JP6893185B2 - 蒸留装置、及び、蒸留装置の改造方法 - Google Patents

蒸留装置、及び、蒸留装置の改造方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数成分が混合した原液から各成分を分離するために用いる蒸留装置、及び、蒸留装置の改造方法に関するものである。
仕切板を内部に有する蒸留塔を備えた装置である蒸留装置が知られている。例えば特許文献1に、従来複数であった蒸留塔を一つの塔にまとめた結合型蒸留塔につき、内部に仕切板を備えたことが記載されている。特許文献1によると、この仕切板は前記結合型蒸留塔において、内部のセクションを区切るために用いる平板状の部材である。この仕切板により、蒸留塔内部のセクションを互いに隣接させることができる。この仕切板は、例えば前記結合型蒸留塔における塔体の側壁に固定され、塔体の内部において上下方向に延びるよう設けられている。
特開2001−137602号公報
図4に、結合型蒸留塔である蒸留塔102の内部構造を略示する。蒸留塔102の内部に仕切板123が設けられている。この蒸留塔102を備えた蒸留装置の運転中、仕切板123には表裏方向の圧力差が働かない。仕切板123を挟んで図示左右に隣接するセクション同士につき、各セクションにおいて蒸気が均等に流れるようにするため、圧力差が生じないように設計されているからである。このため、仕切板123には各セクションからの外力はかからないはずである。ところが実際には、仕切板123の上端または下端が反るように変形する不具合が生じることがあるとの知見を本願の発明者が得たのである。図4において、破線は変形前の仕切板123の塔内での位置を示し、実線は、上方に向かうにつれ、図示右方に傾くように変形した仕切板123を示している。発明者の知見によると、この仕切板123の変形は、特に内径1000mmを超える塔体において顕著である。
このような変形が生じた場合、図4における右上に示したように、変形した仕切板123が塔内の充填物122に干渉することにより充填物122が位置ずれしたり、充填物122が変形(押しつぶされる等)したりすることがある。また、仕切板123を挟む一方側と他方側(図示左右側)とで、塔内空間に広い箇所と狭い箇所ができる。これらが原因で、図4の左側に破線矢印で示すように、広くなった箇所に蒸気の流れFaが向かいやすくなることで、塔内各セクションにて、液体の流れFf(図4に実線矢印で示す)と蒸気の流れFaとの理想的な気液接触が行われなくなることがある。よって、蒸留装置の性能が維持できずに低下してしまう可能性がある。更に、仕切板123の変形を後で矯正するとなると矯正工事のコストが発生してしまう。
また、塔体の内部が径方向で一室とされた既存の蒸留塔を結合型蒸留塔とするように、蒸留装置を改造するニーズも存在している。
そこで本発明は、簡易な構成によって性能を維持できる蒸留装置を提供すること、また、既存の蒸留装置に対する改造方法を提供することを課題とする。
本発明は、蒸留塔を構成する塔体の内部を複数の室に仕切るための、上下方向に延びる仕切板を備え、前記仕切板の上部または下部に、前記塔体の径方向に沿う方向であり前記仕切板の延びる方向に沿う方向に位置し、前記仕切板の上下方向中間部よりも曲げ剛性の大きい変位抑制部を備えた蒸留装置である。
この構成によると、変位抑制部の曲げ剛性により仕切板の上部または下部に生じるひずみに対抗できるため、仕切板の上端または下端の変形を抑制できる。
また、前記変位抑制部は前記仕切板とは別体として構成されることができる。
この構成によると、仕切板の一部を変位抑制部とすることに比べ、仕切板を単なる平板に形成することが可能なので、仕切板の製作が簡単である。
また、前記変位抑制部は、前記塔体の径方向に沿う方向であり前記仕切板の延びる方向に沿う方向の一端から他端まで連続する棒状体であることができる。
この構成によると、棒状体のサイズ選定により、蒸留装置の性能維持のために必要な曲げ剛性を容易に設定できる。
また、前記仕切板は、複数の仕切板分割板が接続されて構成されることができる。
この構成によると、既存の塔体を改造する場合において、大きさに制限のある塔体開口部から仕切板を塔内に搬入可能である。また、複数の板を溶接で接続する場合には、溶接によるひずみが単板よりも大きくなるから、変位抑制部の効果がより大きく奏される。
また、前記変位抑制部は、前記塔体の内部にて充填物の存在しない部分に配置されることができる。
この構成によると、変位抑制部を配置するために充填物を切り欠く等の加工が不要なため、充填物の性能に影響を与えずに変位抑制部を配置できる。
また本発明は、蒸留塔を構成する塔体の側壁内面に各仕切板分割板の側端を固定しつつ、順次上方または下方へと複数の仕切板分割板を重ねていき、仕切板分割板の上部、または、仕切板分割板の下部に、前記仕切板分割板とは別体の変位抑制部を固定する、蒸留装置の改造方法である。
この方法によると、既存の蒸留装置を、上端または下端が変形することを抑制した仕切板を備えたものに改造できる。
また、前記各仕切板分割板と前記変位抑制部とは、前記塔体が備える開口部を通過可能な寸法とできる。
この構成によると、塔体の開口部を拡大する加工をせずに改造工事を実施できる。
本発明は、変位抑制部により仕切板の上端または下端の変形を抑制できる。このため、充填物の位置ずれや変形を抑制でき、また、塔内各セクションで理想的な気液接触が保たれる。よって、簡易な構成によって性能を維持できる蒸留装置を提供できる。また、既存の蒸留装置に対する改造方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係る蒸留塔の構成を概略的に示した縦断面図である。 前記蒸留塔の内部における仕切板と変位抑制部との関係を示した斜視図である。 (A)は仕切板と変位抑制部とを概略的に示した平面図であり、(B)は同側面図(仕切板が歪んだ状態を二点鎖線で示す)であり、(C)は変位抑制部の周囲を拡大して示した縦断面図である。 従来の仕切板に生じた不具合を示す概略的な断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る蒸留装置1について説明する。この蒸留装置1は、図1に構成を略示した蒸留塔2を備える。この蒸留塔2は、充填物22が内蔵された充填塔であって、従来用いられていた3塔の機能が一体化されて1塔で構成された結合型蒸留塔である。この蒸留塔2には配管が接続され、塔頂側に凝縮器(コンデンサー)3、塔底側に蒸発器(リボイラー)4が配置されることで蒸留装置1が構成される。この蒸留装置1は、供給される原液から沸点の異なる成分A、成分B、成分Cに富む液体を取り出すために用いられる。
本実施形態における蒸留塔2は垂直方向に延びる塔体21を備える。なお、本発明において、塔体21は垂直方向に延びるものに限定されない。塔体21の内部は、上方から順に第1セクションS1〜第4セクションS4に分かれている。なお、本発明において蒸留塔2を構成するセクション数は限定されず、蒸留塔2の要求性能に応じた種々のセクション数で実施できる。各セクションには、上昇する蒸気と下降する液体とを接触させることで物質移動を行うための充填物22が配置されている。充填物22としては、例えば、板状体や網状体が波形等に加工された上で、塔体21の形状に合わせてブロック状に成形された規則充填物、もしくは、リング状等に加工された固形物が多数集合した不規則充填物が用いられる。
図1に示すように、第2セクションS2及び第3セクションS3は、塔体21を水平方向に並ぶ2室に仕切る仕切板23により仕切られている(仕切板23の詳細については後述する)。第2セクションS2は、仕切板23を挟んで隣接する第2aセクションS2aと第2bセクションS2bに分かれている。第3セクションS3は、仕切板23を挟んで隣接する第3aセクションS3aと第3bセクションS3bに分かれている。
仕切板23の水平方向における位置は、塔体21の水平断面中心を通る位置に限られず、例えば原液中の成分A,B,Cの比率に応じて設定される、第2aセクションS2a及び第3aセクションS3aの位置する室の断面積と、第2bセクションS2b及び第3bセクションS3bの位置する室の断面積の比率に応じた位置に配置される。
図1に示すように、第2aセクションS2aと第3aセクションS3aとにより第1蒸留部D1が構成され、第1セクションS1と第2bセクションS2bとにより第2蒸留部D2が構成され、第3bセクションS3bと第4セクションS4とにより第3蒸留部D3が構成される。各蒸留部における上部セクションが低沸点成分の濃度を高めるための濃縮部として機能し、下部セクションが高沸点成分の濃度を高めるための回収部として機能する。
塔体21には、原液を塔内に供給するフィードノズル211、分離された成分(本実施形態では成分Bに富む液体)を塔外に取り出すサイドカットノズル212が設けられている。また、塔体21の上部には、塔頂蒸気出口部213と還流液入口部214とが設けられている。これらは蒸留塔2の外部に設けられた、気体(本実施形態では成分Aに富む気体)を冷却して液化させる凝縮器3に接続されている。また、塔体21の下部には、塔底出口部215と塔底蒸気入口部216とが設けられている。これらは蒸留塔2の外部に設けられた、液体(本実施形態では成分Cに富む液体)を加熱して気化させる蒸発器4に接続されている。
各セクションの上方には、図1に示すように、塔内を下降する液体をシャワー状として、各セクションにおける充填物22の上部に対し均等に振りかけるためのディストリビュータ(図示しない)が設けられている。また、各セクションの下方には、塔内を下降する液体を一旦受けて捕集してから下降させてディストリビュータに導くと共に、塔内を上昇する蒸気を通過させるコレクター(図示しない)が設けられている。
仕切板23は、前述のように塔体21の内部を複数の室S2,S3に仕切るために設けられたものであって、図2等に示すように上下方向に延びている(図2における仕切板23の上下の二点鎖線は、塔内位置を示す仮想線である)。仕切板23は塔体21に対して固定されている。本実施形態では、金属製の仕切板23が溶接により塔体21の側壁内面21aに対して固定されている。塔体21において仕切板23に仕切られて形成された二つの室が、図1に示す第2セクションS2及び第3セクションS3である。仕切板23は、図2及び図3(A)(B)に示すように、複数の仕切板分割板231が接続されることにより、連続した一枚の板状に構成されている。本実施形態では、複数の仕切板分割板231が上下方向に接続されて平板状とされている。なお、上下方向に加え、水平方向に複数の仕切板分割板231を接続することも可能である。
複数の仕切板分割板231は溶接により接続されている。ここで、溶接を行う際には、接続対象の一方の仕切板分割板231と他方の仕切板分割板231とを治具により不動に拘束しておくことが好ましい。
このように、複数の仕切板分割板231を組み合わせて1枚の仕切板23を構成することにより、例えば既設の蒸留塔を改造することで仕切板23を取り付ける場合、既設の点検口等、大きさに制限のある開口部から仕切板分割板231を塔体21内に搬入可能であるので、開口部を拡大する工事を行うことなく蒸留塔の改造工事を実施できる。また、複数の板を溶接で接続する場合には、溶接によるひずみが1枚ごとに累積していくことにより、単一の(一枚物の)板よりも大きくなる。これに対しては、後述する変位抑制部5を設けることでひずみへの対抗が有効になされる。
仕切板23の上部または下部には、図2に示すように、塔体21の径方向に沿う方向であり仕切板23の延びる方向に沿う方向に位置するように変位抑制部5が設けられている。本実施形態では、仕切板23の上端に変位抑制部5が設けられている。なお、図1〜図3では、変位抑制部5の大きさを仕切板23に対して誇張して描いている。変位抑制部5の曲げ剛性により仕切板23の上部または下部を補強できるため、仕切板23の上端または下端の変形を抑制できる。
ここで、強度向上を目的として、例えば仕切板23の全体の厚みを大きくしたとすると、著しい重量増加や、塔体21の内部における充填物22の配置スペースの減少という不利益が生じる。また、仕切板23の全体にリブ(凹凸)を形成したとすると、加工コストの増加や、塔体21の内部における充填物22の配置スペースの減少という不利益が生じる。これらに対し本実施形態では、変位抑制部5を設けることにより、変形しやすい仕切板23の上部または下部を集中的に補強でき、しかも、補強に伴う重量増加はさほど大きくなく、また、充填物22に干渉しないように変位抑制部5を設けることができるため、メリットが大きい。
前述のように、複数の仕切板分割板231を溶接により上下方向に接続していくと、各接続箇所に生じた溶接ひずみが、後で接続される方向(本実施形態では上方)に向かうにつれ順次蓄積していき、仕切板23が単一の板である場合に比べ、仕切板23の上端または下端(本実施形態では上端)で大きなひずみ(変位)になることがある。このことは、課題欄において説明した発明者の知見に係る、仕切板23の変形の原因の一つである可能性がある。しかし、後述するように、既存の蒸留装置を改造して仕切板23を設ける場合、塔内への搬入可能な大きさに制限があるため、複数の仕切板分割板231に細分化した構造にせざるを得ない。このように仕切板23を単一の板とすることが不可能な場合であっても、仕切板23の上部または下部に変位抑制部5を設けることで、仕切板23の上端または下端における前記ひずみに対抗することができるため、仕切板23の変形を有効に抑制できる。
この変位抑制部5は仕切板23とは別体として構成されている。このように別体に構成すると、仕切板23の一部を変位抑制部5とすることに比べ、仕切板23(及び仕切板分割板231)を単なる平板に形成できるので、仕切板23の製作が簡単になる利点がある。ただし、仕切板23の一部を加工することで変位抑制部5とすることも可能である。
また、変位抑制部5は、仕切板23の上下方向中間部(仕切板23の上端部及び下端部を除いた部分)よりも曲げ剛性が大きいものとされている。また、変位抑制部5は、塔体21の径方向に沿う方向であり仕切板23の延びる方向に沿う方向の一端から他端まで連続する棒状体である。本実施形態では、図3(A)に示す変位抑制部5の長さDは塔体21の内径に略一致している。なお、前記「塔体21の径方向に沿う方向」とは、塔体21の直径方向に一致する方向に限られず、塔体21の直径方向に対して平行な(シフトした)方向も含む。また、棒状体は中実のものに限定されず、中空のものである管状体であってもよい。また、棒状体の断面形状は問わない。本実施形態の断面形状は円形であるが、四角形等、種々の多角形としてよい。変位抑制部5を棒状体とすることで、棒状体のサイズ(断面形状、寸法、管状体の場合には全体寸法及び厚み寸法)を適宜選定することにより、蒸留装置1の性能維持のために必要な曲げ剛性を容易に設定できる。選定の基準としては、例えば断面二次モーメントを用いることができる。また、断面形状が円形の場合、変位抑制部5の強度を大きくできる点で優位性がある。また、断面形状が四角形の場合、円形である場合に次いで強度を大きくできる点で優位性がある。
本実施形態の変位抑制部5には金属製の丸パイプが用いられていて、仕切板23の上端、及び、側壁内面21aに溶接で取り付けられている。このように、断面形状が円形である変位抑制部5とすることにより、塔体21の内部での液体及び蒸気の流れに与える影響を小さくできる。前述のように変位抑制部5の断面形状は問わないので、例えば角パイプを用いることも可能である。つまり、変位抑制部5として、種々の形状のパイプを使用可能である。
ただし、変位抑制部5の断面形状は本実施形態のような円形に限られず多角形等、種々の形状であってもよい。具体例として(一例であり、これに限られるものではない)、L字形、「コ」字形、H字形とすることができる。前記L字形は、例えば等辺山形鋼または不等辺山形鋼を用いることで実施できる。L字形を採用した場合、特に等辺山形鋼は市場で多く流通しているため、材料コストを抑制できる点で優位性がある。また、前記「コ」字形は、例えば溝形鋼を用いることで実施できる。「コ」字形を採用した場合、「コ」字形に沿って溶接することで、側壁内面21aに対する固着強度を大きくできる点で優位性がある。また、前記H字形は、例えばH形鋼またはI形鋼を用いることで実施できる。H字形を採用した場合、特にH形鋼またはI形鋼は多様な寸法を有するものが流通しているため、所望のサイズのものを容易に選択できるとの優位性がある。
また、変位抑制部5の材質は特に限定されず、塔内を通る液体及び気体(蒸気)の性状に合わせて選択することができる。変位抑制部5は仕切板23と同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。同じ材質の場合、腐食特性が仕切板23と同様になることから、化学的な観点での設計がしやすいという利点がある。一方、異なる材質の場合、力学的な観点で最適な変位抑制部5を実現しやすいという利点がある。変位抑制部5は一例として、ステンレス合金(SUS304、SUS316等)からなる管、炭素鋼鋼管(STPG等)を用いることができる。また、変位抑制部5として丸パイプを用いる場合、塔内の液体が中空部分から抜けるよう、図3(C)に示すように、径方向に貫通した液抜き孔51を形成しておくことが、腐食抑制の観点で好ましい。
変位抑制部5は、塔体21の内部にて充填物22の存在しない部分(空間)に配置されている。この配置により、変位抑制部5を配置するために充填物22を切り欠く等の加工が不要である。このため、充填物22の体積が減少することがなく、また、変位抑制部5によって充填物22における液体及び蒸気の流れが阻害されにくいので、充填物22の性能に影響を与えずに変位抑制部5を配置できる利点がある。
次に、変位抑制部5に用いる材料を選定する手法の一例を述べる。仕切板23の水平方向における両端は塔体21の側壁内面21aに固定される。このため、仕切板23の上端を両端固定梁と見立てることができる。当該見立てた両端固定梁の中央における許容たわみ寸法(図3(B)に示すたわみδに相当)から、中央にかかる曲げ荷重(集中荷重)を逆算する。こうして得た曲げ荷重に耐え得る断面二次モーメントを有する材料を選定する。ただし、これは一例に過ぎず、種々の手法により最適な材料選定を行うことができる。なお、変位抑制部5は塔内にて高温環境下におかれるので、熱を受けたことによる塔体21、仕切板23、変位抑制部5の膨張変形を考慮して、前記選定は余裕をもって行う。例えば、前記計算により得た曲げ荷重に相当する断面二次モーメントに所定の安全率(本実施形態では2)を掛けた数値以上の断面二次モーメントを有する材料を選定する。更に、必須ではないが、前記選定された材料に生じるたわみをまず計算し、当該計算値が前記許容たわみ寸法に対して所定の割合(本実施形態では0.8)になるように材料選定し直すことで、最適化された(つまり、安全であり、かつ、材料コストが低減できた)材料の選定が可能である。
本実施形態の構成は、塔体の内部が径方向で一室とされた蒸留塔を備えた既存の蒸留装置に対し、例えば、蒸留に関して異なる処理を行うことが可能なように複数の室に仕切る改造を行うことで、本実施形態と同様の結合型蒸留塔である蒸留塔2を形成することにも適している。次に、この改造の方法の一例に関して説明する。改造の方法はこれに限定されるものではなく、既存の蒸留装置が有する構成等に応じて最適な方法を適宜選択することができる。
この改造に当たっては、既存の蒸留装置の内部構造のうち、不要なものや施工上邪魔になるものをまず撤去する。その後、複数の仕切板分割板231を塔体21の内部に搬入する。そして、塔体21の側壁内面21aに各仕切板分割板231における水平方向の側端を固定しつつ、順次上方へと複数の仕切板分割板231を重ねていく。この際、塔体21の径寸法に比べ、各仕切板分割板231の幅寸法の方が小さい場合には、塔体21の側壁内面21aに、上下方向にチャンネル材等からなるサポート材を取り付けることにより、塔体21と各仕切板分割板231との間に生じる隙間を無くすよう調整する。次に、仕切板分割板231の上部に、前記仕切板分割板231とは別体の変位抑制部5を固定する。このようにして、既存の蒸留装置を、上端が反るように変形することを抑制した仕切板23を備えたものに改造できる。なお、順次下方へと複数の仕切板分割板231を重ねていくことも可能である。この場合、仕切板分割板231の下部に変位抑制部5を固定する。こうして、下端が反るように変形することを抑制した仕切板23を備えたものとできる。なお、変位抑制部5を固定する位置に関して、好ましくは、重ねられた順番が最後である、最も上方に位置する仕切板分割板231の上部に、仕切板分割板231とは別体の変位抑制部5を固定する。また、順次下方へと複数の仕切板分割板231を重ねていく場合には、重ねられた順番が最後である、最も下方に位置する仕切板分割板231の下部に、仕切板分割板231とは別体の変位抑制部5を固定する。
なお前述のように、各仕切板分割板231と変位抑制部5とは、塔体21が備える開口部を通過可能な寸法を有するものとしておくことが好ましい。そうすることで、塔体21の開口部を拡大したり、仕切板23の搬入専用の開口部を新たに形成したりする加工をせずに改造工事を実施できるため、改造工事の工数を削減できる。
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明に係る蒸留装置1及び蒸留塔2は、前記実施形態だけに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることができる。
例えば、前記実施形態では、仕切板23の上端に変位抑制部5が設けられていた。しかし、これに限定されず、仕切板23の上部または下部で端部以外の部分に変位抑制部5が設けられていてもよい。
また、変位抑制部5は仕切板23と一体に形成することもできる。例えば、仕切板23の上端または下端を含む部分を折り曲げることにより、この折り曲げた部分(仕切板23の一部)を変位抑制部5とすることができる。
また、前記実施形態の変位抑制部5として丸パイプが用いられていたが、材料はこれに限定されるものではない。既に述べたが、一例として、棒状材(管状材を含む)、帯状材、アングル材、チャンネル材、H型材等を用いることができる。
また、変位抑制部5を、塔体21の径方向に沿う方向であり前記仕切板の延びる方向に沿う方向において断続的に(途切れ途切れに)設けることもできる。また、変位抑制部5の両端または一端が塔体21に接続されなくてもよい。
また、変位抑制部5は、蒸留塔2の構成部材と兼用させることもできる。例えば、ディストリビュータまたはコレクターの一部分を、変位抑制部5を兼ねるものとして設計することができる。
また、前記実施形態の仕切板23は複数の仕切板分割板231からなるものであった。しかし、単一(一枚物)の板からなる仕切板23に対して変位抑制部5を設けることもできる。
1 蒸留装置
2 蒸留塔
21 塔体
21a 側壁内面
22 充填物
23 仕切板
231 仕切板分割板
3 凝縮器(コンデンサー)
4 蒸発器
5 変位抑制部
S2,S3 仕切られた室(セクション)

Claims (7)

  1. 蒸留塔を構成する塔体の内部を複数の室に仕切るための、上下方向に延びる仕切板を備え、
    前記仕切板の上部または下部に、前記塔体の径方向に沿う方向であり前記仕切板の延びる方向に沿う方向に位置し、前記仕切板の上下方向中間部よりも曲げ剛性の大きい変位抑制部を備えた蒸留装置。
  2. 前記変位抑制部は前記仕切板とは別体として構成される、請求項1に記載の蒸留装置。
  3. 前記変位抑制部は、前記塔体の径方向に沿う方向であり前記仕切板の延びる方向に沿う方向の一端から他端まで連続する棒状体である、請求項2に記載の蒸留装置。
  4. 前記仕切板は、複数の仕切板分割板が接続されて構成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の蒸留装置。
  5. 前記変位抑制部は、前記塔体の内部にて充填物の存在しない部分に配置される、請求項1〜4のいずれかに記載の蒸留装置。
  6. 複数の仕切板分割板を用い、
    蒸留塔を構成する塔体の側壁内面に各仕切板分割板の側端を固定しつつ、順次上方または下方へと複数の仕切板分割板を重ねていき、
    仕切板分割板の上部、または、仕切板分割板の下部に、前記仕切板分割板とは別体の変位抑制部を固定する、蒸留装置の改造方法。
  7. 前記各仕切板分割板と前記変位抑制部とは、前記塔体が備える開口部を通過可能な寸法である、請求項6に記載の蒸留装置の改造方法。
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