JP6906218B2 - 治療用椅子 - Google Patents
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Description
さらに、アームレストの無い歯科治療ユニットでは、うがいや退出の際に患者が起き上がることが難しかったり、左肘に体重を掛けて姿勢を保持することができなかったりするため、ハンディキャップのある患者はもちろん一般的に筋力の低下が見られる高齢の患者が、うがい姿勢を保つことや自力での退出が困難な場合がある。
また、アームレストがバックレストに固定され、術者がアームレストにもたれかかることができた場合でも、患者に近づきすぎて患者に不快感を与える懸念があった。
また、診療でサポートアームが邪魔な場合は、サポートアームをアームレストの外方側面に近接した退避位置に保持させることで、サポートアームが診療を妨げにならないようにできる。
以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。
なお、以下の説明では、歯科治療椅子を例に説明するが、本発明は、歯科治療椅子に限定されることはなく、他の治療用椅子にも適用が可能である。
歯科治療用椅子1は、コンターシート2、バックレスト3、ヘッドレスト4、レッグレスト5、フットレスト6、基台7、サポートアーム付きアームレスト(以下、単に「アームレスト」ということがある。)100、および、アームレスト200を備えている。
歯科治療用椅子の場合、歯科治療ユニットを構成する、図示しない、例えば、エアータービン、マイクロエンジン、超音波スケーラ、マルチシリンジ等が搭載されているワークテーブルや、スピットン、無影灯装置などが、歯科治療用椅子の周辺に設置される。
また、アームレスト200も回動軸201を介してバックレスト3に設けられている。
なお、サポートアーム付きアームレスト100とアームレスト200とは、椅子1の左右反対に設けられていてもよい。
アームレスト200は、アームレスト200に回動自在に設けたリンク用支柱202を介してコンターシート2内に設けた図示しないリンク機構の一部に接続され、アームレスト200の回動軸201は、バックレスト3に設けた図示しないリンク機構の一部に接続されている。
そして、アームレスト200は、バックレスト3を傾けた際にもこのリンク機構によって水平位置を保つように構成されている。
また、サポートアーム付きアームレスト100も図示しない連動機構によってアームレスト200に連動して、バックレスト3を傾けた際に水平位置を保つように構成されている。
さらに、サポートアーム付きアームレスト100は、水平状態に維持された状態から、後述するように跳ね上げることが可能に構成されている。
アームレスト100には、棒状のサポートアーム10がアームレスト100の長手方向と平行になるように設けられており、図1(A)では、サポートアーム10が、アームレスト100の外方側面に近接した退避位置に保持されている。
この状態では、図2(A)に示すように、サポートアーム10に設けた2本のサポート支柱20,20’がアームレスト100の基部50に接触するように向けられている。
本説明では、サポートアーム10のアームレスト100の外方側面に近接した位置を退避位置と呼ぶ。
なお、サポートアーム10の外周には、衛生面を考慮して、滅菌可能な材料、例えば、シリコン樹脂からなる割り筒部材を装着したり、抗菌材料からなるコーティングを施したりすることができる。
この状態では、図2(B)に示すように、サポートアーム10に設けた2本のサポート支柱20,20’が、アームレスト100の基部50に対して垂直方向に向けられる。
本説明では、サポートアーム10のアームレスト100の外方側面から突出した位置を突出位置と呼ぶ。
また、後述する所定のロック解除動作とともに、サポートアーム10を図1(B)に示す矢印Y方向に回動させると、サポートアーム10は、図1(A)に示す退避位置に保持される。
サポートアーム10の位置決め機構については、後で詳述する。
そして、サポートアーム10を突出位置に回動させロックする。
これによって、患者は、サポートアーム10を掴むことで安全に着座できる。
アームレスト100が回動軸101に対して回動するのを防止する回動ロックの機構については、後述する。
さらに、ヘッドレスト4を上下動させてヘッドレスト4を患者の頭部にフィットさせ、次いで、歯科治療用椅子1全体を上昇させ、あるいは、歯科治療用椅子1のバックレスト3を任意の位置に寝かせ、コンターシート2をチルトさせたりすることで、患者を診療しやすい位置に移動させる。
図3は、本発明の一例に係る歯科治療用椅子において、サポートアームが退避位置にある際の側面図であり、図4は、本発明の一例に係る歯科治療用椅子において、サポートアームが退避位置にある際の位置決め機構を説明するための図である。
また、図7は、本発明の一例に係る椅子のサポートアームの位置決め機構の構成部材を説明するための図である。
アームレスト100は、その基部50に、例えば、クッション性のある肘受け部102が設けられている。
アームレスト100は、本実施形態では、バックレスト3に対して回動軸101を介して回動自在に設けられている。
また、バックレスト3には、アームレスト100が位置する側面にロック受座300が設けられ、ロック受座300には、第1ロックピン30の先端部32と係合する係合孔301が設けられている。
サポート支柱20の一方の端部には、サポートアーム10が固着されている。
図7に示すように、サポート支柱20の他方の端部には割り溝21が形成され、割り溝21の両側には、テーパーピン23を通す孔22が設けられている。
割り溝21内に突出部34を挿入し、テーパーピン23を孔22と35に通すことによって、サポート支柱20の他方の端部は、第1ロックピン30の端部に回動自在に軸支される。
また、テーパーピン23で回動自在に結合されたサポート支柱20と第1ロックピン30の結合部分付近は、両者の外形が同じ形状と大きさになるように構成されている。
また、第1ロックピン30の先端部32に近い位置には、後述するバネ部材40を受ける鍔部31が設けられている。
さらに、第1ロックピン30の突出部34に近い箇所には、第1ロックピン30の移動を防止するために用いられるロック用孔33が設けられている。
開口部51の底部と第1ロックピン30の鍔部31との間には、バネ部材40が配設され、第1ロックピン30を開口部51の開口側に付勢している。
開口部51の開口側にはネジが切られ、第1ロックピン30の先端部32が挿通する孔を有するネジ部材54によって閉じられている。
このように、第1ロックピン30は、アームレスト100内でアームレスト100の長手方向と交差する方向に進退可能に保持され、バネ部材40によって先端部32が基部50から突出するように付勢されている。
このため、第1ロックピン30の長手方向に交差するサポート支柱20によって、第1ロックピン30はバネ部材40の付勢力に抗して引っ込んだ状態にあり、第1ロックピン30の先端部32が基部50から突出することはない。
サポートアーム10を退避位置から突出位置に移動させるためには、サポートアーム10を図4に示す矢印X方向に回動させる。
この回動操作をスムーズに行うために、アームレスト100の摺動孔52のサポートアーム10の退避位置側には、曲面Rが形成されている。
サポートアーム10を図4に示す矢印X方向に回動させると、図6に示すように、第1ロックピン30とサポート支柱20とが直線状となるため、第1ロックピン30とサポート支柱20とがバネ部材40の付勢力によって、矢印Z方向に移動し、第1ロックピン30の先端部32が基部50から突出する。
また、サポート支柱20の割り溝21を設けた部分は、摺動孔52内に引き込まれる。
そして、この開口部53内に、鍔部61を有する第2ロックピン60が設けられ、第2ロックピン60の鍔部61と開口部53の開口側に設けたネジ部材55との間には、第2ロックピン60を摺動孔52側に向けて付勢するバネ部材70が配設されている。
このため、サポートアーム10が突出位置まで回動されると、第1ロックピン30の動きが制止され、これによって、サポート支柱20とサポートアーム10の動きが制止される。
したがって、サポートアーム10が突出位置にある場合、サポートアーム10はアームレスト100に対して動くことがないため、術者は、安心してサポートアーム10にもたれ掛かかることができる。
その際、サポート支柱20はアームレスト100の基部50の摺動孔52に設けた曲面Rに沿って回動するため、第1ロックピン30は、図6に示すZ方向とは反対の方向に移動する。
サポートアーム10が退避位置まで回動すると、第1ロックピン30とサポートアーム10は、図4で説明した状態で安定する。
図8は、本発明の一例に係る歯科治療用椅子において、アームレストを跳ね上げた状態で、サポートアームを突出位置にした際の側面図であり、図9は、図8を歯科治療用椅子の正面から見た図である。
図8、図9は、図1(B)に示した斜視図と同じ状態を示している。
この状態で、サポートアーム10を突出位置まで回動すると、第1ロックピン30の先端部32がアームレスト100の基部50からバックレスト3側に突出するため、第1ロックピンの先端部32は、バックレスト3の側面に設けたロック受座300の係合孔301と係合する。
この係合により、アームレスト100は、回動軸101を中心とする回動が防止される。
これによって、サポート支柱20とサポートアーム10の動きが制止される。
したがって、サポートアーム10は、図8、図9に示す突出位置から動くことがないため、患者は、安心してサポートアーム10を掴んで歯科治療用椅子1に着座または退出することができる。
この操作によって、第1ロックピンの先端部32とロック受座300の係合孔301との係合が解かれるため、アームレスト100は、回動軸101を中心とする回動可能となり、図3に示す初期位置まで回動させることができる。
また、基部50、第2ロックピン60、バネ部材70、および、第1ロックピン30のロック用孔33が、本発明のロックピンの動きを制止するロック機構を構成している。
さらに、第1ロックピン30とロック受座300とが、本発明の回動ロック機構を構成している。
2・・・コンターシート
3・・・バックレスト
4・・・ヘッドレスト
5・・・レッグレスト
6・・・フットレスト
7・・・基台
10・・・サポートアーム
20・・・サポート支柱
20'・・・サポート支柱
21・・・割り溝
22・・・孔
23・・・テーパーピン
30・・・第1ロックピン
31・・・鍔部
32・・・先端部
33・・・ロック用孔
34・・・突出部
35・・・孔
40・・・バネ部材
50・・・基部
51・・・開口部
52・・・摺動孔
53・・・開口部
54・・・ネジ部材
55・・・ネジ部材
60・・・第2ロックピン
61・・・鍔部
62・・・先端部、
70・・・バネ部材、
100・・・アームレスト(サポートアーム付きアームレスト)
101・・・回動軸
102・・・肘受け部
200・・・アームレスト
201・・・軸、
202・・・リンク用支柱
300・・・ロック受座
301・・・係合孔
Claims (6)
- アームレストと該アームレストの長手方向と平行になるように前記アームレストに取り付けられたサポートアームとを備えた治療用椅子であって、
前記サポートアームが、前記アームレストの長手方向と平行になるように前記アームレストの外方側面から突出した突出位置と前記アームレストの長手方向と平行になるように前記アームレストの外方側面に近接した退避位置のいずれかを保持する位置決め機構を有していることを特徴とする治療用椅子。 - 前記位置決め機構が、前記アームレスト内で前記アームレストの長手方向と交差する方向に進退可能なロックピンと、該ロックピンに軸支して前記サポートアームに設けたサポート支柱を有していることを特徴とする請求項1記載の治療用椅子。
- 前記サポートアームが前記アームレストの外方側面から突出した突出位置に保持された際に、前記アームレストの動きを制止するロック機構を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の治療用椅子。
- 前記アームレストが、前記治療用椅子のバックレストに対して所定角度範囲内で回動自在に軸支されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載の治療用椅子。
- 前記アームレストが前記バックレストに対して略平行な位置に回動されて前記サポートアームが前記アームレストの外方側面から突出した突出位置に保持された際に、前記アームレストの回動を防止する回動ロック機構を有していることを特徴とする請求項4に記載の治療用椅子。
- 前記回動ロック機構が、前記アームレスト内で前記アームレストの長手方向に交差する方向に進退可能なロックピンと、前記バックレストに設けて前記ロックピンの先端部と係合するロック受座からなることを特徴とする請求項5に記載の治療用椅子。
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