JP6902064B2 - ディスプレイ装置 - Google Patents
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Description
パッチアンテナと周辺回路が同一平面上に取れない場合や、帯域幅を増やす目的の場合、非接触給電(Aperture coupled feed)構造をとり、パッチアンテナと給電線路とを容量性結合で接続させる。また、非接触給電(Proximity coupled Feed)構造をとることもできる。これらの場合は、5G用アンテナは、3層のマルチレイヤー構造になる。
また、アンテナは周りの構造物(特に金属構造物)の影響を受け特性が劣化するので、そのような影響を無くすために周辺には金属構造物が無いことが望ましい。そのため、アンテナをメインボード上に設ける場合は、基板上のアンテナ周辺にメタル開口部を設ける必要がある。
ディスプレイは、第1面と第2面を有する。
タッチセンサは、ディスプレイの第1面側に配置されている。
基板は、ディスプレイの第2面側に配置されている。
アンテナ構造は、積層方向においてディスプレイの第1面側に配置されたアンテナ素子と、アンテナ素子からディスプレイ側に離れて対向配置されたグラウンド電極と、ディスプレイの第2面側に配置された給電線路とを有している。
周辺回路は、給電線路に接続されている。
第1に、配置場所が限定されているディスプレイ装置において、アンテナ素子に配置スペースを与えることができる。
第2に、アンテナ素子が積層方向においてディスプレイの第1面側に配置されているので、アンテナ素子が金属構造物の影響を受けにくく、良好なアンテナ特性が得られる。
第3に、非接触給電を用いることで、アンテナ構造とRFIC等の周辺回路との接続について、部品増加や実装に伴うコストを抑えつつ、接続部分の劣化・消耗が起きないロバストな設計にすることができる。また同軸コネクタや同軸ケーブルの電力ロスに起因する効率の低下を抑えることができる。
この装置では、アンテナ素子が金属構造物の影響を受けにくく、良好なアンテナ特性が得られる。
この装置では、簡単な構造で、電磁結合による給電を実現できる。
この装置では、誘電体層によってアンテナ素子とグラウンド電極との間の距離が固定されるので、所望のアンテナ特性(共振周波数やReturn Loss、放射効率等)を実現できる。
(1)基本構成
図1及び図2を用いて、ディスプレイ装置1(ディスプレイ装置の一例)を説明する。図1は、第1実施形態に係るディスプレイ装置の模式的平面図である。図2は、第1実施形態に係るディスプレイ装置の模式的断面図である。
ディスプレイ装置1は、図2に示すように、基板3と、ディスプレイ5と、タッチセンサ7と、カバー部材9とを有している。これら部材は、図2下側から上側に向けて上記の順番で積層されている。
基板3(基板の一例)は、平板状に形成されたメインボードPCB(Printed Circuit Board)である。基板3は、図2上側の第1面3aと図2下側の第2面3bとを有している。基板3は、ディスプレイ5のタッチセンサ7と反対側に配置されている。
ディスプレイ5(ディスプレイの一例)は、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置である。ディスプレイ5は、操作者に各種の情報を表示する。
ディスプレイ5は、図2上側の第1面5aと図2下側の第2面5bとを有している。ディスプレイ5は、基板3の図上方に離れて配置されている。つまり、基板3はディスプレイ5の第2面5b側に配置されている。
タッチセンサ7(タッチセンサの一例)は、ディスプレイ5に積層されている。タッチセンサ7によって、操作者による各種の入力操作が可能である。タッチセンサ7は、図2上側の第1面7aと図2下側の第2面7bとを有している。
タッチセンサ7は、第1接着層6を介してディスプレイ5の第1面5a上に積層されている。
タッチセンサ7は、例えば、静電容量方式である。
カバー部材9は、タッチセンサ7の上に積層されている。カバー部材9は、例えば、カバーガラスである。カバー部材9は、図2上側の第1面9aと図2下側の第2面9bとを有している。
カバー部材9は、第2接着層8を介してタッチセンサ7の上に積層されている。
カバー部材9は、図1に示すように、平面視で、表示領域9cと額縁領域9dとを有している。表示領域9cは、ディスプレイ5の表示部及びタッチセンサ7の複数の電極を含む操作領域に対応している。額縁領域9dは、ディスプレイ5の額縁部及びタッチセンサ7の額縁部に対応しており、表示領域9cの周縁部にある。
ディスプレイ装置1は、例えば、2個のアンテナ構造31(アンテナ構造の一例)を有している。各アンテナ構造31は、例えば5G用アンテナである。アンテナ構造31は、2個以上のアンテナ素子からなるフェーズドアレイアンテナである。これにより、ビームフォーミング性能が実現され、つまり指向性及び放射方向のコントロールができる。なお、アンテナ素子の数は2個に限定されない。
1)sub6: 6GHz以下(特に日本は3.48〜4.2GHz、4.4〜4.9GHzを検討中)
2)mmWave :25〜80GHz(特に日本は43.5GHz以下を検討中)
また、5G用アンテナの1つの素子は、一般的に、一辺がλ/2に準ずるサイズである。
アンテナ構造31は、非接触給電(aperture coupled feed)構造(後述)を採用している。
図3を用いて、アンテナ構造31を詳細に説明する。図3は、アンテナ構造の基本構造を示す模式的分解図である。
アンテナ構造31は、図1及び図3に示すように、複数のアンテナ素子33(アンテナ素子の一例)を有している。図3に示すように、アンテナ素子33の平面形状は円形であるが、各種の多角形、楕円形等のような任意の形状に形成してもよい。アンテナ素子33は、導電性ペースト(例えば金属粒子とバインダー樹脂からなるペースト)、銅薄膜等で作製される。
複数のアンテナ素子33から電波が出力される。また、複数のアンテナ素子33から放射される電波は、互いの位相、振幅等が適宜調整される。これにより、アンテナ構造31は、電波の放射方向を能動的に調整することができる。
アンテナ素子33は、例えば、2行3列のマトリクス状で合計6個形成されている。なお、アンテナ素子33の個数や配置は、適宜設定できる。なお、アンテナ素子33は、2次元のマトリクス状に限らず、1次元の列状に並べてもよい。
次に、図2を用いて、グラウンド電極35の積層方向位置を説明する。グラウンド電極35は、アンテナ素子33からディスプレイ5側に離れて対向配置されている。具体的には、グラウンド電極35は、基板3の第1面3a(ディスプレイ5側の面)に形成されており、アンテナ素子33とグラウンド電極35との間に空気層38が形成されている。空気層38は、積層方向位置がディスプレイ5と同じである。つまり、ディスプレイ5は、一部において切り欠かれた状態になっており、空気層38を形成している。なお、空気層38は、ディスプレイ5がタッチセンサ7やカバー部材9より例えばいずれかの辺を短くする等で面積を小さくすることによって形成されてもよい。
なお、グラウンド電極35には、図3に示すように、開口部35aが形成されている。
給電線路37は、例えばマイクロストリップ線路であり、アンテナ素子33に高周波信号RFを供給する。図3に示すように、給電線路37は、グラウンド電極35の開口部35aを通ってアンテナ素子33と容量性結合で接続している。
第1に、配置場所が限定されているディスプレイ装置1において、アンテナ構造31に配置スペースを与えることができる。
第2に、アンテナ素子33がディスプレイ5に対してタッチセンサ7側に配置されているので、アンテナ素子33が金属構造物の影響を受けにくく、良好なアンテナ特性が得られる。
第3に、非接触給電を用いることで、アンテナ素子33とRFIC等の周辺回路39との接続について、部品増加や実装に伴うコストを抑えつつ、接続部分の劣化・消耗が起きないロバストな設計にすることができる。また同軸コネクタや同軸ケーブルの電力ロスによる効率の低下を抑えることができる。
追加の効果として、アンテナ素子33をタッチセンサ7の電極や配線と同時に製造できる。このため、安価になる。
第1実施形態ではアンテナ素子33はタッチセンサ7の第1面7aに形成されていたが、アンテナ素子33はタッチセンサ7に対してディスプレイ5と反対側に形成されてさえいればよいので、その範囲であればアンテナ素子33は第1実施形態と異なる位置に設けられていてもよい。上記条件が満たされれば、アンテナ素子33が金属構造物の影響を受けにくくなるという効果が得られるからである。
この実施形態の基本構造は、第1実施形態と同じである。
異なる点として、アンテナ素子33Aは、カバー部材9に形成されている。具体的には、アンテナ素子33Aは、カバー部材9の第2面9bに設けられている。
この実施形態でも、第1実施形態と同様の効果が得られる。
第1実施形態及び第2実施形態ではアンテナ素子33はタッチセンサ7に対してディスプレイ5と反対側に配置されていたが、パッチアレイアンテナはディスプレイ5よりタッチセンサ7側に形成されてさえいれば、アンテナ素子33は第1実施形態及び第2実施形態と異なる位置に設けられていてもよい。その範囲であれば、アンテナ素子33に配置スペースを与えることができたり、アンテナ素子33が金属構造物の影響を受けにくくなったりするという効果が得られるからである。
図5を用いて、そのような実施例を第3実施形態として説明する。図5は、第3実施形態に係るディスプレイ装置の模式的断面図である。
異なる点として、アンテナ素子33Bは、タッチセンサ7の第2面7b(ディスプレイ5側の面)に形成されている。
この実施形態でも、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果が得られる。
第1〜第3実施形態ではアンテナ素子33とグラウンド電極35との間でディスプレイ5に相当する部分には空気層38が設けられていたが、適切な比誘電率が得られれば良いので、ここには空気層以外の構成を用いてもよい。
図6を用いて、そのような実施例を第4実施形態として説明する。図6は、第4実施形態に係るディスプレイ装置の模式的断面図である。
誘電体層40は、プラスチックフィルムやOCA等である。フィルム等で充填する場合は、アンテナ素子33とグラウンド電極35との間の距離が固定されるので、所望のアンテナ特性(共振周波数やReturn Loss、放射効率等)を実現できる。また、比誘電率>1(空気)となるので、波長短縮効果によりアンテナ素子33のサイズを小さくできる。
誘電体層40の比誘電率は、通常、1.0を超えて2.5以下、好ましくは、1.5以上2.5以下である。低誘電率層の比誘電率がこの範囲にあると、アンテナ素子33と給電線路37の電気的結合程度をさらに小さくできる。
なお、第1〜第3実施形態に誘電体層を設けてもよい。
第1〜第4実施形態では、給電線路37及び周辺回路39が形成された基板はメインボードであったが、上記の基板はメインボードではなくてもよい。
図7を用いて、そのような実施例を第5実施形態として説明する。図7は、第5実施形態に係るディスプレイ装置の模式的断面図である。
第5実施形態の基本構造は、第1〜第4実施形態と同じである。
第1基板41は、例えば、PCB又はFPC(Flexible printed circuits)からなる。第1基板41には、給電線路37と周辺回路39が設けられている。
この実施形態では、アンテナ素子33とグラウンド電極35の間に、誘電体層40Aが配置されている。誘電体層40Aは、第4実施形態の誘電体層40と同じである。
この実施形態でも、第1〜第4実施形態と同様の効果が得られる。
第1〜第5実施形態では給電線路37と周辺回路39は基板に設けられていたが、他の部材に設けられていてもよい。
図8を用いて、そのような実施例を第6実施形態として説明する。図8は、第6実施形態に係るディスプレイ装置の模式的断面図である。
第6実施形態の基本構造は、第1〜第5実施形態と同じである。
グラウンド電極35は、ディスプレイ5の第1面5aに形成されている。したがって、この実施形態ではディスプレイ5の積層方向位置に対応する空気層や誘電体層は形成されていない。
給電線路37と周辺回路39は、ディスプレイ5の第2面5b(タッチセンサ7と反対側の面)に設けられている。
給電線路37は周辺回路39に接続されている。また周辺回路39と基板3Aとは電気的に接続される。
なお、周辺回路は、ディスプレイに接続するFPC上に形成されてもよい。
この実施形態でも、第1〜第5実施形態と同様の効果が得られる。
アンテナの種類・形状・配置についての変形例を説明する。
図9を用いて、そのような実施例として第7実施形態を説明する。図9は、第7実施形態に係るディスプレイ装置におけるアンテナの位置を示す模式的平面図である。なお、以下の説明は第1〜第6実施形態に適用可能であり、さらに他の実施形態にも適用可能である。
図9において、アンテナ素子33Aは、平面視でカバー部材9の額縁領域9dに重なって配置されている。アンテナ素子33Aの寸法LとW(給電線路に平行な成分をL、垂直の成分をWと定義する)において、Lは共振周波数を決める重要な寸法であるので、調整幅が小さい。しかし、WについてはW<Lとすることが可能である。
他の効果として、給電線路37の向きを上記のように設定することで、例えばカバー部材9の額縁領域9dを狭くできる。
第7実施形態ではアンテ素子33Aは、パッチアンテナ単体であったが、パッチアレーアンテナでもよい。
図10を用いて、そのような実施例を第8実施形態として説明する。図10は、第8実施形態におけるディスプレイ装置におけるアンテナ素子の位置を示す模式的平面図である。
この実施形態でも、複数の給電線路37は、カバー部材9の額縁領域9dの延びる方向に対して水平に配置されて、複数のアンテナ素子33Bそれぞれに接続している。したがって、アンテナ素子33BはWを小さくでき、ひいてはカバー部材9の額縁領域9dの幅が狭い場合でも効率の良いアンテナを設計できる。
図11を用いて、パッチアレーアンテナの他の実施例を第9実施形態として説明する。図11は、第9実施形態におけるディスプレイ装置におけるアンテナの位置を示す模式的平面図である。なお、以下の説明は第1〜第6実施形態に適用可能であり、さらに他の実施形態にも適用可能である。
この実施形態では、給電線路37は、カバー部材9の額縁領域9dに対して垂直に延びて、アンテナ素子33Cに接続している。この場合、アンテナ素子33Cをアレイ状に形成する場合に高集積化が可能であり、また、アンテナ素子33C間の距離の調整代が増えることでアレイ化の設計自由度が増える。
アンテナ素子33は、カバー部材9の表示領域9cに配置されてもよい。その場合は、アンテナ素子33は、可視光透明な導電膜で作成されることが好ましい。例えば、アンテナ素子33は、ITO(酸化インジウム・スズ)、透明導電性インク(例えば銀ナノワイヤーインク)から形成されてもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
本発明は静電容量方式のタッチパネル以外にも適用でき、例えば抵抗膜式のタッチパネルにおいて実施することができる。
本発明は5G用アンテナ以外にも適用でき、3G、4G、Wifi等の他の通信方式のアンテナとしても利用できる。
3 :基板
5 :ディスプレイ
7 :タッチセンサ
8 :第2接着層
9 :カバー部材
31 :アンテナ構造
33 :アンテナ素子
35 :グラウンド電極
37 :給電線路
38 :空気層
39 :周辺回路
40 :誘電体層
Claims (6)
- 第1面と第2面を有するディスプレイと、
前記ディスプレイの前記第1面側に配置されたタッチセンサと、
前記ディスプレイの前記第2面側に配置された基板と、
積層方向において前記ディスプレイの前記第1面側に配置されたアンテナ素子と、前記アンテナ素子から前記ディスプレイ側に離れて対向配置されたグラウンド電極と、前記ディスプレイの前記第2面側に配置された給電線路を有するアンテナ構造と、
前記給電線路に接続された周辺回路と、
を備えたディスプレイ装置。 - 前記アンテナ素子は、前記タッチセンサの前記ディスプレイと反対側に設けられている、請求項1に記載のディスプレイ装置。
- 前記アンテナ素子と前記グラウンド電極との間に配置された空気層をさらに備えている、請求項1又は2に記載のディスプレイ装置。
- 前記アンテナ素子と前記グラウンド電極との間に配置された誘電体層をさらに備えている、請求項1又は2に記載のディスプレイ装置。
- 前記給電線路と前記周辺回路は、前記基板の前記ディスプレイと反対側の面に設けられている、請求項1〜4のいずれかに記載のディスプレイ装置。
- 前記給電線路と前記周辺回路は、前記ディスプレイの前記第2面側に設けられている、請求項1又は2に記載のディスプレイ装置。
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