JP6897548B2 - 車両の制動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制動装置に関する。
特許文献1には、自動車等の車両において、車輪の回転が伝達される回転電機を発電機として動作させることによって車両の回生制動を行うことが記載されている。また、電気自動車等の車両においては、ユーザーの操作に基づき電子制御装置が車両の回生制動を行い、その回生制動によって車両の減速及び停止を行うようにしている。
特開平10−14009号公報
しかし、上述したように回生制動がおこなわれる車両では、例えば電源遮断による回生制動に関する異常が生じたときの対処について改善の余地があった。
本発明の目的は、回生制動に関する異常が生じたときに適切に対処することができる車両の制動装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する車両の制動装置は、車輪の回転が伝達される回転電機を発電機として動作させることによって車両の回生制動を行う。同装置は、車輪に対し押圧動作を行うことにより摩擦に基づく制動力を同車輪に付与する摩擦制動機を備える。更に、同装置は、摩擦制動機を押圧動作させるべく、その摩擦制動機に接続されて同摩擦制動機に対しブレーキフルードの液圧を作用させるブレーキライン、及び、同ブレーキラインに接続されて摩擦制動機に作用するブレーキフルードの液圧を上昇させる昇圧装置も備える。ブレーキラインにおける摩擦制動機と上記昇圧装置との間の部分には、通常は上記部分を遮断状態とすべく閉弁されている一方、回生制動の異常時には上記部分を連通状態とすべく開弁される開閉バルブが設けられる。
この構成によれば、回生制動に関する異常が生じると、ブレーキラインにおける摩擦制動機と昇圧装置との間の部分が開閉バルブの開弁を通じて連通状態となり、昇圧装置によって摩擦制動機に作用するブレーキフルードの液圧が上昇される。その結果、車輪に対する摩擦制動機の押圧動作が行われて同車輪に摩擦に基づく制動力が付与される。このように摩擦制動機による摩擦に基づく制動力が車輪に付与されることにより、例えば電源遮断による回生制動に関する異常が生じたときに車両の減速及び停止を行うことができるようになる。
なお、上記車両は、ユーザーによる運転が行われる手動運転モードとユーザーによる運転が行われない自動運転モードとの間で運転モードが切り換えられるものとすることが考えられる。この場合、ブレーキラインにおける開閉バルブと摩擦制動機との間の部分が、ユーザーによる操作を通じて摩擦制動機に作用するブレーキフルードの液圧を変化させるマスタシリンダに繋がるようにする。更に、ブレーキラインにおける開閉バルブと摩擦制動機との間の部分に、同摩擦制動機の連通先を開閉バルブとマスタシリンダとのいずれかに切り換えるための切換バルブを設ける。そして、切換バルブについては、車両の運転モードが手動運転モードであるときには摩擦制動機の連通先をマスタシリンダとするよう切り換えられる一方、車両の運転モードが自動運転モードであるときには摩擦制動機の連通先を開閉バルブとするよう切り換えられるものとされる。
上記構成によれば、車両の運転モードが手動運転モードであるときには、切換バルブの切り換えを通じて摩擦制動機の連通先がマスタシリンダとされる。そして、ユーザーによるマスタシリンダの操作を通じて、摩擦制動機に作用するブレーキフルードの液圧を上昇させることによって車輪に対する摩擦制動装置の押圧動作が行われ、同車輪に摩擦に基づく制動力が付与される。一方、車両の運転モードが自動運転モードであるときには、ユーザーによる運転が行われない自動運転中であるため、車輪の回転が伝達される回転電機を発電機として動作させることによって車両の回生制動が行われ、この回生制動を通じて車両の減速及び停止が行われる。また、こうした自動運転モードにおいては、切換バルブの切り換えを通じて摩擦制動機の連通先が開閉バルブとされる。このため、自動運転モードでの車両の運転中、回生制動に関して異常が生じると、開閉バルブが開弁して摩擦制動機に作用するブレーキフルードの液圧が昇圧装置によって上昇される。その結果、車輪に対する摩擦制動機の押圧動作が行われて同車輪に摩擦に基づく制動力が付与される。このように運転モードが手動運転モードと自動運転モードとの間で切り換えられる車両において、回生制動が行われる自動運転モード中に、回生制動に関する異常が生じたとしても適切に対処することができる。
上記開閉バルブについては、常開式の電磁バルブとすることが考えられる。
この構成によれば、電源に関する異常が生じていないときには、電磁バルブに設けられた電磁ソレノイドが励磁されることにより、同電磁バルブが閉弁されてブレーキラインにおける摩擦制動機と昇圧装置との間の部分が遮断状態とされる。そして、車両における電源遮断という異常が生じたときには、上記電磁バルブの電磁ソレノイドが消磁されるため、同電磁バルブが開弁されてブレーキラインにおける摩擦制動機と昇圧装置との間の部分が連通状態とされる。その結果、昇圧装置によって摩擦制動機に作用するブレーキフルードの液圧が上昇され、車輪に対する摩擦制動機の押圧動作が行われて同車輪に摩擦に基づく制動力が付与される。従って、車両における電源遮断という異常が生じたとき、自動的にブレーキラインにおける摩擦制動機と昇圧装置との間の部分が電磁バルブの開弁を通じて連通状態とされ、摩擦制動機による制動力が車輪に付与される。
なお、上記昇圧装置は、同装置に接続された前記ブレーキライン内のブレーキフルードに対しばねの付勢力を作用させることにより、同ブレーキフルードの液圧を上昇させるものとすることが考えられる。
この構成によれば、昇圧装置を簡単な構成で実現することができ、同昇圧装置を設けることによる制動装置の製造コストの増加を抑制することができる。
また、上記昇圧装置は、同装置に接続されたブレーキライン内のブレーキフルードに対するばねの付勢力の作用を解除することが可能な構造を有するものとすることが考えられる。
この構成によれば、例えば電源遮断による回生制動に関する異常が生じて昇圧装置により摩擦制動機に作用するブレーキフルードの液圧が上昇されることにより、同摩擦制動機による制動力が車輪に対し付与された後、昇圧装置におけるばねのブレーキライン内のブレーキフルードに対する付勢力の作用が解除される。その結果、摩擦制動機に作用するブレーキフルードの液圧が低下し、摩擦制動機による車輪に対する制動力の付与が解除されるため、車両を修理工場等に移動させることが可能となる。
本発明によれば、回生制動に関する異常が生じたときに適切に対処することができる。
車両の制動装置の全体構成を示す略図。 手動運転モードにおけるブレーキに対するブレーキラインの接続態様を示す略図。 自動運転モードにおけるブレーキに対するブレーキラインの接続態様を示す略図。
以下、車両の制動装置の一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1は、手動運転モードと自動運転モードとの間で運転モードが切り換えられる車両に適用される制動装置の全体構成を示している。なお、上記手動運転モードは、ユーザーによる車両の運転が行われる運転モードである。また、上記自動運転モードは、ユーザーによる車両の運転が行われず、同車両に搭載された電子制御装置1による自動的な運転が行われる運転モードである。
車両の制動装置は、車輪の回転が伝達される回転電機2を発電機として動作させることによって車両の回生制動を行い、その回生制動を通じて車両の減速及び停止を行う。上記回転電機2は、電子制御装置1を通じて制御されるものであって、車両における各車輪、すなわち右前輪3、左前輪4、右後輪5、及び左後輪6に対応して設けられている。なお、上述した車両の回生制動は、少なくとも車両の運転モードが自動運転モードであるときに行われるものであり、車両の運転モードが手動運転モードであるときに行うことも可能である。
次に、自動運転モードにおいて例えば車両の電源遮断により回生制動に異常が生じたとき、車両の制動を行う構造について説明する。
車両の制動装置は、右前輪3に固定されたロータ7aに対し押圧動作を行うことによって摩擦に基づく制動力を右前輪3に付与するディスクブレーキ7、及び、左前輪4に固定されたロータ8aに対し押圧動作を行うことによって摩擦に基づく制動力を左前輪4に付与するディスクブレーキ8を備えている。これらディスクブレーキ7,8は、車輪に対し押圧動作を行うことにより摩擦に基づく制動力を同車輪に付与する摩擦制動機としての役割を担う。
また、車両の制動装置は、右後輪5に固定されたドラム9aに対し押圧動作を行うことにより摩擦に基づく制動力を右後輪5に付与するドラムブレーキ9、及び、左後輪6に固定されたドラム10aに対し押圧動作を行うことにより摩擦に基づく制動力を左後輪6に付与するドラムブレーキ10を備えている。これらドラムブレーキ9,10も、車輪に対し押圧動作を行うことにより摩擦に基づく制動力を同車輪に付与する摩擦制動機としての役割を担う。
上記ディスクブレーキ7にはブレーキライン11が接続されており、上記ディスクブレーキ8にはブレーキライン12が接続されている。これらブレーキライン11,12は、ディスクブレーキ7,8を押圧動作させるべく、ディスクブレーキ7,8に対しブレーキフルードの液圧を作用させるためのものである。一方、上記ドラムブレーキ9にはブレーキライン13が接続されており、上記ドラムブレーキ10にはブレーキライン14が接続されている。これらブレーキライン13,14は、ドラムブレーキ9,10を押圧動作させるべく、ドラムブレーキ9,10に対しブレーキフルードの液圧を作用させるためのものである。
上記ブレーキライン11と上記ブレーキライン14とは、プロポーショニングバルブ15に接続されている。このプロポーショニングバルブ15は、上記ディスクブレーキ7に作用するブレーキフルードの液圧と上記ドラムブレーキ10とに作用するブレーキフルードの液圧とを調整するためのものである。また、上記ブレーキライン12と上記ブレーキライン13とは、プロポーショニングバルブ16に接続されている。このプロポーショニングバルブ16は、上記ディスクブレーキ8に作用するブレーキフルードの液圧と上記ドラムブレーキ9とに作用するブレーキフルードの液圧とを調整するためのものである。
上記プロポーショニングバルブ15は、ブレーキライン17を介して切換バルブ18に接続されている。また、上記プロポーショニングバルブ16は、ブレーキライン19を介して切換バルブ20に接続されている。切換バルブ18,20は、ブレーキライン21を介して、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10に作用するブレーキフルードの液圧を上昇させる昇圧装置22に接続されている。
昇圧装置22は、同装置22に接続されたブレーキライン21内のブレーキフルードに対し、ばね25の付勢力を作用させることによって上記ブレーキフルードの液圧を上昇させるものである。詳しくは、昇圧装置22は、シリンダ23とピストン24とばね25とを備えている。そして、同装置22においては、シリンダ23内に収容されたピストン24によって同シリンダ23内に区画された加圧室26が上記ブレーキライン21と繋がっており、その加圧室26の容積を縮小する方向にピストン24がばね25の付勢力によって押圧されている。従って、上記ブレーキライン21及び上記加圧室26内のブレーキフルードは常にばね25の付勢力によって押圧されており、それに伴い上記ブレーキフルードの液圧が高められた状態となっている。
また、昇圧装置22は、加圧室26及びブレーキライン21内のブレーキフルードに対するばね25の付勢力の作用を解除することが可能な構造を有している。詳しくは、昇圧装置22には、ばね25を縮める方向に締め付けられたり同ばね25が伸びる方向に緩めたりすることが可能なナット27が設けられている。そして、昇圧装置22においては、ナット27を緩めてばね25を伸びる方向に変位させることにより、ばね25の付勢力によるピストン24の加圧室26の容積を縮小する方向についての押圧が解除される。これにより、加圧室26及びブレーキライン21内のブレーキフルードに対するばね25の付勢力の作用を解除することができる。
また、上記ブレーキライン21は、昇圧装置22の加圧室26に接続される一方で、切換バルブ18,20寄りの部分が二つに分岐した状態で同切換バルブ18,20に対しそれぞれ接続されている。ブレーキライン21において、二つに分岐した部分と昇圧装置22との間の部分には、同部分を連通遮断すべく開閉する開閉バルブ28が設けられている。この開閉バルブ28は、電磁ソレノイドの電磁力とスプリングの付勢力とに基づいて開閉動作する常開式の電磁バルブである。同開閉バルブ28は、ブレーキライン11〜14,17,19,21において、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10と上記昇圧装置22との間の部分に位置している。
開閉バルブ28は、通常は電子制御装置1からの指令に基づいて車両に搭載されたバッテリからの電力供給を受け、電磁ソレノイドが励磁されるようになっている。このように電磁ソレノイドを励磁させると、同電磁ソレノイドの電磁力がスプリングの付勢力よりも大きくなり、そのスプリングの付勢力に抗して開閉バルブ28が閉弁される。このように開閉バルブ28が閉弁されているときには、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10と上記昇圧装置22との間が遮断状態となり、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10に作用するブレーキフルードの液圧が昇圧装置22によって上昇させられることはない。
ところで、自動運転モードとなっている車両において電源遮断という異常が生じると、回転電機2を発電機として動作させることができなくなることから、車両の回生制動を実行できないという異常に繋がる。こうした電源遮断等の異常時には、それに伴って開閉バルブ28の電磁ソレノイドに対する電力供給が遮断されるため、励磁状態にあった電磁ソレノイドが消磁される。このように電磁ソレノイドが消磁されると、同電磁ソレノイドの電磁力がスプリングの付勢力よりも小さくなり、そのスプリングの付勢力によって開閉バルブ28が開弁される。
そして、開閉バルブ28が開弁されると、ブレーキライン11〜14,17,19,21におけるディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10と上記昇圧装置22との間が連通状態となり、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10に作用するブレーキフルードの液圧が昇圧装置22によって上昇させられる。その結果、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10の押圧動作が行われて右前輪3、左前輪4、右後輪5、及び左後輪6に対し摩擦に基づく制動力が付与される。従って、自動運転モード中に例えば電源遮断が生じたとしても、上述したように摩擦に基づく制動力が車輪に対し付与されることにより、車両の減速及び停止を行うことができる。
なお、このように昇圧装置22を通じてディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10による制動力が車輪に付与された後、車両を修理のために移動させる場合には昇圧装置22のナット27が緩められる。ナット27を緩めて昇圧装置22のばね25を伸びる方向に変位させると、ばね25の付勢力によるピストン24の加圧室26の容積を縮小する方向についての押圧が解除される。これにより、加圧室26及びブレーキライン21内のブレーキフルードに対するばね25の付勢力の作用が解除され、昇圧装置22を通じてディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10に作用しているブレーキフルードの液圧が低下する。その結果、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10による車輪に対する制動力の付与が解除され、車両を修理工場等に移動させることが可能となる。
次に、手動運転モードにおいてユーザーの操作によって車両の制動を行う構造について説明する。
車両の制動装置における上記切換バルブ18,20は、ブレーキライン11〜14,17,19,21において、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10と開閉バルブ28との間の部分に位置している。また、上記切換バルブ18,20は、ブレーキライン29,30を介して、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10に作用するブレーキフルードの液圧を調整するためのマスタシリンダ31に接続されている。このマスタシリンダ31は、車両のユーザーによるブレーキペダル32の操作を通じて、ドラムブレーキ9,10に作用するブレーキフルードの液圧を変化させるよう動作する。
ブレーキライン11〜14,17,19,21において、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10と開閉バルブ28との間の部分は、上記ブレーキライン29,30によってマスタシリンダ31に繋がっている。また、上記部分に設けられた切換バルブ18,20は、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10の連通先を開閉バルブ28とマスタシリンダ31とのいずれかに切り換えるためのものであって、電子制御装置1を通じて制御される。
電子制御装置1は、車両の運転モードが自動運転モードであるときには、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10の連通先が開閉バルブ28となるよう切換バルブ18,20を切り換える。すなわち、ブレーキライン17がブレーキライン29に対し遮断される一方でブレーキライン21に対し連通するよう切換バルブ18を切り換えるとともに、ブレーキライン19がブレーキライン30に対し遮断される一方でブレーキライン21に対し連通するよう切換バルブ20を切り換える。
また、電子制御装置1は、車両の運転モードが手動運転モードであるときには、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10の連通先がマスタシリンダ31となるよう切換バルブ18,20を切り換える。すなわち、ブレーキライン17がブレーキライン21に対し遮断される一方でブレーキライン29に対し連通するよう切換バルブ18を切り換えるとともに、ブレーキライン19がブレーキライン21に対し遮断される一方でブレーキライン30に対し連通するよう切換バルブ20を切り換える。
車両の運転モードが手動運転モードであるときには、上述した切換バルブ18,20の切り換えを通じてディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10の連通先がマスタシリンダ31とされる。このため、ユーザーによるマスタシリンダ31(ブレーキペダル32)の操作を通じて、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10に作用するブレーキフルードの液圧を上昇させることにより、車輪に対するディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10の押圧動作が行われ、車輪に対し摩擦に基づく制動力が付与されるようになる。
次に、本実施形態における車両の制動装置の動作について説明する。
図2は、車両の運転モードが手動運転モードであるときのブレーキライン17,19に対するブレーキライン21,29,30の接続態様を示している。車両の運転モードが手動運転モードであるときには、切換バルブ18,20の切り換えを通じて、ブレーキライン21が図2に二点鎖線で示されるようにブレーキライン17,19に対し遮断状態とされる一方、ブレーキライン29,30がブレーキライン17,19に対し連通状態とされる。そして、手動運転モードにおける車両の制動は、ユーザーによるブレーキペダル32(マスタシリンダ31)の操作を通じて行われる。
図3は、車両の運転モードが自動運転モードであるときのブレーキライン17,19に対するブレーキライン21,29,30の接続態様を示している。自動運転モードにおける車両の制動は、ユーザーによる運転が行われない自動運転中であるため、電子制御装置1による回転電機2の制御に基づく回生制動によって行われる。また、車両の運転モードが自動運転モードであるときには、切換バルブ18,20の切り換えを通じて、ブレーキライン29,30が図3に二点鎖線で示されるようにブレーキライン17,19に対し遮断状態とされる一方、ブレーキライン21がブレーキライン17,19に対し連通状態とされる。
従って、自動運転モードにおいては、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9の連通先が開閉バルブ28とされる。このため、自動運転モードでの車両の運転中、車両での電源遮断という回生制動に影響を及ぼす異常が生じると、常開式の電磁バルブである開閉バルブ28が開弁し、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9に作用するブレーキフルードの液圧が昇圧装置22によって上昇される。その結果、車輪に対するディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9の押圧動作が行われて同車輪に対し摩擦に基づく制動力が付与される。このように自動運転モードに上述したような異常が生じたとしても、摩擦に基づく制動力を車輪に付与して車両の減速及び停止を行うことができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)車両において例えば電源遮断が生じたとき、それに適切に対処することができる。詳しくは、運転モードが手動運転モードと自動運転モードとの間で切り換えられる車両において、回生制動が行われる自動運転モード中に車両での電源遮断という回生制動に関係する異常が生じたとき、車輪に対し摩擦に基づく制動力を付与して車両の減速及び停止を行うことができる。
(2)開閉バルブ28として常開式の電磁バルブが用いられているため、自動制御モード中に回生制動に関する異常として、車両における電源遮断という異常が生じたときには、開閉バルブ28の電磁ソレノイドが消磁されることにより、開閉バルブ28が開弁されるようになる。その結果、ブレーキライン11〜14,17,19,21において、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10と昇圧装置22との間の部分が連通状態とされる。これにより、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10に作用するブレーキフルードの液圧を昇圧装置22によって上昇させることができ、車輪に対するディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10の押圧動作を通じて同車輪に対し摩擦に基づく制動力を付与することができる。
(3)昇圧装置22は、同装置22の加圧室26に接続されたブレーキライン21と上記加圧室26内のブレーキフルードに対し、ばね25の付勢力を作用させることにより、同ブレーキフルードの液圧を上昇させるものとされている。このため、昇圧装置22を簡単な構成で実現することができ、同昇圧装置22を設けることによる制動装置の製造コストの増加を抑制することができる。
(4)昇圧装置22は、加圧室26及びブレーキライン21内のブレーキフルードに対するばね25の付勢力の作用を解除することが可能な構造を有している。同装置22においては、ナット27を緩めてばね25を伸びる方向に変位させることにより、ばね25の付勢力によるピストン24の加圧室26の容積を縮小する方向についての押圧が解除される。これにより、加圧室26及びブレーキライン21内のブレーキフルードに対するばね25の付勢力の作用が解除される。このため、回生制動に関係する異常が生じてディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10による制動力が車輪に対し付与された後、昇圧装置22のナットを緩めることにより、ディスクブレーキ7,8及びドラムブレーキ9,10に作用するブレーキフルードの液圧が低下する。そして、このように液圧を低下させることにより、車輪に対する上記制動力の付与が解除され、車両を修理工場等に移動させることができるようになる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・昇圧装置22は、ブレーキライン21内のブレーキフルードに対し、ばね25の付勢力を作用させるものである必要はなく、ばね25の付勢力の代わりにエア圧等を作用させるものであってもよい。
・開閉バルブ28については、必ずしも常開式の電磁バルブを採用する必要はなく、開弁と閉弁との両方を電磁ソレノイドの電磁力を作用させることで実現する電磁バルブを採用することも可能である。この場合、回生制動に関係する異常として、車両における電源遮断以外の異常が発生したとき、開閉バルブ28を電子制御装置1による制御を通じて開弁状態とすることによって上記異常に対処することができる。
・手動運転モードと自動運転モードとの間で運転モードが切り換えられる車両に本発明を適用したが、運転モードが自動運転モードのみの車両に本発明を適用してもよい。この場合、マスタシリンダ31、ブレーキライン29,30,及び切換バルブ18,20が省略されるとともに、ブレーキライン21が直接的にブレーキライン17,19に対し接続される。
・回転電機2は、回生制動が行えれば、必ずしも各車輪ごとに設けられている必要はなく、例えば一つの回転電機を用いて後輪のみ回生制動を行う構成等が採用されていてもよい。
・手動運転モードと自動運転モードとの間で運転モードが切り換えられる車両に本発明を適用したが、運転モードが手動運転モードのみの車両であって、ユーザーによるブレーキペダル32の操作に基づき電子制御装置1が車両の回生制動を行い、その回生制動によって車両の減速及び停止を行う車両に本発明を適用してもよい。なお、こうした車両としては、例えば電気自動車があげられる。この場合、マスタシリンダ31、ブレーキライン29,30,及び切換バルブ18,20が省略されるとともに、ブレーキライン21が直接的にブレーキライン17,19に対し接続される。
1…電子制御装置、2…回転電機、3…右前輪、4…左前輪、5…右後輪、6…左後輪、7…ディスクブレーキ、7a…ロータ、8…ディスクブレーキ、8a…ロータ、9…ドラムブレーキ、9a…ドラム、10…ドラムブレーキ、10a…ドラム、11…ブレーキライン、12…ブレーキライン、13…ブレーキライン、14…ブレーキライン、15…プロポーショニングバルブ、16…プロポーショニングバルブ、17…ブレーキライン、18…切換バルブ、19…ブレーキライン、20…切換バルブ、21…ブレーキライン、22…昇圧装置、23…シリンダ、24…ピストン、25…ばね、26…加圧室、27…ナット、28…開閉バルブ、29…ブレーキライン、30…ブレーキライン、31…マスタシリンダ、32…ブレーキペダル。

Claims (3)

  1. 車輪の回転が伝達される回転電機を発電機として動作させることによって車両の回生制動を行う車両の制動装置であって、
    前記車輪に対し押圧動作を行うことにより摩擦に基づく制動力を同車輪に付与する摩擦制動機と、
    前記摩擦制動機を押圧動作させるべく、その摩擦制動機に接続されて同摩擦制動機に対しブレーキフルードの液圧を作用させるブレーキラインと、
    前記ブレーキラインに接続されて前記摩擦制動機に作用するブレーキフルードの液圧を上昇させる昇圧装置と、
    前記ブレーキラインにおける前記摩擦制動機と前記昇圧装置との間の部分に設けられている開閉バルブと、
    前記ブレーキラインにおける前記開閉バルブと前記摩擦制動機との間の部分に繋がっており、ユーザーによる操作を通じて前記摩擦制動機に作用するブレーキフルードの液圧を変化させるマスタシリンダと、
    前記ブレーキラインにおける前記開閉バルブと前記摩擦制動機との間の部分に設けられており、前記摩擦制動機の連通先を前記開閉バルブと前記マスタシリンダとのいずれかに切り換えるための切換バルブと、を備え、
    前記車両は、ユーザーによる運転が行われる手動運転モードとユーザーによる運転が行われない自動運転モードとの間で運転モードが切り換えられるものであり、
    前記切換バルブは、前記車両の運転モードが前記手動運転モードであるときには前記摩擦制動機の連通先を前記マスタシリンダとするよう切り換えられる一方、前記車両の運転モードが前記自動運転モードであるときには前記摩擦制動機の連通先を前記開閉バルブとするよう切り換えられるものであり、
    前記開閉バルブは、前記車両が前記自動運転モードで運転中であるときには、電力供給による電磁ソレノイドの励磁によって前記ブレーキラインにおける前記摩擦制動機と前記昇圧装置との間を遮断状態とすべく閉弁されている一方、前記自動運転モードでの前記車両の運転中に異常な電源遮断が生じたときには、当該電源遮断による前記電磁ソレノイドの消磁によって前記ブレーキラインにおける前記摩擦制動機と前記昇圧装置との間を連通状態とすべく開弁される常開式の電磁バルブである車両の制動装置。
  2. 前記昇圧装置は、同装置に接続された前記ブレーキライン内のブレーキフルードに対しばねの付勢力を作用させることにより、同ブレーキフルードの液圧を上昇させるものである請求項に記載の車両の制動装置。
  3. 前記昇圧装置は、同装置に接続された前記ブレーキライン内のブレーキフルードに対するばねの付勢力の作用を解除することが可能な構造を有している請求項に記載の車両の制動装置。
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