JP6897403B2 - 据込鍛造機及びそれを用いたビレットの製造方法 - Google Patents

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本発明は、据込鍛造機及びそれを用いたビレットの製造方法に関する。
近年、自動車や船舶などに使用される部材には、高強度及び高靱性が要求されるようになっている。これらの部材は、たとえば型鍛造又は鋳造によって製造される。以下、型鍛造により製造される部材を「型鍛造部材」といい、鋳造により製造される部材を「鋳造部材」という。型鍛造部材又は鋳造部材はたとえば、クランクシャフト、フロントアクスル及びコンロッドである。型鍛造部材は、鋳造部材と比較して、強度及び靱性が高い。そのため、鍛造クランクシャフト等の型鍛造部材の需要が高まっている。
型鍛造部材は、所望の形状の型を用いて、素材を型鍛造することで成形される。たとえば鍛造クランクシャフトは、クランクシャフトの形状の型を用いて、ビレット等の素材を型鍛造することで成形される。
型鍛造すると、型鍛造部材の一部には鍛造欠陥が発生する場合がある。鍛造欠陥は様々な要因で引き起こされる。たとえば、素材が金型内に充満する際の不良によって鍛造欠陥が発生する。鍛造欠陥はたとえば、かぶさりきず、かじりきず、しわきず及びスケールきず等である。鍛造欠陥が発生すれば、歩留まりが低下する。そのため、型鍛造部材の鍛造欠陥は抑制される方が望ましい。
ところで、型鍛造では、素材のうち型の体積を超える分の余材がバリとして型の外にはみ出す。バリは、型鍛造の後に除去される。バリの体積が少ないほど、歩留まりが高まる。
バリの体積を減らすため、型鍛造前の素材に対する体積配分がこれまで検討されてきた。体積配分はたとえば、ロール成形及び曲げ加工等を施すことで行われる。ロール成形及び曲げ加工により、型鍛造前の素材の長さ方向の体積分布を、型鍛造部材の長さ方向の体積分布に近づける。この体積配分により、型鍛造後のバリの体積を減らし、歩留まりを高めることができる。体積配分により、型鍛造後のバリの体積を減らす方法がたとえば、特開2001−47177号公報(特許文献1)に記載されている。
体積配分によりバリの体積を減少させる技術は数多く提案されている。一方、素材の外径を、型鍛造部材を製造するのに必要最低限な寸法にすることによっても、バリの体積を減らし、歩留まりを高めることができる。
しかしながら、型鍛造部材の素材の大きさの種類には限りがある。たとえばクランクシャフトでは、素材となるビレットの外径の種類に制限がある。ビレットは通常、分塊圧延を経て製造される。分塊圧延では、一対の水平ロールセット(上ロール及び下ロール)を用いて鋳片を圧延してビレットを製造する。各上下ロールはカリバーと呼ばれる孔型を有する。ビレットの外径は、この孔型に応じて決まる。一対の水平ロールが備えることが可能な孔型の数は限られる。したがって、複数種類のサイズのビレットを製造する場合、異なる孔型を有する水平ロールセットを複数準備しなければならない。さらに、所望のサイズのビレットを製造するために、分塊圧延機の水平ロールセットを交換しなければならない。このような水平ロールセットの交換を、ロール組替えという。ロール組替えの頻度が高ければ、生産性が低下する。
分塊圧延機を用いずに、複数種類のサイズのビレットを製造する技術が、特開昭59−147702号公報(特許文献2)及び特開昭59−225802号公報(特許文献3)に提案されている。特許文献2及び特許文献3では、3個の傾斜ロールを備えた傾斜圧延機を用いて、横断面が円形状の鋼材(丸素材)を縮径圧延してビレットを製造する。この場合、種々のサイズのビレットを製造でき、内部品質も向上できる、と特許文献2及び特許文献3には記載されている。
特開2001−47177号公報 特開昭59−147702号公報 特開昭59−225802号公報
特許文献2及び特許文献3に記載の方法によれば、ロール組替えを行わずに、型鍛造品を製造するのに必要最低限な外径寸法を有するビレットを製造できる。しかしながら、上述の傾斜圧延機を用いて製造されたビレットを用いて型鍛造した場合に、鍛造欠陥が発生する場合がある。
本発明の目的は、縮径圧延された場合であっても型鍛造時における鍛造欠陥の発生を抑制可能なビレットを製造できる据込鍛造機、及び、その据込鍛造機を用いたビレットの製造方法を提供することである。
本実施形態の据込鍛造機は、ビレットを据込鍛造する。ビレットは、円柱状であり、第1端面と、第1端面と反対側の第2端面と、第1端面と第2端面との間の側面とを含む。据込鍛造機は、第1据込鍛造金型と、第2据込鍛造金型と、据込駆動機構とを備える。第1据込鍛造金型は、第1ビレット対向面と、第1裏面とを含む。第1ビレット対向面は、据込鍛造時のビレットの第1端面に対向する第1テーパー穴を含む。第1裏面は、第1ビレット対向面と反対側に配置される。第2据込鍛造金型は、第2ビレット対向面と、第2裏面とを含む。第2ビレット対向面は、据込鍛造時のビレットの第2端面に対向する第2テーパー穴を含む。第2裏面は、第2ビレット対向面と反対側に配置される。据込駆動機構は、第1据込鍛造金型を、据込鍛造時のビレットの軸方向に駆動可能である。第1据込鍛造金型と第2据込鍛造金型とは、水平方向に配列される。第1テーパー穴は、第1内周面を含む。第1据込鍛造金型の第1テーパー穴の中心軸を含む断面における第1内周面の幅は、第1ビレット対向面から第1裏面に向かって減少する。第2テーパー穴は、第2内周面を含む。第2据込鍛造金型の第2テーパー穴の中心軸を含む断面における第2内周面の幅は、第2ビレット対向面から第2裏面に向かって減少する。
本実施形態のビレットの製造方法は、上記据込鍛造機を用いたビレットの製造方法である。本実施形態のビレットの製造方法は、支持工程と、据込鍛造工程とを備える。支持工程では、加熱された円柱状のビレットを、ビレットの軸方向を水平に支持する。据込鍛造工程では、据込駆動機構により第1据込鍛造金型をビレットの軸方向に駆動してビレットに対して据込鍛造を実施し、ビレットの端部をテーパー形状にする。
本実施形態の据込鍛造機は、縮径圧延された場合であっても型鍛造時における鍛造欠陥の発生を抑制可能なビレットを製造できる。
図1は、3つの傾斜ロールを備える傾斜圧延機を用いて製造したビレットの一例である。 図2は、図1に示すビレットを用いて型鍛造を行った場合の、型鍛造時の金型の端部の拡大図である。 図3は、図1に示すビレットを用いて型鍛造を行った場合の、型鍛造時の金型の端部の拡大図である。 図4は、図1に示すビレットを用いて型鍛造を行った場合の、型鍛造時の金型の端部の拡大図である。 図5は、端部をテーパー形状に成形したビレットである。 図6は、端部をテーパー形状に成形したビレットを縮径圧延した後のビレットである。 図7は、端面の凹みを抑制したビレットを用いて型鍛造を行った場合の、型鍛造時の金型の端部の拡大図である。 図8は、端面の凹みを抑制したビレットを用いて型鍛造を行った場合の、型鍛造時の金型の端部の拡大図である。 図9は、端面の凹みを抑制したビレットを用いて型鍛造を行った場合の、型鍛造時の金型の端部の拡大図である。 図10は、本実施形態の据込鍛造機が用いられる型鍛造部材の製造設備のレイアウト図の一例である。 図11は、傾斜圧延機を出側から見た斜視図である。 図12は、傾斜圧延機を入側から見た正面図である。 図13は、傾斜圧延機の側面図である。 図14は、図12中の線分I−Iでの傾斜ロールの断面及びビレットを示す一部断面図である。 図15は本実施形態の据込鍛造機の側面図である。 図16は、テーパー穴の中心軸を含む、据込鍛造金型の断面図である。 図17は、据込鍛造時のビレットの軸方向から見た据込鍛造金型の正面図である。 図18は、図16とは異なる他の実施形態による、テーパー穴の中心軸を含む、据込鍛造金型の断面図である。 図19は、図16及び図18とは異なる他の実施形態による、テーパー穴の中心軸を含む、据込鍛造金型の断面図である。 図20は、図16、図18及び図19とは異なる他の実施形態による、テーパー穴の中心軸を含む、据込鍛造金型の断面図である。 図21は、図15の据込鍛造機を用いて据込鍛造した場合の、据込鍛造中の据込鍛造機の側面図である。 図22は、本実施形態の据込鍛造機を用いて製造されたビレットを用いて製造されたクランクシャフトの側面図である。 図23は、型鍛造工程における、仕上げ打ち終了後を示す図である。 図24は、図15及び図21とは異なる、第2の実施形態による据込鍛造機の側面図である。 図25は、据込鍛造時のビレットの軸方向から見たビレットの軸方向中央部及び拘束工具の断面図である。 図26は、図24及び図25とは異なる他の実施形態による、据込鍛造時のビレットの軸方向から見た、ビレットの軸方向中央部及び拘束工具の断面図である。 図27は、図25及び図26とは異なる他の実施形態による、据込鍛造時のビレットの軸方向から見たビレットの軸方向中央部及び拘束工具の断面図である。 図28は、据込鍛造後における、据込鍛造時のビレットの軸方向から見たビレットの軸方向中央部及び拘束工具の断面図である。 図29は、図15、図21及び図24とは異なる、第3の実施形態による据込鍛造機の側面図である。 図30は、図29の据込鍛造機を用いて据込鍛造した場合の、据込鍛造時の据込鍛造機の側面図である。 図31は、図24〜30とは異なる、第4の実施形態による、据込鍛造時のビレットの軸方向から見た、ビレットの軸方向中央部及び拘束工具の断面図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
本発明者らは、3つの傾斜ロールを備える傾斜圧延機により縮径圧延されたビレットを用いて型鍛造部材を製造した場合、鍛造欠陥が発生する原因について調査した。
ビレットが通過するパスライン周りに3つの傾斜ロールを用いた傾斜圧延機では、分塊圧延機と比較して1回の圧下量を大きくすることができる。しかしながら、3つの傾斜ロールを備える傾斜圧延機でビレットを製造(縮径圧延)すれば、圧下率を大きくすることができるために、ビレットの表層部分の方がビレットの中央部分よりも軸方向に顕著に延伸する。その結果、圧延後にビレット端面が、ビレット軸方向に大きく凹む場合があることが分かった。
型鍛造では、加熱された素材が金型内を流動し、金型に充満する。これにより所望の形状を有する型鍛造部材が得られる。金型に素材が充満する際、金型内で素材がよれたり、しわになったりすれば、鍛造欠陥となる。
図1は、上述の傾斜圧延機を用いて製造したビレットの一例である。ビレット1は、ビレット1の表層部分がビレット1の中央部分よりも延伸し、端面10に凹みが形成されている。図2〜図4は、端面10が凹んだ図1に示すビレット1を用いて型鍛造を行った場合の、型鍛造時の型の端部の拡大図である。図2〜図4を参照して、ビレット1の端面10が大きく凹んでいた場合、図2〜図4へと型鍛造が進むにつれ凹状の端面10が折り曲げられ、最終的に重なり合う。その結果、素材が重なり合った部分に鍛造欠陥が形成されることが分かった。この場合の鍛造欠陥をまくれ込み疵という。つまり、まくれ込み疵とは、型鍛造において、金型内で素材の一部が折れ曲がり、重なり合うことでできた鍛造欠陥をいう。
ビレット1の端面10の凹みを抑制できれば、型鍛造部材のまくれ込み疵を抑制できる。そこで本発明者らは、上述の傾斜圧延機を用いてビレット1を製造(縮径圧延)する際に、ビレット1の端面10の凹みを抑制する方法を検討した。その結果、以下の知見を得た。
縮径圧延の前に、あらかじめビレット1の端部をテーパー形状に成形する。図5は端部をテーパー形状に成形したビレット1である。これにより、縮径圧延後であっても、ビレット1の端面10の凹みを抑制する。本明細書において、テーパー形状とは、ビレット1の端面10に向かって、ビレット1の中心軸を含む断面におけるビレット1の幅が連続的又は断続的に減少する形状、又は、後述する第1及び第2ビレット対向面から第1及び第2裏面に向かって、第1及び第2テーパー穴の中心軸を含む、第1及び第2据込鍛造金型の断面における第1及び第2内周面の幅が連続的又は断続的に減少する形状をいう。上記幅が減少する割合は、一定でもよいし一定でなくてもよい。たとえば、ビレット1の端面10に向かって、又は、後述する第1及び第2ビレット対向面から第1及び第2裏面に向かって、ビレット1の幅又は第1及び第2内周面の幅が不連続に減少する形状(たとえば階段状)も、テーパー形状に含まれる。テーパー形状とはたとえば、ビレット1の端が凸になる円錐であってもよい。
図6は、端部をテーパー形状に成形した図5のビレット1を縮径圧延した後のビレット1である。図7〜図9は、端面10の凹みを抑制した図6に示すビレット1を用いて型鍛造を行った場合の、型鍛造時の金型の端部の拡大図である。図7〜図9を参照して、ビレット1の端面10の凹みが抑制されれば、図7〜図9へと型鍛造が進んでも、ビレット1は、型鍛造時に端面10が折り曲げられることなく金型内に充満しやすくなる。つまり、あらかじめビレット1の端部をテーパー形状に成形すれば、3つの傾斜ロールを備える傾斜圧延機を用いて縮径圧延を実施しても、端面10の凹みを抑制できる。これにより、鍛造欠陥(まくれ込み疵)を抑制できる。
以上の検討を踏まえ、本発明者らはさらに、ビレット1の端部をテーパー形状にする方法を検討した。ビレット1の端面をテーパー形状にする方法の一つとして、切削加工によりビレット1の端部をテーパー形状にする方法が考えられる。しかしながらこの場合、ビレット1の歩留まりが低下する。
そこで、本発明者らは、切削加工ではなく、ビレット1の端部に対して据込鍛造を実施することにより、ビレット1の端部をテーパー形状に成形することを考えた。据込鍛造では、切削加工とは異なり、ビレットの一部を除去しない。そのため、歩留まり良くビレット1の端部を加工できる。そこで、縮径圧延の前に、テーパー形状の穴を有する金型を用いて、ビレット1の端部に対して据込鍛造を実施する。これにより、縮径圧延後のビレット1の端部10の凹みを抑制でき、型鍛造時のまくれ込み疵の発生を抑制できるビレット1が製造できる。
以上の知見に基づいて完成した本実施形態の据込鍛造機は、ビレットを据込鍛造する。ビレットは、円柱状であり、第1端面と、第1端面と反対側の第2端面と、第1端面と第2端面との間の側面とを含む。据込鍛造機は、第1据込鍛造金型と、第2据込鍛造金型と、据込駆動機構とを備える。第1据込鍛造金型は、第1ビレット対向面と、第1裏面とを含む。第1ビレット対向面は、据込鍛造時のビレットの第1端面に対向する第1テーパー穴を含む。第1裏面は、第1ビレット対向面と反対側に配置される。第2据込鍛造金型は、第2ビレット対向面と、第2裏面とを含む。第2ビレット対向面は、据込鍛造時のビレットの第2端面に対向する第2テーパー穴を含む。第2裏面は、第2ビレット対向面と反対側に配置される。据込駆動機構は、第1据込鍛造金型を、据込鍛造時のビレットの軸方向に駆動可能である。第1据込鍛造金型と第2据込鍛造金型とは、水平方向に配列される。第1テーパー穴は、第1内周面を含む。第1据込鍛造金型の第1テーパー穴の中心軸を含む断面における第1内周面の幅は、第1ビレット対向面から第1裏面に向かって減少する。第2テーパー穴は、第2内周面を含む。第2据込鍛造金型の第2テーパー穴の中心軸を含む断面における第2内周面の幅は、第2ビレット対向面から第2裏面に向かって減少する。
ここで、第1据込鍛造金型と第2据込鍛造金型とが水平方向に配列されるとは、第1据込鍛造金型と第2据込鍛造金型とが重力と直角に交わる方向に配列される場合のみに限定されず、第1据込鍛造金型と第2据込鍛造金型とが重力と直角に交わる方向から30°以下の範囲でずれて配列されている場合を含む。
ここで、第1及び第2テーパー穴の中心軸とは、第1及び第2内周面の、据込鍛造時のビレットの軸方向と直交する断面における重心を、第1及び第2ビレット対向面から第1及び第2裏面に向かって結んだ線分である。
上述の据込鍛造機は、ビレットの端面に対向して配置されるテーパー穴を含む据込鍛造金型を備える。この据込鍛造金型を用いて据込鍛造されたビレットの端部は、テーパー形状に成形される。テーパー形状に成形されたビレットを縮径圧延すれば、端面の凹みが抑制される。端面の凹みが抑制されたビレットを用いて型鍛造すれば、型鍛造部材のまくれ込み疵の発生が抑制される。
好ましくは、上記据込鍛造機はさらに、第1及び第2拘束工具と、第1及び第2拘束工具支持機構とを備える。第1拘束工具は、据込鍛造時において、ビレットの軸方向中央部の軸周りに配置され、ビレットの側面と接触する第1拘束面を含む。第2拘束工具は、据込鍛造時において、ビレットを挟んで第1拘束工具の反対側であって、且つ、据込鍛造時のビレットの軸方向中央部の軸周りに配置され、ビレットの側面と接触する第2拘束面を含む。第1拘束工具支持機構は、第1拘束工具の第1拘束面と反対側に配置され、第1拘束工具を支持する。第2拘束工具支持機構は、第2拘束工具の第2拘束面と反対側に配置され、第2拘束工具を支持する。
ここで、ビレットの軸方向中央部とは、ビレットの軸方向において、ビレットの端からビレットの直径と同じ距離までの部分以外の部分をいう。
この場合、第1及び第2拘束工具が、据込鍛造中のビレットの軸方向中央部の軸周りに配置され、ビレットの側面を拘束する。これにより、据込鍛造時において、ビレットが座屈するのを抑制できる。
好ましくは、上記据込鍛造機はさらに、第1及び第2弾性部材を備える。第1弾性部材は、第1拘束工具と第1拘束工具支持機構との間に配置される。第2弾性部材は、第2拘束工具と第2拘束工具支持機構との間に配置される。
ここでいう弾性部材とは、外力を加えられた場合にひずみが生じて変形するものの、外力が除去されたときには元の形状に戻る部材を意味する。弾性部材はたとえば、ばね及びゴム等である。
据込鍛造工程では、ビレットをビレットの軸方向に据込鍛造する。そのため、据込鍛造を実施すれば、ビレットの半径が増大する。拘束工具と拘束工具支持機構との間に配置された弾性部材は、ビレットの半径の増大に伴う拘束工具のビレットの径方向外向きの圧力を受けて収縮する。そのため、拘束工具のビレットの径方向への移動が許容される。これにより、据込鍛造後のビレットの径が制限されず、複数種類のサイズのビレットが製造可能である。さらに、収縮した弾性部材により、ビレットの径が増大した場合であっても、拘束工具はビレット側面を拘束している状態を維持できる。これにより、拘束工具のビレットの径方向への移動が許容される場合であっても、据込鍛造時におけるビレットの座屈の発生を抑制できる。
好ましくは、上記第1及び第2拘束工具の第1及び第2拘束面の、据込み鍛造時のビレットの軸方向に垂直な断面の形状は、弓状である。
ここで、弓状とは、一部又は全体が弧をなして曲がっている状態をいう。弓状はたとえば、楕円弧、円弧である。弓状は、複数の曲率を有した形状であってもよいし、中央部が曲率を有し、端部が直線状となっている形状でもよい。
拘束面の断面形状が弓状であれば、据込鍛造時におけるビレットの側面と拘束面との接触面積を大きくすることができる。このため、据込鍛造時において、第1及び第2拘束工具がビレットの形状を維持しつつ、ビレットを拘束しやすい。
好ましくは、上記据込鍛造機はさらに、スライド機構を備える。スライド機構は、第1及び第2拘束工具を、据込鍛造時のビレットの軸方向にスライド可能である。据込鍛造時において、据込駆動機構が第1据込鍛造金型をビレットの軸方向に駆動している間、第1及び第2拘束工具はスライド機構によりビレットの軸方向にスライドしながら、第1及び第2拘束面がビレットの軸方向中央部の側面との接触を維持する。
据込鍛造時のビレットの座屈は、ビレットの軸方向中央部を拘束することで効果的に抑制できる。据込鍛造時において、第1及び第2拘束工具はスライド機構によりビレットの軸方向にスライド可能な状態である。これにより、据込鍛造時においても、第1及び第2拘束工具とビレットの軸方向中央部の側面との接触が維持される。そのため、据込鍛造によってビレットの軸方向長さが大きく縮む場合であっても、ビレットの座屈を抑制しやすい。
上記スライド機構は無駆動であってもよい。
ここで、「無駆動」とは、モータ等の駆動源により直接的に、及び、減速機等の駆動源と連結する連結機構を介して、動力を与えられていない状態をいう。
第1及び第2拘束面はビレット側面を拘束する。そのため、第1及び第2拘束面とビレット側面とは互いに強い面圧を受けながら接触する。したがって、据込鍛造に伴うビレットの軸方向長さの収縮によって、第1及び第2拘束面とビレット側面との接触点が移動する場合、第1及び第2拘束面はビレットの側面との摩擦を受ける。スライド機構により第1及び第2拘束工具がスライド可能であれば、第1及び第2拘束工具は、拘束面とビレットの側面との摩擦により無駆動でスライドする。この場合、モータ等の駆動源により第1及び第2拘束工具を据込鍛造時のビレットの軸方向にスライドさせなくてもよい。
本実施形態のビレットの製造方法は、上記据込鍛造機を用いたビレットの製造方法である。本実施形態のビレットの製造方法は、支持工程と、据込鍛造工程とを備える。支持工程では、加熱された円柱状のビレットを、ビレットの軸方向を水平に支持する。据込鍛造工程では、据込駆動機構により第1据込鍛造金型をビレットの軸方向に駆動してビレットに対して据込鍛造を実施し、ビレットの端部をテーパー形状にする。
上記据込鍛造機を用いてビレットを据込鍛造すれば、端部がテーパー形状に成形されたビレットが製造できる。このビレットを縮径圧延すれば、端面の凹みが抑制されたビレットが製造できる。そのため、型鍛造時において鍛造欠陥(まくれ込み疵)の発生を抑制できる。
以下、本発明の実施形態による据込鍛造機及びその据込鍛造機を用いたビレットの製造方法について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図10は、本実施形態の据込鍛造機が用いられる型鍛造部材の製造設備のレイアウト図の一例である。本実施形態の据込鍛造機が用いられる型鍛造部材の製造設備のレイアウトは、図10に限られないが、図10を参照して、型鍛造部材の製造設備は、加熱炉2と、据込鍛造機3と、傾斜圧延機4と、型鍛造機5とを備える。加熱炉2と据込鍛造機3との間、据込鍛造機3と傾斜圧延機4との間、傾斜圧延機4と型鍛造機5との間には、それぞれ搬送機構6が配置される。搬送機構6は、加熱炉2から抽出されたビレット1を据込鍛造機3に搬送したり、据込鍛造機3で据込鍛造されたビレット1を傾斜圧延機4に搬送したり、傾斜圧延機4で縮径圧延されたビレット1を型鍛造機5に搬送したりする。搬送機構6はたとえば、搬送ローラー、チェーン式コンベア、ロボットアーム等である。
[加熱炉]
加熱炉2はビレット1を所定の温度に加熱する。加熱炉2は周知のものでよい。加熱炉2はたとえば、ウォーキングビーム式の連続式加熱炉であってもよいし、ロータリーハース式の連続式加熱炉であってもよい。
[傾斜圧延機]
傾斜圧延機4は据込鍛造機3の下流に配置される。図11は、傾斜圧延機4を出側から見た斜視図である。図11を参照して、傾斜圧延機4は3つの傾斜ロール40を含む。3つの傾斜ロール40は、パスラインLまわりに等間隔に配置される。図12は、傾斜圧延機4を入側から見た正面図である。図11及び図12では、3つの傾斜ロール40がパスラインLまわりに等間隔(120°ごと)に配置される。
3つの傾斜ロール40は、図示しないモーターに取り付けられている。3つの傾斜ロール40は、モーターにより同一方向に回転して、ビレット1を縮径圧延して所望の外径に調整する。
図13は、傾斜圧延機4の側面図である。図14は、図12中の線分I−Iでの傾斜ロール40の断面及びビレット1を示す一部断面図である。図13を参照して、各傾斜ロール40は、パスラインLに対して角度α1°傾斜して配置される。さらに、図14を参照して、各傾斜ロール40はパスラインLに対して角度β1°交叉して配置される。ビレット1は、傾斜角α1及び交叉角β1に応じた螺旋回転をしながら縮径圧延され、所望の外径に調整される。
図14に示す各傾斜ロール40とパスラインLとの最短距離Dを調整することにより、傾斜圧延機4は、ビレット1の外径を自由に調整できる。そのため、傾斜圧延機4では、分塊圧延機のように、ビレット1の外径に応じてロール組替えを実施する必要が無い。つまり、傾斜圧延機4は、ロール組替えをすることなくビレット1を種々の外径に調整できる。
図11〜図14では、各傾斜ロール40の外径は、傾斜圧延機4の入側から出側に向かって大きくなる。しかしながら、各傾斜ロール40の形状は、これに限定されない。たとえば、傾斜ロール40の長手方向中央付近で、外径が最も大きくなる、いわゆる樽型ロールを用いてもよい。
[据込鍛造機]
据込鍛造機3は加熱炉2と傾斜圧延機4との間に配置される。図15は本実施形態の据込鍛造機3の側面図である。図15では、据込鍛造機3の一部を断面図(ハッチング部分)で示す。図15を参照して、据込鍛造機3は、第1据込鍛造金型31と、第2据込鍛造金型32と、据込駆動機構33とを備える。据込鍛造機3は、ビレット1をビレット1の軸方向に据込鍛造する。
ビレット1は、第1端面10と、第1端面10と反対側の第2端面11と、第1端面10と第2端面11との間の側面12とを含む。
第1据込鍛造金型31及び第2据込鍛造金型32は、ビレット1の端部を据込鍛造する。図15を参照して、第1据込鍛造金型31と第2据込鍛造金型32とは、水平方向に配列される。第1据込鍛造金型31と、第2据込鍛造金型32とは、後述するテーパー穴310及び320とが互いに対向する向きで配置される。第1据込鍛造金型31及び第2据込鍛造金型32は、据込鍛造時のビレット1の中心軸の延長線上に配置される。据込鍛造時には、第1鍛造金型31と第2据込鍛造金型32との間にビレット1が配置される。
ここで、第1据込鍛造金型31と第2据込鍛造金型32とが水平方向に配列されるとは、第1据込鍛造金型31と第2据込鍛造金型32とが重力と直角に交わる方向に配列される場合のみに限定されず、第1据込鍛造金型31と第2据込鍛造金型32とが重力と直角に交わる方向から30°以下の範囲でずれて配列されている場合を含む。
[第1及び第2据込鍛造金型]
図16は、第1及び第2テーパー穴310、320の中心軸を含む、第1及び第2据込鍛造金型31、32の断面図である。図16を参照して、第1据込鍛造金型31は、第1ビレット対向面311と、第1裏面312とを含む。第1ビレット対向面311は、据込鍛造時のビレット1の第1端面10に対向する第1テーパー穴310を含む。第1裏面312は、第1ビレット対向面311と反対側に配置される。第2据込鍛造金型32は、第2ビレット対向面321と、第2裏面322とを含む。第2ビレット対向面321は、据込鍛造時のビレット1の第2端面11に対向する第2テーパー穴320を含む。第2裏面322は、第2ビレット対向面321と反対側に配置される。
[第1及び第2据込鍛造孔型のテーパー穴について]
図16を参照して、第1テーパー穴310は、第1内周面313を含む。第1テーパー穴310の中心軸を含む、第1据込鍛造金型31の断面(たとえば、図16)における第1内周面313の幅は、第1ビレット対向面311から第1裏面312に向かって減少する。第2テーパー穴320は、第2内周面323を含む。第2テーパー穴320の中心軸を含む、第2据込鍛造金型32の断面(たとえば、図16)における第2内周面323の幅は、第2ビレット対向面321から第2裏面322に向かって減少する。
ここで、第1及び第2テーパー穴310、320の中心軸とは、第1及び第2内周面313、323の、据込鍛造時のビレット1の軸方向と直交する断面における重心を、第1及び第2ビレット対向面311、321から第1及び第2裏面312、322に向かって結んだ線分である。
図17は、据込鍛造時のビレット1の軸方向から見た第1及び第2据込鍛造金型31、32の正面図である。図17を参照して、第1テーパー穴310は、据込鍛造時のビレット1の軸方向と直交する断面の形状がたとえば円状である第1内周面313を有する。第2テーパー穴320は、据込鍛造時のビレット1の軸方向と直交する断面の形状がたとえば円状である第2内周面323を有する。図17では、第1及び第2内周面313、323の、断面の形状は円状である。しかしながら、第1及び第2内周面313、323の据込鍛造時のビレット1の軸方向と直交する断面の形状は円状に限られない。第1及び第2内周面313、323の断面の形状は、据込鍛造時のビレット1の軸方向と直交する断面において、第1及び第2内周面313、323上の任意の2点と重心を通る線分において、最大長さを有する線分(たとえば、長軸又は直径)の長さと、最少長さを有する線分(たとえば、短軸又は直径)の長さとの比が20%以下の範囲で異なっている場合を含む。第1及び第2内周面313、323の据込鍛造時のビレット1の軸方向と直交する断面の形状はたとえば、楕円や多角形でもよい。
上述のとおり、テーパー形状とは、ビレット1の第1及び第2端面10、11に向かって、ビレット1の中心軸を含む断面におけるビレット1の幅が連続的又は断続的に減少する形状、又は、第1及び第2ビレット対向面311、321から第1及び第2裏面312、322に向かって、第1及び第2テーパー穴310、320の中心軸を含む、第1及び第2据込鍛造金型31、32の断面における第1及び第2内周面313、323の幅が連続的又は断続的に減少する形状をいう。上記幅が減少する割合は、一定でもよいし一定でなくてもよい。たとえば、ビレット1の第1及び第2端面10、11に向かって、又は、第1及び第2ビレット対向面311、321から第1及び第2裏面312、322に向かって、ビレット1の中心軸を含む断面におけるビレット1の幅又は第1及び第2テーパー穴310、320の中心軸を含む、第1及び第2据込鍛造金型31、32の断面における第1及び第2内周面313、323の幅が不連続に減少する形状(たとえば階段状)も、テーパー形状に含まれる。テーパー形状とはたとえば、ビレット1の端が凸になる円錐であってもよい。
第1ビレット対向面311は第2ビレット対向面321に対応し、第1裏面312は第2裏面322に対応し、第1内周面313は第2内周面323に対応する。したがって、以降の説明では、第1テーパー穴310の各構成について説明して、第2テーパー穴320の各構成の説明の代替とする。
第1テーパー穴310の中心軸を含む断面(図16)において、第1内周面313の幅は、第1ビレット対向面311から第1裏面312にむかって減少する。図16において、第1内周面313は直線である。第1内周面313の面積は第1ビレット対向面311から第1裏面312に向かって連続的に減少する。
図16では、第1テーパー穴310は、第1ビレット対向面311から第1裏面312まで貫通している。しかしながら、第1テーパー穴310は第1ビレット対向面311から第1裏面312まで貫通しなくてもよい。
図18は、図16とは異なる他の実施形態による、第1及び第2テーパー穴310、320の中心軸を含む、第1及び第2据込鍛造金型31、32の断面図である。図18を参照して、第1据込鍛造金型31は、第1テーパー穴310の穴底部314を含む。図18を参照して、第2据込鍛造金型32は、第2テーパー穴320の穴底部324を含む。図18に示すとおり、第1及び第2テーパー穴310、320は、第1又は第2ビレット対向面311又は321から、第1又は第2裏面312又は322まで貫通せず、穴底部314又は324を備えてもよい。
第1テーパー穴310の中心軸を含む断面(図16及び図18)において、第1内周面313は直線であった。しかしながら、第1テーパー穴310の中心軸を含む断面(図16及び図18)における、第1内周面313は、直線でなくてもよい。
図19は、図16及び図18とは異なる他の実施形態による、第1及び第2テーパー穴310、320の中心軸を含む、第1及び第2据込鍛造金型31、32の断面図である。図19では、第1内周面313が直線ではなく、屈曲している。第1内周面313の幅は、第1ビレット対向面311から第1裏面312に向かって途中まで連続的に減少するが、その後は減少せず一定となる。
図20は、図16、図18及び図19とは異なる他の実施形態による、第1及び第2テーパー穴310、320の中心軸を含む、第1及び第2据込鍛造金型31、32の断面図である。図20において、第1内周面313は直線ではなく、第1テーパー穴310の外に向かって湾曲している。
第1テーパー穴310の形状は図16〜図20に限定されない。第1テーパー穴310の形状はたとえば、第1内周面313が第1テーパー穴310の内に向かって湾曲してもよく、第1内周面313が階段状であってもよい。また、縮径圧延後のビレット1の第1及び第2端面10、11の凹みの度合いに応じて、第1及び第2テーパー穴310、320の中心軸を含む、第1及び第2据込鍛造金型31、32の断面における第1内周面313の傾きを大きくしても良い。第1テーパー穴310の形状は、据込鍛造後のビレット1の端部において、ビレット1の中央部が凸になる範囲で適宜調整できる。
第2据込鍛造金型32が有する第2テーパー穴320の形状は、第1テーパー穴310と同じでもよいし異なってもよい。第1テーパー穴310と第2テーパー穴320とが同じ形状の場合、ビレット1の第1端面10と第2端面11とにかかる負荷が同じになる。そのため、ビレット1全体にわたって均一に鍛造による応力を付与できる。一方で、たとえば、縮径圧延後に、ビレット1の第1端面10と第2端面11とで、凹みの程度が異なる場合、第1テーパー穴310の形状と第2テーパー穴320の形状とを変えてもよい。
据込鍛造時に、ビレット1の第1端面10は、第1テーパー穴310の形状に沿って変形し、第1テーパー穴310の形状に成形される。ビレット1の第2端面11は、第2テーパー穴320の形状に沿って変形し、第2テーパー穴320の形状に成形される。したがって、第1及び第2据込鍛造金型31、32を使用してビレット1を据込鍛造した場合、据込鍛造後のビレット1の第1及び第2端面10、11の面積は、ビレット1の他の部分の断面積よりも小さくなる。そして、ビレット1の端部は、第1又は第2端面10又は11に向かって断面積が小さくなる。また、据込鍛造後のビレット1の端部の形状は、第1又は第2内周面313又は323と同じ傾斜をもつ形状(テーパー形状)になる。
据込鍛造機3を用いた据込鍛造によりビレット1の端部をテーパー形状にすれば、その後に傾斜圧延機4によりビレット1を縮径圧延しても、縮径圧延後のビレット1の第1及び第2端面10、11の凹みが抑制される。すなわち、図5を参照して、ビレット1の端部において、縮径圧延前は、ビレット1の端部において、ビレット1の中央部が凸のテーパー形状である。そのため、縮径圧延によってビレット1の表層部分がビレット1の中央部よりも延伸しても、図6に示すように、縮径圧延後のビレット1の第1及び第2端面10、11の凹みが抑制される。図7〜図9を参照して、第1及び第2端面10、11の凹みが抑制されたビレット1を型鍛造すれば、図7〜図9へと型鍛造が進んでも、まくれ込み疵の発生を抑制できる。
[据込駆動機構33]
据込駆動機構33は、第1据込鍛造金型31を、据込鍛造時のビレット1の軸方向に駆動可能である。図15を参照して、据込鍛造時には、据込駆動機構33により、第1据込鍛造金型31が図中矢印で示す方向に駆動する。そして、第1据込鍛造金型31を第2の据込鍛造金型32へ相対的に近づける。これにより、ビレット1の端部が据込鍛造される。
図15では、据込駆動機構33は、第1据込鍛造金型31を駆動する。しかしながら、据込駆動機構は、第1据込鍛造金型31に替えて、第2据込鍛造金型32を駆動してもよい。据込駆動機構33はさらに、第1及び第2据込鍛造金型31、32を、互いに近づけるように駆動してもよい。
図15では、据込鍛造機3はその他に、第1及び第2据込鍛造金型31、32を固定するためのダイホルダ34、ダイホルダ34を一定軸上に移動させるためのガイドポスト35を備える。しかしながら、据込鍛造機3の他の構成はこれに限られない。第1及び第2の据込鍛造金型31及び32が、据込鍛造時のビレット1の中心軸の延長線上に配置されれば良く、据込鍛造機3の他の構成は、いわゆるCフレームや、一体型ストレートサイドフレームであってもよい。
図15ではさらに、据込鍛造機3は、ビレット1を支持する支持機構36を備える。図15では、支持機構36は、ビレット1を下方から支持する支持架台である。しかしながら、支持機構36は図15に示す構成に限定されない。支持機構36はたとえばロボットアームであり、ビレット1の一部を把持する機構であってもよい。支持機構36はまた、チェーン等による吊り下げであってもよい。支持機構36は、据込鍛造が開始されるまでの間、ビレット1を支持できる機構であれば、その構成は特に限定されない。また、支持機構36は、据込鍛造に伴うビレット1の軸方向長さの収縮に伴って、移動してもよい。
図21は、図15の据込鍛造機を用いて据込鍛造した場合の、据込鍛造中の据込鍛造機3の側面図である。図21も図15と同様に、据込鍛造機3の一部を断面図で示す。図21を参照して、据込鍛造時には、据込駆動機構33により、第1据込鍛造金型31が図中矢印で示す方向に駆動する。そして、第1据込鍛造金型31を第2の据込鍛造金型32へ相対的に近づける。これにより、ビレット1の端部が据込鍛造される。
以下、据込鍛造機3を用いたビレット1の製造方法について詳述する。以下の実施形態では、型鍛造部材の一例としてクランクシャフトを想定して説明する。しかしながら、型鍛造部材はクランクシャフトに限定されない。型鍛造部材は、型を用いて熱間鍛造されて製造される部材であれば、形状や用途は特に限定されない。
[ビレットの製造方法]
ビレット1の製造方法は、ビレット支持工程と、据込鍛造工程とを備える。以下、各工程について説明する。
[ビレット支持工程]
支持工程では、初めに、周知の加熱炉2を用いて、ビレット1を所定の温度に加熱する。ビレット1を加熱した後、加熱炉2から抽出する。次に、加熱炉2から抽出されたビレット1を、ビレット1の軸方向を水平に支持する。ここで、水平とは、重力と直角に交わる方向にのみに限定されず、重力と直角に交わる方向から30°以下の範囲でずれている場合を含む。
ビレット1は、第1据込鍛造金型31と第2据込鍛造金型32との間に支持される。支持する方法は特に限定されない。図15及び図21に示すように、支持機構36を用いて支持してもよいし、ロボットアームやチェーンによる吊り下げによって支持してもよい。
[据込鍛造工程]
据込鍛造工程では、据込駆動機構33で第1据込鍛造金型31をビレット1の軸方向に駆動する。そして、第1据込鍛造金型31を相対的に第2据込鍛造金型32に近づける。第1及び第2据込鍛造金型31、32はテーパー穴310及び320を含むため、ビレット1の端部は、テーパー穴310及びテーパー穴320の形状に変形する。そのため、ビレット1の端部がテーパー形状に成形される。
以上の工程により、縮径圧延する場合であっても、型鍛造時のまくれ込み疵の発生を抑制できる、ビレット1が製造できる。
図22は、本実施形態の据込鍛造機を用いて製造されたビレット1を用いて製造された型鍛造部材の一例であるクランクシャフトの側面図である。図22において、クランクシャフト7はジャーナル部71、ピン部72、フロント部73、及び、ジャーナル部71とピン部72とをつなぐクランクアーム部74とを備える。図22のクランクシャフト7は、次の方法で製造される。上述の製造方法によって製造されたビレット1を、縮径圧延しさらに、型鍛造機5で型鍛造する。型鍛造は、荒打ち及び仕上げ打ちを備えてもよい。図23は、型鍛造工程における、仕上げ打ち終了後を示す図である。型鍛造後に、型鍛造で発生したバリ8を刃物型によって打ち抜き除去する。
以上の工程により、縮径圧延する場合であっても、型鍛造時のまくれ込み疵の発生を抑制しつつ、型鍛造部材(たとえばクランクシャフト7)を製造できる。
[第2の実施形態]
図24は、図15及び図21とは異なる、第2の実施形態による据込鍛造機3の側面図である。図24では、据込鍛造機3の一部を断面図(ハッチング部分)で示す。図24を参照して、据込鍛造機3は、第1据込鍛造金型31、第2据込鍛造金型32及び据込駆動機構33に加え、第1及び第2拘束工具91、92と、第1及び第2拘束工具支持機構93、94と、第1及び第2弾性部材95、96とを新たに備える。
第1拘束工具91は、据込鍛造時において、ビレット1の軸方向中央部の軸周りに配置される。第2拘束工具92は、据込鍛造時において、ビレット1を挟んで第1拘束工具91の反対側であって、且つ、据込鍛造時のビレット1の軸方向中央部の軸周りに配置される。
[第1及び第2の拘束工具]
図25は、据込鍛造機3が第1及び第2の拘束工具91、92を備える場合において、据込鍛造時のビレット1の軸方向から見たビレット1の軸方向中央部及び第1及び第2の拘束工具91、92の断面図である。図25を参照して、第1及び第2拘束工具91、92は、ビレット1の側面12と接触する第1及び第2拘束面910及び920を含む。
ビレット1を据込鍛造する場合、ビレット1が座屈する場合がある。第1及び第2拘束工具91、92は、ビレット1の軸方向中央部の軸周りに配置され、ビレット1の側面12を拘束する。これにより、据込鍛造時のビレット1の座屈を抑制できる。
図24及び図25では、第1拘束工具91がビレット1の上方に配置され、第2拘束工具92がビレット1の下方に配置されている。しかしながら、第1及び第2拘束工具91、92の配置は逆でもよく、また、第1及び第2拘束工具91、92は上下方向に配置されなくてもよい。第1及び第2拘束工具91、92は、ビレット1を挟んで対向して配置されていればよい。
図26は、図24及び図25とは異なる他の実施形態による、据込鍛造時のビレット1の軸方向から見た、ビレット1の軸方向中央部及び第1及び第2の拘束工具91、92の断面図である。図26を参照して、第1及び第2の拘束工具91、92は、水平方向に配置される。第1及び第2の拘束工具91、92の配列方向は、図24〜図26に限定されない。第1及び第2の拘束工具91、92の配列方向はビレット1を挟んで直線上に配置されればよく、たとえば、垂直方向に対して0〜45°傾いてもよい。
[第1及び第2の拘束工具の断面形状]
好ましくは、図25及び図26において示すとおり、第1及び第2の拘束面910、920の据込鍛造時のビレット1の軸方向から見た断面の形状は弓状である。第1及び第2の拘束面910、920の断面形状が弓状であれば、据込鍛造時におけるビレット1と第1及び第2の拘束面910、920との接触面積を大きくすることができる。このため、据込鍛造時において、第1及び第2拘束工具91、92がビレット1の形状を維持しつつ、ビレットを拘束しやすい。そのため、より効率的にビレット1の座屈を抑制できる。ここで、弓状とは、一部又は全体が弧をなして曲がっている状態をいう。弓状はたとえば、楕円弧、円弧である。弓状は、複数の曲率を有した形状であってもよいし、中央部が曲率を有し、端部が直線状となっている形状でもよい。
しかしながら、第1及び第2の拘束面910、920の断面形状は弓状に限定されない。図27は、図25及び図26とは異なる他の実施形態による、据込鍛造時のビレット1の軸方向から見たビレット1の軸方向中央部及び第1及び第2の拘束工具91、92の断面図である。図27を参照して、第1及び第2の拘束面910、920のビレット1の軸方向から見た断面の形状はビレット1の半径方向外向きに凸のV字状でもよい。他には、第1及び第2の拘束面910、920の断面形状は円弧及び台形であってもよい。第1及び第2拘束面910、920の断面形状は、ビレット1の座屈を抑制できる範囲で適宜調整できる。
図25〜図27において、ビレット1の軸周りには第1及び第2の拘束工具91、92の2つが配置される。しかしながら、さらに拘束工具が配置されてもよい。たとえば、ビレット1の軸周りに第1及び第2の拘束工具91、92に加え、さらに第3及び第4の拘束工具を配置する。この場合、ビレット1の軸周りには第1〜第4の拘束工具4つが配置される。ビレット1の軸周りに配置される拘束工具の数は適宜設定できる。また、据込鍛造機3はビレット1の軸方向中央部の異なる位置に、さらに拘束工具を備えてもよい。たとえば、第1及び第2拘束工具91、92に加え、ビレット1の軸方向において、第1及び第2拘束工具91、92とビレット1の第1及び第2端面10、11との間に、さらに第3及び第4の拘束工具を配置する。この場合、さらに座屈を抑制できる。ビレット1の軸方向における、拘束工具の個数は適宜設定できる。
[弾性部材]
図25を参照して、第1弾性部材95は、第1拘束工具91と第1拘束工具支持機構93との間に配置される。第2弾性部材96は、第2拘束工具92と第2拘束工具支持機構94との間に配置される。ここでいう弾性部材とは、外力を加えられた場合にひずみが生じて変形するものの、外力が除去されたときには元の形状に戻る部材を意味する。弾性部材はたとえば、ばね及びゴム等である。
上述の据込鍛造工程では、ビレット1を軸方向に据込鍛造する。そのため、据込鍛造を実施すれば、ビレット1の半径が拡大する。図28は、据込鍛造機3が第1及び第2の拘束工具91、92を備える場合における、据込鍛造後の、据込鍛造時のビレット1の軸方向から見たビレット1の軸方向中央部及び第1及び第2の拘束工具91、92の断面図である。図25及び図28を参照して、据込鍛造前のビレット1の半径はR0であり、据込鍛造後はビレット1の半径が拡大して半径R1となる。
ビレット1の半径が拡大すれば、第1及び第2の拘束工具91、92に、ビレット1の径方向の外向きの圧力が加わる。第1及び第2の弾性部材95、96は、この圧力を受けて収縮する。そのため、第1及び第2の拘束工具91、92のビレット1の径方向への移動が許容される。これにより、据込鍛造後のビレット1の径が制限されず、複数種類のサイズのビレットが製造可能である。
収縮した第1及び第2の弾性部材95、96により、ビレット1の半径が拡大した場合であっても、第1及び第2の拘束工具91、92がビレット1の側面12を拘束している状態が維持される。これにより、第1及び第2の拘束工具91、92のビレット1の径方向への移動が許容される場合であっても、ビレット1の座屈が抑制できる。
ビレット1の座屈を抑制するために、たとえば、ビレット1の側面12を移動不可能な型枠等によって完全に拘束することもできる。これにより、ビレット1の座屈を抑制できる。しかしながら、この場合、据込鍛造後のビレット1の半径の種類が、型枠の内径によって制限される。一方、本実施形態では、ビレット1の半径方向に移動可能な第1及び第2拘束工具91、92でビレット1の側面12を拘束する。そのため、据込鍛造時のビレット1の半径の拡大が許容される。本実施形態ではさらに、第1及び第2の弾性部材95、96があることにより、ビレット1の半径が拡大した場合であっても、第1及び第2の拘束工具91、92がビレット1の側面12を拘束している状態を維持する。そのため、本実施形態の据込鍛造機3では、据込鍛造時のビレット1の座屈を抑制し、さらに、複数種類のサイズのビレット1が製造できる。
図25、図26及び図28において、第1及び第2の弾性部材95、96の数はそれぞれ4つである。しかしながら、第1及び第2の弾性部材95、96の数は特に限定されない。第1及び第2の弾性部材95、96の数はそれぞれ1つでもよい。弾性部材の数、大きさ及び材質等は適宜選択できる。
[拘束工具支持機構]
第1拘束工具支持機構93は、第1拘束工具91の第1拘束面910と反対側に配置され、第1拘束工具91を支持する。第2拘束工具支持機構94は、第2拘束工具92の第2拘束面920と反対側に配置され、第2拘束工具92を支持する。
図24において、第1拘束工具支持機構93は、拘束工具支持部材930とそれに取り付けられたシリンダ931とを備える。第2拘束工具支持機構94は、拘束工具支持部材940及びその直下に拘束工具支持架台941を備える。第1拘束工具91は、シリンダ931により垂直方向に移動可能である。これにより第1拘束工具91と第2拘束工具92との距離を広げ、据込鍛造前後において、ビレット1を据込鍛造機3内から容易に出し入れできる。
図24、図25及び図28において、第1拘束工具支持機構93は、拘束工具支持部材930とそれに取り付けられたシリンダ931とを備える。第2拘束工具支持機構94は、拘束工具支持部材940及びその直下に拘束工具支持架台941を備える。しかしながら、第1及び第2拘束工具91及び92を支持する方法は、この方法に限定されない。第1及び第2拘束工具支持機構93及び94は、第1及び第2拘束工具91及び92を支持できる範囲で適宜選択できる。
[第3の実施形態]
据込鍛造機3が第1及び第2拘束工具91、92を備える場合、据込鍛造機3はさらに、スライド機構97、98を備えることが好ましい。図29は、図15、図21及び図24とは異なる、第3の実施形態による据込鍛造機3の側面図である。図29では、据込鍛造機3の一部を断面図(ハッチング部分)で示す。図29を参照して、据込鍛造機3は、シリンダ931に取り付け可能な、スライド機構97を備える。据込鍛造機3は、拘束工具支持架台941の直下にさらにスライド機構98を備える。スライド機構97は、シリンダ931に取り付けられており、シリンダ931を据込鍛造時のビレット1の軸方向にスライド可能である。スライド機構97は、シリンダ931をスライドさせることにより、その下に取り付けられた第1拘束工具91を据込鍛造時のビレット1の軸方向にスライドさせる。スライド機構98は、拘束工具支持架台941を据込鍛造時のビレット1の軸方向にスライド可能である。スライド機構98は、拘束工具支持架台941をスライドさせることにより、その上に取り付けられた第2拘束工具92を据込鍛造時のビレット1の軸方向にスライドさせる。
スライド機構97及び98は、第1及び第2拘束工具91、92を、据込鍛造時のビレット1の軸方向にスライドさせる。据込鍛造時において、据込駆動機構33が第1据込鍛造金型31をビレット1の軸方向に駆動させている間、第1及び第2拘束工具91、92はスライド機構97、98によりビレット1の軸方向にスライドしながら、第1及び第2拘束面910、920とビレット1の軸方向中央部の側面12との接触を維持する。
図30は、図29の据込鍛造機3を用いて据込鍛造した場合の、据込鍛造時の据込鍛造機3の側面図である。図30では、据込鍛造機3の一部を断面図(ハッチング部分)で示す。図30を参照して、据込鍛造時には、スライド機構97、98により、第1及び第2拘束工具91、92が図30中の矢印の方向に移動する。これにより、第1及び第2拘束面910、920と、ビレット1の軸方向中央部の側面12との接触が維持される。
据込鍛造時のビレット1の座屈は、ビレット1の軸方向中央部を拘束することで効果的に抑制できる。据込鍛造時に、第1及び第2拘束工具91及び92とビレット1の軸方向中央部の側面12との接触が維持されれば、据込鍛造によってビレット1の軸方向長さが大きく縮む場合であっても、ビレット1の座屈が抑制しやすい。
スライド機構97及び98は無駆動であってもよい。ここで、「無駆動」とは、モータ等の駆動源により直接的に、及び、減速機等の駆動源と連結する連結機構を介して、動力を与えられていない状態をいう。第1及び第2拘束面910、920はビレット1の側面12を拘束する。そのため、第1及び第2拘束面910、920とビレット1の側面12とは互いに強い面圧を受けながら接触する。したがって、据込鍛造に伴うビレット1の軸方向長さの収縮によって、第1及び第2拘束面910、920とビレット1の側面12との接触点が移動する場合、第1及び第2拘束面910、920はビレット1の側面12との摩擦を受ける。スライド機構により第1及び第2拘束工具91、92がスライド可能であれば、第1及び第2拘束工具91、92は、第1及び第2拘束面910、920とビレット1の側面12との摩擦により無駆動でスライドする。この場合、モータ等の駆動源により第1及び第2拘束工具91、92を据込鍛造時のビレット1の軸方向にスライドさせなくてもよい。
上記第3の実施例では、スライド機構97はシリンダ931に取り付けられており、スライド機構98は拘束工具支持部材941に取り付けられていた。しかしながら、スライド機構97及び98の配置方法はこれに限定されない。スライド機構97、98の配置方法は第1及び第2拘束工具91、92をスライド可能な範囲で適宜選択される。
[第4の実施形態]
上述の第1及び第2拘束工具91、92を備える第2及び第3の実施形態において、第1及び第2の弾性部材95、96は無くてもよい。図31は、図24〜30とは異なる、第4の実施形態による、据込鍛造時のビレット1の軸方向から見た、ビレット1の軸方向中央部及び第1及び第2拘束工具91、92の断面図である。図31を参照して、第1及び第2拘束工具91、92は、拘束工具支持部材930、940に直接取り付けられている。この場合であっても、第1及び第2拘束工具の拘束面910、920は、据込鍛造時のビレット1の側面12を拘束する。そのため、据込鍛造時において、ビレット1の座屈を抑制できる。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
1 ビレット
10、11 ビレットの端面
12 ビレットの側面
3 据込鍛造機
31、32 据込鍛造金型
310、320 テーパー穴
311、321 据込鍛造金型のビレット対向面
312、322 据込鍛造金型の裏面
313、323 テーパー穴の内周面
33 据込駆動機構
91、92 拘束工具
910、920 拘束工具の拘束面
93、94 拘束工具支持機構
95、96 弾性部材
97、98 スライド機構

Claims (5)

  1. 第1端面と、前記第1端面と反対側の第2端面と、前記第1端面と前記第2端面との間の側面とを含む円柱状のビレットを据込鍛造する据込鍛造機であって、
    据込鍛造時の前記ビレットの前記第1端面に対向する第1テーパー穴を含む第1ビレット対向面と、前記第1ビレット対向面と反対側に配置される第1裏面とを含む第1据込鍛造金型と、
    前記据込鍛造時の前記ビレットの前記第2端面に対向する第2テーパー穴を含む第2ビレット対向面と、前記第2ビレット対向面と反対側に配置される第2裏面とを含む第2据込鍛造金型と、
    前記第1据込鍛造金型を、前記据込鍛造時の前記ビレットの軸方向に駆動可能な据込駆動機構とを備え、
    前記第1据込鍛造金型と前記第2据込鍛造金型とは、水平方向に配列され、
    前記第1テーパー穴は、
    第1内周面を含み、
    前記第1据込鍛造金型の前記第1テーパー穴の中心軸を含む断面における前記第1内周面の幅は、前記第1ビレット対向面から前記第1裏面に向かって減少し、
    前記第2テーパー穴は、
    第2内周面を含み、
    前記第2据込鍛造金型の前記第2テーパー穴の中心軸を含む断面における前記第2内周面の幅は、前記第2ビレット対向面から前記第2裏面に向かって減少し、
    前記据込鍛造機はさらに、
    前記据込鍛造時において、前記ビレットの軸方向中央部の軸周りに配置され、前記ビレットの側面と接触する第1拘束面を含む第1拘束工具と、
    前記据込鍛造時において、前記ビレットを挟んで前記第1拘束工具の反対側であって、且つ、前記据込鍛造時の前記ビレットの軸方向中央部の軸周りに配置され、前記ビレットの側面と接触する第2拘束面を含む第2拘束工具と、
    前記第1拘束工具の前記第1拘束面と反対側に配置され、前記第1拘束工具を支持する第1拘束工具支持機構と、
    前記第2拘束工具の前記第2拘束面と反対側に配置され、前記第2拘束工具を支持する第2拘束工具支持機構とを備え、
    前記据込鍛造機はさらに、
    前記第1拘束工具と前記第1拘束工具支持機構との間に配置される第1弾性部材と、
    前記第2拘束工具と前記第2拘束工具支持機構との間に配置される第2弾性部材とを備える、据込鍛造機。
  2. 請求項に記載の据込鍛造機であってさらに、
    前記第1及び第2拘束面の、前記据込み鍛造時の前記ビレットの軸方向に垂直な断面の形状は、弓状である、据込鍛造機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の据込鍛造機であってさらに、
    前記第1及び第2拘束工具を、前記据込鍛造時の前記ビレットの軸方向にスライド可能なスライド機構を備え、
    前記据込鍛造時において、前記据込駆動機構が前記第1据込鍛造金型を前記ビレットの軸方向に駆動させている間、前記第1及び第2拘束工具が前記スライド機構により前記ビレットの軸方向にスライドしながら、前記第1及び第2拘束面が前記ビレットの軸方向中央部の側面との接触を維持する、据込鍛造機。
  4. 請求項に記載の据込鍛造機であって、
    前記スライド機構は無駆動である、据込鍛造機。
  5. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の据込鍛造機を用いたビレットの製造方法であって、
    加熱された円柱状の前記ビレットを前記ビレットの軸方向を水平に支持する工程と、
    前記据込駆動機構により前記第1据込鍛造金型を前記ビレットの軸方向に駆動して前記ビレットに対して据込鍛造を実施し、前記ビレットの端部をテーパー形状にする工程とを備える、ビレットの製造方法。
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