<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1〜L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1〜L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1〜L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1〜L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームは設定されない。
図8〜図10は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞〜第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞〜第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞〜第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞〜第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図12(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図12(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役〜第32小役は、主に、第1小役〜第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞〜第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役〜第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図8及び図9に示すように、これら第9小役入賞〜第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1〜L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞〜第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞〜第10再遊技入賞がある。図10に示すように、これら第1再遊技〜第10再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技及び第3再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第4再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(d)に示すように、有効ラインMLに第4再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第4再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第5再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(e)に示すように、有効ラインMLに第5再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第5再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第6再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(a)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第7再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(b)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(c)及び図13(d)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞又は第10再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第8再遊技又は第10再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第8再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第10再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第8再遊技入賞と第10再遊技入賞とを区別することが可能である。第9再遊技は、これら第8再遊技や第10再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。図13(e)に示すように、有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。図13(f)に示すように、有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42〜44には、それぞれストップ検出センサ42a〜44a(図14)が接続されており、ストップ検出センサ42a〜44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a〜44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42〜44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42〜44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a〜44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42〜44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42〜44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42〜44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55が操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作し、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定され且つ特定枚数が3枚として設定されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定され且つ特定枚数が2枚として設定されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、規定枚数が3枚又は2枚として設定され且つ特定枚数が3枚として設定されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定され且つ特定枚数が2枚として設定されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。
また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを2枚投入するためのものである。
各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42〜44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるためのサブ制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42〜44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L〜26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図14及び図15のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号はサブ制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、サブ制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図16参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図15に示すように、サブ制御装置81には、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
サブ制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、サブ制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
サブ制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60〜62、68もサブ制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
<タイマ割込み処理>
図16は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a〜44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図14参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドをサブ制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
<通常処理>
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図17のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、サブ制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。サブ制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップS107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップS205にて否定判定する。ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定数に達している場合には、ステップS205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップS206にてサブ側の制御装置としてのサブ制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップS110にてサブ制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信したサブ制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップS206の処理を実行した後は、ステップS207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップS209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS210の抽選処理、ステップS211のリール制御処理、ステップS212のメダル払出処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
<抽選処理>
次に、ステップS210の抽選処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップS302では、ベット数と状態情報格納エリア106cにセットされている遊技状態用のフラグとに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、状態情報格納エリア106cにいずれのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図19)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図20)を選択する。
また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップS302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図19は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図20は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306にて、ステップS305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のステップS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図19に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11〜22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1〜24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB当選前では、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.50枚のメダル減少が期待でき(純増枚数マイナス約1.50枚)、第1BB当選後の持ち越し状態では、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約2.10枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約2.10枚)。
これに対して、図20に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1〜9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11〜22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BB当選前では、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.24枚のメダル減少が期待でき(純増枚数マイナス約0.24枚)、第2BB当選後の持ち越し状態では、第2BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.64枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.64枚)。
ステップS306にて当選フラグをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がない場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309に進み、ストップスイッチ42〜44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップS310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップS301〜ステップS308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップS310の処理を実行した後は、ステップS311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべくサブ制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、サブ制御装置81に対してコマンドを送信しない。サブ制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて行われる。
そして、ステップS312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップS306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップS312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップS312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップS313では、ステップS312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第2再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップS313の処理を実行した後は、ステップS314にて区間表示第1処理を実行し、その後、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
<リール制御処理>
次に、ステップS211のリール制御処理について、図21のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップS309にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップS310にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップS402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42〜44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS403では、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42〜44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS403に戻り、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべくサブ制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS406〜ステップS412に示す停止制御処理を行う。
ステップS406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。
続くステップS407では、停止情報格納エリア106bにセットされている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0〜4のいずれかの値を算出する。
その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11〜22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図19、図20参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図22は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42〜44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42〜44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42〜44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。
本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42〜44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合、その操作タイミングにより、小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS411にて全リール32L,32M,32Rが停止している場合には、ステップS413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。
払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップS414にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップS415にて入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップS416にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS417にて今回のゲームにおける入賞成立役をサブ制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
<メダル払出処理>
次に、ステップS212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞〜第10再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技モードが再遊技モードである場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。つまり、メダル払い出し数に相当する分をクレジットして遊技者に付与する。
また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
<ボーナス状態処理>
次に、ステップS414のボーナス状態処理を、図23のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップS501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップS502に進む。
ステップS502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップS503に進む。
ステップS503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップS503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップS504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップS505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップS506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「90」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップS506にてBBカウンタに「90」が入力されることにより、90枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップS507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップS508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップS501にて肯定判定することになる。
続くステップS509では、第1BB開始コマンドをサブ制御装置81への出力対象としてセットする。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることをサブ制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信したサブ制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、サブ制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップS509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップS510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当し、スタートレバー41の操作により各リール32L〜32Rの回転を開始させることが可能となるベット枚数(換言すれば、ゲームを開始することが可能となるベット枚数)に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップS505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップS511に進み、上記のBBカウンタに「90」を入力する処理を実行する。すなわち、90枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップS512にて第2BB当選フラグをクリアし、ステップS513にて第2BB状態フラグをセットする。その後、ステップS514にて第2BB開始コマンドをサブ制御装置81への出力対象としてセットする。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることをサブ制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信したサブ制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。第1BB開始コマンドや第2BB開始コマンドを受信した場合のサブ制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップS510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
なお、本実施の形態では第1BB入賞が成立した場合と第2BB入賞が成立した場合とで上記BBカウンタ(上限払出数)を同じ値に設定するが、これらは異なる値であってもよい。例えば、第1BB入賞が成立した場合に設定されるBBカウンタの値を第2BB入賞が成立した場合のそれよりも大きくしてもよいし、その逆であってもよい。
ステップS501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップS515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図24は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図25に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも13枚払出が発生する第1小役入賞〜第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、3ベットゲームでは、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態では、各ゲームでメダルが減少し得る抽選テーブルを採用していることから、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できず、逆に、第1BB状態や第2BB状態を消化することで持ちメダルが減少することが想定される。
ボーナス状態処理において、ステップS515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップS516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップS517にて、ステップS516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞〜第6小役入賞が成立すると13枚の払出が発生することから、ステップS516ではBBカウンタから13を減算する。
ステップS517にて0以下ではない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下である場合、ステップS518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップS519にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行し、ステップS520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドをサブ制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信したサブ制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップS521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップS519にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
<ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について>
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図25を参照しながら説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選していない通常遊技状態は、いわゆる非内部状態と称される状態である。この場合、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームの遊技と3ベットゲームの遊技とを行うことが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
第1BB役や第2BB役に当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した持ち越し状態となる。持ち越し状態においても、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームの遊技と3ベットゲームの遊技とを行うことが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
なお、以下においては、第1BB役に当選している状態と、第2BB役に当選している状態とを区別するため、前者を「3枚内部状態」といい、後者を「2枚内部状態」ということがある。
本スロットマシン10では、第1BB役に当選している3枚内部状態において、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BB役に当選している2枚内部状態において、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。
つまり、3ベットゲームにおいて第1BB役に当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BB役に当選後、2ベットゲームに切り替えると、第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BB役に当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BB役に当選後、3ベットゲームに切り替えると、第2BB入賞を成立させることができない。
そして、第1BB役や第2BB役は重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BB役に当選することはないし、重複して第2BB役に当選することもない。このため、第1BB役に当選している3枚内部状態である状況で2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している状態での遊技が延々と継続することになる。
また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BB役に当選することはないし、重複して第1BB役に当選することもない。よって、第2BB役に当選している2枚内部状態である状況で3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB入賞の成立により移行する第1BB状態や、第2BB入賞の成立により移行する第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42〜44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役〜第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42〜44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。
つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞〜第6小役入賞となる操作順序の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と、当該アシストを行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることができ、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において2ベットゲームでの遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BB役に当選する。第2BB役に当選すると、内部状態(2枚内部状態)となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BB役に当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
ここで、第1BB役の当選状態(3枚内部状態)であることを主制御装置101のCPU102が把握するための第1BB当選フラグは、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにおける通常用エリアに格納される。通常用エリアは、他の役の当選フラグなど各種一般的なフラグが格納されるエリアである。
通常用エリアに記憶されている各フラグは、スロットマシン10への電力供給が停止しても(電源がオフ状態とされても)バックアップ電力等により記憶保持される。そのため、例えば、遊技ホールの閉店時に電源をオフ状態としても、翌日、電源をオン状態とすれば、電源遮断前に記憶されていた通常用エリアの各種フラグが残された状態でスロットマシン10が起動される。よって、第1BB当選フラグがセットされた3枚内部状態でスロットマシン10の電源が遮断され、その後電源が投入された場合には、3枚内部状態が維持された状態でスロットマシン10が起動される。
但し、スロットマシン10の立ち上げ時に当選確率の設定処理が起動される場合(設定変更が行われる場合)、通常用エリアの初期化処理(クリア処理)が行われる。そのため、当選確率の設定処理が行われると、第1BB当選フラグは、これら通常用エリアに格納されている他のフラグとともにクリアされる。よって、スロットマシン10の起動後に設定変更が行われた場合は、3枚内部状態がクリアされて非内部状態となる。
一方、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であることを主制御装置101のCPU102が把握するための第2BB当選フラグは、各種フラグ格納エリア106dにおける保存用エリアに格納される。この保存用エリアは、通常用エリアと同様に電源遮断時のバックアップ処理の対象とされる。このため、保存用エリアに第2BB当選フラグがセットされた2枚内部状態でスロットマシン10の電源が遮断され、その後電源が投入された場合には、2枚内部状態が維持された状態でスロットマシン10が起動される。
保存用エリアは、通常用エリアとは異なり、設定変更時におけるデータクリア処理(初期化処理)の対象外とされる。よって、保存用エリアに第2BB当選フラグがセットされた2枚内部状態で設定変更が行われても、当該エリアにセットされている第2BB当選フラグはクリアされない。つまり、設定変更により変更された設定値の下、2枚内部状態が成立済みの状況で遊技が行われることになる。
このように、第2BB当選が持ち越される2枚内部状態での遊技を、スロットマシン10の電源オン/オフだけでなく、設定変更時においても継続させることが可能となる。そうすると、一旦、2ベットゲームにて第2BB当選とする(2枚内部状態を成立させる)ことで、その後は、基本的に第2BB入賞が成立して第2BB状態が行われない限り、その第2BB当選フラグが記憶保持(2枚内部状態が維持)されることとなる。このようにすることで、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を好適に実施させることが可能となる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図26のフローチャートを参照しながら、ステップS310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップS601〜ステップS603では、今回開始するゲームのベット数を把握し、把握したベット数がそのときの遊技状態に対応する特定規定数に合致するか否かを判別する。すなわち、ステップS601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップS602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップS603にてベット数が2であるか否かを判定する。
既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定ベット数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定ベット数として3が設定されている。ステップS602やステップS603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数ではない場合には、ステップS604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、本実施の形態では、非内部状態や内部状態の特定規定数を3としているところ、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、本実施の形態では、第1BB状態や第2BB状態の特定規定数を3としているところ、これらの各BB状態においては、規定ベット数として3が設定されていることから、2ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施の形態では、仮に内部状態である状況で2ベットゲームが行われた場合、ステップS604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BB状態を持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップS602又はステップS603にて肯定判定した場合、ステップS604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知(指示機能)等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間中のゲームであることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合は、ステップS605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図27のフローチャートに示すように、ステップS701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップS702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図29に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップS702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップS703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップS703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップS704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップS705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施の形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップS701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップS702〜ステップS705の処理を省略することも可能である。
ステップS705にて移行抽選に当選している場合、ステップS706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS705にて否定判定した場合、又はステップS706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理(図26)の説明に戻り、ステップS604にて有利区間フラグがセットされている場合、ステップS606に進む。ステップS606では、各種フラグ格納エリア106dにATフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグは、ATモード中であることをCPU102が把握するためのものであり、ATモードへの移行時にセットされる。
ステップS606にてATフラグがセットされていない場合には、ステップS607にてAT抽選用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
ステップS607のAT抽選用処理について図28のフローチャートを参照しながら説明する。
AT抽選用処理では、先ずステップS801にて今回のゲームの抽選結果、すなわち、ステップS301〜ステップS308の役抽選の結果(役抽選の当否、当選している場合は当選役)を把握する。続くステップS802では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタの値が0であるか否かを判定する。本実施の形態では、有利区間に滞在している状況でATモード移行抽選に非当選となったゲーム数(ハマリゲーム数)が所定の天井ゲーム数(例えば700ゲーム)に到達した場合、ATモード移行抽選の結果にかかわらず、ATモードに移行するように構成されている。上記天井カウンタは、天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのものであり、ステップS802の処理は、当該残りゲーム数が0になったか否か、すなわち、天井ゲーム数に到達したか否かを判別するものである。
ステップS802で否定判定した場合(天井カウンタの値が0ではない場合)には、ステップS803に進み、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにいずれかのCZフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間であってATモードへの移行抽選に当選する前の状態として通常モードとCZ(チャンスゾーン)モードとが設けられており、CZモードは、通常モードよりもATモードの当選確率が優遇されたモード(ATモードへの移行抽選に当選しやすいモード)である。
本実施の形態では、CZモードとして第1CZモードと第2CZモードとが設定されている。第1CZモードは、通常モード中に行われる移行抽選に当選することで移行するものであり、ATモードの当選に高い期待感を持って遊技できるモードである。第2CZモードは、ATモードの終了時に行われる移行抽選に当選することで移行するものであり、ATモードの再当選(引き戻し)に高い期待感を持って遊技できるモードである。
これら各CZモードへの滞在中であることをCPU102が把握するためのフラグとして第1CZフラグと第2CZフラグとが設けられている。第1CZフラグは第1CZモード中であることを把握するためのものであり、第2CZフラグは第2CZモード中であることを把握するためのものである。
ステップS803でいずれのCZフラグもセットされていない場合、すなわち、通常モードである場合は、ステップS804にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する。通常用ATモード移行抽選テーブルでは、図29に示すように、各ゲームの抽選結果に応じてATモードへの移行率(ATモード移行抽選の当選確率)が設定されている。
一方、上記ステップS803でいずれかのCZフラグがセットされている場合、すなわち、第1CZモード又は第2CZモードである場合は、ステップS805にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから、対応するCZモード用ATモード移行抽選テーブルを取得する。例えば、第1CZモードである場合には、第1CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する。図29に示すように、第1CZモード用ATモード移行抽選テーブルにおいても、各ゲームの抽選結果に応じてATモードへの移行率が設定されている。
本実施の形態では、通常用ATモード移行抽選テーブル及び第1CZモード用ATモード移行抽選テーブルのいずれにおいてもATモード移行抽選の契機役として、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常モード及びCZモードでの遊技においては、当選し得る全ての結果がATモード移行抽選の契機役として設定されている。但し、第1CZ用ATモード移行抽選テーブルでは、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、スイカに当選した場合のATモード移行率が通常用ATモード移行抽選テーブルの場合よりも高くなっており、ATモードへの移行率が優遇されている。
なお、ATモード移行抽選の契機役は上記に限定されるものではなく、例えば、一部のチャンス目に当選した場合にのみATモード移行抽選が実行されるなど、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常モード及びCZモードでの遊技において当選し得る一部の結果についてのみ契機役となる構成としてもよい。
ステップS804又はステップS805の実行後はステップS806に進み、ATモード抽選処理を実行する。ATモード抽選処理では、RAM106の各種カウンタエリア106eからATモード移行抽選用の乱数を取得し、当該取得した乱数と、ステップS801で把握した抽選結果と、ステップS804又はステップS805で取得したATモード移行抽選テーブルとを用いてATモードの当否抽選を行う。続くステップS807では、ステップS806のATモード抽選処理においてATモードへの移行に当選したか否かを判定する。
ここで、ATモードは押し順ベル当選時に第1小役〜第6小役に対応する押し順報知が発生するモードであり、多くのメダル増加が期待できるモードである。ATモードに移行して押し順報知が発生するようになると、各押し順ベル当選時に第1小役入賞〜第6小役入賞を成立させることが可能となる。本実施の形態においてATモード中の1ゲーム当たりの純増枚数はプラス約5.95枚となっている。ATモードは、初期ゲーム数を25ゲームとし、上乗せ抽選に当選することでその残りゲーム数の加算処理が行われる。上記残りゲーム数が0となるとATモードは終了する。
ステップS807でATモード移行抽選に当選している場合には、ステップS808にて、上記各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタの値をクリアする(値を0にする)処理を実行する。ステップS808の実行後又はステップS802で肯定判定した場合(天井カウンタの値が0である場合)は、ステップS809にて前兆モードの設定処理を実行する。ここでの前兆モードは、ATモードの当選状態を維持したままATモードへの移行を待機するものである。よって、ATモードに当選した場合におけるATモードへの移行は、前兆モードの終了を待って行われる。前兆モードによる移行待機の期間では、ATモードに当選したことを報知する報知演出や、当選したかもといった期待感を煽る示唆演出等が複数回のゲームに亘って行われる。
前兆モードの設定処理では、図30のフローチャートに示すように、先ず、ステップS901にて前兆ゲーム数の抽選処理を実行する。前兆ゲーム数は前兆モードを継続するゲーム数である。ステップS901では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから取得した前兆ゲーム数テーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとを用いて前兆ゲーム数の抽選を行う。なお、前兆ゲーム数は特に限定されるものではないが、例えば、3ゲーム〜32ゲームの範囲から1のゲーム数を抽選することができる。
ステップS902では、上記抽選により選ばれた前兆ゲーム数に対応する値を、上記各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタにセットする。前兆カウンタは、前兆モードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのものであり、前兆モード中において1ゲーム毎に1ずつ減算される。
ステップS903では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに前兆モードフラグをセットする。前兆モードフラグは、前兆モード中であることをCPU102が把握するためのものである。続くステップS904では、サブ制御装置81への出力対象として前兆開始コマンドをセットし、その後、前兆モードの設定処理を終了する。前兆開始コマンドは、前兆モードに移行したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。前兆開始コマンドには、前兆モードに移行したことを示す情報のほか、ステップS902で設定した前兆カウンタの値(前兆ゲーム数)を示す情報が含まれる。
AT抽選用処理(図29)の説明に戻り、ステップS809の実行後はステップS810にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにAT当選フラグをセットする。AT当選フラグは、ATモードに当選したことをCPU102が把握するためのフラグである。続くステップS811では、サブ制御装置81への出力対象としてAT当選コマンドをセットし、その後、AT抽選用処理を終了する。AT当選コマンドは、ATモードに当選したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。
ステップS807で否定判定した場合(ATモードに当選していない場合)は、ステップS812にて第1CZ抽選用処理を実行し、その後、AT抽選用処理を終了する。第1CZ抽選用処理は、第1CZモードへの移行抽選を行うものである。
ここで、ステップS812の第1CZ抽選用処理について図31のフローチャートを参照しながら説明する。先ずステップS1001では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにいずれかのCZフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのCZフラグがセットされている場合、すなわち、第1CZモード又は第2CZモードに滞在中である場合はそのまま第1CZ抽選用処理を終了する。
いずれのCZフラグもセットされていない場合、すなわち、通常モード中である場合は、ステップS1002に進み、上記各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合、すなわち、前兆モード中である場合(既にCZモードやATモードの当選状態である場合)は、そのまま第1CZ抽選用処理を終了する。
一方、前兆フラグがセットされていない場合(通常モード中であり且つ前兆モード中でない場合)は、ステップS1003に進み、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから第1CZモード移行抽選テーブルを取得する。第1CZモード移行抽選テーブルでは、図29に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて第1CZモードへの移行率(第1CZモード移行抽選の当選確率)が設定されている。本実施の形態では、第1CZモード移行抽選の契機役として、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常モードでの遊技においては、当選し得る全ての結果が第1CZモード移行抽選の契機役として設定されている。
なお、第1CZモード移行抽選の契機役は上記に限定されるものではなく、例えば、一部のチャンス目に当選した場合にのみ第1CZモード移行抽選が実行されるなど、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常モードでの遊技において当選し得る一部の結果についてのみ契機役となる構成としてもよい。
ステップS1004では、第1CZモード抽選処理を実行する。第1CZモード抽選処理では、ステップS801で把握した抽選結果(役抽選の当否や当選役)と、ステップS1003で取得した第1CZモード移行抽選テーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとを用い、第1CZモードへの移行抽選を行う。ステップS1005では、ステップS1004の第1CZモード抽選処理において第1CZモードへの移行に当選したか否かを判定する。
第1CZモード移行抽選に当選している場合は、ステップS1006にて前兆モードの設定処理を実行する。ここでの前兆モードは、第1CZモードの当選状態を維持したまま第1CZモードへの移行を待機するものである。よって、第1CZモードに当選した場合における第1CZモードへの移行は、前兆モードの終了を待って行われる。なお、本ステップにおける具体的な処理内容は、図30の前兆モードの設定処理と同様である。
ステップS1007では、上記各種フラグ格納エリア106dに第1CZ当選フラグをセットする。第1CZ当選フラグは、第1CZモードに当選したことをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS1008では、サブ制御装置81への出力対象として第1CZ当選コマンドをセットする。第1CZ当選コマンドは、第1CZモードに当選したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。
ステップS1008の実行後又はステップS1005で否定判定した場合(第1CZモードに当選していない場合)は、第1CZ抽選用処理を終了する。
抽選結果対応処理(図26)の説明に戻り、ステップS606で肯定判定した場合(ATフラグがセットされている場合)は、ステップS608のAT上乗せ用処理を実行する。
<AT上乗せ用処理>
ステップS608のAT上乗せ用処理について図32のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、AT上乗せ用処理は、ATフラグがセットされている状況で実行される処理であり、ATモードの継続ゲーム数の上乗せを行うための処理である。
AT上乗せ用処理では、先ずステップS1101にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。ステップS1102では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからAT用上乗せ抽選テーブルを取得する。ATモード用の上乗せ抽選テーブルでは、図33に示すように、上乗せ抽選の各契機役に対応させて上乗せ当選率が設定されている。
ステップS1103では、ATモードの継続ゲーム数の上乗せを行うか否かを抽選する上乗せ抽選処理を実行する。上乗せ抽選処理では、RAM106の各種カウンタエリア106eから上乗せ抽選用の乱数を取得し、当該取得した乱数と、ステップS801で把握したゲームの抽選結果と、ステップS1102で取得した上乗せ抽選テーブルとを用いて上記抽選を行う。
ステップS1104では、ステップS1103の上乗せ抽選処理においてゲーム数上乗せに当選したか否かを判定する。ゲーム数上乗せに当選している場合は、ステップS1105に進み、上乗せゲーム数抽選処理を実行する。上乗せゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せゲーム数テーブルを取得し、今回の上乗せゲーム数を抽選により決定する。
上乗せゲーム数テーブルでは、図33に示すように、上乗せ契機となったゲームの抽選結果に応じて上乗せゲーム数が異なるように設定されている。例えば、通常リプBを契機として上乗せが行われる場合には平均100ゲームの上乗せが発生する一方、チェリーAを契機として上乗せが行われる場合は平均15ゲームの上乗せが発生する、といったように、上乗せ抽選に当選しにくい契機にて上乗せが行われる場合の方が上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。
ステップS1106では、各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタに対し、ステップS1105の上乗せゲーム数抽選処理により抽選された今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。ATカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップS1107では、サブ制御装置81への出力対象として上乗せコマンドをセットする。上乗せコマンドは、ATモードのゲーム数上乗せ抽選に当選したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。上乗せコマンドには、上乗せ抽選に当選したことを示す情報のほか、上乗せゲーム数を示す情報が含まれる。
ステップS1107の実行後又はステップS1104で否定判定した場合(上乗せ抽選に当選していない場合)は、AT上乗せ用処理を終了する。
<押し順報知の概要>
押し順報知用処理の説明に先立ち、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65はサブ制御装置81に接続されており、サブ制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図34を参照しながら説明する。図34(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図34(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図34(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1〜N8が設けられている。各表示用セグメントN1〜N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1〜N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1〜N8について詳細には、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、数字の「1」〜「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」〜「6」と、「1.」〜「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1〜N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1〜N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1〜N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1〜N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1〜N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図34(b)に示すように、各ストップスイッチ42〜44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42〜44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1〜N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42〜44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1〜N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42〜44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42〜44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42〜44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42〜44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図35を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図35(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42〜44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図35(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図35(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42〜44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42〜44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42〜44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42〜44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
抽選結果対応処理(図26)の説明に戻り、ステップS609〜ステップS612における押し順報知用の処理について説明する。
ステップS609では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップS610にて、ATフラグがセットされているか否かを判定する。ATフラグがセットされている場合、すなわち、ATモード中である場合は、ステップS611にて今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。
ステップS612では、サブ制御装置81への出力対象として押し順報知コマンドをセットし、その後、抽選結果対応処理を終了する。押し順報知コマンドは、押し順ベルに対応する第1小役から第6小役のうち今回のゲームで当選している役の押し順をサブ制御装置81に通知するコマンドである。
ステップS609で否定判定した場合(押し順ベルに当選していない場合)又はステップS610で否定判定した場合(ATモード中でない場合)は、押し順報知を行うべきではないとして、ステップS611及びステップS612の処理をスキップして抽選結果対応処理を終了する。
<入賞結果対応処理>
ステップS415の入賞結果対応処理について図36のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、リール制御処理(図21)の一環として行われるものであり、全てのリール32L〜32Rが停止した場合(ゲーム終了時)に実行されるものである。
先ずステップS1201にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップS1202にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップS1203にてベット数が2であるか否かを判定する。すなわち、ステップS1201〜ステップS1203の処理は、上記ステップS601〜ステップS603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。
ステップS1202及びステップS1203の各処理で肯定判定した場合は、ステップS1204にてゲーム数更新用処理を実行する。ゲーム数更新用処理では、前兆モードの残りゲーム数、天井ゲーム数までの残りゲーム数、CZモードの残りゲーム数、ATモードの残りゲーム数等を更新する。
ステップS1205では、ATモードを開始させるためのATモード移行用処理を実行し、ステップS1206では、ATモードを終了させるためのATモード終了用処理を実行する。ステップS1207では、CZモードを開始させるためのCZモード移行用処理を実行し、ステップS1208では、CZモードを終了させるためのCZモード終了用処理を実行する。ステップS1208の実行後は入賞結果対応処理を終了する。なお、ステップS1204〜ステップS1208の詳細については後述する。
また、ステップS1202で否定判定した場合又はステップS1203で否定判定した場合は、ステップS1204以降の処理をスキップして入賞結果対応処理を終了する。すなわち、特定規定数とは異なるベット数で遊技が行われた場合は、前兆モード等の残りゲーム数の更新処理や、ATモード等への移行処理が行われない。
<ゲーム数更新用処理>
ステップS1204のゲーム数更新用処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1301では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグは、有利区間中であることをCPU102が把握するためのものである。
有利区間フラグがセットされていない場合(有利区間中でない場合)は、そのままゲーム数更新用処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合(有利区間中である場合)は、ステップS1302に進み、前兆モードの残りゲーム数を更新するための前兆モード用処理を実行する。
前兆モード用処理では、図38に示すように、ステップS1401にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合(前兆モード中である場合)はステップS1402に進み、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタの値を更新する。具体的には、前兆カウンタの値を1ディクリメントし、前兆モードの残りゲーム数を1減少させる。
ステップS1403では、前兆カウンタの値が0であるか否かを判定する。前兆カウンタの値が0である場合、すなわち、前兆モードの残りゲーム数が0ゲームである場合は、ステップS1404にて上記各種フラグ格納エリア106dにセットされている前兆フラグをクリアする。これにより、前兆モードが終了する。
ステップS1405では、サブ制御装置81への出力対象として前兆終了コマンドをセットし、その後、前兆モード用処理を終了する。前兆終了コマンドは、前兆モードが終了したことをサブ制御装置81に通知するコマンドである。
ステップS1401で否定判定した場合(前兆モード中でない場合)は、前兆カウンタの更新等を行うべきではないとして、ステップS1402以降の処理をスキップして前兆モード用処理を終了する。また、ステップS1403で否定判定した場合(前兆カウンタの値が0でなく、前兆モードの残りゲーム数が1ゲーム以上である場合)は、前兆モードを継続すべく、ステップS1404以降の処理をスキップして前兆モード用処理を終了する。
ゲーム数更新用処理(図36)の説明に戻り、ステップS1302の実行後はステップS1303にて、上記各種フラグ格納エリア106dにいずれかのCZフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのCZフラグがセットされている場合(第1CZモード中又は第2CZモード中である場合)は、ステップS1304に進み、上記各種カウンタエリア106eに設けられたCZカウンタの値を更新する。CZカウンタは、CZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのものである。ステップS1304では、CZカウンタの値を1ディクリメントし、CZモードの残りゲーム数を1減少させる。
ステップS1304の実行後又はステップS1303で否定判定した場合(いずれのCZフラグもセットされていない場合)は、ステップS1305にて、上記各種フラグ格納エリア106dにATフラグがセットされているか否かを判定する。ATフラグがセットされている場合(ATモード中である場合)は、ステップS1306に進み、上記各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタの値を更新し、その後、ゲーム数更新用処理を終了する。ATカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのものである。ステップS1306では、ATカウンタの値を1ディクリメントし、ATモードの残りゲーム数を1減少させる。
ステップS1305で否定判定した場合(ATフラグがセットされていない場合)は、ステップS1307に進み、上記各種フラグ格納エリア106dにAT当選フラグがセットされているか否かを判定する。AT当選フラグがセットされていない場合(ATモードの当選状態でない場合)は、ステップS1308にて、上記各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタの値を更新する。具体的には、天井カウンタの値を1ディクリメントし、天井ゲーム数までの残りゲーム数を1減少させる。ステップS1308の実行後又はステップS1307で肯定判定した場合(AT当選フラグがセットされている場合)は、ゲーム数更新用処理を終了する。
<ATモード移行用処理>
ステップS1205のATモード移行用処理について図39のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1501では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにATフラグがセットされているか否かを判定する。ATフラグがセットされていない場合(ATモード中でない場合)は、ステップS1502に進み、上記各種フラグ格納エリア106dにAT当選フラグがセットされているか否かを判定する。
AT当選フラグがセットされている場合(ATモードの当選状態である場合)は、ステップS1503に進み、上記各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされていない場合(前兆モード中でない場合)は、ステップS1504にて、上記各種フラグ格納エリア106dにセットされているAT当選フラグをクリアする。
ステップS1505では、上記各種フラグ格納エリア106dにATフラグをセットする。これにより、ATモードに移行する。なお、ATモード移行用処理はゲーム終了時に実行されるため、ATモードは次のゲームから開始される。
ステップS1506では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタにATモードの初期ゲーム数(例えば25ゲーム)に対応する値をセットする。続くステップS1507では、サブ制御装置81への出力対象としてAT開始コマンドをセットし、その後、ATモード移行用処理を終了する。AT開始コマンドは、ATモードに移行したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。AT開始コマンドには、ATモードに移行したことを示す情報のほか、ATモードの初期ゲーム数を示す情報が含まれる。
ステップS1501で肯定判定した場合(ATフラグがセットされている場合)、ステップS1502で否定判定した場合(AT当選フラグがセットされていない場合)又はステップS1503で肯定判定した場合(前兆フラグがセットされている場合)は、ステップS1504以降の処理をスキップしてATモード移行用処理を終了する。
<ATモード終了用処理>
ステップS1206のATモード終了用処理について図40のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1601では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにATフラグがセットされているか否かを判定する。ATフラグがセットされていない場合(ATモード中でない場合)はそのままATモード終了用処理を終了する。ATフラグがセットされている場合(ATモード中である場合)は、ステップS1602に進み、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタの値が0であるか否かを判定する。ATカウンタの値が0でない場合、すなわち、ATモードの残りゲーム数が1以上である場合は、ATモードを継続させるべく、そのままATモード終了用処理を終了する。
ATカウンタの値が0である場合(ATモードの残りゲーム数が0である場合)は、ステップS1603に進み、上記各種フラグ格納エリア106dにセットされているATフラグをクリアする。これにより、ATモードが終了する。
ステップS1604では、サブ制御装置81への出力対象としてAT終了コマンドをセットする。AT終了コマンドは、ATモードが終了したことをサブ制御装置81に通知するコマンドである。
ステップS1605では、今回のゲームの抽選結果、すなわち、ステップS301〜ステップS308の役抽選の結果(役抽選の当否や当選役)を把握する。ステップS1606では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから第2CZモード移行抽選テーブルAを取得する。第2CZモード移行抽選テーブルAでは、図41に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて第2CZモードへの移行率(第2CZモード移行抽選の当選確率)が設定されている。本実施の形態では、第2CZモード移行抽選の契機役として、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。このうち、当選しにくい特定役(レア役)に相当するチャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、スイカでは、第2CZモードの当選確率が100%に設定されている。すなわち、ATモードの最終ゲームで特定役に当選した場合は必ず第2CZモードに当選するように構成されている。なお、図42に示す第2CZモード移行抽選テーブルAは一例に過ぎず、第2CZモードへの移行契機役や移行確率(当選確率)は任意に設定することができる。
ステップS1607では第2CZモード移行抽選Aを実行する。第2CZモード移行抽選Aでは、ステップS1605で把握した抽選結果と、ステップS1606で取得した第2CZモード移行抽選テーブルAと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとを用い、第2CZモードへの移行抽選を行う。ステップS1608では、ステップS1607の第2CZモード移行抽選Aにおいて第2CZモードへの移行に当選したか否かを判定する。
第2CZモードに当選していない場合は、ステップS1609に進み、第2CZモード移行抽選Bを実行する。第2CZモード移行抽選Bでは、上記各種テーブル記憶エリア105aから第2CZモード移行抽選テーブルBを取得し、この第2CZモード移行抽選テーブルBと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとを用い、第2CZモードへの移行抽選を行う。第2CZモード移行抽選テーブルBでは、当選役とは関係なく、抽選用のカウンタ値に対して第2CZモードの当否が割り当てられている。よって、ATモードの最終ゲームで図41に示す契機役に当選しない場合でも、上記抽選用のカウンタ値として第2CZモードの当選に割り当てられた値が取得されれば、第2CZモードに当選する。
第2CZモード移行抽選Bにおける当選確率は特に限定されるものではなく、例えば30%程度とすることができる。つまり、ATモードの最終ゲームで特定役や押し順ベル等に当選すれば第2CZモードの当否抽選が優遇され、そのような当選がない場合は一定確率で第2CZモードに当選する。
ステップS1610では、ステップS1609の第2CZモード移行抽選Bにおいて第2CZモードへの移行に当選したか否かを判定する。ステップS1610で肯定判定した場合又はステップS1608で肯定判定した場合(第2CZモード移行抽選Aで第2CZモードに当選した場合)は、ステップS1611に進み、上記各種フラグ格納エリア106dに第2CZ当選フラグをセットする。第2CZ当選フラグは、第2CZモードに当選したことをCPU102が把握するためのものである。
ステップS1612では、サブ制御装置81への出力対象として第2CZ当選コマンドをセットし、その後、ATモード終了用処理を終了する。第2CZ当選コマンドは、第2CZモードに当選したことをサブ制御装置81に通知するコマンドである。
ステップS1610で否定判定した場合(第2CZモードに当選していない場合)は、ステップS1613に進み、上記各種フラグ格納エリア106dに有利区間終了フラグをセットする。有利区間終了フラグは、有利区間を終了すべきであることをCPU102が把握するためのものである。ステップS1613の実行後はATモード終了用処理を終了する。
<CZモード移行用処理>
ステップS1207のCZモード移行用処理について図42のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1701では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにいずれかのCZ当選フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのCZ当選フラグがセットされている場合には、ステップS1702に進み、上記各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグがセットされているか否かを判定する。
前兆フラグがセットされていない場合(前兆モード中でない場合)は、ステップS1703にて、上記各種フラグ格納エリア106dに第2CZ当選フラグがセットされているか否かを判定する。第2CZ当選フラグがセットされている場合(第2CZモードの当選状態である場合)は、ステップS1704にて当該第2CZ当選フラグをクリアする。
続くステップS1705では、上記各種フラグ格納エリア106dに第2CZフラグをセットする。これにより、第2CZモードに移行する。なお、CZモード移行用処理はゲーム終了時に実行されるため、第2CZモードは次のゲームから開始される。
このようにして第2CZモードに移行した場合には、図28のAT抽選用処理におけるステップS805にて第2CZモード用ATモード移行抽選テーブルが取得される。この第2CZモード用ATモード移行抽選テーブルでは、図41に示すように、通常モード用ATモード移行抽選テーブル(図29)よりもATモードへの移行確率が優遇されている。このため、ATモードの終了後に第2CZモードに移行した場合には、ATモードの再当選(引き戻し)に高い期待感を持って遊技することが可能になる。
なお、本実施の形態では、第2CZモード用ATモード移行抽選テーブルにおける移行契機役及び各契機役に対応する当選確率を第1CZモード用ATモード移行抽選テーブル(図29)と同じにしているが、例えば、第2CZモード用ATモード移行抽選テーブルの方が各契機役に対応する当選確率が高いなど、それらは異なるものとしてもよい。
ステップS1706では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたCZカウンタに第2CZモードの初期ゲーム数に対応する値をセットする。第2CZモードの初期ゲーム数は特に限定されるものではないが、例えば50ゲームに設定される。この場合、ATモード終了後の50ゲームに亘り、ATモードの当選確率が高められた状態が続くことになる。
ステップS1707では、サブ制御装置81への出力対象として第2CZ開始コマンドをセットし、その後、CZモード移行用処理を終了する。第2CZ開始コマンドは、第2CZモードに移行したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。第2CZ開始コマンドには、第2CZモードに移行したことを示す情報のほか、第2CZモードの初期ゲーム数を示す情報が含まれる。
ステップS1703で否定判定した場合(第2CZ当選フラグがセットされていない場合)は、第1CZ当選フラグがセットされている(第1CZモードの当選状態である)ことを意味する。この場合はステップS1708に進み、上記各種フラグ格納エリア106dにセットされている第1CZ当選フラグをクリアする。
ステップS1709では、上記各種フラグ格納エリア106dに第1CZフラグをセットする。これにより、第1CZモードに移行する。ステップS1710では、上記CZカウンタに第1CZモードの初期ゲーム数に対応する値をセットする。第1CZモードの初期ゲーム数は特に限定されるものではないが、例えば15ゲームに設定される。
ステップS1711では、サブ制御装置81への出力対象として第1CZ開始コマンドをセットし、その後、CZモード移行用処理を終了する。第1CZ開始コマンドは、第1CZモードに移行したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。第1CZ開始コマンドには、第1CZモードに移行したことを示す情報のほか、第1CZモードの初期ゲーム数を示す情報が含まれる。
ステップS1701で否定判定した場合(いずれのCZ当選フラグもセットされていない場合)又はステップS1702で肯定判定した場合(前兆フラグがセットされている場合)は、ステップS1703以降の処理をスキップしてCZモード移行用処理を終了する。
<CZモード終了用処理>
ステップS1208のCZモード終了用処理について図43のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1801では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにいずれかのCZフラグがセットされているか否かを判定する。いずれのCZフラグもセットされていない場合(CZモード中でない場合)は、ステップS1802以降の処理を実行することなくCZモード終了用処理を終了する。
いずれかのCZフラグがセットされている場合(第1CZモード中又は第2CZモード中である場合)は、ステップS1802にて、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたCZカウンタの値が0であるか否かを判定する。CZカウンタの値が0でない場合(CZモードの残りゲーム数が1以上である場合)は、ステップS1803に進み、上記各種フラグ格納エリア106dにAT当選フラグがセットされているか否か、すなわち、ATモードに当選したか否かを判定する。AT当選フラグがセットされていない場合は、そのままCZモード終了用処理を終了する。
ステップS1803で肯定判定した場合又はステップS1802で肯定判定した場合(CZカウンタの値が0である場合)は、ステップS1804に進み、上記各種フラグ格納エリア106dに第2CZフラグがセットされているか否かを判定する。第2CZフラグがセットされている場合(第2CZモード中である場合)は、ステップS1805にて当該第2CZフラグをクリアする。すなわち、CZモードの残りゲーム数が0ゲームになった場合や、CZモードの途中でATモードに当選した場合には、第2CZモードが終了する。
ステップS1806では、サブ制御装置81への出力対象として第2CZ終了コマンドをセットする。第2CZ終了コマンドは、第2CZモードが終了したことをサブ制御装置81に通知するコマンドである。
ステップS1807では、上記各種フラグ格納エリア106dにAT当選フラグがセットされているか否かを判定する。AT当選フラグがセットされていない場合は、ATモードに当選することなく第2CZモードが終了したことを意味する。この場合は、ステップS1808に進み、上記各種フラグ格納エリア106dに有利区間終了フラグをセットする。有利区間終了フラグは、有利区間を終了すべきであることをCPU102が把握するためのものである。ステップS1808の実行後又はステップS1807で肯定判定した場合(AT当選フラグがセットされている場合)はATモード終了用処理を終了する。
ステップS1804で否定判定した場合(第2CZフラグがセットされていない場合)は、第1CZモード中であることを意味する。この場合はステップS1809に進み、上記各種フラグ格納エリア106dにセットされている第1CZフラグをクリアする。これにより、第1CZモードが終了する。
ステップS1810では、サブ制御装置81への出力対象として第1CZ終了コマンドをセットし、その後、CZモード終了用処理を終了する。第1CZ終了コマンドは、第1CZモードが終了したことをサブ制御装置81に通知するコマンドである。
<区間表示第1処理>
ステップS314(図18)の区間表示第1処理について図44のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、抽選処理(図18)の一環として行われるものであり、スタートレバー41が操作された場合(ゲーム開始時)に実行されるものである。区間表示第1処理は、通常区間から有利区間に移行させたり、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したりする処理である。
先ずステップS1901では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップS1901にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中である場合、ステップS1902に進む。
ステップS1902では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされていない場合、ステップS1903にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップS1904にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする。そして、ステップS1905にて有利区間フラグをセットする。これにより、有利区間が開始される(有利区間に移行する)。
ステップS1906では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間中に実行されたゲームの数をCPU102が把握するためのものである。
ステップS1907では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタの初期値として天井ゲーム数に対応した値(例えば700ゲームに相当する値)をセットする。ステップS1908では、サブ制御装置81への出力対象として有利区間開始コマンドをセットする。有利区間開始コマンドは、有利区間が開始されることをサブ制御装置81に通知するコマンドである。
ステップS1908の実行後、ステップS1902で肯定判定した場合(有利区間中である場合)又はステップS1903で否定判定した場合(有利区間当選ゲームフラグがセットされていない場合)は、ステップS1909にて上記各種フラグ格納エリア106dにATフラグがセットされているか否かを判定する。ATフラグがセットされている場合(区間表示器が表示中ではない状況でATフラグがセットされている場合)は、ATモードの開始タイミングであることを意味する。この場合は、ステップS1910に進み、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
このようにして区間表示器の表示を開始させた後、上記ステップS1901にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中である場合は、ステップS1911に進み、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、区間表示第1処理では実施しない。
ステップS1909で否定判定した場合(ATフラグがセットされていない場合)は、ステップS1912に進み、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
また、ステップS1910又はステップS1911の処理を実行した後は、ステップS1913に進み、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップS1912又はステップS1913の処理を実行した後は、ステップS1914にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップS1915にて、ステップS1914の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77A、第2表示部77B、第3表示部77C、第4表示部77D、第5表示部77Eを有している。第1表示部77A〜第5表示部77Eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1〜N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップS1915では、ステップS1914の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77A〜77Eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップS1915の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップS1914の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77Aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77Aを有さないようにしたり、第1表示部77Aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77Aと第2表示部77Bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
ステップS416(図21)の区間表示第2処理について図45のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、リール制御処理(図21)の一環として行われるものであり、全てのリール32L〜32Rが停止した場合(ゲーム終了時)に実行されるものである。区間表示第2処理は、有利区間中のゲーム数や差枚数の管理を行ったり、有利区間を終了させたりする処理である。
先ずステップS2101では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合にはステップS2102にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。ステップS2102の処理を実行した後は、ステップS2103にて、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップS2103のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数(いずれの役入賞も成立しておらず、払出枚数が0枚である場合も含む)から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を現在の有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。ちなみにMY更新処理において加算結果が負の値となった場合には、その負の分を切り捨てて0枚であるとしてカウントする。例えば、更新前の有利区間増減枚数MYが2枚である状況で払出枚数から投入枚数を減算した値が−3枚となり、更新後(加算後)の値が−1枚となった場合は、更新後の値が0枚であるとして処理する。
なお、区間表示第2処理では、抽選結果対応処理(図26)のステップS601〜ステップS603や入賞結果対応処理(図36)のステップS1201〜ステップS1203のように、ベット数が遊技状態に対応したものであるか否かの判定処理を実行しない。よって、有利区間ゲーム数AG(有利区間中の消化ゲーム数)や有利区間増減枚数MY(有利区間中のメダル払出枚数から有利区間中のメダル投入枚数を減算した差枚数)は、ゲームが行われたときのベット数にかかわらず、ゲームが実行される都度、更新される。つまり、有利区間で実行されたゲーム数やメダル増減数の更新処理は、ベット数を2としてゲームが行われた場合(ベット数が特定規定数に一致しない状態でゲームが行われた場合)でも実行される。
ステップS2104では、サブ制御装置81への出力対象としてゲーム数コマンド及び差枚数コマンドをセットする。ゲーム数コマンドは、ステップS2102で更新した有利区間ゲーム数AGをサブ制御装置81に通知するものであり、差枚数コマンドは、ステップS2103で更新した有利区間増減枚数MYをサブ制御装置81に通知するものである。よって、サブ制御装置81では、これらのコマンドを受信することにより、主制御装置101が認識している有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MYを把握することができる。
ステップS2105では残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップS2106では残枚数管理処理を実行する。
残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATカウンタ(ATモードの残りゲーム数)と、CZカウンタ(CZモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数以上又は上限ゲーム数より多い状況であるか否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。
残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の上限増加数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
続くステップS2107では、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップS2108にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップS2109では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。
ステップS2110では、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を行う。有利区間用情報の初期化処理では、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す。例えば、有利区間フラグや、AT当選フラグやATフラグ、各種CZフラグ等がセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、CZモード等の継続ゲーム数用のカウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関して、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化し、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う。
ステップS2111では、サブ制御装置81への出力対象として有利区間終了コマンドをセットする。有利区間終了コマンドは有利区間が終了したことや初期化処理が行われたことを通知するコマンドである。
ステップS2107で否定判定した場合(有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に達しておらず且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していない場合)は、ステップS2112に進み、上記各種フラグ格納エリア106dに有利区間終了フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間終了フラグがセットされていない場合はそのまま区間表示第2処理を終了する。
一方、有利区間終了フラグがセットされている場合は、ステップS2113にて有利区間終了フラグをクリアした後、ステップS2108に進んで有利区間を終了させる。既に説明したように、有利区間終了フラグは、ATモードの終了後に第2CZモードに移行しなかった場合(ステップS1613)と、第2CZモードにてATモードに当選しなかった場合(ステップS1808)とにセットされる。すなわち、有利区間は、(1)有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に達する又は有利区間増減枚数MYが上限増加数に達すること、(2)第2CZモードに移行することなくATモードが終了すること、(3)ATモードに当選することなく第2CZモードが終了することのいずれかが成立することで終了する。なお、有利区間が終了した場合は通常区間に移行する。
<押し順表示器及び区間表示器の表示とゲームの進行について>
有利区間の開始及び終了と区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示との関係について説明する。
本スロットマシン10では、有利区間ではない通常区間においては、区間表示器としての第8表示用セグメントN8は消灯している(点灯していない)。この通常区間においては、押し順報知は行われない。つまり、押し順報知等の指示機能に係る性能を有する有利区間に対し、通常区間は当該指示機能に係る有さない区間といえる。表示モードが通常モードである状況が、主に通常区間に対応する。
通常区間において、例えば、第7小役7(共通ベル)当選等によって有利区間への移行抽選に当選すると、当該当選契機となった遊技結果が成立するゲームの次ゲームから有利区間の実行ゲーム数の計測(有利区間ゲーム数AGのカウント)が開始される。そして、有利区間中において例えばATモードへの移行抽選に当選し、当選報知及びATフラグがセットされる等して押し順報知が発生し得る状況となると、区間表示器の表示の開始条件が成立したものとして、第8表示用セグメントN8が点灯する。つまり、第8表示用セグメントN8は必ずしも有利区間の開始時に点灯されるとは限らず、少なくとも押し順報知が行われてメダルの増加が見込まれる状態に対応して点灯される。
その後、第8表示用セグメントN8が点灯している状況で、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7を利用した押し順報知が発生する。この場合、上記のように第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7によって押し順情報(「1」〜「6」)の表示がなされ、かかる押し順情報に基づいて、遊技者は押し順を把握することができる。押し順報知において、押し順情報は、当該ゲームにおいてスタートレバー41の操作時に表示が開始され、当該ゲームにおいて第3リール停止ON操作時にその表示が終了する。かかるゲームが有利区間の最終ゲームではない場合には、第3リール停止ON操作時においては、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7による押し順情報の表示のみ終了し、第8表示用セグメントN8による有利区間の表示は継続される。そして、次ゲーム以降において再度押し順役に当選すると、その押し順役に対応する押し順情報が第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7にて表示される。
有利区間の継続ゲーム数が上限に達したり、有利区間のメダル増加数が上限増加数に達する等して、有利区間の最終ゲームとなると、第8表示用セグメントN8も消灯し、有利区間の報知が終了する。本実施の形態では、有利区間の最終ゲームにおいて、メダル払出が終了したタイミングで(払出判定処理の後の処理である区間表示第2処理により)、第8表示用セグメントN8が消灯する。なお、最終ゲームにおいてメダル払出が行われない場合には、第3リール停止OFF操作時に第8表示用セグメントN8が消灯する。これにより、遊技者は、当該ゲームが有利区間の最終ゲームであったことを明確に把握することができる。
上記のように、有利区間のゲーム数のカウントは、有利区間への移行抽選に当選したゲームの次ゲームから行われる一方、押し順報知は第8表示用セグメントN8が点灯している期間においてのみ発生する。言い換えると、有利区間であっても第8表示用セグメントN8が消灯している区間(非特定区間)においては、押し順報知は発生しない。つまり、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の点灯の有無を確認することで、有利区間のうち、少なくとも押し順報知による恩恵を享受可能な状況(特定区間、実質増加区間)であることを明確に把握することが可能となっている。このようにすることで、例えば、有利区間において押し順報知による恩恵を享受することでメダル増加が発生しているのか、有利区間ではないのにもかかわらず押し順報知による恩恵を不正に享受することでメダル増加を生じさせる不正行為が行われているのか等を、遊技ホールの管理者等が明確に確認することが可能となる。
<ATモードの再当選について>
ATモード中において有利区間増減枚数MYに基づいて都度のメダル差枚数を把握し、それをメダル獲得枚数として報知するスロットマシンがある。そのようなスロットマシンでは、報知されるメダル獲得枚数を遊技者が参照することで、自身が勝ち取った実績として認識することができる。
しかしながら、従来のスロットマシンでは、有利区間の終了に伴って有利区間増減枚数MYがクリア(初期化)されるため、有利区間の終了後に移行した後の有利区間において再びATモードに移行した場合に、報知されるメダル獲得枚数が初期化を経て更新されたものとなる。すなわち、遊技者が運よくATモードに再当選させることができたにもかかわらず、報知されるメダル獲得枚数が少ない枚数に留まってしまうおそれがある。この場合、ATモードを再当選させた喜びよりも、メダル獲得枚数が少ないことによる物足りなさの方が強く印象付けられてしまう懸念がある。
そこで、本実施の形態では、有利区間の終了後にATモードに再当選させた場合において、遊技者が物足りない印象を抱くことが抑制されるように演出上の工夫を施している。以下、そのための具体的な構成について詳細に説明する。
<演出設定処理>
サブ制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図46のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップS2501にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップS2502にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップS2501にて否定判定した場合、又はステップS2502の処理を実行した後は、ステップS2503にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理(図17)のステップS206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップS2504にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップS2503にて否定判定した場合、又はステップS2504の処理を実行した後は、ステップS2505にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理(図18)のステップS311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図26)でセットされるCZ当選コマンド、AT当選コマンド、上乗せコマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップS2506にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップS2505にて否定判定した場合、又はステップS2506の処理を実行した後は、ステップS2507にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図21)のステップS405にてセットされる停止指令コマンドがある。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップS2508にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップS2507にて否定判定した場合、又はステップS2508の処理を実行した後は、ステップS2509にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図21)のステップS418にてセットされる入賞結果コマンドの他、入賞結果対応処理(図36)にてセットされるCZ開始コマンド、CZ終了コマンド、AT開始コマンド、AT終了コマンド、区間表示第2処理(図45)にてセットされるゲーム数コマンド、差枚数コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップS2510にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップS2509にて否定判定した場合、又はステップS2510の処理を実行した後は、ステップS2511にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップS2511では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップS2511では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップS2506の開始時演出設定処理について、図47のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2601では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップS2602にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップS2603に進み、第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップS2601で否定判定した場合(押し順役当選でない場合)には、ステップS2604にて今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施の形態では、チャンス目A〜チャンス目C、チェリーA〜チェリーC及びスイカを特定役として設定している。図29及び図41に示すように、これらの抽選結果を契機とするATモード移行抽選においては、特定役以外の抽選結果を契機とするよりもATモード移行当選となり易いように設定されている。
今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップS2605にて、特定役報知用処理を実行する。特定役報知用処理では、図48に示すように、ステップS2701〜ステップS2703にて、今回の開始時コマンドとして、前兆開始コマンド、CZ当選コマンド、AT当選コマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する。これらのコマンドを受信していない場合とは、特定役(期待度の高い移行契機役)に当選したものの、CZモードやATモードへの移行抽選に外れたことを意味する。この場合は、ステップS2704に進み、疑似前兆モードを実行するか否かを抽選する疑似前兆モードの実行抽選を実行する。
疑似前兆モードは、実際には前兆モードに移行していないものの、遊技者に対して上記移行がなされたか(換言すれば、CZモード等に当選したか)のように期待させるためのモードである。本実施の形態では、この疑似前兆モードの期間を利用して、CZモード等の非当選を報知するための連続演出を実行する。なお、前兆モードや疑似前兆モードの継続ゲーム数としては、連続演出のゲーム数よりも多いゲーム数が設定される場合がある。そのような場合には、連続演出の開始前の期間において遊技者に当選を期待させる煽り演出(連続演出以外の演出)を実行する。この煽り演出は、程度の差はあるものの、前兆モードと疑似前兆モードの両方で行われるため、遊技者から見て前兆モードと疑似前兆モードとの明確な識別は不可又は困難となっている。
ステップS2704では、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから実行抽選テーブルを取得し、その取得した抽選テーブルと、RAM183の各種カウンタエリア183bから取得した抽選用のカウンタとを用いて疑似前兆モードの実行抽選を行う。
ステップS2705では、ステップS2704における疑似前兆モードの実行抽選に当選したか否かを判定する。当選していない場合は、疑似前兆モードに移行しないとして、そのまま特定役報知用処理を終了する。
一方、実行抽選に当選している場合はステップS2706に進み、疑似前兆ゲーム数の抽選処理を行う。疑似前兆ゲーム数は疑似前兆モードを継続するゲーム数である。ステップS2706では、上記各種テーブル記憶エリア182aから取得した疑似前兆ゲーム数テーブルと、上記各種カウンタエリア183bから取得した抽選用のカウンタとを用いて疑似前兆ゲーム数の抽選を行う。なお、疑似前兆ゲーム数は特に限定されるものではないが、前兆モードの場合と同様に、例えば、3ゲーム〜32ゲームの範囲から1のゲーム数を抽選することができる。
ステップS2708では、上記抽選により選ばれた疑似前兆ゲーム数に対応する値を、上記各種カウンタエリア183bに設けられた疑似前兆カウンタにセットする。疑似前兆カウンタは、疑似前兆モードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのものであり、疑似前兆モード中において1ゲーム毎に1ずつ減算される。
ステップS2709では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに疑似前兆フラグをセットし、その後、特定役報知用処理を終了する。疑似前兆フラグは、疑似前兆モード中であることをCPU181が把握するためのフラグであり、疑似前兆カウンタの値が0となった場合(疑似前兆モードの残りゲーム数が0ゲームになった場合)にクリアされる。
ステップS2701、ステップS2702又はステップS2703で肯定判定した場合は、前兆モードに移行していたり、CZモード又はATモードへの移行抽選に当選していたりすることを意味する。この場合は、疑似前兆モードに移行しないとして、ステップS2704以降の処理を実行することなく特定役報知用処理を終了する。
開始時演出設定処理(図47)の説明に戻り、ステップS2603の実行後、ステップS2605の実行後、ステップS2602で否定判定した場合(押し順報知コマンドを受信していない場合)又はステップS2604で否定判定した場合(特定役に当選していない場合)は、ステップS2606にて、今回の開始時コマンドとして上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。
上乗せコマンドを受信している場合は、ステップS2607に進み、上乗せ演出の設定処理を実行する。上乗せ演出の設定処理では、ATモードのゲーム数上乗せが発生したことや、その上乗せゲーム数を報知する上乗せ報知演出が補助表示部65等で行われるように設定する。なお、上乗せ演出の実行態様には、上乗せの発生ゲームで行われるものに限らず、上乗せ発生を契機として発生ゲームから所定ゲーム数後に行われるものや、ATモードの残りゲーム数が所定数(例えば残り1ゲーム)となった状況で行われるもの(いわゆる後乗せ演出)が含まれてもよい。
ステップS2607の実行後又はステップS2606で否定判定した場合(上乗せコマンドを受信していない場合)は、ステップS2608にて連続演出の設定処理を実行する。連続演出は、バトル演出等の一連の演出を複数ゲームに亘って行い、その最終ゲームにて勝敗を報知することなどにより、CZモードやATモードの当選有無を報知するものである。ステップS2608では、前兆モード又は疑似前兆モードにおいて上記連続演出が補助表示部65等で実行されるように設定する。なお、前兆モードにて実行される連続演出では、その最終ゲームでCZモードやATモードに当選していることが報知され、疑似前兆モードにて実行される連続演出では、その最終ゲームでCZモードやATモードに当選していないことが報知される。
ステップS2609では、ボーナス中演出設定処理を実行する。ボーナス中演出設定処理では、第1BB状態や第2BB状態用の演出を補助表示部65等により行うための処理を実行する。
ステップS2610では、その他の開始時演出の設定処理を実行し、その後、開始時演出設定処理を終了する。その他の開始時演出の設定処理では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知したりする処理等を行う。
<全停止時演出設定処理>
ステップS2510の全停止時演出設定処理について、図49のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS2801では、今回の全停止時コマンドとしてCZ開始コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ開始コマンドを受信している場合は、ステップS2802にてCZ演出の設定処理を実行する。CZ演出の設定処理では、次ゲームから所定のCZ演出が補助表示部65等にて実行されるように設定する。CZ演出の設定としては、CZモードの初回ゲームにて行われるCZモード開始演出と、2ゲーム以降のゲームで行われるCZモード中演出との設定を行う。
その際、CZ開始コマンドとして第1CZ開始コマンド(図42のステップS1711)を受信している場合は、第1CZモードに対応した第1CZモード開始演出及び第1CZモード中演出が行われるように設定する。そのうち第1CZモード開始演出では、図53(a)に示すように、例えば、「CZモード スタート」等の第1CZモードの開始を報知する報知画像を補助表示部65に表示する。
また、CZ開始コマンドとして第2CZ開始コマンド(図42のステップS1707)を受信している場合は、第2CZモードに対応した第2CZモード開始演出及び第2CZモード中演出が行われるように設定する。第2CZモード開始演出では、図55(a)に示すように、例えば、所定のキャラクタ画像401とともに、「引き戻しチャンス スタート」等の第2CZモードの開始を報知する報知画像402を補助表示部65に表示する。また、第2CZモード中演出では、図55(b)に示すように、例えば、上記キャラクタ画像401とともに、「引き戻しチャンス」等の第2CZモード中であることを報知する報知画像403を補助表示部65に表示する。これら各演出では、メダルの獲得枚数(払出枚数から投入数を差し引いた枚数)を示す差枚数画像(獲得枚数画像)411を表示するが、差枚数画像411の詳細については後述する。なお、差枚数画像411は、第1CZモード開始演出及び第1CZモード中演出では表示されない。
ステップS2801で否定判定した場合(CZ開始コマンドを受信していない場合)は、ステップS2803に進み、今回の全停止時コマンドとしてCZ終了コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ終了コマンドを受信している場合は、ステップS2804にて所定のCZ終了演出が補助表示部65等にて実行されるように設定する。
その際、CZ終了コマンドとして第1CZ終了コマンド(図43のステップS1810)を受信している場合は、第1CZモードに対応した第1CZモード終了演出が行われるように設定する。第1CZモード終了演出では、図53(b)に示すように、例えば、「CZモード 終了」等の第1CZモードの終了を報知する報知画像を補助表示部65に表示する。また、CZ終了コマンドとして第2CZ終了コマンド(図43のステップS1806)を受信している場合は、第2CZモードに対応した第2CZモード終了演出が行われるように設定する。第2CZモード終了演出では、図55(c)に示すように、例えば、「引き戻しチャンス 終了」等の第2CZモードの終了を報知する報知画像404とともに差枚数画像411を補助表示部65に表示する。なお、ATモードの当選を契機とする第2CZモードの終了の場合は、上記第2CZモード終了演出の設定を行わず、第2CZモード中演出が行われるようにする。
ステップS2802の実行後、ステップS2804の実行後又はステップS2803で否定判定した場合(CZ終了コマンドを受信していない場合)は、ステップS2805に進み、今回の全停止時コマンドとしてAT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。AT開始コマンドを受信している場合は、ステップS2806にてAT演出の設定処理を実行する。AT演出の設定処理では、次ゲームから所定のAT演出が補助表示部65等にて実行されるように設定する。
AT演出の設定としては、ATモードの初回ゲームにて行われるATモード開始演出と、2ゲーム以降のゲームで行われるATモード中演出との設定を行う。ATモード開始演出では、図54(a)に示すように、例えば、上記キャラクタ画像401とともに、「ATモードスタート」等のATモードの開始を報知する報知画像421を表示する。また、ATモード中演出では、図54(b)に示すように、例えば、上記キャラクタ画像401と、「ATモード」等のATモード中であることを報知する報知画像422と、差枚数画像411とを補助表示部65に表示する。さらに、ATモード中演出では、例えば「残りゲーム数 40G」等のATモードの残りゲーム数を報知する報知画像423を表示する。
ステップS2805で否定判定した場合(AT開始コマンドを受信していない場合)は、ステップS2807に進み、今回の全停止時コマンドとしてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合は、ステップS2808にて所定のAT終了演出が補助表示部65等にて実行されるように設定する。AT終了演出では、図54(c)に示すように、例えば、「ATモード終了」等のATモードの終了を報知する報知画像424とともに差枚数画像411を補助表示部65に表示する。
ステップS2806の実行後、ステップS2808の実行後又はステップS2807で否定判定した場合(AT終了コマンドを受信していない場合)は、ステップS2809にて、差枚数を管理するための差枚数管理用処理を実行する。続くステップS2810では、上記差枚数画像411を表示するための差枚数表示用処理を実行する。これら差枚数管理用処理及び差枚数表示用処理の詳細については後述する。
ステップS2811では、その他の全停止時演出設定処理を実行し、その後、全停止時演出設定処理を終了する。その他の全停止時演出設定処理では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
<差枚数管理用処理>
ステップS2809の差枚数管理用処理について図50のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS2901では、今回の全停止時コマンドとしてゲーム数コマンド、差枚数コマンドを受信しているか否かを判定する。これらのコマンドは、主制御装置101にて実行される区間表示第2処理(図45)のステップS2104にてサブ制御装置81への送信対象としてセットされるものである。これらのコマンドはゲーム終了時に送信されるため、CPU181は、これらのコマンドを受信することで1回のゲームが実行されたことを把握することができる。また、ゲーム数コマンドには、主制御装置101での有利区間ゲーム数AGの更新結果を示す情報が含まれ、差枚数コマンドには、主制御装置101での有利区間増減枚数MYの更新結果を示す情報が含まれる。ゲーム数コマンド、差枚数コマンドを受信していない場合は、そのまま差枚数管理用処理を終了する。
ゲーム数コマンド、差枚数コマンドを受信している場合は、ステップS2902に進み、受信した差枚数コマンドに基づいて主制御装置101側で更新された最新の有利区間増減枚数MYを把握する。ステップS2903では、RAM183の各種カウンタエリア183bに設けられたMY1カウンタの値を把握する。MY1カウンタは、主制御装置101のCPU102がカウントしているメイン差枚数MY1をCPU181(サブ制御装置81)が把握するためのものである。
ステップS2904では、ステップS2902で把握した有利区間増減枚数MYからステップS2903で把握したMY1カウンタの値を減算し、今回の増減分を把握する。続くステップS2905では、ステップS2904で把握した今回の増減分をMY1カウンタの現在値に加算し、MY1カウンタを更新する。これにより、MY1カウンタの値が主制御装置101側の有利区間増減枚数MYと同じ値になり、両者の同期が図られる。
ステップS2906では、上記各種カウンタエリア183bに設けられたMY2カウンタの値を更新する。MY2カウンタは、主制御装置101側でカウントする有利区間増減枚数MYとは別に、CPU181(サブ制御装置81)が独自にメダルの増減枚数(サブ差枚数MY2)をカウントするためのものである。MY2カウンタの更新処理では、ステップS2904で把握した今回の増減分をMY2カウンタの現在値に加算し、MY2カウンタの値に今回の増減分を反映させる。詳細は後述するが、状況によっては、MY1カウンタとMY2カウンタとではリセットタイミング(クリアタイミング)に違いが生じるため、これらのカウンタは異なる値となる場合がある。
ステップS2907では、上記各種カウンタエリア183bに設けられたAGカウンタの値を1インクリメントして更新する。AGカウンタは、有利区間ゲーム数AGをCPU181が把握するためのものである。
ステップS2908では、今回の全停止時コマンドとして有利区間終了コマンドを受信しているか否かを判定する。有利区間終了コマンドは有利区間が終了したことを通知するコマンドである。有利区間終了コマンドを受信している場合は、ステップS2909に進み、上記カウンタエリア183bに設けられたMY1カウンタ及びAGカウンタの値をクリアする。これにより、これら各カウンタの値が初期化される。
ステップS2909の実行後又はステップS2908で否定判定した場合(有利区間終了コマンドを受信していない場合)は、ステップS2910にて、MY2カウンタの値をクリアするためのサブ差枚数クリア用処理を実行し、その後、差枚数管理用処理を終了する。
ここで、ステップS2910のサブ差枚数クリア用処理について図51のフローチャートを参照しながら説明する。サブ差枚数クリア用処理では先ずステップS3101にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aにカウント継続フラグがセットされているか否かを判定する。カウント継続フラグについては後述する。
カウント継続フラグがセットされていない場合は、ステップS3102にて今回の全停止時コマンドとしてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドは、ATモードが終了したことを通知するコマンドである。AT終了コマンドを受信している場合、すなわち、ATモードが終了した場合は、ステップS3103に進み、有利区間増減枚数MYが上限増加数(2400枚)に到達したこと又は有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達したことを契機としてATモードが終了されたのか否かを判定する。
上限到達によるATモードの終了である場合は、ステップS3104に進み、上記各種カウンタエリア183bのMY2カウンタの値をクリアする。これにより、MY2カウンタの値(サブ差枚数MY2)が初期化される。ステップS3105では、上記各種フラグ格納エリア183aにカウント終了フラグをセットし、その後、サブ差枚数クリア用処理を終了する。カウント終了フラグは、サブ差枚数MY2のカウントが終了したことをCPU181が把握するためのものである。
ステップS3103で否定判定した場合(上限到達を契機とするATモードの終了でない場合)は、ステップS3106に進み、今回の全停止時コマンドとして第2CZ当選コマンドを受信しているか否かを判定する。第2CZ当選コマンドは、ATモード終了時における第2CZモードの移行抽選にて当選したことを通知するコマンドである。
第2CZ当選コマンドを受信している場合は、そのままサブ差枚数クリア用処理を終了する。すなわち、ATモード終了後に第2CZモードに移行する場合には、上述したステップS3104のMY2カウンタのクリア処理を実行しない。つまり、サブ差枚数MY2をクリアせず、第2CZモードへの移行後もそのカウントを継続する。
第2CZ当選コマンドを受信していない場合は、第2CZモードに当選しておらず、ATモードの終了に伴って有利区間が終了することを意味する。この場合は、ステップS3107にて、上記各種カウンタエリア183bに設けられた継続カウンタに所定値をセットする。継続カウンタは、サブ差枚数MY2のカウントを継続する期間(ゲーム数)をCPU181が把握するためのものであり、継続カウンタの値が1以上である状況では、有利区間が終了した場合であってもサブ差枚数MY2のカウントを継続する。なお、継続カウンタの初期値(セットする所定値)は特に限定されるものではないが、本実施の形態では、第2CZモードの継続ゲーム数(50ゲーム)に対応させて50をセットする。
ステップS3108では、上記各種フラグ格納エリア183aにカウント継続フラグをセットする。カウント継続フラグは、サブ差枚数MY2のカウントを継続すべき状態であることをCPU181が把握するためのものである。ステップS3108の実行後は、ステップS3104の処理を実行することなくサブ差枚数クリア処理を終了する。すなわち、ATモードの終了後に第2CZモードに移行して有利区間が継続される場合だけでなく、ATモードの終了後に第2CZモードに移行せずに有利区間が終了する場合も、サブ差枚数MY2をクリアせずにカウントを継続する。
ステップS3102で否定判定した場合(AT終了コマンドを受信していない場合)は、ステップS3109にて今回の全停止時コマンドとして第2CZ終了コマンドを受信しているか否かを判定する。第2CZ終了コマンドは、第2CZモードが終了したことを通知するコマンドである。
第2CZ終了コマンドを受信している場合は、ステップS3110に進み、今回のゲームにおける開始時コマンドとしてAT当選コマンドを受信しているか否かを判定する。AT当選コマンドを受信していない場合(ATモードに当選することなく第2CZモードが終了した場合)は、ステップS3104に進み、上記各種カウンタエリア183bのMY2カウンタの値をクリアする。すなわち、ATモード終了後に第2CZモードに移行した場合においてATモードに未当選のまま第2CZモードが終了した場合は、サブ差枚数MY2のカウントを終了する。
ステップS3109で否定判定した場合(第2CZ終了コマンドを受信していない場合)又はステップS3110で肯定判定した場合(ATモードの当選により第2CZモードが終了した場合)は、サブ差枚数MY2のカウントを継続すべきとして、そのままサブ差枚数クリア用処理を終了する。
ステップS3101で肯定判定した場合(カウント継続フラグがセットされている場合)は、ステップS3111に進み、上記各種カウンタエリア183bの継続カウンタの値を1ディクリメントして更新する。すなわち、ステップS3108でカウント継続フラグをセットした後は、1ゲーム毎に1ずつ継続カウンタの値が減算される。
ステップS3112では、継続カウンタの値が0であるか否かを判定する。継続カウンタの値が0でない場合は、ステップS3113に進み、今回のゲームにおける開始時コマンドとしてAT当選コマンドを受信しているか否かを判定する。
AT当選コマンドを受信している場合には、ステップS3114にて、上記各種フラグ格納エリア183aにセットされているカウント継続フラグをクリアするとともに、上記各種カウンタエリア183bの継続カウンタの値をクリアし、その後、サブ差枚数クリア処理を終了する。すなわち、ステップS3107で所定値としてセットされた期間内にATモードに当選した場合には、その後もサブ差枚数MY2のカウントを継続する。
ステップS3112で肯定判定した場合(継続カウンタの値が0である場合)は、サブ差枚数MY2のカウントを継続する期間が終了したとして、ステップS3115にてカウント継続フラグをクリアする。その後、ステップS3104に進み、上記各種カウンタエリア183bのMY2カウンタの値をクリアする。すなわち、ATモードに当選することなく、ステップS3107で所定値としてセットされた期間が経過した場合は、その終了を以ってサブ差枚数MY2をクリアする。
<差枚数表示用処理>
ステップS2810の差枚数表示用処理について図52のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS3201では、今回の全停止時コマンドとしてゲーム数コマンド、差枚数コマンドを受信しているか否かを判定する。これらのコマンドを受信していない場合は、そのまま差枚数表示用処理を終了する。
ゲーム数コマンド、差枚数コマンドを受信している場合は、ステップS3202にてRAM183の各種フラグ格納エリア183aに差枚数表示フラグがセットされているか否かを判定する。差枚数表示フラグは、差枚数画像411の表示中であることをCPU181が把握するためのものである。
差枚数表示フラグがセットされていない場合は、ステップS3203に進み、今回の全停止時コマンドとしてAT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。AT開始コマンドはATモードに移行することを通知するコマンドである。AT開始コマンドを受信している場合は、ステップS3204にて上記各種フラグ格納エリア183aに差枚数表示フラグをセットする。ステップS3205では、RAM183の各種カウンタエリア183bにおけるMY2カウンタの値を参照し、現在のサブ差枚数MY2を把握する。
ステップS3206では、差枚数画像411の表示設定処理を実行する。これにより、差枚数画像411が補助表示部65に表示される。差枚数画像411では、ステップS3205で把握したサブ差枚数MY2に対応する枚数が表示される。なお、AT開始コマンドは、ATモードに移行する直前ゲームの終了時に送信されるため、差枚数画像411の表示は、次のゲーム(ATモードの初回ゲーム)から開始される。
ステップS3206の実行後は差枚数表示用処理を終了する。また、ステップS3203で否定判定した場合(AT開始コマンドを受信していない場合)、すなわち、ATモードに移行しない場合は、差枚数画像411を表示しないとして、ステップS3204以降の処理をスキップして差枚数表示用処理を終了する。
ステップS3202で肯定判定した場合(差枚数表示フラグがセットされている場合)、すなわち、差枚数画像411の表示中である場合は、ステップS3207に進み、上記各種フラグ格納エリア183aにカウント終了フラグがセットされているか否かを判定する。カウント終了フラグがセットされていない場合は、ステップS3208にて、上記各種カウンタエリア183bにおけるMY2カウンタの値を参照し、現在のサブ差枚数MY2を把握する。
ステップS3209では、ステップS3208の把握結果に基づいて補助表示部65に表示されている差枚数画像411を更新する。具体的には、ステップS3208で把握したサブ差枚数MY2に対応する枚数が表示されるように差枚数画像411の表示態様を変更する。ステップS3209の実行後は差枚数表示用処理を終了する。
ステップS3207で肯定判定した場合(カウント終了フラグがセットされている場合)は、ステップS3210に進み、差枚数画像411の表示を終了するように設定する。これにより、補助表示部65から差枚数画像411の表示が消去される。既に説明したように、カウント終了フラグは、(1)上限到達によりATモードが終了すること、(2)ATモードに当選することなく第2CZモードが終了すること、(3)第2CZモードに移行することなくATモードが終了した場合において、ATモードに当選することなく、所定値として設定されたゲーム数が消化されることのいずれかの条件が成立した場合にセットされる。よって、差枚数画像411の表示及び更新は、当該画像411の表示が開始された後、上記いずれかの条件が成立するまでの期間において継続して行われる。
ステップS3210の実行後はステップS3211及びステップS3212にて、上記各種フラグ格納エリア183aにセットされている差枚数表示フラグ及びカウント終了フラグをクリアし、その後、差枚数表示用処理を終了する。
<差枚数画像411の表示処理の流れについて>
差枚数画像411の表示処理の流れについて説明する。先ず、ATモードの終了後に第2CZモードに移行し、その第2CZモードにてATモードに再び当選した場合について図56を参照しながら説明する。
タイミングt1においてATモードが開始されると、補助表示部65にてAT演出が実行されるとともに、メダルの獲得枚数を報知する差枚数画像411が表示される(図54)。差枚数画像411は、有利区間に対応して主制御装置101で更新される有利区間増減枚数MY(メイン差枚数MY1)とは別にサブ制御装置81で独自に更新されるサブ差枚数MY2の値が反映されたものである。
なお、メイン差枚数MY1及びサブ差枚数MY2の更新処理では負の値が切り捨てられ、0枚として扱われる。このため、図56(d)に示すように、ATモードの開始タイミングにおいて遊技者の持ちメダルが負の値となっている場合には、図56(e),(f)に示すように、それらメイン差枚数MY1及びサブ差枚数MY2の更新結果は0枚となる。つまり、ATモードの開始時点では、差枚数画像411として0枚が表示される。
その後、ATモードでの遊技が進められると、押し順ベル等の小役入賞に伴いサブ差枚数MY2が次第に増加する。ATモード中の1ゲーム当たりのメダルの期待増加枚数(純増枚数)は約5.95枚であるため、ATモードの開始から10ゲームほど消化されたタイミングt2では、例えば、図56(g)に示すように、差枚数画像411として60枚が表示される。
タイミングt3においてATモードが終了し、第2CZモードに移行すると、補助表示部65では第2CZモード演出が実行される。この第2CZモード演出でも引き続き差枚数画像411が表示される(図55)。但し、第2CZモードでは純増枚数が負の値(マイナス約0.64枚)となり、遊技の進行に伴いサブ差枚数MY2の値が減少する。このため、第2CZモードの開始から15ゲームほど消化されたタイミングt4では、例えば、図56(h)に示すように、差枚数画像411として140枚が表示される。ATモードの終了は、サブ差枚数MY2のクリア契機(リセット契機)とされていないため、差枚数画像411により示されるメダル獲得枚数は、ATモード開始時からの通算枚数である。
第2CZモード中であるタイミングt5においてATモードに当選し、再びATモードに移行すると、補助表示部65にてAT演出が実行される。この際のAT演出でも上記と同様に差枚数画像411が表示される。ATモードの当選による第2CZモードの終了は、サブ差枚数MY2のクリア契機とされていないため、差枚数画像411により示されるメダル獲得枚数は、先のATモード開始時からの通算枚数となる。よって、後のATモードの開始から10ゲームほど消化されたタイミングt6では、例えば、図56(i)に示すように、差枚数画像411として190枚が表示される。
本実施の形態では、ATモードが終了しても第2CZモードに移行した場合には有利区間が終了せず、また、第2CZモード中にATモードに当選してATモードに再移行した場合にはそのまま有利区間が継続するように構成されている。このため、タイミングt1からタイミングt6までの間において有利区間が途切れず、1の有利区間の中で遊技が行われる。すなわち、主制御装置101で更新される有利区間増減枚数MYがクリアされないため、メイン差枚数MY1とサブ差枚数MY2とが同じ値となる。つまり、差枚数画像411は、サブ制御装置81で独自に更新するサブ差枚数MY2に対応した枚数を表示するものとはいえ、実際の有利区間増減枚数MYと合致した枚数を表示するものとなる。
次に、ATモードの終了後に第2CZモードに移行せずに有利区間が終了し、その後、所定ゲーム数(50ゲーム)以内でATモードに当選し、再びATモードに移行した場合について図57を参照しながら説明する。なお、タイミングt1からタイミングt2までの流れについては図56の場合と同様であるため、説明を省略する。
タイミングt3においてATモードが終了して第2CZモードに移行しないと、有利区間(有利区間A)が終了する。これに伴い、主制御装置101で更新される有利区間増減枚数MYがクリアされ、サブ制御装置81側のメイン差枚数MY1もクリアされる(図57(e))。その際、サブ制御装置81では、継続カウンタが所定値(50)にセットされ、当該カウンタが0となるまでの間はサブ差枚数MY2の更新が継続される(図51のステップS3106で否定判定した場合の流れ、ステップS3101で肯定判定した場合の流れ)。つまり、タイミングt3においてサブ差枚数MY2はクリアされず、その時点での値がその後も引き継がれる(図57(f))。
また、ATモードが終了し、第2CZモードに移行しない場合は、補助表示部65にて通常モード演出(第2CZモード演出とは異なる通常モード時用の演出)が行われる。通常モード演出は、先の有利区間Aが終了した後に移行する後の有利区間(有利区間B)の下で行われる。
上記の際の通常モード演出では、図57(h)に示すように、サブ差枚数MY2に基づく差枚数画像411が表示される。上述のように、先の有利区間Aが終了してもサブ差枚数MY2がクリアされないため、差枚数画像411により示されるメダル獲得枚数は、先の有利区間Aの下で行われたATモードの開始時からの通算枚数となり、換言すれば、有利区間を跨いだ累積加算枚数となる。よって、ATモードの終了から15ゲームほど消化されたタイミングt4では、例えば、差枚数画像411として140枚が表示される。
ちなみに、先の有利区間Aが終了して後の有利区間Bに移行する場合、後の有利区間Bへの移行前に一旦通常区間に移行する。通常区間においては、主制御装置101で有利区間増減枚数MYが更新されないため、サブ制御装置81でのサブ差枚数MY2の更新も行われない。つまり、通常区間では、差枚数画像411の表示枚数が変化しないことになるが、本実施の形態では、そのような状態であっても、通常区間において差枚数画像411の表示を行う。なお、有利区間への移行は、既に説明したように全ての小役当選を契機として行われるため、有利区間Aの終了後、1ゲーム〜数ゲーム以内で通常区間を脱して後の有利区間Bに移行する。
ATモードの終了から所定ゲーム数以内であるタイミング5においてATモードに当選し、ATモードに移行すると、補助表示部65にてAT演出が実行される。この際のAT演出でも上記と同様に差枚数画像411が表示される。上述のように、差枚数画像411により示されるメダル獲得枚数は、先の有利区間Aでの獲得枚数を引き継いだ累積加算枚数となっている。このため、後のATモードの開始から10ゲームほど消化されたタイミングt6では、例えば、図57(i)に示すように、差枚数画像411として190枚が表示される。つまり、先の有利区間Aが終了している状況であっても、有利区間Aが終了していない場合(図56(i))と同様の差枚数画像411が表示される。
なお、ATモードに当選することなく所定ゲーム数が消化された場合は、その最終ゲームが終了したことを以って差枚数画像411が消去される(図51のステップS3112で肯定判定した場合の流れ、図52のステップS3207で肯定判定した場合の流れ)。その際、上記最終ゲームにおいて、その時点でのサブ差枚数MY2が最終獲得枚数として表示される。
また、ATモードに当選することなく所定ゲーム数が消化された場合は、サブ差枚数MY2がクリアされて0枚となる。その反面、有利区間が終了しないことから、メイン差枚数MY1の更新は継続される。但し、ATモード終了後の通常モードでは純増枚数が負の値となり、持ちメダルが増加しないため、サブ差枚数MY2がクリアされた時点でのメイン差枚数MY1(有利区間増減枚数MY)の値は0枚になると想定される。このため、サブ差枚数MY2とメイン差枚数MY1とは同じ値になり、この時点で両者にずれがないものとなる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
従来、有利区間増減枚数MYに基づいてメダル獲得枚数(差枚数)の報知を行い、遊技の実績として遊技者が認識できるようにしたスロットマシンがある。しかしながら、有利区間の終了に伴い有利区間増減枚数MYが初期化されるため、ATモードを遊技した先の有利区間が終了した後、遊技者が後の有利区間で再びATモードを引き当てることができた場合に、再当選させたATモードの継続状況によっては、後の有利区間において獲得枚数の報知により示される枚数が少なく留まることがあった。この場合、運よくATモードを再当選させたことよりもメダル獲得枚数の乏しさが強調されてしまい、遊技者に物足りない印象を与えてしまう懸念があった。
この点、本実施の形態では、有利区間Aが終了してもサブ差枚数MY2をクリアせずに保持し、保持されたサブ差枚数MY2を対象に後の有利区間Bにて更新を継続する構成としている。この場合、先の有利区間Aでの更新結果を引き継いで後の有利区間Bでの更新結果が導出されるため、後の有利区間BでATモードが早期に終了しても、更新結果の値が小さく留まることを抑制できる。そして、そのような有利区間を跨ぐサブ差枚数MY2に基づいて差枚数画像411を表示するため、遊技者が満足しやすい実績を報知しやすくなり、遊技の興趣性を高めることが可能になる。
ここで、有利区間を跨ぐ差枚数画像411の表示は、上記のようにATモードでのメダル獲得枚数を多く見せるだけでなく、後の有利区間Bで引き当てたATモードが先の有利区間Aで行われたATモードと関連していると遊技者に認識させる機能も果たしているといえる。
上述のように、有利区間の終了に伴い有利区間増減枚数MYが初期化される構成では、有利区間ごとに遊技が区切られる。このため、ATモードを遊技した先の有利区間が終了した後、遊技者が後の有利区間で早期にATモードを当選させても、それぞれのATモードが独立したものとして感受される。この点、本実施の形態では、差枚数画像411により、先の有利区間AでのATモードと後の有利区間でのATモードとの関連付けが行われるため、実際には前後の有利区間に別れていても、1の有利区間の中でATモードを連荘させたり、ATモードを引き戻したりしたような印象を与えることができる。これにより、遊技者の喜びを好適に高めることが可能になる。
なお、有利区間を跨ぐ差枚数画像411の表示では、後の有利区間BでのATモードにて、先の有利区間AでのATモードにて報知された差枚数の続きが報知される。このため、当該表示は、後の有利区間Bで引き当てたATモードで行われる報知の内容が、先の有利区間AにおけるATモードで行われた報知の内容と関連していると遊技者に認識させることが可能なものであるともいえる。
後の有利区間BでATモードが開始されてからだけでなく、先の有利区間Aの終了後、後の有利区間BでATモードに移行する前の期間においても、差枚数画像411の表示を行う構成とした。
上記構成によれば、後の有利区間Bにおいて、先の有利区間Aから引き継がれた更新結果に対応する報知の連続性が保たれた状態でATモードに移行させることができる。これにより、実際には前後の有利区間に別れている状態であっても、1の有利区間の中でメダル獲得枚数の更新が継続されている印象を遊技者に与えることができる。よって、後の有利区間BにおいてATモードにより差枚数画像411の枚数が増加した場合に、遊技者が実績を増やした印象を抱きやすくなり、遊技者の満足感を好適に喚起することが可能になる。
有利区間の終了後に移行する通常区間(非有利区間)においても差枚数画像411の表示を行う構成とした。
上記構成によれば、通常区間への移行に伴って差枚数画像411の表示が中断することが抑制され、先の有利区間Aと後の有利区間Bとの間に通常区間が介在しても、それら両有利区間において獲得枚数報知の連続性を担保することができる。これにより、枚数報知の中断を通じて遊技者が有利区間の途切れに容易に気づくことが抑制され、有利区間を跨ぐサブ差枚数MY2の更新による上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
先の有利区間Aの終了後、ATモードに当選しないまま所定ゲーム数が消化された場合に、先の有利区間Aの終了時に保持されて継続更新されたサブ差枚数MY2を初期化する構成とした。換言すれば、上記所定ゲーム数以内にATモードに当選した場合を対象としてサブ差枚数MY2がさらに保持されて更新の継続が維持される構成とした。
例えば、先の有利区間AでのATモードと後の有利区間BでのATモードとの間隔が大きく開くような場合にまでサブ差枚数MY2を引き継ぐと、両ATモードの関連性が薄れて連荘感が良好に発揮されないおそれがある。また、サブ差枚数MY2の更新結果は、先の有利区間Aが終了してから後の有利区間BでATモードに移行するまでの間において減少方向に変化するため、そのような減少状態を長期に亘り、差枚数画像411を通じて遊技者に報知すると、持ちメダルの減少が強調され、遊技者が不快な印象を抱く懸念がある。この点、本構成では、先の有利区間Aの終了後、所定ゲーム数以内にATモードに当選した場合、すなわち、比較的速やかにATモードを再当選させた場合を対象としてサブ差枚数MY2の引き継ぎが継続されるため、ATモードが連荘したような印象を好適に与えることができるばかりか、持ちメダルの減少が強調されてしまうことを抑制できる。
通常モードよりもATモードに当選しやすい第2CZモードを設け、ATモードの終了後に第2CZモードに移行し得る構成とした。
例えば、ATモードの終了後にATモードへの再当選が殆ど生じない構成であると、そもそもATモードが終了した後の遊技に遊技者が期待感を持ちにくくなる結果、そのような状況で、サブ差枚数MY2が継続更新された差枚数画像411を表示しても、当該表示への遊技者の関心が低く留まり、その効果が良好に発揮されない懸念がある。この点、本構成では、ATモードの終了後、ATモードに当選しやすい状態に第2CZモードに移行する場合があるため、再びATモードに当選する頻度が一定程度確保される。これにより、ATモードが終了した後にATモードを再び引き当てる期待感が誘発され、有利区間を跨いで継続される獲得枚数の報知を引き立てることができる。
その場合において、ATモードの終了後に第2CZモードに移行した場合には、ATモードが終了しても有利区間が終了せず、第2CZモードの終了まで有利区間が継続される一方、第2CZモードに移行せずにATモードが終了して有利区間が終了する場合にサブ差枚数MY2の初期化を回避して保持する構成とした。
ATモード後に第2CZモードに移行した際にそのまま有利区間が継続されることで、遊技の区切りが生じることが抑制されるとともに、ATモード中に更新されたサブ差枚数MY2が第2CZモードでも引き続き更新される。一方、ATモード後に第2CZモードに移行せず、ATモードの終了により有利区間が終了する場合は、有利区間が終了してもサブ差枚数MY2をクリアせずに保持することで、ATモード中に更新されたサブ差枚数MY2が引き継がれてその後も継続更新される状態となる。このような構成であることで、ATモード後に第2CZモードに移行する場合と、第2CZモードに移行しない場合とにおいて、サブ差枚数MY2の更新態様(差枚数画像411での枚数表示態様)を共通化することができる。これにより、ATモード後に第2CZゾーンに移行せず、実際には有利区間が途切れている場合において、差枚数画像411を通じ、第2CZモードに移行した場合と同様にチャンス状態であるかのような印象を与えることができ、延いては、後の有利区間BでのATモードを先の有利区間Aで行われたATモードから連荘して生じさせたと遊技者に感受させやすくすることができる。
前回の有利区間増減枚数MYと今回の有利区間増減枚数MYとの比較からメダル差枚数の変化量を把握し、その把握した変化量に基づいてサブ差枚数MY2を更新する構成とした。具体的には、サブ制御装置81において、主制御装置101の有利区間増減枚数MYに対応するメイン差枚数MY1を記憶し、そのメイン差枚数MY1と主制御装置101からの差枚数コマンドとに基づいてメダル差枚数の変化量を把握し、その把握した変化量を現在のサブ差枚数MY2に反映させることで、サブ差枚数MY2を更新するようにした。
上記構成によれば、初期化タイミングの相違に起因してサブ差枚数MY2と有利区間増減枚数MYとの値が異なる状況であっても、メダル差枚数の変化に追従させてサブ差枚数MY2を更新することができる。これにより、有利区間の制約を受けることなく、実際のメダル投入数(ベット数)及び払い出し枚数に対応したサブ差枚数MY2の適切な更新を行うことができ、差枚数画像411の良好な表示を行うことが可能になる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、サブ差枚数MY2に基づいて疑似エンディング演出を実行するように構成されている。本実施の形態について図58〜図67を参照しながら説明する。これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
<全停止時演出設定処理>
本実施の形態に係る全停止時演出設定処理について図58のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、サブ制御装置81のCPU181にて主制御装置101からの全停止時コマンドを受信した場合に実行されるものであり、図49の全停止時演出設定処理に代えて実行されるものである。図58において図49と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS2809の差枚数管理用処理を実行した後は、ステップS3501にて、エンディング演出の開始タイミングを制御したり、実行対象となるエンディング演出の種別を設定したりするためのエンディング演出設定処理を実行する。本実施の形態では、エンディング演出として、通常エンディング演出と疑似エンディング演出と特別エンディング演出とを含む複数種類のエンディング演出を有しており、ステップS3501では、これらのうちから1つを選択して実行対象として設定する。なお、各エンディング演出の詳細については後述する。
ステップS3502では、ステップS3501の設定結果に基づいてエンディング演出を実行するためのエンディング演出実行用処理を行う。この処理では、エンディング開始演出、エンディング中演出、エンディング終了演出の実行制御を行う。ステップS3503では、差枚数画像411を表示したりするための差枚数表示用処理を実行する。ステップS3503の実行後は、ステップS2811のその他の全停止時演出設定処理を実行し、その後、全停止時演出設定処理を終了する。
<エンディング演出設定処理>
ステップS3501のエンディング演出設定処理について図59のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS3601では、今回の全停止時コマンドとしてゲーム数コマンド、差枚数コマンドを受信しているか否かを判定する。これらのコマンドを受信していない場合はそのままエンディング演出設定処理を終了する。ゲーム数コマンド、差枚数コマンドを受信している場合は、ステップS3602にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに通常EDフラグ、疑似EDフラグ又は特別EDフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。これら各EDフラグの詳細については後述する。
各EDフラグのいずれかがセットされている場合はそのままエンディング演出設定処理を終了する。各EDフラグのいずれもセットされていない場合は、ステップS3603に進み、RAM183の各種カウンタエリア183bにおけるAGカウンタの値を参照して有利区間ゲーム数AGを把握する。なお、有利区間ゲーム数AGの把握は、主制御装置101から受信したゲーム数コマンドに基づいて行ってもよい。
ステップS3604では、ステップS3603で把握した有利区間ゲーム数AGがエンディング開始ゲーム数以上であるか否かを判定する。エンディング開始ゲーム数は、エンディング演出を開始すべきゲーム(エンディング演出の開始タイミング)を有利区間開始時からの消化ゲーム数により規定したものである。エンディング開始ゲーム数は特に限定されるものではないが、本実施の形態では、エンディング演出を25ゲームに亘って行うものとし、この25ゲームを上限ゲーム数である1500ゲームから差し引いた1475ゲームをエンディング開始ゲーム数として設定している。
有利区間ゲーム数AGがエンディング開始ゲーム数以上である場合、すなわち、エンディング演出を開始すべきタイミングである場合は、ステップS3605に進み、実行中のATモードの残りゲーム数を把握する。ステップS3606では、ステップS3605で把握した残りゲーム数に基づき、ATモードに滞在したまま上限ゲーム数に到達可能であるか否かを判定する。具体的には、ATモードの残りゲーム数と上限ゲーム数までの残りゲーム数とを比較し、前者が後者以上であれば上限ゲーム数に到達可能であると判定し、前者が後者よりも少なければ上限ゲーム数に到達可能でないと判定する。
上限ゲーム数に到達可能である場合は、ステップS3607にて、上記各種フラグ格納エリア183aに通常EDフラグをセットし、その後、エンディング演出設定処理を終了する。通常EDフラグは、通常エンディング演出を実行すべきであることをCPU181が把握するためのものである。ステップS3607により、実行対象のエンディング演出が通常エンディング演出に設定(決定)される。なお、通常エンディング演出の詳細については後述する。
ステップS3606で否定判定した場合(上限ゲーム数に到達可能でない場合)は、通常エンディング演出を実行しないとして、ステップS3607の処理をスキップしてエンディング演出設定処理を終了する。
ステップS3604で否定判定した場合(有利区間ゲーム数AGがエンディング開始ゲーム数以上でない場合)は、ステップS3608に進み、上記各種カウンタエリア183bにおけるMY1カウンタ及びMY2カウンタの値を参照し、メイン差枚数MY1及びサブ差枚数MY2を把握する。これらの各カウンタは、ステップS2809の差枚数管理用処理で更新されるものである(図50)。メイン差枚数MY1は、有利区間ゲーム数AG(有利区間に対応させて主制御装置101側で更新するメダルの増減枚数)に対応し、サブ差枚数MY2は、有利区間ゲーム数AGとは別に演出用としてサブ制御装置81側で更新するメダルの増減枚数である。
ステップS3609では、ステップS3608で把握したメイン差枚数MY1がエンディング開始枚数以上であるか否かを判定する。エンディング開始枚数は、エンディング演出を開始すべきゲーム(エンディング演出の開始タイミング)を有利区間開始時からのメダル増加数により規定したものである。エンディング開始枚数は特に限定されるものではないが、本実施の形態では、エンディング演出の継続ゲーム数として25ゲームを想定していることに鑑み、上限増加数である2400枚から150枚(25ゲーム×純増約6枚)を差し引いた2250枚をエンディング開始枚数として設定している。
メイン差枚数MY1がエンディング開始枚数以上である場合は、ステップS3610に進み、上記各種フラグ格納エリア183aにED済みフラグがセットされているか否かを判定する。ED済みフラグの詳細については後述する。
ED済みフラグがセットされていない場合は、ステップS3611にて、実行中のATモードの残りゲーム数を把握する。ステップS3612では、ステップS3611で把握した残りゲーム数に基づき、ATモードに滞在したまま上限増加数に到達可能であるか否かを判定する。具体的には、ATモードの残りゲーム数に対してATモード中の純増枚数(約6枚)を乗算した乗算値と、上限増加数までの残り枚数とを比較し、前者が後者以上であれば上限増加数に到達可能であると判定し、前者が後者よりも少なければ上限増加数に到達可能でないと判定する。
上限増加数に到達可能である場合は、ステップS3607に進み、通常エンディング演出を実行すべきとして、上記各種フラグ格納エリア183aに通常EDフラグをセットする。ここで、通常エンディング演出について図60を参照しながら説明する。
通常エンディング演出は、有利区間の終了を報知するものであり、エンディング演出の開始時に実行されるエンディング開始演出と、当該開始演出の後に実行されるエンディング中演出と、エンディング演出の終了時に実行されるエンディング終了演出とから構成されている。エンディング開始演出では、図60(a)に示すように、例えば「Ending」等のエンディング演出が開始されることを報知する報知画像431と、「ゲット2250枚超」等のメダルの獲得枚数が2250枚を超えたことを報知する報知画像432とを補助表示部65に表示する。なお、有利区間ゲーム数AGがエンディング開始ゲーム数以上であることを契機として通常エンディング演出を開始する場合は、報知画像432としてその時点でのメダルの獲得枚数を表示する。
エンディング中演出では、図60(b)、(c)に示すように、報知画像432の表示態様を変更して報知画像433を表示する。具体的には、数字による獲得枚数の表示を消去し、例えば「祝」の文字によりエンディング到達を祝福する表示に変更する。これにより、エンディング演出が開始された後の具体的な枚数を遊技者が認識しにくくなる。
また、エンディング中演出において消化ゲーム数が特定ゲーム数(例えば15ゲーム)に達するまでの間は、複数のゲームに亘って行われる連続エンディング演出を実行する。連続エンディング演出としては、例えば、ストーリー演出等の複数回のゲームに跨って行われる一連の演出を上記特定ゲーム数に亘って実行する。一方、消化ゲーム数が特定ゲーム数に達した後は、ゲームを跨がない非連続エンディング演出を実行する。非連続エンディング演出としては、他の遊技演出から見どころを切り出したダイジェスト演出等の1ゲーム毎に完結する演出を実行する。
なお、エンディング中演出の全体を連続演出で構成することも可能であるが、押し順ベルの当選状況によりエンディング演出の終了タイミングが想定タイミング(25ゲーム終了時)からずれると、連続演出の途中でエンディング演出が終了する事態を招く。この点、エンディング演出の後半部を非連続演出で構成することで、エンディング演出の終了タイミングが変動しても、遊技者に不自然な印象を与えずにエンディング演出を終了させることができる。
エンディング終了演出では、図60(d)に示すように、報知画像433とともに、例えば「Fin」等のエンディング演出の終了(換言すれば有利区間の終了)を報知する報知画像434を補助表示部65に表示する。
エンディング演出設定処理(図59)の説明に戻り、ステップS3612で否定判定した場合(上限増加数に到達可能でない場合)は、通常エンディング演出を実行しないとして、ステップS3607の処理をスキップしてエンディング演出設定処理を終了する。
ステップS3609で否定判定した場合(メイン差枚数MY1がエンディング開始枚数未満である場合)は、ステップS3613に進み、ステップS3608で把握したサブ差枚数MY2がエンディング開始枚数(例えば2250枚)以上であるか否かを判定する。ステップS3613で肯定判定した場合、すなわち、メイン差枚数MY1がエンディング開始枚数に到達していない状況でサブ差枚数MY2がエンディング開始枚数以上となっている場合は、有利区間を跨いで更新されるメダル獲得枚数(図51のステップS3106で否定判定した場合の流れ、ステップS3101で肯定判定した場合の流れを参照)がエンディング開始枚数に達したことを意味する。
この場合はステップS3614に進み、実行中のATモードの残りゲーム数を把握する。ステップS3615では、ステップS3614で把握した残りゲーム数が所定ゲーム数以上であるか否かを判定する。所定ゲーム数は、疑似エンディング演出の継続ゲーム数に対応するものであり、例えば25ゲームである。
残りゲーム数が所定ゲーム数以上である場合は、ステップS3616にて上記各種フラグ格納エリア183aに疑似EDフラグをセットする。疑似EDフラグは、疑似エンディング演出を実行すべきであることをCPU181が把握するためのものである。ステップS3616により、実行対象のエンディング演出が疑似エンディング演出に設定(決定)される。
ここで、疑似エンディング演出について図61を参照しながら説明する。疑似エンディング演出は、有利区間の終了を疑似的に報知するものであり、換言すれば、実際には有利区間が終了していないものの、有利区間が終了したかのように遊技者に見せかける演出である。この疑似エンディング演出は、エンディング演出の開始時に実行されるエンディング開始演出と、当該開始演出の後に実行されるエンディング中演出と、エンディング演出の終了時に実行されるエンディング終了演出とから構成されている。このうちエンディング開始演出は、通常エンディング演出の場合と同様であるため、説明を省略する。
疑似エンディング演出のエンディング中演出では、図61(b)に示すように、エンディング到達を祝福する報知画像433とともに、その時点での有利区間増減枚数MY(メイン差枚数MY1)に対応した第2差枚数画像437を表示する。これにより、実際の有利区間増減枚数MYを遊技者が認識することができる。また、エンディング中演出では、通常エンディング演出の場合と同様に、前半部にて連続エンディング演出を行い、後半部にて非連続エンディング演出を行う。その際の連続エンディング演出及び非連続エンディング演出は、通常エンディング演出のそれと同じ内容である。
エンディング終了演出では、図61(c)に示すように、上記報知画像433や、エンディング演出の終了を報知する報知画像434とともに、第2差枚数画像437を補助表示部65に表示する。その際、補助表示部65には、エンディング終了演出に対応する背景画像が表示されるが、その背景画像は、通常エンディング演出のエンディング終了演出で表示される背景画像と同じものである。つまり、疑似エンディング演出は、第2差枚数画像437が表示される点を除き、通常エンディング演出と見た目が同じになっている。
なお、疑似エンディング演出は有利区間の終了を前提としないため、疑似エンディング演出が終了しても有利区間が終了せず、ATモードが継続する。そこで、本実施の形態では、疑似エンディング演出の終了後、ATモード中であることに対応したATモード中演出を実行する。疑似エンディング演出後のATモード中演出では、図61(d)に示すように、ATモード中であることの報知画像422やキャラクタ画像401等とともに、メダルの獲得枚数を報知する差枚数画像411を補助表示部65に表示する。この際の差枚数画像411は、メイン差枚数MY1に基づくものであり、換言すれば、疑似エンディング演出における第2差枚数画像437の続きに対応するものである。また、ATモード中演出では、疑似エンディング演出を達成済みであることを報知するものとして報知画像433を表示する。
エンディング演出設定処理(図59)の説明に戻り、ステップS3616の実行後はステップS3617にて、上記各種フラグ格納エリア183aにED済みフラグをセットし、その後、エンディング演出設定処理を終了する。ED済みフラグは、疑似エンディング演出を実行済みであることをCPU181が把握するためのものである。
ステップS3613で否定判定した場合(サブ差枚数MY2がエンディング開始枚数以上でない場合)又はステップS3615で否定判定した場合(ATモードの残りゲーム数が所定ゲーム数以上でない場合)は、疑似エンディング演出を実行しないとしてそのままエンディング演出設定処理を終了する。
ステップS3610で肯定判定した場合(ED済みフラグがセットされている場合)は、疑似エンディング演出を実行した後に有利区間増減枚数MYがエンディング開始枚数に達したことを意味する。この場合はステップS3618にて、実行中のATモードの残りゲーム数を把握する。ステップS3619では、ステップS3618で把握した残りゲーム数に基づき、ATモードに滞在したまま上限増加数に到達可能であるか否かを判定する。
上限増加数に到達可能である場合は、ステップS3620に進み、上記各種フラグ格納エリア183aに特別EDフラグをセットする。特別EDフラグは、特別エンディング演出を実行すべきであることをCPU181が把握するためのものである。ステップS3620により、実行対象のエンディング演出が特別エンディング演出に設定(決定)される。
ここで、特別エンディング演出について図62を参照しながら説明する。特別エンディング演出は、通常エンディング演出や疑似エンディング演出とは異なる報知態様で有利区間の終了を報知するものである。特別エンディング演出においても、エンディング演出の開始時に実行されるエンディング開始演出と、当該開始演出の後に実行されるエンディング中演出と、エンディング演出の終了時に実行されるエンディング終了演出とから構成されている。
特別エンディング演出のエンディング開始演出では、図62(a)に示すように、メダルの獲得枚数が2250枚を超えたことを報知する報知画像432や、「祝」の文字からなる報知画像433とともに、例えば「Special Ending」等の特別エンディング演出が開始されることを報知する報知画像441を表示する。
エンディング中演出では、図62(b)に示すように、報知画像432と報知画像433をまとめて、例えば「祝 2280枚」の文字からなる報知画像442を表示する。報知画像442で表示するメダル獲得枚数はその時点での枚数(メイン差枚数MY1)である。また、エンディング中演出では、通常エンディング演出の場合と同様に、前半部にて連続エンディング演出を行い、後半部にて非連続エンディング演出を行う。その際の連続エンディング演出及び非連続エンディング演出は、通常エンディング演出のそれと同じ内容としてもよいし、特別感を演出すべく異なる内容としてもよい。
エンディング終了演出では、図62(c)に示すように、報知画像442とともに、例えば「Fin」等の特別エンディング演出の終了(換言すれば有利区間の終了)を報知する報知画像443を補助表示部65に表示する。また、エンディング終了演出では、現在の設定値を示唆する報知として設定示唆画像444を表示する。
エンディング演出設定処理(図59)の説明に戻り、ステップS3620の実行後はステップS3621にて、上記各種フラグ格納エリア183aにセットされているED済みフラグをクリアし、その後、エンディング演出設定処理を終了する。ステップS3619で否定判定した場合(上限増加数に到達可能でない場合)は、特別エンディング演出を実行しないとして、ステップS3620及びステップS3621の処理をスキップしてエンディング演出設定処理を終了する。
<エンディング演出実行用処理>
ステップS3502のエンディング演出実行用処理について図63のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS3701では、今回の全停止時コマンドとしてゲーム数コマンド、差枚数コマンドを受信しているか否かを判定する。これらのコマンドを受信していない場合はそのままエンディング演出実行用処理を終了する。
ゲーム数コマンド、差枚数コマンドを受信している場合は、ステップS3702にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aにED中フラグがセットされているか否かを判定する。ED中フラグは、エンディング演出の実行中であることをCPU181が把握するためのものである。
ED中フラグがセットされていない場合、すなわち、エンディング演出の実行中でない場合は、ステップS3703に進み、通常EDフラグ、疑似EDフラグ又は特別EDフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。これらのフラグのいずれかがセットされている場合は、ステップS3704にて、対応するエンディング開始演出の設定処理を実行する。具体的には、通常EDフラグがセットされている場合には、通常エンディング演出を開始すべきとして通常エンディング演出用の開始演出(図60(a))を設定する。これにより、当該開始演出が補助表示部65にて実行される。なお、ゲーム数コマンド、差枚数コマンドはゲーム終了時に送信されるため、ステップS3704では、上記開始演出が次のゲームで実行されるように設定する。
ステップS3705では、上記各種フラグ格納エリア183aにED中フラグをセットし、その後、エンディング演出実行用処理を終了する。ステップS3703で否定判定した場合(いずれのEDフラグもセットされていない場合)は、エンディング演出の開始タイミングではないとして、ステップS3704及びステップS3705の処理をスキップしてエンディング演出実行用処理を終了する。
ステップS3702で肯定判定した場合(ED中フラグがセットされている場合)、すなわち、エンディング演出の実行中である場合は、ステップS3706に進み、今回の全停止時コマンドとして有利区間終了コマンドを受信しているか否かを判定する。有利区間終了コマンドを受信していない場合は、ステップS3707にて、上記各種フラグ格納エリア183aに疑似EDフラグがセットされているか否かを判定する。疑似EDフラグがセットされている場合、すなわち、疑似エンディング演出の実行中である場合は、ステップS3708に進み、当該演出での消化ゲーム数が特定ゲーム数(例えば25ゲーム)に達したか否かを判定する。
ステップS3708で否定判定した場合(特定ゲーム数に達していない場合)又はステップS3707で否定判定した場合(疑似EDフラグがセットされていない場合)は、ステップS3709にて、各エンディング演出での消化ゲーム数が所定ゲーム数(例えば15ゲーム)に達したか否かを判定する。所定ゲーム数に達していない場合は、ステップS3710に進み、対応するエンディング中演出の設定処理を行う。例えば、通常エンディング演出を実行中である場合は、通常エンディング演出用のエンディング中演出(図60(b))を設定する。また、ステップS3710の設定処理では、補助表示部65にて連続エンディング演出(例えばストーリー演出)が実行されるように設定する。一方、所定ゲーム数に達している場合は、ステップS3711に進み、対応するエンディング中演出の設定処理を行う。ステップS3711の設定処理では、補助表示部65にて非連続エンディング演出(例えばダイジェスト演出)が実行されるように設定する。ステップS3710又はステップS3711の実行後はエンディング演出実行用処理を終了する。
ステップS3706で肯定判定した場合(有利区間終了コマンドを受信している場合)又はステップS3708で肯定判定した場合(疑似エンディング演出での消化ゲーム数が特定ゲーム数に達した場合)は、ステップS3712に進み、実行中のエンディング演出に対応したエンディング終了演出の設定処理を実行する。
なお、エンディング演出実行用処理は、リール32L〜32Rの全てが停止した際に送出される全停止時コマンドの受信に基づいて行われるため、ステップS3706の判定処理で有利区間終了コマンドを受信したと判定するタイミングは、有利区間の最終ゲームにおけるゲーム終了時となる。このため、ステップS3712では、有利区間の最終ゲームの終了から次のゲームの開始までの期間を利用してエンディング終了演出が実行されるように設定する。
その際、エンディング終了演出の途中で次のゲームが進められることを抑制するため、主制御装置101において、有利区間の最終ゲームの終了時又は有利区間が終了した後の次のゲームの開始時にフリーズ演出(リール32L〜32Rの回転開始が待機される演出)が実行されるように設定し、このフリーズ期間を利用してエンディング終了演出を実行するとよい。これにより、エンディング終了演出の途中でスタートレバー41が操作されても、エンディング終了演出が終了するまでリール32L〜32Rを回転させず、次のゲームが進められないように待機させることができる。
また、エンディング演出として疑似エンディング演出を行っている状況において、ステップS3708で特定ゲーム数が消化されたと判定した場合(疑似エンディング演出の終了タイミングとなったと判定した場合)も、当該特定ゲーム数に達したゲームの終了から次のゲームの開始までの期間を利用してエンディング終了演出が実行されるように設定する。すなわち、疑似エンディング演出用のエンディング終了演出を、通常エンディング演出用のエンディング終了演出と同じタイミングで開始させることで、開始タイミングの違いから疑似エンディング演出であることが容易に判明することを抑制する。
但し、主制御装置101では疑似エンディング演出を実行中であることや特定ゲーム数に到達したことを把握できないため、上記のようなフリーズ処理は実行しない。よって、エンディング終了演出の途中でスタートレバー41が操作された場合には、リール32L〜32Rの回転が開始されて次のゲームが進むことになる。その際、スタートレバー41の操作やリール32L〜32Rの回転開始に合わせてエンディング終了演出を途中終了させてもよいし、リール32L〜32Rの回転開始後も最後までエンディング終了演出を継続させてもよい。
ステップS3712の実行後はステップS3713にて、上記各種フラグ格納エリア183aに特別EDフラグがセットされているか否かを判定する。特別EDフラグがセットされている場合、すなわち、特別エンディングの実行中である場合は、ステップS3714にて、特別エンディング演出に対応する特典の設定処理を行う。この特典は、通常エンディング演出や疑似エンディング演出では付与されない特別エンディング演出のみの専用特典である。本実施の形態では、当該特典として現在の設定値を示唆する設定示唆画像444を補助表示部65に表示するものとしている。
設定示唆画像444としては複数種類の画像が設けられており、例えば、設定値5以上の高設定を示唆するものや、奇数設定を示唆するもの、偶数設定を示唆するものなどがある。例えば、高設定示唆の設定示唆画像は、現在の設定値が設定値5以上である場合に設定値4以下である場合に比べて表示されやすく、また、奇数設定の設定示唆画像は、現在の設定値が奇数設定値である場合に偶数設定値である場合に比べて表示されやすくなっている。ステップS3714では、いずれの設定示唆画像を表示するかを抽選するための抽選テーブルをROM182から取得し、当該取得した抽選テーブルと、現在の設定値と、抽選用のカウンタ(乱数値)とを用いて設定示唆画像の抽選を行う。
ステップS3714の実行後又はステップS3712で否定判定した場合(特別EDフラグがセットされていない場合)は、ステップS3715にて、上記各種フラグ格納エリア183aにセットされている各EDフラグ及びED中フラグをクリアし、その後、エンディング演出実行用処理を終了する。
<差枚数表示用処理>
ステップS3503の差枚数表示用処理について図64のフローチャートを参照しながら説明する。なお、図64においてステップS3202以前の処理については第1の実施の形態に係る差枚数表示用処理(図52)と同様であるため、図示を省略している。また、図64において図52と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS3202で肯定判定した場合(差枚数表示フラグがセットされている場合)、すなわち、差枚数画像411の表示中である場合は、ステップS3207にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aにカウント終了フラグがセットされているか否かを判定する。カウント終了フラグは、サブ差枚数MY2のカウントが終了したことをCPU181が把握するためのものである。
カウント終了フラグがセットされていない場合は、ステップS3801にて上記各種フラグ格納エリア183aにいずれかのEDフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのEDフラグがセットされている場合は、ステップS3802にて上記各種フラグ格納エリア183aにED中フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップS3802で否定判定した場合、すなわち、いずれかのEDフラグがセットされ、且つ、ED中フラグがセットされていない場合は、各エンディング演出の開始タイミングであることを意味する。この場合は、ステップS3803に進み、差枚数表示の態様変更の設定を行う。具体的には、補助表示部65に表示されている差枚数画像411が消去され、メダルの獲得枚数が2250枚を超えたことを報知する報知画像432と、「祝」の文字からなる報知画像433とが順次表示されるように設定する。この際、報知画像432についてはエンディング開始演出に合わせて表示され、報知画像433についてはエンディング中演出に合わせて表示されるように設定する。
ステップS3804では、上記各種フラグ格納エリア183aに疑似EDフラグがセットされているか否かを判定する。疑似EDフラグがセットされている場合、すなわち、実行対象のエンディング演出が疑似エンディング演出である場合は、ステップS3805にて、RAM183の各種カウンタエリア183bにおけるMY1カウンタの値を参照し、メイン差枚数MY1を把握する。
ステップS3806では、第2差枚数画像437の表示設定処理を実行する。第2差枚数画像437では、ステップS3805で把握したメイン差枚数MY1に対応する枚数、換言すれば、今回の有利区間における有利区間増減枚数MYに対応する枚数が表示される。第2差枚数画像437の表示設定処理では、第2差枚数画像437がエンディング中演出に合わせて表示されるように設定する。
ステップS3806の実行後は差枚数表示用処理を終了する。また、ステップS3804で否定判定した場合(疑似EDフラグがセットされていない場合)は、第2差枚数画像437を表示しないとして、ステップS3805及びステップS3806の処理をスキップして差枚数表示用処理を終了する。
ステップS3802で肯定判定した場合(ED中フラグがセットされている場合)、すなわち、各エンディング演出を実行中である場合は、ステップS3807にて、上記各種フラグ格納エリア183aに疑似EDフラグがセットされているか否かを判定する。疑似EDフラグがセットされている場合は、ステップS3808に進み、上記各種カウンタエリア183bにおけるMY1カウンタの値を参照し、現在のメイン差枚数MY1を把握する。ステップS3809では、ステップS3808の把握結果に基づいて補助表示部65に表示されている第2差枚数画像437を更新する。具体的には、ステップS3808で把握したメイン差枚数MY1に対応する枚数の第2差枚数画像437が表示されるように、当該画像437を変更する。
ステップS3809の実行後は差枚数表示用処理を終了する。また、ステップS3807で否定判定した場合(疑似EDフラグがセットされていない場合)は、ステップS3808及びステップS3809の処理をスキップして差枚数表示用処理を終了する。
ステップS3801で否定判定した場合(いずれのEDフラグもセットされていない場合)は、ステップS3810に進み、上記各種フラグ格納エリア183aにED済みフラグがセットされているか否かを判定する。ED済みフラグがセットされている場合は、ステップS3808及びステップS3809の処理を実行する。これにより、疑似エンディング演出後のATモード中演出において第2差枚数画像437の表示・更新が行われる。
一方、ED済みフラグがセットされていない場合、すなわち、疑似エンディング演出を実行済みでない場合は、ステップS3208及びステップS3209の処理を実行し、その後、差枚数表示用処理を終了する。ステップS3208及びステップS3209では、サブ差枚数MY2に対応した差枚数画像411の更新処理を実行する。
<エンディング演出の流れについて>
エンディング演出の流れについて図65〜図67を参照しながら説明する。先ず、ある有利区間の中でサブ差枚数MY2のカウントが0枚からスタートし、当該スタートしたサブ差枚数MY2のカウントがその有利区間の中でエンディング開始枚数に到達する場合について図65を参照しながら説明する。
タイミングt1においてATモードが開始されると、補助表示部65にてAT演出が実行されるとともに、メダルの獲得枚数を報知する差枚数画像411(図54)が表示される。
差枚数画像411は、主制御装置101で更新される有利区間増減枚数MYに対応させてサブ制御装置81で更新されるメイン差枚数MY1とは別に、サブ制御装置81で独自に更新されるサブ差枚数MY2の値が反映されたものである。但し、この時点でのサブ差枚数MY2はメイン差枚数MY1と同じく0枚であり、両者は同じ値となっている。
その後、ATモードでの遊技が進められると、押し順ベル等の小役入賞に伴い、有利区間増減枚数MY(メイン差枚数MY1)及びサブ差枚数MY2がともに増加する(図65(d),(e))。そして、タイミングt2において、有利区間が終了することなく有利区間増減枚数MY(メイン差枚数MY1)がエンディング開始枚数に達すると、これに伴い、サブ差枚数MY2もエンディング開始枚数に到達する。
この場合、図65(f)に示すように、補助表示部65にて通常エンディング演出が実行される。通常エンディング演出では先ず、通常エンディング演出の開始に対応した開始演出が実行される。この開始演出では、エンディング演出が開始されることを報知する報知画像431と、差枚数画像411に対応するものとして、「ゲット2250枚超」等のメダルの獲得枚数が2250枚を超えたことを報知する報知画像432とが表示される。
上記開始演出が実行された後は、図65(g)に示すように、通常エンディング演出としてエンディング中演出が補助表示部65にて実行される。エンディング中演出では、数字により獲得枚数を報知する報知画像432が消去され、エンディング到達を文字により報知する報知画像433が表示される。なお、報知画像433は、必ずしも文字である必要はなく、キャラクタ画像や記号等の絵柄であってもよい。また、エンディング中演出では、消化ゲーム数が所定ゲーム数(例えば15ゲーム)に達するまでの間はストーリー演出等の連続エンディングが補助表示部65にて実行され、消化ゲーム数が所定ゲーム数に達した後はダイジェスト演出等の非連続エンディング演出が補助表示部65にて実行される。
タイミングt4において有利区間増減枚数MY(メイン差枚数MY1)が上限増加数に達すると、図65(h)に示すように、通常エンディング演出の終了に対応したエンディング終了演出が補助表示部65にて実行される。エンディング終了演出では、報知画像433とともに、エンディング演出の終了を報知する報知画像434が表示される。
また、タイミングt4では、有利区間増減枚数MY(メイン差枚数MY1)が上限増加数に達したことに伴い有利区間が終了するとともに、初期化処理(図45のステップS2110)が実行される。これにより、主制御装置101にて有利区間増減枚数MYがクリアされ、0枚となる。これに合わせ、サブ制御装置81でもメイン差枚数MY1及びサブ差枚数MY2がクリアされ(図50のステップS2909、図51のステップS3103で肯定判定した場合の流れ)、いずれも0枚となる。
以上のように、サブ差枚数MY2のカウントが0枚(初期値)からスタートされた後、有利区間が終了することなくエンディング開始枚数に到達する場合(上限増加数への到達が見込まれる場合)は、エンディング演出として通常エンディング演出が実行される。
次に、ある有利区間の中でサブ差枚数MY2のカウントが0枚からスタートした後、その有利区間が終了し、その後、所定値として設定されたゲーム数(例えば50ゲーム)が消化される前に再びATモードに移行した場合について図66を参照しながら説明する。
ちなみにサブ差枚数MY2は、上記第1の実施の形態にて説明したように、(1)有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MYが上限ゲーム数や上限増加数に到達して有利区間が終了した場合、(2)ATモードに当選することなく第2CZモードが終了して有利区間が終了した場合、(3)第2CZモードに移行することなくATモードが終了して有利区間が終了した場合において、その後、ATモードに当選することなく、所定値として設定されたゲーム数が消化された場合のいずれかでクリア(初期化)され、それ以外の状況では更新が継続される。
タイミングt1においてATモードが開始されると、補助表示部65にてAT演出が実行されるとともに、メダルの獲得枚数を報知する差枚数画像411が表示される。その後、ATモードでの遊技が進められると、押し順ベル等の小役入賞に伴い、有利区間増減枚数MY(メイン差枚数MY1)及びサブ差枚数MY2がともに増加する(図66(d),(e))。
タイミングt2において、第2CZモードに移行することなくATモードが終了すると、有利区間(有利区間A)が終了する(図66(a)〜(c))。これにより、主制御装置101にて更新される有利区間増減枚数MYがクリアされる。これに合わせ、サブ制御装置81にて更新されるメイン差枚数MY1がクリアされる(図66(d))。一方、サブ制御装置81にて更新されるサブ差枚数MY2についてはクリアされず、その時点でのサブ差枚数MY2の値がその後も引き継がれる。
有利区間Aが終了した後、有利区間移行抽選に当選すると、次の有利区間Bが開始される。なお、本実施の形態では全ての小役を契機として有利区間移行抽選が行われ、その当選確率も100%とされているため、図66ではタイミングt2の直後に有利区間Bに移行したものとして図示している。
先の有利区間AでのATモードが終了したタイミングt2から所定ゲーム数以内(例えば50ゲーム以内)のタイミングであるタイミングt3にてATモードに当選し、ATモードに移行すると、再びメイン差枚数MY1及びサブ差枚数MY2が増加する(図66(d),(e))。その際、メイン差枚数MY1については有利区間Aの終了時にクリアされ、サブ差枚数MY2については有利区間Aの終了時にクリアされることなく更新が継続されているため、両者の値は異なったものとなる。具体的には、サブ差枚数MY2では、先の有利区間Aでのメダル増加分を引き継いでいる分だけ、メイン差枚数MY1よりも枚数が多くなっている。
例えば、タイミングt2においてメイン差枚数MY1及びサブ差枚数MY2が400枚の状態で有利区間Aが終了し、その後、有利区間BでのATモードに移行するタイミングt3までの区間に遊技者が10枚の持ちメダルを減少させたとすると、タイミングt3でのメイン差枚数MY1は0枚であるのに対し、サブ差枚数MY2は390枚となる。なお、タイミングt2〜タイミングt3の期間では、上記第1の実施の形態で説明したように、サブ差枚数MY2に基づいて差枚数画像411が補助表示部65に表示される。
上記のようにして有利区間BのATモードが開始されると、補助表示部65にてATモード中演出が実行される。その際のATモード中演出では、図54(b)に示すように、キャラクタ画像401と、「ATモード」等のATモード中であることを報知する報知画像422と、差枚数画像411とが表示される。その後、タイミングt4においてサブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に達すると、疑似エンディング演出が実行される。この際、メイン差枚数MY1は、サブ差枚数MY2よりも少ない状況にあるため、エンディング開始枚数に達していない。
疑似エンディング演出として当初は、図66(f)に示すように、通常エンディング演出と同じ内容の開始演出が実行され、当該開始演出に実行後はエンディング中演出が実行される。エンディング中演出では、図66(g)に示すように、数字により獲得枚数を報知する報知画像432が消去され、エンディング到達を文字により報知する報知画像433が補助表示部65に表示される。
さらに、その時点でのメイン差枚数MY1に基づき、有利区間Bでの有利区間増減枚数MYに対応した第2差枚数画像437が補助表示部65に表示される。このように第2差枚数画像437を表示することで、有利区間Bに対応する実際の有利区間増減枚数MYを把握することが可能になる。但し、第2差枚数画像437は、メイン差枚数MY1がサブ差枚数MY2よりも小さい値となっていることから、疑似エンディング演出が対応するメダル獲得枚数(特にエンディング開始演出で表示する報知画像432により示される枚数)と整合せず、遊技者の混乱を招く懸念がある。よって、疑似エンディング演出においては、第2差枚数画像437を差枚数画像411よりも目立ちにくくすることが好ましい。例えば、エンディング開始演出での報知画像432により第2差枚数画像437の表示サイズを小さくしたり、その表示位置を上記報知画像432よりも補助表示部65の表示画面における端部寄りとしたりするとよい。
疑似エンディング演出では、消化ゲーム数が所定ゲーム数(例えば15ゲーム)に達するまでの間はストーリー演出等の連続エンディングが補助表示部65にて実行され、消化ゲーム数が所定ゲーム数に達した後はダイジェスト演出等の非連続エンディング演出が補助表示部65にて実行される。
そして、タイミングt6において上記消化ゲーム数が特定ゲーム数(例えば25ゲーム)に達すると、図66(h)に示すように、疑似エンディング演出の終了に対応したエンディング終了演出が実行される。エンディング終了演出では、上記報知画像433や、エンディング演出の終了を報知する報知画像434のほか、メイン差枚数MY1に基づく第2差枚数画像437が補助表示部65に表示される。
その際、有利区間が終了しているわけではないため、エンディング終了演出が行われて疑似エンディング演出が終了しても、主制御装置101によりそのままATモードが継続される。このため、疑似エンディング演出が終了した後は、再びATモード中演出が実行される。その際のATモード中演出では、図66(i)に示すように、ATモード中であることの報知画像422やキャラクタ画像401等とともに、メイン差枚数MY1に基づく差枚数画像411が補助表示部65に表示される。また、上記ATモード中演出では、疑似エンディング演出から引き続き報知画像433が表示される。
以上のように、サブ差枚数MY2のカウントが0枚(初期値)からスタートされた後、複数の有利区間を跨いでエンディング開始枚数に到達する場合(上限増加数への到達が見込まれる場合)は、エンディング演出として通常エンディング演出ではなく、疑似エンディング演出が実行される。
次に、上記のように疑似エンディング演出が行われた後、メイン差枚数が上限増加数に達する場合について図67を参照しながら説明する。なお、タイミングt1からタイミングt3までの流れについては図66におけるタイミングt4〜タイミングt7と同様であるため、説明を省略する。
疑似エンディング演出後のATモード(有利区間BのATモード)においてメイン差枚数MY1がエンディング開始枚数に達すると(タイミングt4)、通常エンディング演出や疑似エンディング演出とは異なる特別エンディング演出が実行される。特別エンディング演出として当初は、図67(i)に示すように、特別エンディング演出用の開始演出が実行される。この開始演出では、メダルの獲得枚数が2250枚を超えたことを報知する報知画像432や、「祝」の文字からなる報知画像433とともに、特別エンディング演出が開始されることを報知する報知画像441が補助表示部65に表示される。この際、報知画像432により示されるメダル獲得枚数は、メイン差枚数MY1に基づくものであり、換言すれば、有利区間Bでのメダル獲得枚数である。
上記開始演出の実行後はエンディング中演出(図62(b))が実行される。エンディング中演出では、報知画像432及び報知画像433が消去され、「祝」の文字と有利区間Bでのメダル獲得枚数を示す文字とからなる報知画像442が表示される。また、特別エンディング演出用のエンディング中演出でも、消化ゲーム数が所定ゲーム数に達するまでの間はストーリー演出等の連続エンディングが補助表示部65にて実行され、消化ゲーム数が所定ゲーム数に達した後はダイジェスト演出等の非連続エンディング演出が補助表示部65にて実行される。
タイミングt5においてメイン差枚数MY1が上限増加数に達すると、図67(j)に示すように、特別エンディング演出としてエンディング終了演出が補助表示部65にて実行される。エンディング終了演出では、報知画像442とともに、エンディング演出の終了を報知する報知画像434が表示される。
また、タイミングt5では、主制御装置101で更新される有利区間増減枚数MYが上限増加数に達したことに伴って有利区間が終了し、有利区間増減枚数MYがクリアされる。これに対応してサブ制御装置81でもメイン差枚数MY1がクリアされる。さらにサブ制御装置81では、サブ差枚数MY2がクリアされて0枚とされる。
なお、疑似エンディング演出の実行後、メイン差枚数MY1が上限増加数に到達する前に有利区間が終了した場合は、特別エンディング演出が実行されることなく、差枚数画像411による最終獲得枚数の表示が行われる。例えば、ATモードの終了後に第2CZモードに移行し、ATモードに当選することなく第2CZモードが終了したことにより有利区間が終了する場合は、第2CZモード終了演出での差枚数画像411により最終獲得枚数が報知される。また、ATモードの終了後に第2CZモードに移行せずに有利区間が終了した場合は、ATモード終了から50ゲームが行われる期間(継続カウンタの更新が行われる期間)において差枚数画像411の表示が継続されるため、その最終ゲームでの差枚数画像411により最終獲得枚数が報知される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
後の有利区間Bにおいて、先の有利区間Aから引き継いで更新したサブ差枚数MY2に基づく差枚数画像411を表示するとともに、そのサブ差枚数MY2に基づいて疑似エンディング演出を実行する構成とした。
上記構成によれば、実際には有利区間が途切れていて有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達していない状況でも、差枚数画像411と疑似エンディング演出とが相まって、あたかも上限増加数に到達したような印象を与えることができる。これにより、遊技者の満足感や達成感を喚起することが可能になる。
サブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に到達した場合に疑似エンディング演出を実行する構成とした。
上記構成によれば、差枚数画像411を基準として見た場合に、疑似エンディング演出の実行タイミングが、有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達した場合に行われる通常エンディング演出の実行タイミングと整合する。これにより、疑似エンディング演出をより本物らしく見せることができ、実際に上限到達させた印象を与えやすくすることが可能になる。
その場合において、ATモードの残りゲーム数を把握し、疑似エンディング演出の実行ゲーム数以上である場合に疑似エンディング演出を実行する構成とした。
例えば、疑似エンディング演出が途中で終了したり、通常エンディング演出より短くなったりすると、不自然な印象となり、実際には有利区間が終了していないことやエンディング演出が疑似的なものであることが悟られやすくなる懸念がある。この点、本構成では、ATモードの残りゲーム数が一定以上である場合を対象として疑似エンディング演出を実行するため、当該演出が途中で終了したり、短く制限されたりすることを抑制できる。これにより、不自然な印象となることが抑制され、疑似的なものであることが容易に悟られないようにすることが可能になる。
疑似エンディング演出において差枚数画像411を消去し、差枚数画像411にて上限増加数を超えた枚数が報知されることを制限する構成とした。
有利区間増減枚数MYが上限増加数に達すると有利区間が終了することを遊技者が事前に知っていた場合において、上限増加数よりも多い枚数が差枚数画像411により示されると、遊技者が不自然な印象を抱き、実際には有利区間が終了していないことやエンディング演出が疑似的なものであることが悟られやすくなる懸念がある。この点、本構成では、上限増加数を超えた枚数の報知が制限されるため、そのような不自然な状態の発生を抑制することができ、疑似エンディング演出を本物らしく見せることが可能になる。
メイン差枚数MY1に基づく第2差枚数画像437を表示する構成とした。これにより、有利区間Bに対応した実際の有利区間増減枚数MYを遊技者が認識不可又は困難となって困惑することを抑制できる。また、疑似エンディング演出が終了した後、次の目標(特別エンディング演出までの残り枚数)を遊技者が明確に把握できるという利点もある。
疑似エンディング演出の実行後にメイン差枚数MY1(有利区間増減枚数MY)が上限増加数に達した場合に、通常エンディング演出や疑似エンディング演出とは異なる態様の特別エンディング演出を実行する構成とした。この場合、疑似エンディング演出を経由して有利区間増減枚数MYを上限増加数に到達させることへの特別感を演出することができ、遊技者の達成感を好適に喚起することが可能になる。
また、疑似エンディング演出の実行後に有利区間増減枚数MYが上限増加数に達した場合に、特典付与として設定示唆画像444の表示を行う構成としたため、有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達させることの楽しみだけでなく、疑似エンディング演出を経由して有利区間増減枚数MYを上限増加数に到達させることへの楽しみを付与することができる。
ここで、本実施の形態に係る構成は、有利区間の終了に対応してエンディング演出(通常エンディング演出)を行うスロットマシンにおいて、実際には有利区間が終了しない状況で特定条件が成立することによりエンディング演出(疑似エンディング演出)を実行するものと見ることもできる。後者の疑似的なエンディング演出により、実際には有利区間が終了しない中で、あたかも有利区間が終了すると遊技者に思わせることができ、その上で有利区間を継続させることができる。これにより、遊技者の喜びと驚きを喚起することができ、遊技の興趣性を向上させることが可能になる。
疑似エンディング演出をATモード中に実行する構成とした。この構成では、内部的にその後もATモードが継続することが確定している状態で疑似エンディング演出を行うため、疑似エンディング演出の終了後にATモードを継続させることができる。このような構成とすることで、遊技者の目線では、疑似エンディング演出の実行により有利区間の終了に伴ってATモードが終了すると考えていたところに、予想に反してその後もATモードが継続するように見せることができる。ATモードは持ちメダルの増加を期待できるものであり、遊技者にとって望ましい遊技モードであるため、有利区間が継続するだけの場合に比べて遊技者の喜びと驚きを効果的に誘うことが可能になる。
<変形例1>
上記第2の実施の形態の変形例1について図68及び図69を参照しながら説明する。これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
本変形例では、疑似エンディング演出の実行中において、ATモードの継続を示唆する継続示唆報知が行われる。なお、疑似エンディング演出において第2差枚数画像437の表示は行われない。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。
<差枚数表示用処理>
本変形例に係る差枚数表示用処理について図68のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、サブ制御装置81のCPU181にて実行されるものである。本差枚数表示用処理は、第2の実施の形態に係る全停止時演出設定処理(図58)の一環として行われるものであり、図64の差枚数表示用処理に代えて実行されるものである。図68において図64と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS3202で肯定判定した場合(差枚数表示フラグがセットされている場合)、すなわち、差枚数画像411の表示中である場合は、ステップS3207にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aにカウント終了フラグがセットされているか否かを判定する。
カウント終了フラグがセットされていない場合は、ステップS3801にて上記各種フラグ格納エリア183aにいずれかのEDフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのEDフラグがセットされている場合は、ステップS3802にて上記各種フラグ格納エリア183aにED中フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップS3802で否定判定した場合、すなわち、いずれかのEDフラグがセットされ、且つ、ED中フラグがセットされていない場合は、各エンディング演出の開始タイミングであることを意味する。この場合は、ステップS3803に進み、差枚数表示の態様変更の設定を行う。具体的には、補助表示部65に表示されている差枚数画像411が消去され、メダルの獲得枚数が2250枚を超えたことを報知する報知画像432と、「祝」の文字からなる報知画像433とが順次表示されるように設定する。
ステップS3804では、上記各種フラグ格納エリア183aに疑似EDフラグがセットされているか否かを判定する。疑似EDフラグがセットされている場合、すなわち、実行対象のエンディング演出が疑似エンディング演出である場合は、ステップS4001にてATモードの残りゲーム数を把握する。
ステップS4002では、ステップS4001で把握した残りゲーム数が第2所定ゲーム数以上であるか否かを判定する。この処理は、疑似エンディング演出後のATモードの継続ゲーム数が一定数以上確保されているか否かを判定するものであり、換言すれば、疑似エンディング演出が終了した後にATモードがすぐに終了してしまう状態ではないかを確認するものである。第2所定ゲーム数は特に限定されるものではないが、本変形例では、その時点での疑似エンディング演出の残りゲーム数にATモードの初期ゲーム数を加算したものとする。例えば、疑似エンディング演出の残りゲーム数が25ゲームであり、ATモードの初期ゲーム数が25ゲームである場合は、第2所定ゲーム数として50ゲームを用いる。
残りゲーム数が第2所定ゲーム数以上である場合は、ステップS4003に進み、AT継続示唆演出の設定処理を実行する。AT継続示唆演出は、ATモードが継続することを示唆(報知)するものであり、当該演出では、図69(b)に示すように、例えば「ATモード継続」等の報知画像451を補助表示部65に表示する。なお、報知画像451は、必ずしも文字によりATモードの継続を示唆するものである必要はなく、キャラクタや記号等の絵柄により継続示唆を行うものであってもよい。
ステップS4003の設定処理では、報知画像451を表示するか否かの実行抽選を行い、当該実行抽選にて当選した場合に報知画像451が補助表示部65に表示されるように設定する。なお、上記実行抽選を行うことなく必ず報知画像451が表示される構成としてもよい。
また、ステップS4003では、報知画像451の表示タイミングの設定処理を行う。その際、報知画像451の表示可能な期間には、疑似エンディング演出の実行期間のうちステップS4002で肯定判定した以降の期間を対象とする。表示タイミングの設定処理では、上記対象期間のいずれのタイミング(ゲーム)で報知画像461を表示するかを抽選し、その抽選により選ばれたタイミングで報知画像451が表示されるように設定する。なお、表示タイミングの抽選処理を行わず、例えばステップS4002で肯定判定したゲームなど、予め定められたゲームで報知画像451が表示される構成としてもよい。
ステップS3802で肯定判定した場合(ED中フラグがセットされている場合)は、ステップS4004に進み、AT継続示唆演出の実行中であるか否かを判定する。この判定は、例えば、AT継続示唆演出を実行する場合にRAM183の各種フラグ格納エリア183aに所定フラグをセットする構成とした上で、上記各種フラグ格納エリア183aに当該所定フラグがセットされているか否かを判定することにより行うことができる。
AT継続示唆演出の実行中でない場合は、ステップS上記各種フラグ格納エリア183aに疑似EDフラグがセットされているか否かを判定する。疑似EDフラグがセットされている場合、すなわち、疑似エンディング演出の実行中である場合は、ステップS4001に進み、上記と同様にしてATモードの残りゲーム数の把握やAT継続示唆演出の設定処理を行う。このように疑似エンディング演出の途中でもステップS4001以降の処理を実行することで、疑似エンディング演出の開始当初はATモードの残りゲーム数が第2所定ゲーム数未満であったとしても、疑似エンディング演出が行われているゲームでATモードが残りゲーム数が上乗せされ、当該上乗せにより残りゲーム数が第2所定ゲーム数以上となった場合にAT継続示唆演出を実行することができる。
ステップS4004で肯定判定した場合(AT継続示唆演出の実行中である場合)は、AT継続示唆演出の設定処理を実行しないとして、そのまま差枚数表示用処理を終了する。
<疑似エンディング演出の流れについて>
本変形例に係る疑似エンディング演出の流れについて図69を参照しながら説明する。ここでは、疑似エンディング演出が開始されてから5ゲーム目でAT継続示唆演出が実行される場合を例にとって説明する。
サブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に達すると、疑似エンディング演出が補助表示部65にて実行される。疑似エンディング演出として当初は、通常エンディング演出と同じ内容の開始演出が実行される(図61(a))。開始演出の実行後はエンディング中演出が実行される。
疑似エンディング演出の開始から4ゲーム目までのエンディング中演出では、図69(a)に示すように、エンディング到達を文字により報知する報知画像433が補助表示部65に表示される。その際、上記第2の実施の形態に係るエンディング中演出(図61(b))とは異なり、有利区間Bでの有利区間増減枚数MYに対応した第2差枚数画像437は表示されない。この場合、疑似エンディング演出と通常エンディング演出とで開始演出及びエンディング中演出の態様が同じになるため、遊技者がそれら両エンディング演出を識別することは不可又は困難となる。
その後、疑似エンディング演出の開始から5ゲーム目が行われると、図69(b)に示すように、ATモードが継続することを示唆する報知画像451が補助表示部65に表示される。これにより、ATモードの継続が遊技者に報知される。
例えば、疑似エンディング演出であることを遊技者が容易に識別できると、その時点でATモードの継続を予測することができてしまう懸念がある。この点、本実施の形態では、通常エンディング演出と疑似エンディング演出との区別を不可又は困難なものとしたため、ATモード継続の事前予測が行いにくくなる。その上で、ATモード継続を示唆する報知画像451を表示するため、遊技者の喜びと驚きを好適に喚起することが可能になる。
疑似エンディング演出が終了すると、補助表示部65ではATモード中演出が実行される。その際のATモード中演出では、図69(c)に示すように、メイン差枚数MY1に基づく差枚数画像411が補助表示部65に表示される。これにより、その時点でのメダル獲得枚数(主制御装置101で認識している差枚数)が報知され、特別エンディング演出までの残り枚数等を遊技者が認識できなくなることが抑制される。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏する。
疑似エンディング演出にてATモードの継続を示唆する継続示唆演出を行う構成とした。これにより、疑似エンディング演出の途中で遊技者自らがATモードの継続を引き当てたような印象を与えることができる。特にエンディング演出の性質上、エンディング演出中にその後のATモード継続が報知されることは本来はあり得ないため、遊技者の喜びと驚きを好適に誘うことができる。また、疑似エンディング演出後の遊技継続を促すことができるというメリットもある。すなわち、疑似エンディング演出を見て有利区間(ATモード)が終了すると予測した遊技者が、疑似エンディング演出が終了した時点で遊技をやめてしまう可能性があるところ、疑似エンディング演出は実際には有利区間の終了に対応しない疑似的なものであるため、遊技者が損をしてしまうおそれがある。この点、継続示唆演出により疑似エンディング演出後の遊技継続を促すことができ、これによって、遊技者が遊技をやめて不利益を被ることを抑制できる。
疑似エンディング演出においてATモードの残りゲーム数を把握し、その把握した残りゲーム数が第2所定ゲーム数以上である場合に継続示唆演出を行う構成とした。例えば、疑似エンディング演出にて継続示唆演出によりATモードの継続が示唆された場合において、疑似エンディング演出後にATモードが早期に終了すると、遊技者の落胆を招く懸念がある。この点、本構成では、疑似エンディング演出後のATモードの継続ゲーム数が一定数以上確保された上で継続示唆演出が行われるため、継続示唆演出によりATモードの継続が報知された場合において、疑似エンディング演出後にATモードが早期に終了してしまうことを抑制できる。
<変形例2>
上記第2の実施の形態の変形例2について図70及び図71を参照しながら説明する。これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
本変形例では、疑似エンディング演出において特別エンディング演出の示唆を行ったり、疑似エンディング演出に代えて特別エンディング演出を行ったりするように構成されている。以下、かかる構成について詳細に説明する。
<エンディング演出設定処理>
本変形例に係るエンディング演出設定処理について図70のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、サブ制御装置81のCPU181にて実行されるものである。本エンディング演出設定処理は、第2の実施の形態に係る全停止時演出設定処理(図58)の一環として行われるものであり、図59のエンディング演出設定処理に代えて実行されるものである。図70において図59と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS3604で否定判定した場合(有利区間ゲーム数AGがエンディング開始ゲーム数以上でない場合)は、ステップS3608に進み、RAM183の各種カウンタエリア183bにおけるMY1カウンタ、MY2カウンタの値を参照し、メイン差枚数MY1及びサブ差枚数MY2を把握する。
ステップS3609では、ステップS3608で把握したメイン差枚数MY1がエンディング開始枚数以上であるか否かを判定する。メイン差枚数MY1がエンディング開始枚数以上でない場合は、ステップS3613に進み、ステップS3608で把握したサブ差枚数MY2がエンディング開始枚数以上であるか否かを判定する。ステップS3613で肯定判定した場合、すなわち、メイン差枚数MY1がエンディング開始枚数に到達しておらず且つサブ差枚数MY2がエンディング開始枚数以上である場合は、疑似エンディング演出の開始タイミングであることを意味する。
この場合は、ステップS3614にて、実行中のATモードの残りゲーム数を把握する。ステップS4101では、ステップS3614で把握した残りゲーム数にてメイン差枚数MY1が上限増加数に到達可能であるか否かを判定する。具体的には、ステップS3614で把握した残りゲーム数とATモードの純増枚数(約5.95枚)との乗算値と、メイン差枚数MY1(有利区間増減枚数MY)における上限増加数までの残り枚数とを比較し、前者が後者以上である場合は上限増加数に到達可能であると判定し、前者が後者よりも小さい場合は上限増加数に到達可能でないと判定する。
メイン差枚数MY1が上限増加数に到達可能である場合、すなわち、疑似エンディング演出後に特別エンディング演出を実行する運びとなる場合は、ステップS4102に進み、上限増加数までの残りゲーム数が第3所定ゲーム数以上であるか否かを判定する。この処理は、疑似エンディング演出が終了してから特別エンディング演出を開始するまでの期間(ゲーム数)が十分に開いている状態であるかを確認するものである。
例えば、疑似エンディング演出が終了してから短期間で特別エンディング演出が行われると、遊技者に不自然な印象を与える懸念がある。そこで、本変形例では、上限増加数までの残りゲーム数に応じて、疑似エンディング演出を行ってから特別エンディング演出を行うか、疑似エンディング演出を実行せずにそのまま特別エンディング演出を行うかを振り分けるものとしている。
第3所定ゲーム数は、その振り分けのためのしきい値である。第3所定ゲーム数の具体的な数は特に限定されるものではないが、本変形例では、疑似エンディング演出の継続ゲーム数(例えば25ゲーム)に対して所定ゲーム数(例えば50ゲーム)を加算した加算値(例えば75ゲーム)を用いる。
上記ステップS4102で上限増加数までの残りゲーム数が第3所定ゲーム数以上であると判定した場合は、疑似エンディング演出を行ってから特別エンディング演出を行うものとし、ステップS4103にて、特別エンディング示唆演出の設定処理を行う。特別エンディング示唆演出は、特別エンディング演出が行われること、換言すれば、特別エンディング演出の実行を達成できたことを示唆(報知)するものであり、当該演出では、図71(a)に示すように、例えば「SPEnding待機中」等の報知画像461を補助表示部65に表示する。なお、報知画像451は、必ずしも文字により特別エンディング演出の実行示唆を行うものである必要はなく、キャラクタや記号等の絵柄により上記示唆を行うものであってもよい。
ステップS4103の設定処理では、報知画像461を表示するか否かの実行抽選を行い、当該実行抽選にて当選した場合に報知画像461が補助表示部65に表示されるように設定する。なお、上記実行抽選を行うことなく必ず報知画像461が表示される構成としてもよい。
また、ステップS4103では、報知画像461の表示タイミングの設定処理を行う。その際、報知画像461の表示可能な期間には、疑似エンディング演出の実行期間のほか、図71(b)に示すように、疑似エンディング演出後のATモード中演出の実行期間も含めて対象期間とする。表示タイミングの設定処理では、対象期間のいずれのタイミング(ゲーム)で報知画像461を表示するかを抽選し、その抽選により選ばれたタイミングで報知画像461が表示されるように設定する。なお、表示タイミングの抽選処理を行わず、例えば疑似エンディング演出中の所定ゲームなど、予め定められたゲームで報知画像461が表示される構成としてもよい。
ステップS4103の実行後又はステップS4101で否定判定した場合(メイン差枚数MY1が上限増加数に到達可能でない場合)は、ステップS3616に進み、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに疑似EDフラグをセットする。これにより、疑似エンディング演出が実行される。
ステップS4102で否定判定した場合(上限増加数までの残りゲーム数が第3所定ゲーム数未満である場合)は、疑似エンディング演出を実行せずにそのまま特別エンディング演出を行うものとし、ステップS4104にて上記各種フラグ格納エリア183aに特別EDフラグをセットする。これにより、疑似エンディング演出に代えて特別エンディング演出が実行される。この場合における特別エンディング演出の継続ゲーム数は予定ゲーム数(例えば25ゲーム)よりも多くなるが、その余剰分はダイジェスト演出等の非連続エンディング演出により埋め合わせる。ステップS4104の実行後はエンディング演出設定処理を終了する。
<エンディング演出の流れについて>
本変形例に係るエンディング演出の流れについて図71を参照しながら説明する。
サブ差枚数MY2がエンディング開始ゲーム数に達すると、ATモードの残りゲーム数が把握されるとともに、その残りゲーム数にてメイン差枚数MY1(有利区間増減枚数MY)が上限増加数に到達可能であるか否かが判定される。到達可能である場合には、上記残りゲーム数が第3所定ゲーム数(例えば75ゲーム)以上であるか否かが判定され、第3所定ゲーム数以上である場合には、疑似エンディング演出が実行されるとともに、特別エンディング演出の実行示唆演出の設定処理が行われる。
上記設定処理にて、例えば疑似エンディング演出後のATモード中演出の実行中である所定ゲームで上記示唆演出(報知画像461の表示)を実行すると設定された場合には、図71(b)に示すように、補助表示部65におけるATモード中演出での表示画面にて報知画像461が表示される。これにより、後に特別エンディング演出が実行されることが遊技者に示唆(報知)される。
なお、疑似エンディング演出後のATモード中演出で報知画像461を表示する場合、それより前の期間(疑似エンディング演出の実行期間等)では報知画像461が表示されない。よって、かかる期間では、疑似エンディング演出が実行されることを遊技者は予測することが不可又は困難となっている。
その後、メイン差枚数MY1がエンディング開始ゲーム数に到達すると、特別エンディング演出が実行される。これに伴い、報知画像461が消去される。
ATモードの残りゲーム数が第3所定ゲーム数未満である場合は、疑似エンディング演出に代えて特別エンディング演出が実行される。すなわち、疑似エンディング演出が行われることなく特別エンディング演出が行われる。この場合、特別エンディング演出の実行示唆演出(報知画像461の表示)は行われない。
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏する。
サブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に到達した場合に、ATモードの残りゲーム数にて有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達可能であるか否かを判定した。これにより、後の特別エンディング演出を踏まえて疑似エンディング演出を実行することが可能になる。
上記残りゲーム数にて有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達可能であると判定した場合において、その残りゲーム数に応じて疑似エンディング演出を実行するか否かを振り分ける構成とした。具体的には、上記残りゲーム数が第3所定ゲーム数以上であるか否かを判定し、第3所定ゲーム数以上である場合には疑似エンディング演出を実行し、第3所定ゲーム数未満である場合には特別エンディング演出を実行する構成とした。このような構成とすることで、複数のエンディング演出が短期間で行われることが抑制され、遊技者に不自然な印象を与えることを抑制できる。
上記残りゲーム数にて有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達可能であると判定した場合に、特別エンディング演出の実行を示唆する実行示唆演出を行う構成とした。この構成により、早ければ疑似エンディング演出の段階で特別エンディングの達成を遊技者に報知することができ、遊技者の喜びを好適に喚起することが可能になる。
なお、本変形例において疑似エンディング演出中の第2差枚数画像437は、上記第2の実施の形態のように表示してもよいし、上記変形例1のように表示しない構成としてもよい。
<変形例3>
上記第2の実施の形態の変形例3について図72を参照しながら説明する。この図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
本変形例では、疑似エンディング演出の実行中にATモードの残りゲーム数を参照し、特別エンディング演出の示唆や特別エンディング演出への切り替えを行うように構成されている。以下、かかる構成について詳細に説明する。
<エンディング演出実行用処理>
本変形例に係るエンディング演出実行用処理について図72のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、サブ制御装置81のCPU181にて実行されるものである。本エンディング演出設定処理は、第2の実施の形態に係る全停止時演出設定処理(図58)の一環として行われるものであり、図63のエンディング演出設定処理に代えて実行されるものである。図72において図63と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS3701で肯定判定した場合(ゲーム数コマンド、差枚数コマンドを受信している場合)は、ステップS3702にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aにED中フラグがセットされているか否かを判定する。ED中フラグがセットされている場合、すなわち、いずれかのエンディング演出を実行中である場合は、ステップS3706にて、次のゲームで有利区間が終了するか否かを判定する。
次のゲームで有利区間が終了しない場合は、ステップS3707にて、上記各種フラグ格納エリア183aに疑似EDフラグがセットされているか否かを判定する。疑似EDフラグがセットされている場合、すなわち、疑似エンディング演出の実行中である場合は、ステップS4201にて、実行中のATモードの残りゲーム数を把握する。続くステップS4202では、ステップS4201で把握した残りゲーム数にてメイン差枚数MY1が上限増加数に到達可能であるか否かを判定する。
メイン差枚数MY1が上限増加数に到達可能である場合は、ステップS4203に進み、上限増加数までの残りゲーム数が第4所定ゲーム数以上であるか否かを判定する。第4所定ゲーム数は、疑似エンディング演出の残りゲーム数に対して所定ゲーム数(例えば50ゲーム)を加算した加算値である。例えば、疑似エンディング演出の残りゲーム数が10ゲームである場合、第4所定ゲーム数は60ゲームとなる。
上限増加数までの残りゲーム数が第4所定ゲーム数以上である場合は、ステップS4204にて、特別エンディング示唆演出の設定処理を行う。特別エンディング示唆演出は、上記変形例2に係る特別エンディング示唆演出と同様に、補助表示部65に報知画像461を表示するものである。
ステップS4204の設定処理では、報知画像461を表示するか否かの実行抽選を行い、当該実行抽選にて当選した場合に報知画像461が補助表示部65に表示されるように設定する。なお、上記実行抽選を行うことなく必ず報知画像461が表示される構成としてもよい。
また、ステップS4204では、報知画像461の表示タイミングの設定処理を行う。その際、報知画像461の表示可能な期間には、疑似エンディング演出の残り期間のほか、疑似エンディング演出後のATモード中演出の実行期間も含めて対象期間とする。表示タイミングの設定処理では、対象期間のいずれのタイミング(ゲーム)で報知画像461を表示するかを抽選し、その抽選により選ばれたタイミングで報知画像461が表示されるように設定する。なお、表示タイミングの抽選処理を行わず、例えば疑似エンディング演出中の所定ゲームなど、予め定められたゲームで報知画像461が表示される構成としてもよい。
ステップS4204の実行後又はステップS4202で否定判定した場合(メイン差枚数MY1が上限増加数に到達可能でない場合)は、ステップS3708に進み、疑似エンディング演出の消化ゲーム数が特定ゲーム数に到達したか否かを判定する。
ステップS4203で否定判定した場合(上限増加数までの残りゲーム数が第4所定ゲーム数未満である場合)は、ステップS4205に進み、実行中の疑似エンディング演出を特別エンディング演出に切り替えるための設定処理を実行する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア183aにセットされている疑似EDフラグをクリアするとともに、特別EDフラグをセットして特別エンディング演出が実行されるようにする。その際、遊技者から見て特別エンディング演出に切り替わったことが分かりやすくなるように、一旦、特別エンディング演出用の開始演出を行い、その後、エンディング中演出を行うようにする。ステップS4205の実行後はエンディング演出実行用処理を終了する。
<エンディング演出の流れについて>
疑似エンディング演出の実行中において、ゲーム数コマンド、差枚数コマンドが主制御装置101からサブ制御装置81に送信されると、ATモードの残りゲーム数が把握され、その残りゲーム数にてメイン差枚数MY1が上限増加数に到達可能であるか否かが判定される。そして、上限増加数に到達可能であると判定された場合には、そのときの残りゲーム数に応じて、特別エンディング演出の実行示唆演出と、疑似エンディング演出から特別エンディング演出への切り替えとのいずれかが行われる。
ここで、残りゲーム数の把握処理及び上限増加数への到達可否の判定処理の契機となるゲーム数コマンド及び差枚数コマンドは、各回のゲーム終了時に送信される。よって、上記把握処理及び判定処理は、毎回のゲームで行われることになる。
例えば、疑似エンディング演出の開始時におけるATモードの残りゲーム数によっては、メイン差枚数MY1が上限増加数に到達しないものの、疑似エンディング演出の途中で行われる上乗せ抽選(ATモードの残りゲーム数を上乗せする抽選)により残りゲーム数が増加した結果、メイン差枚数MY1が上限増加数に到達可能な状態に変化する場合があり得る。この点、本変形例では、そのような状態の変化が1ゲーム単位で監視されるため、疑似エンディング演出の途中で残りゲーム数が増加した場合でも、特別エンディング演出の実行示唆演出を実行したり、特別エンディング演出への切り替えを行ったりすることができる。
なお、本変形例を上記変形例2と組み合わせて実施してもよいし、上記変形例2に代えて本変形例を実施してもよい。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、疑似エンディング演出を行った後、ATモードの継続用演出を行ってからATモード中演出を行うように構成されている。本実施の形態について図73〜図81を参照しながら説明する。これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
<全停止時演出設定処理>
本実施の形態に係る全停止時演出設定処理について図73のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、サブ制御装置81のCPU181にて主制御装置101からの全停止時コマンドを受信した場合に実行されるものであり、図49の全停止時演出設定処理に代えて実行されるものである。図73において図49と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS2809の差枚数管理用処理を実行した後は、ステップS5001にて、エンディング演出の開始タイミングを制御したり、実行対象となるエンディング演出の種別を設定したりするためのエンディング演出設定処理を実行する。本実施の形態では、エンディング演出として、通常エンディング演出と疑似エンディング演出とを含む複数種類のエンディング演出が設けられている。
ステップS5002では、ステップS5001の設定結果に基づき、エンディング開始演出、エンディング中演出、エンディング終了演出の実行制御を行う。ステップS5003では、差枚数画像411を表示したりするための差枚数表示用処理を実行する。ステップS5003の実行後は、ステップS2811のその他の全停止時演出設定処理を実行し、その後、全停止時演出設定処理を終了する。
<エンディング演出設定処理>
ステップS5001のエンディング演出設定処理について図74のフローチャートを参照しながら説明する。なお、図74においてステップS3604以前の処理については上記第2の実施の形態に係るエンディング演出設定処理(図59)と同様であるため、図示を省略している。また、図74において図59と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS3604で否定判定した場合(有利区間ゲーム数AGがエンディング開始ゲーム数未満である場合)は、ステップS3608に進み、RAM183の各種カウンタエリア183bにおけるMY1カウンタ及びMY2カウンタの値を参照し、メイン差枚数MY1及びサブ差枚数MY2を把握する。
ステップS3609では、ステップS3608で把握したメイン差枚数MY1がエンディング開始枚数以上であるか否かを判定する。メイン差枚数MY1がエンディング開始枚数以上である場合は、ステップS3610に進み、上記各種フラグ格納エリア183aにED済みフラグがセットされているか否かを判定する。ED済みフラグは、疑似エンディング演出を実行済みであることをCPU181が把握するためのものである。
ED済みフラグがセットされていない場合は、ステップS3611にて、実行中のATモードの残りゲーム数を把握する。ステップS3612では、ステップS3611で把握した残りゲーム数に基づき、ATモードに滞在したまま上限増加数に到達可能であるか否かを判定する。
上限増加数に到達可能である場合は、ステップS3607にて、上記各種フラグ格納エリア183aに通常EDフラグをセットし、その後、エンディング演出設定処理を終了する。これにより、実行対象のエンディング演出が通常エンディング演出に設定(決定)される。上限増加数に到達可能でない場合は、通常エンディング演出を実行しないとして、ステップS3607の処理をスキップしてエンディング演出設定処理を終了する。
ステップS3609で否定判定した場合(メイン差枚数MY1がエンディング開始枚数未満である場合)は、ステップS3613に進み、ステップS3608で把握したサブ差枚数MY2がエンディング開始枚数以上であるか否かを判定する。ステップS3613で肯定判定した場合、すなわち、メイン差枚数MY1がエンディング開始枚数に到達していない状況でサブ差枚数MY2がエンディング開始枚数以上となっている場合は、有利区間を跨いで更新されるメダル獲得枚数がエンディング開始枚数に達したことを意味する。
この場合はステップS3614に進み、実行中のATモードの残りゲーム数を把握する。ステップS3615では、ステップS3614で把握した残りゲーム数が所定ゲーム数(例えば25ゲーム)以上であるか否かを判定する。
残りゲーム数が所定ゲーム数以上である場合は、ステップS3616にて上記各種フラグ格納エリア183aに疑似EDフラグをセットする。これにより、実行対象のエンディング演出が疑似エンディング演出に設定(決定)される。ステップS3617では、上記各種フラグ格納エリア183aにED済みフラグをセットし、その後、エンディング演出設定処理を終了する。
ステップS3610で肯定判定した場合(ED済みフラグがセットされている場合)は、疑似エンディング演出を実行した後に有利区間増減枚数MYがエンディング開始枚数に達したことを意味する。この場合はステップS5101にて、上記各種フラグ格納エリア183aにセットされているED済みフラグをクリアし、その後、エンディング演出設定処理を終了する。すなわち、本実施の形態では、特別エンディング演出を実行することなく、ATモード中演出を継続させる。
なお、上記第2の実施の形態においてED済みフラグは、通常エンディング演出を実行するか、それとも特別エンディング演出を実行するかといった具合に、実行対象となるエンディング演出の種別を振り分ける契機として機能したが、本実施の形態では、有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達してATモードや有利区間が終了する場合にエンディング演出を実行するか否かを振り分ける契機として機能するものとなっている。
<エンディング演出実行用処理>
ステップS5002のエンディング演出実行用処理について図75のフローチャートを参照しながら説明する。なお、図75においてステップS3702以前の処理及びステップS3709以降の処理については上記第2の実施の形態に係るエンディング演出実行用処理(図63)と同様であるため、図示を省略している。また、図75において図63と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS3702で肯定判定した場合(ED中フラグがセットされている場合)は、ステップS3706にて、今回の全停止時コマンドとして有利区間終了コマンドを受信しているか否かを判定する。有利区間終了コマンドを受信していない場合は、ステップS3707にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに疑似EDフラグがセットされているか否かを判定する。
疑似EDフラグがセットされている場合、すなわち、疑似エンディング演出の実行中である場合は、ステップS3708に進み、当該演出での消化ゲーム数が特定ゲーム数(例えば25ゲーム)に達したか否かを判定する。ステップS3708で肯定判定した場合(疑似エンディング演出での消化ゲーム数が特定ゲーム数に達した場合)又はステップS3706で肯定判定した場合(有利区間終了コマンドを受信している場合)は、実行中のエンディング演出に対応したエンディング終了演出の設定処理を実行する。
ステップS5201では、上記各種フラグ格納エリア183aに疑似EDフラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、実行中のエンディング演出が疑似エンディング演出であるか否かを判定する。疑似EDフラグがセットされている場合は、ステップS5202に進み、継続用演出の設定処理を実行する。
ここで、継続用演出について図76を参照しながら説明する。継続用演出は、ATモードが継続することを示唆(報知)するものであり、換言すれば、疑似エンディング演出によりATモードが終了するように見せかけた上で上記示唆(報知)を行うことにより、あたかも遊技者自身の遊技によってATモードを引き戻したかのように見せる演出である。継続用演出では、図76(b)に示すように、例えば「まだまだ続くよ!!」等のATモードが終了せずに更に続くことを報知する報知画像471を補助表示部65に表示する。なお、報知画像471は、必ずしも文字によりATモードの継続を示唆するものである必要はなく、キャラクタや記号等の絵柄により継続示唆を行うものであってもよい。
継続用演出の設定処理では、上記継続用演出が次ゲームで実行されるように設定する。すなわち、疑似エンディング演出用のエンディング終了演出が行われた後、遊技者がベット操作とスタートレバー41による始動操作とを行ってゲームを実行させると、継続用演出が行われるように設定する。
その際、継続用演出の開始タイミングは特に限定されるものではないが、例えば、上記始動操作のタイミング、換言すれば、各リール32L〜32Rの回転が開始されるゲーム開始タイミングとすることができる。かかる構成では、疑似エンディング演出の終了によりATモードが終了したと思い込んでいる遊技者がスタートレバー41を操作した瞬間、補助表示部65の表示画面が切り替わって上記報知画像471が報知されるものとなり、遊技者の驚きと喜びを好適に喚起することができる。なお、始動操作を行った際に各リール32L〜32Rの回転開始が待機されるウェイトが生じる場合は、上記始動操作を行ったタイミングで行ってもよいし、ウェイト期間が終了して各リール32L〜32Rの回転が開始されるタイミングで行ってもよい。
また、開始タイミングをばらつかせる構成としてもよい。例えば、継続用演出の開始タイミングとして上記始動操作のタイミングと、それよりも所定期間だけ遅れたタイミングとを含む複数のタイミングを設け、抽選等によりいずれかのタイミングを選択する。このような構成とすることで、後者のタイミングで継続用演出を実行する際には、始動操作タイミングで継続用演出が発生しないことでATモードが継続しないと遊技者に思わせてから、遅れたタイミングで継続用演出を見せることができ、遊技者の驚きと喜びをより好適に喚起することができる。
なお、上記所定期間(遅れ期間)は、数秒程度のものとしてもよいし、数ゲーム程度のものとしてもよい。また、期間を設定せず、疑似エンディング演出が終了した後の押し順ベル(押し順ナビが表示される役)が当選したゲームにて、継続用演出が行われるものとしてもよい。その際、押し順ナビの表示以前に上記継続用演出が行われる構成とするとよい。これらの各遅れタイミングは、いずれか1つを適用してもよいし、組み合わせて適用してもよい。ちなみにタイミングの種類は2種類に限定されず、3種類以上であってもよい。
また、継続用演出の実行期間は特に限定されるものではないが、1ゲーム中の特定期間(例えば数秒程度)として当該ゲームの終了前に継続用演出が終了するものとしてよいし、継続用演出の実行ゲームにおけるゲーム期間の全般としてもよい。
エンディング演出実行用処理(図75)の説明に戻り、ステップS5202の実行後はステップS5203にて、上記各種フラグ格納エリア183aに疑似ED終了フラグをセットする。疑似ED終了フラグは、疑似エンディング演出が終了したことをCPU181が把握するためのものである。
ステップS5203の実行後又はステップS5201で否定判定した場合(疑似EDフラグがセットされていない場合)は、ステップS3715に進み、上記各種フラグ格納エリア183aにセットされている各EDフラグ及びED中フラグをクリアし、その後、エンディング演出実行用処理を終了する。
<サブ差枚数クリア用処理>
ここで、ステップS2801の差枚数管理用処理(図50)におけるステップS2910のサブ差枚数クリア用処理について、図51のフローチャートを参照しながら改めて説明する。
先ずステップS3101にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aにカウント継続フラグがセットされているか否かを判定する。カウント継続フラグがセットされていない場合は、ステップS3102にて今回の全停止時コマンドとしてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドは、ATモードが終了したことを通知するコマンドである。
AT終了コマンドを受信している場合、すなわち、ATモードが終了した場合は、ステップS3103に進み、有利区間増減枚数MYが上限増加数(2400枚)に到達したこと又は有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達したことを契機としてATモードが終了されたのか否かを判定する。上限到達によるATモードの終了である場合は、ステップS3104に進み、上記各種カウンタエリア183bのMY2カウンタの値をクリアする。これにより、MY2カウンタの値が初期化される。
ステップS3105では、上記各種フラグ格納エリア183aにカウント終了フラグをセットし、その後、サブ差枚数クリア用処理を終了する。カウント終了フラグは、サブ差枚数MY2のカウントが終了したことをCPU181が把握するためのものである。
ステップS3103で否定判定した場合(上限到達を契機とするATモードの終了でない場合)は、ステップS3106に進み、今回の全停止時コマンドとして第2CZ当選コマンドを受信しているか否かを判定する。第2CZ当選コマンドは、ATモード終了時における第2CZモードの移行抽選にて当選したことを通知するコマンドである。
第2CZ当選コマンドを受信している場合は、そのままサブ差枚数クリア用処理を終了する。すなわち、ATモード終了後に第2CZモードに移行する場合には、上述したステップS3104のMY2カウンタのクリア処理を実行しない。つまり、サブ差枚数MY2をクリアせず、第2CZモードへの移行後もそのカウントを継続する。
第2CZ当選コマンドを受信していない場合は、第2CZモードに当選しておらず、ATモードの終了に伴って有利区間が終了することを意味する。この場合は、ステップS3107にて、上記各種カウンタエリア183bに設けられた継続カウンタに所定値をセットする。継続カウンタは、サブ差枚数MY2のカウントを継続する期間(ゲーム数)をCPU181が把握するためのものであり、継続カウンタの値が1以上である状況では、有利区間が終了した場合であってもサブ差枚数MY2のカウントを継続する。なお、継続カウンタの初期値(セットする所定値)は特に限定されるものではないが、本実施の形態では、第2CZモードの継続ゲーム数(50ゲーム)に対応させて50をセットする。
続くステップS3108では、上記各種フラグ格納エリア183aにカウント継続フラグをセットする。カウント継続フラグは、サブ差枚数MY2のカウントを継続すべきであることをCPU181が把握するためのものである。ステップS3108の実行後は、ステップS3104の処理を実行することなくサブ差枚数クリア処理を終了する。すなわち、上限到達することなくATモードが終了した場合において第2CZモードに移行しない場合も、サブ差枚数MY2をクリアせずにカウントを継続する。
ステップS3102で否定判定した場合(AT終了コマンドを受信していない場合)は、ステップS3109にて今回の全停止時コマンドとして第2CZ終了コマンドを受信しているか否かを判定する。第2CZ終了コマンドは、第2CZモードが終了したことを通知するコマンドである。
第2CZ終了コマンドを受信している場合は、ステップS3110に進み、今回のゲームにおける開始時コマンドとしてAT当選コマンドを受信しているか否かを判定する。AT当選コマンドを受信していない場合(ATモードに当選することなく第2CZモードが終了した場合)は、ステップS3104に進み、上記各種カウンタエリア183bのMY2カウンタの値をクリアする。すなわち、ATモード終了後に第2CZモードに移行した場合においてATモードに未当選のまま第2CZモードが終了した場合は、サブ差枚数MY2のカウントを終了する。
ステップS3109で否定判定した場合(第2CZ終了コマンドを受信していない場合)又はステップS3110で肯定判定した場合(ATモードの当選により第2CZモードが終了した場合)は、サブ差枚数MY2のカウントを継続すべきとしてそのままサブ差枚数クリア用処理を終了する。
ステップS3101で肯定判定した場合(カウント継続フラグがセットされている場合)は、ステップS3111に進み、上記各種カウンタエリア183bの継続カウンタの値を1ディクリメントとして更新する。すなわち、ステップS3108でカウント継続フラグをセットした後は、1ゲーム毎に1ずつ継続カウンタの値が減算される。
ステップS3112では、継続カウンタの値が0であるか否かを判定する。継続カウンタの値が0でない場合は、ステップS3113に進み、今回のゲームにおける開始時コマンドとしてAT当選コマンドを受信しているか否かを判定する。
AT当選コマンドを受信している場合には、ステップS3114にて、上記各種フラグ格納エリア183aにセットされているカウント継続フラグをクリアするとともに、上記各種カウンタエリア183bの継続カウンタの値をクリアし、その後、サブ差枚数クリア処理を終了する。すなわち、ステップS3107で所定値としてセットされた期間内にATモードに当選した場合には、その後もサブ差枚数MY2のカウントを継続する。
ステップS3112で肯定判定した場合(継続カウンタの値が0である場合)は、サブ差枚数MY2のカウントを継続する期間が終了したとして、ステップS3115にてカウント継続フラグをクリアする。その後、ステップS3104に進み、上記各種カウンタエリア183bのMY2カウンタの値をクリアする。すなわち、ATモードに当選することなく、ステップS3107で所定値としてセットされた期間が経過した場合は、その終了を以ってサブ差枚数MY2をクリアする。
<差枚数表示用処理>
ステップS5003のサブ差枚数表示用処理について図77のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS5301では、今回の全停止時コマンドとしてゲーム数コマンド、差枚数コマンドを受信しているか否かを判定する。これらのコマンドを受信していない場合は、そのまま差枚数表示用処理を終了する。
ゲーム数コマンド、差枚数コマンドを受信している場合は、ステップS5302にて第2サブ差枚数クリア用処理を実行する。第2サブ差枚数クリア用処理は、上述したサブ差枚数クリア用処理(図51)とは別に、MY2カウンタの値(サブ差枚数MY2)のクリアタイミングを制御するための処理である。
ここで、ステップS5302の第2サブ差枚数クリア用処理について図78のフローチャートを参照しながら説明する。第2サブ差枚数クリア用処理では先ずステップS5401にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに疑似ED終了フラグがセットされているか否かを判定する。
疑似ED終了フラグがセットされている場合、すなわち、疑似エンディング演出が終了した場合は、ステップS5402にて、RAM183の各種カウンタエリア183bにおけるMY2カウンタの値をクリアする。続くステップS5403では、上記各種フラグ格納エリア183aにセットされている疑似ED終了フラグをクリアし、その後、第2サブ差枚数クリア用処理を終了する。
差枚数表示用処理(図77)の説明に戻り、ステップS5302の実行後はステップS5303にて、上記各種フラグ格納エリア183aに差枚数表示フラグがセットされているか否かを判定する。差枚数表示フラグは、差枚数画像411の表示中であることをCPU181が把握するためのものである。
差枚数表示フラグがセットされていない場合は、ステップS5304に進み、今回の全停止時コマンドとしてAT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。AT開始コマンドはATモードに移行することを通知するコマンドである。AT開始コマンドを受信している場合は、ステップS5305にて上記各種フラグ格納エリア183aに差枚数表示フラグをセットする。
ステップS5306では、RAM183の各種カウンタエリア183bにおけるMY2カウンタの値を参照し、現在のサブ差枚数MY2を把握する。続くステップS5307では、差枚数画像411の表示設定処理を実行する。これにより、差枚数画像411が補助表示部65に表示される。差枚数画像411では、ステップS5306で把握したサブ差枚数MY2に対応する枚数が表示される。なお、AT開始コマンドは、ATモードに移行する直前ゲームの終了時に送信されるため、差枚数画像411の表示は、次のゲーム(ATモードの初回ゲーム)から開始される。
ステップS5307の実行後は差枚数表示用処理を終了する。また、ステップS5304で否定判定した場合(AT開始コマンドを受信していない場合)、すなわち、ATモードに移行しない場合は、差枚数画像411を表示しないとして、ステップS5305以降の処理をスキップして差枚数表示用処理を終了する。
ステップS5303で肯定判定した場合(差枚数表示フラグがセットされている場合)、すなわち、差枚数画像411の表示中である場合は、ステップS5308に進み、上記各種フラグ格納エリア183aにカウント終了フラグがセットされているか否かを判定する。カウント終了フラグがセットされていない場合は、ステップS5309にて、上記各種カウンタエリア183bにおけるMY2カウンタの値を参照し、現在のサブ差枚数MY2を把握する。
ステップS5310では、ステップS5309の把握結果に基づいて補助表示部65に表示されている差枚数画像411を更新する。具体的には、ステップS5309で把握したサブ差枚数MY2に対応する枚数が表示されるように差枚数画像411の表示態様を変更する。ステップS5310の実行後は差枚数表示用処理を終了する。
なお、上記第2の実施の形態に係る差枚数表示用処理(図64)では、ステップS3803(差枚数表示の態様を変更する処理)を実行し、各エンディング演出用の開始演出が行われた次のゲームで差枚数画像411を消去して「祝」の文字からなる報知画像433を表示したが、本実施の形態では、そのような処理を実行しない。すなわち、各エンディング演出の実行中において差枚数画像411を表示し続ける。
ステップS5308で肯定判定した場合(カウント終了フラグがセットされている場合)は、ステップS5311に進み、差枚数画像411の表示を終了するように設定する。これにより、補助表示部65から差枚数画像411の表示が消去される。既に説明したように、カウント終了フラグは、(1)上限到達によりATモードが終了すること、(2)ATモードに当選することなく第2CZモードが終了すること、(3)第2CZモードに移行することなくATモードが終了した場合において、ATモードに当選することなく、所定値として設定されたゲーム数が消化されることのいずれかの条件が成立した場合にセットされる。よって、差枚数画像411の表示及び更新は、当該画像411の表示が開始された後、上記いずれかの条件が成立するまでの期間において継続して行われる。
ステップS5311の実行後は、ステップS5312及びステップS5313にて、上記各種フラグ格納エリア183aにセットされている差枚数表示フラグ及びカウント終了フラグをクリアし、その後、差枚数表示用処理を終了する。
ちなみに、ステップS5302の第2サブ差枚数クリア用処理(図78)において、ステップS5402によりMY2カウンタをクリアした場合は、カウント終了フラグのセット処理を行わない。すなわち、疑似エンディング演出の終了によりサブ差枚数MY2をクリアした場合は、疑似エンディング演出後のゲームにおいて、初期値から開始したサブ差枚数MY2の更新結果に基づき差枚数画像411の表示を継続する。
<エンディング演出やATモード中演出等の流れ>
エンディング演出やATモード中演出等の流れについて説明する。先ず、ある有利区間の中でサブ差枚数MY2のカウントが0枚からスタートし、当該スタートしたサブ差枚数MY2のカウントがその有利区間の中でエンディング開始枚数に到達する場合について図79を参照しながら説明する。
タイミングt1においてATモードが開始されると、補助表示部65にてAT演出が実行される。AT演出では、ATモード開始演出(図54(a))が実行された後、ATモード中演出(図79(f))が実行される。ATモード中演出では、キャラクタ画像401と、「ATモード」等のATモード中であることを報知する報知画像422と、差枚数画像411とが表示される。
差枚数画像411は、主制御装置101で更新される有利区間増減枚数MYに対応させてサブ制御装置81で更新されるメイン差枚数MY1とは別に、サブ制御装置81で独自に更新されるサブ差枚数MY2の値が反映されたものである。但し、この時点でのサブ差枚数MY2はメイン差枚数MY1と同じく0枚であり、両者は同じ値となっている。
その後、ATモードでの遊技が進められると、押し順ベル等の小役入賞に伴い、有利区間増減枚数MY(メイン差枚数MY1)及びサブ差枚数MY2がともに増加する(図79(d),(e))。そして、タイミングt3において、有利区間が終了することなく有利区間増減枚数MY(メイン差枚数MY1)がエンディング開始枚数に達すると、これに伴いサブ差枚数MY2もエンディング開始枚数に到達する。
この場合、図79(g)に示すように、補助表示部65にて通常エンディング演出が実行される。通常エンディング演出では先ず、通常エンディング演出の開始に対応した開始演出が実行される。この開始演出では、エンディング演出が開始されることを報知する報知画像431と、差枚数画像411に対応するものとして、「ゲット2250枚超」等のメダルの獲得枚数が2250枚を超えたことを報知する報知画像432とが表示される。
上記開始演出が実行された後は、図79(h)に示すように、通常エンディング演出用のエンディング中演出が補助表示部65にて実行される。例えば、通常エンディング演出が開始されてから所定ゲーム数(例えば15ゲーム)以内のタイミングt4では、エンディング演出中であることの報知と、メダルの増減枚数に対応した差枚数画像411と、ストーリー演出等の連続エンディング演出とが表示される。
なお、上記第2の実施の形態では、差枚数画像411(報知画像432)が消去され、エンディング到達を文字により報知する報知画像433(図61)が表示されるが、本実施の形態では差枚数画像411が継続して表示され、エンディング演出中における都度のメダル獲得枚数が報知される。
タイミングt5において有利区間増減枚数MY(メイン差枚数MY1)が上限増加数に達すると、図79(i)に示すように、通常エンディング演出の終了に対応したエンディング終了演出が補助表示部65にて実行される。エンディング終了演出では、最終的なメダル獲得枚数を報知するものとして差枚数画像411が表示されるとともに、エンディング演出の終了を報知する報知画像434が表示される。
また、タイミングt5では、有利区間増減枚数MY(メイン差枚数MY1)が上限増加数に達したことに伴い有利区間が終了するとともに、初期化処理(図45のステップS2110)が実行される。これにより、主制御装置101にて有利区間増減枚数MYがクリアされて0枚となる。これに合わせ、サブ制御装置81でもメイン差枚数MY1及びサブ差枚数MY2がクリアされ(図50のステップS2909、図51のステップS3103で肯定判定した場合の流れ)、いずれも0枚となる。
以上のように、サブ差枚数MY2のカウントが0枚(初期値)からスタートされた後、有利区間が終了することなくエンディング開始枚数に到達する場合(上限増加数への到達が見込まれる場合)は、エンディング演出として通常エンディング演出が実行される。
次に、ある有利区間の中でサブ差枚数MY2のカウントが0枚からスタートした後、その有利区間が終了し、その後、所定値として設定されたゲーム数(例えば50ゲーム)が消化される前に再びATモードに移行した場合について図80及び図81を参照しながら説明する。なお、図81は図80の続きに対応するものであり、同じタイミングを示すものについて同一符号を付している。
ちなみにサブ差枚数MY2は、上記第1の実施の形態にて説明したように、(1)有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MYが上限ゲーム数や上限増加数に到達して有利区間が終了した場合、(2)ATモードに当選することなく第2CZモードが終了して有利区間が終了した場合、(3)第2CZモードに移行することなくATモードが終了して有利区間が終了した場合において、その後、ATモードに当選することなく、所定値として設定されたゲーム数が消化された場合のいずれかでクリア(初期化)され、それ以外の状況では更新が継続される。
タイミングt1においてATモードが開始されると、補助表示部65にてAT演出が実行されるとともに、メダルの獲得枚数を報知する差枚数画像411が表示される。その後、ATモードでの遊技が進められると、押し順ベル等の小役入賞に伴い、有利区間増減枚数MY(メイン差枚数MY1)及びサブ差枚数MY2がともに増加する(図80(d),(e))。
タイミングt2において、第2CZモードに移行することなくATモードが終了すると、有利区間(有利区間A)が終了する(図80(a)〜(c))。これにより、主制御装置101にて更新される有利区間増減枚数MYがクリアされる。これに合わせ、サブ制御装置81にて更新されるメイン差枚数MY1がクリアされる(図80(d))。一方、サブ制御装置81にて更新されるサブ差枚数MY2についてはクリアされず、その後も更新が継続される。
有利区間Aが終了した後、有利区間移行抽選に当選すると、次の有利区間Bが開始される。なお、本実施の形態では全ての小役を契機として有利区間移行抽選が行われ、その当選確率も100%とされているため、図80ではタイミングt2の直後に有利区間Bに移行したものとして図示している。
先の有利区間AでのATモードが終了したタイミングt2から所定ゲーム数以内(例えば50ゲーム以内)のタイミングであるタイミングt3にてATモードに当選し、ATモードに移行すると、再びメイン差枚数MY1及びサブ差枚数MY2が増加する(図80(d),(e))。その際、メイン差枚数MY1については有利区間Aの終了時にクリアされ、サブ差枚数MY2については有利区間Aの終了時にクリアされることなく更新が継続されているため、両者の値は異なったものとなる。具体的には、サブ差枚数MY2では、先の有利区間Aでのメダル増加分を引き継いでいる分だけ、メイン差枚数MY1よりも枚数が多くなっている。
有利区間BのATモードが開始されると、補助表示部65にてATモード中演出が実行される。その際のATモード中演出では、キャラクタ画像401と、「ATモード」等のATモード中であることを報知する報知画像422と、差枚数画像411とが表示される。このときの差枚数画像411は、サブ差枚数MY2に基づいて表示されるものであり、有利区間Bの有利区間増減枚数MYよりも多い枚数を示すものとなっている。
その後、タイミングt4においてサブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に達すると、疑似エンディング演出が実行される。疑似エンディング演出として当初は、図80(f)に示すように、通常エンディング演出と同じ内容の開始演出が実行される。また、当該開始演出の実行後に疑似エンディング演出であることに対応したエンディング中演出が行われるが、このエンディング中演出においても、その内容は通常エンディング演出用のエンディング演出と同じものとされる。すなわち、エンディング演出中であることの報知と、メダルの増減枚数に対応した差枚数画像411とが補助表示部65に表示される。なお、本実施の形態では、上記第2の実施の形態のような第2差枚数画像437の表示(メイン差枚数MY1に基づくメダル獲得枚数の報知)は行われない。
タイミングt5において、疑似エンディング演出での消化ゲーム数が特定ゲーム数(例えば25ゲーム)に達すると、図80(g)に示すように、疑似エンディング演出の終了に対応したエンディング終了演出が補助表示部65にて実行される。エンディング終了演出では、最終的なメダル獲得枚数を報知するものとして差枚数画像411が表示されるとともに、エンディング演出の終了を報知する報知画像434が表示される。つまり、疑似エンディング演出は、開始演出から終了演出にかけて通常エンディング演出と見た目が同じになっており、遊技者から見て両者の識別が不可又は困難となっている。
また、タイミングt5では、疑似エンディング演出が終了することに基づき、サブ差枚数MY2がクリアされて0枚となる。その際、有利区間増減枚数MYが上限増加数(2440枚)に到達しておらず、他の有利区間終了条件も成立していないことから、有利区間は終了しない。このため、有利区間増減枚数MYがクリアされず、メイン差枚数MY1もその時点での値がそのまま維持される。よって、この時点では、サブ差枚数MY2よりもメイン差枚数MY1の方が多くなっている。
タイミングt6において、疑似エンディング演出が終了した次のゲームが開始されると、図80(h)に示すように、継続用演出が補助表示部65にて実行される。継続用演出では、例えば「まだまだ続くよ!!」等のATモードが終了せずに更に続くことを報知する報知画像471が表示される。
上記のように疑似エンディング演出が終了した次のゲームで継続用演出を実行することにより、ATモードが終了したかのように見せかけた後、ATモードの継続を報知することができ、遊技者の喜びと驚きを好適に喚起することが可能になる。
ここで、継続用演出により、遊技者に対してATモードの継続を報知できる効果に留まらず、疑似エンディング演出中又はそれ以前に遊技者がATモードを当選させていた(引き戻していた)と思わせる効果も期待できると考えられる。よって、継続用演出での報知画像471としては、ATモードが続くことを示唆する表示に代えて又は加えてATモードに当選したことを示唆(報知)する表示を行ってもよい。なお、継続する旨の表示と当選した旨の表示との両方を行う場合は、後者を行ってから前者を行ってもよいし、それらを同時に行ってもよい。
上記継続用演出が実行された次のゲームからはATモード中演出が補助表示部65にて実行される。このときのATモード中演出においても、疑似エンディング演出が行われる前のATモード中演出と同様に、キャラクタ画像401と、「ATモード」等のATモード中であることを報知する報知画像422と、差枚数画像411とが表示される。
但し、疑似エンディング演出の終了に伴いサブ差枚数MY2がクリアされているため、差枚数画像411では、疑似エンディング演出が終了してからのメダル獲得枚数が表示される。例えば、疑似エンディング演出が終了してからのメダル獲得枚数が10枚となったタイミングt7では、差枚数画像411として「ゲット10枚」が表示される。これにより、差枚数画像411により上限増加数よりも多い枚数が表示されて遊技者に不自然な印象を与えることが抑制され、延いては、実際には有利区間が終了していないことが遊技者に簡単に悟られてしまうことを抑制できる。つまり、疑似エンディング演出が疑似的なものであることを秘匿する効果を高めることが可能になる。
以上のように、サブ差枚数MY2のカウントが0枚(初期値)からスタートされた後、複数の有利区間を跨いでエンディング開始枚数に到達する場合(上限増加数への到達が見込まれる場合)は、エンディング演出として通常エンディング演出ではなく、疑似エンディング演出が実行される。
疑似エンディング演出が行われた後、タイミングt8においてメイン差枚数MY1がエンディング開始枚数に達すると、上記第2の実施の形態では特別エンディング演出が実行されたが、本実施の形態では、そのようなエンディング演出が実行されず、図81(h)に示すように、そのままATモード中演出が継続される。
そして、タイミングt9においてメイン差枚数MY1が増加枚数に達すると、図81(i)に示すように、AT終了演出が補助表示部65にて実行される。AT終了演出では、例えば「ATモード終了」等のATモードの終了を報知する報知画像424とともに、差枚数画像411が表示される。差枚数画像411では、その時点でのサブ差枚数MY2に対応した枚数が最終獲得枚数として表示される。AT終了演出が終了した次のゲームでは差枚数画像411が消去される。
また、タイミングt9では、主制御装置101で更新される有利区間増減枚数MYが上限増加数に達したことに伴って有利区間が終了し、有利区間増減枚数MYがクリアされる。これに対応してサブ制御装置81でもメイン差枚数MY1がクリアされる。さらにサブ制御装置81では、サブ差枚数MY2がクリアされて0枚とされる。なお、AT終了演出での差枚数画像411により表示される枚数は、クリアされる前のサブ差枚数MY2に対応するものである。
ちなみに、疑似エンディング演出の実行後、メイン差枚数MY1が上限増加数に到達する前に有利区間が終了した場合は、第2CZモード終了演出や通常演出での差枚数画像411により最終獲得枚数が報知される。具体的には、ATモードの終了後に第2CZモードに移行し、ATモードに当選することなく第2CZモードが終了したことにより有利区間が終了する場合は、第2CZモード終了演出での差枚数画像411により最終獲得枚数が報知される。また、ATモードの終了後に第2CZモードに移行せずに有利区間が終了した場合は、ATモード終了から50ゲームが行われる期間(継続カウンタの更新が行われる期間)において差枚数画像411の表示が継続されるため、その最終ゲームでの差枚数画像411により最終獲得枚数が報知される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
疑似エンディング演出の終了に対応させて有利区間Bの途中でサブ差枚数MY2をクリアする構成とした。この場合、サブ差枚数MY2のクリアタイミング(初期化タイミング)を含む差枚数画像411の表示期間において、メダル獲得枚数が初期値に戻る様が遊技者に認識されることにより、有利区間が終了したとより強く思わせることができる。これにより、疑似エンディング演出により有利区間が終了したと思わせた後に有利区間が継続することで遊技者の喜びや驚きを誘う効果等を強化することができる。
有利区間Bの途中で行うサブ差枚数MY2のクリア処理をATモード中に行う構成とした。この場合、サブ差枚数MY2のクリア処理によりATモードが終了すると見せかけた上でATモードを継続させることができ、遊技者の喜びと驚きを好適に喚起することが可能になる。
疑似エンディング演出の終了に対応させてサブ差枚数MY2をクリアした後に、ATモードの継続を示唆する継続示唆演出を実行する構成とした。この構成によれば、あたかも疑似エンディング演出の実行中にATモードを引き戻したような印象を与えることができ、遊技者の喜びや驚きをより好適に喚起することが可能になる。
その場合において、通常エンディング演出と疑似エンディング演出との識別が不可又は困難となるようにそれら各エンディング演出を構成としたため、疑似エンディング演出の実行時において疑似的なものであることを遊技者が見抜くことが困難となり、延いては、継続示唆演出を実行する前段階でATモードが継続するか否かを遊技者が予測することを困難化することができる。これにより、継続示唆演出が実行された場合の遊技者の驚きを高めることができ、興趣性を向上させることが可能になる。
疑似エンディング演出の実行後に有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達した場合にエンディング演出を実行しない構成とした。有利区間の途中でサブ差枚数MY2をクリアした場合、そのサブ差枚数MY2が上限増加数に到達するまでの期間(ゲーム数)は、有利区間への移行に対応して更新が開始された有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達するまでの期間と比べると必然的に短くなる。疑似エンディング演出が行われた後、そのような短い期間を経て再びエンディング演出が行われると、遊技者が不自然な印象を抱く懸念がある。この点、本構成では、疑似エンディング演出後に有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達した場合のエンディング演出の実行が制限されるため、短い期間の中で複数のエンディング演出が行われることが抑制され、不自然な印象となることを抑制できる。
その場合において、ATモード終了演出を行う構成としたため、上限到達による有利区間の終了ではなく、ATモードの終了に対応した有利区間の終了であると思わせることができる。これにより、不自然な印象となることを抑制しながら、有利区間の終了を遊技者に認識させることが可能になる。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達した場合に、その有利区間でエンディング演出を行うか、後の有利区間に持ち越してエンディング演出を行うかを切り替え可能な構成となっている。本実施の形態について図82〜図86を参照しながら説明する。これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
なお、上記各実施の形態では、区間表示第1処理(図44)のステップS1907にてATモードの天井ゲーム数(天井カウンタ)が設定されていたが、本実施の形態ではそのような天井ゲーム数が設定されない。
<エンディング演出設定処理>
本実施の形態に係るエンディング演出設定処理について図82のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、サブ制御装置81のCPU181にて実行されるものであり、図59のエンディング演出設定処理に代えて実行されるものである。図82において図59と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS3601で肯定判定した場合(ゲーム数コマンド、差枚数コマンドを受信している場合)は、ステップS3602にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aにいずれかのEDフラグがセットされているか否かを判定する。いずれのEDフラグもセットされていない場合は、ステップS3603に進み、RAM183の各種カウンタエリア183bにおけるAGカウンタの値を参照して有利区間ゲーム数AGを把握する。ステップS3604では、ステップS3603で把握した有利区間ゲーム数AGがエンディング開始ゲーム数以上であるか否かを判定する。
有利区間ゲーム数AGがエンディング開始ゲーム数以上である場合、すなわち、エンディング演出を開始すべきタイミングである場合は、ステップS3605に進み、実行中のATモードの残りゲーム数を把握する。ステップS3606では、ステップS3605で把握した残りゲーム数に基づき、ATモードに滞在したまま上限ゲーム数に到達可能であるか否かを判定する。
上限ゲーム数に到達可能である場合は、ステップS6001にてED実行判定処理を行い、その後、エンディング演出設定処理を終了する。ED実行判定処理は、エンディング演出を実行するか否かを判定するものである。ここで、ステップS6001のED実行判定処理について図83のフローチャートを参照しながら説明する。
ED実行判定処理では、先ずステップS6101にて、上記各種カウンタエリア183bにおけるMY1カウンタを参照してメイン差枚数MY1を把握する。メイン差枚数MY1は、主制御装置101側で更新される有利区間増減枚数MYに対応しており、有利区間増減枚数MYは、有利区間での都度のメダル差枚数(払い出しメダルの総数から投入メダルの総数を減算したもの)を表すものとなっている。有利区間増減枚数MYの更新に際しては、既に説明したように、負の値を切り捨てて更新が行われる。このため、有利区間における初回目のATモードの開始タイミングでは、基本的に有利区間増減枚数MYが0枚となっており、その後、ATモードでの遊技が行われることに伴い増えていくものとなる。つまり、有利区間増減枚数MYは、遊技者がATモードにより増やしたメダル枚数、換言すれば、ATモードでのメダル差枚数と見ることもできる。よって、ステップS6101の処理は、有利区間中のメダル差枚数を把握するものともいえるし、ATモード中のメダル差枚数を把握するものともいえる。
ステップS6102では、ステップS6101で把握したメイン差枚数MY1が所定枚数以上であるか否かを判定する。所定枚数は、1の有利区間で獲得可能なメダル最大値(2400枚)との比較において、遊技者がある程度の満足感を得られそうなほどのメダルを獲得できているかを判断するための基準値である。この基準値(所定枚数)は、任意に定めることができるが、本実施の形態ではその一例として2000枚に設定している。
メイン差枚数MY1が所定枚数以上である場合は、ステップS6103に進み、上記各種フラグ格納エリア183aに通常EDフラグをセットし、その後、ED判定処理を終了する。通常EDフラグは、通常エンディング演出を実行すべきであることをCPU181が把握するためのものである。
メイン差枚数MY1が所定枚数未満である場合は、ステップS6104に進み、上記各種フラグ格納エリア183aに持ち越しフラグをセットする。持ち越しフラグは、メイン差枚数MY1が所定枚数よりも少ない状態で有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達し、当該到達に基づいて有利区間が終了する状況であることをCPU181が把握するためのものである。
ステップS6104の実行後はED判定処理を終了する。つまり、メイン差枚数MY1が所定値未満である場合は、通常EDフラグをセットすることなく、ED判定処理(エンディング演出設定処理)を終了する。この場合は、有利区間ゲーム数AGがエンディング開始ゲーム数となってもエンディング演出が開始されず、そのままATモード中演出が継続される。そして、有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に達して有利区間が終了する際には、ATモードの終了に伴いAT終了演出が実行される。
<サブ差枚数クリア用処理>
本実施の形態に係るサブ差枚数クリア処理について図84のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、差枚数管理用処理(図50)のステップS2910にて行われるものであり、図51のサブ差枚数クリア処理に代えて実行されるものである。図84において図51と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップS3101では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aにカウント継続フラグがセットされているか否かを判定する。カウント継続フラグがセットされていない場合は、ステップS3102にて今回の全停止時コマンドとしてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドは、ATモードが終了したことを通知するコマンドである。
AT終了コマンドを受信している場合、すなわち、ATモードが終了した場合は、ステップS3103に進み、有利区間増減枚数MYが上限増加数(2400枚)に到達したこと又は有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達したことを契機としてATモードが終了されたのか否かを判定する。
上限到達によるATモードの終了である場合は、ステップS6201に進み、当該上限到達が有利区間ゲーム数AGの上限ゲーム数への到達であるか否かを判定する。有利区間ゲーム数AGの上限ゲーム数への到達である場合は、ステップS6202にて、上記各種フラグ格納エリア183aに持ち越しフラグがセットされているか否かを判定する。
持ち越しフラグがセットされている場合、すなわち、メイン差枚数MY1が所定枚数(例えば2000枚)よりも少ない状態で有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達している場合は、ステップS6203にて、RAM183の各種カウンタエリア183bに設けられた継続カウンタに第2所定値をセットする。継続カウンタは、サブ差枚数MY2のカウントを継続する期間(ゲーム数)をCPU181が把握するためのものであり、継続カウンタの値が1以上である状況では、有利区間が終了した場合であってもサブ差枚数MY2のカウントを継続する。なお、継続カウンタの初期値(セットする第2所定値)は特に限定されるものではないが、本実施の形態では、第2CZモードの継続ゲーム数(50ゲーム)に対応させて50をセットする。
ステップS6204では、上記各種フラグ格納エリア183aにカウント継続フラグをセットする。カウント継続フラグは、サブ差枚数MY2のカウントを継続すべき状態であることをCPU181が把握するためのものである。
上記のようにしてカウント継続フラグをセットした場合は、サブ差枚数クリア処理における次の処理回にてステップS3101を肯定判定する。この場合は、ステップS3111に進み、上記各種カウンタエリア183bの継続カウンタの値を1ディクリメントとして更新する。
図51に示すように、ステップS3111の実行後はステップS3112にて、継続カウンタの値が0であるか否かを判定する。継続カウンタの値が0でない場合は、ステップS3113に進み、今回のゲームにおける開始時コマンドとしてAT当選コマンドを受信しているか否かを判定する。
AT当選コマンドを受信している場合には、ステップS3114にて、上記各種フラグ格納エリア183aにセットされているカウント継続フラグをクリアするとともに、上記各種カウンタエリア183bの継続カウンタの値をクリアし、その後、サブ差枚数クリア処理を終了する。すなわち、ステップS6203で第2所定値としてセットされた期間内にATモードに当選した場合には、その後もサブ差枚数MY2のカウントを継続する。
ステップS3112で肯定判定した場合(継続カウンタの値が0である場合)は、サブ差枚数MY2のカウントを継続する期間が終了したとして、ステップS3115にてカウント継続フラグをクリアする。その後、ステップS3104に進み、上記各種カウンタエリア183bのMY2カウンタの値をクリアする。すなわち、ATモードに当選することなく、ステップS6203で第2所定値としてセットされた期間が経過した場合は、その終了を以ってサブ差枚数MY2をクリアする。
図84に戻り、ステップS6204の実行後はステップS6205にて、第2CZモード演出を設定する。具体的には、カウント継続フラグがセットされている期間において第2CZモード演出が実行されるように設定する。
第2CZモード演出としては、第2CZモード開始演出と第2CZモード中演出とを設定する。これら各演出は、図55を参照して説明した演出と同様のものである。第2CZモード開始演出では、図55(a)に示すように、例えば、所定のキャラクタ画像401とともに、「引き戻しチャンス スタート」等の第2CZモードの開始を報知する報知画像402を補助表示部65に表示する。また、第2CZモード中演出では、図55(b)に示すように、例えば、上記キャラクタ画像401とともに、「引き戻しチャンス」等の第2CZモード中であることを報知する報知画像403を補助表示部65に表示する。これら各演出では、メダルの獲得枚数(払出枚数から投入数を差し引いた枚数)を報知するものとして、サブ差枚数MY2に基づく差枚数画像411を表示する。
ここで、ステップS6205の処理が実行される場面では、ATモードの抽選に関する状態についてその当選確率が相対的に低く設定された通常モードに滞在している。つまり、ステップS6205により設定される第2CZモード用の演出は、実際には第2CZモードに移行していない状況において、第2CZモードに移行していると遊技者に思わせるための疑似的なものである。このような構成とすることで、持ち越しフラグがセットされていることに起因してサブ差枚数MY2のカウントが継続されている場合と、ATモード終了後に第2CZモードに移行していることに起因してサブ差枚数MY2のカウントが継続されている場合との識別を不可又は困難なものとすることができる。
なお、本実施の形態では、カウント継続フラグがクリアされる態様として、ATモードに当選することなく継続カウンタの値が0になることを契機とするものと、継続カウンタの値が0になる前にATモードに当選したことを契機とするものとがある。前者の場合は、継続カウンタの値が0になるゲームにおいて第2CZモード終了演出が実行されるように設定する。第2CZモード終了演出では、図55(c)に示すように、例えば、「引き戻しチャンス 終了」等の第2CZモードの終了を報知する報知画像404とともに差枚数画像411を補助表示部65に表示する。後者の場合は、ATモードの当選報知を行った上で、第2CZモード終了演出を実行することなく第2CZモード演出を終了させるように設定する。
ステップS6206では、上記各種フラグ格納エリア183aにセットされている持ち越しフラグをクリアし、その後、サブ差枚数クリア用処理を終了する。
ステップS6201で否定判定した場合(有利区間増減枚数MYの上限増加数への到達によるATモードの終了である場合)、又はステップS6202で否定判定した場合(持ち越しフラグがセットされていない場合)は、ステップS3104に進み、上記各種カウンタエリア183bのMY2カウンタの値をクリアする。つまり、上記各ステップで否定判定する状況では、各種エンディング演出を実行しているため、そのエンディング演出の終了に合わせてサブ差枚数MY2のカウントを終了させる。
ここで、図83のED実行判定処理のステップS6102で否定判定し、通常エンディング演出を実行することなく有利区間が終了した場合の流れについて説明する。かかる態様で有利区間が終了した後、図82のエンディング演出設定処理における次回以降の処理回では、ステップS3604の判定処理(有利区間ゲーム数AGがエンディング開始ゲーム数以上であるか否か)及びステップS3609の判定処理(メイン差枚数MY1がエンディング開始枚数以上であるか否か)を否定判定した後、ステップS3613の判定処理(サブ差枚数MY2がエンディング開始枚数以上であるか否か)を実行する。
ステップS3613の判定処理でサブ差枚数MY2がエンディング開始枚数以上であると判定した場合には、図59に示すように、ステップS3614にて、実行中のATモードの残りゲーム数を把握する。続くステップS3615では、ステップS3614で把握した残りゲーム数が所定ゲーム数以上であるか否かを判定する。所定ゲーム数は、疑似エンディング演出の継続ゲーム数に対応するものであり、例えば25ゲームである。残りゲーム数が所定ゲーム数以上である場合は、ステップS3616にて上記各種フラグ格納エリア183aに疑似EDフラグをセットする。疑似EDフラグは、疑似エンディング演出を実行すべきであることをCPU181が把握するためのものであり、当該フラグがセットされることにより疑似エンディング演出が実行される。
このように、メイン差枚数MY1が所定枚数に達していない状況で有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達した場合には、サブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に達することに基づいて疑似エンディング演出が実行される。この場合におけるサブ差枚数MY2は、サブ差枚数クリア用処理(図67)で説明したように、有利区間の終了時にクリアされずに値が保持されたものである。また、このようにして保持されたサブ差枚数MY2の更新結果がエンディング開始枚数に達するのは、有利区間ゲーム数AGの上限ゲーム数への到達により終了した有利区間の後に移行する有利区間でATモードに移行し、サブ差枚数MY2が増加した場合となる。つまり、疑似エンディング演出は、後の有利区間でサブ差枚数MY2が増加してエンディング開始枚数に達した場合に実行されるものとなる。
<有利区間終了時の流れについて>
有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達することに起因して有利区間が終了する場合の流れについて図85及び図86を参照しながら説明する。なお、図86は図85の続きに対応するものであり、同じタイミングを示すものについて同一符号を付している。
図85(a)に示すように、ある有利区間Aの途中タイミングであるタイミングt1においてATモードに移行したとする。その後、図85(b)に示すように、そのATモードの継続期間TAの途中タイミングであるタイミングt2において有利区間ゲーム数AGがエンディング開始ゲーム数(例えば1475ゲーム)に到達したとする。
なお、本実施の形態では、ATモードが継続していると把握される態様として、ATモードの残りゲーム数が1以上であることに起因してATモードが継続するものと、ATモード終了後に第2CZモードに移行し、第2CZモード中にATモードを引き戻してATモードに復帰するものとがある。継続期間TAは、これら両方の態様を含むものであり、換言すれば、第2CZモード中の期間を含むものである。
タイミングt2において有利区間ゲーム数AGがエンディング開始ゲーム数に到達すると、サブ制御装置81によりメイン差枚数MY1が所定枚数(例えば2000枚)以上であるか否かが判定される。ここでのメイン差枚数MY1は、タイミングt1でATモードが開始されてからタイミングt2で有利区間ゲーム数AGがエンディング開始ゲーム数に到達するまでの期間TBで遊技者が獲得したメダル枚数といえるため、タイミングt2での判定は、有利区間Aで実行されたATモードにより遊技者が獲得することができたメダル枚数が所定枚数以上となっているか否かを判定するものとなる。
当該判定の結果、メイン差枚数MY1が所定枚数以上であった場合は、図85(c)に示すように、タイミングt2において通常エンディング演出用のエンディング開始演出が補助表示部65にて実行される。すなわち、メイン差枚数MY1が所定枚数以上である状況では、通常どおり、通常エンディング演出が実行される。その後、タイミングt3において有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達して有利区間Aが終了すると、通常エンディング演出が終了されるとともに、メイン差枚数MY1及びサブ差枚数MY2がクリアされて初期値とされる。
一方、メイン差枚数MY1が所定枚数に達していなかった場合は、図85(d)に示すように、タイミングt2において、通常エンディング演出が実行されることなく、そのままATモード中演出が継続される。その後、タイミングt3において有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達して有利区間Aが終了すると、図85(e)に示すように、補助表示部65にてAT終了演出が実行される。この際のAT終了演出は、ATモードの残りゲーム数が0となった場合に実行されるAT終了演出と同様のものとなっている。つまり、タイミングt3では、遊技者から見て、有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達してATモードが終了したのか、それとも残りゲーム数が0となってATモードが終了したのかの識別が不可又は困難となるようにしてATモードの終了が報知される。
また、タイミングt3では、有利区間Aの終了に伴いメイン差枚数MY1がクリアされる一方で、サブ差枚数MY2はクリアされず、その時点でのサブ差枚数MY2の値がその後も引き継がれる。これと併せ、サブ差枚数MY2の更新継続期間として第2所定値(例えば50ゲーム)がセットされる。
有利区間Aが終了した後、有利区間移行抽選に当選すると、図86に示すように、次の有利区間Bが開始される。なお、本実施の形態では全ての小役を契機として有利区間移行抽選が行われ、その当選確率も100%とされているため、図86ではタイミングt3の直後に有利区間Bに移行したものとして図示している。
タイミングt3でAT終了演出が実行された後は、図86(g)に示すように、補助表示部65にて第2CZモード演出が実行される。例えば、有利区間Aが終了してから2ゲーム目で有利区間Bに移行したとすると、上記第2CZモード演出は、有利区間Bに移行する前の通常区間と、有利区間Bとの双方で実行されることになる。この際、通常区間ではATモードへの移行抽選が実行されず、有利区間Bでは通常モードに滞在している。つまり、上記第2CZモード演出は、実際には第2CZモードに移行していない中で行われる疑似的なものとなる。このように、有利区間Aの終了後に第2CZモード演出を実行することで、遊技者から見て有利区間Aが継続しているように見せる、換言すれば、有利区間Aが終了していることを分かりにくくすることができる。
第2CZモード演出では、メダル獲得枚数を示すものとして差枚数画像411が表示される。この差枚数画像411は、有利区間AにおけるATモードで更新された値を引き継いだサブ差枚数MY2に基づいて表示されるものである。このように、前回のATモードでの獲得枚数が反映された枚数を差枚数画像411として表示することで、より好適に有利区間Aが継続していると思わせることができる。
なお、有利区間Aの終了後に移行する通常区間と、通常区間後に移行する有利区間BにおいてATモードに移行する前の期間とでは、純増枚数が負の値(マイナス約0.64枚)となるため、サブ差枚数MY2の値が減少する。このため、例えば、有利区間Aの終了時に表示される差枚数画像411が1950枚(図85(e))であったとすると、有利区間Aの終了から数ゲーム消化されたタイミングt4で表示される差枚数画像411は、それよりも少ない1920枚(図86(g))となる。このように差枚数画像411としてATモード終了時よりも少ない枚数が表示される傾向は、ATモードの終了後に第2CZモードに移行した場合も同様である。
その後、有利区間Aが終了してからの消化ゲーム数が第2所定値に到達する前のタイミングであるタイミングt5においてATモードに移行すると、それまで継続されていたサブ差枚数MY2の更新がさらに継続されることが決定される。そして、ATモードでのメダル増加に伴い、タイミングt6においてサブ差枚数MY2がエンディング開始枚数(例えば2250枚)に達すると、図86(h)に示すように、補助表示部65にて疑似エンディング演出が実行される。これにより、1の有利区間で獲得可能なメダルの最大枚数を獲得できたと遊技者に思わせることが可能になる。
疑似エンディング演出は、当該演出が開始されてからの消化ゲーム数が特定ゲーム数(例えば25ゲーム)に達すると終了する。但し、当該エンディング演出は疑似的なものであるため、その後もATモードが継続する。これに対応させ、疑似エンディング演出の終了後は、補助表示部65にてATモード中演出が実行される。この場合、上記第2の実施の形態のように、メイン差枚数MY1に基づいて差枚数画像411を表示するように切替処理を行い、メイン差枚数MY1がエンディング開始枚数に達することに基づいて特別エンディング演出を実行してもよいし、上記第3の実施の形態のように、サブ差枚数MY2をクリアし、メイン差枚数MY1が上限増加数に達することに基づいてAT終了演出を実行してもよい。
なお、有利区間Aの終了後、ATモードに当選することなく消化ゲーム数が第2所定値に達した場合は、補助表示部65にて第2CZモード終了演出が実行される。また、サブ差枚数MY2がクリアされて初期値とされる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達することにより有利区間Aが終了する場合において、それよりも後の有利区間Bでエンディング演出を実行することが可能な構成とした。この構成によれば、遊技者が達成感や満足感を感受できる程度のメダル獲得枚数が得られていない状況で有利区間ゲーム数AGの上限到達による有利区間の強制終了が行われる場合に、エンディング演出の実行を後の有利区間Bに持ち越すことができる。これにより、メダル獲得枚数が増えた状態でエンディング演出を実行することができ、遊技者が達成感等を得やすい構成とすることが可能になる。
その際、先の有利区間Aの終了時において、エンディング演出に代えてATモード終了演出を実行する構成としたため、有利区間が終了することに対する演出上の整合を図りながら、上限到達による有利区間の終了を分かりにくくすることができる。
後の有利区間Bでエンディング演出を実行する場合において、初期化されずに引き継がれたサブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に到達することに基づいてエンディング演出(疑似エンディング演出)を実行する構成とした。これにより、メダル獲得枚数が上限増加数に達したことでエンディング演出が実行されたと遊技者に思わせることができ、達成感等をより感受しやすい構成とすることできる。また、本構成によれば、後の有利区間Bに持ち越したエンディング演出を、遊技者が差枚数画像411から予測するエンディング演出の実行タイミングと整合させて実行することができ、実際の有利区間の終了タイミングからずれた特殊タイミングでエンディング演出を行う場合において違和感を軽減することが可能になる。
先の有利区間Aの終了後、所定ゲーム数(第2所定値)以内にATモードに当選した場合に、後の有利区間Bで疑似エンディング演出を実行し得るものとした。
例えば、先の有利区間AでのATモードと後の有利区間BでのATモードとの間隔が大きく開くような場合にまでサブ差枚数MY2を引き継ぐと、両ATモードの関連性が薄れる結果、1の有利区間の中で上限増加数に到達させたと遊技者が感じにくくなる懸念がある。また、サブ差枚数MY2の更新結果は、先の有利区間Aが終了してから後の有利区間BでATモードに移行するまでの間において減少方向に変化するため、そのような減少状態を長期に亘り、差枚数画像411を通じて遊技者に報知すると、持ちメダルの減少が強調され、遊技者が不快な印象を抱く懸念がある。この点、本構成では、先の有利区間Aの終了後、所定ゲーム数以内にATモードに当選した場合、すなわち、比較的速やかにATモードを再当選させた場合を対象としてエンディング演出の持ち越しが行われるため、持ちメダルの減少が強調される不都合を抑制しながら、より多くのメダル枚数を獲得できたと遊技者に感受させることが可能になる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
(1)上記各実施の形態では、ATモードの終了時に第2CZモードへの移行抽選を行い、当該抽選に当選した場合に第2CZモードに移行する構成としたが、そのような移行抽選を行わず必ず第2CZモードに移行する構成としてもよい。また、上記移行抽選は必ずしもATモード終了時に限らず、ATモードの開始時やATモードの途中で行われるものであってもない。その場合、所定役に当選した場合等の条件を伴うものであってもよいし、予め定められたゲーム数で上記移行抽選を行うなど、そのような条件を課さないものであってもよい。
(2)上記各実施の形態では、ATモードの終了後に第2CZモードに移行し得る構成としたが、第2CZモードを備えず、ATモードが終了すると通常モードに移行する構成としてもよい。この場合、ATモードの終了に伴い有利区間が終了する構成としてもよいし、ATモードの終了後も有利区間が継続する構成としてもよい。
(3)上記各実施の形態では、ATモードの終了後に移行した第2CZモードが終了した場合に有利区間が終了する構成としたが、ATモードの終了により有利区間が終了し、次の有利区間の開始時に所定のCZモード(ATモードの当選確率が通常モードよりも高いモード)に移行し得る構成としてもよい。この場合、ATモードの終了により有利区間が終了してもサブ差枚数MY2(MY2カウンタ)をクリアせず、その時点での値を次の有利区間に引き継ぐようにするとよい。その際、上記所定のCZモードを所定ゲーム数(例えば50ゲーム)に亘って行うものとし、ATモードに当選することなく当該CZモードが終了した場合にはサブ差枚数MY2をクリアし、当該CZモード中にATモードに当選した場合にはサブ差枚数MY2をクリアすることなくさらに引き継ぐ構成とするとよい。
(4)上記各実施の形態では、遊技者にとって有利な特定状態として、残りゲーム数が0になることで終了するゲーム数タイプのATモードを例示したが、ATモードの開始時に当該モードを継続可能な差枚数(持ち差枚数)が設定され、その残りが0になることで終了する差枚数タイプのATモード(残り差枚数の範囲内でATモードを継続させる仕様)としてもよい。また、特定状態は、ATモードに限らず、例えば、CZモードやATモードの残りゲーム数が上乗せされやすい上乗せ特化ゾーン、ARTモード、ボーナスゲーム等であってもよい。
(5)上記各実施の形態では、ATモードに当選した場合に前兆モードを経由してATモードに移行する構成としたが、前兆モードを経由することなくATモードに移行する構成としてもよい。ATモードに当選したゲーム又はその次のゲームからATモードに移行する構成としてもよい。
(6)上記各実施の形態では、補助表示部65にて差枚数画像411を表示することによりメダル獲得枚数(サブ差枚数MY2)を報知したが、LED等の発光手段を用いて報知してもよいし、可動演出用の装飾可動体(可動役物)を用いて報知してもよい。また、必ずしも視覚的な報知である必要はなく、音声による聴覚的な報知であってもよい。
(7)上記各実施の形態では、数字によりメダル差枚数を報知するように差枚数画像411を構成したが、絵柄等の数字以外の表示によりメダル差枚数を報知してもよい。例えば、レベルメータ等により表示したり、10枚や100枚等の単位枚数ごとに所定アイコンを表示したりするなどしてもよい。
(8)上記各実施の形態では、メダル差枚数(サブ差枚数MY2)を後の有利区間に引き継ぎ、その結果を差枚数画像411として表示することで、後の有利区間Bで移行するATモードが先の有利区間Aで行われたATモードと関連するものであるように遊技者に思わせる構成としたが、メダル差枚数に代えて又は加えてATモードの消化ゲーム数(トータルゲーム数)を用いてもよい。この場合、ATモードでの消化ゲーム数を把握・更新し、その結果に対応した報知(トータルゲーム数の表示等)を行うとともに、有利区間が終了してもその結果を引き継ぐ構成とする。この場合、後の有利区間でのATモードにおいて、先の有利区間でのATモードで報知された消化ゲーム数の続きが報知されることで、後の有利区間Bで移行するATモードが先の有利区間Aで行われたATモードと関連するものであるように遊技者に思わせることができる。
また、メダル払い出し枚数(メダル投入数を減算しないもの)を用いてもよいし、ATモードがセット継続される構成の場合は、その継続セット数を用いてもよい。また、上記関連を想起させる報知として、更新情報に基づかない報知を用いてもよい。このような報知としては、後の有利区間BでのATモードに合わせて例えば「ATモード連荘」等の報知を行うなど、ATモードの連荘を想起させる報知が考えられる。なお、上記報知は、後の有利区間におけるATモード中に行ってもよいし、ATモードに移行する前のATモード当選ゲームで行ってもよい。
(9)上記各実施の形態では、先の有利区間AでATモードが終了してから後の有利区間BでATモードに移行するまでの期間においてサブ差枚数MY2を更新したが、上記期間でのサブ差枚数MY2の更新を行わない構成としてもよい。すなわち、後の有利区間BでのATモードにおいて、先の有利区間AでのATモードが終了したときの差枚数の続きが報知される構成としてもよい。この場合、サブ差枚数MY2の更新が行われない期間では、差枚数画像411の表示も行わない構成としてもよい。
(10)上記各実施の形態では、通常区間でサブ差枚数MY2が更新されない構成としたが、サブ制御装置81にて通常区間中のメダル差枚数を把握し、サブ差枚数MY2を更新する構成としてもよい。このような構成とすることで、通常区間中に差枚数画像411の表示枚数を変化させることができ、有利区間の途切れをより分かりにくくすることができる。なお、サブ制御装置81でのメダル差枚数の把握は、主制御装置101から送信されるベットコマンドや払い出しコマンド等によりベット数及び払い出し枚数を把握し、その結果から差枚数を導出することで行うとよい。
(11)上記各実施の形態では、通常区間において差枚数画像411を表示する構成としたが、通常区間において差枚数画像411の表示を行わない構成としてもよい。
(12)上記各実施の形態では、ATモードの終了により有利区間が終了してから所定ゲーム数以内にATモードに当選した場合に、サブ差枚数MY2をさらに引き継ぐ構成としたが、上記終了から所定ゲーム数以内にATモードに移行した場合に、サブ差枚数MY2をさらに引き継ぐ構成としてもよい。
また、複数種類のATモードを備え、先の有利区間で実行されたATモードの種類に基づいてサブ差枚数MY2を引き継ぐか否かを切り替えてもよい。例えば、第1ATモードと、第1ATモードよりもゲーム数が上乗せされやすかったり、セット継続しやすかったりするなどの遊技者に有利な第2ATモードとを備え、第1ATモードが終了した場合は、当該ATモード又は有利区間の終了によりサブ差枚数MY2をクリアする一方、第2ATモードが終了した場合は、当該ATモード又は有利区間が終了してもサブ差枚数MY2をクリアせずに後の有利区間に引き継ぐ構成とする。サブ差枚数MY2を引き継いだ場合、報知される最終枚数が多くなりやすいところ、上記の構成とすることで、第2モードの有利性を好適にアピールすることができる。
また、先の有利区間で行われたATモードの実績に基づいてサブ差枚数MY2を引き継ぐか否かを切り替えてもよい。例えば、先の有利区間におけるATモードでのメダル獲得枚数(差枚数)が所定数未満の場合は、サブ差枚数MY2を引き継ぐ又は引き継ぎやすく、上記メダル獲得枚数が所定数以上の場合は、引き継がない又は所定数未満の場合に比べて引き継ぎにくい構成とすることができる。このような構成により、ATモードで報知される最終獲得枚数が少数に留まることを抑制できる。
(13)上記各実施の形態では、先の有利区間Aの終了後、後の有利区間BにおいてATモードに当選しないまま所定ゲーム数を消化した場合に、サブ差枚数MY2がクリアされる構成としたが、これに加えて、スロットマシン10の電源がオン状態とされた場合又はオフ状態とされた場合にクリアされてもよい。このような構成とすることで、前日に遊技した遊技者の実績が翌日に遊技する別の遊技者に引き継がれることを抑制できる。これに代えて又は加えて、予め定められた所定期間に亘って遊技が実行されない場合にサブ差枚数MY2がクリアされてもよい。この場合、遊技をやめた後、別の遊技者によりその実績が引き継がれることを抑制できる。
(14)上記各実施の形態では、先の有利区間AでのATモードにおいてサブ差枚数MY2に基づき差枚数画像411を表示したが、メイン差枚数MY1に基づいて差枚数画像411を表示してもよい。すなわち、サブ差枚数MY2とメイン差枚数MY1との値が一致する状況では、差枚数画像411を表示するための情報としてサブ差枚数MY2又はメイン差枚数MY1のいずれを用いてもよい。
(15)上記各実施の形態では、ATモード終了後の所定ゲーム数(有利区間終了後におけるサブ差枚数MY2の更新継続期間)を50ゲームの1種類のみとしたが、複数種類のゲーム数を準備し、抽選等により1のゲーム数が選択される構成としてもよい。この場合、終了したATモードの実績がゲーム数の選択に反映される構成としてもよい。例えば、ATモードでのメダル獲得枚数(差枚数)が所定枚数未満の場合に、所定数以上の場合よりも多いゲーム数が選ばれやすい構成とすることで、所定ゲーム数内にATモードに再当選する機会を増加させるものなどが考えられる。
また、上記に代えて又は加えて所定ゲーム数を消化する途中でゲーム数の上乗せが行われ得る構成としてもよい。この場合の上乗せの抽選は、所定ゲーム数の消化期間に行うとよい。この際、ATモードに当選しやすい特定役(レア役)に当選したゲームにおいて、ATモードに当選しなかった場合に、特定役に当選しないゲームよりも上記上乗せに当選しやすい構成とするとよい。また、ATモード中に上乗せ抽選を行い、当選した場合にATモード後の所定ゲーム数において上乗せ報知を行う構成としてもよい。
(16)上記各実施の形態において、有利区間ゲーム数AGの上限ゲーム数への到達又は有利区間増減枚数MYの上限増加数への到達を条件としないで有利区間が終了する場合(例えば、ATモードの終了後、第2CZモードに移行しないことで有利区間が終了する場合)に、有利区間が終了したことを遊技者が認識することが可能な終了演出(有利区間転落演出)が補助表示部65等にて実行され得る構成としてもよい。この場合において、かかる所定演出が行われる場合は、サブ差枚数MY2をクリアして次の有利区間に引き継がれないようにするとよい。
また、上記終了演出が行われることを契機としてサブ差枚数MY2をクリアするのではなく、サブ差枚数MY2がクリアされることを契機として上記終了演出が行われる構成としてもよい。例えば、ATモードの終了後に第2CZモードに移行せず、ATモードの終了により有利区間が終了する場合において、サブ差枚数MY2を保持するか否か(サブ差枚数MY2の更新を継続する所定ゲーム数を付与するか否か)の振り分けを行い、当該振り分けにてサブ差枚数MY2を保持しないとされた場合に、上記終了演出が補助表示部65等にて行われる構成としてもよい。
(17)上記第1の実施の形態では、ATモード終了により有利区間が終了し、所定ゲーム数においてサブ差枚数MY2の更新が継続される場合に通常モード用の演出を実行したが、第4の実施の形態のように、第2CZモード用の演出を実行してもよい。このことは、第2及び第3の実施の形態についても同様である。
また、上記通常モード用の演出を実行する場合に差枚数画像411を表示したが、これを表示しない構成としない。この場合、サブ差枚数MY2の更新は、差枚数画像411を表示しない期間において継続してもよいし、継続しない(一時的に更新を止めておく)構成としてもよい。後者の構成にあっては、先の有利区間でのATモードが終了したときの表示枚数の続きが、後の有利区間でのATモードにて表示されるものとなる。
(18)上記第1の実施の形態において、先の有利区間AにてATモードの終了後に第2CZモードに移行せず、ATモードの終了により有利区間Aが終了する場合に上限増加数までの残り枚数を把握し、その把握した残り枚数が所定数(例えば400枚)以下である場合にサブ差枚数MY2をクリアし、後の有利区間Bに引き継がない構成としてもよい。例えば、ATモードの終了により有利区間Aが終了する場合のメイン差枚数MY1又はサブ差枚数MY2(両者は同じ値)が1000枚であり、上限増加数までの残り枚数が1400枚である場合はサブ差枚数MY2をクリアせずに保持する一方、ATモードの終了により有利区間Aが終了する場合のメイン差枚数MY1等が2100枚であり、上限増加数までの残り枚数が300枚である場合は、サブ差枚数MY2をクリアする構成とする。
ATモードの終了により有利区間Aが終了する場合における上記残り枚数が少ない場合、後の有利区間Bで移行したATモードにより獲得されるメダル枚数が当該残り枚数を上回りやすくなり、差枚数画像411として上限増加数を超えた枚数が報知される可能性が高まる。この場合、差枚数画像411により上限増加数を超えた枚数が報知されると、実際のメダル差枚数とは異なるものであることが遊技者に気づかれやすくなったり、そのような上限増加数を超えた報知がなされないように別途の調整が必要になったりするなどの不都合が生じる。この点、上記のような構成とすることで、そのような不都合の発生を抑制することができる。
なお、上限増加数までの残り枚数に限らず、その時点での獲得枚数(メイン差枚数MY1又はサブ差枚数MY2)を把握し、その把握した獲得枚数が特定数(例えば2000枚)を超える場合に、サブ差枚数MY2をクリアする構成としてもよい。
また、遊技者が有利区間でのゲーム数をカウントしている可能性が想定されるため、ATモードの終了により有利区間Aが終了する場合に上限ゲーム数までの残りゲーム数を把握し、その把握した残りゲーム数が所定ゲーム数(例えば300ゲーム)以下の場合に、サブ差枚数MY2をクリアする構成としてもよい。この場合も、その時点での有利区間ゲーム数AGを把握し、その把握したゲーム数が特定ゲーム数(1200ゲーム)を超える場合に、サブ差枚数MY2をクリアする構成としてもよい。
(19)上記第2〜第4の実施の形態では、特定演出として、有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達したり、有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達したりした場合のエンディング演出を例示したが、有利区間の終了を技者が認識することが可能な終了演出(有利区間転落演出)を特定演出としてもよい。具体的には、上記各終了条件以外の事由により有利区間が終了する場合に上記終了演出が補助表示部65等にて実行され得る構成としたうえで、有利区間が終了せずATモードが継続している状況において疑似的な上記終了演出を実行する構成とする。このような構成によっても、有利区間が終了したと遊技者に思わせたうえで有利区間(ATモード)を継続させることができる。
(20)上記第2〜第4の実施の形態では、後の有利区間Bでサブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に到達することに基づいて疑似エンディング演出を実行するが、サブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に到達すること以外の事象を契機として疑似エンディング演出を実行してもよい。例えば、後の有利区間Bで実行されているATモードの残りゲーム数が所定ゲーム数以上である状況で(残りゲーム数がある程度確保されている状況)で、所定の抽選により当選した場合に疑似エンディング演出を実行してもよい。
(21)上記第2〜第4の実施の形態では、複数ゲームに亘ってエンディング演出を実行するが、1ゲームのみのエンディング演出を実行してもよい。この場合、当該エンディング演出は、有利区間の最終ゲームで実行するとよい。すなわち、上限増加数又は上限ゲーム数に達した場合にエンディング演出を実行してもよい。
(22)上記第2〜第4の実施の形態では、有利区間の最終ゲームが終了した後(有利区間が終了した場合)にエンディング演出用の終了演出を実行するが、上記最終ゲームにて当該終了演出を実行してもよい。すなわち、当該終了演出は、有利区間が終了する場合に行われるものであってもよい。
(23)上記第2〜第4の実施の形態では、ATモードの残りゲーム数が疑似エンディング演出の実行ゲーム数(例えば25ゲーム)以上である場合に疑似エンディング演出を実行する構成としたが、さらに疑似エンディング演出後の残りゲーム数も加味して疑似エンディング演出を実行するか否かを判定してもよい。具体的には、疑似エンディング演出の開始タイミングにおいてATモードの残りゲーム数を把握し、その把握した残りゲーム数が、疑似エンディング演出の実行ゲーム数に対して予め定められた特定ゲーム数を加算した加算値以上である場合に疑似エンディング演出を実行し、加算値未満である場合に疑似エンディング演出を実行しない構成とする。このような構成により、疑似エンディング演出後に早期にATモードが終了してしまうことを抑制できる。
なお、上記特定ゲーム数は特に限定されるものではないが、ATモードの初期ゲーム数(例えば25ゲーム)以上のゲーム数とすることが好ましい。また、差枚数タイプのATモードの場合は、ATモードの残り差枚数が、疑似エンディング演出の実行に要するゲーム数と特定ゲーム数との加算値に相当する分の差枚数以上である場合に、疑似エンディング演出を実行する構成とすればよい。
(24)上記第2〜第4の実施の形態では、各エンディング演出の実行中にATモードのゲーム数上乗せに当選することがあるが、通常エンディング演出及び特別エンディング演出において当該当選に対応した上乗せ報知が行われないように制限し、疑似エンディング演出においても上記上乗せ報知が行われないように制限する構成としてもよい。このような構成とすることで、疑似エンディング演出をより本物らしく見せることができ、有利区間が終了すると遊技者に思わせやすくすることができる。なお、疑似エンディング演出の実行中に当選した上乗せ分に対応する上乗せ報知については、疑似エンディング演出の終了後のATモードにて行うとよい。
また、通常エンディング演出及び特別エンディング演出では上乗せ報知が行われないように制限する一方、疑似エンディング演出では上乗せ報知の実行を許容する構成としてもよい。上乗せ報知が行われた場合、疑似エンディング演出であること、換言すれば、ATモードが継続することを遊技者が把握することができるため、上乗せ報知をATモードの継続示唆として機能させることが可能になる。なお、通常エンディング演出及び特別エンディング演出と、疑似エンディング演出との双方で上乗せ報知の実行が許容される構成とし、疑似エンディング演出の方が上乗せ報知が実行されやすい構成としてもよい。
(25)上記第2〜第4の実施の形態では、サブ差枚数MY2に基づいて通常エンディング演出を実行するが、メイン差枚数MY1に基づいて通常エンディング演出を実行してもよい。
(26)上記第2の実施の形態では、疑似エンディング演出において、数字によりメダル獲得枚数を報知する差枚数画像411を消去し、エンディング到達を祝福する報知画像433を表示したが、報知画像433を表示することなく又は報知画像433の表示と合わせて、差枚数画像411の表示を継続してもよい。この場合、上限増加数又はこれに対応する所定枚数(例えば、2396枚(上限増加数の直前値である2399枚からメダル投入枚数の3枚を減算した減算値)に対して1回の小役入賞における最大払い出し枚数である13枚を加算した2409枚)を超える枚数が差枚数画像411により報知されることを抑制すべく、疑似エンディング演出にて、差枚数画像411により最終獲得枚数として上記上限増加数又は上記所定枚数を報知した後、差枚数画像411を消去する構成とするとよい。
(27)上記第2の実施の形態では、疑似エンディング演出において第2差枚数画像437を表示したが、これを表示しない構成としてもよい。この場合、疑似エンディング演出の終了後に第2差枚数画像437を表示してもよいし、疑似エンディング演出の終了後も第2差枚数画像437を表示しない構成としてもよい。
(28)上記第2の実施の形態では、第2差枚数画像437を補助表示部65に表示し、差枚数画像411と同じ報知手段にて報知する構成としたが、差枚数画像411とは異なる報知手段にて報知する構成としてもよい。このような構成とすることで、差枚数画像411により報知されていたメダル枚数と乖離する枚数が表示されることへの違和感を軽減することが可能になる。
(29)上記第2の実施の形態では、差枚数画像411が消去されてから第2差枚数画像437を表示したが、差枚数画像411が表示されている状況で第2差枚数画像437を表示してもよいし、差枚数画像411が表示されているか否か(差枚数画像411の表示状況)にかかわらず第2差枚数画像437を表示してもよい。
(30)上記第2の実施の形態では、疑似エンディング演出が終了してもサブ差枚数MY2をクリアせず、そのまま更新を継続する構成としたが、疑似エンディング演出が終了した場合にサブ差枚数MY2をクリアしてもよい。また、疑似エンディング演出において差枚数画像411の表示を終了した場合にサブ差枚数MY2をクリアしてもよい。
(31)上記第2の実施の形態では、特別エンディング演出の最終ゲームにて設定示唆演出を行ったが、特別エンディング演出の開始ゲームや途中ゲームにて行ってもよい。なお、設定示唆演出は必ずしも特別エンディング演出とセットで行われる必要はなく、特別エンディング演出を行わずに設定示唆演出を行ってもよいし、上限増加数への到達が見込まれる状況であれば特別エンディング演出の実行前に行ってもよい。
(32)上記第2の実施の形態では、疑似エンディング演出の実行後に有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達した場合の特典として設定示唆演出を行ったが、当該特典は設定示唆演出に限定されるものではない。例えば、普段は実行されない特定の演出が解放されるものであってもよいし、演出に登場するキャラクタやそのコスチュームが解放されるものであってもよい。
(33)上記第2の実施の形態の変形例1では、疑似エンディング演出中にAT継続示唆演出(報知画像451の表示)を実行するとした場合に、当該演出をいずれのゲームで実行するかを抽選により決定したが、当該演出を実行すると判定したゲームで実行してもよい。
(34)上記第2の実施の形態の変形例1では、AT継続示唆演出を実行した後、当該演出を疑似エンディング演出の最後まで継続するが、例えばAT継続示唆演出を1ゲームのみで実行するなどして疑似エンディング演出の終了前に終了させてもよい。
また、AT継続示唆演出の実行期間を複数準備しておき、それらの中から選択された実行期間にてAT継続示唆演出を実行する構成としてもよい。例えば、疑似エンディング演出後のATモードの残りゲーム数を把握し、当該残りゲーム数が所定ゲーム数以上である場合は、所定ゲーム数未満である場合よりもAT継続示唆演出の実行期間(実行ゲーム数)が長くなりやすい構成としてもよい。この場合、AT継続示唆演出の長さによりATモードの残りゲーム数の大小が示唆されるものとなり、AT継続示唆演出が行われることだけでなく、その実行期間が長くなることを期待する楽しみも付与することができる。
(35)上記第2の実施の形態の変形例1において、疑似エンディング演出後のATモードの残りゲーム数に応じてAT継続示唆演出の態様を異ならせる構成としてもよい。例えば、AT継続示唆演出の態様として、第1態様と、第1態様とは異なる第2態様とを設け、ATモードの残りゲーム数が所定ゲーム数以上である場合は第2態様が選択される一方、所定ゲーム数未満である場合は第1態様が選択される構成としたり、所定ゲーム数以上である場合は所定ゲーム数未満である場合に比べて第2態様が選択されやすい構成とすることができる。このような構成とすることで、AT継続示唆演出が行われることだけでなく、AT継続示唆演出の実行態様からATモードの残りゲーム数の大小を予測する楽しみも付与することができる。
(36)上記第2の実施の形態の変形例1では、疑似エンディング演出において第2差枚数画像437を表示しない構成としたが、これを表示する構成としてもよい。
(37)上記第2の実施の形態の変形例1において、AT継続示唆演出に代えて又は加えてATモードの当選を報知するAT当選演出を行ってもよい。疑似エンディング演出においてAT当選演出を行うことで、当該エンディング演出の途中でATモードを引き当てたかのような印象を与え、遊技者の喜びを喚起することが可能になる。
(38)上記第2の実施の形態の変形例2では、ATモードの残りゲーム数が第2所定ゲーム数未満の場合にAT継続示唆演出を実行不可とする構成としたが、この場合にAT継続示唆演出を実行可能な構成としてもよい。この際、上記残りゲーム数が第2所定ゲーム数以上である場合に第2所定ゲーム数未満である場合よりもAT継続示唆演出が実行されやすい構成とするとよい。
(39)上記第2の実施の形態の変形例2において、特別エンディング演出の実行示唆演出(報知画像461の表示)に代えて又は加えて、変形例1のようなAT継続示唆演出を実行してもよい。AT継続示唆演出を行うにあたっては、変形例1のようにATモードの継続に基づいてAT継続示唆演出を行う場合と、変形例2のように有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達する見込みであることに基づいてAT継続示唆演出を行う場合とで、報知態様を異ならせるとよい。例えば、前者の場合と後者の場合とで報知画像461の表示色を異ならせることなどが考えられる。このような構成によれば、AT継続示唆演出が行われることだけでなく、当該演出が遊技者にとって望ましい態様で行われることを期待する楽しみも付与することができる。
なお、AT継続示唆演出が開始された後にATモードのゲーム数が上乗せされて有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達する見込みになる場合もあるが、この場合において、AT継続示唆演出の途中で報知態様を変化させる構成としてもよい。また、AT継続示唆演出の開始時点で有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達することが確認されている状況でも、当初は下位態様のAT継続示唆演出を行い、その後、上位態様のAT継続示唆演出に変化(昇格)させる構成としてもよい。
(40)上記第2の実施の形態の変形例2において、特別エンディング演出の実行示唆演出を実行した場合に、その後のゲームにて特別エンディング演出までの残りゲーム数を報知してもよい。具体的には、特別エンディング演出までの残りゲーム数を把握するとともに、その把握した残りゲーム数をゲームが行われるごとに1ずつディクリメントして更新し、その結果を上記残りゲーム数として補助表示部65等において報知する。かかる構成において、そのような報知を第2差枚数画像437と併せて行ってもよいし、第2差枚数画像437に代えて行ってもよい。
(41)上記第2の実施の形態の変形例2では、疑似エンディング演出の実行中において、有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達するか否かを判定し、その結果に基づいて特別エンディング演出の実行示唆演出を実行したが、疑似エンディング演出後のゲームにおいて、有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達するか否かを判定し、その結果に基づいて特別エンディング演出の実行示唆演出を実行してもよい。
(42)上記第3の実施の形態では、疑似エンディング演出後の次のゲームで継続用演出(報知画像471の表示)を行ったが、疑似エンディング演出が終了してから所定ゲーム数後に行ってもよい。また、疑似エンディング演出の終了後、押し順ベルの当選(押し順報知の実行)に対応させて継続用演出を実行してもよい。例えば、押し順ベルに当選した当選ゲーム(押し順報知が行われるゲーム)や、その当選ゲームよりも後のゲーム(押し順報知が行われた後のゲーム)で継続用演出を実行することができる。これらの際、疑似エンディング演出の終了後、継続用演出が行われるまでの間は、ATモード中演出とは異なる演出(例えば通常モード用演出)を実行するとよい。このような構成とすることで、ATモードが終了したと遊技者に思わせやすくなり、継続用演出を行った際の驚きや喜びを好適に喚起することができる。
(43)上記第3の実施の形態において、疑似エンディング演出後のATモードの残りゲーム数に基づいて継続用演出を実行するか否かを判定してもよい。例えば、上記残りゲーム数が所定ゲーム数以上である場合は継続用演出が実行される一方、所定ゲーム数未満である場合は継続用演出が実行されない構成としたり、所定ゲーム数以上である場合は所定ゲーム数未満である場合に比べて継続用演出が実行されやすい構成としたりすることができる。
(44)上記第3の実施の形態において、疑似エンディング演出の実行後に有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達したことに基づいてAT終了演出を行う場合に特典を付与してもよい。このような特典としては、上記第2の実施の形態のように設定示唆演出を実行することが考えられる。
なお、上記特典の付与はフリーズ期間を利用して行うとよい。例えば、有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達したゲームの終了時又はその次のゲームの開始時にフリーズ演出(リール32L〜32Rの回転開始が待機される演出)が実行されるように設定する。その上で、疑似エンディング演出を実行していない状態で有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達し、通常エンディング演出を行う場合は、上記フリーズ演出の期間を利用して通常エンディング演出用のエンディング終了演出を行う。一方、疑似エンディング演出を実行済みの状態で有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達し、AT終了演出を行う場合は、フリーズ期間を利用して設定示唆演出を行う。このような構成とすることで、AT終了演出の実行時に通常エンディング演出と同程度のフリーズ期間が生じることの不自然さを軽減できるほか、遊技者の設定示唆演出の見逃しを抑制する効果も期待できる。
(45)上記第3の実施の形態では、有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達したことに対応させてAT終了演出を行うが、このAT終了演出は、上限増加数に到達したゲームの実行中に行ってもよいし、当該ゲームの終了時に行ってもよい。また、AT終了演出を複数ゲームに亘って行うものとしたうえで、上限増加数に到達したゲームよりも前のゲームからAT終了演出が開始される構成としてもよい。
(46)上記第3の実施の形態において、有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達したことに基づいてAT終了演出が行われる場合に、ATモード中演出にて報知されるATモードの残りゲーム数がATモード終了値(0ゲーム)よりも大きな値とならないように、上乗せ報知や当該報知により示される上乗せゲーム数を調整する構成を備えてもよい。具体的には、疑似エンディング演出後のATモードの残りゲーム数として有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達可能なゲーム数が確保された状態となった後は、ゲーム数上乗せに当選しても上乗せ報知が行われないように制限する構成を備えてもよい。
報知されるATモードの残りゲーム数が多く残っている状況で、有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達したことに基づき、AT終了演出が行われてATモードが終了すると、遊技者としては、ATモードがまだ続くと想定している状況で突然ATモードの終了が告げられるものとなり、故障等ではないかと困惑したり、損をした印象を受けて気分を害したりする懸念がある。この点、上記のように上乗せ報知を制限することで、ATモードの残りゲーム数が多く残っている状況でAT終了演出が行われることが抑制され、遊技者の困惑等を抑制することができる。なお、疑似エンディング演出後のATモード中に上乗せされるゲーム数によっては、AT終了演出の実行タイミング(有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達するタイミング)に対応させて、報知されるATモードの残りゲーム数を終了値に合致させることが困難となる場合があるため、次のような構成するとよい。
上限増加数までの残り枚数から所定枚数(例えば60枚)を減算して基準枚数を導出し、その基準枚数に達するまでの必要ゲーム数を導出する。この必要ゲーム数は、基準枚数をATモード中の純増枚数で除算することにより求めることができる。また、必要ゲーム数を導出した後は、疑似エンディング演出後のATモードでゲームが実行されるごとに必要ゲーム数を1ずつディクリメントし、更新していく。
そして、ATモード中のゲーム数上乗せによりATモードの残りゲーム数が増えた結果、当該残りゲーム数が必要ゲーム数以上となった場合には、上乗せ報知の制限状態に移行する。その後、さらなるゲーム数の上乗せが発生して上記所定枚数以上のゲーム数が追加された場合(ATモードの残りゲーム数として上限増加数への到達に要するゲーム数が確保された場合)には、上乗せ報知の許容状態に移行する。このときの上乗せ報知は、上記所定枚数の範囲内で行う。例えば、さらなるゲーム数として70ゲームが追加された場合であれば、上乗せ報知の合計ゲーム数が60ゲームを超えないようにして当該報知を行う。この場合の上乗せ報知は、1回のゲームで行ってもよいし、複数回のゲームに分散して行ってもよい。
そして、所定枚数分の上乗せ報知を行った後は、再び上乗せ報知の制限状態に移行する。このような構成とすることで、AT終了演出の実行タイミングに合わせて、報知される残りゲーム数を終了値に対応させることができる。
上記構成では、上限増加数までの残り枚数から所定枚数を減算して基準枚数としたが、上限増加数までの残り枚数を基準枚数とすることもできる。すなわち、上限増加数に達するまでの必要ゲーム数を導出し、ATモードの残りゲーム数がその必要ゲーム数以上となった場合に、上乗せ報知の制限状態に移行する構成とすることもできる。但し、ATモードの残りゲーム数がその必要ゲーム数以上となった以降、上乗せ報知が全く行われないものとなるため、遊技者が不自然な印象を受ける懸念がある。この点、上限増加数までの残り枚数から所定枚数を減算して基準枚数を設定し、ATモードの残りゲーム数として上限増加数までの必要ゲーム数が確保されるのに先立ち上乗せ報知の制限状態に移行することで、その後に上乗せ報知を行う余裕を確保することができる。
なお、差枚数タイプのATモードの場合は、ATモードの残りゲーム数に代えて残り差枚数を用いることができる。
(47)上記第3の実施の形態では、疑似エンディング演出の終了時にサブ差枚数MY2をクリアしたが、疑似エンディング演出の開始時や疑似エンディング演出の途中でサブ差枚数MY2をクリアしてもよい。これらの場合、サブ差枚数MY2をクリアした後、疑似エンディング演出後のATモード中演出が実行されるまでは、サブ差枚数MY2に基づく差枚数画像411の表示を行わないことが好ましい。
(48)上記第3の実施の形態において、疑似エンディング演出の実行後に有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達してATモードが終了する場合に、AT終了演出後に第2CZモード演出を行う構成としてもよい。この場合の第2CZモード演出は、上記第4の実施の形態のように疑似的な演出として行うとよい。
(49)上記第4の実施の形態では、メダル獲得枚数(メイン差枚数MY1)に基づいてエンディング演出を後の有利区間に持ち越すか否かを決定したが、ATモードの消化ゲーム数に基づいてエンディング演出を後の有利区間に持ち越すか否かを決定してもよい。具体的には、先の有利区間Aで実行されたATモードの消化ゲーム数が所定ゲーム数(例えば300ゲーム)以上である場合は有利区間Aで通常エンディング演出を実行し、上記消化ゲーム数が所定ゲーム数未満である場合は後の有利区間Bで疑似エンディング演出を実行してもよい。
(50)上記第4の実施の形態において、有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に達した場合にATモード中であるか否かを判定し、ATモード中である場合は、メダル獲得枚数に応じてエンディング演出を後の有利区間に持ち越すか否かを決定し、ATモード中でない場合は、エンディング演出を実行せず、後の有利区間への持ち越しも実行しない構成としてもよい。ATモード中である場合を対象として通常エンディング演出を実行したり、後の有利区間Bで疑似エンディング演出を実行したりする構成とすることで、メダルが増えている状況でエンディング演出が行われるものとなり、遊技者の達成感を喚起しやすくなるためである。なお、ATモード中でない場合において、エンディング演出とは異なるものであって有利区間の終了を遊技者が認識することが可能な終了演出(有利区間転落演出)を実行する構成としてもよい。
(51)上記第4の実施の形態では、1の有利区間で獲得可能なメダル最大値(2400枚)との比較において所定枚数(2000枚)を定めたが、メダル最大値にかかわらず所定枚数を定めてもよい。例えば、所定枚数を1000枚としてもよい。
(52)上記第4の実施の形態では、エンディング演出の実行が後の有利区間Bに持ち越された場合に、サブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に達することに基づいて疑似エンディング演出を実行するが、後の有利区間Bでのメダル獲得枚数(メイン差枚数MY1)が所定枚数(例えば200枚)に達することに基づいて疑似エンディング演出を実行してもよい。
(53)上記第4の実施の形態では、後の有利区間Bの途中タイミングで疑似エンディング演出を実行するが、後の有利区間Bが終了する場合又は終了した場合に疑似エンディング演出を実行してもよい。この場合、当該エンディング演出の実行時に実際に有利区間が終了するため、上限到達により有利区間が終了したように思わせやすくすることができる。
(54)上記第4の実施の形態において、上記第2の実施の形態の変形例1を適用し、疑似エンディング演出中にAT継続示唆演出を実行可能な構成としてもよい。疑似エンディング演出を行った場合、内部的にはその後もATモードが継続される状況であるにもかかわらず、疑似エンディング演出の終了に合わせて遊技者が遊技をやめてしまう懸念があるが、AT継続示唆演出を実行することで、疑似エンディング演出後の遊技継続を促すことができ、疑似エンディング演出を契機とする遊技の終了を抑制することが可能になる。
(55)上記各実施の形態では、有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達することと、有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達することとのいずれかが成立した場合に有利区間が終了する構成としたが、それらの両方が成立した場合に有利区間が終了する構成としてもよい。また、それら各終了条件のうちいずれかのみを備える構成としてもよい。
(56)上記各実施の形態において、有利区間の終了に対応した終了信号や有利区間への滞在中であることに対応した有利区間信号を外部集中端子板121に出力し、遊技ホールの管理制御装置に送信する構成としてもよい。この場合、上記終了信号及び有利区間信号を1の信号により構成してもよいし、各別の信号により構成してもよい。
(57)上記各実施の形態では、通常区間と有利区間との2種類を有する構成としたが、例えば、ATモード等に移行しない通常区間と、ATモード等への移行が可能な第1有利区間と、ATモード等への移行しやすさが第1有利区間よりも優遇された第2有利区間とを有するなど、3種類以上の状態を有する構成としてもよい。
(58)有利区間移行抽選の当選確率や、有利区間移行抽選の契機となる遊技結果は、上記各実施の形態で例示したものに限定されない。
また、上記各実施の形態では、有利区間移行抽選に当選したゲームにて有利区間に移行させる構成としたが、有利区間移行抽選に当選したゲームの次のゲームにて有利区間に移行させる構成としてもよく、有利区間移行抽選に当選したゲームと有利区間へ移行するゲームとの間に所定数のゲームが存在し得る構成としてもよい。
また、上記各実施の形態では、有利区間中の押し順報知が実行され得る状況(押し順報知可能状態)に対応させて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯(表示)させる構成としたが、有利区間自体に対応させて上記点灯を行う構成としてもよい。具体的には、有利区間への移行ゲーム又はその次のゲームにて第8表示用セグメントN8の点灯を開始させる構成としてもよい。
(59)上記各実施の形態では、ATモードへの移行抽選が有利区間でのみ行われる構成としたが、通常区間でも上記移行抽選が行われる構成としてもよい。例えば、通常区間にて所定役(レア役等)に当選した場合に上記移行抽選が行われる構成としてもよい。その場合、通常区間から有利区間への移行はATモードへの移行に合わせて行うとよい。具体的には、通常区間でATモードに当選した後、ATモードへの移行と有利区間への移行とが同じゲーム(ATモード当選ゲームの次のゲーム又は当選ゲームから所定ゲーム数後のゲーム)で行われる構成とするとよい。なお、ATモードの遊技は、上記各実施の形態と同様に有利区間にて行われるものとなる。
(60)上記各実施の形態では、ボーナスゲームとしてメダル数が減少するボーナスゲームを例示したが、メダル数が増えない(増減がない)ものとしてもよいし、微増するもの(ATモード中よりもメダルの増加率が低いもの)であってもよい。なお、微増するボーナスゲームとしては、1ゲーム当たりの期待純増枚数が0.5未満のものとしてもよい。また、微増ではなく、普通にメダルが増えるもの(遊技者にとって有利なもの)であってもよい。
(61)上記各実施の形態において、通常区間でもATモード移行抽選が行われる構成としてもよい。この場合、有利区間よりも通常区間の方がATモード移行当選となりにくい構成とすることで、有利区間の優位性が担保される。
(62)上記各実施の形態では、2ベットゲームにて当選した第2BBを持ち越した状態で行う3ベットゲームによる遊技を通常遊技として説明したが、3ベットゲームにて当選した第1BBを持ち越した状態で行う2ベットゲームによる遊技を通常遊技としてもよいし、第1BBや第2BBを持ち越すことなく行う第2ベットゲームや第3ベットゲームを通常遊技としてもよい。また、第2BBを持ち越した状態で行う2ベットゲームによる遊技を通常遊技としてもよいし、第1BBを持ち越した状態で行う3ベットゲームによる遊技を通常遊技としてもよい。更に、これらの各遊技を遊技状況によって切り替えながら遊技が進行される構成としてもよい。具体的には、第1切り替え契機に基づいて、例えば2ベットゲームにて行う上記いずれかの遊技から、3ベットゲームにて行う上記いずれかの遊技に切り替え、第2切り替え契機に基づいて、例えば、3ベットゲームにて行う上記いずれかの遊技から、2ベットゲームにて行う上記いずれかの遊技に切り替えることを通常遊技としてもよい。
(63)上記各実施の形態では、各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(64)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(65)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
例えば、パチンコ機や球使用回胴式遊技機において、出玉率等に変化を与える設定値を複数段階有する構成とし、これらの設定値の示唆や教示演出として、上記各発明を適用してもよい。この場合、大当たり確率が高低となる高確率状態と低確率状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間、CZモード、ATモードを高確率状態として適用してもよく、所定の入球部への入球率が高低となる高入球状態と低入球状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間、CZモード、ATモードを高入球状態として、上記各発明を適用してもよい。また、パチンコ機においては、前兆モード、CZモード等の待機期間にて3ベットゲームが行われる期間(それら各モードの残りゲーム数が更新される期間)を第1特図の遊技(第1特図の変動表示)が行われる期間と第2特図の遊技(第2特図の変動表示)が行われる期間との一方に適用し、上記待機期間にて2ベットゲームや第2BB状態のボーナスゲームが行われる期間(上記各モードの残りゲーム数が更新されない期間)を第1特図の遊技が行われる期間と第2特図の遊技が行われる期間との他方に適用してもよい。
(66)上記各実施の形態では、遊技媒体としてのメダルを投入するとベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴A群〜特徴E群に示す発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.遊技状態として、特定入賞(押し順ベル入賞)を成立させるための操作方法を報知する指示機能(押し順報知)が作動可能な第1遊技状態(有利区間)と、前記指示機能が作動しない第2遊技状態(通常区間)とを含む複数の遊技状態を有し、前記第1遊技状態にて遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)を遊技可能に構成された遊技機であって、
前記特定状態への移行を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定状態への移行を生じさせることに対応した特定結果となった場合(ATモード等に当選した場合)又は当該特定結果となった後に所定条件が成立した場合(前兆モードが終了した場合等)に前記特定状態に移行させる特定状態移行手段(主制御装置101によるATモード移行用処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立した場合に遊技状態を前記第1遊技状態へ移行させる第1遊技状態移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる機能)と、
予め定められた終了条件が成立した場合に前記第1遊技状態を終了させる第1遊技状態終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる機能)と、
所定の更新契機(メダル増減数の変化や、ATモード中のゲーム消化等)に基づいて所定の更新情報(サブ差枚数MY2、ATモードの消化ゲーム数等)を更新する更新手段(第1〜第4の実施の形態に係るサブ制御装置81による差枚数管理用処理を実行する機能)と、
前記更新手段の更新結果に基づいて特定報知(差枚数画像411、トータルゲーム数の表示)を実行する特定報知実行手段(第1〜第4の実施の形態に係るサブ制御装置81による差枚数表示用処理を実行する機能)と、
前記第1遊技状態が終了しても前記更新手段の更新結果を初期化せずに保持することが可能な保持手段(第1〜第4の実施の形態に係るサブ制御装置81によるサブ差枚数クリア用処理を実行する機能)と、
前記保持手段による前記保持が行われた後、当該保持された更新結果を対象として前記所定の更新契機に基づいて前記更新を継続する更新継続手段(第1〜第4の実施の形態に係るサブ制御装置81によるサブ差枚数クリア用処理において継続カウンタの更新期間にてサブ差枚数MY2の更新を継続する機能)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、前記更新継続手段により継続更新された更新結果に基づいて前記特定報知を実行する手段(第1〜第4の実施の形態に係るサブ制御装置81による差枚数表示用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技状態として、特定入賞を成立させるための操作方法を報知する指示機能が作動可能な第1遊技状態と、そのような指示機能が作動しない第2遊技状態とを少なくとも有し、第1遊技状態にて有利な特定状態を遊技可能に構成された遊技機において、第1遊技状態にて例えば差枚数等の更新情報を更新し、その結果に基づいて報知を行うことで、遊技者が勝ち取った自身の実績として認識できるようにしたものがある。このような遊技機においては、第1遊技状態の終了に伴い上記更新情報が初期化されるため、後の第1遊技状態での更新結果が先の第1遊技状態での更新結果と分離して把握される。このため、遊技者が先の第1遊技状態で特定状態を遊技し、その後に移行する後の第1遊技状態で再び特定状態を引き当てることができた場合に、後の第1遊技状態で特定状態が早期に終了すると、更新結果の値が小さく留まり、更新結果に基づく報知により示される実績も乏しいものとなってしまう。この場合、運よく特定状態を再当選させたことよりも実績の乏しさが強調されてしまい、遊技者に物足りない印象を与えてしまう懸念があった。
この点、本構成では、先の第1遊技状態が終了しても更新情報が初期化されずに保持され、後の第1遊技状態において、その保持された更新結果を対象として更新が継続される。この場合、先の第1遊技状態での更新結果を引き継いで後の第1遊技状態での更新結果が導出されるため、後の第1遊技状態で特定状態が早期に終了しても、更新結果の値が小さく留まることを抑制できる。そして、このような結果に基づいて特定報知を実行するため、遊技者が満足しやすい実績を報知しやすくなり、遊技の興趣性を高めることが可能になる。
なお、本特徴の「遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)」を「所定の非特定状態(通常モード)より遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)」又は「所定の非特定状態(通常モード)より前記指示機能が作動しやすい特定状態(ATモード等)」と表現することもできる。
特徴A2.前記特定状態が実行された先の前記第1遊技状態の終了後に移行する後の前記第1遊技状態において、予め定められた初期化条件が成立した場合(ATモード等に当選しないまま所定ゲーム数が消化された場合、疑似エンディング演出が終了した場合等)に、前記更新継続手段により前記更新が継続された更新情報を初期化する初期化手段(サブ制御装置81によるサブ差枚数クリア用処理においてMY2カウンタのクリア処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成では、後の第1遊技状態において初期化条件が成立することにより、引き継がれた更新結果が初期化される。これにより、更新情報の更新がいたずらに長く継続されて実績報知としての機能が損なわれてしまうことを抑制できる。
特徴A3.前記特定状態が実行された第1遊技状態の終了後に移行する後の前記第1遊技状態において、前記更新継続手段により前記更新が継続された更新情報を初期化する初期化手段(サブ制御装置81によるサブ差枚数クリア用処理においてMY2カウンタのクリア処理を実行する機能)と、
先の前記第1遊技状態の終了後、所定ゲーム数以内に特定条件が成立した場合(ATモードに当選した場合等)に前記初期化手段による前記初期化が制限されるようにする手段(サブ制御装置81によるサブ差枚数クリア用処理においてステップS3107、ステップS3108、ステップS3111〜ステップS3115の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
例えば、先の第1遊技状態での特定状態と後の第1遊技状態での特定状態との間隔が大きく開くような場合にまで更新情報を引き継ぐと、両特定状態の関連性が薄れ、連荘感がうまく発揮されないおそれがある。また、更新情報を例えば差枚数とした場合にあっては、先の第1遊技状態が終了してから後の第1遊技状態で特定状態に移行するまでの間において、更新情報の更新結果は減少方向に変化するため、そのような減少状態を長期に亘り遊技者に報知すると、遊技媒体(持ちメダル等)の減少が強調され、遊技者が不快な印象を抱く懸念がある。この点、本特徴では、先の第1の遊技状態の終了後、所定ゲーム数以内に特定条件が成立した場合、すなわち、比較的速やかに特定条件を成立させた場合を対象として更新情報の引き継ぎが継続されるため、特定状態が連荘したような印象を好適に与えることができるばかりか、遊技媒体の減少が強調されてしまうことを抑制できる。
なお、本特徴を上記特徴A2に適用する場合、「後の前記第1遊技状態において前記初期化条件が成立する前に特定条件(ATモードに当選した場合等)が成立した場合に前記初期化手段による前記初期化が制限されるようにする初期化制限手段(サブ制御装置81によるサブ差枚数クリア用処理においてステップS3107、ステップS3108、ステップS3111〜ステップS3115の処理を実行する機能)を備えている」と表現することもできる。
特徴A4.前記特定条件は、前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定結果となること又は前記特定状態に移行することであることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
上記構成では、先の第1の遊技状態の終了後、所定ゲーム数以内に特定状態に当選した場合又は特定状態に移行した場合を対象として更新情報のさらなる引き継ぎを行うことができる。これにより、先の第1遊技状態での特定状態と後の第1遊技状態での特定状態との間隔が大きく開くような場合にまで更新情報が引き継がれることが抑制され、特定状態が連荘したような印象を好適に与えることが可能になる。
特徴A5.前記特定報知実行手段は、
前記第1遊技状態において前記更新手段の更新結果に基づいて前記特定報知を実行する第1手段(サブ制御装置81により有利区間Aにおいて差枚数画像411を表示する機能)と、
前記第1遊技状態の終了後に移行する後の前記第1遊技状態において、前記更新継続手段の更新結果に基づいて前記特定報知を実行する第2手段(サブ制御装置81により有利区間Bにおいて差枚数画像411を表示する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、更新結果に対応する特定報知が先の第1遊技状態と後の第1遊技状態とに跨って行われるため、特定報知の連続性を担保することができる。これにより、実際には前後の第1遊技状態に別れている状態であっても、1の第1遊技状態の中で更新情報の更新が継続されている印象を遊技者に与えることができる。よって、後の第1遊技状態において増加した状態の更新結果が特定報知により報知された際に、遊技者が実績を増やした印象を抱きやすくなり、遊技者の満足感を好適に喚起することが可能になる。
特徴A6.前記第1遊技状態終了手段により前記第1遊技状態が終了された場合に前記第2遊技状態に移行させる第2遊技状態移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間の終了により通常区間に移行させる機能)を備え、
前記更新継続手段は、前記保持手段による前記保持が行われた後の前記第2遊技状態において前記所定の更新情報を更新する手段(通常区間にてサブ差枚数MY2を更新する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、先の第1遊技状態と後の第1遊技状態との間に介在する第2遊技状態においても更新情報の更新が継続されるため、当該第2遊技状態において特定報知の内容を変化させることができる。これにより、第1遊技状態の途切れをより分かりにくくすることができ、1の第1遊技状態の中で更新情報の更新が継続されている印象を遊技者に与えやすくすることができる。
特徴A7.前記特定判定手段による特定判定に関する状態として、第1状態(通常モード)と、前記第1状態よりも前記特定結果となりやすい第2状態(第2CZモード)とを有しており、
前記特定状態の終了後に前記第2状態に移行する場合と前記第2状態に移行しない場合とが生じる構成とされており、
前記第1遊技状態で実行された前記特定状態の終了後に前記第2状態に移行しないと、当該特定状態の終了に対応して当該第1遊技状態が終了するように構成されたことを特徴とする特徴A1乃至特徴A6のいずれかに記載の遊技機。
例えば、特定状態の終了後に特定状態への再当選が殆ど生じない構成であると、そもそも特定状態が終了した後の遊技に遊技者が期待感を持ちにくくなる結果、そのような状況で更新情報の保持に基づく特定報知がなされても、当該報知への遊技者の関心が低く留まり、その効果が良好に発揮されない懸念がある。この点、本構成では、特定状態の終了後、特定状態に当選しやすい第2状態に移行する場合があるため、特定状態の終了後に再び特定状態に当選する頻度が一定程度確保される。これにより、特定状態の終了後に特定状態を引き戻す期待感が誘発され、第1遊技状態を跨いで更新される特定報知を引き立てることが可能になる。
特徴A8.前記特定状態の終了後、当該特定状態が行われた前記第1遊技状態にて前記第2状態に移行可能であり、
前記保持手段は、前記第1遊技状態で実行された前記特定状態の終了後に前記第2状態に移行せず、当該特定状態の終了に対応して当該第1遊技状態が終了する場合に、前記保持を行うことを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
上記構成では、特定状態の終了後に第2状態に移行した際にそのまま第1遊技状態が継続されるため、特定状態中に更新された更新情報が引き継がれる中で、第1遊技状態が終了せずに特定状態に再当選しやすい状態を存在させることができる。一方、特定状態後に第2状態に移行せず、特定状態の終了により第1遊技状態が終了する場合は、第1遊技状態が終了しても更新情報を初期化せずに保持し、これによって、特定状態中に更新された更新情報が引き継がれてその後も継続更新される。つまり、特定状態後の第2状態に移行する場合と、第2状態に移行しない場合とにおいて、更新情報の更新態様が共通化される。これにより、特定状態後に第2状態に移行せず、実際には第1遊技状態が途切れている場合において、特定報知を通じ、第2状態に移行した場合と同様のチャンス状態であるかのような印象を与えることができ、延いては、後の第1遊技状態での特定状態を先の第1遊技状態で行われた特定状態から連荘して生じさせたと遊技者に感受させやすくすることができる。
特徴A9.前記第1遊技状態において前記所定の更新契機に基づいて第1更新情報(有利区間増減枚数MY)を更新する第1更新手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間増減枚数MYの更新処理を実行する機能)と、
前記第1遊技状態の終了に対応させて前記第1更新手段の更新結果を初期化する第1初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2108の処理を実行する機能)と、
前記所定の更新契機に基づいて、前記所定の更新情報としての第2更新情報(サブ差枚数MY2)を更新する、前記更新手段としての第2更新手段(第1〜第4の実施の形態に係るサブ制御装置81による差枚数管理用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1遊技状態終了手段の前記終了条件として、前記第1更新手段の更新結果に基づいて前記第1遊技状態を終了させる特定終了条件(有利区間増減枚数MYが上限増加数に達すること)を含み、
前記保持手段は、前記第1初期化手段により前記第1遊技状態の終了に対応して前記第1更新手段の更新結果が初期化されても、前記第2更新手段の更新結果を初期化せずに保持することが可能であることを特徴とする特徴A1乃至特徴A8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1遊技状態の終了制御に用いる第1更新情報とは別に、第1更新情報と同一の更新契機で更新される第2更新情報を設け、その第2更新情報を用いて、後の第1遊技状態への更新結果の引き継ぎや、当該引き継いだ更新結果に基づく特定報知を行うものとしている。すなわち、第1更新情報の代替である第2更新情報を対象として後の第1遊技状態への更新結果の引き継ぎ等を行うため、第1更新情報の更新結果に基づく第1遊技状態の終了制御に支障を来すことなく、更新情報の継続更新やその報知を行うことができる。
特徴A10.遊技の進行に関する制御を行う第1制御手段(主制御装置101)と、
前記第1制御手段の処理結果に対応した遊技演出が実行されるように制御を行う第2制御手段(サブ制御装置81)と、
を備え、
前記第2更新手段と、前記保持手段と、前記更新継続手段と、前記特定報知実行手段とが前記第2制御手段に設けられていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
上記構成では、後の第1遊技状態への第2更新情報の引き継ぎやその報知を行うための処理を第2制御手段に委ねる構成としている。すなわち、第1制御手段が行う遊技進行の制御から独立して第2更新情報の引き継ぎや特定報知を行うことができるため、遊技進行の制御に支障を来すことなく、上記特徴A1から特徴A9の上記各効果を発揮させることが可能になる。
特徴A11.前記第1更新手段の更新結果が予め定められた所定結果(上限増加数)となった場合に前記特定終了条件が成立するように構成されており、
前記所定結果に対応する所定値(2400枚、又は、差枚数が2399枚である状況で押し順ベルに入賞した場合に払い出されるメダル数を加味した枚数)より大きい値に対応した前記特定報知が行われることを制限する特定制限手段(第2の実施の形態に係るサブ制御装置81によるステップS3803の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A9又は特徴A10に記載の遊技機。
第1更新情報の更新結果が所定結果になると第1遊技状態が終了することを遊技者が事前に知っていた場合において、その所定結果に対応する値よりも大きな値が特定報知により示されると、遊技者が不自然な印象を抱き、実際には第1遊技状態が終了していたと悟られやすくなる懸念がある。この点、本特徴では、所定結果に対応する値よりも大きな値の特定報知の実行が制限されるため、上記のような不自然な状態の発生を抑制することができる。
特徴A12.前記第1更新手段の更新結果が予め定められた所定結果(2400枚)となった場合に前記特定終了条件が成立するように構成されており、
前記第1更新手段の更新結果が前記所定結果となること(有利区間増減枚数MYがエンディング開始枚数に到達すること)又は前記所定結果となったこと(有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達すること)に対応して特定演出(エンディング演出)を実行することが可能な第1特定演出実行手段(第2の実施の形態に係るサブ制御装置81により通常エンディング演出を実行する機能)と、
前記第2更新手段の更新結果が前記所定結果となること(サブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に到達すること)又は前記所定結果となったこと(サブ差枚数MY2が上限増加数に到達すること)に対応して前記特定演出を実行することが可能な第2特定演出実行手段(第2の実施の形態に係るサブ制御装置81により疑似エンディング演出を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A9乃至特徴A11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、実際に第1遊技状態の終了に対応する第1特定演出実行手段による特定演出を第1更新情報の更新結果が所定結果となる場合又はなった場合に実行するものとした上で、実際には第1遊技状態の終了に対応していない第2特定演出実行手段による特定演出を、先の第1遊技状態から引き継がれた第2更新情報の更新結果が所定結果となる場合又はなった場合に実行する構成としている。すなわち、特定報知を基準として見た場合に、第2特定演出実行手段による特定演出の実行タイミングを第1特定演出実行手段による特定演出の実行タイミングと整合させるため、第2特定演出実行手段による特定演出をより本物らしく見せることができる。これにより、実際に上限到達させた印象を遊技者に与えやすくすることができ、遊技者の満足感や達成感を喚起することが可能になる。
特徴A13.前記第2特定演出実行手段により前記特定演出が実行された後、前記第1更新手段の更新結果が前記所定結果となる場合又は前記所定結果となった場合に所定の特典(設定示唆演出の実行)を付与することが可能な特典付与手段(第2の実施の形態に係るサブ制御装置81によりステップS3714の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
上記構成では、第2特定演出実行手段により特定演出が実行された後に第1更新手段の更新結果が所定結果(第1遊技状態が終了する上限値)となると、特典が付与される。このため、第1更新手段の更新結果を上限に到達させる楽しみだけでなく、特定演出の実行を経由して第1更新手段の更新結果を上限に到達させる楽しみを付与することができる。
特徴A14.前記第1特定演出実行手段は、
前記第1遊技状態において、前記第2特定演出実行手段により前記特定演出が実行されることなく、前記第1更新手段の更新結果が前記所定結果となる場合又は前記所定結果となった場合に前記特定演出として第1特定演出(通常エンディング演出)が実行されるようにする第1手段(第2の実施の形態に係るサブ制御装置81によるエンディング演出設定処理において通常エンディング演出を設定する機能)と、
前記第2特定演出実行手段により前記特定演出が実行された後、前記第1更新手段の更新結果が前記所定結果となる場合又は前記所定結果となった場合に前記第1特定演出とは異なる態様(背景画像等が異なる)の第2特定演出(特別エンディング演出)が実行されるようにする第2手段(第2の実施の形態に係るサブ制御装置81によるエンディング演出設定処理において特別エンディング演出を設定する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A12又は特徴A13に記載の遊技機。
上記構成では、特定演出の実行を経由して第1更新手段の更新結果を上限に到達させた場合に、特定演出の実行を経由しない場合とは異なる態様の特定演出が実行される。これにより、特定演出の実行を経由して第1更新手段の更新結果を上限に到達させたことへの特別感を演出することができ、遊技者の達成感を好適に喚起することが可能になる。
特徴A15.前記第2特定演出実行手段は、前記特定演出として第1特定演出(疑似エンディング演出)が実行されるようにするものであり、
前記第1特定演出実行手段は、前記第2特定演出実行手段により前記第1特定演出が実行された後、前記第1更新手段の更新結果が前記所定結果となる場合又は前記所定結果となった場合に前記第1特定演出とは異なる態様(背景画像等が異なる)の第2特定演出(特別エンディング演出)が実行されるようにする手段(第2の実施の形態に係るサブ制御装置81によるエンディング演出設定処理において特別エンディング演出を設定する機能)を備えていることを特徴とする特徴A12乃至特徴A14のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第2特定演出実行手段により特定演出が実行された後、第1更新手段の更新結果を上限に到達させると、第2特定演出実行手段による特定演出とは異なる態様の特定演出が実行される。これにより、特定演出の実行を経由して第1更新手段の更新結果を上限に到達させたことへの特別感を演出することができ、遊技者の達成感を好適に喚起することが可能になる。
特徴A16.前記第2特定演出実行手段により前記特定演出が実行された後、前記第1更新手段の更新結果が前記所定結果となる場合又は前記所定結果となった場合に前記第1特定演出実行手段による前記特定演出の実行が制限されるようにする手段(第3の実施の形態に係るサブ制御装置81によりエンディング演出に代えてAT終了演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A12又は特徴A13に記載の遊技機。
第1更新情報は1の第1遊技状態の範囲内で更新される一方、第2更新情報は複数の第1遊技状態を跨いで更新可能であるため、これらの更新結果にはずれが生じ、第2更新情報の更新結果が所定結果となった後、早期に第1更新情報の更新結果が所定結果となる場合がある。このような場合に、第2更新情報の更新結果が所定結果になることと、第1更新情報の更新結果が所定結果になることとのそれぞれに対応して特定演出を実行すると、短期間で複数の特定演出が実行されるものとなり、遊技者に不自然な印象を与える懸念がある。この点、本特徴では、初期値から更新が開始された第1更新情報の更新結果が所定結果となるまでの過程において第2特定演出実行手段による特定演出が行われている場合には特定演出の実行が制限される。これにより、短期間で複数の特定演出が実行されることが抑制され、遊技者に不自然な印象を与えることを抑制することが可能になる。
特徴A17.前記特定入賞が成立した場合に所定の遊技価値(メダル、クレジット、仮想遊技媒体)の付与を行う遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)を備え、
前記特定状態は、所定の非特定状態(通常モード)より前記指示機能が作動しやすい状態であり、
前記更新情報は遊技価値の増減数に対応した数値情報であることを特徴とする特徴A1乃至特徴A16のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、更新情報として遊技価値の増減数に対応した数値情報(差枚数情報)が更新される。また、特定状態が非特定状態に比べて指示機能が作動しやすく、遊技価値が付与されやすい状態となっている。このような構成では、上記数値情報に基づく報知が上記特定状態で遊技者が勝ち取った実績として認識されやすい。このような場合において、遊技者が先の第1遊技状態で特定状態を遊技し、その後に移行する後の第1遊技状態で再び特定状態を引き当てた場合に、後の第1遊技状態で特定状態が早期に終了すると、数値情報に基づく報知により示される値が小さい値に留まり、せっかく後の第1遊技状態で特定状態を引き当てているにもかかわらず、遊技者に対して物足りない印象を与えやすい。このような懸念に対して上記特徴A1から特徴A16のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴A18.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、
前記第1操作手段の操作に基づいて所定の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して絵柄を視認可能な位置に設定される有効位置に前記所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する遊技価値(メダル、クレジット、仮想遊技媒体)を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A17のいずれかに記載の遊技機。
上記構成を有するスロットマシンに上記特徴A1から特徴A17のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴A19.遊技状態として、第1遊技状態(有利区間)と、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態(通常区間)とを含む複数の遊技状態を有し、前記第1遊技状態にて遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)を遊技可能に構成された遊技機であって、
前記特定状態への移行を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定状態への移行を生じさせることに対応した特定結果となった場合(ATモード等に当選した場合)又は当該特定結果となった後に所定条件が成立した場合(前兆モードが終了した場合等)に前記特定状態に移行させる特定状態移行手段(主制御装置101によるATモード移行用処理を実行する機能)と、
遊技状態を前記第1遊技状態へ移行させる第1遊技状態移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる機能)と、
前記第1遊技状態を終了させる第1遊技状態終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる機能)と、
所定の更新契機(メダル増減数の変化や、ATモード中のゲーム消化等)に基づいて所定の更新情報(サブ差枚数MY2、ATモードの消化ゲーム数等)を更新する更新手段(第1〜第4の実施の形態に係るサブ制御装置81による差枚数管理用処理を実行する機能)と、
前記更新手段の更新結果に基づいて特定報知(差枚数画像411、トータルゲーム数の表示)を実行する特定報知実行手段(第1〜第4の実施の形態に係るサブ制御装置81による差枚数表示用処理を実行する機能)と、
前記第1遊技状態が終了しても前記更新手段の更新結果を初期化せずに保持することが可能な保持手段(第1〜第4の実施の形態に係るサブ制御装置81によるサブ差枚数クリア用処理を実行する機能)と、
前記保持手段による前記保持が行われた後、当該保持された更新結果を対象として前記所定の更新契機に基づいて前記更新を継続する更新継続手段(第1〜第4の実施の形態に係るサブ制御装置81によるサブ差枚数クリア用処理において継続カウンタの更新期間にてサブ差枚数MY2の更新を継続する機能)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、前記更新継続手段により継続更新された更新結果に基づいて前記特定報知を実行する手段(第1〜第4の実施の形態に係るサブ制御装置81による差枚数表示用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、上記特徴A1と同様の作用効果を奏することが可能になる。なお、本特徴に対して上記特徴A2から特徴A18のいずれかの構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴A1乃至A19の各構成に対して、特徴A1乃至A19、特徴B1乃至B12、特徴C1乃至C17、特徴D1乃至D14、特徴E1乃至E11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴B群>
特徴B1.遊技状態として、特定入賞(押し順ベル入賞)を成立させるための操作方法を報知する指示機能(押し順報知)が作動可能な第1遊技状態(有利区間)と、前記指示機能が作動しない第2遊技状態(通常区間)とを含む複数の遊技状態を有し、前記第1遊技状態にて遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)を遊技可能に構成された遊技機であって、
前記特定状態への移行を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定状態への移行を生じさせることに対応した特定結果となった場合(ATモード等に当選した場合)又は当該特定結果となった後に所定条件が成立した場合(前兆モードが終了した場合等)に前記特定状態に移行させる特定状態移行手段(主制御装置101によるATモード移行用処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立した場合に遊技状態を前記第1遊技状態へ移行させる第1遊技状態移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる機能)と、
予め定められた終了条件が成立した場合に前記第1遊技状態を終了させる第1遊技状態終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる機能)と、
前記第1遊技状態終了手段により前記第1遊技状態が終了された場合に前記第2遊技状態に移行させる第2遊技状態移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間の終了により通常区間に移行させる機能)と、
先の第1遊技状態において前記特定状態が実行され、前記先の第1遊技状態の終了後に移行する後の第1遊技状態において前記特定状態が実行される場合に、前記後の第1遊技状態における前記特定状態又は前記特定状態での報知内容(表示される差枚数、消化ゲーム数等)が前記先の第1遊技状態における前記特定状態又は前記特定状態での報知内容と関連していると遊技者が認識することが可能な特定報知(差枚数画像411、ATモード中の消化ゲーム数等の表示)を実行することが可能な特定手段(第1〜第4の実施の形態に係るサブ制御装置81による差枚数表示用処理等を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技状態として、特定入賞を成立させるための操作方法を報知する指示機能が作動可能な第1遊技状態と、そのような指示機能が作動しない第2遊技状態とを少なくとも有し、第1遊技状態にて有利な特定状態を遊技可能に構成された遊技機においては、第1遊技状態ごとに遊技が区切られる。このため、特定状態を遊技した先の第1遊技状態が終了した後、遊技者が後の第1遊技状態で早期に特定状態を当選させても、それぞれの特定状態が独立したものとして感受される。このため、せっかく後の第1遊技状態で特定状態を引き当てているにもかかわらず、遊技者に対して物足りない印象を与えてしまう懸念がある。
この点、本構成では、後の第1遊技状態における特定状態が先の第1遊技状態における特定状態と関連している、又は、後の第1遊技状態における特定状態での報知内容が先の第1遊技状態における特定状態での報知内容と関連していると遊技者が認識することが可能なようにして特定報知が行われる。このため、遊技者において、各第1遊技状態での特定状態が関連付けられて感受されやすくなる。これにより、遊技者が後の第1遊技状態で特定状態を引き当てた場合に、実際には第2遊技状態を介して前後の第1遊技状態に別れていても、1の第1遊技状態の中で特定状態を連荘させたり、特定状態を引き戻したりしたような印象を与えることができ、遊技の興趣性を高めることが可能になる。
なお、本特徴の「遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)」を「所定の非特定状態(通常モード)より遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)」又は「所定の非特定状態(通常モード)より前記指示機能が作動しやすい特定状態(ATモード等)」と表現することもできる。
特徴B2.前記特定手段は、前記先の第1遊技状態における前記特定状態と前記後の第1遊技状態における前記特定状態とに跨って前記特定報知(差枚数画像411、ATモード中の消化ゲーム数等の表示)を実行可能であることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成では、先の第1遊技状態での特定状態と、後の第1遊技状態での特定状態とに跨って特定報知が実行されるため、それら各特定状態が特定報知を通じて結び付けられやすくなる。これにより、前後の第1遊技状態に別れている状況であっても1の第1遊技状態の中で特定状態を連荘させた等の印象を与えることが可能になる。
特徴B3.前記特定手段は、前記先の第1遊技状態と前記後の第1遊技状態との間の前記第2遊技状態において前記特定報知を実行することが可能な手段(通常区間にて差枚数画像411を表示する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
上記構成では、先の第1遊技状態と後の第1遊技状態との間に介在する第2遊技状態においても特定報知が実行されるため、第2遊技状態への移行に伴う特定報知の中断を抑制することができる。これにより、第1遊技状態の終了に気付かせにくくすることができ、1の第1遊技状態の中で特定状態を連荘させた等の印象を与えやすくすることが可能になる。
特徴B4.前記特定入賞が成立した場合に所定の遊技価値(メダル、クレジット、仮想遊技媒体)の付与を行う遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)を備え、
前記特定状態は、所定の非特定状態(通常モード)より前記指示機能が作動しやすい状態であり、
前記特定報知は、遊技価値の増減数(サブ差枚数MY2)又は前記特定状態での実行ゲーム数(ATモードの消化ゲーム数)に対応する報知であることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、後の第1遊技状態での特定状態で行われる遊技価値の増減数又は特定状態での実行ゲーム数の報知が、先の第1遊技状態での特定状態で行われたそれらの報知と関連するようにして行われる。これにより、前後の第1遊技状態で実行される各特定状態が関連している印象を遊技者に与えやすくすることができる。
特徴B5.前記特定手段は、前記後の第1遊技状態における前記特定状態での前記特定報知として、前記先の第1遊技状態での前記特定状態が終了した場合の前記増減数である第1増減数、又は、前記先の第1遊技状態での前記特定状態が終了してから前記後の第1遊技状態で前記特定状態が行われるまでの期間の前記増減数を前記第1増減数に加味した第2増減数に対応させて続きの報知を実行可能であることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
上記構成では、先の第1遊技状態での特定状態で報知された遊技価値の増減数や特定状態の消化ゲーム数の続きとなる報知が、後の第1遊技状態で移行する特定状態にて行われる。すなわち、後の第1遊技状態に係る特定状態での特定報知が、先の第1遊技状態に係る特定状態の実績を引き継ぐようにして行われるため、それらの特定状態が関連している印象を強く与えることができ、特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴B6.前記特定手段は、前記先の第1遊技状態の終了後、所定ゲーム数以内に前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定結果となった場合又は前記特定状態に移行した場合に、前記特定報知を実行可能とする手段(サブ制御装置81によるサブ差枚数クリア用処理においてステップS3107、ステップS3108、ステップS3111〜ステップS3115の処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B5のいずれかに記載の遊技機。
例えば、先の第1遊技状態での特定状態と後の第1遊技状態での特定状態との間隔が大きく開くような場合にあっては、当該間隔の開きにより遊技媒体(持ちメダル等)が大きく減少している可能性があるため、特定報知により連荘感等が促されても、遊技者としてはあまり嬉しくない印象を抱くおそれがある。この点、本特徴では、先の第1の遊技状態の終了後、所定ゲーム数以内に特定状態に当選した場合又は特定状態に移行した場合、すなわち、比較的短期間で特定状態の当選等が生じた場合を対象として特定報知による関連付けを行う構成としている。これにより、遊技媒体の減りが少なく遊技者が喜びやすい状況で特定報知を行うことができ、特定報知による効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴B7.所定の更新契機(メダル増減数の変化や、ATモード中のゲーム消化等)に基づいて所定の更新情報(サブ差枚数MY2、ATモードの消化ゲーム数等)を更新する更新手段(第1〜第4の実施の形態に係るサブ制御装置81による差枚数管理用処理を実行する機能)と、
前記第1遊技状態が終了しても前記更新手段の更新結果を初期化せずに保持することが可能な保持手段(第1〜第4の実施の形態に係るサブ制御装置81によるサブ差枚数クリア用処理を実行する機能)と、
前記保持手段による前記保持が行われた後、当該保持された更新結果を対象として前記所定の更新契機に基づいて前記更新を継続する更新継続手段(第1〜第4の実施の形態に係るサブ制御装置81によるサブ差枚数クリア用処理において継続カウンタの更新期間にてサブ差枚数MY2の更新を継続する機能)と、
を備え、
前記特定手段は、前記更新結果に基づいて特定報知を実行可能なものであることを特徴とする特徴B1乃至特徴B6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1遊技状態が終了しても所定の更新情報の更新結果が初期化されず、後の第1遊技状態に引き継がれる。この引き継がれた更新結果に基づいて特定報知が行われるため、後の第1遊技状態での特定状態において、先の第1遊技状態で実行された特定状態の続きに対応した値が報知される。これにより、各特定状態が関連している印象を遊技者に与えやすくすることができ、特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴B8.前記第1遊技状態において前記所定の更新契機に基づいて第1更新情報(有利区間増減枚数MY)を更新する第1更新手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間増減枚数MY等の更新処理を実行する機能)と、
前記第1遊技状態が終了する場合に前記第1更新手段の更新結果を初期化する第1初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2108の処理を実行する機能)と、
前記所定の更新契機に基づいて、前記所定の更新情報としての第2更新情報(サブ差枚数MY2)を更新する、前記更新手段としての第2更新手段(第1〜第4の実施の形態に係るサブ制御装置81による差枚数管理用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1遊技状態終了手段の前記終了条件として、前記第1更新手段の更新結果に基づいて前記第1遊技状態を終了させる特定終了条件(有利区間増減枚数MYが上限増加数に達することや有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に達することなど)を含み、
前記保持手段は、前記第1初期化手段により前記第1遊技状態の終了に対応して前記第1更新手段の更新結果が初期化されても、前記第2更新手段の更新結果を初期化せずに保持することが可能であることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
上記構成では、第1遊技状態の終了制御に用いる第1更新情報とは別に、第1更新情報と同一の更新契機で更新される第2更新情報を設け、その第2更新情報を用いて、後の第1遊技状態への更新結果の引き継ぎや、当該引き継いだ更新結果に基づく特定報知を行うものとしている。すなわち、第1更新情報の代替である第2更新情報を対象として後の第1遊技状態への更新結果の引き継ぎ等を行うため、第1更新情報の更新結果に基づく第1遊技状態の終了制御に支障を来すことなく、更新情報の継続更新やその報知を行うことができる。
特徴B9.遊技の進行に関する制御を行う第1制御手段(主制御装置101)と、
前記第1制御手段の処理結果に対応した遊技演出が実行されるように制御を行う第2制御手段(サブ制御装置81)と、
を備え、
前記第2更新手段と、前記保持手段と、前記更新継続手段と、前記特定手段とが前記第2制御手段に設けられていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
上記構成では、後の第1遊技状態への第2更新情報の引き継ぎやその報知を行うための処理を第2制御手段に委ねる構成としている。すなわち、第1制御手段が行う遊技進行の制御から独立して第2更新情報の引き継ぎや特定報知を行うことができるため、遊技進行の制御に支障を来すことなく、上記特徴B1から特徴B8の上記各効果を発揮させることが可能になる。
特徴B10.前記第1更新手段の更新結果が予め定められた所定結果(上限増加数、上限ゲーム数等)となった場合に前記特定終了条件が成立するように構成されており、
前記所定結果に対応する所定値(2400枚、又は、差枚数が2399枚である状況や1500ゲーム目のゲームで押し順ベルに入賞した場合に払い出されるメダル数を加味した枚数)より大きい値に対応した前記特定報知が行われることを制限する特定制限手段(サブ制御装置81によるステップS3803の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B8又は特徴B9に記載の遊技機。
第1更新情報の更新結果が所定結果になると第1遊技状態が終了することを遊技者が事前に知っていた場合において、その所定結果に対応する値よりも大きな値が特定報知により示されると、遊技者が不自然な印象を抱き、実際には第1遊技状態が終了していたと悟られやすくなる懸念がある。この点、本特徴では、所定結果に対応する値よりも大きな値の特定報知の実行が制限されるため、上記のような不自然な状態の発生を抑制することができる。
特徴B11.前記第1更新手段の更新結果が予め定められた所定結果(上限増加数、上限ゲーム数等)となった場合に前記特定終了条件が成立するように構成されており、
前記第1更新手段の更新結果が前記所定結果となること(有利区間増減枚数MYがエンディング開始枚数に到達すること)又は前記所定結果となったこと(有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達すること)に対応して特定演出(エンディング演出)を実行することが可能な第1特定演出実行手段(第2の実施の形態に係るサブ制御装置81により通常エンディング演出を実行する機能)と、
前記第2更新手段の更新結果が前記所定結果となること(サブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に到達すること)又は前記所定結果となったこと(サブ差枚数MY2が上限増加数に到達すること)に対応して前記特定演出を実行することが可能な第2特定演出実行手段(第2の実施の形態に係るサブ制御装置81により疑似エンディング演出を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B8乃至特徴B10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1更新情報の更新結果が所定結果となる場合又はなった場合に特定演出が実行されることに対応させて、後の第1遊技状態に引き継がれた第2更新情報の更新結果が所定結果となる場合又はなった場合に特定演出を実行する構成としている。これにより、実際には途中で第1遊技状態が途切れていても、1の第1遊技状態の中で上限到達を達成させた印象を遊技者に与えることができ、遊技者の満足感や達成感を喚起することが可能になる。
なお、上記特徴B1から特徴B11に対して上記特徴A13から特徴A18のいずれかの構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
特徴B12.遊技状態として、第1遊技状態(有利区間)と、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態(通常区間)とを含む複数の遊技状態を有し、前記第1遊技状態にて遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)を遊技可能に構成された遊技機であって、
前記特定状態への移行を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定状態への移行を生じさせることに対応した特定結果となった場合(ATモード等に当選した場合)又は当該特定結果となった後に所定条件が成立した場合(前兆モードが終了した場合等)に前記特定状態に移行させる特定状態移行手段(主制御装置101によるATモード移行用処理を実行する機能)と、
遊技状態を前記第1遊技状態へ移行させる第1遊技状態移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる機能)と、
前記第1遊技状態を終了させる第1遊技状態終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる機能)と、
前記第1遊技状態終了手段により前記第1遊技状態が終了した場合に前記第2遊技状態に移行させる第2遊技状態移行手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間の終了により通常区間に移行させる機能)と、
先の第1遊技状態において前記特定状態が実行され、前記先の第1遊技状態の終了後に移行する後の第1遊技状態において前記特定状態が実行される場合に、前記後の第1遊技状態における前記特定状態又は前記特定状態での報知内容が前記先の第1遊技状態における前記特定状態又は前記特定状態での報知内容と関連していると遊技者が認識することが可能な特定報知(差枚数画像411、ATモード中の消化ゲーム数等の表示)を実行することが可能な特定手段(第1〜第4の実施の形態に係るサブ制御装置81による差枚数表示用処理等を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、上記特徴B1と同様の作用効果を奏することが可能になる。なお、本特徴に対して上記特徴B2から特徴B11のいずれかの構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴B1乃至B12の各構成に対して、特徴A1乃至A19、特徴B1乃至B12、特徴C1乃至C17、特徴D1乃至D14、特徴E1乃至E11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴C群>
特徴C1.遊技状態として、特定入賞(押し順ベル入賞)を成立させるための操作方法を報知する指示機能(押し順報知)が作動可能な第1遊技状態(有利区間)と、前記指示機能が作動しない第2遊技状態(通常区間)とを含む複数の遊技状態を有し、前記第1遊技状態にて遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)を遊技可能に構成された遊技機であって、
前記特定状態への移行を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定状態への移行を生じさせることに対応した特定結果となった場合(ATモード等に当選した場合)又は当該特定結果となった後に所定条件が成立した場合(前兆モードが終了した場合等)に前記特定状態に移行させる特定状態移行手段(主制御装置101によるATモード移行用処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立した場合に遊技状態を前記第1遊技状態へ移行させる第1遊技状態移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる機能)と、
前記第1遊技状態において所定の更新契機(メダル増減数の変化やゲーム消化等)に基づいて特定の更新情報(有利区間増減枚数MY、有利区間ゲーム数AG等)を更新する更新手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間増減枚数MY等の更新処理を実行する機能)と、
前記更新手段の更新結果が予め定められた所定結果(上限増加数、上限ゲーム数)となった場合に前記第1遊技状態を終了させる特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間増減枚数MY等の更新結果に基づいて有利区間を終了させる機能)と、
複数ゲームに亘って所定の演出(エンディング中演出)が行われた後に特定結果報知(最終獲得枚数表示等)が行われる特定演出(エンディング演出)を実行する特定演出実行手段(第2及び第3の実施の形態に係るサブ制御装置81によるエンディング演出設定処理、エンディング演出実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定演出実行手段は、
前記特定終了手段により前記第1遊技状態が終了されることに対応して特定演出が実行されるようにする第1手段(通常エンディング演出を実行する機能)と、
前記特定終了手段による前記終了が行われない状況で予め定められた特定条件が成立した場合(サブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に達した場合等)に特定演出が実行されるようにする第2手段(疑似エンディング演出を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、予め定められた移行条件が成立すると、遊技者にとって有利な特定状態を遊技可能な第1遊技状態に移行する。第1遊技状態では所定の更新契機に基づいて更新情報が更新され、その結果が特定結果になると、特定終了手段により第1遊技状態が強制終了される。そして、そのような強制終了が行われる場合、それに対応した演出として特定演出が実行される。このような構成の下、本特徴では、上記強制終了が行われない状況であっても特定条件が成立した場合に特定演出が実行される。かかる構成によれば、そのような疑似的な特定演出の実行により、実際には第1遊技状態が終了しない状況であっても、第1遊技状態が終了すると遊技者に認識させることができる。すなわち、第1遊技状態が終了すると思わせてから第1遊技状態を継続させることができるため、遊技者の喜びと驚きを好適に喚起することができる。よって、遊技の興趣性を向上させることが可能になる。
なお、本特徴の「遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)」を「所定の非特定状態(通常モード)より遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)」又は「所定の非特定状態(通常モード)より前記指示機能が作動しやすい特定状態(ATモード等)」と表現することもできる。また、本特徴の「前記特定終了手段による前記終了が行われない状況において予め定められた特定条件が成立した場合(サブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に達した場合等)に」を「前記特定終了手段による前記終了に対応させないで予め定められた特定条件(サブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に達すること等)の成立に基づいて」と表現することもできる。
特徴C2.前記第2手段は、前記特定状態にて特定演出が実行されるようにする手段(第2及び第3の実施の形態に係るサブ制御装置81によりATモードの実行中に疑似エンディング演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成では、第2手段による特定演出を特定状態の中で実行するため、特定演出が行われた後も特定状態が続くように演出することができる。この場合、遊技者の目線では、上記特定演出の実行により第1遊技状態の終了に伴って特定状態が終了すると考えていたところに、予想に反してその後も特定状態が続くように見えるため、遊技者の喜びと驚きを好適に喚起することができる。
特徴C3.前記特定状態の残りに対応した所定の残数(ATモードの残りゲーム数又は残り差枚数)を把握する把握手段(サブ制御装置81によりステップS3614の処理を実行する機能)を備え、
前記第2手段は、前記把握手段により把握された前記所定の残数が所定数以上である場合に特定演出が実行されるようにする手段(サブ制御装置81によりステップS3615、ステップS3616の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
例えば、第2手段による特定演出が途中で終了したり、第1手段による特定演出よりも短くなったりすると、不自然な印象となり、疑似的な特定演出であることを容易に悟られる懸念がある。この点、上記構成では、特定状態の残りを把握し、一定以上の残りが存在する場合を対象として上記特定演出を実行するものとしている。これにより、当該特定演出が途中で終了したり、短く制限されたりすることが抑制され、不自然な印象となることを抑制できる。
特徴C4.前記所定数は、特定演出の実行に要する残数に対して特定数を加算した加算値であることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
例えば、第2手段による特定演出の終了後、早期に特定状態が終了すると、遊技者が落胆する結果、喜びが半減してしまい、疑似的な特定演出の効果がうまく活かされない懸念がある。この点、本構成では、把握した特定状態の残りが、特定演出の実行に要する残数に対して特定数を加算した加算値以上である場合を対象として特定演出を実行するため、特定演出後の特定状態の継続期間をある程度確保した上で特定演出を実行することができる。これにより、特定演出後に特定状態が早期に終了してしまうことが抑制され、遊技者の落胆を抑制することが可能になる。
特徴C5.前記第2手段による特定演出の実行中に、前記特定状態の継続又は前記特定結果の当選に対応した所定報知(AT継続示唆演出、継続用演出)を実行することが可能な所定報知実行手段(第2の実施の形態の変形例1に係るサブ制御装置81によりAT継続示唆演出を実行する機能又は第3の実施の形態に係るサブ制御装置81により継続用演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C2乃至特徴C4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第2手段による特定演出の実行中において、特定状態の継続又は特定状態の当選に対応した所定報知が行われるため、特定演出の途中で遊技者自らが特定状態の継続や当選を引き当てたような印象を与えることができる。また、第2手段による特定演出は実際には第1遊技状態(特定状態)の終了に対応しない疑似的なものであるにもかかわらず、当該特定演出の終了を契機に遊技者が遊技をやめてしまうことも考えられる。この点、上記所定報知が行われることで、特定演出後の遊技継続を促すことができ、遊技者が遊技をやめて不利益を被ることが抑制される。
なお、本特徴において「前記第1手段による特定演出の実行中において前記所定報知の実行が制限されるように構成されている」という特徴をさらに備えてもよい。また、本特徴の「前記特定状態の継続又は前記特定結果の当選に対応した所定報知」は、「前記特定状態の継続又は前記特定結果の当選を遊技者が認識することが可能な所定報知」と表現することもできる。
特徴C6.前記第2手段による特定演出の終了後における前記特定状態の残りに対応した特定の残数(疑似エンディング演出後のATモードの残りゲーム数又は残り差枚数)を把握する残り把握手段(第2の実施の形態の変形例1に係るサブ制御装置81によりステップS4001の処理を実行する機能等)を備え、
前記残り把握手段により把握される前記特定の残数が所定数(第2所定ゲーム数)以上である場合に前記所定報知が実行される又は前記所定数未満である場合よりも前記所定報知が実行されやすくなるようにする手段(第2の実施の形態の変形例1に係るサブ制御装置81によりステップS4002、ステップS4003の処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
上記構成では、第2手段による特定演出の終了後における特定状態の残りが把握され、その残りが所定数以上であるか否かに基づいて所定報知の実行有無や実行頻度が制御される。これにより、特定演出後に特定状態が早期に終了してしまう状況で、所定報知による特定状態の継続や当選の示唆が行われることを抑制できる。
特徴C7.前記更新手段としての第1更新手段を備え、
前記第1更新手段は、前記所定の更新情報としての第1更新情報を更新するものであり、当該第1更新情報を1の前記第1遊技状態にて更新するように構成されており、
前記所定の更新契機に基づき複数の前記第1遊技状態を跨いで第2更新情報(サブ差枚数MY2、ATモードの消化ゲーム数等)を更新可能な第2更新手段(サブ制御装置81による差枚数管理用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2手段は、前記第2更新手段の更新結果に基づいて特定演出を実行する手段(サブ制御装置81によりステップS3613〜ステップS3617の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、複数の第1遊技状態を跨いで更新可能な第2更新情報を設け、この第2更新情報の更新結果に基づいて第2手段による特定演出を実行するため、実際には第1遊技状態が途中で終了している場合であっても、あたかも第1遊技状態の途切れが生じていないようにして特定演出を実行することができる。さらに上記第2更新情報を、第1遊技状態の終了制御に用いる第1更新情報と同一の更新契機で更新する構成としたため、特定演出が実行されるまでの挙動を第1手段による特定演出が行われる場合に類似させることができ、第2手段による疑似的な特定演出をより本物らしく見せることができる。加えて、上記第2更新情報を参照して第2手段による特定演出を実行することで、第1更新情報を用いた第1遊技状態の終了制御と独立して当該特定演出の実行制御を行うことができる。よって、第1遊技状態の適切な終了制御と疑似的な特定演出の実行制御とを好適に両立させることが可能になる。
特徴C8.前記第1手段は、前記第1更新手段の更新結果が前記所定結果となること(有利区間増減枚数MYがエンディング開始枚数に到達すること)又は前記所定結果となったこと(有利区間増減枚数MYが上限増加数に到達すること)に対応して特定演出が実行されるようにするものであり、
前記第2手段は、前記第2更新手段の更新結果が前記所定結果となること(サブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に到達すること)又は前記所定結果となったこと(サブ差枚数MY2が上限増加数に到達すること)に対応して特定演出が実行されるようにするものであることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
上記構成では、第1手段による真の特定演出を第1更新情報の更新結果が所定結果となる場合又はなった場合に実行するものとした上で、第2手段による疑似的な特定演出を、第2更新情報の更新結果が所定結果となる場合又はなった場合に実行する構成としている。すなわち、第2手段による特定演出の実行タイミングを第1手段による特定演出の実行タイミングと整合させるため、第2手段による特定演出をより本物らしく見せることができる。これにより、遊技者の満足感や達成感を喚起できるばかりか、特定演出後に第1遊技状態が継続することへの遊技者の喜びや驚きを好適に高めることが可能になる。
特徴C9.少なくとも複数の前記第1遊技状態を跨いで前記第2更新情報が更新された場合に、前記第2更新手段の更新結果に対応する特定報知(差枚数画像411)が実行されるようにする特定報知実行手段(サブ制御装置81による差枚数表示用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
上記構成では、複数の第1遊技状態を跨いで更新された第2更新情報の更新結果が特定報知により報知されるため、実際には途中で第1遊技状態が終了していても、あたかも1の第1遊技状態が続いているように見せることができる。よって、第2手段による特定演出が実行された場合に、上限到達により特定演出が行われたような印象を与えることができ、当該特定演出をより本物らしく見せることが可能になる。
特徴C10.前記所定結果に対応する所定値(2400枚、又は、差枚数が2399枚である状況や1500ゲーム目のゲームで押し順ベルに入賞した場合に払い出されるメダル数を加味した枚数)より大きい値に対応した前記特定報知が行われることを制限する特定制限手段(サブ制御装置81によるステップS3803の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C9に記載の遊技機。
第1更新情報の更新結果が所定結果になると第1遊技状態が終了することを遊技者が事前に知っていた場合において、その所定結果に対応する値よりも大きな値が特定報知により示されると、遊技者が不自然な印象を抱き、実際には第1遊技状態が終了していたと悟られやすくなる懸念がある。この点、本特徴では、所定結果に対応する値よりも大きな値の特定報知の実行が制限されるため、上記のような不自然な状態の発生を抑制することができる。
特徴C11.前記第2手段による特定演出の実行中又は終了後に、前記第1更新手段の更新結果に対応する第2特定報知(第2差枚数画像437)が実行されるようにする第2特定報知実行手段(第2の実施の形態に係るサブ制御装置81による差枚数表示用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C9又は特徴C10に記載の遊技機。
上記構成では、第2更新情報の更新結果に基づく特定報知と、第1更新情報の更新結果に基づく第2特定報知との両方が行われる。これにより、第1遊技状態の終了制御に対応した実際の値を遊技者が認識不可又は認識困難となって困惑することを抑制できる。
なお、本特徴において、「所定の場合(サブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に達した場合)に前記特定報知の実行が制限されるようにする手段を備え、前記第2特定報知実行手段は、前記特定報知の実行が制限される制限期間の少なくとも一部(疑似エンディング演出の実行中又は終了後)において前記第2特定報知が実行されるようにする手段を備えている」という特徴を備えてもよい。
特徴C12.前記第2手段により特定演出が実行された後、前記第1更新手段の更新結果が前記所定結果となる場合又は前記所定結果となった場合に所定の特典(設定示唆演出の実行)を付与することが可能な特典付与手段(サブ制御装置81によりステップS3714の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C8乃至特徴C11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第2手段により特定演出が実行された後に第1更新手段の更新結果が所定結果(第1遊技状態が終了する上限値)となると、特典が付与される。このため、第1更新手段の更新結果を上限に到達させる楽しみだけでなく、特定演出の実行を経由して第1更新手段の更新結果を上限に到達させる楽しみを付与することができる。
特徴C13.前記第1手段は、
前記第1遊技状態において、前記第2手段により特定演出が実行されることなく、前記第1更新手段の更新結果が前記所定結果となる場合又は前記所定結果となった場合に特定演出として第1特定演出(通常エンディング演出)が実行されるようにする第1特定演出手段(サブ制御装置81によるエンディング演出設定処理において通常エンディング演出を設定する機能)と、
前記第2手段により特定演出が実行された後、前記第1更新手段の更新結果が前記所定結果となる場合又は前記所定結果となった場合に特定演出として前記第1特定演出とは異なる態様(背景画像等が異なる)の第2特定演出(特別エンディング演出)が実行されるようにする第2特定演出手段(サブ制御装置81によるエンディング演出設定処理において特別エンディング演出を設定する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C8乃至特徴C12のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第2手段による特定演出の実行を経由して第1更新手段の更新結果を上限に到達させた場合に、上記特定演出の実行を経由しない場合とは異なる態様の特定演出が実行される。これにより、特定演出の実行を経由して第1更新手段の更新結果を上限に到達させたことへの特別感を演出することができ、遊技者の達成感を好適に喚起することが可能になる。
特徴C14.前記第2手段により特定演出が実行された後、前記第1更新手段の更新結果が前記所定結果となる場合又は前記所定結果となった場合に前記第1手段による特定演出の実行が制限されるようにする手段(第3の実施の形態に係るサブ制御装置81によりエンディング演出に代えてAT終了演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C8乃至特徴C10のいずれかに記載の遊技機。
第1更新情報は1の第1遊技状態の範囲内で更新される一方、第2更新情報は複数の第1遊技状態を跨いで更新可能であるため、これらの更新結果にはずれが生じ、第2更新情報の更新結果が所定結果となった後、早期に第1更新情報の更新結果が所定結果となる場合がある。このような場合に、第2更新情報の更新結果が所定結果になることと、第1更新情報の更新結果が所定結果になることとのそれぞれに対応して特定演出を実行すると、短期間で複数の特定演出が実行されるものとなり、遊技者に不自然な印象を与える懸念がある。この点、本特徴では、初期値から更新が開始された第1更新情報の更新結果が所定結果となるまでの過程において第2手段による特定演出が行われている場合には特定演出の実行が制限される。これにより、短期間で複数の特定演出が実行されることが抑制され、遊技者に不自然な印象を与えることを抑制することが可能になる。
特徴C15.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、
前記第1操作手段の操作に基づいて所定の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して絵柄を視認可能な位置に設定される有効位置に前記所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する遊技価値(メダル、クレジット、仮想遊技媒体)を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C14のいずれかに記載の遊技機。
上記構成を有するスロットマシンに上記特徴C1から特徴C14のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴C16.遊技状態として、第1遊技状態(有利区間)と、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態(通常区間)とを含む複数の遊技状態を有し、前記第1遊技状態にて遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)を遊技可能に構成された遊技機であって、
前記特定状態への移行を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定状態への移行を生じさせることに対応した特定結果となった場合(ATモード等に当選した場合)又は当該特定結果となった後に所定条件が場合(前兆モードが終了した場合等)に前記特定状態に移行させる特定状態移行手段(主制御装置101によるATモード移行用処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立した場合に遊技状態を前記第1遊技状態へ移行させる第1遊技状態移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる機能)と、
予め定められた終了条件が成立した場合に前記第1遊技状態を終了させる第1遊技状態終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる機能)と、
所定の場合に特定演出(エンディング演出)が実行されるように所定の演出手段(補助表示部65等)を制御する特定演出実行手段(第2及び第3の実施の形態に係るサブ制御装置81によるエンディング演出設定処理、エンディング演出実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定演出実行手段は、
前記第1遊技状態の終了に対応して特定演出(エンディング演出)が実行されるようにする第1手段(第2及び第3の実施の形態に係るサブ制御装置81による通常エンディング演出を実行する機能)と、
前記第1遊技状態が終了しない状況で予め定められた特定条件が成立した場合(サブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に達した場合等)に特定演出が実行されるようにする第2手段(第2及び第3の実施の形態に係るサブ制御装置81による疑似エンディング演出を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、第1遊技状態の終了に合わせて特定演出を実行するとともに、その特定演出を当該終了が行われない状況でも特定条件が成立した場合に実行することが可能な構成となっている。このような構成によれば、第1遊技状態が終了しない状況で特定演出を行うことにより、実際には第1遊技状態が終了しない状況であっても、第1遊技状態が終了すると遊技者に認識させることができる。すなわち、第1遊技状態が終了すると思わせてから第1遊技状態を継続させることができるため、遊技者の喜びと驚きを好適に喚起することができる。よって、遊技の興趣性を向上させることが可能になる。
なお、本特徴に対して上記特徴C2から特徴C15のいずれかの構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
特徴C17.遊技状態として、特定入賞(押し順ベル入賞)を成立させるための操作方法を報知する指示機能(押し順報知)が作動可能な第1遊技状態(有利区間)と、前記指示機能が作動しない第2遊技状態(通常区間)とを含む複数の遊技状態を有し、前記第1遊技状態にて遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)を遊技可能に構成された遊技機であって、
前記特定状態への移行を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定状態への移行を生じさせることに対応した特定結果となった場合(ATモード等に当選した場合)又は当該特定結果となった後に所定条件が成立した場合(前兆モードが終了した場合等)に前記特定状態に移行させる特定状態移行手段(主制御装置101によるATモード移行用処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立した場合に遊技状態を前記第1遊技状態へ移行させる第1遊技状態移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる機能)と、
前記第1遊技状態において所定の更新契機(メダル増減数の変化やゲーム消化等)に基づいて特定の更新情報(有利区間増減枚数MY、有利区間ゲーム数AG等)を更新する更新手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間増減枚数MY等の更新処理を実行する機能)と、
前記更新手段の更新結果が予め定められた所定結果(上限増加数、上限ゲーム数)となった場合に前記第1遊技状態を終了させる特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間増減枚数MY等の更新結果に基づいて有利区間を終了させる機能)と、
前記特定終了手段により前記第1遊技状態が終了されることに対応して特定演出(エンディング演出)が実行されるようにする第1手段(通常エンディング演出を実行する機能)と、
前記特定終了手段による前記終了が行われない状況で予め定められた特定条件が成立した場合(サブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に達した場合等)に前記特定演出(通常エンディング演出と同様の疑似エンディング演出)又は前記特定演出に対応した所定演出(通常エンディング演出とは異なる態様の疑似エンディング演出)が実行されるようにする第2手段(疑似エンディング演出を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、上記特徴C1と同様の作用効果を奏することが可能になる。なお、本特徴に対して上記特徴C2から特徴C15のいずれかの構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。上記特徴C2から特徴C15のいずれかの構成を本特徴に適用するに際しては、第2手段により実行される「特定演出」について「特定演出又は所定演出」と言い換えることができる。
なお、上記特徴C1乃至C17の各構成に対して、特徴A1乃至A19、特徴B1乃至B12、特徴C1乃至C17、特徴D1乃至D14、特徴E1乃至E11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴D群>
特徴D1.遊技状態として、特定入賞(押し順ベル入賞)を成立させるための操作方法を報知する指示機能(押し順報知)が作動可能な第1遊技状態(有利区間)と、前記指示機能が作動しない第2遊技状態(通常区間)とを含む複数の遊技状態を有し、前記第1遊技状態にて遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)を遊技可能に構成された遊技機であって、
前記特定状態への移行を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定状態への移行を生じさせることに対応した特定結果となった場合(ATモード等に当選した場合)又は当該特定結果となった後に所定条件が成立した場合(前兆モードが終了した場合等)に前記特定状態に移行させる特定状態移行手段(主制御装置101によるATモード移行用処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立した場合に遊技状態を前記第1遊技状態へ移行させる第1遊技状態移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる機能)と、
前記第1遊技状態において第1更新情報(有利区間増減枚数MY、有利区間ゲーム数AG等)を更新する第1更新手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間増減枚数MY等の更新処理を実行する機能)と、
前記第1更新手段の更新結果に基づいて前記第1遊技状態を終了させる特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間増減枚数MY等の更新結果に基づいて有利区間を終了させる機能)と、
前記第1遊技状態において第2更新情報(サブ差枚数MY2)を更新する第2更新手段(サブ制御装置81による差枚数管理用処理を実行する機能)と、
前記第2更新手段の更新結果に基づいて特定報知(差枚数画像411)を実行する特定報知実行手段(サブ制御装置81による差枚数表示用処理を実行する機能)と、
前記第2更新手段により更新された前記第2更新情報を初期化する初期化手段(第3の実施の形態に係るサブ制御装置81によるサブ差枚数クリア用処理、第2サブ差枚数クリア用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記初期化手段は、
前記第1遊技状態の終了に対応して前記初期化を行う第1手段(サブ制御装置81によるサブ差枚数クリア用処理を実行する機能)と、
前記第1遊技状態が終了しない状況で予め定められた特定条件(疑似エンディング演出の終了)が成立した場合に前記初期化を行う第2手段(サブ制御装置81による第2サブ差枚数クリア用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技状態として、特定入賞を成立させるための操作方法を報知する指示機能が作動可能な第1遊技状態と、そのような指示機能が作動しない第2遊技状態とを少なくとも有し、第1遊技状態にて有利な特定状態を遊技可能に構成された遊技機において、第1遊技状態にて例えば差枚数等の更新情報を更新し、その結果に基づいて報知を行うことで、遊技者が勝ち取った自身の実績として認識できるようにした遊技機がある。また、このような遊技機において、上記更新情報の更新結果に基づいて第1遊技状態を終了させるものがある。そのような事情の下、第1遊技状態の終了制御に用いる第1更新情報とは別に第2更新情報を設け、その更新結果に基づいて特定報知を実行するものとしている。この場合において、第1遊技状態の終了に対応させて上記第2更新情報の更新結果を初期化する第1手段だけでなく、第1遊技状態が終了しない状況で特定条件の成立により上記第2更新情報の更新結果を初期化する第2手段をさらに備えている。これら各手段により初期化が行われた場合、特定報知として第2更新情報の初期値に対応した報知がなされるため、第2手段により第1遊技状態が終了しない状況で初期化を行うことで、第1遊技状態が終了すると遊技者に思わせた上で第1遊技状態を継続させることができる。これにより、遊技者の喜びと驚きを好適に喚起することができ、遊技の興趣性を向上させることが可能になる。しかも、第1更新情報と独立して第2更新情報の初期化制御を行うことができるため、第1遊技状態の終了制御に支障を来すことなく、特殊タイミングでの初期化を行うことが可能になる。
なお、本特徴の「遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)」を「所定の非特定状態(通常モード)より遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)」と表現することもできる。
特徴D2.前記特定報知実行手段は、前記第2手段による前記初期化の後、初期化された前記第2更新情報を対象として更新された前記第2更新手段の更新結果に基づいて前記特定報知を実行する手段(疑似エンディング演出後のATモード中演出において差枚数画像411を表示する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成では、第2手段により第1遊技状態が終了しない状況で初期化が行われた後、初期化された第2更新情報を対象として更新された結果が特定報知により報知される。この場合、初期化タイミングを含む特定報知の実行期間において、特定報知により示される値が初期化により初期値に戻る様が遊技者に認識される。このため、より好適に第1遊技状態が終了したと思わせることができ、延いては遊技者の喜びと驚きを誘う効果を強化することができる。
特徴D3.前記第2手段は、前記特定状態にて前記初期化を行う手段(サブ制御装置81による第2サブ差枚数クリア用処理においてATモード中にMY2カウンタをクリアする機能)を備えていることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
遊技者にとって有利な特定状態は第1遊技状態でのみ移行可能であるため、特定状態が実行されている状況で特定終了手段により第1遊技状態が終了される場合、第1遊技状態の終了に伴い特定状態も終了する。このような特性に鑑み、特定状態の実行中に第2手段による初期化を行うことで、特定状態が終了したと遊技者に思わせることができる。つまり、本特徴によれば、特定状態が終了したと見せかけた上で特定状態を継続させることができ、遊技者の喜びと驚きを好適に喚起することが可能になる。
特徴D4.前記特定状態の残りに対応した所定の残数(ATモードの残りゲーム数又は残り差枚数)を把握する把握手段を備え、
前記第2手段は、前記把握手段により把握された前記所定の残数が所定数(疑似エンディング演出の実行に要するゲーム数に特定ゲーム数を加算した加算値)以上である場合に前記初期化を行う手段を備えていることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
例えば、第2手段による初期化の後、早期に特定状態が終了すると、遊技者が落胆する結果、喜びが半減してしまい、特殊タイミングでの初期化の効果がうまく活かされない懸念がある。この点、本構成では、初期化後における特定状態の継続期間がある程度確保された上で初期化が行われるため、初期化後に早期に特定状態が終了してしまうことが抑制され、遊技者の落胆を抑制することが可能になる。
特徴D5.前記第2手段による前記初期化の後に、前記特定状態の継続又は前記特定結果の当選に対応した所定報知(継続用演出)を実行することが可能な所定報知実行手段(第3の実施の形態に係るサブ制御装置81により継続用演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D3又は特徴D4に記載の遊技機。
上記構成では、第2手段による初期化の後、特定状態の継続又は特定状態の当選に対応した所定報知が行われるため、初期化前の特定状態又は初期化後において遊技者自らが特定状態の継続や当選を引き当てたような印象を与えることができる。また、第2手段による初期化は、実際には第1遊技状態(特定状態)の終了に対応しない疑似的なものであるにもかかわらず、当該初期化を契機として遊技者が遊技をやめてしまうことも考えられる。この点、上記所定報知が行われることで、初期化後の遊技継続を促すことができ、遊技者が遊技をやめて不利益を被ることを抑制できる。
なお、本特徴の「前前記特定状態の継続又は前記特定結果の当選に対応した所定報知」は、「前記特定状態の継続又は前記特定結果の当選を遊技者が認識することが可能な所定報知」と表現することもできる。
特徴D6.前記第2更新手段は、複数の前記第1遊技状態を跨いで前記第2更新情報を更新可能であることを特徴とする特徴D1乃至特徴D5のいずれかに記載の遊技機。
例えば、1の第1遊技状態の範囲内に制限して第2更新情報を更新すると、その更新範囲が狭く留まる懸念がある。この点、複数の第1遊技状態を跨いで第2更新情報を更新可能であるため、第1更新情報と同程度まで更新範囲を広げやすくなる。よって、第2手段による初期化があたかも第1更新情報の初期化であるような印象を与えることができ、特殊タイミングでの初期化による効果を高めることが可能になる。
特徴D7.予め定められた終了条件が成立した場合に前記第1遊技状態を終了させる第1遊技状態終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる機能)を備え、
前記終了条件として、前記特定終了手段の前記終了に対応した第1終了条件と、前記第1終了条件とは異なるものであって前記第1終了条件が成立していない状況で成立可能な第2終了条件(ATモードの終了、第2CZモードの終了)とを含む複数種の終了条件を有しており、
前記第1遊技状態終了手段は、複数種の前記終了条件のいずれかが成立した場合に前記第1遊技状態を終了させることを特徴とする特徴D6に記載の遊技機。
上記構成では、第1終了条件(第1更新手段の更新結果が所定結果となったこと)の成立だけでなく、第1終了条件の成立前に第2終了条件が成立することで、第1遊技状態が終了し得る。このような場合、第1遊技状態の期間が短くなるため、1の第1遊技状態の範囲内に制限して第2更新情報を更新すると、その更新範囲が狭くなる。このような構成に対して上記特徴D6の構成を適用することで、第1遊技状態の期間が短い状況でも第2更新情報の更新範囲を広くすることができ、特に有効となる。
特徴D8.前記特定終了手段は、前記第1更新手段の更新結果が予め定められた所定結果(上限増加数、上限ゲーム数)となった場合に前記終了を行うように構成されており、
前記第2手段は、前記第2更新手段の更新結果が前記所定結果になることに対応させて前記初期化を行う手段(サブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に達してから特定ゲーム数が消化された場合にMY2カウンタをクリアする機能)を備えていることを特徴とする特徴D6又は特徴D7に記載の遊技機。
第1更新手段の更新結果が所定結果となることで特定終了手段による第1遊技状態の終了が行われる構成の下、本特徴では、第2更新手段の更新結果が所定結果となることに対応させて第2手段による初期化が行われる。つまり、第2更新手段の更新結果に基づく特定報知により示される値が、第1遊技状態の終了に対応する所定結果に対応した値となることに応じて、第2手段による初期化が行われる。よって、第2手段による初期化があたかも第1遊技状態の上限到達に伴う初期化であるような印象を与えることができ、特殊タイミングでの初期化による効果を高めることが可能になる。
特徴D9.前記特定終了手段は、前記第1更新手段の更新結果が予め定められた所定結果(上限増加数、上限ゲーム数)となった場合に前記終了を行うように構成されており、
前記第1更新手段の更新結果が前記所定結果となる場合又は前記所定結果となった場合に特定演出(エンディング演出)を実行可能な特定演出実行手段(サブ制御装置81による通常エンディング演出を実行する機能)と、
前記第2手段による前記初期化が行われた前記第1遊技状態にて前記第1更新手段の更新結果が前記所定結果となる場合又は前記所定結果となった場合に前記特定演出実行手段による前記特定演出の実行を制限することが可能な制限手段(サブ制御装置81によるステップS3610,ステップS5101の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D6乃至特徴D8のいずれかに記載の遊技機。
第2手段による初期化は第1遊技状態が終了していない状況、すなわち、第1更新情報の更新途中で行われるため、第2手段による初期化が行われてから第1更新手段の更新結果が所定結果となるまでの期間は、そのような初期化を伴わずに所定結果となる場合の期間と比べると必然的に短くなる。第2手段による初期化に伴い特定報知にて初期値が示された後、そのような短い期間を経て、特定終了手段による第1遊技状態の終了に対応した特定演出が行われると、遊技者が不自然な印象を抱く懸念がある。この点、本特徴では、そのような場合に特定演出の実行を制限するため、不自然な印象を与えることを抑制できる。
特徴D10.前記第2手段による前記初期化が行われた前記第1遊技状態にて前記第1更新手段の更新結果が前記所定結果となる場合又は前記所定結果となった場合に、前記特定状態の終了に対応した所定の終了演出(AT終了演出)を実行する手段(サブ制御装置81によるステップS3610,ステップS5101の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D9に記載の遊技機。
上記構成では、第2手段による初期化が行われた第1遊技状態で第1更新手段の更新結果が所定結果となり、当該第1遊技状態が特定終了手段により終了される場合に、特定演出に代えて、特定状態の終了に対応した所定の終了演出を実行するものとしている。これにより、上限到達による第1遊技状態の終了ではなく、特定状態の終了に対応した第1遊技状態の終了であると思わせることができ、不自然な印象となることを抑制しながら、第1遊技状態の終了を遊技者に認識させることが可能になる。
特徴D11.前記第1遊技状態が終了する場合に特定演出(エンディング演出)を実行可能な第1特定演出実行手段(第3の実施の形態に係るサブ制御装置81による通常エンディング演出を実行する機能)と、
前記第1遊技状態が終了しない状況で前記特定演出を実行可能な第2特定演出実行手段(第3の実施の形態に係るサブ制御装置81による疑似エンディング演出を実行する機能)と、
前記第2特定演出実行手段による前記特定演出の実行と前記第2手段による前記初期化とが対応して行われるようにする手段(疑似エンディング演出の開示時、実行中又は終了後にサブ差枚数MY2をクリアする機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1遊技状態の終了に対応して特定演出が行われるところ、第1遊技状態が終了しない状況で疑似的に行われる特定演出とセットで第2手段による初期化が行われる。このため、第2手段による初期化が第1更新情報の初期化であり、第1遊技状態が終了したような印象を強調することができる。よって、第1遊技状態の終了を遊技者に感受させやすくなり、その後に第1遊技状態が継続することに対して遊技者の喜びや驚きを好適に喚起することが可能になる。
特徴D12.前記第1更新手段は、所定の更新契機(メダル増減数の変化や、ATモード中のゲーム消化等)に基づいて前記第1更新情報を更新するものであり、
前記第2更新情報は、前記所定の更新契機に基づいて前記第2更新情報を更新するものであることを特徴とする特徴D1乃至特徴D11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第2更新情報が第1更新情報と同じ契機で更新されるため、第2更新情報の更新挙動を第1更新情報の更新挙動と等しくすることができる。これにより、第2更新手段の更新結果に基づく特定報知を第1更新手段の更新結果に基づく報知の如く見せることができる。よって、第2手段による初期化が第1更新手段の更新結果の初期化であると遊技者に認識させやすくなり、延いては第1遊技状態が終了したと思わせやすくすることが可能になる。
特徴D13.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、
前記第1操作手段の操作に基づいて所定の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して絵柄を視認可能な位置に設定される有効位置に前記所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する遊技価値(メダル、クレジット、仮想遊技媒体)を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D12のいずれかに記載の遊技機。
上記構成を有するスロットマシンに上記特徴D1から特徴D12のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴D14.遊技状態として、第1遊技状態(有利区間)と、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態(通常区間)とを含む複数の遊技状態を有し、前記第1遊技状態にて遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)を遊技可能に構成された遊技機であって、
前記特定状態への移行を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定状態への移行を生じさせることに対応した特定結果となった場合(ATモード等に当選した場合)又は当該特定結果となった後に所定条件が成立した場合(前兆モードが終了した場合等)に前記特定状態に移行させる特定状態移行手段(主制御装置101によるATモード移行用処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立した場合に遊技状態を前記第1遊技状態へ移行させる第1遊技状態移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる機能)と、
予め定められた終了条件が成立した場合に前記第1遊技状態を終了させる第1遊技状態終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる機能)と、
前記第1遊技状態において所定の更新情報(サブ差枚数MY2)を更新する更新手段(サブ制御装置81による差枚数管理用処理を実行する機能)と、
前記更新手段の更新結果に基づいて特定報知(差枚数画像411)を実行する特定報知実行手段(サブ制御装置81による差枚数表示用処理を実行する機能)と、
前記更新手段により更新された前記所定の更新情報を初期化する初期化手段(第3の実施の形態に係るサブ制御装置81によるサブ差枚数クリア用処理、第2サブ差枚数クリア用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記初期化手段は、
前記第1遊技状態の終了に対応して前記初期化を行う第1手段(サブ制御装置81によるサブ差枚数クリア用処理を実行する機能)と、
前記第1遊技状態が終了しない状況で予め定められた特定条件(疑似エンディング演出の終了)が成立した場合に前記初期化を行う第2手段(サブ制御装置81による第2サブ差枚数クリア用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
第1遊技状態において例えば差枚数等の更新情報を更新し、その結果に基づいて特定報知を行うことで、遊技者が勝ち取った自身の実績として認識できるようにした遊技機がある。このような遊技機において、第1遊技状態の終了に対応させて更新情報の更新結果を初期化する第1手段だけでなく、第1遊技状態が終了しない状況で特定条件の成立により更新情報の更新結果を初期化する第2手段をさらに備えている。これら各手段により初期化が行われた場合、特定報知として更新情報の初期値に対応した報知がなされるため、第2手段による初期化を行うことで、第1遊技状態が終了すると遊技者に思わせた上で第1遊技状態を継続させることができる。これにより、遊技者の喜びと驚きを好適に喚起することができ、遊技の興趣性を向上させることが可能になる。
なお、本特徴に対して上記特徴D2から特徴D13のいずれかの構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴D1乃至D14の各構成に対して、特徴A1乃至A19、特徴B1乃至B12、特徴C1乃至C17、特徴D1乃至D14、特徴E1乃至E11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴E群>
特徴E1.遊技状態として、特定入賞(押し順ベル入賞)を成立させるための操作方法を報知する指示機能(押し順報知)が作動可能な第1遊技状態(有利区間)と、前記指示機能が作動しない第2遊技状態(通常区間)とを含む複数の遊技状態を有し、前記第1遊技状態にて遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)を遊技可能に構成された遊技機であって、
前記特定状態への移行を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定状態への移行を生じさせることに対応した特定結果となった場合(ATモード等に当選した場合)又は当該特定結果となった後に所定条件が成立した場合(前兆モードが終了した場合等)に前記特定状態に移行させる特定状態移行手段(主制御装置101によるATモード移行用処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立した場合に遊技状態を前記第1遊技状態へ移行させる第1遊技状態移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる機能)と、
前記第1遊技状態において所定の更新契機(ゲーム消化)に基づいて特定の更新情報(有利区間ゲーム数AG)を更新する更新手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間ゲーム数AGの更新処理を実行する機能)と、
前記更新手段の更新結果が予め定められた特定結果(上限ゲーム数)となった場合に前記第1遊技状態を終了させる特定終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間増減枚数MY等の更新結果に基づいて有利区間を終了させる機能)と、
前記特定終了手段による前記第1遊技状態の終了に対応する演出として特定演出(エンディング演出)を実行することが可能な特定演出実行手段(第4の実施の形態に係るサブ制御装置81によるエンディング演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定演出実行手段は、
前記特定終了手段により前記第1遊技状態が終了される場合に、終了対象の前記第1遊技状態(有利区間A)にて前記特定演出を実行することが可能な第1手段(サブ差枚数MY2が所定枚数以上である状況で有利区間Aでの有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達した場合に通常エンディング演出を実行可能とする機能)と、
前記特定終了手段により前記第1遊技状態が終了される場合に、終了対象の前記第1遊技状態より後の前記第1遊技状態(有利区間B)にて前記特定演出を実行することが可能な第2手段(サブ差枚数MY2が所定枚数以上である状況で有利区間Aでの有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達し、その後、有利区間Bでサブ差枚数MY2がエンディング開始枚数に到達した場合に疑似エンディング演出を実行可能とする機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、予め定められた移行条件が成立すると、遊技者にとって有利な特定状態を遊技可能な第1遊技状態に移行する。第1遊技状態では所定の更新契機に基づいて更新情報が更新され、その結果が特定結果になると、特定終了手段により第1遊技状態が強制終了される。その強制終了に対応する演出として特定演出が実行されるため、当該演出の実行を通じて上限到達を理由とする第1遊技状態の終了を遊技者が認識することが可能になる。しかしながら、このような遊技機では、遊技価値の獲得量等の実績が乏しい状況で上記更新結果が特定結果となり、第1遊技状態が強制終了されることがある。このような場合、遊技者が遊技に対する満足感や達成感を十分に得られない懸念がある。
そのような構成の下、本特徴では、特定終了手段により第1遊技状態が終了される場合において、終了対象である第1遊技状態にて上記特定演出を実行する場合と、終了対象の第1遊技状態よりも後の第1遊技状態にて上記特定演出を実行する場合とがある構成としている。この構成によれば、実績が不十分な状況で第1遊技状態が終了される場合に後の第1遊技状態に持ち越して特定演出を実行できるため、遊技者が満足感や達成感を得られやすい状況になってから特定演出を実行することが可能になる。よって、特定終了手段により第1遊技状態が終了される場合において遊技者が上記満足感等を得やすい構成とすることができ、遊技の興趣性を高めることが可能になる。
なお、本特徴の「遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)」を「所定の非特定状態(通常モード)より遊技者にとって有利な特定状態(ATモード等)」と表現することもできる。
特徴E2.前記第1手段により前記特定演出が実行されることなく、前記第2手段により前記特定演出が実行されるようにする手段(サブ制御装置81によるステップS6001、ステップS3613〜ステップS3617の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成では、第2手段により後の第1遊技状態で特定演出が実行される場合に、先の第1遊技状態での特定演出が実行されない。すなわち、特定終了手段により終了される先の第1遊技状態にて当該終了が遊技者に知らされないため、第1遊技状態が続いていると感受させることができ、上記特徴E1の効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴E3.前記第1手段による前記特定演出の実行と、前記第2手段による前記特定演出の実行とを予め定められた特定条件(メイン差枚数MY1が所定枚数以上であるか否か)に基づいて切り替える手段(サブ制御装置81によるED判定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
上記構成では、終了対象の第1遊技状態と後の第1遊技状態とのうちいずれを特定演出の実行対象とするのかが特定条件に基づいて切り替えられる。この場合、特定条件として、例えば、遊技実績に対応した条件を設定することで、終了対象となった第1遊技状態での遊技者の実績に応じて、特定演出の実行を後の第1遊技状態に持ち越すか否かを切り替えることが可能になる。
なお、本特徴は、「前記第1手段又は前記第2手段のいずれにより前記特定演出を実行するかを、予め定められた特定条件(メイン差枚数MY1が所定枚数以上であるか否か)に基づいて決定する手段(サブ制御装置81によるED判定処理を実行する機能)を備えている」と表現することもできる。
特徴E4.前記特定条件は、前記第1遊技状態での遊技実績に対応した所定情報(メイン差枚数MY1、ATモードの消化ゲーム数等)の値が所定値以上となることであることを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了対象となった先の第1遊技状態での実績が不足すると想定される場合を対象として、特定演出の実行を後の第1遊技状態に持ち越すことが可能になる。
特徴E5.予め定められた付与条件(押し順ベル等のメダル払い出しがある役の入賞)が成立した場合に遊技価値(メダル、クレジット、仮想遊技媒体)の付与を行う遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)を備え、
前記特定状態は、所定の非特定状態(通常モード)よりも前記付与条件が成立しやすい状態であり、
前記所定情報は、前記第1遊技状態における遊技価値の増減数に対応する情報(メイン差枚数MY1)であることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了対象となった先の第1遊技状態で十分な量の遊技価値を獲得できなかったと想定される場合を対象として、特定演出の実行を後の第1遊技状態に持ち越すことが可能になる。
特徴E6.前記所定情報は、前記特定状態の消化ゲーム数に対応する情報(ATモードの消化ゲーム数)であることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了対象となった先の第1遊技状態にて遊技者が特定状態を十分に堪能できなかったと想定される場合を対象として、定演出の実行を後の第1遊技状態に持ち越すことが可能になる。
特徴E7.前記特定終了手段により前記第1遊技状態が終了された後、所定ゲーム数以内に前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定結果となった場合又は前記特定状態に移行した場合に前記第2手段により前記特定演出を実行可能とする手段(サブ制御装置81によるステップS6201〜ステップS6204の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E6のいずれかに記載の遊技機。
例えば、特定終了手段により第1遊技状態が終了されてから後の第1遊技状態で特定状態に移行するまでの間隔が大きく開くような場合にあっては、当該間隔の開きにより遊技媒体(持ちメダル等)が大きく減少している可能性がある。このような場合、後の第1遊技状態で特定演出が行われても、遊技者としてはあまり嬉しくない印象を抱くおそれがある。この点、本特徴では、特定終了手段により第1遊技状態が終了された後、所定ゲーム数以内に特定状態に当選した場合又は特定状態に移行した場合、すなわち、比較的短期間で特定状態の当選等が生じた場合を対象として特定演出の持ち越しを行う構成としている。これにより、遊技媒体の減りが少なく遊技者が喜びやすい状況で特定演出を行うことができ、特定演出の持ち越しによる効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴E8.前記所定の更新契機としての第1更新契機に基づいて前記特定の更新情報としての第1更新情報を更新する、前記更新手段としての第1更新手段と、
前記第1更新契機とは異なる第2更新契機(メダル増減数の変化)に基づいて第2更新情報(サブ差枚数MY2)を更新する第2更新手段(サブ制御装置81による差枚数管理用処理を実行する機能)と、
前記第2更新手段の更新結果に基づいて特定報知(差枚数画像411)を実行することが可能な特定報知実行手段(サブ制御装置81による差枚数表示用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1遊技状態の終了制御に用いる第1更新情報とは別に第2更新情報が設けられ、この第2更新情報の更新結果に基づいて特定報知が行われる。すなわち、遊技者が実績として認識する結果は、第2更新情報の更新結果となる。この際、第1更新情報と第2更新情報とで更新契機が異なるため、第1更新情報の更新結果が第1遊技状態の終了に対応した上限状態に達していても、第2更新情報の更新結果が遊技者の達成感や満足感を満たす程度にまで進んでいない場合がある。このような場合に、上記特徴E1の構成を適用することで、特定終了手段により第1遊技状態が終了される場合において遊技者が物足りなさを感じることが抑制され、満足感等を得やすい構成とすることができる。
特徴E9.前記第2更新手段は、複数の前記第1遊技状態を跨いで前記第2更新情報を更新可能に構成されていることを特徴とする特徴E8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定終了手段により終了される第1遊技状態よりも後の第1遊技状態で特定演出を行う場合に、後の第1遊技状態において、終了対象となった先の第1遊技状態からの累積結果に対応した特定報知を行うことができる。これにより、後の第1遊技状態での特定報知にて、遊技者の満足感等を引き出しやすい結果を報知することができる。また、特定報知が先の第1遊技状態からの累積結果に対応することで、実際には特定終了手段により第1遊技状態が終了された状況であっても、第1遊技状態が継続している印象を与えることができ、1の第1遊技状態の中で成し遂げたように思わせることが可能になる。
特徴E10.前記特定の更新情報は、前記第1遊技状態での消化ゲーム数(有利区間ゲーム数AG)であることを特徴とする特徴E1乃至特徴E9のいずれかに記載の遊技機。
第1遊技状態での消化ゲーム数は、遊技者が受ける利益状況にかかわらず進んでいくため、遊技者の利益が十分に確保されないまま、上記消化ゲーム数が特定終了手段による第1遊技状態の終了値に達することがあり得る。このような場合に上記特徴E1を適用することで、後の第1遊技状態に持ち越して特定演出を実行できるものとなり、満足感等を得られやすい状況になってから特定演出を実行することが可能になる。
特徴E11.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、
前記第1操作手段の操作に基づいて所定の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して絵柄を視認可能な位置に設定される有効位置に前記所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する遊技価値(メダル、クレジット、仮想遊技媒体)を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成を有するスロットマシンに上記特徴E1から特徴E10のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
なお、上記特徴E1乃至E11の各構成に対して、特徴A1乃至A19、特徴B1乃至B12、特徴C1乃至C17、特徴D1乃至D14、特徴E1乃至E11のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴E群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴H群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。なお、上記各特徴をパチンコ遊技機に適用する場合、各特徴に係るゲーム(1ゲーム)は変動(1変動)であると解することができる。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。