JP6897255B2 - 排水浄化システム - Google Patents

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Description

本開示は、微生物によってノルマルヘキサン抽出物質を分解させる排水浄化システムに関する。
従来、排水に含まれるノルマルヘキサン抽出物質を浄化する技術として、浮上分離、加圧浮上分離、凝集剤の添加、油吸着材による吸着が利用されている。ノルマルヘキサン抽出物質は、ノルマルヘキサン(n−ヘキサン)によって抽出される不揮発性物質の総称であり、例えば、油や界面活性剤である。上記技術のうち、浮上分離は、エマルジョン化した油や、界面活性剤を除去することができない。加圧浮上分離は、分離物(スカム)の含水率が98%程度と高く、分離物(廃棄物)が大量となってしまう。凝集剤の添加、および、油吸着材による吸着は、廃棄物が大量に生じてしまう。
そこで、ノルマルヘキサン抽出物質を分解する微生物を利用して排水を浄化することが考えられる。しかし、ノルマルヘキサン抽出物質を含む排水には、易分解性有機物(微生物によって相対的に分解されやすい有機物)が多く含まれている。このため、微生物による易分解性有機物の分解が優先され、ノルマルヘキサン抽出物質の分解に長時間を要するという問題があった。
そこで、微生物が収容された処理水槽内に複数の油吸着材を設置しておき、処理水槽内に排水を流通させる技術が開発されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の技術は、ノルマルヘキサン抽出物質を油吸着材に吸着させ、吸着させたノルマルヘキサン抽出物質を微生物によって分解させる。
特開2000−350984号公報
上記特許文献1に記載されたような、ノルマルヘキサン抽出物質を吸着する吸着材、および、ノルマルヘキサン抽出物質を分解する微生物が収容された処理水槽を備える排水浄化システムにおいて、ノルマルヘキサン抽出物質の除去効率を向上させる技術の開発が希求されている。
本開示は、このような課題に鑑み、ノルマルヘキサン抽出物質の除去効率を向上することが可能な排水浄化システムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る排水浄化システムは、ノルマルヘキサン抽出物質を吸着する吸着材、および、前記ノルマルヘキサン抽出物質を分解する微生物が収容された複数の処理水槽と、前記複数の処理水槽のうち、所定の吸着条件を満たす処理水槽に、前記ノルマルヘキサン抽出物質が含まれる排水を流通させ、所定の切換条件を満たすと、当該処理水槽への前記排水の流通を停止して、前記吸着条件を満たす他の処理水槽に前記排水を流通させる制御部と、を備え、前記切換条件は、前記排水を流通させている前記処理水槽に収容された前記吸着材の吸着率が、予め導出された、処理後水中の前記ノルマルヘキサン抽出物質の濃度が許容値となるのに要する時間に到達したときの前記吸着材の吸着率である第1所定値未満となることであり、前記吸着条件は、前記吸着材の吸着率が前記第1所定値を上回る第2所定値以上となること、もしくは、前記処理水槽への前記排水の流通を停止してからの経過時間が、前記第1所定値まで低下した前記吸着材の吸着率が第2所定値以上に戻るまでに要する分解時間に到達することである。
また、前記処理水槽内における前記吸着材の下方に、少なくとも酸素を含むガスを供給する第1曝気部を備えてもよい。
また、前記処理水槽内における前記吸着材の下方に、前記第1曝気部に加え、前記第1曝気部よりも大量のガスを供給する第2曝気部を備えてもよい。
また、前記吸着材は、多孔質樹脂で構成されてもよい。
また、前記処理水槽の上部、または、前記処理水槽の上方に設けられた導入口を通じて排水を導入するポンプと、一端が、前記処理水槽における前記導入口の下方に形成された排出口に接続され、他端が前記処理水槽の上端より下方に位置する配管と、を含んで構成される排水流通部を備え、前記制御部は、前記排水流通部を制御してもよい。
また、メタン発酵菌を収容し、前記処理水槽から排出された排水が導入されるメタン発酵槽を備えてもよい。
本開示の排水浄化システムは、ノルマルヘキサン抽出物質の除去効率を向上させることが可能となる。
排水浄化システムを説明する図である。 油浄化装置を説明する図である。 制御部による浄化処理の流れを説明するフローチャートである。 図4(a)は、実施例および比較例の水質を説明する図である。図4(b)は、実施例および比較例のメタンガスの発生量を説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
(排水浄化システム100)
図1は、排水浄化システム100を説明する図である。図1中、液体の流れを実線の矢印で示し、気体の流れを破線の矢印で示す。図1に示すように、排水浄化システム100は、油浄化装置110と、メタン発酵槽120とを含んで構成される。
油浄化装置110には、少なくともノルマルヘキサン抽出物質と、有機物とを含む排水(被処理水)が導入される。油浄化装置110は、排水中のノルマルヘキサン抽出物質を分解して、処理後水(ノルマルヘキサン抽出物質が除去された排水)を生成する。油浄化装置110によって生成された処理後水は、メタン発酵槽120に導入される。
メタン発酵槽120は、例えば、UASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket)方式の装置である。メタン発酵槽120は、メタン発酵菌を収容しており、処理後水に含まれる有機物を分解して、メタンと浄化水(有機物が取り除かれた処理後水)とを生成する。メタン発酵槽120によって生成されたメタンは、後段の燃料利用設備に送出され、浄化水は、そのまま放流される、もしくは、仕上げ処理工程を経て放流される。
(油浄化装置110)
続いて、処理後水を生成する油浄化装置110について詳述する。図2は、油浄化装置110を説明する図である。図2に示すように、油浄化装置110は、複数(ここでは3)の処理ユニット150(図2中、150A〜150Cで示す)と、排水流通部160と、第1曝気部170と、第2曝気部180と、制御部190とを含んで構成される。
処理ユニット150は、処理水槽210と、散気管220とを含んで構成される。処理水槽210は、排水、吸着材K、および、微生物を少なくとも収容する容器である。処理水槽210内には、鉛直方向と交差する方向(例えば、水平方向)に延在した、平板形状のスクリーン212が設けられている。スクリーン212の外縁は、処理水槽210の内面に接続されている。つまり、処理水槽210は、スクリーン212によって、上部領域210aと、上部領域210aの下方に位置する下部領域210bとに区画される。スクリーン212には、複数の孔が形成されている。スクリーン212に形成された孔は、吸着材Kより小さい。
吸着材Kは、上部領域210a(処理水槽210におけるスクリーン212の上方)に配される。つまり、スクリーン212は、下部領域210bへの吸着材Kの移動を規制する。吸着材Kは、多孔質樹脂で形成された立方体(キューブ)であり、ノルマルヘキサン抽出物質を吸着する。多孔質樹脂は、例えば、ポリウレタンエーテルフォームである。吸着材Kを多孔質樹脂で構成することにより、ノルマルヘキサン抽出物質を効率よく吸着することができる。
処理水槽210に収容される微生物は、ノルマルヘキサン抽出物質を分解する好気性微生物である。
散気管220は、下部領域210b(処理水槽210におけるスクリーン212の下方)に配される。散気管220は、複数の孔が形成された管で構成される。散気管220には、後述する第1曝気部170と、第2曝気部180とが接続される。
排水流通部160は、処理水槽210内に排水を流通させる。本実施形態において、排水流通部160は、供給管162と、ポンプ164と、バルブ166a〜166cと、抜出管168とを含んで構成される。
供給管162は、一端が排水の供給源に接続され、他端が複数に分岐された配管である。供給管162の他端には、導入口162aが形成されている。導入口162aは、処理水槽210の上方に設けられ、処理水槽210に臨んで配される。
ポンプ164は、供給管162に設けられ、後述する制御部190によって駆動制御される。ポンプ164が駆動されることにより、排水が処理水槽210に導入される。
バルブ166a〜166cは、供給管162における分岐された箇所にそれぞれ設けられる。バルブ166a〜166cは、開閉弁で構成され、制御部190によって開閉制御される。
抜出管168は、一端が処理水槽210の底面に形成された排出口210cに接続され、他端が処理水槽210の上端より下方に位置する配管である。抜出管168は、鉛直方向から水平方向に屈曲した屈曲部168aを有する。抜出管168には屈曲部168aから鉛直上方に延在したエアー抜管168bが接続されている。エアー抜管168bは上端が大気開放されている。
したがって、ポンプ164によって導入された排水は、吸着材K、スクリーン212を通過して、排出口210cに到達する。つまり、排水は、処理水槽210内を下降流(上方から下方に向けた流れ)となって流れる。そして、排水は、吸着材Kを通過する過程で、吸着材Kに接触する。これにより、排水中のノルマルヘキサン抽出物質が吸着材Kに吸着される。このように、排水(もしくは処理後水)の流れを下降流とすることにより、上昇流とする場合と比較して、ノルマルヘキサン抽出物質の内の浮上しやすいものが処理水槽210から流出してしまう事態を回避することができる。
また、導入口162aを通じて処理水槽210に連続して排水が導入されると、処理水槽210における排水の水位が、抜出管168における屈曲部168aと実質的に等しい高さに維持された状態で、抜出管168を通じて、処理後水が排出される。このように、抜出管168を排出口210cに接続する構成により、処理水槽210の水位を維持したまま、処理水槽210に導入された排水と同量の処理後水を自動的に排出する(オーバーフローさせる)ことができる。
なお、排水流通部160による処理水槽210内の排水の滞留時間は、例えば、1時間未満(20分程度)である。
第1曝気部170は、第1曝気管172と、ブロワ174とを含んで構成される。第1曝気管172は、一端が大気開放され、他端が複数に分岐された配管である。第1曝気管172の他端は、処理水槽210に収容された散気管220にそれぞれ接続される。
ブロワ174は、第1曝気管172に設けられ、制御部190によって駆動制御される。ブロワ174が駆動されることにより、散気管220を通じて、空気(酸素を含むガス)が下部領域210bに供給される。
第2曝気部180は、第2曝気管182と、ブロワ184と、バルブ186a〜186cとを含んで構成される。第2曝気管182は、一端が大気開放され、他端が複数に分岐された配管である。第2曝気管182の他端は、処理水槽210に収容された散気管220にそれぞれ接続される。
ブロワ184は、第2曝気管182に設けられ、制御部190によって駆動制御される。ブロワ184が駆動されることにより、散気管220を通じて、空気(ガス)が下部領域210bに供給される。なお、制御部190は、第1曝気部170によって供給される空気より大量の空気が処理水槽210に供給されるようにブロワ184を制御する。
バルブ186a〜186cは、第2曝気管182における分岐された箇所にそれぞれ設けられる。バルブ186a〜186cは、開閉弁で構成され、制御部190によって開閉制御される。
詳しくは後述するが、第2曝気部180を備える構成により、吸着材Kに吸着した有機物や微生物を吸着材Kから脱離させることができる。これにより、吸着材Kの吸着率を向上させることが可能となる。
制御部190は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成される。制御部190は、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して油浄化装置110全体を制御する。本実施形態において、制御部190は、ポンプ164、バルブ166a〜166c、ブロワ174、184、バルブ186a〜186cを制御する。
図3は、制御部190による浄化処理の流れを説明するフローチャートである。制御部190は、初期状態において、ポンプ164、ブロワ174、184の駆動を停止し、バルブ166a〜166c、および、バルブ186a〜186cを閉弁しておく。また、制御部190は、ユーザによって停止指示が入力された場合には、そのときに遂行している処理を停止する。
(処理ユニット決定処理S110)
制御部190は、複数の処理ユニット150のうち、1の処理ユニット150、例えば、処理ユニット150Aを決定する。そして、制御部190は、ポンプ164を駆動させ、処理ユニット150Aの処理水槽210に対応するバルブ166aを開弁する。そうすると、排水が処理ユニット150Aの処理水槽210内に導入され、処理水槽210内を排水が流通する。これにより、処理ユニット150Aの処理水槽210において、排水中のノルマルヘキサン抽出物質が吸着材Kに吸着される吸着処理が実行される。
また、制御部190は、ブロワ174を駆動させる。これにより、処理水槽210内の排水が攪拌され、ノルマルヘキサン抽出物質と吸着材Kとの接触確率を向上させることができる。したがって、吸着材Kによるノルマルヘキサン抽出物質の吸着効率を向上させることが可能となる。
(切換条件判定処理S120)
制御部190は、排水を流通させている処理ユニット150の処理水槽210に対し、所定の切換条件を満たすか否かを判定する。その結果、制御部190は、切換条件を満たすと判定した場合、吸着条件判定処理S130に処理を移す。一方、制御部190は、切換条件を満たさないと判定した場合、当該切換条件判定処理S120を繰り返す。こうして、切換条件を満たすまで1の処理ユニット150(処理ユニット150A)で吸着処理が維持される。
ここで、切換条件は、排水を流通させている時間(以下、「流通時間」と称する)、つまり、処理水槽210への排水の流通を開始してからの経過時間が所定時間に到達したことである。所定時間は、処理後水中のノルマルヘキサン抽出物質の濃度が所定の許容値まで到達する時間であり、予め実験によって導出される。また、許容値は、メタン発酵槽120のメタン発酵菌の活性を所定値以上に維持できるノルマルヘキサン抽出物質の上限値未満の所定の値である。
流通時間が長くなるに従って、吸着材Kの孔がノルマルヘキサン抽出物質等で埋まり、吸着材Kの吸着率が低下していく。このため、流通時間が長くなるに従って、処理後水中のノルマルヘキサン抽出物質の濃度が上昇していく。したがって、流通時間が所定時間に到達したことを切換条件とすることで、処理後水中のノルマルヘキサン抽出物質の濃度を許容値以下に抑えることができる。なお、所定時間に到達したときの吸着材Kの吸着率を第1所定値とする。
(吸着条件判定処理S130)
排水を流通させている処理ユニット150の処理水槽210が所定の切換条件を満たすと判定すると、制御部190は、現在排水を流通させている処理ユニット150以外で、所定の吸着条件を満たす処理水槽210を有する処理ユニット150があるか否かを判定する。その結果、制御部190は、吸着条件を満たす処理水槽210を有する処理ユニット150があると判定した場合、切換処理S140に処理を移す。一方、制御部190は、吸着条件を満たす処理水槽210を有する処理ユニット150がないと判定した場合、切換条件判定処理S120に処理を戻す。こうして、いずれかの処理水槽210が吸着条件を満たすようになるまで、1の処理ユニット150(処理ユニット150A)で吸着処理が維持される。
ここで、吸着条件は、吸着材Kの吸着率が第1所定値を上回る第2所定値以上であることである。つまり、吸着条件を満たす処理水槽210は、切換条件を満たさない。換言すれば、切換条件を満たす処理水槽210は、吸着条件を満たさない。したがって、吸着条件を満たすと同時に切換条件を満たさなくなり、切換条件を満たすと同時に吸着条件を満たさなくなる。
(切換処理S140)
制御部190は、吸着条件を満たす処理水槽210を有する処理ユニット150のうち、1の処理ユニット150、例えば、処理ユニット150Bを決定する。そして、制御部190は、処理ユニット150Bの処理水槽210に対応するバルブ166bを開弁する。そうすると、排水が処理ユニット150Bの処理水槽210内に導入され、処理水槽210内を排水が流通する。これにより、処理ユニット150Bの処理水槽210において、排水中のノルマルヘキサン抽出物質が吸着材Kに吸着される吸着処理が実行される。こうして、いずれかの処理水槽210が吸着条件を満たすまで1の処理ユニット150(処理ユニット150B)で吸着処理が維持される。
このように、制御部190が、排水の流通先を、吸着条件を満たす処理水槽210を有する処理ユニット150に切り換えることで、排水からノルマルヘキサン抽出物質を連続的に除去することができる。
また、制御部190は、切換条件を満たした処理水槽210(現在排水を流通させている処理水槽210)に対応するバルブ166aを閉弁し、処理ユニット150Aの処理水槽210への排水の導入を停止させる停止処理を実行する。そうすると、処理ユニット150Aの処理水槽210は、排水で満たされるものの、排水の流通は停止されることになる。
上記したように、処理水槽210は、ノルマルヘキサン抽出物質を分解する微生物を収容している。また、排水には、ノルマルヘキサン抽出物質を分解する微生物が含まれている。したがって、処理水槽210を排水で満たし、流通させずに放置するだけで、吸着材Kに吸着されたノルマルヘキサン抽出物質の微生物による分解(分解処理)が為されることになる。なお、分解処理が為されている間においても、ブロワ174は駆動されている。これにより、処理水槽210内の微生物が活性化され、ノルマルヘキサン抽出物質の分解を促進させることができる。
そして、分解処理の実行時間が経過するに従って、微生物によるノルマルヘキサン抽出物質の分解が進行する。したがって、例えば、停止処理が実行されてから(吸着処理が終了してから)、所定の分解時間が経過した処理ユニット150の処理水槽210は、吸着条件を満たすことになる。ここで、分解時間は、第1所定値まで低下した吸着材Kの吸着率が、微生物によるノルマルヘキサン抽出物質の分解によって第2所定値以上に戻るまでの時間である。
また、制御部190は、分解時間が経過した処理ユニット150、例えば、処理ユニット150Aの処理水槽210に対応するバルブ186aを開弁し、ブロワ184の駆動を開始する曝気処理を実行する。そして、ブロワ184の駆動を開始してから所定時間が経過した後、制御部190は、バルブ186aを閉弁して、ブロワ184を停止する。
曝気処理を実行することにより、処理ユニット150Aの処理水槽210内に大量のガスが供給され、吸着材Kに吸着した有機物や微生物を吸着材Kから脱離させることができる。したがって、吸着材Kの吸着率を第2所定値からさらに向上することが可能となる。
また、脱離させた有機物および微生物は、処理水槽210に設けられた不図示のドレン配管から抜き出され、停止処理が実行された(分解処理が開始された)処理水槽210に供給されるとよい。これにより、分解処理をより促進させることができる。なお、脱離させた有機物および微生物は廃棄されてもよい。
以上説明したように、本実施形態の排水浄化システム100は、排水の流通先を、吸着率が低下した処理水槽210から吸着率が復活した処理水槽210に切り換える。つまり、1の処理水槽210において吸着処理と分解処理とを異なる時間帯で行う。また、複数の処理水槽210を用いて、吸着処理と分解処理とを並行して行う。したがって、微生物によるノルマルヘキサン抽出物質の分解が、吸着材Kによるノルマルヘキサン抽出物質の吸着より遅い場合であっても、ノルマルヘキサン抽出物質の流出を抑制しつつ、ノルマルヘキサン抽出物質の除去効率を向上させることができる。
(変形例)
上記実施形態において、流通時間が所定時間に到達したことを切換条件とする場合を例に挙げて説明した。しかし、排水を流通させている処理水槽210に収容された吸着材Kの吸着率が第1所定値(所定値)未満となったことを測定し、第1所定値未満となったことを切換条件としてもよい。
例えば、ノルマルヘキサン抽出物質が界面活性剤である場合、処理水槽210の水面の上方の所定の位置に泡センサを設置しておく。そして、制御部190は、泡センサが泡を検知したら吸着材Kの吸着率が第1所定値未満となったと判定する。ここで、所定の位置は、吸着材Kの吸着率が第1所定値となったときの泡の高さに対応する位置であり、予め実験によって導出される。
(実施例)
処理ユニット150を1つ備えた油浄化装置110を用いて排水を処理した処理後水(実施例)と、何らの処理も施さない排水(比較例)との水質を比較した。なお、実施例において、処理水槽210の有効容積は、1.5Lとし、滞留時間20分として排水を流通させた。
図4は、実験結果を説明する図である。図4(a)は、実施例および比較例の水質を説明する図である。図4(b)は、実施例および比較例のメタンガスの発生量を説明する図である。なお、図4(a)中、実施例を白色で示し、比較例を黒色で示す。
その結果、図4(a)に示すように、有機物全量の指標であるCODCrの濃度は、比較例が4070mg/Lであり、実施例が1890mg/Lであった(除去率54%)。懸濁物質(SS:Suspended Substance)の濃度は、比較例が2360mg/Lであり、実施例は、247mg/Lであった(除去率90%)。ノルマルヘキサン抽出物質の濃度は、比較例が1385mg/Lであり、実施例が129mg/Lであった(除去率91%)。
以上の結果から、懸濁物質の除去率、および、ノルマルヘキサン抽出物質の除去率が、CODCrの除去率より高いことが分かった。これにより、油浄化装置110は、懸濁物質およびノルマルヘキサン抽出物質を選択的に除去できることが確認された。
また、UASB方式のメタン発酵槽120を用いて、メタン発酵処理を行った。1日から21日までは比較例を導入してメタン発酵処理を行い、22日(t1)以降実施例を導入した。
その結果、図4(b)に示すように、実施例では、比較例より、メタンガスの発生量が著しく増加することが分かった。上記図4(a)に示したように、実施例では、メタンガスの発生源となる懸濁物質が比較例より少ないが、メタンガスの発生量が比較例より多い。これは、メタン発酵菌の活性を阻害するノルマルヘキサン抽出物質が除去されたため、実施例では、メタン発酵槽120においてメタン発酵菌の活性が上がったからであると考えられる。以上の結果より、油浄化装置110でノルマルヘキサン抽出物質を除去した処理後水をメタン発酵槽120に導入することにより、効率よくメタンを製造できることが確認された。
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態において、排水浄化システム100が、3つの処理水槽210を備える構成を例に挙げて説明した。しかし、排水浄化システム100は、少なくとも2以上の処理水槽210を備えていればよい。
また、上記実施形態において、吸着材Kが多孔質樹脂で構成される場合を例に挙げて説明した。しかし、吸着材Kは、ノルマルヘキサン抽出物質を吸着できれば材質に限定はない。
また、上記実施形態において、吸着材Kがキューブ形状である場合を例に挙げて説明した。しかし、吸着材Kは、ノルマルヘキサン抽出物質を吸着できれば形状に限定はない。例えば、吸着材Kはシート形状であってもよい。
また、上記実施形態において、第1曝気部170が空気を供給する構成を例に挙げて説明した。しかし、第1曝気部170は、少なくとも酸素を含むガスを供給すればよい。また、第1曝気部170は必須の構成ではない。
また、上記実施形態において、第2曝気部180が空気を供給する構成を例に挙げて説明した。しかし、第2曝気部180は、少なくともガスを供給すればよい。また、第2曝気部180は必須の構成ではない。
また、上記実施形態において、排水浄化システム100がメタン発酵槽120を備える構成を例に挙げて説明した。しかし、メタン発酵槽120は、必須の構成ではない。
また、上記実施形態において、吸着材Kの吸着率が第1所定値未満になったことを間接的に判定する構成を例に挙げて説明した。しかし、吸着材Kの吸着率が第1所定値未満になったことを直接判定し、切換条件としてもよい。
本開示は、微生物によってノルマルヘキサン抽出物質を分解させる排水浄化システムに利用することができる。
K 吸着材
100 排水浄化システム
160 排水流通部
162a 導入口
164 ポンプ
168 抜出管(配管)
170 第1曝気部
180 第2曝気部
190 制御部
210 処理水槽
210c 排出口

Claims (6)

  1. ノルマルヘキサン抽出物質を吸着する吸着材、および、前記ノルマルヘキサン抽出物質を分解する微生物が収容された複数の処理水槽と、
    前記複数の処理水槽のうち、所定の吸着条件を満たす処理水槽に、前記ノルマルヘキサン抽出物質が含まれる排水を流通させ、所定の切換条件を満たすと、当該処理水槽への前記排水の流通を停止して、前記吸着条件を満たす他の処理水槽に前記排水を流通させる制御部と、
    を備え
    前記切換条件は、
    前記排水を流通させている前記処理水槽に収容された前記吸着材の吸着率が、予め導出された、処理後水中の前記ノルマルヘキサン抽出物質の濃度が許容値となるのに要する時間に到達したときの前記吸着材の吸着率である第1所定値未満となることであり、
    前記吸着条件は、
    前記吸着材の吸着率が前記第1所定値を上回る第2所定値以上となること、もしくは、前記処理水槽への前記排水の流通を停止してからの経過時間が、前記第1所定値まで低下した前記吸着材の吸着率が第2所定値以上に戻るまでに要する分解時間に到達することである排水浄化システム。
  2. 前記処理水槽内における前記吸着材の下方に、少なくとも酸素を含むガスを供給する第1曝気部を備える請求項1に記載の排水浄化システム。
  3. 前記処理水槽内における前記吸着材の下方に、前記第1曝気部に加え、前記第1曝気部よりも大量のガスを供給する第2曝気部を備える請求項に記載の排水浄化システム。
  4. 前記吸着材は、多孔質樹脂で構成される請求項1からのいずれか1項に記載の排水浄化システム。
  5. 前記処理水槽の上部、または、前記処理水槽の上方に設けられた導入口を通じて排水を導入するポンプと、
    一端が、前記処理水槽における前記導入口の下方に形成された排出口に接続され、他端が前記処理水槽の上端より下方に位置する配管と、
    を含んで構成される排水流通部を備え、
    前記制御部は、前記排水流通部を制御する請求項1からのいずれか1項に記載の排水浄化システム。
  6. メタン発酵菌を収容し、前記処理水槽から排出された排水が導入されるメタン発酵槽を備える請求項1からのいずれか1項に記載の排水浄化システム。
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