JP6901796B2 - ソイルセメントコラムの平面位置検出構造、およびこれを利用するソイルセメントコラム位置座標記録システム - Google Patents

ソイルセメントコラムの平面位置検出構造、およびこれを利用するソイルセメントコラム位置座標記録システム Download PDF

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本発明は、地盤改良工事の施工を記録および管理する技術に関する。
土中で作成される場所打ち杭として、場所打ちコンクリート杭およびソイルセメントコラムが知られている。一般的な場所打ちコンクリート杭は、ビル等の高層建物の基礎になる。場所打ちコンクリート杭の施工は、施工現場にバケットで竪穴を掘削し、竪穴に鉄筋籠を建て込んだ後、さらにコンクリートを打設して作成される。さらに、場所打ちコンクリート杭の杭頭からは鉄筋が突出し、場所打ちコンクリート杭自身がコンクリート特有の色合いを有する。このため容易に土壌と区別ができ、場所打ちコンクリート杭の作成後にその位置を正確に見いだすことができる。
一方、ソイルセメントコラムは、柱状の地盤改良体であり、施工現場の土壌を固化材で硬化させて作成される。例えば特開平10−046567号公報(特許文献1)には、自走可能な車両に、螺旋状の掘削刃を有する掘削装置を取り付けて、掘削刃で地盤を掘削し、土中で掘削刃の先端方向にセメント、水、等を送り出す。このためソイルセメントコラムは、材質の点で上述した場所打ちコンクリート杭とは異なるし、材質、形状、および作成の点で鋼管杭等の既成杭と当然異なる。
特開平10−046567号公報
昨今、杭基礎の偽装問題が顕著になっている。例えば2015年には横浜の集合住宅で杭基礎のデータ偽装が問題になった。そこでデータの改竄を回避し、施工現場で実際に施工された全ての杭の位置を正しく記録し、管理することが望まれる。
建築においてソイルセメントコラムは、低層建物の基礎として施工されることが多く、所定の間隔を開けて、あるいはお互いが隣接するよう、複数本作成されるのが一般的である。ソイルセメントコラムは、施工現場の現状地盤土壌と一体になるため、その中心が不明瞭になりがちである。またソイルセメントコラムの天端は、地表から数cm〜数十cm深い設計高さ位置とされる場合が殆どであり、車両の走行によって土中に埋もれてしまいがちである。このためソイルセメントコラム作成後土中のソイルセメントコラムの位置を正確に見いだして記録することは困難である。
特にソイルセメントコラムは場所打ちコンクリート杭よりも小径で、多数本が密集して施工される事情もあり、作成後に多数本のソイルセメントコラムの位置を把握することは困難である。
そこでソイルセメントコラムの作成直後に、作業者が各ソイルセメントコラムの上端を速やかに測量して記録することが考えられるが、作業者の熟練度を有する他、作業者の記録ミスや改竄の可能性がある。
本発明は、上述の実情に鑑み、多数本のソイルセメントコラムの位置を正確かつ公正に記録することができる構造およびシステムを提供することを目的とする。
この目的のため本発明によるソイルセメントコラムの平面位置検出構造は、回転軸と、回転軸の下端部に設けられる掘削刃とを備え、掘削刃で地盤を掘削して該掘削により生じる土壌に固化材を攪拌混合してソイルセメントコラムを作成する地盤改良機に用いられる構造であって、回転軸の上端部に相対回転可能に連結されるスイベルと、スイベルに設けられる平面位置検出用ミラーターゲットとを備える。
かかる本発明の構造によれば、ソイルセメントコラムの作成時に平面位置検出用ミラーターゲットの位置座標を測定することにより、実際のソイルセメントコラムの位置を効率良くかつ正確に得ることができる。この理由は、ソイルセメントコラムの作成後、当該ソイルセメントコラムの位置を測定することは上述した通り困難であるが、ソイルセメントコラムの作成中であれば、スイベルの直下でソイルセメントコラムが作成されるからである。
本発明の好ましい局面として平面位置検出用ミラーターゲットは、回転軸の軸線と同軸に配置され、スイベルの上端から突出する。かかる局面によれば、ソイルセメントコラムの芯の位置を効率良くかつ正確に得ることができる。他の局面として、平面位置検出用ミラーターゲットはスイベルの側部に配置される。
ところで地盤改良機は、スイベルから下方に延びる回転軸を回転させて、スイベルの直下で、鉛直方向に延びるようにソイルセメントコラムを作成するので、ソイルセメントコラム上端の位置とソイルセメントコラム下端の位置は一致するのが常套である。
しかし実際の施工では、何らかの原因により上下方向に延びる回転軸が僅かに傾斜する場合がある。この場合、ソイルセメントコラムも僅かに傾斜してしまい、位置検出用ターゲットから得られるソイルセメントコラム上端の位置とソイルセメントコラム下端の位置がずれてしまう。
そこで本発明の好ましい局面として、スイベルに設けられる傾斜計をさらに備える。スイベルと回転軸は直線状に連続するところ、かかる局面によれば傾斜計が、スイベルが鉛直姿勢であるかどうかを検出して、ソイルセメントコラムが鉛直に作成されているかどうか管理することができる。なお傾斜計は、電気的に駆動されてスイベルが鉛直か否かを検出し、その検出結果を出力する。地盤改良機の操作盤には、出力された検出結果を表示する傾斜表示部が設置されるとよい。地盤改良機を操作するオペレーターは、スイベルが鉛直姿勢であるか否かを確認して、ソイルセメントコラムを作成することができる。他の局面として、傾斜計をスイベル以外、例えば測量機材を施工現場の地表に設置し、測量機材でスイベルおよび/または回転軸が鉛直姿勢であるかどうかを測定するとよい。
本発明のソイルセメントコラム位置座標記録システムは、上述したソイルセメントコラムの平面位置検出構造を備え、施工現場の地表を走行可能な地盤改良機と、地表に設けられる測量原点と、測量原点に基づいて平面位置検出用ミラーターゲットの平面位置座標を測定する測量機と、測量機から出力される平面位置座標を平面位置座標データとして取得して記録するデータ記録装置とを具備し、測量機はソイルセメントコラムの作成時に平面位置座標を測定し、データ記録装置はソイルセメントコラム毎に平面位置座標データを取得して記録する。かかる本発明のシステムによれば、実際のソイルセメントコラムの平面位置を記録した公正なデータを得ることができる。測量機は例えば光波測距機であり、平面位置検出用ミラーターゲットは光波測距機によって平面位置座標、角度、距離を測定されるプリズムミラーである。ソイルセメントコラムの作成時とは、ソイルセメントコラムの作成途中およびソイルセメントコラムの作成完了後を含む。平面位置座標を測定するタイミングはソイルセメントコラムの作成開始時からソイルセメントコラムの作成完了後までの期間のうちの少なくとも1回である。測量機およびデータ記録装置は、通信手段を備え、両者間で平面位置座標データを送受信する。
本発明のソイルセメントコラム位置座標記録システムの好ましい局面として、ソイルセメントコラムの平面位置検出構造がスイベルに設けられる傾斜計と、傾斜計の検出結果を外部へ送信する傾斜送信部をさらに備え、データ記録装置がソイルセメントコラム毎に傾斜計の検出結果を取得して記録する。かかる局面によれば、回転軸が土壌を掘削しながら該土壌に固化材を供給することによってソイルセメントコラムを作成する際にスイベルが鉛直か否かを検出して、各ソイルセメントコラムが鉛直な姿勢で施工されたか否かを正確かつ公正に記録することができる。傾斜計が記録用の検出データを検出するタイミングは、ソイルセメントコラムの作成時であり、ソイルセメントコラムの作成開始時からソイルセメントコラムの作成完了後までの期間のうちの少なくとも1回である。
本発明のソイルセメントコラム位置座標記録システムの好ましい局面として、データ記録装置は施工現場から離れた位置に設置され、平面位置座標データはデータ記録装置へ送信される。かかる局面によれば、公正なデータを安全な場所に格納することができる。施工現場外に設置されるデータ記録装置は、例えばインターネットサーバである。他の局面として、データ記録装置は施工現場に設置されてもよい。
測量機はソイルセメントコラム作成時に平面位置検出用ミラーターゲットの平面位置座標を測定する他、ソイルセメントコラム作成前にも平面位置検出用ミラーターゲットの平面位置座標を測定してもよい。一局面として本発明のシステムは、ソイルセメントコラムの目標位置座標を記憶する目標位置座標記憶部と、ソイルセメントコラムの作成開始前に測量機によって測定される平面位置検出用ミラーターゲットの現在平面位置座標と、目標平面位置座標との差分を算出して表示する差分表示部とをさらに備える。かかる局面によれば、地盤改良機を効率良く目標平面位置座標にセットすることができる。
本発明のソイルセメントコラム位置座標記録システムの好ましい局面として、差分表示部は地盤改良機を操作するオペレーターが視認可能な場所に置かれる携帯端末である。携帯端末は例えば、杭ナビ(商標)等の測量用プログラムと連動するアプリケーションソフトウェアをダウンロード可能な画像表示装置、スマートフォン、等である。
このように本発明によれば、多数本のソイルセメントコラムを施工する場合において、各ソイルセメントコラムの位置を正確かつ公正に記録することができる。
本発明の一実施形態になるソイルセメントコラム位置座標記録システムに使用される地盤改良機を示す側面図である。 同実施形態の地盤改良機を示す平面図である。 同実施形態のソイルセメントコラム位置座標記録システムを示す全体平面図である。 同実施形態によって記録されたソイルセメントコラム位置座標のデータである。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態になるソイルセメントコラム位置座標記録システムに使用される地盤改良機を示す側面図である。図2は、同実施形態の地盤改良機を示す平面図である。地盤改良機210は、リーダー211と、回転軸213と、駆動部214と、掘削刃216と、スイベル217と、回り止め具218と、位置検出用ターゲット219を備える。
リーダー211は上下方向に延び、その最大長は7〜8[m]の範囲に含まれる。リーダー211の下端は工事車両221に連結され、工事車両221によって鉛直姿勢に保持される。工事車両221は、1対のクローラ222あるいはキャタピラ、あるいは複数対の車輪と、操縦席223を有し、旋回可能である他、施工現場の地表sを自走可能である。リーダー211には駆動部214が上下方向移動可能に取り付けられる。図1では駆動部214がリーダー211の上端部に位置する。この他図示はしなかったが駆動部214はリーダー211の下端部まで下降可能である。操縦席223では、オペレーターによって、クローラ222および地盤改良機210の操作がなされる。
駆動部214は油圧モータあるいは電気モータを有し、回転軸213を連結されて、回転軸213を回転自在に支持するとともに回転軸213を駆動する。回転軸213は駆動部214を貫通して上下方向に延びる。
回転軸213は、一定径で真っ直ぐに延びるパイプであり、直列に接続される複数本の延長ロッド215を含む。延長ロッド215は上下方向に延び、継ぎ足すようにして長さ調整可能である。延長ロッド215の下端には掘削刃216が設けられる。パイプである回転軸213および延長ロッド215の中心孔は、後述する固化材の供給路を構成する。
駆動部214から上方へ延びる回転軸213の上端213tには、スイベル217が取り付けられる。スイベル217は、回転筒および固定ケースを有し、回転軸213の上端213tに固化材を供給するジョイントである。
回転筒および固定ケースは、隙間なく、かつ同軸に接続し、相対回転可能であって、両者間で流体を受け渡す。回転筒は、固定ケースから下方へ突出し、回転軸213の上端213tと結合する。固定ケースは回り止め具218と結合し、回転軸213との共回りを防止される。
固定ケースには図示しない傾斜計が取付固定される。この傾斜計は電気駆動式であり、例えば0.1度の分解能で傾斜角度を検出可能である。そしてスイベル217が鉛直(YES)か否か(NO)を単純に検出し、その検出結果を外部へ出力する。
鉛直(YES)を出力する場合、分解能0.1度未満の傾斜角度であるので、つまり鉛直であると管理される。あるいは傾斜計は傾斜角度および/または傾斜方向まで検出するものであってもよい。
これによりスイベル217は鉛直姿勢であるか否かを検出される。傾斜計の検出結果は、傾斜送信部(図略)によって操縦席223に設けられる操作盤に送信され、操作盤に表示される。傾斜送信部は有線あるいは無線通信手段であり、信号を送信するネットワーク手段であってもよい。
回り止め具218は、逆L字状であり、上下方向に延びる伸縮可能な下端部218cと、下端部218cの上端から水平方向へ延びる上端横架材218bを有する。上端横架材218bの先端は、スイベル217の固定ケース側部に固定される。下端部218cは、駆動部214のケース側部に固定される。なお駆動部214のケースはリーダー211に連結されて回転しない。このため、スイベル217も回り止め具218によって上述したとおり共回りを防止される。
スイベル217の固定ケースには、横架材218bと平行に延びる横向きの接続口217hを有する。かかる接続口にはホース227の一端が接続される。ホース227の他端は、地表sまで垂れ下がり、地表sに設置される固化材供給設備228と接続する。固化材供給設備228は固化材を適切な成分に調整し、適切な流量で固化材をスイベル217に圧送する。固化材は例えばセメントを含む液体である。
スイベル217の固定ケースには位置検出用ターゲット219が固定される。位置検出用ターゲット219の下端はスイベル217の上端と結合する。位置検出用ターゲット219の上端は例えばプリズムミラーである。このプリズムミラーは複数の鏡面を含み、スイベル217の上端から上方へ突出して、360°の全周方向から視認可能である。またプリズムミラーの位置は、回転軸213の軸線Oと一致する。
地盤改良機210は、操縦席223に着座するオペレーターの操作により、目標位置まで自走する。
次に地盤改良機210は、スイベル217をリーダー211上端領域まで引き上げて、位置検出用ターゲット219を後述する目標位置座標に合わせる。次にオペレーターは、スイベル217に設けられる傾斜計により、スイベル217が鉛直姿勢か否かを確認する。スイベル217が鉛直姿勢ではない場合、地盤改良機210を操作して、スイベル217を鉛直に立て直す。
次に地盤改良機210は、駆動部214で回転軸213を正回転させながら駆動部214および回転軸213を徐々に下降させる。そうすると延長ロッド215が正回転しながら掘削刃216を地表sに押し当て、地盤を掘削する。掘削の開始から完了まで、オペレーターはスイベル217が鉛直姿勢を維持しているか否かを確認する。駆動部214が所定高さ位置まで下降することにより、掘削刃216に対応する口径で、地盤は所定深度まで掘削される。かかる口径はソイルセメントコラムの外径であり、φ100[mm]〜600[mm]の範囲に含まれる。
次に地盤改良機210は、駆動部214で回転軸213を逆回転させながら駆動部214および回転軸213を徐々に上昇させる。そうすると延長ロッド215が逆回転しながら掘削刃216を地盤から引き抜く。このときホース227から供給される固化材が、回転軸213内部と、延長ロッド215内部を流下して、掘削刃216に到達し、土壌とともに攪拌混合される。この後、固化材が化学反応により硬化して、円柱状のソイルセメントコラムnが作成される。つまり回転軸213はソイルセメントコラムnの中心に沿って延び、スイベル217はソイルセメントコラムnの中心位置の直上に位置する。
本実施形態によれば、位置検出用ターゲット219が実際に作成されるソイルセメントコラムnの正確な位置検出に利用される。
また本実施形態の地盤改良機210は、スイベル217から下方に延びる回転軸213を回転させて、スイベル217の直下で、鉛直方向に延びるようにソイルセメントコラムnを作成する。このため通常は、ソイルセメントコラムn上端の位置とソイルセメントコラムn下端の位置は一致する。ここで附言すると、実際の施工では、何らかの原因により上下方向に延びる回転軸213が僅かに傾斜する場合がある(例えば0.4度)。傾斜計を備えない場合、ソイルセメントコラムも僅かに傾斜してしまい、位置検出用ターゲットから得られるソイルセメントコラム上端の位置とソイルセメントコラム下端の位置がずれてしまう。例えば、全長10[m]のソイルセメントコラムを0.4度の傾斜角度で作成する場合、ソイルセメントコラムn上端の位置とソイルセメントコラムn下端の位置が7.0[cm]ずれるという不都合が生じてしまう。
説明を元に戻すと、図3は本実施形態のソイルセメントコラム位置座標記録システムを示す全体平面図である。各ソイルセメントコラムの位置は点で表され、区別のために数字を附してある。施工現場の地表には、測量原点P1〜P5および仮ベンチマークKBMが予め設置されている。本実施形態では、地盤改良機210によって、多数の目標位置座標1〜107にソイルセメントコラムが順次作成される。各測量原点P1〜P5および各目標位置座標1〜107はX座標およびY座標で表される。
ソイルセメントコラムの施工の妨げにならない位置、つまり目標位置座標1〜107の範囲外、には測量機230が据え置かれる。測量機230は、複数の測量原点P1〜P5のうち少なくとも2点に基づき、位置検出用ターゲット219の位置を測定し、平面上の位置を表すX座標およびY座標を出力する。測定は、ソイルセメントコラム1本ずつに対し、作成中あるいは作成直後に実行される。作成直後とは、掘削刃216を地盤から引き抜いてから、クローラ222を動かして地盤改良機210がソイルセメントコラムの直上から離れるまでの期間をいう。
作業者はソイルセメントコラム毎に測量機230を操作して各ソイルセメントコラムの位置座標を測定する。あるいは作業者を測量機230に張り付けなくても、測量機230が測量用プログラムを実装し、測量機230自ら各ソイルセメントコラムの位置座標を順次測定する。
本実施形態では、低層建物の地盤改良のため、低層建物の四隅に相当する位置座標1,15,95,107で囲まれる矩形領域に多数本のソイルセメントコラムを作成する。この低層建物は地上3階建以下である。矩形領域の短辺および長辺はそれぞれ数メートルから数十メートルの範囲である。図3に示すように、幾つかのソイルセメントコラムの間隔は、1対のクローラ222の間隔よりも狭い。
測量機230が測定して出力する各ソイルセメントコラムの位置座標は、データ記録装置232に取得される。データ記録装置232は目標位置座標1から目標位置座標107まで全てのソイルセメントコラムの実際に作成された位置座標を順次取得して記録する。図4は目標位置座標1から目標位置座標107までのそれぞれに対応する記録データであり、X座標およびY座標で構成される。図4の記録データは、各ソイルセメントコラムの実際の位置座標であり、ソイルセメントコラム作成時にリアルタイムで取得される。
測量機230とデータ記録装置232間のデータ送受信は無線連絡により行う。本実施形態のデータ記録装置232は工事車両221(例えば操縦席223)に搭載される。データ記録装置232は、例えばハードディスクのような内蔵型メモリを有してもよいし、あるいは光ディスク、フラッシュメモリ、SDカードといった交換可能な記録媒体を装填されるものであってもよい。
なおデータ記録装置232が記録するソイルセメントコラムの位置座標データは、施工現場外に設置されるサーバにも無線で出力されるとよく、これにより位置座標データの保全がなされる。データ記録装置232からサーバへのデータ送信は、ソイルセメントコラム1本〜数本ずつ逐次、あるいは全データ一括であってもよい。また、このデータ送信に中継機を介在させてもよい。
無線は、例えばWifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)といった近距離無線通信手段であってもよいし、その他の無線手段であってもよい。
本実施形態のシステムは、1本のソイルセメントコラムの作成を完了した地盤改良機210が次のソイルセメントコラムの目標位置へ移動するまでの間にも、地盤改良機210の移動を支援することができる。
例えば地盤改良機210が次に作成するソイルセメントコラムの目標位置に接近すると(例えば最も近いソイルセメントコラム同士の芯芯距離をLmin[mm]として目標位置座標からLmin/2[mm]未満)、測量機230が位置検出用ターゲット219の現在位置座標を測定する。操縦席223に準備される携帯端末231には、次に作成するソイルセメントコラムの目標位置座標を記憶させておく。携帯端末231は、測量機230から無線で現在位置座標を取得し、目標位置座標との差分を算出して表示する。
これにより操縦席223のオペレーターは、携帯端末231を見ながら地盤改良機210およびスイベル217の位置を微細に調整し得て、効率良く、かつ精度良く、地盤改良機210の回転軸213および延長ロッド215を目標位置に正しくセットすることができる。なお携帯端末231は、アプリケーションをダウンロード可能な市販のスマートフォン、ノート型パソコン、あるいはタブレット型画像表示装置、等であってもよい。また図示しない変形例として、携帯端末231は上述したデータ記録装置232を兼用してもよい。
本実施形態のソイルセメントコラム位置座標記録システムは、位置検出用ターゲット219を備え、施工現場の地表を走行可能な地盤改良機210と、地表に設けられる測量原点P1,P2・・・と、測量原点P1,P2に基づいて目標位置座標1〜107に対応するソイルセメントコラムの作成時に位置検出用ターゲット219の位置座標を測定する測量機230と、測量機230から出力される位置座標を位置座標データとして取得して記録するデータ記録装置232とを具備する。そして測量機230は、各ソイルセメントコラムの作成時にその都度、各ソイルセメントコラムの実際の位置座標を測定する。またデータ記録装置232は、ソイルセメントコラム毎の位置座標に係るデータを取得して記録する。記録データは公正であり、操縦席223で地盤改良機210を操作するオペレーターおよび施工現場にいる他の作業者の恣意が介在しない。
データ記録装置232は、施工現場の操縦席223に準備される。あるいは、インターネットサーバのように施工現場から離れた位置に設置されてもよい。各ソイルセメントコラムの位置座標に係る107個のデータは、無線または無線中継により、測量機230からデータ記録装置232へ送信される。
本実施形態は、ソイルセメントコラムの目標位置座標1,2,3・・・・を記憶する目標位置座標記憶部としての携帯端末231を備える。携帯端末231は、位置座標1,2,3・・・・に対応するソイルセメントコラムの作成開始前に位置検出用ターゲット219の現在位置座標を測定し、目標位置座標と現在位置座標の差分を算出して表示する。
これによりオペレーターは、地盤改良機210を目標位置座標に効率良くセットすることができる。また本実施形態のデータ記録装置232は、測量機230から受信される目標位置座標と現在位置座標の差分に連動するものであってもよく、現在位置座標が目標位置座標に一致し、かつ位置検出用ターゲット219が所定距離を下降することをトリガーとして、現在位置座標をソイルセメントコラムの位置座標データとして自動的に記録するものであってもよい。
また本実施形態のデータ記録装置232は、傾斜送信部を介して、ソイルセメントコラム毎に、スイベル217に設けられる傾斜計の検出結果を取得して記録するとよい。これにより各ソイルセメントコラムが鉛直に延びることが公正に記録される。例えば図4中、Z欄に各ソイルセメントコラムの傾斜角度を記録する。傾斜角度Zは、鉛直からの乖離角度[°]であり、鉛直であれば0、鉛直でなければ0.1°以上の数値である。各ソイルセメントコラムが鉛直であるか否かを記録するための検出結果は、ソイルセメントコラム作成時に、傾斜計からリアルタイムでデータ記録装置232に取得される。なお記録のために傾斜計が傾斜(鉛直か否か)を検出するタイミングと、前述したソイルセメントコラムの実際に作成された位置座標を測定するタイミングは同期していてもよい。あるいはこれらのタイミングは別々であってもよい。例えば先に鉛直姿勢を検出して記録し、次に位置座標を測定して記録してもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。例えば上述した1の実施形態から一部の構成を抜き出し、上述した他の実施形態から他の一部の構成を抜き出し、これら抜き出された構成を組み合わせてもよい。
本発明は、地盤改良工事において有利に利用される。
1〜107 ソイルセメントコラムの目標位置座標、 210 地盤改良機、
211 リーダー、 213 回転軸、 213t 回転軸の上端、
214 駆動部、 215 延長ロッド、 216 掘削刃、
217 スイベル、 217h 接続口、 218 回り止め具、
218b 上端横架材、 218c 下端部、
219 位置検出用ターゲット 221 工事車両、 222 クローラ、
223 操縦席、 ホース、 228 固化材供給設備、
230 測量機、 231 携帯端末(目標位置座標記録部、差分表示部)、
232 データ記録装置、 O 回転軸の軸線、 P1〜P5 測量原点、
n ソイルセメントコラム、 s 地表。

Claims (8)

  1. 回転軸と、前記回転軸の下端部に設けられる掘削刃とを備え、前記掘削刃で地盤を掘削して該掘削により生じる土壌に固化材を攪拌混合してソイルセメントコラムを作成する地盤改良機に用いられる構造であって、
    前記回転軸の上端部に相対回転可能に連結されるスイベルと、
    前記スイベルに設けられる平面位置検出用ミラーターゲットとを備える、ソイルセメントコラムの平面位置検出構造。
  2. 前記平面位置検出用ミラーターゲットは、前記回転軸の軸線と同軸に配置され、前記スイベルの上端から突出する、請求項1に記載のソイルセメントコラムの平面位置検出構造。
  3. 前記スイベルに設けられる傾斜計をさらに備える、請求項1または2に記載のソイルセメントコラムの平面位置検出構造。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のソイルセメントコラムの平面位置検出構造を備え、施工現場の地表を走行可能な前記地盤改良機と、
    前記地表に設けられる測量原点と、
    前記測量原点に基づいて前記平面位置検出用ミラーターゲットの平面位置座標を測定する測量機と、
    前記測量機から出力される前記平面位置座標を平面位置座標データとして取得して記録するデータ記録装置とを具備し、
    前記測量機は、前記ソイルセメントコラムの作成時に前記平面位置座標を測定し、
    前記データ記録装置は、前記ソイルセメントコラム毎に前記平面位置座標データを取得して記録する、ソイルセメントコラム位置座標記録システム。
  5. 前記ソイルセメントコラムの平面位置検出構造は、前記スイベルに設けられる傾斜計と、前記傾斜計の検出結果を外部へ送信する傾斜送信部をさらに備え、
    前記データ記録装置は、前記ソイルセメントコラム毎に前記傾斜計の検出結果を取得して記録する、請求項4に記載のソイルセメントコラム位置座標記録システム。
  6. 前記データ記録装置は、前記施工現場から離れた位置に設置され、
    前記平面位置座標データは前記データ記録装置へ送信される、請求項4または5に記載のソイルセメントコラム位置座標記録システム。
  7. ソイルセメントコラムの目標平面位置座標を記憶する目標平面位置座標記憶部と、
    前記ソイルセメントコラムの作成開始前に前記測量機によって測定される前記平面位置検出用ミラーターゲットの現在平面位置座標と、前記目標平面位置座標との差分を算出して表示する差分表示部とをさらに備える、請求項4〜6のいずれかに記載のソイルセメントコラム位置座標記録システム。
  8. 前記差分表示部は前記地盤改良機を操作するオペレーターが視認可能な場所に置かれる携帯端末である、請求項7に記載のソイルセメントコラム位置座標記録システム。
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