JP6903356B1 - 物品管理ユニット及び物品管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】物品の受取・返却サービスをユーザが便利に利用することができる物品管理ユニット及び物品管理システムを提供する。【解決手段】物品を収容する物品管理装置3の取出口に設けられる物品管理ユニット33は、物品に付与されたタグを読み取る第一のリーダー331及び第二のリーダー332と、第一のリーダーと第二のリーダーの間に設けられ、物品の通過が可能な解錠状態と施錠状態とを切替可能なロック手段333と、第一のリーダー、第二のリーダー及びロック手段を制御可能なユニット制御部とを備える。ユニット制御部は、ユーザ端末からのロック解除要求に基づいて、第一のリーダー及び第二のリーダーのいずれか一方を読取可能な状態に起動させ、一方のリーダーがタグを読み取った場合に、ロック手段を解錠状態へ切り替えるように制御する。【選択図】図3

Description

本発明は物品の受取・返却を管理する物品管理システムに関する。
近年、シェアリングエコノミーの考え方が広まり、様々なモノを共有できるサービスが提案されている。
特許文献1には、忘れ物として拾得した傘を貸し出す物品貸出システムが開示されている。
特開2008−84165号公報
上述した技術は、傘に付されたRFIDに貸出単価や貸出時刻など各種情報を記憶し、貸出額の算出等を行うことが記載されている。しかしながら、物品の貸出・返却時における利便性は十分に考慮されていなかった。
そこで、本発明は、物品の受取・返却サービスをユーザが便利に利用することができる物品管理ユニット、及び物品管理ユニットを用いた物品管理システムを提供することを一つの目的とする。
本発明によれば、物品を収容する物品管理装置の取出口に設けられる物品管理ユニットであって、物品に付与されたタグを読み取る第一のリーダー及び第二のリーダーと、前記第一のリーダーと前記第二のリーダーの間に設けられ、前記物品の通過が可能な解錠状態と施錠状態とを切替可能なロック手段と、前記第一のリーダー、前記第二のリーダー、及び前記ロック手段を制御可能なユニット制御部とを備え、前記ユニット制御部は、前記ユーザ端末からのロック解除要求に基づいて、前記第一のリーダー及び前記第二のリーダーのいずれか一方を読取可能な状態に起動させ、前記一方のリーダーが前記タグを読み取った場合に、前記ロック手段を解錠状態へ切り替えるように制御することを特徴とする、物品管理ユニットが得られる。
本発明によれば、物品の受取・返却サービスをユーザが便利に利用することができる。
本発明の実施の形態によるシステムの構成例を示す図である。 本発明の実施の形態による物品管理装置の構成例である。 本発明の実施の形態による物品管理装置の模式図である。 本発明の実施の形態による物品管理装置の動きを示す模式図である。 本発明の実施の形態によるハードウェア構成例である。 本発明の実施の形態によるソフトウェア構成例である。 本発明の実施の形態によるユーザ情報の構成例である。 本発明の実施の形態による物品収容部情報の構成例である。 本発明の実施の形態による物品情報の構成例である。 本発明の実施の形態によるシステムの動作フロー図である。 本発明の実施の形態によるシステムの動作フロー図である。 本発明の実施の形態による物品管理装置の変形例である。
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、以下のような構成を備える。
[項目1]
物品を収容する物品管理装置の取出口に設けられる物品管理ユニットであって、
物品に付与されたタグを読み取る第一のリーダー及び第二のリーダーと、
前記第一のリーダーと前記第二のリーダーの間に設けられ、前記物品の通過が可能な解錠状態と施錠状態とを切替可能なロック手段と、
前記第一のリーダー、前記第二のリーダー、及び前記ロック手段を制御可能なユニット制御部とを備え、
前記ユニット制御部は、前記ユーザ端末からのロック解除要求に基づいて、前記第一のリーダー及び前記第二のリーダーのいずれか一方を読取可能な状態に起動させ、
前記一方のリーダーが前記タグを読み取った場合に、前記ロック手段を解錠状態へ切り替えるように制御することを特徴とする、物品管理ユニット。
[項目2]
前記第一のリーダーは、前記ロック手段よりも前記物品管理装置の内側に設けられ、
前記ユニット制御部は、前記ユーザ端末から前記物品の受取のためのロック解除要求を受付けた場合に、前記第一のリーダーを読取可能な状態に起動させることを特徴とする、項目1に記載の物品管理ユニット。
[項目3]
前記ユニット制御部は、前記第一のリーダーが前記タグを読み取った場合に、前記第一のリーダーの読取機能を停止させるとともに、前記第二のリーダーを読取可能な状態に起動させることを特徴とする、項目2に記載の物品管理ユニット。
[項目4]
前記ユニット制御部は、さらに前記第二のリーダーが前記タグを読み取った場合に、前記ロック手段を施錠状態へ切り替えるように制御することを特徴とする、項目3に記載の物品管理ユニット。
[項目5]
項目1〜4のいずれかに記載の物品管理ユニットと、前記ユーザ端末と、サーバとを含む物品管理システムであって、
前記ユーザ端末は、前記サーバに対して前記物品の受取要求を送信する受取要求送信部を備え、前記サーバから要求許可情報を受付けた場合に、前記物品管理ユニットに対して前記ロック解除要求を送信することを特徴とする、物品管理システム。
[項目6]
前記サーバは、前記受取要求を許可するかどうかを判定する要求許可判定部を備え、
前記要求許可判定部は、前記物品管理装置の利用可能在庫数が前記受取要求にかかる数以上である場合に、前記受取要求を許可する、項目5に記載の物品管理システム。
[項目7]
前記サーバは、前記受取要求を許可するかどうかを判定する要求許可判定部を備え、
前記要求許可判定部は、前記受取要求が前記ユーザの利用制限情報に合致している場合に、前記受取要求を許可する、項目5又は6に記載の物品管理システム。
[項目8]
前記サーバは、前記ユーザ端末から前記物品の受取予約を受け付ける予約管理部を備え、
前記予約管理部は、前記受取予約を受け付けた場合に、前記物品管理装置の利用可能在庫数を前記受取予約の数だけ減らす処理を行う、項目5〜7のいずれかに記載の物品管理システム。
[項目9]
前記サーバは、前記要求許可情報とともに時刻情報を前記ユーザ端末に送付し、
前記ユーザ端末は、前記ロック解除要求とともに前記時刻情報を前記物品管理ユニットに送信し、
前記ユニット制御部は、前記受信した時刻情報が、過去に受信した前記時刻情報よりも新しい場合に、前記第一のリーダー若しくは第二のリーダーを読取可能な状態に起動することを特徴とする、項目5〜8のいずれか1項に記載の物品管理システム。
<実施の形態の詳細>
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<概要>
本発明の実施の形態によるシステムは、物品の受取・返却を管理するためのシステムである。例えば、傘などの物品レンタルサービスを円滑に運営するために有用である。なお、物品は傘に限らず、買い物バッグやシューズ、会議室等の施設や自動車・自転車の鍵、バスケットボール、洋服、雨靴、カッパ、ドローン、リモコン、ポケットティッシュ、マスク、タブレット含むパソコン機器、イヤホン、充電器、各種充電ケーブル、ポケットwifi、翻訳機、パラソル、テント、電池(乾電池やボタン電池、リチウム電池など含む)、筆記用具、朱肉、ホチキス、定規、ハサミ、カッター、タバコ、ライター、帽子、日傘、うちわ、清涼スプレー、清涼シート、日焼け止め、ストッキング、化粧品全般、ハンカチ、マフラー、ホッカイロ、アウターなど防寒具、杖、アメニティー、タオル、ベビーカー、メガネ、靴下、キックボード、電動スクーター、ボードゲーム、枕(トラベル用含む)、SIM、ケータイ端末などでもよく、特に制限はない。物品には、所定の場所にRFID等のICタグが設置され、管理に利用される。
<構成>
図1に示されるように、本システムは、サーバ1と、ユーザ端末2と物品管理装置3を備えている。サーバ1とユーザ端末2、及び物品管理装置3とは、ネットワークを介して、または介さずに互いに通信することができる。また、ユーザ端末2と物品管理装置3とは、データをBluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)等の近距離無線通信を通じて通信可能であることが好ましく、その場合は物品管理装置3はネットワーク接続手段を有しなくてもよい。
図2は、本システムを傘のレンタルサービスに使用する場合の、物品管理装置3の一例である。傘のレンタルサービスに本発明のシステムを使用する場合、物品管理装置3は全体として傘立ての構成を有している。ただし、レンタル可能な傘を1本以上収容しておく物品収容部31と、物品収容部31から傘を取り出し可能な通路32を備える。ユーザは、物品収容部31から1本傘をとり、通路32を通過させて外に取り出すことができる。また返却時は、傘を通路32を通過させて物品収容部31の中に戻す。通路32の少なくとも片方の側面に、下記で述べる本発明の物品管理ユニット33が備えられ、ロック手段333によって通路32が通過不能/通過可能な状態に切り替えられる。物品管理ユニット33は、ユーザの操作に応じてロック手段333を制御して物品を通過可能な状態とし、ユーザによる物品の受取・返却を可能とする。
物品管理装置3の形状は特に制限されないが、図2の例においては、高さが傘を収容可能な程度の長さである略直方体であり、傘の柄をひっかけることが可能な幅の複数の細長形状の貫通孔を有する天板を備えることができる。天板には、傘を1本通過させることが可能な幅の通路32が少なくとも1つ、外側と連通可能に形成されている。天板の貫通孔は、いずれの場所からも当該通路32につながるように枝分かれ状に形成されていることが好ましい。また、通路32の片側には、ロック手段333が通路32をふさぐことができる位置に物品管理ユニット33が設置され、天板の一部分(物品管理ユニット33が設置されている位置の略直上)にはユーザ端末2をかざす旨の表示34が備えられ、当該表示には後述するように物品収容部ID等の識別情報を含む二次元コードやNFCタグ等が設置される。物品収容部31の構造はこれに限られず、物品の大きさや形状、性質に応じて適宜設計されるべきである。
図3は、物品管理装置3の構成を示す模式図である。物品管理装置3は、機能として、物品を収容しておく物品収容部31、受取・返却時に物品を通過させることが可能な通路32、及び物品管理ユニット33を備える。
物品管理ユニット33は、ユーザ端末2と通信し、ロック手段333を介して物品の受取・返却を制御する。物品管理ユニット33は、第一のリーダー331、第二のリーダー332、ロック手段333、ユニット通信手段334、及び図示しないユニット制御部335、ユニット記憶部336とを備える。ユニット制御部335は、物品管理ユニット33内の各部の機能実行に必要な情報処理等を行う演算装置であり、例えばマイクロコンピュータである。ユニット記憶部336は、情報記憶装置であり、後述するタイムスタンプ等各種のデータを記憶することができる。ユニット通信手段334は、ユーザ端末2との通信を可能にする手段であり、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)等の近距離通信インタフェースを備えていることが好ましい。また、ユニット通信手段334はネットワークに接続してサーバ1やユーザ端末2と通信できるようにしてもよい。
第一のリーダー331及び第二のリーダー332は、物品に装着されたタグ情報を読み取るためのリーダーである。例えば電波を発信してRFID等のICタグの情報を受信可能なものであってよい。第一のリーダー331と第二のリーダー332は、ロック手段333を挟んで両側に配置され、第一のリーダー331は、物品管理ユニット33における物品収容部31側に、第二のリーダー332は、通路32の外側に配置されるものとする。
ロック手段333は、通路32を物品が通過できない施錠状態と、物品が通過可能な解錠状態とを切り替えることが可能である。一例として、施錠状態においては、物品が物理的に通路32を通過できないようにするために通路32を塞ぐことができる。図3における例では、3つの凸部が所定角度間隔で通路32側に伸びた形状を有している。特に中心の凸部が左右の凸部よりも太くてもよい。施錠状態で、中心の凸部が通路32に対して垂直方向を向き、通路32に突出して物品の通過を妨げる。この時に左右の凸部は多少通路32に突出してもよいが、左右の凸部の位置においては物品の通過が可能な角度であることが好ましい。図3の例において、ロック手段333は、解錠状態において回転可能であり、施錠状態において回転不可能に制御されてもよい。ロック手段333は、バネなどの付勢手段によって中心の凸部が通路32に対して垂直方向を向いた初期位置に自力で戻るように構成されてもよい。ユニット制御部335からロック手段333を解錠する旨の指示を受けると、ロック手段333は回転可能な状態となる。ユーザが物品を通過させる際に物品やユーザの手に押されて中央の凸部が回転し、通路32をふさいでいた凸部がなくなることによって物品が通過可能となる。また、物品の通過が完了すると、ユニット制御部335からロック手段333を施錠する旨の指示を受け、ロック手段333は回転不能な状態となる。
物品の受取時のロック手段333の動きについて、図4で説明する。ロック手段333が初期位置にある場合は、図4(a)のように、物品はロック手段333の中央の凸部によって通路32を通過することが妨げられる。ユニット制御部335がロック手段333を解錠状態へ制御し、かつユーザが物品を引き出してロック手段333を回転させる力を加えると、図4(b)のようにロック手段333が回転し、物品は通路32を通過する。このとき、左側の凸部が通路32に突出し、2つ目の物品が一度に通過してしまうのを防止する。物品が通路32を通過すると、ロック手段333はばね等により初期位置まで自力で戻る(図4(c))。
上記のロック手段333の構成はあくまで一例であり、形状や動きはこれに限られない。例えば、複数の凸部が星型のように放射状に設けられ、同一方向に所定角度回転してもよいし、シャッターが出し入れされることによって解錠状態・施錠状態を切り替え可能な構造としてもよい。
<ハードウェア構成>
本実施の形態によるサーバ1とユーザ端末2とは、以下のようなハードウェア構成を有する。なお、以下の構成は一例であり、これ以外の構成を有していても良い。
図1に示されるように、サーバ1は、ユーザ端末2と通信を介して情報処理を実行することにより、システムの一部を構成する。サーバ1は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
ユーザ端末2は、サーバ1及び物品管理装置3と通信して情報処理を実行することにより、本発明のシステムの一部を構成する。ユーザ端末2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータであってもよいし、スマートフォン等の携帯通信機器やスマートウォッチのようなウェアラブル端末等であってもよい。Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)等の近距離通信インタフェースや二次元コード読取機能、NFC(Near Field Communication)等のタグ読取機能を備えていることが好ましい。
サーバ1は、図5に示すように、それぞれ少なくとも、制御部10、メモリ11、ストレージ12、送受信部13、入出力部14等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。
制御部10は、サーバ1全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部10はCPU(Central Processing Unit)であり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ11は、制御部10のワークエリア等として使用され、また、サーバ1の起動時に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
ストレージ12は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ12に構築されていてもよい。
送受信部13は、サーバ1をネットワークに接続する。なお、送受信部13は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)等の近距離通信インタフェースを備えていてもよい。
入出力部14は、必要に応じて使用するキーボード・マウス類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。
バス15は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
ユーザ端末2も、上記図5で説明したものと同様のハードウェア構成を備えることができる。
サーバ1は、サービスを、アプリケーションを介してユーザ端末2に対して提供することができる。ユーザ端末2は、アプリケーションをサーバ1または別のサーバからダウンロードし、このアプリケーションを実行し、ブラウザ等のウェブページの閲覧ソフトウェアまたはアプリケーションを介してサーバ1にアクセスすることで、サーバ1と情報を送受信することでき、また、サービスを受けることが可能となる。
図6は、ユーザ端末2及びサーバ1におけるソフトウェア構成例である。サーバ1は、要求受付部111、要求許可判定部112、完了情報受付部113、決済処理部114、ユーザ情報記憶部121、物品収容部情報記憶部122、物品情報記憶部123を備えることができる。なお、要求受付部111、要求許可判定部112、完了情報受付部113、決済処理部114は、サーバ1が備える制御部10がストレージ12に記憶されているプログラムをメモリ11に読み出して実行することにより実現され、ユーザ情報記憶部121、物品収容部情報記憶部122、物品情報記憶部123は、メモリ11およびストレージ12の少なくともいずれかにより提供される記憶領域の一部として実現される。
ユーザ端末2は、受取・返却要求送受信部211、ロック解除要求部212、アカウント情報記憶部221を備えることができる。なお、受取・返却要求送受信部211、ロック解除要求部212は、ユーザ端末2が備える制御部10がストレージ12に記憶されているプログラムをメモリ11に読み出して実行することにより実現され、アカウント情報記憶部221は、メモリ11およびストレージ12の少なくともいずれかにより提供される記憶領域の一部として実現される。ユーザ端末2は、このほかに、ユーザ端末2上の表示を制御する表示制御部やユーザ端末2の位置情報を取得する位置情報取得部等を適宜備えてもよい。
ユーザ情報記憶部121には、本システムにユーザ登録しているすべてのユーザについて、本システムのアプリケーションを利用する際のユーザ情報が記憶される。ユーザ情報記憶部121には、ユーザIDなどのユーザ識別情報に紐づけて、各種の情報を格納する。図7は、ユーザ情報記憶部121に記憶されるユーザ情報の構成例である。ユーザ情報には、基本情報である氏名、住所、電話番号、決済情報等を含むことができる。さらに、契約情報や現在の利用状況に関する情報等が含まれてよい。契約情報には、本システムの利用に関する契約等の情報である。例えば無料・有料や、通常・特別など、階級によって会員が利用できるサービスの内容が異なる場合には、当該会員の契約情報を含む。例えば本システムを、物品の貸出しサービスとして利用する場合は、ユーザが一度に借りることのできる物品の数や種類、利用可能なエリアや時間帯、料金の計算方法に関する情報を含み得る。現在の利用状況については、現在物品を利用中、レンタル中、予約中、であるといった情報であり、対象の物品の情報(物品IDや物品の種類など)や、物品収容部31の情報(物品収容部IDや住所など)が含まれ得る。また、ユーザ情報記憶部121には、過去の利用履歴情報等を含んでもよい。過去の利用履歴情報とは例えば、過去に利用した物品の種類、数、時間帯、受取場所・返却場所などであってよい。
ユーザ端末2におけるアカウント情報記憶部221は、当該ユーザに関するアカウント情報を有する。アカウント情報の内容は上記のユーザ情報と同様であってよく、説明を割愛する。また、ユーザ端末2においてこれらのアカウント情報の一部または全てを保持することなく、サーバ1におけるユーザ情報記憶部121に問い合わせることによって適宜情報を取得してもよい。
物品収容部情報記憶部122は、物品収容部31に関する情報を記憶する。図8は、物品収容部情報記憶部122に格納される物品収容部情報の構成例である。物品収容部情報とは例えば、物品収容部ID等の識別情報に紐づけて、基本情報として物品収容部31の場所(住所)、エリア、収容可能な物品の数・種類、利用可能時間帯等を含むことができる。また、収容物品に関する情報として、現在収容されている物品ID、現在収容されている物品の在庫数や、在庫数のうち利用可能な在庫数、在庫数のうち予約されている物品の数等の情報が含まれ得るが、これに限られない。
物品情報記憶部123は、物品に関する情報を記憶する。図9は、物品情報記憶部123に格納される物品情報の構成例である。物品に関する情報とは例えば、物品ID等の識別情報に紐づけて、物品基本情報であるタグ情報、物品の種類、製造年月日等の情報を含み、さらに現在のステータスに関する情報や、過去の利用履歴に関する情報を含むことができるが、これに限られない。現在のステータスとは、例えば物品収容部31に収容されている場合は、「収容中」であり、予約されている場合は「予約中」等である。その際には収容されている物品収容部IDの情報や予約したユーザID等をさらに含んでよい。また、ユーザが所持している場合は「利用中」であり、所持しているユーザIDの情報や、返却予定日時等の情報が含まれ得る。また、そのほかに、「修理中」、ユーザが紛失した場合には「紛失中」、拾得された場合には「拾得中」などのステータスがあり得る。ステータス情報はこれらに限定されず、単に利用可能な状態か否かを示す「利用可能」「利用不可」等で表してもよい。また、過去の利用履歴に関する情報は、受取・返却の日時、物品収容部ID、ユーザIDなどを、記録することができる。また、その他物品情報記憶部123は、物品の色や柄などの特徴を記憶してもよく、物品の画像を含んでもよい。
受取・返却要求送受信部211は、ユーザ端末2からサーバ1に対して、物品の受取若しくは返却の手続を行いたい旨の要求(受取・返却要求)を送信する。また、後にサーバ1から、要求に対する許可または拒否の情報を受信する。受取・返却要求は、アカウント等のユーザ情報、及び物品収容部31の識別情報等を有する。このとき、物品を特定する情報(物品ID等)を送信情報に含めてもよい。また、複数種類の物品がある場合は、物品の種類を特定する情報を含めてもよい。
物品収容部31の識別情報は、ユーザが手入力で入力してもよいし、下記で述べるように物品管理ユニット33との通信によって識別情報を入手してもよい。ユーザは、サーバ1に対して受取・返却要求を送信する前に、物品収容部31の前でユーザ端末2を操作し、物品管理ユニット33との近距離無線通信を接続することができる。まず、ユーザは、ユーザ端末2に搭載されるNFC読取機や二次元コード読取機などのタグ読取機能によって、Bluetooth(登録商標)等の無線通信のペアリングに必要な物品管理装置3に固有の機器情報を読み取る。すなわち、物品管理装置3には機器情報を格納したNFCタグや、二次元コードを、ユーザ端末2により読み取り可能な箇所に設置しておく。次に、ユーザ端末2は、読み取った機器情報を用いてBluetooth(登録商標)等の無線通信手段により物品管理ユニット33との通信を接続することができる。ユーザ端末2は、物品収容部IDなどの情報を物品管理ユニットとの無線通信によって取得することができるので、その後サーバ1に対して受取・返却要求を送信する際に、物品収容部IDなどの物品収容部の識別情報を上述した受取・返却要求に自動的に含ませることができる。
サーバ1の要求受付部111は、ユーザ端末2から送信された受取・返却要求を受け付ける。要求受付部111は、受け付けた情報を要求許可判定部112に伝える。要求許可判定部112は、受け付けた情報をもとに、当該要求を許可するかもしくは拒絶するかを判定し、その結果をユーザ端末2に通知する。要求許可判定部112は、ユーザの認証を行うことができる。ユーザ認証は既知の方法により行えばよく、例えば受け付けたユーザの識別情報(ユーザIDなど)がユーザ情報記憶部121に登録されているかどうかを確認する。ユーザ情報記憶部121に同一のアカウントが登録されていない場合は、ユーザ端末2に対してユーザ登録を行うよう要請する旨を通知する。ユーザ情報記憶部121において同一のアカウント情報が登録されていることを確認できた場合は、ユーザ認証を完了する。
受取・返却要求が特に受取要求である場合、要求許可判定部112はさらに、物品の在庫があるかを確認する。要求許可判定部112は、物品収容部情報記憶部122において受取・返却要求情報において指定された物品収容部IDに紐づく情報を読み出し、在庫数を確認する。また、下記変形例1で述べるように、ユーザによる予約が可能な場合は、在庫数のうち、予約数を減じた分を利用可能在庫数とし、受取要求数以上の利用可能在庫数があることを確認する。
また、ユーザ情報記憶部121にユーザの契約に関する情報が含まれている場合は、要求許可判定部112は、当該受取・返却要求が契約内容に照らして許可してよいものかどうかを確認することもできる。例えば、ユーザが物品を一度に2つまでしか利用できないという契約であった場合、現在の利用状況をユーザ情報記憶部121に問い合わせ、現在の利用数が1つ以下であれば許可できると判断するが、現在の利用数がすでに2つである場合は許可しないと判断する。そのほか、要求許可判定部112は、ユーザのアカウント情報に基づく利用制限がある場合に、当該制限に要求内容が合致しているかを判断することができる。
要求許可判定部112は、要求を許可できると判断した場合は、ユーザ端末2に、要求を許可する旨の情報を送信する。ユーザ端末2の受取・返却要求送受信部211は、サーバ1から要求を許可する情報を受信した場合に、当該情報をロック解除要求部212に伝える。
ユーザ端末2のロック解除要求部212は、物品管理ユニット33に対して、ロック解除要求情報を送信する。以下、ユーザ端末2と物品管理ユニット33との間の情報の送受信は、近距離無線通信を介して行われることができる。物品管理ユニット33は、ロック解除要求情報を受信し、当該要求が、物品の受取にかかる要求である場合は下記「受取フロー」を実行し、物品の返却にかかる要求である場合は、「返却フロー」を実行する。
<受取フロー>
まず、通常時は、第一のリーダー331、第二のリーダー332は読み取り機能が起動されていない状態であり、またロック手段333は施錠状態に制御されている。ここで、物品の受取にかかるロック解除要求を受信した場合、ユニット制御部335は、第一のリーダー331を読み取り可能な状態に起動させる。ユーザが物品を物品収容部31から取出し、第一のリーダー331の前を通過させると、第一のリーダー331は、物品に付与されたICタグを読み取り、ユニット制御部335に情報を送信する。ユニット制御部335は、第一のリーダー331から物品のタグを読み取った旨の情報を受信した場合に、ロック手段333を解錠する。すなわち、ロック手段333が図3に示す機構である場合に、ロック手段333が回転可能な状態となる。また、第二のリーダー332を読み取り可能な状態に起動し、一方で第一のリーダー331の読取機能を停止する。ユーザが物品をさらに通路32の外側に引き出すことによってロック手段333が回転し、物品は第二のリーダー332の前を通過する。第二のリーダー332は、物品に付与されたICタグを読み取り、ユニット制御部335に情報を送信する。ユニット制御部335は、第二のリーダー332が物品のタグを読み取った旨の情報を受信した場合に、ロック手段333を施錠し、動かないように固定する。また、第二のリーダー332の読取機能を停止する。さらにユニット制御部335は、物品の受取手続が完了した旨の通知を、ユーザ端末2に送信する。当該通知には、リーダーが読み取った物品IDや、完了日時等の情報を含んでもよい。
<返却フロー>
物品の返却にかかるロック解除要求を受信した場合、ユニット制御部335は、第二のリーダー332を読み取り可能な状態に起動させる。ユーザが物品を通路32に通そうとし、第二のリーダー332の前を通過させると、第二のリーダー332は、物品に付与されたICタグを読み取り、ユニット制御部335に情報を送信する。ユニット制御部335は、第二のリーダー332から物品のタグを読み取った旨の情報を受信した場合に、ロック手段333を解錠する。すなわち、ロック手段333が図3に示す機構である場合に、ロック手段333が回転可能な状態となる。また、第一のリーダー331を読み取り可能な状態に起動し、一方で第二のリーダー332の読取機能を停止する。ユーザが物品をさらに通路32の奥側に押しこむことによってロック手段333が回転し、物品は第一のリーダー331の前を通過する。第一のリーダー331は、物品に付与されたICタグを読み取り、ユニット制御部335に情報を送信する。ユニット制御部335は、第一のリーダー331が物品のタグを読み取った旨の情報を受信した場合に、ロック手段333を施錠し、動かないように固定する。また、第一のリーダー331の読取機能を停止する。さらにユニット制御部335は、物品の返却手続が完了した旨の通知を、ユーザ端末2に送信する。当該通知には、リーダーが読み取った物品IDが含まれることが好ましく、さらに完了日時等の情報を含んでもよい。
ユーザ端末2は、物品管理ユニット33から受け取った完了通知をサーバ1に送信する。サーバ1の完了情報受付部113は、ユーザ端末2から物品の受取/返却手続が完了した旨の情報を受信する。完了情報受付部113は、受け取った情報をもとに、物品収容部情報記憶部122、物品情報記憶部123、及びユーザ情報記憶部121を更新する。すなわち、特定の物品の受取が完了した場合は、物品収容部情報記憶部122において、収容物品に関する情報を更新する。例えば、該当する物品収容部31における当該物品IDを削除し、利用可能在庫数を減じるなどの処理を行う。また、物品情報記憶部123における該当する物品のステータスを変更し、利用履歴情報に追記をするなどの処理を行う。また、ユーザ情報記憶部121における現在の利用状況を更新し、過去の利用履歴情報を追加するなどの処理を行う。
ユーザは、所定の場所で物品を受け取り、物品を利用した後、同じ場所、若しくは違う場所で物品を返却することができる。サーバ1の決済処理部114は、ユーザの利用に応じて所定の利用料の請求を行うことができる。ユーザへの利用料の請求は、あらかじめユーザ情報記憶部121に登録されたユーザのクレジット情報、口座情報等に基づいて請求処理を行うことができるが、利用料の請求方法はこれに限られず、既知の手段のいずれを用いてもよい。また、利用料の額は、ユーザの契約内容に応じて所定のルールに基づいて決定すればよい。利用料を、利用時間に応じて算出する場合は、ユーザが返却手続を完了した旨の通知をサーバ1が受け取ったときに、決済処理部114は当該物品の受取時間と返却時間との間の利用時間を算出し、所定の金額を計算する。
次に、本発明に係るシステムの基本の処理フローを、物品の受取時の例について図10で説明する。
まず、ユーザは物品の受取・返却を希望する物品収容部31の付近でユーザ端末2のアプリケーションを起動し、ログインをする。また、ユーザ端末2のNFCリーダーや二次元コードリーダーにより物品収容部IDを取得し、物品管理ユニット33との近距離無線通信を接続する。
ユーザがユーザ端末2を操作することによって、受取・返却要求送受信部211が物品の受取要求をサーバ1に送信する(S51)。当該受取要求情報には、ユーザ識別情報や物品収容部IDが含まれる。サーバ1の要求許可判定部112は、受け取ったユーザIDがユーザ情報記憶部121に登録された会員ユーザであることを確認し、ユーザ認証を行う(S52)。会員ユーザであることが確認された場合(S53=Yes)、ユーザ端末2へ要求許可情報を送信する(S54)。一方で、会員ユーザでない場合(S53=No)、ユーザ端末2へ会員であることが確認できなかった旨の情報や会員登録を要求する情報を送信し、処理を終了する。また、要求許可判定部112は、必要に応じて在庫数のチェックを行ったり、ユーザのアカウント情報を確認し、物品の受取に関する制限を満たしているかをチェックしてもよい。
ユーザ端末2が要求許可情報を受け取ると、ユーザ端末2のロック解除要求部212は、物品管理ユニット33に対して受取にかかるロック解除要求を送信する(S55)。サーバ1からの要求許可情報を受け取っていない状態では、ロック解除要求部212は動作しない。
物品管理ユニット33では、受取にかかるロック解除要求を受け取った場合、ユニット制御部335が第一のリーダー331を読み取り可能な状態に起動させる(S56)。第一のリーダー331が物品のICタグを読み取ると(S57=Yes)、ユニット制御部335はロック手段333を解錠状態とし、物品が通路32を通過できるように制御する(S58)。さらに物品が移動し、第二のリーダー332が物品のICタグを読み取ると(S59=Yes)、ユニット制御部335はロック手段333を再び施錠状態とする(S60)。第一のリーダー331及び第二のリーダー332が物品のICタグの読取に失敗した場合(S57=No、S59=No)は、物品をリーダーに近づけるようにメッセージを発してもよい。特に、各リーダーを起動させてから所定時間内に読取が行われなかった場合に、読取失敗と判断するようにしてもよい。また、第二のリーダー332が読取に失敗した場合であっても、所定時間経過後にロック手段333を施錠するように制御してもよい。
第二のリーダー332が物品のICタグを読み取り、すなわち物品の受取が完了すると、物品管理ユニット33はユーザ端末2に対して物品の受取が完了した旨の通知を送信する(S61)。ユーザ端末2は、当該完了情報をサーバ1へ送信する(S62)。サーバ1の完了情報受付部113は、受け取った情報をもとに、物品収容部情報記憶部122、物品情報記憶部123、及びユーザ情報記憶部121を更新する(S63)。
以上が、本システムの基本的な構成である。上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
<変形例1>
次に、本発明のシステムの変形例1について説明する。変形例1は、上述した基本のシステムに、さらに物品の予約に関する機能を実装したものである。本変形例において、ユーザ端末2のソフトウェアは、図6に記載のものに加えて、さらに予約要求部を備え、またサーバ1のソフトウェアは予約管理部を備えることができる。
予約要求部は、ユーザ端末2からサーバ1に対して、物品の予約要求情報を送信するものである。ユーザは、予約したい物品の種類、数、物品収容部31の識別情報やエリア、受取希望日時等の情報を入力または選択し、サーバ1に送信する。サーバ1の予約管理部は、受け取った情報をもとに物品収容部情報記憶部122を検索し、予約可能な物品があるかどうかを返信してもよい。例えば、予約要求情報において特定の物品収容部31やエリアが指定されている場合は、該当する物品収容部情報における利用可能在庫数を確認し、希望の種類の物品の在庫数が希望数以上であれば予約可能と判断する。また、複数の物品収容部31において利用可能な物品が収容されている場合は、予約可能な物品収容部31の情報をユーザ端末2に提示してもよい。また、ユーザ端末2から特に物品収容部31を特定する情報が入力されていない場合は、予約可能な物品収容部31の情報を全て提示してもよいし、ユーザ端末2の位置情報をもとに、同じエリアにある、若しくは距離の近い物品収容部31の情報を優先して提示するなどしてもよい。複数の物品収容部31が利用可能である場合、ユーザはさらにその中から予約を希望する物品収容部31を選択し、サーバ1に送信する。また、予約は特定の物品を指定して行われてもよい。
ユーザにより予約する物品収容部31及び/または物品が決定された場合、サーバ1の予約管理部は、物品収容部情報記憶部122、物品情報記憶部123、及びユーザ情報記憶部121の情報を更新する。すなわち、物品収容部情報において、利用可能在庫数を減じるとともに、予約数を増やすなどの処理を行うことができる。また、収容物品に関する情報において、予約を受けた物品に対して予約フラグをたて、ユーザIDの情報を入力しておくことができる。また、物品情報記憶部123において、ステータスを「予約中」に変更し、ユーザIDの情報を入力するなどの処理を行うことができる。また、ユーザ情報記憶部121において、現在の利用状況を「予約中」として追加する。さらに、ユーザ端末2におけるアカウント情報記憶部221も同様に更新することができる。
変形例1の処理フローを図11で説明する。まずユーザはアプリケーションを介して、予約要求をサーバ1に送信する(S71)。サーバ1は、必要に応じてユーザ認証を行い(S72)、ユーザが登録された会員であることが確認された場合に(S73=Yes)、ユーザ端末2へ予約が可能な物品収容部31や物品の情報を提示する(S74)。予約が可能な物品収容部31や物品が複数提示された場合、ユーザはその中から希望する物品収容部31や物品をさらに選択する(S75)。サーバ1の予約管理部は予約を受け付け、物品収容部情報記憶部122、物品情報記憶部123、及びユーザ情報記憶部121を更新する(S76)。
また、予約を行ったユーザが実際に物品を受け取る場合は、ユーザは予約した物品収容部31の前で当該物品管理ユニット33との通信を接続し、サーバ1に受取要求を送信する。サーバ1は、ユーザ認証を行い、さらにユーザが受取予約を行っているかを確認する。ユーザ情報記憶部121を参照し、ユーザが当該物品収容部31における物品について予約を行っている場合は、今回の物品の受け取りは予約に係る受取であると判断する。または、ユーザがユーザ端末2を介して予約情報を選択したうえで受取要求を送信することによって、サーバ1側が予約に係る受取要求であることを認識してもよい。予約管理部は、物品の受取が完了した場合に、予約に関する情報を更新する。すなわち、ユーザ情報記憶部121において現在の利用状況を「予約中」から「利用中」に変更し、物品収容部情報における予約数を減じるとともに収容物品の予約フラグを削除するなどの処理を行うことができる。また、物品情報記憶部123におけるステータスを変更し、利用履歴情報を更新することができる。
一方で、予約をせずに受取要求をしたユーザの場合、要求許可判定部112は、対象の物品収容部31の利用可能在庫数が受取希望数より多いことを確認し、要求を許可する。すなわち、物品収容部31に物品が収容されている場合であっても、それらが予約済みである場合は予約していないユーザに対して物品の受取を許可しないようにする。
本変形例によれば、ユーザは事前に予約ができるので、現地に着いてから在庫不足のために利用できない、という事態を防ぐことができる。
<変形例2>
次に、本発明のシステムの変形例2について説明する。変形例2は、上述した基本のシステムに、さらに物品の紛失・拾得に関する機能を実装したものである。本変形例において、サーバ1のソフトウェアは紛失管理部、及び拾得情報受付部を備えることができる。
本変形例は、物品を利用しているユーザが物品をどこかで紛失した場合の機能を備えている。まず、ユーザは、物品を紛失してしまったと気が付いた場合に、サーバ1に対して物品を紛失した旨の紛失情報を送信する。サーバ1の紛失管理部は、紛失情報を受け取ると、物品情報記憶部123における紛失された物品の情報を更新する。すなわち、当該物品について、ステータスを「紛失中」等に変更するなどの処理を行うことができる。また、ユーザ情報記憶部121における現在の利用状況についても、該当する物品IDの利用状況を「紛失中」に変更するなどの処理を行うことができる。
紛失管理部は、利用規約や契約内容に応じて、ユーザが物品を紛失したことに対してペナルティを課す処理を行うこともできる。すなわち、補償料の請求処理を実行したり、ユーザの利用を制限することなどができる。ユーザの利用を制限する場合は、制限中に当該ユーザから受取要求情報を受け取っても、受取許可をしないこととすることができる。例えば、所定期間における紛失回数が所定回数を上回る場合は悪質とみなしてユーザの利用を停止することが考えられる。その場合は、ユーザ情報記憶部121において、過去の紛失情報を記録しておき、所定期間における紛失回数を計算し、条件を満たすかどうかを確認する。
また、第三者が物品を拾得した場合について説明する。物品を拾得した拾得者は、拾得した物品の識別情報をサーバ1に送信する。また、拾得した物品の現在の保管場所についての情報を含むことができる。拾得者が本システムの会員である場合は、拾得者の端末からアプリケーションを介してサーバ1にこれらの情報を送信することができ、本システムの会員ではない場合は、本システムの管理ウェブサイト等にアクセスすることによって情報を送信することができる。また、物品には、拾得者が見てわかるように物品IDを記載したラベル等を付しておき、拾得者が物品IDを入力することとしてもよいし、物品IDが埋め込まれた二次元コード等のコードのラベル等を付しておき、拾得者の端末でコードを読み取ることによって物品IDを入力できるようにしてもよい。
サーバ1の拾得情報受付部は、拾得者からの情報を受け取ると、当該情報を紛失管理部に伝え、紛失管理部は、物品情報記憶部123における拾得された物品の情報を更新する。すなわち、当該物品について、ステータスを「拾得済」等に変更するなどの処理を行うことができる。また、紛失管理部は、拾得された物品のユーザIDを特定し、当該ユーザ端末2に対して、物品が拾得された旨の情報を送信する。当該情報には、拾得された物品の現在の保管場所について含むことができる。拾得情報を受け取ったユーザは、保管場所に出向いて物品を回収してもよいし、回収が困難な場合は管理者側に回収を依頼することができる。いずれにしても、ユーザはユーザ端末2を介して、物品を回収した旨の情報、または管理者に回収を依頼する旨の情報を送信することができる。ユーザが物品を回収した場合や、管理者が物品を回収した場合は、補償料の請求を取消したり、払い戻したりする処理を行ってもよい。
当該変形例によれば、ユーザがむやみに物品を紛失しないように管理することができる。また、第三者が物品を拾得した場合に、スムーズに物品を回収することが可能となる。
<変形例3>
次に、本発明のシステムの変形例3について説明する。変形例3は、上述した基本のシステムに、さらにタイムスタンプを用いた不正利用防止機能を実装したものである。本変形例において、物品管理ユニット33はユニット記憶部336においてタイムスタンプ記憶部を備え、またサーバ1のソフトウェアはタイムスタンプ生成部を備えることができる。
本変形例においては、ユーザがサーバ1に対して受取・返却要求を送信し、サーバ1が要求を許可する場合に、サーバ1はタイムスタンプ生成部によりタイムスタンプを生成する。タイムスタンプの生成は既知の方法により行うことができる。具体的には、要求を許可する旨の情報に時刻情報を付加してタイムスタンプとすることができる。生成されたタイムスタンプはユーザ端末2に送信される。
ユーザは、物品管理ユニット33に対してロック解除要求と一緒にタイムスタンプを送信する。必要に応じて、ロック解除要求情報およびタイムスタンプを所定の関数などを用いて暗号化してから送信してもよい。
ここで、物品管理ユニット33は、タイムスタンプ記憶部を備える。タイムスタンプ記憶部は、過去にユーザから受け付けたタイムスタンプ情報を保管する。ユーザからロック解除要求とともにタイムスタンプ情報が送信された場合、ユニット制御部335は、受け取ったタイムスタンプ情報をタイムスタンプ記憶部に記憶されているタイムスタンプと比較する。ロック解除要求やタイムスタンプ情報が暗号化されている場合は複合化を行う。そして、受け取ったタイムスタンプが、記憶されているタイムスタンプよりも新しい場合に、当該ロック解除要求が正当なものであると判断し、受け取ったタイムスタンプをタイムスタンプ記憶部に記憶するとともに、物品の受取/返却のための処理を続行する。一方で、受け取ったタイムスタンプが、タイムスタンプ記憶部に記憶されているタイムスタンプと同一、若しくは記憶されているタイムスタンプよりも過去の時刻情報を有する場合、受け取ったタイムスタンプは不正と判断し、物品の受取/返却の処理を拒否する。すなわち、仮に正当なユーザによるロック解除要求を傍受した不正なユーザが、傍受により不正に入手したタイムスタンプを使って物品管理ユニット33にロック解除要求を送っても、物品管理ユニット33は、タイムスタンプの時刻情報から、不正であると検知することが可能である。
なお、ユーザ端末2は物品管理ユニット33と1:1でしかペアリングされないので、正当なユーザがロック解除要求とタイムスタンプを物品管理ユニット33に送信してから、物品管理ユニット33がタイムスタンプ記憶部を更新する前に情報が傍受されても、傍受した不正のユーザは物品管理ユニット33と通信することはできない。
本変形例によれば、タイムスタンプを用いて不正ユーザによる利用を防止することができる。
<変形例4>
次に、本発明のシステムの変形例4について説明する。変形例4は、上述した基本のシステムに、さらに自動ロック施錠機構を実装したものである。本変形例において、物品管理ユニット33はさらにスイッチ337を備えることができる。
図12は、本変形例における物品管理装置3の模式図である。物品管理ユニット33には、さらにスイッチ337が2つ備えられる。スイッチ337は、ロック手段333が回転したことを検知することができるものである。例えば、ロック手段333が回転したときに左右の凸部によって押圧されることによって信号を発することができる物理的なスイッチ構造であってもよいし、ロック手段333の回転を検知できる所定のセンサ等であってもよい。物理的なスイッチ構造としては既存のスイッチ機構を採用することができる。一例として、図12(b)のように、バネなどの弾性部材により付勢された可動性の羽部を備え、ロック手段333が回転したときに左右の凸部の側面が当該羽部を押し込むような位置に配置される。
スイッチ337は、ロック手段333が回転したことを検知して、ロック手段333を施錠状態に切り替える。スイッチ337が回転を検知した場合に直接ロック手段333が施錠状態になるように設計してもよいし、スイッチ337が検知した旨をユニット制御部335に伝え、ユニット制御部がロック手段333を施錠状態に制御してもよい。このように、物品の通過に伴ってロック手段333が回転すると、スイッチ337によってロック手段333が自動で施錠されるので、たとえ2つ目のリーダー(受取の場合は第二のリーダー332、返却の場合は第一のリーダー331)による物品の読取が失敗した場合にも、ロック手段333は自動で施錠される。したがって、2つ目のリーダーが不調の場合であっても物品が勝手に取り出される心配がない。
1 サーバ
2 ユーザ端末
3 物品管理装置
31 物品収容部
32 通路
33 物品管理ユニット
331 第一のリーダー
332 第二のリーダー
333 ロック手段
334 ユニット通信手段
335 ユニット制御部

Claims (9)

  1. 物品を収容する物品管理装置の取出口に設けられる物品管理ユニットであって、
    物品に付与されたタグを読み取る第一のリーダー及び第二のリーダーと、
    前記第一のリーダーと前記第二のリーダーの間に設けられ、前記物品の通過が可能な解錠状態と施錠状態とを切替可能なロック手段と、
    前記第一のリーダー、前記第二のリーダー、及び前記ロック手段を制御可能なユニット制御部とを備え、
    前記ユニット制御部は、ユーザ端末からのロック解除要求に基づいて、前記第一のリーダー及び前記第二のリーダーのいずれか一方を読取可能な状態に起動させ、
    前記一方のリーダーが前記タグを読み取った場合に、前記ロック手段を解錠状態へ切り替えるように制御することを特徴とする、物品管理ユニット。
  2. 前記第一のリーダーは、前記ロック手段よりも前記物品管理装置の内側に設けられ、
    前記ユニット制御部は、前記ユーザ端末から前記物品の受取のためのロック解除要求を受付けた場合に、前記第一のリーダーを読取可能な状態に起動させることを特徴とする、請求項1に記載の物品管理ユニット。
  3. 前記ユニット制御部は、前記第一のリーダーが前記タグを読み取った場合に、前記第一のリーダーの読取機能を停止させるとともに、前記第二のリーダーを読取可能な状態に起動させることを特徴とする、請求項2に記載の物品管理ユニット。
  4. 前記ユニット制御部は、さらに前記第二のリーダーが前記タグを読み取った場合に、前記ロック手段を施錠状態へ切り替えるように制御することを特徴とする、請求項3に記載の物品管理ユニット。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の物品管理ユニットと、前記ユーザ端末と、サーバとを含む物品管理システムであって、
    前記ユーザ端末は、前記サーバに対して前記物品の受取要求を送信する受取要求送信部を備え、前記サーバから要求許可情報を受付けた場合に、前記物品管理ユニットに対して前記ロック解除要求を送信することを特徴とする、物品管理システム。
  6. 前記サーバは、前記受取要求を許可するかどうかを判定する要求許可判定部を備え、
    前記要求許可判定部は、前記物品管理装置の利用可能在庫数が前記受取要求にかかる数以上である場合に、前記受取要求を許可する、請求項5に記載の物品管理システム。
  7. 前記サーバは、前記受取要求を許可するかどうかを判定する要求許可判定部を備え、
    前記要求許可判定部は、前記受取要求が前記ユーザの利用制限情報に合致している場合に、前記受取要求を許可する、請求項5又は6に記載の物品管理システム。
  8. 前記サーバは、前記ユーザ端末から前記物品の受取予約を受け付ける予約管理部を備え、
    前記予約管理部は、前記受取予約を受け付けた場合に、前記物品管理装置の利用可能在庫数を前記受取予約の数だけ減らす処理を行う、請求項5〜7のいずれか1項に記載の物品管理システム。
  9. 前記サーバは、前記要求許可情報とともに時刻情報を前記ユーザ端末に送付し、
    前記ユーザ端末は、前記ロック解除要求とともに前記時刻情報を前記物品管理ユニットに送信し、
    前記ユニット制御部は、前記受信した時刻情報が、過去に受信した前記時刻情報よりも新しい場合に、前記第一のリーダー若しくは第二のリーダーを読取可能な状態に起動することを特徴とする、請求項5〜8のいずれか1項に記載の物品管理システム。
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