JP6890477B2 - 水素発生材料製造方法、燃料電池、水素発生方法 - Google Patents

水素発生材料製造方法、燃料電池、水素発生方法 Download PDF

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Description

本発明は水素を発生させる技術に係り、特に、燃料電池用の水素を発生させる技術に関する。
化石燃料の消費による地球温暖化や、エネルギー資源の逼迫の中で、水素をエネルギーとする燃料電池は注目されている。
燃料電池は、家庭用、産業用、自動車用、携帯機器用電源としての用途が考えられているが、特に、使いきりではなく、また、充電などに要する時間なども必要がなく、水素を発生させる材料を補充することで発電が可能になることから、長時間の運転に対応できる電池としての可能性は高いと言われている。
しかしながら水素発生材料の安全性や可搬性には改良すべき点があり、取り扱いが簡単で発電が容易な水素発生材料が求められている。
特開昭63−270459号公報 特開2000−239837号公報 特開2005−256063号公報 WO2012/026349号公報 特開2013−140950号公報
保存・運搬・取り扱いに容易な水素発生材料を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、水素発生材料片と水とを反応させて水素を生成し、生成された水素と酸素を反応させて発電し、負荷に電力を供給する燃料電池の水素を発生させる燃料電池の前記水素発生材料片を製造する水素発生材料製造方法であって、添加金属とアルミニウムとが混合された溶射原料を成形して所定形状の溶射材料を得る成形工程と、前記溶射材料を熔融させて熔融物の溶滴を吹き飛ばして成膜用基板の成膜面に付着させて溶射膜を形成する溶射工程と、前記溶射膜を前記成膜面から剥離させ、前記溶射膜から所望形状の水素発生材料片を形成する片形成工程と、を有し、前記添加金属は、Sn、In又はBiのいずれか一種又は複数種から成り、アルミニウム100質量%に対して0.1質量%以上20質量%以下の範囲で含有させる水素発生材料製造方法である。
また、本発明は、前記溶射工程の後、前記溶射膜を圧延して薄くする圧延工程が設けられた水素発生材料製造方法である。
また、本発明は、前記溶射原料には前記アルミニウム100質量%に対してSiを0.2質量%以上0.5質量%以下の範囲で含有させた、水素発生材料製造方法である。
また、本発明は、前記溶射原料には前記アルミニウム100質量%に対して、Mgを0.2質量%以上2質量%以下の範囲で含有させた、水素発生材料製造方法である。
また、本発明は、前記添加金属はBiを含有し、前記溶射原料には前記アルミニウム100質量%に対して0.2質量%以上2質量%以下の範囲でMgを含有させ、前記溶射膜又は前記水素発生材料片の少なくとも一方を熱処理する水素発生材料製造方法である。
また、本発明は、水素を発生させる水素発生装置と、水素と酸素を反応させて発電し、負荷に電力を供給する電池本体と、を有する燃料電池であって、前記水素発生装置は、水と水素発生材料片とを反応させ、水素を発生させて前記電池本体に供給する反応容器と、を有し、前記水素発生材料片は、添加金属とアルミニウムとが混合された溶射原料が熔融されて生成された溶滴が吹き飛ばされて成膜用基板の成膜面に付着して形成された溶射膜から形成され、前記添加金属は、Sn、In又はBiのいずれか一種又は複数種から成り、アルミニウム100質量%に対して0.1質量%以上20質量%以下の範囲で含有された燃料電池である。
また、本発明は、前記溶射原料には前記アルミニウム100質量%に対してSiを0.2質量%以上0.5質量%以下の範囲で含有された、燃料電池である。
また、本発明は、前記溶射原料には前記アルミニウム100質量%に対して、Mgが0.2質量%以上2質量%以下の範囲で含有された燃料電池である。
また、本発明は、前記添加金属はBiを含有し、前記溶射原料には前記アルミニウム100質量%に対して0.2質量%以上2質量%以下の範囲でMgが含有され、前記溶射膜又は前記水素発生材料片は熱処理がされた燃料電池である。
また、本発明は、水素発生材料片と水とを反応容器内で反応させて水素を生成し、生成された水素と酸素を反応させて発電し、負荷に電力を供給する燃料電池の前記反応容器内で水素を発生させる水素発生方法であって、添加金属とアルミニウムとが混合された溶射原料を成形して所定形状の溶射材料を得る成形工程と、前記溶射材料を熔融させて溶滴を生成し、前記溶滴を吹き飛ばして成膜用基板の成膜面に付着させて溶射膜を形成する溶射工程と、前記溶射膜を前記成膜面から剥離させた後、前記溶射膜から所望形状の水素発生材料片を形成する切断工程と、前記水素発生材料片と水とを前記反応容器内で接触させ、反応によって水素を発生させる水素発生工程と、を有し、前記添加金属は、Sn、In又はBiのいずれか一種又は複数種から成り、アルミニウム100質量%に対して0.1質量%以上20質量%以下の範囲で含有させる水素発生方法である。
また、本発明は、前記溶射工程の後、前記切断工程の前に、前記溶射膜を圧延して薄くする圧延工程が設けられた水素発生方法である。
また、本発明は、前記溶射原料には前記アルミニウム100質量%に対してSiを0.2質量%以上0.5質量%以下の範囲で含有させた、水素発生方法である。
また、本発明は、前記溶射原料には前記アルミニウム100質量%に対して、Mgを0.2質量%以上2質量%以下の範囲で含有させた、水素発生方法である。
また、本発明は、前記添加金属はBiを含有し、前記溶射原料には前記アルミニウム100質量%に対して0.2質量%以上2質量%以下の範囲でMgを含有させ、前記溶射膜又は前記水素発生材料片を熱処理する水素発生方法である。
また、本発明は、Sn、In又はBiのいずれか一種又は複数種から成る添加金属が、アルミニウム100質量%に対して0.1質量%以上20質量%以下の範囲で含有され、前記添加金属が前記アルミニウム中に分散された構造を有する水素発生材料である。
また、本発明は、前記アルミニウム100質量%に対してSiを0.2質量%以上0.5質量%以下の範囲で含有する水素発生材料である。
また、本発明は、前記アルミニウム100質量%に対してMgを0.2質量%以上2質量%以下の範囲で含有する水素発生材料である。
また、本発明は、前記添加金属はBiを含有し、前記アルミニウム100質量%に対して0.2質量%以上2質量%以下の範囲でMgを含有し、熱処理がされた水素発生材料である。
水素発生材料を安全に保管することができる。
水素ガスを安全に発生させることができる。
必要な量の水素を発生させることができる。
(a)〜(e):本発明の水素発生材料片を製造する工程を説明するための図 溶射工程を説明するための図 (a):水素発生装置、(b):燃料電池
まず、水素発生材料の製造工程を説明する。
<成形工程>
先ず、アルミニウムに、後述する添加金属を添加してアルミニウム合金から成る溶射原料4を作成する(図1(a))。
例えば、熔融されたアルミニウムに添加金属を添加して混合し、冷却して溶射原料を作成してもよいし、アルミニウムと添加金属とを加熱溶融させ、混合した後冷却して溶射原料を作成してもよい。溶射原料は例えばインゴット状である。
次に、溶射原料を所定の形状に加工して溶射材料を得る。溶射材料を構成するアルミニウム合金は、溶射原料と同じ成分である。
図1(b)の符号2は溶射原料がワイヤー形状に成形された溶射材料であり、ワイヤー形状の溶射材料2を作成する加工法としては、伸線加工、引き抜き加工、押し出し加工等の加工方法が挙げられる。
<溶射工程>
次に、図2の符号60は、この溶射材料2を溶射処理する溶射装置である。
この溶射装置60は、ノズル61の内部に溶射室63が設けられている。溶射室63の内部には、溶射材料2が配置されており、溶射材料2の熔融物が吹き飛ばされて形成された溶滴である溶射物73が放出される放出口66の前面には、成膜用基板10の成膜面21が配置されている。成膜用基板10は金属製又はセラミックス製の板であり、成膜面21は、その片面である。
溶射室63には着火装置が配置されており、また、溶射室63にはガス流路64と圧縮空気流路65とが接続されている。
ガス流路64はガス源に接続されており、ガス源から溶射装置60に供給された燃焼ガスと酸素とが、ガス流路64を通って溶射室63の内部に流入すると、着火装置によって着火され、燃焼ガスの燃焼が開始される。
溶射材料2は棒状体であり、その先端が溶射室63の内部に位置するようにされている。
圧縮空気流路65は圧縮空気源に接続されており、圧縮空気流路65から送られる圧縮空気によってガス流路64から送られる燃焼ガスをノズル61の内部で燃焼させて燃焼フレームが生成されると、溶射材料2の先端は、燃焼ガスのフレーム(炎)69と接触し、又はフレーム69に近接した場所に位置し、燃焼ガスの燃焼によって加熱され、熔融して熔融物が生成される。
圧縮空気源から溶射装置60に供給された圧縮空気は圧縮空気流路65を流れて溶射材料2の熔融物に衝突し、熔融物を吹き飛ばして溶滴を形成する。溶滴である溶射物73は、溶射室63に設けられた放出口66から溶射装置60の外部に、圧縮空気と共に噴出され、空中を飛行する。
図1(c)に示す通り、溶射物73の飛行先には成膜面21が配置されており、溶射物73は成膜面21に衝突すると付着する。この付着が進行すると溶射物73の堆積が進行し、溶射物73から成る溶射膜5が形成される(図1(d))。溶射膜5の膜厚は2〜3mmである。
溶射膜5は、アルミニウムに添加金属が分散された粒子同士が重なり合って互いに固着された構造になっており、添加金属が添加された熔融アルミニウムを鋳造して得られたアルミニウム合金に比べると、添加金属が均一に分散され、溶射膜5は水崩壊性を有している。
成膜面21は平坦に形成され、鏡面に仕上げられているので、溶射膜5は成膜用基板10から容易に剥離させることができる。
<圧延工程>
剥離させた溶射膜5を図1(e)の圧延装置20の台23上に配置し、圧延ローラ32によって溶射膜5を押圧しながら回転軸33を中心として圧延ローラ32を回転させる。溶射膜5は押圧されて薄くされて面積が大きくなる。符号6は薄くされた溶射膜を示している。
<切断工程>
薄くされた溶射膜6が所望の大きさに截断されると、可搬性を有する水素発生材料片が得られる。
<燃料電池>
その水素発生材料片を用いる燃料電池について説明する。
図3(b)はその燃料電池1であり、水素発生装置7と電池本体8とを有している。
先ず、水素発生装置7を説明すると、図3(a)を参照し、水素発生装置7は反応容器9を有しており、反応容器9の内部には水素発生材料片が配置されている。図3(a)の符号3は、小径の円盤状に成形された水素発生材料片を示している。
反応容器9は、開口45と、開口45を塞ぐ蓋46とを有しており、蓋46を開けると、開口45から反応容器9の内部に水を注入できるようにされている。
次に、電池本体8を説明すると、電池本体8は反応容器11を有しており、反応容器11の内部は板状にされた電解質14によって燃料室13と空気室15とに二分されている。ここでは、電解質14には固体電解質が用いられている。
燃料室13側の電解質14の片面には燃料極16が密着して配置され、燃料室13の内部空間は燃料極16と接触しながら電解質14とは非接触にされている。また、電解質14の空気室15側の面には空気極17が密着して配置され、空気室15の内部空間は空気極17と接触しながら電解質14とは非接触にされている。
ここでは、燃料極16の電解質14と接触した面とは反対側の面は燃料室13の内部空間に露出されており、空気極17の電解質14と接触した面とは反対側の面は空気室15の内部空間に露出されている。
反応容器9には水素ガス放出口12が設けられ、燃料室13には水素ガス導入口27が設けられており、水素ガス放出口12と水素ガス導入口27とを配管28によって接続すると、反応容器9の内部空間と燃料室13の内部空間とが配管28によって接続される。
開口45から水を反応容器9の内部に投入し、次いで、水素発生材料片3を開口45から投入し、蓋46によって開口45を閉じる。
水素発生材料片3は、Alに添加金属が含有されたアルミニウム合金であり、添加金属は、Sn、In又はBiのいずれか一種又は複数種から成り、アルミニウム100質量%に対して(以下同じ)、添加金属を0.1質量%以上20質量%以下の範囲で含有されている。
水素発生材料片3は水と接触すると、水は、水素発生材料片3を構成する粒子の間に侵入し、アルミニウム合金と水とが反応して水素ガスが発生する。
Sn、In、Biはアルミニウム中に均一に分散されることで、アルミニウム合金が水と接触したときに、電気化学的な反応を起こし水素発生材料片3を構成するアルミニウム合金が水素を発生させながら崩壊する。
水素発生材料片3が全部反応するまでには所定時間を要し、その間には水素は継続して発生する。
また、水素の発生量は水素発生材料片3の量に比例しており、反応容器9の中に投入する水素発生材料片3の量によって発生する水素の量を制御することができる。
また、水素発生材料片3の反応が終了しても、新しい水素発生材料片3を反応容器9に投入することで、水素ガスの発生を再開することができる。
<発電工程>
このように、水素発生材料片3が反応容器9の内部で水崩壊し、H2(水素ガス)を発生させると、発生したH2は、燃料室13に移動する。
燃料極16は水素ガスを透過させ、空気極17は酸素ガスを透過させるように構成されている。燃料室13内に導入された水素ガスは、燃料極16の内部に侵入する。
空気室15には、空気導入口25と排出口26とが設けられており、空気導入口25から空気室15の内部に空気が導入され、空気が空気極17に接触すると、酸素ガスは空気極17の内部に侵入する。
燃料極16の内部で電子が水素ガスから燃料極16に移動して水素イオンが生成され、空気極17の内部で電子が空気極17から酸素ガスに移動して酸素イオンが生成される。燃料極16と空気極17とは、端子24、22に接続されており、端子22、24の間に負荷を接続すると、水素ガスから放出された電子は燃料極16から負荷を通って空気極17へ移動し、その結果、負荷に電流が流れる。
電解質14は、水素イオン又は酸素イオンが通過する材料で構成されており、電解質14内を水素イオンが移動すると、電解質14と空気極17とが接触する場所で水が生成され、電解質14の内部を酸素イオンが移動すると、電解質14と燃料極16とが接触する場所で水が生成される。
ここでは電解質14には水素イオンが移動する材料が用いられており、電解質14と空気極17とが接触する場所で生成された水は空気極17を通過して空気室15の内部空間に放出され、排出口26から大気中に放出される。
反応容器9の内部で水素発生材料片3が水素を発生させている間は、水素イオンと酸素イオンとが生成され、水素イオンと酸素イオンとが化合して水が生成される。その間は燃料電池1は発電して負荷に電力を供給しており、水素発生材料片3の水崩壊が終了すると、発電を終了させてもよいし、反応容器9に水素発生材料片3を追加して発電を継続させてもよい。
なお、水素発生材料片3の作成方法として、アルミニウムに添加金属を添加して混合するだけでは水崩壊性を発現させることはできず、一旦アルミニウムと添加金属とを混合して得られたアルミニウム合金から、溶射材料を成形し、溶射方法によって熔融・溶射・固化させた後、所定形状に成形すると、水崩壊性を有する水素発生材料片3を得ることができる。
添加金属に加え、アルミニウム合金に0.5質量%以下の範囲でCeを添加しておくと、水崩壊性が安定して発現するようになる。また、添加金属に加え、アルミニウム合金にTiを添加するとアルミニウムの再結晶化温度が上昇するので、溶射によって溶射膜を形成する際に、添加金属の析出を防止することができる。Tiは、Al100質量%に対して0.13質量%以上4質量%以下の含有率で含有させるとよい。
本発明の水素発生材料片3の一部は、特に空気を遮断しなくても長期間の保存ができるように調整可能である。
アルミニウム100質量%に対してSiを0.2質量%以上0.5質量%以下の範囲で含有させると、水崩壊性を維持したまま、空気中の水分による水崩壊を防止することができる。
Siを添加して空気中の水分による水崩壊を防止した本発明の水素発生材料片3を、5年間大気に接触する状態で保管したが、変化はなかった。さらにその水素発生材料片3を水の中に投入すると、直ちに反応が始まり水素が発生した。
また、アルミニウム100質量%に対してMgを0.2質量%以上含有させても、空気中の水分による水崩壊を防止することができる。但し、2質量%を超えると加工性が悪くなるのでMgは、0.2質量%以上2質量%以下含有させることが好ましい。
特に、添加金属としてBiを含有する場合に、更にMgを含有させると、溶射膜が形成された後200℃以上300℃以下の温度に昇温される熱処理が行われると水又は温水(「温水」は60℃以上100℃以下に昇温した水とする。)で水崩壊するが、熱処理が行われない場合には、水又は温水では水崩壊が発生しなくなる。
熱処理は溶射膜5に行っても良いし、水素発生材料片3に行っても良い。圧延ローラ32で溶射膜5を薄くする際に、圧延ローラ32を加熱し、押圧する溶射膜5を200℃以上300℃以下の温度に加熱するようにしてもよい。
従って、溶射膜5の形成後、熱処理を行わないで水素発生材料片3を作成し、使用の直前に熱処理を行うようにすれば、保管中に水崩壊が発生しない水素発生材料片3を得ることができる。
このように本発明の水素発生材料片3は、水との反応性を調整することができるが、反応性を高くしたい場合や、湿度の高い環境でより長期の保管する場合、浸水などによる反応を防止する場合には、水素発生材料片3を樹脂フィルムで封止し、水素発生材料片3と大気や水分とが接触しないようにしてもよいし、水素発生材料片3を容器に入れ、容器に蓋をして水素発生材料片3と大気や水分とが接触しないようにしてもよい。
このように本発明の水素発生材料片3は、アルカリ金属のように特別な保管手段を必要とすることなく長期の保管が可能なので、長期保管が望まれる緊急災害用の燃料電池の水素発生材料として好適である。
さらに、水としては、水道水の他、海水、湖水、河川の水、雨水等を使用でき、水が主成分であれば種類・純度を問わないので、災害時に好適である。
特に燃料電池は回転機構等がないためメンテナンス無しで長期の保管が可能で、軽量で、かつ、単独で発電可能なため、遠隔地や離島での緊急発電機として期待される。さらに、本発明の水素発生材料片3を備蓄すれば、安全に長期間の保管が可能である。
13……燃料室
14……電解質
15……空気室
16……燃料極
17……空気極
25……空気導入口
26……排出口
27……水素ガス導入口
28……配管

Claims (10)

  1. 水素発生材料片と水とを反応させて水素を生成し、生成された水素と酸素を反応させて発電し、負荷に電力を供給する燃料電池の水素を発生させる燃料電池の前記水素発生材料片を製造する水素発生材料製造方法であって、
    添加金属とアルミニウムとが混合された溶射原料を成形して所定形状の溶射材料を得る成形工程と、
    前記溶射材料を熔融させて熔融物の溶滴を吹き飛ばして成膜用基板の成膜面に付着させて溶射膜を形成する溶射工程と、
    前記溶射膜を前記成膜面から剥離させ、前記溶射膜から所望形状の水素発生材料片を形成する片形成工程と、
    を有し、
    前記添加金属は、Sn、In又はBiのいずれか一種又は複数種から成り、アルミニウム100質量%に対して0.1質量%以上20質量%以下の範囲で含有させる水素発生材料製造方法。
  2. 前記溶射工程の後、前記溶射膜を圧延して薄くする圧延工程が設けられた請求項1記載の水素発生材料製造方法。
  3. 前記溶射原料には前記アルミニウム100質量%に対してSiを0.2質量% 以上0.5質量%以下の範囲で含有させた、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の水素発生材料製造方法。
  4. 前記溶射原料には前記アルミニウム100質量%に対して、Mgを0.2質量%以上2質量%以下の範囲で含有させた、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の水素発生材料製造方法。
  5. 前記添加金属はBiを含有し、前記溶射原料には前記アルミニウム100質量% に対して0.2質量%以上2質量%以下の範囲でMgを含有させ、前記溶射膜又は前記水素発生材料片の少なくとも一方を熱処理する請求項1乃至請求項3のいずれか1 項記載の水素発生材料製造方法。
  6. 水素発生材料片と水とを反応容器内で反応させて水素を生成し、生成された水素と酸素を反応させて発電し、負荷に電力を供給する燃料電池の前記反応容器内で水素を発生させる水素発生方法であって、
    添加金属とアルミニウムとが混合された溶射原料を成形して所定形状の溶射材料を得る成形工程と、
    前記溶射材料を熔融させて溶滴を生成し、前記溶滴を吹き飛ばして成膜用基板の成膜面に付着させて溶射膜を形成する溶射工程と、
    前記溶射膜を前記成膜面から剥離させた後、前記溶射膜から所望形状の水素発生材料片を形成する切断工程と、
    前記水素発生材料片と水とを前記反応容器内で接触させ、反応によって水素を発生させる水素発生工程と、を有し、
    前記添加金属は、Sn、In又はBiのいずれか一種又は複数種から成り、アルミニウム100質量%に対して0.1質量%以上20質量%以下の範囲で含有させる水素発生方法。
  7. 前記溶射工程の後、前記切断工程の前に、前記溶射膜を圧延して薄くする圧延工程が設けられた請求項記載の水素発生方法。
  8. 前記溶射原料には前記アルミニウム100質量%に対してSiを0.2質量%以上0.5質量%以下の範囲で含有させた、請求項又は請求項のいずれか1項記載の水素発生方法。
  9. 前記溶射原料には前記アルミニウム100質量%に対して、Mgを0.2質量%以上2質量%以下の範囲で含有させた、請求項乃至請求項のいずれか1項記載の水素発生方法。
  10. 前記添加金属はBiを含有し、前記溶射原料には前記アルミニウム100質量%に対して0.2質量%以上2質量%以下の範囲でMgを含有させ、前記溶射膜又は前記水素発生材料片を熱処理する請求項乃至請求項のいずれか1項記載の水素発生方法。
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