形態のように1回開放とすることが好ましい。因みに、一のサポート状態で電動役物66が複数回開放する構成においては、スルーゲート35を通過した遊技球が電動役物66の1回目の開放動作の終了後(好ましくは1回目の開放動作の終了後で且つ2回目の開放動作の開始前)に特定領域RA2に到達する構成としてもよい。また、開放回数が3回以上の場合は、1回目に限らず、2回目以降の開放動作の終了後に到達する構成としてもよい。
(9)上記各実施の形態では、普図遊技の始動契機となる作動口として、通過型のスルーゲート35を設けたが、当該作動口は必ずしも通過型である必要はなく、当該作動口に入賞した遊技球が引き続き遊技領域PEを流下し得ない構成としてもよい。その際、スルーゲート35に入賞した遊技球を電動役物66に到達可能とする場合は、当該遊技球が遊技盤60の内部又は背面側に設けた球通路を通って電動役物66に到達する構成とするとよい。
(10)上記各実施の形態では、スルーゲート35への入賞に基づく保留情報が4個を上限として記憶される構成としたが、4個未満であってもよいし、5個以上であってもよい。また、スルーゲート35及び各作動口62〜64への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が相違する構成としてもよい。
(11)上記各実施の形態では、発射された遊技球が誘導部77を介さなくてもスルーゲート35に入賞し得る構成としたが、当該遊技球がスルーゲート35に入賞する場合は必ず誘導部77の誘導を受ける構成としてもよい。また、誘導部77によって遊技球をスルーゲート35に誘導する構成にあっては、発射された遊技球が遊技釘に当接することなく直接誘導部77に到達可能となる構成とするとよい。遊技釘に当接する場合と当接しない場合との両方が生じ得る構成であると、遊技球の勢いが相違することに起因して誘導に悪影響が及ぶおそれがあるためである。
(12)上記各実施の形態では、特別当たり結果に対応する開閉実行モードに移行した場合に可変入賞装置が1回だけ開放される構成としたが、一の開閉実行モードにて複数回開放する構成としてもよい。また、第3の実施の形態においては、有利特別当たり結果に対応する開放実行モードと、不利特別当たり結果に対応する開閉実行モードとで、開放回数が相違する構成としてもよい。さらには、有利特別当たり結果の中でその種別(例えば有利特別当たり結果Aと有利特別当たり結果B)に応じて開放回数が相違する構成としてもよい。このことは複数種類の不利特別当たり結果を設けた場合についても同様である。
(13)上記各実施の形態では、普図保留記憶数FNが所定数以上となることで第2作動口63への遊技球の入賞難易度が低下し、入賞し易くなる構成としたが、例えば、普図保留記憶数FNが所定数未満(例えば0)である場合に、電動役物66の開放期間と特定領域RA2への遊技球の到達タイミングとが適合する構成とするなどして、普図保留記憶数FNが所定数以上となることで第2作動口63への遊技球の入賞難易度が高くなり、入賞しにくくなる構成としてもよい。係る構成においては、通常時は普図保留記憶数FNが貯まり易く、特定の場合に普図保留記憶数FNが貯まらない又は貯まりにくくなる構成とするとよい。
(14)上各実施の形態では、普図保留記憶数FNが所定数以上となることで、スルーゲート35を通過した遊技球の第2作動口63への入賞率が変化する構成としたが、スルーゲート35を通過した遊技球以外の遊技球の第2作動口63への入賞率が変化する構成としてもよい。
(15)上記各実施の形態では、普図保留記憶数FNが所定数以上となることで、特典(例えば遊技球の払い出し)が得られ易くなる構成としたが、例えば一の入賞に対する遊技球の払い出し個数が多くなるなど、特典が有利となる構成としてもよい。
(16)上記各実施の形態では、遊技球がスルーゲート35を通過してから特定領域RA2に到達するまでの所要期間を、スルーゲート35への遊技球の入賞間隔(遊技球の発射周期)と同一の0.6secとすることで、スルーゲート35を通過した遊技球が電動役物66の閉鎖後に特定領域RA2に到達する構成としたが、係る構成を実現し得る範囲であれば上記所要期間を上記入賞間隔に比べて長くしてもよい。例えば、図91(a)に示すように、所要期間を1.0secとすれば、スルーゲート35を通過した遊技球が電動役物66における次の開放タイミング(タイミングt1A)よりも早く特定領域RA2に到達するものとなり、上記通過に対応する[1]の開放期間だけでなく、その次の[2]の開放期間でも遊技球が第2作動口63に入賞しなくなる。
但し、上記第1実施の形態のように所要期間を入賞間隔と同一とするか、所定期間を入賞間隔よりも短くする構成とすれば、図91(b)に示すように、先の通過タイミングt2Aから次の通過タイミングt2Bまでの間に、先の通過に係る遊技球の特定領域RA2への到達までが完了するものとなる。この場合、設計時において第2作動口63への入賞の有無を調整するにあたり、タイミングt2Aからタイミングt2Bまでの範囲Xで検討すれば足りるものとなる。すなわち、前に通過した遊技球や次に通過する遊技球を考慮しなくても済み、設計負荷を軽減することが可能になる。この点を踏まえると、所要期間は入賞間隔以下とし、先の通過に対応するサポート状態の終了後で且つ次の通過が発生する以前に、先の通過に係る遊技球が電動役物66に到達する構成とすることが好ましい。
(17)上記各実施の形態では、各作動口62〜64、スルーゲート35、電動役物66、受入領域RA1及び特定領域RA2を遊技領域PEに設けたが、それらのうちの少なくとも1つを、例えば所定の役物装置の内部など遊技領域PEとは異なる領域に設けてもよい。
(18)上記各実施の形態では、報知・演出制御装置143と表示制御装置660とを別々に設けたが、これら各制御装置143,660の機能を統合した1の制御装置を設けてもよい。
(19)上記各実施の形態では、スルーゲート35を通過した遊技球が第1作動口62にも入賞可能とし、スルーゲート35への入賞ルートと第1作動口62への入賞ルートとを共有化する構成としたが、それらのルートを独立した構成としてもよい。但し、両ルートを独立させた構成であると、第1作動口62への入賞率をある程度確保しようとした場合に、スルーゲート35への入賞率を下げて入賞率を稼がざるを得なくなる。この点を踏まえると、上記実施の形態の構成とすることが好ましい。このことは、上記各ルートを共有化している他の実施の形態においても同様である。
(20)上記第1の実施の形態では、第1特図に対応する作動口として第1作動口62と第2作動口63とを備えるが、第1作動口62を省略し、第1特図に対応する作動口の数を1個としてもよい。
(21)上記第1の実施の形態では、第3作動口64を可変入賞装置65の上方(上流側)に配置したが、前者を後者の下方(下流側)に配置してもよい。係る構成によれば、開閉実行モードが実行される場合に、遊技球が第3作動口64に入賞することで可変入賞装置65に入賞しなくなるといった不都合を抑制することが可能になる。
(22)上記第1の実施の形態では、普図保留記憶数FNが多くなることに応じて普図変動表示時間を長くするにあたり、普図保留記憶数FNが4個である場合の普図変動表示時間が一律に0.6secに設定されるものとしたが、係る場合の普図変動表示時間の平均(期待値)が普図保留記憶数FN=4個未満である場合のそれよりも長くなるものであれば、互いに長さの異なる複数の普図変動表示時間を設けて多様化する構成としてもよい。このことは他の実施の形態においても同様である。ここで、上記平均(期待値)は、設定可能な変動表示時間の種別数をN、各変動表示時間の長さをM、各変動表示時間の設定確率(選択確率)をKとした場合に、M(1)×K(1)+M(2)×K(2)+・・・M(N)×K(N)によって求めることができる。
また、上記第1の実施の形態では、普図保留記憶数FNが4個である場合の普図変動表示時間を上記記憶数FNが1〜3個である場合のそれよりも長くするものとしたが、1〜3個である場合のうちの1つと比べて長くするものとしてもよいし、上記記憶数FNが多くなるほど普図変動表示時間が長くなるものとしてもよい。このことは他の実施の形態においても同様である。
(23)上記第1の実施の形態において、普図保留記憶数FNが4個の場合に限らず、3個の場合にも普図変動表示時間が0.6secに設定される構成としてもよい。これにより、第2通常遊技状態の下で、発射した遊技球がスルーゲート35に入賞しないことがあってもその救済を図ることが可能になる。また、普図保留記憶数FNが3個の場合は、4個の場合に比べて普図保留記憶数FNの維持率が劣るように、0.6secよりも短く且つ0.05secよりも長くなる時間としてもよい。このような構成とすることで、スルーゲート35への未入賞が生じることを避けるべく、遊技に注力することが期待される。
(24)上記第2の実施の形態では、普図変動表示時間が特殊時間(200sec)に設定された場合に一律に第2通常遊技状態が連続するものとしたが、大当たりである場合の特図遊技回の変動表示時間の長さによって連続の有無や連続し易さが変化する構成としてもよい。例えば、上記特図遊技回の変動表示時間としてAsecの変動表示時間と、それよりも長いBsecの変動表示時間とを設ける。そして、大当たり結果に対応する開閉実行モードの実行期間(又はその見込み期間)がYsecである場合に、特定期間(遊技球がスルーゲート35に入賞してから当該入賞に対応する電動役物66のサポート状態が終了するまでの期間)がAsec+Ysecよりも長く、Bsec+Ysecよりも短くなるように、上記特殊時間を設定する。この場合、特図遊技回の変動表示時間がAsecに設定された場合は第2通常遊技状態が連続する(連続し易くなる)一方、Bsecに設定された場合は連続しない(又は連続しにくくなる)ものとすることができる。このように、特図側の変動表示時間の長さによって第2通常遊技状態の連続し易さが変化する結果、普図側の変動表示時間だけでなく、特図側の変動表示時間にも遊技者の注意を向けることができ、遊技への注目度を一層高めることが可能になる。
(25)上記第2の実施の形態では、普図保留記憶数FNが4個である場合に限り、特殊時間(200sec)の普図変動表示時間が設定され得る構成としたが(図37のステップS2106参照)、4個よりも少ない所定数(例えば1個)以上である場合に特殊時間に設定され得る構成としてもよい。すなわち、第2通常遊技状態の下で5R通常大当たり結果Bに当選した場合に普図変動表示時間が特殊時間に設定され得るものであればよい。
(26)上記第2の実施の形態では、第1特図で大当たり結果となった場合に限り、特殊時間(200sec)の普図変動表示時間が設定され得る構成としたが、第2特図で大当たり結果となった場合にも上記特殊時間が設定され得る構成としてもよい。
(27)上記第2の実施の形態において、第2通常遊技状態(中頻度サポートモード)と有利遊技状態(高頻度サポートモード)との第2作動口63への遊技球の入賞難易度を逆転させてもよく、また、同一のものとしてもよい。
(28)上記第3の実施の形態において、有利遊技状態(高頻度サポートモード)を省略してもよい。この場合において、V大当たりの獲得を期待できる遊技状態として第2通常遊技状態のみを備える構成としてもよいし、第2作動口63への入賞難易度が低くなるものであって、有利遊技状態とは異なる特殊遊技状態を第2通常遊技状態とは別に備える構成としてもよい。特殊遊技状態を備える構成にあっては、普図保留記憶数FNが所定数以上となること及び特図当否抽選にて大当たりに当選することとは別の事象の発生を契機として特殊遊技状態に移行する構成とするとよい。特殊遊技状態における第2作動口63への遊技球の入賞難易度は、第2通常遊技状態と異なるものであってもよいし、同一のものであってもよい。
(29)上記第3の実施の形態において、第2通常遊技状態(入賞サポート状態)と有利遊技状態(高頻度サポートモード)とにおける第2作動口63への遊技球の入賞難易度を逆転させてもよく、また、同一のものとしてもよい。
(30)上記第3の実施の形態では、第2通常遊技状態となった後、普図保留記憶数FNが0個となるまでそれが継続する構成としたが、普図保留記憶数FNが1個、2個又は3個となることで第2通常遊技状態が終了する構成としてもよい。例えば、普図保留記憶数FNが1個となることで第2通常遊技状態が終了する構成では、普図保留記憶数FNが1個である場合の特定期間(遊技球がスルーゲート35に入賞してから当該入賞に対応する電動役物66のサポート状態が終了するまでの期間)をスルーゲート35への遊技球の入賞間隔(遊技球の発射周期)よりも大幅に短くするとよい(例えば、特定期間が0.2secとなるように、普図変動表示時間や停止表示時間を設定する)。この場合、上記記憶数FNが1個の状態を維持しながら普図遊技を繰り返すことが不可能又は困難となり、結局のところ直ぐさま記憶数FNが0となって実質的に第2通常遊技状態を終了させることができる。なお、このことは他の実施の形態においても同様である。
(31)上記第3の実施の形態では、普図保留記憶数FNが4個である場合の特定期間をスルーゲート35への遊技球の入賞間隔(遊技球の発射周期)よりも短くすることで、第2通常遊技状態が一時的なものになる構成としたが、上記第1の実施の形態のように、大当たりに当選するまで第2通常遊技状態が継続し得る構成としてもよい。逆に、上記第1や第2の実施の形態等において、第3の実施の形態のように第2通常遊技状態が一時的なものとなる構成としてもよい。
(32)上記第3の実施の形態では、第2作動口63(第2特図)への入賞に基づいて、それぞれ所定数(4個)を上限として保留情報が記憶される構成としたが、保留情報が記憶されない構成としてもよい。このようにすれば、構成の簡素化を図ることができる。
(33)上記第3の実施の形態では、普図保留記憶数FNが所定数以上となることで第2通常遊技状態になる構成としたが、スルーゲート35への入賞に基づくものであって、普図保留記憶数FNとは異なる他の指標値が所定数以上となることに基づいて第2通常遊技状態になる構成としてもよい。例えば、スルーゲート35への入賞に基づいてポイント数を取得し、当該ポイント数の積算値が所定数となることに基づいて第2通常遊技状態となる構成とするとよい。その場合において、都度の取得ポイント数や積算数を報知して遊技者が上記指標値を把握できる構成としてもよいし、上記ポイント数や積算数を報知しない構成として、それらを推測する面白みを付加したり、第2通常遊技状態が生じる際の突然感を創出したりするようにしてもよい。この際、普図保留情報が記憶されない構成としてもよい。このことは他の実施の形態においても同様である。
(34)上記第3の実施の形態では、第2通常遊技状態に係る各種報知演出として特別演出表示S1〜S6を図柄表示装置75の表示画面75aに表示する構成としたが、図柄表示装置75とは別に他の表示装置を設け、上記各特別演出表示S1〜S6を上記他の表示装置の表示画面に表示させる構成としてもよい。また、図柄表示装置75及び上記他の表示装置の両方に表示させたり、それらを跨いで表示させたりする構成としてもよい。この場合、特別演出表示S1〜S6の全部を上記他の表示装置に表示する構成としてもよいし、特別演出表示S1〜S6の一部を上記他の表示装置に表示する構成としてもよい。その際、表示画面75a上の図柄列に対する遊技者の注意や関心が削がれることを抑制するため、当該他の表示装置の表示画面を図柄表示装置75の表示画面75aよりも小さくしたり、表示画面75aよりも遊技盤60の前面中央部から離れた位置に配置したりするとよい。但し、メイン表示部43と比較した場合は、表示領域を大きくしたり、遊技盤60の前面中央部に近い位置に配置したりするとよい。また、第2通常遊技状態に係る各種報知演出は、必ずしも表示画面上に画像(静止画や動画)を表示するものに限らず、電飾部材等の発光演出装置を用いたものであってもよい。さらには、必ずしも視覚的なものである必要はなく、例えば、音を用いた聴覚的なものであってもよい。
(35)上記第3の実施の形態では、第2可変入賞装置500が低振分態様及び高振分態様のいずれの態様で開閉制御される場合であっても、共通の第3特別演出表示S3−Aを表示する構成としたが、係る表示演出の態様を第2可変入賞装置500の開閉制御の態様に応じて異ならせるものとしてもよい。例えば、第3特別演出表示S3−Aとして、文字表示526における文字の色が異なる第1報知と第2報知とを設け、第2可変入賞装置500が低振分態様で開閉制御される場合は第1報知が表示され易く、高振分態様で開閉制御される場合は第2報知が表示され易くするとよい。これにより、遊技者がV入賞を目指すにあたって、第2可変入賞装置500の開閉制御の態様を示唆することが可能となる。
(36)上記第3の実施の形態において、普図保留記憶数FNに基づいて第2可変入賞装置500の振分態様(V入賞の発生し易さ)を変化させる構成としてもよい。例えば、普図保留記憶数FNが4個の場合は第2可変入賞装置500が低振分態様で開閉制御され(又はされ易くなり)、上記記憶数FNが3個の場合は高振分態様で開閉制御される(又はされ易くなる)構成とするとよい。これにより、普図保留記憶数FNとV入賞の発生し易さとをより密接に関連付けることができ、スルーゲート35への遊技球の入賞や普図保留記憶数Fに対する遊技者の関心を好適に高めることが可能になる。
(37)上記第3の実施の形態では、第2可変入賞装置500内のシャッタ508の動作によって、V入賞が発生するか否かといった有利度の高低を実現したが、他の役物によって、有利度の高低を実現してもよい。例えば、遊技領域PEにおいて第2可変入賞装置500の上流に当該役物を設け、当該役物が第1位置に配置される場合には、第2可変入賞装置500へ遊技球が誘導されるようにし、当該第1位置とは異なる第2位置に配置される場合には、第2可変入賞装置500へ遊技球が誘導されない又は誘導されにくい構成とする。そして、当該役物の動作を遊技回における停止表示のタイミングから開始する構成とし、当該役物が第1位置に配置されるタイミングが、開閉実行モードにおいて第2可変入賞装置500が開放されているタイミングと重複したり重複しなかったりするように、停止表示の開始タイミングから第2可変入賞装置500の開放タイミングまでの時間を調節する。
(38)上記第4の実施の形態では、第1特図側の当否抽選にて大当たり結果となった場合や、第2特図側の当否抽選にて大当たり結果Aとなった場合に、上大入賞口710aを開放状態とする構成としたが、例えば、開閉実行モード毎や各ラウンド毎にて上大入賞口710aを開放状態とするか、下大入賞口700aを開放状態とするかを抽選等により決定する構成としてもよい。この場合、第1特図側の当否抽選にて大当たり結果となった場合と、第2特図側の当否抽選にて大当たり結果となった場合とで、上大入賞口710aが選択される確率(下大入賞口700aが選択される確率)が異なる構成としてもよく、第2特図側の当否抽選にて大当たり結果となった場合の方が第1特図側の当否抽選にて大当たり結果となった場合よりも上大入賞口710aが選択される確率が低くなる構成としてもよい。また、逆に、第2特図側の当否抽選にて大当たり結果となった場合の方が第1特図側の当否抽選にて大当たり結果となった場合よりも上大入賞口710aが選択される確率が高くなる構成としてもよい。
これらに代え、又は加えて、大当たり結果の種類によって上大入賞口710aが選択される確率が異なる構成としてもよい。例えば、16R確変大当たり結果となることで、上大入賞口710aが選択される又は選択され易くなる構成としてもよい。
(39)上記第4の実施の形態では、入賞容易状態となることで特別当たり結果に基づく開閉実行モードが頻繁に実行され得る有利状態となり、上大入賞口710aが開放状態とされることで当該有利状態が終了する構成としたが、かかる入賞容易状態を終了させる構成を他の実施の形態の構成に適用してもよい。
(40)上記第4の実施の形態では、上開閉扉710bの前面が遊技盤60の前面に対して平行となる閉鎖状態と、遊技盤60に対して起立する開放状態とに変位する構成を前提として、スルーゲート35への入賞率を変化させる構成としたが、上可変入賞装置710の開閉態様は上記のものに限定されない。例えば、上可変入賞装置710を、羽が開閉される所謂電動チューリップタイプの開閉役物により構成し、羽を開放することでスルーゲート35への入賞率が低下し、羽を閉鎖することでスルーゲート35への入賞率が向上する構成としてもよい。
(41)上記第4の実施の形態では、大当たり結果となることで上大入賞口710aが開放状態とされ得る構成としたが、特別当たり結果となることで上大入賞口710aが開放される構成としてもよい。この場合、特別当たり結果に基づく開閉実行モードでは、開放上限期間が1.8secとされるところ、かかる開閉実行モードにおいて上大入賞口710aが開放状態とされても入賞容易状態は継続し得る。但し、普図保留記憶数FNは、上限である4未満となって、上限数よりも少ない記憶数である状況で普図側の遊技回が開始され得る。そのため、入賞容易状態はその後、しばらくして終了することとなる(徐々に普図保留記憶数FNが少なくなる)。このようにすることで、特別当たり結果に基づく開閉実行モードが行われ得る期間を限定的なものとすることができ、出球率の高騰を抑制しつつ、上記の斬新な遊技性を実現することが可能となる。
また、この場合、特別当たり結果に基づく開閉実行モードが実行されるタイミングも入賞容易状態の継続性に関与させることが可能となる。例えば、入賞容易状態において普図側の遊技回が開始された直後にスルーゲート35への入賞が発生するとともに、上大入賞口710aが開放状態とされれば、次の普図遊技回は上大入賞口710aが開放状態である最中に開始されるものの、保留情報が上限数である状況で開始される遊技回となり、その次の普図遊技回は上大入賞口710aが閉鎖状態となってから開始されるものとなる。そのため、この場合、上大入賞口710aが閉鎖状態となってから普図側の保留情報を補充する余地が生じ、入賞容易状態を継続させることが可能となる(再び上限数に達しさせることができる)。
さらに、第2特図側の当否抽選にて特別当たり結果に基づく開閉実行モードが実施され得る構成であればよく、第2特図側の当否抽選の結果として大当たり結果が設けられていなくてもよい。また、第2特図側の当否抽選の結果として、特別当たり結果の代わりに又は特別当たり結果に加えて、少数(例えば2回)のラウンド遊技が行われる大当たり結果を設け、入賞容易状態となることで当該少数のラウンド遊技が頻繁に行われる構成としてもよい。この場合、少数のラウンド遊技が行われる結果に、例えば198/200で当選し、当該結果よりも多いラウンド遊技が行われる結果に、例えば1/200で当選する構成としてもよい。なおこの場合、残りの1/200は外れ結果とするとよい。
(42)上記第4の実施の形態の第1変形例では、上大入賞口710aが開放状態とされるか下大入賞口700aが開放状態とされるかの分岐ラウンドを最終ラウンドとして設定したが、大当たり結果に基づく開閉実行モードにおける他のラウンドを分岐ラウンドとしてもよい。例えば、1回目のラウンド(第1ラウンド)を分岐ラウンドとしてもよいし、途中のラウンドを分岐ラウンドとしてもよい。また、大当たり結果の種類によって、分岐ラウンドがいずれのラウンドにて実行されるかが異なる構成としてもよい。更に、いずれのラウンドが分岐ラウンドとされるか、また、分岐ラウンドとされるラウンドの数等を、抽選等によって決定する構成としてもよい。
(43)上記第4の実施の形態の第1変形例では、分岐ラウンドにて第1特別ラウンド演出又は第2特別ラウンド演出を実行する構成としたが、分岐ラウンドとは異なるラウンドにて第1特別ラウンド演出(祝福演出)を実行する構成としてもよい。この場合、あたかも分岐ラウンドが最終ラウンドとは異なるラウンドでも存在するかのように思わせることが可能となる。
(44)上記第4の実施の形態の第1変形例では、第1特別ラウンド演出や第2特別ラウンド演出を、分岐ラウンドにて実行する構成としたが、当該分岐ラウンドよりも前のラウンドから、第1特別ラウンド演出や第2特別ラウンド演出を開始させ、分岐ラウンドにていずれのラウンド演出となるかが判別可能となる構成としてもよい。また、分岐ラウンドのラウンド遊技中に第1特別ラウンド演出や第2特別ラウンド演出を実行する構成としたが、分岐ラウンドの前又は後のインターバル期間も含めて第1特別ラウンド演出や第2特別ラウンド演出を実行する構成としてもよい。
(45)上記第4の実施の形態の第1変形例における、第1特別ラウンド演出や第2特別ラウンド演出、通常ラウンド演出、特別当たり用ラウンド演出が、上記のものに限定されないことは言うまでもない。
(46)上記第4の実施の形態の第2変形例では、開閉実行モードに移行することに基づいて、普図変動表示時間テーブルの切換が生じて、普図遊技回の変動表示時間がそれまでの変動表示時間と異なるものとなり得る構成としたが、普図変動表示時間テーブルの切換を生じさせずに、単に開閉実行モード中である場合には特定の普図変動表示時間がセットされる処理構成(変動表示時間テーブルを参照せずに変動表示時間がセットされる処理構成)としてもよい。
(47)上記第4の実施の形態の第2変形例では、普図保留記憶数FNが上限数である状況で開始される普図変動表示時間を、上大入賞口710aが開放される場合の最短継続期間よりも長い普図遊技時間となり得る変動表示時間が選択され得る構成としたが、その他の保留数である状況で開始される普図変動表示時間も、開閉実行モード中以外の状況と比較して長い変動表示時間が選択され得る構成として、上大入賞口710aが開放される場合であっても入賞容易状態が継続し得る構成としてもよい。
(48)上記第4の実施の形態の第2変形例や第3変形例において、上大入賞口710aが開放状態とされる期間と、インターバル期間との合計期間が固定期間となるようにしたが、上大入賞口710aが開放されるラウンド遊技において、上大入賞口710aが開放状態とされていた期間に応じて、インターバル期間の長さが設定される構成としてもよい。この場合、上大入賞口710aを早期に閉鎖状態としたほど、インターバル期間が長くなることが好ましく、当該インターバル期間にて普図側の保留情報の補充を行える程度の長さのインターバル期間が設定され得る構成が好ましい。
(49)上記第4の実施の形態の第2変形例や第3変形例において、インターバル期間がラウンド遊技の長さに応じて変更される構成としたが、普図側の保留情報の補充が行える程度の長さのインターバル期間としたうえで、当該インターバル期間の長さが変更されない構成としてもよい。
(50)上記第4の実施の形態の第3変形例のバトル演出において、上大入賞口710aへ1球入賞する度に敵キャラが10体倒される構成としたが、1球毎に倒される敵キャラ数が異なる構成としてもよい。この場合、上限入賞個数の入賞時に敵キャラが全滅されるように、それまでの入賞に基づいて倒される敵キャラ数を調節するとよい。例えば、所定回数目の入賞として、初回の入賞時(1球目の入賞時)は55体倒されるものの、以降の入賞時ではそれよりも少ない数として5体ずつの敵キャラが倒される構成としてもよい。
さらに、上大入賞口710aへの入賞時における入賞補助継続時間の残り時間によって、倒される敵キャラ数を設定する構成としてもよい。例えば、入賞補助継続時間の残り時間が長い時間である状況での入賞では多数の敵キャラが倒されるものの、残り時間が短い時間である状況での入賞では少数の敵キャラが倒される構成としてもよい。
また、上大入賞口710aへの入賞時における入賞補助継続時間の残り時間と、今回のラウンド遊技における入賞数とに基づいて、倒される敵キャラ数を設定する構成としてもよい。例えば、上限入賞個数までの残り個数と発射周期との積よりも入賞補助継続時間の残り時間が短い場合には、当該ラウンド遊技の終了までに入賞補助継続時間が0となることから、少数の敵キャラが倒される、又は入賞させても敵キャラを倒すことができない構成としてもよい。
(51)上記第4の実施の形態の第3変形例のバトル演出において、上限入賞個数までの残り個数と発射周期との積よりも入賞補助継続時間の残り時間が短い場合には、入賞補助継続時間の経過を待たずにHP表示における色つきハートマークの数を0として、敗北演出を設定する構成としもよい。この場合、例えば、敵キャラが攻撃(ダメージ付与演出)が通常時とは異なる攻撃である強攻撃とし、例えば、必殺技(ジャンプ+噛みつき)をメインキャラクタに対して繰り出す演出を行う構成としてもよい。
(52)上記第4の実施の形態の第3変形例のバトル演出において、ラウンド遊技の開始後、所定期間が経過するまでは、入賞補助継続時間が経過したり、上限入賞個数までの残り個数と発射周期との積よりも入賞補助継続時間の残り時間が短い状況が生じた場合であっても、敗北演出を発生させない構成としてもよい。これは、ラウンド開始後、余りにも早期に敗北演出を発生させてしまうと、ラウンド遊技への興味が削がれてしまいかねないためである。
(53)上記第4の実施の形態の第3変形例のバトル演出において、開始時の敵キャラ数を一定のものとしたが、開始時の敵キャラ数を異ならせる構成としてもよい。例えば、ラウンド遊技の開始時における入賞補助継続時間の長さに応じて、開始時の敵キャラ数を異ならせる構成としてもよい。具体的には、ラウンド遊技の開始時における入賞補助継続時間が長いほど、開始時の敵キャラ数を少なく設定する構成としてもよい。
(54)上記第4の実施の形態の第3変形例のバトル演出において、登場させる敵キャラに強弱を設定してもよい。例えば、入賞補助継続時間が短く、ラウンド遊技の終了までに入賞補助継続時間が0となる可能性が高い場合には、強敵キャラを登場させて、入賞を発生させても倒されない等してもよい。逆に、入賞補助継続時間が長く、入賞補助継続時間が0となるよりも早くラウンド遊技が終了される可能性が高い場合には、弱敵キャラを登場させて、入賞を発生させた場合に倒される敵キャラ数を多くしたりしてもよい。
(55)上記第4の実施の形態の第3変形例のバトル演出において、メインキャラクタ、敵キャラクタ、敵数表示、HP表示等は上記のものに限定されないことは言うまでもない。
(56)上記第4の実施の形態の第3変形例のように、スルーゲート53への入賞タイミングと、普図側の保留数と、普図側の変動表示時間と、上可変入賞装置710への入賞タイミングと、の関係でバトル演出を行う場合、遊技球の発射強度によって上可変入賞装置710への入賞率が変化する構成としてもよい。具体的には、例えば、図92に示すように、遊技球が左ルート1を流下するように発射させた場合と、左ルート2を流下するように発射させた場合とで、上可変入賞装置710への到達率が異なるように、上可変入賞装置710や、スルーゲート35及び電動役物66の配置を設定してもよい。より詳しくは、上可変入賞装置710が開放状態とされている状況において、遊技球を第1の発射強度で発射させることによって左ルート1を流下させた場合の上可変入賞装置710への入賞率と、遊技球を第1の発射強度とは異なる(それよりも強い)第2の発射強度で発射させることによって左ルート2を流下させた場合の上可変入賞装置710への入賞率と、が異なる(左ルート1の方が左ルート2よりも入賞率が高くなる)ように、上可変入賞装置710や釘69等の配置(ゲージ構成)を設定してもよい。このようにすることで、上記バトル演出において勝利するべく、上可変入賞装置710への入賞率を上げるように発射強度を調節するといった遊技性が明確化され、興趣向上が図られる。
(57)上記第4の実施の形態の第4変形例のように、スルーゲート35と上可変入賞装置710との間を遊技球が通過可能な構成とする場合において、上可変入賞装置710が設けられている位置を通過せずにスルーゲート35へ遊技球が到達しないように釘69等を配置してもよい。この場合、上可変入賞装置710の上開閉扉710bが開放状態となっている状況で、上開閉扉710bと衝突せずにスルーゲート35へ入賞することが制限される。つまり、上開閉扉710bが開放状態となっている場合においては、上大入賞口710a側ではなく上開閉扉710bからこぼれ落ちた遊技球だけがスルーゲート35へ入賞することが可能な構成となる。このようにすることで、上可変入賞装置710が開放状態となっている状況でスルーゲート35への入賞を許容しつつも、その入賞を最低限のものとすることが可能となり、入賞容易状態を終了させ易くすることができる。
(58)上記第4の実施の形態における第4変形例のように、上可変入賞装置710が開放状態となった場合であってもスルーゲート35へ入賞する余地が残される構成においても、上可変入賞装置710とスルーゲート35との位置関係や、誘導釘群69g,69hの有無やその配置は上記のものに限定されない。
(59)上記第4の実施の形態における第4変形例では、上大入賞口710aが開放状態となっている際に上可変入賞装置710へ到達した遊技球の殆どが上大入賞口710aへ入賞し、そのうちの一部が上開閉扉710bからこぼれ落ちてスルーゲート35へ入賞する構成としたが、上大入賞口710aとスルーゲート35への入賞割合は上記のものに限定されない。例えば、殆どがスルーゲート35へ入賞し、そのうちの一部が上大入賞口710aへ入賞する構成であってもよい。上大入賞口710aへの入賞割合を低下させることで、入賞容易状態を終了させにくくすることが可能であるとともに、一のラウンド遊技を長く楽しませることが可能となる。この場合、大入賞口710aへの入賞割合が低下することによって、開閉実行モード終了までの発射球数が多くなり、開閉実行モード後の持ち球が大入賞口710aの入賞割合を低下させない場合よりも少なくなる可能性がある。しかし、当該入賞割合を低下させることによって入賞容易状態が継続することとなるため、その観点からすると遊技者は好ましく感じるものと考えられる。よって、開閉実行モードにおいて実質的に増加する持ち球数を低下させても不都合は生じない。
また、上大入賞口710aとスルーゲート35への入賞割合を同等又はほぼ同等のものとすると、上大入賞口710aが開放状態となっている際に上可変入賞装置710へ到達した遊技球がいずれへ入賞するかを楽しむ遊技が追加され、遊技性を向上させることが可能となる。
(60)上記第4の実施の形態の第4変形例において、上開閉扉710bが開放状態となっている際に上方から流下する遊技球を受ける位置(開放状態となっている上開閉扉710bの上面)に遊技球が転動可能な転動部を設け、当該転動部における転動態様によって、上可変入賞装置710へ到達した遊技球が、上大入賞口710aへ入賞するかスルーゲート35へ入賞するかが変化する構成としてもよい。このようにすることで、遊技球の挙動をより楽しませることが可能となる。
(61)上記第4の実施の形態の第4変形例において、上大入賞口710aが開放状態とされるラウンド遊技中の上可変入賞装置710への到達タイミングによって、上大入賞口710aとスルーゲート35への入賞割合が変化する構成としてもよい。例えば、当該ラウンド遊技における開始からの経過時間によって上開閉扉710bの開放割合(開放角度、変位角度、変位態様)を変化させて、上大入賞口710aへの入賞率を変化させ、それによって到達遊技球の上大入賞口710aとスルーゲート35との入賞割合を変化させる構成としてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド遊技の開始後所定タイミングまでは、スルーゲート35よりも上大入賞口710aの方が入賞し易く、当該所定タイミング以後は、上大入賞口710aよりもスルーゲート35の方が入賞し易くする構成、又はその逆の構成としてもよい。
(62)上記第4の実施の形態の第5変形例や第6変形例のように、スルーゲート35への入賞率を変化させる構成が上可変入賞装置710によらない構成であっても、スルーゲート35への入賞率が低下する際に、他の入賞部(例えば一般入賞口61)への入賞率が向上する構成としてもよい。例えば、第5変形例において、可動役物820が退避状態から突出状態に変位してスルーゲート35への入賞が制限される際に、所定の一般入賞口61へ入賞し易くなり、可動役物820が突出状態から退避状態に変位することでスルーゲート35への入賞が許容される一方で当該所定の一般入賞口61への入賞が制限される構成としてもよい。また、例えば、第6変形例では、回転体800を楕円形状とする等して、回転体800の収容部810が上方を向く位置に配置されて遊技球が収容される状況では回転体800の一部が所定の一般入賞口61への入賞の障壁となる位置に配置されて当該所定の一般入賞口61への入賞が制限され、回転体800の収容部810が上方を向く位置から回転することで、当該回転体の一部が所定の一般入賞口61への入賞の障壁とならない位置に配置されるようになって当該所定の一般入賞口61への入賞が許容される構成としてもよい。
(63)上記第4の実施の形態の第5変形例における可動役物820の形状や配置、変位態様等は上記のものに限定されない。例えば、可動役物820を左右に動作可能な振分弁とし、一方に動作することでスルーゲート35への入賞を制限するようになり、他方に動作することでスルーゲート35への入賞を許容するようになる構成としてもよい。
(64)上記第4の実施の形態の第5変形例や第6変形例において、可動役物820や回転体800が周期的に動作する構成としたが、当該周期は上記のものに限定されない。具体的には、遊技球の発射周期よりも長い周期で動作する構成としてもよい。また、当該周期の開始契機は、例えば、パチンコ機10の電源投入時からとしてもよいし、開閉実行モードの開始タイミングとしてもよいし、特図遊技回や普図遊技回の開始タイミングとしてもよい。
(65)上記第4の実施の形態において、スルーゲート35の上流側に上可変入賞装置710や可動役物820等を配置する構成の場合、スルーゲート35の少なくとも一部が上可変入賞装置710や可動役物820等と上下に重なる位置に配置されることで上可変入賞装置710が開放状態となった場合や可動役物820が突出位置に変位した場合にスルーゲート35への入賞率が低下する構成であればよく、スルーゲート35における一部が上可変入賞装置710や可動役物820等と上下に重ならない構成であってもよい。
また、スルーゲート35が上可変入賞装置710や可動役物820等と上下に重ならない構成であっても、上可変入賞装置710が開放状態となることで又は可動役物820が突出位置に変位することで、スルーゲート35への流下の障壁が生じる構成であればよい。例えば、上可変入賞装置710を横方向に変位可能な羽部材が開閉される所謂電動チューリップタイプの役物とする場合、当該羽部材が横方向に変位して上大入賞口710aへの入賞が容易となる状況で、当該横方向に変位した羽部材とスルーゲート35とが上下に重なる一方で、羽部材が反対方向に変位して上大入賞口710aへの入賞が制限される場合には、当該羽部材とスルーゲート35とが上下に重ならないようにしてもよい。
(66)上記第4の実施の形態において、スルーゲート35の上流側に上可変入賞装置710や可動役物820等を配置したうえで、上可変入賞装置710が開放状態となった場合や可動役物820が突出位置に変位した場合にスルーゲート35への入賞率が低下する構成としたが、上可変入賞装置710が開放状態となることで又は可動役物820が突出位置に変位することでスルーゲート35への入賞率が低下する構成であればよく、スルーゲート35と上可変入賞装置710や可動役物820の位置関係は上記のものに限定されない。例えば、上可変入賞装置710の上開閉扉710bの開閉動作や可動役物820の前後動作とリンクして動作する役物を設け、上開閉扉710bが開放状態に変位する際や可動役物820が突出位置に変位する際に当該役物がスルーゲート35への入賞の障壁となるように動作する構成としてもよい。この場合、上可変入賞装置710や可動役物820はスルーゲート35の上流側に配置されていなくてもよい。
(67)上記第4の実施の形態において、上可変入賞装置710が開放状態とされることでスルーゲート35への入賞率が低下する構成としたが、上可変入賞装置710が開放状態とされることでスルーゲート35への入賞率が向上し、上可変入賞装置710が閉鎖状態とされることでスルーゲート35への入賞率が低下する構成としてもよい。この場合、上可変入賞装置710によるラウンド遊技が実施されることで入賞容易状態へ移行可能となる、といった新たな遊技性を実現可能となる。
(68)上記第5の実施の形態において、第2スルーゲート850の位置は、スルーゲート35や電動役物66の下流側や、スルーゲート35の上方に限定されず、他の位置であってもよい。例えば、右ルートを流下する遊技球が入賞可能な位置(可変表示ユニット67の右方)に配置してもよい。
(69)上記第5の実施の形態において、第2スルーゲート850を複数個設ける構成とし、一の第2スルーゲート850への入賞に基づく普図遊技を実行中に、当該普図遊技の実行契機となった遊技球とは異なる遊技球が、他の第2スルーゲート850へ入賞可能となるように、各第2スルーゲート850を配置する構成としてもよい。このようにすることで、遊技球の流下の挙動によっては、一の第2スルーゲート850への入賞と他の第2スルーゲート850への入賞とが連続する場合が生じ、当該連続する入賞によって普図保留記憶数FNを増加させることが可能となる。よって、第2作動口63への入賞が発生する機会や、入賞容易状態への移行機会を増やすことが可能となる。
(70)上記第5の実施の形態において、第2スルーゲート850を、スルーゲート35を通過した遊技球が必ず通過する位置、又はスルーゲート35を通過した殆どの遊技球が通過する位置に設ける構成としてもよい。このようにすることで、普図保留記憶数FNが1個以上となる機会が増加し、第2作動口63への入賞や入賞容易状態への移行を発生させ易くすることが可能となる。
(71)上記第5の実施の形態において、連続入賞可能なスルーゲートを設ける構成の場合、複数のスルーゲートの間隔を、普図遊技の周期よりも長い時間で遊技球が流下する間隔としてもよい。この場合、複数のスルーゲートの間隔において、釘69等によって流下に要する時間が変化し得る構成とし、普図遊技の周期よりも長い時間で遊技球が流下する場合と、普図遊技の周期よりも短い時間で遊技球が流下する場合とが生じる構成としてもよい。
(72)上記第5の実施の形態において、第2スルーゲート850を、スルーゲート35と電動役物66との間に設けてもよい。
(73)上記第5の実施の形態の第1変形例において、1つの普図保留情報が取得される第1ルートR1と2つの普図保留情報が取得される第2ルートR2とに振分弁867によって振り分けられる構成としたが、各ルートに振り分けられることによって取得される普図保留情報の数はこれらに限定されない。例えば、1つの普図保留情報が取得されるルートと3つ以上の普図保留情報が取得されるルートとに振り分けられる構成としてもよく、振り分けられるルートによって取得される普図保留情報の数が異なり得る構成であれば良い。
(74)上記第5の実施の形態の第1変形例において、振分弁867によって2つのルートに振り分けられる構成としたが、これよりも多いルートに振り分けられ得る構成としてもよい。例えば、1つの普図保留情報が取得されるルートと2つの普図保留情報が取得されるルートとの他に、3つの普図保留情報が取得されるルートにも振り分けられ得る構成としてもよい。また、3つ以上のルートに振り分けられる構成の場合、それぞれのルートで取得される普図保留情報の数が異なる構成であってもよいし、各ルートのうち同じ数の普図保留情報が取得されるルートが存在する構成であってもよい。
(75)上記第5の実施の形態の第1変形例において、第1ルートR1と第2ルートR2との振り分け率は上記のものに限定されない。第2ルートR2の方が第1ルートR1よりも振り分けられ易い構成であってもよい。
(76)上記第5の実施の形態の第1変形例のように、振分弁867の振分によって、取得される普図保留情報の数が異なることとなる構成において、振分弁867の振分態様(動作態様)を周期的なものとしたが、この周期的な動作を常時行わせる構成に代え、又は加えて、遊技状態(遊技状況)によって振分態様(動作態様)を変化させる構成としてもよい。すなわち、第1ルートR1(第2ルートR2)への振分率が第1率となるように振分弁867の振分制御を行う第1遊技状態と、第1ルートR1(第2ルートR2)への振分率が上記第1率とは異なる第2率となるように振分弁867の振分制御を行う第2遊技状態とを有し、所定条件成立に基づいてこれら第1遊技状態と第2遊技状態との移行を行う構成である。具体的には、上記第1遊技状態として、例えば通常遊技状態では、第2ルートR2よりも第1ルートR1へ振り分けられ易くなるように振分弁867の振分制御を実行し、第2遊技状態として、例えば開閉実行モードでは、第1ルートR1よりも第2ルートR2へ振り分けられ易くなるように振分弁867の振分制御を実行する構成としてもよい。
(77)上記第5の実施の形態の第1変形例において、第1ルートR1を流下した遊技球と第2ルートR2を流下した遊技球とのいずれもが入賞可能な電動役物870を設けたが、それぞれのルートR1,R2にそれぞれ個別に電動役物を設ける構成としてもよい。
また、一方のルートには電動役物を設けるものの、他方のルートには電動役物を設けない構成、すなわち、一方のルートを流下した遊技球は入球可能であって他方のルートを流下した遊技球は入球不可となる電動役物を設ける構成としてもよい。この場合、振り分けられ易いルート(上記実施の形態では第1ルートR1)側を流下した遊技球が入球可能となるように電動役物を設ける構成とするとよい。
(78)上記第5の実施の形態の第2変形例において、転動部880を設ける位置について、例えば、表示画面75aに隣接した箇所であるとよい。遊技者は通常、表示画面75aの表示演出にて遊技の行方を楽しんでいると考えられるところ、このような遊技者の視線をさほど動かすことなく転動部880における転動面881を確認できる構成とすることで、表示演出とともに転動面881にて遊技球が転動する様を存分に楽しませることが可能となる。表示画面75aに隣接した箇所として、例えば、表示画面75aの下方、右方又は左方とすると、転動面881の落下口882〜884から落下する遊技球が通過する導出通路891〜893を配置するうえで、表示画面75aがその配置の障壁とならず、好ましい。
(79)上記第5の実施の形態の第2変形例においても、他の変形例と同様に、各導出通路891〜893に設けるスルーゲートの数(普図保留記憶数FNの取得数)は上記のものに限定されない。また、導出通路891〜893の数や、いずれの導出通路891〜893に導出されるかの割合等も、他の変形例と同様に、上記のものに限定されない。
(80)上記第5の実施の形態の第2変形例において、導出通路891〜893から導出される位置に、電動役物66を設けてもよい。この場合、導出通路891〜893のそれぞれに電動役物66を設けてもよいし、第1変形例のように導出通路891〜893のいずれから導出される遊技球であっても入球可能な一の電動役物を設ける構成としてもよい。
(81)上記第5の実施の形態の第2変形例において、転動部880へは、左ルートを流下した遊技球が通過する通過領域から導出される構成としたが、通過領域の入口は左ルートに限定されず他の位置であってもよい。また、通過領域を介さずに、遊技領域PEを流下する遊技球が、そのまま転動部880へ到達可能としてもよい。
(82)上記第5の実施の形態の第2変形例において、遊技球を導出通路891〜893へ導出するための転動部880の構成は上記のものに限定されない。例えば、転動面881を固定式のものではなく可動式の構成とし、波のように左右又は前後に動作して遊技球の挙動に変化を与える構成であってもよい。また、同一の転動面881から全ての落下口882〜884へ落下可能な構成ではなく、複数の転動面を有する構成として各転動面を段差が生じるように配置したうえで、これら複数の転動面に落下口882〜884をそれぞれ設ける構成としてもよい。より具体的には、例えば、第1の転動面に第1落下口882を設け、第2の転動面に第2落下口883を設け、第3の転動面に第3落下口884を設け、第1〜第3の転動面に段差を設けて、第1の転動面→第2の転動面→第3の転動面といったように遊技球が転落可能な構成とする。そして、第1の転動面では、例えば第1落下口882から落下するか、それとも第2の転動面に落下するかを楽しませ、第2の転動面では第2落下口883から落下するか、それとも第3の転動面に落下するかを楽しませる、といったように、普図側の保留情報の取得数が異なるルートが多段的に振り分けられる構成としてもよい。これは、他の変形例においても同様である。
(83)上記第5の実施の形態の第3変形例や第4変形例において、普図保留記憶数FNが上限個数マイナス1個(連続スルーの個数よりも少ない数)となる数(3個)に維持され易くして1個の保留情報の空きが生じ易い状態と、普図保留記憶数FNが上限個数マイナス2個(連続スルーの個数)となる数(2個)以下に維持され易くして2個以上の保留情報の空きが生じ易い状態と、が生じるように普図用変動表示時間テーブルを設定したが、各状態において連続スルー入賞によって取得される保留情報の個数が異なることとなればよく、各状態の保留情報の空き個数は上記のものに限定されない。例えば、連続するスルーゲートの数を2個ではなく3個とする場合、普図保留記憶数FNが上限個数マイナス1個である3個に維持され易い状態と、上限個数マイナス2個である2個に維持され易い状態と、上限個数マイナス3個である1個以下に維持され易い状態と、が生じるように普図用変動表示時間テーブルを設定してもよい。この場合、上記連続スルー通過によって、普図保留情報が1個取得され易い状態と、2個取得され易い状態と、3個取得され易い状態とを創出することが可能となる。
(84)上記第5の実施の形態の第3変形例や第4変形例において、設定される変動表示時間の長短を用いて保留情報の消化速度と保留情報の補充速度との関係性を調節し、普図保留記憶数FNの空き数を調整する構成としたが、他のパラメータによって保留情報の消化速度と保留情報の補充速度との関係性を調節して普図保留記憶数FNの空き数を調節する構成としてもよい。他のパラメータとしては、例えば、普図遊技における抽選が開放結果であった場合に電動役物66が開放状態で維持される時間(サポート時間)や、第4変形例のように停止表示時間によって消化速度を変化させる構成であってもよい。また、第5の実施の形態における第1変形例の振分弁867等のように、スルーゲート858,859等への入賞頻度を調節することで保留情報の補充速度を変化させる構成であってもよい。
また、遊技状態によって保留情報の記憶可能な上限数を変化させることで、普図保留記憶数FNの空き数を調節する構成としてもよい。例えば、保留情報の記憶可能な上限数を1とする状態と2とする状態とを設けて、連続スルー入賞時に1個の保留情報が取得され易い状態と2個の保留情報が取得され易い状態とを設定する構成としてもよい。
(85)上記第5の実施の形態の第3変形例や第4変形例において、保留情報が連続スルーのスルーゲートの数分だけ取得され易い状態(第2状態)を、普図遊技の消化速度の方が補充速度よりも速くなる変動表示時間と、それよりも若干長い変動表示時間(第3変形例では、普図遊技の消化速度よりも補充速度の方が早くなる変動表示時間)とを組み合わせることで実現したが、消化速度の方が補充速度よりも速くなる変動表示時間のみによって実現する構成としてもよい。この場合、普図保留記憶数FNの空きはスルーゲートの数よりも多い数となり易くなり、具体的には普図保留記憶数FNは2個未満となり易くなる。このようにすれば、変動表示時間テーブルの構成をより簡素なものとすることができる。但し、このようにすると、第3変形例においては入賞容易状態が維持し難くなるため、上記の組み合わせの方が好ましい。
(86)上記第5の実施の形態の第3変形例において、第1状態と第2状態とで第2作動口63への入賞に基づく特図側の変動表示時間を変化させる構成としてもよい。具体的には、入賞容易状態となった場合に第2作動口63への入賞が発生し易い第2状態の方が第1状態よりも第2作動口63への入賞に基づく特図側の変動表示時間を短くする。このようにすることで、第2作動口63への入賞に基づく特図側の保留情報の消化速度を速くすることができ、第2作動口63への入賞頻度が高くなる恩恵を存分に享受させることができる。
(87)上記第5の実施の形態の第3変形例において、第2作動口63への入賞に基づいて第2特図側の当否抽選が行われる構成としてもよい。つまり、入賞容易状態となることで特別当たり結果となり易い有利状態となる構成としてもよい。この場合、第1状態と第2状態とで入賞容易状態となった場合の第2作動口63への入賞率が異なる構成であるため、第1状態と第2状態とで入賞容易状態となった場合の特別当たり結果となる頻度を変化させることが可能となる。つまり、特別当たり結果に基づく開閉実行モードの実行頻度が異なる複数の遊技状態を創出することが可能となる。
(88)上記第5の実施の形態の第4変形例において、普図保留記憶数FNが所定数以上である状態が維持されることで遊技者にとって有利となる構成としてもよい。所定数としては、一の連続スルーの入賞によって普図保留情報が1個だけ取得され易い第1状態では3個であって、普図保留情報が2個取得され易い第2状態では2個であるとよい。特に、第1状態において普図保留記憶数FNを3個で維持するメリットを遊技者に提示することで、第1状態において遊技球の発射態様を調節して、普図保留記憶数FNが2個以下である状況を維持し、第1状態であっても普図保留情報を2個取得させる行為を抑止することができる。
第1状態において普図保留記憶数FNを3個で維持するメリットとしては、例えば、第1状態において普図保留記憶数FNが3個以上である状況で開放結果となった場合の方が、2個以下である状況で開放結果となった場合よりも、第3可変入賞装置910の開放時間を長くする等して、実質的なV入賞率を高くする構成が考えられる。
(89)上記第5の実施の形態の第4変形例において、普図用の当否抽選にて当選した場合に第3可変入賞装置910が開放される構成とし、当該第3可変入賞装置910内のV入賞によって第4可変入賞装置900による16ラウンドの開閉実行モードが実行される構成としたが、他の実施の形態等のように、普図用の当否抽選にて当選した場合に、第2特図側の保留情報の取得が可能となる構成としてもよい。また、普図用の当否抽選にて当選した場合、第3可変入賞装置910への入賞が許容される一方でV入賞が発生しない構成とし、第3可変入賞装置910への入賞に基づく賞球を付与する遊技性としてもよい。
(90)上記第5の実施の形態の第4変形例において、第3可変入賞装置910が開放状態とされた場合にV入賞する確率は上記のものに限定されないことは言うまでもない。また、かかるV入賞する確率の算出について、第3可変入賞装置910が開放状態とされる回数に対してV入賞が発生する回数の割合として算出する構成としてもよいし、第3可変入賞装置910が開放状態とされる時間の長さに対するV入賞が発生し得る状況の時間の長さの割合として算出する構成としてもよいし、第3可変入賞装置910への入賞個数に対するV入賞数の割合として算出する構成としてもよい。
(91)上記第5の実施の形態の第4変形例において、普図側の当否抽選にて開放結果となった場合に第3可変入賞装置910を開放状態とする構成としたが、他の実施の形態等のように、普図側の当否抽選に開放結果となった場合に特図側の作動口への入賞が許容され、当該特図側の作動口への入賞に基づく特図側の当否抽選にて当選した場合に第3可変入賞装置910を開放状態とする構成としてもよい。
(92)上記各実施の形態において、普図保留記憶数FNが増加することによって入賞容易状態となる構成としたが、普図側の抽選系統の他の情報(例えば、開放乱数カウンタC4や普図変動種別カウンタC5の抽選用情報、抽選用情報の取得タイミング等)によって入賞容易状態となる構成としてもよい。また、上記各実施の形態における第2通常遊技状態(入賞容易状態)のほか、所謂高頻度サポートモードや電チューモードについても、特図側の抽選系統ではなく普図側の抽選系統によって移行させる構成としてもよい。
(93)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更には、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各特徴群に記載された発明は、「パチンコ機等の遊技機として、遊技球が入球可能な入球部を備え、当該入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を行うものが知られている(例えば特開2005−074175号公報参照)。」という背景技術について、「興趣向上を図る上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構110)と、
遊技球が入球可能な入球部(スルーゲート35)と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選用情報(普図変動種別カウンタC5)を取得する情報取得手段(主制御装置162による普図当否抽選を実行する機能)と、
前記情報取得手段が取得した抽選用情報に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選手段(主制御装置162によるスルー用の入賞処理を実行する機能)と、
前記抽選手段により抽選処理が行われることに基づいて第1遊技(普図遊技回)を実行する第1遊技実行手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が所定結果となることに基づいて、前記第1遊技の実行後に当該第1遊技とは異なる第2遊技(電動役物66のサポート状態への移行)を実行する第2遊技実行手段(主制御装置162による普図遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記第1遊技又は前記第2遊技の実行中に前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、当該入球に対応する抽選用情報を保留記憶する保留記憶手段(電役保留エリア643)と、
を備え、
所定の場合(第1通常遊技状態である場合)に、前記入球部に遊技球が入球してから当該入球に対応する前記第2遊技が終了するまでの第1期間(普図遊技期間)が、前記発射手段における遊技球の発射周期に対応する第2期間よりも短くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
上記構成においては、入球部への遊技球の入球に基づいて抽選処理及び第1遊技が実行され、抽選処理の結果が所定結果である場合は第1遊技の実行後に第2遊技が実行される。このような構成の下、所定の場合に、入球部に遊技球が入球してから当該入球に対応する第2遊技が終了するまでの第1期間が遊技球の発射周期に対応する第2期間よりも短くなる構成とされている。この場合、入球部への次の入球が生じるよりも早く第2遊技が終了するため、未だ第1遊技が開始されていない保留記憶が追加されない(又は追加されにくい)状態となる。その結果、保留記憶がない状況下であれば、入球部への入球から第2遊技までの一連の遊技を繰り返す中で保留記憶がない状態を持続させ易くすることが可能になる。
また、上記構成では、入球部への次の入球が生じるよりも早く第2遊技が終了することで、次の第1遊技を実行するにあたり、上記次の入球が発生することを待機する待機期間が発生する。その結果、第1遊技延いては第2遊技の開始タイミングが入球部への入球タイミングに依存するものとなる。係る関係は、保留記憶がない状態が持続されている間、入球部へのいずれの入球に対しても同様に成立し得るものとなり、常に第2遊技の開始タイミングを入球部への入球タイミングに対応付けておくことが可能になる。一方で、保留記憶が発生した場合は、入球部への次の入球を待つことなく第2遊技が開始されることから、第2遊技が入球タイミングとは無関係に実行されるものとなる。この場合において、例えば、第2遊技が入球部への入球タイミングに依存して開始される場合と、第2遊技が入球タイミングとは無関係に開始される場合とで有利度合に差異が生じる構成とすれば、保留状況に応じて有利な遊技状態へと移行させることが可能となる。これにより、大当たり等の特別な遊技結果とならなくても有利な遊技状態に移行する機会を提供することができ、興趣性が向上する。
なお、「遊技球の発射周期に対応する第2期間」には、遊技球の発射周期の他、例えば、入球部への遊技球の入球周期(入球間隔)などの当該発射周期に対して依存性や関連性を有する期間が含まれると解することができる。
特徴A2.予め定められた所定条件が成立することに基づいて前記第1期間を前記第2期間よりも長い期間(10.5sec)とする手段(普図変動表示時間を10secとする機能)を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、保留記憶がない状況下では保留記憶が発生しない(又は発生しくい)遊技性とされている中でも、保留記憶を発生させたり、保留記憶数を増やしたりする機会を適正に確保することができる。これにより、保留記憶がない状況が永続化することが回避され、遊技の単調化を抑制することが可能になる。
特徴A3.前記保留記憶手段における保留記憶数が所定数以上(4個)である場合に前記第1期間を前記第2期間よりも長い期間(1.1sec)とする手段(普図変動表示時間を0.6secとする機能)を備えていることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、保留記憶数が所定数以上となった場合に、係る状態をその後も安定して維持することが可能になる。これにより、第2遊技が入球部への入球タイミングに依存して開始される場合と、第2遊技が入球タイミングとは無関係に開始される場合とが頻繁に切り替わることが抑制される。その結果、遊技者が落ち着いて遊技を進めたり、安心して遊技を進めたりすることが可能となり、気軽に遊技し易くすることができる。
特徴A4.前記入球部を第1入球部として備え、
遊技球が入球可能なものであって前記第1入球部とは異なる第2入球部(第2作動口63)と、
前記第2入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態(開放状態)と、前記入球部に遊技球を受入不能又は前記第1状態よりも受け入れにくい第2状態(閉鎖状態)と、に切り替わり可能な可変受入手段(電動役物66)と、を備え、
前記第2遊技実行手段として、前記抽選手段の抽選結果が所定結果となることに基づいて前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後前記第2状態とする可変受入制御を行う可変受入制御手段(主制御装置162による普図遊技状態移行処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技として可変受入制御が行われるところ、保留記憶手段の保留状況に応じて、可変受入手段の第1状態への切り替えタイミングや第1状態から第2状態への復帰タイミングを変化させることができる。これにより、保留状況の変化に基づいて可変受入手段への遊技球の入球し易さを変化させることができる。その結果、特別な遊技結果となっていない遊技者に対しても入球容易状態で遊技する機会を提供することができ、遊び易さや親しみ易さを向上させることが可能になる。
特徴A5.前記可変受入手段は、前記第2状態から前記第1状態に切り換えられた場合に、遊技球を受入可能な受入領域(受入領域RA1)を特定領域(特定領域RA2)に形成し、前記受入領域に受け入れた遊技球を前記入球部に受け入れるように構成されており、
前記保留記憶手段における保留記憶数が所定数以上(1以上)である場合において、前記可変受入制御の実行間隔と前記特定領域への遊技球の到達間隔との長さが相違する構成とされていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
上記構成によれば、保留記憶数が所定数以上である場合の可変受入制御の実行間隔と、特定領域(受入領域が形成される領域)への遊技球の到達間隔とにおいて相互の長さが相違するため、保留記憶数が所定数以上である中で、入球部への入球から第2遊技(可変受入制御)までの一連の遊技が繰り返されることにより、可変受入手段の第1状態への切り替えタイミング(又は第1状態から第2状態への復帰タイミング)と遊技球の特定領域への到達タイミングとの時間差(位相差)を変化させていくことができる。これにより、保留記憶数が所定数以上となることで第2入球部への遊技球の入球し易さを変化させることができ、保留記憶数と入球容易状態とを紐づけた遊技性の実現を図ることが可能になる。
なお、特徴A5において「可変受入制御の実行間隔」を「先の前記可変受入制御が実行されてから後の前記可変受入制御が実行されるまでの期間である実行間隔」、「一の前記可変受入制御が実行されてから次の前記可変受入制御が実行されるまでの期間である実行間隔」と読み替えてもよい。また、特徴A5において「特定領域への遊技球の到達間隔」を「先行する遊技球が前記特定領域に到達してから後続の遊技球が前記特定領域に到達するまでの期間である到達間隔」又は「一の遊技球が前記特定領域に到達してから次の遊技球が前記特定領域に到達するまでの期間である到達間隔」と読み替えてもよい。
特徴A6.前記実行間隔及び前記到達間隔の一方の長さが前記実行間隔及び前記到達間隔の他方の長さの非整数倍となっていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入制御の実行間隔と特定領域への遊技球の到達間隔とが非同期となるため、上記時間差を確実に変化させていくことができ、第2入球部への遊技球の入球し易さを適正に変化させることが可能になる。
特徴A7.前記可変受入制御において前記可変受入手段が前記第1状態とされる期間(電動役物66の開放時間)の長さが、前記実行間隔と前記到達間隔との差分(時間差A及びBの1回当たりの変化幅)以上の長さとされていることを特徴とする特徴A5又はA6に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入制御の実行間隔と特定領域への遊技球の到達間隔との差分は、上記時間差が累積的に変化していく過程で1回分の変化幅となるところ、可変受入手段が第1状態とされる期間の長さが係る変化幅以上の長さとされていることで、特定領域への遊技球の到達タイミングが上記第1状態とされる期間を跨いで変化することが抑制される。これにより、保留記憶数が所定数以上である場合において、第2入球部への遊技球の入球機会を適正に確保することが可能になる。
特徴A8.前記保留記憶手段における保留記憶数が所定数以上(1以上)である場合において、前記可変受入制御の実行間隔を固定化する手段(保留数が4個である場合の普図変動表示時間を0.6secに固定化し且つ電動役物66の開放期間を0.1secに固定化する機能)を備えていることを特徴とする特徴A5乃至A7のいずれかに記載の遊技機。
例えば、保留記憶数が所定数以上である場合において可変受入制御の実行間隔が多様化されている構成であると、上記一連の遊技が繰り返される中で上記時間差が不規則に変化していく。この場合、設計段階において第2入球部への入球率(可変受入手段による受入率)を把握しにくくなり、設計負担が増すばかりか、遊技中において想定外に入球率が上昇したりするなどの不都合が懸念される。この点、本構成によれば、可変受入制御の実行間隔を安定させられることから上記時間差を規則的に変化させていくことができる。これにより、第2入球部への入球率を把握し易くなり、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
特徴A9.前記第1入球部に入球した特定遊技球が前記特定領域に到達可能な構成とされており、
前記到達間隔が前記特定遊技球の前記特定領域への到達間隔であることを特徴とする特徴A5乃至A8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1入球部への入球に基づく抽選の結果に基づいて可変受入手段の状態が切り替えられる中で、第1入球部に入球した遊技球が第2入球部にも入球するか否かを楽しむ遊技性となり、第1入球部への入球から第2入球部への入球までの流れを遊技者が一連の遊技として捉え易くなる。そればかりか、第1入球部に入球した遊技球に注目していれば足りるものとなるため、注目箇所を明確化することができ、遊技者の注意が散漫化することを抑制したり、遊技性の理解を容易化したりすることが可能になる。
なお、特徴A9の「前記第1入球部に入球した特定遊技球が前記特定領域に到達可能な構成とされており」を「遊技球が通過可能な通過部として前記第1入球部を備えており、前記通過部を通過した特定遊技球が前記特定領域に到達可能な構成とされており」と読み替えてもよい。
特徴A10.前記特定遊技球を前記特定領域に誘導する手段(遊技釘69a〜69d)を備えていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
上記構成によれば、入球部に入球した遊技球を安定して特定領域に到達させることができ、遊技者が安心して遊技し易くなる。そればかりか、特定領域への遊技球の到達間隔を安定させることもでき、設計段階において第2入球部への入球率を把握し易くすることが可能になる。
特徴A11.前記特定遊技球とは異なる遊技球が前記特定領域に到達することを阻害する手段(遊技釘69a〜69d)を備えていることを特徴とする特徴A9又はA10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技球とは別の遊技球が特定領域への到達ルートに進入することが抑制される。これにより、特定遊技球に他の遊技球が衝突して特定領域への到達が妨げられたり、特定遊技球以外の遊技球が第2入球部に入球したりすることが抑制され、遊技者の安心感や到達間隔の安定性を向上させることが可能になる。そればかりか、設計段階において第2入球部に対する特定遊技球以外の遊技球の入球を考慮する必要性が緩和され、設計負荷を軽減することが可能になる。
特徴A12.前記可変受入手段は、前記第2状態から前記第1状態に切り換えられた場合に、遊技球を受入可能な受入領域(受入領域RA1)を特定領域(特定領域RA2)に形成し、前記受入領域に受け入れた遊技球を前記第2入球部に受け入れるように構成されており、
前記第1入球部に入球した特定遊技球が前記特定領域に到達可能な構成とされており、前記特定遊技球が当該入球に対応する前記可変受入制御の終了後に前記特定領域に到達するように、前記特定遊技球が前記特定領域に到達するまでの所要期間が設定されていることを特徴とする特徴A4乃至A11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、保留記憶がない状況下では第2入球部に遊技球が入球不能(又は入球困難)な状態を維持しつつ、保留記憶が生じることで第2入球部に遊技球が入球可能(又は入球容易)な状態に変化させることができる。すなわち、保留記憶が生じることで入球容易状態に移行する遊技性を実現することができる。これにより、特別な遊技結果となっていない遊技者に対しても入球容易状態で遊技する機会を提供することができるばかりか、保留記憶を発生させようとする意欲を増強することもでき、遊技への注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴A13.前記第1遊技実行手段は、所定の報知手段(役物用表示部44)にて遊技回用動作を開始し、前記抽選手段の抽選結果に対応した報知結果として遊技回用動作を終了する遊技回制御手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記第1期間が前記第2期間よりも短くなる場合において、前記遊技回制御手段における前記遊技回用動作の期間(普図変動表示時間)よりも前記可変受入制御において前記可変受入手段が前記第1状態とされる期間(電動役物66の開放時間)が長くなるように構成されていることを特徴とする特徴A4乃至A12のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回用動作の期間よりも可変受入手段が第1状態とされる期間が長くなっているため、第1期間が第2期間よりも短く第1及び第2遊技に使用可能な期間が制限されている中でも、可変受入手段が第1状態とされている状態を目立たせることができる。これにより、第2入球部に入球し易い印象を遊技者に与え易くすることができ、遊技意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴A14.前記第1遊技実行手段は、所定の報知手段(役物用表示部44)にて遊技回用動作を開始し、前記抽選手段の抽選結果に対応した報知結果として遊技回用動作を終了する遊技回制御手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記第1期間が前記第2期間よりも短くなる場合において、前記可変受入制御において前記可変受入手段が前記第1状態とされる期間(電動役物66の開放時間)よりも前記遊技回制御手段における前記報知結果の報知期間が長くなるように構成されていることを特徴とする特徴A4乃至A13のいずれかに記載の遊技機。
可変受入手段が動いていることは比較的に短時間で把握できるものの、報知内容の認識には一定の期間を要することが想定される。この点、本構成では、可変受入手段が第1状態とされる期間よりも報知結果の報知期間が長くなっているため、第1期間が第2期間よりも短く第1及び第2遊技に使用可能な期間が制限されている中でも、報知結果の認識を容易化して遊技者の混乱を抑制することが可能になる。
特徴A15.遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構110)と、
遊技球が入球可能な入球部(スルーゲート35)と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選用情報(普図変動種別カウンタC5)を取得する情報取得手段(主制御装置162による普図当否抽選を実行する機能)と、
前記情報取得手段が取得した抽選用情報に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選手段(主制御装置162によるスルー用の入賞処理を実行する機能)と、
前記抽選手段により抽選処理が行われることに基づいて第1遊技(普図遊技回)を実行する第1遊技実行手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が所定結果となることに基づいて、前記第1遊技の実行後に当該第1遊技とは異なる第2遊技(電動役物66のサポート状態への移行)を実行する第2遊技実行手段(主制御装置162による普図遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記第1遊技又は前記第2遊技の実行中に前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、当該入球に対応する抽選用情報を保留記憶する保留記憶手段(電役保留エリア643)と、
を備え、
所定の場合に、前記入球部に遊技球が入球してから当該入球に対応する前記第2遊技が終了するまでの第1期間(普図遊技期間)が、前記入球部への遊技球の入球間隔に対応する第2期間よりも短くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、上記特徴A1と同様の効果が期待される。なお、特徴A15の「前記入球部への遊技球の入球間隔」を「先行する遊技球が前記入球部してから後続の遊技球が前記入球部に入球するまでの期間である入球間隔」と読み替えてもよい。また、特徴A15に対して上記特徴A2乃至A14のいずれかに記載の各構成を適用してもよい。
特徴A16.遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構110)と、
遊技球が入球可能な入球部(スルーゲート35)と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選用情報(普図変動種別カウンタC5)を取得する情報取得手段(主制御装置162による普図当否抽選を実行する機能)と、
前記情報取得手段が取得した抽選用情報に基づいて特定遊技(普図遊技回及び電動役物66のサポート状態への移行)を実行する特定遊技実行手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理及び普図遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定遊技の実行中に前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、当該入球に対応する抽選用情報を保留記憶する保留記憶手段(電役保留エリア643)と、
を備え、
所定の場合に、前記入球部に遊技球が入球してから当該入球に対応する前記特定遊技が終了するまでの特定期間(普図遊技期間)が所定期間(遊技球の発射周期)よりも短くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、入球部に遊技球が入球してから当該入球に対応する特定遊技が終了するまでの特定期間が所定期間よりも短くなるように構成されているため、入球部への次の入球が生じるよりも早く特定遊技が終了するものとなる。その結果、未だ特定遊技が開始されていない保留記憶が追加されない(又は追加されにくい)状態となり、保留記憶がない状況下であれば、入球部への入球から特定遊技までの一連の遊技を繰り返す中で保留記憶がない状態を持続させることが可能になる。
また、上記構成では、入球部への次の入球が生じるよりも早く特定遊技が終了することで、次の特定遊技を実行するにあたり、上記次の入球が発生することを待機する待機期間が発生する。その結果、特定遊技の開始タイミングが入球部への入球タイミングに依存するものとなる。係る関係は、保留記憶がない状態が持続されている間、入球部へのいずれの入球に対しても同様に成立し得るものとなり、常に特定遊技の開始タイミングを入球部への入球タイミングに対応付けておくことが可能になる。一方で、保留記憶が発生した場合は、入球部への次の入球を待つことなく特定遊技が開始されることから、特定遊技が入球タイミングとは無関係に実行されるものとなる。この場合において、例えば、特定遊技が入球部への入球タイミングに依存して開始される場合と、特定遊技が入球タイミングとは無関係に開始される場合とで有利度合に差異が生じる構成とすれば、保留状況に応じて有利な遊技状態へと移行させることが可能となる。これにより、大当たり等の特別な遊技結果とならなくても有利な遊技状態に移行する機会を提供することができ、興趣性が向上する。
なお、上記特徴A1乃至A16の各構成に対して、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C12、特徴D1乃至D8、特徴E1乃至E9、特徴F1乃至F14、特徴G1乃至G13、特徴H1乃至H10、特徴I1乃至I12、特徴J1乃至J8、特徴K1乃至K13、特徴L1乃至L9のいずれか1の構成にて示した技術役思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴B群>
特徴B1.遊技球が入球可能な入球部(スルーゲート35)と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選用情報(普図変動種別カウンタC5)を取得する情報取得手段(主制御装置162による普図当否抽選を実行する機能)と、
前記情報取得手段が取得した抽選用情報に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選手段(主制御装置162による普図当否抽選を実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果に応じた特定遊技(普図遊技回及び電動役物66のサポート状態への移行)を実行する特定遊技実行手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理及び普図遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定遊技の実行中に前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、当該入球に対応する抽選用情報を保留記憶する保留記憶手段(電役保留エリア643)と、
を備え、
遊技状態として遊技者にとっての有利度合が相対的に高低となる第1遊技状態(第1通常遊技状態、低頻度サポートモード)と第2遊技状態(第2通常遊技状態、中頻度サポートモード)とを有しており、
前記保留記憶手段の保留記憶数が所定数以上(1以上)となることに基づいて、遊技状態が前記第1遊技状態から当該第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な前記第2遊技状態となるようにする手段(普図保留記憶数FNが1以上である場合に第2通常遊技状態又は中頻度サポートモードとなるようにする機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、保留記憶数を増加させた場合に、当該増加分に応じた抽選回数の確保に留まらず、有利な第2遊技状態に変わるというメリットも併せて提供することができる。これにより、保留記憶数を増やす面白みが増強され、入球部への入球を目指す意欲を好適に喚起することが可能になる。さらに、上記構成によれば、大当たり等の特別な遊技結果とならなくても、有利な第2遊技状態で遊技する機会を提供することができる。これにより、遊技者の関心が上記特別な遊技結果のみに集約されることが抑制され、多様な楽しみ方を提供することが可能になる。
なお、特徴B1において「前記保留記憶手段の保留記憶数が・・・前記第2遊技状態となるようにする手段」を「前記保留記憶手段の保留記憶数が所定数以上(1以上)となることに基づいて遊技状態を前記第1遊技状態から当該第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な前記第2遊技状態に移行させる移行手段(普図保留記憶数FNが1以上である場合に第2通常遊技状態又は中頻度サポートモードに移行させる機能)」と読み換えてもよい。
特徴B2.第1入球部として前記入球部を備え、
遊技球が入球可能なものであって前記第1入球部とは異なる第2入球部(第2作動口63)と、
前記第2入球部への遊技球の入球に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162による第2作動口63用の開閉実行モードへの移行機能、払出制御装置181による第2作動口63への入賞に基づく賞球機能)と、
を備え、
前記第2遊技状態は、前記第2入球部への入球難易度が前記第1遊技状態よりも低くなるものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技状態となることで第2入球部に遊技球が入球し易くなり、当該入球に基づく特典が得られ易くなる。これにより、保留記憶数を増加させた場合に、当該増加分に応じた抽選回数が確保されるに留まらず、上記特典が得られ易くなるというメリットも併せて提供することができる。
特徴B3.前記第2入球部に遊技球が入球することに基づいて抽選処理を実行する第2抽選手段(主制御装置162による特図当否抽選を実行する機能)と、
前記第2抽選手段による抽選処理の結果が特定結果となることに基づいて遊技者にとって有利な特別遊技(開閉実行モード)を実行する特別遊技実行手段(主制御装置162による遊技状態移行処理を実行する機能)と、を備えていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技状態となることで特別遊技が実行され易くなる。これにより、保留記憶数を増加させた場合に、当該増加分に応じた抽選回数の確保に留まらず、特別遊技が実行され易くなるというメリットも併せて提供することができる。
特徴B4.前記所定数が2以上の数であることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれかに記載の遊技機。
例えば、第2遊技状態への契機である保留記憶数を1とした場合は、設計段階で想定できなかった事象により保留記憶が発生した場合に直ちに第2遊技状態となり、遊技場での運用に支障を来すおそれがある。この点、本構成によれば、所定数が2以上の数とされていることで余裕を確保することができ、想定外の保留発生により第2遊技状態となることを抑制することが可能になる。
特徴B5.前記第2遊技状態となった場合に、前記保留記憶数が所定数以上であることを条件として当該第2遊技状態を継続させる手段(普図保留記憶数FNが1以上である限り第2通常遊技状態又は中頻度サポート状態を継続させる機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、保留記憶数が所定数以上である限り第2遊技状態が継続されるため、第2遊技状態になった後、保留記憶数を維持しようとする意欲を強く喚起することができる。これにより、入球部に遊技球が入球するか否かへの遊技者の関心が高まり、遊技への注目度を向上させることが可能になる。
特徴B6.遊技球が入球可能又は入球し易い第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不能又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)と、に切り替わり可能な可変入球部(可変入賞装置65)と、
予め定められた所定条件(大当たり当選)が成立することに基づいて前記可変入球部を前記第2状態から前記第1状態に切り替える切替手段(主制御装置162による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球部への遊技球の入球に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出制御装置181による可変入賞装置65への入賞に基づく賞球機能)と、
を備え、
前記可変入球部に遊技球が入球した場合に前記入球部への入球が回避、又は前記可変入球部が前記第1状態に切り替えられた場合に前記入球部への遊技球の入球が阻害される構成とされていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球部に遊技球が入球した場合に入球部への入球が回避、又は可変入球部が第1状態に切り替えられた場合に入球部への遊技球の入球が阻害されるため、所定条件の成立により可変入球部が第1状態に切り替えられることで、保留記憶数を減らすことができる。これにより、第2遊技状態を終了させることができ、当該状態が永続することを回避可能になる。その際、可変入球部への入球に基づく特典の付与と引き換えに第2遊技状態が終了するため、第2遊技状態が終了するだけに留まる場合に比べて遊技者の理解が得られ易くなり、遊技者の不満や落胆を軽減することが可能になる。
なお、特徴B6を特徴B2に適用する場合において、「前記可変入球部への入球に対応する特典が前記第2入球部への入球に対応する特典よりも遊技者にとって有利となっている」という特徴を付加してもよい。これにより、可変入球部が第1状態に切り替えられた場合に、入球部に入球させるよりも可変入球部に入球させる方が遊技者にとって有利となり、可変入球部への入球を好適に促すことが可能になる。
また、特徴B6を特徴B3に適用する場合において、特徴B3の「特別遊技実行手段」の構成を削除した上で、特徴B6の切替手段に係る構成を「前記第2抽選手段の抽選処理の結果が特定結果となることに基づいて前記可変入球部を前記第2状態から前記第1状態に切り替える」としてもよい。第2遊技状態は第2入球部への入球が容易化される状態であるところ、第2入球部への入球に基づく抽選処理の結果に応じて第2遊技状態の終了契機が発生する構成とすることで、第2遊技状態の終了を避けて遊技することが困難化される。これにより、第2遊技状態を確実に終了させることが可能になる。
特徴B7.前記切替手段として、前記所定条件が成立することに基づいて前記可変入球部を前記第2状態から前記第1状態とし、その後前記第2状態とする可変入球制御を少なくとも1回実行する特別遊技(開閉実行モード)を実行する特別遊技実行手段(主制御装置162による遊技状態移行処理を実行する機能)を備え、
前記特定遊技実行手段は、前記特別遊技実行手段により特別遊技が実行される場合に、予め定められた特定条件が成立することに基づいて前記特定遊技の実行期間を前記特別遊技の実行期間よりも長くする手段(普図変動表示時間を200secとする機能)を備えていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技の実行が第2遊技状態の終了契機となるところ、特定条件が成立した場合に特定遊技の実行期間を特別遊技の実行期間よりも長くする構成とされている。この場合、特別遊技の実行中における保留記憶数の減少が抑制され、特別遊技を跨いで保留記憶数を維持することができる。これにより、特別遊技の実行契機となる所定条件が第2遊技状態の下で成立した場合は、特別遊技の終了後も引き続き第2遊技状態に移行させることができ、第2遊技状態を連続させることが可能になる。
特徴B8.前記特別遊技として、第1特別遊技と、当該第1特別遊技よりも遊技者にとって有利な第2特別遊技とを実行可能な構成とされており、
前記特定遊技実行手段は、前記特別遊技実行手段により前記第1特別遊技が実行される場合に、前記特定条件が成立することに基づいて前記特定遊技の実行期間を前記第1特別遊技の実行期間よりも長くする手段(普図変動表示時間を200secとする機能)を備えていることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
上記構成では、不利な側の第1特別遊技と有利な側の第2特別遊技とがある中で、前者が実行される場合に第2遊技状態を連続させることが可能になる。これにより、第2遊技状態の連続実行を不利な側の第1特別遊技が実行された場合の救済手段として活用することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴B9.第1入球部として前記入球部を備え、
遊技球が入球可能なものであって前記第1入球部とは異なる第2入球部(第2作動口63)と、
前記第2入球部への遊技球の入球に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162による第2作動口63用の開閉実行モードへの移行機能、払出制御装置181による第2作動口63への入賞に基づく賞球機能)と、
前記第2入球部の下流側に配置され、当該第2入球部に未入球の遊技球が入球可能な第3入球部(第1作動口62)と、を備え、
前記特典付与手段は、前記第3入球部への遊技球の入球に基づいて遊技者に特典を付与する手段(払出制御装置181による第1作動口62への入賞に基づく賞球機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第2入球部に入球しなかった遊技球が第3入球部に入球可能な構成とされているため、第2入球部に入球しなくても特典を得られる機会が残されたものとなる。これにより、第2入球部に入球しなかった後も期待感を持続させることができ、遊技球の行方に対する遊技者の関心が早々に消失することが抑制される。
特徴B10.前記第1入球部への遊技球の入球確率が前記第3入球部への入球確率よりも高くなっていることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1入球部への遊技球の入球が第3入球部へのそれよりも簡単化することで、前者を日常的なものとし、第1入球部に対する遊技者の注意を低下させることができる。その分、遊技者の意識を第3入球部へ向け易くすることができ、その結果、保留記憶数が所定数以上となったことや、それまでの過程に遊技者が気付きにくくすることができる。これにより、第2遊技状態が突如発生した印象を遊技者に与え易くなり、遊技者の驚きと喜びを好適に実現することが可能になる。
特徴B11.前記第2入球部又は前記第3入球部への遊技球の入球に基づいて抽選処理を実行する第2抽選手段(主制御装置162による特図当否抽選を実行する機能)と、
前記第2抽選手段による抽選処理の結果が特定結果となることに基づいて遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり結果に対応する開閉実行モード)を実行する特別遊技実行手段(主制御装置162による遊技状態移行処理を実行する機能)と、を備えていることを特徴とする特徴B9又はB10に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2入球部に入球しなくても特別遊技の実行機会が残されたものとなる。これにより、第2入球部に入球しなかった後も期待感を持続させることができ、遊技球の行方に対する遊技者の関心が早々に消失することが抑制される。
ここで、特徴B8における「抽選処理」及び「特別遊技」は、第2入球部に対応するものと第3入球部に対応するものとで種類や有利度合が同一であってもよいし、相違するものであってもよい。
特徴B12.前記第3入球部よりも前記第2入球部の方が遊技者にとって有利とされていることを特徴とする特徴B9乃至B11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第2入球部に入球しなかった遊技球が第3入球部に入球可能とされている中でも、第1遊技状態と第2遊技状態との有利度合に明確な差異を設けることができる。これにより、第2遊技状態へ移行することへの期待感を好適に喚起することができると同時に、保留記憶数を増やす意欲を一層増強させることができる。
特徴B13.前記第2入球部及び前記第3入球部の各入球部への遊技球の入球に基づいて遊技球を払い出すことが可能な払出手段(払出制御装置181)を備え、
前記払出手段は、前記第2入球部への入球に基づく遊技球の払い出し個数を前記第3入球部への入球に基づく遊技球の払い出し個数よりも多くする手段(前者の払い出し個数を10個とし、後者の払い出し個数を3個とする機能)を備えていることを特徴とする特徴B9乃至B12のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第2入球部への入球に基づく払い出し個数が第3入球部への入球に基づく払い出し個数よりも多くなっているため、第2入球部への入球が容易化される第2遊技状態に移行することで、持ち球の減りを第1遊技状態の場合よりも少なくして遊技することが可能になる。これにより、第2入球部に入球しなかった遊技球が第3入球部に入球可能とされている中でも、第1遊技状態と第2遊技状態との有利度合に明確な差異を設けることができる。
特徴B14.第1入球部として前記入球部を備え、
遊技球が入球可能なものであって前記第1入球部とは異なる第2入球部(第2作動口63)と、
前記第2入球部に遊技球が入球することに基づいて抽選処理を実行する第2抽選手段(主制御装置162による特図当否抽選を実行する機能)と、
前記第2抽選手段による抽選処理の結果が特定結果となることに基づいて遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり結果に対応する開閉実行モード)を実行する特別遊技実行手段(主制御装置162による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別遊技の実行後に遊技状態を前記第2遊技状態、又は当該第2遊技状態とは有利度合が相違するものであって前記第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第3遊技状態に移行させる手段(大当たりを契機として高頻度サポートモードに移行させる機能)と、を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、有利な遊技状態への移行ルートとして、保留記憶数が所定数以上となることを契機とするルートとは別に、抽選結果が特定結果(例えば大当たり結果)となることを契機とするルートを設けることができる。これにより、有利な遊技状態への移行態様を多様化することができ、楽しみ方の幅を拡げることが可能になる。
特徴B15.前記保留記憶手段の保留記憶数を報知する報知手段(普図保留数表示部FM)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B14のいずれかに記載の遊技機。
保留記憶数が所定数以上となることに基づいて有利な第2遊技状態となる構成においては保留記憶数に対する遊技者の関心が劇的に高くなるところ、本構成によれば、遊技者が保留記憶数を覚えていなくても都度の保留記憶数を簡単に把握することが可能になる。これにより、遊技者が保留記憶数に気を取られて遊技への注意が散漫化することが抑制される。
なお、上記特徴B1乃至B15の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴C1乃至C12、特徴D1乃至D8、特徴E1乃至E9、特徴F1乃至F14、特徴G1乃至G13、特徴H1乃至H10、特徴I1乃至I12、特徴J1乃至J8、特徴K1乃至K13、特徴L1乃至L9のいずれか1の構成にて示した技術役思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴C群>
特徴C1.遊技球が通過可能な通過部(スルーゲート35)と、
遊技球が前記通過部を通過することに基づいて所定の抽選処理を実行する抽選手段(主制御装置162により普図当否抽選を実行する機能)と、
遊技球が入球可能な入球部(第2作動口63)と、
前記入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態(開放状態)と、前記入球部に遊技球を受入不能又は前記第1状態よりも受け入れにくい第2状態(閉鎖状態)と、に切り替わり可能な可変受入手段(電動役物66)と、
前記抽選手段の抽選結果が所定結果となることに基づいて前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後前記第2状態とする可変受入制御を行う可変受入制御手段(主制御装置162による普図遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(遊技球の払出を実行する機能)と、
を備え、
前記可変受入手段は、前記第2状態から前記第1状態に切り換えられた場合に、遊技球を受入可能な受入領域(受入領域RA1)を形成し、当該受入領域に受け入れた遊技球を前記入球部に受け入れるように構成されており、
前記通過部を通過した遊技球が前記可変受入手段により前記受入領域が形成される特定領域(特定領域RA2)に到達可能な構成とされており、
所定状態である場合に、遊技球が前記通過部を通過してから当該通過に対応する前記可変受入制御が終了するまでの特定期間(普図遊技期間)が、遊技球が前記通過部を通過してから前記特定領域に到達するまでの所要期間よりも短くなっていることで、前記通過部を通過した遊技球が当該通過に対応する前記可変受入制御の終了後に前記特定領域に到達する構成とされていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、通過部を通過した遊技球が当該通過に対応する可変受入制御の終了後に特定領域(受入領域が形成される領域)に到達するため、可変受入手段を第1状態に切替制御しても入球部に遊技球が入球不能又は入球しにくくすることができる。このため、入球部への入球に基づいて特典を付与する構成でありながらも、可変受入手段を第1状態とする頻度を高めることが可能となる。これにより、遊技者に対して過剰に特典が付与されることを抑制しながら、入球部に入球し易い印象を与えることができ、遊技者の興味をそそったり、遊技意欲を喚起したりすることが可能になる。そればかりか、可変受入手段の動きを遊技演出の1つとして活用することもでき、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴C2.前記通過部を通過した遊技球が、当該通過に対応する前記可変受入制御の終了後で且つ当該可変受入制御に対して次回となる前記可変受入制御の開始前に前記特定領域に到達可能とされていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、通過部を通過した遊技球が、前後する可変受入制御の隙間期間を利用して特定領域に到達するものとなる。これにより、当該通過に対応する可変受入制御において遊技球が入球部に入球不能又は入球しにくくなるだけでなく、次回の可変受入制御においても入球不能又は入球しにくくなり、特徴C1の構成を実用上好ましい態様にて実現することが可能になる。
特徴C3.前記通過部を通過した遊技球が、当該通過に対応する前記可変受入制御の終了後で且つ前記通過部に対する遊技球の次の通過が発生する以前に前記特定領域に到達可能とされていることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、今回の通過部への遊技球の通過が発生してから次回の通過が発生するまでの間に、今回の通過に係る遊技球の特定領域への到達までが完了する。これにより、遊技球を入球部に入球不能等とするにあたり、前に通過した遊技球や次に通過する遊技球を考慮しなくても済むようになり、設計負荷を軽減することが可能になる。
なお、特徴C3を「遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構110)を備え、前記通過部を通過した遊技球が、当該通過に対応する前記可変受入制御の終了後で、且つ、当該通過から前記発射手段における遊技球の発射周期に対応する期間が経過する以前に前記特定領域に到達可能とされている」と読み替えてもよい。
特徴C4.前記通過部を通過した遊技球を前記特定領域に誘導する誘導手段(遊技釘69a〜69d)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、通過部から特定領域への遊技球の流れを安定させることができる。これにより、通過部から特定領域に至るまでの遊技球の所要期間の一定化が促進され、通過部へのどの入球に対しても遊技球が可変受入制御の終了後に特定領域に到達する状態を好適に維持することが可能になる。
特徴C5.前記通過部を通過した遊技球とは異なる遊技球が前記特定領域に到達することを阻害する阻害手段(遊技釘69a〜69d)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、通過部を通過した特定遊技球とは別の遊技球が特定領域への到達ルートに進入することが抑制される。これにより、特定遊技球に他の遊技球が衝突して特定領域への到達が妨げられたり、特定遊技球以外の遊技球が入球部に入球したりすることが抑制され、遊技者の安心感や到達間隔の安定性を向上させることが可能になる。そればかりか、設計段階において特定領域に対する特定遊技球以外の遊技球の進入を考慮する必要性が緩和され、設計負荷を軽減することが可能になる。
特徴C6.前記特定領域が前記通過部の下方に設けられ、前記特定領域と前記通過部とが縦並びで配置されていることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、通過部を通過した遊技球の特定領域への到達ルートがシンプル化され、特定領域への入球が発生し易い印象を遊技者に与え易くなる。そればかりか、通過部を通過した遊技球を当該遊技球の自由落下によって特定領域まで移動させることができる。この場合、他の部材への接触等による遊技球の移動速度の変化を抑制できるため、特定領域に至るまでの遊技球の所要期間の安定化にも寄与することが可能になる。
特徴C7.前記抽選処理において前記所定結果となる確率を当該所定結果とは異なる結果となる確率よりも高くする手段(開放結果となる確率を外れ結果となる確率よりも高くする機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれかに記載の遊技機。
例えば、所定結果となる確率をそれとは異なる結果となる確率よりも低くした場合は、抽選処理の実行頻度を高めたとしても可変受入手段における第1状態への切替頻度が低くなりがちとなり、可変受入手段による演出効果を十分に発揮できないことが懸念される。この点、本構成では、所定結果となる確率がそれとは異なる結果となる確率よりも高くされているため、上記第1状態への切替頻度を高めることができ、演出効果を向上させることが可能になる。
特徴C8.遊技球が入球可能なものであって前記入球部とは異なる特定入球部(第1作動口62)を備え、
前記特定入球部が前記通過部の下流側に配置され、前記通過部を通過した遊技球が前記特定入球部に到達可能に構成されていることを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれかに記載の遊技機。
可変受入制御の実行頻度を高めて演出効果を向上させる点からすれば、より多くの遊技球を通過部に向かわせることが望ましくなる。そのような状況の下、上記構成では、通過部を通過した遊技球が特定領域だけでなく、特定入球部にも到達可能な構成とされている。例えば、特定入球部への遊技球の到達ルートが通過部から特定領域へのルートと独立した構成であると、特定入球部への入球率をある程度確保しようとした場合に、通過部への遊技球の通過率を下げて入球率を稼がざるを得なくなる。この点、本構成によれば、通過部への遊技球の通過率を低下させることなく特定入球部への入球率を確保することができ、より多くの遊技球を通過部に向かわせる上で好ましい態様とすることが可能になる。
特徴C9.前記特定入球部が前記特定領域の下流側に配置されており、前記通過部を通過した遊技球のうち前記可変受入手段により受け入れられなかった遊技球が前記特定入球部に到達可能な構成とされており、
前記特典付与手段は、前記特定入球部への入球に基づいて遊技者に特典を付与する手段(払出制御装置181による第1作動口62への入賞に基づく賞球機能)を備えていることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
上記構成によれば、1個の遊技球につき特定付与の機会を2度に亘って提供することが可能になる。すなわち、通過部を通過した遊技球が可変受入手段に受け入れられなかった場合(入球部に入球しなかった場合)でも特典付与の機会が残されるものとなり、遊技球が可変受入手段により受け入れられることなく通り過ぎた以後も特典付与に対する遊技者の期待感を持続させることが可能になる。これにより、遊技球の挙動や行方に対する遊技者の関心が早々に薄れることが抑制され、遊技への注目度を高めることが可能になる。
特徴C10.前記通過部への通過に基づく遊技球の払い出しがなされない構成とされていることを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、通過部への通過に対する遊技球の払い出しがないため、遊技場での運用に支障を来すことを抑制しながら通過部への遊技球の通過率を高めることが可能になる。これにより、抽選手段による抽選処理の実行頻度を高めることができ、延いては可変受入手段における第1状態への切替頻度を高めることが可能となる。
なお、特徴C10において「遊技球の払い出しがなされない」を「特典の付与がなされない」と読み替えてもよい。
特徴C11.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記発射手段により発射された遊技球を前記通過部に誘導可能な誘導手段(誘導部77)と、を備え、
前記誘導手段において遊技球が当接する箇所に緩衝手段(緩衝部材78)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、誘導手段により遊技球を通過部に誘導することができ、通過部に対する遊技球の通過頻度を好適に高めることが可能になる。加えて、誘導手段において遊技球が当接する箇所に緩衝手段を備えるため、誘導手段に当接した遊技球の跳ね返りを抑制して遊技球の誘導を安定化できるとともに、遊技球の衝突による誘導手段の破損を好適に抑制することが可能になる。
特徴C12.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(スルーゲート35)と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて所定の抽選処理を実行する抽選手段(主制御装置162により普図当否抽選を実行する機能)と、
遊技球が入球可能な入球部(第2作動口63)と、
前記入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態(開放状態)と、前記入球部に遊技球を受入不能又は前記第1状態よりも受け入れにくい第2状態(閉鎖状態)と、に切り替わり可能な可変受入手段(電動役物66)と、
前記抽選手段の抽選結果が所定結果となることに基づいて前記可変受入手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後前記第2状態とする可変受入制御を行う可変受入制御手段(主制御装置162による普図遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記入球部への遊技球の入球に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(遊技球の払出を実行する機能)と、
を備え、
前記可変受入手段は、前記第2状態から前記第1状態に切り換えられた場合に、遊技球を受入可能な受入領域(受入領域RA1)を形成し、当該受入領域に受け入れた遊技球を前記入球部に受け入れるように構成されており、
前記遊技領域における所定箇所を通過した遊技球が前記可変受入手段により前記受入領域が形成される特定領域(特定領域RA2)に到達可能な構成とされており、
所定状態である場合に、遊技球が前記入球部に入球してから当該入球に対応する前記可変受入制御が終了するまでの特定期間(普図遊技期間)が、前記所定箇所を通過してから前記特定領域に到達するまでの遊技球の所要期間よりも短くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、上記特徴C1と同様の効果が期待される。なお、特徴C12に対して上記特徴C2乃至C11のいずれかに記載の各構成を適用してもよい。
なお、上記特徴C1乃至C12の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B15、特徴D1乃至D8、特徴E1乃至E9、特徴F1乃至F14、特徴G1乃至G13、特徴H1乃至H10、特徴I1乃至I12、特徴J1乃至J8、特徴K1乃至K13、特徴L1乃至L9のいずれか1の構成にて示した技術役思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴D群>
特徴D1.所定の遊技動作(電動役物66の開放)を周期的に実行する遊技動作実行手段(電動役物66を0.6sec又は1.1secの周期で周期的に開放させる機能)と、
前記所定の遊技動作が行われる中で所定の特典付与条件(第2作動口63への入賞)が成立することに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(遊技球の払出を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技動作実行手段は、遊技状況が第1状況(普図保留記憶数FNが0)である場合に前記所定の遊技動作の周期を第1周期(0.6sec)とし、遊技状況が第1状況とは異なる第2状況(普図保留記憶数FNが4)である場合に前記所定の遊技動作の周期を前記第1周期とは異なる第2周期(1.1sec)とする手段(普図保留記憶数FNに応じて電動役物66の開放周期を変化させる機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、所定の遊技動作が周期的に行われ、係る周期動作の周期が遊技状況に応じて変化するものとなっている。その上で、所定の遊技動作が行われる中で特典付与条件が成立することで特典が付与される構成となっており、周期動作と特典の得られ易さとの間に相関が付与されている。これにより、周期が変化することで、付与条件の成立し易さを変化させることができ、延いては特典の得られ易さを変化させることができる。この場合、一定の規則性で永続的に動作する場合に比べて遊技の単調化を抑制することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴D2.遊技者による所定の遊技操作(スルーゲート35へ入賞させようとして行う発射操作)を一の条件として所定の遊技動作(電動役物66の開放)を周期的に実行する遊技動作実行手段(電動役物66を0.6sec又は1.1secの周期で周期的に開放させる機能)と、
前記所定の遊技動作が行われる中で所定の特典付与条件(第2作動口63への入賞)が成立することに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(遊技球の払出を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技動作実行手段は、遊技状況が第1状況(普図保留記憶数FNが0)である場合に前記所定の遊技動作の周期を第1周期(0.6sec)とし、遊技状況が第1状況とは異なる第2状況(普図保留記憶数FNが4)である場合に前記所定の遊技動作の周期を前記第1周期とは異なる第2周期(1.1sec)とする手段を備え、
前記第2周期である場合に前記第1周期である場合よりも特典が付与され易くなる、又は特典が遊技者にとって有利となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、所定の遊技動作が周期的に行われ、係る周期動作の周期が遊技状況に応じて変化するものとなっている。その上で、所定の遊技動作が行われる中で特典付与条件が成立することで特典が付与される構成となっており、周期動作と特典の得られ易さとの間に相関が付与されている。これにより、周期が変化することで、付与条件の成立し易さを変化させることができ、延いては特典の得られ易さを変化させることができる。この場合、一定の規則性で永続的に動作する場合に比べて遊技の単調化を抑制することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
しかも、本構成では、遊技動作の実行に対して遊技者が所定の遊技操作を行うことを要求する構成とされており、当該遊技操作が行われなければ特典付与条件が成立しない。このため、所定の遊技操作の実行意義が生じ、当該操作を行う意欲を高めることができる。加えて、本構成では、遊技動作の周期が第2周期である場合に、第1周期である場合よりも特典が付与され易くなる又は特典が遊技者にとって有利となる。遊技動作を第2周期で実行させ続けるには継続して遊技操作を行う必要が生じることから、遊技動作の動作周期に対する遊技者の関心が高まるだけでなく、所定の遊技操作を継続する意義を生じさせることもできる。つまり、本構成によれば、遊技者の操作意欲を高めることができ、遊技者の遊技への積極参加を促進することが可能になる。
特徴D3.予め定められた所定条件が成立すること(10secの普図変動表示時間が設定されること)に基づいて前記第1状況から前記第2状況への変化が生じる構成とされており、
前記所定の遊技操作が行われることで前記所定条件が成立可能な構成とされていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の遊技操作が行われることで遊技動作の周期が第2周期に変化し得るものとなっている。このため、遊技者の操作意欲がさらに高められ、遊技への積極参加を好適に促進することが可能になる。
特徴D4.前記第2状況となった場合に、その後も前記所定の遊技操作が継続して行われることを条件に当該第2状況が継続する構成とされていることを特徴とする特徴D2又はD3に記載の遊技機。
上記構成により、遊技状況が第2状況に変化した場合に所定の遊技操作が継続して行われることを条件に第2状況が継続するため、遊技操作の継続意欲を好適に高めることができる。加えて、遊技者の操作状況によっては第1状況に復帰する可能性が生じることから、一定の緊張感を持って遊技に臨むことができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴D5.特定条件(大当たり)が成立することに基づいて特別状態(大当たりに対応する開閉実行モード)を生じさせる手段を備え、
前記第2状況の下で前記特別状態が発生した場合に、前記所定の遊技操作とは異なる特定の遊技操作(可変入賞装置65へ入賞させようとして行う発射操作)を行うことで、当該所定の遊技操作を行うよりも特典が得られ易くなる、又は有利な特典が得られる構成とされていることを特徴とする特徴D2乃至D4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態が発生した場合に特典を得るには所定の遊技操作とは異なる特定操作が必要となるため、遊技者に対して操作態様の切替を要求するものとなり、遊技の単調化が抑制される。加えて、遊技者に対して所定の遊技操作の継続を自然と止めさせることができるため、遊技動作の周期が第2周期である状態を終了させることができ、係る状態が永続することを好適に回避可能となる。
特徴D6.前記特別状態が発生した場合に前記特定の遊技操作を行うことで、前記所定の遊技動作の周期が前記第2周期である場合に前記所定の遊技操作を行うよりも特典が得られ易くなる、又は有利な特典が得られる構成とされていることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別状態が発生することで、遊技動作の周期が第2周期である状態よりも特典が得られ易くなったり、特典が有利となったりするため、特別状態を第2周期である状態からの昇格的な要素として活用することができ、興趣性を向上させることが可能になる。そればかりか、第2周期である状態よりも有利な特別状態の発生と引き換えに当該状態が終了する構成とできるため、第2周期の状態が終了するだけに留まる場合に比べて遊技者の理解が得られ易くなり、遊技者の不満や落胆を軽減することが可能になる。
特徴D7.遊技球が当接可能な可動体(電動役物66の受け部材245)を備え、
前記所定の遊技動作が前記可動体の動作であることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、周期動作と特典の得られ易さとを相関させるだけでなく、さらに遊技球の動きや流れとの間でも相関性を構築することができる。これにより、可動体の動作周期だけでなく、遊技球の動きや流れに対しても遊技者の関心を集めることができ、遊技への注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴D8.遊技球が入球可能な入球部(第2作動口63)と、
前記可動体を有し、当該可動体が変位することで、前記入球部に遊技球を受入可能又は受け入れ易い第1状態(開放状態)と、前記入球部に遊技球を受入不能又は前記第1状態よりも受け入れにくい第2状態(閉鎖状態)と、に切り替わり可能な可変受入手段(電動役物66)と、を備え、
前記特典付与手段は、前記入球部への遊技球の入球に基づいて特典(遊技球の払出)を付与する手段を備えていることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
上記構成によれば、可動体の動作周期に応じて入球部への遊技球の入球し易さを変化させることができ、それに伴って特典の付与され易さも変化させることができる。これにより、上記特徴D1に係る構成を実用上好ましい態様にて実現することが可能になる。
なお、上記特徴D1乃至D8の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C12、特徴E1乃至E9、特徴F1乃至F14、特徴G1乃至G13、特徴H1乃至H10、特徴I1乃至I12、特徴J1乃至J8、特徴K1乃至K13、特徴L1乃至L9のいずれか1の構成にて示した技術役思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴E群>
特徴E1.遊技球が入球可能な入球部(スルーゲート35)と、
前記入球部に遊技球が入球することに基づいて判定用情報(普図保留情報)を取得する取得手段(主制御装置162によるスルー用の入賞処理を実行する機能)と、
前記取得手段の取得した判定用情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する記憶手段(電役用保留エリアRc)と、
前記記憶手段に記憶されている判定用情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行い、前記記憶手段に複数の判定用情報が記憶されている場合はそれら複数の判定用情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置162による普図当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて所定の報知手段(役物用表示部44)にて遊技回用動作を開始し、前記付与判定手段の判定結果に対応した報知結果として遊技回用動作を終了することを遊技回の1回として、前記記憶手段に記憶されている判定用情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技回制御手段は、前記記憶手段における判定用情報の記憶数が第1の数である場合に、当該第1の数よりも小さい第2の数である場合よりも前記遊技回用動作の実行期間を長くする実行期間用手段(普図保留記憶数FNが0である場合に普図変動表示時間を0.05secとし、普図保留記憶数FNが4である場合に普図変動表示時間を0.6secとする機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
実行中の遊技回用とは別に判定用情報が記憶されることで次回以降の判定処理や遊技回の実行が確約されるため、一般に判定用情報の記憶数が多くなるほど遊技が継続することへの安心感を与えることが可能になる。そのような中で、上記構成では、判定用情報の記憶数が増えると遊技回用動作の実行期間が長くなるように構成されている。このため、自然な発射操作を継続しているだけで、記憶数を維持したり、さらに増やしたりすることが可能になる。すなわち、特殊な操作が要求されないため、熟練者でなくても記憶数の維持や増加を簡単に行うことができ、誰でも安心して遊技することが可能になる。
特徴E2.所定の場合(普図保留記憶数FNが1以上である場合)に、第1遊技状態(第1通常遊技状態、低頻度サポートモード)よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態(第2通常遊技状態、中頻度サポートモード)となる構成とされており、
前記第2遊技状態となった場合に、前記記憶数が前記第1の数以下の所定数以上であることを条件として当該第2遊技状態を継続させる手段(普図保留記憶数FNが1以上である限り第2通常遊技状態又は中頻度サポート状態を継続させる機能)を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
記憶数が第1の数となった場合にその後もそれを簡単に維持可能な構成であるところ、本構成では、記憶数が第1の数以下の所定数以上であることを条件として有利な第2遊技状態が継続する構成とされている。この場合、第2遊技状態の継続条件である所定数に対して余裕を持って記憶数を維持することができ、第2遊技状態を簡単に継続させることが可能になる。すなわち、本構成によれば、ひとたび突入すれば抜けにくい有利状態を創出することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴E3.遊技球が入球可能なものであって前記入球部とは異なる特定入球部(第2作動口63)と、
前記特定入球部への遊技球の入球に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162による第2作動口63用の開閉実行モードへの移行機能、払出制御装置181による第2作動口63への入賞に基づく賞球機能)と、
を備え、
前記第2遊技状態は、前記特定入球部への入球難易度が前記第1遊技状態よりも低くなるものであることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技状態が第1遊技状態から第2遊技状態に変化することで、特定入球部に遊技球が入球し易くなり、当該入球に基づく特典が得られ易くなる。すなわち、本構成によれば、第2遊技状態を安定して継続し得ることで、特定入球部への入球に基づく特典を得られ易くなる状態を継続させ易くすることができる。これにより、特典の獲得機会を好適に付与することができ、興趣性が向上する。
特徴E4.前記実行期間用手段として、判定用情報の記憶数が前記第1の数である場合に設定される前記遊技回用動作の実行期間の平均期間を、判定用情報の記憶数が前記第2の数である場合に設定される前記遊技回用動作の実行期間の平均期間よりも長くする手段を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、記憶数が第1の数である状況下で特殊な場合に限って遊技回用動作の実行期間が長くなるのではなく、遊技の全体を通じて、記憶数が第1の数となることで遊技回用動作の実行期間が長くなる。すなわち、本構成によれば、上記特徴E1の構成によりもたらされる効果が常時担保されるものとなり、遊技者が安心して遊技することが可能になる。
特徴E5.前記実行期間用手段は、判定用情報の記憶数が前記第2の数である場合に、所定条件の成立に基づいて前記第1の数である場合に設定される前記遊技回用動作の実行期間の平均期間よりも長い実行期間を設定する手段(10secの普図変動表示時間を設定する機能)を備えていることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
上記構成によれば、記憶数が第2の数である中でも所定条件が成立することにより遊技回用動作の実行期間が長くなる。これにより、記憶数を増やす機会を好適に提供できるばかりか、記憶数が第2の数である場合の遊技回用動作の時間長を多様化して遊技の単調化を抑制することが可能になる。
特徴E6.第1入球部として前記入球部を備え、
遊技球が入球可能なものであって前記第1入球部とは異なる第2入球部(第1作動口62)と、
前記第2入球部に遊技球が入球することに基づいて第2判定用情報を取得する第2取得手段(主制御装置162による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記第2取得手段の取得した第2判定用情報を、前記所定数又は当該所定数とは異なる数であって複数の数として予め定められた特定数を上限として記憶する第2記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa)と、
前記第2記憶手段に記憶されている第2判定用情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行い、前記記憶手段に複数の第2判定用情報が記憶されている場合はそれら複数の第2判定用情報に対して前記付与判定を順次行う第2付与判定手段(主制御装置162による第1特図用の当否判定処理を実行する機能)と、
前記第2付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて所定の報知手段又は当該所定の報知手段とは異なる報知手段(図柄表示装置75)にて第2遊技回用動作を開始し、前記第2付与判定手段の判定結果に対応した報知結果として第2遊技回用動作を終了することを遊技回の1回として、前記第2記憶手段に記憶されている第2判定用情報に応じて各遊技回の第2遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段又は前記異なる報知手段を制御する第2遊技回制御手段(主制御装置162による第1特図用の遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2遊技回制御手段は、前記第2記憶手段における第2判定用情報の記憶数が第1種の数である場合に、当該第1種の数よりも小さい第2種の数である場合よりも前記第2遊技回用動作の実行期間を短くする手段を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、記憶数と遊技回用動作の時間長との関係を逆転させた第2の抽選系を備えている。一の遊技を長く楽しみたい遊技者もいれば、時間効率優先の遊技を望む遊技者もいるところ、上記のように遊技テンポが異なる複数の抽選系が併存することで、それぞれのニーズに応えることができる。
なお、特徴E6を特徴E1に適用するにあたっては、特徴E1の「判定用情報」、「取得手段」、「記憶手段」、「付与判定手段」、「遊技回用動作」及び「遊技回制御手段」をそれぞれ「第1判定用情報」、「第1取得手段」、「第1記憶手段」、「第1付与判定手段」、「第1遊技回用動作」及び「第1遊技回制御手段」と読み替えることができる。このことは特徴E6を特徴E2〜E5に適用するにあたっても同様である。また、特徴E6を特徴E3に適用するにあたっては特徴E6の「第2入球部」を「前記特定入球部」と読み替えてもよい。
特徴E7.前記遊技回制御手段は前記遊技回用動作として第1遊技回用動作を実行するものであり、
前記第1遊技回用動作及び前記第2遊技回用動作の一方が実行中にそれらの他方を実行可能な構成とされていることを特徴とする特徴E6に記載の遊技機。
上記構成では、第1及び第2遊技回用動作を並行して実行し得る構成とされているため、第1遊技回用動作の実行中に第2遊技回用動作の実行契機が生じた場合に、第1遊技回用動作の終了を待たずに第2遊技回用動作を開始することができる。このため、第1判定用情報の記憶数が第1の数になることに基づいて第1遊技回用動作の実行期間が長くなり、遊技進行のペースが緩やかなものになったとしても、遊技者が第2遊技回用動作の開始を長く待たされる不都合が回避され、緩慢な印象を与えることが抑制される。
特徴E8.前記付与判定手段を第1付与判定手段として備え、
前記第2付与判定手段にて付与判定が行われる方が前記第1付与判定手段にて付与判定が行われるよりも遊技者にとって有利となるように構成されていることを特徴とする特徴E7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1付与判定手段に比べて第2付与判定手段による付与判定の方が有利となっているため、遊技者の意識が第2遊技回用動作に向き易くなる。その結果、第1遊技回用動作に対する注意が疎かとなり、第1遊技回用動作の実行期間が長くなっても遊技者がそれに気付きにくくすることができる。第1遊技回用動作と第2遊技回用動作を並行して実行し得ることとも相俟って、緩慢な印象を与えることをより好適に抑制することができる。
特徴E9.遊技者により所定の発射操作が行われる発射操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、
前記所定の発射操作が行われることに基づいて、遊技領域に遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構110)と、
を備え、
前記発射手段は、前記発射操作手段に対して第1操作量で発射操作が行われた場合に、前記遊技領域における第1領域(左ルート)を遊技球が流下するように遊技球を発射し、前記発射操作手段に対して第2操作量で発射操作が行われた場合に、前記遊技領域における第2領域(右ルート)を遊技球が流下するように遊技球を発射するものであり、
前記第1入球部及び前記第2入球部が前記第1領域に設けられていることを特徴とする特徴E7又はE8に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1領域を遊技球が流下するように遊技球を発射していれば、自然と第1入球部と第2入球部との両方に遊技球を入球させることが可能になる。これにより、第1遊技回用動作のみが実行される状況の発生を抑制することができ、上記特徴E7又はE8の効果を好適に発揮することが可能になる。
なお、上記特徴E1乃至E9の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C12、特徴D1乃至D8、特徴F1乃至F14、特徴G1乃至G13、特徴H1乃至H10、特徴I1乃至I12、特徴J1乃至J8、特徴K1乃至K13、特徴L1乃至L9のいずれか1の構成にて示した技術役思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴F群>
特徴F1.遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球部(第2作動口63)及び第2入球部(スルーゲート35)と、
遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不能又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)と、に切り替わり可能な可変入球部(第2可変入賞装置500)と、
前記第1入球部への遊技球の入球に基づいて抽選処理を実行する抽選手段(主制御装置162による特図当否判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が所定結果(特別当たり結果)となることに基づいて、前記可変入球部を前記第2態様から前記第1態様とし、その後前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置162による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球部への遊技球の入球に基づき生じる特定事象(V入賞)が発生したことに基づいて遊技者に有利な特別遊技(V大当たりに対応する開閉実行モード)を実行する特別遊技実行手段(主制御装置162による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として前記第1入球部への遊技球の入球難易度が相対的に高低となる第1遊技状態(第1通常遊技状態)と第2遊技状態(第2通常遊技状態)とを有しており、
前記第2入球部への遊技球の入球に基づいて特定数値情報(普図保留記憶数FN)を変化させる特定数用手段(主制御装置162によるスルー用の入賞処理を実行する機能)と、
前記特定数値情報の値が所定値となることに基づいて、遊技状態が前記第1遊技状態から当該第1遊技状態よりも前記第1入球部への入球難易度が低い前記第2遊技状態となるようにする状態用手段(普図保留記憶数FNが1以上である場合に第2通常遊技状態となるようにする機能)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、第1入球部への遊技球の入球に基づいて抽選処理が実行され、その結果に応じて可変入球部が第2状態から第1状態に切り替えられる。そして、可変入球部に遊技球が入球することで特定事象が発生可能となり、特定事象が発生した場合は特別遊技が実行される。このため、特別遊技を生じさせるには第1入球部への遊技球の入球が不可欠となる。一般に、第1遊技状態と、それよりも第1入球部に遊技球が入球し易くなる第2遊技状態とを備えた遊技機では、大当たり等の特別な遊技結果を契機として第1遊技状態から第2遊技状態への移行が発生する構成とされている。この場合、上記特別な遊技結果とならない限り第1入球部への入球が期待しにくいため、遊技者の関心が上記特別な遊技結果となることのみに集約されるおそれがあるばかりか、特別な遊技結果とできないままの遊技者においては真の面白みを体験することなく遊技を終えざるを得ない事態となることが懸念される。この点、本構成では、第2入球部への遊技球の入球に基づいて特定数値情報が変化し、当該情報の値が所定値(所定数)となることに基づいて第2遊技状態となるように構成されている。このため、特別な遊技結果とならなくても第2遊技状態で遊技する機会を提供することができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。しかも、特定数値情報が第2入球部への遊技球の入球によって変化する構成とされていることで、自己の技量によって第2遊技状態の発生を獲得したかのような印象を遊技者に与え易くなり、興趣性の向上が図られる。
特徴F2.前記状態用手段は、前記特定数値情報の値が前記所定値となることに基づいて、遊技状態が一時的に前記第2遊技状態となるようにする手段(第2通常遊技状態を一時的に発生させる機能)を備えていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技状態が一時的なものに留まるため、特別遊技の発生が簡単化し過ぎるなどの過度な有利化が進まないように制限を加えることが可能になる。加えて、本構成では、第2遊技状態になったとしても可変入球部への遊技球の入球や特定事象の発生が確約されないものとなるため、それらが未発生のまま第2遊技状態が終了するかもしれない緊張感の下で遊技することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴F3.前記状態用手段は、遊技状態が前記第2遊技状態である場合に、前記特定数値情報の値が前記所定値としての数未満又は前記所定値としての数よりも小さい数以下となることに基づいて遊技状態が前記第1遊技状態となるようにする手段(所定値が1であり普図保留記憶数FNが0となることに基づいて第2通常遊技状態を終了させる機能)を備えていることを特徴とする特徴F1又はF2に記載の遊技機。
上記構成によれば、上記特徴F1又はF2の構成を実用化する上で適した構成とすることができる。さらに、本構成によれば、第2遊技状態の実行期間が予め定めたものとはならず、第2入球部への入球状況によって流動的に変化するものとなる。すなわち、第2遊技状態である間、当該状態がいつまで続くのかを遊技者が予測しにくくできるため、緊張感を一層高めることができ、興趣性の更なる向上を図ることが可能になる。
特徴F4.前記第2入球部への遊技球の入球に基づいて特定遊技(普図遊技回、普図遊技)を実行する特定遊技実行手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理、普図遊技状態移行処理を実行する機能)を備え、
前記特定数用手段は、
前記第2入球部への遊技球の入球に基づいて前記特定数値情報の値を増加させる手段(主制御装置162によるスルー用の入賞処理を実行する機能)と、
前記特定遊技の実行に基づいて前記特定数値情報の値を減少させる手段(主制御装置162による普図データ設定処理を実行する機能)と、を備えていることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
例えば、特定数値情報の変化に関する規則性を遊技者が把握できない又は把握しにくい構成であると、特定数値情報を所定値とするために遊技者は何を実現させればよいのかや、何を期待すればよいのかが分からず、第2遊技状態となる前の遊技に面白みを感じにくくなったり、遊技性や遊技方法の事前把握を強いられたりすることが懸念される。この点、本構成では、第2入球部への遊技球の入球に基づいて特定遊技を実行する構成とした上で、第2入球部への入球と特定遊技の実行とにそれぞれ特定数値情報の値の増加と減少とを割り当てる構成とされている。これにより、遊技者が遊技している中で特定数値情報の変化に関する規則性を察知し易くなり、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
特徴F5.前記特定遊技実行手段は、予め定められた所定条件が成立することに基づいて前記特定遊技の実行期間を前記発射手段における遊技球の発射周期に対応する期間よりも長い期間(10sec又は10.5sec)とする手段(普図変動表示時間を10secとする機能)を備えていることを特徴とする特徴F4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技の実行期間が遊技球の発射周期に対応する期間よりも長くされることで、入球部への遊技球の入球間隔が特定遊技の実行間隔よりも短くなり、特定数値情報の変化傾向が増加寄りとなる。このため、特定数値情報を所定値に到達させる機会を適正に確保することができ、未達の状態が永続化することを回避することが可能になる。
特徴F6.前記特定遊技実行手段は、遊技状態が前記第2遊技状態である場合に、前記特定遊技の実行期間を前記発射手段における遊技球の発射周期に対応する期間よりも短い期間(0.05sec又は0.55sec)とする手段(普図変動表示時間を0.05secとする機能)を備えていることを特徴とする特徴F4又はF5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技の実行期間が遊技球の発射周期に対応する期間よりも短くされることで、特定遊技の実行間隔が入球部への遊技球の入球間隔よりも短くなり、特定数値情報の値が減り易くなる。これにより、特定数値情報の値が所定値に達して第2遊技状態となった後、当該値を自然と減少させて第1遊技状態に戻すことが可能になる。この場合において、遊技球の発射を控えていたりすると、発射操作を継続している場合に比べて入球部への遊技球の入球頻度が低くなり、特定数値情報の減りが早まって第2遊技状態が早く終了するものとなる。これにより、発射操作を行う意欲が強く喚起され、遊技への積極参加を好適に促進することが可能になる。
特徴F7.前記特定数値情報の値が前記所定値となった場合に、所定の報知手段(図柄表示装置75)にて発射操作の実行を促す旨の所定報知(文字表示522)が行われるように前記所定の報知手段を制御する報知制御手段(報知・演出制御装置143による特別演出用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数値情報の値が所定値となったこと、換言すれば遊技状態が第2遊技状態であることに遊技者が気付かないまま、発射操作を控えたりすることが抑制される。これにより、第2遊技状態が理不尽に早期終了することが抑制され、遊び易さが向上する。
特徴F8.前記発射手段により発射された遊技球が入球可能なものであって、前記第1入球部及び前記第2入球部とは異なる第3入球部(第1作動口62)を備え、
前記抽選手段は、前記第2入球部又は前記第3入球部のいずれかへの遊技球の入球が発生することに基づいて抽選処理を実行するように構成されており、
遊技状態として第1種遊技状態(低頻度サポートモード)と当該第1種遊技状態よりも前記第1入球部への入球難易度が低い第2種遊技状態(高頻度サポートモード)とを有しており、
前記第3入球部への遊技球の入球に基づく抽選処理の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて、遊技状態を前記第1種遊技状態から前記第2種遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162による開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)を備え、
前記第1種遊技状態には、前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とが含まれており、前記第2種遊技状態が、前記第2遊技状態よりも前記第1入球部への入球難易度が低いものであることを特徴とする特徴F1乃至F7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1入球部に遊技球が入球し易く特別遊技の発生が期待される遊技状態(第2遊技状態又は第2種遊技状態)への移行ルートとして、特定数値情報の値が所定値となることを契機とする第1ルートとは別に、抽選結果が特定結果(例えば大当たり結果)となることを契機とする第2ルートを設けることができる。これにより、有利な遊技状態への移行態様を多様化することができ、楽しみ方の幅を拡げることが可能になる。さらに、第1種遊技状態に第2遊技状態を含むため、特別な遊技結果とならなくても第1入球部に遊技球が入球し易い状態で遊技する機会を提供することができる。加えて、第1ルートを通じて移行する第2遊技状態での有利度合(第1入球部への入球し易さ)を、第2ルートを通じて移行する第2種遊技状態のそれよりも低く抑える構成とされている。これにより、特定結果に当選する魅力が低減することを抑制しながら、第1入球部に遊技球が入球し易い状態で遊技する機会を拡充可能になる。
特徴F9.前記第2入球部として遊技球が通過可能な通過部を備えており、
前記通過部を通過した遊技球が前記第3入球部に入球可能な構成とされていることを特徴とする特徴F8に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球を通過部に通過させながら第3入球部に入球させることができる。この場合、遊技球を通過部に通過させて特定数値情報が所定値となることを目指す遊技と、第3入球部に遊技球を入球させて特定結果に当選することを目指す遊技とを併行させることが可能になる。これにより、遊技性の異なる複数種類の遊技を同時進行で楽しむことができ、興趣性が向上する。
特徴F10.前記第2入球部への遊技球の入球確率が前記第3入球部への入球確率よりも高くなっていることを特徴とする特徴F8又はF9に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2入球部への遊技球の入球が第3入球部へのそれよりも簡単化することで、前者を日常的なものとし、第2入球部に対する遊技者の注意を低下させることができる。その分、遊技者の意識を第3入球部へ向け易くすることができ、その結果、特定数値情報が所定値となったことや、それまでの過程に遊技者が気付きにくくすることができる。これにより、第2遊技状態が突如発生した印象を遊技者に与え易くなり、遊技者の驚きと喜びを好適に実現することが可能になる。
特徴F11.前記特定数値情報の値が前記所定値となることに基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置75)にて特定報知(文字表示523,525)が行われるように前記所定の報知手段を制御する特定報知制御手段(報知・演出制御装置143による特別演出用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数値情報が所定値となったこと、換言すれば遊技状態が第2遊技状態になったことに遊技者が気付き易くすることが可能になる。なお、本特徴を特徴F10に適用した場合は、遊技者の意識が第3入球部に向きがちとなっている中で遊技者の気付きを促すことができ、本特徴に係る効果をより有益なものとすることができる。
特徴F12.前記所定結果として、第1結果と、当該第1結果とは異なる第2結果とが設定されており、
前記可変入球制御手段は、前記抽選手段の抽選結果が前記第1結果(有利特別当たり結果)となることに基づいて前記可変入球制御を第1態様(高振分態様)で実行し、前記抽選手段の抽選結果が前記第2結果(不利特別当たり結果)となることに基づいて前記可変入球制御を前記第1態様とは異なる第2態様(低振分態様)で実行する手段(主制御装置162による大入賞口開閉処理を実行する機能)を備え、
前記可変入球制御が前記第1態様で実行される場合と前記第2態様で実行される場合とで前記特定事象の発生し易さが相違する構成とされていることを特徴とする特徴F1乃至F11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球制御の実行態様に応じて特定事象の発生し易さが変化するため、第1入球部への遊技球の入球に基づく抽選処理の結果や、可変入球制御の実行態様に対する遊技者の関心が高まり、遊技への注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴F13.前記可変入球部に入球した特定遊技球を第1領域(V入賞用領域506)と、当該第1領域とは異なる第2領域(排出用領域507)とに振り分ける振分手段(シャッタ508)を備え、
前記可変入球制御が前記第1態様で実行される場合に、前記振分手段によって前記特定遊技球が前記第2領域よりも前記第1領域に振り分けられ易く、前記可変入球制御が前記第2態様にて実行される場合に、前記振分手段によって前記特定遊技球が前記第1領域よりも前記第2領域に振り分けられ易くなっており、
前記特定遊技球が前記第1領域に振り分けられることで前記特定事象が発生する構成とされていることを特徴とする特徴F12に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球部に遊技球が入球したとしても特定事象が発生するとは限らないものとなる。これにより、可変入球部に遊技球が入球した時点で遊技者が安堵し、その後の遊技球への関心が薄れることが抑制され、遊技への注目度を高めることが可能になる。なお、本特徴を上記特徴F12を通じて上記特徴F2に適用した場合は、特定事象が未発生のまま第2遊技状態が終了するかもしれない緊張感をより高めることができる。その結果、特定事象が発生した場合の達成感や充実感が増強され、興趣性の更なる向上に寄与することが可能になる。
これらの場合において、さらに「前記振分手段を遊技者が視認可能となっている」という特徴を付加してもよい。これにより、振分手段の状況を遊技者が目視で把握し得るものとなり、可変入球部に入球した遊技球に対する注目度を好適に高めることが可能になる。また、上記付加的な特徴に代えて又は加えて「第1領域の少なくとも一部を遊技者が視認可能となっている」という特徴を付加してもよい。これにより、可変入球部に入球した遊技球が第1領域に振り分けられたか否かを遊技者が目視で把握し得るものとなり、可変入球部に入球した遊技球に対する注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴F14.遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1入球部(第2作動口63)及び第2入球部(スルーゲート35)と、
遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不能又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)と、に切り替わり可能な可変入球部(第2可変入賞装置500)と、
前記第1入球部への遊技球の入球に基づいて抽選処理を実行する抽選手段(主制御装置162による特図当否判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が所定結果(特別当たり結果)となることに基づいて、前記可変入球部を前記第2態様から前記第1態様とし、その後前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置162による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球部への遊技球の入球に基づき生じる特定事象(V入賞)が発生したことに基づいて遊技者に有利な特別遊技(V大当たりに対応する開閉実行モード)を実行する特別遊技実行手段(主制御装置162による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として前記特定事象の発生し易さが異なる第1遊技状態(第1通常遊技状態)と第2遊技状態(第2通常遊技状態)とを有しており、
前記第2入球部への遊技球の入球に基づいて特定数値情報(普図保留記憶数FN)を変化させる特定数用手段(主制御装置162によるスルー用の入賞処理を実行する機能)と、
前記特定数値情報の値が所定値となることに基づいて、遊技状態が前記第1遊技状態から当該第1遊技状態よりも前記特定事象が発生し易くなる前記第2遊技状態となるようにする状態用手段(普図保留記憶数FNが1以上である場合に第2通常遊技状態となるようにする機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、上記特徴F1と同様の効果が期待される。なお、特徴F14に対して上記特徴F2乃至F13のいずれかに記載の各構成を適用してもよい。
なお、上記特徴F1乃至F14の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C12、特徴D1乃至D8、特徴E1乃至E9、特徴G1乃至G13、特徴H1乃至H10、特徴I1乃至I12、特徴J1乃至J8、特徴K1乃至K13、特徴L1乃至L9のいずれか1の構成にて示した技術役思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴G群>
特徴G1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な始動入球部(第4作動口720、第5作動口730)と、
前記始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する特別情報取得手段(主制御装置162による情報取得処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた数を上限として記憶する特別情報記憶手段(保留球格納エリア642)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1態様(開状態)と、当該第1態様よりも遊技球が入球しにくい第2態様(閉状態)とに切換可能な可変入球手段(下可変入賞装置700、上可変入賞装置710)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置162による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記特別情報記憶手段に記憶された前記特別情報について、遊技状態を、前記可変入球制御手段による前記可変入球制御が行われる特別状態へ移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段(主制御装置162による第1特図変動開始処理や第2特図変動開始処理における当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が、遊技状態を前記特別状態へ移行させることに対応する移行対応結果であったことに基づいて、遊技状態を前記特別状態へ移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて、特定数の遊技球の払出を行う払出手段(払出制御装置181)と、
を備える遊技機であって、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な特別入球部(スルーゲート35)と、
前記始動入球部へ遊技球を受け入れる第1状態(受入状態)と、当該第1状態よりも遊技球を受け入れにくくなる第2状態(非受入状態)とに変位可能な受入手段(電動役物66)と、
を有し、
前記特別入球部へ遊技球が入球したことに基づいて行われる処理であって、前記受入手段の制御に関する特定処理を実行する特定手段を備え、
前記移行対応結果として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となるように第1移行対応結果(大当たり結果)と、当該第1移行対応結果よりも遊技者にとって不利となる第2移行対応結果(特別当たり結果)と、が設定されており、
前記移行判定手段による判定結果が、通常遊技状態よりも前記第2移行対応結果となり易い特別遊技状態(第4の実施の形態における入賞容易状態)が設定されており、
前記特定手段は、前記特定処理に基づいて、遊技状態が前記特別遊技状態となるようにする状態用手段(主制御装置162において、普図保留記憶数FNが4である場合の変動表示時間を設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特別入球部へ遊技球が入球すると始動入球部への遊技球の受入率が向上し得る構成であって、始動入球部へ遊技球が入球すると可変入球手段へ遊技球を入球させることが可能となる特別状態に移行し、同入球に基づく賞球が払出手段により行われる構成において、特別状態として有利度が相対的に高低となる第1移行対応結果(所謂大当たり結果)と第1移行対応結果よりも遊技者にとって不利となる第2移行対応結果(所謂小当たり結果)とが設定されており、当該小当たり結果となり易くなる特別遊技状態が設定されているため、従来の遊技機のように大当たり結果とならなくても、頻繁に発生し得る小当たり結果に基づく可変入球制御によって賞球を得ることが可能となる、という新しい遊技性が実現される。
その一方で、このような小当たり結果となり易い特別遊技状態へ、大当たり結果や小当たり結果となるか否かの移行判定の結果に基づいて移行する構成としてしまうと、結局は大当たり結果待ちの従来の遊技性とさほど変わりがなく、斬新さに乏しい遊技性となり得る。しかも、移行判定の結果によって特別遊技状態へ移行する構成とすると、通常であれば、可変入球制御を介して特別遊技状態へ移行することとなるため、特に大当たり結果に基づく可変入球制御が介されると、それよりも不利な特別状態へ移行し易くなる特別遊技状態のありがたみを感じにくくさせてしまう可能性がある。
そこで、上記構成のように、受特定手段側の特定処理に基づいて、特別遊技状態となる構成とすることで、特別遊技状態へ、移行判定の結果とは関係なく移行させることが可能となり、従来の遊技性とは全く異なる斬新な遊技性を提供することが可能となる。
なお、第1移行対応結果と第2移行対応結果とについて、「前記移行対応結果として、前記特別状態中に行われる前記可変入球制御の制御態様の遊技者にとっての有利度が相対的に高低となるように、第1移行対応結果(大当たり結果)と、当該第1移行対応結果よりも遊技者にとって不利となる第2移行対応結果(特別当たり結果)と、が設定されており、」と表現してもよい。また、「前記特別状態は、予め定められた数(10個)の遊技球が入球したことを一の終了条件とするラウンド遊技が、予め定められた回数行われ得るように設定されており、」としたうえで、「前記移行対応結果として、前記ラウンド遊技が複数回行われ得る第1移行対応結果(大当たり結果)と、前記ラウンド遊技が1回行われる第2移行対応結果(特別当たり結果)と、が設定されており、」と表現してもよい。
特徴G2.前記特定手段は、前記特定処理を実行する手段として、
前記特別入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、受入用情報を取得する受入情報取得手段(主制御装置162によるスルー用の入賞処理を実行する機能)と、
前記受入情報取得手段により取得された前記受入用情報を、予め定められた数を上限として記憶する受入情報記憶手段(電役保留エリア643)と、
前記受入手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後前記第2状態とする受入制御を実行する受入制御手段(主制御装置162による電役サポート用処理を実行する機能)と、
前記受入情報記憶手段に記憶された前記受入用情報について、前記受入制御手段により前記受入制御を行わせるか否かの受入判定を行う受入判定手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理における当否判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記状態用手段は、前記特定処理のうちの少なくとも一部の処理に基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態となるようにするものであることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴G1の構成において、特定処理の具体的構成が明確化される。
特徴G3.前記状態用手段は、前記通常遊技状態と比較して、前記受入判定手段による受入判定の結果が前記受入制御手段により前記受入制御を行わせることとなる受入結果となる確率が変化しないように前記特別遊技状態とするものであることを特徴とする特徴G2に記載の遊技機。
上記構成によれば、受入判定手段による受入判定の結果が受入結果となる確率を変更することなく、遊技状態が特別遊技状態となる。このようにすることで、特別遊技状態となる際の自由度が向上する。つまり、受入判定の確率を変更する場合、移行判定側の結果を契機として変更することが遊技の透明性の観点から好ましく、その前提に立つと、特別遊技状態とする場合に受入判定の確率の変更がなされるようにしてしまうと、結局は、移行判定の結果待ちの従来の遊技とさほど差異がない遊技性となり得る。そこで、上記構成のように、受入判定の確率変更を要さないで特別遊技状態とする構成とすれば、移行判定側との関連性を薄くすることができ、受入判定側の独自のルートで特別遊技状態とすることが可能となる。
特徴G4.前記状態用手段は、前記通常遊技状態と比較して、前記受入制御手段による前記受入制御の態様が変化しないように前記特別遊技状態とするものであることを特徴とする特徴G2又は特徴G3に記載の遊技機。
上記構成によれば、受入制御の態様を変更することなく、遊技状態が特別遊技状態となる。このようにすることで、特別遊技状態となる際の自由度が向上する。つまり、通常遊技状態と特別遊技状態とで受入制御の態様を異ならせる場合、移行判定側の結果を契機として変更することが遊技の透明性の観点から好ましく、その前提に立つと、特別遊技状態とする場合に受入制御の態様の変更がなされるようにしてしまうと、結局は、移行判定の結果待ちの従来の遊技とさほど差異がない遊技性となり得る。そこで、上記構成のように、受入制御の態様の変更を要さないで特別遊技状態とする構成とすれば、移行判定側との関連性を薄くすることができ、受入判定側の独自のルートで特別遊技状態とすることが可能となる。
特徴G5.前記移行判定手段による移行判定が行われることに基づいて、所定の演出手段にて遊技回演出を開始し、演出期間の経過後に当該移行判定の結果に対応する結果報知を行って当該遊技回演出を終了させる遊技回制御手段(主制御装置162による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記遊技回制御手段による前記遊技回演出が行われる場合、前記移行判定の結果に応じて前記演出期間を設定する演出期間設定手段(主制御装置162による変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記状態用手段により前記特別遊技状態とされる場合、前記演出期間設定手段により設定される前記演出期間が前記通常遊技状態と変化しないことを特徴とする特徴G1乃至特徴G4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2移行対応結果として所謂小当たり結果となり易い特別遊技状態となっても、各移行判定に伴う遊技回演出の演出期間の長さは通常遊技状態と変化しない。通常遊技状態よりも小当たり結果となり易い特別遊技状態を創出する場合、例えば、通常遊技状態では小当たり結果となる遊技回演出の演出期間を長くして遊技回演出が終了しないようにし、実質的に小当たり結果の恩恵を受けられなくする一方、特別遊技状態では小当たり結果となる遊技回演出の演出期間を短くして当該小当たり結果の恩恵を受けられるようにする構成も考えられる。しかしこのような構成とすると、上記のように通常遊技状態において演出期間が長くなったことによって、仮に遊技者が遊技を終了しようとしても小当たり結果に基づく遊技回演出が終了していない場面も多くなり、なかなかやめられなくなってしまうといった問題も生じ得る。そこで、上記のような構成のように、遊技回演出の演出期間の長短を利用しないで小当たり結果による恩恵を受け易くする構成とすれば、上記のような問題も生じない。
特徴G6.前記特定処理に基づいて、前記特別遊技状態を前記通常遊技状態となるようにする終了用手段(主制御装置162において、普図保留記憶数FNが3以下である場合の変動表示時間を設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、受入手段の制御に関する特定処理に基づいて特別遊技状態となり、同特定処理に基づいて特別遊技状態が終了する。このようにすることで、特別遊技状態への移行と終了に関して、始動入球部側の処理が何ら関与することがなくなり、完全に受入手段側の独自のルートとすることができる。
特徴G7.前記特定手段は、前記特定処理を実行する手段として、
前記特別入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、受入用情報を取得する受入情報取得手段(主制御装置162によるスルー用の入賞処理を実行する機能)と、
前記受入情報取得手段により取得された前記受入用情報を、予め定められた数を上限として記憶する受入情報記憶手段(電役保留エリア643)と、
前記受入手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後前記第2状態とする受入制御を実行する受入制御手段(主制御装置162による電役サポート用処理を実行する機能)と、
前記受入情報記憶手段に記憶された前記受入用情報について、前記受入制御手段により前記受入制御を行わせるか否かの受入判定を行う受入判定手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理における当否判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記状態用手段は、前記特定処理のうちの少なくとも一部の処理に基づいて、遊技状態を前記特別遊技状態となるようにするものであり、
前記状態用手段は、前記受入情報記憶手段に記憶された前記受入用情報の数を利用して前記特別遊技状態となるようにするものであることを特徴とする特徴G1乃至G6のいずれか1に記載の遊技機。
特別入球部への入球に基づいて受入用情報が取得され、同受入用情報に基づいて受入判定が行われる、という遊技において、受入判定待ち(消化待ち)の受入用情報が受入情報記憶手段に記憶された受入用情報となり、特別入球部への入球と受入用情報の消化との速度のバランスが入球側に傾けば記憶数が増加し、消化側に傾けば記憶数が減少する。このような前提のもと、上記構成とすれば、特別入球部への入球と受入用情報の消化との速度のバランスを利用して特別遊技状態へ移行させることが可能となり、特別入球部への入球や、受入用情報の消化への関心を大いに高めることが可能となる。
特徴G8.遊技者による発射操作が所定態様である場合、前記発射手段から発射された遊技球が前記特別入球部へ到達する構成であり、
前記状態用手段は、前記所定態様の発射操作が継続されている状況で、予め定められた所定条件(普図保留記憶数FNが1〜3である状況で長い変動表示時間が選択されたこと)が成立したことに基づいて、前記受入情報記憶手段に記憶された前記受入用情報の数が予め定められた特定数(4)となり易くする手段(長い変動表示時間中に普図側の保留情報を取得する処理を実行する機能)を備え、
前記受入情報記憶手段により記憶された前記受入用情報の数が前記特定数となることによって前記特別遊技状態となることが可能な構成であることを特徴とする特徴G7に記載の遊技機。
上記構成によれば、受入情報記憶手段に記憶されている受入用情報の数が特定数となると所謂小当たり結果となり易い特別遊技状態となる。この場合、所定態様の発射操作が継続されている状況で所定条件が成立しないと特定数とはならない構成であるため、所定態様の発射操作の継続実施が促される。これにより、発射と停止とを繰り返す所謂止め打ち行為や設計者が意図しない箇所を狙った発射操作が行われにくくすることができる。
特徴G9.前記受入判定手段による受入判定が行われることに基づいて、所定の演出手段にて受入演出を開始し、受入演出期間の経過後に当該受入判定の結果に対応する結果報知を行って当該受入演出を終了させる受入演出制御手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記受入演出制御手段による前記受入演出が行われる場合、前記受入判定の結果に応じて前記受入演出期間を設定する受入演出期間設定手段(主制御装置162による普図変動表示時間のセットを実行する機能)と、
を備え、
前記状態用手段は、前記受入演出期間設定手段により所定の受入演出期間が設定されたことを前記所定条件成立とし、前記受入情報記憶手段に前記受入用情報を前記特定数記憶させることが可能となることを特徴とする特徴G8に記載の遊技機。
上記構成によれば、受入判定に基づく受入演出の受入演出期間の設定によって、受入情報記憶手段に記憶される受入用情報の数が変化して、特定数記憶されることになる。このようにすれば、受入演出期間の設定によって特別遊技状態へ移行させることができ、既存の構成をうまく利用して、大きな設計変更を要することなく、斬新な遊技性を実現することができる。
特徴G10.前記所定条件が成立した場合に、前記所定態様の発射操作が継続されることで前記受入情報記憶手段に記憶されている前記受入用情報の数が前記特定数となり得ることを特徴とする特徴G8又は特徴G9に記載の遊技機。
上記構成によれば、単に所定条件が成立しただけでは特別遊技状態とはならず、所定態様の発射操作を継続させないと特別遊技状態とはならない。このようにすることで、遊技機側の一方的な抽選で移行する構成と比較して、遊技者の遊技操作(発射操作)と遊技状態の移行とを密接に関連付け、興趣向上が図られる。
特徴G11.前記状態用手段は、前記所定態様の発射操作が継続されている状況で、予め定められた所定条件(普図保留記憶数FNが1〜3である状況で長い変動表示時間が選択されたこと)が成立しない状況で、前記受入情報記憶手段に記憶された前記受入用情報の数が前記特定数となることを制限する手段(普図側の短い変動表示時間と発射周期との関係)を備えていることを特徴とする特徴G8乃至G10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴G8の効果をより好適に奏することが可能となる。詳しくは、所定条件が成立することなく受入用情報の記憶数が特定数となることが制限されることから、所定条件が成立することなく特別遊技状態となることが無いようになる。これにより、設計者の意図しないルートで特別遊技状態となってしまう事象を回避し、当該ルートを意図的に生じさせようとする行為を抑止することができる。
特徴G12.前記特別遊技状態において、前記受入情報記憶手段に記憶されている前記受入用情報の数が予め定められた所定数(3)以上である状況で、当該特別遊技状態が継続することを特徴とする特徴G7乃至G11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、受入用情報の記憶数を利用して特別遊技状態とした後も、当該記憶数を所定数以上に保たなければ特別遊技状態が終了することとなる。このように、特別遊技状態の開始条件と継続条件とを受入用情報の記憶数と関連付けることで、受入判定側の処理情報をうまく利用した斬新な遊技性とすることができる。
なお、「所定数」について、特徴G8に適用する場合、より詳しくは、「前記特定数よりも少ない数である所定数」と表現してもよい。
特徴G13.前記移行判定手段による移行判定の結果に基づいて、前記受入情報記憶手段に記憶されている前記受入用情報の数を減少させる事象を生じさせる手段(主制御装置162による大入賞口開閉処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G8乃至G12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、受入用情報の記憶数が増加する(特定数となる)ことで特別遊技状態となる構成において、移行判定の結果によって受入用情報の記憶数が減少し得る。そのため、受入用情報の記憶数について、単に特別入球部への入球と受入用情報の消化との速度バランスだけでなく、移行判定の結果も関与させることができ、遊技の多様化が図られる。
なお、上記特徴G1乃至G13の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C12、特徴D1乃至D8、特徴E1乃至E9、特徴F1乃至F14、特徴H1乃至H10、特徴I1乃至I12、特徴J1乃至J8、特徴K1乃至K13、特徴L1乃至L9のいずれか1の構成にて示した技術役思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴H群>
特徴H1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な始動入球部(第5作動口730)と、
前記始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する特別情報取得手段(主制御装置162による情報取得処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた数を上限として記憶する特別情報記憶手段(保留球格納エリア642)と、
前記特別情報記憶手段に記憶された前記特別情報について、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162による第1特図変動開始処理や第2特図変動開始処理における当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果であったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な特別入球部(スルーゲート35)と、
前記始動入球部へ遊技球を受け入れる第1状態(受入状態)と、当該第1状態よりも遊技球を受け入れにくくなる第2状態(非受入状態)とに変位可能な受入手段(電動役物66)と、
前記特別入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、受入用情報を取得する受入情報取得手段(主制御装置162によるスルー用の入賞処理を実行する機能)と、
前記受入情報取得手段により取得された前記受入用情報を、予め定められた数を上限として記憶する受入情報記憶手段(電役保留エリア643)と、
前記受入手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後前記第2状態とする受入制御を実行する受入制御手段(主制御装置162による電役サポート用処理を実行する機能)と、
前記受入情報記憶手段に記憶された前記受入用情報について、前記受入制御手段により前記受入制御を行わせるか否かの受入判定を行う受入判定手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理における当否判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記発射手段により発射された遊技球が前記特別入球部よりも先に到達する位置に、当該特別入球部へ遊技球が入球可能となる第1態様(例えば、上可変入賞装置710なら閉状態)と、当該特別入球部への遊技球の入球が不可又は前記第1態様よりも入球しにくくなる第2態様(例えば、上可変入賞装置710なら開状態)とに動作可能な可動役物(例えば、上可変入賞装置710)が設けられていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特別入球部への入球に基づいて、特典付与の付与判定が行われる始動入球部への入球率が変化する受入制御が行われる構成において、特別入球部の上流側に可動役物が配置されており、可動役物が第1態様であれば特別入球部への入球は許容される一方で、可動役物が第2態様であれば特別入球部への入球は制限される。そのため、特別入球部への入球に基づく受入判定の結果だけでなく、可動役物の状態によっても始動入球部への入球率が変化する。このようにすれば、例えば、受入判定の結果が受入制御を実行する結果となる確率を変化させなくても、可動役物の状態変化によって特別入球部への入球率、すなわち受入判定の実行頻度を変化させることが可能となり、受入判定の確率や受入制御の態様を変えずに、始動入球部への入球率を変化させる、という斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴H2.前記可動役物が前記第2態様となった場合、前記特別入球部との間隔が遊技球の直径未満となるように前記可動役物及び前記特別入球部が設けられていることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
上記構成によれば、可動役物が第2状態となった場合に、可動役物と特別入球部との間を遊技球がすり抜けて特別入球部へ入球する、という事象が生じないようになる。これにより、可動役物の状態変化によって受入判定の実行頻度を変化させるうえで、遊技球の流下によって設計とは異なる実行頻度となってしまうことを回避することができる。
特徴H3.前記受入判定手段は、前記可動役物が前記第2態様となる状況であっても、前記受入判定を実施可能な構成であることを特徴H1又は特徴H2に記載の遊技機。
上記構成によれば、可動役物が第2態様であれば特別入球部への入球が生じず、受入用情報の取得が行われないものの受入判定は実施されるため、受入情報記憶手段に記憶された受入用情報の消化のみが行われてその補充がされない構成となる。このようにすることで、例えば、受入情報記憶手段に記憶されている受入用情報の数を減らしたい場合に、可動役物を第2態様とするなどして、受入用情報の数を可動役物を利用して調節することが可能となる。
特徴H4.前記可動役物は、予め定められた開始契機から、周期的に前記第1態様と前記第2態様とに動作することを特徴とする特徴H1乃至H3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、可動役物が動作することで特別入球部への入球率が変化する構成において、可動役物の動作タイミングが周期的なものとなるため、非周期なものと比較して、遊技の透明性が担保される。すなわち、仮に、非周期なものである場合、例えば特別入球部に入球しそうなタイミングで遊技球が流下していたのにもかかわらず、可動役物が突然、第2態様となって特別入球部への入球が阻止されてしまった、といった遊技者にとって不利な事象が生じると、当該可動役物の動作が意図的に仕組まれたものでは、と不信感を募らせる原因となりかねない。そこで、上記構成のように周期的な動作とすることで、遊技者に不信感を与えることなく、特別入球部への入球率を変化させることが可能となる。
特徴H5.前記可動役物が前記第1態様と前記第2態様とに動作する周期は、前記発射手段による遊技球の発射周期よりも短い周期であることを特徴とする特徴H4に記載の遊技機。
上記構成によれば、可動役物の動作周期が発射周期よりも短くなるため、可動役物が第1態様となって特別入球部への入球が可能な状態を狙い打つ行為を行いにくくすることができる。
なお、「前記可動役物が前記第1態様と前記第2態様とに動作する周期」について、「前記可動役物が前記第1態様から前記第2態様に動作してから、前記第1態様に動作するまでの周期」と表現してもよい。
特徴H6.前記可動役物は、前記特典付与手段による前記特典が付与される場合に、前記第2態様となるものであることを特徴とする特徴H1乃至H3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動入球部への入球に基づく付与判定にて特典が付与されることとなった場合、可動役物が第2態様となるため、特典が付与されることの嬉しさと、特別入球部への入球が生じなくなることの悲しさと、を付与判定を通じて同時に提供することができる。このようにすることで、特に、特別入球部への入球が生じなくなると、受入判定が行われなくなるため、結果的に始動入球部への入球率も低下することになり、次回の特典付与が遠のく結果となる。このように、始動入球部への入球に基づく付与判定と、特別入球部への入球率との関係をうまく利用して、付与判定の結果に基づいて付与される特典のイメージを従来にない斬新なものとすることができる。
特徴H7.前記可動役物は、前記第2態様となることで遊技球が入球可能となり、前記第1態様となることで前記第2態様よりも遊技球が入球しにくくなる入球部(上大入賞口710a)を有し、
前記可動役物の入球部に遊技球が入球したことに基づいて、所定数の遊技球の払出を行う払出手段(払出制御装置181)を備えていることを特徴とする特徴H6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特典付与手段により特典が付与されることに基づいて可動役物の入球部へ遊技球を入球させることが可能となり、所定数の遊技球の払出という賞球を得ることができる。そのため、特典付与に基づいて、特別入球部への入球は発生しなくなるものの可動役物への入球が発生するようになり、受入用情報の取得はされなくなるものの賞球を得ることが可能となる。このようにすることで、特別入球部への入球が発生しなくなることの損失と、可動役物が第2態様となることによって得られる特典とのバランスを取ることができる。
特徴H8.前記特典付与手段にて前記特典が付与されることに基づいて、前記可動役物を前記第1態様から前記第2態様とし、その後、前記第1態様とする単位動作を、複数回に亘って実行可能となる特定遊技状態に移行する構成であることを特徴とする特徴H7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技状態に移行した場合、複数回の単位動作が行われる。この場合、単位動作と単位動作との間に可動役物が第1態様となるタイミングが生じるため、第2態様のままで維持される構成と比較して、特別入球部への入球が生じる余地があることになる。これにより、特典としての賞球の払出を行いつつも、特別入球部への入球をも発生させることも可能となり得る。
特徴H9.前記特定遊技状態中における前記単位動作と前記単位動作との間の待機期間は、前記発射手段による遊技球の発射周期よりも長くなる場合があることを特徴とする特徴H8に記載の遊技機。
上記構成によれば、可動役物が第2態様となる特別遊技状態中であっても、単位動作と単位動作との間の待機期間中に特別入球部への入球が発生し得るものとなる。これにより、特典付与としての賞球の払出契機となる可動役物への入球と、受入用情報の取得契機となる特別入球部への入球と、を特定遊技状態中の異なるタイミングでそれぞれ生じさせることが可能となる。
特徴H10.前記特定遊技状態中において、一の前記単位動作において前記可動役物が前記第1態様から前記第2態様となってから、次の前記単位動作において前記可動役物が前記第1態様から前記第2態様となるまでの期間が予め定められており、
前記可動役物は、前記第2態様となった後、前記可動役物の入球部へ予め定められた所定数の入球が発生した場合に前記第1態様へ動作するものであることを特徴とする特徴H9に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2態様となってから、次に第2態様となるまでの期間が固定となるため、可動役物が第2態様となってから、なるべく早期に所定数の入球を発生させて第1態様とするほど、第1態様である期間が長くなる。つまり、可動役物へ早期に所定数の入球を発生させるほど、その後に、特別入球部への入球を発生させ易くなる。このようにすれば、特定遊技状態中に、可動役物への入球と特別入球部への入球とを関連付けた遊技性を実現することが可能となる。
なお、上記特徴H1乃至H10の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C12、特徴D1乃至D8、特徴E1乃至E9、特徴F1乃至F14、特徴G1乃至G13、特徴I1乃至I12、特徴J1乃至J8、特徴K1乃至K13、特徴L1乃至L9のいずれか1の構成にて示した技術役思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴I群>
特徴I1.遊技球が入球可能な第1態様(開状態)と当該第1態様よりも遊技球が入球しにくい第2態様(閉状態)とに切換可能な可変入球手段(上可変入賞装置710)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置162による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件成立に基づいて、遊技状態を、前記可変入球手段による前記可変入球制御が行われる特定状態(開閉実行モード)へ移行させる特定状態移行手段(主制御装置162による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、所定数の遊技球の払出を行う払出手段(払出制御装置181)と、
を備える遊技機において、
前記可変入球制御手段により前記可変入球手段が前記第1態様とされることに基づいて、前記可変入球手段が前記第1態様とされない場合よりも不利となる特定事象を生じさせることが可能な特定事象手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技球が所謂電チューやアタッカーのように開閉制御する可変入球手段へ入球すると賞球としての所定数の遊技球が払い出される構成において、可変入球手段が第1態様となると第1態様とならない場合よりも不利となる特定事象が生じ得る。つまり、可変入球手段が第1態様となると賞球を得ることが可能となる一方で、不利となる特定事象が生じるため、遊技者は、嬉しさと悲しさとが入り組む複雑な感情を抱くものとなり得る。このようにすることで、単に大当たり結果に基づいて賞球を得る、という従来の遊技性とは大きく異なる斬新な遊技性を実現することが可能となる。
なお、「前記可変入球制御手段により前記可変入球手段が前記第1態様とされることに基づいて、遊技者にとって不利となる特定事象を生じさせることが可能な特定事象手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理を実行する機能)」について、「前記可変入球制御手段により前記可変入球手段が前記第1態様とされることに基づいて、前記可変入球手段が前記第1態様とされない場合よりも不利となる特定事象を生じさせることが可能な特定事象手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理を実行する機能)」と表現してもよい。
特徴I2.前記特定事象手段は、前記特定事象を、前記可変入球手段が前記第1態様とされた前記特定状態中に生じさせるものであることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態中に特定事象が生じる構成となり、特定状態後に事後的に不利な事象が生じる構成と比較すると、特徴I1で示した嬉しさと悲しさとが入り組む複雑な感情をより好適に抱かせることが可能となる。つまり、可変入球手段が第1態様となって、当該可変入球手段へ遊技球を入球させて賞球を得つつも、同時に、不利となる特定事象が生じることとなる。このようにすることで、賞球を得ながらも不利となる特定事象が生じる様を如実に体験させることができ、斬新な感覚の遊技とすることが可能となる。
特徴I3.前記特定事象手段は、前記特定事象を、前記可変入球手段が前記第1態様とされている期間の長さに応じて生じさせるものであることを特徴とする特徴I2に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段が第1態様となって賞球を得られる期間の長さに応じて、特定事象が生じ得る。そのため、得られる賞球の多い少ないと、遊技者にとって不利となる特定事象と、をより密接に関係付けることが可能となる。
特徴I4.前記特定事象手段は、前記可変入球手段が前記第1態様とされている期間が長いほど、前記特定事象を生じさせ易いものであることを特徴とする特徴I3に記載の遊技機。
上記構成によれば、得られる賞球が多いほど、遊技者にとって不利となる特定事象が生じ易くなる。これにより、賞球の多さに喜ぶ気持ちと、その賞球が多いほど不利な特定事象が生じ易くなることを悲しむ気持ちという、相反する気持ちを同時に提供することが可能となり、斬新な感覚の遊技性とすることができる。
特徴I5.前記特定事象手段は、前記可変入球手段が前記第1態様とされている期間が所定期間よりも短い場合には、前記特定事象を生じさせないようにすることが可能であることを特徴とする特徴I3又は特徴I4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1態様とされている期間が所定期間よりも短ければ、遊技者にとって不利となる特定事象が生じなくなる。これにより、得られる賞球が少ない場合にまで、不利な特定事象を生じさせないようにすることができ、遊技者が極端に不利となってしまう事象を回避することができる。
特徴I6.前記所定期間は、遊技球の発射周期よりも長い期間であることを特徴とする特徴I5に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定期間は、少なくとも1球は可変入球手段に入球し得る期間となる。つまり、それに見合う賞球を得つつも、特定事象が生じない場面があることになる。このようにすることで、賞球を付与しつつも、特定事象が生じる特定状態と、特定事象が生じない特定事象とを設けることが可能となり、遊技の多様化に大きく寄与することができる。
特徴I7.所定の付与条件(普図側の当否抽選の結果が開放結果となること)が成立したことに基づいて遊技者に特典(電動役物66によるサポート状態)を付与する特典付与手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記特典付与手段による前記特典の付与され易さが相対的に高低となるように高付与状態(入賞容易状態)と低付与状態(通常遊技状態)とが設定されており、
前記高付与状態から前記低付与状態とし、前記低付与状態から前記高付与状態とする付与状態設定手段(電役保留エリア643に記憶された普図保留記憶数FN)を備え、
前記付与状態設定手段は、前記特定状態移行手段とは独立して前記高付与状態又は前記低付与状態とすることが可能な構成であり、
前記所定の付与条件は、前記特定状態中に成立し得るものであり、
前記特定事象は、前記特定状態中に前記高付与状態が前記低付与状態へ移行することとなる事象であることを特徴とする特徴I1乃至I6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の付与条件は特定状態中にも成立し得るものであることから、特定状態中の所定の付与条件の成立し易さが当該特定状態中に変化することとなる。このようにすることで、一の特定状態において、可変入球手段への入球し易さを変化させずに、特典の付与され易さを変化させることが可能となり、斬新な特定状態とすることが可能となる。
特徴I8.遊技球が入球可能な特別入球部(スルーゲート35)を備え、
前記付与状態設定手段は、前記特別入球部への入球が所定頻度で発生することを条件として前記高付与状態を継続させることが可能な構成であり、
前記特定状態中に、前記特別入球部への入球頻度が低下することで前記特定事象が生じることを特徴とする特徴I7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別入球部へ所定頻度で入球する限り、高付与状態が継続する構成において、特定状態中に当該特別入球部への入球頻度が低下すると特定事象が生じて低付与状態となる。このように、特定事象や高付与状態/低付与状態を、特別入球部への入球という、遊技者が認識し易い事象と関連付けることで、遊技の理解度を向上させ、もって、特徴I1の斬新な遊技性を存分に楽しませることが可能となる。
特徴I9.前記特別入球部は、前記可変入球手段が前記第2態様となることで入球が可能となり、前記可変入球手段が前記第1態様となることで、前記第2態様である場合よりも入球がしにくくなる構成であることを特徴とする特徴I8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態において、可変入球手段が第1態様となって入球が可能となると、特別入球部へは入球がしにくくなって入球頻度が低下する。このように、可変入球手段の変位を特別入球部の入球頻度に利用することで、可変入球手段を、特定状態中に賞球を得るための機能だけでなく、特別入球部への入球頻度を変化させる機能を担わせ、特別入球部側に入球頻度を変化させる構成を新たに設ける必要が生じず、機能の集約化によって、部材点数の削減や、各種部材の設置領域の削減を図ることが可能となる。
特徴I10.遊技球が入球可能な第1態様(開状態)と当該第1態様よりも遊技球が入球しにくい第2態様(閉状態)とに切換可能な可変入球手段(下可変入賞装置700、上可変入賞装置710)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置162による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件成立に基づいて、遊技状態を、前記可変入球手段による前記可変入球制御が行われる特定状態(開閉実行モード)へ移行させる特定状態移行手段(主制御装置162による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、所定数の遊技球の払出を行う払出手段(払出制御装置181)と、
を備える遊技機において、
前記可変入球手段を複数有し、
前記可変入球制御手段は、前記特定状態において複数の前記可変入球手段のうちの第1可変入球手段(下可変入賞装置700)による前記可変入球制御を行う第1手段と、複数の前記可変入球手段のうちの前記第1可変入球手段とは異なる第2可変入球手段(上可変入賞装置710)による前記可変入球制御を行う第2手段と、前記第1手段及び前記第2手段のいずれにより前記可変入球制御を行うかを設定する設定手段(主制御装置162による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、を備え、
前記可変入球手段が前記第1態様とされることにより遊技者にとって不利となる特定事象を、前記第1手段により前記可変入球制御が行われる場合には生じさせない一方、前記第2手段により前記可変入球制御が行われる場合には生じさせることが可能な特定事象発生手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技球が所謂電チューやアタッカーのように開閉制御する可変入球手段へ入球すると賞球としての所定数の遊技球が払い出される構成において、第1可変入球手段が第1態様となると遊技者にとって不利となる特定事象が生じないものの、第2可変入球手段が第1態様となると同特定事象が生じ得る。つまり、可変入球手段が第1態様となると賞球を得ることが可能となる一方で、第1態様となる可変入球手段によって不利となる特定事象が生じたり生じなかったりする。これにより、基本的には可変入球手段が第1態様となることで喜ばしいものの、第1態様となる可変入球手段によっては、その喜ばしい気持ちと、悲しい気持ちとが入り組む複雑な感情を抱くものとなり得る。このようにすることで、単に大当たり結果に基づいて賞球を得る、という従来の遊技性とは大きく異なる斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴I11.遊技球が入球可能な第1態様(開状態)と当該第1態様よりも遊技球が入球しにくい第2態様(閉状態)とに切換可能な可変入球手段(上可変入賞装置710)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置162による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件成立に基づいて、遊技状態を、前記可変入球手段による前記可変入球制御が行われる特定状態(開閉実行モード)へ移行させる特定状態移行手段(主制御装置162による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、所定数の遊技球の払出を行う払出手段(払出制御装置181)と、
を備える遊技機において、
前記可変入球制御手段は、所定の前記特定状態において、前記可変入球手段を第1期間に亘って前記第1態様として維持可能であって、且つ、前記可変入球手段を前記第1期間よりも短い第2期間に亘って前記第1態様として維持可能であり、
前記第1期間に亘って前記可変入球手段が前記第1態様として維持された場合よりも、前記第2期間に亘って前記可変入球手段が前記第1態様として維持された場合の方が、遊技者にとって有利となることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段が第1態様となることで当該可変入球手段へ入球させることが可能となって、当該入球に応じて賞球の払出が行われることを前提とし、第1態様とされる期間が短い第2期間であるほうが、第1期間開状態とされるよりも遊技者にとって有利となる。つまり、賞球の払い出され易さと、遊技者にとっての有利度とが相反する構成となる。このようにすることで、単に大当たり結果に基づいて賞球を得る、という従来の遊技性とは大きく異なる斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴I12.所定の開始契機に基づいて、所定の演出手段による特別演出を開始し、予め設定された演出継続期間の経過に基づいて当該特別演出を終了する特別演出手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
所定の第1契機に基づいて、遊技球が入球可能な第1態様(開状態)へ切り換えられ、所定の第2契機に基づいて、前記第1態様よりも遊技球が入球しにくい第2態様(閉状態)へ切り換えられる可変入球手段(上可変入賞装置710)と、
前記可変入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて所定数の遊技球の払出を実行する払出手段(払出制御装置181)と、
を備え、
前記所定の第1契機が生じてから前記所定の第2契機が生じるまでの第1態様継続期間が、前記所定の第1契機が生じた状況で実行されている前記特別演出の前記演出継続期間の残り期間よりも短い場合のほうが、当該残り期間よりも長い場合より遊技者にとって有利となることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段へ遊技球が入球すると、賞球として所定数の遊技球が払い出されることを前提として、可変入球手段が第1態様とされている第1態様継続期間が特別演出の演出継続期間の残り期間との関係で有利不利が設定され、第1態様継続期間が特別演出の残り期間よりも短い場合の方が残り期間よりも長い場合よりも遊技者にとって有利となる。つまり、本来であれば、第1態様継続期間が長い方が賞球が付与される可能性があることから遊技者にとって有利となるところ、特別演出との兼ね合いで、第1態様継続期間が短い方が遊技者にとって有利となり得る。このようにすることで、単に可変入球手段に遊技球を入球させて賞球を得るという従来からの遊技性とは大きく異なる斬新な遊技性を実現することが可能となる。
なお、上記特徴I10乃至特徴I12に対して、特徴I1乃至I9にて示した各構成を個別に適用してもよいし、それぞれ組み合わせて適用してもよい。
また、上記特徴I1乃至I12の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C12、特徴D1乃至D8、特徴E1乃至E9、特徴F1乃至F14、特徴G1乃至G13、特徴H1乃至H10、特徴J1乃至J8、特徴K1乃至K13、特徴L1乃至L9のいずれか1の構成にて示した技術役思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴J群>
特徴J1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な特別入球部(上可変入賞装置710、スルーゲート35)と、
所定の報知手段(図柄表示装置75)と、
前記所定の報知手段にて報知演出を実行する演出実行手段(報知・演出制御装置143)と、
を備える遊技機であって、
前記特別入球部への入球確率が変化する特別状態(開閉実行モード)が設定されており、
前記演出実行手段は、
前記特別状態中において、所定演出(バトル演出)を実行した後、遊技者にとって有利となることを示唆する有利内容(勝利演出)、及び遊技者にとって不利となることを示唆する不利内容(敗北演出)を含む複数種類の結果内容のうちのいずれかを選択して報知する第1特別演出を前記所定の報知手段にて実行可能な第1特別演出実行手段(報知・演出制御装置143によるバトル演出用の処理を実行する機能)と、
前記第1特別演出とは異なる実行契機で開始される演出であって、所定の実行期間が経過したことに基づいて終了される第2特別演出(普図遊技回)を前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて実行可能な第2特別演出実行手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記特別入球部への入球が発生したことに基づいて、前記第1特別演出における前記結果内容として前記有利内容が選択され易くする有利手段(上大入賞口710aへの入賞に基づいて勝利演出を発生させる処理:S3708〜S3713を実行する機能や、スルーゲート35への入賞に基づく保留数に応じてHP表示設定処理:S3706を実行する機能)と、
前記第1特別演出中に実行されている前記第2特別演出の実行期間の経過に応じて、当該第1特別演出における前記結果内容として前記不利内容が選択され易くする不利手段(普図保留記憶数FN及び変動状況に応じてHP減少演出を発生させる処理:S3714〜S3718を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第1特別演出中に特別入球部へ遊技球を入球させることで、当該第1特別演出における結果内容として有利内容が選択され易くなる。その一方で、第1特別演出の実行中に行われている第2特別演出の実行期間の経過に応じて当該第1特別演出における結果内容として不利内容が選択され易くなる。つまり、特別状態中において第1特別演出が発生した場合、単に特別入球部へ遊技球を入球させればよいわけではなく、時間的な要素も加わるため、特別状態中の遊技性を大幅に向上させることができる。
特に、その時間的な要素を、第1特別演出とは異なる開始契機で開始される第2特別演出の実行期間の経過としていることから、第1特別演出の実行期間の経過とは関係のない要素で不利内容を選択され易くすることができる。そのため、第1特別演出の終了までに特別入球部への入球が生じていなくても第2特別演出が終了していなければ有利内容を選択させることも可能であるし、第1特別演出中に特別入球部への入球が生じていても第2特別演出が終了していれば不利内容を選択させることも可能となる。
このようにすることで、特別状態中の第1特別演出を予め結果が決まった所謂出来レースのような演出ではなく、特別状態中の遊技内容に沿った演出とすることが可能となり、特別状態中の遊技性を大幅に向上させることが可能となる。
特徴J2.前記第2特別演出実行手段は、前記発射手段により発射された遊技球が所定の入球部へ入球したことに基づいて前記第2特別演出を開始する構成であることを特徴とする特徴J1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球が所定の入球部へ入球すると、第1特別演出において不利内容が選択され易くなることに関与する第2特別演出が開始される。第1特別演出中に実行されている第2特別演出の実行期間の経過に応じて不利内容が選択され易くなるのであるから、第2特別演出はなるべく遅いタイミングで開始された方が不利内容が選択されにくくなるため、第2特別演出の開始契機となる所定の入球部への入球も遅いタイミングが好ましくなる。その一方で、特別入球部への入球が生じると有利内容が選択され易くなるため、それぞれの入球タイミングを用いて、選択される結果内容を異ならせることができる。
特徴J3.前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な始動入球部(第1作動口62、第5作動口730)と、
前記始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、前記特別状態へ移行させるか否かの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置162による第1特図変動開始処理や第2特図変動開始処理における当否判定処理を実行する機能)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な第1態様(開状態)と当該第1態様よりも遊技球が入球しにくい第2態様(閉状態)とに変位可能な可変入球手段(上可変入賞装置710)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする特別制御を実行する特別制御手段(主制御装置162による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別状態とは、前記特別制御手段による前記特別制御が実行される構成であり、
前記始動入球部へ遊技球を受け入れる第1状態(受入状態)と、当該第1状態よりも遊技球を受け入れにくくなる第2状態(非受入状態)とに変位可能な受入手段(電動役物66)と、
前記受入手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後前記第2状態とする受入制御を実行する受入制御手段(主制御装置162による電役サポート用処理を実行する機能)と、
前記所定の入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、受入用情報を取得する受入情報取得手段(主制御装置162によるスルー用の入賞処理を実行する機能)と、
前記受入情報取得手段により取得された前記受入用情報について、前記受入制御手段による前記受入制御を実行するか否かの受入判定を実行する受入判定手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理における当否判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2特別演出実行手段は、前記受入判定手段による前記受入判定が行われることに基づいて前記第2特別演出を開始し、前記所定の実行期間が経過したことに基づいて当該受入判定の結果を報知して当該第2特別演出を終了することを特徴とする特徴J2に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動入球部への入球に基づいて移行判定が行われ、当該移行判定の結果に基づいて特別状態へ移行すると、可変入球手段へ入球が発生し易くなる構成において、当該特別状態中に実行される第1特別演出は、始動入球部への入球率を変化させる受入判定の契機となる所定の入球部への入球に基づいて開始される第2特別演出の実行期間の経過に応じて不利内容が選択され易くなる。このように、始動入球部への入球に基づく特別状態における第1特別演出を、受入判定側の第2特別演出と関連付けることで、単に可変入球手段への入球を生じさせればよいだけでなく、受入判定側の第2特別演出との兼ね合いで有利不利が変化するため、受入判定について始動入球部への入球率を変化させる役割を超えた新たな役割を担わせることができ、従来にはない斬新な遊技性とすることが可能となる。
特徴J4.前記特別状態は、前記特別制御手段による前記特別制御が複数回実行される構成であり、
前記所定の入球部は、前記可変入球手段が前記第2態様となることで入球が可能となり、前記可変入球手段が前記第1態様となることで前記第2態様よりも入球しにくくなる構成であることを特徴とする特徴J3に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段への入球が許容される特別状態中において、第1特別演出の不利内容に関与する第2特別演出の実行契機となる所定の入球部へは、可変入球手段が第2態様となっている際に入球が可能となり、可変入球手段が第1態様となっている際には入球がしにくくなる。このようにすることで、第1特別演出を第2特別演出と密接に関係づけつつも、可変入球手段への入球が発生し易いタイミングと、第2特別演出の開始契機となる所定の入球部への入球が発生し易いタイミングとを、分けることが可能となる。これにより、注目すべき個所がそれぞれ別々の構成において、注目すべきタイミングをそれぞれ分けることができ、同時に複数の箇所を注目させることによって注目度が分散してしまう事象を好適に回避することができる。
特徴J5.前記特別入球部として第1特別入球部(スルーゲート35)を有し、
前記所定の入球部は前記第1特別入球部であり、
前記有利手段は、前記第1特別入球部への入球に基づいて前記有利内容が選択され易くすることが可能であることを特徴とする特徴J2乃至J4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、受入判定用の第1特別入球部への入球に基づいて第2特別演出が開始され、その第2特別演出の実行期間の経過に応じて第1特別演出において不利内容が選択され易くなる構成において、第1特別入球部への入球が生じると有利内容が選択され易くもなる。このように、可変入球手段への入球が許容される特別状態中における第1特別演出の結果内容を、受入判定用の第1特別入球部への入球に基づく要素によって、有利内容としたり不利内容としたりすることによって、特別状態を、可変入球手段への入球を発生させるだけの遊技性とは全く異なる斬新な遊技とすることが可能となる。
特徴J6.前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な始動入球部(第1作動口62、第5作動口730)と、
前記始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、前記特別状態へ移行させるか否かの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置162による第1特図変動開始処理や第2特図変動開始処理における当否判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別入球部として第2特別入球部を有し、
前記第2特別入球部は、遊技球が入球可能な第1態様(開状態)と当該第1態様よりも遊技球が入球しにくい第2態様(閉状態)とに変位可能な構成であり、
前記第2特別入球部を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする特別制御を実行する特別制御手段(主制御装置162による大入賞口開閉処理を実行する機能)を備え、
前記特別状態とは、前記特別制御手段による前記特別制御が実行される構成であることを特徴とする特徴J1乃至J5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動入球部への入球に基づく移行判定の結果によって、第2特別入球部への入球が許容される特別状態へ移行する構成において、当該特別状態中の第1特別演出では、第2特別入球部への入球が発生すると有利内容が選択され易くなる。その一方で、第2特別演出の実行期間の経過に応じて不利内容が選択され易くなるため、第2特別演出との兼ね合いで、なるべく早期に第2特別入球部への入球を発生させることで有利内容が選択され易くなるとともに、不利内容が選択されにくくすることにも可能となる。このようにすることで、特別状態中に第2特別入球部へ入球させることの意義を、単に入球に基づく賞球を得るという内容以上のものとすることが可能となり、特別状態中の遊技性を向上させることができる。
特徴J7.前記特別状態において、前記第1態様とした前記第2特別入球部への入球数が予め定められた所定数に達したこと、又は前記第1態様としてから予め定められた所定期間が経過したことに基づいて当該第2特別入球部を前記第2態様とする終了手段(主制御装置162による大入賞口閉鎖処理を実行する機能)を備え、
前記不利手段は、前記終了手段によって前記第1態様とした前記第2特別入球部への入球数が前記所定数に達した場合であっても、前記第2特別演出の実行期間の経過に応じて前記不利内容が選択されるようにすることが可能であることを特徴とする特徴J6に記載の遊技機。
上記構成のように、特別状態において、第2特別入球部への入球数が所定数に達するか、所定期間が経過すると、第2特別入球部は第2態様となる構成において、単に入球数が所定数に達しても、第2特別演出の実行期間の経過によっては、有利内容が選択されるとは限られず、不利内容が選択される場合も生じる。これにより、特別状態において所定数の入球を発生させるという遊技に、第2特別演出の実行期間との兼ね合いで入球を発生させるという遊技を追加することができ、遊技性を向上させることが可能となる。
特徴J8.前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な始動入球部(第1作動口62、第5作動口730)と、
前記始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、前記特別状態へ移行させるか否かの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置162による第1特図変動開始処理や第2特図変動開始処理における当否判定処理を実行する機能)と、
前記始動入球部へ遊技球を受け入れる第1状態(受入状態)と、当該第1状態よりも遊技球を受入れにくくなる第2状態(非受入状態)とに変位可能な受入手段(電動役物66)と、
前記受入手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする受入制御を実行する受入制御手段(主制御装置162による電役サポート用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別入球部として、第1特別入球部(スルーゲート35)及び当該第1特別入球部とは異なる第2特別入球部(上可変入賞装置710)が設けられており、
前記第1特別入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、受入用情報を取得する受入情報取得手段(主制御装置162によるスルー用の入賞処理を実行する機能)と、
前記受入情報取得手段により取得された前記受入用情報について、前記受入制御手段による前記受入制御を実行するか否かの受入判定を実行する受入判定手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理における当否判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2特別演出実行手段は、前記受入判定手段による前記受入判定が行われることに基づいて前記第2特別演出を開始し、前記所定の実行期間が経過したことに基づいて当該受入判定の結果を報知して当該第2特別演出を終了するものであり、
前記第2特別入球部は、遊技球が入球可能な第1態様(開状態)と当該第1態様よりも遊技球が入球しにくい第2態様(閉状態)とに変位可能な構成であり、
前記第2特別入球部を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする特別制御を実行する特別制御手段(主制御装置162による大入賞口開閉処理を実行する機能)を備え、
前記特別状態とは、前記特別制御手段による前記特別制御が実行される構成であり、
前記有利手段は、前記第1特別入球部又は前記第2特別入球部への入球に基づいて前記有利内容を選択され易くし、
前記不利手段は、前記第1特別入球部への入球に基づく前記第2特別演出の実行期間の経過に応じて前記不利内容を選択され易くすることを特徴とする特徴J1乃至J7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動入球部への入球に基づいて移行判定が行われ、当該移行判定の結果に基づいて特別状態へ移行すると、第2特別入球部へ入球が発生し易くなる構成において、当該特別状態中に実行される第1特別演出は、当該第2特別入球部への入球や、受入判定の契機となる第1特別入球部への入球に基づいて有利内容が選択され易くなり、また、第1特別入球部への入球に基づいて開始される第2特別演出の実行期間の経過に応じて不利内容が選択され易くなる。このように、始動入球部への入球に基づく特別状態における第1特別演出を、受入判定側の第2特別演出と関連付けることで、単に第2特別入球部への入球を生じさせればよいだけでなく、受入判定側の第1特別入球部への入球や当該入球に基づく第2特別演出との兼ね合いで有利不利を変化させることが可能となる。これにより、受入判定について始動入球部への入球率を変化させる役割を超えた新たな役割を担わせることができ、従来にはない斬新な遊技性とすることが可能となる。
なお、上記特徴J1乃至J8の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C12、特徴D1乃至D8、特徴E1乃至E9、特徴F1乃至F14、特徴G1乃至G13、特徴H1乃至H10、特徴I1乃至I12、特徴K1乃至K13、特徴L1乃至L9のいずれか1の構成にて示した技術役思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴K群>
特徴K1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(スルーゲート35、第2スルーゲート850等)と、
前記入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、判定用情報を取得する情報取得手段(主制御装置162によるスルー用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段に取得された前記判定用情報を、予め定められた所定数を上限として記憶する情報記憶手段(電役保留エリア643)と、
前記情報記憶手段に記憶された前記判定用情報について、特定制御を実行するか否かの特定判定を行う特定判定手段(主制御装置162における普図用遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記入球部として、第1入球部(スルーゲート35)及び第2入球部(第2スルーゲート850)を有し、
前記遊技領域には、前記発射手段から発射された一の遊技球が前記第1入球部に入球した後、前記第2入球部に入球可能となる第1ルートが設けられていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、発射手段から発射された一の遊技球が第1ルートで流下すると、特定制御を実行するか否かの判定用情報が複数回(2回)取得され得る。このようにすれば、一の遊技球によって重複抽選が行われる、といった従来にはない斬新な遊技性を実現することが可能となる。
しかも、上記構成においては、情報記憶手段に記憶されている判定用情報の数によっては、複数の入球部への入球分だけ判定用情報が取得されるとは限られない。例えば、判定用情報が上限である所定数記憶されている状況であれば、複数の入球部へ入球しても判定用情報は一つも取得されず、入球分だけ判定用情報が取得されるためには、記憶数にその分の空きがあることが条件となる。そして、記憶数に空きがあるものの、その空きが入球分に満たない場合には、空きの分だけ判定用情報が取得されることになる。
つまり、第1入球部へ入球した後、第2入球部へ入球し得る構成において、判定用情報の記憶数に2つの空きがあれば、第1ルートを流下することによって両入球部への入球分である2つの判定用情報が取得される。この構成において、判定用情報の記憶数に1つの空きがある場合には、2つではなく1つの判定用情報が取得され、判定用情報の記憶数に空きがない場合には、1つも判定用情報の取得が行われない。このように、複数の入球部へ入球可能なルートを定めることによって、1の遊技球の流下によって、判定用情報が取得されるかされないかといった0/1の結果ではなく、判定用情報が取得される場合であってもその数に差異を生じさせることが可能となり、遊技の多様化に大きく寄与することができる。
なお、「第1ルート」に関して、「特定ルート」と称してもよい。
特徴K2.前記遊技領域には、前記発射手段から発射された一の遊技球が前記第1入球部へ入球した後、前記第2入球部に入球しない第2ルートが設けられていることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1ルートを流下させた場合と第2ルートを流下させた場合とで、判定用情報の取得数が異なる。このようにすることで、特徴K1の遊技機における遊技性を向上させることが可能となる。
特徴K3.前記第1ルートを流下し得る所定の発射強度で発射された遊技球が前記第2ルートを流下可能であって、前記第2ルートを流下し得る所定の発射強度で発射された遊技球が前記第1ルートを流下可能となるように、前記第1ルートと前記第2ルートとが設定されていることを特徴とする特徴K2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1ルートと第2ルートとを狙い打つことができなくなる。これにより、流下のばらつき等で、第1ルートと第2ルートのうちの第1ルートを流下することを期待させるという遊技性を実現することができる。
特徴K4.前記所定の発射強度で遊技球を発射させた場合、前記第1ルートよりも前記第2ルートの方が遊技球が流下し易い構成であることを特徴とする特徴K3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1ルートよりも第2ルートの方が流下し易いため、第1入球部へ入球した後、当該遊技球は第2入球部には入球しにくくなる。これにより、判定用情報の取得数をいたずらに多くせず、出球率の高騰を抑えつつも、第1ルートへの流下を期待させる遊技性を実現することが可能となる。
特徴K5.前記第1ルートは、前記第1入球部に遊技球が入球したことに基づいて行われる前記特定判定及びその結果の報知が終了するよりも前に、当該第1入球部に入球した遊技球が前記第2入球部へ入球することを特徴とする特徴K1乃至K4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1ルートを流下させた場合に、複数の判定用情報が取得されるものの、先の第1入球部への入球に基づいて取得された判定用情報が消化された後に、次の判定用情報が取得されると、いった事象が生じなくなり、判定用情報が複数記憶されることを利用した遊技性を好適に実現することができる。
なお、上記構成は、「前記第1ルートは、第1入球部へ遊技球が入球したことに基づいて行われる前記特定判定が終了し前記情報記憶手段に記憶されている前記判定用情報についての前記特定判定が行われるよりも前に、当該第1入球部に入球した遊技球が前記第2入球部へ入球する」と表現してもよい。
特徴K6.前記第1ルートにおいて前記第1入球部と前記第2入球部とは、遊技球の直径よりも短い間隔で配置されていることを特徴とする特徴K5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1入球部と第2入球部との間を遊技球が移動できなくなるため、第1ルートを流下させた場合に、第1入球部へ入球した遊技球が第2入球部に入球しない事象や、第1入球部へ入球せずに第2入球部へ入球する事象が生じないようになる。これにより、設計通りの遊技性を実現し易くなる。
特徴K7.前記遊技領域には、複数の釘が埋植されており、当該複数の釘により遊技球の流下態様が変化し得る構成であり、
前記第1ルートにおいて、前記第1入球部と前記第2入球部との間に前記釘が埋植されていることを特徴とする特徴K6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1入球部と第2入球部とに連続して入球する第1ルートの流下態様を多様化させることができる。すなわち、単に第1入球部と第2入球部とを連結したような構成とは異なり、第1入球部と第2入球部との間に釘が埋植されているため、当該釘によって遊技球の動きを変化させることが可能となる。
特徴K8.前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(第2作動口63)と、
前記始動入球部へ遊技球を受け入れる第1状態(受入状態)と、当該第1状態よりも前記始動入球部へ遊技球を受け入れにくくなる第2状態(非受入状態)とに変位可能な受入手段(電動役物66)と、
前記受入手段を前記第2状態から前記第1状態に変位させ、その後、前記第2状態へ変位させる受入制御を実行する受入制御手段(主制御装置162による電役サポート用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定制御とは、前記受入制御手段による前記受入制御であり、
前記受入手段は、前記第1ルートを流下した遊技球が前記第1入球部及び前記第2入球部に入球した後に受け入られる位置に設けられていることを特徴とする特徴K1乃至K7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1ルートを遊技球を流下させると、当該遊技球は第1入球部及び第2入球部へ入球した後、受入手段により受け入られて始動入球部へ入球し得るようになる。これにより、第1入球部及び第2入球部へ入球させることに基づいて判定用情報を取得させ、特定判定によって受入手段を第1状態とさせて始動入球部へ遊技球を入球させる、という一連の遊技を、1球の流下で完結させることが可能となる。特に、第1ルートは、遊技球が第1入球部及び第2入球部へ入球するルートであるため、第1ルートを流下する遊技球が受入手段に受入られる可能性は、第1入球部のみに入球させる場合(特徴K2でいう第2ルートを流下させる場合)と比較して高くなる。そのため、上記一連の遊技を1球の遊技球で完結させる可能性も高くなり、遊技性を向上させることが可能となる。
特徴K9.前記情報記憶手段に記憶されている前記判定用情報の数が、複数である特定数となることで、遊技者にとって有利な特定状態となることを特徴とする特徴K1乃至K8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1ルートを流下させて判定用情報を複数個取得させる意義が向上する。特に、特徴K2の構成のように、一の判定用情報を取得させるルートがある構成において、当該ルートを流下させた後、再び当該ルートを流下するまでに判定用情報が消化されてしまう構成、すなわち、判定用情報が溜まりにくい構成においては、なかなか判定用情報の記憶数が特定数となりにくく、特定状態となりにくい構成となる。このような構成で第1ルートのように一度で判定用情報を貯めることが可能な構成を有していれば、通常は判定用情報が溜まりにくいながらも第1ルートを流下させれば貯めることが可能となるのであるから、遊技球の流下先への関心が高まり、遊技球の流下態様を楽しむという遊技機本来の楽しさを備えつつも特徴K1の斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴K10.前記情報記憶手段に記憶された前記判定用情報の数が、前記第1ルートへ一の遊技球を流下させた場合における当該一の遊技球が前記入球部への入球可能となる数を前記所定数から除算した数以下である状況の第1特定状況(普図保留記憶数FNが2となる状況)が生じ易いようにする第1特定手段を備えていることを特徴とする特徴K1乃至K9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定状況であれば情報記憶手段の空きが入球部への入球分は存在するのであるから、第1ルートを流下させることによって、入球分に相当する数の判定用情報を取得させることが可能となる。そのため、第1特定状況であれば、第1ルートを流下させるメリットを最大限享受させることが可能といえる。
特徴K11.前記情報記憶手段に記憶された前記判定用情報の数が、前記第1ルートへ一の遊技球を流下させた場合における当該一の遊技球が前記入球部への入球可能となる数を前記所定数から除算した数よりも多く、且つ前記所定数よりも少ない数である状況の第2特定状況(普図保留記憶数FNが3となる状況)が生じ易いようにする第2特定手段を備えていることを特徴とする特徴K1乃至K10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定状況であれば情報記憶手段の空きが入球部への入球分は存在しないものの、1以上は存在するのであるから、第1ルートを流下させることによって、入球部への入球分に相当する数の判定用情報を取得させることはできないものの、少なくとも1つの判定用情報は取得させることが可能となる。そのため、第2特定状況であれば、第1ルートを流下させるメリットを最大限には享受できないものの、少なくとも第1ルートを流下させる意義を担保することができる。
特徴K12.前記特定判定手段により前記特定判定が行われることに基づいて、所定の報知手段にて報知用演出を開始させ、当該特定判定の結果を報知してから前記報知用演出を終了する特定報知手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記特定報知手段により前記報知用演出が行われる場合、当該報知用演出の演出継続期間を設定する期間設定手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理において普図変動表示時間をセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知手段は、前記期間設定手段に設定された前記演出継続期間に亘って前記報知用演出を行うものであり、
前記第1特定手段は、前記第2特定状況(FN=3)で開始される前記報知用演出の前記演出継続期間を前記第1特定状況(FN=2)で開始される前記報知用演出の前記演出継続期間よりも短くなり易くすることで、前記第1特定状況が生じ易くするものであり、
前記第2特定手段は、前記情報記憶手段に記憶された前記判定用情報の数が前記所定数である状況で開始される前記報知用演出の前記演出継続期間を、前記第2特定状況(FN=3)で開始される前記報知用演出の前記演出継続期間よりも短くなり易くすることで、前記第2特定状況が生じ易くするものであることを特徴とする特徴K10又は特徴K11に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定状況や第2特定状況を演出継続期間の長短を利用して生じさせることが可能となる。これにより、例えば、入球部への入球率を変化させて判定用情報の取得の有無を変更したりする必要が生じず、簡素な構成で特徴M10や特徴M11の効果を奏することが可能となる。
特徴K13.前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球部(第1作動口62、第2作動口63)と、
前記始動入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する特別情報取得手段(主制御装置162による情報取得処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された前記特別情報について、遊技者に特典を付与するか否か付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置162による第1特図変動開始処理や第2特図変動開始処理における当否判定処理を実行する機能)と、
前記始動入球部へ遊技球を受け入れる第1状態(受入状態)と、当該第1状態よりも前記始動入球部へ遊技球を受け入れにくくなる第2状態(非受入状態)とに変位可能な受入手段(電動役物66)と、
前記入球部へ遊技球が入球したことに基づいて、受入用情報を取得する受入情報取得手段(主制御装置162によるスルー用の入賞処理を実行する機能)と、
前記受入情報取得手段により取得された前記受入用情報を、予め定められた数を上限として記憶する受入情報記憶手段(電役保留エリア643)と、
前記受入手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後前記第2状態とする受入制御を実行する受入制御手段(主制御装置162による電役サポート用処理を実行する機能)と、
前記受入情報記憶手段に記憶された前記受入用情報について、前記受入制御手段により前記受入制御を行わせるか否かの受入判定を順次行う受入判定手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理における当否判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定制御とは、前記受入制御手段による前記受入制御であり、
前記付与判定手段による付与判定の結果に基づいて、前記第1特定手段による前記演出継続期間の設定が行われる前記第1特定状況と、前記第2特定手段による前記演出継続期間の設定が行われる前記第2特定状況との切り換えを実行する手段を備えていることを特徴とする特徴K12に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定状況や第2特定状況を演出継続期間の長短を利用して生じさせる構成において、演出継続期間の長短を、入球部への入球に基づく抽選系統とは異なる抽選系統(始動入球部の入球に基づく抽選系統)の結果によって切り替えることができる。このようにすれば、複数の抽選系統の結果が第1特定状況や第2特定状況に関与することになり、遊技の単調化が抑制され、興趣向上が図られる。
なお、上記特徴K1乃至K13の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C12、特徴D1乃至D8、特徴E1乃至E9、特徴F1乃至F14、特徴G1乃至G13、特徴H1乃至H10、特徴I1乃至I12、特徴J1乃至J8、特徴L1乃至L9のいずれか1の構成にて示した技術役思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴L群>
特徴L1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域へ遊技球を発射させる発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を受入可能な受入部(例えば、第10スルーゲート858及び第11スルーゲート858、スルーゲート35及び第2スルーゲート850等により形成される連続スルー)と、
遊技球が前記受入部に受け入れられたことに基づいて、遊技者に特典(電動役物66の開放)を付与するか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理における当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果であったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162による普図遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記受入部に一の遊技球が受け入れられたことに基づいて、前記付与判定手段による前記付与判定が第1回数実行される第1実行状態(例えば、シングル抽選状態)と、前記受入部に一の遊技球が受け入れられたことに基づいて、前記付与判定手段による前記付与判定が前記第1回数よりも多い第2回数実行される第2実行状態(例えば、ダブル抽選状態)と、を切り換える切換手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、受入部へ遊技球が受け入れられたことに基づいて付与判定が実行され、その結果に基づいて特典が付与される構成において、当該付与判定が第1回数実行される第1実行状態と、第1回数よりも多い第2回数実行される第2実行状態と設けられており、これら第1実行状態と第2実行状態とが切換手段によって切り換えられる。特典が付与されることを望む遊技者としては、第1回数よりも多い第2回数実行された方が得となるのであるから、第1実行状態から第2実行状態へ切り換えられることを望むものと考えられ、単に付与判定をさせて特典を得るという従来の遊技とは異なり、一の受入で実行される付与判定の回数を増やす、という斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴L2.前記受入部に遊技球が受け入れられたことに基づいて、判定用情報を取得する情報取得手段(主制御装置162によるスルー用の入賞処理を実行する機能)を備え、
前記付与判定手段は、前記情報取得手段により取得された前記判定用情報が前記付与対応結果に対応する付与情報であるか否かの判定を一の判定用情報について一回ずつ行うことで前記付与判定を行う構成であり、
前記情報取得手段は、前記第1実行状態では前記第1回数に対応する第1数の前記判定用情報を取得し、前記第2実行状態では前記第2回数に対応する第2数の前記判定用情報を取得するものであることを特徴とする特徴L1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1実行状態と第2実行状態とで、単に付与判定の回数が異なるだけでなく、付与判定に用いられる判定用情報の取得数が異なる。そのため、例えば、一の判定用情報を用いて複数回に亘って付与判定を行う、といった構成のように処理的な変更を要さずに第1実行状態と第2実行状態との切り換えを行うことが可能となり、処理構成の簡素化が図られる。
特徴L3.前記受入部は、複数の通過領域(スルーゲート858,859、35,850)を有し、
前記情報取得手段は、
前記第1実行状態で前記複数の通過領域を遊技球が通過した場合、前記複数の通過領域のうちの前記第1数の通過領域にて前記判定用情報を取得し、
前記第2実行状態で前記複数の通過領域を遊技球が通過した場合、前記複数の通過領域のうちの前記第2数の通過領域にて前記判定用情報を取得する構成であることを特徴とする特徴L2に記載の遊技機。
上記構成によれば、通過することで判定用情報が取得される通過領域を異ならせるだけで、第1実行状態と第2実行状態とを切り換えることが可能となる。このようにすることで、例えば、流下経路を異ならせたり、そのための振分装置を設けたりする等、新たな構成を追加することなく、既存の構成をうまく利用して特徴L1の効果を奏することができる。
特徴L4.前記受入部は、前記第2数の通過領域(スルーゲート858,859、35,850)を有し、
前記情報取得手段は、
前記第1実行状態で前記複数の通過領域を遊技球が通過した場合、前記第2数の通過領域のうちの前記第1数の通過領域にて前記判定用情報を取得し、
前記第2実行状態で前記複数の通過領域を遊技球が通過した場合、前記第2数の通過領域のうちのいずれの通過領域でも前記判定用情報を取得する構成であることを特徴とする特徴L3に記載の遊技機。
上記構成によれば、通過することで判定用情報が取得される通過領域を異ならせるだけで、第1実行状態と第2実行状態とを切り換えることが可能となる。このようにすることで、例えば、流下経路を異ならせたり、そのための振分装置を設けたりする等、新たな構成を追加することなく特徴L1の効果を奏することができる。
特に上記構成によれば、複数の通過領域は第2数となり、全ての通過領域の通過によって判定用情報を取得する場合と、そうではない場合とを切り換える構成となる。そのため、特徴L3と比較して、第1実行状態と第2実行状態との取得処理の差を小さくすることができ、処理構成の簡素化が図られる。
特徴L5.前記情報取得手段により取得された前記判定用情報を、予め定められた所定数を上限として記憶する情報記憶手段(電役保留エリア643)を備え、
前記第1実行状態では前記情報記憶手段による前記判定用情報の記憶数に前記第2数よりも少ない空き数が生じ易く、前記第2実行状態では前記情報記憶手段による前記判定用情報の記憶数に前記第2数の空き数が生じ易くなる構成であることを特徴とする特徴L2乃至L4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、情報記憶手段による記憶可能な空き数を利用して、第1実行状態と第2実行状態とを実現可能となる。このようにすることで、複数の判定用情報を記憶する、という既存の構成から大きな変更を要さずに、特徴L2の効果を奏することが可能となる。また、例えば、第1実行状態と第2実行状態とを、遊技機内部の処理の変更によって実現する構成とすると、当該内部処理を理解できない又は知ることができない遊技者にとっては、遊技に対して不透明感を感じ得るものとなってしまう可能性がある。その点、記憶数の空き数を利用すれば、遊技者も第1実行状態と第2実行状態とを理解可能となり、特徴L2の斬新な遊技性を不透明感を排除しつつ実現することが可能となる。
特徴L6.前記切換手段は、前記発射手段からの遊技球の発射が継続される状況において前記情報取得手段により前記判定用情報が取得される取得頻度と、前記判定用情報が前記付与判定の対象となる対象頻度と、の関係性を利用して前記第1実行状態と前記第2実行状態とを切り換えることを特徴とする特徴L5に記載の遊技機。
判定用情報が取得される取得頻度が高ければ情報記憶手段の判定用情報の記憶数は多くなり易く、付与判定の対象となる対象頻度が高ければ逆に同記憶数は少なくなり易い。上記構成では、この関係性を利用して、第1実行状態の空き数と第2実行状態の空き数とを設定する構成となる。このようにすることで、特徴L5の効果をうまく奏することが可能となる。
特徴L7.前記付与判定手段による付与判定が行われることに基づいて、所定の報知手段にて遊技回演出を実行し、演出期間の経過後に当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回演出を終了させる遊技回制御手段(主制御装置162による普図遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記遊技回制御手段による前記遊技回演出が行われる場合、前記付与判定の結果に応じて前記演出期間を設定する演出期間設定手段(主制御装置162による普図変動表示時間をセットする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記演出期間設定手段は、前記演出期間として、
前記発射手段からの遊技球の発射が継続される状況において前記情報取得手段により前記判定用情報が取得される取得頻度よりも、前記判定用情報が前記付与判定の対象となる対象頻度の方が高くなる第1演出期間と、
前記発射手段からの遊技球の発射が継続される状況において前記情報取得手段により前記判定用情報が取得される取得頻度の方が、前記判定用情報が前記付与判定の対象となる対象頻度よりも高くなる第2演出期間と、
を設定可能であり、
前記切換手段は、前記演出期間設定手段により設定される前記第1演出期間と前記第2演出期間との関係性を利用して前記第1実行状態と前記第2実行状態とを切り換えることを特徴とする特徴L6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴L6の構成を、演出期間の長短といった簡素な変形によって実現することが可能となる。これにより、特徴L6の効果を奏するうえで、複雑な制御や構成を加える必要が生じず、簡素な構成で素晴らしい効果を期待できる。
特徴L8.前記演出期間設定手段は、前記第1実行状態において、前記情報記憶手段による前記判定用情報の記憶数が前記所定数である状況で前記遊技回制御手段による前記遊技回演出が行われる場合、前記演出期間を前記第1演出期間とし、且つ前記記憶数に前記所定数から前記第2数を除算した数よりも1多い数の前記判定用情報が記憶されている状況で前記遊技回制御手段による前記遊技回演出が行われる場合、前記演出期間を前記第2演出期間として、前記記憶数の空き数が前記第2数よりも少ない数となるようにすることを特徴とする特徴L7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1演出期間と第2演出期間とをそれぞれ設定することで、第1実行状態における記憶数の空き数を第2数よりも少ない数とすることが可能となる。より具体的には、例えば、所定数を4とし、第1数を1、第2数を2とすると、記憶数が4である状況では取得頻度よりも対象頻度の方が高くなる第1演出期間として記憶数が4から3となり易くし、記憶数が3である状況では取得頻度の方が対象頻度よりも高くなる第2演出期間として記憶数が3から2となりにくくする。これにより、記憶数が3であって1つの判定用情報が取得され易い第1実行状態となる。このようにすることで、演出期間の組み合せといった簡素な構成を利用して、第1実行状態を実現することが可能となる。
特徴L9.前記演出期間設定手段は、前記第2実行状態において、前記情報記憶手段による前記判定用情報の記憶数が前記所定数である状況で前記遊技回制御手段による前記遊技回演出が行われる場合、前記演出期間を前記第1演出期間とし、且つ前記記憶数に前記所定数から前記第2数を除算した数よりも1多い数の前記判定用情報が記憶されている状況で前記遊技回制御手段による前記遊技回演出が行われる場合、前記演出期間を前記第1演出期間として、前記記憶数の空き数が前記第2数となるようにすることを特徴とする特徴L7又は特徴L8に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1演出期間と第2演出期間とをそれぞれ設定することで、第2実行状態における記憶数の空き数を第2数とすることが可能となる。より具体的には、例えば、所定数を4とし、第1数を1、第2数を2とすると、記憶数が4である状況では取得頻度よりも対象頻度の方が高くなる第1演出期間として記憶数が4から3となり易くし、記憶数が3である状況でも取得頻度よりも対象頻度の方が高くなる第1演出期間として記憶数が3から2となり易くする。これにより、記憶数が2以下であって2つの判定用情報が取得され易い第2実行状態となる。このようにすることで、演出期間の組み合せといった簡素な構成を利用して、第2実行状態を実現することが可能となる。
なお、上記特徴L1乃至L9の各構成に対して、特徴A1乃至A16、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C12、特徴D1乃至D8、特徴E1乃至E9、特徴F1乃至F14、特徴G1乃至G13、特徴H1乃至H10、特徴I1乃至I12、特徴J1乃至J8、特徴K1乃至K13のいずれか1の構成にて示した技術役思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴L群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴L群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
また、上記のようにそれぞれの技術的思想を相互に適用したり組み合わせて適用する場合、各技術的思想の範囲内で、各構成の表現を修正したうえで適用するとよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導レール100の誘導通路103等)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口61等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。