JP6630634B2 - 蒸留塔 - Google Patents

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Description

本発明は、複数成分が混合した原液から各成分を分離するために用いる蒸留塔に関するものである。
従来、塔内部が仕切板により分割された蒸留塔を備えた蒸留装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載の蒸留塔である。
特許文献1に記載の蒸留塔は、上下方向に積層された複数のセクションからなる結合型蒸留塔である。一部のセクションは、平板状の仕切板(特許文献1では「中仕切り」と称している)により隣接する2室に区分されている。ちなみに、このような構成の蒸留塔を垂直分割型蒸留塔(DWC)という。蒸留塔に供給された原液を、各セクションにおいて加熱して蒸気と液体に分離していくことで、原液に含まれる、沸点の異なる各成分の液体及び蒸気を成分毎に分離して、蒸留塔から取り出すことができる。
仕切板の上下には、塔内を下降する液体を一旦受けた上で下降させ、かつ、塔内を上昇する蒸気を通過させるコレクターが設けられている。
特許第3329750号公報
ところで、運転中の塔内では蒸気が上昇している。この蒸気の上昇が妨げられないようにするため、塔内の圧力損失は小さく抑えられることが好ましい。
更に、塔内における仕切板の上方領域では、仕切板により区画された各室を通って上昇してきた蒸気が良く混合されることが好ましい。
ちなみに特許文献1には、これらの点につき格別に考慮されていた旨の記載はない。
本発明は、仕切板に対するコレクターの配置に着目してなされたものであって、塔内の圧力損失が大きくなることを抑制でき、かつ、仕切板の上方における各室からの蒸気の混合が良好になされる蒸留塔を提供することを課題とする。
本発明は、塔本体と、前記塔本体を水平方向に並ぶ2室に仕切る仕切板と、前記仕切板の少なくとも上方に位置し、塔内を下降する液体を一旦受けた上で下降させ、かつ、塔内を上昇する蒸気を通過させるコレクターと、を備え、前記コレクターは、板状の液体受け部が複数、水平方向に並列されて構成されており、水平方向における、前記仕切板の延びる方向と、前記仕切板の上方に位置するコレクターにおける前記液体受け部の延びる方向とは交差する関係にあり、前記仕切板によって仕切られた前記2室のうち一方を通過後の蒸気と、他方を通過後の蒸気とが前記仕切板の上方に位置する前記コレクターを通過することにより混合される蒸留塔である。
この構成によると、仕切板によって2室に仕切られた各室を通過後の蒸気は、仕切板の上方に位置するコレクターを通過することで、仕切板とコレクターとの間の前記交差する関係により流れが曲げられる。このように蒸気の流れが曲げられることにより、仕切板によって仕切られた2室のうち一方を通過後の蒸気と、他方を通過後の蒸気とがコレクターを通過することにより速やかに混合される。このため、コレクターの上方にて、均一に混合した蒸気により気液接触が良好になされ、所望の成分に富む蒸気を効率的に発生させられる。そして、前記混合のために蒸気の流れが曲げられるものの、必要以上に蒸気の流れが阻害されることはないので、この構成であっても圧力損失が大きくなることは抑制されている。
また、水平方向における、前記仕切板の延びる方向と、前記仕切板の上方に位置するコレクターにおける前記液体受け部の延びる方向とのなす角度は70°〜110°とでき、更に、80°〜100°ともできる。
この構成によると、仕切板とコレクターとの間の前記交差を、垂直方向視における角度を前記範囲に設定することにより、仕切板によって仕切られた2室のうち一方の室を通過後の蒸気が速やかに他方の室の上方位置に流れていくように、蒸気の流れの曲がり度合いを設定できる。このため、角度が前記範囲外であった場合に比べると、蒸気の流れの曲げを良好にできるため、コレクターの通過後の蒸気の混合が更に良好になる。
また、前記コレクターは、前記仕切板の上方と下方の両方に位置し、前記仕切板の延びる方向と、水平方向における、前記仕切板の下方に位置するコレクターにおける前記液体受け部の延びる方向とのなす角度は40°〜140°とできる。
この構成によると、仕切板によって2室に仕切られた各室に導入されるコレクター通過後の蒸気に、蒸気が導入された室と他方の室との間で圧力損失に差がある場合でも、コレクターにおける液体受け部によって、一旦一方の室に導かれた蒸気が他方の室に入っていこうとすることによる、下方へ向かう逆流が生じにくくなるので、蒸留塔内部における圧力損失の増加を抑制できる。
また、前記コレクターは、前記塔本体の水平断面における中心を通る垂直面を基準として面対称形状とできる。
この構成によると、塔内における蒸気の流れを、コレクターを通過させることにより前記垂直面を基準として面対称にできる。このため、蒸気の流れに偏りが生じることを抑制できる。
また、前記コレクターにおける各液体受け部は、上方に向かうにつれ前記垂直面から離れる方向へと広がる形状とできる。
この構成によると、コレクターにおいて垂直面に対する一方側領域を通過した蒸気と他方側領域を通過した蒸気とが、各液体受け部によってお互いに離れるように誘導される。このため、各領域を通過した蒸気同士が衝突しにくくなるので、塔本体の内部における圧力損失の増加を抑制できる。
本発明は、仕切板によって仕切られた2室のうち一方を通過後の蒸気と、他方を通過後の蒸気とがコレクターを通過することにより速やかに混合される。このため、コレクターの上方にて、均一に混合した蒸気により気液接触が良好になされ、所望の成分に富む蒸気を効率的に発生させられる。そして、前記混合のために蒸気の流れが曲げられるものの、必要以上に蒸気の流れが阻害されることはないので、この構成であっても圧力損失が大きくなることは抑制されている。従って、塔内の圧力損失が大きくなることを抑制でき、かつ、仕切板の上方における各室からの蒸気の混合が良好になされる蒸留塔を提供できる。
本発明の一実施形態に係る蒸留塔の構成を示した縦断面図である。 同蒸留塔を備えた蒸留装置の構成と蒸気及び液体の流れを簡単に示した概念図である。 同蒸留塔のコレクターを示す側面図である。 同蒸留塔の仕切板とその上方に位置するコレクターとの関係を示す概略斜視図である。 同蒸留塔の仕切板とその下方に位置するコレクターとの関係を示す概略斜視図である。 仕切板上部のコレクターに関する解析モデルであり、(A)は仕切板とコレクター(コレクターラミナー)とが角度0°の場合を示し、(B)は(A)の四角囲み部分の拡大図であり、(C)は仕切板とコレクター(コレクターラミナー)とが角度90°の場合を示し、(D)は(C)の四角囲み部分の拡大図である。 仕切板上部のコレクターに関する解析結果を示すグラフである。 仕切板下部のコレクターに関する解析モデルであり、(A)は仕切板とコレクター(コレクターラミナー)とが角度0°の場合を示し、(B)は仕切板とコレクター(コレクターラミナー)とが角度90°の場合を示す。 仕切板下部のコレクターに関する解析結果を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る蒸留塔について説明する。本実施形態の蒸留塔2は、図2に略示する蒸留装置1の一部として構成されている。この蒸留塔2は、充填物が内蔵された充填塔であって、従来用いられていた3塔の機能が一体化されて1塔で構成されている。この蒸留塔2には配管が接続され、塔頂側に凝縮器(コンデンサー)3、塔底側に蒸発器(リボイラー)4が配置されることで蒸留装置1が構成される。この蒸留装置1は、供給される原液から沸点の異なる成分A、成分B、成分Cに富む液体を取り出すために用いられる。
図1及び図2に示すように、本実施形態におけるの蒸留塔2は垂直方向に延びる塔本体21を備える。なお、本発明において、塔本体21は垂直方向に延びるものに限定されない。塔本体21の内部は、上方から順に第1セクションS1〜第4セクションS4に分かれている。なお、本発明において蒸留塔2を構成するセクション数は限定されず、蒸留塔2の要求性能に応じた種々のセクション数で実施できる。各セクションには、上昇する蒸気と下降する液体とを接触させることで物質移動を行うための充填物22が配置されている。充填物22としては、例えば、板状体や網状体が波形等に加工された上で、塔本体21の形状に合わせてブロック状に成形された規則充填物、もしくは、リング状等に加工された固形物が多数集合した不規則充填物が用いられる。
図1及び図2に示すように、第2セクションS2及び第3セクションS3は、塔本体21を水平方向に並ぶ2室に仕切る仕切板23により仕切られている。本実施形態では平板状の仕切板23が用いられている。第2セクションS2は、仕切板23を挟んで隣接する第2aセクションS2aと第2bセクションS2bに分かれている。第3セクションS3は、仕切板23を挟んで隣接する第3aセクションS3aと第3bセクションS3bに分かれている。
仕切板23の水平方向における位置は、塔本体21の水平断面中心を通る位置に限られず、例えば原液中の成分A,B,Cの比率に応じて設定される、第2aセクションS2a及び第3aセクションS3aの位置する室の断面積と、第2bセクションS2b及び第3bセクションS3bの位置する室の断面積の比率に応じた位置に配置される。
図2に示すように、第2aセクションS2aと第3aセクションS3aとにより第1蒸留部D1が構成され、第1セクションS1と第2bセクションS2bとにより第2蒸留部D2が構成され、第3bセクションS3bと第4セクションS4とにより第3蒸留部D3が構成される。各蒸留部における上部セクションが低沸点成分の濃度を高めるための濃縮部として機能し、下部セクションが高沸点成分の濃度を高めるための回収部として機能する。
塔本体21には、原液を塔内に供給するフィードノズル211、分離された成分(本実施形態では成分Bに富む液体)を塔外に取り出すサイドカットノズル212が設けられている。また、塔本体21の上部には、塔頂蒸気出口部213と還流液入口部214とが設けられている。これらは蒸留塔2の外部に設けられた、気体(本実施形態では成分Aに富む気体)を冷却して液化させる凝縮器3に接続されている。また、塔本体21の下部には、塔底出口部215と塔底蒸気入口部216とが設けられている。これらは蒸留塔2の外部に設けられた、液体(本実施形態では成分Cに富む液体)を加熱して気化させる蒸発器4に接続されている。
各セクションの上方には、図1に示すように、塔内を下降する液体をシャワー状として、各セクションにおける充填物22の上部に対し均等に振りかけるためのディストリビュータ24が設けられている。第3セクションS3の上方では、仕切板23が存在するため、仕切板23を挟んで二つのディストリビュータ24が設けられている。ディストリビュータ24は、樋状やパイプ状等の種々の形態で実施できる。
また、各セクションの下方には、図1に示すように、コレクター25が設けられている。第2セクションS2の下方では、仕切板23が存在するため、仕切板23を挟んで二つのコレクター25が設けられている。このコレクター25は、塔本体21を横断するように設けられており、塔内を下降する液体を一旦受けて捕集してから下降させてディストリビュータ24に導く。これと共に、塔内を上昇する蒸気を通過させる。コレクター25は、図3に示すように、リング状のコレクターボックス251と、コレクターボックス251の上部に固定された板状(波板状)の液体受け部であるコレクターラミナー252とを備える。コレクターボックス251には、複数のコレクターラミナー252が水平方向に並列されて固定されている。なお、仕切板23とコレクター25との位置関係については後述する。
各コレクターラミナー252は折り曲げられた板状体である。各コレクターラミナー252は、コレクター25として組み立てられた状態で斜め方向に形成された捕集部2521で液体を捕集する。捕集された液体は略U字状に曲げられた樋部2522を通ってコレクターボックス251を介し、コレクターボックス251の下方に位置するディストリビュータ24に導かれる。図3に示すように、複数のコレクターラミナー252の間には空間25Sが存在しており、この空間を蒸気が通り抜ける。
図3に示すように、本実施形態のコレクター25は、塔本体21の水平断面における中心を通る垂直面LP(図3に一点鎖線で示す)を基準として面対称形状である。このように面対称形状とすることで、塔内における蒸気の流れを、コレクター25を通過させることにより、垂直面LPを基準として面対称にできる。このため、蒸気の流れ流れに偏りが生じることを抑制できる。
そして、コレクター25における各コレクターラミナー252(本実施形態ではそのうち捕集部2521)は、上方に向かうにつれ前記垂直面LPから離れる方向へと広がる形状である。コレクター25をこのような形状とすることにより、コレクター25において前記垂直面LPに対する一方側領域を通過した蒸気と他方側領域を通過した蒸気とが、各コレクターラミナー252によってお互いに離れるように誘導される。このため、各領域を通過した蒸気同士が衝突しにくくなるので、塔内の圧力損失の増加を抑制できる。この作用は特に、仕切板23の下方に位置するコレクター25において有用である。
本実施形態では、図1に示すように、第1セクションS1の上方にはディストリビュータ24、下方にはコレクター25が設けられている。そして、第2aセクションS2a及び第2bセクションS2bの上方にはディストリビュータ24、下方にはコレクター25が設けられている。そして、第3aセクションS3a及び第3bセクションS3bの上方にはディストリビュータ24、下方にはコレクター25が設けられている。そして、第4セクションS4の上方にはディストリビュータ24が設けられている。
本実施形態の蒸留塔2には、概念図である図2に示すように、フィードノズル211を介して原液が供給される。原液は、沸点が異なるA,B,Cの各成分の液体が混ざった状態である。ここで、各成分の沸点はA<B<Cであるものとする。
第1蒸留部D1において、フィードノズル211から蒸留塔2に供給された原液は第3aセクションS3aを通る。第3aセクションS3aでは、原液が加熱されて、成分A及びBに富む蒸気と成分B及びCに富む液体に分離する。成分A及びBに富む蒸気は上昇し、第2aセクションS2aにて、第2蒸留部D2における第1セクションS1から還流される成分A及びBに富む液体に接触する。一方、成分B及びCに富む液体は第3蒸留部D3の第4セクションS4へと下降する。
第2蒸留部D2において、第2bセクションS2bでは、第1セクションS1から下降してきた成分A及びBに富む液体が加熱されて、成分Aに富む蒸気と成分Bに富む液体に分離する。成分Aに富む蒸気は上昇し、第1セクションS1にて、塔外から還流される成分Aに富む液体に接触する。更にこの成分Aに富む蒸気は、塔頂蒸気出口部213から塔外に取り出され、凝縮器3により液化される。液化された成分Aに富む液体の一部は還流液入口部214を介して第2蒸留部D2に還流される。一方、成分Bに富む液体は、一部がサイドカットノズル212を介して塔外に取り出され、その他は第3蒸留部D3の第3bセクションS3bへと下降する。
第3蒸留部D3において、第4セクションS4では、第3aセクションS3aから下降してきたB及びCに富む液体、及び、第3bセクションS3bから下降してきた成分Bに富む液体が加熱されて、成分Bに富む蒸気と成分Cに富む液体に分離する。成分Bに富む蒸気は上昇し、第3bセクションS3bにて、第2蒸留部D2における第2bセクションS2bから還流される成分Bに富む液体に接触する。成分Cに富む液体は、塔底出口部215から塔外に取り出される。この取り出された液体の一部は蒸発器4により気化され、塔底蒸気入口部216を介して第3蒸留部D3に戻される。
以上のように、第1蒸留部D1と第3蒸留部D3との間ではB成分及びC成分が流通する。また、第1蒸留部D1と第2蒸留部D2との間ではA成分及びB成分が流通する。また、第2蒸留部D2と第3蒸留部D3との間ではB成分が流通する。これら各成分の流通は、塔内を蒸気が上昇し、液体が下降するものである。
このように、本実施形態の蒸留塔2では、A成分は蒸気として塔頂蒸気出口部213から塔外に取り出される。B成分は液体としてサイドカットノズル212から塔外に取り出される。C成分は液体として塔底出口部215から取り出される。
次に、仕切板23とコレクター25との位置関係について説明する。まず、仕切板23と、仕切板23の上方に位置するコレクター25の位置関係(図4参照)に関して、水平方向における、仕切板23の延びる方向L23と、前記仕切板23の上方に位置するコレクター25におけるコレクターラミナー252の延びる方向(長手方向)L252とが、(垂直方向視において)交差するような関係である。
この位置関係により、仕切板23によって2室に仕切られた各室(具体的には第2aセクションS2aと第2bセクションS2b)を通過後の蒸気は、仕切板23の上方に位置するコレクター25におけるコレクターラミナー252を通過することで、仕切板23とコレクターラミナー252との間の前記交差する関係により流れが曲げられる。このように蒸気の流れが曲げられることにより、2室のうち一方を通過後の蒸気と、前記蒸気とは成分の異なる、他方を通過後の蒸気とがコレクター25を通過することにより速やかに混合される。このため、第2セクションS2の上方に位置する第1セクションS1に、均一に混合した蒸気が入るようにできる。この結果、第1セクションS1における気液接触が良好になされ、成分Aに富む蒸気を効率的に発生させられる。そして、このコレクター25では、前記各蒸気を混合するために蒸気の流れが曲げられるものの、必要以上に蒸気の流れが阻害されることはないので、圧力損失が大きくなることは抑制されている。よって、本実施形態の蒸留塔2は、蒸留塔2の基本的な要求事項の一つである、塔内の圧力損失を小さく抑えるべきとの事項を満たしている。
水平方向における、仕切板23の延びる方向L23と、仕切板23の上方に位置するコレクター25におけるコレクターラミナー252の延びる方向L252とのなす(垂直方向視における)角度θ1は、好ましくは70°〜110°、より好ましくは80°〜100°である。このような角度θ1となるように仕切板23と仕切板23の上方に位置するコレクター25とを配置することにより、仕切板23によって仕切られた2室のうち一方の室を通過後の蒸気が速やかに他方の室の上方位置に流れていくように、蒸気の流れの曲がり度合いを設定できる。このため、角度θ1が前記範囲外であった場合に比べると、蒸気の流れの曲げを良好にできるため、コレクター25の通過後の蒸気の混合が更に良好になる。本実施形態では前記角度θ1を90°に設定している。
一方、仕切板23と、仕切板23の下方に位置するコレクター25の位置関係(図5参照)に関しても、水平方向における、仕切板23の延びる方向L23と、前記仕切板23の下方に位置するコレクター25におけるコレクターラミナー252の延びる方向(長手方向)L252とが、(垂直方向視において)交差するような関係である。
水平方向における、仕切板23の延びる方向L23と、仕切板23の下方に位置するコレクター25におけるコレクターラミナー252の延びる方向L252とのなす(垂直方向視における)角度θ2は40°〜140°である。このような角度θ2となるように仕切板23と仕切板23の下方に位置するコレクター25とを配置することにより、仕切板23によって2室に仕切られた各室に導入されるコレクター25の通過後の蒸気に、下方へ向かう逆流が生じにくくなる。なお、この「逆流」とは、一方の室を上昇する蒸気の一部が、他方の室に入り込もうとして下降してしまう現象である。例えば、仕切板23の延びる方向L23と、仕切板23の下方に位置するコレクター25におけるコレクターラミナー252の延びる方向L252とのなす(垂直方向視における)角度が0°、つまり前記方向L23と方向L252とが同一方向であった場合、コレクターラミナー252により導かれた蒸気は、仕切板23により仕切られた一方の室(第2セクションS2では、第2aセクションS2aまたは第2bセクションS2b、第3セクションS3では、第3aセクションS3aまたは第3bセクションS3b)にまずは導かれて、一旦は上昇する。ところが、蒸気が導かれた室よりも他方の室の圧力損失が小さい場合、一度前記一方の室に導かれた蒸気が他方の室に向かおうとして下降してしまうことが起こっていたのである。角度θ2を40°〜140°に設定することで前記逆流が生じにくくなることで、塔内の圧力損失の増加を抑制できる。この圧力損失増加の抑制は、特に、蒸留塔2の内部を塔外の圧力(大気圧)よりも減圧して使用する場合に有用である。本実施形態では前記角度θ2を90°に設定している。
次に、本願の発明者が行った塔内の流動解析について説明する。仕切板23の上部に位置するコレクター25に関して、解析条件は以下のとおりである。解析モデルを図6(A)〜(D)に示す。図6(A)(B)は、仕切板23とコレクター25(コレクターラミナー252)とが平行である(角度θ1が0°)の場合を示し、図6(C)(D)は、仕切板23とコレクター25(コレクターラミナー252)とが直交する(角度θ1が90°)の場合を示す。

・解析ソフト:CFX(アンシス・ジャパン株式会社)
・解析手法:定常解析(非圧縮性流体として解析)
・乱流モデル:標準k-εモデル
・流体物性
対象流体1:水蒸気(密度1.20kg/m3、粘度0.011cp、拡散係数1.4×10-5m2/s)
対象流体2:メタノールガス(密度2.13kg/m3、粘度0.011cp、拡散係数1.4×10-5m2/s)
・境界条件
入口:流入境界
出口:流出境界
仕切板23とコレクター25との間の角度θ1を変化させた際、混合ガス中のメタノールガスの濃度が0.4〜0.6(完全混合の場合は0.5)である流量が0.15m3/sに達するコレクター25からの高さ(より詳しくはコレクターラミナー252の下端からの高さ)を図7に示す。図7から、角度θ1が70°〜90°である範囲が、低い位置で混合がなされるため、良好であることが確認できた。この確認結果より、コレクター25は対称形状であることから、角度θ1が90°〜110°の範囲も同様となるので、角度θ1が70°〜110°で良好と言える。
次に、仕切板23の上部に位置するコレクター25に関して、解析条件は以下のとおりである。解析モデルを図8(A)(B)に示す。図8(A)は、仕切板23とコレクター25(コレクターラミナー252)とが平行である(角度θ2が0°)の場合を示し、図8(B)は、仕切板23とコレクター25(コレクターラミナー252)とが直交する(角度θ2が90°)の場合を示す。

・解析ソフト:CFX(アンシス・ジャパン株式会社)
・解析手法:定常解析(非圧縮性流体として解析)
・乱流モデル:標準k-εモデル
・流体物性
対象流体:水蒸気(密度1.20kg/m3、粘度0.011cp)
・境界条件
入口:流入境界
出口:流出境界
仕切板23とコレクター25との間の角度θ2を変化させた際、角度θ2が0°での圧力損失を基準とした平均圧力損失比を図9に示す。そして、本解析で得られた複数のポイントに沿うように結んだ曲線も破線で示す。なお、図9上に記載した式は横軸をx軸、縦軸をy軸として表示している。図9から、角度θ2が40°〜140°である範囲で良好であることが確認できた。
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明に係る蒸留装置1及び蒸留塔2は、前記実施形態だけに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることができる。
例えば、前記実施形態におけるコレクター25は、仕切板23の上方と下方の両方に位置していたが、仕切板23の上方にのみ位置させることもできる。また、前記実施形態では、水平方向における、仕切板23の延びる方向L23と、仕切板23の上方に位置するコレクター25におけるコレクターラミナー252の延びる方向L252とのなす(垂直方向視における)角度θ1、及び、水平方向における、仕切板23の延びる方向L23と、仕切板23の下方に位置するコレクター25におけるコレクターラミナー252の延びる方向L252とのなす(垂直方向視における)角度θ2がいずれも90°であったが、角度θ1と角度θ2を異なる角度に設定することもできる。
1 蒸留装置
2 蒸留塔
21 塔本体
23 仕切板
25 コレクター
252 液体受け部(コレクターラミナー)
L23 仕切板の延びる方向
L252 液体受け部(コレクターラミナー)の延びる方向
θ1 仕切板と仕切板上方のコレクターとの角度
θ2 仕切板と仕切板下方のコレクターとの角度
LP 垂直面

Claims (6)

  1. 塔本体と、
    前記塔本体を水平方向に並ぶ2室に仕切る仕切板と、
    前記仕切板の少なくとも上方に位置し、塔内を下降する液体を一旦受けた上で下降させ、かつ、塔内を上昇する蒸気を通過させるコレクターと、を備え、
    前記コレクターは、板状の液体受け部が複数、水平方向に並列されて構成されており、
    水平方向における、前記仕切板の延びる方向と、前記仕切板の上方に位置するコレクターにおける前記液体受け部の延びる方向とは交差する関係にあり、
    前記仕切板によって仕切られた前記2室のうち一方を通過後の蒸気と、他方を通過後の蒸気とが前記仕切板の上方に位置する前記コレクターを通過することにより混合される蒸留塔。
  2. 水平方向における、前記仕切板の延びる方向と、前記仕切板の上方に位置するコレクターにおける前記液体受け部の延びる方向とのなす角度は70°〜110°である、請求項1に記載の蒸留塔。
  3. 水平方向における、前記仕切板の延びる方向と、前記仕切板の上方に位置するコレクターにおける前記液体受け部の延びる方向とのなす角度は80°〜100°である、請求項1または2に記載の蒸留塔。
  4. 前記コレクターは、前記仕切板の上方と下方の両方に位置し、
    水平方向における、前記仕切板の延びる方向と、前記仕切板の下方に位置するコレクターにおける前記液体受け部の延びる方向とのなす角度は40°〜140°である、請求項1〜3のいずれかに記載の蒸留塔。
  5. 前記コレクターは、前記塔本体の水平断面における中心を通る垂直面を基準として面対称形状である、請求項1〜4のいずれかに記載の蒸留塔。
  6. 前記コレクターにおける各液体受け部は、上方に向かうにつれ前記垂直面から離れる方向へと広がる形状である、請求項5に記載の蒸留塔。
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