以下、院内感染防止支援装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における院内感染防止支援装置1の一例を示すブロック図である。
院内感染防止支援装置1は、動作取得部101、入室ルール情報格納部102、入室判断部103、退室ルール情報格納部104、退室判断部105、出力部106を備える。
動作取得部101は、1または2以上の撮影手段1010、距離画像取得手段1011、距離動作取得手段1012を備える。なお、図においては、撮影手段1010が一つである場合を例に示しているが、撮影手段1010は、複数であっても良い。
動作取得部101は、1または2以上の医療関連室に入室した入室者の入室動作情報を取得する。医療関連室とは、医療に関連する部屋である。医療関連室は、例えば、医療機関や医療関連機関の施設内の部屋である。医療機関は、例えば、医療施設等である。医療施設は、例えば、病院、医院、診療所等である。医療関連機関は、例えば、介護老人保険施設等である。医療関連機関は、いわゆる老人ホーム等を含むと考えてもよい。利用関連室は、例えば、病室や、診察室、治療室、手術室、クリーンルーム、待合室、処置室等である。医療関係室に入室した入室者とは、例えば、医療関連室に入室した人間である。入室者は、例えば、医師や、看護師、理学療法士、薬剤師等の医療従事者や、介護士、患者、付添人、見舞客等である。
動作情報は、入室者の動作を示す情報である。動作情報や、具体的には、入室者の医療関係室に関する動作を示す情報である。医療関連室に関する動作とは、例えば、医療関連室内や、その周辺、例えば、医療関連室内や、医療関連室外の出入口の近傍における入室者の動作である。例えば、動作情報は、入室の際、入室中、退室の際の少なくとも1以上において行われた動作を示す情報である。動作情報は、例えば、予め指定された1または2以上の、入室者が入室中や、その前後、即ち入室直前や退室直後等に行った動作を示す情報である。動作情報は、例えば、入室者の動作を識別可能な識別子(以下、動作識別子と称す)であっても良い。動作識別子は、例えば、動作名や、動作に割り当てられたコード等である。動作識別子は、例えば、動作において用いられる用具等の識別子であってもよい。この場合、例えば、動作識別子は、この用具等の識別子が示す用具を用いた動作を示すものと考えてよい。用具の識別子は、例えば、用具名や、用具に割り当てられたコード等である。また、用具等の識別子は、この用具等が配置されている(例えば、格納や設置されている)場所の座標や領域等の位置情報であっても良い。
動作識別子は、例えば、衛生保護動作を識別可能な識別子であってもよい。衛生保護動作や、その識別子については、後述する。
なお、動作情報は、入室者やその一部(例えば、手等)の位置や、動きを示す情報であってもよい。位置を示す情報は、例えば、座標である。動きを示す情報は、例えば、経時的に変化する座標や、移動経路や方向等を示すベクトルや曲線等で示される情報である。また、動作情報は、用具、例えば、衛生保護用具等の位置や、動きを示す情報であってもよい。衛生保護用具については後述する。あるいは、動作情報は、入室者やその一部と、用具等との位置や、動きを示す情報の組み合わせであってもよい。
入室動作情報は、入室者の入室時における動作を示す動作情報である。入室動作情報は、例えば、動作情報のうちの、入室時に取得された動作情報である。ここでの入室時とは、入室が行われた期間と考えてもよい。例えば、入室時は、入室者が1または2以上の医療関係室に入室した時刻の近傍の時間であってもよい。入室時をどのように判断しても良い。入室時は、例えば、入室した時点から所定の時間が経過するまでの期間である。また、入室した時点から、入室動作情報を取得する期間の終了を示す予め指定された情報等を検出するまでの期間である。あるいは、医療関連室内の予め指定された領域や位置に入室者がいる間や、任意の動作情報を取得した時点や、予め指定された動作情報を取得した時点から、予め設定された時間が経過するまでの期間等を、入室時と判断してもよい。
動作取得部101は、例えば、入室時に取得される動作情報を、入室動作情報として取得する。例えば、動作取得部101は、入室者の入室中における動作情報を順次取得して、取得した動作情報の中から、入室時に取得された動作情報を入室動作情報として取得しても良い。動作取得部101は、例えば、入室者の入室中における動作情報と、この動作情報が取得された時刻を示す取得時刻とを対応づけて取得し、取得した動作情報の中から、入室時に対応する期間内の取得時刻と対応づけられた動作情報を入室動作情報として取得しても良い。取得時刻と対応づけられた動作情報は、取得時刻を有する動作情報であっても良いし、取得時刻と対応づけられて管理される動作情報であっても良い。また、動作情報と対応づけられた取得時刻を、そのまま入室動作情報と対応づけられた取得時刻としても良い。取得時刻は、日付も含むと考えてよい。なお、取得時刻は、動作情報が示す動作の時刻情報と考えてもよい。また、この取得時刻は、操作の開始時刻であっても、終了時刻であっても、動作が行われている期間内のその他の時刻であっても良い。
また、例えば、動作取得部101は、入室時に動作情報を順次取得して、取得した動作情報を入室動作情報としてもよい。例えば、動作取得部101は、入室時にのみ、動作情報を順次取得して、取得した動作情報を入室動作情報としても良い。
動作取得部101が取得する動作情報は、例えば、入室者が入室時に行う必要がある1または2以上の動作や、入室時に行ってはいけない1または2以上の動作や、これらの動作に関連した動作を示す情報を含む情報である。例えば、動作情報は、1または2以上の衛生保護動作や1または2以上の禁止動作を示す情報、あるいはこれらに対応づけられた動作を示す情報である。衛生保護動作及び禁止動作については後述する。
動作取得部101は、例えば、入室時の動作の順序を更に示す入室動作情報を取得してもよい。入室時の動作の順序とは、入室時に行われた動作の順序や順番である。入室動作情報が示す動作の順序は、例えば、動作取得部101が入室動作情報を取得した順序と考えてもよい。動作の順序を更に示す入室動作情報とは、例えば、入室動作情報が示す動作の行われた順序を示す動作順序情報を有する入室動作情報や、動作順序情報と対応づけられた入室動作情報である。また、動作の順序を更に示す入室動作情報とは、例えば、入室動作情報が示す動作の行われた順序を判断可能な情報を有する、あるいは、順序を判断可能な情報と対応づけられた入室動作情報である。順序を判断可能な情報とは、例えば、動作の順序を示す連番等の値や、動作が行われた時刻を示す情報であってもよい。ここでの時刻は、日時も含むと考えてもよい。例えば、検出した入室時の動作の順序を更に示す入室動作情報は、動作を検出した時刻を示す情報を有する入室動作情報であってもよい。また、動作の順序を更に示す入室動作情報とは、例えば、入室動作情報が示す動作が行われた順序で配列されて格納された入室動作情報であってもよい。
例えば、動作取得部101は、取得順序を特定可能となるように動作情報を取得することで、入室時の動作の順序を示す入室動作情報を取得する。例えば、動作取得部101は、入室時に取得した動作情報を、入室動作情報として取得順に配列して図示しない格納部等に蓄積することにより、この配列順を、入室時の動作の順序を示すものとした入室動作情報を取得してもよい。また、動作取得部101は、入室時に動作情報を入室動作情報として取得するとともに、その取得時刻も取得することにより、取得した取得時刻を、取得した入室動作情報の動作の順序を示す動作順序情報として有する入室動作情報を取得してもよい。あるいは、この動作順序情報が対応づけられた入室動作情報を取得してもよい。また、この場合、取得時刻の代わりに、取得順序を示すコード、例えば、連番等を用いても良い。
また、上述したように、入室者の入室中における動作情報を取得時刻と対応づけて取得し、この動作情報の中から、入室時に対応する期間内の取得時刻と対応づけられた動作情報を入室動作情報として取得する場合、動作取得部101は、入室動作情報として取得する動作情報に対応づけられた取得時刻が、入室動作情報が示す入室時の動作の順序を示す情報として対応づけられた入室動作情報を取得するようにしてもよい。あるいは、動作取得部101は、この取得時刻を、その値の昇順に従って、取得順番を示すコード等に置き換えたものと対応づけられた入室動作情報を取得するようにしてもよい。
動作取得部101は、例えば、入室時の動作情報を入室動作情報として取得する。また動作取得部101は、たとえば、退室時の動作情報を退室動作情報として取得する。動作取得部101が、動作情報をどのように取得するかは問わない。以下、動作取得部101が動作情報を取得する処理について例を挙げて説明する。
(1)距離画像を用いた取得
動作取得部101は、例えば、動作距離画像を用いて、入室者の動作情報を取得する。動作距離画像は、医療関連室に関する入室者の動作を撮影した距離画像である。距離画像は、例えば、動画像である。医療関連室に関する動作とは、例えば、医療関連室の近傍における動作である。医療関連室の近傍とは、例えば、医療関連室外における医療関連室の周辺部や、医療関連室内である。距離画像とは、例えば、各画素の値として、距離の値を持った画像である。ここでの距離とは、撮影位置等の予め指定された位置から、対象物までの距離である。ここでの距離は、例えば、撮影方向における奥行きの情報や、距離画像における奥行きの情報と考えてもよい。つまり、距離画像は、各画素について奥行きの情報を有する画像と考えてもよい。なお、撮影位置からの距離を、撮影部等が取り付けられている天井や、床等からの距離に換算した距離も、ここでは、実質的に、撮影位置からの距離と考えてもよい。画像を構成する各画素は、例えば、座標と、距離を示す値とを有している。例えば、距離画像は、通常の二次元画像の色や濃淡の値の代わりに、カメラなどの入力装置からの距離を示す値を有する画像と考えてもよい。距離画像については、例えば、以下の非特許文献1を参照されたい「非特許文献1:"画像処理システム (マシンビジョン)"、[online]、[平成26年2月10日検索]、インターネット<URL:http://www.nippon−control−system.co.jp/system/mv/mv_case.html>」。
動作取得部101は、例えば、動作距離画像内において、距離が変化した領域を検出し、距離画像が示すこの検出した領域の距離の情報と、この領域の距離画像内における位置や、動きや、これらの組み合わせに応じて動作情報を取得する。動作距離画像内における距離が変化した領域とは、例えば、一の動作距離画像内の、対応する時刻が異なる2つのフレーム画像の、距離の値が変化した1または2以上の画素である。変化した領域が、差分を示す1以上の画素と考えてもよい。距離画像が示す距離の情報とは、例えば、この変化した領域内の1以上の画素が示す距離の情報を用いて取得された距離の情報である。例えば、距離画像が示す距離の情報とは、この変化した領域内の2以上の画素が示す距離の情報を用いて、平均等の統計処理を行うことで取得された距離の情報や、変化した領域内の重心となる位置の距離の情報である。距離画像が示す距離の情報は、検出した領域を構成する1または2以上の画素の距離の最大値と最小値との範囲を示す情報であってもよい。動作取得部101が検出する変化した領域は、例えば、距離の値の差が予め指定された範囲内となる隣接した複数の画素で構成される領域である。
例えば、動作取得部101は、入室者の身体、またはその一部(例えば、手)の動きを、動作距離画像において距離が変化した領域として検出する。検出する領域は、例えば、1以上の画素で構成される領域である。例えば、動作取得部101は、検出時のノイズ等を減らすために、予め指定された数以上の連続した画素で構成される領域であって、距離の値の差が予め指定された範囲内となる隣接した複数の画素だけを検出するようにしてもよい。動作取得部101は、検出した領域が、距離画像内の予め指定された領域内に位置しており、かつ距離画像が示す検出した領域(例えば、手に相当する領域)の距離の情報が示す距離が、この予め指定された領域に対して予め指定された距離の範囲に含まれるか否かを判断し、いずれも満たしている場合に、入室者が、その指定された領域について予め指定された動作を行ったと判断し、動作情報を取得する。また、いずれか一つでも満たさない場合には、動作情報を取得しない。なお、距離の情報が示す距離が、範囲を示す値である場合、この範囲が、上記の予め指定された領域に対して予め指定された距離の範囲と重なるか否かを判断するようにしてもよい。
例えば、距離画像内の手袋を入れた容器が位置する領域とその周辺の領域を、予め指定された領域に設定しておくようにするとともに、この容器の動作距離画像の撮影位置等からの距離の範囲を予め設定しておく。例えば、動作距離画像の撮影位置等が、容器の前面のほぼ真上であったとすると、この距離の情報は、容器の高さの範囲を示す情報となる。そして、動作取得部101は、距離が変化した領域(例えば、入室者の手に相当する領域)が、予め指定された領域内に位置すると判断した場合、この距離が変化した領域の距離の情報、例えば、この領域を構成する画素の距離を示す値の平均値を取得し、この平均値が、この容器の距離の範囲内に含まれるか否かを判断し、含まれる場合に、入室者が手袋を取ったことを示す動作情報を取得するようにしてもよい。あるいは、連続して予め指定された回数以上、同じ検出結果が得られた場合に、入室者が手袋を取ったことを示す動作情報を取得するようにしてもよい。
また、動作取得部101は、動作距離画像の複数のフレーム画像を用いて、距離が変化した領域の動きと、その領域内の画素の距離の変化を検出し、検出した動きと距離の変化から、入室者の動作情報を取得しても良い。
なお、動作距離画像は、例えば、3Dモーションキャプチャーカメラや、距離画像センサ等を用いて取得可能である。また、動作距離画像を用いて動作情報を取得する処理等は、例えば、例えば、Kinnect(登録商標)と呼ばれる動作検出システムやその一部等を利用することで実現可能である。
なお、動作距離画像を用いて、入室者の動作情報を取得する処理や構成の詳細については後述する。
(2)近接センサや振動センサ等のセンサを用いた取得
動作取得部101は、例えば、1または2以上の医療関連室内等に配置された図示しない1または2以上のセンサ等を用いて動作情報を取得しても良い。なお、この場合のセンサ等は、動作取得部101の一部と考えてもよいし、動作取得部101との外部に設けられたものと考えてもよい。
例えば、利用関連室内の入室者が予め指定された動作を行う際に、入室者の手等が近接すると考えられる位置に、その位置に対する物体の近接を検知する近接センサ(図示せず)等を設置し、入室者が入室した際において、この近接センサが、物体が近づいたことを検知した場合に、動作取得部101が予め指定された動作が行われたことを示す動作情報を取得するようにしても良い。例えば、この近接センサとしては、物体が近づいたことを検知した場合、検知したことを示す情報を、動作取得部101に送信するものを用いる。そして、動作取得部101は、例えば、近接センサから、検知したことを示す情報等を受け付けた場合に、指定された動作が行われたことを示す動作情報を取得する。
なお、動作取得部101は、動作情報を取得した時刻である取得時刻を更に取得するようにしても良い。この取得時刻は、動作取得部101が、図示しない時計等から取得しても良いし、近接センサ等が物体を検知した際に取得した時刻を、この近接センサから受信しても良い。また、動作取得部101は、動作情報を取得した順序を示す情報を取得してもよい。かかることは、以下の、近接センサを複数備えた場合や、近接センサ以外のセンサを用いた場合や、RFIDタグを用いた場合においても同様である。
また、入室者が異なる複数の動作を行った場合に入室者の手が近接すると考えられる異なる複数の位置についてそれぞれ同様の近接センサ等を配置するとともに、各近接センサに、センサの識別子等を対応づけておくようにし、物体の近接を検知したセンサが、近接を検知したことを示す情報と、近接を検知したセンサの識別子とを動作取得部101に送信するようにしてもよい。この場合、近接を検知したことを示す情報とセンサの識別子とを受信した動作取得部101が、このセンサの識別子に予め対応づけられた動作を示す動作情報を取得することで、動作取得部101は、複数の動作をそれぞれ特定可能な1または2以上の動作情報を取得することが可能である。かかることは、以下の、近接センサ以外のセンサや、RFIDタグを用いる場合においても同様である。
なお、動作取得部101は、各動作情報を取得した時刻である取得時刻を更に取得するようにしても良い。この取得時刻は、動作取得部101が、図示しない時計等から取得しても良いし、近接センサ等が物体を検知した際に取得した時刻を、この近接センサから受信しても良い。また、動作取得部101は、動作情報を取得した順序を示す動作順序を取得してもよい。例えば、動作取得部101は、動作情報を取得するごとに、所定数だけインクリメントした値を、各動作情報が示す動作の動作順序として取得しても良い。かかることは、以下の、近接センサを複数備えた場合や、近接センサ以外のセンサを用いた場合や、RFIDタグを用いた場合においても同様である。
なお、この場合、センサは、近接を検知したことを示す情報として、センサの識別子を送信するようにしてもよい。つまり、センサの識別子と近接を検知したことを示す情報として、一のセンサの識別子を用いるようにしてもよい。また、近接センサの識別子として、近接センサが取り付けられる位置に対応した動作情報を用いるようにしても良い。
例えば、手洗器(図示せず)の蛇口の下に、近接センサ(図示せず)を設け、ユーザが手を洗うために蛇口の下に手を出した場合に、近接センサが物体の近接を検出したことを示す情報として、この近接センサの識別子を、動作取得部101に送信するようにし、この近接センサの識別子を直接あるいは間接的に受信した動作取得部101は、ユーザが手を洗う動作を行ったことを示す動作情報を取得するようにしても良い。
また、上記において、近接センサを設置する代わりに、入室者が予め指定された一の動作を行った場合に触れると考えられる位置に、接触を検知する接触センサや、ユーザが触れた場合の振動を検知する振動センサ等を設置するようにしても良い。このような場合においても、上記と同様に、入室者による接触や、入室者による接触によって発生する振動を接触センサや振動センサで検知することによって、動作取得部101が予め指定された動作情報を取得することが可能である。
例えば、使い捨てのマスクを収容している箱に振動センサ(図示せず)を配置し、マスクを取り出す際の振動をこの振動センサが検知するようにすることによって、動作取得部101がマスクを取り出す動作を示す動作情報を取得することが可能となる。
また、上記において、近接センサを設置する代わりに、入室者が予め指定された一の動作を行った場合に重量が変化すると考えられる容器等に、重量を検知する重量センサ(図示せず)等を設置するようにしても良い。このような場合においても、上記と同様に、入室者が動作を行うことで増加、あるいは減少した重量を、重量センサで検知することによって、動作取得部101が予め指定された動作情報を取得することが可能である。
例えば、使い捨ての手袋を収容している箱等に、重量センサ(図示せず)を配置し、この箱から、手袋を取り出す動作を行ったことによって減少した重量の変化を、重量センサセンサが検知するようにすることによって、動作取得部101が手袋を取り出す動作を示す動作情報を取得することが可能となる。また、重量センサを用いる場合、検出した重量の値や、重量の変化量を、動作取得部101に送信するようにし、動作情報は、受信した重量の値や、重量の変化量に応じた動作情報を取得してもよい。例えば、使い捨ての手袋を収容している箱等に、重量センサ(図示せず)が送信する重量の変化量が、あらかじめ指定された値の範囲内であれば、本来取得すべき枚数の手袋を取り出す動作が行われたことを示す動作情報を取得し、あらかじめ指定された値の範囲を超えた場合、本来取得すべき枚数以上の手袋よりも多い手袋を取り出す動作が行われたことを示す動作情報を取得するようにしてもよい。
また、上記において、近接センサを設置する代わりに、距離センサを用いるようにしてもよい。例えば、距離センサが、予め指定された距離より短い距離に近づいた物体を検出した場合に、予め指定された動作を検出、例えば、衛生保護用具をとるために手を近づけたことを示す動作を検出するようにしてもよい。
(3)RFIDタグを用いた取得
動作取得部101は、例えば、利用関連室内等に配置された図示しない1または2以上のRDIDタグのリーダ/ライタ(図示せず)等と、入室者が保持するRFIDタグ(図示せず)等を用いて入室動作情報を取得しても良い。なお、この場合のRDIDタグのリーダ/ライタやRFIDタグ等は、動作取得部101の一部と考えてもよいし、動作取得部101との外部に設けられたものと考えてもよい。
例えば、入室者やその一部が予め指定された動作を行う際に位置することとなる領域が通信範囲となるよう出力を調整したRFIDタグリーダ/ライタを設けるようにし、このRFIDタグリーダ/ライタが、入室者の保持するRFIDタグを検出した場合に、動作取得部101が予め指定された動作を示す入室動作情報を取得するようにすることで、上述した近接センサを用いた場合と同様に、入室動作情報を取得することができる。なお、RFIDタグを、入室者の手首等に取り付けることで、入室者の動作をより細かく検出することが可能となる。
(4)映像情報を用いた取得
動作取得部101は、例えば、医療関連室に関する入室者の動作を撮影した映像情報を用いて、動作情報を取得するようにしても良い。医療関連室に関する動作とは、医療関連室内や、医療関連室の近傍における動作である。動作取得部101は、例えば、動作を撮影した映像情報から、入室者や、その一部(例えば、手等)をパターンマッチングにより検出し、その検出した部分が、予め指定された位置に位置するか否か等に応じて、動作情報を取得する。また、検出した部分の動きが、予め指定された動作パターンを満たすか否かに応じて、動作情報を取得しても良い。このように、映像情報から、動作情報を取得することは、画像認識技術により、実現可能である。
なお、動作取得部101は、上記の(1)−(4)の処理を適宜組み合わせて、動作情報を取得しても良い。
動作取得部101は、例えば、上記のようにして取得される動作情報のうちの、入室時に取得された動作情報を、上述したように入室動作情報として取得する。例えば、上述したように、動作取得部101は、入室者の入室中における動作情報を順次取得して、取得した動作情報の中から、入室時に取得された動作情報を入室動作情報として取得しても良い。また、例えば、動作取得部101は、入室時に動作情報を順次取得して、取得した動作情報を入室動作情報としてもよい。
なお、入室動作情報を取得する際において入室者の入室時刻の情報が必要な場合等においては、動作取得部101がどのように、入室時刻の情報を取得しても良い。例えば、医療関連室内や、その入り口等に設置した人感センサ(図示せず)や赤外線センサ等が新たな人間を検出した時刻等を、入室時刻として取得しても良い。同様に、医療関連室の入り口に設置したRFIDタグリーダ/ライタ(図示せず)が、入室者が保持するRFIDタグ(図示せず)を検出した時刻等を、入室時刻として取得しても良い。
動作取得部101は、1または2以上の退室動作情報を更に取得してもよい。退室動作情報は入室者の医療関連室からの退室時の動作を示す動作情報である。ここでの退室時とは、退室が行われた期間と考えてもよい。例えば、退室時は、入室者が1または2以上の医療関係室に退室した時刻より前の、退出した時刻の近傍の時間であってもよい。動作取得部101は、退出時をどのように判断しても良い。退室時は、例えば、入室者が退室する時点よりも予め指定された時間だけ前の期間である。また、退室動作情報の取得開始を示す予め指定された情報等を検出してから、入室者が退室した時点までの期間である。あるいは、医療関連室内の、退室時を判断するための予め指定された領域や位置に入室者がいる間や、退室時を判断するための予め指定された動作情報を取得した時点から、予め設定された時間が経過するまでの期間等を、退室時と判断してもよい。
退出動作情報は、例えば、退室時の動作を示す情報である点を除けば、上述した入室動作情報と同様のものであってよい。ただし、動作取得部101が取得する入室動作情報と退室動作情報とは、全て、あるいは少なくとも一部が同じものであってもよく、全てが異なるものであっても良い。
動作取得部101は、例えば、医療関連室からの退室時に取得される動作情報を、退室動作情報として取得する。動作取得部101による動作情報の取得処理は、上記と同様である。例えば、動作取得部101は、入室者の入室中における動作情報を順次取得して、取得した動作情報の中から、退室時に取得された動作情報を入室動作情報として取得しても良い。例えば、動作取得部101は、入室者の入室中における動作情報を、取得時刻と対応づけて取得し、取得した動作情報の中から、退室時時に対応する期間内の取得時刻と対応づけられた動作情報を退室動作情報として取得しても良い。取得時刻と対応づけられた動作情報は、取得時刻を有する動作情報であっても良いし、取得時刻と対応づけられて管理される動作情報であっても良い。また、取得した退室動作情報も、取得時刻と対応づけられたものであっても良い。取得時刻は、日付も含むと考えてよい。
また、例えば、動作取得部101は、退室時に動作情報を順次取得して、取得した動作情報を退室動作情報としてもよい。例えば、動作取得部101は、退室時にのみ、動作情報を順次取得して、この取得した動作情報を退室動作情報としても良い。
動作取得部101が取得する動作情報は、例えば、入室者が退室時に行う必要がある1または2以上の動作や、退室時に行ってはいけない1または2以上の動作や、これらの動作に関連した動作を示す情報を含む情報である。例えば、動作情報は、1または2以上の衛生保護動作や1または2以上の禁止動作を示す情報である。衛生保護動作及び禁止動作については後述する。
なお、上述した入室動作情報を取得するために動作取得部101が取得する動作情報と、退室動作情報を取得するために動作取得部101が取得する動作情報とは、異なる動作情報であってもよいし、同じ動作情報であっても良い。異なる動作情報である場合、入室動作情報を取得するために取得される動作情報(例えば、第一動作情報と称す)は、入室時に行う必要がある動作や、入室時に行ってはいけない動作を示す情報を含む情報とし、退室動作情報を取得するために取得される動作情報(例えば、第二動作情報と称す)は、退室時に行う必要がある動作や、退室時に行ってはいけない動作を示す情報を含む情報とすることが好ましい。また、同じ動作情報とする場合、動作取得部101が取得する動作情報は、入室時に行う必要がある動作や、入室時に行ってはいけない動作を示す情報と、退室時に行う必要がある動作や、退室時に行ってはいけない動作を示す情報を含む情報とを有する情報とすることが好ましい。
なお、退室動作情報を取得する際において入室者の退室時刻の情報が必要な場合等においては、動作取得部101がどのように、退室時刻の情報を取得しても良い。例えば、医療関連室内や、その入り口等に設置した人感センサ(図示せず)や赤外線センサ等が1以上の人間がいなくなったことを検出した時刻等を、退室時刻として取得しても良い。同様に、医療関連室の出口に設置したRFIDタグリーダ/ライタ(図示せず)が、入室者が保持するRFIDタグ(図示せず)を検出した時刻等を、入室時刻として取得しても良い。
動作取得部101は、例えば、退室時の動作の順序を更に示す退室動作情報を取得してもよい。退室時の動作の順序を更に示す退室動作情報については、退室動作情報であるか入室動作情報であるかが異なる点を除けば、上述した入室時の動作の順序を更に示す入室動作情報と同様であるのでここでは、その構成や取得処理等については省略する。
なお、動作取得部101は、例えば、取得時刻と対応づけられた入室動作情報と同様に、退室動作情報の取得時刻と対応づけられた退室動作情報を取得しても良い。この取得時刻は、入室動作情報に対応する取得時刻と同様のものである。例えば、この取得時刻は、上記と同様に、動作情報の取得時刻等から取得可能である。この取得時刻は、退室時の動作の順序を示す情報と考えてよい。
動作取得部101は、さらに、入室者が保持するRFIDタグから、一の医療関連室内に配置されたRFIDタグリーダ・ライタが読み出した入室者の識別子等を取得するようにし、取得した入室者の識別子を、入室動作情報や、退室動作情報に対応づけて図示しない格納部等に蓄積してもよい。これにより、入室者を特定することが可能となり、例えば、入室動作情報や退室動作情報に対応する入室者を特定することができる。
なお、本実施の形態においては、特に、動作取得部101が、1または2以上の撮像部1010と、距離画像取得手段1011と、距離動作取得手段1012とを用いて、医療関連室のおける入室者の動作を撮影した距離画像を用いて、入室動作情報と退室動作情報とを取得する場合を例に挙げて説明する。
撮影手段1010は、医療関連室に関する入室者の動作を示す距離画像を撮影する。例えば、撮影手段1010は、医療関連室内やその近傍の距離画像を撮影する。そして、撮影により得られた距離画像を、距離画像取得手段1011に出力する。例えば、撮影手段1010は、医療関連室内、医療関連室の外側、例えば、医療関連室の外側の入り口付近等の予め指定された領域や位置を撮影することにより、この領域や位置に入った入室者の動作を示す距離画像を撮影する。距離画像は、例えば、各画素の値を距離を示す値として示した画像である。例えば、距離画像は、各画素に対応する距離を、距離対応した色や、濃淡で示した画像である。ただし、距離画像は、複数の画素の座標と、各座標に対応する距離の値とを有する情報であってもよく、必ずしも画像として、モニタ等に表示可能なものでなくてもよい。入室者の動作を撮影することは、入室者の動作を特定可能な動きを撮影することと考えても良く、例えば、入室者の一部、例えば、入室者の手の動作を撮影することと考えてもよい。
撮影手段1010が撮影する距離画像は、通常は複数のフレーム画像で構成される動画である。動画は、時系列に沿って連続している複数の静止画も含む概念である。撮影手段1010が撮影する距離画像は、予め指定された時間間隔ごとに撮影された静止画であってもよい。
撮影手段1010は、例えば、距離画像センサにより実現され得る。距離画像センサは、例えば、赤外線やレーザ光等を用いて複数の位置の距離を非接触で測定するセンサである。距離画像センサについては、公知技術であるので、ここでは詳細な説明は省略する。距離画像センサについては、例えば、以下の非特許文献2を参照されたい。「非特許文献2:"3D距離画像センサ(Infinisoleil)外乱光の影響を受けない新しい3次元形状認識│3D距離画像センサ│"、[online]、[平成26年2月10日検索]、インターネット<URL:http://www.signal.co.jp/vbc/mems/sensor/>」。ただし、撮影手段1010は、距離画像を撮影可能な構成を有していればどのような手段であってもよい。例えば、距離を測定可能なセンサを、例えばアレイ状等の任意の配列形状となるように複数配列したものであってもよい。
撮影手段1010の撮影範囲は、固定であっても良いし、変動可能なものであっても良い。撮影手段1010の撮影範囲は、例えば、入室時に入室者が行う必要がある動作や行ってはいけない動作を撮影可能な範囲であることが好ましい。さらに、撮影手段1010の撮影範囲は、例えば、退室時に入室者が行う必要がある動作や行ってはいけない動作を撮影可能な範囲であることが好ましい。撮影手段1010を複数用いる場合、例えば、1以上の撮影手段1010の撮影範囲は、入室時に入室者が行う必要がある動作や行ってはいけない動作を撮影可能な範囲とし、1以上の撮影手段1010の撮影範囲は、退室時に入室者が行う必要がある動作や行ってはいけない動作を撮影可能な範囲とすることが好ましい。複数の撮影手段1010を用いてる場合、各撮影手段1010が出力する映像に、映像を撮影した撮影手段1010を識別する情報を付与するようにしても良い。
撮影手段1010は、撮影した距離画像の1以上のフレーム画像、例えば各フレーム画像等に、タイムコード等の撮影時刻の情報を付与してもよい。また、撮影した映像に予め用意された撮影手段1010の識別情報や、撮影手段1010が撮影する撮影領域や撮影対象を示す情報を付与するようにしても良い。なお、撮影手段1010は、上述したような図示しない人感センサや、RFIDタグリーダ/ライタ等が、入室者が医療関連室に入室したことを検出した時点から、入室者が医療関連室から退出したことを検出した時点まで、あるいは、予め指定された時間が経過するまでの期間だけ、映像を撮影するようにしても良い。なお、距離動作取得手段1012が、入室動作情報だけを取得する場合、撮影手段1010は、上記で検出された入室者が医療関連室に入室した時点から、予め指定された時間が経過するまでの期間だけ、映像を撮影するようにしても良い。
距離画像取得手段1011は、医療に関連する部屋である医療関連室への入室者の動作を撮影した距離画像である動作距離画像を取得する。例えば、距離画像取得手段1011は、撮影手段1010が撮影して出力した距離画像を受け付けて、受け付けた距離画像を示す情報を動作距離画像として取得する。また、距離画像取得手段1011は、撮影手段1010が撮影して出力した距離画像の情報を受信することにより、この距離画像の情報を動作距離画像として取得する。距離画像取得手段1011は、複数の撮影手段1010がそれぞれ撮影した距離画像を取得しても良い。距離画像取得手段1011が取得する動作距離画像の形式やフォーマット等は、どのようなものであっても良い。また、距離画像取得手段1011は、撮影手段1010が撮影して出力する距離画像の各フレーム画像にタイムコード等の撮影時刻や受付時刻等の情報を付与して動作距離画像を取得してもよい。撮影手段1010が複数設けられている場合、各撮影手段1010が撮影した距離画像からそれぞれ個別に動作距離画像を取得しても良く、各距離画像を合成して一の動作距離画像を取得しても良い。距離画像取得手段1011は、撮影手段1010が撮影した距離画像の入力を受け付けるインターフェース等であってもよい。なお、ここでは、撮影手段1010が、距離画像取得手段1011の外部に設けられている場合について説明したが、距離画像取得手段1011が、1または2以上の撮影手段1010を有していると考えてもよい。
距離動作取得手段1012は、距離画像取得手段1011が取得した動作距離画像を用いて、入室者の動作情報を取得する。例えば、距離動作取得手段1012は、距離画像取得手段1011が取得した動作距離画像を用いて、入室時に行われた動作を示す動作情報を入室動作情報として取得する。また、例えば、距離動作取得手段1012は、距離画像取得手段1011が取得した動作距離画像を用いて、退室時に行われた動作を示す動作情報を退室動作情報として取得する。
距離動作取得手段1012は、例えば、動作距離画像を用いて動作情報を取得する。距離動作取得手段1012は、例えば、動作距離画像において、複数のフレーム間で距離が変化した1以上の画素で構成される1以上の領域を検出し、検出した領域の距離を示す情報と、検出した領域の位置や、検出した領域の動きを示す情報を取得し、検出した領域の距離を示す情報と、位置及び動きの少なくとも一方に応じた動作情報を取得する。検出した領域の距離を示す情報は、例えば、上述したような検出した領域に含まれる1以上の画素の距離を統計処理して得られた値、例えば平均値等の代表値や、距離の範囲を示す値であってもよい。距離動作取得手段1012が検出する一の領域は、検出時のノイズ等を減らすために、予め指定された数以上の連続した画素で構成される領域であって、距離の値の差が予め指定された範囲内となる隣接した複数の画素だけを検出するようにしてもよい。
例えば、距離動作取得手段1012は、以下のようにして、動作距離画像を用いて動作情報を取得する。例えば、距離画像取得手段1011が取得する動作距離画像の画像内に、入室者の動作を検出するための1または2以上の領域や線分や点を指定する座標または座標群を設定しておく。この領域や線分や点は、1または2以上の予め指定された動作が行われた場合に、入室者の手がそれぞれ位置する動作距離画像の画像内の領域や線分や点とする。また、この領域や点には、距離の情報を対応づけておく。領域や線分や点に対応づけておく距離は、一の距離であってもよいし、距離の範囲を示すもの、例えば、距離の最大値と最小値、あるいは一の距離とこの距離からの範囲を示す値との組み合わせであってもよい。この距離は、例えば、距離画像を撮影するための位置等からの距離や、床や、天井からの距離で示される距離である。そして、距離動作取得手段1012は、距離画像取得手段1011が取得した動作距離画像について、距離が変化したことを示す1以上の画素で構成される領域を検出する。検出されたこの領域は、例えば入室者の点を示す領域と考える。そして、検出した領域が、上記の予め指定された領域や線分や点に重なったか否かを判断し、かつ、検出した領域の距離を示す情報が、この領域や線分や点に予め対応づけられた距離の範囲と重なるか否かを判断する。そして、検出した領域が、上記の予め指定された領域や線分や点に重なっており、かつ、検出した領域の距離を示す情報が、この領域や線分や点に対応づけられた距離と重なる場合に、距離動作取得手段1012は、例えば、予め指定された1または2以上の動作が行われたことを示す動作情報を取得する。
例えば、予め指定された動作等を検出するために設定した1または2以上の領域や線分や点に対して、それぞれ、各動作を示す動作識別子を対応づけておくようにし、検出した領域(例えば、手に相当する領域)がこの領域や線分や点に重なった場合であって、その領域の距離を示す値が、領域や、線分や、点に予め設定された距離の範囲に重なる場合に、距離動作取得手段1012は、重なった領域や点に対応づけられた動作識別子を有する動作情報として取得する。また、検出した領域が領域や線分や点に重なるとともに、検出した領域の距離が、領域や線分や点に対応づけられた距離の範囲に重なることとなった時間が予め指定された時間を超えた場合にのみ、動作が行われたことを示す動作情報を取得したり、動作識別子を有する動作情報を取得するようにしてもよい。あるいは、重なった画素数が、予め指定された比率以上である場合等に、重なったと判断するようにしてもよい。
また、距離が変化したことを示す1以上の画素で構成される領域と、その領域の距離を示す値とを検出し、検出した領域の動きを示す情報、例えば動きベクトルや、動き予測ベクトル等を取得し、取得した動きを示す情報が、予め指定されたパターンに合致した場合に、予め指定された動作が行われたことを判断して、動作情報を取得しても良い。例えば、取得した動きを示す情報が、距離画像内の予め指定された領域に向かう方向であった場合に、距離動作取得手段1012は、この予め指定された領域に対応する位置に配置されているものを取得するための動作を示す動作情報を取得するようにしても良い。
また、距離動作取得手段1012は、距離が変化した領域の位置や、距離画像が示すこの領域の距離や、これらの動き等の検出結果の組み合わせに応じた動作情報を取得するようにしても良い。例えば、用具等が配置されている領域上に、入室者の手に相当すると考えられる距離が変化したことを示す領域が重なり、かつ、この領域に設定された予め設定された距離の範囲が、この距離が変化したことを示す領域の画素が示す距離と重なった状態が、予め指定された時間以上続くという動作が、予め指定された時間以上の時間を隔てて2回以上連続した場合、その予め指定された領域が示す位置に配置されていた用具が、一旦、入室者により取り出された後、再度、その位置に戻されたと判断して、用具を戻したことを示す動作情報を取得しても良い。なお、動きのパターンが、予め指定されたパターンに合致するか否かにより、動作を検出する処理は、公知技術であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
なお、距離動作取得手段1012は、領域や点等を指定せずに、動作情報を取得しても良い。例えば、距離画像の距離が変化した領域の、距離や位置や動き等を用いて検出した人間の手の動きや体の動きが、予め指定された動きのパターンに合致した場合に、予め指定された動きが行われたことを示す判断結果を取得したり、この合致した動きに予め対応づけられた動作識別子を取得するようにしてもよい。
また、上記と同様に、距離の変化等から、人間の動きだけでなく、ものの動き、例えば、後述するような手袋等の衛生保護物の動き等を検出して、この動きから、動作情報を取得しても良い。消毒剤のレバーの動きを、このレバーの位置における距離の変化として検出することで、消毒剤の噴出が行われたことを示す動作情報を取得しても良い。
また、本実施の形態においては、どのように動作距離画像から動きを検出して、動作情報を取得しても良い。
なお、距離画像取得手段1011が、例えば、複数の撮影手段1010を用いること等により、複数の動作距離画像を取得する場合、各動作距離画像からは、それぞれ、異なる動作情報を取得するようにしてもよいし、重複する動作情報を取得しても良い。
なお、距離動作取得手段1012は、更に、動作距離画像を用いて、上記で検出した動作情報の取得時刻を取得しても良い。例えば、距離動作取得手段1012は、上記のように、パターンマッチング等により動作を検出した場合に、この動作を検出した動作距離画像の1以上のフレーム画像のうちの開始フレームや終了フレームやその間のフレームに対応づけられたタイムコード等の時刻情報を、動作情報の取得時刻として取得する。
また、距離動作取得手段1012は、動作距離画像を用いて、入室者の入室する時点や、退室する時点を検出しても良い。例えば、動作距離画像を用いて、距離が変化した画素の領域の位置やサイズや距離等から、人間が医療関連室の入り口付近にいることを検出し、更に、検出した領域の移動方向を動き検出等で検出し、移動方向が、医療関連室の入り口から室内に向かう方向であれば、入室時であると判断してもよい。そして、例えば、最初に、入室者を検出したフレーム画像に対応づけられた時刻情報を、入室時刻として取得するようにしても良い。また検出した人間の移動方向が出口に向かう方向である場合や、検出した人間が出口から消えた場合、退室時であると判断してもよい。そして、例えば、入室者が検出できなくなった時点のフレーム画像に対応づけられた時刻情報を、退室時刻として取得するようにしても良い。
距離動作取得手段1012は、上記のようにして、動作距離画像を用いて取得される動作情報を用いて、入室動作情報を取得する。例えば、距離動作取得手段1012は、入室者の少なくとも入室時を含む期間における動作、例えば、入室者の入室中やその前後における動作を撮影した動作距離画像を用いて、入室者の少なくとも入室時を含む期間における動作情報を順次取得して、取得した動作情報の中から、入室時に取得された動作情報を入室動作情報として取得しても良い。例えば、取得時刻が、入室時に対応した期間、例えば、入室時から予め指定された時間が経過するまでの期間内の時刻である動作情報を、入室動作情報として取得する。
また、例えば、距離動作取得手段1012は、入室者の少なくとも入室時を含む期間における動作、例えば、入室者の入室中やその前後における動作を撮影した動作距離画像のうちの、入室時に対応する部分の動作距離画像を用いて、入室者の入室時における動作情報を順次取得して、取得した動作情報を入室動作情報としてもよい。ただし、人感センサ等を用いて、撮影手段1010が入室時に対応した時間内の映像のみを撮影するようにした場合のように、距離画像取得手段1011が、入室時に対応した期間内の動作距離画像のみを取得する場合、距離画像取得手段1011が取得した動作距離画像をそのまま用いればよい。
なお、入室時刻等は、例えば、上述したように動作距離画像から取得しても良いし、上述したように人感センサやRFIDタグ等を用いて取得しても良い。
また、距離動作取得手段1012は、上記のようにして、動作距離画像を用いて取得される動作情報を用いて、退室動作情報を取得してもよい。例えば、距離動作取得手段1012は、入室者の少なくとも退室時を含む期間における動作、例えば、入室者の入室中やその前後における動作を撮影した動作距離画像を用いて、少なくとも退室時を含む期間における動作情報を順次取得して、取得した動作情報の中から、退室時に取得された動作情報を退室動作情報として取得しても良い。例えば、取得時刻が、退室時に対応した期間、例えば、退室時から予め指定された時間だけ遡った期間内の時刻である動作情報を、退室動作情報として取得する。
また、例えば、距離動作取得手段1012は、入室者の少なくとも退室時の期間を含む動作を撮影した動作距離画像のうちの、退室時に対応する部分の動作距離画像を用いて、入室者の退室時における動作情報を順次取得して、取得した動作情報を退室動作情報としてもよい。ただし、人感センサ等を用いて、撮影手段1010が退室時に対応した時間内の映像のみを撮影するようにした場合のように、距離画像取得手段1011が、退室時に対応した期間内の動作距離画像のみを取得する場合、距離画像取得手段1011が取得した動作距離画像をそのまま用いればよい。
なお、退室時刻等は、例えば、上述したように動作距離画像から取得しても良いし、上述したように人感センサやRFIDタグ等を用いて取得しても良い。
なお、入室動作情報を取得するための動作情報を取得する際に利用される距離画像に設定される領域や位置と、動作情報とを対応づけた情報や、距離画像の変化した領域の動きから動作を検出するために用いられるパターンを示す情報等は、退室動作情報を取得する際に用いられるこれらの情報と同じものであってもよく、少なくとも一部が異なるものであってもよい。
なお、撮影手段1010、距離画像取得手段1011、及び距離動作取得手段1012のうちの1以上は、例えば、上述したような、Kinnect(登録商標)と呼ばれる動作検出システムやその一部等を利用することで実現可能である。
入室ルール情報格納部102には、1または2以上の入室ルール情報が格納される。入室ルール情報は、入室時に行われる衛生保護動作に関するルールを示す情報である。入室ルール情報は、例えば、医療関連室と対応づけられて格納される。医療関連室と対応づけて格納されるということは、例えば、医療関連室の識別子と対応づけて格納されることである。かかることは、以下においても同様である。
衛生保護動作とは、入室者の衛生を保護するための動作である。衛生保護動作とは、例えば、院内感染を防止するための動作であってもよい。衛生保護動作とは、例えば、手指等を洗浄する動作や、衛生保護物に対する動作である。衛生保護物とは、入室者の衛生を保つために利用されるものである。衛生保護物とは、例えば、洗浄用用具や、個人防護用具(PPE:personal protective equipment)である。洗浄用用具は、入室者の手指等の洗浄に用いられる用具であり、例えば、消毒液や、石けん、手洗器等である。個人防護用具は、例えば、病原体や病原体に汚染された体液等に対する接触や飛沫による汚染を防ぐ用具である。個人防護用具は、例えば、病原体等の感染経路を遮断するために用いられる用具である。個人防護用具は、例えば、入室者、特に医療従事者が着用や装着する用具である。個人防護用具は、例えば、手袋、マスク、ガウン、キャップ、エプロン、フェイスシールド、ゴーグル等である。
洗浄用用具に対する動作とは、例えば、洗浄用用具を利用して手指を洗浄する動作である。個人防護用具に対する動作とは、例えば、個人用防護用具を取り出したり、触れたり、拾い上げたり、着用したり、破棄したりする動作である。
入室ルール情報は、例えば、医療関連室への入室時に行われる1または2以上の正常な衛生保護動作を示す情報を有する情報である。入室ルール情報は、例えば、院内感染を防止するために、入室時に行う必要がある1または2以上の衛生保護動作を示す情報を有する情報である。衛生保護動作を示す情報は、例えば、衛生保護動作を識別可能な識別子(以下、衛生保護動作識別子と称す)である。衛生保護動作は、例えば、一の動作情報が示す動作に対応する動作である。例えば、入室ルール情報格納部102に、図示しない格納部等に、衛生保護動作と動作情報が示す動作との対応関係を示す情報、例えば、衛生保護動作識別子と、この識別子が示す衛生保護動作に対応する動作を示す動作識別子との組が1または2以上格納されていても良い。また、例えば、衛生保護動作を示す情報は、例えば、衛生保護動作を示す動作情報であってもよい。例えば、衛生保護動作識別子が、一の動作識別子であっても良い。
衛生保護動作識別子は、例えば、各衛生保護動作の動作名や、衛生保護動作に割り当てられたコード等である。衛生保護動作識別子は、例えば、衛生保護動作において用いられる衛生保護物の識別子であってもよい。衛生保護物の識別子は、例えば、個人防護用具や洗浄用用具等の用具名や、個人防護用具や洗浄用用具等に割り当てられたコード等である。また、衛生保護物の識別子は、衛生保護物や洗浄用用具等が配置されている(例えば、格納や設置されている)場所の座標や領域等の位置情報であっても良い。衛生保護物や洗浄用用具等が配置されている場所は、例えば、衛生保護物等が洗浄用用具等が格納や設置されている場所である。
例えば、入室ルール情報は、入室時に手袋を着用するという衛生保護動作を示す「手袋着用」という衛生保護動作識別子と、入室時にマスクを着用するという衛生保護動作を示す「マスク着用」という衛生保護動作識別子とを有する情報である。また、入室ルール情報は、「手袋」という入室時に装着が指定されている衛生保護用具を示す衛生保護動作識別子と、「マスク」という入室時に装着が指定されている衛生保護用具を示す衛生保護動作識別子とを有する情報であってもよい。
なお、例えば、動作取得部101が、予め指定された1または2以上の正常な衛生保護動作を示す入室動作情報しか取得しない場合、入室ルール情報は、動作取得部101が、この衛生保護動作を示す入室動作情報を取得することを示すルールであってもよい。
また、入室ルール情報は、入室時に行われる2以上の正常な衛生保護動作の順序を示す情報である入室順序情報を有する情報であってもよい。正常な衛生保護動作の順序とは、2以上の正常な衛生保護動作を、正常に行うために必要な順序である。正常に行うために必要な順序とは、例えば、院内感染防止を適切に行うために必要な順序である。例えば、入室順序情報は、入室時に行われる2以上の正常な衛生保護動作を示す情報(例えば、衛生保護動作識別子等)と、その衛生保護動作が正常に行われる順序を示す情報を有する情報である。順序を示す情報は、例えば、順序を示す連番等や、コード等である。また、入室順序情報は、例えば、入室時に行われる正常な衛生保護動作を示す情報(例えば、衛生保護動作識別子等)を、動作を行う順序と対応づけて配列した情報等であっても良い。
例えば、入室ルール情報が有する入室順序情報は、入室時に最初に行う手指を消毒するという衛生保護動作を示す「手指消毒」という衛生保護動作識別子と、手指消毒後に行う手袋を着用するという衛生保護動作を示す「手袋着用」という衛生保護動作識別子とを動作を行う順序に沿って配列した情報である。
また、入室順序情報は、例えば、入室時に最初に行う手指を消毒するという衛生保護動作を示す「手指消毒」という衛生保護動作識別子と、その動作の順序を示す情報である「1」という値と、手指消毒後に行う手袋を着用するという衛生保護動作を示す「手袋着用」という衛生保護動作識別子と、その動作の順序を示す情報である「2」という値と、を有する情報である。
なお、入室順序情報は、順序を入れ替え可能な複数の衛生保護動作を示す情報や、1以上が選択的に行われればよい動作を示す複数の衛生保護動作を示す情報を、その一部として有していても良い。また、入室ルール情報には、入室順序情報と、動作が行われる順序が関係ない1以上の衛生保護動作とが混在していてもよい。
また、入室ルール情報は、入室禁止動作情報を有する情報であっても良い。入室禁止動作情報は、入室時の禁止動作を示す情報である。禁止動作とは、禁止されている動作である。禁止動作とは、例えば、医療関連室の床に落ちたもの(例えば、衛生保護用具等)を拾う動作や、床に落ちたものを使用する動作や、一旦、格納場所から取得した手袋等の衛生保護用具を元の場所に戻す動作や、定められた数以上の衛生保護用具を取得すること等である。
入室禁止動作情報は、例えば、医療関連室への入室時に行うことが禁止されている1または2以上の動作を示す情報を有する情報である。例えば、禁止動作情報は、例えば、医療関連室への入室時に行うことが禁止されている1または2以上の動作情報である。
また、入室禁止動作情報は、例えば、医療関連室への入室時に行うことが禁止されている2以上の動作の順序を示す情報であってもよい。例えば、入室禁止動作情報は、禁止されている2以上の動作を示す動作情報を動作を行う順序と対応づけて配列した情報等であっても良い。また、例えば、入室禁止動作情報は、禁止されている2以上の動作を示す動作情報と、動作を行う順序を示す情報とを対応づけ有する情報等であっても良い。
入室ルール情報格納部102は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。なお、かかることは他の格納部についても同様である。
入室判断部103は、入室動作情報が示す入室時の動作が、1または2以上の入室ルール情報が示すルールを満たすか否かを判断する。入室判断部103は、入室動作情報が示す入室時の動作が、1または2以上の入室ルール情報の全てまたはその一部を満たす場合に、ルールを満たすと判断してもよいし、1または2以上の入室ルール情報の所定数以上、例えば、1または2以上を満たす場合に、ルールを満たすと判断してもよい。また、入室判断部103は、入室動作情報が示す入室時の動作が、1または2以上の入室ルール情報を、それぞれ個別に満たすか否かを判断し、個々の入室ルール情報について、ルールを満たすか否かを判断してもよい。
入室判断部103は、例えば、動作取得部101が取得した入室動作情報と、1または2以上の入室ルール情報が有する1または2以上の衛生保護動作を示す情報とが一致するか否かを判断し、この判断結果を用いて、ルールを満たすか否かを判断する。衛生保護動作識別子が、一の動作識別子である場合、入室判断部103は、例えば、入室動作情報である動作識別子と、衛生保護動作識別子とが一致する場合に、入室動作情報と衛生保護動作を示す情報とが一致すると判断する。また、衛生保護動作識別子が、動作識別子と対応づけられている場合、例えば、入室動作情報である動作識別子と、衛生保護動作識別子が対応づけられている動作識別子とが一致する場合に、入室動作情報と衛生保護動作を示す情報とが一致すると判断してもよい。ここでの一致の判断は、通常は完全一致であるが部分一致であっても良い。
入室判断部103は、例えば、入室ルール情報が、入室時に行われる1または2以上の正常な衛生保護動作を示す情報を有する場合等においては、入室動作情報が示す入室時の動作が、入室ルール情報が有する1または2以上の正常な衛生保護動作を示す情報が示す正常な衛生保護動作であるか否かを判断し、正常な衛生保護動作であると判断された場合に、入室動作情報が示す入室時の動作が、この入室ルール情報が示すルールを満たすと判断する。例えば、入室判断部103は、動作取得部101が取得した1または2以上の入室動作情報の中に、一の入室ルール情報が有する1または2以上の衛生保護動作識別子の全てと一致する1または2以上の入室動作情報(例えば、動作識別子)がある場合に、この一の入室ルール情報が示すルールを満たすと判断し、ない場合には、ルールを満たさないと判断する。なお、1または2以上の衛生保護動作識別子の全てと一致する1または2以上の入室動作情報があるか否かを判断する代わりに、1または2以上の衛生保護動作識別子の1以上と一致する1または2以上の入室動作情報があるか否かを判断するようにしてもよい。
また、入室ルール情報が、入室時に行われる2以上の正常な衛生保護動作の順序を示す入室順序情報を有する場合等においては、入室判断部103は、例えば、動作取得部101が取得した入室動作情報が示す動作の順序が、入室ルール情報が有する入室順序情報が示す順序であるか否かを判断し、入室順序情報が示す順序である場合に、入室動作情報が示す入室時の動作が、入室ルール情報が示すルールを満たすと判断し、入室順序情報が示す順序でない場合、ルールを満たさないと判断する。
例えば、入室判断部103は、入室ルール情報が有する入室順序情報から、衛生保護動作を示す情報(例えば、衛生保護動作識別子)と、その動作の順序を示す情報(例えば、順序を示す番号等)とを、順次取得し、取得した入室順序情報に対応するとともに、その動作順序(例えば、動作順序情報が有する順序を示す値が示す順序等)が、入室順序情報から取得した順序を示す情報が示す順序である入室動作情報を順次検出し、全ての入室動作情報が検出できた場合、この入室順序情報が示すルール満たすと考えてもよい。
また、例えば、入室判断部103は、動作取得部101が取得した動作が行われた順序を示す2以上の入室動作情報の中に、一の入室ルール情報が有する入室順序情報が示す2以上の衛生保護動作識別子の全てと一致する入室動作情報(例えば、動作識別子)であって、この入室順序情報が示す順序と動作が行われた順序が同じであることを示す2以上の入室動作情報がある場合に、この一の入室ルール情報が示すルールを満たすと判断し、ない場合には、ルールを満たさないと判断する。
動作の順序は、例えば、例えば、入室ルール情報が、入室時に行われる2以上の正常な衛生保護動作を示す2以上の衛生保護動作識別子と、各衛生保護動作識別子に対応づけられた動作の順序を示す情報とを有する入室順序情報を有するものであり、動作取得部101が取得する動作の順序を示す入室動作情報が、動作の順序を示す動作順序情報とそれぞれ対応づけられた2以上の入室動作情報である場合、衛生保護動作識別子に対応づけられた動作の順序を示す情報が示す順序と、動作順序情報が示す順序とを比較することで判断可能である。
なお、入室順序情報が示す衛生保護動作識別子と一致する入室動作情報の順序が入室順序情報が示す順序と同じであれば、その他の入室動作情報が示す動作が行われた順序は問わないようにしてもよい。例えば、入室順序情報が示す衛生保護動作識別子と一致する入室動作情報の順序が入室順序情報が示す順序と同じであれば、この入室順序情報と一致する入室動作情報が示す動作順序の間の動作順序を示す入室動作情報であって、入室順序情報が示す衛生保護動作識別子と一致しない入室動作情報が存在していても、入室ルール情報が示すルールを満たすと判断するようにしても良い。あるいは、この場合は、ルールを満たさないと判断しても良い。
また、入室ルール情報が入室時に禁止されている動作である禁止動作を示す入室禁止情報を有するものである場合等においては、入室判断部103は、例えば、入室動作情報が示す入室時の動作が、入室禁止動作情報が示す禁止動作であるか否かを判断し、禁止動作である場合に、入室動作情報が示す入室時の動作が、入室ルール情報が示すルールを満たすと判断する。また、禁止動作でない場合、例えば、ルールを満たさないと判断する。例えば、入室禁止情報が、1または2以上の禁止動作を示す動作情報、例えば動作識別子等である場合、入室判断部103は、動作取得部101が取得した1または2以上の入室動作情報の中に、一の入室禁止情報が有する1または2以上の動作情報(例えば、動作識別子)の全てと一致する1または2以上の入室動作情報(例えば、動作識別子)がある場合に、この一の入室ルール情報が示すルールを満たすと判断し、ない場合には、ルールを満たさないと判断する。なお、入室禁止情報が有する1または2以上の動作情報の全てと一致する1または2以上の入室動作情報があるか否かを判断する代わりに、入室禁止情報が有する1または2以上の動作情報の1以上と一致する1または2以上の入室動作情報があるか否かを判断するようにしてもよい。また、入室禁止情報が、2以上の禁止されている動作の順序を示す情報である場合、例えば、上述した入室順序情報と同様の処理を行うことで、入室ルール情報が示すルールを満たすか否かを判断することが可能である。
退室ルール情報格納部104には、退室ルール情報が格納される。退室ルール情報は、退室時に行われる衛生保護動作に関するルールを示す情報である。退室ルール情報は、例えば、医療関連室と対応づけて格納される。退室ルール情報は、退室時に行われる衛生保護動作に関するルールを示す情報である点を除けば、上述した入室ルール情報を同様のものであり、ここでは詳細な説明は省略する。
退室ルール情報は、例えば、医療関連室からの退室時に行われる1または2以上の正常な衛生保護動作を示す情報を有する情報である。
退室ルール情報は、例えば、退室時に行われる2以上の正常な衛生保護動作の順序を示す情報である退室順序情報を有していてもよい。
退室ルール情報は、退室禁止動作情報を有していてもよい。退室禁止動作情報は、退室時の禁止動作を示す情報である点を除けば、入室禁止動作情報と同様のものであり、ここでは詳細な説明は省略する。
退室判断部105は、退室動作情報が示す退室時の動作が、退室ルール情報が示すルールを満たすか否かを判断する。退室判断部105が行う判断の処理等は、入室動作情報の代わりに退室動作情報を用い、入室ルール情報の代わりに退室ルール情報を用いる点を除けば、上述した入室判断部104が行う判断の処理等と同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。
退室判断部105は、例えば、動作取得部101が取得した退室動作情報と、1または2以上の退室ルール情報が有する1または2以上の衛生保護動作を示す情報とが一致するか否かを判断し、この判断結果を用いて、ルールを満たすか否かを判断する。
退室判断部105は、例えば、退室ルール情報が、退室時に行われる1または2以上の正常な衛生保護動作を示す情報を有する場合等においては、退室動作情報が示す退室時の動作が、退室ルール情報が有する1または2以上の正常な衛生保護動作を示す情報が示す正常な衛生保護動作であるか否かを判断し、正常な衛生保護動作であると判断された場合に、退室動作情報が示す退室時の動作が、この退室ルール情報が示すルールを満たすと判断する。
また、退室ルール情報が、退室時に行われる2以上の正常な衛生保護動作の順序を示す退室順序情報を有する場合等においては、退室判断部105は、例えば、動作取得部101が取得した退室動作情報が示す動作の順序が、退室ルール情報が有する退室順序情報が示す順序であるか否かを判断し、退室順序情報が示す順序である場合に、退室動作情報が示す退室時の動作が、退室ルール情報が示すルールを満たすと判断し、退室順序情報が示す順序でない場合、ルールを満たさないと判断する。
また、退室ルール情報が退室時に禁止されている動作である禁止動作を示す退室禁止情報を有するものである場合等においては、退室判断部105は、例えば、退室動作情報が示す退室時の動作が、退室禁止動作情報が示す禁止動作であるか否かを判断し、禁止動作である場合に、退室動作情報が示す退室時の動作が、退室ルール情報が示すルールを満たすと判断する。
出力部106は、入室判断部103の判断結果に応じた情報を出力する。例えば、出力部106は、入室判断部103が、ルールを満たすと判断した場合に、ルールを満たす場合に出力するための情報を出力する。また、例えば、ルールを満たさないと判断した場合、ルールを満たさない場合に出力するための情報を出力する。
ルールを満たす場合に出力するための情報は、例えば、ルールを満たすことを示す情報である。ルールを満たすことを示す情報は、例えば、ルールを満たすことを示す文字列やコード等である。また、ルールを満たすことを示す情報は、例えば、ルールを満たすことを示す音の出力や、光の点灯等であってもよい。ここでの音は、例えば、音声を含むと考える。ルールを満たすことを示す情報は、入室判断部103が判断に用いた入室ルール情報の識別子、例えば、入室ルール情報に割り当てられたコード等であってもよい。
また、ルールを満たす場合に出力するための情報は、例えば、入室判断部103が判断に用いた1または2以上の入室ルール情報に予め対応づけられた情報であって、この入室ルール情報を満たす場合に出力するための情報であってもよい。例えば、入室ルール情報が正常な衛生保護動作を示す情報を有するものである場合、出力判断部106は、入室判断部103が、ルールを満たすと判断した場合に、入室時に正常な衛生保護動作が行われたことを示す情報、例えば、正常な衛生保護動作が行われたことを示す音や光、文字列、画像、コード等を出力してもよい。また、入室ルール情報が入室禁止動作情報を有するものである場合、出力判断部106は、入室判断部103が、ルールを満たすと判断した場合に、入室時に正常な衛生保護動作が行われなかったことを示す情報、例えば、警告音や、警告灯の点灯、文字列、画像、コード等の情報を出力してもよい。あるいは、出力判断部106は、正常な衛生保護動作を行うことを指示する情報、例えば、音声や、文字列等を出力してもよい。
また、例えば、出力部106は、入室判断部103がルールを満たさないと判断した場合に、ルールを満たさない場合に出力するための情報を出力する。
ルールを満たさない場合に出力するための情報は、例えば、ルールを満たさないことを示す情報である。ルールを満たさないことを示す情報は、例えば、ルールを満たさないことを示す文字列やコードの出力や、音の出力や、光の点灯等であってもよい。ルールを満たさないことを示す情報は、入室判断部103が判断に用いた入室ルール情報の識別子、例えば、入室ルール情報に割り当てられたコード等であってもよい。
また、ルールを満たさない場合に出力するための情報は、例えば、入室判断部103が判断に用いた1または2以上の入室ルール情報に予め対応づけられた情報であって、この入室ルール情報を満たさない場合に出力するための情報であってもよい。例えば、入室ルール情報が正常な衛生保護動作を示す情報を有するものである場合、出力判断部106は、入室判断部103が、ルールを満たさないと判断した場合に、正常な衛生保護動作が行われなかったことを示す情報、例えば、音や光、文字列、画像、コード等をを出力してもよい。また、入室ルール情報が入室禁止動作情報を有するものである場合、出力判断部106は、入室判断部103が、ルールを満たすと判断した場合に、正常な衛生保護動作が行われたことを示す情報、例えば、警告音や、警告灯の点灯、文字列、画像、コード等の情報を出力してもよい。あるいは、出力判断部106は、正常な衛生保護動作を行うことを指示する情報、例えば、音声や、文字列等を出力してもよい。
また、出力部106は、入室判断部103が複数の入室ルール情報について行った判断結果に応じた情報を出力してもよい。
また、出力部106は、入室判断部103が、ルールを満たすと判断した場合にのみ、ルールを満たす場合に出力するための情報を出力してもよい。また、出力部106は、入室判断部103が、ルールと満たさないと判断した場合にのみ、ルールを満たさない場合に出力するための情報を出力してもよい。
また、出力部106は、入室判断部103の判断結果と、判断に用いられれた入室ルール情報が、入室禁止動作情報を含むか否かとの組み合わせに応じた情報を出力するようにしてもよい。例えば、出力部106は、入室ルール情報が入室禁止動作情報を含まない場合、入室判断部103がこのルールを満たすと判断した場合に、正常に入室時の衛生保護動作が行われたことを示す情報を出力し、ルールを満たさないと判断した場合には、正常に入室時の衛生保護動作が行われなかったことを示す情報、例えば警告等を出力するようにしてもよい。また、入室ルール情報が入室禁止動作情報を含む場合、入室判断部103がこのルールを満たすと判断した場合に、正常に入室時の衛生保護動作が行われなかったことを示す情報、例えば警告等を出力し、ルールを満たさないと判断した場合には、正常に入室時の衛生保護動作が行われたことを示す情報を出力するようにしてもよい。また、これらの場合、正常に入室時の衛生保護動作が行われたことを示す情報は出力しないようにしてもよい。
また、出力部106は、退室判断部105の判断結果に応じた情報を更に出力してもよい。退室判断部105の判断結果を示す情報を出力する処理は、判断結果を得るために用いられる情報として、入室動作情報の代わりに退室動作情報が用いられ、入室ルール情報の代わりに退室ルール情報が用いられる点等や、退室時に正常な衛生保護動作が行われた、あるいは行われなかったことを示す情報を出力すること等を除けば、上述した入室判断部103の判断結果を示す情報を出力する処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。
また、出力部106は、退室判断部105が複数の退室ルール情報について行った判断結果に応じた情報を出力してもよい。
また、出力部106は、入室判断部103の判断結果に応じた情報や、退室判断部105の判断結果に応じた情報として、これらの判断処理に用いられた入室動作情報や、退室動作情報と対応づけられた入室者の識別子を含む情報を出力してもよい。また、判断が行われた時刻や、判断に用いられた入室動作情報や退室動作情報の取得時刻等を出力してもよい。
また、入室ルール情報に対応づけられた入室ルール情報を満たす場合に出力するための情報や、入室ルール情報を満たさない場合に出力される情報は、例えば、入室ルール情報格納部102に、対応する入室ルール情報と対応づけて入室ルール情報格納部102に蓄積しておくようにすればよい。かかることは、退室ルール情報に対応づけられた情報についても同様である。
また、出力部106は、上述した入室判断部103の判断結果と、判断に用いられれた入室ルール情報が、入室禁止動作情報を含むか否かとの組み合わせに応じた出力と同様に、退室判断部105の判断結果と、判断に用いられれた退室ルール情報が、退室禁止動作情報を含むか否かとの組み合わせに応じた情報を出力するようにしてもよい。
なお、出力部106は、例えば、入室判断部103の判断結果が、正常な衛生保護動作が行われたことを示すものである場合、上述したような正常な衛生保護動作が行われたことを示す情報を出力するようにしてもよい。また、出力部106は、例えば、入室判断部103の判断結果が、正常な衛生保護動作が行われなかったことを示すものである場合、上述したような正常な衛生保護動作が行われなかったことを示す情報を出力するようにしてもよい。
正常な衛生保護動作が行われたことを示す判断結果とは、例えば、1または2以上の正常な衛生保護動作を示す情報を有する入室ルール情報が示すルールを満たすことを示す判断結果や、入室禁止動作情報を有する入室ルール情報が示すルールを満たさなかったことを示す判断結果である。また、正常な衛生保護動作が行われなかったことを示す判断結果とは、例えば、1または2以上の正常な衛生保護動作を示す情報を有する入室ルール情報が示すルールを満たさないことを示す判断結果や、入室禁止動作情報を有する入室ルール情報が示すルールを満たすことを示す判断結果である。かかることは、退室判断部105の判断結果に応じた出力についても同様である。
なお、入室判断部103の判断結果や、退室判断部105の判断結果に応じた情報を出力するということは、例えば、判断結果に応じて出力を行わないことも含む概念である。
また、入室判断部103の判断結果や、退室判断部105の判断結果に応じた情報を出力するということは、例えば、判断結果に応じた情報を集計することと等も含む概念である。
なお、出力部106は、動作取得部101が取得した動作情報を出力するようにしてもよい。例えば、動作取得部101が取得した動作情報を、図示しない格納部等に蓄積して集計するようにしてもよい。
ここでの、出力は、例えば、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタへの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
出力部106は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部106は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
次に、院内感染防止支援装置1の動作の一例について図2のフローチャートを用いて説明する。ここでは、動作取得部101が、撮影手段1010と、距離画像取得手段1011と距離動作取得手段1012とを備えている場合を例に挙げて説明する。
(ステップS101)撮影手段1010は、医療関連室の距離画像の撮影を開始する。
(ステップS102)距離画像取得手段1011は、撮影手段1010が撮影した距離画像の情報である動作距離画像を順次取得する。
(ステップS103)距離動作取得手段1012は、距離画像取得手段1011が取得した動作距離画像に対して、パターンマッチング等を用いて動作情報を取得する処理を行う。ここでは、取得時刻を有する動作情報を取得する処理を行う。
(ステップS104)距離動作取得手段1012は、ステップS103で1以上の動作情報を取得できたか否かを判断する。取得できた場合、取得した動作情報を図示しない格納部に蓄積してステップS105に進み、取得できていない場合、ステップS102に戻る。
(ステップS105)距離動作取得手段1012は、ステップS104で蓄積した動作情報の中に、医療関連室からの入室者の入室を示す動作情報があるか否かの判断を行う。ある場合、ステップS106に進み、ない場合、ステップS102に戻る。なお、既に入室を示す動作情報があることが判断済である場合、再度の判断処理は行わずに、入室を示す動作情報があると判断してもよい。
(ステップS106)距離動作取得手段1012は、入室時を示す期間内の動作距離画像について、動作情報を取得する処理を終了したか否かを判断する。例えば、ステップS105で検出した入室を示す動作情報の取得時刻に対して予め指定あれた時間を加算した時刻までの動作距離画像について、動作情報を取得する処理を終了したか否かを判断する。終了した場合、ステップS107に進み、取得していない場合、ステップS102に戻る。
(ステップS107)距離動作取得手段1012は、ステップS105で検出した入室を示す動作情報の取得時刻と、この取得時刻に対して予め指定された時間を加算した時刻との間の取得時刻と対応づけられた動作情報を、入室動作情報として、ステップS104で蓄積した動作情報から読み出す。
(ステップS108)入室判断部103は、入室ルール情報格納部102に格納されている1または2以上の入室ルール情報をメモリ等に読み出す。
(ステップS109)入室判断部103は、ステップS107で取得した入室動作情報が、ステップS108で読み出した入室ルール情報が示すルールを満たすか否かを判断する。ステップS108で読み出した入室ルール情報が複数ある場合、例えば、全ての入室ルール情報が示すルールを満たすか否かを順次判断してもよいし、予め指定された順番で入室ルール情報が示すルールを満たすか否かを順次判断し、ルールを満たすものが検出された状況等に応じて、判断処理を中断するようにしてもよい。
(ステップS110)出力部106は、入室判断部103の判断結果に応じた出力を行う。なお、判断結果によっては、出力を行わないことも、ここでは、判断結果に応じた出力を行うことと考えてもよい。
(ステップS111)距離画像取得手段1011は、ステップS102と同様に動作距離画像を順次取得する。
(ステップS112)距離動作取得手段1012は、ステップS103と同様に動作情報を取得する。
(ステップS113)距離動作取得手段1012は、ステップS104と同様に動作情報が取得できたか否かを判断し、できた場合、取得した動作情報を図示しない格納部に蓄積し、ステップS113に進み、できなかった場合、ステップS111に戻る。
(ステップS114)距離動作取得手段1012は、ステップS113で蓄積した動作情報の中に、医療関連室からの入室者の退室を示す動作情報があるか否かの判断を行う。ある場合、ステップS115に進み、ない場合、ステップS111に戻る。なお、既に退室を示す動作情報があることが判断済である場合、再度の判断処理は行わずに、退室を示す動作情報があると判断してもよい。
(ステップS115)距離動作取得手段1012は、ステップS114で検出した退室を示す動作情報の取得時刻と、この取得時刻に対して予め指定された時間を減算した時刻との間の取得時刻と対応づけられた動作情報を、退室動作情報として、ステップS113で蓄積した動作情報から読み出す。
(ステップS116)退室判断部105は、退室ルール情報格納部104に格納されている1または2以上の退室ルール情報をメモリ等に読み出す。
(ステップS117)退室判断部105は、ステップS109と同様に、ステップS115で取得した退室動作情報が、ステップS116で読み出した退室ルール情報が示すルールを満たすか否かを判断する。
(ステップS118)出力部106は、ステップS110と同様に、退室判断部105の判断結果に応じた出力を行う。そして、ステップS102に戻る。なお、ステップS102に戻る際には、退室を示す動作情報の取得時刻よりも前の時刻と対応づけられた動作距離画像や、動作情報等は削除してもよい。あるいは、これらの情報は、再度ステップS102以降の処理を行う際には、用いないようにしてもよい。
なお、図1のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
以下、本実施の形態における院内感染防止支援装置1の具体的な動作について一例を挙げて説明する。ここでは、距離画像を用いて動作情報を取得する動作の具体例について説明する。
図3は、本実施の形態の具体例を説明するための院内感染防止支援装置1と、この院内感染防止支援装置1が設置された医療関連室、例えば、一の病院内の一の病室を示す模式図である。ここでは、撮影手段1010は、距離画像センサであり、院内感染防止支援装置1と無線接続されているものとする。病室内の出入口30付近の壁面には、個人防護用具のディスペンサ(供給器)が設けられている。壁面に設けられた個人防護用具のディスペンサは、ここでは、消毒液ディスペンサ31、ガウンディスペンサ32、Mサイズ手袋ディスペンサ33、Lサイズ手袋ディスペンサ34、マスクディスペンサ35である。また、床にはダストボックス36が設置されている。撮影手段1010は、例えば、病室内の天井に取り付けられており、出入口30と、その付近の個人防護用具のディスペンサを撮影しているものとする。
図4は、撮影手段1010が撮影する距離画像の一例を示す図である。なお、本具体例において示す距離画像は、説明の便宜上の模式図であり、各画素に対応する距離の値を、濃淡に変換して示した距離画像であるとする。かかることは、以下の図6に示す距離画像についても同様である。
撮影手段1010が撮影する映像に対して、図4に示すように複数の領域が予め設定されている。領域41は、出入口30を示す領域である。領域42は、映像内の消毒液ディスペンサ31が設置されている領域を示す。領域43は、映像内のガウンディスペンサ32が設置されている領域を示す。領域44は、Mサイズ手袋ディスペンサ33、及びLサイズ手袋ディスペンサ34が設置されている領域である。領域45は、マスクディスペンサ35が設置されている領域を示す。また、領域46は、ダストボックス36が設置されている領域を示す。また、領域47は、床を示している。
図5は、撮影手段1010が撮影する映像に対して設定される上記の領域41〜領域47を管理する領域管理情報である。領域管理情報は、例えば、院内感染防止支援装置1の図示しない格納部等に格納されているものとする。領域管理情報は、「領域ID」と、「領域情報」と、「距離」いう属性を有している。「領域ID」は、領域を管理するための領域の識別子である。「領域情報」は、映像に設定される領域の輪郭を指定する情報であり、ここでは、例えば、輪郭の複数の角部の座標であるとする。なお、「領域情報」のx11、x21等の値や、y11、y21等の値は、任意の値であるとする。「距離」は、領域に対応づけられた距離の範囲を示す値であり、距離の範囲の下限値と上限値とを示している。ここでの距離は、距離画像センサである撮影手段1010の撮影位置に対する距離であるとする。なお、この領域管理情報で管理される領域は、距離画像取得手段1011が取得する動作距離画像の各フレーム画像内の領域として、動作情報を取得する際等に用いられる。
撮影手段1010が撮影した映像の情報は、院内感染防止支援装置1の図示しない受信部等に、無線通信により送信され、距離画像取得手段1011は、この受信部が受信した映像を用いて、順次、動作距離画像を取得する。取得される動作距離画像は、図5と同様の病室内の範囲を撮影した動画像である。また、この動作距離画像は、各フレーム画像を撮影した時刻を示す時刻情報が、各フレーム画像に付与されているものとする。ここでは、例えば、時刻情報は、撮影手段1010が撮影時の時刻を付与するものとするが、距離画像取得手段1011が映像の情報の受信時に付与してもよい。
図6(a)−図6(e)は、距離画像取得手段1011が取得した動作距離画像のフレーム画像を説明するための図である。
距離動作取得手段1012は、距離画像取得手段1011が順次取得する動作距離画像を用いて、順次、動作情報を取得する処理を行う。
ここで、例えば、医師Aが病室に出入口30を通って入室したとする。この場合、動作距離画像の医師Aが入室した時刻に対応するフレーム画像の出入口30を示す領域41には、図6(a)に示すように、直前のフレーム画像の領域41には存在していなかった医師Aを示す距離を示す複数の画素が出現することとなる。
例えば、距離動作取得手段1012は、領域41に対して、予め、距離が変化した画素を検出する処理を行っており、図6(a)に示すように、領域41の画素が変化した場合、画像が変化したことを検出する。そして、変化した画素の連続した領域を検出する。
同様に、距離動作取得手段1012は、次以降の1以上のフレーム画像についても、領域41に対して、同様に、距離が変化した画素を検出して、変化した画素の連続した領域を検出する。そして、距離動作取得手段1012は、検出した領域に含まれる画素が示す距離の値の変化等から、検出した領域の移動方向を検出する。そして、検出した領域の移動方向が、病室向かう方向であるため、距離動作取得手段1012は、入室者が入室すると判断する。
そして、距離動作取得手段1012は、入室者の入室を示す動作情報である「入室」という動作識別子を取得する。そして、図6(a)に示す医師Aの画像が現れたフレーム画像に対応づけられた時刻情報を、この動作情報の取得時刻として取得する。取得した取得時刻は、時刻「11:25:32.05」であったとする。この取得時刻が、例えば、入室者の入室時刻として用いられる。なお、時刻は、ここでは、「時:分:秒:フレーム」というフォーマットであるとする。そして、距離動作取得手段1012は、取得した動作情報と、取得時刻とを対応づけて図示しない格納部に蓄積する。
また、この病室においては、入室時のルールとして、例えば、入室時に、院内感染を防止するために、手指を消毒液で消毒し、その後、手袋を着用し、マスクを着用し、ガウンを着用することが規則化されているものとする。
入室した医師Aが、上記のルールに従って、入室直後の予め指定された時間内、例えば、一分いないに、消毒液ディスペンサ31のボタン等を手で押して、消毒液を手に出して、手指を消毒し、Lサイズ手袋ディスペンサ34から手袋を出して手にはめ、マスクディスペンサ35からマスクを取り出して装着し、更に、ガウンディスペンサ32からガウンを出して着用したとする。
距離画像取得手段1011は、これらの動作を撮影した動作距離画像を取得する。
距離動作取得手段1012は、距離画像取得手段1011が取得した動作距離画像の連続したフレーム画像を、対応づけられた時刻の情報が古いものから順番に比較して、差分となる画素を検出する。そして、検出した差分となる画素について、連続して隣接した画素であって、対応する距離の差が、予め指定された値の範囲内である画素を順次検出して、検出した画素で構成される領域を検出する。検出した領域は、例えば、入室者の手に対応する領域と考える。そして、検出した領域が、上記の領域42から領域47の領域に位置しているか否かを判断する。そして、いずれかの領域に位置していると判断した場合、更に、その領域に対応する「距離」の値を、図5に示した領域管理情報から取得し、取得した距離の範囲内に、上記で差分から取得した領域に含まれる画素の距離の値が含まれるか否かを判断する。具体的には、上記で検出した領域に含まれる画素の距離の値として、ここでは、領域に含まれる複数の画素に対応する距離の平均値を用いるものとする。そして、この平均値が、上記で図5に示した領域管理情報から取得した距離の範囲内に含まれると判断した場合、差分によって検出した領域が、同じ領域内の、同じ距離の範囲内に、予め指定された時間、例えば予め指定されたフレーム数以上、位置しているか否かを判断し、位置していた場合、その領域の「領域ID」の属性値を、図5に示した領域管理情報から取得する。そして、取得した属性値に対応した動作識別子を、図示しない格納部から取得する。位置していない場合には、動作識別子は取得しない。
例えば、対応づけられた時刻の情報が古いものから順番に読み出したフレーム画像に、例えば、図6(b)に示すような、医師Aが消毒液ディスペンサ31に対して手を伸ばす画像を含むフレーム画像があったとすると、図6(b)に示すように、距離動作取得手段1012は、医師Aの手を示す画素の領域を、フレーム画像の差分から検出する。そして、図5に示した領域管理情報から、検出した手の領域61が、「領域ID」が「1042」である領域42に位置していると判断したとする。また、距離動作取得手段1012は、この手を示す画素の領域に含まれる全ての画素の距離の情報を、距離画像のフレーム画像から取得し、その平均値を算出する。そして、その平均値が、図5に示した領域管理情報「領域ID」が「1042」であるレコード(行)から取得した「距離」の値が示す範囲、即ち、h11からh12までの範囲であると判断したとする。なお、手の領域61の予め指定された比率以上の面積や、手の領域61の中心点等が、領域42に位置する場合に、手の領域61が、領域42に位置している判断してもよい。かかることは、距離に関しても同様である。また、その後の予め指定された時間以上の時間が経過するまでのフレーム画像においても、同様に、検出した手の領域61が、同じ領域42に位置し、その領域61の距離も、h11からh12までの範囲であったとすると、距離動作取得手段1012は、この領域42の「領域ID」である「1042」を取得し、この「領域ID」の値に対応した動作識別子を動作情報として取得する。例えば、図示しない格納部等に、「領域ID」が「1042」である領域に手が予め指定された時間以上、あるいは予め指定された回数以上連続して位置しているという動作のパターンと、「手指消毒」という動作識別子とが対応づけて格納されていたとすると、距離動作取得手段1012は、この格納部から、「手指消毒」という動作識別子を動作情報として取得する。ここでは動作識別子は、例えば、動作を表す名称であるとする。そして、この動作を検出した最初のフレーム画像の時刻情報を、この動作情報の取得時刻として取得して、動作情報と対応づけて図示しない格納部に蓄積する。取得時刻は、例えば、時刻「11:25:35.01」であったとする。
また、同様に、距離動作取得手段1012は、距離画像取得手段1011が取得した動作距離画像に含まれる図6(c)に示すような、Lサイズ手袋ディスペンサ34に対して手を伸ばす画像を含むフレーム画像や、図6(d)に示すように、マスクディスペンサ35に手を伸ばす画像を含むフレーム画像や、図6(e)に示すようにガウンディスペンサ32に手を伸ばす画像を含むフレーム画像から、距離が変化した画素で構成される領域等を検出することによって、上記と同様に、「手袋装着」、「マスク装着」、「ガウン着用」等の動作情報と、取得時刻とを取得し、これらを、図示しない格納部に蓄積する。
図7は、距離動作取得手段1012が取得した動作情報を管理する動作情報管理表である。動作情報管理表は、「動作情報」と「取得時刻」という属性を有している。「動作情報」は、動作情報であり、ここでは動作識別子である。「取得時刻」は、動作情報の取得時刻である。
距離動作取得手段1012は、図7に示した動作情報管理表から、「動作情報」が「入室」であるレコード(行)の「取得時刻」の値「11:25:32.05」を読出し、この値に予め指定された値、ここでは例えば1分を加算した時刻「11:26:32.05」を取得し、距離動作取得手段1012が、この時刻に達するまでの時刻情報と対応づけられたフレーム画像について、動作情報を取得する処理を終えているか否かを判断する。
例えば、ここでは、終えていた場合、距離動作取得手段1012は、図7に示した動作情報管理表から、「取得時刻」の値が、上記の「動作情報」が「入室」であるレコード(行)の「取得時刻」の値「11:25:32.05」と、上記で算出した値「11:26:32.05」との間の時刻であるレコードを検出し、検出したレコードの「動作情報」の値を取得し、取得した「動作情報」に対して、対応する「取得時刻」の値が小さいものから順に、初期値を「1」として、値を1ずつインクリメントした動作順序情報を付与することにより、順序を示す入室動作情報を取得する。距離動作取得手段1012は、取得した入室動作情報を、図示しない格納部に蓄積する。なお、ここでは、一例として、「入室」という動作情報は取得しないものとする。
図8は、距離動作取得手段1012が取得した入室動作情報を管理する入室動作情報管理表である。入室動作情報管理表は、「動作情報」、「動作順序」という属性を有している。「動作情報」は、動作情報であり、ここでは動作識別子である。「動作順序」は動作順序情報であり、ここでは、値が小さいものほど動作の順序が早いことを示す。この入室動作情報管理表の各レコードの値が、ここでは入室動作情報である。
図9は、入室ルール情報格納部102に格納されている入室ルール情報を管理する入室ルール情報管理表である。入室ルール情報管理表は、「入室ルールID」と、「入室ルール」と、「一致出力」と、「不一致出力」という属性を有している。「入室ルールID」は、入室ルール情報の識別子である。「入室ルール」は入室ルール情報である。なお、ここでは一例として自然言語を用いて入室ルール情報を示しているが、入室ルール情報は、例えば、これらの自然言語に相当する一以上の関数や、メソッド名や、「if」、「then」等で示される制御構文等で構成されていてもよい。また、入室ルール情報は、これらの自然言語に対応する判断処理等を行うためのアルゴリズムであっても良い。かかることは、退室ルール情報についても同様である。「一致出力」は、ルールを満たす場合に出力部106から出力する情報を指定する情報であり、「不一致出力」は、ルールを満たさない場合に出力部106から出力する情報を指定する情報である。それぞれ、「なし」は、出力を行わないことを示す。また、文字列の属性値は、その文字列をモニタに表示したり、音声として出力することを示す。また、「正常音」は、正常であることを示す音である正常音を出力することを示し、「警告音」は、警告音を出力することを示す。
入室判断部103は、図9に示した入室ルール情報をメモリ等に読出し、図8に示した入室動作情報管理表が示す入室動作情報が、各入室ルール情報を満たすか否かを判断する。
まず、入室判断部103は、「入室ルールID」が「01」である入室ルール情報を満たすか否かを判断する。「入室ルールID」が「01」である入室ルール情報は、複数の衛生動作情報識別子を配列したものであり、このように複数の衛生動作情報識別子が配列された入室ルール情報は、この配列された順序で「衛生保護動作識別子」が示す衛生保護動作が行われることを示すルールであると判断する。なお、ここでは、各衛生保護動作識別子は、距離動作取得手段1012が取得する動作識別子のうちのいずれか一つの動作識別子と一致しているものとする。
このため、入室判断部103は、まず、「入室ルール」の1番目の衛生保護動作識別子である「手指消毒」を取得し、図8に示した入室動作情報管理表において、「動作情報」の値が「手指消毒」に一致するレコードを検出し、検出したレコードの「動作順序」の値を取得し、取得した値が、「1」であるか否かを判断する。ここでは、「1」であるため、条件を満たすと判断する。
次に、「入室ルール」の2番目の衛生保護動作識別子である「手袋装着」を取得し、図8に示した入室動作情報管理表において、「動作情報」の値が「手袋装着」に一致するレコードを検出し、検出したレコードの「動作順序」の値を取得し、取得した値が、「2」であるか否かを判断する。ここでは、「2」であるため、条件を満たすと判断する。同様の処理を、3番目と4番目の衛生保護動作識別子について行う。
ここでは、全て条件を満たすと判断されたとすると、入室判断部103は、「入室ルールID」が「01」である入室ルール情報が示すルールを満たすと判断する。なお、一つでも条件を満たさない場合には、条件を満たさないと判断してもよい。
ここではルールを満たすと判断したため、同じレコードの「一致出力」の属性値である「正常音」を取得する。
なお、ここでは、入室ルール情報が示す衛生保護動作識別子の順序と、各衛生保護動作識別子に対応する入室動作情報の順序を示す動作順序情報の値とが一致するか否かを判断するようにしたが、入室ルール情報が示す衛生保護動作に対応する(例えば、衛生保護動作識別子に一致する)入室動作情報が全てあるか否かを判断し、全てある場合に、対応する入室動作情報が示す動作の順序(ここでは、例えば入室動作情報に対応する動作順序情報が示す順序)が、対応する衛生保護動作の順序と全て一致する場合に、入室ルール情報が示すルールを満たすと判断するようにしてもよい。このようにすることで、例えば、一連の入室動作情報に、入室ルール情報に含まれない動作を示す入室動作情報が挿入されていても、この入室動作情報を除いた入室動作情報が、入室ルール情報が示す衛生保護動作に対応しており、なおかつその順序で行われていれば、ルールを満たすと判断することが可能となる。なお、かかることは、後述する退室ルール情報に関しても同様である。
また、「入室ルールID」が「02」である入室ルール情報を満たすか否かを判断する。「入室ルールID」が「02」である入室ルール情報は、入室禁止動作情報を有する禁止動作情報であり、具体的には、一の入室禁止動作情報で構成されている。ここでは、入室禁止動作情報は、距離動作取得手段1012が取得する動作識別子のうちのいずれか一つと一致しているものとする。入室判断部103は、入室ルール情報に一の入室禁止動作情報である動作識別子しか格納されていないため、この入室禁止動作情報である「落下手袋着用」が順序に関係なく行われることを示すルールであると判断する。
このため、入室判断部103は、まず、「入室ルール」の入室禁止動作である動作識別子「落下手袋着用」を取得し、図8に示した入室動作情報管理表において、「動作情報」の値が「落下手袋着用」に一致するレコードを検出する処理を行う。ここでは、一致するレコードが検出できないため、入室判断部103は、「入室ルールID」が「02」である入室ルール情報が示すルールを満たさないと判断する。このため、入室判断部103は、同じレコードの「不一致出力」の属性値である「なし」を取得する。
また、「入室ルールID」が「03」である入室ルール情報を満たすか否かを判断する。「入室ルールID」が「03」の入室ルール情報も、「入室ルールID」が「02」の入室ルール情報と同様の一の入室禁止動作情報で構成される入室ルール情報であるため、入室判断部103は、入室動作情報管理表において、「入室ルール」の「用具戻し」と一致するレコードを検出する処理を行う。ここでは、一致するレコードが検出できないため、入室判断部103は、「入室ルールID」が「03」である入室ルール情報が示すルールを満たさないと判断して、そのレコードの「不一致出力」の属性値である「なし」を取得する。
出力部106は、入室判断部103が、「なし」以外の出力を指示する情報として「正常音」だけを取得しているため、図示しないスピーカ等から、正常音を出力する。これにより、医師Aは、例えば、入室時の動作が適切に行われたことを確認することができる。
ここで、例えば、医師Aが誤って、入室時の動作として、例えば、手袋を着用した後、手指を消毒した場合、図8に示した入室動作情報管理表における「動作情報」が「手指消毒」であるレコードの「動作順序」の値が「2」となり、「動作情報」が「手袋着用」であるレコードの「動作順序」の値が「1」となるため、上述した「入室ルールID」が「01」である入室ルール情報を満たさなくなるため、出力部106からは警告音が出力されることとなる。
また、例えば、医師Aが手袋を取った際に、手袋を床に落とし、その手袋を破棄せずに、装着した場合、距離動作取得手段1012は、落とした手袋を着用したことを示す「落下手袋着用」という動作情報を取得する。例えば、距離動作取得手段1012は、動作距離画像の床に相当する領域47に新たに現れた画素を検出した場合、距離画像内で画素の位置及び高さをトラッキングし、予め指定された時間内に、ダストボックス36に相当する位置及び高さに移動しなかった場合、「落下手袋着用」という動作情報を取得する。そして、この動作情報が、入室動作情報に加えられることとなる。
この場合、図8に示した入室動作情報管理表に「動作情報」が「落下手袋着用」であるレコードが存在することとなり、上述した「入室ルールID」が「02」である入室ルール情報を満たすこととなるため、出力部106からは、例えば、「落下した手袋は破棄してください」という音声が出力されることとなる。
また、距離画像取得手段1011は、入室時動作情報を取得した以降も、動作距離画像を取得し、距離動作取得手段1012は、取得した動作距離画像から、動作情報を取得し続ける。
そして、例えば、医師Aが病室から退室するために、撮影手段1010が撮影している領域において、手袋と、マスクと、ガウンとをそれぞれダストボックス36に捨て、消毒液ディスペンサ31から取得した消毒液で手指を消毒して退室したとする。
距離動作取得手段1012は、例えば、手袋、マスク、及びガウンを捨てるために、医師Aが、ダストボックス36にのばした際の手を動作距離画像から画素の変化として検出し、検出した手の領域に相当する1以上の画素の位置(ここでは、例えば、動作距離画像内の座標)と距離とが、ダストボックス36に対応する領域46に対応する位置及び距離の範囲に、予め指定された時間以上位置した場合に、「用具破棄」という動作情報と、取得時刻とを取得し、図7に示した動作情報管理表に追記していく。例えば、ここでは3つの個人保護用具を捨てるため、「用具破棄」という動作情報が3回取得されることとなるため、3つのレコードが動作情報管理表に追記される。
また、入室時と同様に、その後に「手指消毒」という動作情報が取得される。
そして、入室時とは逆に、動作距離画像において、出入口30に対応する領域41に検出された距離が変化する画素で構成される領域の移動方向が、医療関連室から退出する方向である場合、この領域が領域41から消えた時点で、距離動作取得手段1012は、入室者が退室したことを示す「退室」という動作情報と、その取得時刻、ここでは人間の画像が、領域41から消えた場合のフレーム画像に対応づけられた時刻情報とを取得して、動作情報管理表に蓄積する。取得時刻は、「11:31:22.30」であったとする。この取得時刻は、退室時刻として用いられる。
図10は、退室した時点の動作情報管理表を示す図である。
距離動作取得手段1012は、「退室」という動作情報を取得したため、この動作情報と対応づけられた取得時刻「11:31:22.30」から予め指定された時間、ここでは、例えば1分を減算した時刻「11:30:22.30」を取得し、図10に示した動作情報管理表において、「取得時刻」の値が、この2つの時刻内の時刻であるレコードを検出する。そして、検出したレコードの「動作情報」の値を取得し、取得した「動作情報」に対して、対応する「取得時刻」の値が小さいものから順に、初期値を「1」として、値を1ずつインクリメントした動作順序情報を付与することにより、順序を示す退室動作情報を取得する。距離動作取得手段1012は、取得した退室動作情報を、図示しない格納部に蓄積する。なお、ここでは、一例として、「退室」という動作情報は取得しないものとする。
図11は、距離動作取得手段1012が取得した退室動作情報を管理する退室動作情報管理表である。退室動作情報管理表は、上述した入室動作情報管理表と同様の、「動作情報」、「動作順序」という属性を有している。
図12は、退室ルール情報格納部104に格納されている退室ルール情報を管理する退室ルール情報管理表である。退室ルール情報管理表は、「退室ルールID」と、「退室ルール」と、「一致出力」と、「不一致出力」という属性を有している。「退室ルールID」は、退室ルール情報の識別子である。「退室ルール」は退室ルール情報である。「一致出力」と、「不一致出力」については、上述した入室ルール情報格納部102と同様である。
退室判断部105は、図12に示した退室ルール情報をメモリ等に読出し、図11に示した退室動作情報管理表が示す退室動作情報が、各退室ルール情報を満たすか否かを判断する。
まず、退室判断部105は、「退室ルールID」が「01」である退室ルール情報を満たすか否かを判断する。「退室ルールID」が「01」である退室ルール情報は、「入室ルールID」が「01」である入室ルール情報と同様に、複数の衛生動作情報識別子を配列したものであり、このように複数の衛生動作情報識別子が配列された退室ルール情報は、この配列された順序で「衛生保護動作識別子」が示す衛生保護動作が行われることを示すルールであると判断する。。
このため、退室判断部105は、まず、「退室ルール」の1番目の衛生保護動作識別子である「破棄」を取得し、図11に示した退室動作情報管理表において、「動作情報」の値が「破棄」に一致するレコードを検出し、検出したレコードの「動作順序」の値を取得し、取得した値が、「1」であるか否かを判断する。ここでは、「動作情報」の値が「破棄」に一致するレコードは複数検出されるが、検出されたレコードの中に、「動作順序」の値が「1」であるものが存在するため、条件を満たすと判断する。
また、同様に、2番目の衛生保護動作識別子である「破棄」と、3番目の衛生保護動作識別子である「破棄」についても、「動作情報」の値が「破棄」に一致するレコードの中に、「動作順序」の値が「2」であるものと、「3」であるものが存在するため、条件を満たすと判断する。
また、「退室ルール」の4番目の衛生保護動作識別子である「手指消毒」を取得し、図11に示した退室動作情報管理表において、「動作情報」の値が「手指消毒」に一致するレコードを検出し、検出したレコードの「動作順序」の値を取得し、取得した値が、「4」であるか否かを判断する。一致するレコードの「動作順序」の値が「1」であるため、条件を満たすと判断する。
ここでは、全て条件を満たすと判断されたため、退室判断部105は、「退室ルールID」が「01」である退室ルール情報が示すルールを満たすと判断する。なお、一つでも条件を満たさない場合には、条件を満たさないと判断してもよい。
ここではルールを満たすと判断したため、同じレコードの「一致出力」の属性値である「正常音」を取得する。
また、「退室ルールID」が「02」である退室ルール情報を満たすか否かを判断する。この退室ルール情報は、一の退室禁止動作情報で構成されている。このため、一の入室禁止動作情報で構成される入室ルール情報の場合と同様に、退室判断部105は、「退室ルール」の退室禁止動作情報である「用具戻し」を取得し、退室禁止動作情報で構成される図11に示した退室動作情報管理表において、「動作情報」の値が「用具戻し」に一致するレコードを検出する処理を行う。ここでは、一致するレコードが検出できないため、退室判断部105は、「退室ルールID」が「02」である退室ルール情報が示すルールを満たさないと判断する。このため、退室判断部105は、同じレコードの「不一致出力」の属性値である「なし」を取得する。
出力部106は、退室判断部105が、「なし」以外の出力を指示する情報として「正常音」だけを取得しているため、図示しないスピーカ等から、正常音を出力する。これにより、医師Aは、例えば、退室時の動作が適切に行われたことを確認することができる。
ここで、例えば、医師Aが誤って、退室前の動作として、手袋を捨てた後、手指を消毒し、その後、ガウンや、マスクを破棄した場合、図11に示した退室動作情報管理表における「動作情報」が「手指消毒」であるレコードの「動作順序」の値が「2」となるため、上述した「退室ルールID」が「01」である退室ルール情報を満たさなくなるため、出力部106からは警告音が出力されることとなる。
また、例えば、医師Aが手袋をダストボックス36に捨てずに、手袋ディスペンサ34に戻した場合、距離動作取得手段1012は、用具を戻したことを示す「用具戻し」という動作情報を取得する。例えば、距離動作取得手段1012は、動作距離画像において、一旦、領域43に対応する領域及び距離が示す範囲内に、距離が変化した領域、即ち、手に相当する領域が移動したと判断された後に、予め指定された時間以上経過した後、再度、領域43に対応する領域及び距離が示す範囲内に、距離が変化した領域が移動したと判断された場合に、「用具戻し」という動作情報を取得する。そして、この動作情報が、退室動作情報に加えられることとなる。
この場合、図11に示した退室動作情報管理表に「動作情報」が「用具戻し」であるレコードが存在することとなり、上述した「退室ルールID」が「02」である退室ルール情報を満たすこととなるため、出力部106からは、例えば、「用具を戻さないで下さい」という音声が出力されることとなる。
なお、ここでは、入室ルール情報や退室ルール情報が示すルールを満たすか否かの判断結果に応じて、音声等を出力するようにしたが、例えば、出力部106は、判断結果が、衛生保護動作が適切に行われたなかったことを示すものである場合、衛生保護動作が適切に行われたなかったことを示す情報を、図示しない格納部等に蓄積したり、予め指定されたサーバ装置(図示せず)等に送信するようにしてもよい。
なお、サーバ装置等に送信する場合、出力部106は、図示しない格納部等に予め格納されている入室動作情報や退室動作情報を取得した医療関連室の識別子を、判断結果に応じた出力とともに送信することが好ましい。また、図示しないRFIDタグリーダ/ライタ等を用いて取得した入室者の識別子等を、出力部106が判断結果に応じた出力とともに送信することが好ましい。
以上、本実施の形態によれば、入室時の衛生保護動作が適切に行われたか否かを出力することができるため、院内感染の防止を適切に支援することができる。
また、本実施の形態によれば、退室時の衛生保護動作が適切に行われたか否かを出力することができるため、院内感染の防止を適切に支援することができる。
なお、上記実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりする情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していない場合であっても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
また、上記実施の形態では、院内感染防止支援装置がスタンドアロンである場合について説明したが、院内感染防止支援装置は、スタンドアロンの装置であってもよく、サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置であってもよい。後者の場合には、出力部や受付部は、通信回線を介して入力を受け付けたり、画面を出力したりすることになる。
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、格納部(例えば、ハードディスクやメモリ等の記録媒体)にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。
なお、上記各実施の形態における院内感染防止支援装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、医療に関連する部屋である医療関連室への入室時に行われる入室者の衛生を保護するための動作である衛生保護動作に関するルールを示す情報である入室ルール情報が格納される入室ルール情報格納部にアクセス可能なコンピュータを、医療関連室に入室した入室者の動作を示す動作情報であって、入室者の入室時における動作を示す動作情報である入室動作情報を取得する動作取得部と、入室動作情報が示す入室時の動作が、入室ルール情報が示すルールを満たすか否かを判断する入室判断部と、入室判断部の判断結果に応じた情報を出力する出力部として機能させるためのプログラムである。
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
図13は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による院内感染防止支援装置を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
図13において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
図14は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図14において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による院内感染防止支援装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921に記憶されて、CD−ROMドライブ905に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による院内感染防止支援装置の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。