本開示の第1態様によれば、スクリュを用いて粉粒体原料を搬送して供給する粉粒体原料の供給装置であって、粉粒体原料の導入口と排出口とを有するバレルと、バレルの内部空間に配置されたスクリュと、スクリュを回転駆動することで、スクリュの軸方向に粉粒体原料を搬送するスクリュ回転駆動装置と、バレルの排出口付近において、スクリュの先端部に対向して配置された複数の排出羽根と、スクリュ回転駆動装置により回転駆動されるスクリュの回転数とは異なる回転数にて、複数の排出羽根を回転駆動する羽根回転駆動装置と、を備え、バレルの内部空間において、バレルの排出口に隣接するとともにスクリュのフライトが存在しない粉粒体原料充填用空間が設けられている、粉粒体原料の供給装置を提供する。
本開示の第2態様によれば、バレル内における粉粒体の圧縮度を検出する圧縮度検出手段をさらに備え、圧縮度検出手段により検出された粉粒体の圧縮度に基づいて、羽根回転駆動装置は複数の排出羽根の回転数を制御する、第1態様に記載の粉粒体原料の供給装置を提供する。
本開示の第3態様によれば、スクリュ回転駆動装置はスクリュを回転駆動するモータを備え、圧縮度検出手段は、モータの電流値を検出するモータ電流検出部である、第2態様に記載の粉粒体原料の供給装置を提供する。
本開示の第4態様によれば、スクリュの軸方向において排出羽根が受ける荷重を検出するロードセルをさらに備え、圧縮度検出手段は、ロードセルである、第2態様に記載の粉粒体原料の供給装置を提供する。
本開示の第5態様によれば、スクリュの軸方向に沿って、複数の排出羽根を移動させる軸方向移動機構をさらに備える、第1から第4態様のいずれか1つに記載の粉粒体原料の供給装置を提供する。
本開示の第6態様によれば、スクリュの軸方向に交差する方向に、複数の排出羽根を移動させる交差方向移動機構をさらに備える、第1から第5態様のいずれか1つに記載の粉粒体原料の供給装置を提供する。
本開示の第7態様によれば、羽根回転駆動装置による排出羽根の最大回転数は、スクリュ回転駆動装置によるスクリュの最大回転数よりも大きく設定されている、第1から第6態様のいずれか1つに記載の粉粒体原料の供給装置を提供する。
本開示の第8態様によれば、羽根回転駆動装置による複数の排出羽根の回転方向は、スクリュ回転駆動装置によるスクリュの回転方向と同方向または反対方向である、第1から第7態様のいずれか1つに記載の粉粒体原料の供給装置を提供する。
本開示の第9態様によれば、スクリュは、螺旋状のコイルフライトと、コイルフライトにおける粉粒体原料の搬送方向上流側の端部に一端が固定され、スクリュ回転駆動装置に他端が固定された回転駆動力伝達用シャフトとを有するコイルスクリュである、第1から第8態様のいずれか1つに記載の粉粒体原料の供給装置を提供する。
本開示の第10態様によれば、複数の排出羽根の回転中心がバレルの排出口よりも外側に位置するように、スクリュの軸に対して偏心配置され、羽根回転駆動装置により回転駆動されるそれぞれの排出羽根が、バレルの排出口に面する位置を上方側から下方側へと移動する、第1態様に記載の粉粒体原料の供給装置を提供する。
本開示の第11態様によれば、スクリュを用いて粉粒体原料を搬送して供給する粉粒体原料の供給方法であって、バレルにおける粉粒体原料の導入口よりバレルの内部空間に投入された粉粒体原料を、バレルの内部空間に配置されたスクリュを回転させることにより、スクリュの軸方向に粉粒体原料を搬送し、バレルの内部空間においてバレルの排出口に隣接して設けられ、スクリュのフライトが存在しない粉粒体原料充填用空間に、スクリュにより搬送された粉粒体原料を充填し、バレルの排出口付近において、スクリュの先端部に対向して配置された複数の排出羽根をスクリュとは異なる回転数にて回転させて、粉粒体原料充填用空間内に充填された粉粒体原料をバレルの排出口より排出する、粉粒体原料の供給方法を提供する。
以下に、本開示にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
本開示の実施の形態1にかかる粉粒体原料の供給装置の構成を、図1および図2に示す装置構成図を用いて説明する。なお、図1は、粉粒体原料の供給装置の正面側から見た断面図であり、図2は装置の側面図である。
図1および図2に示すように、粉粒体原料の供給装置(以降、供給装置とする。)1は、ホッパ2と、アジテータ3と、導入用ケーシング4と、スクリュ5と、バレル6と、排出用ケーシング7とを備えている。
本実施の形態1にかかる供給装置1では、例えば0.1μm〜数十μmの粒径分布を含むような粉体または粉粒体が粉粒体原料として取り扱われる。このような粉粒体原料としては、ファインセラミックス、金属材料、高分子材料、電池・電子材料、複合材料、医薬品材料、食品材料など、電子、エネルギ、医療、食品などの各種技術分野にて用いられる無機物および有機物の微粉状物や粒状物が対象となる。また、粉粒体原料は、複数種類の粉粒体原料(材料)が混合されているような場合であってもよい。また、粉粒体原料には、異形の粒状物、細長い繊維状物(例えば、短繊維材料)、および粉体と液体とが混合された混合物(スラリ)なども含まれる。
ホッパ2は、図示上方に向けて開口された開口部より粉粒体原料が投入され、図示下方において連通する導入用ケーシング4に粉粒体原料を供給する装置である。ホッパ2は、導入用ケーシング4と解除可能に接続されており、例えば、清掃時などメンテナンスの際には、ホッパ2は導入用ケーシング4と分離可能とされている。
導入用ケーシング4は、上述したようにホッパ2の下方に配置されており、バレル6における粉粒体原料の第1ゾーンに粉粒体原料を導入可能に連通されており、バレル6内に粉粒体原料を連続的に導入するための粉粒体原料の貯留容器としての機能を有している。なお、バレル6の詳細構成については後述する。
アジテータ3は、導入用ケーシング4内に導入された粉粒体原料にブリッジなどの部分的な凝集が生じないように、粉粒体原料を攪拌する装置である。具体的には、アジテータ3は、導入用ケーシング4内に配置され、水平方向の回転軸周りに回転駆動されることで粉粒体原料を攪拌する複数の攪拌部材31(線状部材)と、導入用ケーシング4の外部に配置されて複数の攪拌部材31を一体的に回転駆動させるアジテータ駆動装置32とを備える。また、導入用ケーシング4内の粉粒体原料が、回転駆動される攪拌部材31により攪拌される攪拌空間41が、導入用ケーシング4内に設けられている。
導入用ケーシング4において、アジテータ3の攪拌部材31が回動される攪拌空間41のさらに下方の部分には、攪拌空間41に上部が連通された大略U字状断面を有する粉粒体原料の導入空間61が形成されている。本実施の形態1では、この導入空間61を画定する部分(以降、バレルケーシング62とする。)が、バレル6の一部となっている。さらに、バレルケーシング62と連通するように粉粒体原料の搬送管63がバレルケーシング62の端部に接続されている。すなわち、本実施の形態1では、バレル6は、導入用ケーシング4の攪拌空間41の下方の導入空間61を形成するバレルケーシング62と、このバレルケーシング62に連通されて延在する円筒状の搬送管63とにより構成されている。なお、本実施の形態1では、バレルケーシング62が、導入用ケーシング4の一部と一体的に形成されるような場合を例として説明するが、このような場合に代えて、導入用ケーシング4とバレルケーシング62とを別体部材として形成してもよい。
バレル6は、全体的には大略円筒状に形成されており、バレルケーシング62では上方が開口されて導入空間61と攪拌空間41とが連通されている。バレル6内には、スクリュ5が配置されている。スクリュ5は、スクリュシャフト51と、スクリュシャフト51の周面に形成されたフライト52とを有している。フライト52の外周端がバレル6の内周面に接触しない程度に所望の隙間が確保された状態にて、バレル6(すなわち、バレルケーシング62および搬送管63)内にてスクリュ5が回転駆動される。
バレルケーシング62の軸方向の側面を貫通するように、スクリュ5のスクリュシャフト51の基端部(搬送方向上流側端部)51aが配置されている。また、このスクリュシャフト51の基端部51aを回転駆動させるスクリュ回転駆動装置57が、バレルケーシング62の側面に備えられている。なお、スクリュ回転駆動装置57は、スクリュ駆動モータ58(図2参照)と、スクリュ駆動モータ58の駆動力を所定の回転量に変換してスクリュ5を回転駆動させるギアボックス59とにより構成されている。
バレル6における搬送管63の下流側端部は、粉粒体原料がバレル6内部より排出される排出口63aとなっており、この排出口63aは排出用ケーシング7に連通されている。
また、供給装置1におけるそれぞれの構成部は、共通ベース8により支持されている。
次に、このような構成を有する供給装置1において、スクリュ5とバレル6との関係について、図3を用いて詳細に説明する。
図3に示すように、バレル6は、その搬送方向において大きく2つのゾーンに区分される。具体的には、2つのゾーンとして、粉粒体原料が導入される第1ゾーンS1と、第1ゾーンS1より搬送された粉粒体原料に対して圧縮を行うとともに、粉粒体原料をバレル6外へ排出する第2ゾーンS2とに区分されている。なお、第2ゾーンS2は、概ね搬送管63内にて粉粒体原料の搬送が行われるゾーンであるとも言うことができる。
第1ゾーンS1は、主として、バレルケーシング62とバレルケーシング62により囲まれたスクリュ5の部分とにより構成されるが、搬送管63の一部が含まれるような場合であってもよい。第1ゾーンS1では、ホッパ2および導入用ケーシング4を通じて、アジテータ3にて攪拌された状態の粉粒体原料が、バレルケーシング62とスクリュ5との間に形成された導入空間61内に導入される。
第2ゾーンS2は、主として、搬送管63と搬送管63により囲まれたスクリュ5の部分とにより構成される。第2ゾーンS2では、スクリュ5の周囲全体が搬送管63に囲まれるととともに、後述するように搬送される粉粒体原料に対して抵抗が付与されることにより、粉粒体原料に対する圧縮作用が施される。第2ゾーンS2にて粉粒体原料の圧縮が行われることにより、搬送される粉粒体原料の定量化および均一化を図ることができる。
また、搬送管63内にて、粉粒体原料は排出口63aに向けて定量的に搬送され、排出口63aより排出用ケーシング7内に排出される。本実施の形態1では、スクリュ5のフライト52のピッチおよび角度(軸方向とフライト52とがなす角度)が、第1ゾーンS1および第2ゾーンS2において同一となっている。なお、スクリュ5のフライト52のピッチおよび角度を、第1ゾーンS1および第2ゾーンS2において異ならせるようにしてもよい。
また、第2ゾーンS2において、搬送管63の排出口63aに隣接するように、スクリュ5のフライト52が形成されていない空間(すなわち、フライト52が存在しない空間)65が配置されている。この空間65内では、粉粒体原料に対して、後述するように抵抗を与えることで圧縮作用を施して、空間65内の粉粒体原料のかさ密度を均一化することができる。そのため、この空間65は、粉粒体原料充填用空間65と言うことができる。
また、図1に示すように、搬送管63の排出口63a近傍には、排出管63内の粉粒体原料を排出口63aより排出する複数の排出羽根81が設けられている。ここで、排出羽根81の詳細を図4A、図4Bに示す。なお、図4Aは、スクリュ5の軸方向において、搬送方向逆向きに見た正面図であり、図4Bは側面図である。
図1に示すように、複数の排出羽根81は、バレル6の搬送管63における排出口63a付近において、スクリュ5のスクリュシャフト51の先端部(搬送方向下流側端部)51bとは離間し、かつ先端部51bに対向して配置されている。それぞれの排出羽根81は、搬送管63の排出口63よりも搬送方向下流側に配置された羽根回転駆動装置82にシャフト83を介して接続されている。
図4A、図4Bに示すように、排出羽根81は板状部材により形成されており、回転中心から放射状に広がるようにそれぞれの排出羽根81が配置されている。それぞれの排出羽根81は、径方向の中央側部分に対して外側部分が傾斜して形成されており、すなわち、それぞれの排出羽根81は搬送管63の軸方向の断面に対して傾斜された面を有している。具体的には、それぞれの排出羽根81は、回転駆動されることにより周囲に存在する粉粒体原料に対して搬送(排出)方向に推力を与える向きに、外側部分が傾斜されている。なお、本実施の形態1では、例えば、8枚の排出羽根81が等間隔にて設けられている。また、図4Aにおいて、それぞれの排出羽根81の回転方向は、図示反時計方向となっており、スクリュ5の回転方向と同方向となっている。図4Aおよび図4Bにおいて、
それぞれの排出羽根81の回転方向前端部分が81a、回転方向後端部分が81bとなっている。
羽根回転駆動装置82は、排出羽根81に接続されたシャフト83と、シャフト83に連結され、シャフト83を介してそれぞれの排出羽根81を回転駆動する羽根駆動モータ84とを備える。羽根回転駆動装置82は、羽根駆動モータ84とともに排出羽根81を、スクリュ5の軸方向に進退移動させるとともに、スクリュ5の軸方向に交差する方向に進退移動させる移動機構を備える。
ここで、羽根駆動モータ84および排出羽根81の移動機構の詳細について、図5を用いて説明する。なお、図5は、羽根駆動モータ84および排出羽根81を上方側から見た平面模式図である。
図5(A)に示すように、羽根回転駆動装置82は、フレーム85を介して羽根駆動モータ84を支持するとともに、羽根駆動モータ84の支持位置をZ方向(上下方向)に移動させるZ方向移動機構86を備える。さらに、羽根回転駆動装置82は、Z方向移動機構86を支持するとともに、Z方向移動機構86の支持位置をX方向およびY方向に移動させるXYテーブル87を備える。なお、X方向およびY方向は水平方向であって、X方向はスクリュ5の軸方向であり、Y方向はX方向に直交する方向である。XYテーブル87は、Z方向移動機構86の支持位置をX方向に移動させるX方向移動機構88と、X方向移動機構88をY方向に移動させるY方向移動機構89とを備える。それぞれの移動機構は、ボールねじ機構、ギア機構、リニアスライド機構など、公知の様々な機構により構成することができる。なお、本実施の形態1では、X方向移動機構88が、スクリュ5の軸方向に排出羽根81を移動させる軸方向移動装置の一例となっている。また、Y方向移動機構89およびZ方向移動機構86が、スクリュ5の軸方向に交差する方向に排出羽根81を移動させる交差方向移動装置の一例となっている。
このように、XYテーブル87およびZ方向移動機構86が備えられていることにより、バレル6の搬送管63における排出口63aに対して、X方向、Y方向およびZ方向に排出羽根81を移動させることが可能となる。例えば、図5(A)に示す状態から、X方向移動機構88により排出羽根81をX方向に移動させることにより、図5(B)に示すように、搬送管63の排出口63aからX方向に離れるように排出羽根81を移動させることができる。また、Z方向移動機構86を用いることで、排出羽根81をZ方向に移動させることができ、Y方向移動機構89を用いることで、排出羽根81をY方向に移動させることができる。したがって、それぞれの移動機構の移動範囲内において、搬送管63の排出口63aに対する排出羽根81の位置を、X方向、Y方向およびZ方向に自由に設定することができる。
次に、供給装置1における制御ブロック図を図6に示す。図6に示すように、供給装置1は、制御装置90を備えている。
制御装置90は、スクリュ回転駆動装置57によるスクリュ5の回転駆動動作を制御する。制御装置90は、例えば、制御装置90において予め設定された回転数(回転量)あるいは外部より入力された指令回転数にて、スクリュ5を回転駆動させるように、スクリュ回転駆動装置57を制御する。
また、供給装置1には、スクリュ回転駆動装置57におけるスクリュ駆動モータ58の駆動電流値を検出するモータ電流検出部91が備えられている。モータ電流検出部91により検出されたスクリュ駆動モータ58の駆動電流値は、制御装置90に入力される。制御装置90は、羽根回転駆動装置82による排出羽根81の回転駆動動作を制御する際に、モータ電流検出部91にて検出されたスクリュ駆動モータ58の駆動電流値に基づいた制御を行う。
制御装置90は、例えば、スクリュ駆動モータ58の駆動電流値が設定値よりも高い場合には、バレル6内の粉粒体の圧縮の度合いが高くなっているものと判断して、排出羽根81の回転数を増加させて、粉粒体原料の排出を促進させて圧縮の度合いを低下させるようにする。また、制御装置90は、例えば、スクリュ駆動モータ58の駆動電流値が設定値よりも低い場合には、バレル6内の粉粒体の圧縮の度合いが低くなっているものと判断して、排出羽根81の回転数を減少させて、粉粒体原料の排出を抑制して圧縮の度合いを高めるようにする。
このような構成を有する本実施の形態1の供給装置1において、粉粒体原料を搬送して供給する動作(粉粒体原料の供給方法)について説明する。
まず、ホッパ2内に粉粒体原料が投入されると、投入された粉粒体原料は導入用ケーシング4内に導入される。導入用ケーシング4の攪拌空間41内では、アジテータ駆動装置32により複数の攪拌部材31が一体的に回転駆動されて粉粒体原料の攪拌が行われ、ブリッジなど部分的な凝集が生じることが抑制される。それとともに、粉粒体原料は、バレル6における第1ゾーンS1内に導入される。
第1ゾーンS1では、バレルケーシング62内にスクリュ5が配置されており、導入された粉粒体原料はスクリュ5のフライト52間の空間に導入される。スクリュ5は、スクリュ回転駆動装置57により回転駆動されており、フライト52間に導入された粉粒体原料は、スクリュ5の回転駆動により軸方向に沿って搬送され、第2ゾーンS2へと向かう。
第2ゾーンS2において、第1ゾーンS1より搬送された粉粒体原料は、スクリュ5の回転駆動により軸方向に沿って搬送される。第2ゾーンS2では、搬送管63の排出口63a付近に複数の排出羽根81が設けられていることにより、排出羽根81が抵抗となって、搬送される粉粒体原料に対する圧縮作用を施すことができる。このように粉粒体原料に対する圧縮が行われることにより、空間65において粉粒体原料のかさ密度を均一に保つことができる。
また、搬送管63の排出口63a付近に設けられている複数の排出羽根81の回転駆動によって、排出羽根81の端縁を粉粒体原料に接触させることで、粉粒体原料を切り落とすように分散させることができる。それとともに、それぞれの排出羽根81の傾斜部分にて粉粒体原料に対して排出口63a外向きの推力が与えられる。軸方向の推力と径方向の遠心力との作用により、粉粒体原料が均一に分散された状態にて排出口63aより排出用ケーシング7内に定量的に排出される。
さらに、このような粉粒体原料の供給において、モータ電流検出部91により検出されたスクリュ駆動モータ58の駆動電流値が、制御装置90に入力される。制御装置90において、スクリュ駆動モータ58の駆動電流値が設定値よりも高いと判断された場合には、バレル6内の粉粒体の圧縮の度合いが高くなっているものと判断して、排出羽根81の回転数を増加させるように、羽根回転駆動装置82を制御する。これにより、搬送管63の排出口63aからの粉粒体原料の排出が促進されて、粉粒体原料の圧縮の度合いを低下させることができる。また、制御装置90において、スクリュ駆動モータ58の駆動電流値が設定値よりも低いと判断された場合には、バレル6内の粉粒体の圧縮の度合いが低くなっているものと判断して、排出羽根81の回転数を減少させるように、羽根回転駆動装置82を制御する。これにより、搬送管63の排出口63aからの粉粒体原料の排出が抑制されて、粉粒体原料の圧縮の度合いを高めることができる。これにより、スクリュ5の先端部51bにおける粉粒体原料の圧縮の度合いを調整することができる。
また、供給装置1において、粉粒体原料の供給立ち上げの際には、例えば、排出羽根81の回転駆動を一定期間停止させる、あるいは回転数を低下させて、搬送管63内の粉粒体原料充填用空間65への粉粒体原料の充填を促進するようにしてもよい。なお、羽根回転駆動装置82による排出羽根81の最大回転数は、スクリュ回転駆動装置57によるスクリュ5の最大回転数よりも大きく設定されている。
また、供給装置1において、取り扱われる粉粒体原料の仕様、種類が変更となった場合には、XYテーブル87およびZ方向移動機構86を用いて、搬送管63の排出口63aに対する排出羽根81の相対位置を、X方向、Y方向およびZ方向に調整する。
例えば、粉粒体原料において要求される圧縮の度合いを調整するために、X方向(スクリュ5の軸方向)に排出羽根81を移動してもよい。排出羽根81をX方向上流側に位置させることで、粉粒体原料の圧縮の度合いを高めることができ、排出羽根81をX方向下流側に位置させることで、粉粒体原料の圧縮の度合いを低くすることができる。また、短繊維材料など特殊な形態を有する粉粒体原料が用いられる場合には、排出羽根81をY方向またはZ方向に移動させて、排出羽根81の回転中心をスクリュ5の軸より偏心させることで、粉粒体原料の排出性(切り落とし性)を高めることができる。なお、排出羽根81は、搬送管63の排出口63aよりも内側(すなわち、排出口63aよりもX方向上流側)に位置させてもよく、排出口63aにおいて、搬送管63の内側と外側とに跨がるように配置されてもよい。
本実施の形態1の粉体供給装置1によれば、搬送管63の排出口63a付近に複数の排出羽根81が設けられていることにより、空間65内の粉粒体原料に対して抵抗を与えながら、排出羽根81の傾斜部分にて粉粒体原料に対して排出口63a外向きの推力を与えて粉粒体原料を分散させながら、排出口63aより排出することができる。よって、搬送供給される粉粒体原料の定量性や均一性を向上させることができる。
また、供給装置1において、排出羽根81を回転駆動する羽根回転駆動装置82が、スクリュ5を回転駆動させるスクリュ回転駆動装置57とは別に設けられている。これにより、スクリュ5の回転数とは独立して、すなわち、スクリュ5の回転数と異なる回転数として、排出羽根81の回転数を設定することができる。粉粒体原料の圧縮の度合いが高い場合には、排出羽根81の回転数を増加させることにより、粉粒体原料の排出を促進させて、圧縮の度合いを低下させることができる。逆に、粉粒体原料の圧縮の度合いが低い場合には、排出羽根81の回転数を減少させることにより、粉粒体原料の排出を抑制させて、圧縮の度合いを増加させることができる。
また、このような粉粒体原料の圧縮の度合いを検出する圧縮度検出手段として、スクリュ駆動モータ58の駆動電流値を検出するモータ電流検出部91を採用することができる。モータ電流検出部91により検出された駆動電流値に基づいて、排出羽根81の回転数の増減を制御することにより、粉粒体原料の圧縮の度合いを調整することができる。
また、供給装置1において、取り扱われる粉粒体原料の仕様、種類が変更となった場合には、XYテーブル87およびZ方向移動機構86を用いて、搬送管63の排出口63aに対する排出羽根81の相対位置を、X方向、Y方向およびZ方向に調整することができる。これにより、供給装置1において、取り扱われる粉粒体原料の仕様(特性、粒径など)に応じて、粉粒体原料の圧縮の度合いを調整することができる。
(実施の形態2)
本開示の実施の形態2にかかる粉粒体原料の供給装置における排出羽根および羽根回転駆動装置の構成を、図7に示す装置部分構成図を用いて説明する。なお、本実施の形態2の供給装置101において、上述の実施の形態1の供給装置1が備える構成と同じ構成には、同じ参照番号を付してその説明を省略する。
図7に示すように、本実施の形態2の供給装置101は、搬送管63の排出口63a付近に配置された複数の排出羽根81と、複数の排出羽根81を回転駆動する羽根回転駆動装置182とを備える。
羽根回転駆動装置182は、排出羽根81に接続されたシャフト83と、シャフト83に連結され、シャフト83を介してそれぞれの排出羽根81を回転駆動する羽根駆動モータ84とを備える。さらに、羽根回転駆動装置182は、スクリュ5の軸方向下流向き(すなわち、粉粒体原料の搬送方向)に、複数の排出羽根81に対して粉粒体原料から負荷される荷重を検出するロードセル186を備える。
図7に示すように、ロードセル186は、羽根駆動モータ84の後端(図示左側端部)に、支持構造187を用いて配置されている。支持構造187は、シャフトやプレートなどにより構成され、排出羽根81に荷重が負荷された場合に、荷重の大きさに応じて後退(図示左側へ移動)するような弾性構造を有しており、この後退量が、ロードセル186にて荷重として検出される。
ここで、供給装置101における制御ブロック図を図8に示し、図8を用いて、排出羽根81の回転数制御について説明する。
排出羽根81においてスクリュ5の軸方向下流向きに負荷された荷重は、ロードセル186にて検出され、検出された荷重値が制御装置190に入力される。制御装置190は、羽根回転駆動装置182による排出羽根81の回転駆動動作を制御する際に、ロードセル186にて検出された排出羽根81に負荷される荷重値に基づいた制御を行う。
制御装置190は、例えば、排出羽根81に負荷される荷重値が設定値よりも大きい場合には、バレル6内の粉粒体の圧縮の度合いが高くなっているものと判断して、排出羽根81の回転数を増加させて、粉粒体原料の排出を促進させて圧縮の度合いを低下させるようにする。また、制御装置190は、例えば、排出羽根81に負荷される荷重値が設定値よりも小さい場合には、バレル6内の粉粒体の圧縮の度合いが低くなっているものと判断して、排出羽根81の回転数を減少させて、粉粒体原料の排出を抑制して圧縮の度合いを高めるようにする。
本実施の形態2の供給装置101では、粉粒体原料から排出羽根81に負荷される荷重値を、粉粒体原料の圧縮度を示すパラメータとして、ロードセル186にて検出し、検出された荷重値に基づいて、排出羽根81の回転数の制御を行っている。すなわち、本実施の形態2では、ロードセル186が、粉粒体原料の圧縮度を検出する圧縮度検出手段として設けられている。したがって、ロードセル186により検出された荷重値に基づいて、排出羽根81の回転数の増減を制御することにより、粉粒体原料の圧縮の度合いをより直接的に検出して調整することができる。
(実施の形態3)
次に、本開示の実施の形態3にかかる粉粒体原料の供給装置201の構成を図9に示す。なお、図9において、上述した実施の形態の供給装置と同じ構成には、同じ参照番号を付してその説明を省略する。
図9に示すように、本実施の形態3の供給装置201では、スクリュとして、コイルスクリュ251が備えられている。コイルスクリュ251は、例えば角形断面形状を有する螺旋状に形成されたコイルフライト252と、コイルフライト252における粉粒体原料の搬送方向上流側の端部に固定された回転駆動力伝達用シャフト253とを備えている。回転駆動力伝達用シャフト253は、スクリュ回転駆動装置57に連結されて、回転駆動力が伝達され、これによりコイルフライト252が回転駆動される。なお、コイルフライト252は、角形断面を有する場合を例として説明するが、その他の断面形状(例えば、円形断面など)を採用することもできる。
なお、本実施の形態3の供給装置201では、実施の形態1の供給装置1と同様な構成の排出羽根81と羽根回転駆動装置82とを備えている。
供給装置201において、コイルスクリュ251が採用されていることにより、湿度などの影響によりスクリュシャフトなど部材の表面に付着し易いという特性を有するような粉粒体原料に対して、コイルスクリュ251への付着を抑制でき、安定した搬送を行うことが可能となる。
一方、このようなコイルスクリュ251では、螺旋状のコイルフライト252の特性上、スクリュシャフト51等と比して、スクリュ自体による粉粒体原料に対する圧縮作用は低くなる。しかしながら、搬送管63の排出口63aにおいて、複数の排出羽根81が設置されていることにより、粉粒体原料に対して抵抗を付与して圧縮作用を高めることができる。
このように、湿度などの影響による粉粒体原料の付着を抑制できるコイルスクリュ251を採用するとともに、コイルスクリュ251の特性による圧縮作用の低下を複数の排出羽根81による抵抗の付与により補い、かつ排出羽根81による推力の付与により粉粒体原料に対する分散効果および排出性を高めることができ、粉粒体原料の定量的かつ均一な搬送を実現できる。
また、このようなコイルスクリュ251では、コイルフライト252のピッチ間の空間を広く取ることができ、コイルスクリュ251内への粉粒体原料の取り込み性が向上する。また、排出羽根81を回転駆動する羽根回転駆動装置82が、スクリュ回転駆動装置57とは独立して設けられているため、特許文献1のように排出羽根を回転駆動するためのシャフトをコイルスクリュ内に設ける必要がない。よって、コイルスクリュ251の内側に他の部材を配置することなく、内側の空間も利用して粉粒体原料の搬送を行うことができる。
また、排出羽根81の回転数を、コイルスクリュ251の回転数とは独立して設定できることにより、粉粒体原料の圧縮の度合いを適切に調整することができる。
(実施の形態4)
次に、本開示の実施の形態4にかかる粉粒体原料の供給装置301の構成を図10に示す。なお、図10において、上述した実施の形態の供給装置と同じ構成には、同じ参照番号を付してその説明を省略する。
本実施の形態4の供給装置301では、粉粒体原料として繊維材料(例えば、長さが数mmから十数mm程度の短繊維材料)が用いられ、スクリュの軸に対して排出羽根の回転中心を偏心させることにより、繊維材料の排出性(掻き落とし性)を高めることを可能としている。
図10に示すように、本実施の形態4の供給装置301では、スクリュとして、コイルスクリュ251が備えられている。コイルスクリュ251は、実施の形態3のコイルスクリュ251と同じ構成を有している。
供給装置301は、排出羽根ユニット380と、排出羽根ユニット380を回転駆動させる羽根回転駆動装置390と、を備える。ここで、排出羽根ユニット380の構成について、正面図を図11に示し、側面図を図12に示す。
図11および図12に示すように、排出羽根ユニット380は、回転中心軸に対して直交する面を有する円盤部材381と、円盤部材381の一方の面において円盤部材381の中心から半径方向に延びるように配置された複数の排出羽根382と、を備える。
円盤部材381は、その中心において羽根回転駆動装置390に連結されており、当該中心を回転中心として、羽根回転駆動装置390により回転駆動可能とされている。
それぞれの排出羽根382は、例えば、細長い長方形状を有する板状部材であって、幅方向を円盤部材381の面に対して直交する方向とし、長さ方向を円盤部材381の半径方向として、幅方向の一端にて円盤部材381の表面に固定されている。排出羽根382の幅方向の他端には凹凸状(例えば、のこぎり歯状)の歯383が形成されている。本実施の形態4では、例えば、同一形状を有する4枚の排出羽根382が一定の角度ピッチ(90度ピッチ)にて、円盤部材381に固定されている。なお、排出羽根382の枚数は4枚に限られず、複数枚設けられていればよい。また、それぞれの排出羽根382が円盤部材381に固定されている場合を例としているが、このような場合のみに限られない。例えば、排出羽根ユニットが円盤部材381を備えずに、それぞれの排出羽根382が羽根回転駆動装置390により直接的に回転駆動されるような構成を採用してもよい。また、排出羽根382の向き、形状、歯383の構成は、その他様々な構造を採用してもよい。
排出羽根ユニット380、バレル6の搬送管63、およびコイルスクリュ251の配置関係を上方側から見た図(上面図)を図13に示す。
図13に示すように、羽根回転駆動装置390による排出羽根ユニット380の回転における回転中心R2は、コイルスクリュ251の回転軸R1に対してY方向に偏心されている。具体的には、Y方向において、排出羽根ユニット380の回転中心R2は、バレル6の搬送管63よりも外側に配置されている。また、排出羽根ユニット380は、それぞれの排出羽根382の歯383が形成されている側が、搬送管63の排出口63aに向かうように配置されている。排出羽根382の歯383と搬送管63の排出口63aとの間には、互いに接触しないような間隙が設けられている。それぞれの排出羽根382の長さは、搬送管63の排出口63aの口径以上の長さを有しており、回転駆動された際に排出羽根382が排出口63aに面する位置全体を通過するように排出羽根382の長さおよび回転中心の位置が設定されている。なお、コイルスクリュ251の回転軸R1に対する排出羽根ユニット380の回転中心R2の偏心配置は、Y方向の偏心成分が含まれていればよく、例えば、Z方向およびY方向に偏心されているような場合であってもよい。
羽根回転駆動装置390による排出羽根ユニット380の回転方向は、X方向に向かって反時計回りに設定されている。これにより、回転駆動される排出羽根382は、排出口63aの上方側から下方側へと向かって排出口63aに面する位置を通過することになる。
図10に示すように、搬送管63の排出口63aの上方には、エアブローノズル391が設けられている。エアブローノズル391は、図示しないエアー発生源に接続されており、排出口63aと排出羽根ユニット380との間の間隙に対して、上方側から下方に向かってエアーを吹き出す。これにより、排出羽根382に付着している繊維材料を吹き飛ばして除去することができる。なお、エアブローノズル391によるエアブローは定期的あるいは所定のタイミングで行われる場合であってもよく、常時行われる場合であってもよい。
このような構成を有する本実施の形態4の供給装置301によれば、搬送管63の排出口63aに面する位置に、排出羽根ユニット380が設けられていることにより、排出口63aから繊維材料を掻き落としながら連続定量的に排出させることができる。
具体的には、排出羽根ユニット380の回転中心R2は、バレル6の搬送管63よりも外側に配置されており、それぞれの排出羽根382が、排出口63aの上方側から下方側へと向かって排出口63aに面する位置を通過するように回転駆動される。また、排出羽根382の幅方向の端部には凹凸状の歯383が形成されている。これにより、搬送管63の排出口63aから吐出する繊維材料を排出羽根382の歯383に引っ掛けながら、上方から下方へと移動する排出羽根382によって掻き落とすことができる。
また、排出羽根ユニット380において、複数の排出羽根382が一定の角度ピッチにて配置されていることにより、回転駆動される排出羽根382による繊維材料の連続的な掻き落としを行うことができる。
また、それぞれの排出羽根382の長さが、搬送管63の排出口63aの口径以上の長さを有し、回転駆動された際に排出羽根382が排出口63a全体に面する位置を通過する(排出口63a全体を覆うように通過する)。これにより、排出口63aから吐出する繊維材料をそれぞれの排出羽根382により確実かつ安定して掻き落とすことができる。
また、エアブローノズル391により、排出口63aと排出羽根ユニット380との間の間隙に対して、上方側から下方に向かってエアーを吹き出すことにより、排出羽根382に付着した繊維材料を吹き飛ばして除去することができる。これにより、排出羽根ユニット380による繊維材料の掻き落としを継続的に安定して実施することができる。
(変形例)
次に、本実施の形態4の供給装置301の変形例について、図14に示す排出管63の排出口63a近傍の図面を用いて説明する。なお、図14(A)は排出口63aの正面図、(B)は側面から見た断面図、(C)は上面から見た断面図である。なお、排出口63aの近傍には排出羽根ユニット380が設けられているが図示を省略している。
図14に示すように、排出管63の排出口63aの中央下部を横断するように棒状部材401が設けられている。棒状部材401の一端は排出管63に固定されて固定端401aとして機能し、他端は可動端401bとして機能する。
排出口63aにこのような棒状部材401を設けることにより、空間65内の繊維材料に対して排出側から棒状部材401による弾性力によって一定の力で抵抗を付与することができる。これにより、排出羽根ユニット380により排出口63aから吐出する繊維材料を掻き落とそうとする際に、搬送管63の空間65内の繊維材料が一度に大量に排出されることを抑制できる。また、空間65内における繊維材料のかさ密度を均一化することもできる。よって、排出される繊維材料の定量性を高めることができる。
なお、空間65内の繊維材料に対して弾性力により一定の力で抵抗を付与できるような構成であれば、弾性体は棒状部材401に限られない。
例えば、図15に示すように、排出口63a内の下部に堰き止め部材411を設けて、堰き止め部材411を搬送管63の内周面から中央に向かって付勢するようなスプリングばね412を設けるような構成を採用してもよい。このような構成では、繊維材料が通過する際にスプリングばね412が弾性圧縮されることにより堰き止め部材411から繊維材料に対して抵抗を付加することができる。なお、堰き止め部材411の先端を搬送方向上流側に面する傾斜面411aとすることにより、繊維材料に対して搬送方向上流側に向かって抵抗を付加するようにしてもよい。
また、例えば、図16(A)、(B)に示すように、排出口63aの周囲より内向きに突出する複数の板状部材421を一定の間隔で設けるようにしてもよい。
なお、このように繊維材料に対して抵抗を付加する弾性体は、排出口63aの中央よりも下部に設けることが好ましく、複数設けるような場合には上部にも設けてもよい。
上述した棒状部材401および板状部材421は、ゴムなどの弾性材料や板ばね等、弾性限界が高い材料により形成されることが好ましい。ただし、高剛性を有する材料によりそれぞれの部材が形成されるような場合であってもよい。その場合、それぞれの部材の固定部分が抵抗を上げすぎないように可動可能な構成とすることが望ましい。また、上述した堰き止め部材411を高剛性の材料にて形成し、弾性体であるスプリングばね412と組み合わせて、堰き止め部材411を可動可能な構成としてもよい。このような可動可能とする構成は、弾性体以外の構成を用いて実現してもよい。
上記それぞれの実施の形態では、搬送管63の排出口63a付近に複数の排出羽根81が設けられ、排出羽根81を回転駆動する羽根回転駆動装置が、スクリュ回転駆動装置とは独立して設けられていれば、本開示の効果を得ることができる。したがって、ホッパ2、アジテータ3、導入用ケーシング4、バレル6、排出用ケーシング7などは、上述した構成以外の形態を採ってもよい。
また、スクリュ5についても、1条ねじの構成を例として説明したが、ねじ条数については様々な仕様を採ってもよい。また、上述したようにコイルスクリュなど、様々な形態のスクリュを採用してもよい。
また、供給装置に装置内の粉粒体原料の重量を測定する測定装置を備えさせて、粉粒体原料が搬送されて装置外へ排出されることによる装置内の粉粒体原料の重量減少を測定して、重量の減少量を定量的とするような供給装置としてもよい。この場合、粉粒体原料の重量の測定装置により測定された粉粒体原料の重量に基づいて、排出羽根の回転数を制御してもよい。例えば、測定装置により測定された重量の単位時間の変動量が設定値よりも大きくなるような場合には、排出羽根の回転数を下げて、粉粒体原料の排出量を安定させるようにしてもよい。また、粉粒体原料の重量を測定する測定装置に代えて、バレルへの粉粒体原料の供給量を測定する測定装置を用いて、同様に排出羽根の回転数を制御してもよい。
また、排出羽根は、複数の排出羽根が放射状に配置されているものに限られず、様々な形態を採ってもよい。例えば、複数の排出羽根(羽根部分)が一体的に形成された円板状の構造を採用してもよい。また、棒状の部材を排出羽根としてもよく、排出羽根が傾斜していない構成を採用してもよい。例えば、排出羽根の開口率(回転円の面積に対する開口部分の面積の比率)を小さなものにすれば、より細かく粉粒体を解砕して切り出すことができる。この場合、排出羽根から粉粒体にかかる抵抗が高くなるが、排出羽根の回転数を上げることで抵抗を調整することができる。
また、上述の実施の形態では、羽根回転駆動装置82により回転駆動される排出羽根81の回転方向が、スクリュ5の回転方向と同方向である場合を例として説明したが、排出羽根がスクリュ5の回転方向と反対方向であってもよい。このように排出羽根の回転方向をスクリュ5とは反対方向とする場合には、バレル6内にてスクリュ5により回転移動される粉粒体原料と、排出羽根との間の速度差を大きく取ることができ、排出羽根による粉粒体原料の切り落とし効果を高めることができる。
また、上述の実施の形態では、排出羽根81をX方向、Y方向およびZ方向に移動させる移動機構が設けられる場合を例としたが、移動機構は、X方向のみ、Y方向のみ、またはZ方向のみに移動可能な構成としてもよい。また、排出羽根の移動機構が設けられない場合であってもよい。供給装置において、少なくとも、排出羽根81を回転駆動させる羽根回転駆動装置が、スクリュ回転駆動装置とは別個に設けられていれば、排出羽根の回転数をスクリュとは独立して設定することができ、粉粒体原料の圧縮の度合いを調整することができる。
また、上述の実施の形態では、モータ電流検出部91またはロードセル186において検出された情報(電流値または荷重値)が、制御装置90に入力されて、制御装置90から羽根回転駆動装置82、182に対して制御指令が出力される場合を例としたが、このような場合のみに限られない。例えば、モータ電流検出部91またはロードセル186において検出された情報が、羽根回転駆動装置82、182に直接入力されて、羽根回転数駆動装置82、182にて、排出羽根81の回転数を決定して制御を行うようにしてもよい。
なお、上記様々な実施の形態のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。