JP6892757B2 - 高分子電解質膜、及びそれを用いた燃料電池 - Google Patents

高分子電解質膜、及びそれを用いた燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用の高分子電解質膜、及びそれを用いた燃料電池に関するものである。
燃料電池は、電池内で、燃料(水素)と酸化剤(酸素)から電気化学的反応により電気エネルギーを得るものである。つまり燃料の化学エネルギーから直接電気エネルギーに変換している。燃料源としては、純水素をはじめ水素元素を含む石油、天然ガス(メタン等)、メタノールなどが使用できる。
燃料電池自体は、機械部分がないため騒音の発生が少なく、また外部からの燃料と酸化剤を供給し続け、原理的には半永久的に発電させることができるのが特徴である。電解質は、液体電解質や固体電解質に分類されるが、この中で電解質として高分子電解質を用いたものが固体高分子形燃料電池である。
特に、固体高分子形燃料電池は、他と比較して低温で作動することから、自動車等の代替動力源や家庭用コジェネレーションシステム、携帯用発電機として期待されている。
固体高分子形燃料電池には、電極触媒層とガス拡散層が積層されたガス拡散電極が高分子電解質膜の両面に接合された膜電極接合体が少なくとも備えられている。ここで言う高分子電解質膜は、高分子鎖中にスルホン酸基やカルボン酸基等の強酸性基を有し、プロトンを選択的に透過する性質を有する材料である。このような高分子電解質膜としては、化学的安定性の高いNafion(登録商標、DuPont社製)に代表されるパーフルオロカーボン重合体膜が好適に用いられる。
燃料電池の運転時においては、アノード側のガス拡散電極に燃料(例えば水素)、カソード側のガス拡散電極に酸化剤(例えば酸素や空気)をそれぞれ供給し、両電極間を外部回路で接続することにより作動する。具体的には、水素を燃料とした場合、アノード触媒上にて水素が酸化されてプロトンが生じ、このプロトンがアノード触媒層内の高分子電解質を通った後、高分子電解質膜内を移動し、カソード触媒層内の高分子電解質を通ってカソード触媒上に達する。
一方、水素の酸化によりプロトンと同時に生じた電子は外部回路を通ってカソード側ガス拡散電極に到達し、カソード触媒上にて上記プロトンと酸化剤中の酸素と反応して水が生成され、このとき電気エネルギーを取り出すことができる。この際、高分子電解質膜はガスバリアとしての役割も果たす必要があり、高分子電解質膜のガス透過率が高いと、アノード側水素のカソード側へのリーク及びカソード側酸素のアノード側へのリーク、即ちクロスリークが発生して、いわゆるケミカルショート(化学的短絡)の状態となって良好な電圧を取り出せなくなる。
このような固体高分子形燃料電池は、高出力特性を得るために80℃付近で運転するのが通常である。しかしながら、自動車用途として用いる場合には、自動車走行を想定して、固体高分子形燃料電池は、100℃以上の高温低加湿条件下でも燃料電池を運転できることが望まれている。ところが、従来のパーフルオロカーボン重合体膜を用いて高温低加湿条件下で燃料電池を長時間運転すると、高分子電解質膜にピンホールが生じクロスリークが発生するという問題があり、十分な耐久性が得られていない。よって、固体高分子形燃料電池に用いる高分子電解質膜には、クロスリークを発生させないガスバリア性を保持しつつ、高温状態でも良好な電池特性を示し、かつ高い化学耐久性により電池寿命を延命させる役割が必要になる。
クロスリークを発生させないガスバリア性を付与する方法として、パーフルオロカーボン重合体と炭化水素系高分子とを含むガスバリア層とパーフルオロカーボン重合体を含む層を有する高分子電解質膜(特許文献1)等が知られている。
欧州特許出願公開第2014/0178128号公報
上述したように、特許文献1には、クロスリークを発生させないガスバリア性を付与する方法として、パーフルオロカーボン重合体と炭化水素系高分子とを含むガスバリア層及びパーフルオロカーボン重合体を含む層を有する高分子電解質膜等が開示されている。しかし、固体高分子形燃料電池に用いる電解質膜において、さらにガスバリア性、電池特性、及び化学耐久性のバランスを向上することが求められている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、ガスバリア性、電池特性、及び化学耐久性を両立した高分子電解質膜を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、パーフルオロカーボン重合体と炭化水素系高分子とを含むガスバリア層及びパーフルオロカーボン重合体を含む層を有する高分子電解質膜は、燃料電池の運転時間が長時間になるにつれ、炭化水素系高分子が部分的に分解し、その分解物がパーフルオロカーボン重合体と炭化水素系高分子とを含むガスバリア層及びパーフルオロカーボン重合体を含む層の界面近傍、及び前記パーフルオロカーボン重合体を含む層へ伝播することで、電池性能を低下させることを見出し、さらに、その解決手段として特定の高分子電解質を含む層を含む積層構造を有する高分子電解質膜が、ガスバリア性、電池特性、及び化学耐久性を両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
A層、B層、及びC層の、異なる3層を少なくとも含む積層フィルムであり、
前記A層、前記B層、及び前記C層が、それぞれ高分子電解質を含み、
前記A層が塩基性重合体を含む高分子電解質層であり、前記B層が塩基性重合体を含まない高分子電解質層であり、前記C層が高分子電解質と多孔質材料とを含む層であり、
前記C層が、前記A層と前記B層の間に位置し、前記A層の塩基性重合体の分解物を前記B層への移行を抑止する分解物緩衝層である
高分子電解質膜。
[2]
前記A層における高分子電解質に対する、前記塩基性重合体の重量比が0%より大きく10%未満である、[1]に記載の高分子電解質膜。
[3]
A層における塩基性重合体が、化学式(1)から(3)から選択される少なくとも一つのポリベンズイミダゾールである、[1]又は[2]に記載の高分子電解質膜。
Figure 0006892757
(式(1)中、Rは、
Figure 0006892757
、及び、アルキレン鎖、又はフルオロアルキレン鎖等の二価の基である。式(1)中、各R1は、それぞれ独立に水素原子、アルキル、フェニル、又はピリジルである。式(1)中、xは、10以上1.0×107以下の数である。)
Figure 0006892757
(式(2)中、lは、10以上1.0×107以下の数、R及びR1は、上記式(1)におけるR及びR1と同じ定義である。)
Figure 0006892757
(式(3)中、mは、10以上1.0×107以下の数、R1は、上記式(1)におけるR1と同じ定義である。)
[4]
前記ポリベンズイミダゾールが、下記式(4)で表されるポリ[(2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ビベンゾイミダゾール]である、[3]に記載の高分子電解質膜。
Figure 0006892757
(式(4)中、nは、10以上1.0×107以下の数である。)
[5]
A層、B層、及びC層における高分子電解質が、化学式(5)で表されるパーフルオロカーボン重合体である、[1]から[3]のいずれかに記載の高分子電解質膜。
[CF2CX12a−[CF2−C F(−O−(CF2−CF(CF23))b−Oc−(CFR1d−(CFR2e−(CF2f−X4)]g
・・・(5)
(式(5)中、X1、X2及びX3はそれぞれ独立にハロゲン元素又は炭素数1以上3以下のパーフルオロアルキル基、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1、0≦b≦8、cは0又は1であり、d、e及びfはそれぞれ独立に0〜6の範囲の数(ただし、d+e+fは0に等しくない)、R1及びR2はそれぞれ独立にハロゲン元素、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基又はフルオロクロロアルキル基であり、X4は、−COOZ、−SO3Z、−PO32、−PO3HZ(Zは水素原子、金属原子(Na、K、Ca等)、又はアミン類(NH4、NH3R、NH22、NHR3、NR4(Rはアルキル基、又はアレーン基)である。)
[6]
前記パーフルオロカーボン重合体が、下記式(6)又は(7)で表されるパーフルオロカーボン重合体である、[5]に記載の高分子電解質膜。
[CF2CF2a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF3))b−O−(CF2f−X4)]g
・・・(6)
(式(6)中、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1、1≦b≦3、1≦f≦8であり、X4は−COOH、−SO3H、−PO32又は−PO3Hである。)
[CF2CF2a−[CF2−CF(−O−(CF2f−X4)] ・・・(7)
(式(7)中、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1、1≦f≦8であり、X4は−COOH、−SO3H、−PO32又は−PO3Hである。)
[7]
C層における多孔質材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、及びテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体からなる群より選択される少なくとも1つである、[1]から[6]のいずれかに記載の高分子電解質膜。
[8]
膜厚が1μm以上50μm以下である、[1]から[7]のいずれかに記載の高分子電解質膜。
[9]
[1]から[8]のいずれかに記載の高分子電解質膜を含む、膜電極接合体。
[10]
[9]に記載の膜電極接合体を含む、燃料電池。
本発明の高分子電解質膜は、ガスバリア性、電池特性、及び化学耐久性のバランスに優れる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、本実施形態ともいう)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態の高分子電解質膜は、A層、B層、及びC層の、異なる3層を少なくとも含む積層フィルムであり、前記A層、前記B層、及び前記C層が、それぞれ高分子電解質を含む。
前記A層は塩基性重合体を含む高分子電解質層であり、前記B層は塩基性重合体を含まない高分子電解質層であり、前記C層は高分子電解質と多孔質材料とを含む層であり、
前記C層は、前記A層と前記B層の間に位置し、前記A層の塩基性重合体の分解物を前記B層への移行を抑止する分解物緩衝層である。
上記したような積層構造とすることで、得られる高分子電解質膜のガスバリア性及び電池特性を、目標に応じて設計できる。
また、A層における塩基性重合体の含有量は、得られる高分子電解質膜のガスバリア性及び電池性能の観点から、高分子電解質に対する塩基性重合体の質量比が、0%より大きく10%未満であることが好ましく、0.5%以上8%以下であることがより好ましく、1%以上6%以下であることがさらに好ましい。A層が塩基性重合体を全く含まない場合は、良好なガスバリア性を発現することが困難になる傾向にあり、A層が塩基性重合体を10%以上含む場合は、良好な電池性能を得ることが困難になる傾向にある。
A層に用いられる塩基性重合体としては、特に限定されるものではないが、例えば、窒素含有脂肪族塩基性重合体や窒素含有芳香族塩基性重合体が挙げられる。窒素含有脂肪族塩基性重合体の例としては、具体的には、ポリエチレンイミン等が挙げられる。窒素含有芳香族塩基性重合体の例としては、具体的には、ポリアニリン、及び複素環式化合物であるポリベンズイミダゾール、ポリピリジン、ポリピリミジン、ポリビニルピリジン、ポリイミダゾール、ポリピロリジン、ポリビニルイミダゾール等が挙げられる。この中でもポリベンズイミダゾールは、得られる高分子電解質膜の化学的安定性の観点から、好ましい。ポリベンズイミダゾールとしては、例えば、化学式(1)、(2)で表されるポリマー、化学式(3)で表されるポリ2,5−ベンズイミダゾール等が挙げられる。塩基性重合体は、市販品を使用してもよく、上記ポリマーの原料であるモノマーを重合して得ることもできる。
Figure 0006892757
式(1)中、Rは、
Figure 0006892757
、及び、アルキレン鎖、又はフルオロアルキレン鎖などの二価の基である。式(1)中、各R1はそれぞれ独立に水素原子、アルキル、フェニル、又はピリジルである。また、式(1)中、xは、10以上1.0×107以下の数である。
Figure 0006892757
(式(2)中、lは、10以上1.0×107以下の数、R及びR1は、上記式(1)におけるR及びR1と同じ定義である。)
Figure 0006892757
(式(3)中、mは、10以上1.0×107以下の数、R1は、上記式(1)におけるR1と同じ定義である。)
以上のようなポリベンズイミダゾールの中でも、下記式(4)で表されるポリ[(2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ビベンゾイミダゾール]が、得られる高分子電解質膜のガスバリア性の観点から、好ましい。
Figure 0006892757
(式(4)中、nは、10以上1.0×107以下の数である。)
A、B、C層に用いられる高分子電解質としては、特に限定するものではないが、得られる高分子電解質膜の化学的安定性の観点から、フッ素系高分子電解質であることが好ましい。フッ素系高分子電解質としては、例えば、Nafion(登録商標;米国DuPont社製)、Aciplex(登録商標;日本国旭化成(株)社製)、Flemion(登録商標;日本国旭硝子(株)社製)等に代表される、下記化学式(5)で表されるイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体が挙げられる。フッ素系高分子電解質は、市販品を使用してもよく、上記フッ素系高分子の原料であるモノマーを重合して得ることもできる。また、A、B、C層における高分子電解質は同一であっても異なっていてもよく、すべてフッ素系高分子電解質であることが好ましい。
[CF2CX12a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF23))b−Oc−(CFR1d−(CFR2e−(CF2f−X4)]g
・・・(5)
(式中、X1、X2及びX3はそれぞれ独立にハロゲン元素又は炭素数1以上3以下のパーフルオロアルキル基、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1、0≦b≦8、cは0又は1であり、d、e及びfはそれぞれ独立に0〜6の範囲の数(ただし、d+e+fは0に等しくない)、R1及びR2はそれぞれ独立にハロゲン元素、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基又はフルオロクロロアルキル基であり、X4は、−COOZ、−SO3Z、−PO32、−PO3HZ(Zは水素原子、金属原子(Na、K、Ca等)、又はアミン類(NH4、NH3R、NH22、NHR3、NR4(Rはアルキル基、又はアレーン基)である。)
化学式(5)で表されるパーフルオロカーボン重合体中でも、下記式(6)及び式(7)で表されるパーフルオロカーボン重合体が好ましい。
[CF2CF2a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF3))b−O−(CF2f−X4)]g
・・・(6)
(式(6)中、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1、1≦b≦3、1≦f≦8であり、X4は、−COOH、−SO3H、−PO32又は−PO3Hである。)
[CF2CF2a−[CF2−CF(−O−(CF2f−X4)] ・・・(7)
(式(7)中、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1、1≦f≦8であり、X4は、−COOH、−SO3H、−PO32又は−PO3Hである。)
上記のようなパーフルオロカーボン重合体は、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン等のパーフルオロオレフィンや、パーフルオロアルキルビニルエーテル等のコモノマーに由来する単位をさらに含む共重合体であってもよい。
また、A層における塩基性重合体と高分子電解質の状態は、例えば、塩基性重合体と高分子電解質とが単純に物理混合している状態でもよいし、高分子電解質の少なくとも一部と塩基性重合体の少なくとも一部が互いに相互作用している状態でもよい。相互作用している状態としては、例えば、イオン結合して、酸塩基のイオンコンプレックスを形成している状態や、共有結合している状態等が挙げられる。
上記のように塩基性重合体と高分子電解質との相互作用の形成の有無は、例えば、フーリエ変換赤外分光光度計(以下、FT−IRと称する)により確認することができる。本実施形態の高分子電解質積層膜のFT−IR測定を行ったときに、塩基性重合体と高分子電解質とのいずれか以外に由来する吸収ピークが観察されることによって、相互作用が形成されていると判断できる。例えば、本実施形態の高分子電解質積層膜が、上記式(7)で表されるパーフルオロカーボン重合体と、上記式(4)で表されるポリ[(2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ビベンゾイミダゾール]を含むA層を有する場合、FT−IR測定を行うと、1460cm-1、1565cm-1、1635cm-1付近に吸収ピークが観察され、相互作用が存在することがわかる。
C層に用いられる多孔質材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の少なくとも1つから選択され、その化学的安定性から、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体が好ましい。
また、C層は、A層とB層との間に配置される。A層とB層とからなる積層フィルムの場合、燃料電池の運転時間が長時間になった場合、A層に含まれる塩基性重合体が分解し、その分解物(窒素含有化合物)がA層とB層の界面近傍、及びB層へ伝播し、積層フィルムの電池性能を著しく低下させると考えられる。詳細は詳らかではないが、本実施形態の高分子電解質膜の場合は、A層とB層との間にC層が存在することで、A層とB層の界面をなくし、さらに塩基性重合体の分解物がB層へ伝播することを防ぐため、得られる高分子電解質膜の電池性能が低下することなく、ガスバリア性、電池性能、化学的耐久性全てにおいて良好な結果を発現させることができる。すなわち、C層は分解物緩衝層として機能することができる。
多孔質材料は、多孔膜であることが好ましく、かかる多孔膜の厚さは、0.1〜15μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましく、1〜8μmであることがさらに好ましい。
また、C層は、A層及びB層に隣接していることが好ましい。A層の厚さは、0.1〜30μmであることが好ましく、1〜17μmであることがより好ましく、1〜10μmであることがさらに好ましい。B層の厚さは、0.1〜30μmであることが好ましく、1〜17μmであることがより好ましく、1〜10μmであることがさらに好ましい。C層の厚さは、0.1〜15μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましく、1〜8μmであることがさらに好ましい。
多孔質材料の形状は、特に限定されるものではないが、得られる高分子電解質膜の電池特性を低下させない範囲のものを選択する必要がある。例えば、多孔質材料の気孔率は、50%以上99%以下であることが好ましく、60%以上95%以下であることがより好ましく、70%以上85%以下であることがさらに好ましい。気孔率を50%以上とすることで、得られる高分子電解質膜の電池性能を良好に保ち、また、99%以下とすることで、得られる高分子電解質膜の機械強度を担保できる。多孔質材料の気孔率は、10cm角のサンプルをとり、その体積と質量から次式を用いて計算される。
気孔率(%)=(体積(cm3)−質量(g)/ポリマー組成物の密度)/体積(cm3)×100
本実施形態の高分子電解質膜の膜厚は、膜厚が厚いほどガスバリア性は良くなる一方、電池特性は悪くなる傾向にあるため、ガスバリア性と電池特性をバランス良く発現させる観点から、1μm以上50μm以下であることが好ましく、5μm以上25μm以下であることがより好ましく、8μm以上15μm以下であることがさらに好ましい。
以下に本実施形態の高分子電解質膜の製造方法について一例を挙げて説明するが、本実施形態がこの例に限定されるものではない。
本実施形態の高分子電解質膜は、例えば、多孔質材料を後述する高分子電解質溶液に含浸させる方法や、高分子電解質溶液を多孔質材料に塗布する方法により得ることができる。上記含浸又は塗布の後には、乾燥を行うことが好ましい。
上記含浸させる方法としては、例えば、ディップコーティングする方法が好適に挙げられる。
上記塗布する方法としては、例えば、スロットダイ方式、特表平11−501964号公報に開示された正転ロールコーティング、逆転ロールコーティング、グラビアコーティング、ナイフコーティング、キスコーティング、スプレーコーティング等のコーティング技術が挙げられる。これら方法は、目的とする塗工液層の厚み、塗工液等の材料物性、塗工条件を考慮して、適宜選択することができる。
上記乾燥では、高分子電解質溶液を構成する溶媒を除去する。乾燥は、常温下で行ってもよいし、加熱下で行ってもよい。上記乾燥は、加熱下で行うことが好ましく、例えば、50〜350℃で加熱することがより好ましい。
本実施形態の高分子電解質膜を製造するためのより具体的な方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、移動している又は静置されている細長いキャスティング基材(シート)上に塩基性重合体を含まない高分子電解質溶液の被膜を形成し、その溶液上に細長い多孔質材料を接触させ、B層とC層からなる未完成な複合構造体を作製し、この未完成な複合構造体を熱風循環槽中等で乾燥させる。
次に、乾燥させた未完成な複合構造体の上に塩基性重合体を含む高分子電解質溶液の被膜をさらに形成することによりA層を複合化し、目的の高分子電解質膜を作製する。
上記高分子電解質溶液は、適切な溶媒、すなわち、樹脂との親和性が良好な溶媒に、高分子電解質を溶解又は懸濁させて得ることができる。適切な溶媒としては、例えば、水;エタノール、メタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、グリセリン等のプロトン性有機溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性溶媒;等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。特に、1種単独で用いる場合、水単独が好ましい。また、2種類以上を併用する場合、水とプロトン性有機溶媒との混合溶媒が好ましい。
高分子電解質を溶媒に溶解又は懸濁する方法としては、特に限定されないが、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、総固形分濃度が1〜50質量%となるような条件下、高分子電解質を、例えば、水とプロトン性有機溶媒との混合溶媒に加える。次に、この組成物を必要に応じてガラス製内筒を有するオートクレーブ中に入れ、窒素等の不活性気体で内部の空気を置換した後、内温が50℃〜250℃の条件下、1〜12時間加熱、攪拌する。これにより、溶解液又は懸濁液が得られる。なお、この際の総固形分濃度は、高いほど収率を向上させる一方、濃度を高めると未溶解物が生じるおそれがあるため、1〜50質量%が好ましく、3〜40質量%がより好ましく、5〜30質量%がさらに好ましい。
高分子電解質溶液が塩基性重合体を含む高分子電解質溶液である場合、かかる高分子電解質溶液は高分子電解質にさらに塩基性重合体を配合することにより調製される。
水とプロトン性有機溶媒の混合溶媒を用いる場合、水とプロトン性有機溶媒の混合比は、溶解方法、溶解条件、高分子電解質の種類、総固形分濃度、溶解温度、攪拌速度等に応じて適宜選択できる。水に対するプロトン性有機溶媒の質量の比率は、水1に対してプロトン性有機溶媒0.1〜10が好ましく、水1に対してプロトン性有機溶媒0.1〜5であることがより好ましい。
上記溶液及び上記懸濁液には、乳濁液(液体中に液体粒子がコロイド粒子あるいはそれより粗大な粒子として分散して乳状をなすもの)、懸濁液(液体中に固体粒子がコロイド粒子あるいは顕微鏡で見える程度の粒子として分散したもの)、コロイド状液体(巨大分子が分散した状態)、ミセル状液体(多数の小分子が分子間力で会合してできた親液コロイド分散系)等の1種又は2種以上が含まれることが好ましい。
また、上記溶液及び上記懸濁液は、濃縮することが可能である。濃縮の方法としては、特に限定されないが、例えば、加熱し、溶媒を蒸発させる方法や、減圧濃縮する方法等が挙げられる。得られる塗工溶液の固形分率は、高すぎると粘度が上昇して取り扱い難くなるおそれがあり、また、低すぎると生産性が低下する場合があるため、最終的な塗工溶液の固形分率は0.5〜50質量%であることが好ましい。
以上により得られた溶液又は懸濁液は、粗大粒子成分を除去する観点から、濾過されることが好ましい。濾過方法は、特に限定されず、従来行われている一般的な方法が適用できる。濾過方法は、例えば、通常使用されている定格濾過精度を有する濾材を加工したフィルターを用いて、加圧濾過する方法が好適に挙げられる。フィルターとしては、例えば、90%捕集粒子径が粒子の平均粒子径の10倍〜100倍の濾材を使用することが好ましい。この濾材は濾紙でもよく、金属焼結フィルターのような濾材でもよい。特に濾紙の場合は、90%捕集粒子径が粒子の平均粒子径の10〜50倍であることが好ましい。金属焼結フィルターの場合は、90%捕集粒子径が粒子の平均粒子径の50〜100倍であることが好ましい。当該90%捕集粒子径を平均粒径の10倍以上に設定することは、送液するときに必要な圧力が高くなりすぎることを抑制し、フィルターが短期間で閉塞してしまうことを抑制し得る観点から好ましい。一方、平均粒子径の100倍以下に設定することは、フィルムで異物の原因となるような粒子の凝集物や樹脂の未溶解物を良好に除去する観点から好ましい。
本実施形態の膜電極接合体は、上記高分子電解質膜を備える。電解質膜の両面にアノードとカソードの2種類の電極触媒層が接合したユニットは、膜電極接合体(以下「MEA」と略称することがある)と呼ばれる。電極触媒層のさらに外側に一対のガス拡散層を対向するように接合したものについても、MEAと呼ばれる場合がある。
電極触媒層は、触媒金属の微粒子とこれを担持した導電剤とから構成され、必要に応じて撥水剤が含まれる。電極に使用される触媒としては、水素の酸化反応及び酸素の還元反応を促進する金属であれば特に制限されず、例えば、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、タングステン、マンガン、バナジウム、及びこれらの合金等からなる群より選択される1種以上が挙げられる。これらの中でも、白金が好ましい。
電極面積に対する電極触媒の担持量としては、電極触媒層を形成した状態で、好ましくは0.001〜10mg/cm2、より好ましくは0.01〜5mg/cm2、さらに好ましくは0.1〜1mg/cm2である。
上記で得られたMEA、場合によってはさらに一対のガス拡散電極が対向した構造のMEAは、さらにバイポーラプレートやバッキングプレート等の一般的な固体高分子電解質型燃料電池に用いられる構成成分と組み合わされて、固体高分子電解質型燃料電池が構成されてもよい。本実施形態は、上記膜電極接合体を含む燃料電池でもある。
バイポーラプレートとは、その表面に燃料や酸化剤等のガスを流すための溝を形成させたグラファイトと樹脂との複合材料、又は金属製のプレート等を意味する。バイポーラプレートは、電子を外部負荷回路へ伝達する機能の他、燃料や酸化剤を電極触媒近傍に供給する流路としての機能を有している。こうしたバイポーラプレートの間にMEAを挿入して複数積み重ねることにより、燃料電池が製造される。
以下、本発明を実施例と比較例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。実施例と比較例で用いられる評価法及び使用した原材料は以下のとおりである。
(1)膜厚(μm)
膜厚はシックネスゲージ(ミツトヨ社製:「547−401」(コードNo))にて測定した。
(2)ガス透過係数(cc・cm/(cm2・sec・cmHg))(ガスバリア性)
フロー式ガス透過率測定装置(「GTR−30XFAFC」、GTRテック(株)製)を用いて、高分子電解質膜の水素ガス透過係数を測定した。供給ガス流量は、TESTガス(水素)10cc/min、キャリアーガス(He)100kPaとした。ガスの加温加湿条件は、80℃30%RHを採用した。TESTガス側からFLOW側に高分子電解質膜を透過してきた水素ガスを、ガスクロマトグラフ(「G2700TF」、ヤナコ分析工業(株)製)に導入して、ガス透過量を定量化した。ガス透過量をX(cc)、補正係数をk(=1.0)、高分子電解質膜の膜厚をT(cm)、透過面積をA(cm2)、計量管通過時間をD(sec)、酸素分圧をp(cmHg)としたときの水素ガス透過係数P(cc・cm/(cm2・sec・cmHg))は下記式から計算した。
P=(X×k×T/(A×D×p))
算出した水素ガス透過係数が、3.5E−09cc・cm/(cm2・sec・cmHg)未満を「○」(水素ガスバリア性に優れる)、3.5E−09cc・cm/(cm2・sec・cmHg)以上を「×」(水素ガスバリア性に劣る)とした。
(3)化学耐久性
高分子電解質膜の化学耐久性を加速的に評価するため、以下のような手順でOCVによる加速試験を実施した。なお、「OCV」とは、開回路電圧(Open Circuit Voltage)を意味する。
(3−1)電極触媒インクの調製
パーフルオロスルホン酸ポリマー溶液(25質量%のパーフルオロスルホン酸ポリマー水溶液(旭化成(株)社製、製品名:SS700C/25、イオン交換容量=740eq/g)、電極触媒(「TEC10E40E」、田中貴金属販売社製、白金担持量36.7wt%)を、白金/パーフルオロスルホン酸ポリマーが1/1.15(質量)となるように配合した。次いで、固形分(電極触媒とパーフルオロスルホン酸ポリマーの質量の和)が、11質量%となるようにエタノールを加え、ホモジナイザー(アズワン社製)により、回転数3000rpmで10分間撹拌することで電極触媒インクを得た。
(3−2)MEAの作製
自動スクリーン印刷機(「LS−150」、ニューロング精密工業株式会社製)を用いて、高分子電解質膜の両面に前記電極触媒インクを、白金量がアノード側0.2mg/cm2、カソード側0.3mg/cm2となるように塗布し、140℃、5分の条件で乾燥・固化させることでMEAを得た。
(3−3)燃料電池単セルの作製
前記MEAの両極にガス拡散層(「GDL35BC」、MFCテクノロジー社製)を重ね、次いでガスケット、バイポーラプレート、バッキングプレートを重ねることで燃料電池単セルを得た。
(3−4)OCV試験
前記燃料電池単セルを評価装置(東陽テクニカ製燃料電池評価システム890CL)にセットして、OCVによる耐久性試験を実施した。OCV試験条件は、セル温度95℃、加湿ボトル50℃(相対湿度25%RH)とし、アノード側に水素ガス、カソード側に空気ガスを、それぞれ50cc/minとなるよう供給する条件とした。また、アノード側とカソード側の両方を無加圧(大気圧)とした。
(3−5)劣化判定
試験開始から50時間毎に水素のリーク量を、マイクロガスクロマトグラフ(「CP−4900」、VARIAN社製)を用いて測定した。水素のリーク量が1000ppm以上となった時点で破膜と判断し試験を中止した。上記OCV試験で、破膜までの時間が300時間以上を「○」(化学耐久性に優れる)、300時間未満の場合を「×」(化学耐久性に劣る)と判定した。
(4)セル電圧(電池性能)
前記(3)の手法で得た燃料電池単セルを用いて、性能試験を行った。性能試験条件は、セル温度80℃、アノードの加湿ボトル60℃、カソードの加湿ボトル60℃とした。またアノード側に水素ガスを利用率が75%となるように流通し、カソード側には空気ガスを、空気ガス中に含まれる酸素ガスの利用率が55%となるように流通した。さらに、アノード側とカソード側の両方を無加圧(大気圧)とした。この条件下、1.0A/cm2でのセル電圧を測定した。上記セル電圧が、0.63V以上を「○」(電池性能に優れる)、0.63V未満の場合を「×」(電池性能に劣る)と判定した。
(5)原材料
高分子電解質として、式(7)で表されるパーフルオロスルホン酸重合体(以下、PFSAとも称す)を選択した。25質量%のPFSA水溶液(旭化成(株)社製、製品名:SS700C/25、イオン交換容量=740eq/g)に対して、PFSAが10質量%になるように水、エタノールで調整し、PFSA溶液として以下の実験に用いた。
塩基性重合体としてポリ[(2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ビベンゾイミダゾール](以下、PBIとも称す)を選択した。重量平均分子量が27000であるPBI(日本国シグマアルドリッチジャパン(株)社製)をジメチルアセトアミド(以下、DMACとも称す)とともにオートクレーブ中に入れて密閉し、200℃まで昇温して5時間保持した。その後、オートクレーブを自然冷却して、PBI/DMAC=10/90(質量比)の組成であるPBI溶液を得た。この溶液に、上記したPFSA溶液加え、PFSA/PBI/溶剤分=7.6/0.4/92.0質量%となるように調整し、PFSA/PBI溶液として以下の実験に用いた。
多孔質材料として、特開2015−128061号公報に開示されているような、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体からなる2軸延伸微多孔膜(膜厚5μm、気孔率75%)を用いた。
(実施例1)
高分子電解質膜の作製方法としては、PFSA溶液を、ポリイミド基材上に塗布し、B層を形成し、その上に多孔質材料を貼り合せ、多孔質材料の空隙部にPFSAを充填させ、その後120℃で20分間乾燥することで、B層とC層からなる未完成な複合構造体を作製した。得られた未完成な複合構造体の膜厚は8μmであった。この上にPFSA/PBI溶液を塗布し、A層を形成し、120℃で20分間、190℃で30分間乾燥することで、高分子電解質膜を得た。得られた高分子電解質膜の膜厚、ガス透過係数、化学耐久性、電池性能を上記した方法で評価し、その結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1におけるA層に用いるPFSA/PBI溶液をPFSA溶液に替えたこと以外は、実施例1と同様の方法で高分子電解質膜を作製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例1におけるB層に用いるPFSA溶液をPFSA/PBI溶液に替えたこと以外は、実施例1と同様の方法で高分子電解質膜を作製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
(比較例3)
多孔質材料を用いなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で高分子電解質膜を作製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
Figure 0006892757
表1の結果から、本実施の形態で得られる高分子電解質膜は、ガスバリア性、電池性能、及び化学耐久性のバランスに優れていることが明らかとなった。
本発明の高分子電解質膜は、固体高分子型燃料電池用の高分子固体電解質膜として好適に使用可能である。

Claims (5)

  1. A層、B層、及びC層の、異なる3層を少なくとも含む積層フィルムであり、
    前記A層、前記B層、及び前記C層が、それぞれ高分子電解質を含み、
    前記A層が塩基性重合体を含む高分子電解質層であり、前記B層が塩基性重合体を含まない高分子電解質層であり、前記C層が高分子電解質と多孔質材料とを含む層であり、
    前記C層が、前記A層と前記B層の間に位置し、前記A層の塩基性重合体の分解物を前記B層への移行を抑止する分解物緩衝層であり、
    前記A層、B層、及びC層における高分子電解質が、下記(7)で表されるパーフルオロカーボン重合体であり、
    [CF 2 CF 2 a −[CF 2 −CF(−O−(CF 2 f −X 4 )] ・・・(7)
    (式(7)中、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1、1≦f≦8であり、X 4 は−COOH、−SO 3 H、−PO 3 2 又は−PO 3 Hである。)
    前記A層における塩基性重合体が、下記式(4)で表されるポリ[(2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ビベンゾイミダゾール]であり、
    前記C層における多孔質材料が、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体である、
    固体高分子型燃料電池用高分子電解質膜。
    Figure 0006892757
    (式(4)中、nは、10以上1.0×10 7 以下の数である。)
  2. 前記A層における高分子電解質に対する、前記塩基性重合体の重量比が0%より大きく10%未満である、請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用高分子電解質膜。
  3. 膜厚が1μm以上50μm以下である、請求項1又は2に記載の固体高分子型燃料電池用高分子電解質膜。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載の固体高分子型燃料電池用高分子電解質膜を含む、膜電極接合体。
  5. 請求項に記載の膜電極接合体を含む、燃料電池。
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