以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において、同一の又は対応する構成には、同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。以下の説明において、X方向、Y方向、Z方向は互いに垂直な方向であり、X方向およびY方向は水平方向、Z方向は鉛直方向である。鉛直軸を回転中心とする回転方向をθ方向とも呼ぶ。
<基板処理システムによる処理前の基板>
図1は、一実施形態による基板処理システムによる処理前の基板を示す斜視図である。基板10は、例えば半導体基板、サファイア基板などである。基板10の第1主表面11は格子状に形成された複数のストリートで区画され、区画される領域には予め素子、回路、端子などが形成される。ストリート上に分割予定線13が設定される。
基板10の第1主表面11には、予めダイシングテープが貼合されてよい。ダイシングテープは、基板10の第1主表面11を保護して、第1主表面11に予め形成された素子、回路、端子などを保護する。
ダイシングテープは、シート基材と、シート基材の表面に塗布された粘着剤とで構成される。その粘着剤は、紫外線を照射すると硬化して、粘着力を低下するものであってよい。粘着力の低下後に、剥離操作によって簡単にダイシングテープを基板10から剥離できる。
ダイシングテープは、リング状のダイシングフレームの開口部を覆うようにダイシングフレームに装着され、ダイシングフレームの開口部において基板10と貼合されてもよい。これにより、ダイシングフレームを保持して基板10を搬送でき、基板10のハンドリング性を向上できる。
<基板処理システム>
図2は、一実施形態による基板処理システムを示す平面図である。基板処理システム1は、基板10のダイシング、基板10の薄板化などを行う。基板処理システム1は、搬入出ステーション20と、処理ステーション30と、制御部90とを備える。
搬入出ステーション20には、外部からキャリアCが搬入出される。キャリアCは、複数枚の基板10をZ方向に間隔をおいて収容する。搬入出ステーション20は、載置台21と、搬送領域25とを備える。
載置台21は、複数の載置板22を備える。複数の載置板22はY方向に一列に配列される。各載置板22にはキャリアCが載置される。一の載置板22上のキャリアCは処理前の基板10を収容し、他の一の載置板22上のキャリアCは処理後の基板10を収容してよい。
搬送領域25は、載置台21とX方向に隣接して配置される。搬送領域25には、Y方向に延在する搬送路26と、搬送路26に沿って移動可能な搬送装置27とが設けられる。搬送装置27は、Y方向だけではなく、X方向、Z方向およびθ方向に移動可能とされてよい。搬送装置27は、載置板22に載置されたキャリアCと、処理ステーション30のトランジション部35との間で、基板10の搬送を行う。
処理ステーション30は、搬送領域31と、トランジション部35と、後述のダイシング部100や薄板化部200などの各種の処理部とを備える。尚、処理部の配置や個数は、図2に示す配置や個数に限定されず、任意に選択可能である。また、複数の処理部は、任意の単位で、分散または統合して配置してもよい。
搬送領域31は、トランジション部35を基準として、搬送領域25とはX方向反対側に設けられる。トランジション部35や各種の処理部は、搬送領域31に離接して設けられ、搬送領域31を囲むように設けられる。
搬送領域31には、X方向に延在する搬送路32と、搬送路32に沿って移動可能な搬送装置33とが設けられる。搬送装置33は、X方向だけではなく、Y方向、Z方向およびθ方向に移動可能とされてよい。搬送装置33は、搬送領域31に隣接する処理部同士の間で基板10を搬送する。
ダイシング部100は、基板10のダイシングを行う。本明細書において、基板10のダイシングとは、基板10を複数のチップに分割するための加工を意味し、基板10を分割すること、基板10に分割の起点を形成することを含む。
例えば、ダイシング部100は、基板10の分割予定線13の一点にレーザ光線を照射し、そのレーザ照射点を分割予定線13上で移動させることにより、基板10のダイシングを行う。基板10の内部に破断の起点となる改質層を形成してもよいし、基板10のレーザ照射面にレーザ加工溝を形成してもよい。レーザ加工溝は、基板10を板厚方向に貫通してもよいし貫通しなくてもよい。
基板10の内部に改質層を形成する場合、基板10に対し透過性を有するレーザ光線が用いられる。一方、基板10のレーザ照射面にレーザ加工溝を形成する場合、基板10に対し吸収性を有するレーザ光線が用いられる。
尚、ダイシング部100は、本実施形態ではレーザ光線を基板10に照射するレーザ発振器を有するが、基板10を切削する切削ブレードを有してもよいし、基板10の表面にスクライブ溝を形成するスクラバーを有してもよい。
薄板化部200は、ダイシングされた基板10を薄板化する。ダイシング部100で分割の起点を形成する場合、薄板化の過程で基板10に加工応力が作用することにより、分割の起点から板厚方向にクラックが進展し、基板10が複数のチップに分割される。
例えば、薄板化部200は、回転テーブル201と、チャックテーブル202と、粗研削部210と、仕上げ研削部220と、ダメージ層除去部230とを有する。回転テーブル201は、回転テーブル201の中心線を中心に回転される。回転テーブル201の回転中心線の周りには、複数(例えば図2では4つ)のチャックテーブル202が等間隔で配設される。
複数のチャックテーブル202は、回転テーブル201と共に、回転テーブル201の中心線を中心に回転する。回転テーブル201の中心線は、鉛直とされる。回転テーブル201が回転する度に、粗研削部210、仕上げ研削部220およびダメージ層除去部230と向かい合うチャックテーブル202が変更される。
粗研削部210は、例えば回転砥石を用いて基板10の粗研削を行う。
仕上げ研削部220は、例えば回転砥石を用いて基板10の仕上げ研削を行う。
ダメージ層除去部230は、粗研削や仕上げ研削などの研削によって基板10の第2主表面12に形成されたダメージ層を除去する。
尚、薄板化部200は、基板10の研磨を行う研磨部を有してもよい。
制御部90は、例えばコンピュータで構成され、図2に示すようにCPU(Central Processing Unit)91と、メモリなどの記憶媒体92と、入力インターフェース93と、出力インターフェース94とを有する。制御部90は、記憶媒体92に記憶されたプログラムをCPU91に実行させることにより、各種の制御を行う。また、制御部90は、入力インターフェース93で外部からの信号を受信し、出力インターフェース94で外部に信号を送信する。
制御部90のプログラムは、情報記憶媒体に記憶され、情報記憶媒体からインストールされる。情報記憶媒体としては、例えば、ハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどが挙げられる。尚、プログラムは、インターネットを介してサーバからダウンロードされ、インストールされてもよい。
尚、薄板化部200は、図2では基板処理システム1の処理ステーション30に配設されるが、基板処理システム1の外部に設けられてもよい。この場合、ダイシングされた基板10は、基板処理システム1の外部において薄板化される。
また、ダイシング部100の処理と、薄板化部200の処理との順序は、逆でもよい。つまり、基板10は、薄板化部200で薄板化された後に、ダイシング部100でダイシングされてもよい。
<基板処理方法>
次に、上記構成の基板処理システム1を用いた基板処理方法について説明する。図3は、一実施形態による基板処理方法のフローチャートである。
図3に示すように基板処理方法は、搬入工程S101と、ダイシング工程S102と、薄板化工程S103と、搬出工程S104とを有する。これらの工程は、制御部90による制御下で実施される。尚、これらの工程の順序は、図3に示す順序には限定されない。
搬入工程S101では、搬送装置27が載置台21上のキャリアCから処理ステーション30のトランジション部35に基板10を搬送し、次いで、搬送装置33がトランジション部35からダイシング部100に基板10を搬送する。基板10がダイシングテープを介してダイシングフレームに予め装着された場合、搬送装置33や搬送装置27はダイシングフレームを保持して基板10を搬送する。
ダイシング工程S102では、ダイシング部100が、基板10の分割予定線13に沿って基板10のダイシングを行う。このとき、基板10の第1主表面11は、ダイシングテープで保護される。
薄板化工程S103では、薄板化部200が、基板10のダイシングテープで保護された第1主表面11とは反対側の第2主表面12を加工することにより、基板10を薄板化する。このとき、基板10の第1主表面11は、ダイシングテープで保護される。
搬出工程S104では、搬送装置33が薄板化部200などからトランジション部35に基板10を搬送し、次いで、搬送装置27がトランジション部35から載置台21上のキャリアCに基板10を搬送する。キャリアCは、載置台21から外部に搬出される。外部に搬出された基板10は、チップごとにピックアップされる。このようにして、チップが製造される。
尚、ダイシング工程S102と薄板化工程S103の順序は逆でもよい。つまり、基板10は、薄板化部200で薄板化された後に、ダイシング部100でダイシングされてもよい。
<第1実施形態のダイシング部>
図4は、第1実施形態によるダイシング部を示す平面図である。図4において、「101」および「102」は基板10のアライメント処理が行われる領域であり、「103」は基板10の加工処理が行われる領域である。また、領域101における黒丸は第1撮像部131(図7(c)等参照)の撮像中心を、領域102における黒丸は第2撮像部141(図7(b)等参照)の撮像中心を、領域103における黒丸はレーザ発振器151(図7(a)等参照)から発振されるレーザ光線の中心を表す。また、図4において、「31」はダイシング部100に対し基板10を搬入出させる搬送装置33(図2参照)が設けられる搬送領域である。
ダイシング部100は、第1保持部110と、第2保持部120と、第1アライメント部130と、第2アライメント部140と、加工部150と、保持部移動部160と、支持台180と、制御部90(図2、図5等参照)とを有する。尚、制御部90は、図2ではダイシング部100とは別に設けられるが、ダイシング部100の一部として設けられてよい。
第1保持部110は、基板10を保持する。例えば、第1保持部110は、基板10の第2主表面12を上に向けて、基板10を水平に保持する。第1保持部110としては、例えば真空チャックが用いられるが、静電チャックなどが用いられてもよい。
第2保持部120は、第1保持部110と同様に、基板10を保持する。例えば、第2保持部120は、基板10の第2主表面12を上に向けて、基板10を水平に保持する。第2保持部120としては、例えば真空チャックが用いられるが、静電チャックなどが用いられてもよい。
第1アライメント部130は、第1保持部110で保持されている基板10の分割予定線13(図1参照)を検出する。基板10の分割予定線13は、基板10の第1主表面11に予め格子状に形成される複数のストリート上に設定される。
第1アライメント部130は、例えば、第1保持部110で保持されている基板10の画像を撮像する第1撮像部131(図7(a)等参照)を有する。第1撮像部131は、支持台180に対し移動可能とされてもよいが、本実施形態では支持台180に対し固定される。
第1撮像部131は、第1保持部110の上方に設けられ、第1保持部110に保持されている基板10の上方から基板10の下面(第1主表面11)に予め形成されたストリートを撮像する。この場合、基板10を透過する赤外線像を撮像する赤外線カメラが第1撮像部131として用いられてよい。
第1アライメント部130は、第1撮像部131によって撮像した基板10の画像を、電気信号に変換して制御部90に送信する。制御部90は、第1撮像部131によって撮像したダイシング前の基板10の画像を画像処理することにより、第1保持部110に保持される基板10の分割予定線13の位置を検出する。その検出方法としては、基板10の第1主表面11に予め格子状に形成されるストリートのパターンと基準パターンとのマッチングを行う方法、基板10の外周上の複数の点から基板10の中心点と基板10の向きを求める方法などの公知の方法が用いられる。基板10の向きは、基板10の外周に形成されるノッチ19(図1参照)の位置などから検出される。ノッチ19の代わりに、オリエンテーションフラットが用いられてもよい。これにより、制御部90は、第1保持部110に固定される座標系での基板10の分割予定線13の位置を把握できる。尚、画像処理は、画像の撮像と平行して行われてもよいし、画像の撮像の後で行われてもよい。
第1アライメント部130は、コスト低減や設置面積低減のため、第1保持部110で保持されている基板10のダイシング結果を検出する第1検査部を兼ねてよい。この場合、第1撮像部131は、加工部150によって基板10に形成される加工跡を撮像する。加工部150によって基板10の内部に改質層が形成される場合、基板10を透過する赤外線像を撮像する赤外線カメラが第1撮像部131として用いられてよい。
第1アライメント部130は、第1撮像部131によって撮像した基板10の画像を、電気信号に変換して制御部90に送信する。制御部90は、第1撮像部131によって撮像したダイシング後の基板10の画像を画像処理することにより、第1保持部110で保持される基板10のダイシング結果を検出する。画像処理は、画像の撮像と平行して行われてもよいし、画像の撮像の後で行われてもよい。
本明細書において、ダイシング結果とは、ダイシングの異常の有無のことである。ダイシングの異常の有無としては、例えば、加工部150によって基板10に形成された加工跡と分割予定線13とのずれの有無、チッピングの有無などが挙げられる。
尚、第1アライメント部130は、本実施形態では第1検査部を兼ねるが、第1検査部を兼ねなくてもよい。つまり、第1アライメント部130と第1検査部とは、別々に設けられてもよい。その場合、第1検査部は、ダイシング部100の一部として設けられてもよいし、ダイシング部100の外部に設けられてもよい。
また、第1アライメント部130の代わりに、第1検査部のみがダイシング部100の一部として設けられてもよい。この場合、ダイシング部100の外部において分割予定線13の検出が行われ、搬送装置33が第1アライメント部130からダイシング部100の第1保持部110に基板10を搬送する。第1アライメント部130から搬送装置33への基板10の受け渡し、および搬送装置33から第1保持部110への基板10の受け渡しの際に、基板10の位置ずれがほとんど生じない場合、加工精度がほとんど低下しない。この場合、第1アライメント部130はダイシング部100の外部に設けられてよい。
第2アライメント部140は、第2保持部120で保持されている基板10の分割予定線13を検出する。基板10の分割予定線13は、基板10の第1主表面11に予め格子状に形成される複数のストリート上に設定される。
第2アライメント部140は、例えば、第2保持部120で保持されている基板10の画像を撮像する第2撮像部141(図7(a)等参照)を有する。第2撮像部141は、支持台180に対し移動可能とされてもよいが、本実施形態では支持台180に対し固定される。
第2撮像部141は、第2保持部120の上方に設けられ、第2保持部120に保持されている基板10の上方から基板10の下面(第1主表面11)に予め形成されたストリートを撮像する。この場合、基板10を透過する赤外線像を撮像する赤外線カメラが第2撮像部141として用いられてよい。
第2アライメント部140は、第2撮像部141によって撮像した基板10の画像を、電気信号に変換して制御部90に送信する。制御部90は、第2撮像部141によって撮像したダイシング前の基板10の画像を画像処理することにより、第2保持部120で保持される基板10の分割予定線13の位置を求める。これにより、制御部90は、第2保持部120に固定される座標系での基板10の分割予定線13の位置を把握できる。尚、画像処理は、画像の撮像と平行して行われてもよいし、画像の撮像の後で行われてもよい。
第2アライメント部140は、コスト低減や設置面積低減のため、第2保持部120で保持されている基板10のダイシング結果を検出する第2検査部を兼ねてよい。この場合、第2撮像部141は、加工部150によって基板10に形成される加工跡を撮像する。加工部150によって基板10の内部に改質層が形成される場合、基板10を透過する赤外線像を撮像する赤外線カメラが第2撮像部141として用いられてよい。
第2アライメント部140は、第2撮像部141によって撮像した基板10の画像を、電気信号に変換して制御部90に送信する。制御部90は、第2撮像部141によって撮像したダイシング後の基板10の画像を画像処理することにより、第2保持部120で保持される基板10のダイシング結果を検出する。画像処理は、画像の撮像と平行して行われてもよいし、画像の撮像の後で行われてもよい。
尚、第2アライメント部140は、本実施形態では第2検査部を兼ねるが、第2検査部を兼ねなくてもよい。つまり、第2アライメント部140と第2検査部とは、別々に設けられてもよい。その場合、第2検査部は、ダイシング部100の一部として設けられてもよいし、ダイシング部100の外部に設けられてもよい。
また、第2アライメント部140の代わりに、第2検査部のみがダイシング部100の一部として設けられてもよい。この場合、ダイシング部100の外部において分割予定線13の検出が行われ、搬送装置33が第2アライメント部140からダイシング部100の第2保持部120に基板10を搬送する。第2アライメント部140から搬送装置33への基板10の受け渡し、および搬送装置33から第2保持部120への基板10の受け渡しの際に、基板10の位置ずれがほとんど生じない場合、加工精度がほとんど低下しない。この場合、第2アライメント部140はダイシング部100の外部に設けられてよい。
加工部150は、第1アライメント部130によって検出された分割予定線13に沿って第1保持部110で保持されている基板10をダイシングする。また、加工部150は、第2アライメント部140によって検出された分割予定線13に沿って第2保持部120で保持されている基板10をダイシングする。
加工部150は、例えば基板10にレーザ光線を照射するレーザ発振器151(図7(a)等参照)などを有する。レーザ発振器151は、支持台180に対し移動可能とされてもよいが、本実施形態では支持台180に対し固定される。
レーザ発振器151は、第1保持部110や第2保持部120の上方に設けられ、基板10の上面(第2主表面12)にレーザ光線を照射する。レーザ光線は、基板10の内部に破断の起点となる改質層を形成してもよいし、基板10の上面にレーザ加工溝を形成してもよい。レーザ加工溝は、基板10を板厚方向に貫通してもよいし貫通しなくてもよい。
基板10の内部に改質層を形成する場合、基板10に対し透過性を有するレーザ光線が用いられる。一方、基板10の上面にレーザ加工溝を形成する場合、基板10に対し吸収性を有するレーザ光線が用いられる。
レーザ光線は、基板10の分割予定線13の一点に照射される。第1保持部110をY方向に移動させると、第1保持部110に保持されている基板10の加工点(例えばレーザ照射点)がY方向に移動し、Y方向に延びる加工跡が形成される。加工跡と分割予定線13とが一致するように、第1保持部110のX方向位置やθ方向位置が予め制御される。
その後、第1保持部110をX方向に移動させること、および第1保持部110をY方向に移動させることを繰り返し行う。これにより、Y方向に延びる加工跡が、X方向に間隔をおいて複数形成される。
尚、Y方向に延びる加工跡は、点線状および直線状のいずれでもよい。点線状の加工跡は、パルス発振されたレーザ光線で形成される。直線状の加工跡は、連続波発振されたレーザ光線で形成される。
その後、第1保持部110をθ方向に90°回転させたうえで、再び、Y方向に延びる加工跡をX方向に間隔をおいて複数形成する。これにより、第1保持部110に保持されている基板10に設定される格子状の分割予定線13に沿って、加工跡を形成できる。
同様に、第2保持部120をY方向、X方向、θ方向に移動させることにより、第2保持部120に保持されている基板10に設定される格子状の分割予定線13に沿って、加工跡を形成できる。
尚、本実施形態では、図4に示すようにY方向に延びる加工跡をX方向に間隔をおいて複数形成するが、X方向に延びる加工跡をY方向に間隔をおいて複数形成することも可能である。
尚、加工部150は、本実施形態ではレーザ光線を基板10に照射するレーザ発振器151を有するが、基板10を切削する切削ブレードを有してもよいし、基板10の上面にスクライブ溝を形成するスクラバーを有してもよい。
保持部移動部160は、Z方向視で第1アライメント部130と加工部150との間で第1保持部110を移動させる第1保持部駆動部161を有する。また、保持部移動部160は、Z方向視で第2アライメント部140と加工部150との間で第2保持部120を移動させる第2保持部駆動部171とを有する。
図4に示すように、Z方向視で、第1アライメント部130と第2アライメント部140とは、加工部150をX方向に挟んで設けられる。第1アライメント部130と、加工部150と、第2アライメント部140とがこの順で一直線上で並ぶことにより、第1保持部110の移動経路や第2保持部120の移動経路を短縮でき、ダイシング部100の設置面積を低減できる。
第1保持部駆動部161は、例えば支持台180に対し、第1保持部110をX方向、Y方向およびθ方向に移動させる。尚、第1保持部駆動部161は、支持台180に対し、第1保持部110をZ方向にも移動させてもよい。
第1保持部駆動部161は、X方向に延びる第1X軸ガイド162と、第1X軸ガイド162に沿って移動される第1X軸スライダ163とを有する。また、第1保持部駆動部161は、Y方向に延びる第1Y軸ガイド164と、第1Y軸ガイド164に沿って移動される第1Y軸スライダ165とを有する。さらに、第1保持部駆動部161は、θ方向に移動される第1回転板166(図7(a)等参照)とを有する。
支持台180に対し、例えば第1X軸ガイド162が固定される。第1X軸ガイド162に沿って移動される第1X軸スライダ163には、第1Y軸ガイド164が固定される。第1Y軸ガイド164に沿って移動される第1Y軸スライダ165には、第1回転板166が回転可能に設けられる。第1回転板166には、第1保持部110が固定される。
第2保持部駆動部171は、例えば支持台180に対し、第2保持部120をX方向、Y方向およびθ方向に移動させる。尚、第2保持部駆動部171は、支持台180に対し、第2保持部120をZ方向にも移動させてもよい。
第2保持部駆動部171は、X方向に延びる第2X軸ガイド172と、第2X軸ガイド172に沿って移動されるX軸スライダ173とを有する。また、第2保持部駆動部171は、Y方向に延びる第2Y軸ガイド174と、第2Y軸ガイド174に沿って移動される第2Y軸スライダ175とを有する。さらに、第2保持部駆動部171は、θ方向に移動される第2回転板176(図7(a)等参照)とを有する。
支持台180に対し、例えば第2X軸ガイド172が固定される。第2X軸ガイド172に沿って移動される第2X軸スライダ173には、第2Y軸ガイド174が固定される。第2Y軸ガイド174に沿って移動される第2Y軸スライダ175には、第2回転板176が回転可能に設けられる。第2回転板176には、第2保持部120が固定される。
第1X軸ガイド162と、第2X軸ガイド172とは、一体に形成され、連続的に延びる。一方、第1X軸スライダ163と、第2X軸スライダ173とは、独立にX方向に移動される。また、第1Y軸スライダ165と、第2Y軸スライダ175とは、独立にY方向に移動される。さらに、第1回転板166と、第2回転板176とは、独立にθ方向に移動される。
本実施形態によれば、第1X軸ガイド162と第2X軸ガイド172とは、一体に形成され、Z方向視で、第1アライメント部130、加工部150および第2アライメント部140に亘って設けられる。第1X軸ガイド162と第2X軸ガイド172とが分割され隙間をおいて設けられる場合に比べて、第1保持部110の移動経路と第2保持部120の移動経路とが重なる領域103において、第1保持部110の姿勢や第2保持部120の姿勢を安定化できる。
支持台180は、ダイシング部100を支持する床109(図7(a)等参照)に設置され、第1保持部110および第2保持部120を移動可能に支持する。支持台180は、第1保持部110および第2保持部120の他、第1アライメント部130、第2アライメント部140、加工部150、および保持部移動部160を支持する。
図5は、第1実施形態による制御部の構成要素を機能ブロックで示す図である。図5に図示される各機能ブロックは概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。各機能ブロックの全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。各機能ブロックにて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUにて実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。後述の図19において同様である。
図5に示すように、制御部90は、受取処理部901、アライメント処理部902、加工処理部903、検査処理部904、搬出処理部905などを有する。
受取処理部901は、搬送装置33などを制御して、搬送装置33から渡される基板10を第1保持部110で受け取って保持する受取処理を実行する。また、受取処理部901は、搬送装置33などを制御して、搬送装置33から渡される基板10を第2保持部120で受け取って保持する受取処理を実行する。
アライメント処理部902は、第1アライメント部130および第1保持部駆動部161を制御して、第1保持部110で保持されている基板10の分割予定線13を検出するアライメント処理を実行する。また、アライメント処理部902は、第2アライメント部140および第2保持部駆動部171を制御して、第2保持部120で保持されている基板10の分割予定線13を検出するアライメント処理を実行する。
加工処理部903は、加工部150および第1保持部駆動部161を制御して、第1保持部110で保持されている基板10の分割予定線13に沿って基板10をダイシングする加工処理を実行する。また、加工処理部903は、加工部150および第2保持部駆動部171を制御して、第2保持部120で保持されている基板10の分割予定線13に沿って基板10をダイシングする加工処理を実行する。
検査処理部904は、第1検査部および第1保持部駆動部161を制御して、第1保持部110で保持されている基板10のダイシング結果を検出する検査処理を実行する。また、検査処理部904は、第2検査部および第2保持部駆動部171を制御して、第2保持部120で保持されている基板10のダイシング結果を検出する検査処理を実行する。
搬出処理部905は、搬送装置33などを制御して、第1保持部110に保持されている基板10を搬送装置33に渡す搬出処理を実行する。このとき、第1保持部110による基板10の保持は解除される。また、搬出処理部905は、搬送装置33などを制御して、第2保持部120に保持されている基板10を搬送装置33に渡す搬出処理を実行する。このとき、第2保持部120による基板10の保持は解除される。
図6は、第1実施形態によるダイシング方法を説明するためのタイムチャートである。図6は、第1保持部110で保持される基板10の処理と、第2保持部120で保持される基板10の処理とのタイミングを示す。
図6に示すように、制御部90は、第1保持部110で保持される基板10の一連の処理を、基板10を交換して繰り返し行う。同様に、制御部90は、第2保持部120で保持される基板10の一連の処理を、基板10を交換して繰り返し行う。一連の処理は、例えば、受取処理、アライメント処理、加工処理、検査処理、および搬出処理を含む。
次に、図6に加えて図7〜図9を参照して、第2保持部120で保持される基板10の一連の処理を説明する。図7は、図6の時刻t1、時刻t2および時刻t3におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図8は、図6の時刻t4、時刻t5および時刻t6におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図9は、図6の時刻t7および時刻t8におけるダイシング部の状態を示す側面図である。
図7(a)は、図6の時刻t1におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図6および図7(a)に示すように、制御部90は、第1保持部110で保持されている基板10の加工処理中に、第2保持部120による基板10の受取処理を実行する。一の基板10の加工処理中に、他の基板10の加工処理の準備(ここでは受取処理)を実行することにより、ダイシング部100のスループットを向上できる。尚、図6では、第1保持部110で保持されている基板10の加工処理の開始から終了までの間に、第2保持部120による基板10の受取処理の全体が実行されるが、その受取処理の一部のみが実行されてもよい。
図7(b)は、図6の時刻t2におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図6および図7(b)に示すように、制御部90は、第1保持部110で保持されている基板10の加工処理中に、第2保持部120で保持されている基板10のアライメント処理を実行する。一の基板10の加工処理中に、他の基板10の加工処理の準備(ここではアライメント処理)を実行することにより、ダイシング部100のスループットを向上できる。尚、図6では、第1保持部110で保持されている基板10の加工処理の開始から終了までの間に、第2保持部120で保持されている基板10のアライメント処理の全体が実行されるが、そのアライメント処理の一部のみが実行されてもよい。
図7(c)は、図6の時刻t3におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図6および図7(c)に示すように、制御部90は、第2保持部120で保持されている基板10の加工処理中に、第1保持部110で保持されている基板10の検査処理を実行する。一の基板10の加工処理中に、他の基板10の加工処理の後始末(ここでは検査処理)を実行することにより、ダイシング部100のスループットを向上できる。尚、図6では、第2保持部120で保持されている基板10の加工処理の開始から終了までの間に、第1保持部110で保持されている基板10の検査処理の全体が実行されるが、その検査処理の一部のみが実行されてもよい。
図8(a)は、図6の時刻t4におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図6および図8(a)に示すように、制御部90は、第2保持部120で保持されている基板10の加工処理中に、第1保持部110からの基板10の搬出処理を実行する。一の基板10の加工処理中に、他の基板10の加工処理の後始末(ここでは搬出処理)を実行することにより、ダイシング部100のスループットを向上できる。尚、図6では、第2保持部120で保持されている基板10の加工処理の開始から終了までの間に、第1保持部110からの基板10の搬出処理の全体が実行されるが、その搬出処理の一部のみが実行されてもよい。
図8(b)は、図6の時刻t5におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図6および図8(b)に示すように、制御部90は、第2保持部120で保持されている基板10の加工処理中に、第1保持部110による基板10の受取処理を実行する。一の基板10の加工処理中に、他の基板10の加工処理の準備(ここでは受取処理)を実行することにより、ダイシング部100のスループットを向上できる。尚、図6では、第2保持部120で保持されている基板10の加工処理の開始から終了までの間に、第1保持部110による基板10の受取処理の全体が実行されるが、その受取処理の一部のみが実行されてもよい。
図8(c)は、図6の時刻t6におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図6および図8(c)に示すように、制御部90は、第2保持部120で保持されている基板10の加工処理中に、第1保持部110で保持されている基板10のアライメント処理を実行する。一の基板10の加工処理中に、他の基板10の加工処理の準備(ここではアライメント処理)を実行することにより、ダイシング部100のスループットを向上できる。尚、図6では、第2保持部120で保持されている基板10の加工処理の開始から終了までの間に、第1保持部110で保持されている基板10のアライメント処理の全体が実行されるが、そのアライメント処理の一部のみが実行されてもよい。
図9(a)は、図6の時刻t7におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図6および図9(a)に示すように、制御部90は、第1保持部110で保持されている基板10の加工処理中に、第2保持部120で保持されている基板10の検査処理を実行する。一の基板10の加工処理中に、他の基板10の加工処理の後始末(ここでは検査処理)を実行することにより、ダイシング部100のスループットを向上できる。尚、図6では、第1保持部110で保持されている基板10の加工処理の開始から終了までの間に、第2保持部120で保持されている基板10の検査処理の全体が実行されるが、その検査処理の一部のみが実行されてもよい。
図9(b)は、図6の時刻t8におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図6および図9(b)に示すように、制御部90は、第1保持部110で保持されている基板10の加工処理中に、第2保持部120からの基板10の搬出処理を実行する。一の基板10の加工処理中に、他の基板10の加工処理の後始末(ここでは搬出処理)を実行することにより、ダイシング部100のスループットを向上できる。尚、図6では、第1保持部110で保持されている基板10の加工処理の開始から終了までの間に、第2保持部120からの基板10の搬出処理の全体が実行されるが、その搬出処理の一部のみが実行されてもよい。
尚、本実施形態によれば、第1保持部110と第2保持部120のいずれか一方(例えば第1保持部駆動部161と第2保持部駆動部171のいずれか一方)のみに異常が発生する場合に、残りの一方で基板10の処理が可能である。同様に、第1アライメント部130と第2アライメント部140の一方のみに異常が発生する場合に、残りの一方でアライメント処理が可能である。
<第2実施形態のダイシング部>
上記第1実施形態のダイシング部100は、第1保持部110および第2保持部120を移動可能に支持する支持台180を有する。これに対し、本実施形態のダイシング部は、第1保持部110を移動可能に支持する第1支持台と、第2保持部120を移動可能に支持する第2支持台とを有する。第1支持台と、第2支持台とは、分割されており、隙間をおいて設置される。以下、主に相違点について説明する。
図10は、第2実施形態によるダイシング部を示す平面図である。図10において、「101」および「102」は基板10のアライメント処理が行われる領域であり、「103」は基板10の加工処理が行われる領域である。また、図10において、「31」はダイシング部100Aに対し基板10を搬入出させる搬送装置33(図2参照)が設けられる搬送領域である。図11は、第2実施形態によるダイシング部を示す側面図である。
ダイシング部100Aは、上記第1実施形態のダイシング部100と同様に、第1保持部110と、第2保持部120と、第1アライメント部130と、第2アライメント部140と、加工部150と、保持部移動部160と、制御部90(図2および図5参照)とを有する。
制御部90は、第1保持部110に保持される基板10の処理と、第2保持部120に保持される基板10の処理とを同時に実施する(図6参照)。これにより、上記第1実施形態と同様に、一の基板10の加工処理中に、他の一の基板10の加工処理以外の処理(例えば受取処理、アライメント処理、検査処理、搬出処理)を行うことができ、スループットを向上できる。
ところで、第1保持部110に保持される基板10の加工処理では、第1保持部110の移動と停止が繰り返され、第1保持部110の加速や減速によって振動が生じる。同様に、第2保持部120に保持される基板10の加工処理では、第2保持部120の移動と停止が繰り返され、第2保持部120の加速や減速によって振動が生じる。
そこで、本実施形態のダイシング部100Aは、一の基板10の加工処理によって生じる振動が他の一の基板10の加工処理以外の処理(例えばアライメント処理や検査処理)に悪影響を及ぼすことを抑制するため、第1支持台181Aと、第2支持台182Aとを有する。
第1支持台181Aは、第1保持部110を移動可能に支持し、例えば第1保持部110および第1保持部駆動部161を支持する。一方、第2支持台182Aは、第2保持部120を移動可能に支持し、例えば第2保持部120および第2保持部駆動部171を支持する。
図11に示すように、第1保持部駆動部161の第1X軸ガイド162と、第2保持部駆動部171の第2X軸ガイド172とは、分割されており、隙間をおいて設置され、連結されない。第1X軸ガイド162は第1支持台181Aに設置され、第2X軸ガイド172は第2支持台182Aに設置される。
第1支持台181Aと、第2支持台182Aとは、分割されており、隙間をおいて設置され、連結されない。これにより、第1支持台181Aと第2支持台182Aとの間での振動の伝達を抑制できる。その結果、例えば第1保持部110に保持される基板10の加工処理中に、その加工処理によって生じる振動が第1支持台181Aから第2支持台182Aへ伝達することを抑制でき、第2保持部120に保持される基板10のアライメント処理や検査処理を精度良く実施できる。また、第2保持部120に保持される基板10の加工処理中に、その加工処理によって生じる振動が第2支持台182Aから第1支持台181Aへ伝達することを抑制でき、第1保持部110に保持される基板10のアライメント処理や検査処理を精度良く実施できる。
第1支持台181Aは図11では床109に設置されるが、第1支持台181Aと床109との間に振動を吸収する除振台が設けられてもよい。床109を介した第1支持台181と第2支持台182との間での振動の伝達を抑制できる。
同様に、第2支持台182Aは図11では床109に設置されるが、第2支持台182Aと床109との間に振動を吸収する除振台が設けられてもよい。床109を介した第1支持台181と第2支持台182との間での振動の伝達を抑制できる。
ところで、加工部150は、第1保持部110で保持される基板10の加工処理と、第2保持部120で保持される基板10の加工処理の両方に用いられる。
そこで、本実施形態のダイシング部100Aは、第1保持部110で保持される基板10の加工精度と、第2保持部120で保持される基板10の加工精度とを揃えるため、加工部150を支持する加工部支持台183Aを有する。
図10に示すように、加工部支持台183Aは、第1支持台181Aおよび第2支持台182Aの両方と分割され、その両方と隙間をおいて設置される。これにより、第1支持台181Aおよび第2支持台182Aの両方から加工部支持台183Aへの振動の伝達を抑制できる。
仮に、加工部支持台183Aが第1支持台181Aおよび第2支持台182Aのいずれか一方のみと一体化される場合、いずれか一方のみから加工部支持台183Aに振動が伝達される。
本実施形態によれば、第1支持台181Aおよび第2支持台182Aの両方から加工部支持台183Aへの振動の伝達を抑制できるので、第1保持部110で保持される基板10の加工精度と第2保持部120で保持される基板10の加工精度とを揃えることができる。
加工部支持台183Aは直接に床109に設置されるが、加工部支持台183Aと床109との間に振動を吸収する除振台が設けられてもよい。床109から加工部支持台183Aへの振動の伝達を抑制できる。
ところで、第1アライメント部130は、第1保持部110で保持される基板10のアライメント処理や検査処理に用いられる。そのアライメント処理や検査処理は、第2保持部120で保持される基板10の加工処理中に行われる。その加工処理中に生じる振動が第1アライメント部130に伝達することを抑制できれば、第1保持部110で保持される基板10のアライメント処理や検査処理を精度良く実施できる。
そのためには、第1アライメント部130を支持する第1アライメント部支持台184Aは、第2支持台182Aと一体化されていなければよい。第1アライメント部支持台184Aは、図10に示すように第1支持台181Aと一体化されてもよいし、第1支持台181Aと分割され隙間をおいて設置されてもよい。
同様の理由で、第2アライメント部140を支持する第2アライメント部支持台185Aは、第1支持台181Aと一体化されていなければよい。第2アライメント部支持台185Aは、図10に示すように第2支持台182Aと一体化されてもよいし、第2支持台182Aと分割され隙間をおいて設置されてもよい。
尚、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、第1保持部110と第2保持部120のいずれか一方(例えば第1保持部駆動部161と第2保持部駆動部171のいずれか一方)のみに異常が発生する場合に、残りの一方で基板10の処理が可能である。同様に、第1アライメント部130と第2アライメント部140の一方のみに異常が発生する場合に、残りの一方でアライメント処理が可能である。
<第3実施形態のダイシング部>
上記第1実施形態のダイシング部100は、第1保持部110および第2保持部120をそれぞれ1つ有し、一の基板10の加工処理中に、他の一の基板10の加工処理以外の処理(例えば受取処理、アライメント処理、検査処理、搬出処理)を行う。これに対し、本実施形態のダイシング部は、第1保持部110および第2保持部120をそれぞれ複数有し、一部の基板10の加工処理中に、他の一部の基板10の加工処理以外の処理を行うだけではなく、さらに他の少なくとも一部の基板10の加工処理をも行う。これにより、スループットをさらに向上できる。以下、主に相違点について説明する。
図12は、第3実施形態によるダイシング部を示す平面図である。図12において、「101」および「102」は基板10のアライメント処理が行われる領域であり、「103」は基板10のダイシング処理が行われる領域である。また、図12において、「31」はダイシング部100Bに対し基板10を搬入出させる搬送装置33(図2参照)が設けられる搬送領域である。図13は、第3実施形態によるダイシング部を示す側面図である。
ダイシング部100Bは、複数の第1保持部110と、複数の第2保持部120と、第1アライメント部130と、第2アライメント部140と、加工部150と、保持部移動部160Bと、制御部90(図2および図5参照)とを有する。
図12に示すように、Z方向視で、第1アライメント部130と第2アライメント部140とはX方向に並ぶ。第1アライメント部130は、複数の第1保持部110に対応して複数の第1撮像部131を有するが、1つの第1撮像部131を有してよい。同様に、第2アライメント部140は、複数の第2保持部120に対応して複数の第2撮像部141を有するが、1つの第2撮像部141を有してよい。
第1アライメント部130は、本実施形態では第1保持部110で保持される基板10のダイシング結果を検出する第1検査部を兼ねるが、第1検査部を兼ねなくてもよい。また、第1アライメント部130の代わりに、第1検査部のみがダイシング部100Bの一部として設けられてもよい。
同様に、第2アライメント部140は、本実施形態では第2保持部120で保持される基板10のダイシング結果を検出する第2検査部を兼ねるが、第2検査部を兼ねなくてもよい。また、第2アライメント部140の代わりに、第2検査部のみがダイシング部100Bの一部として設けられてもよい。
図12に示すように、Z方向視で、第1アライメント部130と第2アライメント部140とは、加工部150をX方向に挟んで設けられる。加工部150は、例えば1つのレーザ発振器151(図13参照)を有する。
保持部移動部160Bは、Z方向視で第1アライメント部130と加工部150との間で複数の第1保持部110を移動させる第1保持部駆動部161Bを有する。また、保持部移動部160Bは、Z方向視で第2アライメント部140と加工部150との間で複数の第2保持部120を移動させる第2保持部駆動部171Bとを有する。
第1保持部駆動部161Bは、例えば支持台180に対し、複数の第1保持部110を同時にX方向に移動させ、複数の第1保持部110を独立にY方向およびθ方向に移動させる。尚、第1保持部駆動部161Bは、複数の第1保持部110を独立にZ方向にも移動させてもよい。
第1保持部駆動部161Bは、上記第1実施形態の第1保持部駆動部161と同様に、第1X軸ガイド162と、第1X軸スライダ163と、第1Y軸ガイド164と、第1Y軸スライダ165と、第1回転板166(図13等参照)とを有する。
複数の第1保持部110を独立にθ方向に移動させるため、複数の第1保持部110は図13に示すように異なる第1回転板166に固定される。これにより、加工部150に対し、複数の第1保持部110で保持されている基板10のθ方向位置合わせを独立に行うことができる。
また、複数の第1保持部110を独立にY方向に移動させるため、複数の第1回転板166は図13に示すように互いに異なる第1Y軸スライダ165に回転可能に設けられる。これにより、加工部150に対し、複数の第1保持部110で保持されている基板10のY方向位置合わせを独立に行うことができる。
制御部90は、加工処理中に、X方向に並ぶ複数の第1保持部110をX方向に同一速度で同時に移動させることにより、同一直線上に間隔をおいて並ぶ複数の分割予定線13に沿って加工跡を形成する処理を実行する(図14参照)。加工跡と分割予定線13とが一致するように、複数の第1保持部110のY方向位置やθ方向位置が予め制御される。
その後、制御部90は、複数の第1保持部110をY方向に移動させること、および複数の第1保持部110をX方向に移動させることを繰り返し行う。これにより、X方向に延びる加工跡が、Y方向に間隔をおいて複数形成される。尚、X方向に延びる加工跡は、点線状および直線状のいずれでもよい。
その後、複数の第1保持部110をθ方向に90°回転させたうえで、再び、X方向に延びる加工跡をY方向に間隔をおいて複数形成する。これにより、複数の基板10に設定される格子状の分割予定線13に沿って、加工跡を形成できる。
第2保持部駆動部171Bは、例えば支持台180に対し、複数の第2保持部120を同時にX方向に移動させ、複数の第2保持部120を独立にY方向およびθ方向に移動させる。尚、第2保持部駆動部171Bは、複数の第2保持部120を独立にZ方向にも移動させてもよい。
第2保持部駆動部171Bは、上記第1実施形態の第2保持部駆動部171と同様に、第2X軸ガイド172と、第2X軸スライダ173と、第2Y軸ガイド174と、第2Y軸スライダ175と、第2回転板176(図13等参照)とを有する。
複数の第2保持部120を独立にθ方向に移動させるため、複数の第2保持部120は図13に示すように異なる第2回転板176に固定される。これにより、加工部150に対し、複数の第2保持部120で保持されている基板10のθ方向位置合わせを独立に行うことができる。
また、複数の第2保持部120を独立にY方向に移動させるため、複数の第2回転板176は図13に示すように互いに異なる第2Y軸スライダ175に回転可能に設けられる。これにより、加工部150に対し、複数の第2保持部120で保持されている基板10のY方向位置合わせを独立に行うことができる。
制御部90は、加工処理中に、X方向に並ぶ複数の第2保持部120をX方向に同一速度で同時に移動させることにより、同一直線上に間隔をおいて並ぶ複数の分割予定線13に沿って加工跡を形成する処理を実行する(図14参照)。加工跡と分割予定線13とが一致するように、複数の第2保持部120のY方向位置やθ方向位置が予め制御される。
その後、制御部90は、複数の第2保持部120をY方向に移動させること、および複数の第2保持部120をX方向に移動させることを繰り返し行う。これにより、X方向に延びる加工跡が、Y方向に間隔をおいて複数形成される。尚、X方向に延びる加工跡は、点線状および直線状のいずれでもよい。
その後、複数の第2保持部120をθ方向に90°回転させたうえで、再び、X方向に延びる加工跡をY方向に間隔をおいて複数形成する。これにより、複数の基板10に設定される格子状の分割予定線に沿って、加工跡を形成できる。
制御部90は、第1保持部110で保持される基板10の加工処理中に、第2保持部120で保持される基板10の加工処理以外の処理(例えば受取処理、アライメント処理、検査処理、または搬出処理)を行う(図6参照)。同様に、制御部90は、第2保持部120で保持される基板10の加工処理中に、第1保持部110で保持される基板10の加工処理以外の処理を行う。これにより、スループットを向上できる。
制御部90は、一の第1保持部110で保持される基板10の加工処理中に、他の一の第1保持部110で保持される基板10の加工処理を行う。また、制御部90は、一の第2保持部120で保持される基板10の加工処理中に、他の一の第2保持部120で保持される基板の加工処理を行う。これにより、スループットをさらに向上できる。
支持台180は、ダイシング部100Bを支持する床109(図13参照)に設置され、複数の第1保持部110および複数の第2保持部120を移動可能に支持する。支持台180は、複数の第1保持部110および複数の第2保持部120の他、第1アライメント部130、第2アライメント部140、加工部150、および保持部移動部160Bを支持する。
尚、ダイシング部100Bは、上記第2実施形態のダイシング部100Aと同様に、第1保持部110と第2保持部120との間での振動の伝達を抑制するため、複数の第1保持部110を移動可能に支持する第1支持台と、複数の第2保持部120を移動可能に支持する第2支持台とを有してもよい。第1支持台と第2支持台とは、分割されており、隙間をおいて設置され、連結されない。これにより、第1支持台と第2支持台との間での振動の伝達を抑制できる。
また、ダイシング部100Bは、上記第2実施形態のダイシング部100Aと同様に、第1保持部110で保持される基板10の加工精度と、第2保持部120で保持される基板10の加工精度とを揃えるため、加工部150を支持する加工部支持台を有してもよい。加工部支持台は、第1支持台および第2支持台の両方と分割され、その両方と隙間をおいて設置される。これにより、第1支持台および第2支持台の両方から加工部支持台への振動の伝達を抑制できる。
尚、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、第1保持部110と第2保持部120のいずれか一方(例えば第1保持部駆動部161と第2保持部駆動部171のいずれか一方)のみに異常が発生する場合に、残りの一方で基板10の処理が可能である。同様に、第1アライメント部130と第2アライメント部140の一方のみに異常が発生する場合に、残りの一方でアライメント処理が可能である。
図14は、第3実施形態による同一直線上に間隔をおいて並ぶ複数の分割予定線と、分割予定線上の加工点との位置関係を示す平面図である。
制御部90は、X方向に並ぶ複数の保持部(例えば第1保持部110または第2保持部120)をX方向に同一速度で同時に移動させることにより、同一直線上に間隔をおいて並ぶ複数の分割予定線13に沿って加工跡を形成する。加工跡の伸展方向前端を、加工点16とも呼ぶ。加工点16は、例えばレーザ光線の照射点である。
加工点は、一の分割予定線13の始点14から終点15まで移動され、その後、他の一の分割予定線13の始点14から終点15まで移動される。一の分割予定線13の終点15から他の一の分割予定線13の始点14までの間の中間領域17(図14に斑点模様で示す領域)には、加工跡は形成されない。
制御部90は、同一直線上に間隔をおいて並ぶ複数の分割予定線13の1つから他の1つへ加工点16を移すとき、加工跡を形成しなくて済むので、各分割予定線13上で加工点16を移動させるときに比べて、複数の保持部の移動速度を速く設定する。加工処理の速度を向上でき、スループットを向上できる。
尚、同一直線上に間隔をおいて並ぶ分割予定線13の数は、2つには限定されず、3つ以上でもよい。つまり、第1保持部110の数は、2つには限定されず、3つ以上でもよい。同様に、第2保持部120の数は、2つには限定されず、3つ以上でもよい。
図15は、第3実施形態の変形例による第1保持部駆動部を示す側面図である。上記第3実施形態では、図13に示すように、複数の第1Y軸スライダ165が、第1X軸スライダ163に固定される第1Y軸ガイド164に沿って移動可能とされる。これに対し、本変形例では、図15に示すように、一の第1Y軸スライダ165(1)が、他の一の第1Y軸スライダ165(2)に固定される第1Y軸ガイド164に沿って移動可能とされる。一の第1Y軸スライダ165(1)は、他の一の第1Y軸スライダ165(2)に対し、移動させないことも移動させることも両方可能である。これにより、加工処理前のY方向位置合わせでは、複数の第1Y軸スライダ165(1)、165(2)を独立に移動させることができる。また、加工処理中のY方向位置送りでは、複数の第1Y軸スライダ165(1)、165(2)を同時に同一距離移動させる制御が容易である。
尚、第2保持部駆動部も同様に構成されてよい。つまり、一の第2Y軸スライダ175が、他の一の第2Y軸スライダ175に固定される第2Y軸ガイド174に沿って移動可能とされてもよい。一の第2Y軸スライダ175は、他の一の第2Y軸スライダ175に対し、移動させないことも移動させることも両方可能である。これにより、加工処理前のY方向位置合わせでは、複数の第2Y軸スライダ175を独立に移動させることができる。また、加工処理中のY方向位置送りでは、複数の第2Y軸スライダ175を同時に同一距離移動させる制御が容易である。
<第4実施形態のダイシング部>
上記第1実施形態では、第1保持部110で保持される基板10のアライメント処理は第1アライメント部130によってなされ、第2保持部120で保持される基板10のアライメント処理は第2アライメント部140によってなされる。これに対し、本実施形態では、第1保持部110で保持される基板10のアライメント処理と、第2保持部120で保持される基板10のアライメント処理とが、同じアライメント部を用いてなされる。これにより、単にアライメント部の使用数を低減できるだけではなく、装置間誤差(使用するアライメント部の変更によって生じる誤差)の発生を防止できる。以下、主に相違点について説明する。
図16は、第4実施形態によるダイシング部を示す平面図である。図16において、「101」は基板10のアライメント処理が行われる領域であり、「103」は基板10のダイシング処理が行われる領域である。また、図16において、「31」はダイシング部100Cに対し基板10を搬入出させる搬送装置33(図2参照)が設けられる搬送領域である。図17は、第4実施形態によるダイシング部を示す側面図である。
ダイシング部100Cは、第1保持部110と、第2保持部120と、アライメント部130Cと、加工部150と、保持部移動部160Cと、制御部90(図2および図5参照)とを有する。
アライメント部130Cは、第1保持部110で保持されている基板10の分割予定線13(図1参照)を検出する。また、アライメント部130Cは、第2保持部120で保持されている基板10の分割予定線13を検出する。
本実施形態によれば、第1保持部110で保持される基板10のアライメント処理と、第2保持部120で保持される基板10のアライメント処理とが、同じアライメント部130Cを用いてなされる。これにより、単にアライメント部の使用数を低減できるだけではなく、装置間誤差(使用するアライメント部の変更によって生じる誤差)の発生を防止できる。
アライメント部130Cは、例えば撮像部131C(図17参照)を有する。撮像部131Cは、第1保持部110で保持されている基板10の画像を撮像する。また、撮像部131Cは、第2保持部120で保持されている基板10の画像を撮像する。撮像部131Cは、アライメント部130Cを支持するアライメント部支持台184Cに対し移動可能とされてもよいが、本実施形態ではアライメント部支持台184Cに対し固定される。
図16に示すように、Z方向視で、アライメント部130Cおよび加工部150を挟み、第1移動経路104Cと第2移動経路105Cとが設けられる。例えば、Y方向に並ぶアライメント部130Cと加工部150をX方向に挟み、第1移動経路104Cと第2移動経路105Cとが設けられる。
保持部移動部160Cは、Z方向視で第1移動経路104Cを介してアライメント部130Cと加工部150との間で、第1保持部110を移動させる第1保持部駆動部161Cを有する。また、保持部移動部160Cは、Z方向視で第2移動経路105Cを介してアライメント部130Cと加工部150との間で、第2保持部120を移動させる第2保持部駆動部171Cとを有する。第1移動経路104Cと第2移動経路105Cとが重ならないため、第1保持部110と第2保持部120との干渉を防止できる。
第1保持部駆動部161Cは、例えば床109に設置される第1支持台181Cに対し、第1保持部110をX方向、Y方向およびθ方向に移動させる。尚、第1保持部駆動部161Cは、第1支持台181Cに対し、第1保持部110をZ方向にも移動させてもよい。
第1保持部駆動部161Cは、上記第1実施形態の第1保持部駆動部161と同様に、第1X軸ガイド162と、第1X軸スライダ163と、第1Y軸ガイド164と、第1Y軸スライダ165と、第1回転板166(図17参照)とを有する。
第1支持台181Cに対し、例えば第1Y軸ガイド164が固定される。第1Y軸ガイド164に沿って移動される第1Y軸スライダ165には、第1X軸ガイド162が固定される。第1X軸ガイド162に沿って移動される第1X軸スライダ163には、第1回転板166が回転可能に設けられる。第1回転板166には、第1保持部110が固定される。
第2保持部駆動部171Cは、例えば床109に設置される第2支持台182Cに対し、第2保持部120をX方向、Y方向およびθ方向に移動させる。尚、第2保持部駆動部171Cは、第2支持台182Cに対し、第2保持部120をZ方向にも移動させてもよい。
第2保持部駆動部171Cは、上記第1実施形態の第2保持部駆動部171と同様に、第2X軸ガイド172と、第2X軸スライダ173と、第2Y軸ガイド174と、第2Y軸スライダ175と、第2回転板176(図17参照)とを有する。
第2支持台182Cに対し、例えば第2Y軸ガイド174が固定される。第2Y軸ガイド174に沿って移動される第2Y軸スライダ175には、第2X軸ガイド172が固定される。第2X軸ガイド172に沿って移動される第2X軸スライダ173には、第2回転板176が回転可能に設けられる。第2回転板176には、第2保持部120が固定される。
制御部90は、例えば図6に示すように、第1保持部110に保持される基板10の処理と、第2保持部120に保持される基板10の処理とを同時に実施できる。これにより、上記第1実施形態と同様に、一の基板10の加工処理中に、他の一の基板10の加工処理以外の処理(例えば受取処理、アライメント処理、検査処理、搬出処理)を行うことができ、スループットを向上できる。
本実施形態のダイシング部100Cは、上記第2実施形態のダイシング部100Aと同様に、一の基板10の加工処理によって生じる振動が他の一の基板10の加工処理以外の処理(例えばアライメント処理や検査処理)に悪影響を及ぼすことを抑制するため、第1支持台181Cと、第2支持台182Cとを有する。
第1支持台181Cは、第1保持部110を移動可能に支持し、例えば第1保持部110および第1保持部駆動部161Cを支持する。一方、第2支持台182Cは、第2保持部120を移動可能に支持し、例えば第2保持部120および第2保持部駆動部171Cを支持する。
第1支持台181Cと、第2支持台182Cとは、分割されており、隙間をおいて設置され、連結されない。これにより、第1支持台181Cと第2支持台182Cとの間での振動の伝達を抑制できる。その結果、例えば第1保持部110に保持される基板10の加工処理中に、その加工処理によって生じる振動が第1支持台181Cから第2支持台182Cへ伝達することを抑制でき、第2保持部120に保持される基板10のアライメント処理や検査処理を精度良く実施できる。また、第2保持部120に保持される基板10の加工処理中に、その加工処理によって生じる振動が第2支持台182Cから第1支持台181Cへ伝達することを抑制でき、第1保持部110に保持される基板10のアライメント処理や検査処理を精度良く実施できる。
第1支持台181Cは図17では床109に設置されるが、第1支持台181Cと床109との間に振動を吸収する除振台が設けられてもよい。床109を介した第1保持部110と第2保持部120との間での振動の伝達を抑制できる。
同様に、第2支持台182Cは図17では床109に設置されるが、第2支持台182Cと床109との間に振動を吸収する除振台が設けられてもよい。床109を介した第1支持台181Cと第2支持台182Cとの間での振動の伝達を抑制できる。
ところで、加工部150は、第1保持部110で保持される基板10の加工処理と、第2保持部120で保持される基板10の加工処理の両方に用いられる。
そこで、本実施形態のダイシング部100Cは、上記第2実施形態のダイシング部100Aと同様に、第1保持部110で保持される基板10の加工精度と、第2保持部120で保持される基板10の加工精度とを揃えるため、加工部150を支持する加工部支持台183Cを有する。
加工部支持台183Cは、第1支持台181Cおよび第2支持台182Cの両方と分割され、その両方と隙間をおいて設置される。これにより、第1支持台181Cおよび第2支持台182Cの両方から加工部支持台183Cへの振動の伝達を抑制できる。
仮に、加工部支持台183Cが第1支持台181Cおよび第2支持台182Cのいずれか一方のみと一体化される場合、いずれか一方のみから加工部支持台183Cに振動が伝達される。
本実施形態によれば、第1支持台181Cおよび第2支持台182Cの両方から加工部支持台183Cへの振動の伝達を抑制できるので、第1保持部110で保持される基板10の加工精度と第2保持部120で保持される基板10の加工精度とを揃えることができる。
加工部支持台183Cは直接に床109に設置されるが、加工部支持台183Cと床109との間に振動を吸収する除振台が設けられてもよい。床109から加工部支持台183Cへの振動の伝達を抑制できる。
ところで、アライメント部130Cは、第1保持部110で保持される基板10のアライメント処理と、第2保持部120で保持される基板10のアライメント処理の両方に用いられる。
そこで、本実施形態のダイシング部100Cは、第1保持部110で保持される基板10のアライメント精度と、第2保持部120で保持される基板10のアライメント精度とを揃えるため、アライメント部130Cを支持するアライメント部支持台184Cを有する。
アライメント部支持台184Cは、第1支持台181Cおよび第2支持台182Cの両方と分割され、その両方と隙間をおいて設置される。これにより、第1支持台181Cおよび第2支持台182Cの両方からアライメント部支持台184Cへの振動の伝達を抑制できる。
仮に、アライメント部支持台184Cが第1支持台181Cおよび第2支持台182Cのいずれか一方のみと一体化される場合、いずれか一方のみからアライメント部支持台184Cに振動が伝達される。
本実施形態によれば、第1支持台181Cおよび第2支持台182Cの両方からアライメント部支持台184Cへの振動の伝達を抑制できるので、第1保持部110で保持される基板10のアライメント精度と第2保持部120で保持される基板10のアライメント精度とを揃えることができる。
アライメント部支持台184Cは図17では床109に設置されるが、アライメント部支持台184Cと床109との間に振動を吸収する除振台が設けられてもよい。床109からアライメント部支持台184Cへの振動の伝達を抑制できる。
アライメント部130Cは、コスト低減や設置面積低減のため、第1保持部110で保持されている基板10のダイシング結果、および第2保持部120で保持されている基板10のダイシング結果を検出する検査部を兼ねてもよい。この場合、アライメント部支持台184Cは、検査部を支持する検査部支持台を兼ねる。
本実施形態によれば、第1支持台181Cおよび第2支持台182Cの両方から検査部支持台への振動の伝達を抑制できるので、第1保持部110で保持される基板10の検査精度と第2保持部120で保持される基板10の検査精度とを揃えることができる。
尚、アライメント部130Cは、本実施形態では検査部を兼ねるが、検査部を兼ねなくてもよい。また、アライメント部130Cの代わりに、検査部のみがダイシング部100Cの一部として設けられてもよい。この場合、検査部支持台が、第1支持台181Cおよび第2支持台182Cの両方と分割され、その両方と隙間をおいて設置され、その両方と連結されなくてよい。
尚、ダイシング部100Cは、本実施形態では第1保持部110および第2保持部120をそれぞれ1つずつ有するが、上記第3実施形態と同様に第1保持部110および第2保持部120をそれぞれ複数有してもよい。これにより、後述するように、一の基板10の加工処理中に、他の一の基板10の加工処理を行うことができ、スループットを向上できる。
例えば、制御部90は、加工処理中に、所定方向(例えばX方向またはY方向)に並ぶ複数の第1保持部110を上記所定方向に同一速度で同時に移動させることにより、同一直線上に間隔をおいて並ぶ複数の分割予定線13に沿って加工跡を形成する処理を実行する。一の第1保持部110で保持される基板10の加工処理中に、他の一の第1保持部110で保持される基板10の加工処理を行うことができる。
また、制御部90は、加工処理中に、所定方向(例えばX方向またはY方向)に並ぶ複数の第2保持部120を上記所定方向に同一速度で同時に移動させることにより、同一直線上に間隔をおいて並ぶ複数の分割予定線13に沿って加工跡を形成する処理を実行する。一の第2保持部120で保持される基板10の加工処理中に、他の一の第2保持部120で保持される基板の加工処理を行うことができる。
尚、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、第1保持部110と第2保持部120のいずれか一方(例えば第1保持部駆動部161と第2保持部駆動部171のいずれか一方)のみに異常が発生する場合に、残りの一方で基板10の処理が可能である。
<第5実施形態のダイシング部>
上記第1実施形態では、基板10は、第1保持部110および第2保持部120のいずれかで保持されながら、一連の処理を受ける。一連の処理の間に、基板10の持ち替えは行われない。これに対し、本実施形態では、アライメント処理のときに基板10を保持するアライメント用保持部と、加工処理のときに基板10を保持する加工用保持部と、検査処理のときに基板を保持する検査用保持部とが別々に設けられる。基板10は、アライメント処理の後、加工処理の前に、アライメント用保持部から加工用保持部に持ち替えられる。また、基板10は、加工処理の後、検査処理の前に、加工用保持部から検査用保持部に持ち替えられる。
図18は、第5実施形態によるダイシング部を示す平面図である。図18において、「31」はダイシング部100Dに対し基板10を搬入出させる搬送装置33(図2参照)が設けられる搬送領域である。
ダイシング部100Dは、アライメント用保持部111Dと、加工用保持部113Dと、検査用保持部115Dと、アライメント部130Dと、加工部150Dと、加工用保持部移動部160Dと、第1支持台181Dと、第2支持台182Dと、制御部90D(図19等参照)とを有する。制御部90Dは、上記第1実施形態の制御部90と同様に、コンピュータなどで構成される。
アライメント用保持部111Dは、ダイシング部100Dに搬入される基板10を上方から受け取って保持する。例えば、アライメント用保持部111Dは、基板10の第1主表面11を下に向けて、基板10を水平に保持する。アライメント用保持部111Dとしては、例えば真空チャックが用いられるが、静電チャックなどが用いられてもよい。
アライメント用保持部111Dは、その上方に設けられるアライメント用回転板112D(図21(a)参照)に装着されてよく、アライメント用回転板112Dと共にθ方向に移動されてよい。これにより、アライメント用保持部111Dに保持されている基板10のθ方向位置を制御できる。アライメント用回転板112Dの回転中心線は、鉛直とされる。アライメント用保持部111Dは、Z方向に昇降可能とされてよい。
加工用保持部113Dは、アライメント用保持部111Dから渡される基板10を下方から受け取って保持する。例えば、加工用保持部113Dは、基板10の第2主表面12を上に向けて、基板10を水平に保持する。アライメント用保持部111Dとしては、例えば真空チャックが用いられるが、静電チャックなどが用いられてもよい。
検査用保持部115Dは、加工用保持部113Dから渡されるダイシング後の基板10を上方から受け取って保持する。例えば、検査用保持部115Dは、基板10の第1主表面11を下に向けて、基板10を水平に保持する。検査用保持部115Dとしては、例えば真空チャックが用いられるが、静電チャックなどが用いられてもよい。
検査用保持部115Dは、その上方に設けられる検査用回転板116D(図21(c)参照)に装着されてよく、検査用回転板116Dと共にθ方向に移動されてよい。これにより、検査用保持部115Dに保持されている基板10のθ方向位置を制御できる。検査用回転板116Dの回転中心線は、鉛直とされる。検査用保持部115Dは、Z方向に昇降可能とされてよい。
アライメント部130Dは、アライメント用保持部111Dで保持されている基板10の分割予定線13(図1参照)を下方から検出する。例えば、アライメント部130Dは、アライメント用保持部111Dで保持されている基板10の画像を撮像する撮像部131D(図21(a)等参照)を有する。
撮像部131Dは、アライメント用保持部111Dの下方に設けられ、アライメント用保持部111Dに保持されている基板10の下方から基板10の下面(第1主表面11)に予め形成されたストリートを撮像する。この場合、基板10を透過する赤外線像を撮像する撮像カメラの代わりに、基板10の可視光像を撮像する通常のカメラを用いることができる。尚、基板10の第1主表面11を保護するダイシングテープは、透明である。
アライメント部130Dは、撮像部131Dによって撮像した基板10の画像を、電気信号に変換して制御部90Dに送信する。制御部90Dは、撮像部131Dによって撮像したダイシング前の基板10の画像を画像処理することにより、アライメント用保持部111Dに保持される基板10の分割予定線13の位置を検出する。これにより、制御部90Dは、アライメント用保持部111Dに固定される座標系での基板10の分割予定線13の位置を把握できる。尚、画像処理は、画像の撮像と平行して行われてもよいし、画像の撮像の後で行われてもよい。
アライメント部130Dは、コスト低減や設置面積低減のため、検査用保持部115Dで保持されている基板10のダイシング結果を検出する検査部を兼ねてよい。検査部を兼ねるアライメント部130Dは、図18に示すように、Z方向視でアライメント用保持部111Dと検査用保持部115Dにまたがって設けられる。
検査部を兼ねるアライメント部130Dは、Z方向視においてアライメント用保持部111Dと検査用保持部115Dの間で撮像部131Dを移動させる撮像部移動部132Dを有する。撮像部移動部132Dは、例えばY方向に延びるY軸ガイドを有する。Y軸ガイドに沿って撮像部131Dが移動される。
アライメント部130Dが検査部を兼ねる場合、撮像部131Dは加工部150Dによって基板10に形成された加工跡を撮像する。加工部150Dによって基板10の内部に改質層が形成される場合、基板10を透過する赤外線像を撮像する赤外線カメラが撮像部131Dとして用いられてよい。
アライメント部130Dは、撮像部131Dによって撮像した基板10の画像を、電気信号に変換して制御部90Dに送信する。制御部90Dは、撮像部131Dによって撮像したダイシング後の基板10の画像を画像処理することにより、検査用保持部115Dで保持される基板10のダイシング結果を検出する。尚、画像処理は、画像の撮像と平行して行われてもよいし、画像の撮像の後で行われてもよい。
尚、アライメント部130Dは、本実施形態では検査部を兼ねるが、検査部を兼ねなくてもよい。また、アライメント部130Dの代わりに、検査部のみがダイシング部100Dの一部として設けられてもよい。
加工部150Dは、加工用保持部113Dで保持されている基板10の分割予定線13に沿って基板10をダイシングする。また、加工部150Dは、第2保持部120で保持されている基板10の分割予定線13に沿って基板10をダイシングする。
加工部150Dは、例えば基板10にレーザ光線を照射するレーザ発振器151D(図21(a)等参照)などを有する。レーザ発振器151Dは、第2支持台182Dに対し移動可能とされてもよいが、本実施形態では第2支持台182Dに対し固定される。
レーザ発振器151Dは、加工用保持部113Dの上方に設けられ、基板10の上面(第2主表面12)にレーザ光線を照射する。レーザ光線は、基板10の内部に破断の起点となる改質層を形成してもよいし、基板10の上面にレーザ加工溝を形成してもよい。レーザ加工溝は、基板10を板厚方向に貫通してもよいし貫通しなくてもよい。
基板10の内部に改質層を形成する場合、基板10に対し透過性を有するレーザ光線が用いられる。一方、基板10の上面にレーザ加工溝を形成する場合、基板10に対し吸収性を有するレーザ光線が用いられる。
レーザ光線は、基板10の分割予定線13の一点に照射される。加工用保持部113DをY方向に移動させると、加工用保持部113Dに保持されている基板10の加工点(例えばレーザ照射点)がY方向に移動し、Y方向に延びる加工跡が形成される。加工跡と分割予定線13とが一致するように、予め加工用保持部113DのX方向位置やθ方向位置が制御される。加工用保持部113Dのθ方向位置を制御する代わりに、加工用保持部113Dに基板10を受け渡すアライメント用保持部111Dのθ方向位置を制御してもよい。
その後、加工用保持部113DをX方向に移動させること、および加工用保持部113DをY方向に移動させることを繰り返し行う。これにより、Y方向に延びる加工跡が、X方向に間隔をおいて複数形成される。
尚、Y方向に延びる加工跡は、点線状および直線状のいずれでもよい。点線状の加工跡は、パルス発振されたレーザ光線で形成される。直線状の加工跡は、連続波発振されたレーザ光線で形成される。
その後、加工用保持部113Dをθ方向に90°回転させたうえで、再び、Y方向に延びる加工跡をX方向に間隔をおいて複数形成する。これにより、加工用保持部113Dに保持されている基板10に設定される格子状の分割予定線13に沿って、加工跡を形成できる。
尚、本実施形態では、図18に示すようにY方向に延びる加工跡をX方向に間隔をおいて複数形成するが、X方向に延びる加工跡をY方向に間隔をおいて複数形成することも可能である。
尚、加工部150Dは、本実施形態ではレーザ光線を基板10に照射するレーザ発振器151Dを有するが、基板10を切削する切削ブレードを有してもよいし、基板10の上面にスクライブ溝を形成するスクラバーを有してもよい。
加工用保持部移動部160Dは、Z方向視でアライメント部130Dと加工部150Dとの間で加工用保持部113Dを移動させる。アライメント部130Dと加工部150Dとは、X方向に並んで設けられる。
加工用保持部移動部160Dは、例えば第2支持台182Dに対し、加工用保持部113DをX方向、Y方向およびθ方向に移動させる。尚、加工用保持部移動部160Dは、第2支持台182Dに対し、加工用保持部113DをZ方向にも移動させてもよい。
加工用保持部移動部160Dは、上記第1実施形態の第1保持部駆動部161と同様に、X軸ガイド162と、X軸スライダ163と、Y軸ガイド164と、Y軸スライダ165と、回転板166(図21(a)参照)とを有する。
第2支持台182Dに対し、例えばX軸ガイド162が固定される。X軸ガイド162に沿って移動されるX軸スライダ163には、Y軸ガイド164が固定される。Y軸ガイド164に沿って移動されるY軸スライダ165には、回転板166が回転可能に設けられる。回転板166には、加工用保持部113Dが固定される。
本実施形態のダイシング部100Dは、上記第2実施形態のダイシング部100Aと同様に、一の基板10の加工処理によって生じる振動が他の一の基板10の加工処理以外の処理(例えばアライメント処理や検査処理)に悪影響を及ぼすことを抑制するため、第1支持台181Dと、第2支持台182Dとを有する。
第1支持台181Dは、アライメント用保持部111D、検査用保持部115D、およびアライメント部130Dを支持する。一方、第2支持台182Dは、加工用保持部113D、加工部150D、および加工用保持部移動部160Dを支持する。
第1支持台181Dと、第2支持台182Dとは、分割されており、隙間をおいて設置され、連結されない。これにより、第1支持台181Dと第2支持台182Dとの間での振動の伝達を抑制できる。
その結果、例えば加工用保持部113Dに保持される基板10の加工処理中に、その加工処理によって生じる振動が第2支持台182Dから第1支持台181Dへ伝達することを抑制でき、第2保持部120に保持される基板10のアライメント処理や検査処理を精度良く実施できる。
第1支持台181Dは床109(図21(a)等参照)に設置されるが、第1支持台181Dと床109との間に振動を吸収する除振台が設けられてもよい。床109を介した第1支持台181Dと第2支持台182Dとの間での振動の伝達を抑制できる。
同様に、第2支持台182Dは床109に設置されるが、第2支持台182Dと床109との間に振動を吸収する除振台が設けられてもよい。床109を介した第1支持台181Dと第2支持台182Dとの間での振動の伝達を抑制できる。
図19は、第5実施形態による制御部の構成要素を機能ブロックで示す図である。図19に示すように、制御部90Dは、上記第1実施形態の制御部90と同様に、受取処理部901D、アライメント処理部902D、加工処理部903D、検査処理部904D、搬出処理部905Dなどを有する。受取処理部901Dは、搬送装置33(図2参照)などを制御して、搬送装置33から渡される基板10をアライメント用保持部111Dで受け取って保持する受取処理を実行する。アライメント処理部902Dは、アライメント部130Dを制御して、アライメント用保持部111Dで保持されている基板10の分割予定線13を検出するアライメント処理を実行する。加工処理部903Dは、加工部150Dおよび加工用保持部移動部160Dを制御して、加工用保持部113Dで保持されている基板10の分割予定線13に沿って基板10をダイシングする加工処理を実行する。検査処理部904Dは、検査部を制御して、検査用保持部115Dで保持されている基板10のダイシング結果を検出する検査処理を実行する。搬出処理部905Dは、搬送装置33などを制御して、検査用保持部115Dに保持されている基板10を搬送装置33に渡す搬出処理を実行する。このとき、検査用保持部115Dによる基板10の保持は解除される。
制御部90Dは、さらに、持替処理部906Dを有する。持替処理部906Dは、アライメント処理の後、加工処理の前に、アライメント用保持部111Dから加工用保持部113Dに基板10を持ち替える持替処理を実行する。また、持替処理部906Dは、加工処理の後、検査処理の前に、加工用保持部113Dから検査用保持部115Dに基板10を持ち替える持替処理を実行する。
図20は、第5実施形態によるダイシング方法を説明するためのタイムチャートである。図20は、N−1(Nは2以上の自然数)枚目の基板10の処理と、N枚目の基板10の処理と、N+1枚目の基板10の処理とのタイミングを示す。図20に示すように、制御部90Dは、N枚目の基板10の処理を、N−1枚目の基板10の処理やN+1枚目の基板10の処理と同時に実行する。例えば、受取処理、アライメント処理、持替処理、加工処理、持替処理、検査処理、および搬出処理を含む一連の処理が行われる。
次に、図20に加えて図21〜図24を参照して、N枚目の基板10の一連の処理を説明する。図21は、図20の時刻t1、時刻t2および時刻t3におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図22は、図20の時刻t4、時刻t5および時刻t6におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図23は、図20の時刻t7、時刻t8および時刻t9におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図24は、図20の時刻t10、時刻t11および時刻t12におけるダイシング部の状態を示す側面図である。
図21(a)は、図20の時刻t1におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図20および図21(a)に示すように、制御部90Dは、加工用保持部113Dで保持されているN−1枚目の基板10(N−1)の加工処理中に、アライメント用保持部111DによるN枚目の基板10(N)の受取処理を実行する。N−1枚目の基板10(N−1)の加工処理中に、N枚目の基板10(N)の加工処理の準備(ここでは受取処理)を実行することにより、ダイシング部100Dのスループットを向上できる。尚、図20では、N−1枚目の基板10(N−1)の加工処理の開始から終了までの間に、N枚目の基板10(N)の受取処理の全体が実行されるが、その受取処理の一部のみが実行されてもよい。
図21(b)は、図20の時刻t2におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図20および図21(b)に示すように、制御部90Dは、加工用保持部113Dで保持されているN−1枚目の基板10(N−1)の加工処理中に、アライメント用保持部111Dで保持されているN枚目の基板10(N)のアライメント処理を実行する。N−1枚目の基板10(N−1)の加工処理中に、N枚目の基板10(N)の加工処理の準備(ここではアライメント処理)を実行することにより、ダイシング部100Dのスループットを向上できる。尚、図20では、N−1枚目の基板10(N−1)の加工処理の開始から終了までの間に、N枚目の基板10(N)のアライメント処理の全体が実行されるが、そのアライメント処理の一部のみが実行されてもよい。
図21(c)は、図20の時刻t3におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図20および図21(c)に示すように、制御部90Dは、加工用保持部113Dで保持されているN−1枚目の基板10(N−1)を、加工用保持部113Dから検査用保持部115Dに持ち替える持替処理を実行する。
図22(a)は、図20の時刻t4におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図20および図22(a)に示すように、制御部90Dは、アライメント用保持部111Dで保持されているN枚目の基板10(N)を、アライメント用保持部111Dから加工用保持部113Dに持ち替える持替処理を実行する。
図22(b)は、図20の時刻t5におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図20および図22(b)に示すように、制御部90Dは、加工用保持部113Dで保持されているN枚目の基板10(N)の加工処理中に、検査用保持部115Dで保持されているN−1枚目の基板10(N−1)の検査処理を実行する。N枚目の基板10(N)の加工処理中に、N−1枚目の基板10(N−1)の加工処理の後始末(ここでは検査処理)を実行することにより、ダイシング部100Dのスループットを向上できる。尚、図20では、N枚目の基板10(N)の加工処理の開始から終了までの間に、N−1枚目の基板10(N−1)の検査処理の全体が実行されるが、その検査処理の一部のみが実行されてもよい。
図22(c)は、図20の時刻t6におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図20および図22(c)に示すように、制御部90Dは、加工用保持部113Dで保持されているN枚目の基板10(N)の加工処理中に、検査用保持部115DからのN−1枚目の基板10(N−1)の搬出処理を実行する。N枚目の基板10(N)の加工処理中に、N−1枚目の基板10(N−1)の加工処理の後始末(ここでは搬出処理)を実行することにより、ダイシング部100Dのスループットを向上できる。尚、図20では、N枚目の基板10(N)の加工処理の開始から終了までの間に、N−1枚目の基板10(N−1)の搬出処理の全体が実行されるが、その搬出処理の一部のみが実行されてもよい。
図23(a)は、図20の時刻t7におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図20および図23(a)に示すように、制御部90Dは、加工用保持部113Dで保持されているN枚目の基板10(N)の加工処理中に、アライメント用保持部111DによるN+1枚目の基板10(N+1)の受取処理を実行する。N枚目の基板10(N)の加工処理中に、N+1枚目の基板10(N+1)の加工処理の準備(ここでは受取処理)を実行することにより、ダイシング部100Dのスループットを向上できる。尚、図20では、N枚目の基板10(N)の加工処理の開始から終了までの間に、N+1枚目の基板10(N+1)の受取処理の全体が実行されるが、その受取処理の一部のみが実行されてもよい。
図23(b)は、図20の時刻t8におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図20および図23(b)に示すように、制御部90Dは、加工用保持部113Dで保持されているN枚目の基板10(N)の加工処理中に、アライメント用保持部111Dで保持されているN+1枚目の基板10(N+1)のアライメント処理を実行する。N枚目の基板10(N)の加工処理中に、N+1枚目の基板10(N+1)の加工処理の準備(ここではアライメント処理)を実行することにより、ダイシング部100Dのスループットを向上できる。尚、図20では、N枚目の基板10(N)の加工処理の開始から終了までの間に、N+1枚目の基板10(N+1)のアライメント処理の全体が実行されるが、そのアライメント処理の一部のみが実行されてもよい。
図23(c)は、図20の時刻t9におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図20および図23(c)に示すように、制御部90Dは、加工用保持部113Dで保持されているN枚目の基板10(N)を、加工用保持部113Dから検査用保持部115Dに持ち替える持替処理を実行する。
図24(a)は、図20の時刻t10におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図20および図24(a)に示すように、制御部90Dは、アライメント用保持部111Dで保持されているN+1枚目の基板10(N+1)を、アライメント用保持部111Dから加工用保持部113Dに持ち替える持替処理を実行する。
図24(b)は、図20の時刻t11におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図20および図24(b)に示すように、制御部90Dは、加工用保持部113Dで保持されているN+1枚目の基板10(N+1)の加工処理中に、検査用保持部115Dで保持されているN枚目の基板10(N)の検査処理を実行する。N+1枚目の基板10(N+1)の加工処理中に、N枚目の基板10(N)の加工処理の後始末(ここでは検査処理)を実行することにより、ダイシング部100Dのスループットを向上できる。尚、図20では、N+1枚目の基板10(N+1)の加工処理の開始から終了までの間に、N枚目の基板10(N)の検査処理の全体が実行されるが、その検査処理の一部のみが実行されてもよい。
図24(c)は、図20の時刻t6におけるダイシング部の状態を示す側面図である。図20および図24(c)に示すように、制御部90Dは、加工用保持部113Dで保持されているN+1枚目の基板10(N+1)の加工処理中に、検査用保持部115DからのN枚目の基板10(N)の搬出処理を実行する。N+1枚目の基板10(N+1)の加工処理中に、N枚目の基板10(N)の加工処理の後始末(ここでは搬出処理)を実行することにより、ダイシング部100Dのスループットを向上できる。尚、図20では、N+1枚目の基板10(N+1)の加工処理の開始から終了までの間に、N枚目の基板10(N)の搬出処理の全体が実行されるが、その搬出処理の一部のみが実行されてもよい。
尚、ダイシング部100Dは、本実施形態では、アライメント用保持部111D、加工用保持部113Dおよび検査用保持部115Dをそれぞれ1つずつ有するが、複数ずつ有してもよい。
制御部90は、加工処理中に、所定方向(例えばX方向またはY方向)に並ぶ複数の加工用保持部113Dを上記所定方向に同一速度で同時に移動させることにより、同一直線上に間隔をおいて並ぶ複数の分割予定線13に沿って加工跡を形成する処理を実行してもよい(図14参照)。
また、制御部90は、同一直線上に間隔をおいて並ぶ複数の分割予定線13の1つから他の1つへ加工点16を移すとき、各分割予定線13上で加工点16を移動させるときに比べて、複数の保持部の移動速度を速く設定してもよい。加工処理の速度を向上でき、スループットを向上できる。
<第6実施形態のダイシング部>
上記第3実施形態のダイシング部100Bは、第1保持部110および第2保持部120をそれぞれ複数有し、一部の基板10の加工処理中に、他の一部の基板10の加工処理以外の処理(例えば受取処理、アライメント処理、検査処理、搬出処理)と、さらに他の少なくとも一部の基板10の加工処理とを行う。これに対し、本実施形態のダイシング部は、第1保持部110および第2保持部120をそれぞれ1つ有し、一の基板10の加工処理中に他の一の基板10の加工処理を行い、一の基板10の加工処理以外の処理中に他の一の基板10の加工処理以外の処理を行う。加工処理と加工処理以外の処理とが同時に行われないので、加工処理によって生じる振動が加工処理以外の処理に悪影響を及ぼすことを抑制できる。以下、主に相違点について説明する。
図25は、第6実施形態によるダイシング部を示す平面図である。図25において、実線は加工処理中のダイシング部の状態の一例を示し、二点鎖線はアライメント処理中のダイシング部の状態の一例を示す。また、図25において、「31」はダイシング部100Eに対し基板10を搬入出させる搬送装置33(図2参照)が設けられる搬送領域である。尚、本実施形態の保持部移動部160Eは上記第3実施形態の第1保持部駆動部161B(図13参照)と同様に構成されるので、本実施形態のダイシング部100Eの側面図は省略する。
ダイシング部100Eは、第1保持部110と、第2保持部120と、第1アライメント部130と、第2アライメント部140と、加工部150と、保持部移動部160Eと、支持台180Eと、制御部90(図2および図5参照)とを有する。
第1アライメント部130と第2アライメント部140とは、Z方向視で、X方向に並ぶ。第1アライメント部130は第1撮像部131を有し、第2アライメント部140は第2撮像部141を有する。
第1アライメント部130は、本実施形態では第1保持部110で保持される基板10のダイシング結果を検出する第1検査部を兼ねるが、第1検査部を兼ねなくてもよい。また、第1アライメント部130の代わりに、第1検査部のみがダイシング部100Eの一部として設けられてもよい。
同様に、第2アライメント部140は、本実施形態では第2保持部120で保持される基板10のダイシング結果を検出する第2検査部を兼ねるが、第2検査部を兼ねなくてもよい。また、第2アライメント部140の代わりに、第2検査部のみがダイシング部100Eの一部として設けられてもよい。
加工部150は、第1アライメント部130と第2アライメント部140を結ぶ直線の片側(例えばY方向片側)に設けられる。加工部150はレーザ発振器151を有する。加工部150は、第1アライメント部130や第2アライメント部140を基準として、搬送領域31とは反対側に設けられる。
保持部移動部160Eは、Z方向視で第1アライメント部130と加工部150との間で第1保持部110を移動させると共に、Z方向視で第2アライメント部140と加工部150との間で第2保持部120を移動させる。
保持部移動部160Eは、例えば支持台180に対し、第1保持部110および第2保持部120を同時にX方向に移動させ、第1保持部110および第2保持部120を独立にY方向およびθ方向に移動させる。尚、保持部移動部160Eは、第1保持部110および第2保持部120を独立にZ方向にも移動させてもよい。
保持部移動部160Eは、上記第3実施形態の第1保持部駆動部161Bと同様に、X軸ガイド162と、X軸スライダ163と、Y軸ガイド164と、Y軸スライダ165と、回転板とを有する。
第1保持部110および第2保持部120を独立にθ方向に移動させるため、第1保持部110および第2保持部120は異なる回転板に固定される。これにより、加工部150に対し、第1保持部110で保持されている基板10のθ方向位置合わせと、第2保持部120で保持されている基板10のθ方向位置合わせとを独立に行うことができる。
また、第1保持部110および第2保持部120を独立にY方向に移動させるため、複数の回転板は互いに異なるY軸スライダ165に回転可能に設けられる。これにより、加工部150に対し、第1保持部110で保持されている基板10のY方向位置合わせと、第2保持部120で保持されている基板10のY方向位置合わせとを独立に行うことができる。
尚、保持部移動部160Eは、上記第3実施形態の第1保持部駆動部161B(図13参照)と同様に構成されるが、上記第3実施形態の変形例の第1保持部駆動部161B(図15参照)と同様に構成されてもよい。
制御部90は、加工処理中に、X方向に間隔をおいて並ぶ第1保持部110および第2保持部120をX方向に同一速度で同時に移動させることにより、同一直線上に間隔をおいて並ぶ複数の分割予定線13に沿って加工跡を形成する処理を実行する(図14参照)。加工跡と分割予定線13とが一致するように、第1保持部110および第2保持部120のY方向位置やθ方向位置が予め制御される。
その後、制御部90は、加工処理中に、第1保持部110および第2保持部120をY方向に移動させること、および第1保持部110および第2保持部120をX方向に移動させることを繰り返し行う。これにより、X方向に延びる加工跡が、Y方向に間隔をおいて複数形成される。
その後、第1保持部110および第2保持部120をθ方向に90°回転させたうえで、再び、Y方向に延びる加工跡をX方向に間隔をおいて複数形成する。これにより、複数の基板10に設定される格子状の分割予定線13に沿って、加工跡を形成できる。
支持台180Eは、ダイシング部100Eを支持する床に設置され、第1保持部110および第2保持部120を移動可能に支持する。支持台180Eは、第1保持部110および第2保持部120の他、第1アライメント部130、第2アライメント部140、加工部150、および保持部移動部160Eを支持する。
図26は、第6実施形態によるダイシング方法を説明するためのタイムチャートである。図26は、第1保持部110で保持される基板10の処理と、第2保持部120で保持される基板10の処理とのタイミングを示す。
図26に示すように、制御部90は、第1保持部110で保持される基板10の一連の処理を、基板10を交換して繰り返し行う。同様に、制御部90は、第2保持部120で保持される基板10の一連の処理を、基板10を交換して繰り返し行う。一連の処理は、例えば、受取処理、アライメント処理、加工処理、検査処理、および搬出処理を含む。
次に、図26に加えて図25を参照して、第1保持部110で保持される基板10の一連の処理と、第2保持部120で保持される基板10の一連の処理とを説明する。
先ず、制御部90は、搬送装置33(図2参照)などを制御して、搬送装置33から渡される基板10を図25に二点鎖線で示す位置で待機している第1保持部110で受け取って保持する受取処理を実行する。
次いで、制御部90は、搬送装置33などを制御して、搬送装置33から渡される基板10を図25に二点鎖線で示す位置で待機している第2保持部120で受け取って保持する受取処理を実行する。
尚、搬送装置33は、第1保持部110および第2保持部120のどちらに先に基板10を渡してもよい。第1保持部110で基板10を受け取って保持する受取処理と、第2保持部120で基板10を受け取って保持する受取処理とは、どちらが先に行われてもよい。
続いて、制御部90は、第1アライメント部130、第2アライメント部140および保持部移動部160Eを制御して、第1保持部110で保持されている基板10のアライメント処理、および第2保持部120で保持されている基板10のアライメント処理を実行する。一の基板10のアライメント処理中に、他の基板10のアライメント処理を実行することにより、スループットを向上できる。
尚、図26では、複数の基板10のアライメント処理が同一時刻で開始され同一時刻で終了されるが、本発明はこれに限定されない。一の基板10のアライメント処理中に、他の基板10のアライメント処理の少なくとも一部を実行することにより、スループットを向上できる。
次いで、制御部90は、加工部150および保持部移動部160Eを制御して、第1保持部110で保持されている基板10の加工処理、および第2保持部120で保持されている基板10の加工処理を実行する。一の基板10の加工処理中に、他の基板10の加工処理を実行することにより、スループットを向上できる。
尚、図26では、複数の基板10の加工処理が同一時刻で開始され同一時刻で終了されるが、本発明はこれに限定されない。一の基板10の加工処理中に、他の基板10の加工処理の少なくとも一部を実行することにより、スループットを向上できる。
続いて、制御部90は、第1検査部、第2検査部および保持部移動部160Eを制御して、第1保持部110で保持されている基板10の検査処理、および第2保持部120で保持されている基板10の検査処理を実行する。一の基板10の検査処理中に、他の基板10の検査処理を実行することにより、スループットを向上できる。
尚、図26では、複数の基板10の検査処理が同一時刻で開始され同一時刻で終了されるが、本発明はこれに限定されない。一の基板10の検査処理中に、他の基板10の検査処理の少なくとも一部を実行することにより、スループットを向上できる。
その後、制御部90は、搬送装置33などを制御して、図25に二点鎖線で示す位置で待機している第1保持部110で保持されている基板10を搬送装置33に渡す搬出処理を実行する。このとき、第1保持部110による基板10の保持は解除される。
最後に、制御部90は、搬送装置33などを制御して、図25に二点鎖線で示す位置で待機している第2保持部120で保持されている基板10を搬送装置33に渡す搬出処理を実行する。このとき、第2保持部120による基板10の保持は解除される。
尚、搬送装置33は、図25に二点鎖線で示す位置で待機している第1保持部110および第2保持部120のどちらから先に基板10を受け取ってもよい。第1保持部110に保持されている基板10を搬送装置33に渡す搬出処理と、第2保持部120で保持されている基板10を搬送装置33に渡す搬出処理とは、どちらが先に行われてもよい。
その後、制御部90は、基板10を代えて、受取処理、アライメント処理、加工処理、検査処理、搬出処理を含む一連の処理を繰り返し行う。
以上説明したように、制御部90は、第1保持部110で保持される基板10の加工処理中に、第2保持部120で保持される基板10の加工処理を行う。換言すれば、制御部90は、第2保持部120で保持される基板10の加工処理中に、第1保持部110で保持される基板10の加工処理を行う。これにより、スループットを向上できる。
また、制御部90は、第1保持部110で保持される基板10の加工処理以外の処理(例えばアライメント処理、検査処理)中に、第2保持部120で保持される基板10の加工処理以外の処理を行う。換言すれば、制御部90は、第2保持部120で保持される基板10の加工処理以外の処理中に、第1保持部110で保持される基板10の加工処理以外の処理を行う。これにより、スループットを向上できる。
従って、制御部90は、一の基板10の加工処理中に他の一の基板10の加工処理を行い、一の基板10の加工処理以外の処理中に他の一の基板10の加工処理以外の処理を行う。加工処理と加工処理以外の処理とが同時に行われないので、加工処理によって生じる振動が加工処理以外の処理に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
尚、ダイシング部100Eは、本実施形態では、第1保持部110と、第2保持部120とを有するが、さらに第3保持部を有してもよい。基板10を保持する保持部の数は4つ以上でもよい。従って、同一直線上に間隔をおいて並ぶ複数の分割予定線13の数は、2つには限定されず、3つ以上でもよい。
<変形、改良>
以上、ダイシング装置およびダイシング方法の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態などに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
例えば、上記実施形態に関し、以下の付記を開示する。
(付記1)
ダイシング装置に搬入される複数の基板を、複数の保持部で受け取って保持し、
前記保持部で保持されている前記基板の分割予定線を、アライメント部によって検出し、
前記アライメント部によって検出された前記分割予定線に沿って、前記保持部で保持されている前記基板を加工部によってダイシングし、
鉛直方向視で、前記アライメント部と前記加工部との間で、複数の前記保持部を移動させる、ダイシング方法。
(付記2)
一部の前記保持部で保持されている前記基板のダイシングを前記加工部によって実施する間に、他の少なくとも一部の前記保持部で保持されている前記基板の前記分割予定線の検出を前記アライメント部によって実施する、付記1に記載のダイシング方法。
(付記3)
鉛直方向視で、前記加工部を所定方向に挟んで設けられる2つの前記アライメント部のうちの1つの前記アライメント部と前記加工部との間で、前記一部の前記保持部を移動させ、
鉛直方向視で、前記加工部を所定方向に挟んで設けられる2つの前記アライメント部のうちの残りの1つの前記アライメント部と前記加工部との間で、前記他の少なくとも一部の前記保持部を移動させる、付記2に記載のダイシング方法。
(付記4)
鉛直方向視で、前記アライメント部および前記加工部の片側に設けられる移動経路を介して、前記アライメント部と前記加工部との間で、前記一部の前記保持部を移動させ、
鉛直方向視で、前記アライメント部および前記加工部の反対側に設けられる移動経路を介して、前記アライメント部と前記加工部との間で、前記他の少なくとも一部の前記保持部を移動させる、付記2に記載のダイシング方法。
(付記5)
前記一部の前記保持部を、第1支持台によって支持しながら移動させ、
前記他の少なくとも一部の前記保持部を、前記第1支持台と隙間をおいて設置される第2支持台によって支持しながら移動させる、付記3または4に記載のダイシング方法。
(付記6)
前記第1支持台および前記第2支持台の両方と隙間をおいて設置される加工部支持台に支持される前記加工部を用いて、前記基板のダイシングを実施する、付記5に記載のダイシング方法。
(付記7)
前記第1支持台および前記第2支持台の両方と隙間をおいて設置されるアライメント部支持台に支持される前記アライメント部を用いて、前記基板の前記分割予定線を検出する、付記5または6に記載のダイシング方法。
(付記8)
所定方向に並ぶ複数の前記保持部を前記所定方向に同一速度で同時に移動させることにより、同一直線上に間隔をおいて並ぶ複数の前記分割予定線に沿って加工跡を形成する、付記1〜7のいずれか1項に記載のダイシング方法。
(付記9)
前記同一直線上に間隔をおいて並ぶ複数の前記分割予定線の1つから他の1つへ加工点を移すとき、各前記分割予定線上で前記加工点を移動させるときに比べて、前記保持部の移動速度を速く設定する、付記8に記載のダイシング方法。
(付記10)
前記アライメント部を、前記保持部で保持されている前記基板のダイシング結果を検出する検査部として兼用し、
一部の前記保持部で保持されている前記基板のダイシングを前記加工部によって実施する間に、他の少なくとも一部の前記保持部で保持されている前記基板のダイシング結果の検出を前記検査部によって実施する、付記1〜9のいずれか1項に記載のダイシング方法。
(付記11)
ダイシング装置に搬入される複数の基板を、複数の保持部で受け取って保持し、
前記保持部で保持されている前記基板を、前記基板の分割予定線に沿って、加工部によってダイシングし、
前記保持部で保持されている前記基板のダイシング結果を、検査部で検出し、
鉛直方向視で、前記加工部と前記検査部との間で、複数の前記保持部を移動させる、ダイシング方法。
(付記12)
一部の前記保持部で保持されている前記基板のダイシングを前記加工部によって実施する間に、他の少なくとも一部の前記保持部で保持されている前記基板のダイシング結果の検出を前記検査部によって実施する、付記11に記載のダイシング方法。
(付記13)
ダイシング装置に搬入される基板を、前記基板の上方からアライメント用保持部で受け取って保持し、
前記アライメント用保持部で保持されている前記基板の分割予定線を、前記基板の下方からアライメント部で検出し、
前記アライメント用保持部から渡される前記基板を、前記基板の下方から加工用保持部で受け取って保持し、
前記加工用保持部で保持されている前記基板を、前記基板の上方から前記基板の分割予定線に沿って加工部でダイシングし、
鉛直方向視で、前記アライメント部と前記加工部との間で、前記加工用保持部を移動させる、ダイシング方法。
(付記14)
前記加工用保持部から渡されるダイシング後の前記基板を、前記基板の上方から検査用保持部で受け取って保持し、
鉛直方向視で前記アライメント用保持部と前記加工用保持部とにまたがって設けられる前記アライメント部を、前記検査用保持部で保持されている前記基板のダイシング結果を検出する検査部として兼用する、付記13に記載のダイシング方法。
(付記15)
前記アライメント用保持部および前記アライメント部を第1支持台で支持しながら、前記基板の分割予定線を検出し、
前記加工用保持部および前記加工部を前記第1支持台と隙間をおいて設置される第2支持台で支持しながら、前記基板をダイシングする、付記13または14に記載のダイシング方法。