JP6905680B2 - 管継手 - Google Patents

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本発明は、構造体に固定される管継手に関する。
特許文献1には、区画を仕切る仕切板に形成された貫通孔に一部を貫通させて、当該仕切板に固定される管継手の固定構造が開示されている。当該管継手の固定構造は、区画を仕切る仕切板に形成された貫通孔に挿通される筒状の挿通部位を有する管継手と、挿通部位を貫通孔に挿通させた状態で、仕切板を挟み込んで管継手を仕切板に固定させる固定部材とを備える。
挿通部位の外周面には外周ネジ部位が形成され、外周ネジ部位には第一平面部位が形成されている。更に、当該管継手の固定構造は、第一平面部位と対向するように配置される第二平面部位を有した中間部材を備える。中間部材の外周面には、少なくとも一部に平面状の外周平面部位が形成されている。
固定部材によって管継手が仕切板に固定された状態で、管継手に管部材を接続させる際、中間部材に形成された外周平面部位を例えば工具等を用いて挟み込む。すると、管継手が回転しようとしても、挿通部位に形成された第一平面部位が、中間部材の挿通孔に形成された第二平面部位に当たり、管継手の回転が抑制される。
特開2014−35051号公報
特許文献1の管継手の固定構造では、管継手に管部材を接続させる際に、スパナ等の工具を別に必要とする煩わしさがあり、接続作業が面倒であった。
本発明の目的は、筒状部の雌ねじ部に水栓等をねじ込む作業を容易に行い得る管継手を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る管継手は、構造体の第一面と第二面との間の貫通孔に挿入される筒状部と、前記構造体に対して前記第一面側に配置されるとともに前記筒状部と連通し管体が接続される管接続部と、前記筒状部の基端側に設けられたフランジ部とを有し、前記筒状部の外周面には雄ねじ部が形成され、前記筒状部の内周面には雌ねじ部が形成され、前記雄ねじ部の一部には第一規制部が形成された継手本体と、前記構造体に対して前記第二面側に配置されるとともに、前記筒状部の前記雄ねじ部に螺合し、前記フランジ部との間で前記構造体を挟み込む固定リングと、前記フランジ部と前記構造体の前記第一面との間又は前記構造体の前記第二面と前記固定リングとの間に配置されるとともに、前記筒状部に対応する挿通孔を有し、前記挿通孔の内周面には前記第一規制部と対応した形状を有して前記筒状部との相対回動を前記第一規制部に当接することで規制する第二規制部が形成された中間リングと、前記固定リングから前記構造体へと渡されて、前記固定リングと前記構造体とを相対回動不能とするピン状の固定部材とを備え、前記固定部材は、前記中間リングにまで到達し、前記中間リングに係合されて、前記中間リングと前記構造体とを相対回動不能とする。
上記構成によれば、筒状部の雌ねじ部に対して水栓等をねじ込む際、継手本体及び継手本体と相対回動不能な中間リングが、水栓等に連れ回りしようとする。しかし、中間リングは、固定部材を介して構造体に対して相対回動不能となっており、継手本体を工具等で回り止めしなくとも、継手本体の連れ回りを防止することができる。
本発明の請求項2に係る管継手は、請求項1に記載の構成に加え、前記中間リングの外径は前記固定リングの外径より大きい。
上記構成によれば、固定部材を固定リングから中間リングまで到達させる際、固定部材が固定リングの径方向外側に傾いても、中間リングに固定部材を係合することができる。
管継手の分解斜視図。 管継手を壁体に固定した状態を示す正面図。 管継手を壁体に固定した状態を示す側面の一部断面図。 図3のA−A線断面図。 継手本体及び中間リングの別例を示す斜視図。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。
図2〜図4に示すように、管継手1は、構造体としての壁体100に取り付けられる。壁体100には、第一面101と第二面102との間に貫通孔103が形成されている。管継手1は、貫通孔103に挿入配置されて、第一面101側で受けた湯水を第二面102側へと供給する。
図1は、管継手1を、軸線Lに沿う方向へと分解して示す斜視図である。図1おいて壁体100の第一面101側に位置しているのは、第一面101から遠い順に、継手本体2を構成するエルボ部材9、継手本体2のフランジ部をなすフランジ部材3、中間リング4、及び止水リング5である。図1において壁体100の第二面102側に位置しているのは、第二面102に対して遠い順に、ピン状の固定部材としての複数本(本実施形態においては2本)のビス8、固定リング7、滑りリング6、及び止水リング10である。
図1及び図3に示すように、エルボ部材9は、筒状部20と管接続部21とがL字形に配置されてなる。筒状部20と管接続部21とは内部が連通されている。筒状部20の外周面には雄ねじ部22が形成されている。筒状部20の内周面には雌ねじ部23が形成されている。
管接続部21は、周知のワンタッチ継手よりなっている。管接続部21には、例えば架橋ポリエチレンやポリブテン等の合成樹脂製の管体Pが接続される。筒状部20の雌ねじ部23には、例えば水栓等の配管部材(図示しない)が接続される。
図1、図2及び図4に示すように、雄ねじ部22には、一対の平面部24(第一規制部)が形成されている。一対の平面部24は、互いに平行となるように筒状部20の軸線を挟んで反対側に形成されている。
図3及び図4に示すように、筒状部20の基端側にはフランジ部材3が取り付けられている。フランジ部材3の内周面には、雄ねじ部22に螺合する雌ねじ部30が形成されている。フランジ部材3は筒状部20の基端側まで螺進されている。
図3及び図4に示すように、筒状部20にフランジ部材3を螺合した後、筒状部20に中間リング4及び止水リング5を挿入する。
図1及び図4に示すように、中間リング4の内周面には、筒状部20に対応する形状をした挿通孔40と、雄ねじ部22に形成された一対の平面部24に対応する形状をした一対の板部41(第二規制部)とが形成されている。つまり、挿通孔40に筒状部20を挿通させた状態で、筒状部20を周方向に回転させると、平面部24と板部41とが当たって連れ回りする関係となっている。
中間リング4は、ステンレス板や鋼板等をプレスして形成されている。中間リング4の外形形状に沿ってプレスした後、内側にできた2つの平面突部を外側に折り曲げることによって、板部41が形成されている。
図1に示すように、止水リング5は、平板リング状のパッキンであり、軟質の合成樹脂やゴム等で形成されている。止水リング5には、筒状部20が挿通可能な挿通孔50が形成されている。
図3及び図4に示すように、フランジ部材3、中間リング4及び止水リング5が挿入された筒状部20は、第一面101側から貫通孔103に挿入されている。
図3及び図4に示すように、第二面102から突出した筒状部20の先端には、止水リング10、滑りリング6及び固定リング7が同順に取り付けられている。
図1に示すように、止水リング10は、止水リング5と同様、平板リング状のパッキンである。止水リング10には、筒状部20が挿通可能な挿通孔11が形成されている。
図3及び図4に示すように、滑りリング6は、止水リング5と固定リング7との回動摩擦抵抗を低減させるためのリング状の部材である。図1に示すように、滑りリング6には、筒状部20が挿通可能な挿通孔60が形成されている。
図1に示すように、固定リング7の内周面には、筒状部20の雄ねじ部22に螺合する雌ねじ部70が形成されている。図1及び図2に示すように、固定リング7には、ビス8を挿通するためのビス孔71が、周方向に等間隔で複数(本実施形態では4箇所)が貫通形成されているとともに、工具を嵌めるための工具孔72が、周方向に等間隔で複数(本実施形態では2箇所)が形成されている。
固定リング7を筒状部20の雄ねじ部22にねじ込む際には、工具孔72に水栓レンチ等の工具を差し込んで回転させることにより、固定リング7とフランジ部材3との間で壁体100を強く挟持できる。
このように固定リング7を取り付けた状態で、筒状部20の先端が固定リング7より突出し過ぎている場合は、フランジ部材3の筒状部20に対するねじ込み量を調節し、筒状部20における固定リング7からの突出量を調節する。
図2〜図4に示すように、2本のビス8を固定リング7のビス孔71に挿通し、インパクトドライバー等の工具を使ってねじ込む。ビス8は、ドリル付タッピングビスであり、壁体100等に対して下穴無しでビス8をねじ込むことができる。
ビス8は、固定リング7の挿通孔71に挿通され、滑りリング6及び止水リング10を貫通して壁体100へと螺入される。ビス8は、壁体100及び止水リング5を貫通して、中間リング4まで到達され、さらに中間リング4を貫通してフランジ部材3を貫通されている。
ビス8は、固定リング7と壁体100とを相対回動不能とするとともに、中間リング4に係合されて、中間リング4と壁体100とを相対回動不能とする。
なお、図2に示すように、ビス8を、ビス孔71の4箇所のうち、エルボ部材9を傷つけないような箇所にねじ込む。つまり、固定リング7を筒状部20にねじ込む際は、継手本体2を避ける位置にビス孔71が配置されるように、固定リング7を調節する。
ビス孔71が円周上に等間隔に4箇所形成されていることで、ビス孔71の位置調節は90°間隔で行うことができる。また、筒状部20に形成された平面部22を目安に、ビス孔71を平面部22の近傍に配置すると、エルボ部材9を傷つけない位置になる。
さて、図2〜図4に示すように、管継手1を壁体100に取り付けた状態で、継手本体2の雌ねじ部23に対して水栓等をねじ込むと、継手本体2は水栓等に連れ回りしようとする。すると、継手本体2に形成された平面部24と、中間リング4に形成された板部41とが当たり、中間リング4も連れ回りしようとする。
しかし、中間リング4は、ビス8を介して壁体100に相対回動不能となっている。つまり、継手本体2を工具等で回り止めしておかなくとも、固定リング7用のビス8を利用して継手本体2の連れ回りを防止しており、水栓等を容易にねじ込むことができる。このように、固定リング7用のビス8を利用することで、構成の簡素化を図り得る。
また、図2、図3及び図4に示すように、管継手1において、中間リング4の外径は、固定リング7の外径より大きい。
作業者は、ビス8を固定リング7から中間リング4までねじ込む際、エルボ部材9を傷つけることを恐れ、固定リング7の径方向外側にねじ込んでしまう可能性がある。しかし、ビス8が固定リング7の径方向外側に傾いても、中間リング4にビス8を係合することができ、ビス8のねじ込み作業を容易にしている。
<変形例>
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
○図5に示すように、管継手1の継手本体2において、エルボ部材9の雄ねじ部22に形成された平面部24を削除し、雄ねじ部22に断面V字形状の溝200(第一規制部)を形成すること。また、中間リング4に形成された板部41を削除し、中間リング4の内周面に、溝200に対応した形状の突起400(第二規制部)を形成すること。
エルボ部材9の雌ねじ部23に対して水栓等をねじ込む際、エルボ部材9が水栓に連れ回りしようとすると、溝200が突起400に当たることで相対回動不能とし、エルボ部材9の連れ回りを抑止する。
なお、第一規制部及び第二規制部の形状は、この限りではなく、継手本体が共回りしようとした際に、互いに当たって相対回動を抑制するものであれば良い。
○管継手1において、中間リング4を、第二面102と固定リング7との間に配置すること。
○フランジ部材3をエルボ部材9に一体形成すること。
○継手本体2の形状を、例えば、I字形状のニップルやT字形状のチーズにすること。
○中間リング4及び固定リング7の外形形状を多角形にすること。
○止水リング5を壁体100の第一面101側のみ、又は第二面102側のみに配置すること。また、液体等の流入を配慮する必要がない用途・環境では、止水リング5を省略しても良い。
○管接続部21の内周面または外周面にねじ部を形成し、継手等を接続すること。
○その他の固定部材としては、タッピングねじや釘、ピン等が挙げられる。
○他の構造体としては、床や天井等が挙げられる。
2…継手本体、3…フランジ部材、4…中間リング、7…固定リング、8…ビス、9…エルボ部材、20…筒状部、24…平面部、41…板部。

Claims (2)

  1. 構造体の第一面と第二面との間の貫通孔に挿入される筒状部と、前記構造体に対して前記第一面側に配置されるとともに前記筒状部と連通し管体が接続される管接続部と、前記筒状部の基端側に設けられたフランジ部とを有し、前記筒状部の外周面には雄ねじ部が形成され、前記筒状部の内周面には雌ねじ部が形成され、前記雄ねじ部の一部には第一規制部が形成された継手本体と、
    前記構造体に対して前記第二面側に配置されるとともに、前記筒状部の前記雄ねじ部に螺合し、前記フランジ部との間で前記構造体を挟み込む固定リングと、
    前記フランジ部と前記構造体の前記第一面との間又は前記構造体の前記第二面と前記固定リングとの間に配置されるとともに、前記筒状部に対応する挿通孔を有し、前記挿通孔の内周面には、前記第一規制部と対応した形状を有して前記筒状部との相対回動を前記第一規制部に当接することで規制する第二規制部が形成された中間リングと、
    前記固定リングから前記構造体へと渡されて、前記固定リングと前記構造体とを相対回動不能とするピン状の固定部材と
    を備え、
    前記固定部材は、前記中間リングにまで到達し、前記中間リングに係合されて、前記中間リングと前記構造体とを相対回動不能とすることで、前記雌ねじ部に水栓等をねじ込む際に前記継手本体が連れ回りすることを防止する管継手。
  2. 前記中間リングは前記フランジ部と前記構造体の前記第一面との間に配置されており、前記中間リングの外径は前記固定リングの外径より大きい請求項1に記載の管継手。
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