以下に添付図面を参照して、本発明に係る携帯端末及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。以下に示す実施形態では、本発明を、ショッピングモール等の大型商業施設に導入されたビーコンシステムに含まれる携帯端末に適用した例について説明するが、この実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係るビーコンシステム1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、ビーコンシステム1は、ビーコン端末10と、携帯端末20と、サーバ装置30とを有する。なお、各装置の個数は、図1の例に限定されないものとする。
ビーコン端末10は、通信装置の一例である。ビーコン端末10は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の近距離無線通信を使用して情報を送信する。具体的には、ビーコン端末10は、配信の対象となる配信情報(例えば、広告情報やセール情報)を記憶した記憶媒体を内部に有し、近距離無線通信可能な領域に存在する不特定の端末に当該情報を配信する。ビーコン端末10は、例えば、施設の出入口や、施設内に設けられた店舗内等に1又は複数個設置される。なお、ビーコン端末10は、単独(スタンドアロン)で動作するものとする。
また、ビーコン端末10の各々には、二次元コード等のコードシンボルCSが予め付されている。コードシンボルCSは、ビーコン端末10の各々を識別可能なビーコンID(識別情報)を保持する。また、コードシンボルCSは、ビーコンID以外の情報を保持してもよい。
例えば、コードシンボルCSは、自己のコードシンボルCSが付されたビーコン端末10から配信される配信情報自体や配信情報の一部等、配信内容を確認することが可能な情報を保持してもよい。また、コードシンボルCSは、自己のコードシンボルCSが付されたビーコン端末10と通信を確立するための通信情報を保持してもよい。通信情報は、例えば、ビーコン端末10のBD(Bluetooth(登録商標) Device)アドレスやMAC(Media Access Control)アドレス等である。
携帯端末20は、携帯端末の一例である。携帯端末20は、例えばスマートフォンやタブレット端末、ハンディターミナル等の携帯可能な情報処理装置である。本実施形態では、携帯端末20は、ビーコン端末10のメンテナンスを行う作業者(以下、携帯端末20の操作者ともいう)によって携帯される。
携帯端末20は、近距離無線通信によりビーコン端末10と通信可能に構成されている。また、携帯端末20は、無線LAN通信やモバイル通信等によりサーバ装置30や他の携帯端末20と通信可能に構成されている。また、携帯端末20は、後述するように、コードシンボルを読み取り可能な構成を備える。
サーバ装置30は、ビーコンシステム1を管理するサーバ装置である。サーバ装置30は、無線LAN通信やモバイル通信等により携帯端末20と通信することが可能である。サーバ装置30は、ビーコン端末10各々のビーコンIDや配信情報、通信情報等を管理する。また、サーバ装置30は、配信情報の更新や動作チェック等、ビーコン端末10のメンテナンスを行う場合に、メンテナンス対象となるビーコン端末10のビーコンIDや、更新用の配信情報等を含んだメンテナンス情報を携帯端末20の各々に送信する。
次に、ビーコン端末10のメンテナンスを行う際の、ビーコンシステム1の動作について説明する。図2は、ビーコンシステム1の動作の一例を説明するための図である。
まず、サーバ装置30は、メンテナンス対象となるビーコン端末10のビーコンIDや、更新用の配信情報等を含んだメンテナンス情報を携帯端末20に送信する(ステップS1)。
携帯端末20は、サーバ装置30からメンテナンス情報を受信すると、当該メンテナンス情報を受信した旨を作業者に報知する。報知を受けた作業者は、メンテナンス対象のビーコン端末10を探すため施設内を移動する。
一方、ビーコン端末10の各々は、通信圏内にある不特定の端末(携帯端末20も含む)に対し配信情報を配信している(ステップS2)。ここで、ビーコン端末10は、配信情報とともに、自己のビーコン端末10を識別可能なビーコンIDを配信している。
携帯端末20は、ビーコン端末10の配信を受けると、受信したビーコンIDの中に、メンテナンス情報に含まれたメンテナンス対象のビーコンIDと一致するものがあるか否かを判定する。受信したビーコンIDの中にメンテナンス対象のビーコンIDが存在する場合、携帯端末20は、自己の携帯端末20の周辺にメンテナンス対象のビーコン端末10が存在することを報知する。報知を受けた作業者は、周辺に存在するビーコン端末10のコードシンボルCSを携帯端末20に読み取らせる。
携帯端末20は、ビーコン端末10に付されたコードシンボルCSからビーコンIDを読み取り(ステップS3)、読み取ったビーコンIDが、メンテナンス対象のビーコンIDに一致するか否かを判定する。両ビーコンIDが一致した場合、携帯端末20は、ビーコン端末10との間で通信を確立し、ビーコン端末10をメンテナンスするための処理要求を送信する(ステップS4)。
処理要求を受信したビーコン端末10では、要求された処理内容に基づき、配信情報の更新等の処理を実行する。そして、ビーコン端末10は、要求された処理が完了すると、完了通知を携帯端末20に送信する(ステップS5)。
携帯端末20は、ビーコン端末10から完了通知を受信すると、当該ビーコン端末10のビーコンIDとともに、メンテナンスの完了通知をサーバ装置30に送信する(ステップS6)。サーバ装置30は、携帯端末20から完了通知を受信すると、通知されたビーコンIDをメンテナンス済として記録する。
なお、メンテナンス対象のビーコン端末10が複数存在する場合には、携帯端末20は、メンテナンス対象のビーコン端末10各々について、ステップS3〜S6の処理を実行する。
次に、ビーコンシステム1が備える各種装置のハードウェア構成について説明する。図3は、ビーコン端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。ビーコン端末10は、制御部101と、記憶部102と、近距離無線通信部103とを備える。これら各部は、データバスやアドレスバス等のシステムバス104を介して相互に接続している。
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のコンピュータ構成を備える。CPUは、ビーコン端末10の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムを一時的に記憶したり、各種データを書き換えたりする記憶媒体である。
記憶部102は、フラッシュメモリ等の記憶装置である。記憶部102は、ビーコンIDや配信情報等を記憶する。近距離無線通信部103は、BLE等の近距離無線通信用の通信インタフェースである。近距離無線通信部103は、通信圏内にある携帯端末20等の端末と通信する。
ビーコン端末10の制御部101は、記憶部102に記憶された配信情報を、近距離無線通信部103からブロードキャストで配信することで、当該配信情報を通信圏内にある端末の各々に提供する。また、制御部101は、近距離無線通信部103を介して携帯端末20との間で通信を確立すると、当該携帯端末20からの処理要求に応じて各種の処理を実行する。例えば、制御部101は、処理要求として配信情報の更新が要求されると、記憶部102に記憶された既存の配信情報を、更新用の配信情報に書き換えるための処理を実行する。また、例えば、制御部101は、処理要求として動作チェックが要求されると、予め用意されたチェック項目に基づき、自装置の動作をチェックするための処理を実行する。
図4は、携帯端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。携帯端末20は、制御部201と、記憶部202と、近距離無線通信部203と、通信部204と、表示部205と、操作部206と、読取部207とを備える。これら各部は、データバスやアドレスバス等のシステムバス208を介して相互に接続している。
制御部201は、CPU、ROM及びRAM等のコンピュータ構成を備える。制御部201は、携帯端末20の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムや各種データを一時的に記憶する記憶媒体である。
記憶部202は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。記憶部202は、制御部201(CPU)が実行可能な各種のプログラムや、設定情報等を記憶する。また、記憶部202は、制御部201の制御の下、サーバ装置30から受信されたメンテナンス情報を記憶する。
近距離無線通信部203は、BLE等の近距離無線通信によりビーコン端末10と通信するための通信インタフェースである。通信部204は、無線LAN通信やモバイル通信等によりサーバ装置30や他の携帯端末20と通信するための通信インタフェースである。
表示部205は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。操作部206は、キーボードやポインティングデバイス等の入力デバイスである。なお、操作部206は、表示部205に積層されたタッチパネルとしてもよい。
読取部207は、コードシンボルを光学的に読み取る読取装置である。読取部207は、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子で撮像した画像からコードシンボルを読み取るものであってもよいし、レーザ式の読取装置であってもよい。
携帯端末20の制御部201は、記憶部202に記憶されたプログラムと協働することで、後述する各機能部を実現する。また、制御部201は、各機能部と協働することで、ビーコン端末10のメンテナンス作業を支援する。
図5は、サーバ装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ装置30は、制御部301と、記憶部302と、通信部303と、表示部304と、操作部305とを備える。これら各部は、データバスやアドレスバス等のシステムバス306を介して相互に接続している。
制御部301は、CPU、ROM及びRAM等のコンピュータ構成を備える。制御部301は、サーバ装置30の動作を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムや各種データを一時的に記憶する記憶媒体である。
記憶部302は、HDDやSSDなどの記憶装置である。記憶部302は、制御部301(CPU)が実行可能な各種のプログラムや、設定情報等を記憶する。また、記憶部302は、メンテナンス対象のビーコン端末10のビーコンIDを登録したメンテナンス情報を記憶する。
図6は、メンテナンス情報のデータ構造の一例を示す図である。図6に示すように、メンテナンス情報は、メンテナンス対象となったビーコン端末10のビーコンIDを記憶する。また、メンテナンス情報は、ビーコンIDに対応付けて付加情報を記憶する。
ここで、付加情報は、対応するビーコンIDのビーコン端末10に関する任意の情報を含むことができる。例えば、配信情報の更新(書き換え)を行うような場合、付加情報は、配信情報の更新を指示する文言やコマンド、更新用の配信情報等を含んでもよい。また、例えば、ビーコン端末10の動作チェックを行うような場合、付加情報は、動作チェックを指示する文言やコマンド、チェック項目等を含んでもよい。更に、付加情報は、ビーコン端末10の設置位置を示す情報(例えば地図情報)や、ビーコン端末10との通信を確立するための通信情報等を含んでもよい。
なお、メンテナンス情報のデータ構造は図6の例に限定されないものとする。例えば、メンテナンス情報は、ビーコンIDと付加情報との組を複数個記憶してもよい。また、メンテナンス情報は、複数のビーコンIDに対応付けて、一の付加情報(例えば、更新用の配信情報)を記憶してもよい。
図5に戻り、通信部303は、無線LAN通信やモバイル通信等により携帯端末20と通信するための通信インタフェースである。表示部304は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。操作部305は、キーボードやポインティングデバイス等の入力デバイスである。
サーバ装置30の制御部301は、操作部305を介した操作等に応じて、上記したメンテナンス情報を生成し、記憶部302に記憶する。また、制御部301は、所定のタイミングで、メンテナンス情報を携帯端末20に送信する。係るタイミングは、特に問わず、操作部305を介して送信が指示されたタイミングであってもよいし、予め設定された時刻であってもよい。
また、制御部301は、携帯端末20から送信されるメンテナンスの完了通知に基づき、ビーコン端末10のメンテナンス状況を管理する。例えば、制御部301は、携帯端末20から通知されたビーコンIDを含むメンテナンス情報に対し、当該ビーコンIDをメンテナンス対象から除外するための処理を実行したり、メンテナンス済を示すフラグ情報をセットする等の処理を実行したりする。
次に、図7を参照して、上記した携帯端末20が備える特徴的な機能について説明する。図7は、携帯端末20の機能構成の一例を示す図である。
携帯端末20の制御部201は、記憶部202に記憶されたプログラムと協働することで、図7に示す各機能部を実現させる。具体的には、携帯端末20の制御部201は、機能部として、近距離通信制御部211と、通信制御部212と、第1判定部213と、読取制御部214と、第2判定部215と、メンテナンス処理部216とを備える。
近距離通信制御部211は、近距離無線通信手段の一例である。近距離通信制御部211は、近距離無線通信部203を制御することで、ビーコン端末10と近距離無線通信を行う。例えば、近距離通信制御部211は、ビーコン端末10からブロードキャストで配信される配信情報(ビーコンID)を受信する。また、近距離通信制御部211は、ビーコン端末10との間で1対1の通信(近距離無線通信)を確立する。
通信制御部212は、通信部204を制御することで、サーバ装置30や他の携帯端末20と通信を行う。例えば、通信制御部212は、サーバ装置30から送信されるメンテナンス情報を受信する。また、通信制御部212は、ビーコン端末10のメンテナンス結果やメンテナンス状況をサーバ装置30や他の携帯端末20との間で送受信する。
また、通信制御部212は、サーバ装置30からメンテナンス情報を受信した場合、メンテナンス情報を受信したことを報知する。例えば、通信制御部212は、メンテナンス情報を受信したことを報知する報知画面を表示部205に表示させる。これにより、携帯端末20の操作者は、メンテナンス対象のビーコン端末10が発生したことを容易に把握することができる。
なお、通信制御部212が表示する報知画面は特に問わないものとする。例えば、通信制御部212は、メンテナンス情報を受信したことを報知するメッセージや画像を表示部205に表示させてもよいし、メンテナンス情報に含まれる内容(例えば地図情報)を表示部205に表示させてもよい。また、携帯端末20がスピーカやバイブレータ等の報知部を備える場合、通信制御部212は、これらの報知部を用いて報知を行ってもよい。
第1判定部213は、第1報知手段の一例である。第1判定部213は、近距離通信制御部211が配信情報とともに受信したビーコンIDの中に、メンテナンス情報に登録されたメンテナンス対象のビーコンIDが含まれるか否かを判定する。受信したビーコンIDの中にメンテナンス対象のビーコンIDが含まれると、第1判定部213は、メンテナンス対象のビーコン端末10が周辺に存在することを報知する。例えば、第1判定部213は、メンテナンス対象のビーコン端末10が周辺に存在することを報知する報知画面を表示部205に表示させる。これにより、携帯端末20の操作者は、自己の周辺にメンテナンス対象のビーコン端末10が存在することを容易に把握することができる。
なお、第1判定部213が表示する報知画面は特に問わないものとする。例えば、第1判定部213は、自装置の周辺にメンテナンス対象のビーコン端末10が存在することを報知するメッセージや画像を表示部205に表示させてもよい。また、携帯端末20がスピーカやバイブレータ等の報知部を備える場合、第1判定部213は、これらの報知部を用いて報知を行ってもよい。
読取制御部214は、読取手段の一例である。読取制御部214は、読取部207を制御し、読取部207によって読み取られたコードシンボルCSの情報を取得する。具体的には、読取制御部214は、読取部207によりビーコン端末10に付されたコードシンボルCSが読み取られると、当該コードシンボルCSに含まれたビーコンID等の情報を取得する。
第2判定部215は、第2報知手段の一例である。第2判定部215は、読取制御部214が取得したビーコンIDが、メンテナンス情報に登録されたメンテナンス対象のビーコンIDに一致するか否かを判定する。読取制御部214が取得したビーコンIDがメンテナンス対象のビーコンIDに一致した場合、第2判定部215は、メンテナンス対象のビーコン端末10であることを報知する。例えば、第2判定部215は、メンテナンス対象のビーコン端末10を発見したことを報知する報知画面を表示部205に表示させる。これにより、携帯端末20の操作者は、コードシンボルCSの読み取りを行ったビーコン端末10が、メンテナンス対象であることを容易に把握することができる。
なお、第2判定部215が表示する報知画面は特に問わないものとする。また、携帯端末20がスピーカやバイブレータ等の報知部を備える場合、第2判定部215は、これらの報知部を用いて報知を行ってもよい。また、第2判定部215は、読取制御部214が取得したビーコンIDがメンテナンス対象のビーコンIDに一致しない場合に、メンテナンス対象のビーコン端末10でないことを報知してもよい。
メンテナンス処理部216は、通信確立手段及び実行手段の一例である。メンテナンス処理部216は、第2判定部215が一致すると判定したことを条件に、一致すると判定されたビーコン端末10との間で通信を確立し、ビーコン端末10に対してメンテナンスに係る処理を実行する。
具体的には、メンテナンス処理部216は、近距離通信制御部211と協働することで、第2判定部215で一致すると判定されたビーコンIDのビーコン端末10との間で1対1の通信を確立する。通信の確立方法は特に問わず、種々の方法を採用することが可能である。例えば、コードシンボルCSに通信情報が含まれる場合、メンテナンス処理部216は、読取制御部214が取得した通信情報に基づき、対応するビーコン端末10との間で1対1の通信を確立する。また、メンテナンス情報の付加情報に通信情報が含まれる場合、メンテナンス処理部216は、メンテナンス情報に含まれた通信情報に基づき、対応するビーコン端末10との間で1対1の通信を確立する。
メンテナンス処理部216は、ビーコン端末10と通信を確立すると、そのビーコン端末10のビーコンIDに対応付けられた付加情報に基づき、メンテナンス処理を実行する。例えば、更新用の配信情報が付加情報として保持されている場合、メンテナンス処理部216は、更新用の配信情報とともに、配信情報の更新を要求する処理要求をビーコン端末10に送信する。また、例えば、動作チェックの実行指示が付加情報として保持されている場合、メンテナンス処理部216は、動作チェックの実行を要求する処理要求をビーコン端末10に送信する。
メンテナンス処理部216は、ビーコン端末10からメンテナンスの完了通知を受信すると、当該ビーコン端末10のメンテナンスが完了したことをサーバ装置30に通知する。具体的には、メンテナンス処理部216は、完了通知を送信したビーコン端末10のビーコンIDを、メンテナンスが完了したこと指示する情報等とともにサーバ装置30に通知する。
また、メンテナンス処理部216は、ビーコン端末10からメンテナンスの完了通知を受信すると、当該ビーコン端末10のビーコンIDをメンテナンス対象から除外するための処理を実行する。具体的には、メンテナンス処理部216は、メンテナンス情報に登録されたビーコンIDの中から、該当するビーコンIDを削除したり、該当するビーコンIDにメンテナンス済を示すフラグをセットする等の処理を実行する。
なお、メンテナンス処理部216は、ビーコン端末10のメンテナンス状況を他の携帯端末20との間で共有する構成としてもよい。この構成を採用する場合、例えば、携帯端末20は、メンテナンスの完了通知をサーバ装置30に送信する際に、当該完了通知を他の携帯端末20にも送信する。一方、完了通知を受信する携帯端末20側のメンテナンス処理部216では、他の携帯端末20から完了通知を受信すると、通知されたビーコンIDをメンテナンス対象から除外するための処理を実行する。これにより、携帯端末20は、ビーコン端末10のメンテナンス状況を他の携帯端末20との間で共有することができる。
次に、図8を参照して、携帯端末20の動作について説明する。図8は、携帯端末20で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
まず、通信制御部212は、サーバ装置30からメンテナンス情報を受信すると(ステップS11)、そのメンテナンス情報を記憶部202等に記憶する。次いで、通信制御部212は、メンテナンス情報を受信したことを報知する(ステップS12)。
ここで、通信制御部212は、メンテナンス情報に含まれた一部又は全ての情報を表示部205に表示させてもよい。例えば、ビーコン端末10の設置位置を示す地図情報がメンテナンス情報に含まれる場合、通信制御部212は、表示部205に地図情報を表示させてもよい。これにより、作業者は、メンテナンス対象のビーコン端末10がどこに設置されているのかを容易に把握することができるため、探索作業の効率化を図ることができる。
携帯端末20の操作者は、ステップS12の報知により、受信されたメンテナンス情報を確認する。そして、携帯端末20の操作者は、メンテナンス対象のビーコン端末10を探すため施設内の移動を開始する。
近距離通信制御部211は、メンテナンス情報の受信に応じて近距離無線通信部203を有効化することで、ビーコン端末10の配信を受信可能な状態とする(ステップS13)。なお、本処理では、近距離通信制御部211が、近距離無線通信部203の有効化を自動で行う構成とするが、これに限らず、携帯端末20の操作者によって手動で有効化が行われてもよい。また、近距離無線通信部203は、常時有効化されている構成としてもよい。
第1判定部213は、近距離無線通信部203の有効化に伴い、当該近距離無線通信部203で受信されたビーコンIDの監視を開始する。次いで、第1判定部213は、受信されたビーコンIDの中に、メンテナンス情報に登録されたメンテナンス対象のビーコンIDが出現するまで待機する(ステップS14;No)。
受信されたビーコンIDの中に、メンテナンス対象のビーコンIDと一致するものが出現すると(ステップS14;Yes)、第1判定部213は、メンテナンス対象のビーコン端末10が周辺に存在することを報知する(ステップS15)。
携帯端末20の操作者は、ステップS15の報知により、自己の周辺にメンテナンス対象のビーコン端末10が存在することを認識する。そして、携帯端末20の操作者は、メンテナンス対象のビーコン端末10を特定するため、周辺に存在するビーコン端末10の各々に付されたコードシンボルCSを、携帯端末20に読み取らせる。
読取制御部214は、第1判定部213の判定結果に応じて読取部207を有効化することで、コードシンボルCSを読取可能な状態とする(ステップS16)。なお、本処理では、読取制御部214が、読取部207の有効化を自動で行う構成とするが、これに限らず、携帯端末20の操作者によって手動で有効化が行われてもよい。また、読取部207は、常時有効化されている構成としてもよい。
第2判定部215は、読取制御部214によってコードシンボルCSの読み取り結果が得られるまで待機する。第2判定部215は、コードシンボルCSの読み取り結果が取得されると、その読み取られたビーコンIDが、メンテナンス対象のビーコンIDに一致するか否かを判定する(ステップS17)。ここで、読み取られたビーコンIDがメンテナンス対象のビーコンIDに一致した場合(ステップS17;Yes)、第2判定部215は、メンテナンス対象のビーコン端末10であることを報知し(ステップS18)、ステップS20に移行する。
一方、読み取られたビーコンIDがメンテナンス対象のビーコンIDでない場合(ステップS17;No)、第2判定部215は、メンテナンス対象でないことを報知し(ステップS19)、ステップS17に戻る。
続いて、メンテナンス処理部216は、近距離通信制御部211と協働し、ステップS17でメンテナンス対象と判定されたビーコン端末10との間で通信を確立する(ステップS20)。次いで、メンテナンス処理部216は、メンテナンス情報の付加情報に格納された情報に基づき、通信が確立したビーコン端末10に対して、配信情報の更新や動作チェック等のメンテナンス処理を実行する(ステップS21)。
ここで、メンテナンス処理部216は、メンテナンス処理の実行に先駆けて、実行の可否を確認するための確認画面を表示部205に表示させてもよい。この場合、メンテナンス処理部216は、操作部206を介してメンテナンス処理の実行許可が指示されたことを条件に、メンテナンス処理を開始する。なお、メンテナンス処理部216は、メンテナンス処理の内容を確認画面に表示させてもよい。
メンテナンス処理部216は、ビーコン端末10から処理の完了が通知されると、当該ビーコン端末10のビーコンIDをメンテナンスの完了通知とともに、サーバ装置30や他の携帯端末20に送信する(ステップS22)。そして、メンテナンス処理部216は、メンテナンス情報に記憶されたビーコンIDの中から、メンテナンスが完了したビーコン端末10のビーコンIDを除外する処理を実行し(ステップS23)、本処理を終了する。
以上のように、携帯端末20は、読取部207によってメンテナンス対象のビーコンIDが読み取られたことを条件に、該当するビーコン端末10との間で通信を確立し、当該ビーコン端末10をメンテナンスするための処理を実行する。これにより、携帯端末20の操作者は、メンテナンス対象のビーコン端末10に付されたコードシンボルCSを携帯端末20に読み取らせることで、そのビーコン端末10のメンテナンス作業を行うことができる。したがって、携帯端末20は、ビーコン端末10のメンテナンス作業を支援することできる。
また、携帯端末20は、近距離無線通信部203で受信したビーコンIDの中にメンテナンス対象のビーコンIDが含まれることを条件に報知を行う。これにより、携帯端末20の操作者は、自己の周辺にメンテナンス対象のビーコン端末10が存在することを把握することができるため、ビーコン端末10の探索を効率的に行うことができる。
また、携帯端末20は、読取部207によってメンテナンス対象のビーコンIDが読み取られたことを条件に報知を行う。これにより、携帯端末20の操作者は、コードシンボルCSの読み取りを行ったビーコン端末10がメンテナンス対象であることを容易に把握することができるため、ビーコン端末10の探索を効率的に行うことができる。
なお、上記実施形態では、携帯端末20は、ローカルに保存したメンテナンス情報を参照し、受信したビーコンIDがメンテナンス対象か否かを判定する構成としたが、これに限らないものとする。例えば、携帯端末20は、近距離無線通信部203でビーコンIDが受信されると、そのビーコンIDをサーバ装置30に照会することで、オンライン上のメンテナンス情報を参照する構成としてもよい。この場合、携帯端末20は、近距離無線通信部203が受信したビーコンIDをサーバ装置30に照会し、そのビーコンIDに対応する付加情報がメンテナンス情報に記憶されている場合、その付加情報に基づいてビーコン端末10のメンテナンスを行う。
また、上記実施形態では、携帯端末20は、ビーコン端末10のメンテナンス処理として、既存のビーコン端末10に対して配信情報の更新や動作チェックを行う例を説明したが、これに限らないものとする。
例えば、携帯端末20は、新たなビーコン端末10に対して配信情報等を記憶させる処理を行ってもよい。ここで、新たなビーコン端末10とは、ビーコンシステム1に新たに追加するビーコン端末10の他、故障等の理由により既存のビーコン端末10と交換の対象となるビーコン端末10を意味する。後者の場合、携帯端末20は、既存のビーコン端末10と交換することが可能な新たなビーコン端末10との間で通信を確立した後、既存のビーコン端末10のビーコンIDに対応付けられた配信情報等を、新たなビーコン端末10に記憶させるための処理を実行する。そして、携帯端末20は、処理が完了すると、交換元となった既存のビーコン端末10のビーコンIDと、交換先のビーコン端末10のビーコンIDとを、メンテナンスの完了通知とともに、サーバ装置30や他の携帯端末20に送信する。
また、上記実施形態では、配信情報の更新や動作チェック等、ビーコン端末10自体のメンテナンスを行う例を説明したが、ビーコン端末10に付されるコードシンボルCSもメンテナンスの対象となる。係るメンテナンスとしては、例えば、配信情報等の更新に伴ってコードシンボルCSを張り替える場合や、新たなビーコン端末10にコードシンボルCSを貼付するような場合が挙げられる。そこで、携帯端末20は、このようなメンテナンス作業を支援するため、コードシンボルCSを発行可能な構成を備えてもよい。以下、コードシンボルCSを発行可能な構成を備えた携帯端末20を、上記実施形態の変形例として説明する。なお、上記実施形態と同様の要素については同一の符号を付与し説明を省略する。
[変形例]
図9は、変形例に係る携帯端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。図9に示すように、携帯端末20は、図4で説明したハードウェア構成に加え、印刷部209を備えている。
印刷部209は、ラベル用紙等の媒体に印刷を行う印刷装置である。印刷部209は、後述する印刷制御部217の制御の下、コードシンボルCSを印刷した媒体を、図示しない発行口から発行する。なお、印刷部209は、携帯端末20と一体的に設けられてもよいし、図示しない接続インタフェースを介して携帯端末20に外付けされる構成としてもよい。
図10は、変形例に係る携帯端末20の機能構成の一例を示す図である。図10に示すように、携帯端末20は、図7で説明した機能構成に加え、印刷制御部217を備えている。
印刷制御部217は、生成手段及び印刷制御手段の一例である。印刷制御部217は、印刷部209を制御することで、コードシンボルCSの画像を媒体に印刷させる。
具体的には、印刷制御部217は、メンテナンス対象となるビーコン端末10のビーコンID等を含んだコードシンボルCSの画像を生成する。印刷制御部217は、生成した画像を印刷部209に印刷させることで、コードシンボルCSが印刷された媒体を発行する。携帯端末20の操作者は、コードシンボルCSが印刷された媒体を、メンテナンス対象のビーコン端末10に貼付することで、コードシンボルCSの貼り替えを行うことができる。
なお、画像の生成に用いるビーコンID等の情報は、読取制御部214や近距離通信制御部211で取得された情報を用いることができる。例えば、第2判定部215で一致すると判定されたビーコンIDを画像の生成に用いてもよい。なお、コードシンボルCSの破損等により読取部207でコードシンボルCSを読み取れないような場合には、メンテナンス情報に含まれたビーコンID等の情報を用いて画像を生成してもよい。
また、印刷制御部217がコードシンボルCSを印刷するタイミングは特に問わないものとする。例えば、印刷制御部217は、メンテナンス処理部216が実行するメンテナンス処理の一要素として、コードシンボルCSの印刷を行う構成としてもよい。また、例えば、印刷制御部217は、操作部206を介して所定の操作が行われた場合に、コードシンボルCSの印刷を行う構成としてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記の実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、携帯端末20が近距離無線通信を行う通信装置をビーコン端末10としたが、通信装置の種類はこれに限定されないものとする。例えば、通信装置は、RFID(Radio Frequency IDentifier)技術を用いて近距離無線通信を行うRFタグ(無線タグ、ICタグ)等であってもよい。なお、携帯端末20は、使用する通信装置の通信規格に対応した近距離無線通信部203を備えるものとする。
また、上記実施形態では、携帯端末20は、メンテナンス対象のビーコン端末10を、配信されたビーコンIDに基づいて絞り込んだ後、コードシンボルCSを読み取ることで特定する構成としたが、これに限らず、コードシンボルCSの読み取りを最初に行う構成としてもよい。例えば、目の前に置かれた複数のビーコン端末10の中から、メンテナンス対象のビーコン端末10を特定するような場合、携帯端末20は、配信情報の受信を行わずに、コードシンボルCSの読み取りによってメンテナンス対象のビーコン端末10を特定してもよい。この場合、携帯端末20は、図8で説明した処理のステップS16〜S23を行うことで、コードシンボルCSの読み取り対象となったビーコン端末10がメンテナンス対象か否かを判定することができる。
また、上記実施形態の携帯端末20で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでフロッピー(登録商標)ディスク、CD(Compact Disc)、CD−R(Compact Disc-Recordable)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDメモリカード(SD memory card)、USBメモリ(Universal Serial Bus memory)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
また、上記実施形態の携帯端末20で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせること等により提供するように構成してもよい。