JP6908967B2 - プローブ型元素分析装置及び元素分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プローブ型元素分析装置及び元素分析方法に関し、例えば、吸光度スペクトルによりウラン及びプルトニウムなどの元素を分析するプローブ型元素分析装置及び元素分析方法に関する。
従来、近赤外分光法を用いた炭化水素の分析方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の炭化水素の分析方法では、パラフィン類などの炭化水素を含有する混合物の所定帯域の波長における近赤外線吸光度を測定し、測定した近赤外線吸光度を統計学的処理することにより、混合物に含まれる炭化水素の成分を分析する。
特開平7−301599号公報
ところで、六ヶ所再処理工場においては、原子力燃料の再処理工程の工程管理に重要な分析項目であるウラン及びプルトニウムなどの元素の成分分析が一日に数百件程度なされている。これらの元素は、被測定流体から個別にサンプリングした後、所望の元素成分を個別に分離及び精製してから誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES:Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy)及び誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry)などによる分析装置で分析されている。
しかしながら、ICP−AES及びICP−MSなどの分析装置は、大型であるだけでなく、大量のアルゴンガスの供給装置、排気設備及び排熱設備が必要となるので、オンライン分析及び可搬式装置での簡便かつ簡易な分析への適用が困難であるという実情がある。また、これらの元素は、高速液体クロマトグラフィー及びフローインジェクション法などの分析方法によっても分析できるが、いずれの分析方法も連続的な試薬の供給及び廃液の処理が必要であり、かつ、分析結果が得られるまでに数十分を要するので、オンライン分析及び可搬式装置での簡便かつ簡易な分析が困難であるという実情がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、被測定流体中の分析対象元素の元素濃度を簡易かつ簡便に分析できるプローブ型元素分析装置及び元素分析方法を提供することを目的とする。
本発明のプローブ型元素分析装置は、被測定流体に対して光線を照射する光源と、前記被測定流体を透過した透過光の吸光度スペクトルを測定する吸光度測定部と、前記吸光度スペクトルを特定波長領域に区分し、区分した前記特定波長領域における前記被測定流体中の分析対象元素に基づく信号値を、部分最小二乗法により共存物質に基づく信号値から分離して前記分析対象元素の元素濃度を算出する演算処理部と、を備えたことを特徴とする。
このプローブ型元素分析装置によれば、部分最小二乗法を用いた演算処理によって被測定流体の吸光度スペクトルから分析対象元素に基づく信号値を効率良く分離できるので、ICP−AES及びICP−MSなどの大型の分析装置を用いることなく、簡易かつ簡便に被測定流体中に含まれる元素濃度を精度良く分析することが可能となる。
本発明のプローブ型元素分析装置においては、前記演算処理部は、分離した分析対象元素に基づく信号値と予め測定した前記分析対象元素の検量線とを対比して前記分析対象元素の元素濃度を算出することが好ましい。この構成により、予め作成した検量線によって分析対象元素に基づく信号値を補正できるので、被測定流体中に含まれる分析対象元素の元素濃度の測定精度が向上する。
本発明のプローブ型元素分析装置においては、前記分析対象元素が、ウラン及びプルトニウムの少なくとも一方であることが好ましい。この構成により、被測定流体に含まれるウラン及びプルトニウムの吸光度スペクトルの信号値を共存物質の信号値から効率良く分離できるので、ウラン及びプルトニウムを高い精度で分析することができる。
本発明のプローブ型元素分析装置においては、前記吸光度スペクトルが、紫外領域から近赤外領域の範囲の吸光度スペクトルであることが好ましい。この構成により、被測定流体に含まれる各種分析対象元素の吸光度スペクトルの信号値を共存物質の信号値から効率良く分離できるので、各種分析対象元素を高い精度で分析することができる。
本発明のプローブ型元素分析方法は、被測定流体を透過した透過光の吸光度スペクトルを測定する第1工程と、前記吸光度スペクトルを特定波長領域に区分し、区分した前記特定波長領域における前記被測定流体中の分析対象元素に基づく信号値を、部分最小二乗法により共存物質に基づく信号値から分離して前記分析対象元素の元素濃度を算出する第2工程と、を含むことを特徴とする。
このプローブ型元素分析方法によれば、部分最小二乗法を用いた演算処理によって被測定流体の吸光度スペクトルから分析対象元素に基づく信号値を効率良く分離できるので、ICP−AES及びICP−MSなどの大型の分析装置を用いることなく、簡易かつ簡便に被測定流体中に含まれる元素濃度を精度良く分析することが可能となる。
本発明のプローブ型元素分析方法においては、前記分析対象元素が、ウラン及びプルトニウムの少なくとも一方であることが好ましい。この方法により、被測定流体に含まれるウラン及びプルトニウムの吸光度スペクトルの信号値を共存物質の信号値から効率良く分離できるので、ウラン及びプルトニウムを高い精度で分析することができる。
本発明のプローブ型元素分析方法においては、前記吸光度スペクトルが、紫外領域から近赤外領域の範囲の吸光度スペクトルであることが好ましい。この方法により、被測定流体に含まれる各種分析対象元素の吸光度スペクトルの信号値を共存物質の信号値から効率良く分離できるので、各種分析対象元素を高い精度で分析することができる。
本発明によれば、被測定流体中の分析対象元素の元素濃度を簡易かつ簡便に分析できるプローブ型元素分析装置及び元素分析方法を実現できる。
図1は、本発明の実施の形態に係るプローブ型元素分析装置の模式図である。 図2Aは、本発明の実施の形態に係る測定プローブの一例を示す部分拡大図である。 図2Bは、本発明の実施の形態に係る測定プローブの他の例を示す図である。 図2Cは、本発明の実施の形態に係る測定プローブの別の例を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る吸光度測定部で測定される吸光度スペクトルの概念図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る分析対象元素及び共存物質の吸光度スペクトルと波長との関係を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態に係るプローブ型元素分析方法の説明図である。 図6Aは、本発明の実施の形態に係る分析対象元素の検量線作成のフロー図である。 図6Bは、図6Aで作成した検量線を用いた分析対象元素の濃度分析のフロー図である。 図7は、本発明の実施の形態に係るプローブ型元素分析方法の概略を示すフロー図である。
以下、本発明の一実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の各実施の形態に限定されるものではなく、適宜変更して実施可能である。また、以下の各実施の形態は適宜組み合わせて実施可能である。また、各実施の形態において共通する構成要素には同一の符号を付し、説明の重複を避ける。
図1は、本発明の一実施の形態に係るプローブ型元素分析装置1の模式図である。図1に示すように、本実施の形態に係るプローブ型元素分析装置1(以下、単に、「元素分析装置1」ともいう)は、被測定流体Xが流れる管路11内に光源部12からの光線L1を照射し、被測定流体Xを透過した光線L1の透過光L2の吸光度スペクトルを吸光度測定部14によって測定することにより、被測定流体X中に含まれるウラン及びプルトニウムなどの分析対象元素の元素濃度を分析するものである。被測定流体Xとしてウラン及びプルトニウムなどの放射性物質が用いられる場合には、管路11及び測定プローブ13は、高線量領域となる現場環境に配置され、光源部12、吸光度測定部14及び演算処理部15は、高線量領域の放射線から遮蔽された低線量領域に配置される。
元素分析装置1は、管路11内を流れる被測定流体Xに対する光線L1を送光する光源部12と、光源部12からの光線L1を被測定流体Xに照射すると共に、被測定流体Xを透過した透過光L2を得る測定プローブ13と、測定プローブ13で得られた透過光L2の吸光度スペクトルを測定する吸光度測定部14と、測定された被測定流体Xの吸光度スペクトルを演算処理して被測定流体X中の分析対象元素の元素濃度を算出する演算処理部15とを具備する。
被測定流体Xとしては、検出対象となる分析対象元素を含むものであれば特に制限はなく、例えば、ウラン及びプルトニウムなどを含有する照射済燃料溶解液などの各種液体が用いられる。
光源部12は、光線L1を照射する光源及び光源からの光線L1を所望の波長に分光する分光器を備える。光源部12の光源としては、可視光領域の分析には白熱電球が用いられ、可視光領域から近赤外領域の分析にはタングステンランプが用いられ、紫外領域の分析には重水素放電管などが用いられる。本実施の形態に係る元素分析装置1においては、被測定流体X中の分析対象元素の種類に応じて、各種光源を切替えて用いられる。これらの中でも、ウラン及びプルトニウムなどの放射性元素を高精度で分析できる観点から、光源12としては、タングステンランプなどの近赤外領域を検出可能なものが好ましい。
光源部12には、送光用光ファイバ16を介して測定プローブ13が接続される。光源部12は、送光用光ファイバ16を介して被測定流体X中に含まれる分析対象元素の成分に応じた波長の光線L1を測定プローブ13に向けて送光する。
測定プローブ13は、管路11の開口部に設けられたフランジ11aに先端部13aが挿入されて固定される。送光用光ファイバ16は、一端が光源部12に接続され、他端が測定プローブ13内のフランジ11aを貫通し、管路11側の内部に配置される。測定プローブ13の先端部13aは、被測定流体Xが流れる管路11内に配置される。また、先端部13aには、測定プローブ13の先端部13aが測定プローブ13の内側に向けて切り欠かれた被測定流体Xの流路部13bが設けられている。この流路部13bは、管路11内を流れる被測定流体Xが浸入し、測定プローブ13を通過する被測定流体Xの流路となる。
測定プローブ13は、受光用光ファイバ17を介して吸光度測定部14に接続されている。受光用光ファイバ17は、一端が吸光度測定部14に接続され、他端が測定プローブ13内のフランジ11aを貫通し、管路11側の内部に配置される。測定プローブ13は、光源部12から送光された光線L1を受光し、受光した光線L1を流路部13b内に侵入した被測定流体Xに向けて照射する。また、測定プローブ13は、受光用光ファイバ17を介して流路部13b内の被測定流体Xを透過した透過光L2を吸光度測定部14に向けて送光する。
吸光度測定部14は、測定プローブ13から受光用光ファイバ17を介して送光された被測定流体Xの透過光L2を受光し、受光した透過光L2の吸光度スペクトルを統計解析して吸光度スペクトルを測定する。また、吸光度測定部14は、測定した吸光度スペクトルを演算処理部に向けて送信する。吸光度測定部14が測定する吸光度スペクトルとしては、紫外領域から近赤外領域の範囲であることが好ましく、ウラン及びプルトニウムを高精度かつ効率良く分析する観点から、近赤外領域の範囲であることが好ましい。
演算処理部15は、測定した吸光度スペクトルから部分最小二乗法によって被測定流体X中の分析対象元素に基づく信号値(ピーク)から、分析対象元素以外の共存成分に基づく信号値(ピーク)を分離する。また、演算処理部15は、分離した分析対象元素に基づく信号値と予め測定した分析対象元素の検量線とを対比して分析対象元素の元素濃度を算出する。本実施の形態では、演算処理部15は、部分最小二乗法によって測定した吸光度スペクトルを所定範囲の波長毎に区分し、区分した波長領域毎に存在する分析対象元素の信号値に基づいて分析対象元素の元素濃度を分析する。
図2Aは、本実施の形態に係る測定プローブ13の一例を示す部分拡大図である。図2Aに示すように、測定プローブ13は、中空形状をなしており、測定プローブ13のフランジ11aに固定された基端13cから離れた先端部13aに、送光用光ファイバ16の先端部16a及び受光用光ファイバ17の先端部17aが固定されている。この送光用光ファイバ16の先端部16a及び受光用光ファイバ17の先端部17aは、送光用光ファイバ16から出射する光線L1と、受光用光ファイバ17によって受光する透過光L2とが逆方向になるように配置されている。
測定プローブ13の先端には、収容空間131aを有する直方体状の収容部131が設けられている。収容部131は、測定プローブ13側の一面に光線L1及び透過光L2を透過する光透過部131bが設けられている。収容部131の収容空間131a内には、収容部131内に収納された一対の反射鏡132a,132bが設けられている。反射鏡132aは、送光用光ファイバ16から照射される光線L1を反射鏡132aに向けて90度反射するように、送光用光ファイバ16が延在する方向に対して所定の角度をとって配置される。反射鏡132bは、反射鏡132aによって反射された光線L1を受光用光ファイバ17に向けて90度反射するように、反射鏡132aに対して所定の角度をとって配置される。
また、収容部131の収容空間131b内には、送光用光ファイバ16の先端部16aと反射鏡132aとの間に凸レンズ133aが配置され、受光用光ファイバ17の先端部17aと反射鏡132bとの間に凸レンズ133bが配置される。凸レンズ133aは、送光用光ファイバ16から反射鏡132aへ向けて照射された光線L1のビーム径の拡大を抑える。また、凸レンズ133bは、反射鏡132bから受光用光ファイバ17に向けて反射された透過光L2のビーム径の拡大を抑える。このように、凸レンズ133a,133bを設けて光線L1及び透過光L2のビーム径の拡大を抑えることにより、送光用光ファイバ16から照射された光線L1を透過光L2として受光用光ファイバ17の先端部17aに集光させることが可能となる。
測定プローブ13の流路部13bは、先端部13aの一方の側面13dから他方の側面13eに向けて一部が切り欠かれて設けられている。測定プローブ13の流路部13bは、反射鏡132bと受光用光ファイバ17との間の光路に設けられている。このように流路部13bを設けることにより、反射鏡132bによって反射された光線L1が流路部13bを通過する際に、流路部13b内に侵入した被測定流体Xによって光線L1の一部が吸光されて透過光L2となる。これにより、吸光度測定部14で透過光L2の吸光度スペクトルを測定することが可能となる。
このように、本実施の形態においては、送光用光ファイバ16、受光用光ファイバ17及び反射鏡132a,132bによって送光用光ファイバ16及び受光用光ファイバ17を介して光源12から照射された光線L1を演算処理部14に向けて反射する光路が形成されている。そして、この光路Lの一部に含まれる測定プローブ13の先端部13aの側面には、測定プローブ13の側面の一部が測定プローブ13の内側に向けて切り欠かれた流路部13bが形成されている。このように測定プローブ13が設けられることにより、管路11内の被測定流体Xが測定プローブ13の流路部13bに侵入し、侵入した被測定流体Xに対して光源12からの光線L1が照射されると共に、被測定流体Xを透過した透過光L2が吸光度測定部14に向けて搬送される。これにより、被測定流体Xに含まれる被測定元素の元素濃度分析が可能となる。
図2Bは、本実施の形態に係る測定プローブ13の他の例を示す図である。なお、図2Bにおいては、図2Aに示した測定プローブ13と同一の構成要素には同一の符号を付している。図2Bに示す例では、測定プローブ13には、図2Aに示した流路部13b(以下、「第1流路部13b」ともいう)に加えて、測定プローブ13の他方の側面13eから一方の側面13dに向けて切り欠かれた第2流路部13fが設けられている。この第2流路部13fは、反射鏡132aと送光用光ファイバ16との間の光路に設けられている。このように第2流路部13fを設けることにより、送光用光ファイバ16から送光された光線L1が、第2流路部13fを通過する際に、第2流路部13f内に侵入した被測定流体Xによって光線L1の一部が吸光されて透過光L2となる。これにより、吸光度測定部14で透過光L2の吸光度スペクトルを測定することが可能となる。このように、第1流路部13b及び第2流路部13fの双方を測定プローブ13に設けることにより、第1流路部13b及び第2流路部13fの双方で光線L1が被測定流体Xによって吸光されるので、被測定元素の測定精度を更に向上することができる。
なお、図2Bに示した例では、第1流路部13b及び第2流路部13fを測定プローブ13に設けた例について説明したが、測定プローブ13には、第1流路部13b及び第2流路部13fのいずれか一方を設ければよい。また、第1流路部13b及び第2流路部13fの位置及び形状は、透過光L2の測定によって分析対象元素の吸光度スペクトルが得られる範囲であれば適宜変更可能である。
図2Cは、本実施の形態に係る測定プローブ13の別の例を示す図である。なお、図2Cにおいては、図2Aに示した測定プローブ13と同一の構成要素には同一の符号を付している。図2Cに示す例では、図2Aに示した流路部13bに代えて、測定プローブ13の先端部13aと収容部131との間には、支持部材134が設けられている。支持部材134の内部には、被測定流体Xが流れる流路部134aが設けられている。この流路部134aは、送光用光ファイバ16と反射鏡132aとの間の光路と、反射鏡132bと受光用光ファイバ17との間に亘って設けられている。このように流路部134aを有する支持部134を設けることにより、送光用光ファイバ16から送光された光線L1が、流路部134aを通過する際に、流路部134a内に侵入した被測定流体Xによって光線L1の一部が吸光されて透過光L2となる。そして、反射鏡132bによって反射された透過光L2が、流路部134を通過する際に、流路部134内に侵入した被測定流体Xによって光線L1の一部が吸光された透過光L2となる。これにより、流路部134によって光線L1及び透過光L2の双方が被測定流体Xによって吸光されるので、被測定元素の測定精度を更に向上することができる。なお、流路部134の形状は、透過光L2の吸光度スペクトルを測定できる範囲であれば適宜変更可能である。なお、図2Aから図2Cに示した例では、流路部13b,13f,134aを収容部131側に設けた例について説明したが、流路部13b,13f,134aの位置は適宜変更可能である。
次に、図3から図5を参照して、演算処理部15における分析対象元素の元素分析について詳細に説明する。図3は、吸光度測定部14で測定される吸光度スペクトルの概念図である。図3に示すように、本実施の形態に係る元素分析装置1においては、吸光度測定部14で測定される透過光L2の吸光度スペクトルは、紫外領域、可視領域及び近赤外領域に亘る曲線Zを有する吸光度スペクトルとなる。この吸光度スペクトルは、被測定流体Xに含まれる分析対象元素に基づく信号値と、被測定対象流体Xに含まれる分析対象元素以外の共存物質に基づく信号値とが重ね合わされた複雑な吸光度スペクトルとなる。
図4は、分析対象元素及び共存物質の吸光度スペクトルと波長との関係を示す図である。なお、図4においては、分析対象元素となるウラン及びプルトニウムと他の共存物質をそれぞれ個別に測定した複数の吸光度スペクトルを重ね合せて示している。図4に示すように、被測定流体Xに含まれるウラン及びプルトニウムの信号値S及び共存物質の信号値Nは、それぞれ物質毎に狭い波長領域の鋭い信号値S,Nとなる。そこで、本実施の形態では、ウラン及びプルトニウムなどの信号値Sを含む信号値Sの波長の近傍の領域を特定波長領域Aとして指定する。
図5は、本実施の形態に係るプローブ型元素分析方法の説明図である。なお、図5においては、図3に示した吸光度スペクトルと、図4に示した特定波長領域Aとを重ね合せて示している。また、図4に示した特定波長領域Aと図5に示した特定波長領域Aとは同一の波長領域を示している。図5に示すように、本実施の形態では、ウラン及びプルトニウムの各信号値Sを含む所定範囲の特定波長領域Aとして指定し、指定した特定波長領域Aの信号値Sと他の波長領域の信号値Nとを分離する。特定波長領域Aとしては、例えば、分析対象元素がウランである場合には、350nm以上450nm以下の波長領域及び600nm以上700nm以下の波長領域を指定し、分析対象元素がプルトニウムである場合には、450nm以上600nm以下の波長領域及び800nm以上900nm以下の波長領域と特定波長領域として指定する。そして、分離した特定波長領域Aの吸光度スペクトルから部分最小二乗法によって求めた回帰曲線により、特定波長領域A内に含まれる信号値Sから共存物質の信号値Nを分離した後、必要に応じて分析対象元素の検量線と対比することにより、予め被測定流体Xに含まれる共存物質の元素濃度を補正することにより、被測定流体X中の分析対象元素の元素濃度を分析する。
本実施の形態においては、部分最小二乗法では、下記式(1)に基づいて、特定波長領域A毎に潜在変数を計算し、得られた潜在変数の一部に対して最小二乗法を適用して回帰定数及び偏回帰係数を求めることにより、分析対象元素の元素濃度を算出する。この部分最小二乗法では、潜在係数は、測定する被測定流体Xに含まれる物質の濃度を予め予測して設定する。
Y=a+b1X1S1+b2X2S2+・・・+bnXnSn ・・・式(1)
(上記式(1)中、Yは、予測値を表し、aは、回帰定数を表し、bは、偏回帰係数を表し、Xは、各特定波長領域における吸光度を表し、Sは、潜在係数を表す。)
図6Aは、本実施の形態に係る分析対象元素の検量線作成のフロー図である。図6Aに示すように、検量線の作成では、被測定流体X中に含まれる分析対象元素の元素濃度を予め予測した値に調整した検量線用試料を作製する(ステップST11)。次に、吸光度測定部14によって作製した検量線用試料の吸光度スペクトルを測定する(ステップST12A)。ここでは、作製した検量線用試料を用いて吸光度スペクトルとは別の分析方法を用いて検量線用試料の各種分析対象元素の濃度評価を実施する(ステップST12B)。続いて、演算処理部15によって部分最小二乗法を用いて分析対象元素の検量線を作成する(ステップST13)。次に、作成した検量線を用いた分析結果と、ステップST12Bで評価した濃度評価とを対比して分析精度を確認する。分析精度が所定範囲外の場合には、再び吸光度スペクトルを用いて検量線を作成する。分析精度が所定値範囲内の場合には、検量線の作成を終了する。
図6Bは、分析対象元素以外の共存物質の吸光度スペクトル測定のフロー図である。図6Bに示すように、図4に示したような共存物質の信号値Nの影響を排除する場合には、まず、測定用試料(例えば、被測定流体X)と類似した成分であって、分析対象元素を含まないバックグラウンド補正用試料を作製する(ステップST21)。次に、吸光度測定部14により作製したバックグラウンド補正用試料の吸光度スペクトルを測定する(ステップST22)。次に、演算処理部15により吸光度スペクトルに含まれる共存物質などに基づく信号値を除去するために、バックグラウンド補正用試料の吸光度スペクトルから検量線の補正用データを求める(ステップST23)。以上により、分析対象元素の元素濃度を精度良く測定することが可能となる。
次に、本実施の形態に係る元素分析装置を用いたプローブ型元素分析方法について詳細に説明する。図7は、本実施の形態に係るプローブ型元素分析方法の概略を示すフロー図である。本実施の形態に係るプローブ型元素分析方法は、被測定流体Xを透過した透過光L2の吸光度スペクトルを測定する第1工程ST31と、測定した吸光度スペクトルから部分最小二乗法によって被測定流体中の分析対象元素に基づく信号値を共存物質に基づく信号値から分離する第2工程ST32と、分離した分析対象元素に基づく信号値と予め測定した分析対象元素の検量線とを対比して分析対象元素の元素濃度を算出する第3工程ST33とを含む。
第1工程ST31では、光源部12から照射された光線L1は、送光用光ファイバ16を介して測定プローブ13に送光される。測定プローブ13によって送光された光線L1は、送光用光ファイバ16の先端部16aから出光した後、反射鏡132a,132bで順次反射されて流路部132bを透過する。ここでは、光線L1が流路部13b内で被測定流体Xによって吸光されて透過光L2となる。この透過光L2は、受光用光ファイバ17の先端部17aによって受光された後、受光用光ファイバ17を介して吸光度測定部14に送光される。吸光度測定部14では、送光された透過光L2の吸光度スペクトルが測定され、測定された吸光度スペクトルが演算処理部15に送信される。
第2工程ST32では、演算処理部15が、測定した透過光L2の吸光度スペクトルから部分最小二乗法によって被測定流体X中の分析対象元素に基づく信号値を共存物質に基づく信号値から分離して分析対象元素の元素濃度を算出する。
第3工程ST33では、演算処理部15が、分離した測定元素に基づく信号値と、被測定流体Xに含まれる分析対象元素の元素濃度を予め予測して作成した検量線と、を対比して分析対象元素の元素濃度を分析する。以上により、被測定流体中に含まれる分析対象元素の元素濃度を精度良く求めることが可能となる。
以上説明したように、上記実施の形態によれば、部分最小二乗法を用いた演算処理によって被測定流体の吸光度スペクトルから分析対象元素に基づく信号値を効率良く分離できるので、ICP−AES及びICP−MSなどの大型の分析装置を用いることなく、簡易かつ簡便に被測定流体中に含まれる元素濃度を精度良く分析することが可能となる。これにより、上記元素分析装置及び元素分析方法は、分析方法も連続的な試薬の供給及び廃液の処理が必要でなく、オンライン分析及び可搬式装置での分析への適用が可能となる。また、可搬式装置でのウラン及びプルトニウムなどの分析が可能となるので、プラント内の放射性物質を含む廃液が流れる配管などへの設置が可能となるだけではなく、廃液のモニタリング及び燃料デブリ溶解液の迅速かつ簡易分析も可能となる。
1 プローブ型元素分析装置
11 管路
12 光源部
13 測定プローブ
13a 先端部
13b,13f 流路部
13c 基端部
13d,13e 側面
14 吸光度測定部
15 演算処理部
131 収容部
131a 収容空間
131b 光透過部
132a,132b 反射鏡
133a,133b 凸レンズ
134 支持部材
134a 流路部

Claims (7)

  1. 被測定流体に対して光線を照射する光源と、
    前記被測定流体を透過した透過光の吸光度スペクトルを測定する吸光度測定部と、
    処理対象の前記吸光度スペクトルを複数の特定波長領域に指定し、前記指定された複数の前記特定波長領域の吸光度スペクトルから、部分最小二乗法により求めた回帰曲線で、前記特定波長領域の信号値から共存物質に基づく信号値を分離して前記被測定流体中の分析対象元素に基づく信号値を算出し、前記分析対象元素の元素濃度を算出する演算処理部と、
    を備え、
    複数の前記特定波長領域は、前記分析対象元素および前記共存物質の吸光度スペクトル特性に基づき予め指定される特定波長領域であって、前記分析対象元素の吸光度スペクトルのピークをそれぞれ含み、前記共存物質の吸光度スペクトルのピークを含まないことを特徴とする、プローブ型元素分析装置。
  2. 前記演算処理部は、分離した分析対象元素に基づく信号値と予め測定した前記分析対象元素の検量線とを対比して前記分析対象元素の元素濃度を算出する、請求項1に記載のプローブ型元素分析装置。
  3. 前記分析対象元素が、ウラン及びプルトニウムの少なくとも一方である、請求項1又は請求項2に記載のプローブ型元素分析装置。
  4. 前記吸光度スペクトルが、紫外領域から近赤外領域の範囲の吸光度スペクトルである、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプローブ型元素分析装置。
  5. 被測定流体を透過した透過光の吸光度スペクトルを測定する第1工程と、
    処理対象の前記吸光度スペクトルを複数の特定波長領域に指定し、前記指定された複数の前記特定波長領域の吸光度スペクトルから部分最小二乗法により求めた回帰曲線で、前記特定波長領域の信号値から共存物質に基づく信号値を分離して前記被測定流体中の分析対象元素に基づく信号値を算出し、前記分析対象元素の元素濃度を算出する第2工程と、
    を含み、
    複数の前記特定波長領域は、前記分析対象元素および前記共存物質の吸光度スペクトル特性に基づき予め指定される特定波長領域であって、前記分析対象元素の吸光度スペクトルのピークをそれぞれ含み、前記共存物質の吸光度スペクトルのピークを含まないことを特徴とする、プローブ型元素分析方法。
  6. 前記分析対象元素が、ウラン及びプルトニウムの少なくとも一方である、請求項5に記載のプローブ型元素分析方法。
  7. 前記吸光度スペクトルが、紫外領域から近赤外領域の範囲の吸光度スペクトルである、請求項5又は請求項6に記載のプローブ型元素分析方法。
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