JP6897932B2 - 異常検知装置、異常検知システム、及び発電装置 - Google Patents
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Description
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、自己発電を行う発電装置の異常を検知するための異常検知装置、及び異常検知システムに関するものである。
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
最初に、実施の形態に係る異常検知システムの構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る異常検知システムを示す概要図である。図1に示すように、この異常検知システム1は、発電装置10及び異常検知装置20を備えている。
発電装置10は、図示しない床面に形成された凹部分に設けられており、図1に示すように、収容部(図示省略)の内部において、複数の発電ユニット11、蓄電部12、送信部13、制御部14、及び記憶部15を備えている。
収容部は、複数の発電ユニット11、送信部13、制御部14、及び記憶部15を収容すると共に、人が歩行可能なものであって、当該歩行による外力を受けて変形可能な収容手段である。この収容部は、例えば公知の発電装置の収容部と略同様に構成されており、実施の形態では、樹脂材料や金属材料にて形成された略箱状体であり、固定板と、複数の支持板と、複数の可動板とを備えて構成されている(いずれも図示省略)。このうち、固定板は、平坦な板状体にて形成されており、床面の凹部分の底面に設けられている。複数の支持板は、板状体にて形成されており、固定板から可動板に向けて立ち上がるようにそれぞれ設けられ、固定板に対して接続されている。複数の可動板は、板状体にて形成されており、筐体の上端において固定板に対して可動可能なように略水平に設けられ、支持板に対して公知の嵌合構造によって支持されている。このような構成により、可動板が外力を受けていない場合には、可動板が水平状態となる。一方、可動板が外力を受けた場合には、可動板が固定板に近接する方向(下方向)に変形して非水平状態となる。
複数の発電ユニット11は、歩行中の人等によって加えられた押圧力を利用して発電を行うユニットであり、筐体の可動板に対応する位置にそれぞれ設けられている。また、これら複数の発電ユニット11は、例えば公知の発電装置の発電ユニットと略同様に構成されており、実施の形態では、少なくとも1つ以上の発電モジュールを備えている(図示省略)。なお、これら複数の発電ユニット11は相互に同様に構成することができるので、以下の構成の説明においては1つの発電ユニット11を対象に説明する。
発電モジュールは、発電ユニット11の基本構造体であり、左右方向又は前後方向に略沿って並設されており、圧電素子、振動板、周辺スペーサ、及び中心スペーサを備えている(いずれも図示省略)。
蓄電部12は、複数の発電ユニット11から出力された電力を蓄電すると共に、当該蓄電した電力を発電装置10の各部に供給するための蓄電手段であり、例えば充電式電池、バッテリ、コンデンサ、キャパシタ等の公知の蓄電手段を用いて構成されている。
送信部13は、発電装置10から送信される信号(以下、「送信信号」と称する)を送信する送信手段であり、例えば公知の電波用の無線送信機等を用いて構成されている。
制御部14は、発電装置10の各部を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(なお、後述する異常検知装置20の制御部26の構成についても同様とする)。また、この制御部14によって実行される処理の詳細については後述する。
記憶部15は、発電装置10の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。この記憶部15は、書き換え可能な記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる(なお、後述する異常検知装置20の記憶部27の構成についても同様とする)。
異常検知装置20は、発電装置10の異常を検知するための装置であり、発電装置10と通信可能な位置に設けられており、図1に示すように、受信部21、タッチパッド22、ディスプレイ(出力手段)23、スピーカ(出力手段)24、電源部25、制御部26、及び記憶部27を備えている。
受信部21は、発電装置10から送信された送信信号を受信する受信手段であり、例えば公知の電波用の無線受信機等を用いて構成されている。
タッチパッド22は、異常検知装置20のユーザの指等で押圧されることにより、当該ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。このタッチパッド22の具体的な構成は任意であるが、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のものを用いることができる。
ディスプレイ23は、制御部26の制御に基づいて各種の情報を表示する表示手段である。このディスプレイ23の具体的な構成は任意であるが、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いることができる。なお、上記のタッチパッド22とディスプレイ23をタッチパッド22として一体形成しても構わない。
スピーカ24は、制御部26の制御に基づいて各種の音声を出力する音声出力手段である。スピーカ24より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
電源部25は、異常検知装置20の各部に電力を供給する電力供給手段であり、例えば公知の乾電池や充電池を用いて構成されている。
制御部26は、異常検知装置20の各部を制御する制御手段であり、図1に示すように、機能概念的に、判定部26a、算出部26b、及び基準回数設定部26cを備えている。判定部26aは、第1送信回数と、後述する基準回数とに基づいて、発電装置10の異常の有無を判定する判定手段である。ここで、「第1送信回数」とは、送信信号の送信回数であって送信信号の送信を開始してから所定時間が経過するまでの送信回数を意味する。算出部26bは、第1送信回数と、第2送信回数情報とに基づいて、発電装置10の交換予定タイミングを算出する算出手段である。ここで、「第2送信回数情報」とは、第2送信回数を示す情報を意味する。また、「第2送信回数」とは、発電装置10から過去に送信された送信信号の送信回数であって送信信号の送信を開始してから所定時間が経過するまでの送信回数を意味する。基準回数設定部26cは、第1送信回数又は第2送信回数情報に基づいて、後述する基準回数を設定する基準回数設定手段である。なお、この制御部26によって実行される処理の詳細については後述する。
記憶部27は、異常検知装置20の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、図1に示すように、バッファ27aを備えている。
次に、このように構成された異常検知システム1によって実行される異常検知処理について説明する。図3は、実施の形態に係る発電装置10に関する異常検知処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。図4は、実施の形態に係る異常検知装置20に関する異常検知処理のフローチャートである。異常検知処理は、概略的には、発電装置10の異常を検知するための処理である。この異常検知処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態では、異常検知装置20の電源が投入されると共に、歩行中の人によって加えられた押圧力によって発電モジュールが電力を発生させ、当該発生させた電力が蓄電部12を介して送信部13、制御部14、及び記憶部15に供給された後(すなわち、これら送信部13、制御部14、及び記憶部15の電源がオン状態になった後)に、起動されるものとして説明する。
次に、図4のSB5の判定処理について説明する。図5は、実施の形態に係る判定処理のフローチャートである。判定処理は、発電装置10の異常の有無を判定するための処理である。
このように実施の形態によれば、発電装置10から送信された送信信号の送信回数である第1送信回数であって送信信号の送信を開始してから所定時間が経過するまでの第1送信回数と、基準回数とに基づいて、発電装置10の異常の有無を判定する判定部26aと、判定部26aの判定結果を示す情報を出力するディスプレイ23及びスピーカ24とを備えたので、特殊なセンサユニットを用いることなく発電装置10の異常の有無を正確に検知できる。よって、従来技術(センサユニットを用いて発電装置10の異常を検知する技術)に比べて、異常検知装置20の検知精度を維持しながら、製造コストを低減することが可能になる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
上記実施の形態では、発電装置10が、圧電素子を利用して自己発電を行う装置であると説明したが、これに限られない。例えば、電磁素子、エレクトレット、又は太陽電池等を利用して自己発電を行う装置であってもよい。
上記実施の形態では、異常検知装置20が、基準回数設定部26cを備えていると説明したが、これに限られず、例えば、異常検知装置20の記憶部27にあらかじめ基準回数が格納されている場合には、基準回数設定部26cを省略してもよい。また、上記実施の形態では、異常検知装置20が、バッファ27aを備えていると説明したが、これに限られず、例えば、バッファ27a以外の公知の記憶手段(一例として、データベース等)を備えてもよい。
上記実施の形態では、SA3、SA4において転送データ及び送信番号情報を含む送信信号を作成して異常検知装置20に送信すると説明したが、これに限られない。例えば、異常を検知する対象となる発電装置10が複数存在する場合には、転送データ及び送信番号情報に加えて、各発電装置10を一意に識別する情報(以下、「識別情報」と称する)を含む送信信号を作成して異常検知装置20に送信してもよい。この場合には、異常検知装置20は、複数の発電装置10を管理するセンタ装置として機能し、識別情報に基づいて発電装置10毎の異常検知処理を行う。また、バッファ27aの構成については、送信番号情報又は第2送信回数情報を発電装置10毎に分けて格納できるように、発電装置10毎に対応する複数の領域R1〜Rnに区分される。これにより、異常検知装置20において、データの蓄積及び解析結果に基づいて、複数の発電装置10の状態を一括して解析することができるので、例えば、各発電装置10が設置されている場所の環境特性(一例として気温、湿度等)を考慮した交換予定タイミングを算出することが可能となる。
上記実施の形態では、SC1において、図4のSB2にて図4のSB4の所定時間内に受信された送信信号のうち最後に受信された送信信号に含まれる送信番号情報の送信番号を、判定対象とすべき第1送信回数として特定すると説明したが、これに限られない。例えば、図4のSB5の処理が行われる直前において、以下の処理を行ってもよい。すなわち、まず、バッファ27aの領域R1から領域Rnに格納されている送信番号情報を値の大きい順に並べ替え、当該並べ替えた送信番号情報を新たに設けたバッファ(バッファ27aと略同一のバッファ。以下、「第1の他のバッファ」と称する)の領域R1から領域Rnに順に格納する。次に、第1の他のバッファに格納されている送信番号情報の中から、中央値を特定する。例えば、第1の他のバッファに格納されている送信番号情報が奇数の場合には、第1の他のバッファの領域(Rn+1)/2に格納されている送信番号情報を、中央値として特定する。また、第1の他のバッファに格納されている送信番号情報が偶数の場合には、第1の他のバッファの領域(Rn−2)/2に格納されている送信番号情報と、第1の他のバッファの領域Rn/2に格納されている送信番号情報との平均値を、中央値として特定する。次いで、第1の他のバッファに格納された送信番号情報を、新たに設けられたバッファ(バッファ27aと略同一のバッファ。以下、「第2の他のバッファ」と称する)の領域R2から領域Rn+1に順に格納する。続いて、第2の他のバッファの領域R1に、上記特定した中央値を格納する。そして、SC1において、第2の他のバッファの領域R1に格納された値(つまり、上記特定した中央値)を判定対象とすべき第1送信回数として特定する。このような処理により、第1送信回数を確実に特定することができる。また、第2の他のバッファの領域のうち隣り合う領域の値の偏差値と上述した回帰式とに基づいて交換予定タイミングを算出することができる(特に、第2の他のバッファのサイズが大きいほど、交換予定タイミングを正確に算出することが可能となる)。あるいは、図4のSB2にて図4のSB4の所定時間内に受信された送信信号のうち最後に受信された送信信号以外の送信信号(一例として、SB4の所定時間内に受信された送信信号のうち、最初の受信時点と最後の受信時点との中間の時点で受信された送信信号等)に含まれる送信番号情報の送信番号を、第1送信回数として特定してもよい。あるいは、バッファ27aの領域R1から領域Rnに格納されている送信番号情報の平均値又は最大値を、第1送信回数として特定してもよい。
付記1の異常検知装置は、自己発電を行う発電装置の異常を検知するための異常検知装置であり、前記発電装置と通信可能に接続されている異常検知装置であって、前記発電装置から送信された信号を受信する受信手段と、前記発電装置から送信された前記信号の送信回数である第1送信回数であって前記信号の送信を開始してから所定時間が経過するまでの第1送信回数と、基準回数とに基づいて、前記異常の有無を判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果を示す情報を出力する出力手段と、を備えた。
付記1に記載の異常検知装置、又は付記6に記載の異常検知システムによれば、発電装置から送信された信号の送信回数である第1送信回数であって信号の送信を開始してから所定時間が経過するまでの第1送信回数と、基準回数とに基づいて、異常の有無を判定する判定手段と、判定手段の判定結果を示す情報を出力する出力手段とを備えたので、特殊なセンサユニットを用いることなく発電装置の異常の有無を正確に検知できる。よって、従来技術(センサユニットを用いて発電装置の異常を検知する技術)に比べて、異常検知装置の検知精度を維持しながら、製造コストを低減することが可能になる。
10 発電装置
11 発電ユニット
12 蓄電部
13 送信部
14 制御部
15 記憶部
20 異常検知装置
21 受信部
22 タッチパッド
23 ディスプレイ
24 スピーカ
25 電源部
26 制御部
26a 判定部
26b 算出部
26c 基準回数設定部
27 記憶部
27a バッファ
R1〜R5、Rn 領域
Claims (6)
- 自己発電を行う発電装置の異常を検知するための異常検知装置であり、前記発電装置と通信可能に接続されている異常検知装置であって、
前記発電装置から送信された信号を受信する受信手段と、
前記発電装置から送信された前記信号の送信回数である第1送信回数であって前記信号の送信を開始してから所定時間が経過するまでの第1送信回数と、基準回数とに基づいて、前記異常の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果を示す情報を出力する出力手段と、を備え、
前記判定手段は、前記第1送信回数が前記基準回数を下回るか否かに基づいて、前記異常の有無を判定する、
異常検知装置。 - 前記発電装置から過去に送信された前記信号の送信回数である第2送信回数であって前記信号の送信を開始してから前記所定時間が経過するまでの第2送信回数を示す第2送信回数情報を格納する第2送信回数情報格納手段を備え、
前記判定手段は、
前記第1送信回数、及び前記第2送信回数情報格納手段に格納されている前記第2送信回数情報の前記第2送信回数のうち、前記基準回数を下回る送信回数が所定数連続しているか否か、又は、前記第1送信回数、及び前記第2送信回数情報格納手段に格納されている前記第2送信回数情報の前記第2送信回数のうち、前記基準回数を下回る送信回数が所定数含まれている否かに基づいて、前記異常の有無を判定する、
請求項1に記載の異常検知装置。 - 前記基準回数と、前記第1送信回数と、前記第2送信回数情報とに基づいて、前記発電装置の交換予定タイミングを算出する算出手段を備え、
前記出力手段は、前記算出手段にて算出された前記交換予定タイミングを示す情報を出力する、
請求項2に記載の異常検知装置。 - 前記第1送信回数又は前記第2送信回数情報に基づいて、前記基準回数を設定する基準回数設定手段を備えた、
請求項2又は3に記載の異常検知装置。 - 前記信号は、前記第1送信回数を特定するための送信番号を示す送信番号情報を含み、
前記判定手段は、前記受信手段にて前記所定時間内に受信された前記信号のうち最後に受信された前記信号に含まれる前記送信番号情報の送信番号を、判定対象とすべき前記第1送信回数として特定する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の異常検知装置。 - 自己発電を行う発電装置の異常を検知するための異常検知システムであり、前記発電装置と、前記発電装置と通信可能に接続されている異常検知装置とを備えた異常検知システムであって、
前記発電装置は、
信号を送信する送信手段を備え、
前記異常検知装置は、
前記発電装置から送信された前記信号を受信する受信手段と、
前記発電装置から送信された前記信号の送信回数である第1送信回数であって前記信号の送信を開始してから所定時間が経過するまでの第1送信回数と、基準回数とに基づいて、前記異常の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果を示す情報を出力する出力手段と、を備え、
前記判定手段は、前記第1送信回数が前記基準回数を下回るか否かに基づいて、前記異常の有無を判定する、
異常検知システム。
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