JP6894333B2 - ケーブル絶縁監視装置 - Google Patents

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Description

本発明は、通信ケーブルの状態を把握するためのケーブル絶縁監視装置に関し、特に鉄道軌道等に沿って敷設されている通信ケーブルの絶縁状態を把握するケーブル絶縁監視装置に利用して有効な技術に関する。
鉄道軌道の沿線には、絶縁膜で被覆された複数の芯線が束にされた通信ケーブルが敷設されている。この種の通信ケーブルは、屋外に敷設されているため、断線したり絶縁不良を起こしたりすることがある。そこで、ケーブルのシース(絶縁被膜)内に芯線と並行なパイロット線を設け、このパイロット線にケーブル監視装置を接続して通信ケーブルの状態を監視することが行われている。
従来、ケーブル監視装置としては、ケーブル内に設けた2本のパイロット線の末端同士をオープンな状態とし先端に電圧を印加してそのときに流れる電流を測定し、電流値が所定のしきい値を越えていれば、パイロット線間が絶縁不良を起こしていると判断する方法が知られている。
また、パイロット線とアース(接地端子)との間の抵抗値を測定して、測定された値が所定の抵抗値以下であれば、絶縁不良と判定することも行われている。因みに、パイロット線が絶縁不良と判断された場合、ケーブルの通信用の芯線同士も絶縁不良状態になっているかそのおそれが高いといえることから、パイロット線の状態から通信用の芯線の状態を推測することができる。
また、特許文献1には、パイロット線を利用してケーブルの断線を検出できるようにしたケーブル監視装置に関する発明が開示されている。
特開平11−108979号公報
パイロット線の絶縁抵抗値を測定することによって通信ケーブルの絶縁状態を判断する従来の方法にあっては、ケーブルの良/不良は把握できても、不良箇所(位置)を特定することが困難である。そのため、絶縁不良検知からケーブル不良箇所を特定し取り替え作業を完了するに至るまでに時間がかかり、その間にケーブルの絶縁抵抗値がさらに悪化し、最悪の場合は列車運行に影響を与えてしまう可能性があるという課題がある。また、天候などの環境によっては、現地調査日までの間にケーブルの絶縁不良が回復し、絶縁箇所の特定が困難になってしまうことがあった。
図7には、本発明者らが実際に行なったケーブルの絶縁抵抗の測定結果(蓄積データ)に基づいて、抵抗値の変化を、気温および湿度の変化とともにグラフで表わしたものを示す。なお、図7において、Tは気温、Hは湿度、L1−Eは第1パイロット線とアースとの間の絶縁抵抗の値、L2−Eは第2パイロット線とアースとの間の絶縁抵抗の値、L1−L2は第1と第2のパイロット線間の絶縁抵抗の値の変化をそれぞれ示したものである。
図7より、気温が−3.5℃を下回ると、L1−L2とL2−Eで示される絶縁抵抗の値が上昇して一時的に回復している様子が見てとれる。これは、気温が下がるとケーブルの引張度が高くなるため、L1−L2間の混触の度合いが小さくなり、一時的に絶縁状態が回復しているためであると推測できる。このように、時間的な絶縁抵抗値の変化を把握することによって様々な判断が可能となることが本発明者らによって見出された。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、通信ケーブルが絶縁不良に至る前に絶縁抵抗の低下を検知して警告することで、絶縁不良発生前に通信ケーブルの取り替え作業を促すことができ、それによって列車運行に支障を来たすのを回避することができるケーブル絶縁監視装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、通信ケーブルの絶縁不良の発生と天候との関係を容易に知ることができ、それによって取り替え作業の優先順位を決定して適切な修繕計画を立てることができるケーブル絶縁監視装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、
第1パイロット線と第2パイロット線を有するケーブルの絶縁抵抗を監視するためのケーブル絶縁監視装置において、
測定のために接続された前記第1パイロット線又は第2パイロット線へ所定の電圧を印加して電流値を測定する電流測定手段と、
少なくとも気温と湿度と気圧を検出可能な気象計測手段と、
前記電流測定手段により測定された電流値から絶縁抵抗値を算出する抵抗値算出手段と、
前記抵抗値算出手段により算出された絶縁抵抗値および前記気象計測手段により検出された気温、湿度および気圧を時系列的に記憶する記憶手段と、
前記抵抗値算出手段により算出された絶縁抵抗値と第1しきい値および第2しきい値とを比較して、絶縁抵抗値が第1しきい値又は第2しきい値を超えているときに警報を出力する警報出力手段と、
前記抵抗値算出手段により算出された絶縁抵抗値を表示可能な表示装置と、
を備えるように構成したものである。
上記のような構成を有するケーブル絶縁監視装置によれば、抵抗値算出手段により算出された絶縁抵抗値と第1しきい値および第2しきい値を比較して算出絶縁抵抗値が第1しきい値又は第2しきい値を超えていると判断したときに警報を出力する警報出力手段を備えるため、通信ケーブルが絶縁不良に至る前に絶縁抵抗の低下を検知して警告することで、絶縁不良発生前に通信ケーブルの取り替え作業を促すことができ、それによって列車運行に支障を来たすのを回避することができる。
ここで、望ましくは、前記電流測定手段は、前記第1パイロット線からアースへ流れる第1電流と、前記第2パイロット線からアースへ流れる第2電流と、前記第1パイロット線から前記第2パイロット線へ流れる第3電流と、を測定し、
前記抵抗値算出手段は、前記第1パイロット線とアースとの間の絶縁抵抗と、前記第2パイロット線とアースとの間の絶縁抵抗と、前記第1パイロット線と前記第2パイロット線との間の絶縁抵抗と、を算出し、
前記警報出力手段は、算出された絶縁抵抗のいずれかが前記第1しきい値又は第2しきい値を超えているときに警報を出力するように構成する。
かかる構成によれば、第1パイロット線とアースとの間の絶縁抵抗と、第2パイロット線とアースとの間の絶縁抵抗と、第1パイロット線と第2パイロット線との間の絶縁抵抗のいずれかが保守基準抵抗値としての第1しきい値又は障害管理基準値としての第2しきい値を超えているときに警報が出力されるので、絶縁不良の初期段階で警報を出力することができ、それによって絶縁不良発生前に確実に通信ケーブルの取り替え作業を促すことができる。
また、望ましくは、前記第1しきい値および/又は前記第2しきい値を外部から設定可能にするための設定手段を備えるように構成する。
かかる構成によれば、故障(絶縁不良)の判定しきい値の変更が可能であるので、ケーブル絶縁監視装置の設置個所や監視対象(ケーブルの種類等)に応じた適切な条件での測定が可能になる。
また、望ましくは、前記記憶手段には、当該ケーブル絶縁監視装置が設置される地域の過去の気象データが記憶されており、
前記気象計測手段によって検出された気温、湿度および気圧と前記記憶手段内の気象データとを比較して天気を推測する天気推測手段を備え、
前記天気推測手段により推測された天気が前記抵抗値算出手段により算出された絶縁抵抗値と共に前記記憶手段に記憶され、前記表示装置に表示可能に構成する。
かかる構成によれば、通信ケーブルの絶縁不良の発生と天候との関係を容易に知ることができ、それによって取り替え作業の優先順位を決定して適切な修繕計画を立てることができるようになる。
さらに、望ましくは、前記表示装置には、前記抵抗値算出手段により算出された絶縁抵抗値および前記天気推測手段により推測された天気を表わすマークが表示されるように構成する。
かかる構成によれば、表示装置に表示された絶縁抵抗値と天気を表わすマークとから、天候によって通信ケーブルの絶縁抵抗が一時的に回復しているに過ぎないのかそうでないのかを容易に判断することができる。また、算出された絶縁抵抗値および天気マークを時系列的に表示することによって様々な判断が可能となる。
本発明に係るケーブル絶縁監視装置によれば、通信ケーブルが絶縁不良に至る前に絶縁抵抗の低下を検知して警告することで、絶縁不良発生前に通信ケーブルの取り替え作業を促すことができ、それによって列車運行に支障を来たすのを回避することができる。また、通信ケーブルの絶縁不良の発生と天候との関係を容易に知ることができ、それによって取り替え作業の優先順位を決定して適切な修繕計画を立てることができるようになるという効果がある。
本発明に係るケーブル絶縁監視装置の一実施形態を示す概略構成図である。 本発明に係るケーブル絶縁監視装置によって監視される通信ケーブルの構造を示す横断面図である。 実施形態のケーブル絶縁監視装置において実行される絶縁抵抗測定処理の手順の一例を示すフローチャートである。 実施形態のケーブル絶縁監視装置において表示装置に表示される測定条件設定画面の構成例を示す図である。 同じく表示装置に表示される測定結果(数値)の表示画面の構成例を示す図である。 同じく表示装置に表示される測定結果(グラフ)の表示画面の構成例を示す図である。 本発明者らによって実施されたケーブルの絶縁抵抗の測定結果(蓄積データ)に基づいて、抵抗値の変化を、気温および湿度の変化とともに表わしたグラフである。
以下、図面を参照しながら本発明に係るケーブル絶縁監視装置の一実施形態について詳細に説明する。図1は本実施形態のケーブル絶縁監視装置の概略構成図、図2はケーブル絶縁監視装置によって監視される通信ケーブルの構造を示す横断面図である。なお、ケーブル絶縁監視装置は、例えば機器室内に設置され、通信ケーブルは機器室間を結ぶようにして軌道に沿って敷設される。
図1に示すように、ケーブル絶縁監視装置10は、通信ケーブル20内のパイロット線L1,L2へ所定の電圧(例えば2V)を印加して電流値を測定するための電流測定回路11と、パイロット線L1,L2と電流測定回路11とを接続するための接続スイッチ12a,12bと、これらの接続スイッチ12a,12bを選択的にオン、オフ制御したり測定された電流に基づいて抵抗値の演算を行なったりするマイクロプロセッサなどからなる演算制御部13を備えている。図示しないが、本実施形態のケーブル絶縁監視装置10は、電流測定回路11と接続スイッチ12a,12bとからなる測定系を複数チャンネル備え、複数のケーブルの絶縁状態を監視できるように構成されている。
また、ケーブル絶縁監視装置10は、測定値を記憶する記憶装置14、光や音で警報を出力する警報装置15、抵抗値等の測定結果を表示したり測定の条件を設定するための設定画面を表示したりするためのタッチパネル式の液晶デバイスなどからなる表示装置16を備えている。記憶装置14には、ケーブル絶縁監視装置10が設置される地点の過去の気象情報(気温、湿度、気圧、天気)が記憶されている。
本実施形態においては、同一構成を有するケーブル絶縁監視装置10が通信ケーブル20の両端にそれぞれ接続され、各ケーブル絶縁監視装置10において、パイロット線L1とアース(接地端子)との間の絶縁抵抗と、パイロット線L2とアースとの間の絶縁抵抗と、パイロット線L1−L2間の絶縁抵抗を測定することができるように構成されている。
さらに、本実施形態のケーブル絶縁監視装置10には、温度センサTSと湿度センサHSと気圧センサASからの検出信号が入力され、気温、湿度および気圧の3種類の気象測定値を記憶装置14に蓄積するとともに、演算制御部13内のマイクロプロセッサは、記憶装置14内に記憶されている過去の気象情報を参照して、測定された気温、湿度および気圧から天気を推定して天候に関する情報も記憶装置14に逐次記憶する。また、演算制御部13内のマイクロプロセッサは、推定した天気に対応した記号やマークを表示装置16に表示することができるように構成されている。
さらに、本実施形態のケーブル絶縁監視装置10は、ネットワークアダプターなどの通信手段17を備えており、インターネット30を介して気象庁のサーバ40と接続して、気象庁が提供する気象データをダウンロードすることができるように構成されている。なお、気象庁の気象データの利用の仕方としては、例えば表示装置16に表示されている気温、湿度および気圧の測定値に誤差や測定値と推測された天気との間にかい離があると感じた場合に、気象データのダウンロードを指令して実行させることが考えられる。
通信ケーブル20は、図2に示すように、複数の芯線21、21、……と、これら芯線21と並列に設けられた第1及び第2パイロット線L1、L2と、芯線21、21、……およびパイロット線L1、L2の隙間を埋めるように充填された充填材22と、充填材22の外周を囲む絶縁被膜23と、絶縁被膜23の外側を覆う鋼帯24と、鋼帯24の外側のシース25とを備える。
また、各芯線21は導線21aを絶縁体21bで被覆した構造であり、第1及び第2パイロット線L1、L2も同様の構造である。
次に、上記演算制御部13による絶縁抵抗測定処理の手順の一例について、図3のフローチャートを用いて説明する。なお、この絶縁抵抗測定処理は、演算制御部13に対して測定開始指令が入力されることで開始され、予め設定された測定間隔(例えば1秒)で繰り返し実行される。
演算制御部13は、絶縁抵抗測定処理を開始すると、先ず接続スイッチ12aをオンさせてパイロット線L1へ所定の電圧を印加して電流値を測定し、パイロット線L1とアースとの間の絶縁抵抗の値BR1を算出する(ステップS1)。次に、接続スイッチ12bをオンさせてパイロット線L2へ所定の電圧を印加して電流値を測定し、パイロット線L2とアースとの間の絶縁抵抗の値BR2を算出する(ステップS2)。その後、接続スイッチ12a,12bをオンさせてパイロット線L1−L2へ所定の電圧を印加して電流値を測定し、電流値に基づいてパイロット線L1−L2間の絶縁抵抗の値BR3を算出する(ステップS3)。
続いて、演算制御部13は、ステップS1で算出された絶縁抵抗値BR1が予め設定された保守基準抵抗値Rt(第1しきい値)よりも小さいか否か判定する(ステップS4)。保守基準抵抗値Rtは、正常なケーブルのパイロット線の絶縁抵抗値よりも小さく本来の絶縁抵抗の障害管理基準値Rm(第2しきい値)よりも大きな値が選択される。具体的には、障害管理基準値Rmが1MΩであり、実測に使用されている測定器(絶縁生涯検出器)のメータのスケールの1目盛りの幅が5μAであって、その10分の1の0.5μAが4MΩに相当するような場合、保守基準抵抗値Rtを4MΩに設定することが考えられる。なお、装置としては、後述のように、保守基準抵抗値Rtと障害管理基準値Rmの値を任意に設定することができるように構成されている。
ステップS4で、絶縁抵抗値BR1が保守基準抵抗値Rt(例えば4MΩ)よりも大きい(No)と判定すると、ステップS5へ進みステップS2で算出された絶縁抵抗値BR2が予め設定された保守基準抵抗値Rtよりも小さいか否か判定する。ステップS5で、絶縁抵抗値BR2が保守基準抵抗値Rt(例えば4MΩ)よりも大きい(No)と判定すると、ステップS6へ進みステップS3で算出された絶縁抵抗値BR3が予め設定された保守基準抵抗値Rtよりも小さいか否か判定する。ステップS6で、絶縁抵抗値BR3が保守基準抵抗値Rt(例えば4MΩ)よりも小さい(Yes)と判定すると、ステップS12へ進む。
一方、ステップS4で、絶縁抵抗値BR1が保守基準抵抗値Rt(例えば4MΩ)よりも小さい(Yes)と判定すると、ステップS7へ移行して、絶縁抵抗値BR1が障害管理基準値Rm(例えば1MΩ)よりも小さいか否か判定する。ステップS7で、絶縁抵抗値BR1が障害管理基準値Rmよりも大きい(No)と判定すると、ステップS8へ進み軽故障警報を出力する。また、ステップS7で、絶縁抵抗値BR1が障害管理基準値Rmよりも小さい(Yes)と判定すると、ステップS9へ進み重故障警報を出力し、ステップS5へ移行する。
また、ステップS5で、絶縁抵抗値BR2が保守基準抵抗値Rt(例えば4MΩ)よりも小さい(Yes)と判定したときは、ステップS10へ移行して警報出力処理を実行し、ステップS6で、絶縁抵抗値BR3が保守基準抵抗値Rt(例えば4MΩ)よりも小さい(Yes)と判定したときは、ステップS11へ移行して警報出力処理を実行する。ステップS10およびステップS11の警報出力処理の内容は、それぞれステップS7〜S9の処理と同じであるので、説明は省略する。
ステップS12では、温度センサTSと湿度センサHSと気圧センサASからの検出信号を読み込み、次のステップで、検出された気温と湿度と気圧とからその時の天気を推測する。具体的には、記憶装置14内に記憶されている当該ケーブル絶縁監視装置が設置される地域の過去の気象データを参照して最も気温、湿度、気圧が近いときの天気をその時の天気と決定する(ステップS13)。続いて、決定した天気のマークを記憶装置14から読み出して表示装置16へ出力し、測定値(絶縁抵抗値と気象データ)と共に表示させる(ステップS14)。その後、測定値(絶縁抵抗値)および検出値(気象データ)とステップS13で決定した天気を表わすマークを記憶装置14に記憶して(ステップS15)、処理を終了する。
上記のように、パイロット線の絶縁抵抗を測定して蓄積して表示可能にするとともに、2段階の判定しきい値を設けて警報を出力することで、複数の箇所において絶縁抵抗の低下が発生している場合に、履歴データからケーブルの劣化の状態を判断し新しいものへの取替え作業の優先順位を設定して修繕計画を立てることができる。その結果、ケーブルの絶縁抵抗値が急に悪化して取替え前に信号の伝送が行えなくなって列車運行に影響を与えてしまうという事態が発生するのを回避することができる。また、履歴データに天候に関するデータが含まれているため、現地調査日までにケーブル絶縁不良が回復したような場合であっても、履歴データを表示させて確認することで絶縁抵抗値の回復が天候の影響によるものであるのか判断し、現状を把握することが可能になる。
図4には、上記絶縁抵抗測定処理が実行される前に行われる絶縁抵抗測定の条件の設定のための画面の例が示されている。
図4に示すように、絶縁抵抗測定設定画面には、設定の対象となるチャンネルを選択するためのシフトボタンB1,B2と、測定対象項目を指定するためのチェックボックスを有する指定欄SLが設けられており、表示装置16の画面の指定欄SLにタッチしてチェックボックスにチェックを入れることで、パイロット線L1とアースとの間L1−Eの絶縁抵抗、パイロット線L2とアースとの間L2−Eの絶縁抵抗、第1と第2のパイロット線間L1−L2の絶縁抵抗の中から1または2以上の任意の測定項目を指定できるようにされている。
また、絶縁抵抗測定設定画面には、警戒(軽故障)の判定しきい値となる保守基準抵抗値Rtを変更するための変更ボタンB3、警報(重故障)の判定しきい値となる障害管理基準値Rmを変更するための変更ボタンB4と、測定間隔を変更するための変更ボタンB5と、決められた時間毎に測定を行う定時測定を指定するためのおよびその時間を変更するための変更ボタンB6と、上記設定を確定し更新するための「更新」ボタンB7と、元の画面に戻る指令を与えるためのボタンB8が設けられている。
上記のように、本実施形態のケーブル絶縁監視装置10においては、測定項目の指定や故障(絶縁不良)の判定しきい値の変更が可能であり、設置個所や対象(ケーブの種類等)に応じた適切な条件での測定が可能である。
図5および図6には、上記絶縁抵抗測定処理の実行により得られた測定値を表示する画面の例が示されている。このうち、図5は数値による表示画面、図6はグラフによる表示画面の例である。
図5に示すように、数値による表示画面には、測定を実施した日時の表示欄DL、チャンネルごとに測定されたL1−E間、L2−E間およびL1−L2間の絶縁抵抗値を表示する欄ML、検出された気温、湿度および気圧の値を表示する欄WLが設けられている。また、絶縁抵抗表示欄MLの横には、断線(抵抗値無限大)が検出された場合に点灯されるマーク表示欄BLが設けられている。
さらに、測定値表示画面の下部には、測定条件の設定を行うための設定ボタンB11と、セルフチェックを指令するためのボタンB12、グラフ表示へ移行させるためのボタンB13、絶縁故障を起こしている項目の詳細な内容を表示させるためのボタンB14が設けられている。「設定」ボタンB11にタッチすると、図4の設定画面へ移行して、前述の各種設定が可能になる。また、「グラフ表示」ボタンB13にタッチすると、図6のグラフ表示画面へ移行する。
図6に示すように、グラフによる表示画面には、測定を実施した日時の表示欄DL、表示するチャンネルを指定するための一対のシフトボタンB21、指定されたチャンネルにおいて測定されたL1−E間、L2−E間およびL1−L2間の絶縁抵抗値をグラフで表示する欄GL、測定値を表示する欄ML、検出された気温、湿度および気圧の値を表示する欄WLが設けられている。
また、図6の画面の下部には、元の画面に戻る指令を与えるためのボタンB22、グラフ表示の時間軸レンジを変化させるためのシフトボタンB23,B24、グラフ表示欄GL内に表示されている縦方向のヘアカーソルCを左右(時間軸方向)へ移動させるためのボタンB25,B26が設けられている。
なお、日時表示欄DL、測定値表示欄MLおよび気象データの表示欄WLには、カーソルCの位置(日時)の値が表示されるようになっている。さらに、画面の上部中央には、気象検出値から推測した晴れや曇り、雨などの天気を表わすマークWMが表示されるようになっている。グラフ表示欄GLの時間軸レンジは、例えば1年、1か月、3日、36時間のように変更することができ、大きな変化を把握するとともに、詳細な変化を確認することができる。
気象(天候)に関するデータとしては、気温、湿度および気圧の他に雨量も考えられるが、本発明者らが行なった測定結果からの知見では、気温、湿度および気圧の検出値があれば、通信ケーブルの絶縁抵抗の回復が天候の影響によるものであるのかそれ以外の理由によるものかをかなり高い蓋然性をもって判断できることが明らかとなった。従って、上記のように気象(天候)に関するデータとして気温、湿度および気圧を検出し、雨量については検出を省略して天気の推測を行うことでシステムの負担を軽くしコストアップを回避することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、通信ケーブルの絶縁抵抗の管理のために保守基準抵抗値Rt(第1しきい値)と障害管理基準値Rm(第2しきい値)の2つのしきい値を設けているが、3段階以上のしきい値を設けて管理するようにしても良い。また、絶縁抵抗値で管理する代わりに、保守基準抵抗値Rtと障害管理基準値Rmに対応する測定電流値をしきい値として、電流測定回路11により測定された電流値と上記電流しきい値とを比較して通信ケーブルの劣化状態を判断して警報を出力し、修繕作業の計画を促すようにしても良い。
なお、本発明に係るケーブル絶縁監視装置は、鉄道軌道に沿って敷設されている通信ケーブルの絶縁抵抗を監視する装置に限定されず、屋外に敷設されている通信ケーブルの絶縁抵抗を監視するケーブル絶縁監視装置に広く利用することができる。
10 ケーブル絶縁監視装置
11 電流測定回路
12a,12b 接続スイッチ
13 演算制御部
14 記憶装置
15 警報装置
16 表示装置
17 通信手段
20 通信ケーブル
21 芯線
L1、L2 パイロット線

Claims (5)

  1. 第1パイロット線と第2パイロット線を有するケーブルの絶縁抵抗を監視するためのケーブル絶縁監視装置であって、
    測定のために接続された前記第1パイロット線又は第2パイロット線へ所定の電圧を印加して電流値を測定する電流測定手段と、
    少なくとも気温と湿度と気圧を検出可能な気象計測手段と、
    前記電流測定手段により測定された電流値から絶縁抵抗値を算出する抵抗値算出手段と、
    前記抵抗値算出手段により算出された絶縁抵抗値および前記気象計測手段により検出された気温、湿度および気圧を時系列的に記憶する記憶手段と、
    前記抵抗値算出手段により算出された絶縁抵抗値と第1しきい値および第2しきい値とを比較して、絶縁抵抗値が第1しきい値又は第2しきい値を超えているときに警報を出力する警報出力手段と、
    前記抵抗値算出手段により算出された絶縁抵抗値を表示可能な表示装置と、
    を備えることを特徴とするケーブル絶縁監視装置。
  2. 前記電流測定手段は、前記第1パイロット線からアースへ流れる第1電流と、前記第2パイロット線からアースへ流れる第2電流と、前記第1パイロット線から前記第2パイロット線へ流れる第3電流と、を測定し、
    前記抵抗値算出手段は、前記第1パイロット線とアースとの間の絶縁抵抗と、前記第2パイロット線とアースとの間の絶縁抵抗と、前記第1パイロット線と前記第2パイロット線との間の絶縁抵抗と、を算出し、
    前記警報出力手段は、算出された絶縁抵抗のいずれかが前記第1しきい値又は第2しきい値を超えているときに警報を出力することを特徴とする請求項1に記載のケーブル絶縁監視装置。
  3. 前記第1しきい値および/又は前記第2しきい値を外部から設定可能にするための設定手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のケーブル絶縁監視装置。
  4. 前記記憶手段には、当該ケーブル絶縁監視装置が設置される地域の過去の気象データが記憶されており、
    前記気象計測手段によって検出された気温、湿度および気圧と前記記憶手段内の気象データとを比較して天気を推測する天気推測手段を備え、
    前記天気推測手段により推測された天気が前記抵抗値算出手段により算出された絶縁抵抗値と共に前記記憶手段に記憶され、前記表示装置に表示可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のケーブル絶縁監視装置。
  5. 前記表示装置には、前記抵抗値算出手段により算出された絶縁抵抗値および前記天気推測手段により推測された天気を表わすマークが表示されるように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のケーブル絶縁監視装置。
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