JP6892963B1 - 光回路素子、モニタリングシステム及びモニタリング方法 - Google Patents

光回路素子、モニタリングシステム及びモニタリング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光導波路の寸法偏差を高い精度で推定することを可能とする光回路素子を提供する。【解決手段】光回路素子は、複数の光入力ポート、複数の光出力ポート、光合波器及び光分波器を備える。光合波器の光出力端は光波長フィルタの光入力端と結合され、光分波器の光入力端は光波長フィルタの光出力端と結合される。光合波器は、特定の光入力ポートから入力された所定の偏光モードの光信号を光合波器の光出力端に伝搬させ、特定の光入力ポート以外の光入力ポートからの所定の偏光モードの光信号を、所定の偏光モードとは異なる他の偏光モードの光信号に変換して、その偏光モードの光信号を光合波器の光出力端と結合させる。光分波器は、光波長フィルタからの所定の偏光モードのフィルタ光信号を特定の光出力ポートに伝搬させ、光波長フィルタから入力された他の偏光モードのフィルタ光信号を所定の偏光モードのフィルタ光信号に変換する。【選択図】図1

Description

本開示は、光集積回路(photonic integrated circuit,PIC)の状態をモニタリングするための光回路素子及びモニタリング技術に関する。
光集積回路は、光能動素子(たとえば、光増幅器,光検出素子または光変調素子)や光受動素子(たとえば、光共振器,方向性結合器または分波器)などの複数の光部品を単一の基板上に集積して構成される光回路である。光集積回路は、信号光を伝搬させる光導波路を基本的な構造として含む。シリコン光集積回路では、一般に、シリコン・オン・インシュレータ(Silicon−On−Insulator,SOI)構造のSOI基板が使用される。SOI基板は、ベース基板であるシリコン(Si)基板と、上部シリコン膜と、当該シリコン基板と上部シリコン膜との間に介在する埋め込み酸化膜と呼ばれるシリコン酸化膜(SiO)とを有する半導体基板である。埋め込み酸化膜と上部シリコン膜との間の屈折率差が大きいので、上部シリコン膜を加工することで形成されるシリコン導波路は、信号光をサブミクロンサイズの導波領域に閉じ込めて伝搬させることができる。
このような光集積回路における光導波路の寸法精度が低いと、チャネル間クロストークの増加や透過波長帯域のシフトなどの特性劣化が生ずるおそれがある。このような特性劣化は、たとえば、下記の非特許文献1において報告されている。
光集積回路の所期性能の再現性を確保するには、光導波路の寸法偏差(すなわち光導波路の寸法の基準値からのずれ)を高い精度で検出して光集積回路の製造工程を最適化することが必要である。従来の半導体製造工程では、測長走査型電子顕微鏡(Critical Dimension−Scanning Electron Microscope,CD−SEM)などの光学計測機器を用いた検査手法により回路の寸法偏差が検出されていた。しかしながら、この検査手法では、数nm(ナノメートル)以下の寸法偏差を高い精度で検出することが難しいという課題がある。
この課題に対処するために、下記の非特許文献2には、SOI基板に形成されたマッハツェンダ光干渉計を伝搬したTEモードの透過スペクトルを解析することで寸法偏差を推定する方法が提案されている。この方法は、測定された透過スペクトルに現れる共振波長及び自由スペクトル範囲(Free Spectral Range,FSR)から実効屈折率及び群屈折率を検出し、これら実効屈折率及び群屈折率に基づいてシリコン導波路の寸法偏差を1nm弱の精度で推定するというものである。
前述のとおり、非特許文献2に開示されている従来の方法では、シリコン導波路の寸法偏差の推定精度はたかだか1nm弱に過ぎない。
上記に鑑みて本開示の目的は、光集積回路を構成する光導波路の寸法偏差をさらに高い精度で推定することを可能とする光回路素子、モニタリングシステム及びモニタリング方法を提供することである。
本開示の第1の態様による光回路素子は、光波長フィルタの特性をモニタリングするための光回路素子であって、複数の光入力ポートと、複数の光出力ポートと、前記複数の光入力ポートのうちの特定の光入力ポートと光学的に結合された光入力端、前記複数の光入力ポートのうち前記特定の光入力ポート以外の少なくとも1個の光入力ポートと光学的に結合された光入力端、及び、前記光波長フィルタの光入力端と光学的に結合された光出力端を有する光合波器と、前記光波長フィルタの光出力端と光学的に結合された光入力端、前記複数の光出力ポートのうちの特定の光出力ポートと光学的に結合された光出力端、及び、前記複数の光出力ポートのうち前記特定の光出力ポート以外の少なくとも1個の光出力ポートと光学的に結合された光出力端を有する光分波器とを備える。前記光合波器は、前記特定の光入力ポートから入力された所定の偏光モードの光信号を前記光合波器の当該光出力端に伝搬させ、前記少なくとも1個の光入力ポートから入力された前記所定の偏光モードの光信号を、前記所定の偏光モードとは異なる少なくとも1つの偏光モードの光信号に変換して、前記少なくとも1つの偏光モードの当該光信号を前記光合波器の当該光出力端と結合させるように構成されている。前記光分波器は、前記光波長フィルタから入力された前記所定の偏光モードと同じ偏光モードのフィルタ光信号を前記特定の光出力ポートに伝搬させ、前記光波長フィルタから入力された前記少なくとも1つの偏光モードと同じ偏光モードのフィルタ光信号を前記所定の偏光モードのフィルタ光信号に変換して、前記所定の偏光モードの当該フィルタ光信号を前記少なくとも1個の光出力ポートと結合させるように構成されている。
本開示の第2の態様によるモニタリングシステムは、前記第1の態様による光回路素子と、前記複数の光入力ポートにそれぞれ前記所定の偏光モードの光信号が照射された後に、前記複数の光出力ポートからそれぞれ出射された複数のフィルタ光信号を検出する光検出器と、前記光検出器の検出出力から前記複数のフィルタ光信号それぞれの複数の透過スペクトルを測定し、当該複数の透過スペクトルに基づいて前記光波長フィルタを構成する光導波路の寸法偏差を推定するモニタリング装置とを備える。
本開示の第3の態様によるモニタリング方法は、前記第1の態様による光回路素子を用いたモニタリング方法であって、前記複数の光入力ポートにそれぞれ前記所定の偏光モードの光信号を照射するステップと、前記複数の光出力ポートからそれぞれ出力された複数のフィルタ光信号を検出するステップと、前記複数のフィルタ光信号それぞれの複数の透過スペクトルに基づいて、前記光波長フィルタを構成する光導波路の寸法偏差を推定するステップとを備える。
光回路素子の複数の光入力ポートに所定の偏光モードの光信号を導入することにより、互いに異なる複数の偏光モードの光信号を光波長フィルタに入力することができる。当該複数の偏光モードの光信号に応答して光波長フィルタから出力された複数の偏光モードのフィルタ光信号は、それぞれ、所定の偏光モードの複数のフィルタ光信号に変換される。これら複数のフィルタ光信号のスペクトルに基づき、光波長フィルタの特性(特に、光波長フィルタを構成する光導波路の寸法偏差)を高い精度で推定することが可能である。
本開示の一実施形態に係る光回路素子の概略構成を示す平面図である。 マイクロリング共振器型光波長フィルタの構成を概略的に示す図である。 図3Aは、細線導波路の概略断面図であり、図3Bは、リブ型光導波路の概略断面図である。 光回路素子の光入力ポート及び光出力ポートの例を表す概略斜視図である。 光回路素子における光合波器の構成の一部を例示する概略図である。 光回路素子における光分波器の構成の一部を例示する概略図である。 本開示の一実施形態に係るモニタリングシステムの概略構成図である。 モニタリングの手順の一例を概略的に示すフローチャートである。 第1の実施例に使用された光回路素子の概略構成を示す平面図である。 第1の実施例に使用された光回路素子の概略構成を示す平面図である。 図11A及び図11Bは、透過スペクトルの測定結果を示すグラフである。 図12Aは、ウエハ基板上の64点の領域における寸法偏差(コア幅の偏差)の測定結果を示す図であり、図12Bは、ウエハ基板上の64点の領域における寸法偏差(コア高さの偏差)の測定結果を示す図である。 図13Aは、TEモードに対する共振波長の偏差についての頻度ヒストグラムであり、図13Bは、TEモードに対するFSRの偏差についての頻度ヒストグラムであり、図13Cは、TMモードに対する共振波長の偏差についての頻度ヒストグラムであり、図13Dは、TMモードに対するFSRの偏差についての頻度ヒストグラムである。 第2の実施例に使用された光回路素子の概略構成を示す平面図である。 第2の実施例に使用された光回路素子の概略構成を示す平面図である。
次に、図面を参照しつつ、種々の実施形態及びその変形例について詳細に説明する。なお、図面全体において同一符号が付された構成要素は、同一構成及び同一機能を有するものとする。
図1は、一実施形態に係る光回路素子10の概略構成を示す平面図である。光回路素子10は光波長フィルタ20を含む。光回路素子10は、ウエハ基板100上の所定領域に形成されており、ダイシング工程前の状態で光波長フィルタ20の特性(特に、光波長フィルタ20を構成する光導波路の寸法精度)をモニタリングすることを可能とする構造を有している。このような光回路素子10は、たとえば、SOI(Silicon−On−Insulator)基板を用いる公知のシリコンフォトニクス技術により作製可能である。
図1に示されるように光回路素子10は、N+1個の光入力ポートPa,Pa,…,Paと、これら光入力ポートPa,Pa,…,Paにそれぞれ対応するN+1個の光出力ポートPb,Pb,…,Pbと、偏光モード変換器及び光結合器を含む光合波器31と、偏光モード変換器及び光結合器を含む光分波器32とを備える。ここで、Nは、光入力ポートPa〜Paの個数から1を減算した値を表す2以上の整数である。
また光回路素子10は、0番目の光入力ポートPaを光合波器31の特定の光入力端と光学的に結合する光導波路Waと、1番目〜N番目の光入力ポートPa〜Paを光合波器31のN個の光入力端(光合波器31の特定の光入力端以外の光入力端)とそれぞれ光学的に結合する光導波路Wa〜Waと、光合波器31の光出力端を光波長フィルタ20の光入力端(インプットポート)と光学的に結合する光導波路Wiとを備える。さらに光回路素子10は、光波長フィルタ20の光出力端(ドロップポート)を光分波器32の光入力端と光学的に結合する光導波路Wdと、0番目の光出力ポートPbを光分波器32の特定の光出力端と光学的に結合する光導波路Wbと、1番目〜N番目の光出力ポートPb〜Pbを光分波器32のN個の光出力端(光分波器32の特定の光出力端以外の光出力端)とそれぞれ光学的に結合する光導波路Wb〜Wbとを備えている。
なお、図1に示した光回路素子10において、光入力ポートPa〜Paの個数は3個以上であり、光出力ポートPb〜Pbの個数は3個以上であるが、これら個数に限定されるものではない。2個の光入力ポートと2個の光出力ポートとを有するように光回路素子10の構成を適宜変更することができる。
光波長フィルタ20は、複数の光導波路で構成されている。たとえば、光波長フィルタ20は、マイクロリング共振器またはマッハツェンダ共振器などの共振器構造を含んで構成されてもよいし、アレイド導波路回折格子を含んで構成されてもよい。図2は、光波長フィルタ20の具体例であるマイクロリング共振器型光波長フィルタ20Aの構成を概略的に示す平面図である。図2に示されるマイクロリング共振器型光波長フィルタ20Aは、光導波路Wiの一端に接続されたバス光導波路21と、光導波路Wdの一端に接続されたバス光導波路22と、バス光導波路21,22の双方と近接して配置されたリング状光導波路23とで構成されている。
光波長フィルタ20は、たとえば、各々が矩形断面またはリブ状断面の導波路コアを有する複数の光導波路で構成可能である。図3Aは、図1の平面とは垂直な光伝搬方向からみたときの矩形断面の導波路コア44を有する細線導波路40の概略断面図であり、図3Bは、光伝搬方向からみたときのリブ状断面の導波路コア45を有するリブ型光導波路41の概略断面図である。
図3Aに示される細線導波路40では、シリコン基板などの半導体基板42上にシリコン酸化膜などの絶縁膜(クラッド層)43が形成され、この絶縁膜43上にシリコン材料からなる導波路コア44が形成されている。また導波路コア44を被覆するように絶縁被覆膜49が形成される。たとえば、絶縁膜43の厚みは0.1μm(マイクロメートル)以上、導波路コア44の厚みは100nm以上500nm以下の範囲内、絶縁被覆膜49の厚みは0.1μm以上に設定されればよい。導波路コア44の断面形状は、コア幅W及びコア高さHを有する矩形状である。一方、図3Bに示されるリブ型光導波路41では、細線導波路40と同様に、シリコン基板などの半導体基板42上にシリコン酸化膜などの絶縁膜(クラッド層)43が形成され、この絶縁膜43上にシリコン材料からなる導波路コア45が形成されている。また導波路コア45を被覆するように絶縁被覆膜49が形成される。導波路コア45の断面は、コア幅W,コア高さH及びスラブ高さSを有する。このような細線導波路40及びリブ型光導波路41は、SOI基板に対して、公知のリソグラフィ技術,エッチング技術及び薄膜形成技術を適用することにより形成可能である。
図1を参照すると、光入力ポートPa〜Paは、それぞれ、図1の平面に対して面外方向から入射された所定の偏光モードPMの光信号を面内方向に回折させる回折格子素子である。これにより、光入力ポートPa〜Paは、外部の光伝送路(図示せず)から照射された光信号を光導波路Wa〜Waに出力することができる。所定の偏光モードPMとしては、最低次のTEモード(Transverse Electric mode)が使用可能である。一方、光出力ポートPb〜Pbは、それぞれ、光導波路Wb〜Wbから伝搬した光信号を面外方向に回折させる回折格子素子である。これにより、光出力ポートPb〜Pbは、光導波路Wb〜Wbから伝搬した光信号を回折させて外部の光伝送路(図示せず)へ出射することができる。
図4は、光入力ポートPa〜Paの1つの例である光入力ポートPaと、光出力ポートPb〜Pbの1つの例である光出力ポートPbとを表す概略斜視図である。光入力ポートPa及び光出力ポートPbは、それぞれグレーティングカプラとして構成されている。光入力ポートPaの回折格子面と対向するように光ケーブルなどの光伝送路C1の光出射端が位置決めされている。光入力ポートPaは、その光出射端から入射された光信号ILを光導波路Waの方へ回折させることができる。一方、光出力ポートPbの回折格子面と対向するように光ケーブルなどの光伝送路C2の光入射端が位置決めされている。光出力ポートPbは、光導波路Wbから伝搬した光信号OLをその光入射端の方へ回折させることができる。
次に、図1を参照すると、光合波器31は、0番目の光入力ポートPaから入力された偏光モードPM(たとえば最低次のTEモード)の光信号を、その偏光モードPMを変更せずに光合波器31の光出力端に伝搬させる。これにより、偏光モードPMの光信号は、光導波路Wiを伝搬して波長フィルタ20に入射する。
また光合波器31は、1番目〜N番目の光入力ポートPa〜Paから入力された光信号の偏光モードPMを、それぞれ、当該偏光モードPMとは異なる偏光モードPM〜PMに変換する偏光モード変換器を有している。ここで、偏光モードPM,PM〜PMは互いに異なる偏光モードである。光合波器31は、偏光モードPM〜PMの光信号を光合波器31の光出力端と結合させる。これにより、偏光モードPM〜PMの光信号は光導波路Wiを伝搬して光波長フィルタ20に入射する。
図5は、光合波器31の構成の一部を例示する概略図である。光合波器31は、0番目の光導波路Waに接続された主光導波路Wiと、n番目の光導波路Waに接続された側光導波路Wiとを含む。ここで、nは、1〜Nの範囲内の整数である。図5に示されるように側光導波路Wiは、光導波路Waから入力された偏光モードPMの光信号を偏光モードPMの光信号に変換する偏光モード変換器MAを有している。このような偏光モード変換器MAとしては、たとえば、TEモード(TE偏波)とTMモード(TM偏波)との間で変換を行う公知の偏波回転器、あるいは、k次のTEモード(TE偏波)をm次のTEモード(TE偏波)に変換する公知のTE−TEモード変換器(k,mは0以上の整数;k≠m)が使用されればよい。
また図5に示されるように、主光導波路Wiと側光導波路Wiの先端部分とが互いに平行に延在する平行路が、方向性光結合器DAとして形成されている。この方向性光結合器DAでは、側光導波路Wiと主光導波路Wiとの間で偏光モードPMがほとんど結合せず、偏光モードPMがほぼ完全に結合するような設計がなされている。方向性光結合器DAの端部では、側光導波路Wiは、当該側光導波路Wiの先端に向かうに従って漸次細くなるテーパ形状を有する。
図1を参照すると、光波長フィルタ20は、光合波器31から光導波路Wiを介して入射された偏光モードPM〜PMの光信号に応答して、偏光モードPM〜PMのフィルタ光信号を光導波路Wdに出力する。これらフィルタ光信号は、それぞれ偏光モードPM〜PMに特有のフィルタ波長を有している。
光分波器32は、光波長フィルタ20から入力された偏光モードPMのフィルタ光信号を、その偏光モードPMを変更せずに光導波路Wbに伝搬させる。これにより、偏光モードPMのフィルタ光信号は、光導波路Wbを伝搬して光出力ポートPbに入射する。
また光分波器32は、光波長フィルタ20から入力された偏光モードPM〜PMのフィルタ光信号をそれぞれ偏光モードPMのN個のフィルタ光信号に変換する偏光モード変換器を有している。光分波器32は、これら偏光モードPMのフィルタ光信号をそれぞれ光出力ポートPb〜Pbと結合させる。これにより、光出力ポートPb〜Pbは、光波長フィルタ20から出力された偏光モードPM〜PMのフィルタ光信号にそれぞれ対応する偏光モードPMのN個のフィルタ光信号を面外方向に出射することが可能となる。
図6は、光分波器32の構成の一部を例示する概略図である。光分波器32は、0番目の光導波路Wbに接続された主光導波路Wdと、n番目の光導波路Wbに接続された側光導波路Wdとを含む。ここで、nは、1〜Nの範囲内の整数である。図6に示されるように主光導波路Wdと側光導波路Wdの先端部分とが互いに平行に延在する平行路が、方向性光結合器DBとして形成されている。この方向性光結合器DBでは、主光導波路Wdと側光導波路Wdとの間で偏光モードPMがほとんど結合せず、偏光モードPMがほぼ完全に結合するような設計がなされている。方向性光結合器DBの端部では、側光導波路Wdは、当該側光導波路Wdの先端に向かうに従って漸次細くなるテーパ形状を有する。
また図6に示されるように側光導波路Wdは、方向性光結合器DBから伝搬した偏光モードPMの光信号を偏光モードPMの光信号に変換する偏光モード変換器MBを有している。このような偏光モード変換器MBとしては、たとえば、TMモード(TM偏波)とTEモード(TE偏波)との間で変換を行う公知の偏波回転器、あるいは、m次のTEモード(TE偏波)をk次のTEモード(TE偏波)に変換する公知のTE−TEモード変換器(k,mは0以上の整数;k≠m)が使用されればよい。
上記のとおり、偏光モードPMの光信号を光入力ポートPa〜Paに導入することにより、互いに異なる偏光モードPM〜PMの光信号を光波長フィルタ20に入力することができる。また、偏光モードPM〜PMの光信号に応答して光波長フィルタ20から出力された偏光モードPM〜PMのフィルタ光信号は、それぞれ、同一偏光モードPMのN個のフィルタ光信号に変換され、光出力ポートPb〜Pbから面外方向に出射され得る。これにより、偏光モードPM〜PMの光信号にそれぞれ対応する同一偏光モードPMのN個のフィルタ光信号を個別に検出することが可能となる。
図7は、上記した光回路素子10内の光波長フィルタ20の特性をモニタリングするモニタリングシステム50の概略構成図である。モニタリングシステム50は、光回路素子10と、光回路素子10の光入力ポートPa〜Paに対してそれぞれ位置決めされた光ファイバなどの光伝送路C1と、光回路素子10の光出力ポートPb〜Pbに対してそれぞれ位置決めされた光ファイバなどの光伝送路C2と、偏光モードPMの光信号を光伝送路C1を介して光入力ポートPa〜Paに照射するレーザ光源51と、光出力ポートPb〜Pbからそれぞれ出力されたN個のフィルタ光信号を検出して電気信号を出力する光検出器52と、モニタリング装置53とを備えている。
モニタリング装置53は、光検出器52の検出出力からN個のフィルタ光信号それぞれのN個の透過スペクトルを測定し、当該N個の透過スペクトルに基づいて光波長フィルタ20を構成する光導波路の寸法偏差(すなわち光導波路の寸法の基準値からのずれ)を推定する機能を有する。
モニタリング装置53の機能は、不揮発性メモリから読み出されたソフトウェアまたはファームウェアのプログラムコードを実行する、CPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)などの演算装置を含む単数または複数のプロセッサで実現可能である。あるいは、モニタリング装置53の機能は、DSP(Digital Signal Processor),ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field−Programmable Gate Array)などの半導体集積回路を有する単数または複数のプロセッサにより実現されてもよい。あるいは、DSP,ASICまたはFPGAなどの半導体集積回路と、CPUまたはGPUなどの演算装置との組み合わせを含む単数または複数のプロセッサによってモニタリング装置53の機能を実現することも可能である。
図8は、モニタリングの手順の一例を概略的に示すフローチャートである。図8を参照すると、モニタリング装置53は、レーザ光源51を駆動して、このレーザ光源51から光回路素子10の光入力ポートPa〜Paに光伝送路C1を介して所定の偏光モードPMの光信号ILを照射する(ステップS10)。その後、光検出器52は、光回路素子10の光出力ポートPb〜Pbから出射された偏光モードPMのN個のフィルタ光信号OLを検出する(ステップS11)。モニタリング装置53は、光検出器52の検出出力からN個のフィルタ光信号OLそれぞれのN個の透過スペクトルを測定し(ステップS12)、当該N個の透過スペクトルに基づいて、光波長フィルタ20を構成する光導波路の寸法偏差を推定することができる(ステップS13)。
なお、光入力ポートPa〜Paの全てに同時に光信号ILが照射されることは必ずしも必要ではない。この代わりに、光入力ポートPa〜Paに時分割で順番に光信号ILが照射されてもよい。
次に、図9〜図13を参照しつつモニタリングの第1の実施例について詳細に説明する。
図9は、第1の実施例に使用される光回路素子11の概略構成を示す平面図である。この光回路素子11は、図1に示した光回路素子10の変形例である。すなわち、図1の光入力ポートPa〜Paが2個の光入力ポートPa,Paに変更され、図1の光出力ポートPb〜Pbが2個の光出力ポートPb,Pbに変更され、光入力ポートPa,Paの個数(=2個)に適合するように図1の光合波器31が光合波器31Aに変更され、光出力ポートPb,Pbの個数(=2個)に適合するように図1の光分波器32が光合波器31Aに変更された点以外は、光回路素子11の構成は、基本的に、図1に示した光回路素子10の構成と同じである。光回路素子11の光波長フィルタ20Aaは、図2に示したようなマイクロリング共振器を有し、複数の細線導波路(図3A)で構成されている。
モニタリングの際は、光入力ポートPa,Pa上にそれぞれ光ファイバなどの光伝送路C1の光出射端が移動して位置決めされる。その後、所定波長(たとえば1310nm)付近における最低次のTEモードの光信号が波長掃引を受けながら光入力ポートPa,Paに照射される。図9に示されるように光入力ポートPaに照射されたTEモードの光信号はそのまま光波長フィルタ20Aaに到達する。光波長フィルタ20Aaは、TEモードの共振条件を満たす波長のフィルタ光信号のみをドロップポートから光導波路Wdに出力する。このフィルタ光信号はそのまま光出力ポートPbに伝搬し、面外方向の光伝送路C2を介して光検出器52により検出される。
一方、図10に示されるように光入力ポートPaに照射されたTEモードの光信号は、光合波器31Aにより最低次のTMモード(Transverse Magnetic mode)の光信号に変換され、その後光波長フィルタ20Aaに伝搬する。光波長フィルタ20Aaは、TMモードの共振条件を満たす波長のフィルタ光信号のみをドロップポートから光導波路Wdに出力する。このフィルタ光信号は、光分波器32AによりTEモードのフィルタ光信号に変換され、その後光出力ポートPbに伝搬し、面外方向の光伝送路C2を介して光検出器52により検出される。
モニタリング装置53は、光検出器52の検出出力から、図9の光出力ポートPbから出射されたフィルタ光信号の透過スペクトルS(λ,T)と、図10の光出力ポートPbから出射されたフィルタ光信号の透過スペクトルS(λ,T)とを測定する。透過スペクトルS(λ,T),S(λ,T)は、波長λと光透過率Tとの関係を示すものである。
図11Aは、リング状光導波路の半径5μm、及びバス光導波路とリング状光導波路との間のギャップ200nmのマイクロリング共振器型光波長フィルタを用いた場合の透過スペクトルS(λ,T)の測定結果を示すグラフである。図11Bは、同じマイクロリング共振器型光波長フィルタを用いた場合の透過スペクトルS(λ,T)の測定結果を示すグラフである。これらグラフにおいて、横軸は波長(単位:nm)を示し、縦軸は光透過率(単位:dB)を示している。
マイクロリング共振器において、共振が成り立つときの波長λresと実効屈折率neとの間に次式(1)の関係が成立する。
Figure 0006892963

ここで、Lは、リング状光導波路の周長、mは共振の次数を表す整数である。
また、群屈折率ngは、実効屈折率neの波長分散項を用いて次式(2)のように表現される。
Figure 0006892963
式(1),(2)より、隣接する共振ピーク間の間隔であるFSR(自由スペクトル範囲)を用いて、次式(3)のように群屈折率の表現を導出できる。
Figure 0006892963
モニタリング装置53は、TEモード及びTMモードに対してそれぞれ測定された透過スペクトルS(λ,T),S(λ,T)に現れる共振ピークから共振波長λresとFSRとを検出することができる。モニタリング装置53は、式(1),(3)を用いて、TEモードに対する透過スペクトルS(λ,T)から実効屈折率ne,TEを計測するとともに、TMモードに対する透過スペクトルS(λ,T)から実効屈折率ne,TMを計測することができる。さらにモニタリング装置53は、実効屈折率ne,TEの計測値から実効屈折率の変化量Δne,TE(計測値の基準値からの変化量)を算出し、実効屈折率ne,TMの計測値から実効屈折率の変化量Δne,TM(計測値の基準値からの変化量)を算出することができる。
実効屈折率の変化量Δne,TE,Δne,TMと、光波長フィルタ20Aaを構成する細線導波路のコア幅W及びコア高さHの偏差ΔW,ΔHとの間には、次の式(4)が成立する。
Figure 0006892963
式(4)中の変換行列Mは、コア幅Wに関する実効屈折率ne,TE,ne,TMの偏微分量と、コア高さHに関する実効屈折率ne,TE,ne,TMの偏微分量とを用いて、近似的に次の式(5)で表される。
Figure 0006892963
変換行列Mの要素である偏微分量は、予め計算しておくことが可能な量であるので、予め用意されている。したがって、モニタリング装置53は、実効屈折率ne,TE,ne,TMの計測値と変換行列Mとに基づいて式(4)の逆行列演算を実行することで光導波路の寸法偏差ΔW,ΔHを推定することができる。すなわち、次式(6)により寸法偏差ΔW,ΔHの推定が可能である。
Figure 0006892963
図12A及び図12Bは、ウエハ基板上の64点の領域に形成された光回路素子を用いて推定された寸法偏差の面内分布を64点の推定値(単位:nm)で示す図である。図12Aに示される寸法偏差の64点の推定値は、細線導波路のコア幅ΔWの面内分布を示し、図12Bに示される寸法偏差の64点の推定値は、細線導波路のコア高さΔHの面内分布を示している。
上記の非特許文献2に開示されている従来の方法では、測定された透過スペクトルに現れる共振波長及びFSRから実効屈折率及び群屈折率を検出し、これら実効屈折率及び群屈折率に基づいてシリコン導波路の寸法偏差を推定している。これに対し、上記第1の実施例では、透過スペクトルS(λ,T),S(λ,T)からそれぞれ検出された実効屈折率に基づいて寸法偏差を推定している。
上記の寸法偏差(製造偏差)の推定精度について、測定誤差の伝搬の観点から考える。簡単のため、TLモードの共振波長λresの測定誤差とTMモードの共振波長λresの測定誤差とが同程度であり、ともにδ(λres)によって表されるとする。このとき、実効屈折率neへの誤差の伝搬は次の式(7)のように表現できる。
Figure 0006892963
したがって、寸法偏差ΔW,ΔHの推定精度として、次の式(8),(9)が導出できる。
Figure 0006892963
Figure 0006892963
たとえば、コア幅350nm及びコア高さ200nmの細線導波路を用いて形成された半径5μmのマイクロリング共振器については、1.31μm帯の透過スペクトルについて次の式(10),(11)の関係が成り立つ。
Figure 0006892963
従来の方法において同様に誤差の伝搬を考える。共振波長λres及びFSRの測定誤差をδ(λres)及びδ(FSR)で表すとすると、実効屈折率ne及び群屈折率ngへの誤差の伝搬は次の式(12),(13)のように表現できる。
Figure 0006892963
Figure 0006892963
式(13)の右辺における括弧内の第2項に由来する寄与は、λres>>FSRより、第1項に由来する寄与と比べて大きい。したがって、寸法偏差ΔW,ΔHの推定精度として、次の式(14),(15)が導出できる。
Figure 0006892963
Figure 0006892963
コア高さ200nmの細線導波路を用いて形成された半径5μmのマイクロリング共振器については、1.31μm帯の透過スペクトルについて次の式(16),(17)の関係が成り立つ。
Figure 0006892963
共振波長λres及びFSRの測定精度は光源の波長確度及びそのリニアリティに依存する。図13A及び図13Bは、TEモードに対する共振波長及びFSRの偏差(単位:pm)についての頻度ヒストグラムであり、図13C及び図13Dは、TMモードに対する共振波長及びFSRの偏差(単位:pm)についての頻度ヒストグラムである。図13A〜図13Dの頻度ヒストグラムによれば、試験環境ではそれぞれ1pm程度の標準偏差値が得られることが確認された。したがって、従来の方法における寸法偏差の推定値の精度は約0.1nm程度であると考えられるのに対し、上記第1の実施例では、寸法偏差の推定値の精度は数pm程度と極めて高いことが分かる。
次に、図14及び図15を参照しつつモニタリングの第2の実施例について詳細に説明する。
図14は、第2の実施例に使用される光回路素子12の概略構成を示す平面図である。この光回路素子12の構成は、図9の光波長フィルタ20Aaに代えて光波長フィルタ20Abを有する点を除いて、図9の光回路素子11の構成と同じである。光回路素子12の光波長フィルタ20Abは、図2に示したようなマイクロリング共振器を有し、複数のリブ型光導波路(図3B)で構成されている。
第1の実施例の場合と同様に、図14及び図15に示されるように光入力ポートPa,PaにTEモードの光信号を照射することにより、光出力ポートPb,Pbからそれぞれフィルタ光信号が出射されて光検出器52により検出される。モニタリング装置53は、光検出器52の検出出力から、図14の光出力ポートPbから出射されたフィルタ光信号の透過スペクトルS(λ,T)と、図15の光出力ポートPbから出射されたフィルタ光信号の透過スペクトルS(λ,T)とを測定する。モニタリング装置53は、TEモードに対して測定された透過スペクトルS(λ,T)に現れる共振ピークから共振波長λresとFSRとを検出し、当該共振波長λresとFSRとに基づいて実効屈折率ne,TE及び群屈折率ng,TEを計測することができる。またモニタリング装置53は、TMモードに対して測定された透過スペクトルS(λ,T)に現れる共振ピークから共振波長λresとFSRとを検出し、当該共振波長λresとFSRとに基づいて実効屈折率ne,TM及び群屈折率ng,TMを計測することができる。さらにモニタリング装置53は、実効屈折率ne,TE及び群屈折率ng,TEの計測値から実効屈折率及び群屈折率の変化量Δne,TE,Δng,TEを算出し、実効屈折率ne,TM及び群屈折率ng,TMの計測値から実効屈折率及び群屈折率の変化量Δne,TM,Δng,TMを算出することができる。
実効屈折率及び群屈折率の変化量Δne,TE,Δne,TM,Δng,TE,Δng,TMと、光波長フィルタ20Abを構成するリブ型光導波路のコア幅W,コア高さH及びスラブ高さSの偏差ΔW,ΔH,ΔSとの間には、次の式(18)が成立する。
Figure 0006892963
式(18)中の変換行列Kは、コア幅Wに関する実効屈折率ne,TE,ne,TMの偏微分量と、コア幅Wに関する群屈折率ng,TE,ng,TMの偏微分量と、コア高さHに関する実効屈折率ne,TE,ne,TMの偏微分量と、コア高さHに関する群屈折率ng,TE,ng,TMの偏微分量と、スラブ高さSに関する実効屈折率ne,TE,ne,TMの偏微分量と、スラブ高さSに関する群屈折率ng,TE,ng,TMの偏微分量とを用いて、近似的に次の式(19)で表される。
Figure 0006892963
変換行列Kの要素である偏微分量は、予め計算しておくことが可能な量であるので、予め用意されている。モニタリング装置53は、実効屈折率ne,TE,ne,TMの計測値と群屈折率ng,TE,ng,TMの計測値と変換行列Kとに基づいて、最小自乗法により光導波路の寸法偏差ΔW,ΔH,ΔSを推定することができる。すなわち、次式(20)により寸法偏差ΔW,ΔH,ΔSの推定が可能である。
Figure 0006892963

ここで、変換行列Kの右肩添え字tは、転置を示す記号である。
第1の実施例について説明した測定誤差の伝搬を適用すると、リブ型光導波路のコア高さH、コア幅W、及びスラブ高さSのそれぞれについて、0.1nm程度の精度で寸法偏差ΔW,ΔH,ΔSを推定できることが分かる。
なお、4つの屈折率ne,TE,ne,TM,ng,TE,ng,TMをすべて寸法偏差の推定に用いたが、これに限定されずに、測定精度の高い順に3つの屈折率のみを推定に用いてもよい。また、変換行列Kの各行に適当な重みづけを行ってもよい。
以上に説明したように第2の実施例では、リブ型光導波路のコア高さH、コア幅W及びスラブ高さSのような3つ以上の構造パラメータで光導波路形状が規定される場合でも、そのような構造パラメータの寸法偏差を高い精度で推定することができる。
以上、種々の実施形態及びその変形例について説明したが、上記の実施形態及びその変形例は例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、上記実施形態の変更、追加及び改良を適宜行うことができることが理解されるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて解釈されるべきであり、さらにその均等物を含むものと理解されるべきである。
本開示に係る光回路素子、モニタリングシステム及びモニタリング方法は、光集積回路を構成する光導波路の寸法偏差を高い精度で推定することを可能とするので、光集積回路の製造プロセスにおける品質検査に利用できる。
10〜12:光回路素子、20,20A,20Aa,20Ab:光波長フィルタ、21,22:バス光導波路、23:リング状光導波路、31,31A:光合波器、32,32A:光分波器、40:細線導波路、41:リブ型光導波路、42:半導体基板、43:絶縁膜、44,45:導波路コア、49:絶縁被覆膜、50:モニタリングシステム、51:レーザ光源、52:光検出器、53:モニタリング装置、100:ウエハ基板。

Claims (14)

  1. 光波長フィルタの特性をモニタリングするための光回路素子であって、
    複数の光入力ポートと、
    複数の光出力ポートと、
    前記複数の光入力ポートのうちの特定の光入力ポートと光学的に結合された光入力端、前記複数の光入力ポートのうち前記特定の光入力ポート以外の少なくとも1個の光入力ポートと光学的に結合された光入力端、及び、前記光波長フィルタの光入力端と光学的に結合された光出力端を有する光合波器と、
    前記光波長フィルタの光出力端と光学的に結合された光入力端、前記複数の光出力ポートのうちの特定の光出力ポートと光学的に結合された光出力端、及び、前記複数の光出力ポートのうち前記特定の光出力ポート以外の少なくとも1個の光出力ポートと光学的に結合された光出力端を有する光分波器と
    を備え、
    前記光合波器は、前記特定の光入力ポートから入力された所定の偏光モードの光信号を前記光合波器の当該光出力端に伝搬させ、前記少なくとも1個の光入力ポートから入力された前記所定の偏光モードの光信号を、前記所定の偏光モードとは異なる少なくとも1つの偏光モードの光信号に変換して、前記少なくとも1つの偏光モードの当該光信号を前記光合波器の当該光出力端と結合させるように構成されており、
    前記光分波器は、前記光波長フィルタから入力された前記所定の偏光モードと同じ偏光モードのフィルタ光信号を前記特定の光出力ポートに伝搬させ、前記光波長フィルタから入力された前記少なくとも1つの偏光モードと同じ偏光モードのフィルタ光信号を前記所定の偏光モードのフィルタ光信号に変換して、前記所定の偏光モードの当該フィルタ光信号を前記少なくとも1個の光出力ポートと結合させるように構成されている、
    ことを特徴とする光回路素子。
  2. 請求項1に記載の光回路素子であって、前記所定の偏光モードは、最低次のTEモードからなり、前記少なくとも1つの偏光モードは、最低次のTMモードからなることを特徴とする光回路素子。
  3. 請求項1に記載の光回路素子であって、
    前記少なくとも1個の光入力ポートは、2個以上の光入力ポートからなり、
    前記少なくとも1個の光出力ポートは、2個以上の光出力ポートからなり、
    前記光合波器は、前記2個以上の光入力ポートから入力された前記所定の偏光モードの光信号を、それぞれ互いに異なる複数の偏光モードの光信号に変換して、前記複数の偏光モードの光信号を前記光合波器の当該光出力端と結合させるように構成されており、
    前記光分波器は、前記光波長フィルタから入力された前記複数の偏光モードと同じ偏光モードの光信号を、それぞれ前記所定の偏光モードの複数のフィルタ光信号に変換して、前記複数のフィルタ光信号をそれぞれ前記2個以上の光出力ポートと結合させるように構成されている、
    ことを特徴とする光回路素子。
  4. 請求項3に記載の光回路素子であって、前記所定の偏光モード及び前記複数の偏光モードは、互いに異なる偏光モードであることを特徴とする光回路素子。
  5. 請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の光回路素子であって、前記光波長フィルタは光共振器構造を有することを特徴とする光回路素子。
  6. 請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の光回路素子であって、前記複数の光入力ポート及び複数の光出力ポートは、それぞれ、外部の光伝送路と光学的に結合可能な回折
    格子素子であることを特徴とする光回路素子。
  7. 請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の光回路素子であって、前記光波長フィルタは、矩形断面またはリブ状断面の導波路コアを有する光導波路で構成されていることを特徴とする光回路素子。
  8. 請求項1から7のうちのいずれか1項に記載の光回路素子であって、前記光波長フィルタ、前記複数の光入力ポート、前記複数の光出力ポート、前記光合波器及び前記光分波器は、単一のウエハ基板上に集積して形成されていることを特徴とする光回路素子。
  9. 請求項1から請求項8のうちのいずれか1項に記載の光回路素子と、
    前記複数の光入力ポートにそれぞれ前記所定の偏光モードの光信号が照射された後に、前記複数の光出力ポートからそれぞれ出射された複数のフィルタ光信号を検出する光検出器と、
    前記光検出器の検出出力から前記複数のフィルタ光信号それぞれの複数の透過スペクトルを測定し、当該複数の透過スペクトルに基づいて前記光波長フィルタを構成する光導波路の寸法偏差を推定するモニタリング装置と
    を備えることを特徴とするモニタリングシステム。
  10. 請求項9に記載のモニタリングシステムであって、前記モニタリング装置は、前記複数の透過スペクトルから複数の実効屈折率を計測し、前記複数の実効屈折率の計測値と、前記複数の実効屈折率の予め用意された偏微分量とに基づいて前記寸法偏差を推定することを特徴とするモニタリングシステム。
  11. 請求項9に記載のモニタリングシステムであって、前記モニタリング装置は、前記複数の透過スペクトルから少なくとも1つの実効屈折率と少なくとも1つの群屈折率とを計測し、前記少なくとも1つの実効屈折率の計測値と、前記少なくとも1つの群屈折率の計測値と、前記少なくとも1つの実効屈折率の予め用意された偏微分量と、前記少なくとも1つの群屈折率の予め用意された偏微分量とに基づいて前記寸法偏差を推定することを特徴とするモニタリングシステム。
  12. 請求項1から請求項8のうちのいずれか1項に記載の光回路素子を用いたモニタリング方法であって、
    前記複数の光入力ポートにそれぞれ前記所定の偏光モードの光信号を照射するステップと、
    前記複数の光出力ポートからそれぞれ出力された複数のフィルタ光信号を検出するステップと、
    前記複数のフィルタ光信号それぞれの複数の透過スペクトルに基づいて、前記光波長フィルタを構成する光導波路の寸法偏差を推定するステップと
    を備えることを特徴とするモニタリング方法。
  13. 請求項12に記載のモニタリング方法であって、
    前記寸法偏差を推定する当該ステップは、
    前記複数の透過スペクトルからそれぞれ複数の実効屈折率を計測するステップと、
    前記複数の実効屈折率の計測値と、前記複数の実効屈折率の予め用意された偏微分量とに基づいて前記寸法偏差を推定するステップと
    を含むことを特徴とするモニタリング方法。
  14. 請求項12に記載のモニタリング方法であって、
    前記寸法偏差を推定する当該ステップは、
    前記複数の透過スペクトルから少なくとも1つの実効屈折率と少なくとも1つの群屈折率とを計測するステップと、
    前記少なくとも1つの実効屈折率の計測値と、前記少なくとも1つの群屈折率の計測値と、前記少なくとも1つの実効屈折率の予め用意された偏微分量と、前記少なくとも1つの群屈折率の予め用意された偏微分量とに基づいて前記寸法偏差を推定するステップと
    を含むことを特徴とするモニタリング方法。
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