JP6895317B2 - 多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンおよび組成物 - Google Patents

多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンおよび組成物 Download PDF

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Description

本発明は、シリコーン樹脂へのナノカーボンの分散性を改良する処理剤としての多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサン、および、前記多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンを含む組成物に関する。
従来から、ポリオルガノシロキサンからなるシリコーン樹脂は、耐熱性、耐光性、透明性等に優れることから、例えばLED(Light Emitting Diode)等の発光素子の封止材として用いられている。また、シリコーン樹脂に電気伝導性や熱伝導性を付与する目的でグラフェンなどのナノカーボンを配合、分散して上記機能性付与を検討しているが、一般的にナノカーボンは強く凝集しているためにシリコーン樹脂中への分散性が著しく悪く、ナノカーボンの性能(電気伝導性や熱伝導性)を十分に発揮することができない。そこで、ナノカーボンの分散性を改善する目的で、各種の処理剤が開発されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1には、アントラセン、ピレンなどの多環式芳香族炭素水素末端にセルロース等の多糖類、DNA等の生体高分子またはクラウンエーテル、シクロデキストリン等の環状ホスト分子が結合した処理剤が開示されている。このような処理剤は、多環式芳香族炭化水素化合物とナノカーボン表面とのπ−π相互作用によりナノカーボンに固定化される。しかしながら、この処理剤をシリコーン樹脂に適用しても、当該処理剤は、シリコーン樹脂に対する相溶性が悪いため、ナノカーボンの性能を十分に発揮することができない。そのためシリコーン樹脂に適用できるナノカーボン用処理剤の開発が検討されている。
例えば、非特許文献1にはピレン基片末端ポリジメチルシロキサンが報告されている。この非特許文献1に記載の化合物はシロキサンへの相溶性は良好だが、ピレン基とポリジメチルシロキサンとの結合がアミド結合のため、本化合物で処理されたナノカーボンを付加反応硬化型シリコーン樹脂に配合すると付加反応の硬化阻害が発現し、硬化不良となる。そのため、硬化不良のないシロキサン系ナノカーボン処理剤が求められている。
特開2012−214322号公報
E. Wendy, et al.: J. Phys. Chem. B, 109, 14824-14829(2005).
本発明は、上記事情に鑑みてなされた発明であり、本発明の目的は、例えばシリコーンを含む組成物に配合するナノカーボンの処理剤として用いることができる新規の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンを提供すること、また、前記多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンを含む組成物を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンは、ナノカーボンの分散性を改良する処理剤として用いられるものであり、
下記式(1)で表される化学構造を有する。
Figure 0006895317
(前記式(1)中、Xは、ピレン基、または、アルキレン基が結合しているピレン基であり、R1は、それぞれ独立して水素原子または有機基あるいはシロキシ基、シロキサン基等のケイ素含有基であり、R2は、2価の有機基であり、nは、1以上の整数である。)
本発明の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンでは、前記式(1)中のXは、炭素数が1以上10以下であるアルキレン基が結合している縮合環基であることが好ましい。
本発明の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンでは、前記式(1)中のXは、下記式(2)で表されることが好ましい。
Figure 0006895317
本発明の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンでは、前記式(1)中のnは、2以上100以下であることが好ましい。
本発明の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンでは、前記化学構造は、下記式(11)で表されることが好ましい。
Figure 0006895317
(前記式(11)中、R3はそれぞれ独立して炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、R2は2価のアルキレン基または酸素原子含有アルキレン基であり、aは0〜98の整数であり、bは0または1であり、dは0または1であり、cおよびeはそれぞれ0〜10の整数であり、a+b+dは2以上100以下である。)
本発明の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンでは、前記式(1)中の前記R1は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、もしくは、これらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子もしくはシアノ基で置換した官能基としての有機基、水素原子、または、シロキシ基、シロキサン基等のケイ素含有基であることが好ましい。
本発明の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンでは、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンは、付加硬化型のシリコーンを含む組成物中における前記ナノカーボンの分散性を改良する処理剤として用いられるものである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサン。
本発明の組成物は、本発明の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンと、
付加硬化型のシリコーンとを含むことを特徴とする。
本発明によれば、シリコーンを含む組成物に配合するナノカーボンの処理剤として用いることができる新規の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンを提供すること、また、前記多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンを含む組成物を提供することができる。
グラフェンとピレン基含有片末端ポリジメチルシロキサン(Pyrene−ester−PDMS)との相互作用を表す図である。 1−ピレンブタン酸、片末端カルビノール基含有ポリジメチルシロキサン(PDMS−R−OH)およびピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサン(Pyrene−ester−PDMS)のFT−IRスペクトルである。 1−ピレンブタン酸のH−NMRスペクトルである。 片末端カルビノール基含有ポリジメチルシロキサン(PDMS−R−OH)のH−NMRスペクトルである。 ピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサン(Pyrene−ester−PDMS)のH−NMRスペクトルである。
以下、本発明の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンの好適な実施形態について説明する。
≪多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサン≫
多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンは、下記式(1)で示される化学構造を有する。
Figure 0006895317
(前記式(1)中、Xは、芳香族系の縮合環基、または、アルキレン基が結合している芳香族系の縮合環基であり、R1は、それぞれ独立して水素原子または有機基あるいはシロキシ基、シロキサン基等のケイ素含有基であり、R2は、2価の有機基であり、nは1以上の整数である。)
このような多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンは、例えば、シリコーンを含む組成物中にナノカーボンを分散させる処理剤として好適に用いることができる。なお、本明細書において、ナノカーボンとは、グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン、ダイアモンドライクカーボン、カーボンナノクリスタル、ナノダイヤモンド等の一般的なナノカーボンに加え、粒径が500nm以下のカーボンブラック等の炭素粒子を含む意味である。
以下、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンの構成を詳述する。
[式(1)中のX]
式(1)中のXは、芳香族系の縮合環基、または、アルキレン基が結合している芳香族系の縮合環基である。
本明細書において、芳香族系の縮合環基(以下、単に「縮合環基」とも言う)とは、芳香族系の縮合環由来の基のことを示す。また、別の言い方をすれば、芳香族系の縮合環基とは、芳香族系の縮合環を構成する原子を1個を除いた残りの原子団のことを示す。
縮合環基が有する複数の環の環員数は、それぞれ、5以上7以下であることが好ましく、6であることが好ましい。また、特に、縮合環基は、複数の無置換の6員環が縮合していることが好ましい。これにより、ナノカーボンとのπ−π相互作用(ロンドン分散力)をより高めることができ、よって、ナノカーボンの表面に多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンをより安定して固定することができる。
また、縮合環基は、3環以上6環以下の環が縮合していることが好ましく、4個の環が縮合していることがより好ましい。環の数が小さ過ぎると、ナノカーボンとのπ−π相互作用(ロンドン分散力)が低下する傾向を示す。一方、環の数が大き過ぎると、ナノカーボンの形状によっては、ナノカーボンに対して固定する多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンの密度が低下するおそれがある。
また、縮合環基は、フェナレン骨格を有するものが好ましい。縮合環基がフェナレンのような密集した構成となるので、ナノカーボンに固定する多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンの密度を高くし易い。そのため、シリコーンを含む組成物中でのナノカーボンの分散性をより高くすることができる。また、縮合環基が密集した構成であると、構造の平面性が高く、よって、例えばグラフェン等の平面性の高いナノカーボンに対して多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンをより安定して固定できる。
縮合環基としては、例えば、ナフタレン基、フェナントレン基、アントラセン基、クリセン基、ピレン基またはペンタセン基等が挙げられる。これらの中でも、ナフタレン基、フェナントレン基またはピレン基であることがより好ましく、ピレン基であることがさらに好ましい。すなわち、前記式(1)中のXの縮合環基は、ピレン基であることが特に好ましい。これにより、ナノカーボンに固定する多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンの密度を高くし易く、よって、シリコーンを含む組成物中でのナノカーボンの分散性をより高くすることができる。また、4個の6員環を有する縮合環基の中でもピレン基は、他の4個の6員環を有する縮合環基に比べて、密集した構造であり、2次元的な広がりが比較的小さい。そのため、ピレン基を有する多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンであると、様々な形状のナノカーボンに対してより安定的に固定することができる。また、ピレン基を有する多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンは、平面性が高く、よって、例えばグラフェン等の平面性の高いナノカーボンに対して多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンをより安定して固定できる。
また、前記式(1)中のXは、芳香族系の縮合環基、および、アルキレン基が結合している芳香族系の縮合環基のうち、アルキレン基が結合している芳香族系の縮合環基であることが好ましい。これにより、縮合環基とエステル結合とを離間させることができる。そのため、縮合環基のπ電子がエステル結合の極性の影響を受けることを低減でき、よって、ナノカーボンに多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンをより安定して固定することができる。また、後述する合成をより効率良く行うことができ、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンをより収率よく得ることできる。
なお、アルキレン基は、直鎖状であることが好ましいが、分岐している部分を含んでいてもよい。
アルキレン基の炭素数は、1以上10以下であることが好ましく、2以上6以下であることがより好ましく、3であることがさらに好ましい。炭素数が小さ過ぎると、縮合環基のπ電子がエステル結合の極性の影響を受けやすくなり、縮合環基の構成によってはナノカーボンとのπ−π相互作用が低下する傾向を示す。一方、炭素数が大き過ぎると、後述する合成の効率が低下したり、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンの収率が低下するおそれがある。
以上のようなことから、前記式(1)中のXは、下記式(2)で表されることが好ましい。
Figure 0006895317
これにより、前述したように、ナノカーボンに対して固定されている多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンの密度を高くし易く、よって、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンが固定されたナノカーボンのシリコーンを含む組成物中への分散性を特に高くすることができる。さらには、様々な形状のナノカーボンに対して多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンを特に安定して固定することができる。
なお、式(1)中のXの縮合環基には、前述したアルキレン基以外の任意の置換基が結合していてもよい。例えば、ナノカーボンとのπ−π相互作用(ロンドン分散力)をより強くするような置換基を導入してもよい。
[式(1)中の下記式(4)で表される部分]
Figure 0006895317
(前記式(4)中、R1は、それぞれ独立して水素原子または有機基あるいはシロキシ基、シロキサン基等のケイ素含有基であり、R2は、2価の有機基であり、nは1以上の整数である。)
前述した式(1)中の式(4)で表される部分は、シロキサン結合を有し、オルガノシロキサン由来の基である。多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンが式(4)の構造を有することで、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンのシリコーンに対する親和性を高めることができる。なお、オルガノシロキサンとは、シロキサン結合に有機基が結合したものである。
式(4)中のR1はそれぞれ独立して水素原子または有機基あるいはシロキシ基、シロキサン基等のケイ素含有基である。有機基としては、炭素原子および水素原子を有する基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの(例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基)等が挙げられる。これらの中でも特に、アルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。これにより、式(4)の極性を低くでき、よって、例えば無極性または極性の低い溶媒やシリコーンに対する親和性を高めることができる。
また、式(4)中の複数のR1は、互いに同一でも異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。これにより、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンの合成において、式(4)となる原料の入手が容易であり、また、合成をより容易に行うことができる。
式(4)中のR1は、全て炭化水素基であることが好ましく、全て炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基であることがより好ましく、全てメチル基であることがさらに好ましい。これにより、例えば非極性または極性の低い溶媒やシリコーンに対する親和性を特に高めることができる。
式(4)中のR2は、2価の有機基である。式(4)中の各R2としては、炭素原子および水素原子を有する基、例えば、メチレン基、エチレン基等のアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン基、酸素原子含有アルキレン基等酸素原子含有有機基、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、等が挙げられる。これらの中でも特に、アルキレン基または酸素原子含有アルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基または酸素原子含有アルキレン基であることがさらに好ましい。これにより、前述したように、式(4)の極性を低くでき、よって、例えば非極性または極性の低い溶媒やシリコーンに対する親和性を高めることができる。
式(4)中のn、すなわち式(1)中のnは、1以上の整数であればよいが、2以上100以下の整数であることが好ましく、5以上80以下の整数であることがより好ましく、20以上50以下の整数であることがさらに好ましい。nの数が小さ過ぎると、シリコーンに対する親和性が小さくなる傾向を示す。一方、nの数が大き過ぎると、後述する合成の効率が低下したり、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンの収率が低下するおそれがある。
このような前記式(4)としては、下記式(9)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006895317
(前記式(9)中、R3は、それぞれ独立して炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、R2は2価のアルキレン基または酸素原子含有アルキレン基であり、aは0〜98の整数であり、bは0または1であり、dは0または1であり、cおよびeはそれぞれ0〜10の整数であり、a+b+dは2以上100以下である。)
例えば、シリコーンを含む組成物に含まれるシリコーンに応じて前記式(9)で表される部分を適宜設定することで、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンを、シリコーンを含む組成物中にナノカーボンを分散させる処理剤としてより好適に用いることができる。
特に、前記式(4)は、下記式(5)で表されることが好ましい。
Figure 0006895317
(前記式(5)中、nは、2以上100以下である。)
また、式(5)中のRは、アルキレン基または酸素原子含有アルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキレン基または酸素原子含有アルキレン基であることがより好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基または酸素原子含有アルキレン基であることがさらに好ましい。
この式(5)で表される部分は、オルガノシロキサンから誘導される基である。そのため、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンが式(5)で表される部分を有することで、ジメチルポリシロキサン(PDMS)への親和性を特に高めることができる。
[エステル結合(−COO−)]
前述した式(1)中のXと、式(4)で表される部分とは、エステル結合(−COO−)で連結されている。これらが比較的極性の低いエステル結合で連結されていることで、付加硬化型のシリコーンを含む組成物中に対して多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンを用いても、従来のようなアミド結合による硬化阻害が生じることを防ぐことができる。
さらには、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンは、アミド結合を有さない構成であることが好ましい。これにより、硬化阻害が生じ難く、よって、付加硬化型のシリコーンを含む組成物中に対してシロキサン化合物を好適に用いることができる。
以上、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンの構成について説明した。
前述したように、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンは、下記式(1)で示される化学構造を有する。
Figure 0006895317
(前記式(1)中、Xは、芳香族系の縮合環基、または、アルキレン基が結合している芳香族系の縮合環基であり、R1は、それぞれ独立して水素原子または有機基あるいはシロキシ基、シロキサン基等のケイ素含有基であり、R2は、2価の有機基であり、nは1以上の整数である。)
このような新規の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンによれば、前述したように、エステル結合で式(1)中のXと、式(4)で表される部分とが連結されているため、付加硬化型のシリコーンを含む組成物中に対して用いても従来のようなアミド結合による硬化阻害が生じ難い。また、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンは、芳香族系の縮合環基を有することで、π−π相互作用によりナノカーボンの表面に安定して固定できる。また、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンは、式(4)で表される部分を有することで、シリコーンに対する親和性に優れている。したがって、このような新規の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンをシリコーンを含む組成物中へのナノカーボンの処理剤として用いることで、シリコーンを含む組成物中におけるナノカーボンの分散性を向上させることができる。そのため、ナノカーボンの特性(電気伝導性、熱伝導性および強度等)を十分に発揮することができる。
また、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンの前記化学構造は、下記式(11)で表されることが好ましい。
Figure 0006895317
(前記式(11)中、R3はそれぞれ独立して炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、R2は2価のアルキレン基または酸素原子含有アルキレン基であり、aは0〜98の整数であり、bは0または1であり、dは0または1であり、cおよびeはそれぞれ0〜10の整数であり、a+b+dは2以上100以下である。)
特に、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンの前記化学構造は、下記式(3)で表されることが好ましい。
Figure 0006895317
(前記式(3)中、nは、2以上100以下である。)
また、式(3)中のRは、アルキレン基または酸素原子含有アルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキレン基または酸素原子含有アルキレン基であることがより好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基または酸素原子含有アルキレン基であることがさらに好ましい。
式(3)で表される化学構造はピレン基を備えるため、ナノカーボンに対して固定されている多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンの密度を高くし易い。例えば、前記式(3)で表される多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサン(ピレン基含有片末端ポリジメチルシロキサン)は、図1に示すようにグラフェンに対してπ−π相互作用により固定された状態となる。なお、図1は、グラフェンとピレン基含有片末端ポリジメチルシロキサン(Pyrene−ester−PDMS)との相互作用を表す図である。このように、前記式(3)で表される多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサを用いることで、π−π相互作用を利用して、グラフェンを均一に分散させることができる。そのため、シリコーンを含む組成物中へのナノカーボンの分散性を特に高くすることができる。さらには、様々な形状のナノカーボンに対して多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンを特に安定して固定することができる。また、式(3)で表される化学構造は前述した式(5)で表される部分を備えているため、ジメチルポリシロキサン(PDMS)への親和性が特に高い。そのため、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンが式(3)で表される化学構造を有することで、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンをジメチルポリシロキサン(PDMS)に対するナノカーボンの処理剤として好適に用いることができる。
≪多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンの合成方法≫
次に、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンの合成方法について説明する。
多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンの合成方法は、原料(A)と原料(B)とを縮合反応させることにより生成することができる。具体的には、原料(A)と原料(B)とを縮合反応させ(ステップS1)、その後、縮合反応により生成した副生物、溶媒および未反応の原料(原料A、B、縮合剤)を除去する(ステップS2)。
以下、合成方法について順次説明する。
[1]原料(A)と原料(B)とを縮合反応させる(ステップS1)。
まず、原料(A)、原料(B)、縮合剤および溶媒をそれぞれ所定量用意し、これらを混合して、原料(A)と原料(B)とを縮合反応させて反応液を得る。
原料(A)は、前述した式(1)中のXとなる化合物である。具体的には、原料(A)は、アルキレン基が結合していてもよい芳香族系の縮合環基が有する原子にカルボキシル基が結合した化合物や、その酸無水物である。
原料(A)としては、例えば、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、1−ナフタレン酢酸、1−フェナントレン酢酸、2−アントロン酸、9−アントロン酸、1−ピレンカルボン酸、2−ピレンカルボン酸、1−ピレン酢酸、1−ピレンプロピオン酸、1−ピレンブタン酸、2−ピレンブタン酸、その酸無水物等が挙げられる。
原料(B)は、前述した式(4)で表される部分となる化合物である。具体的には、原料(B)は、式(4)で表される部分のR2にヒドロキシル基が結合した構成の化合物である。特に、原料(B)は、式(4)で表される部分のR2とヒドロキシル基とでカルビノール基を構成している化合物であることが好ましい。
原料(B)としては、下記式(10)で表されるものを用いることができる。
Figure 0006895317
(前記式(10)中、R3は、それぞれ独立して炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、R4のうちの少なくとも1つは、カルビノール基含有アルキレン基または酸素原子含有アルキレン基であり、R4のうちの残りは、それぞれ独立して炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、aは0〜98の整数であり、bは0または1であり、dは0または1であり、cおよびeはそれぞれ0〜10の整数であり、a+b+dは2以上100以下である。)
原料(B)の具体例としては、例えば、分子鎖の片末端がカルビノール基で封鎖された(ポリ)ジメチルシロキサン、分子鎖の片末端がカルビノール基で封鎖されたメチルフェニル(ポリ)シロキサン、分子鎖の片末端がカルビノール基で封鎖されたジフェニルメチル(ポリ)シロキサン、分子鎖の片末端がカルビノール基で封鎖されたジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖の片末端がカルビノール基で封鎖されたトリフルオロプロピルメチル(ポリ)シロキサン等が挙げられる。
特に、前述した原料(A)は1−ピレンブタン酸であり、かつ、原料(B)は耐熱性、耐光性等の特性や合成のし易さから分子鎖片末端がカルビノール基で封鎖されたポリジメチルシロキサン(PDMS-R-OH)であることが好ましい。これにより、前述した式(3)で表される多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンを得ることができる。
また、前述した原料(A)の使用量Xaに対する原料(B)の使用量Xbの当量比(Xb/Xa)は、0.7以上1.3以下であることが好ましく、0.9以上1.1以下であることがより好ましい。これにより、未反応の原料A、Bを低減できる。
縮合剤としては、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等のカルボジイミド系縮合剤または2−クロロ−4,6−ジメトキシトリアジン(CDMT)等のトリアジン系縮合剤等が挙げられる。
また、前述した原料(A)の使用量Xaに対する縮合剤の使用量Xcの当量比(Xc/Xa)は、0.7以上1.3以下であることが好ましく、0.9以上1.1以下であることがより好ましい。同様に、前述した原料(B)の使用量Xbに対する縮合剤の使用量Xcの当量比(Xc/Xb)は、0.7以上1.3以下であることが好ましく、0.9以上1.1以下であることがより好ましい。これにより、未反応の原料A、Bおよび縮合剤を低減できる。
溶媒は、無極性溶媒または極性の低い溶媒であることが好ましい。これにより、原料(A)と原料(B)との反応に溶媒が悪影響を及ぼすことを抑制することができる。溶媒としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはアミノ基等の極性基を有さないものであることが好ましく、具体的には、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等が挙げられる。
反応条件は、例えば用いる原料(A)および原料(B)の種類に応じて設定することができる。例えば、まず、原料(A)、原料(B)、縮合剤および溶媒を含む混合物を60℃以上120℃以下で5分以上20分以下の範囲内で加熱して溶媒に原料(A)を溶解させた後、室温(具体的には15℃以上25℃以下程度)で12時間以上36時間以下の範囲内で撹拌する。これにより、エステル結合(−COO−)が生成され、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンを得ることができる。
[2]縮合反応により生成した副生物を除去する(ステップS2)。
次に、ステップS1で得られた反応液から、縮合反応により生成した副生物を除去する。
具体的には、まず、ステップS1で得られた反応液から、縮合反応により生成した副生物等を例えば高速遠心分離機を用いて遠心分離することにより除去する。なお、濾過等で分離してもよい。また、副生物は、例えば縮合剤の水和物である。また、遠心分離における回転数(rpm)や回転時間(h)等の条件は、特に限定されないが、例えば、回転数は5000rpm以上20000rpm以下の範囲内とし、回転時間は30分以上5時間以下の範囲内とすることができる。また、前述の条件で遠心分離を行う回数は特に限定されず任意である。
次いで、例えばロータリーエバポレーター等の減圧蒸留装置を用いて反応液を減圧加熱して、反応液中の溶媒を除去して反応生成物を得る。反応生成物は、主として多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンを含むものである。
次いで、反応生成物中に残留している副生物を除去するために例えばメタノール等を用いて洗浄する。
そして、洗浄した後、反応生成物を減圧または真空下で乾燥させる。これにより、多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンを収率良く取得することができる。
以上、説明したような合成方法によれば、比較的温和な反応条件で容易にかつ収率良く多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンを得ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明を構成する各部は、同様の機能を有する任意のものに置換することができる。
また、例えば、本発明に係る多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンは、前記式(1)に示す化学構造を有していればよく、本発明における前述した作用および効果を損なわない程度に他の原子団が式(1)に示す化学構造の任意の箇所に結合していてもよい。
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
<実施例>
1.下記式(8)で表されるピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサン(Pyrene-ester-PDMS)の合成
ピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサンは、以下のような反応式に従って合成される。
Figure 0006895317
[1]原料(A)と原料(B)とを縮合反応させる(ステップS1)。
まず、100mlビーカーに、原料(A)としての前記式(6)で表される1−ピレンブタン酸を0.15g(0.5mmol)と、原料(B)としての前記式(7)で表される片末端カルビノール基含有ポリジメチルシロキサン(質量平均分子量:2800、信越化学工業株式会社製)を1.40g(0.5mmol)と、縮合剤としてのN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を1.03g(0.5mmol)とに、溶媒としてのトルエンを50ml加えてこれらの混合物を得る。次いで、混合物を80℃で10分加熱し、1−ピレンブタン酸をトルエンに完全に溶解する。その後、混合物を室温(約25℃)で24時間撹拌させる。これにより1−ピレンブタンと片末端カルビノール基含有ポリジメチルシロキサンとが脱水縮合反応し、これにより、前記反応式に従って前記式(8)で表されるピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサンを含む反応液を得た。
[2]縮合反応により生成した副生物を除去する(ステップS2)。
ここで、ステップS1で得られた反応液中に存在する脱水縮合反応により生成した副生物が観察された。副生物は、N,N’−ジシクロヘキシルウレア(DCU)の白色の沈殿物であった。そこで、この反応液を高速遠心分離機を用いて遠心分離(15000rpm/3時間)を3回繰り返して行い、反応液から沈殿物を除去した。
次いで、得られた反応液をロータリーエバポレーターを用いて100mmHgの減圧下で、80℃で10分加熱して、反応液からトルエンを除去して反応生成物を得た。その後、反応生成物中に微量に残留しているN,N’−ジシクロヘキシルウレア(DCU)を除去するために、反応生成物をメタノールで洗浄した。この洗浄を3回繰り返した。
次いで、洗浄が済んだ反応生成物を0.1MPの真空下で、50℃で48時間真空乾燥を行った。これにより、ピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサン(前記式(8)参照)を得た。
2.同定結果
図2は、1−ピレンブタン酸、片末端カルビノール基含有ポリジメチルシロキサン(PDMS-R-OH)およびピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサン(Pyrene-ester-PDMS)のFT−IRスペクトルである。図3は、1−ピレンブタン酸のH−NMRスペクトルである。図4は、片末端カルビノール基含有ポリジメチルシロキサン(PDMS-R-OH)のH−NMRスペクトルである。図5は、ピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサン(Pyrene-ester-PDMS)のH−NMRスペクトルである。
図2に示すように、ピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサンのFT-IRスペクトルには、1730cm−1に片末端カルビノール基含有ポリジメチルシロキサンには見られないエステル結合に由来する吸収が観察された。これにより、ピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサンがエステル結合を有することが確認できた。
図3〜図5を参照して分かるように、ピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサンのH−NMRスペクトルには、ピレンと片末端カルビノール基含有ポリジメチルシロキサンに由来するシグナルが観察された。これにより、ピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサンが合成できたことが確認できた。
3.処理剤としての評価
(グラフェンへの固定)
グラフェン0.01g、ピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサン1.5g(0.5mmol)およびトルエン7.0mlを含む混合物を超音波照射しながら処理した。
そして、混合物を処理して得られた分散液を1.5×10rpmで遠心分離を繰り返すことにより、グラフェンに固定されていない未固定のピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサンを除去した。これにより、ピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサンで処理したグラフェン(グラフェンに固定されたピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサン)を得た。
ここで、熱重量分析の結果、グラフェンへのピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサンの固定化量は98質量%であった。
(分散性の評価)
次に、ピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサンで処理したグラフェンを1.0質量%の濃度でトルエンに再分散させた後、室温(約25℃)に静置した。同様に、ピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサンで処理していないグラフェン単体をトルエンに分散させた後、静置させた。そして、グラフェンの沈降状態を目視で観察した。その結果、ピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサンを用いない系では、1時間以内にグラフェンが完全に沈降したのに対し、ピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサンで処理したグラフェンは、24時間後も分散性を保持していた。このように、ピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサンを処理剤として用いることで、ナノカーボンとしてのグラフェンをトルエン中に容易にしかも均一に分散させることができ、また、その分散性を長時間維持することができた。
また、ピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサンで処理したグラフェンをジメチルポリシロキサン(PDMS)中へ分散させた後、静置させた。同様に、ピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサンで処理していないグラフェン単体をジメチルポリシロキサンに分散させた後、静置させた。この場合でも、前述したトルエンに分散させた場合と同様に、ピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサンを用いない系よりもピレン基含有片末端のポリジメチルシロキサンで処理したグラフェンは、ジメチルポリシロキサン(PDMS)中に、容易にしかも均一に分散させることができ、また、その分散性を長時間維持することができた。
また、ピレン化シクロデキストリンで処理したグラフェンをジメチルポリシロキサン(PDMS)中へ分散させた後、静置させても、グラフェンは凝集して沈降した。

Claims (8)

  1. ナノカーボンの分散性を改良する処理剤として用いられるものであり、
    下記式(1)で表される化学構造を有することを特徴とする多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサン。
    Figure 0006895317
    (前記式(1)中、Xは、ピレン基、または、アルキレン基が結合しているピレン基であり、R1は、それぞれ独立して水素原子または有機基あるいはシロキシ基、シロキサン基等のケイ素含有基であり、R2は、2価の有機基であり、nは、1以上の整数である。)
  2. 前記式(1)中のXは、炭素数が1以上10以下であるアルキレン基が結合している縮合環基である請求項に記載の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサン。
  3. 前記式(1)中のXは、下記式(2)で表される請求項1または2に記載の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサン。
    Figure 0006895317
  4. 前記式(1)中のnは、2以上100以下である請求項1ないしのいずれか1項に記載の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサン。
  5. 前記化学構造は、下記式(11)で表される請求項1ないしのいずれか1項に記載の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサン。
    Figure 0006895317
    (前記式(11)中、R3はそれぞれ独立して炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、R2は2価のアルキレン基または酸素原子含有アルキレン基であり、aは0〜98の整数であり、bは0または1であり、dは0または1であり、cおよびeはそれぞれ0〜10の整数であり、a+b+dは2以上100以下である。)
  6. 前記式(1)中の前記R1は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、もしくは、これらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子もしくはシアノ基で置換した官能基としての有機基、水素原子、または、シロキシ基、シロキサン基等のケイ素含有基である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサン。
  7. 多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンは、付加硬化型のシリコーンを含む組成物中における前記ナノカーボンの分散性を改良する処理剤として用いられるものである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサン。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の多環式芳香族基片末端ポリオルガノシロキサンと、
    付加硬化型のシリコーンとを含むことを特徴とする組成物。
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