JP6902749B2 - 波長可変レーザ装置および波長可変レーザの制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、波長可変レーザ装置および波長可変レーザの制御方法に関するものである。
レーザ出力光を外部で反射させ、その戻り光をレーザに再入射させることでレーザ出力の周波数雑音を抑制する技術が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。レーザ光出力を透過特性に波長依存性のあるフィルタを透過してモニタし、その出力をSG−DBRレーザの位相調整電流に負帰還することでレーザの線幅を低減する技術が開示されている(例えば、非特許文献2参照)。DFBレーザの出力光の偏波を回転させてDFBレーザに再入射させる技術が開示されている(例えば、非特許文献3参照)。
"Optical Negative Feedback for Linewidth Reduction of Semiconductor Lasers", IEEE Photon. Technol. Lett., Vol.27, pp340-343, 2015 "Integrated Linewidth Reduction of a Tunable SG-DBR Laser", CLEO2013,CTu1L.2 "FM Noise and Spectral Linewidth Reduction by Incoherent Optical Negative Feedback", IEEE JOURNAL OF QUANTUM ELECTRONICS, VOL. 27, NO. 2, FEBRUARY 1991
非特許文献1の技術では、良好な特性を得るためには、負帰還の光路長を厳密に制御する必要がある。非特許文献2の技術では、広帯域にわたって周波数雑音を低減することが困難である。非特許文献3の技術では、波長可変レーザにおいて負帰還する際に、周波数雑音を低減できない場合がある。
そこで、簡易な構成で波長可変レーザの周波数雑音を低減することができる、波長可変レーザ装置および波長可変レーザの制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係る波長可変レーザ装置は、波長可変レーザと、前記波長可変レーザの発振条件を固定する制御を行う制御部と、前記波長可変レーザから出射されるレーザ光の一部を抽出する抽出部と、前記抽出部によって抽出された前記レーザ光の偏波を90度±5度の範囲で回転させて前記波長可変レーザに入射する偏波回転部と、前記波長可変レーザから出射されるレーザ光の周波数雑音が低減されるように、前記波長可変レーザに入射される前記レーザ光のパワーを調整する調整部と、を備える。
上記発明によれば、簡易な構成で波長可変レーザの周波数雑音を低減することができる。
は実施例1に係る波長可変レーザ装置の全体構成を示すブロック図である。 波長可変レーザの全体構成を示す模式的断面図である。 実施例2に係る波長可変レーザ装置の全体構成を表すブロック図である。 実施例3に係る波長可変レーザ装置の全体構成を表すブロック図である。 実施例4に係る波長可変レーザ装置の全体構成を表すブロック図である。 実施例5に係る波長可変レーザ装置の全体構成を表すブロック図である。 実施例6に係る波長可変レーザ装置の全体構成を表すブロック図である。 実施例7に係る波長可変レーザ装置の全体構成を表すブロック図である。 実施例8に係る波長可変レーザ装置の全体構成を表すブロック図である。 実施例9に係る波長可変レーザ装置の全体構成を表すブロック図である。 Si導波路デバイスのリング共振器の透過特性例を例示する図である。 実施例9に係る波長可変レーザ装置の他の例を表すブロック図である。 実施例10に係る波長可変レーザ装置の全体構成を表すブロック図である。 実施例11に係る波長可変レーザ装置の全体構成を表すブロック図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)波長可変レーザ装置は、波長可変レーザと、前記波長可変レーザの発振条件を固定する制御を行う制御部と、前記波長可変レーザから出射されるレーザ光の一部を抽出する抽出部と、前記抽出部によって抽出された前記レーザ光の偏波を90度±5度の範囲で回転させて前記波長可変レーザに入射する偏波回転部と、前記波長可変レーザから出射されるレーザ光の周波数雑音が低減されるように、前記波長可変レーザに入射される前記レーザ光のパワーを調整する調整部と、を備える。
(2)前記抽出部は、前記波長可変レーザから出射される出力光の一部を反射するミラーであり、前記偏波回転部は、前記波長可変レーザと前記ミラーとの間に配置された1/4波長板としてもよい。
(3)前記調整部は、前記波長可変レーザにモノリシックに集積された光増幅器または減衰器としてもよい。
(4)前記波長可変レーザは、水平共振器であり、前記波長可変レーザの両出射端面はAR膜で覆われていてもよい。
(5)前記抽出部から前記波長可変レーザに至る光路に、光損失に周波数依存性を有する損失部を備えていてもよい。
(6)前記損失部によって光損失した光の強度を検出する検出部を備え、前記調整部は、前記検出部の検出結果に応じて前記パワーを調整してもよい。
(7)前記検出部の検出結果を用いて、前記波長可変レーザの出力波長を調整する波長調整部を備えていてもよい。
(8)前記損失部は、エタロンとしてもよい。
(9)前記損失部の光損失を調整する損失調整部を備えていてもよい。
(10)前記調整部は、リング共振器としてもよい。
(11)前記リング共振器の温度を制御する温度制御部を備えていてもよい。
(12)前記偏波回転部は、45°偏光子を2つのλ/4波長板で挟んだ構成を有していてもよい。
(13)波長可変レーザの制御方法は、波長可変レーザの発振条件を固定する制御を行い、前記波長可変レーザから出射されるレーザ光の一部を抽出し、抽出された前記レーザ光の偏波を90度±5度の範囲で回転させて前記波長可変レーザに入射し、前記波長可変レーザから出射されるレーザ光の周波数雑音が低減されるように、前記波長可変レーザに入射される前記レーザ光のパワーを調整する。
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る波長可変レーザ装置および波長可変レーザの制御方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は、実施例1に係る波長可変レーザ装置100の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、波長可変レーザ装置100は、レーザデバイスとして、波長を制御可能な半導体レーザである波長可変レーザ30(波長可変半導体レーザ)を備えている。本実施例の波長可変レーザ30は、レーザ領域(共振器)にSOA(Semiconductor Optical Amplifier)がモノリシックに集積化された構造を有している。このSOAは、光出力制御部として機能する。SOAは、光出力の強度を任意に増減させることができる。また光出力の強度を実質的にゼロに制御することもできる。また、波長可変レーザ30は、パッケージ内に収容されていてもよい。
さらに、波長可変レーザ装置100は、スプリッタ31,32、受光素子33、コントローラ34、減衰器(VOA:Variable Optical Attenuator)35、スプリッタ36、受光素子37、コントローラ38、ミラー39、半波長板(HWP:Half-wave Plate)40、電流供給部41などを備える。
図2は、本実施例における波長可変レーザ30の全体構成を示す模式的断面図である。図2に示すように、波長可変レーザ30は、SG−DFB(Sampled Grating Distributed Feedback)領域Aと、CSG−DBR(Chirped Sampled Grating Distributed Bragg Reflector)領域Bと、SOA(Semiconductor Optical Amplifier)領域Cとを備える。すなわち、波長可変レーザ30は、半導体構造内に波長選択ミラーを有するレーザである。
一例として、波長可変レーザ30において、フロント側からリア側にかけて、SOA領域C、SG−DFB領域A、CSG−DBR領域Bがこの順に配置されている。SG−DFB領域Aは、利得を有しサンプルドグレーティングを備える。CSG−DBR領域Bは、利得を有さずにサンプルドグレーティングを備える。SG−DFB領域AおよびCSG−DBR領域Bが図1のレーザ領域に相当し、SOA領域Cが図1のSOA領域に相当する。
SG−DFB領域Aは、基板1上に、下クラッド層2、活性層3、上クラッド層6、コンタクト層7、および電極8が積層された構造を有する。CSG−DBR領域Bは、基板1上に、下クラッド層2、光導波層4、上クラッド層6、絶縁膜9、および複数のヒータ10が積層された構造を有する。各ヒータ10には、電源電極11およびグランド電極12が設けられている。SOA領域Cは、基板1上に、下クラッド層2、光増幅層19、上クラッド層6、コンタクト層20、および電極21が積層された構造を有する。
SG−DFB領域A、CSG−DBR領域BおよびSOA領域Cにおいて、基板1、下クラッド層2、および上クラッド層6は、一体的に形成されている。活性層3、光導波層4、および光増幅層19は、同一面上に形成されている。SG−DFB領域AとCSG−DBR領域Bとの境界は、活性層3と光導波層4との境界と対応している。
SOA領域C側における基板1、下クラッド層2、光増幅層19および上クラッド層6の端面には、端面膜16が形成されている。本実施例では、端面膜16は無反射(AR:Anti Reflection)膜である。端面膜16は、波長可変レーザ30のフロント側端面として機能する。CSG−DBR領域B側における基板1、下クラッド層2、光導波層4、および上クラッド層6の端面には、端面膜17が形成されている。本実施例では、端面膜17はAR膜である。端面膜17は、波長可変レーザ30のリア側端面として機能する。
基板1は、例えば、n型InPからなる結晶基板である。下クラッド層2はn型、上クラッド層6はp型であり、それぞれ例えばInPによって構成される。下クラッド層2および上クラッド層6は、活性層3、光導波層4、および光増幅層19を上下で光閉込めしている。
活性層3は、利得を有する半導体により構成されている。活性層3は、例えば量子井戸構造を有しており、例えばGa0.32In0.68As0.920.08(厚さ5nm)からなる井戸層と、Ga0.22In0.78As0.470.53(厚さ10nm)からなる障壁層が交互に積層された構造を有する。光導波層4は、例えばバルク半導体層で構成することができ、例えばGa0.22In0.78As0.470.53によって構成することができる。本実施例においては、光導波層4は、活性層3よりも大きいエネルギギャップを有する。
光増幅層19は、電極21からの電流注入によって利得が与えられ、それによって光増幅をなす領域である。光増幅層19は、例えば量子井戸構造で構成することができ、例えばGa0.35In0.65As0.990.01(厚さ5nm)の井戸層とGa0.15In0.85As0.320.68(厚さ10nm)の障壁層が交互に積層された構造とすることができる。また、他の構造として、例えばGa0.44In0.56As0.950.05からなるバルク半導体を採用することもできる。なお、光増幅層19と活性層3とを同じ材料で構成することもできる。
コンタクト層7,20は、例えばp型Ga0.47In0.53As結晶によって構成することができる。絶縁膜9は、窒化シリコン膜(SiN)または酸化シリコン膜(SiO)からなる保護膜である。ヒータ10は、チタンタングステン(TiW)で構成された薄膜抵抗体である。ヒータ10のそれぞれは、CSG−DBR領域Bの複数のセグメントにまたがって形成されていてもよい。
電極8,21、電源電極11およびグランド電極12は、金(Au)等の導電性材料からなる。基板1の下部には、裏面電極15が形成されている。裏面電極15は、SG−DFB領域A、CSG−DBR領域BおよびSOA領域Cにまたがって形成されている。
端面膜16および端面膜17は、1.0%以下の反射率を有するAR膜であり、実質的にその端面が無反射となる特性を有する。AR膜は、例えばMgFおよびTiONからなる誘電体膜で構成することができる。なお、本実施例ではレーザの両端がAR膜であったが、端面膜17を有意の反射率を持つ反射膜で構成する場合もある。図2における端面膜17に接する半導体に光吸収層を備えた構造を設けた場合、端面膜17に有意の反射率を持たせることで、端面膜17から外部に漏洩する光出力を抑制することができる。有意の反射率としては、たとえば10%以上の反射率である。なお、ここで反射率とは、半導体レーザ内部に対する反射率を指す。
回折格子(コルゲーション)18は、SG−DFB領域AおよびCSG−DBR領域Bの下クラッド層2に所定の間隔を空けて複数箇所に形成されている。それにより、SG−DFB領域AおよびCSG−DBR領域Bにサンプルドグレーティングが形成される。SG−DFB領域AおよびCSG−DBR領域Bにおいて、下クラッド層2に複数のセグメントが設けられている。ここでセグメントとは、回折格子18が設けられている回折格子部と回折格子18が設けられていないスペース部とが1つずつ連続する領域のことをいう。すなわち、セグメントとは、両端が回折格子部によって挟まれたスペース部と回折格子部とが連結された領域のことをいう。回折格子18は、下クラッド層2とは異なる屈折率の材料で構成されている。下クラッド層2がInPの場合、回折格子を構成する材料として、例えばGa0.22In0.78As0.470.53を用いることができる。
回折格子18は、2光束干渉露光法を使用したパターニングにより形成することができる。回折格子18の間に位置するスペース部は、回折格子18のパターンをレジストに露光した後、スペース部に相当する位置に再度露光を施すことで実現できる。SG−DFB領域Aにおける回折格子18のピッチと、CSG−DBR領域Bにおける回折格子18のピッチとは、同一でもよく、異なっていてもよい。本実施例においては、一例として、両ピッチは同一に設定してある。また、各セグメントにおいて、回折格子18は同じ長さを有していてもよく、異なる長さを有していてもよい。また、SG−DFB領域Aの各回折格子18が同じ長さを有し、CSG−DBR領域Bの各回折格子18が同じ長さを有し、SG−DFB領域AとCSG−DBR領域Bとで回折格子18の長さが異なっていてもよい。
SG−DFB領域Aにおいては、各セグメントの光学長が実質的に同一となっている。CSG−DBR領域Bにおいては、少なくとも2つのセグメントの光学長が、互いに異なって形成されている。それにより、CSG−DBR領域Bの波長特性のピーク同士の強度は、波長依存性を有するようになる。SG−DFB領域Aのセグメントの平均光学長とCSG−DBR領域Bのセグメントの平均光学長は異なっている。このように、SG−DFB領域A内のセグメントおよびCSG−DBR領域Bのセグメントが波長可変レーザ30内においてレーザ領域(共振器)を構成する。
SG−DFB領域AおよびCSG−DBR領域Bそれぞれの内部においては、反射した光が互いに干渉する。SG−DFB領域Aには活性層3が設けられており、キャリア注入されると、ピーク強度がほぼ揃った、所定の波長間隔を有する離散的な利得スペクトルが生成される。また、CSG−DBR領域Bにおいては、ピーク強度が異なる、所定の波長間隔を有する離散的な反射スペクトルが生成される。SG−DFB領域AおよびCSG−DBR領域Bにおける波長特性のピーク波長の間隔は異なっている。これら波長特性の組み合わせによって生じるバーニア効果を利用して、発振条件を満たす波長を選択することができる。
電流供給部41は、電極8および各電源電極11に、指定された発振波長に応じた電流を供給する。それにより、波長可変レーザ30は、指定された波長でレーザ発振する。電流供給部41は、波長可変レーザ30が指定された波長でレーザ発振されていれば、供給電流を一定に制御する。それにより、波長可変レーザ30のレーザ領域(共振器)の発振条件が固定される。
再度、図1を参照し、スプリッタ31は、波長可変レーザ30のフロント側から出射される垂直光を分岐する。垂直光は、活性層3、光導波層4および光増幅層19に平行な偏光方向を有し、波長可変レーザ30の半導体層の積層方向に対して垂直な偏光方向を有する。分岐された一方の垂直光の一部は、スプリッタ32を透過して受光素子33によって受光される。受光素子33は、受光パワーに応じて電気信号をコントローラ34に送信する。スプリッタ31の分岐率およびスプリッタ32の反射率(透過率)は、一定である。それにより、コントローラ34は、波長可変レーザ30から出力される垂直光のパワーを検出することができる。コントローラ34は、垂直光のパワーが所望値になるように、SOA領域Cの増幅率を調整する。すなわち、コントローラ34は、APC(Automatic Power Control)制御を行う。
スプリッタ32によって反射された垂直光は、減衰器35に入射する。減衰器35は、入射した垂直光のパワーを減衰し、スプリッタ36に入射する。スプリッタ36に入射した垂直光の一部は、スプリッタ36を透過して受光素子37によって受光される。受光素子37は、受光パワーに応じて電気信号をコントローラ38に送信する。スプリッタ36の反射率(透過率)は、一定である。それにより、コントローラ38は、減衰器35から出力される垂直光のパワーを検出することができる。コントローラ38は、減衰器35から出力される垂直光のパワーが所望値になるように、減衰器35の減衰率を調整する。スプリッタ36によって反射した垂直光は、ミラー39によって反射され、半波長板40に入射する。半波長板40は、垂直光の偏波を90度回転させることで水平光に変換し、波長可変レーザ30のリア側から再入射させる。
本実施例においては、スプリッタ31、スプリッタ32、減衰器35、スプリッタ36、受光素子37、コントローラ38、ミラー39および半波長板40によって、偏波回転光負帰還(PROF:Polarization Rotated Optical Feedback)ループが形成される。
波長可変レーザ30の光出力における周波数揺らぎΔvの支配要因は、レーザ領域(共振器)内のキャリア密度揺らぎΔNである。周波数揺らぎΔvとキャリア密度揺らぎΔNとの関係は、例えば下記式(1)で与えられる。下記式(1)において、αはアルファパラメータ、Γは光閉じ込め係数、vは光の群速度、aは微分利得である。
Δv=(α/4π)・ΓvaΔN (1)
上記式(1)によれば、周波数揺らぎΔvを抑制するためには、キャリア密度揺らぎΔNを抑制する、あるいは周波数揺らぎΔvに応じて、その揺らぎが小さくなる方向にキャリア密度を調整することが重要である。ここで、波長可変レーザ30から出射される垂直光の偏波を90度回転させて水平光とし、当該水平光をレーザ領域(共振器)に戻すことによって、キャリア密度に関するレート方程式により戻り光の強さに応じてキャリア密度を増大または減少させることができる。これは、(キャリア密度増→フォトン密度増→光出力増→戻り光増→フォトン密度増→キャリア密度減)という負帰還制御が働くことによる。
水平光の戻り光はレーザ発振の垂直光とは干渉しないため、フォトン密度および光位相に関するレート方程式には影響を与えない。そのため、垂直光を戻り光とする場合と比較して、安定したレーザ発振が得られる。なお、レーザ領域が水平共振器を備える端面出射型レーザの場合、垂直光の閾値利得と水平光の閾値利得との間には大きな差があるため、水平光でのレーザ発振が抑制される。
本実施例においては、コントローラ38は、波長可変レーザ30のフロントから出射される垂直光の周波数雑音が小さくなるように、好ましくは最小となるように、帰還される水平光のパワーを一定に制御する。すなわち、コントローラ38は、帰還される水平光のパワーに対して、APC(Automatic Power Control)制御を行う。それにより、安定したレーザ発振を得つつ、発振するレーザ光の周波数揺らぎを抑制することができる。なお、帰還すべき水平光のパワーは、事前に測定しておくことができる。また、波長可変レーザでは発振条件が変更され得る。しかしながら、本実施例のように電流供給部41によって波長可変レーザ30の発振条件を固定する制御が行われるため、水平光を帰還することで安定したレーザ発振を得ることができる。
なお、波長可変レーザ30は波長可変レーザであるため、周波数雑音レベルは波長によって異なる場合がある。そこで、帰還パワーは、波長毎に最適に設定されることが好ましい。テーブルに、出力波長と関連付けて帰還パワーが格納されていてもよい。
波長可変レーザ30の両端面には、無反射(Anti-reflection)膜が形成されているため、波長可変レーザ30とPROFループとの間で発生するレーザ領域以外の共振が抑制される。
本実施例によれば、波長可変レーザの外部に簡単な光帰還回路と電気回路を設けることで、広帯域にわたって安定して低周波数雑音特性を得ることができる。安定動作を得るためには戻り光レベルを適正に保つだけでよく、その制御には高周波で動作しなければならないような特殊な電気回路や、負帰還ループの遅延量を調整するような位相制御機能は不要である。また、戻り光はレーザ発振光とは偏波が直交しているため光の干渉が無く、かつそのレベルがレーザ発振光と比較して非常に小さく、光出力レベルやSMSR等の特性に影響を与えない。本実施例に係る波長可変レーザ装置は小型化も容易であり、64QAM等の多値変調を用いたデジタルコヒーレント通信用光源として最適である。
なお、本実施例においては、波長可変レーザ30から出射される垂直光の偏波を90度回転させて水平光を得ているが、それに限られない。例えば、垂直光を90度±5度の範囲で変換しても、周波数雑音低減の効果が得られる。
本実施例においては、電流供給部41が、レーザ領域(共振器)の発振条件を固定する制御を行う制御部の一例として機能する。スプリッタ31が、波長可変レーザから出射されるレーザ光の一部を抽出する抽出部の一例として機能する。半波長板40が、抽出部によって抽出されたレーザ光の偏波を90度±5度の範囲で回転させてレーザ領域に入射する偏波回転部の一例として機能する。減衰器35およびコントローラ38が、波長可変レーザから出射されるレーザ光の周波数雑音が低減されるように、レーザ領域に入射されるレーザ光のパワーを調整する調整部の一例として機能する。
図3は、実施例2に係る波長可変レーザ装置100Aの全体構成を表すブロック図である。図3に示すように、波長可変レーザ装置100Aは、図1の波長可変レーザ装置100と比較して、スプリッタ32が備わっておらず、分波・合波器42およびミラー43を備えている。なお、実施例1と同様の構成については、同符号を付すことで説明を省略する。
本実施例においては、スプリッタ31によって分岐された一方の垂直光は、受光素子33によって受光される。受光素子33は、受光パワーに応じて電気信号をコントローラ34に送信する。スプリッタ31の分岐率は、一定である。それにより、コントローラ34は、波長可変レーザ30から出力される垂直光の光パワーを検出することができる。コントローラ34は、垂直光の光パワーが所望値になるように、SOA領域Cの増幅率を調整する。
波長可変レーザ30のリア側(CSG−DBR領域B側)から出射された垂直光は、分波・合波器42によってミラー43に対して反射される。分波・合波器42は、分波器として機能するときはPBS(Polarization Beam Splitter)として機能し、合波器として機能するときはPBC(polarization Beam Combiner)として機能する。
ミラー43によって反射された垂直光は、減衰器35に入射する。減衰器35は、入射した垂直光のパワーを減衰し、スプリッタ36に入射する。スプリッタ36に入射した垂直光の一部は、スプリッタ36を透過して受光素子37によって受光される。受光素子37は、受光パワーに応じて電気信号をコントローラ38に送信する。スプリッタ36に入射する光の反射率(透過率)は、一定である。それにより、コントローラ38は、減衰器35から出射される垂直光のパワーを検出することができる。コントローラ38は、減衰器35から出射される垂直光のパワーが所望値になるように、減衰器35の減衰率を調整する。スプリッタ36によって反射した垂直光は、ミラー39によって反射され、半波長板40に入射する。半波長板40は、垂直光を水平光に変換し、分波・合波器42を介して波長可変レーザ30のリア側から再入射させる。
本実施例によれば、波長可変レーザ30のリア側から出射された垂直光が水平光に変換されて波長可変レーザ30に再入射される。このように、波長可変レーザ30のリア側においてPROFループを形成してもよい。
本実施例においては、電流供給部41が、レーザ領域(共振器)の発振条件を固定する制御を行う制御部の一例として機能する。分波・合波器42が、波長可変レーザから出射されるレーザ光の一部を抽出する抽出部の一例として機能する。半波長板40が、抽出部によって抽出されたレーザ光の偏波を90度±5度の範囲で回転させてレーザ領域に入射する偏波回転部の一例として機能する。減衰器35およびコントローラ38が、波長可変レーザから出射されるレーザ光の周波数雑音が低減されるように、レーザ領域に入射されるレーザ光のパワーを調整する調整部の一例として機能する。
図4は、実施例3に係る波長可変レーザ装置100Bの全体構成を表すブロック図である。図4に示すように、波長可変レーザ装置100Bは、図3の波長可変レーザ装置100Aと比較して、スプリッタ32、スプリッタ36、ミラー39、半波長板40および分波・合波器42が設けられておらず、1/4波長板(QWP:Quarter-wave Plate)44およびミラー45を備えている。ミラー45は、数%以下(例えば5%以下)の反射率を有している。なお、実施例2と同様の構成については、同符号を付すことで説明を省略する。
波長可変レーザ30のリア側(CSG−DBR領域B側)から出射された垂直光は、1/4波長板44を透過して減衰器35に入射する。その際に、1/4波長板44は、偏波を45度回転させる。減衰器35は、入射した光のパワーを減衰し、ミラー45に入射する。ミラー45に入射した光の一部は、ミラー45を透過して受光素子37によって受光される。受光素子37は、受光パワーに応じて電気信号をコントローラ38に送信する。ミラー45によって反射した光は、再度、減衰器35に入射する。ミラー45に入射する光の反射率(透過率)は、一定である。それにより、コントローラ38は、減衰器35から出射される光のパワーを検出することができる。コントローラ38は、減衰器35から出射出される光のパワーが所望値になるように、減衰器35の減衰率を調整する。減衰器35から出射される光は、1/4波長板44に入射する。1/4波長板44は、偏波をさらに45度回転させる。それにより、1/4波長板44から出射される光は、水平光となる。1/4波長板44から出射された水平光は、波長可変レーザ30のリア側から再入射する。
本実施例によれば、波長可変レーザ30とミラー45とで、1/4波長板44および減衰器35を挟むだけでPROFループが形成される。それにより、実施例1や実施例2と比較して、さらにPROFループ長を短くすることができる。それにより、広帯域で周波数雑音を低減することができる。減衰器35とミラー45とは、可変反射率フィルタ等の一体品であってもよい。また、ミラー45を透過する光のパワーを検出することで、水平光の戻り光のパワーを調整することができる。
本実施例においては、電流供給部41が、レーザ領域(共振器)の発振条件を固定する制御を行う制御部の一例として機能する。ミラー45が、波長可変レーザから出射されるレーザ光の一部を抽出する抽出部の一例として機能する。1/4波長板44が、抽出部によって抽出されたレーザ光の偏波を90度±5度の範囲で回転させてレーザ領域に入射する偏波回転部の一例として機能する。減衰器35およびコントローラ38が、波長可変レーザから出射されるレーザ光の周波数雑音が低減されるように、レーザ領域に入射されるレーザ光のパワーを調整する調整部の一例として機能する。
図5は、実施例4に係る波長可変レーザ装置100Cの全体構成を表すブロック図である。図5に示すように、波長可変レーザ装置100Cは、図4の波長可変レーザ装置100Bと比較して、波長可変レーザ30および減衰器35が備わっておらず、波長可変レーザ30Cが備わっている。波長可変レーザ30Cは、図4の波長可変レーザ30と比較して、リア側にさらにSOA/VOA領域Dがモノリシックに集積されている。SOA/VOA領域Dの増幅器としての機能および減衰器としての機能は、SOA/VOA領域Dへの順方向バイアスおよび逆方向バイアスによって変更することができる。コントローラ38は、SOA/VOA領域Dから出射される光のパワーが所望値になるように、SOA/VOA領域Dの増幅率または減衰率を調整する。なお、実施例3と同様の構成については、同符号を付すことで説明を省略する。
本実施例によれば、減衰器が波長可変レーザにモノリシック集積されている。それにより、PROFループ長がさらに短くなる。その結果、広帯域で周波数雑音を低減することができ、波長可変レーザ装置の小型化が容易となる。SOA/VOA領域Dのリア側端には、AR膜が形成されていてもよい。
本実施例においては、電流供給部41が、レーザ領域(共振器)の発振条件を固定する制御を行う制御部の一例として機能する。ミラー45が、波長可変レーザから出射されるレーザ光の一部を抽出する抽出部の一例として機能する。1/4波長板44が、抽出部によって抽出されたレーザ光の偏波を90度±5度の範囲で回転させてレーザ領域に入射する偏波回転部の一例として機能する。SOA/VOA領域Dおよびコントローラ38が、波長可変レーザから出射されるレーザ光の周波数雑音が低減されるように、レーザ領域に入射されるレーザ光のパワーを調整する調整部の一例として機能する。
図6は、実施例5に係る波長可変レーザ装置100Dの全体構成を表すブロック図である。図6に示すように、波長可変レーザ装置100Dは、図1の波長可変レーザ装置100と比較して、スプリッタ31,32、受光素子37、コントローラ38、減衰器35、ミラー39および半波長板40が備わっておらず、波長可変レーザ30のフロント側端とスプリッタ36との間に、1/4波長板44とミラー45とがこの順に配置されている点である。なお、実施例1と同様の構成については、同符号を付すことで説明を省略する。
波長可変レーザ30のフロント側から出射される垂直光は、1/4波長板44に入射する。1/4波長板44は、偏波を45度回転させる。1/4波長板44を透過した光は、ミラー45に入射する。ミラー45に入射した光の一部は、反射して1/4波長板44に再度入射する。1/4波長板44は、偏波をさらに45度回転させる。それにより、水平光が得られる。水平光は、波長可変レーザ30のフロント側から再入射する。
スプリッタ36は、ミラー45を透過した光の一部を反射する。反射された光は、受光素子33によって受光される。受光素子33は、受光パワーに応じて電気信号をコントローラ34に送信する。ミラー45およびスプリッタ36の反射率(透過率)は、一定である。それにより、コントローラ34は、波長可変レーザ30から出射される光のパワーを検出することができる。コントローラ34は、波長可変レーザ30から出力される光のパワーが所望値になるように、SOA領域Cの増幅率を調整する。
本実施例のように、PROFループは、波長可変レーザ30のフロント側に形成されていてもよい。本実施例においては、帰還する水平光のパワーは、波長可変レーザ30内にモノリシック集積されたSOA領域Cの増幅率によって制御されている。
本実施例においては、電流供給部41が、レーザ領域(共振器)の発振条件を固定する制御を行う制御部の一例として機能する。ミラー45が、波長可変レーザから出射されるレーザ光の一部を抽出する抽出部の一例として機能する。1/4波長板44が、抽出部によって抽出されたレーザ光の偏波を90度±5度の範囲で回転させてレーザ領域に入射する偏波回転部の一例として機能する。SOA領域Cおよびコントローラ34が、波長可変レーザから出射されるレーザ光の周波数雑音が低減されるように、レーザ領域に入射されるレーザ光のパワーを調整する調整部の一例として機能する。
図7は、実施例6に係る波長可変レーザ装置100Eの全体構成を表すブロック図である。図7に示すように、波長可変レーザ装置100Eは、図6の波長可変レーザ装置100Dと比較して、実施例4のように、波長可変レーザ30の代わりに波長可変レーザ30Cを備え、1/4波長板44f,44r、およびミラー45f,45rが備わっている点である。1/4波長板44f,44rは、図5の1/4波長板44と同様の機能を有する。ミラー45f,45rは、図5のミラー45と同様の機能を有する。なお、実施例5と同様の構成については、同符号を付すことで説明を省略する。
本実施例のように、波長可変レーザ30Cのフロント側およびリア側の両方にPROFループが形成されてもよい。なお、実施例5〜実施例7では、1/4波長板を透過した光を反射ミラーで反射させているが、パワースプリッタやPBS/PBCを用いて波長可変レーザ30Cに帰還させてもよい。
本実施例においては、電流供給部41が、レーザ領域(共振器)の発振条件を固定する制御を行う制御部の一例として機能する。ミラー45f,45rが、波長可変レーザから出射されるレーザ光の一部を抽出する抽出部の一例として機能する。1/4波長板44f,44rが、抽出部によって抽出されたレーザ光の偏波を90度±5度の範囲で回転させてレーザ領域に入射する偏波回転部の一例として機能する。SOA領域C、SOA/VOA領域Dおよびコントローラ34,38が、波長可変レーザから出射されるレーザ光の周波数雑音が低減されるように、レーザ領域に入射されるレーザ光のパワーを調整する調整部の一例として機能する。
図8は、実施例7に係る波長可変レーザ装置100Fの全体構成を表すブロック図である。図8に示すように、波長可変レーザ装置100Fは、図5の波長可変レーザ装置100Cと比較して、1/4波長板44とミラー45との間にエタロン46が備わっている。なお、実施例4と同様の構成については、同符号を付すことで説明を省略する。
ここで、上記式(1)で示したように、PROFループを用いたレーザ周波数雑音低減は、水平光の戻り光によりキャリア揺らぎを抑制することによって実現される。PROFループ内に周波数依存性を持ったロスを挿入すると、その効果をさらに強めることが可能となる。本実施例においては、PROFループ内に周波数依存性を有するエタロン46が配置されている。エタロン46を配置することで、周波数が増大/減少したときに水平光の戻り光の強度をより増大/減少させることが可能となる。それにより、レーザ領域のキャリア密度をより強く減少/増大させることができる。その結果、周波数揺らぎ抑制のフィードバックがより強く働くようになる。また、エタロン46を透過した垂直光あるいは水平光には、周波数揺らぎに応じた光パワー揺らぎが発生する。そこで、この光パワー揺らぎを受光素子で受光し、受光素子の出力の振幅(RMS値≒周波数揺らぎ)を直接モニタし、その値が最小になるようにループ利得(ロス)を制御してもよい。
また戻り光のレベル調整をSOA/VOA領域Dで実現するのではなく、エタロンの状態を制御することで実現してもよい。ペルチェ素子などから構成される温度制御装置を用いてエタロン46の温度を制御してもよい。または、エタロン46の角度を変更する角度変更装置を用いてエタロン46の角度を制御してもよい。
本実施例においては、電流供給部41が、レーザ領域(共振器)の発振条件を固定する制御を行う制御部の一例として機能する。ミラー45が、波長可変レーザから出射されるレーザ光の一部を抽出する抽出部の一例として機能する。1/4波長板44が、抽出部によって抽出されたレーザ光の偏波を90度±5度の範囲で回転させてレーザ領域に入射する偏波回転部の一例として機能する。SOA/VOA領域Dおよびコントローラ38が、波長可変レーザから出射されるレーザ光の周波数雑音が低減されるように、レーザ領域に入射されるレーザ光のパワーを調整する調整部の一例として機能する。エタロン46が、光損失に周波数依存性を有する損失部の一例として機能する。
図9は、実施例8に係る波長可変レーザ装置100Gの全体構成を表すブロック図である。図9に示すように、波長可変レーザ装置100Gは、図8の波長可変レーザ装置100Fと比較して、受光素子47、波長コントローラ48およびスプリッタ49がさらに備わっている点である。スプリッタ49は、波長可変レーザ30Cと1/4波長板44との間に配置されている。なお、実施例7と同様の構成については、同符号を付すことで説明を省略する。
スプリッタ49は、波長可変レーザ30Cのリア側から出力される垂直光の一部を反射して受光素子47に入射する。受光素子47は、受光した垂直光の強度に応じた電気信号を波長コントローラ48に入力する。また、受光素子37が出力する電気信号も波長コントローラ48に入力される。それにより、波長コントローラ48は、エタロン46を透過した光のパワーとエタロン46を透過する前の光のパワーとを比較することで、所望の波長からのズレを検出する。波長コントローラ48は、検出されたズレがゼロに近づくように、波長可変レーザ30Cの発振波長を制御する。このように、エタロン46を波長ロッカの一部として使用することで、波長ロッカを備える波長可変レーザ装置の部品数を低減することができる。
本実施例においては、電流供給部41が、レーザ領域(共振器)の発振条件を固定する制御を行う制御部の一例として機能する。ミラー45が、波長可変レーザから出射されるレーザ光の一部を抽出する抽出部の一例として機能する。1/4波長板44が、抽出部によって抽出されたレーザ光の偏波を90度±5度の範囲で回転させてレーザ領域に入射する偏波回転部の一例として機能する。SOA/VOA領域Dおよびコントローラ38が、波長可変レーザから出射されるレーザ光の周波数雑音が低減されるように、レーザ領域に入射されるレーザ光のパワーを調整する調整部の一例として機能する。エタロン46が、光損失に周波数依存性を有する損失部の一例として機能する。受光素子47が、損失部によって光損失した光の強度を検出する検出部の一例として機能する。波長コントローラ48が、検出部の検出結果を用いて、波長可変レーザの出力波長を調整する波長調整部の一例として機能する。
図10は、実施例9に係る波長可変レーザ装置100Hの全体構成を表すブロック図である。図10で例示するように、波長可変レーザ装置100Hは、図1の波長可変レーザ装置100と比較して、波長可変レーザ30の代わりに波長可変レーザ30Cが備わっている。波長可変レーザ30Cは、図4の波長可変レーザ30と比較して、リア側にさらにSOA領域Dがモノリシックに集積されている。また、減衰器35、スプリッタ36、受光素子37、コントローラ38、ミラー39および半波長板40が備わっておらず、シリコン基板70上に分波・合波器71、ミラー72、リング共振器73、ヒータ74、受光素子75,76、コントローラ77,78および偏波回転素子79が備わっている。リング共振器73、ヒータ74、受光素子75,76はモノリシックに集積されたSi導波路型デバイスであり、例えばSiPh(シリコンフォトニクス)チップである。なお、実施例1と同様の構成については、同符号を付すことで説明を省略する。
波長可変レーザ30Cのリア側から出射される垂直光は、分波・合波器71によって反射され、ミラー72によって反射され、リング共振器73に入射される。分波・合波器71は、分波器として機能するときはPBS(Polarization Beam Splitter)として機能し、合波器として機能するときはPBC(polarization Beam Combiner)として機能する。リング共振器73は、1つ以上のリング導波路を含む共振器である。リング共振器73に入射される垂直光の一部は、受光素子75によって受光される。受光素子75は、受光パワーに応じて電気信号をコントローラ77に送信する。分岐率が一定であれば、コントローラ77は、リング共振器73に入射される垂直光のパワーを検出することができる。コントローラ77は、リング共振器73に入射される垂直光のパワーが所望値になるように、SOA領域Dの増幅率を調整する。すなわち、コントローラ77は、APC制御を行う。
リング共振器73が出射する垂直光は、偏波回転素子79によって偏波回転されて水平光に変換され、分波・合波器71を介して波長可変レーザ30Cのリア側から入射される。リング共振器73から出射される垂直光の一部は、受光素子76によって受光される。受光素子76は、受光パワーに応じて電気信号をコントローラ78に送信する。分岐率が一定であれば、コントローラ78は、リング共振器73から出射される垂直光のパワーを検出することができる。コントローラ78は、リング共振器73から出射される垂直光のパワーが所望値になるように、ヒータ74の温度を調整してリング共振器73の共振周波数を調整する。すなわち、コントローラ78は、APC制御を行う。
図11は、Si導波路デバイスのリング共振器73の透過特性例を例示する図である。リング共振器73は、レーザ出力中心波長f付近で透過特性に適正な波長依存性(図11の例では透過率=0.5)を持つようにコントローラ78によってヒータ74の温度が調整されている。水平光の戻り光は波長可変レーザ30Cのレーザ発振の垂直光とは干渉しないため、フォトン密度および光位相に関するレート方程式には影響を与えない。そのため、垂直光光を戻り光とする場合と比較して、位相雑音が低減され、安定したレーザ発振が得られる。
このように、本実施例においては、波長可変レーザ30Cのリア側から出射された垂直光をSi導波路型デバイスで水平光に変換して波長可変レーザ30Cに戻すというPROFループが形成されている。水平光の戻り光により波長可変レーザ30Cのレーザ出力の雑音が低減される。さらにPROFループ内にリング共振器73が備わっているため、ループ利得に波長依存性が存在する。図11の例では、レーザ発振周波数がf+Δfのとき透過率が増大してループ利得も増大し、f−Δfのとき透過率が減少してループ利得も減少する。フィルタ特性の逆側のスロープを使用すれば周波数揺らぎの方向とループ利得増減の方向は逆になる。共振器内のキャリア変動に伴う波長変動を相殺する方向に波長依存性を持たせることで、波長依存性が無い場合と比較して、雑音低減の効果をさらに高めることが可能となる。
本実施例においては、コントローラ77によるAPC制御およびコントローラ78によるAPC制御によって、リング共振器73への入力レベルおよびリング共振器73からの出力レベルが一定になるように制御されている。それにより、ループ利得が安定化する。
なお、偏波回転素子79を、λ/4波長板と、45°偏光子と、λ/4波長板とで構成することにより、波長可変レーザ30Cのリア側端面に入射した水平光がリア側端面で反射したとしても、その反射光が再びSi導波路デバイスに入射することを防ぐことができる。
リア側端面での水平光の反射が問題とならない場合には、図12で例示するように、分波・合波器71および偏波回転素子79もSi導波路型デバイスにモノリシック集積してもよい。この構成では、Si導波路デバイスの入出射ポートを共通化することができ、図1の波長可変レーザ装置100よりもさらなる小型化が可能となる。
本実施例においては、電流供給部41が、レーザ領域(共振器)の発振条件を固定する制御を行う制御部の一例として機能する。分波・合波器71が、波長可変レーザから出射されるレーザ光の一部を抽出する抽出部の一例として機能する。偏波回転素子79が、抽出部によって抽出されたレーザ光の偏波を90度±5度の範囲で回転させてレーザ領域に入射する偏波回転部の一例として機能する。ヒータ74およびコントローラ77,78が、波長可変レーザから出射されるレーザ光の周波数雑音が低減されるように、レーザ領域に入射されるレーザ光のパワーを調整する調整部の一例として機能する。
図13は、実施例10に係る波長可変レーザ装置100Jの全体構成を表すブロック図である。図13で例示するように、波長可変レーザ装置100Jは、図12の波長可変レーザ装置100Hと比較して、ヒータ74が備わっておらず、温度制御装置80,81、温度センサ82およびコントローラ83が備わっている。温度制御装置80は、波長可変レーザ30Cが載置され、波長可変レーザ30Cの温度を制御する。温度制御装置81は、Si導波路デバイスが載置され、リング共振器73の温度を制御する。温度センサ82は、リング共振器73の温度を検出する。温度制御装置80,81は、ペルチェ素子などから構成される。
コントローラ83は、温度センサ82の検出結果に応じて温度制御装置81を制御することによって、リング共振器73の温度を所望値に制御する。コントローラ78は、受光素子76が検出する受光パワーに応じて温度制御装置80を制御することで、波長可変レーザ30Cの温度を所望値に制御する。それにより、リング共振器73の出力パワーが所望値に制御される。
本実施例においては、リング共振器73の温度が予め決められた温度になるように負帰還制御されている。これにより、リング共振器73の波長依存性が担保されている。また、リング共振器73の出力パワーが一定になるように波長可変レーザ30Cの温度が負帰還制御されている。それにより、Si導波路型デバイスは波長可変レーザ30Cのレーザの線幅特性を改善する機能に加えて、レーザ出力中心波長fを安定化させる波長ロッカの役割を担うこともできる。
図14は、実施例11に係る波長可変レーザ装置100Kの平面図である。波長可変レーザ装置100Kは、図14で示すように、図3の波長可変レーザ装置100Aおよび図8の波長可変レーザ装置100Fの変形例であり、アイソレータ50をさらに備えている。アイソレータ50は、リア側の端面膜17から出射出された垂直光のみをエタロン46に対して透過し、エタロン46から分波・合波器42に対して出射された光を実質的に遮断する。アイソレータ50およびエタロン46を透過した垂直光は、半波長板40で偏波が90℃回転する。すなわち、半波長板40は、垂直光を水平光に変換する。それにより、半波長板40からの水平光は、分波・合波器42で反射し、波長可変レーザ30Cのリア側の端面膜17から入射される。また、エタロン46を透過した垂直光の一部は、受光素子37で受光される。コントローラ38は、受光素子37の出力に応じて、波長可変レーザ30CのSOA領域の増幅率または減衰率をフィードバック制御する。それにより、端面膜16から出射されたレーザ光の周波数雑音を低減することができる
1 基板、2 下クラッド層、3 活性層、4 光導波層、6 上クラッド層、7 コンタクト層、8 電極、9 絶縁膜、10 ヒータ、11 電源電極、12 グランド電極、15 裏面電極、16 端面膜、17 端面膜、18 回折格子、19 光増幅層、20 コンタクト層、21 電極、30 波長可変レーザ、31 スプリッタ、32 スプリッタ、33 受光素子、34 コントローラ、35 減衰器、36 スプリッタ、37 受光素子、38 コントローラ、39 ミラー、40 半波長板、41 電流供給部、42 分波・合波器、43 ミラー、44,44f,44r 1/4波長板、45,45f,45r ミラー、46 エタロン、47 受光素子、48 波長コントローラ、49 スプリッタ、50 アイソレータ、71 分波・合波器72 ミラー、73 リング共振器、74 ヒータ、75,76 受光素子、77,78 コントローラ、79 偏波回転素子、80,81 温度制御装置、82 温度センサ、83 コントローラ、100 波長可変レーザ

Claims (13)

  1. 利得部およびヒータが設けられた反射部で構成されたレーザ共振器を有し、前記反射部の前記ヒータおよび前記利得部に供給される供給電流によって発振波長が固定される波長可変レーザと、
    指定された波長で発振している場合の前記波長可変レーザへの供給電流を固定する制御を行う制御部と、
    前記波長可変レーザから出射されるレーザ光の一部を抽出する抽出部と、
    前記抽出部によって抽出された前記レーザ光の偏波を90度±5度の範囲で回転させて前記波長可変レーザに入射する偏波回転部と、
    前記波長可変レーザから出射されるレーザ光の周波数雑音が低減されるように、前記波長可変レーザに入射される前記レーザ光のパワーを調整する調整部と、を備える、波長可変レーザ装置。
  2. 前記抽出部は、前記波長可変レーザから出射される出力光の一部を反射するミラーであり、
    前記偏波回転部は、前記波長可変レーザと前記ミラーとの間に配置された1/4波長板である、請求項1記載の波長可変レーザ装置。
  3. 前記調整部は、前記波長可変レーザにモノリシックに集積された光増幅器または減衰器である、請求項1または2記載の波長可変レーザ装置。
  4. 前記波長可変レーザは、水平共振器であり、
    前記波長可変レーザの両出射端面はAR膜で覆われている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長可変レーザ装置。
  5. 前記抽出部から前記波長可変レーザに至る光路に、光損失に周波数依存性を有する損失部を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の波長可変レーザ装置。
  6. 前記損失部によって光損失した光の強度を検出する検出部を備え、
    前記調整部は、前記検出部の検出結果に応じて前記パワーを調整する、請求項5記載の波長可変レーザ装置。
  7. 前記検出部の検出結果を用いて、前記波長可変レーザの出力波長を調整する波長調整部を備える、請求項6記載の波長可変レーザ装置。
  8. 前記損失部は、エタロンである、請求項5〜7のいずれか一項に記載の波長可変レーザ装置。
  9. 前記損失部の光損失を調整する損失調整部を備える、請求項5〜8のいずれか一項に記載の波長可変レーザ装置。
  10. 前記損失部は、リング共振器である、請求項5〜8のいずれか一項に記載の波長可変レーザ装置。
  11. 前記リング共振器の温度を制御する温度制御部を備える、請求項10記載の波長可変レーザ装置。
  12. 前記偏波回転部は、45°偏光子を2つのλ/4波長板で挟んだ構成を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の波長可変レーザ装置。
  13. 利得部およびヒータが設けられた反射部で構成されたレーザ共振器を有し、前記反射部の前記ヒータおよび前記利得部に供給される供給電流によって発振波長が固定される波長可変レーザが指定された波長で発振している場合に前記波長可変レーザへの供給電流を固定する制御を行い、
    前記波長可変レーザから出射されるレーザ光の一部を抽出し、
    抽出された前記レーザ光の偏波を90度±5度の範囲で回転させて前記波長可変レーザに入射し、
    前記波長可変レーザから出射されるレーザ光の周波数雑音が低減されるように、前記波長可変レーザに入射される前記レーザ光のパワーを調整する、波長可変レーザの制御方法。
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