JP6906238B2 - 3次元状態推定装置、3次元状態推定プログラム及び3次元状態推定方法 - Google Patents

3次元状態推定装置、3次元状態推定プログラム及び3次元状態推定方法 Download PDF

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Description

本発明は、単体分離粒子及び片刃粒子で構成される粒子群が包含される多成分材料の2次元画像データから前記多成分材料の内部構造に係る3次元状態を推定する3次元状態推定装置、3次元状態推定プログラム及び3次元状態推定方法に関する。
天然鉱石等の多成分材料を破砕して得られる粒子群には、単一成分で構成される粒子と、複数成分で構成される粒子とが混在している。
粒子が単一成分で構成された状態は、一般に単体分離と呼ばれ、前記単一成分で構成される粒子は、一般に単体分離粒子と呼ばれている。特定成分の前記単体分離粒子の質量を前記多成分材料中に含まれる前記特定成分の質量で除す等により得られる、前記多成分材料中に含まれる前記単体分離粒子の割合を指標する値は、一般に単体分離度と呼ばれている。
また、前記複数成分で構成される粒子は、一般に片刃粒子と呼ばれ、前記多成分材料中に含まれる前記片刃粒子の割合を指標する値は、一般に片刃度と呼ばれている。
天然鉱石等から有用金属を効率良く回収するためには、破砕生成物の前記単体分離度を正確に測定することが重要である。
例えば、前記有用金属の前記単体分離度が高い天然鉱石等であれば、前記天然鉱石等から高い割合で前記有用金属を回収することができる一方で、前記有用金属の前記単体分離度が低い天然鉱石等であれば、前記天然鉱石等から低い割合でしか前記有用金属を回収することができず、前記天然鉱石等から前記有用金属を選別する処理にも大きな負担がかかることから、前記天然鉱石等を産出する鉱山等の開発を進めるにあたって、事前に前記有用金属の前記単体分離度を正確に測定し、前記鉱山等の優劣評価を正しく行うとともに破砕・粉砕方法の最適化を図ることが重要となってくる。
前記天然鉱石等の前記単体分離度の測定方法として、対象粒子を樹脂で固めたサンプルを切断し、断面から観測される2次元的な粒子構造を観測することが、従来から一般的に行われている。
しかしながら、この2次元的な粒子構造を観測する手法では、前記対象粒子が前記片刃粒子であっても、切断する断面の位置によって、前記単体分離粒子と誤認させるバイアスが発生する。このバイアスは、ステレオロジカルバイアスとも呼ばれ、前記手法では、原理上避けることができず、結果として前記単体分離度を過大に評価させることが知られている。
このステレオロジカルバイアスが発生する様子を図1を参照しつつ説明をする。なお、図1は、ステレオロジカルバイアスが発生する様子を説明するための説明図である。
図1に示すように、対象粒子P1は、成分Aと成分Bとで構成される片刃粒子である。この対象粒子P1に対し、Xの位置における断面を観察すると、成分Aの単体分離粒子であると誤認させる。また、Yの位置における断面を観察すると、成分A及び成分Bの片刃粒子と認識させる。また、Zの位置における断面を観察すると、成分Bの単体分離粒子であると誤認させる。
つまり、前記2次元的な粒子構造を観測する手法では、対象粒子P1が前記片刃粒子であっても、3つの位置における断面観察において、正しく前記片刃粒子であると認識させるのは、Yの位置における断面を観察した場合のみであって、残り2つのX及びZの位置における断面を観察すると、前記単体分離粒子であると誤認させるステレオロジカルバイアスが発生する。また、このステレオロジカルバイアスは、X及びZの位置における断面観察で生じる誤認に基づいて、前記単体分離度を必然的に過大評価させることとなる。
前記ステレオロジカルバイアスによる誤認を低減させる方法として、前記多成分材料の断面観察から、見掛け上単体分離している粒子数を測定して前記単体分離度を求め、この単体分離度をロッキングファクターと呼ばれる実験係数で除することで、真の単体分離度を予測する方法が提案されている。(非特許文献1,2参照)。
しかしながら、この提案で用いられる前記ロッキングファクターは、前記粒子の内部構造の影響を考慮せずに設定されることから、実験に用いた多成分材料以外の多成分材料に適用できない等の問題がある。
また、前記ステレオロジカルバイアスによる誤認を低減させる方法として、前記多成分材料の断面観察から前記対象粒子毎の着目成分の含有率を測定し、これを2次元における片刃度とし、この2次元における片刃度を、実験的に求めた核関数により3次元上の片刃度に変換して補正する方法が提案されている(非特許文献3参照)。この提案では、前記着目成分の片刃度が0%又は100%の粒子が前記単体分離粒子に相当する。
しかしながら、この提案で用いられる前記核関数は、実験に用いた多成分材料に固有の関数であり、前記多成分材料以外の多成分材料に適用できない問題がある。また、前記核関数を求めるための実験の過程で3次元における片刃度も求まるため、2次元における片刃度を3次元上の片刃度に変換して補正する必要も無いとの矛盾を含んでいる。つまり、この提案は、実験に用いた前記多成分材料以外の前記多成分材料の3次元状態を推定する方法ではない。
M. Gaudin, A., Principles of Mineral Dressing, 1939. B. Petruk, W., Correlation between grain sizes in polished section with sieving data and investigation of mineral liberation measurements from polished sections, Trans. Inst. Min. Metall. Sect. C. 87 (1978) C272-C277. R.P. King, C.L. Schneider, Stereological correction of linear grade distributions for mineral liberation, Powder Technol. 98 (1998) 21-37.
本発明は、従来技術における前記諸問題を解決し、未知材料を含む多成分材料を構成する粒子の内部構造に係る3次元状態を前記多成分材料の2次元画像データから推定可能な3次元状態推定装置、3次元状態推定プログラム及び3次元状態推定方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明者が鋭意検討を重ねたところ、次の知見が得られた。
先ず、対象粒子(片刃粒子)における2つの成分の存在状態を図2のように想定してみる。なお、図2は、対象粒子における2つの成分の存在状態を一例として示す説明図である。
図2に示す対象粒子P2では、図1に示すモデルと異なり、成分Bを母材として成分Aが粒子中に点在している。粒子中に占める成分Aの含有量は、図1に示すモデルと同等であるが、X,Y,Zのいずれの位置における断面を観察してみても、対象粒子P2を成分A及び成分Bの片刃粒子と認識することができ、前記ステレオロジカルバイアスによる誤認が生ずる頻度が図1に示すモデルよりも少ないとみることができる。
図1に示すモデルと図2に示すモデルとで、前記ステレオロジカルバイアスによる誤認が生ずる頻度に差が出る理由は、対象粒子中の成分A及び成分Bの存在状態にある。即ち、図1に示すモデルでは、対象粒子P1中に成分Aが1つの塊として一定領域中に密な状態で含まれているが、図2に示すモデルでは、対象粒子P2中に成分Aが点在し、粒子全体中に疎な状態で含まれている。
そして、この成分Aの対象粒子P1,2中の在り様の相違は、断面や表面といった2次元データからも観察することができる。このことは、2次元データから観察される断面等における成分Aの対象粒子P1,2中の在り様に基づいて、対象粒子P1,2内部における成分Aの存在状態に関する3次元データを取得することが可能であることを意味している。
そこで、本発明者は、鉱石断面等の2次元画像データに表示される有用金属等の特定成分の在り様として、前記特定成分の表示状態が一様ではない、つまり多様であることを利用し、前記2次元画像データにおける多様な表示状態を画像の複雑さとして定量的に指標する指標値を用いて前記2次元画像データから鉱石内部における前記特定成分の含有割合に関する3次元状態データを推定できないか、検討を行った。
その結果、任意の鉱石群について前記2次元画像データにおける多様な表示状態を画像の複雑さとして定量的に指標する指標値を用いた統計データを予め設定しておけば、未知の鉱石に対しても前記指標値を用いた前記統計データとの照合を行うことにより、驚くほど一致性よく前記3次元状態データの推定を行うことができることの知見が得られた。
また、この3次元状態データの推定は、前記2次元画像データにおける前記特定成分の存在状態が一様ではないことを利用して行うことから、推定対象は、鉱石に限られず、図1,2に示すような1粒子中の特定成分が多様な存在状態で含まれる多成分材料とすることができ、例えば、複数成分を含む廃棄物の破砕粒子等についても前記3次元状態データの推定を行うことができる。
本発明は、前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 単体分離粒子及び片刃粒子で構成される粒子群が包含される多成分材料の断面又は表面が表示され、かつ、前記断面又は表面における前記粒子群中の着目成分と非着目成分とが異なる表示状態で表示される2次元画像データ中の前記着目成分の多様な表示状態を画像の複雑さとして定量的に指標する複雑性指標値と、前記2次元画像データ中に前記着目成分が占める面積割合と、前記複雑性指標値及び前記面積割合が決定されたときの前記多成分材料の内部における前記着目成分の含有割合に関する3次元状態データ及び前記多成分材料の前記断面又は表面における前記着目成分の含有割合に関する2次元状態データを前記3次元状態データに補正する補正データのいずれかである3次元推定用データとの相関関係が統計化された統計データを設定可能とされる統計データ設定手段を有することを特徴とする3次元状態推定装置。
<2> 統計データ設定手段における統計データの設定に用いられる3次元推定用データが3次元状態データであり、被推定対象となる多成分材料の複雑性指標値及び面積割合が入力されたとき、前記統計データ設定手段に設定された前記統計データと照合して前記複雑性指標値及び前記面積割合の入力に対応する前記3次元状態データを導出し、導出された前記3次元状態データを前記被推定対象の3次元状態を推定する真値推定データとして出力可能とされる第1の3次元状態推定手段を更に有する前記<1>に記載の3次元状態推定装置。
<3> 統計データ設定手段における統計データの設定に用いられる3次元推定用データが補正データであり、被推定対象となる多成分材料の複雑性指標値及び面積割合の入力に基づき、前記統計データ設定手段に設定された前記統計データと照合して前記複雑性指標値及び前記面積割合の入力に対応する前記補正データを導出する補正データ導出部と、前記被推定対象となる前記多成分材料の2次元状態データの入力に基づき、前記2次元状態データを前記補正データ導出部で導出された前記補正データにより補正して3次元状態データを導出し、導出された前記3次元状態データを前記被推定対象の3次元状態を推定する真値推定データとして出力可能とされる2次元状態データ補正部と、を備える第2の3次元状態推定手段を更に有する前記<1>に記載の3次元状態推定装置。
<4> 複雑性指標値が、フラクタル次元値及び着目成分と非着目成分とで異なる画像濃度値を与えたときに前記画像濃度値の差に起因して算出される統計的特徴量のいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載の3次元状態推定装置。
<5> フラクタル次元値が、δとして下記式(1)により算出される前記<4>に記載の3次元状態推定装置。
Figure 0006906238
ただし、前記式(1)中、rは、2次元画像データ内の一辺の長さがRの正方形領域を任意の整数NでN等分して画成した画成正方形領域の一辺の長さを示し、A(r)は、前記画成正方形領域の正方形の各頂点をA,B,C,Dとして、平面座標X,Yが前記各頂点A,B,C,Dと同じに設定され、かつ、前記平面座標X,Yを構成する平面に対して直交する方向の高さZが前記各頂点A,B,C,Dにおける前記2次元画像データの各画像強度に応じて設定される点を設定点A’,B’,C’,D’としたとき、前記設定点A’,B’,D’を頂点とする一の三角形及び前記設定点B’,C’,D’を頂点とする他の三角形の2つの三角形の面積を前記正方形領域中の全ての前記画成正方形領域について計算した総和を示し、Cは、logA(1)を示す。
<6> 統計的特徴量が、2階調以上の濃度レベルで表される2次元画像データの全体又は一部の領域をXY平面座標でみたときに、前記領域における任意の2つの画素である画素1と画素2との間の座標距離をdとし、前記2つの画素間を結ぶ直線とX軸との成す角をθとしたとき、前記画素1の画素濃度値がiとなり、前記画素2の画素濃度値がjとなる画素対の前記領域中の頻度を表す行列である濃度共起行列P(i,j:d,θ)を用いて算出される前記<4>に記載の3次元状態推定装置。
<7> 統計的特徴量が、2階調以上の濃度レベルで表される2次元画像データの全体又は一部の領域をXY平面座標でみたときに、前記領域における任意の2つの画素である画素1と画素2との間の座標距離をdとし、前記2つの画素間を結ぶ直線とX軸との成す角をθとしたとき、前記画素1の画素濃度値と前記画素2の画素濃度値との差分がiとなる画素対の前記領域中の頻度を表すベクトルである濃度差ベクトルQ(i:d,θ)を用いて算出される前記<4>に記載の3次元状態推定装置。
<8> 3次元状態データが、粒子群における単体分離粒子の面積割合、体積割合、質量割合及び個数割合のいずれかを指標する単体分離度である前記<1>から<7>のいずれかに記載の3次元状態推定装置。
<9> 3次元状態データが、1粒子中における着目成分の面積割合、体積割合及び質量割合のいずれかが一定割合である片刃粒子の粒子群における面積割合、体積割合、質量割合及び個数割合のいずれかを指標する片刃度である前記<1>から<7>のいずれかに記載の3次元状態推定装置。
<10> コンピュータを、単体分離粒子及び片刃粒子で構成される粒子群が包含される多成分材料の断面又は表面が表示され、かつ、前記断面又は表面における前記粒子群中の着目成分と非着目成分とが異なる表示状態で表示される2次元画像データ中の前記着目成分の多様な表示状態を画像の複雑さとして定量的に指標する複雑性指標値と、前記2次元画像データ中に前記着目成分が占める面積割合と、前記複雑性指標値及び前記面積割合が決定されたときの前記多成分材料の内部における前記着目成分の含有割合に関する3次元状態データ及び前記多成分材料の前記断面又は表面における前記着目成分の含有割合に関する2次元状態データを前記3次元状態データに補正する補正データのいずれかである3次元推定用データとの相関関係が統計化された統計データを設定可能とされる統計データ設定手段として機能させることを特徴とする3次元状態推定プログラム。
<11> 単体分離粒子及び片刃粒子で構成される粒子群が包含される多成分材料の断面又は表面が表示され、かつ、前記断面又は表面における前記粒子群中の着目成分と非着目成分とが異なる表示状態で表示される2次元画像データ中の前記着目成分の多様な表示状態を画像の複雑さとして定量的に指標する複雑性指標値と、前記2次元画像データ中に前記着目成分が占める面積割合と、前記複雑性指標値及び前記面積割合が決定されたときの前記多成分材料の内部における前記着目成分の含有割合に関する3次元状態データ及び前記多成分材料の前記断面又は表面における前記着目成分の含有割合に関する2次元状態データを前記3次元状態データに補正する補正データのいずれかである3次元推定用データとの相関関係が統計化された統計データを設定する統計データ設定ステップを含むことを特徴とする3次元状態推定方法。
本発明によれば、従来技術における前記諸問題を解決することができ、未知材料を含む多成分材料を構成する粒子の内部構造に係る3次元状態を前記多成分材料の2次元画像データから推定可能な3次元状態推定装置、3次元状態推定プログラム及び3次元状態推定方法を提供することができる。
ステレオロジカルバイアスが発生する様子を説明するための説明図である。 対象粒子における2つの成分の存在状態を一例として示す説明図である。 第1実施形態に係る3次元状態推定装置の構成及び推定処理の流れを示すブロック図である。 2次元画像を説明するための説明図である。 2次元画像データを説明するための説明図である。 フラクタル次元値δの算出過程を説明する説明図である。 フラクタル次元値δ及び面積割合Faと、3次元状態データの値との相関関係が統計化された統計データを等値線図として表した図である。 を統計的特徴量として得られる等値線図である。 を統計的特徴量として得られる等値線図である。 を統計的特徴量として得られる等値線図である。 を統計的特徴量として得られる等値線図である。 を統計的特徴量として得られる等値線図である。 を統計的特徴量として得られる等値線図である。 を統計的特徴量として得られる等値線図である。 を統計的特徴量として得られる等値線図である。 を統計的特徴量として得られる等値線図である。 を統計的特徴量として得られる等値線図である。 を統計的特徴量として得られる等値線図である。 10を統計的特徴量として得られる等値線図である。 11を統計的特徴量として得られる等値線図である。 11 を統計的特徴量として得られる等値線図である。 12 を統計的特徴量として得られる等値線図である。 13を統計的特徴量として得られる等値線図である。 14を統計的特徴量として得られる等値線図である。 14 を統計的特徴量として得られる等値線図である。 計算領域を説明するための説明図である。 conを統計的特徴量として得られる等値線図である。 asmを統計的特徴量として得られる等値線図である。 entを統計的特徴量として得られる等値線図である。 ent を統計的特徴量として得られる等値線図である。 meanを統計的特徴量として得られる等値線図である。 第2実施形態に係る3次元状態推定装置の構成及び推定処理の流れを示すブロック図である。 フラクタル次元値δ及び面積割合Faと、ステレオロジカルバイアス補正値の値との相関関係が統計化された統計データを等値線図として表した図である。 片刃度の概念図である。 成分Aの含有割合が0%である場合の等値線図(Λ 3D)である。 成分Aの含有割合が0%を超え10%未満である場合の等値線図(Λ 3D)である。 成分Aの含有割合が10%を超え20%未満である場合の等値線図(Λ 3D)である。 成分Aの含有割合が20%を超え30%未満である場合の等値線図(Λ 3D)である。 成分Aの含有割合が30%を超え40%未満である場合の等値線図(Λ 3D)である。 成分Aの含有割合が40%を超え50%未満である場合の等値線図(Λ 3D)である。 成分Aの含有割合が50%を超え60%未満である場合の等値線図(Λ 3D)である。 成分Aの含有割合が60%を超え70%未満である場合の等値線図(Λ 3D)である。 成分Aの含有割合が70%を超え80%未満である場合の等値線図(Λ 3D)である。 成分Aの含有割合が80%を超え90%未満である場合の等値線図(Λ 3D)である。 成分Aの含有割合が90%を超え100%未満である場合の等値線図(Λ 3D)である。 成分Aの含有割合が100%である場合の等値線図である。 成分Aの含有割合が0%である場合の等値線図(Λ Dif)である。 成分Aの含有割合が0%を超え10%未満である場合の等値線図(Λ Dif)である。 成分Aの含有割合が10%を超え20%未満である場合の等値線図(Λ Dif)である。 成分Aの含有割合が20%を超え30%未満である場合の等値線図(Λ Dif)である。 成分Aの含有割合が30%を超え40%未満である場合の等値線図(Λ Dif)である。 成分Aの含有割合が40%を超え50%未満である場合の等値線図(Λ Dif)である。 成分Aの含有割合が50%を超え60%未満である場合の等値線図(Λ Dif)である。 成分Aの含有割合が60%を超え70%未満である場合の等値線図(Λ Dif)である。 成分Aの含有割合が70%を超え80%未満である場合の等値線図(Λ Dif)である。 成分Aの含有割合が80%を超え90%未満である場合の等値線図(Λ Dif)である。 成分Aの含有割合が90%を超え100%未満である場合の等値線図(Λ Dif)である。 成分Aの含有割合が100%である場合の等値線図(Λ Dif)である。 球形粒子の粒径分布を示す図である。 作成した粒子集合体を示す図である。 個別要素法により作成した球形粒子を示す図である。 球形要素中にphase A要素を発生させた状態を示す図である。 作成した球形の2成分粒子を示す図である。 単体分離度(L 3D)とフラクタル次元(δ)及び面積割合(Fa)との相関関係が統計化された等値線図である。 単体分離度(L 3D)とフラクタル次元(δ)及び面積割合(Fa)との相関関係が統計化された等値線図である。 単体分離度過大評価率(σ)とフラクタル次元(δ)及び面積割合(Fa)との相関関係が統計化された等値線図である。 単体分離度過大評価率(σ)とフラクタル次元(δ)及び面積割合(Fa)との相関関係が統計化された等値線図である。 Geodesic grid法で作成される粒子を説明する説明図である。 球形を基本形状とした粒子の例を示す図である。 モデル粒子で構成された多成分材料を示す図である モデル粒子に対し、phase A及びphase Bの2成分を設定する方法を説明するための説明図(1)である。 モデル粒子に対し、phase A及びphase Bの2成分を設定する方法を説明するための説明図(2)である。 モデル粒子に対し、phase A及びphase Bの2成分を設定する方法を説明するための説明図(3)である。 12通りのモデル粒子を示す図である。 No.11のモデル粒子(α=2.0,Sc=0.914)で作成した前記多成分材料の断面を示す図である。 estに被推定対象の3次元状態の単体分離度についての真値推定データ(L 3D’)及び2次元状態の単体分離度(L 2D)を代入して得られる真値(L 3D)に対する単体分離度推定誤差率(E)の比較表を示す図である。 estに補正により得られた被推定対象の3次元状態の単体分離度についての真値推定データ(L 3D’’)及び2次元状態の単体分離度(L 2D)を代入して得られる真値(L 3D)に対する単体分離度推定誤差率(E)の比較表を示す図である。
(3次元状態推定装置)
以下では、本発明の3次元状態推定装置に係る第1実施形態及び第2実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
<第1実施形態>
図3は、第1実施形態に係る3次元状態推定装置の構成及び推定処理の流れを示すブロック図である。
図3に示すように、第1実施形態に係る3次元状態推定装置は、統計データ設定手段1と3次元状態推定手段2とを有する。
この第1実施形態に係る3次元状態推定装置では、単体分離粒子及び片刃粒子で構成される粒子群が包含される多成分材料について、前記多成分材料の2次元画像データから得られるデータから前記多成分材料の内部構造に係る3次元状態を推定する。
前記2次元画像データは、前記多成分材料の断面又は表面が表示され、かつ、前記断面又は表面における前記粒子群中の着目成分と非着目成分とが異なる表示状態で表示されるデータである。例えば、図4(a)に示す電子顕微鏡、エネルギー分散型X線分析装置等の公知の画像取得装置を用いて取得される2次元画像に対し、図4(b)に示すように前記着目成分と前記被着目成分とを異なる画像濃度で表示したものが挙げられる。なお、図4(a)は、前記2次元画像を説明するための説明図であり、図4(b)は、前記2次元画像データを説明するための説明図である。
図4(a),(b)では、3成分のうち1成分を前記着目成分としているが、前記3成分のうちいずれの成分を前記着目成分とするかについては任意性があり、図中、前記非着目成分として表示された2成分のうち1成分を前記着目成分としてもよい。
また、図4(a)の前記2次元画像に対する図4(b)に示す画像処理は、後続の推定処理を簡便に行うためのものであり、図4(a)に示すように、前記着目成分と前記非着目成分とが異なる表示状態で表示されるものであれば、前記2次元画像そのものを前記2次元画像データとして取り扱うこともできる。また、前記粒子が2成分である場合も、前記2次元画像そのものを前記2次元画像データとして取り扱ってよい。
前記多成分材料としては、前記単体分離粒子及び前記片刃粒子で構成される前記粒子群が包含されるものであれば特に制限はなく、有用金属を含む鉱石、有価物を含む種々の工業廃棄物を挙げることができる。
統計データ設定手段1では、複雑性指標値、面積割合及び3次元推定用データとしての3次元状態データとの相関関係が統計化された統計データが設定可能とされる。
3次元状態推定手段2では、被推定対象となる多成分材料の前記複雑性指標値及び前記面積割合が入力されたとき、統計データ設定手段1に設定された前記統計データと照合して前記複雑性指標値及び前記面積割合の入力に対応する前記3次元状態データを導出し、導出された前記3次元状態データを前記被推定対象の3次元状態を推定する真値推定データとして出力可能とされる。
即ち、第1実施形態に係る3次元状態推定装置では、設定用データとしての前記複雑性指標値、前記面積割合及び前記3次元状態データから、これらの相関関係が統計化された前記統計データを統計データ設定手段1で予め設定しておくことで、3次元状態推定手段2に前記被推定対象となる前記多成分材料の前記複雑性指標値及び前記面積割合が入力されたときに、前記統計データと照合して前記複雑性指標値及び前記面積割合の入力に対応する前記3次元状態データを導出し、これを直接、前記被推定対象の前記真値推定データとして出力する。なお、第1実施形態に係る3次元状態推定装置は、公知の演算処理装置により構成することができる。
前記複雑性指標値は、2次元画像データ中の前記着目成分の多様な表示状態を画像の複雑さとして定量的に指標するものである。
前記複雑性指標値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。即ち、本発明は、前記2次元画像データ中の前記着目成分の一様でない表示状態、つまり多様な表示状態が、前記多成分材料の前記3次元状態を推定する有力な指標となり得るとの知見に基づき発明されたものであり、前記複雑性指標値としては、この多様な表示状態を定量化できるものであればよい。
前記複雑性指標値として好適な指標値としては、テクスチャ画像の解析に用いられる各種統計量を挙げることができ、例えば、フラクタル次元値や、濃度共起行列、濃度差ベクトル等を用いた統計的手法により前記画像濃度値の差に起因して算出される統計的特徴量、ここでは、前記着目成分と前記非着目成分とで異なる画像濃度値を与えたときに前記画像濃度値の差に起因して算出される統計的特徴量を挙げることができる。
なお、前記複雑性指標値を用いた推定処理の具体的な内容については、別途、複数の例を挙げて後述する。
前記面積割合は、前記2次元画像データ中に前記着目成分が占める面積割合である。
前記3次元状態データは、前記複雑性指標値及び前記面積割合が決定されたときの前記多成分材料の内部における前記着目成分の含有割合に関するデータである。
即ち、第1実施形態に係る3次元状態推定装置では、3次元推定用データとして前記3次元状態データそのものを設定用データに加えて統計データ設定手段1による統計データの設定を行うため、前記真値推定データが、3次元状態推定手段2に前記被推定対象の前記複雑性指標値及び前記面積割合を入力して前記統計データとの照合を行うだけで、直接的に出力される。
前記3次元状態データとしては、特に制限はないが、前記多成分材料の内部構造を把握可能な有用なデータであることが好ましく、前記多成分材料を評価する上で有意な指標とされる単体分離度や片刃度等のデータであることが好ましい。
なお、前記単体分離度は、前記粒子群における前記単体分離粒子の面積割合、体積割合、質量割合及び個数割合のいずれかを指標するものであり、前記片刃度は、1粒子中における前記着目成分の面積割合、体積割合及び質量割合のいずれかが一定割合である前記片刃粒子の前記粒子群における面積割合、体積割合、質量割合及び個数割合のいずれかを指標するものである。
前記統計データの設定方法としては、図3中に図示するように統計データ設定手段1において、前記複雑性指標値、前記面積割合及び前記3次元推定用データとしての前記3次元状態データの各設定用データの入力に基づき、これらの相間関係を統計化して前記統計データを作成し、これを登録する方法が挙げられる。
なお、図示しないものの前記3次元状態推定装置外の公知の演算処理手段において、前記複雑性指標値、前記面積割合及び前記3次元状態データの相間関係を統計化して前記統計データを作成し、作成された前記統計データを統計データ設定手段1に入力して、これを登録することとしてもよい。
前記統計データの作成方法としては、特に制限はなく、実証的手法、仮想的手法のいずれの作成方法でもよい。
前記実証的手法としては、例えば、前記多成分材料の前記2次元画像データを取得して前記複雑性指標値及び前記面積割合を求めるとともに、前記2次元画像データの取得後、前記多成分材料の顕微鏡観察と研磨とを繰り返し行って、微小間隔の複数断面情報を連続的に取得する等の方法により前記3次元状態データを実証的に求め、得られた前記複雑性指標値、前記面積割合及び前記3次元状態データの相関関係を統計化すること等が挙げられる。なお、前記実証的手法に用いられる前記多成分材料は、前記被測定対象の多成分材料に対する測定を行うためのサンプルであり、任意性を有するが、例えば、前記被測定対象の多成分材料が鉱石である場合に、同系統の鉱石をサンプルとして選択すると、より正確な推定結果が得られ易いことから、前記被測定対象の多成分材料と同種の多成分材料から選択されることが好ましい。また、前記実証的手法により作成される前記統計データとしては、前記被測定対象の多成分材料の種類に応じて選択可能であるように、複数、設定されていてもよい。
また、前記仮想的手法としては、例えば、予め前記3次元状態データ、構成粒子の粒子数、粒径、形状、前記構成粒子における前記着目成分の分布状態等が仮想的に設定された前記多成分材料の前記2次元画像データに対し、前記複雑性指標値及び前記面積割合を求め、得られた前記複雑性指標値、前記面積割合及び前記3次元状態データの相関関係を統計化すること等が挙げられる。なお、前記仮想的手法において設定される各種データは、前記被測定対象の多成分材料に対する測定を行うためのサンプルデータであり、任意性を有するが、例えば、前記被測定対象の多成分材料が鉱石である場合に、同系統の鉱石に準じてデータを設定すると、より正確な推定結果が得られ易いことから、前記被測定対象の多成分材料と同種の多成分材料に準じて設定されることが好ましい。前記仮想的手法により作成される前記統計データとしては、前記被測定対象の多成分材料の種類に応じて選択可能であるように、複数、設定されていてもよい。
なお、前記実証的手法及び前記仮想的手法のいずれの手法においても、前記3次元状態データとしては、前記ステレオロジカルバイアスの発生原理(図1参照)に従って、前記2次元状態データを前記3次元状態データに補正する形で求めることが好ましい。また、前記統計データを複数、設定する場合、これらは、前記実証的手法及び前記仮想的手法のいずれかで作成されたものであってもよいし、前記実証的手法で作成されたものと前記仮想的手法で作成されたものとの併用であってもよい。
3次元状態推定手段2に入力される前記被測定対象データとしての前記複雑性指標値及び前記面積割合としては、前記3次元状態推定装置内に図示しない公知の画像分析手段を設け、前記画像分析手段において前記被測定対象データの前記2次元画像データの取得、解析等を行って得ることとしてもよいし、前記3次元状態推定装置外の前記画像分析手段から得ることとしてもよい。
以下では、前記複雑性指標値を、前記フラクタル次元値、前記濃度共起行列を用いた統計的手法により前記着目成分と前記非着目成分とで異なる画像濃度値を与えたときに前記画像濃度値の差に起因して算出される統計的特徴量、及び、濃度差ベクトルを用いた統計的手法により前記着目成分と前記非着目成分とで異なる画像濃度値を与えたときに前記画像濃度値の差に起因して算出される統計的特徴量としたときのそれぞれの推定処理の流れについて、より具体的に説明する。
先ず、前記フラクタル次元値を用いる場合の推定処理の流れについて説明する。
ここでは、前記フラクタル次元値をδとして下記式(1)により算出する。
Figure 0006906238
ただし、前記式(1)中、rは、前記2次元画像データ内の一辺の長さがRの正方形領域を任意の整数NでN等分して画成した画成正方形領域の一辺の長さを示し、A(r)は、前記画成正方形領域の正方形の各頂点をA,B,C,Dとして、平面座標X,Yが前記各頂点A,B,C,Dと同じに設定され、かつ、前記平面座標X,Yを構成する平面に対して直交する方向の高さZが前記各頂点A,B,C,Dにおける前記2次元画像データの各画像強度に応じて設定される点を設定点A’,B’,C’,D’としたとき、前記設定点A’,B’,D’を頂点とする一の三角形及び前記設定点B’,C’,D’を頂点とする他の三角形の2つの三角形の面積を前記正方形領域中の全ての前記画成正方形領域について計算した総和を示し、Cは、logA(1)を示す。
具体的には、先ず、図5中の(a)に示す前記2次元画像データから1つの粒子断面に着目して、図5中の(b)に示す前記粒子の最大径(dmax)と略同等の長さを一辺の長さをRとする正方形領域を設定する。なお、図5は、フラクタル次元値δの算出過程を説明する説明図である。
次いで、この正方形領域を任意の整数N(図5中の(b)に示す例では、N=8)でN等分して画成し、一辺の長さがrの画成正方形領域を設定する。
次いで、前記画成正方形領域の正方形の各頂点をA,B,C,Dとして、平面座標X,Yが前記各頂点A,B,C,Dと同じに設定され、かつ、前記平面座標X,Yを構成する平面に対して直交する方向の高さZが前記各頂点A,B,C,Dにおける前記2次元画像データの各画像強度(図5の例では、各画像濃度値)に応じて設定される点を設定点A’,B’,C’,D’とする。なお、設定点A’,B’,C’,D’は、図5中の(c)に示すように各頂点A,B,C,Dと同一アルファベット同士で対応する関係にある。
次いで、設定点A’,B’,D’を頂点とする一の三角形及び前記設定点B’,C’,D’を頂点とする他の三角形の2つの三角形の面積を計算する。この計算を前記正方形領域中の全ての前記画成正方形領域について計算し、その総和をA(r)とする。
次いで、前記式(1)にrとA(r)とを代入し、フラクタル次元値δを求める。
なお、確率誤差を減らすため、上記のフラクタル次元値δ算出処理を、例えば、Nの数値を変えて複数回行い、複数通りで算出されたフラクタル次元値δを最小二乗法により近似して最終的に1つのフラクタル次元値δを得ることが好ましい。
また、前記2次元画像データ全体を代表するフラクタル次元値は、上記の方法で各粒子断面におけるフラクタル次元値δを計算後、各粒子の断面積とフラクタル次元値δとの積を前記2次元画像データ全体の粒子断面について足し合わせて得られる値を、前記2次元画像データ中の前記多成分材料のサンプル断面内における全粒子の断面積の和で除することで計算することができる。
なお、前記フラクタル次元値の算出処理については、下記参考文献1に記載の算出方法を参考とすることができる。
参考文献1:H. Kaneko, Fractal Feature and Texture Analysis, IEICE Trans. Inf. Syst. (Japanese Ed. J70-D (1987) 964-972.
次いで、図5中の(a)に示す2次元画像データから前記着目成分の面積(画像濃度が濃い部分)の面積割合Faを算出する。
上述のフラクタル次元値δ及び面積割合Faの算出処理を、前記3次元状態データの値が様々である前記多成分材料の複数の前記2次元画像データごとに行って、フラクタル次元値δ及び面積割合Faと、前記3次元状態データの値との相関関係を統計化し、例えば、図6に示すフラクタル次元値δ及び面積割合Faと、前記3次元状態データの値との相関関係が等値線図で表された前記統計データを作成し、統計データ設定手段1に登録する。つまり、統計データ設定手段1に対し、前記統計データの設定を行う。
なお、図6は、フラクタル次元値δ及び面積割合Faと、前記3次元状態データの値との相関関係が統計化された前記統計データを等値線図として表した図である。また、図中の「L 3D」は、前記3次元状態データとして、成分Aの単体分離度を示し、「L 3D」は、成分Bの単体分離度を示し、「Λ 3D」は、成分Aに着目した片刃度を示す。
次に、前記統計データの設定処理と同様の処理により、前記被推定対象となる前記多成分材料についてのフラクタル次元値δ及び面積割合Faを求める。
得られたフラクタル次元値δ及び面積割合Faを3次元状態推定手段2に入力して前記統計データとの照合を行い、これらの入力値に対応する前記3次元状態データを取得し、これを直接、前記真値推定データとして出力させる(図6参照)。
以上の推定処理により、第1実施形態に係る3次元状態推定装置では、前記2次元画像データから前記多成分材料の前記3次元状態データの前記真値を推定することができる。
次に、前記濃度共起行列を用いた統計的手法により前記着目成分と前記非着目成分とで異なる画像濃度値を与えたときに前記画像濃度値の差に起因して算出される統計的特徴量を用いる場合の推定処理について説明する。なお、前記フラクタル次元値δに代えて、この統計的特徴量を用いること以外は、前記フラクタル次元値δを用いた場合の推定処理と同様であるため、ここでは、この統計的特徴量の算出方法と、この統計的特徴量から得られる前記統計データとについて説明を行う。
濃度共起行列P(i,j:d,θ)は、2階調以上の濃度レベルで表される2次元画像データの全体又は一部の領域をXY平面座標でみたときに、前記領域における任意の2つの画素である画素1と画素2との間の座標距離をdとし、前記2つの画素間を結ぶ直線とX軸との成す角をθとしたとき、前記画素1の画素濃度値がiとなり、前記画素2の画素濃度値がjとなる画素対の前記領域中の頻度を表す行列である。
濃度共起行列P(i,j:d,θ)から、下記式(2)で表される総和濃度共起行列P(i,j)が導かれる。この総和濃度共起行列P(i,j)は、dが等しくθが異なる濃度共起行列P(i,j:d,θ)について、全てのθについての濃度共起行列Pを足し合わせた行列である。
Figure 0006906238
また、濃度共起行列P(i,j:d,θ)から、下記式(3)で表される差分濃度共起行列P(i,j)が導かれる。この差分濃度共起行列P(i,j)は、dが等しくθが異なる濃度共起行列P(i,j:d,θ)について、各要素の最大値と最小値の差を行列としたものである。
Figure 0006906238
総和濃度共起行列P(i,j)を各要素の総和で正規化して、下記式(4)で表される正規化総和濃度共起行列p(i,j)が導かれる。
Figure 0006906238
また、差分濃度共起行列P(i,j)を各要素の総和で正規化して、下記式(5)で表される正規化差分濃度共起行列p(i,j)が導かれる。
Figure 0006906238
以上により、濃度共起行列P(i,j:d,θ)の要素の和を正規化した正規化総和濃度共起行列p(i,j)と、濃度共起行列P(i,j:d,θ)の要素の最大値と最小値との差を正規化した正規化差分濃度共起行列p(i,j)が導出される。
正規化総和濃度共起行列p(i,j)を用いて、前記統計的特徴量の算出を行う。ここでは、前記2次元画像のテクスチャ解析方法としてHaralickが提唱する下記14種の統計的特徴量(f〜f14)を例示する。なお、正規化総和濃度共起行列p(i,j)に代えて、正規化差分濃度共起行列p(i,j)を用いることで、同様の統計的特徴量(f 〜f14 )が得られる。
Figure 0006906238
Figure 0006906238
Figure 0006906238
前記統計的特徴量から得られる前記統計データの例を図7(a)〜(r)に示す。なお、図7(a)は、fを前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図7(b)は、fを前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図7(c)は、f を前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図7(d)は、fを前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図7(e)は、f を前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図7(f)は、fを前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図7(g)は、f を前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図7(h)は、fを前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図7(i)は、f を前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図7(j)は、fを前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図7(k)は、f を前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図7(l)は、f10を前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図7(m)は、f11を前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図7(n)は、f11 を前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図7(o)は、f12 を前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図7(p)は、f13を前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図7(q)は、f14を前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図7(r)は、f14 を前記統計的特徴量として得られる等値線図である。
なお、図7(a)〜(r)に示す前記統計データを作成するにあたり、前記2次元画像データの階調数を2階調とし、また、前記画素1の座標を(x,y)とした場合の前記画素2の座標を、(x+1,y),(x−1,y),(x+1,y+1),(x−1,y−1),(x,y+1),(x,y−1),(x−1,y+1),(x+1,y−1)とで8通りに設定してd=1とし、また、これら前記画素1及び前記画素2の間を結ぶ直線とX軸との成す角である角度θを、前記画素2の座標(x+1,y),(x−1,y)につきθ=0°、前記画素2の座標(x+1,y+1),(x−1,y−1)につきθ=45°、前記画素2の座標(x,y+1),(x,y−1)につきθ=90°、前記画素2の座標(x−1,y+1),(x+1,y−1)につきθ=135°の4通りとし、これら4通りの濃度共起行列P(i,j:d,θ)、即ち、P(i,j:1,0°),P(i,j:1,45°),P(i,j:1,90°),P(i,j:1,135°)を用いて、各種計算を行った。なお、前記画素1と前記画素2との間の前記座標距離であるdは、前記画素1の座標を(x,y)、前記画素2の座標を(x2,y2)とした場合、次式、(x−x2)+(y−y2)の平方根で計算され、小数点以下の値が生じた場合は四捨五入により整数とする。従って、前記角度θが0°又は90°のときはd=1となり、前記角度θが45°、135°のときは、d=√2となるが、後者について小数点以下の値を四捨五入してd=1として、いずれの場合もd=1とした。
また、計算では、図8に示すように各粒子断面と中心を同じくする一辺dmaxの正方形領域を設定し、前記正方形領域を、(N−1)等分して作成したN個のプロットのうち、粒子断面内にあるプロットを計算対象とし、ここでは、N=50とした。なお、図8は、計算領域を説明するための説明図である。
次に、前記濃度差ベクトルを用いた統計的手法により前記着目成分と前記非着目成分とで異なる画像濃度値を与えたときに前記画像濃度値の差に起因して算出される統計的特徴量を用いる場合の推定処理について説明する。なお、前記フラクタル次元値δに代えて、この統計的特徴量を用いること以外は、前記フラクタル次元値δを用いた場合の推定処理と同様であるため、ここでは、この統計的特徴量の算出方法と、この統計的特徴量から得られる前記統計データとについて説明を行う。
濃度差ベクトルQ(i:d,θ)は、2階調以上の濃度レベルで表される2次元画像データの全体又は一部の領域をXY平面座標でみたときに、前記領域における任意の2つの画素である画素1と画素2との間の座標距離をdとし、前記2つの画素間を結ぶ直線とX軸との成す角をθとしたとき、前記画素1の画素濃度値と前記画素2の画素濃度値との差分がiとなる画素対の前記領域中の頻度を表すベクトルである。
濃度差ベクトルQ(i:d,θ)から、下記式(31)で表される総和濃度差ベクトルQ(i)が導出される。この総和濃度差ベクトルQ(i)は、dが等しくθが異なる濃度差ベクトルQ(i:d,θ)について、全てのθについての濃度差ベクトルQを足し合わせたベクトルである。
Figure 0006906238
また、濃度差ベクトルQ(i:d,θ)から、下記式(32)で表される差分濃度差ベクトルQ(i)が導かれる。この差分濃度差ベクトルQ(i)は、dが等しくθが異なる濃度差ベクトルQ(i:d,θ)について、各要素の最大値と最小値の差をベクトルとしたものである。
Figure 0006906238
また、総和濃度差ベクトルQ(i)を要素の総和で正規化して、下記式(33)で表される正規化総和濃度差ベルトルq(i)が導かれる。
Figure 0006906238
また、差分濃度差ベクトルQ(i)を要素の総和で正規化して、下記式(34)で表される正規化差分濃度差ベルトルq(i)が導かれる。
Figure 0006906238
以上により、濃度差ベクトルQ(i:d,θ)の要素の和を正規化した正規化総和濃度差ベルトルq(i)と、濃度差ベクトルQ(i:d,θ)の要素の最大値と最小値との差を正規化した正規化差分濃度差ベルトルq(i)が導出される。
正規化総和濃度差ベルトルq(i)を用いて、前記統計的特徴量の算出を行う。ここでは、前記2次元画像のテクスチャ解析方法として用いられる下記4種の統計的特徴量(fcon,fasm,fent,fmean)を例示する。なお、正規化総和濃度差ベルトルq(i)に代えて、正規化差分濃度差ベルトルq(i)を用いることで、同様の統計的特徴量(fcon ,fasm ,fent ,fmean )が得られる。
Figure 0006906238
前記統計的特徴量から得られる前記統計データの例を図9(a)〜(e)に示す。なお、図9(a)は、fconを前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図9(b)は、fasmを前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図9(c)は、fentを前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図9(d)は、fent を前記統計的特徴量として得られる等値線図であり、図9(e)は、fmeanを前記統計的特徴量として得られる等値線図である。
また、図9(a)〜(e)に示す前記統計データを作成するにあたり、前記濃度共起行列P(i,j:d,θ)における処理と同様に、前記2次元画像データの階調数を2階調とし、また、前記画素1の座標を(x,y)とした場合の前記画素2の座標を、(x+1,y),(x+1,y+1),(x,y+1),(x−1,y+1)とで4通りに設定してd=1とし、また、これら前記画素1及び前記画素2の間を結ぶ直線とX軸との成す角である角度θを、前記画素2の座標(x+1,y)につきθ=0°、前記画素2の座標(x+1,y+1)につきθ=45°、前記画素2の座標(x,y+1)につきθ=90°、前記画素2の座標(x−1,y+1)につきθ=135°の4通りとし、これら4通りの濃度差ベクトルQ(i:d,θ)、即ち、Q(i:1,0°)、Q(i:1,45°)、Q(i:1,90°)、Q(i:1,135°)を用いて、各種計算を行った。
また、計算では、図8に示すように各粒子断面と中心を同じくする一辺dmaxの正方形領域を設定し、前記正方形領域を、(N−1)等分して作成したN個のプロットのうち、粒子断面内にあるプロットを計算対象とし、ここでは、N=50とした。
<第2実施形態>
次に、本発明の前記3次元状態推定装置の第2実施形態について説明をする。図10は、第2実施形態に係る3次元状態推定装置の構成及び推定処理の流れを示すブロック図である。
図10に示すように、第2実施形態に係る3次元状態推定装置は、統計データ設定手段10と3次元状態推定手段20とを有する。
統計データ設定手段10では、前記複雑性指標値、前記面積割合及び前記3次元推定用データとしての補正データとの相関関係が統計化された統計データが設定可能とされる。
前記補正データは、前記多成分材料の前記断面又は表面における前記着目成分の含有割合に関する2次元状態データを前記3次元状態データに補正するデータであり、第1実施形態において説明した前記3次元状態データと同様に前記実証的手法、前記仮想的手法に基づいて取得される。
3次元状態推定手段20は、更に、前記被推定対象となる前記多成分材料の前記複雑性指標値及び前記面積割合の入力に基づき、統計データ設定手段10に設定された前記統計データと照合して前記複雑性指標値及び前記面積割合の入力に対応する前記補正データを導出する補正データ導出部21と、前記被推定対象となる前記多成分材料の前記2次元状態データの入力に基づき、前記2次元状態データを補正データ導出部21で導出された前記補正データにより補正して3次元状態データを導出し、導出された前記3次元状態データを前記被推定対象の前記3次元状態を推定する真値推定データとして出力可能とされる2次元状態データ補正部22とを有する。
第2実施形態に係る3次元状態推定装置では、先ず、設定用データとしての前記複雑性指標値、前記面積割合及び前記補正データから、これらの相関関係が統計化された前記統計データを統計データ設定手段10に予め設定しておく。次いで、3次元状態推定手段20の補正データ導出部21に前記被推定対象となる前記多成分材料の前記複雑性指標値及び前記面積割合が入力されたときに、前記統計データと照合して前記複雑性指標値及び前記面積割合の入力に対応する前記補正データを導出する。次いで、3次元状態推定手段20の2次元状態データ補正部22に入力される前記2次元状態データを前記補正データで補正し、これを前記被推定対象の前記真値推定データとして出力する。なお、第2実施形態に係る3次元状態推定装置は、公知の演算処理装置により構成することができる。
ここで、第1実施形態に係る3次元状態推定装置では、入力される前記被推定対象となる前記多成分材料の前記複雑性指標値及び前記面積割合と、前記統計データにおける前記複雑性指標値及び前記面積割合とを照合して、これら前記複雑性指標値及び前記面積割合に対応する前記3次元状態データを直接、前記真値推定データとして出力するのに対し、第2実施形態に係る3次元状態推定装置では、入力される前記被推定対象となる前記多成分材料の前記複雑性指標値及び前記面積割合と、前記統計データにおける前記複雑性指標値及び前記面積割合とを照合して、一旦、これら前記複雑性指標値及び前記面積割合に対応する前記補正データを導出し、別途入力される前記2次元状態データを前記補正データで補正し、これを前記被推定対象の前記真値推定データとして出力することとしている。
即ち、第2実施形態に係る3次元状態推定装置では、図1に示すモデルで説明した、前記2次元画像データが持つ前記ステレオロジカルバイアスを明らかにし、前記3次元状態の推定の妨げとなる前記ステレオロジカルバイアスを直接的に取り除くように前記2次元状態データを前記補正データで補正し、前記統計データから間接的に前記被推定対象の前記真値推定データを得ることとしている。なお、前記ステレオロジカルバイアスとは、前記2次元画像データから観察される見掛けの前記単体分離度が前記3次元状態における前記単体分離度を過大に評価させる確率を示す(図1参照)。
そして、第2実施形態に係る3次元状態推定装置では、入力されるデータとして前記統計データ、前記被推定対象の前記複雑性指標値及び前記面積割合に加え、前記2次元状態データを取得するため、前記被推定対象の特徴をより多くの入力データから推定することとなり、第1実施形態に係る3次元状態推定装置よりも推定精度が一層高い前記真値推定データを得ることができる。
第2実施形態に係る3次元状態推定装置では、前記補正データから前記被推定対象の前記真値推定データを得ること以外は、第1実施形態に係る3次元状態推定装置と同様である。例えば、第2実施形態に係る3次元状態推定装置では、図11に示す統計データが設定され、前記3次元状態データに代えて前記補正データ(ここでは、ステレオロジカルバイアス補正値)と、前記複雑性指標値及び前記面積割合との相関関係が統計化された前記統計データに基づき、前記被推定対象の前記真値推定データが得られる。
なお、図11は、フラクタル次元値δ及び面積割合Faと、ステレオロジカルバイアス補正値の値との相関関係が統計化された前記統計データを等値線図として表した図である。
また、図中の「L 3D」は、前記3次元状態データとして、成分Aの単体分離度を示し、「L 3D」は、成分Bの単体分離度を示し、「Λ 3D」は、成分Aに着目した片刃度を示す。これらの前記真値推定データは、図示されるように、前記2次元状態データとしての「L 2D」(前記2次元状態データにおける成分Aの単体分離度)、「L 2D」(前記2次元状態データにおける成分Aの単体分離度)、「Λ 2D」(前記2次元状態データにおける成分Aに着目した片刃度)を、それぞれA成分のステレオロジカルバイアス補正値である「σ」、B成分のステレオロジカルバイアス補正値である「σ」、前記片刃度に関するA成分のステレオロジカルバイアス補正値に相当する「Λ Dif」で補正して取得されることとなる。
ここで、第1実施形態に係る3次元状態推定装置及び第2実施形態に係る3次元状態推定装置のいずれにも関連して、前記片刃度の解析方法についての補足的な説明を行う。
前記片刃度は、前述の通り、1粒子中における前記着目成分の面積割合、体積割合及び質量割合のいずれかが一定割合である前記片刃粒子の前記粒子群における面積割合、体積割合、質量割合及び個数割合のいずれかを指標するものである。
今、1つの例として成分Aと成分Bとの2成分粒子で構成される前記多成分材料について、成分Aの含有割合を12クラス(0%、0%を超え10%未満、10%を超え20%未満、20%を超え30%未満、30%を超え40%未満、40%を超え50%未満、50%を超え60%未満、60%を超え70%未満、70%を超え80%未満、80%を超え90%未満、90%を超え100%未満、100%)に区分して考えてみる。このときの前記片刃度の概念図を図12に示す。
図12に示す前記片刃度(Λ 3D)の計算方法としては、例えば、2成分粒子集合体の体積情報及び面積情報を幾何学的に計算する方法が挙げられる。
前記体積情報に関しては、粒子及び成分Aの座標と半径とから、前記粒子の体積総和(Vall)、単体分離している成分Aの領域の体積総和(V lib)、単体分離している成分Bの領域の体積総和(V lib)、粒子内における成分Aの体積割合がx%である粒子の体積総和(V(x))を計算して取得することができる。
また、前記面積情報に関しては、任意の断面について、前記粒子及び成分Aの座標と半径と断面の高さとから、粒子断面の面積総和(Sall)、見掛け上単体分離している成分Aの領域の面積総和(S lib)、見掛け上単体分離している成分Bの領域の面積総和(S lib)、前記粒子断面内における成分Aの面積割合がx%である粒子断面の面積総和(S(x))を計算して取得することができる。
より具体的には、下記式(39)〜(43)に基づいて計算することができる。
Figure 0006906238
前記式(41)について、例えば、i=10のとき、前記片刃度(Λ 3D)は、次のようになる。
Figure 0006906238
また、前記片刃度(Λ 3D)と同様に、2次元の前記片刃度(Λ 2D)は、次のように計算される。
Figure 0006906238
なお、前記片刃粒子の前記粒子群における前記質量割合については、前記式(39)〜(42)において、Vallを前記粒子の質量総和、V libを成分Aで単体分離している粒子の質量総和、V libを成分Bで単体分離している粒子の質量総和、V(x)を粒子内における成分Aの体積割合がx%である粒子の質量総和と読み替えることにより計算される。
また、前記片刃粒子の前記粒子群における前記個数割合については、前記式(39)〜(42)において、Vallを前記粒子の総数、V libを成分Aで単体分離している粒子の総数、V libを成分Bで単体分離している粒子の総数、V(x)を粒子内における成分Aの体積割合がx%である粒子の総数と読み替えることにより計算される。
サンプル画像に対して計算を行って得られた、フラクタル次元値δ及び面積割合Faと、前記片刃度(Λ 3D)との相関関係が統計化された前記統計データの等値線図の例を図13(a)〜(i)に示す。これらは、成分Aの前記片刃度(Λ 3D)を前記3次元状態データとして、第1実施形態に係る3次元状態推定装置における統計データ設定手段1により設定した前記統計データを示すものである。なお、図13(a)は、成分Aの含有割合が0%である場合の等値線図を示し、図13(b)は、成分Aの含有割合が0%を超え10%以下である場合の等値線図を示し、図13(c)は、成分Aの含有割合が10%を超え20%以下である場合の等値線図を示し、図13(d)は、成分Aの含有割合が20%を超え30%以下である場合の等値線図を示し、図13(e)は、成分Aの含有割合が30%を超え40%以下である場合の等値線図を示し、図13(f)は、成分Aの含有割合が40%を超え50%以下である場合の等値線図を示し、図13(g)は、成分Aの含有割合が50%を超え60%以下である場合の等値線図を示し、図13(h)は、成分Aの含有割合が60%を超え70%以下である場合の等値線図を示し、図13(i)は、成分Aの含有割合が70%を超え80%以下である場合の等値線図を示し、図13(j)は、成分Aの含有割合が80%を超え90%以下である場合の等値線図を示し、図13(k)は、成分Aの含有割合が90%を超え100%未満である場合の等値線図を示し、図13(l)は、成分Aの含有割合が100%である場合の等値線図を示す。なお、各図中に示すΛ 3Dに関し、[0]等の上付き添え字は、前記式(39)〜(47)における[0]等の上付き添え字と同様の意味を示す。
サンプル画像に対して計算を行って得られた、フラクタル次元値δ及び面積割合Faと、前記片刃度に関するA成分のステレオロジカルバイアス補正値(Λ Dif)との相関関係が統計化された前記統計データの等値線図の例を図14(a)〜(l)に示す。これらは、前記片刃度に関するA成分のステレオロジカルバイアス補正値(Λ Dif)を前記補正データとして、第2実施形態に係る3次元状態推定装置における統計データ設定手段10により設定した前記統計データを示すものである。なお、図14(a)は、成分Aの含有割合が0%である場合の等値線図を示し、図14(b)は、成分Aの含有割合が0%を超え10%以下である場合の等値線図を示し、図14(c)は、成分Aの含有割合が10%を超え20%以下である場合の等値線図を示し、図14(d)は、成分Aの含有割合が20%を超え30%以下である場合の等値線図を示し、図14(e)は、成分Aの含有割合が30%を超え40%以下である場合の等値線図を示し、図14(f)は、成分Aの含有割合が40%を超え50%以下である場合の等値線図を示し、図14(g)は、成分Aの含有割合が50%を超え60%以下である場合の等値線図を示し、図14(h)は、成分Aの含有割合が60%を超え70%以下である場合の等値線図を示し、図14(i)は、成分Aの含有割合が70%を超え80%以下である場合の等値線図を示し、図14(j)は、成分Aの含有割合が80%を超え90%以下である場合の等値線図を示し、図14(k)は、成分Aの含有割合が90%を超え100%未満である場合の等値線図を示し、図14(l)は、成分Aの含有割合が100%である場合の等値線図を示す。なお、各図中に示すΛ Difに関し、[0]等の上付き添え字は、前記式(39)〜(47)における[0]等の上付き添え字と同様の意味を示す。
(3次元状態推定プログラム)
本発明の3次元状態推定プログラムは、コンピュータを、単体分離粒子及び片刃粒子で構成される粒子群が包含される多成分材料の断面又は表面が表示され、かつ、前記断面又は表面における前記粒子群中の着目成分と非着目成分とが異なる表示状態で表示される2次元画像データ中の前記着目成分の多様な表示状態を画像の複雑さとして定量的に指標する複雑性指標値と、前記2次元画像データ中に前記着目成分が占める面積割合と、前記複雑性指標値及び前記面積割合が決定されたときの前記多成分材料の内部における前記着目成分の含有割合に関する3次元状態データ及び前記多成分材料の前記断面又は表面における前記着目成分の含有割合に関する2次元状態データを前記3次元状態データに補正する補正データのいずれかである3次元推定用データとの相関関係が統計化された統計データを設定可能とされる統計データ設定手段として機能させるプログラムである。前記コンピュータとしては、特に制限はなく、公知の演算処理装置を用いることができる。
なお、前記複雑性指標値、前記面積割合、前記3次元推定用データ、前記統計データ、前記統計データ設定手段及びその余の事項については、本発明の前記3次元状態推定装置で説明の事項と同様の事項を適用することができ、重複した説明を省略する。
(3次元状態推定方法)
本発明の3次元状態推定方法は、単体分離粒子及び片刃粒子で構成される粒子群が包含される多成分材料の断面又は表面が表示され、かつ、前記断面又は表面における前記粒子群中の着目成分と非着目成分とが異なる表示状態で表示される2次元画像データ中の前記着目成分の多様な表示状態を画像の複雑さとして定量的に指標する複雑性指標値と、前記2次元画像データ中に前記着目成分が占める面積割合と、前記複雑性指標値及び前記面積割合が決定されたときの前記多成分材料の内部における前記着目成分の含有割合に関する3次元状態データ及び前記多成分材料の前記断面又は表面における前記着目成分の含有割合に関する2次元状態データを前記3次元状態データに補正する補正データのいずれかである3次元推定用データとの相関関係が統計化された統計データを設定する統計データ設定ステップを含む方法である。
なお、前記複雑性指標値、前記面積割合、前記3次元推定用データ、前記統計データ、前記統計データ設定ステップ及びその余の事項については、本発明の前記3次元状態推定装置で説明の事項と同様の事項を適用することができ、重複した説明を省略する。
(統計データの設定)
球形粒子で構成される多成分材料を仮想して次のように統計データの設定を行った。
先ず、下記参考文献2に示す個別要素法(Discrete Element Method,DEM)使用して球形要素をモデリングする。粒径(粒子の直径)を無次元量とし、図15に示す粒径分布に従う7,463個の球形粒子を、矩形領域内(幅30、奥30、高20)のランダムな位置に発生させた。その後、前記球形粒子を前記矩形領域内で自由落下させて図16に示す球形粒子集合体を作成した。なお、図15は、前記球形粒子の粒径分布を示す図であり、図16は、作成した前記球形粒子集合体を示す図である。
参考文献2:A. Cundall, P., L. Strack, O., D., A discrete numerical model for granular assemblies, Geotechnique. 29 (1979) 47-65.
次いで、前記球形粒子内にPhase A及びphase Bの各成分の領域を設定する。図17(a)〜(c)に2成分粒子の作成方法の概要を示す。ここで、図17(a)は、前記個別要素法により作成した前記球形粒子を示す図である。前記球形粒子を発生させたのと同じ前記矩形領域内のランダムな位置に球形要素(phase A要素と呼称する)を発生させる(図17(b)参照)。図17(b)は、前記球形要素中に前記phase A要素を発生させた状態を示す図である。この際、前記phase A要素を前記球形粒子から独立させて発生させるため、前記phase A要素は、前記球形粒子と重複した位置に存在することができることとした。前記phase A要素の分布は、計3,726通りに設定したが、詳しくは後述する。前記球形粒子と前記phase A要素とを重ね合わせて、前記球形粒子内で前記phase A要素と重なっている領域をphase A領域とし、前記球形粒子内のそれ以外の領域をphase B領域とすることで、球形の2成分粒子を作成した(図17(c))。なお、図17(c)は、作成した球形の2成分粒子を示す図である。
前記phase A要素の設定は、均一粒径の球形粒子と同様とし、粒径0.40から2.00まで0.02刻みとした82ケースの粒径パターンと、粒径2.00から20.0まで0.4刻みとした46ケースの粒径パターンとで行った。この状態でphase A要素の前記矩形領域内の体積割合は、0.30〜0.36程度となった。
続いて、様々な体積割合を設定するため、前記phase A要素を1つずつランダムに削除して、体積割合を再計算することを繰り返し、体積割合が0.01刻みに減少した状態を個別のケースとして記録した。ただし、前記phase A要素が大きい際は、前記phase A要素を1つ削除するだけで、体積割合が0.01を超えて減少する場合があったため、その場合は体積割合の減少が0.01を超えることを許容した。この様な操作を繰り返して、様々な粒径及び体積割合の前記phase A要素を3,726ケースで設定した。
以上により設定した、前記2成分粒子の粒子集合体(多成分材料)の体積情報及び面積情報を幾何学的に計算した。
先ず、前記体積情報に関しては、前記球形粒子及び前記phase A要素の座標及び半径から、前記球形粒子の体積総和(Vall)、前記phase A領域の体積総和(V)、前記phase B領域の体積総和(V)、単体分離している前記phase A領域の体積総和(V lib)、単体分離している前記phase B領域の体積総和(V lib)を計算した。
また、前記面積情報に関しては、任意の断面について、前記球形粒子及び前記phase A要素の座標及び半径と断面の高さから、前記球形粒子断面の面積総和(Sall)、前記phase A領域の面積総和(S)、前記phase B領域の面積総和(S)、見掛け上単体分離している前記phase A領域の面積総和(S lib)、見掛け上単体分離している前記phase B領域の面積総和(S lib)を計算した。前記球形粒子断面は、前記矩形領域の底面と並行な面とし、高さ6〜12までをn−1等分した高さのn個の断面の情報として計算した。なお、ここでは、断面数(n)を20としている。
次に、前記粒子集合体に対し、前記phase Aの面積割合(Fa)、前記phase A及び前記phase Bの2次元状態における見掛けの単体分離度(L 2D,L 2D)、前記phase A領域の体積割合(F)、前記phase A及び前記phase Bの3次元状態における単体分離度(L 3D,L 3D)を以下の通り定義して計算した。
Figure 0006906238
ただし、前記ステレオロジカルバイアスの原理上、L 2D≧L 3DかつL 2D≧L 3Dとなる。
更に、前記2次元状態の見掛けの単体分離度におけるステレオロジカルバイアスの影響を定量的に評価するため、単体分離度過大評価率(σ,σ)を以下の様に定義する。
Figure 0006906238
また、複雑性指標値としてフラクタル次元(δ)を図5を参照して説明した方法と同様の方法により算出した。
解析した3次元状態におけるの単体分離度(L 3D,L 3D)を、前記フラクタル次元(δ)及び前記面積割合(Fa)に対してプロットして作成した等値線図を図18(a),(b)に示す。なお、図18(a)は、単体分離度(L 3D)と前記フラクタル次元(δ)及び前記面積割合(Fa)との相関関係が統計化された等値線図を示し、図18(b)は、単体分離度(L 3D)と前記フラクタル次元(δ)及び前記面積割合(Fa)との相関関係が統計化された等値線図を示す。
また、解析した単体分離度過大評価率(σ,σ)を、前記フラクタル次元(δ)及び前記面積割合(Fa)に対してプロットして作成した等値線図を図19(a),(b)に示す。なお、図19(a)は、単体分離度過大評価率(σ)と前記フラクタル次元(δ)及び前記面積割合(Fa)との相関関係が統計化された等値線図を示し、図19(b)は、単体分離度過大評価率(σ)と前記フラクタル次元(δ)及び前記面積割合(Fa)との相関関係が統計化された等値線図を示す。
なお、図18(b)及び図19(b)に示す各等値線図では、横軸をphase Aの面積割合(Fa)として作成を行っているが、phase Bの面積割合は(1−Fa)で表されることから、着目成分に応じてphase Bの面積割合で作成を行うこともできる。
以上により、前記統計データの設定を行った。
(被推定対象となる多成分材料)
次に、被推定対象となる多成分材料について説明する。
前記被推定対象としては、本来、天然鉱石等の現実の前記多成分材料が用いられるが、本実施例では、次の理由により、仮想的に設定された前記多成分材料を用いる。
即ち、現実の前記多成分材料を用いると、測定誤差により前記3次元状態データ等の真値に正確性が担保されにくいことから、前記多成分材料を仮想的に設定することで、前記多成分材料の前記3次元状態データ等の真値の正確性を担保し、この真値からみた真値推定データの推定誤差の検証を正確に行って、本発明による推定処理の有効性を明らかにするためである。
一方、前記仮想的に設定される多成分材料は、現実の前記多成分材料からの解離を避けるため、前記現実の多成分材料を忠実に模す形で、次のように設定する。
先ず、粒子の細長さを表すアスペクト比(α)と表面の滑らかさを表す修正球形度(S)を用い、前記アスペクト比(α)及び前記修正球形度(S)を以下の式で定義する。
Figure 0006906238
ただし、前記式(56),(57)中、aは、前記粒子の長軸長を示し、cは、前記粒子の短軸長を示し、Aは、前記粒子の表面積を示し、Acは、前記粒子と同体積かつ同アスペクト比の楕円体の表面積を示す。
このように前記アスペクト比(α)及び前記修正球形度(S)が設定された種々の前記粒子に対し、いびつな形状で前記粒子をモデリングする方法として、Geodesic grid法と呼ばれる、球体等を多面体で細分化(subdivide)する手法を適用する。
先ず、モデルとなる球形状の前記粒子に内接する正二十面体を作成し、これを第1世代粒子とする(図20中の(a)参照)。次に、前記正二十面体の各辺の中点をとり、前記球形粒子に投影することで、メッシュの細かな第2世代粒子とする(図20中の(b)参照)。この操作を繰り返すことで、メッシュの細かい多面体の作成が可能となる。なお、ここでは、モデル粒子としては、図20中の(c)に示す第3世代粒子を用いることとする。図20は、Geodesic grid法で作成される粒子を説明する説明図である。
また、楕円体形状の粒子として、Geodesic grid法適用前の粒子を楕円粒子として、前述の球形状の前記粒子に対する処理と同様の処理を行った。
以上により、前記モデル粒子として、アスペクト比の異なる前記球形粒子や前記楕円粒子を設定した。
続いて、前記第3世代粒子の節点を粒子の重心から節点に向けた方向に、次の値だけバラつきを与えた。
Figure 0006906238
ただし、前記式(58)中、εは、−1〜1の範囲の一様乱数を示し、γは、バラつきの大きさのパラメータを示す。
前記第3世代の粒子について、γが0.0(バラつきなし),0.5,1.0の各場合の球形を基本形状とした粒子の例を図21に示す。
ここでは、粒子表面の滑らかさである修正球形度が様々な値となる粒子を、γの値を変えることで作成する。
以上により、前記モデル粒子の形状設定を行った。
次に、前記モデル粒子の内部構造の設定を行うとともに前記モデル粒子で構成された多成分材料の設定を行う。具体的には、前記モデル粒子に対し、phase A及びphase Bの2成分を以下のように設定し、図22に示す前記モデル粒子で構成された多成分材料の設定を行う。
先ず、直方体のサンプルセル(W30,D30,H20)の中に、直径(d)1.0〜2.0の仮想粒子(Virtual sphere)7,463個をランダムな位置に発生させた後、自由落下させてパッキングし、前記仮想粒子の粒子集合体を設定した。
次に、前記仮想粒子の中心に前記第3世代粒子としてモデル化した前記モデル粒子(Particle)をランダムな方向に発生させた(図23(a)参照)。この際、前記モデル粒子が前記仮想粒子からはみ出さない範囲で前記モデル粒子のサイズを設定した。
次に、前記仮想粒子の中心に前記第1世代粒子を前記仮想粒子からはみ出さない範囲でサイズを設定してランダムな方向に発生させ、後に前記phase Aを構成するコア成分を設定した(図23(b)参照)。
次に、前記モデル粒子と前記コア成分とを重ね合わせ、前記モデル粒子と前記コア成分とが重なっている部分をphase A領域、それ以外の領域をphase B領域とした(図23(c)参照)。
なお、前記モデル粒子について設定される前記phase A及び前記phase Bは、前記統計データの設定に用いた前記球形粒子の前記phase A及び前記phase Bと対応する。
また、便宜上、前記phase Aについて、以降では、前記粒子を切り抜く前について要素Aと呼称し、粒子を切り抜いた後についてphase Aと呼称して区分することとする。
また、図23(a)〜(c)は、前記モデル粒子に対し、phase A及びphase Bの2成分を設定する方法を説明するための説明図である。
以上により、実施例における被推定対象となる前記モデル粒子で構成された多成分材料(図22参照)の設定を行った。
このように設定された前記多成分材料に対し、前記サンプルセルの底面と並行な面の断面情報をモンテカルロ法と立体角計算とを併用した手法で計算する。この際、2次元断面情報と3次元の情報とを比較するに当たって、断面には個々の固有誤差が存在するため、ステレオロジカルバイアスとこの固有誤差とが複合的に作用することに注意が必要である。固有誤差を小さくするには、断面をたくさん計算することが望ましいが、計算負荷が大きくなる。ここで、計算負荷と統計的処理の妥当性とのバランスより、中心極限定理が適用可能な断面数として1ケースにつき、20断面の情報を計算することとしている。
前記2次元断面における前記モデル粒子及び3次元状態における前記モデル粒子について、phase Aの面積、体積を前記モンテカルロ法及び前記立体角計算により推定する。
前記モンテカルロ法とは、粒子(又は粒子断面)を含む一定の体積(又は面積)の領域内のランダムな位置に多数の点をプロットし、前記粒子(又は粒子断面)に含まれる点の個数と全体の点の個数の比から粒子(又は粒子断面)の体積(又は面積)を推定する手法である。
ここでは、前記2次元断面における前記モデル粒子についての面積計算には20,000プロット、前記3次元状態における前記モデル粒子の堆積計算には80,000プロットを基準のプロット数としてそれぞれ採用した。
3次元計算では、前記各仮想粒子が内接する立方体内に80,000プロットをうち、体積を推定した。
また、2次元計算では、前記モデル粒子が切断される位置によって前記モデル粒子断面の大きさが変わることから、断面積に応じたプロット数による推定を実施するため、ある断面における前記仮想粒子の断面の半径をr1とし、仮想粒子本来の半径をr2として、半径r1の円が内接する正方形内に20,000*(r1/r2)のプロットをうち、面積を推定した。
前記モンテカルロ法によるプロットが前記モデル粒子等の内外どちらにあるかを判定する際、前記モデル粒子等が楕円形(球を含む)であれば、楕円体の公式を用いてプロット内外の判定を行うことが可能であるが、前記モデル粒子がいびつな形状であるため、前記モデル粒子等の表面をメッシュで分割し、立体角を計算して、プロットの内外を判定する手法を用いた。閉曲面の立体角(Ω)は、以下の式で求められる。
Figure 0006906238
ただし、前記式(59)中、Sは、前記モデル粒子表面の閉曲面を示し、tは、前記モデル粒子表面上の微小領域の位置ベクトルの大きさを示し、式中、太字で表示されるtは、前記微小領域の単位位置ベクトルを示し、nは、前記微小領域の法線ベクトルを示す。
解析に用いられる前記モデル粒子は、前述の通り、前記第3世代粒子を基本とし、図24に示す、アスペクト比(α)を1.0,1.5,2.0の3通り、γを0.0,0.5,1.0,1.5の4通りとして、修正球面度(S)を0.83〜1.00の範囲で分散させた12通りとした。なお、図24は、12通りのモデル粒子を示す図である。
ここで、前記長軸長(a)及び前記短軸長(c)の比は、前記アスペクト比(α)から求め、中軸長(b)は、前記長軸長(a)及び前記短軸長(c)の相乗平均(√ac)から求めた。
また、前記モデル粒子のサイズについて、前記アスペクト比が2.0のケースでは、前記長軸長(a)を球状の前記仮想粒子の直径(d)と等しいものとし、前記中軸長(b)及び前記短軸長(c)についても前記アスペクト比(=2.0)から計算した。
前記アスペクト比が1.0及び1.5である場合の前記長軸長(a)、前記中軸長(b)及び前記短軸長(c)については、前記アスペクト比が2.0の同条件のケースと粒子体積が等しく、かつ、前記アスペクト比が1.0及び1.5を満たすように設定した。
前記コア成分(前記要素A)については、前記第1世代粒子を基本として、前記アスペクト比(α)を1.0、γを0.0とした。前記コア成分(前記要素A)では、前記仮想粒子の直径(d)を1.20とし、前記コア成分(前記要素A)の総体積(図23(b)参照)の矩形領域の体積に対する割合を0.152とし、前記コア成分(前記要素A)の要素数を1,290個に設定した。
以上の設定から、前記被推定対象となる、いびつな粒子形状からなる前記多成分材料の前記2次元状態の単体分離度、3次元状態の単体分離度及び単体分離度過大評価率の真値を算出した。
また、このいびつな粒子形状からなる前記多成分材料に対し、推定処理に対する入力データとなるフラクタル次元値(δ)及び面積割合(Fa)を、前記統計データを設定した前記球形粒子の前記2次元画像データに対する算出処理と同様の処理方法により算出した。
なお、これらの算出処理は、前記phase Aについての算出処理に準じて前記phase Bついて行った。
また、解析結果の例として、図25にNo.11のモデル粒子(α=2.0,Sc=0.914)で作成した前記多成分材料の断面を示す。図23(a)〜(c)に示した通り、前記片刃粒子、前記phase A及び前記phase Bにより見掛け上単体分離した粒子がランダムに発生している様子が分かる。
(3次元状態データからの真値推定データの直接推定)
ここでは、前記phase Bを着目成分とした説明を行う。また、図24に示す12タイプの粒子で構成される全12通りの前記多成分材料を対象とした説明とする。
前記球形粒子からなる前記多成分材料から設定した図18(b)に示す等値線図を前記統計データとして、前記被推定対象としてのいびつな粒子形状からなる前記多成分材料のフラクタル次元値(δ)及び面積割合(Fa)を入力データとする照合を行い、これらフラクタル次元値(δ)及び面積割合(Fa)に対応する3次元状態の単体分離度を前記等値線図から読み取り、これを直接、前記被推定対象の3次元状態の単体分離度についての真値推定データ(L 3D’)とした。
本発明の比較例として、前記被推定対象としてのいびつな粒子形状からなる前記多成分材料のフラクタル次元値(δ)及び面積割合(Fa)に対応する前記2次元状態の単体分離度(L 2D)を比較データとする。
前記いびつな粒子形状からなる前記多成分材料のフラクタル次元値(δ)、面積割合(Fa)、前記2次元状態の単体分離度(L 2D)、前記被推定対象の3次元状態の単体分離度についての前記真値推定データ(L 3D’)、及び、前記いびつな粒子形状からなる前記多成分材料の仮想的な設定から算出した前記被推定対象の3次元状態の単体分離度についての真値(L 3D)を下記表1に示す。
Figure 0006906238
次に、本発明の推定処理の有効性を確認する目的で、下記式(60)のL estに前記被推定対象の3次元状態の単体分離度についての真値推定データ(L 3D’)を代入して前記真値(L 3D)に対する単体分離度推定誤差率(E)を算出するとともに、同じく下記式(60)のL estに前記2次元状態の単体分離度(L 2D)を代入して前記真値(L 3D)に対する単体分離度推定誤差率(E)を算出し、それぞれの単体分離度推定誤差率(E)の比較を行った。
Figure 0006906238
図26に、L estに前記被推定対象の3次元状態の単体分離度についての真値推定データ(L 3D’)及び前記2次元状態の単体分離度(L 2D)を代入して得られる前記真値(L 3D)に対する前記単体分離度推定誤差率(E)の比較表を示す。
図26に示すように、前記2次元状態の単体分離度(L 2D)を代入した場合の単体分離度推定誤差率(E)が56.4%〜64.4%であるのに対し、前記被推定対象の3次元状態の単体分離度についての前記真値推定データ(L 3D’)を代入した場合の単体分離度推定誤差率(E)は、13.0%〜16.4%であり、本発明の推定処理により、単体分離度推定誤差率(E)を大幅に低減させることができている。
(補正データを用いた真値推定データの間接推定)
次に、前記球形粒子からなる前記多成分材料から設定した図19(b)に示す等値線図を前記統計データとして、前記被推定対象としてのいびつな粒子形状からなる前記多成分材料のフラクタル次元値(δ)及び面積割合(Fa)を入力データとする照合を行い、これらフラクタル次元値(δ)及び面積割合(Fa)に対応する単体分離度過大評価率(σ)を前記等値線図から読み取り、これを前記いびつな粒子形状からなる前記多成分材料についての単体分離度過大評価率の補正データ(σ’)とした。
得られた単体分離度過大評価率の補正データ(σ’)を用いて、下記式(61)による前記2次元状態の単体分離度(L 2D)に対する補正を行い、前記被推定対象の3次元状態の単体分離度についての前記真値推定データ(L 3D’’)を求めた。
Figure 0006906238
前記いびつな粒子形状からなる前記多成分材料のフラクタル次元値(δ)、面積割合(Fa)、補正データ(σ’)、前記補正により得られた前記被推定対象の3次元状態の単体分離度についての前記真値推定データ(L 3D’’)、及び、前記いびつな粒子形状からなる前記多成分材料の仮想的な設定から算出した前記被推定対象の3次元状態の単体分離度についての真値(L 3D)を下記表2に示す。
Figure 0006906238
また、前記式(60)中のL estに前記補正により得られた前記被推定対象の3次元状態の単体分離度についての前記真値推定データ(L 3D’’)を代入して前記真値(L 3D)に対する前記単体分離度推定誤差率(E)を求めた。
図27に、L estに前記補正により得られた前記被推定対象の3次元状態の単体分離度についての前記真値推定データ(L 3D’’)及び前記2次元状態の単体分離度(L 2D)を代入して得られる前記真値(L 3D)に対する前記単体分離度推定誤差率(E)の比較表を示す。
図27に示すように、前記2次元状態の単体分離度(L 2D)を代入した場合の単体分離度推定誤差率(E)が56.4%〜64.4%であるのに対し、前記補正により得られた前記被推定対象の3次元状態の単体分離度についての前記真値推定データ(L 3D’’)を代入した場合の単体分離度推定誤差率(E)は、1.16%〜3.41%であり、本発明の推定処理により、単体分離度推定誤差率(E)を大幅に低減させることができている。
更に、前記被推定対象の3次元状態の単体分離度についての前記真値推定データ(L 3D’)の単体分離度推定誤差率(E)は、前述の通り、13.0%〜16.4%であり、単体分離度過大評価率の補正データ(σ’)を用いた補正を行うことで、より高い推定精度で、前記被推定対象の3次元状態の単体分離度についての前記真値推定データが得られる。
(片刃度の推定)
次に、前記片刃度に対する本発明の推定処理の有効性を確認する目的で、前記片刃度に対する推定処理を行った。
ここでは、補正データを用いた真値推定データの間接推定により、前記片刃度の推定を行う。
被推定対象となる多成分粒子(モデル粒子)は、次のように設定した。
即ち、前記モデル粒子の形状設定としては、先に説明の前記モデル粒子の形状設定方法と同様の方法により、図20を用いて説明した前記第2世代粒子(図20(b)参照)の球形粒子を、前記アスペクト比(α)が2.0、前記前記修正球形度(S)が0.95となるように設定した。
また、前記モデル粒子の内部構造としては、先に説明の前記モデル粒子の内部構造設定方法と同様の方法により、前記モデル粒子中に前記コア成分を設定し、前記モデル粒子中に前記phase Aと、前記phase Bとが形成されるようにした。具体的には、前記phase Aを前記コア成分とし、前記コア成分設定のための前記第1世代粒子(図23(b)参照)の前記アスペクト比(α)及び前記体積割合(F)を下記表3に示す9通りで設定し、前記モデル粒子の内部構造を設定した。
以上により、前記モデル粒子として、前記phase Aと、前記phase Bとの2成分からなる球形粒子を9通りで設定した。
なお、ここでは、前記phase Aに着目した前記片刃度の推定を行う。
Figure 0006906238
次に、前掲図14(a)〜(l)に示す各等値線図を前記統計データとして設定した。
なお、前掲図14(a)〜(l)に示す各等値線図は、図18,19に示す各等値線図の作成に準じて、前記片刃度についての等値線図として作成したものである。
次に、前記9通りのモデル粒子に対して、20断面の情報を計算する前述の方法に準じて得られた、前記2次元片刃度(Λ 2D)、前記フラクタル次元(δ)及び前記面積割合(Fa)を前記被推定対象データとし、前記統計データとの照合、前記補正データの導出及び前記3次元状態データの導出を行った。
なお、前記補正データの導出及び前記3次元状態データの導出としては、前記統計データ設定の際に予め導出され、統計化された前記ステレオロジカルバイアス補正値(Λ Dif)から、次式(62)に基づき、前記3次元状態データとしての3次元片刃度の推定値(Λ 3D’)を計算することで行った。ただし、式(62)では、[0]等の上付き添え字を省略している。
Figure 0006906238
前記片刃度に対する本発明の推定処理の有効性を検証するため、補正前面積誤差(E)、補正後面積誤差(E’)、補正前最大誤差(E)及び補正後最大誤差(E’)の4つの誤差指標を定義する。
ここで、前記補正前面積誤差(E)は、図12に示す片刃度分布グラフにおいて、「Λ 2D」で示される2次元片刃度と「Λ 3D」で示される3次元片刃度との間の面積差である。
また、前記補正後面積誤差(E’)は、同様に、前記3次元片刃度の推定値(Λ 3D’)と「Λ 3D」で示される3次元片刃度との間の面積差である。
また、前記補正前最大誤差(E)は、図12に示す片刃度分布グラフにおいて、「Λ 2D」で示される2次元片刃度と「Λ 3D」で示される3次元片刃度との間の縦軸方向の最大間隔である。
また、前記補正後最大誤差(E’)は、同様に、前記3次元片刃度の推定値(Λ 3D’)と「Λ 3D」で示される3次元片刃度との間の縦軸方向の最大間隔である。
また、補正効果を定量化するため、面積誤差改善率(I)及び最大誤差改善率(I)を次式(63),(64)の通り定義する。
Figure 0006906238
ここで、前記面積誤差改善率(I)及び前記最大誤差改善率(I)は、元々存在したステレオロジカルバイアスのうち、補正により減少した比率を示す指標であるため、前記面積誤差改善率(I)及び前記最大誤差改善率(I)は、それぞれ値が大きいほど、前記ステレオロジカルバイアスを軽減できていることを意味する。
検証結果を下記表4に示す。
Figure 0006906238
上掲表4に示すように、前記9通りのモデル粒子に対する本発明の推定処理を通じて、前記面積誤差改善率(I)が平均約80%の大きな値を示すとともに、前記最大誤差改善率(I)が平均約90%の大きな値を示すことが確認される。
したがって、本発明の推定処理によれば、前記ステレオロジカルバイアスを大幅に軽減することができ、前記片刃度の前記3次元状態データについても、優れた推定結果を得ることができる。
1,10 統計データ設定手段
2,20 3次元状態推定手段
21 補正データ導出部
22 2次元状態データ補正部

Claims (10)

  1. 1又は複数の成分を含む複数の粒子を包含する材料の断面又は表面における、前記1又は複数の成分のうち着目成分の2次元的な分布の複雑さを表す指標値と、前記断面又は表面において前記着目成分が占める面積割合と、前記材料の内部における前記着目成分の含有割合に関する3次元状態データへ前記材料の前記断面又は表面における前記着目成分の含有割合に関する2次元状態データを補正するための補正データとの予め定められた関係に基づき、被推定対象の材料についての指標値及び面積割合に対応する補正データを導出する導出部と、
    導出された前記補正データにより前記被推定対象の材料についての2次元状態データを補正することで、前記被推定対象の材料についての3次元状態データを導出し、当該3次元状態データを出力する補正部と、
    を有し、
    前記3次元状態データが、
    材料中の全粒子のうち、1粒子中における着目成分の面積割合、体積割合及び質量割合のいずれかが一定割合である1又は複数の片刃粒子の、前記材料中の全粒子に対する面積割合、体積割合、質量割合及び個数割合のいずれかを表す片刃度であるか、又は、
    材料中の全粒子に対する単体分離粒子の面積割合、体積割合、質量割合及び個数割合のいずれかを表す単体分離度である
    推定装置。
  2. 1又は複数の成分を含む複数の粒子を包含する材料の断面又は表面における、前記1又は複数の成分のうち着目成分の2次元的な分布の複雑さを表す指標値と、前記断面又は表面において前記着目成分が占める面積割合と、前記材料の内部における前記着目成分の含有割合に関する3次元状態データとの予め定められた関係に基づき、被推定対象の材料についての指標値及び面積割合に対応する3次元状態データを導出し、前記被推定対象の材料について導出された前記3次元状態データを出力する推定装置であって、
    前記3次元状態データが、
    材料中の全粒子のうち、1粒子中における着目成分の面積割合、体積割合及び質量割合のいずれかが一定割合である1又は複数の片刃粒子の、前記材料中の全粒子に対する面積割合、体積割合、質量割合及び個数割合のいずれかを表す片刃度であるか、又は、
    材料中の全粒子に対する単体分離粒子の面積割合、体積割合、質量割合及び個数割合のいずれかを表す単体分離度である
    推定装置。
  3. 前記指標値が、
    断面又は表面の2次元画像についてのフラクタクル次元値、または、
    断面又は表面の2次元画像において前記着目成分と非着目成分とで異なる濃度値が与えられた場合における当該2次元画像について前記濃度値の差に起因して算出された統計的特徴量である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の推定装置。
  4. 前記統計的特徴量が、
    前記2次元画像の全体又は一部の領域における任意の2つの画素である第1の画素と第2画素との間の距離をdとし、前記2つの画素間を結ぶ直線と前記領域において規定されるX軸との成す角をθとしたとき、前記第1の画素の濃度値がiとなり、前記第2の画素の濃度値がjとなる画素対の前記領域中の頻度を表す行列である濃度共起行列P(i,j:d,θ)を用いて算出される
    ことを特徴とする請求項3に記載の推定装置。
  5. 前記統計的特徴量が、
    前記2次元画像の全体又は一部の領域における任意の2つの画素である第1の画素と第2画素との間の距離をdとし、前記2つの画素間を結ぶ直線と前記領域において規定されるX軸との成す角をθとしたとき、前記第1の画素の濃度値と前記第2の画素の濃度値との差分がiとなる画素対の前記領域中の頻度を表すベクトルである濃度差ベクトルQ(i:d,θ)を用いて算出される
    ことを特徴とする請求項3に記載の推定装置。
  6. 前記フラクタル次元値δが、下記式(1)により算出される請求項3に記載の推定装置。
    Figure 0006906238
    ただし、前記式(1)中、
    rは、2次元画像内の一辺の長さがRの正方形領域を任意の整数Nの自乗N2等分して画成した画成正方形領域の一辺の長さを示し、
    A(r)は、前記画成正方形領域の正方形の各頂点をa,b,c,dとして、平面座標X,Yが前記各頂点a,b,c,dと同じに設定され、かつ、前記平面座標X,Yを構成する平面に対して直交する方向の高さZが前記各頂点a,b,c,dにおける前記2次元画像の濃度値に応じて設定される点を設定点a’,b’,c’,d’としたとき、前記設定点a’,b’,d’を頂点とする一の三角形及び前記設定点b’,c’,d’を頂点とする他の三角形の2つの三角形の面積を前記正方形領域中の全ての前記画成正方形領域について加算した値を示し、
    Cは、logA(1)を示す。
  7. 1又は複数の成分を含む複数の粒子を包含する材料の断面又は表面における、前記1又は複数の成分のうち着目成分の2次元的な分布の複雑さを表す指標値と、前記断面又は表面において前記着目成分が占める面積割合と、前記材料の内部における前記着目成分の含有割合に関する3次元状態データへ前記材料の前記断面又は表面における前記着目成分の含有割合に関する2次元状態データを補正するための補正データとの予め定められた関係に基づき、被推定対象の材料についての指標値及び面積割合に対応する補正データを導出するステップと、
    導出された前記補正データにより前記被推定対象の材料についての2次元状態データを補正することで、前記被推定対象の材料についての3次元状態データを導出し、当該3次元状態データを出力するステップと、
    を、コンピュータに実行させ
    前記3次元状態データが、
    材料中の全粒子のうち、1粒子中における着目成分の面積割合、体積割合及び質量割合のいずれかが一定割合である1又は複数の片刃粒子の、前記材料中の全粒子に対する面積割合、体積割合、質量割合及び個数割合のいずれかを表す片刃度であるか、又は、
    材料中の全粒子に対する単体分離粒子の面積割合、体積割合、質量割合及び個数割合のいずれかを表す単体分離度である
    プログラム。
  8. 1又は複数の成分を含む複数の粒子を包含する材料の断面又は表面における、前記1又は複数の成分のうち着目成分の2次元的な分布の複雑さを表す指標値と、前記断面又は表面において前記着目成分が占める面積割合と、前記材料の内部における前記着目成分の含有割合に関する3次元状態データとの予め定められた関係に基づき、被推定対象の材料についての指標値及び面積割合に対応する3次元状態データを導出するステップと、
    前記被推定対象の材料について導出された前記3次元状態データを出力するステップと、
    を、コンピュータに実行させ
    前記3次元状態データが、
    材料中の全粒子のうち、1粒子中における着目成分の面積割合、体積割合及び質量割合のいずれかが一定割合である1又は複数の片刃粒子の、前記材料中の全粒子に対する面積割合、体積割合、質量割合及び個数割合のいずれかを表す片刃度であるか、又は、
    材料中の全粒子に対する単体分離粒子の面積割合、体積割合、質量割合及び個数割合のいずれかを表す単体分離度である
    プログラム。
  9. 1又は複数の成分を含む複数の粒子を包含する材料の断面又は表面における、前記1又は複数の成分のうち着目成分の2次元的な分布の複雑さを表す指標値と、前記断面又は表面において前記着目成分が占める面積割合と、前記材料の内部における前記着目成分の含有割合に関する3次元状態データへ前記材料の前記断面又は表面における前記着目成分の含有割合に関する2次元状態データを補正するための補正データとの予め定められた関係に基づき、被推定対象の材料についての指標値及び面積割合に対応する補正データを導出するステップと、
    導出された前記補正データにより前記被推定対象の材料についての2次元状態データを補正することで、前記被推定対象の材料についての3次元状態データを導出し、当該3次元状態データを出力するステップと、
    を含み、
    前記3次元状態データが、
    材料中の全粒子のうち、1粒子中における着目成分の面積割合、体積割合及び質量割合のいずれかが一定割合である1又は複数の片刃粒子の、前記材料中の全粒子に対する面積割合、体積割合、質量割合及び個数割合のいずれかを表す片刃度であるか、又は、
    材料中の全粒子に対する単体分離粒子の面積割合、体積割合、質量割合及び個数割合のいずれかを表す単体分離度である、
    コンピュータが実行する推定方法。
  10. 1又は複数の成分を含む複数の粒子を包含する材料の断面又は表面における、前記1又は複数の成分のうち着目成分の2次元的な分布の複雑さを表す指標値と、前記断面又は表面において前記着目成分が占める面積割合と、前記材料の内部における前記着目成分の含有割合に関する3次元状態データとの予め定められた関係に基づき、被推定対象の材料についての指標値及び面積割合に対応する3次元状態データを導出するステップと、
    前記被推定対象の材料について導出された前記3次元状態データを出力するステップと、
    を含み
    前記3次元状態データが、
    材料中の全粒子のうち、1粒子中における着目成分の面積割合、体積割合及び質量割合のいずれかが一定割合である1又は複数の片刃粒子の、前記材料中の全粒子に対する面積割合、体積割合、質量割合及び個数割合のいずれかを表す片刃度であるか、又は、
    材料中の全粒子に対する単体分離粒子の面積割合、体積割合、質量割合及び個数割合のいずれかを表す単体分離度である、
    コンピュータが実行する推定方法。
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