JP6889228B2 - 手指衛生管理装置、手指衛生管理方法及び手指衛生管理プログラム - Google Patents

手指衛生管理装置、手指衛生管理方法及び手指衛生管理プログラム Download PDF

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本発明は、手指衛生管理装置、手指衛生管理方法及び手指衛生管理プログラムに関する。
入院中の患者が、他の患者からの感染により死亡することがある。死因は、死亡した患者の入院当初の病気とは全く無関係である。不幸にも、医師等の医療従事者がこのような院内感染の媒体となることもある。院内感染を防止するために、医療従事者が患者と接触する前後において手指を正しく洗浄することが重要である。
特許文献1は、医療従事者の手指衛生をモニタリングするシステムを開示している。医療従事者は、洗剤で手指を洗浄する。洗剤は、揮発性の“手洗い遵守マーカ”(アルコール等)を成分として含む。医療従事者が洗浄後の手指を検知器にかざすと、検知器は、手洗い遵守マーカを検知し、医療従事者が確かに手指を洗浄した旨を表示する。
特表2010−529467号公報
近年、病院がJCI(Joint Commission International)認定を取得することによって、自身の医療品質及びブランド力の向上を目指すケースが増加している。JCI認定の審査項目は、“感染の予防と管理”及び“職員の資格と教育”を含む。そこで、特に規模が大きい病院は、多くの医療従事者の手指洗浄を、膨大な手間をかけて管理することになる。特許文献1のシステムは、医療従事者が自覚的に検知器に手指をかざすことを前提としている。医療従事者がこの動作を失念すると、個人ごとに取得された正確なデータに基づき“感染の予防と管理”及び“職員の資格と教育”を行うことができなくなる。
そこで、本発明は、管理者に負担を課すことなく、正確かつ的確に医療従事者の手指洗浄を管理することを目的とする。
本発明の手指衛生管理装置は、医療現場へ入場する医療従事者を特定し、医療従事者をカメラに追跡させる追跡部と、カメラが追跡して撮像した医療従事者の画像に基づき、医療従事者が医療行為の前後の時点において、自身の手指についての衛生行為を行ったか否かを判断する行為検知部と、医療従事者が衛生行為を行わなかった場合、医療従事者に対して警報を送信する警報部と、医療従事者が衛生行為を行わなかった場合、医療従事者に対して、医療従事者が衛生行為に関する教材を視聴するべき通知を送信する教育部と、を備え、行為検知部は、さらに、効果的な又は安全な医療行為と衛生行為との組合せが記憶される相性情報が存在するときは相性情報を参照し、医療従事者の医療行為に対して効果的又は安全な衛生行為が行われた場合、自身の手指についての衛生行為を行ったと判断すること、を特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、管理者に負担を課すことなく、正確かつ的確に医療従事者の手指洗浄を管理することができる。
医療現場等を説明する図である。 手指衛生管理装置の構成を示す図である。 個人情報の一例を示す図である。 医療行為情報の一例を示す図である。 衛生行為情報の一例を示す図である。 行為履歴情報の一例を示す図である。 スコア情報の一例を示す図である。 教材情報の一例を示す図である。 入場管理処理手順のフローチャートである。 行為検知処理手順のフローチャートである。 評価処理手順のフローチャートである。 受講依頼通知の一例を示す図である。 衛生行為実施率の時系列推移の一例を示す図である。 受講効果通知の一例を示す図である。 衛生行為実施率の時系列推移の一例を示す図である。
以降、本発明を実施するための形態(“本実施形態”という)を、図等を参照しながら詳細に説明する。本実施形態の手指衛生管理装置は、病院等の医療施設において医師等の医療従事者が手指を洗浄する動作を管理する。しかしながら、これはあくまでも一例であり、本発明の考え方は、例えば、無菌実験室等において生物実験を行う場合、牧場等において家畜の飼育を行う場合等にも適用可能である。
(医療現場)
図1は、医療現場6等を説明する図である。医療現場6は、例えば手術室、外科処置室、集中治療室、入院患者用病室等、医療行為が行われる現場である。医療現場6の内部で、患者10がベッドに横たわっている。医療現場6の一角に、手洗台46が設置されている。いま、医療従事者9は、患者10に対してある医療行為を行う目的で、医療現場6に隣接する前室7に入った。医療従事者9は、携帯端末装置8を携帯している。前室7に設置されている入場管理装置2は、医療従事者9の生体情報(指紋、毛細血管、虹彩等)の画像を撮像し、それが医療現場6への入場を予め許可されている者の画像であることを確認した後、入口扉45を開錠する。
医療従事者9は、医療現場6に入場した後、患者10に対して医療行為(血圧測定等)を行う。医療従事者9は、通常、医療行為の前又は後において、手洗台46において、洗剤で手指を洗浄する。医療現場6の例えば天井面に、監視カメラ3が設置されている。監視カメラ3は、例えば、360度のパン及びチルト並びにレンズのズームが可能なカメラである。監視カメラ3は、医療従事者9が医療現場6に入場した後退場するまでの間、医療従事者9の動きを追跡し、その画像を連続的に又は所定の周期で間欠的に撮像する。監視カメラ3の数は、任意である。例えば広角レンズを備えた複数の監視カメラ3が撮像した医療従事者9の複数の画像が1つの画像に合成されてもよい。
監視カメラ3及び入場管理装置2は、ネットワーク5を介して手指衛生管理装置1と接続されている。携帯端末装置8は、医療現場6の壁面等に設置された無線基地局4及びネットワーク5を介して手指衛生管理装置1と接続されている。医療従事者9が、所定の判定タイミング(医療行為の前後の時点)で手指を洗浄しなかった場合、つまり、衛生行為を行わなかった場合、手指衛生管理装置1は、携帯端末装置8に対して警報を送信する。なお、所定の判定タイミングは、医療行為の直前又は直後や、医療行為の直前及び直後である。好ましいのは、医療行為の直前及び直後の双方である。
(手指衛生管理装置)
図2は、手指衛生管理装置1の構成を示す図である。手指衛生管理装置1は、一般的なコンピュータであり、中央制御装置11、マウス、キーボード等の入力装置12、ディスプレイ等の出力装置13、主記憶装置14、補助記憶装置15及び通信装置16を備える。これらは、バスで相互に接続されている。補助記憶装置15は、個人情報31、医療行為情報32、衛生行為情報33、行為履歴情報34、スコア情報35及び教材情報36(いずれも詳細後記)を格納している。
主記憶装置14における追跡部21、行為検知部22、警報部23及び教育部24は、プログラムである。中央制御装置11は、これらのプログラムを補助記憶装置15から読み出し主記憶装置14にロードすることによって、各プログラムの機能(詳細後記)を実現する。補助記憶装置15は、手指衛生管理装置1から独立した構成であってもよい。
入場管理装置2もまた、一般的なコンピュータであり、生体撮像カメラ41、ディスプレイ42、生体情報処理部43、入場管理部44及び個人情報31を有する。生体撮像カメラ41は、医療従事者9の生体情報を撮像する。ディスプレイ42は、入場許可等の案内文言を表示するとともに、タッチスクリーンの機能を併せ持つ。生体情報処理部43及び入場処理部44は、プログラムである。
入場管理装置2は、中央制御装置、主記憶装置及び補助記憶装置(いずれも図示せず)を有している。中央制御装置は、これらのプログラムを補助記憶装置から読み出し主記憶装置にロードすることによって、各プログラムの機能(詳細後記)を実現する。補助記憶装置は、個人情報31(手指衛生管理装置1における個人情報31と同じもの)を格納している。入場管理装置2は、手指衛生管理装置1と同一の筐体で構成されていてもよい。
(個人情報)
図3は、個人情報31の一例を示す図である。個人情報31においては、医療従事者ID欄101に記憶された医療従事者IDに関連付けて、医療従事者名欄102には医療従事者名が、資格欄103には資格が、顔情報欄104には顔情報が、生体情報欄105には生体情報が、登録日欄106には登録日が記憶されている。
医療従事者ID欄101の医療従事者IDは、医療従事者を一意に特定する識別子である。医療従事者とは、医療行為を行うために患者に直接手指で接触する者である。
医療従事者名欄102の医療従事者名は、医療従事者の氏名である。
資格欄103の資格は、医療従事者が有する資格(医師、看護師、検査技師等)である。
顔情報欄104の顔情報は、医療従事者の顔の画像に付与された“記号+拡張子”である。顔の画像自体(図示せず)は、補助記憶装置15又は任意の他の装置に格納されている。このことは、“記号+拡張子”が付された後記する他の画像についても同様である。
生体情報欄105の生体情報は、医療従事者の所定の身体箇所の画像に付与された“記号+拡張子”である。本実施形態における所定の身体箇所は、瞳の“虹彩”である。他の例として、眼球の網膜、指紋、指の毛細血管等が挙げられる。これらの身体箇所の画像は、個体としての医療従事者を一意に特定することができる。なお、手指衛生管理装置1は、生体情報で個人を識別し、ユーザは、顔情報で個人を識別する。
登録日欄106の登録日は、当該レコード(行)が登録された年月日である。
(医療行為情報)
図4は、医療行為情報32の一例を示す図である。医療行為情報32においては、医療行為ID欄111に記憶された医療行為IDに関連付けて、医療行為名欄112には医療行為名が、医療行為内容欄113には医療行為内容が、医療行為見本欄114には医療行為見本が、判定タイミング欄115には判定タイミングが記憶されている。
医療行為ID欄111の医療行為IDは、医療行為を一意に特定する識別子である。医療行為とは、患者の治療を目的とする行為のうち、感染症の原因となり得る行為である。典型的な医療行為は、患者の身体に対する接触である。患者の身体に直接接触しないまでも、患者が接触又は排泄したものに接触することもまた、医療行為である。
医療行為名欄112の医療行為名は、医療行為の名称であり、ここでは、“患者への接触”、“清潔操作”、“体液への接触”及び“環境への接触”を含む。
医療行為内容欄113の医療行為内容は、医療行為の具体的な内容である。本実施形態では、1つの医療行為IDに対して複数の医療行為内容が対応している。
医療行為見本欄114の医療行為見本は、医療従事者が行う医療行為の見本画像に付与された“記号+拡張子”である。医療行為の見本画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。例えば、“yy011.mov”は、医療従事者が検温等のために患者の頭をなでる動作の見本画像(動画)である。例えば“yy011.mov”は、多数の静止画(コマ送り画像)から構成されており、そのそれぞれが、被撮像行為(図6にて詳細後記)と比較可能である。なお、画像比較以外の方法で医療行為を検知する例を後記する。
判定タイミング欄115の判定タイミングは、衛生行為(手洗い等)が行われなければならない時点であり、医療行為の時点を基準として“前”及び“後”のうちの少なくとも1つである。好ましくは、“前”及び“後”の双方である。検温を目的として患者の頭をなでる場合、医療従事者は、入口扉45のドアノブから感染した細菌等を除去するために、患者の頭をなでる直前に手指を洗浄する必要がある。さらに、医療従事者は、患者から感染した細菌等を他の患者に感染させないように除去するために、患者の頭をなでた直後に手指を洗浄する必要がある。
(衛生行為情報)
図5は、衛生行為情報33の一例を示す図である。衛生行為情報33においては、衛生行為ID欄121に記憶された衛生行為IDに関連付けて、衛生行為名欄122には衛生行為名が、衛生行為内容欄123には衛生行為内容が、衛生行為見本欄124には医療行為見本が、衛生場所名欄125には衛生場所名が、位置欄126には位置が記憶されている。
衛生行為ID欄121の衛生行為IDは、衛生行為を一意に特定する識別子である。衛生行為とは、患者の治療を目的とする行為のうち、感染症の原因を医療従事者の手指から除去又は滅失する行為である。典型的な衛生行為は、手指の洗浄である。
衛生行為名欄122の衛生行為名は、衛生行為の名称であり、ここでは、“洗剤洗浄”、“ゲル(泡状の洗剤)塗布”、“ウエットタオル使用”、“光線殺菌”及び“クリーム塗布”を含む。
衛生行為内容欄123の衛生行為内容は、衛生行為の具体的な内容である。本実施形態では、1つの医療行為IDに対して1つの衛生行為内容が対応している。
衛生行為見本欄124の衛生行為見本は、医療従事者が行う衛生行為の見本画像に付与された“記号+拡張子”である。衛生行為の見本画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。例えば、“zz01.mov”は、手指を洗剤で洗浄した後流水で流す動作の見本画像(動画)である。例えば“zz01.mov”は、多数の静止画(コマ送り画像)から構成されており、そのそれぞれが、被撮像行為と比較可能である。なお、画像比較以外の方法で衛生行為を検知する例を後記する。
衛生場所名欄125の衛生場所名は、衛生場所の名称である。衛生場所とは、医療現場6のうち、医療従事者がその衛生行為を行うことを指定された設備の領域であり、例えば図1の手洗台46が該当する。衛生場所の例として、手洗台の他にも、“ゲル置き場”、“タオル掛け”、“滅菌装置”等がある。因みに、例えば“クリーム塗布”においては、衛生場所が存在しない。その理由は、医療従事者が各自でクリームが入ったチューブを常時携帯するからである。本来、医療従事者以外の管理者が、衛生場所の清浄を管理することがより望ましい。しかしながら、各医療従事者が、自身が携帯する薬品等の清浄に責任を負う場合、衛生場所は、特に指定されない。
位置欄126の位置は、衛生場所の2次元の位置情報である。座標系の原点は、医療現場6の床面の任意の場所にある。“#”は、異なる値を省略的に示す(以下同様)。
(行為履歴情報)
図6は、行為履歴情報34の一例を示す図である。行為履歴情報34においては、医療従事者ID欄131に記憶された医療従事者IDに関連付けて、位置欄132には位置が、時点欄133には時点が、被撮像行為欄134には被撮像行為が、医療行為ID欄135には医療行為IDが、衛生行為ID欄136には衛生行為IDが、警報フラグ欄137には警報フラグが記憶されている。
医療従事者ID欄131の医療従事者IDは、図3の医療従事者IDと同じである。
位置欄132の位置は、医療従事者の2次元の位置情報である。ここでの座標系は、図5における位置欄126の座標系と同じである。監視カメラ3は、補助記憶装置15に記憶された医療現場6の床面の地図(図示せず)を参照することによって、撮像した医療従事者の画像の背景から、その医療従事者の位置を取得することができる。
時点欄133の時点は、被撮像行為(直ちに後記)が撮像された時点の年月日時分秒である。時点の間隔は、任意に設定され得る。
被撮像行為欄134の被撮像行為は、監視カメラ3が撮像した医療従事者の画像に付与された“記号+拡張子”である。医療従事者の画像は、医療行為を示している場合もあり、衛生行為を示している場合もあり、他の行為(歩行等)を示している場合もある。
医療行為ID欄135の医療行為IDは、図4の医療行為IDと同じである。手指衛生管理装置1は、行為履歴情報34(図6)における被撮像行為(欄134)を、医療行為情報32(図4)における医療行為見本(欄114)と比較する。ここでの比較は、画像同士の比較であって、“記号+拡張子”同士の比較ではない(以下同様)。そして、手指衛生管理装置1は、両者が所定の基準を満たす程度に類似している場合は、医療行為ID欄135に、その医療行為見本に対応する医療行為IDを記憶する。その意味で、医療行為ID欄135の医療行為IDは、画像比較による医療行為の推定結果である。医療従事者が医療行為を行わない時点においては、医療行為ID欄135は、空白のままである。
衛生行為ID欄136の衛生行為IDは、図5の衛生行為IDと同じである。手指衛生管理装置1は、行為履歴情報34(図6)における被撮像行為(欄134)及び位置(欄132)の組合せを、衛生行為情報33(図5)における衛生行為見本(欄124)及び位置(欄126)の組合せと比較する。そして、手指衛生管理装置1は、両者が所定の基準を満たす程度に類似している場合は、衛生行為ID欄136に、その衛生行為見本に対応する衛生行為IDを記憶する。その意味で、衛生行為ID欄136の衛生行為IDは、画像比較及び位置情報比較による衛生行為の推定結果である。医療従事者が衛生行為を行わない時点においては、衛生行為ID欄136は、空白のままである。
警報フラグ欄137の警報フラグ“〇”は、医療従事者が衛生行為を行うべき判定タイミングで衛生行為を行わなかった結果、衛生行為の実行を促す警報が医療従事者に送信されたことを示す。
図6を全体的に見ると、以下のことがわかる。
・医療従事者P01は、2019年10月1日、医療現場6において少なくとも2回医療行為を行った。その医療行為は、2回とも“A01”(患者への接触)である。患者への接触が、具体的にどの医療行為内容であるかは、ここでは不明である。
・医療従事者P01は、医療行為A01の“前”及び“後”の、合計4回の判定タイミングにおいて、何等かの衛生行為を行うことを義務付けられていた。
・1回目の判定タイミング“10時00分20秒”において、医療従事者P01は、衛生行為B01“洗剤洗浄”を行った。
・2回目の判定タイミング“10時00分40秒”において、医療従事者P01は、衛生行為を行わなかった。“φ”は、行うべき衛生行為が行われなかったことを示す。その結果、警報が送信された。
・3回目の判定タイミング“13時00分20秒”において、医療従事者P01は、衛生行為B01“洗剤洗浄”を行った。
・4回目の判定タイミング“13時00分40秒”において、医療従事者P01は、衛生行為B01“洗剤洗浄”を行った。
(スコア情報)
図7は、スコア情報35の一例を示す図である。スコア情報35においては、医療従事者ID欄141に記憶された医療従事者IDに関連付けて、評価日欄142には評価日が、判定タイミング数欄143には判定タイミング数が、衛生行為実施数欄144には衛生行為実施数が、衛生行為実施率欄145には衛生行為実施率が、スコア欄146にはスコアが、摘要欄147には摘要が記憶されている。
医療従事者ID欄141の医療従事者IDは、図3の医療従事者IDと同じである。
評価日欄142の評価日は、医療従事者にスコア(直ちに後記)を付与する単位となる期間であり、ここでは1日である。
判定タイミング数欄143の判定タイミング数は、判定タイミングの数である。図6の例では、医療従事者P01について、2019年10月1日における判定タイミング数は、少なくとも“4”であった。つまり、医療行為の“前”及び“後”が、それぞれ、“1”とカウントされる。
衛生行為実施数欄144の衛生行為実施数は、判定タイミングにおいて医療従事者が実際に衛生行為を行った回数である。図6の例では、医療従事者P01について、2019年10月1日における衛生行為実施数は、少なくとも“3”であった。
衛生行為実施率欄145の衛生行為実施率Qは、衛生行為実施数Yを判定タイミング数Xで除算した結果の百分率である。
スコア欄146のスコアは、衛生行為の実施/不実施に応じて医療従事者に付与される点数である。評価日のスコアPnowは、以下の数式で計算される。
now=Pold+Ynow−(Xnow−Ynow
ここで、Poldは、前評価日のスコアである。前評価日が存在しない場合、Poldは、所定の初期値(例えば図7では、50点)である。Ynowは、評価日の衛生行為実施数である。Xnowは、評価日の判定タイミング数である。
摘要欄147の摘要は、その評価日における医療従事者に対する通知等である。例えば“受講依頼通知”は、手指衛生管理装置1が、医療従事者に教材(詳細後記)を視聴する旨の依頼を送信したことを示す。手指衛生管理装置1は、所定の評価対象期間において衛生行為実施率の代表値が所定の閾値(例えば“90%”)を下回った場合、受講依頼通知を送信する(詳細後記)。“講習受講”は、その日、医療従事者が教材を視聴したことを示す。“講習受講”の文字列に付されている“C04”は、医療従事者が視聴した教材(詳細後記)の教材IDである。“20191014 15:00〜15:10”は、医療従事者が教材を視聴した期間の起点及び終点の年月日時分である。“合格”は、後記する受講後の確認テストの結果である。
スコア情報35は、すべての医療従事者について作成される。よって、管理者は、例えば、誰(P02)が、どの教材(C04)を、いつどれだけの時間(20191014 15:00〜15:10)をかけて視聴したか、教材を視聴した効果はどうであったか(合格)を管理することができる。
(教材情報)
図8は、教材情報36の一例を示す図である。教材情報36においては、教材ID欄151に記憶された教材IDに関連付けて、教材名欄152には教材名が、教材記号欄153には教材記号が、対象医療従事者欄154には対象医療従事者が、教材内容欄155には教材内容が、再生時間欄156には再生時間が記憶されている。
教材ID欄151の教材IDは、教材を一意に特定する識別子である。教材とは、医療従事者に衛生行為の確実な実行を推奨する画像(動画、静止画等)である。
教材名欄152の教材名は、教材の名称である。
教材記号欄153の教材記号は、教材に付与された“記号+拡張子”である。
教材内容欄155の教材内容は、教材の具体的な内容(テーマ)である。
再生時間欄156の再生時間は、教材が動画である場合、巻き戻し又は早送りをすることなく再生される時間である。
(入場管理処理手順)
図9は、入場管理処理手順のフローチャートである。入場管理処理手順を開始する前提として、個人情報31(図3)が、手指衛生管理装置1及び入場管理装置2に完成した状態で記憶されているものとする。
ステップS201において、入場管理装置2の入場管理部44は、新たな医療従事者を検知したか否かを判断する。具体的には、入場管理部44は、医療従事者9がディスプレイ42に触れるのを検知した場合(ステップS201“Yes”)、ステップS202に進み、それ以外の場合(ステップS201“No”)、そのまま待機する。
ステップS202において、入場管理装置2の生体情報処理部43は、生体情報を取得する。具体的には、生体情報処理部43は、生体撮像カメラ41に医療従事者9の顔の画像を撮像させる。
ステップS203において、生体情報処理部43は、個人情報を参照する。具体的には、第1に、生体情報処理部43は、ステップS202において取得した画像から虹彩部分の画像を抽出する。ここで抽出された画像は、“入場画像”と呼ばれる。
第2に、生体情報処理部43は、入場画像を、個人情報31(図3)の生体情報欄105に記憶されているすべての生体情報(xx01.png等)と比較する。生体情報処理部43は、任意の方法を使用して、入場画像の形状、色彩、大きさ等と、各生体情報のそれらとを比較し、両者間の類似度を数値化する。
第3に、生体情報処理部43は、ステップS203の“第2”における比較の結果、入場画像との類似度が所定の閾値以上である生体情報が存在する場合は、最も類似度が大きい生体情報に対応する医療従事者IDを取得する。生体情報処理部43は、入場画像との類似度が所定の閾値以上である生体情報が存在しない場合は、“該当なし”を取得する。
ステップS204において、入場管理装置2の入場管理部44は、医療従事者が個人情報31に登録済であるか否かを判断する。具体的には、入場管理部44は、ステップS203の“第3”において、医療従事者IDを取得した場合(ステップS204“Yes”)、ステップS209に進み、それ以外の場合(ステップS204“No”)、ステップS205に進む。
ステップS205において、入場管理部44は、管理者に連絡する。具体的には、入場管理部44は、手指衛生管理装置1の出力装置13に、未登録の医療従事者が医療現場6に入室しようとしている旨のメッセージ、及び、ステップS202において撮像した顔の画像を表示する。このとき、管理者は、前室7に設置されたインターフォン(図示せず)を介して、医療従事者と意思疎通してもよい。
ステップS206において、入場管理部44は、医療従事者を個人情報31に新たに登録するか否かを判断する。具体的には、第1に、入場管理部44は、手指衛生管理装置1のユーザ(管理者)が、入力装置12に対して“登録する”又は“登録しない”の何れかを入力するのを受け付ける。
第2に、入場管理部44は、ステップS206の“第1”おいて“登録する”が入力された場合(ステップS206“Yes”)、ステップS207に進み、それ以外の場合(ステップS206“No”)、ステップS208に進む。
ステップS207において、入場管理部44は、個人情報31の新たなレコードを作成する。具体的には、入場管理部44は、未登録であった医療従事者についての個人情報31のレコードを作成する。このとき、入場管理部44は、手指衛生管理装置1の入力装置12を介して管理者が、医療従事者名及び資格を入力するのを受け付ける。その後、入場管理部44は、ステップS201に戻る。新たなレコードは、手指衛生管理装置1及び入場管理装置2によって共有され、新たに登録された医療従事者は、次回のステップS204において“Yes”を経由することになる。
ステップS208において、入場管理部44は、入場を拒絶する。具体的には、入場管理部44は、ディスプレイ42に“病院事務室までおいで下さい”とのメッセージを表示した後、入場管理処理手順を終了する。
ステップS209において、入場管理部44は、入場を許可する。具体的には、入場管理部44は、ディスプレイ42に“医療現場にお入り下さい”とのメッセージを表示し、入口扉45を開錠した後、入場管理処理手順を終了する。
(行為検知処理手順)
図10は、行為検知処理手順のフローチャートである。行為検知処理手順は、入場管理処理手順(図9)がステップS209を経由して終了したのを契機として開始する。行為検知処理手順を開始する前提として、医療行為情報32(図4)及び衛生行為情報33(図5)が、補助記憶装置15に完成した状態で記憶されているものとする。
ステップS301において、手指衛生管理装置1の追跡部21は、入口の人物画像に医療従事者IDを関連付ける。具体的には、追跡部21は、入口扉45付近の画像を撮像する旨の指示を監視カメラ3に送信する。監視カメラ3は、医療従事者の画像に、入場管理処理手順のステップS203の“第3”において取得した医療従事者IDを関連付ける。つまり、追跡部21は、医療現場に入場する医療従事者を特定する。
ステップS302において、追跡部21は、追跡を開始する。具体的には、追跡部21は、医療従事者を追跡する旨の指示を監視カメラ3に対して送信する。すると、監視カメラ3は、入場してきた医療従事者の上半身が過不足なく画面に収まる程度にレンズをズームする。追跡部21は、その後、連続的に又は所定の周期で間欠的に医療従事者を監視カメラ3に撮像させる。そして、追跡部21は、監視カメラ3が静止画又は動画のコマを撮像する都度、その結果を行為履歴情報34(図6)のレコード(欄135〜欄137は空白のままとする)として作成・蓄積して行く。
以降のステップS303〜S307は、行為履歴情報34のレコードが生成される都度繰り返されるものとする。
ステップS303において、手指衛生管理装置1の行為検知部22は、医療行為を検知したか否かを判断する。具体的には、第1に、行為検知部22は、新たに生成された行為履歴情報34のレコード(以降、“対象レコード”とも呼ばれる)の被撮像行為を、医療行為情報32(図4)の医療行為見本と比較する。比較は、画像の形状、色彩、大きさ等について行われる。
第2に、行為検知部22は、対象レコードの被撮像行為との類似度が所定の閾値以上に大きい医療行為見本が存在するか否かを判断する。行為検知部22は、そのような医療行為見本が存在する場合(ステップS303“Yes”)、最大の類似度の医療行為見本に対応する医療行為IDを取得し、取得した医療行為IDを、対象レコードの医療行為ID欄135に記憶し、ステップS304に進む。行為検知部22は、そのような医療行為見本が存在しない場合(ステップS303“No”)、そのまま待機する。説明の便宜のため、対象レコードの被撮像行為と医療行為見本“yy011.mov”のうちの1コマとの類似度が充分大きい結果、行為検知部22は、医療行為ID“A01”を取得したものとする。
ステップS304において、行為検知部22は、前後の被撮像行為を取得する。具体的には、行為検知部22は、直前のn本の対象レコードの被撮像行為及び直後のm本の対象レコードの被撮像行為を取得する。ここで、直前及び直後の対象レコードの被撮像行為を取得する理由は、医療行為情報32(図4)において医療行為ID“A01”に対応する判定タイミングが“前/後”であるからである。ユーザは、n及びmの値を任意に設定することができる。ここでは、“n=m=1”が成立するものとする。つまり、例えば、現在の対象レコードが図6のレコード138aである場合、行為検知部22は、レコード138bの被撮像行為及びレコード138cの被撮像行為を取得することになる。ここで取得された被撮像行為は、以降“衛生行為候補”とも呼ばれる。
ステップS305において、行為検知部22は、衛生行為を検知したか否かを判断する。具体的には、第1に、行為検知部22は、衛生行為候補(複数ある場合はそのそれぞれ)を、衛生行為情報33(図5)の衛生行為見本と比較する。
第2に、行為検知部22は、以下の条件1及び条件2を満たすような衛生行為見本が存在するか否かを確認する。
〈条件1〉衛生行為見本と衛生行為候補との類似度が所定の閾値以上に大きい。
〈条件2〉衛生行為候補に対応する医療従事者の位置(図6の欄132)と、衛生行為見本に対応する衛生場所の位置(図5の欄126)との間の距離が所定の閾値以下である。
第3に、行為検知部22は、条件1及び条件2の両者が満たされる場合(ステップS305“Yes”)、最大の類似度の衛生行為見本に対応する衛生行為IDを取得する。そして、行為検知部22は、取得した衛生行為IDを、行為履歴情報34の衛生行為候補に対応するレコードの衛生行為ID欄136に記憶し、ステップS303に戻る。行為検知部22は、条件1及び条件2の両者が満たされない場合(ステップS305“No”)、衛生行為ID欄136に“φ”を記憶し、ステップS306に進む。なお、分岐条件の変形例として、行為検知部22は、条件1の類似度が所定の基準を満たす程度に充分高い場合(ステップS305“Yes”)、条件2を考慮することなく、最大の類似度の衛生行為見本に対応する衛生行為IDを取得してもよい。その後、行為検知部22は、前記と同様に、ステップS303に戻る。行為検知部22は、条件1の類似度が所定の基準を満たす程度に充分高くない場合(ステップS305“No”)、衛生行為ID欄136に“φ”を記憶し、ステップS306に進む。
ステップS306において、手指衛生管理装置1の警報部23は、警報を送信する。具体的には、第1に、警報部23は、医療従事者が携帯する携帯端末装置8に対して、衛生行為の実行を促す警報を送信する。補助記憶装置15は、医療従事者IDと、その医療従事者が携帯する携帯端末装置8の連絡先(メールアドレス等)とを関連付けたリストを格納している(図示せず)。したがって、警報部23は、入場管理処理手順のステップS203の“第3”において取得した医療従事者IDが特定する医療従事者に対し、文字、音声、振動等の警報を送信できる。但し、警報の内容は、極力患者を刺激しないもの(極端な例としては、振動のみ)であることが望ましい。
第2に、警報部23は、行為履歴情報34の衛生行為候補に対応するレコードの警報フラグ欄137に“〇”を記憶する。
ステップS307において、手指衛生管理装置1の行為検知部22は、医療従事者が医療現場6を退場したか否かを判断する。具体的には、行為検知部22は、医療従事者が入口扉45を出ていく画像を監視カメラ3から取得した場合(ステップS307“Yes”)、追跡を終了し、行為検出処理手順を終了する。行為検知部22は、それ以外の場合(ステップS307“No)、ステップS303に戻る。
(評価処理手順)
図11は、評価処理手順のフローチャートである。評価処理手順を開始する前提として、入場管理処理手順(図9)及び行為検知処理手順(図10)が終了した後、各医療従事者についての行為履歴情報34(図6)のレコードが充分な数だけ蓄積されている。さらに、教材情報36(図8)が、補助記憶装置15に完成した状態で記憶されている。フローチャートの説明の途中で、適宜図12〜図15を参照する。
ステップS401において、手指衛生管理装置1の教育部24は、評価対象の医療従事者を受け付ける。具体的には、教育部24は、ユーザ(管理者)が、入力装置12を介して特定の医療従事者IDを入力するのを受け付ける。教育部24は、ユーザによる入力を受け付けるまでもなく、登録済の各医療従事者について、ステップS401〜S408の処理を繰り返してもよい。説明の便宜上、ここでは“P02”が入力されたものとする。
ステップS402において、教育部24は、評価対象期間を受け付ける。具体的には、教育部24は、ユーザが入力装置12を介して任意の過去の期間を入力するのを受け付ける。説明の便宜上、ここで“2019年10月10日〜13日”が入力されたとする。
ステップS403において、教育部24は、行為履歴情報34(図6)に基づき、スコア情報35(図7)を作成する。具体的には、第1に、教育部24は、“2019年10月10日〜13日”における“P02”のレコードを行為履歴情報34から取得する。
第2に、教育部24は、ステップS403の“第1”において取得したレコードに基づき、スコア情報35のレコード148a〜148dを作成する。このとき、教育部24は、前記した方法で衛生行為実施率及びスコアを算出し、スコア情報35の各レコードの衛生行為実施率欄145及びスコア欄146に記憶する。
ステップS404において、教育部24は、衛生行為実施率が閾値を下回っているか否かを判断する。具体的には、第1に、教育部24は、スコア情報35から、“P02”の評価対象期間における衛生行為実施率の代表値(例えば、平均値、最小値、最新値等)を取得する。
第2に、教育部24は、代表値が所定の閾値を下回る場合(ステップS404“Yes”)、ステップS405に進み、それ以外の場合(ステップS404“No”)、評価処理手順を終了する。
ステップS405において、教育部24は、教材を決定する。具体的には、教育部24は、医療従事者“P02”に相応しい1又は複数の教材を、ユーザが教材情報36(図8)の候補から選択するのを受け付ける。教育部24は、ユーザによる選択を受け付けるまでもなく、“P02”について個人情報31及び行為履歴情報34を分析した結果に基づき、教材を選択してもよい。例えば、“P02”の資格が“看護師”であり、被撮像行為に類似する医療行為見本が“yy041.mov”(ベットリネンを交換する)である場合、教育部24は、教材情報36から、教材ID“C04”を選択する。
ステップS406において、教育部24は、受講依頼通知を送信する。具体的には、教育部24は、“P02”の携帯端末装置8に受講依頼通知51(図12)を送信する。受講依頼通知51には、教材の視聴を依頼するメッセージ52、アイコン53及びアイコン54が表示されている。“P02”がアイコン53を選択すると、教育部24は、“P02”の直近の衛生行為実施率の時系列推移55(図13)を携帯端末装置8に表示する。“P02”がアイコン54を選択すると、教育部24は、ステップS405において決定した教材(例えば“C04”)を携帯端末装置8に表示・再生する。
教育部24は、時系列推移55及び教材C04を携帯端末装置8に送信し切ってもよいし、送信し切ることなく、手指衛生管理装置1のもとで視聴(ブラウズ)させてもよい。さらに教育部24は、受講依頼通知51とともに、“P02”の最新のスコアを送信してもよい。スコアの活用方法については後記する。
ステップS407において、教育部24は、教材の視聴を確認する。具体的には、教育部24は、教材の視聴が終了した旨の通知を“P02”の携帯端末装置8から受信する。教育部24は、教材を視聴した効果を確認する問題が記載された“確認テスト”を携帯端末装置8に返信してもよい。
ステップS408において、教育部24は、受講効果通知を送信する。具体的には、第1に、教育部24は、教材の視聴を確認した時点以降現在までの期間における“P02”のスコア情報35をステップS403の処理に準じて作成する。教育部24は、例えば、図7のレコード149a〜149dを作成することになる。
第2に、教育部24は、“P02”の携帯端末装置8に受講効果通知61(図14)を送信する。受講効果通知61には、教材の視聴後の衛生行為実施率を評価するメッセージ62及びアイコン63が表示されている。“P02”がアイコン63を選択すると、教育部24は、教材の視聴を確認した時点以降現在までの期間における衛生行為実施率の時系列推移64(図15)を携帯端末装置8に表示する。その後、評価処理手順を終了する。
(スコアの活用)
手指衛生管理装置1の教育部24は、任意のタイミングで、例えば医療従事者が勤務する病院内部のホームページにおいて、スコア又は衛生行為実施率の現在値及び過去の推移を公開する。教育部24は、医療従事者個人ごと、又は、医療従事者が属する組織ごとにスコア等を公開する。このとき、教育部24は、上位n番目(例えば、n=10)以内のスコア等を有する個人又は組織のみを公開してもよい。スコアは、ギフト券等の賞品と交換可能であってもよい。
(衛生行為の質)
例えば、衛生行為B01(洗剤洗浄)は、所定の正しい手順で行われ、かつ、所定の時間継続しなければ効果を発揮しない。他の衛生行為についても同様であり、ユーザは、衛生行為ごとに手順及び継続時間を設定できる。前記では衛生行為の有無を類似する衛生行為見本の有無に応じて単純に決定した。しかしながら、行為検知部22は、行為履歴情報34の一連の被撮像行為をより詳細に分析し、衛生行為があったと判断してもよい。
例えば、衛生行為情報33(図5)の衛生行為見本は、以下の画像を以下の順序で連続的に撮像した、時間長が60秒である動画であるとする。
〈1〉流水に両手を当てる。〈2〉洗剤を掌に受ける。〈3〉左右の指を互い違いに組んで摩擦する。〈4〉片手で他方の手の手首を摩擦する。〈5〉洗剤を流水で流す。
行為検知部22は、行為検知処理手順(図10)のステップS305において、衛生行為候補が、〈1〉〜〈5〉の動作をその順序で60秒以上に亘って行ったことを示すか否かを判断してもよい。さらに、管理者が〈1〉〜〈5〉の個々の動作ごとに必要最小継続時間を定めておき、行為検知部22は、すべての動作が各必要最小継続時間以上継続していたか否かを判断してもよい。
(医療行為と衛生行為との相性)
特定の医療行為に対してすべての衛生行為が同等の効果を発揮するとは限らない。特定の医療行為に対して特に効果的な又は安全な衛生行為が医学的又は統計的に判明している場合がある。補助記憶装置15は、このような相性のよい医療行為と衛生行為との組合せを“相性情報”として記憶していてもよい(図示せず)。行為検知部22は、行為検知処理手順のステップS305において、衛生行為候補が、その医療行為と相性のよい衛生行為を行ったことを示すか否かを判断してもよい。
(受講依頼通知の送信タイミング及びスコア情報の出力)
教育部24は、行為検知処理手順(図10)のステップS306において警報が通知されるタイミングで、受講依頼通知を送信してもよい。また、教育部24は、任意のタイミングでスコア情報35(図7)を医療従事者ごとに又は医療従事者が属する組織ごとに出力装置13を介して出力し、又は、手指衛生管理装置1以外の任意の装置に送信することができる。このことは、JCI認定取得のための資料作成に資する。
(医療行為の検知)
行為検知処理手順(図10)のステップS303において、行為検知部22は、対象レコードの被撮像行為が行われた位置に関係なく、当該被撮像行為を医療行為見本と比較している。これは、医療行為見本の画像に、例えば患者10が写り込んでおり、医療行為見本と類似する被撮像行為は、患者10との接触を示すからである。しかしながら、より正確な医療行為の検知を期するため、医療行為情報32(図4)は、医療行為見本に関連付けて、位置情報(ベッドの位置等)を予め記憶していてもよい。そのうえで、行為検知部22は、ステップS305の“第2”に準じて、被撮像行為と医療行為見本との画像としての類似度、及び、医療従事者の位置と医療行為見本の位置との間の距離に基づいて、医療行為を検知してもよい。
行為検知部22は、医療従事者が所定の領域(例えば患者が横たわるベッドの周囲20センチメートル)に入ったことを以て、医療行為があったと検知してもよい。行為検知部22は、歩行可能な患者と医療従事者との間の距離が所定の閾値以下になった場合、医療行為があったと検知してもよい。監視カメラ3が常時その距離を監視してもよいし、電波を発信するウエアラブルデバイスを患者に装着させておき、携帯端末装置8がその電波を受信することによって、常時その距離を監視してもよい。
(衛生行為の検知)
行為検知部22は、衛生場所に設置された洗剤ボトル等の残り容量を常時監視しておき、その容量が所定の閾値以上減少した場合、衛生行為があったと検知してもよい。
(本実施形態の効果)
本実施形態の手指衛生管理装置の効果は以下の通りである。
(1)手指衛生管理装置は、医療従事者を追跡し(段落0054)、必要なタイミングに衛生行為を行わなかった医療従事者に警報を発し(段落0060)、教材を視聴する機会を与える(段落0067)ことができる。
(2)手指衛生管理装置は、教材を視聴した効果を医療従事者に知らせる(段落0070)ことができる。
(3)手指衛生管理装置は、教材そのものを医療従事者に送信する(段落0068)ことができる。
(4)手指衛生管理装置は、衛生行為を行った比率を、個人ごと組織ごとに出力する(段落0070及び0071)ことができる。
(5)手指衛生管理装置は、スコアを与えることによって衛生行為を行う動機を医療従事者に与える(段落0071)ことができる。
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウエアで実現してもよい。また、前記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウエアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆どすべての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 手指衛生管理装置
2 入場管理装置
3 監視カメラ
5 ネットワーク
6 医療現場
8 携帯端末装置
9 医療従事者
11 中央制御装置
12 入力装置
13 出力装置
14 主記憶装置
15 補助記憶装置
16 通信装置
21 追跡部
22 行為検知部
23 警報部
24 教育部
31 個人情報
32 医療行為情報
33 衛生行為情報
34 行為履歴情報
35 スコア情報
36 教材情報

Claims (7)

  1. 医療現場へ入場する医療従事者を特定し、前記医療従事者をカメラに追跡させる追跡部と、
    前記カメラが追跡して撮像した医療従事者の画像に基づき、前記医療従事者が医療行為の前後の時点において、自身の手指についての衛生行為を行ったか否かを判断する行為検知部と、
    前記医療従事者が前記衛生行為を行わなかった場合、前記医療従事者に対して警報を送信する警報部と、
    前記医療従事者が前記衛生行為を行わなかった場合、前記医療従事者に対して、前記医療従事者が衛生行為に関する教材を視聴するべき通知を送信する教育部と、
    を備え
    前記行為検知部は、さらに、
    効果的な又は安全な前記医療行為と前記衛生行為との組合せが記憶される相性情報が存在するときは前記相性情報を参照し、前記医療従事者の医療行為に対して効果的又は安全な前記衛生行為が行われた場合、前記自身の手指についての衛生行為を行ったと判断すること、
    特徴とする手指衛生管理装置。
  2. 前記行為検知部は、
    前記教材を視聴した医療従事者が医療行為の前後の時点において、自身の手指についての衛生行為を行ったか否かを判断する処理を、前記教材の視聴の前後の期間について行い、
    前記教育部は、
    前記教材を視聴した前後における前記衛生行為の実施状況を、当該医療従事者に送信すること、
    を特徴とする請求項1に記載の手指衛生管理装置。
  3. 前記教育部は、
    前記医療従事者が前記衛生行為を行わなかった場合、前記医療従事者に対して、前記医療従事者が視聴するべき教材を送信すること、
    を特徴とする請求項2に記載の手指衛生管理装置。
  4. 前記教育部は、
    前記医療従事者が衛生行為を行わなければならない時点に実際に衛生行為を行った比率を、前記医療従事者ごとに又は前記医療従事者が属する組織ごとに出力すること、
    を特徴とする請求項3に記載の手指衛生管理装置。
  5. 前記教育部は、
    前記医療従事者が衛生行為を行わなければならない時点に実際に衛生行為を行ったか否か応じて、前記医療従事者ごとに又は前記医療従事者が属する組織ごとに、賞品に交換可能なスコアを増減させること、
    を特徴とする請求項4に記載の手指衛生管理装置。
  6. 手指衛生管理装置の追跡部は、
    医療現場へ入場する医療従事者を特定し、前記医療従事者をカメラに追跡させ、
    前記手指衛生管理装置の行為検知部は、
    前記カメラが追跡して撮像した医療従事者の画像に基づき、前記医療従事者が医療行為の前後の時点において、自身の手指についての衛生行為を行ったか否かを判断し、
    前記手指衛生管理装置の警報部は、
    前記医療従事者が前記衛生行為を行わなかった場合、前記医療従事者に対して警報を送信し、
    前記手指衛生管理装置の教育部は、
    前記医療従事者が前記衛生行為を行わなかった場合、前記医療従事者に対して、前記医療従事者が衛生行為に関する教材を視聴するべき通知を送信
    前記行為検知部は、さらに、
    効果的な又は安全な前記医療行為と前記衛生行為との組合せが記憶される相性情報が存在するときは前記相性情報を参照し、前記医療従事者の医療行為に対して効果的又は安全な前記衛生行為が行われた場合、前記自身の手指についての衛生行為を行ったと判断すること、
    を特徴とする手指衛生管理装置の手指衛生管理方法。
  7. 手指衛生管理装置の追跡部に対し、
    医療現場へ入場する医療従事者を特定し、前記医療従事者をカメラに追跡させる処理を実行させ、
    前記手指衛生管理装置の行為検知部に対し、
    前記カメラが追跡して撮像した医療従事者の画像に基づき、前記医療従事者が医療行為の前後の時点において、自身の手指についての衛生行為を行ったか否かを判断する処理を実行させ、
    前記手指衛生管理装置の警報部に対し、
    前記医療従事者が前記衛生行為を行わなかった場合、前記医療従事者に対して警報を送信する処理を実行させ、
    前記手指衛生管理装置の教育部に対し、
    前記医療従事者が前記衛生行為を行わなかった場合、前記医療従事者に対して、前記医療従事者が衛生行為に関する教材を視聴するべき通知を送信する処理を実行さ
    前記行為検知部に対して、さらに、
    効果的な又は安全な前記医療行為と前記衛生行為との組合せが記憶される相性情報が存在するときは前記相性情報を参照し、前記医療従事者の医療行為に対して効果的又は安全な前記衛生行為が行われた場合、前記自身の手指についての衛生行為を行ったと判断する処理を実行させること、
    を特徴とする手指衛生管理装置を機能させるための手指衛生管理プログラム。
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