JP6888866B1 - 歯の寿命診断支援サーバ及び歯の寿命診断支援システム - Google Patents
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Abstract
Description
一方で、「歯の年齢」と実年齢を取り込んだ統計的データのデータベースを作成し、受診者の歯の年齢、実年齢、および統計的データに基づいて、治療の評価のための情報を生成している。
また、各歯の状態についての入力について、診断者が、28本の各歯について、点数を入力していく方式であり、点数を誤入力するおそれがある。そして医療の現場では時間が無い場面が多く、簡便性でないと実用出来ない状況でありその点を考えても困難と思われる。
本発明は上記した従来技術の問題を解決するためになされたもので、その目的は、簡易に、かつ、より客観的に歯の状態を知ることができる歯の寿命診断支援サーバ及び歯の寿命診断支援システムを提供することにある。
利用者の情報端末との間で、通信回線を介して情報の送受信を可能とする、歯の寿命診断支援サーバであって、
前記情報端末に対して、入力画面を表示する、入力画面生成手段と、
前記情報端末に対して、評価画面を表示する、評価画面生成手段と、を有し、
前記入力画面には、
複数段階に区分された悪化レベルに対応する受診者の歯の本数を入力する本数入力欄、が含まれ、
前記評価画面には、
前記本数入力欄に入力された本数に基づいて予め定められた計算式により算出される歯の寿命進行レベルを表示する寿命進行レベル表示欄、
前記受診者の歯の寿命進行レベルに基づいて求められる歯の年齢を表示する、歯の年齢表示欄が含まれ、
前記歯の年齢は、厚生労働省の「歯科疾患実態調査」の統計データから求めた、年齢と歯の寿命進行レベルの平均値との関係が予め記憶されており、前記年齢と寿命進行レベルの平均値の関係に、前記受診者の歯の寿命進行レベルを当てはめて算出されることを特徴とする。
歯の悪化レベルには、歯茎の状態は評価に入れていないが、たとえば、喪失歯の数を評価の基準に入れておけばよい。歯が抜ける理由は、歯周病、虫歯、破折で90%以上を占めている。そして、歯周病は歯が抜ける原因の約40%を占めているので、歯周病での歯の影響も当然評価に反映される結果となる。
「歯科疾患実態調査」は、全都道府県での調査で、平成28年度の調査では、対象者は4,253人であった。一度きりの調査ではなく5年に一度の調査なので、最新のデータに反映出来る効果がある。
前記評価画面には、さらに、前記歯の年齢と実年齢との差を表示する、年齢差表示欄が含まれることが好ましい。
このようにすれば、受診者の歯の悪化状態の進行が、平均に対してどの程度進んでいるのか、遅れているのかが、数値データとして明確になり、受診者に対して強く意識づけることができる。
前記歯の寿命進行レベルを算出する計算式は、前記各悪化レベルに対応する本数に、前記各悪化レベルに対応して設定される基準点数を掛けて積を算出し、さらに各積の値を足し合わせ、基礎点を加えて前記歯の寿命進行レベルを算出する計算式とすることが好適である。
このようにすれば、歯の悪化状態が、数値的に明確になる。
基礎点については、無くてもよい。また、評価画面に、積を表示する表示欄を有する計算式を表示し、算出の過程を明確にしてもよい。
前記評価画面には、さらに、歯の年齢の理想目標と、実年齢との年齢差を表示する年齢差表示欄が含まれ、前記歯の年齢の理想目標は、80歳で20本以上の歯を達成するように理想的に推移する、年齢と歯の寿命進行レベルの理想目標の関係が予め記憶されており、前記理想的に推移する年齢と歯の寿命進行レベルの関係に、前記受診者の歯の寿命進行
レベルを当てはめて算出される年齢であることが好適である。
このように、理想的な歯の寿命進行レベルを出しておけば、平均的な悪化状態に対する受診者自身の位置だけでなく、理想目標に対する位置を知ることができる。
8020を目指すとしても、80歳にならないと分からない問題であったが、何歳であっても、歯の寿命進行レベルの数値を目標にすれば良いかが分かる。
前記統計データから求めた年齢と歯の寿命進行レベルの平均値の関係は、第1の近似式によって近似され、前記歯の年齢は、前記第1の近似式に受診者の歯の寿命進行レベルを当てはめることによって算出されることが好ましい。
特に、前記歯の寿命進行レベルの平均値のデータは、年齢階級別の平均値のデータであり、前記第1の近似式は年齢階級の間の特定の年齢の平均値の近似式であることが好適である。
厚生労働省の「歯科疾患実態調査」のデータは、5歳ごとのデータのほかに、1歳ごとの統計データも存在するが、1歳ごとのデータをそのまま使うと、ばらつきがあり、1歳前よりも歯の抜けた本数が少なくなる場合がある。それを歯の診断に当てはめると正しい評価とならないので、近似式を利用することが好ましい。
・請求項7
前記年齢と歯の寿命進行レベルの理想目標の関係は、第2の近似式によって近似され、前記歯の年齢の理想目標は、前記第2の近似式に受診者の歯の寿命進行レベルを当てはめることによって算出されることが好適である。
前記評価画面には、さらに、前記年齢と歯の寿命進行レベルの関係を示すグラフが含まれ、
前記グラフには、前記第1の近似式に対応する第1の近似曲線と、前記受診者の実年齢での歯の寿命進行レベルの座標位置を示すマークとが含まれることが好適である。
・請求項9
前記グラフには、さらに、前記第2の近似式に対応する第2の近似曲線が含まれる。
理想的な歯の寿命進行レベルをグラフ化しておけば、理想目標に対する受診者自身の位置を、直観的に知ることができる。
前記グラフには、さらに、前記統計データの歯の寿命進行レベルの平均値のデータに基づいて、前記平均値より悪いデータと年齢との関係を示す曲線が含まれることが好適である。
・請求項11
前記平均値より悪いデータは、前記平均値より10歳悪いデータと20歳悪いデータとすることができる。
つまり受診者自身が、平均よりも良いか、悪いかが、直感的に分かり、またその後の歯
の状態の推移のイメージが一目瞭然となる。
前記評価画面には、さらに、年齢別の歯の寿命進行レベルの平均値を表形式の早見表として表示する、早見表表示欄が含まれることが好適である。
・請求項13
前記早見表には、さらに、年齢別の歯の寿命進行レベルの理想目標が含まれることが好ましい。
グラフでは、全体の傾向が直観的に判断できるが、細かい数値が見えにくい。このように、早見表があれば、数値によって、範囲を特定できる。
前記評価画面には、さらに、受診者の実年齢より年数を経た年齢についての、歯の寿命進行レベルの平均値の増加点数を表示する増加点数表示欄と、前記増加点数に対して、所定比率減じた点数を表示する表示欄と、が含まれる構成とすることができる。
たとえば、10年後の歯の寿命進行レベルの増加点数を25%、50%、75%減じた増加点数を表示することで、受診者と歯科医師とで、任意の共通目標値を決めることができる。
前記歯の悪化状態に応じて予め定めた基準点数は、歯の悪化状態が悪いほど、高い点数とする。
・請求項16
前記歯の悪化レベルは、たとえば、健全歯、詰め物の有る歯、かぶせ物のある歯、喪失歯の4つのステージに区分される。
・請求項17
前記喪失歯にインプラントが施術された場合は、マイナスの点数としてもよい。
インプラントは、喪失歯の代替として利用されるので、健康状態が改善されるので、マイナス点数とすることにより、健康度合いと相関を持たせることができる。
また、前記評価画面には、さらに、歯の全体について、年齢により悪化していく過程を描いた年齢による歯の状態の説明図が含まれていることが好ましい。
数字やグラフだけでは、イメージが出来ない場合もあるため、歯の悪化状態の模式図が、画像として表示されれば、より、歯の悪化状態を、より直観的に知ることができる。
前記入力画面の本数入力欄は、悪化レベルに対応する少なくとも喪失歯の本数が入力される本数入力欄を備え、前記評価画面には、さらに、受診者の喪失歯の本数を表示する、喪失歯の本数表示欄、前記受診者の喪失歯の本数と、喪失歯の本数の平均値との差を表示する、喪失歯の本数の平均値との差表示欄、が含まれ、
前記喪失歯の本数の平均値は、厚生労働省の「歯科疾患実態調査」の統計データから求めた、年齢と喪失歯の本数の平均値との関係が予め記憶されており、前記年齢と喪失歯の
本数の平均値の関係に、受診者の実年齢を当てはめて求められることが好適である。
このように、喪失歯の本数によっても、受診者自身の歯の状態をチェックすることができる。
この場合、歯の評価情報は、受診者の喪失歯の本数と、受診者の年齢に対応する喪失歯の本数の平均値と、受診者の喪失歯の本数と喪失歯の本数の平均値との差である。
前記評価画面には、さらに、前記受診者の喪失歯の本数と、喪失歯の本数の理想目標との差を表示する、喪失歯の理想目標との差表示欄が含まれ、
前記喪失歯の本数の理想目標は、80歳で20本以上の歯を達成するように理想的に推移する、年齢と喪失歯の本数の理想目標の関係が予め記憶されており、前記理想的に推移する年齢と喪失歯の本数の関係に、前記受診者の実年齢を当てはめて算出される、ことが好ましい。
このように、理想的な喪失歯の本数を出しておけば、平均的な悪化状態に対する受診者自身の位置だけでなく、理想目標に対する位置を知ることができる。
前記統計データから求められた年齢と喪失歯の本数の平均値との関係は、第3の近似式によって近似され、前記受診者の実年齢に対応する前記喪失歯の本数の平均値は、前記第3の近似式に受診者の実年齢を当てはめることによって算出されることが好適である。
厚生労働省の「歯科疾患実態調査」のデータは、1歳ごとのデータをそのまま使うと、ばらつきがあり、1歳前よりも歯の抜けた本数が少なくなる場合がある。それを歯の評価に当てはめると正しい評価とならないので、近似式を利用することが好ましい。
前記年齢と喪失歯の本数の理想目標との関係は、第4の近似式によって近似され、前記受診者の実年齢に対応する前記喪失歯の本数の理想目標は、第4の近似式に受診者の実年齢を当てはめることによって算出されることが好適である。
前記評価画面には、さらに、年齢と喪失歯の本数の平均値との関係を示すグラフを表示する、グラフ表示欄、が含まれ、
前記グラフには、前記第3の近似式に対応する第3の近似曲線と、前記受診者の実年齢での喪失歯の本数の座標位置を示すマークと、が含まれることが好ましい。
年齢と喪失歯の平均値のグラフ上に、受診者の実年齢と喪失歯を表示するようにすれば、歯の悪化状態を直観的に知ることができる。
前記グラフは、さらに、前記第4の近似式に対応する第4の近似曲線が含まれることが好ましい。
前記評価画面には、さらに、年齢別の喪失歯の平均値を表形式の早見表として表示する、早見表表示欄が含まれることが好適である。
・請求項26
前記早見表は、さらに、年齢別の喪失歯の理想目標が含まれる。
グラフでは、全体の傾向が直観的に判断できるが、細かい数値が見えにくい。このように、早見表があれば、数値によって、範囲をおおまかに特定できる。
喪失歯の本数の平均値は、第3の近似式に、年齢を当てはめて算出され、理想目標は第4の近似式に、年齢を当てはめて算出される。
また、前記評価画面に、さらに、受診者のかぶせ物の歯の本数を表示する、かぶせ物の本数表示欄、および、前記受診者のかぶせ物の歯の本数と、かぶせ物の歯の本数の平均値との差を表示する、かぶせ物の歯の平均値との差分表示欄、が含まれ、
前記かぶせ物の歯の本数の平均値は、厚生労働省の「歯科疾患実態調査」の統計データから求めた、年齢とかぶせ物の歯の本数の平均値との関係が予め記憶されており、前記年齢とかぶせ物の歯の本数の平均値の関係に、受診者の実年齢を当てはめて求められる構成とすることができる。
歯の寿命進行レベルは高いが、歯の抜けた数が少ないケースも考えられる。すなわち、歯は抜けてないが、詰め物やかぶせ物が多い状況である。特に、抜歯の一歩手前のかぶせ物が多い人は、今後10年での抜歯の危険度が通常より高くなる。それを踏まえて、歯科疾患実態調査での年齢別の平均的なかぶせ物の数と対比して、10年以内の抜歯危険度を判定する。たとえば、平均よりも2本以上多い場合には特に注意が必要である。また、平均と同じ本数だとしても抜歯にならないわけではなく、年齢増加に伴った平均的な抜歯本数になる可能性はある。
前記統計データから求められた年齢とかぶせ物の歯の本数の平均値との関係は、第5の近似式によって近似され、
前記受診者の実年齢に対応する前記かぶせ物の歯の本数の平均値は、前記第5の近似式に受診者の実年齢を当てはめることによって算出されることが好ましい。
厚生労働省の「歯科疾患実態調査」のデータは、1歳ごとのデータをそのまま使うとばらつきがあり、1歳前よりもかぶせ物の本数が少なくなる場合がある。それを歯の評価に当てはめると正しい評価とならないので、近似式を利用することが好ましい。
前記評価画面に、さらに、前記年齢と前記かぶせ物の歯の本数の平均値との関係を示すグラフが表示される、グラフ表示欄が含まれ、
前記グラフには、前記第5の近似式に対応する第5の近似曲線と、前記受診者の実年齢でのかぶせ物の歯の本数の座標位置を示すマークと、が含まれることが好適である。
年齢とかぶせ物の歯の平均値のグラフ上に、受診者の実年齢とかぶせ物の歯の本数の位置をマークすることにより、歯の悪化状態を直観的に知ることができる。
前記評価画面に、さらに、一つの歯が、健全歯から、詰め物の治療をし、さらに悪化してかぶせ物をし、最後は抜歯に至る過程を示す、歯の寿命ステージの画像情報が含まれることが好適である。
また、本発明の歯の寿命診断支援システムは、
歯の寿命を評価する歯の寿命診断支援システムであって、
上記発明に係る歯の寿命診断支援サーバと、この歯の寿命診断支援サーバと通信ネットワークを介して接続される情報処理端末と、を備えた構成となっている。
治療だけでなく、歯の状態を客観的に知ることで自分の健康増進の意識が芽生える。8020(80歳で自身の歯が20本)を目指すとしても、80歳にならないと分からない
問題であったが、本発明によれば、何歳であっても歯の寿命進行レベルの数値を目標にすれば良いかが分かる。
また歯の本数が多いと医療費全体の削減につながる統計データが各種あるため、国の財政負担が減る。また歯だけでなく受診者の体の健康にもつながる。
まず、本発明の基本的な考え方について説明する。
厚生労働省において、5年ごとに、「歯科疾患実態調査」が発表されている。この歯科疾患実態調査においては、以下の統計が出ている。
5歳刻みの年齢による、以下の平均数
・健全歯の数
・詰め物の数
・クラウン(FMC)の数
・抜けた歯の数(欠損)
・未処置歯(軽度Ci・重度Ch)
・根面板
表1は、実年齢が50歳の受診者A,B、Cについて、歯科疾患実態調査の日本人の平均値と、各受診者のデータを並べたものである。表中、かぶせ物は、クラウンの数に対応する。表1において、受診者A、受診者B、受診者Cのデータを、平均値と比べても、一見して、どの人の歯が、一番状況が悪いのかが分からない。
歯の寿命進行レベルの用語は、個々の歯ではなく、すべての歯が喪失した場合を寿命が尽きたものとし、その寿命の進行度合いの意味で使用している。
たとえば、個々の歯の状態を、次の4段階に区分し、それぞれに点数(基準点数)を付与する。
・健康な歯 0点
・詰め物 1点
・かぶせ物 2点
・抜けた歯 3.5点
以下の実施形態は本発明の好ましい構成を例示的に示すものにすぎず、本発明の範囲はそれらの構成に限定されない。また、以下の説明における、システムのハードウェア構成、ソフトウエアの構成等は、特に特定的な記載がないかぎりは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の実施形態に記載されている入力画面、評価画面の評価情報、それらの相対配置構成などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
図1は本発明の歯の寿命診断支援システムの概要示している。
本発明の歯の寿命診断支援システムは、利用者の情報端末である歯科診療所、歯科の病院等に設けられた歯科医療機関端末10との間で、インターネットなどの通信回線(通信
ネットワーク)40を介して接続され、情報の送受診が可能な歯の寿命診断支援サーバ2
00(以下、単に診断支援サーバと称す)を有している。また、同じく利用者である受診者の情報処理端末である受診者端末20からもインターネット等の通信回線40を介してアクセス可能となっており、自身のデータを閲覧することができる。また、診断支援サーバ200を管理する管理者用の管理者端末120も通信回線40を介して、診断支援サーバ200にアクセス可能となっている。
まず、入力画面について説明する。
図2は、入力画面生成部によって生成される入力画面230の一例である。
入力画面230は、歯科医療機関端末10から診断支援サーバ200にログインすることによって、診断支援サーバ200から配信される。
特に図示していないが、診断支援サーバ200は、この歯の診断支援システムに参加する歯科医院等の歯科医療機関のデータベースを持っており、歯科医院の識別番号を照合し、ログインを許可する。ログインすると、たとえば、ホームページが表示され、ホームページには、入力ボタンが設けられ、入力ボタンをクリックすると、入力画面が表示される。受診者が、以前診断を受けている場合には、履歴情報を閲覧することもできる。
入力画面230には、受診者の氏名を入力する氏名入力欄231、年齢を入力する年齢入力欄232、受診日を入力する受診日入力欄233、および複数段階に区分された悪化レベルに対応する歯の本数を入力する4つの本数入力欄234a、234b、234c、234d、歯の画像入力欄235a、235b、235c、235d、235e、および入力ボタン236が設けられている。
図3は、1本の歯の寿命ステージを模式的に示している。
この図3には、健康な歯から、虫歯になり、治療をして、最後は抜歯に至る過程が、模式的に表現されている。ステージ(stage)1は健康な歯、ステージ2は小さい詰め物の治療、ステージ3は部分的なかぶせ物の治療、ステージ4は神経を失って大きなかぶせ物の治療、ステージ5は抜歯に至る。
本発明では、ステージ2とステージ3は、広義の意味で詰め物ととらえ、悪化状態を、健康な歯(ステージ1)、詰め物をした歯(ステージ2・3)、大きなかぶせ物をした歯(ステージ4)、抜歯の、4つのレベルに分けている。
以下の説明では、ステージ1の健康な歯を「健全歯」、ステージ2・3の状態を、「詰め物」、ステージ4を「かぶせ物」、抜歯は「喪失歯」と表記する。
来院時の虫歯については、詰め物の治療をする場合は詰め物、かぶせ物の治療をする場合にはかぶせ物、抜歯をする場合には喪失歯とするものとし、治療後の状態で入力される。
なお、前提として、このシステムの対象者は、15歳以上とし、また、親知らずは対象とせず、28本の歯を対象とする。
さらに、画像入力欄235a〜235eに、前面、上下左右の歯列の画像情報を入力し、入力ボタン236を押すと、入力情報と共に、評価画面の要求信号が、診断支援サーバ200に送信される。
歯列の画像情報は、予めカメラで撮影し、歯科医療機関端末に取り込んでおき、画像情報を取り込む。
この評価画面302には、次の評価情報が表示される表示欄が設けられる。
・歯の寿命進行レベルが表示される歯の寿命進行レベル表示欄318
・受診者の歯の年齢が表示される歯の年齢表示欄321、
・歯の年齢平均値と実年齢との差が表示される平均値との年齢差表示欄322、
・歯の年齢と理想目標との差が表示される理想目標との年齢差表示欄323、
・歯の寿命進行レベルと年齢との関係を示すグラフG1
・歯の寿命進行レベルの平均値と理想目標の年齢ごとの早見表T11
歯の寿命進行レベルとは、歯の寿命がどれぐらい進行しているかを誰でもわかりやすく数値化したものである。本発明の歯の寿命診断支援システムは、「歯の寿命進行レベル」を算出し、厚生労働省の「歯科疾患実態調査」による日本人の平均と比較することで、「歯の年齢」を出している。また、国が推進している80歳で20本以上の歯を残す(8020運動)という「理想目標」とも比較できるようになっている。
歯の寿命進行レベルは、次の数式(10)に当てはめて算出される。
歯の寿命進行レベル(y)=健全歯の本数×0+詰め物の本数×1点+被せものの本数×2点+喪失歯×3.5点+2点・・・・(10)
すなわち、各悪化レベルに対応する健全歯、詰め物、かぶせ物、喪失歯について、予め基準点数が定められている。基準点数は、健全歯は0点、詰め物は1点、かぶせ物は2点、喪失歯は3.5点と、悪化レベルが悪くなるほど高く設定されている。そして、健全歯の本数、詰め物の本数、かぶせ物の本数、喪失歯の本数に、それぞれ、対応する基準点数を掛け、その積の値を足し合わせ、さらに、基礎点(2点)を加えて算出される。基礎点2点を加えるのは、28本すべての歯が喪失した場合に、100点となるように調整したもので、基礎点を加えなくてもよい。喪失歯にインプラントが施術された場合は、マイナスの点数としてもよい。前記喪失歯にインプラントが施術された場合は、マイナスの点数としてもよい。インプラントは、喪失歯の代替として利用されるので、健康状態が改善されるので、マイナス点数とすることにより、健康度合いと相関を持たせることができる。
歯の年齢は、厚生労働省の「歯科疾患実態調査」の統計データから求めた、年齢と歯の寿命進行レベルの平均値との関係が予め記憶されており、この齢と寿命進行レベルの平均値の関係に、前記受診者の歯の寿命進行レベルを当てはめて求められる。
たとえば、統計データから求めた年齢と歯の寿命進行レベルの平均値の関係は、次の第1の近似式(11)によって近似され、この第1の近似式(11)に、受診者の歯の寿命進行レベルの点数を当てはめることによって、歯の年齢が算出される。
y1=A1*(x/5−3)2+B1*(x/5−3)+C1・・・(11)
A1:0.2165
B1:1.5229
C1:3.6415
第1の近似式(11)は、歯の寿命進行レベルの平均値yと年齢(x)との関係を表す近似式で、数式(10)で求めた受診者の歯の寿命進行レベルをy1に代入してxを求め、歯の年齢とする。すなわち、統計的に求めた、歯の寿命進行レベルを指標にして、受診者の歯の寿命進行レベルが、何歳に当たるかを求める。歯の年齢については、少数点以下の数値は切り捨てて整数とする。
第1の近似式(11)の詳細については、後述する。
歯の年齢と実年齢との差は、次式のように、歯の年齢から実年齢を引いて算出される。
Δ1=歯の年齢−実年齢
マイナスは、歯の年齢が実年齢よりも若いことになり、平均より良い状態、プラスは歯
の年齢が実年齢よりも進行しているので、平均より悪い状態を表す。この引き算の順序を逆にすれば、マイナスは、平均より悪い状態、プラスは平均よりいい状態を表すことになる。
この歯の年齢と理想目標との差Δ2は、次式のように、理想目標の年齢から実年齢を引いて算出される。
Δ2=理想目標の年齢−実年齢
この場合も、マイナスは、理想目標よりも若いことになり、理想目標より良い状態、プラスは歯の年齢が理想目標よりも進んでいるので、理想目標より悪い状態を表す。
理想目標は、80歳で20本以上の歯を達成するように理想的に推移する、年齢と歯の寿命進行レベルの理想目標の関係が予め記憶されており、この理想的に推移する年齢と歯の寿命進行レベルの関係に、受診者の歯の寿命進行レベルを当てはめて算出される。
y2=A2*(x/5−3)2+B2*(x/5−3)+C2・・・(12)
A2:0.1664
B2:1.1702
C2:3.2602
この数式(12)は、歯の寿命進行レベルの理想目標y2と年齢(x)との関係を示す近似式で、国が推進している80歳で20本以上の歯を残す(8020運動)に合わせて、80歳で喪失歯が8本以下となるように、第1の近似式(11)をもとにして求めたものである。
この第2の近似式(12)のy2に、受診者の歯の寿命進行レベルを代入してxを算出し、理想目標の年齢とする。すなわち、歯の寿命進行レベルの理想目標を指標にして、受診者の歯の寿命進行レベルが、理想目標の何歳に当たるかを求める。
第2の近似式(12)の詳細については、後述する。
すなわち、グラフG1は、2軸の座標平面上に、第1の近似式(11)に対応する第1の近似曲線L1、第2の近似式(12)に対応する第2の近似曲線L2、受診者の実年齢と、受診者の歯の寿命進行レベルの座標位置に付されたマークP1が、含まれている。本実施形態では、さらに、平均値より悪いデータと年齢の関係を近似する近似曲線として、10歳悪いデータの近似曲線M10、20歳悪いデータの近似曲線M20が含まれている。
作成されるグラフについては、座標平面の大きさ、縦横の比率、背景の色が設定される。背景の色については、色分けされる。たとえば、第1の近似曲線L1より大きい領域は赤系統の色、特に、第1の近似曲線L1と10歳悪い近似曲線M10の間の領域A11は薄い赤、10歳悪い近似曲線M10と20歳悪い近似曲線M20の間の領域A12は少し濃い赤、20歳悪い近似曲線M20より大きい領域A13が濃い赤に色分けされる。また、第1の近似曲線L1と第2の近似曲線L2の間の領域A2の色は黄色、第2の近似曲線L2より小さい領域A3は青として、直観的に悪い状況がわかるように色が設定される。
早見表T11は、第1の近似式(11)、第2の近似式(12)に、切りのいい年齢、図では、20歳から5歳刻みで80歳までの年齢を代入して得られた歯の寿命進行レベルの値を表にしたものである。
受診者の歯の寿命進行レベルを、早見表に照らし合わせれば、受診者歯の年齢について、おおよその見当をつけることができる。
この評価画面には、次の評価情報が表示される表示欄が設けられる。
・受診者の喪失歯の本数を表示する、喪失歯の本数表示欄331
・受診者の喪失歯の本数と、平均値との差を表示する喪失歯の差分表示欄333
・受診者の喪失歯の本数と、理想目標との差を表示する喪失歯の差分表示欄335
・喪失歯の本数の平均値および理想目標と、年齢との関係を示すグラフG2
・年齢別の喪失歯を表形式の早見表T12として表示する早見表表示欄337
平均値は受診者の実年齢に対応する喪失歯の平均本数であり、受診者の喪失歯の本数との差は、次式のように、喪失歯の本数の平均値から受診者の喪失歯の本数を引いて算出される。
Δ3=受診者の喪失歯の本数−喪失歯の本数の平均値
マイナスは、喪失歯が平均値より少ないので平均より良い状態、プラスは、喪失歯が平均より多いので平均より悪い状態を表す。この引き算の順序を逆にすれば、マイナスは、平均より悪い状態、プラスは平均よりいい状態を表すことになる。
喪失歯の本数の平均値の算出は、厚生労働省の「歯科疾患実態調査」の統計データから求めた、年齢と喪失歯の本数の平均値との関係が予め記憶されており、年齢と喪失歯の本数の平均値の関係に、受診者の実年齢を当てはめて算出される、
z1=D1{(x−2)/5−3)}4+E1{(x−2)/5−3)}3+F1{(x−2)/5−3)}2+G1{(x−2)/5−3)}+H1・・・(13)
D1:−0.0013
E1:0.0373
F1:−0.2326
G1:0.5775
H1:−0.3390
第3の近似式(13)は、年齢(x)と喪失歯の本数の平均値(z1)との関係を表す近似式であり、詳細は後述する。
受診者の喪失歯の本数と、喪失歯の理想目標との差Δ4は、次の数式に基づいて算出される。
Δ4=受診者の喪失歯の本数喪-失歯の本数の理想目標-
マイナスは、喪失歯が理想目標より少ないので平均より良い状態、プラスは、喪失歯が理想目標より多いので理想目標より悪い状態を表す。
喪失歯の本数の理想目標は、80歳で20本以上の歯を達成するように理想的に推移する、年齢と喪失歯の本数の理想目標の関係が予め記憶されており、この理想的に推移する年齢と喪失歯の本数の関係に、受診者の実年齢を当てはめて算出される。
z2=D2(x/5−2)4+E2(x/5−2)3+F2(x/5−2)2+G2(x/5−2)+H2・・・・・・(14)
D2:−0.0007
E2:0.0226
F2:−0.1830
G2:0.5450
H2:−0.4383
第4の近似式(14)は、年齢(x)と喪失歯の本数の理想目標(z2)との関係を表す近似式である。詳細は後述する。
グラフG2に、第3の近似式(13)に対応する第3の近似曲線L3および第4の近似式(14)に対応する第4の近似曲線L4、受診者の(実年齢、喪失歯の本数)の座標位置に付されたマークP3が含められている。グラフの作成については、座標平面の大きさ、縦横の比率、背景の色が設定される。背景の色については、色分けされる。たとえば、第3の近似曲線L3より大きい領域A1は赤、第3の近似曲線L3と第4の近似曲線L4の間の領域A2の色は黄色、第4の近似曲線L4より小さい領域A3は青として、直観的に悪い状況がわかるように色が設定される。また、受診者の実年齢と喪失歯の本数の座標位置にマークP2が付される
早見表T12は、第3の近似式(13)、第4の近似式(14)に、切りのいい年齢、図では、20歳から5歳刻みで80歳までの年齢を代入して得られた喪失歯の本数の平均と理想目標の値である。
早見表T12を見れば、受診者の実年齢における、喪失歯の平均値、理想目標では何本になるか、おおよその見当をつけることができる。
この評価画面304には、次の評価情報が表示される表示欄が設けられる。
・受診者のかぶせ物の歯の本数を表示する、かぶせ物の本数表示欄341
・かぶせ物の歯の本数と平均値との差を表示する差分表示欄343
・年齢と前記かぶせ物の歯の本数の関係のグラフG3
かぶせ物の平均との差Δ5については、次の数式に基づいて算出される。
Δ5=受診者のかぶせ物の歯の本数−かぶせ物の歯の本数の平均値-
マイナスは、かぶせ物が平均値より少ないので平均より良い状態、プラスは、かぶせ物が平均より多いので平均より悪い状態を表す。この引き算の順序を逆にすれば、マイナスは、平均より悪い状態、プラスは平均よりいい状態を表すことになる。
かぶせ物の歯の本数の平均値の算出は、厚生労働省の「歯科疾患実態調査」の統計データから求めた、年齢とかぶせ物の歯の本数の平均値との関係が予め記憶されており、この年齢とかぶせ物の歯の本数の平均値の関係に、受診者の実年齢を当てはめて算出される、
w1=I1{(x−2)/5−3)}6+J1{(x−2)/5−3)}5+K1{(x−2)/5−3)}4+L1{(x−2)/5−3)}3+M1{(x−2)/5−3)}2+N1{(x−2)/5−3)}+O1・・・・・・(15)
I1:−0.000056
J1:0.002664
K1:−0.046295
L1:0.351898
M1:−1.085964
N1:1.567395
O1:−0.40297684
この第5の近似式(15)は、年齢(x)とかぶせ物の本数の平均値(w1)との関係を表す近似式である。詳細は後述する。
グラフG3は、第5の近似式(15)の第5の近似曲線L5、受診者の(実年齢、かぶ
せ物の歯の本数)の座標位置に付されたマークP3、が含まれている。グラフにG3には
、さらに、第5の近似曲線L5よりかぶせ物の歯が2本多い近似曲線L52が表示されている。
グラフの作成については、座標平面の大きさ、縦横の比率、背景の色が設定される。背景の色については、色分けされる。たとえば、かぶせ物が平均より2本多い近似曲線L52より大きい領域A1は赤、近似曲線L52と第5の近似曲線L5の間の領域A2は黄色、第5の近似曲線L5より小さい領域A3は青として、直観的に悪い状況がわかるように色が設定される。
この近似曲線L52の近似式は、以下の通りである。
w2=w1+2
=I1{(x−2)/5−3)}6+J1{(x−2)/5−3)}5+K1{(x−2)/5−3)}4+L1{(x−2)/5−3)}3+M1{(x−2)/5−3)}2+N1{(x−2)/5−3)}+O1+2・・・・・(16)
平均よりもかぶせ物の歯が多いと、今後10年の抜歯の危険度が平均よりも高い状態にある。2本以上多い場合は、10年で2本以上抜歯になる可能性があり、特に注意が必要であり、注意を喚起するために、平均より2本多い近似曲線L52を付加している。
評価画面305には、次の評価情報が含まれている。
この評価画面305には、次の評価情報が表示される表示欄が設けられる。
・歯の寿命進行レベルの10年後の平均増加点数の増加点数表示欄352a、
・歯の寿命進行レベルの10年後の平均増加点数の25%減の増加点数表示欄352b
・歯の寿命進行レベルの10年後の平均増加点数の50%減の増加点数表示欄352c
・歯の寿命進行レベルの10年後の平均増加点数の75%点の増加点数表示欄352d
レベルは、式(11)の年齢xに実年齢を代入することによって、算出される。
10年後の平均増加点数の25%減の値は、10年後の増加点数の(100−25)%として算出される。
10年後の平均増加点数の50%減の値は、10年後の増加点数の(100−50)%として算出される。
10年後の平均増加点数の75%減の値は、10年後の増加点数の(100−75)%として算出される。
このように、10年後の歯の寿命進行レベルの平均値の増加点数、その25%減、50%、75%減の点数を参考にし、受診者と歯科医師とで、数値をどの程度減らしていくか、目標値を決めることができる。なお、10年後に限らず、所定の年数を経た後の増加点数を算出すればよい。
たとえば、受診者の現在の歯の寿命進行レベルが、平均値より悪い場合、平均値における増加数と同じに推移すれば、10年経過した時点で、平均値からの差が同じである。平均値における増加数に対して、所定比率減じれば、10年経過した時点で、平均値との差が縮小、あるいは平均値より小さくすることができる。また、平均値と同じであれば、理想目標に向けて、減点することで、理想曲線に近づけることができる。現在の寿命進行レベルと平均値との乖離度合いを勘案し、受診者と歯科医師との間で、客観的に、数値目標を設定することができる。
最初に開くページは、各ページの見出しが表示されたフロントページを生成して歯科医療機関端末10に表示し、見出しをクリックすることで、閲覧するように構成してもよく、必要に応じてウェブページを作成することができる。
診断支援サーバ200は、図8に示すように、通信部201と、入力情報を取得する取得部202と、入力情報や算出結果などを格納する受診者データベース206と、処理手順のプログラム、基準点数、統計データから求めた各種指標となるデータなどを記憶する記憶部204と、各種評価情報を算出する算出部210と、歯科医療機関端末10に入力画面を表示する入力画面生成部203と、評価画面を歯科医院端末に表示する評価画面生成部205と、を備えている。
受診者データベース206には、入力情報の他に、算出部210にて算出される各種評価情報が格納される。
受診者データベース206に格納される情報は、受診者の識別番号、受診者氏名、実年齢、歯科診療機関名、歯科診療機関の識別番号、受診日、健全歯の本数と点数、詰め物の本数と点数、かぶせ物の本数と点数、喪失歯の本数と点数、歯の寿命進行レベル、歯の年齢が互いに関連付けて格納されている。点数は、各歯の本数と基準点数を乗じた積の値である。
また、評価情報として、歯の年齢、歯の年齢と実年齢との差、歯の寿命進行レベルに対応する理想目標の年齢、理想目標と実年齢との差、喪失歯の本数と平均値との差、喪失歯の本数と理想目標との差、かぶせ物の歯の本数と平均との差、歯の寿命進行レベルの平均値の10年後の増加点数、増加点数の25%減、50%減、75%減の点数等が含まれる
。
さらに、歯列の画像データも含まれる。
記憶部204には、入力画面230、歯の年齢についての評価画面302、喪失歯に関する評価画面303、かぶせ物に関する評価画面304、歯の寿命進行レベルの10年後の増加点数に関する評価画面305について、それぞれの、ページのレイアウト、説明文等の定型画面構成が記憶されている。また、入力情報から歯の寿命進行レベルを算出する数式(10)、また、第1近似式(11)、第2近似式(12)、第3近似式(13)、第4近似式(14)、第5近似式(15)等の数式が記憶されている。さらに、歯の寿命進行レベルと年齢との関係を示すグラフG1、歯の寿命進行レベルの平均値と理想目標の年齢ごとの早見表T11、喪失歯の本数の平均値および理想目標と、年齢との関係を示すグラフG2、年齢別の喪失歯を表形式の早見表T12、年齢とかぶせ物の歯の本数の関係のグラフG3等の情報が記憶されている。
まず、各近似式について説明する。
これらの近似式は、厚生労働省が監修した「平成28年歯科疾患実態調査 統計表」(
以下、単に「歯科疾患実態調査」という)に基づいて求めたものである。
第1の近似式(11)は、年齢と歯の寿命進行レベルの平均値との関係を示す近似式である。
本発明では、歯の寿命進行レベルの平均値を求めるために、上記「歯科疾患実態調査」から、健全歯、詰め物、かぶせ物、および喪失歯に対応するデータを抽出し、数式(10)に当てはめて、歯の寿命進行レベルの平均値を算出した。
図10(A)は、健全歯、詰め物、FMC、Ci、Ch、欠損(喪失歯)についての点数表、図10(B)は、健全歯、詰め物、FMC、Ci、Ch、欠損(喪失歯)についての各年齢階級別の一人当たりの本数、図10(C)は、健全歯、詰め物、FMC、Ci、Ch、欠損(喪失歯)の点数と、本数とを掛け合わせ、掛け合わせた値を足し合わせた合計点数を示している。
図10(C)の合計点数に、基礎点2点を加えたものが、本発明における歯の寿命進行レベルの平均値である。
「歯科疾患実態調査」では、現在歯として、健全歯、未処置歯、処置歯(充填・クラウン・根面板)の3種類に分類されている。健全歯、未処置歯、処置歯は第三大臼歯(親知らず)が含められている。また喪失歯は第三大臼歯が含まれていない。本システムでは、すべて第三大臼歯を含めず、28本を対象とする。第三大臼歯を含めると、人によって生えたり生えなかったりするので、結果が大きくばらつく原因となる。正確に歯の年齢評価をするために、第三大臼歯の項目を除外して平均値を算出している。
処置歯の内、充填(F)が(詰め物の有る歯)に対応し、クラウン(FMC)が、(かぶせ物のある歯)に対応する。また、対象者を、15歳以上とした。
なお、診療機関においては、未処置歯については、処置後のレベルで評価する。
データは、1歳刻みでは、バラツキが大きいので、5歳ごとの年齢階級の対象者数と喪
失本数に統一し、1人平均の喪失歯の本数を計算した。
蝕(DMF)歯数、年齢別(5歳以上・永久歯)」の健全歯の5歳刻みの本数から、親知らずの健全歯の本数を除いたものである。
親知らずの健全歯数は、「歯科疾患実態調査」の表X−18(顎右側第3大臼歯)、X−28(上顎左側第3大臼歯)、X−38(下顎左側第3大臼歯)、X−48(下顎右側第3大臼歯)についての、男女の総数のうち、健全歯の数である。
充填歯の数は、「歯科疾患実態調査」の表III−2−2「1人平均健全歯数・処置(F
)歯数(処置の内容別)・未処置(D)歯数(う蝕の程度別)、性・年齢階級別(5歳以上・永久歯)」の、年齢階級別(5歳刻み)の充填歯の総数から、親知らずのクラウンの処置歯の数を除去した数である。
喪失歯の本数は、「歯科疾患実態調査」の表III−2−1a「1人平均現在歯数・健全
歯数・う蝕(DMF)歯数、年齢別(5歳以上・永久歯)」の喪失歯の5歳刻みの年齢階級別の対象者数と喪失本数に基づくものである。
未処置歯のデータは、「統計表」の表III−2−2「1人平均健全歯数・処置(F)歯
数(処置の内容別)・未処置(D)歯数(う蝕の程度別)、性・年齢階級別(5歳以上・永久歯)」の未処置歯のうち、う蝕の程度が、軽度(Ci)、重度(Ch)の5歳刻みの本数から、親知らずの健全歯の本数を除いたものである。
親知らずの未処置歯の数は、「歯科疾患実態調査」の表X−18(顎右側第3大臼歯)、X−28(上顎左側第3大臼歯)、X−38(下顎左側第3大臼歯)、X−48(下顎右側第3大臼歯)についての、男女の総数のうち、健全歯の数である。
う蝕が重度のもの(Ch)は、治療をすると、最終的にクラウンと抜歯の2通りに分かれるが、どちらになるか不明である。単純にクラウンの点数(2点)と喪失歯の点数(3.5点)の算術平均をとると、実態に合わないので、各年齢階級別に、クラウンの数m1と、喪失歯の数m2を加えた加重平均の重心位置を、その年齢階級におけるう蝕(Ch)の点数として計算している。
Xg=2点+1.5点×{m2/(m1+m2)}
となる。
クラウン:喪失歯=6:3
であり、クラウンの点数と喪失歯の点数の間を、
{3/(6+3)}
で、内分した位置となる。
クラウンは2点、抜歯は3.5点で、差が1.5点であり、
1.5点×(1/3)+2=2.5点
となる。
この計算を、年齢階級ごとに行った結果が、図10(A)の点数表である。
歯の寿命進行レベルの平均値は、5年の年齢階級ごとの平均値であり、1歳刻みの平均値は不明である。そこで、平均値を、各年齢階級の中間年齢における値とし、その近似曲線を求めて、1歳刻みの歯の寿命進行レベルの指標としている。この中間年齢として、この実施形態では、5年の年齢階級を2で割った2.5年を中間としている。すなわち、図11では、22.5歳、27.5歳、32.5歳、37.5歳、42.5歳、47.5歳、52.5歳、57.5歳、62.5歳、67.5歳、72歳.5、77.5歳、82.5歳における歯の寿命進行レベルの座標位置が、白丸として表示されている。中間年齢としては、22歳から5歳刻みで、27歳、32歳、・・・、82歳としてもよいし、23歳から5歳刻みで、28歳、33歳、・・・83歳としてもよいし、他の中間的な年齢を選択してもよい。
この各年齢階級の中間年齢の近似曲線L10の近似式(10)から、切りのいい年齢での歯の寿命進行レベルの平均値を求め、理想目標、10年悪いデータ、20年悪いデータの基礎データとして利用する。
図11に示される近似曲線L10は2次の多項式近似曲線であり、その近似式が、以下の基礎データの近似式(10)である。
y0=A0(x/5−3.5)2+B0(x/5−3.5)+C0・・・・・・(10)
A0:0.2165
B0:1.5229
C0:4.45710
(x/5−3.5)は、(x−17.5)/5の意味である。すなわち、17.5歳が
ゼロ、中間点である22.5歳,27.5歳,・・・77.5歳,82.5歳と、5歳刻
みで、1,2,・・・12、13となるように横軸座標をとっている。この座標の取り方は任意であるし、数式を展開することもできる。
この中間年齢の近似式(10)のxに、切りのいい年齢を入れて、各年齢における歯の寿命進行レベルの平均値とする。
切りのいい年齢は、20歳、25歳、30歳、35歳、40歳、45歳、50歳、55歳、65歳、70歳、75歳、80歳である。
切りのいい年齢は、20歳、25歳、30歳、35歳、40歳、45歳、50歳、55歳、65歳、70歳、75歳、80歳である。
図12(B)に示される第1の近似曲線L1は、図12(A)の基礎点を含む歯の寿命進行レベルの平均値のデータの2次の多項式近似曲線であり、その近似式が、以下の第1の近似式(11)である。
y1=A1(x/5−3)2+B1(x/5−3)+C1・・・・・・(11)
A1:0.2165
B1:1.5229
C1:4.45710
この(x/5−3)は、(x−15)/5の意味である。すなわち、15歳がゼロとなり、節目となる20歳,25歳,・・・75歳,80歳と、歳と5歳刻みで、1,2,・
・・12、13となるように、グラフの横軸の座標をとったものである。この座標自体は、グラフG1の原点位置や、大きさ等に応じて任意に選択される。この第1の近似式(11)と中間年齢の近似式(10)は、展開すれば、同じである。
次に、第2の近似式(12)について説明する。
第2の近似式(12)は、年齢と歯の寿命進行レベルの理想目標との関係を示す数式である。
理想目標は、80歳で20本の歯が残るように、歯の寿命進行レベルが理想的に進行する仮想モデルとして設定される。この実施形態では、歯の寿命進行レベルの平均値のデータを基にして、理想目標値が設定されている。すなわち、喪失歯の本数の平均値が8本以下となる年齢における歯の寿命進行レベルの平均値の点数を、80歳における歯の寿命進行レベルの理想目標の点数とする。
この80歳における歯の寿命進行レベルの基礎点を含まない理想目標と基礎点を含まない平均値との比率を求め、他の年齢についても、この比率となるように、平均値から理想目標の点数を求めて年齢と理想目標の仮想モデルとし、第2の近似曲線L2および第2の近似式(12)が導かれる。
図12(A)の表において、80歳での寿命進行レベルの理想目標y2(80)の点数46.590の出所は、70歳の寿命進行レベルの平均値y1(70)である。この70歳での喪失歯の平均値は、後述する図13(B)に示すように、約7.7本と8本を下回っている。そこで、80歳の歯の寿命進行レベルの理想目標の値を、この70歳での、歯の寿命進行レベルの平均値に設定した。80歳の寿命進行レベルの平均値y1(80)は、少数点第4位を四捨五入すると、60.028点であり、まず、80歳での理想目標を平均値の70歳のレベルまで減少させたとして、平均値に対する理想目標の寿命進行レベルの減少率αを計算する。
α=(y2(80)−2)/(y1(80)−2))
=(46.590−2)÷(60.028−2)
=0.7684倍
この減少率αを係数とし、各年齢について、平均値の寿命進行レベルから理想目標を演算する。
例えば20歳での寿命進行レベルの平均値y1(20)は、5.381で、これに減少率αを乗じるが、その前に平均値から基礎点(2点)を引き、減少率αを乗じたのち、基礎点を加える。
すなわち、
y2(20)=((y1(20)−2)*α+2
=(5.381−2)*0.7684+2
=4.598
同様に、21〜79歳について、
y2(x)=(y1(x)−2)*α+2
を演算する。
すなわち、寿命進行レベルの平均値y1から2点を引いて、それに減少率α(0.76842倍をかけてから基礎点(+2点)を足して、各年齢における理想目標の点数が計算される。
ある。この第2の近似曲線L2の第2の近似式(12)を再掲すると、次の通りである。y2=A2(x/5−3)2+B2(x/5−3)+C2・・・・・・(12)
A2:0.1664
B2:1.1702
C2:3.2602
なお、この例では、たまたま、平均値が8本に近い70歳の本数(7.660本)を80歳の本数に設定しているが、80歳で8本以下であればよく、70歳の本数には限定されず、8本以下の任意の本数の場合の年齢での、歯の寿命進行レベルの平均値を80歳における理想目標値に設定すればよい。
10歳悪い例
10歳悪い例では、80歳で、75.198となっている。この数値の出所は、図12(A)の寿命進行レベルの平均値の90歳の値である。平均値では、80歳では、60.028点であり、ここからそれぞれ、基礎点2を引いて、悪化する増加率β10を計算する。
β10=(y3(80)−2)/(y1(80)−2))
=(75.198−2)÷(60.028−2)
=1.26143倍
例えば20歳では、寿命進行レベルの平均値y1(20)は、5.381であり、次に示すように、基礎点(2点)を引いた値に、増加率β10を掛け、その後、2点を加算する。
y3(20)=((y1(20)−2)*β10+2
=(5.381−2)*1.26134+2
=6.264
同様に、21〜79歳について、5歳刻みで、
y3(x)=(y1(x)−2)*β10+2
を演算する。
すなわち、平均値y1から2点を引いて、それに増加率β10(1.26134倍)をかけてから+2点足した値が、図12(A)の表の10歳悪い例のデータである。
y3=A3(x/5−3)2+B3(x/5−3)+C3・・・・・・(21)
A3:0.2731
B3:1.921
C3:4.0707
20歳悪い例では、80歳で、92.099とする。この数値の出所は、図12(A)の寿命進行レベルの平均値の100歳の値である。平均値の80歳では、60.028点であり、ここからそれぞれ、基礎点2を引いて、悪化する増加率β20を計算する。
β20=(y4(80)−2)/(y1(80)−2))
=(92.099−2)÷(60.028−2)
=1.55268
この増加率β20を係数とする。
例えば20歳では、寿命進行レベルの平均値y1(20)は、5.381であり、次に示すように、基礎点(2点)を引いた値に、増加率β20(1.55268倍)を掛け、その後、2点を加算する。
y4(20)=((y1(20)−2)×β20
=(5.381−2)×1.55268+2
=7.249
同様に、21〜79歳について、5歳刻みで、
y4(x)=(y1(x)−2)×β20+2
を演算する。
すなわち、平均値y1から2点を引いて、それに増加率β20をかけてから+2点足した値が、図12(A)の表の20歳悪い例のデータである。
y4=A4(x/5−3)2+B4(x/5−3)+C4・・・・・・(22)
A4:0.3162
B4:2.3646
C4:4.5438
10歳、20歳悪い例を示しておけば、受診者の実年齢での歯の寿命進行レベルの値が、平均値に対してどの程度悪いのか、その目安とすることができる。この平均より悪い例は、10歳、20歳に限らず、3年、5年でもよいし、1年でもよく、任意の例を設定することができる。
早見表T11は、第1の近似式(11)、第2の近似式(12)を用いて、年齢に対応する歯の寿命進行レベルの平均値、理想目標値を演算した値を、表形式のデータとして記憶部204に記憶している。
すなわち、目安となる年齢について、第1の近似式(11)、第2の近似式(12)に代入し、歯の寿命進行レベルの平均値、理想目標値を求めている。年齢は、切りのいい年齢、20歳、25歳、30歳、35歳、40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70、75歳、80歳と、5歳刻みとしたもので、図12(A)の表の平均値、理想目標の数値に該当する。早見表T11は、少数点2位を四捨五入して、少数点一位までの表示となっている。
以上説明したように、この実施例では、厚生労働省の「歯科疾患実態調査」の統計データの5歳刻みの年齢階級の平均値を基礎データとして、中間年齢での平均値の散布図の近似曲線L0の近似式(10)を求め、この近似式(10)から、切りのいい5歳刻みの年齢の、歯の寿命進行レベルの平均値のデータを算出し、この5歳刻みのデータの散布図から、第1の近似曲線L1の第1の近似曲線L1を求め、求めた第1の近似式(11)によって、患者の歯の年齢を求めている。しかし、歯の年齢を求める方法は、このように近似式を用いることに限定されない。
たとえば、記憶部に、中間年齢での基礎データの近似式(10)から、1歳刻みの歯の寿命進行レベルの平均値を演算し、年齢と、その年齢での歯の寿命進行レベルの平均値のデータを関連付けて格納したテーブルを持っておき、このテーブルから、歯の年齢を求めるようにしてもよい。この場合、テーブルが、本発明の統計データから求めた、年齢と歯の寿命進行レベルの平均値との関係となる。
ている。
歯の年齢を求める場合は、患者の歯の寿命進行レベルが、テーブルに記憶されている一歳刻みの歯の寿命進行レベルの平均値の、どの範囲に入っているかを求めることにより、歯の年齢を決定する。歯の年齢の決定は、患者の歯の寿命進行レベルの点数が、下位の年齢(n歳)の数値以上で、一歳上の上位の年齢((n+1)歳)の数値未満の場合には、
下位のn歳の年齢とする。たとえば、ある患者の歯の進行レベルの点数が、68歳の数値以上〜69歳の数値未満の場合には、68歳とする。
また、歯の寿命進行レベルの理想目標についても、一歳刻みの年齢について演算し、テーブルに記憶しておき、歯の年齢と同様に、歯の年齢の理想目標を、テーブルから求めることができる。
このように、歯の寿命進行レベルの平均値について、一歳刻みのデータのテーブルを用いれば、特に、近似式は不要で、テーブルがあればよい。
また、グラフについても、年齢と歯の寿命進行レベルの散布図の近似曲線ではなく、一歳刻みの歯の寿命進行レベルの平均値、理想目標の散布図のデータの点を、直線や曲線で結ぶようにしてもよいし、散布図ではなく、折れ線グラフを描いてもよい。
また、10年悪いデータ、20年悪いデータについても、5歳刻みではなく、一歳刻みの歯の寿命進行レベルの平均値に基づいて、一歳刻みのデータを作成し、データの点を直線や曲線で結ぶ散布図、あるいは折れ線グラフによって形成することもできる。
次に、第3の近似式(13)及び第4の近似式について、図13を参照して説明する。
図13(A)は、図10(B)の年齢階級の中間値と喪失歯(欠損)の本数の平均値との関係を示す表、図13(B)は、切りのいい年齢別の喪失歯の本数の平均値、理想目標をまとめた表、図13(C)は、年齢階級の中間値の近似曲線、図13(D)は、年齢と喪失歯の本数の平均値及び理想目標との関係を示すグラフである。
、図13(C)に示すように、中間年齢での平均値の散布図の近似曲線L3から第3の近似式を得る。
図13(C)は、年齢(x)を横軸、喪失歯本数(z)を縦軸とし、各年齢階級の中間点(中間年齢)として、22歳、27歳、32歳、37歳、42歳、47歳、52歳、57歳、62歳、67歳、77歳、82歳での喪失歯の本数の平均値の座標位置が白丸として表示されている。
この各年齢階級の中間値の喪失歯の本数の平均値の多項式近似曲線が、第3の近似曲線L3である。
z1=D1{(x−2)/5−3)}4+E1{(x−2)/5−3)}3+F1{(x−2)/5−3)}2+G1{(x−2)/5−3)}+H1・・・(13)
D1:−0.0013
E1:0.0373
F1:−0.2326
G1:0.5775
H1:−0.3390
{(x−2)/5−3)}は、(x−17)/5であり、17歳がゼロ、中間年齢である年齢(22歳,27歳,・・・77歳,82歳)が、5歳刻みで、1,2,・・・12、13となるように横軸の座標をとっている。この座標の取り方は任意であるし、数式を展開してもよい。
中間年齢としては、歯の寿命進行レベルの平均値と同様に、22.5歳から5歳刻みで
、27.5歳、32.5歳、・・・、82.5歳としてもよいし、23歳から5歳刻みで、28歳、33歳、・・・83歳としてもよいし、他の中間的な年齢を選択してもよい。
次に、この第3の近似式(13)に、切りのいい年齢を代入し、図13(B)に示すように、切りのいい年齢での、喪失歯の本数の平均値を算出し、さらに、この喪失歯の本数の平均値を利用して、理想目標の値を算出する。
理想目標は、80歳で20本の歯が残るように、喪失歯の本数が理想的に進行する仮想モデルとして設定される。
この実施形態では、喪失歯の平均値のデータを基にして、理想目標値を設定している。図13(B)において、喪失歯の本数の平均値が8本以下となる年齢は70歳であり、この実施形態では、70歳での本数(7.6602本)を80歳における喪失歯の理想目標の本数とする。
この80歳における喪失歯の本数と平均値との比率を求め、他の年齢についても、この比率となるように、平均値から理想目標の本数を求めて年齢と理想目標の仮想モデルとする。
この図13(B)のデータをグラフに示したのが、図13(D)であり、L4が、理想目標の第4の近似曲線であり、この例では4次の多項式近似曲線で近似している。この第4の近似式(14)を再掲すると、次の通りである。
z2=D2(x/5−2)4+E2(x/5−2)3+F2(x/5−2)2+G2(x/5−2)+H2・・・・・・(14)
D2:−0.0007
E2:0.0226
F2:−0.1830
G2:0.5450
H2:−0.4383
(x/5−2)は、(x−10)/5の意味である。すなわち、10歳をゼロとし、5歳刻みで、1,2,・・・12、13となるように横軸の座標をとっている。この座標の取り方は任意であるし、数式を展開してもよい。
なお、この例では、たまたま、平均値が8本に近い70歳の本数(7.6602本)を80歳の本数に設定しているが、70歳の本数には限定されず、80歳で、8本以下の任意の本数に設定することができる。
早見表T12は、第3の近似式(13)、第4の近似式(14)を用いて、年齢に対応する喪失歯の平均値、理想目標値を演算した値を、表形式のデータとして記憶部204に記憶される。
すなわち、目安となる年齢について、第3の近似式(13)、第4の近似式(14)に代入し、喪失歯の本数の平均値、理想目標値を求めている。年齢は、切りのいい年齢、20歳、25歳、30歳、35歳、40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70、75歳、80歳と、5歳刻みとしたもので、図13(B)の表の平均値、理想目標の本数に該当する。この早見表T12は、少数点2位を四捨五入して、少数点一位までの表示となっている。
これら、第3の近似式(13)及び第4の近似式(14)、さらに、第3の近似曲線L3,第4の近似曲線L4のグラフのデータ、早見表T12のデータも、記憶部204に記憶されている。
この実施例では、第3の近似式(13)から患者の実年齢に対応する喪失歯の本数の平均値、さらに、第4の近似式(14)から理想目標を求めているが、上記した歯の年齢の場合と同様に、年齢と喪失歯の本数の平均値、理想目標値を一歳刻みで格納したテーブルから、患者の実年齢に対応する喪失歯の本数の平均値、理想目標を求めてもよい。
特に、図示しないが、記憶部に、第3の近似式(13)から、1歳刻みの喪失歯の本数の平均値を演算して、テーブルに格納しておく。理想目標についても、喪失歯の本数の平均値に基づいて、1歳刻みで演算し、テーブルに格納しておく。このテーブルを用いて、喪失歯の本数の平均値、理想目標を求めることができる。この場合、テーブルが、本発明の統計データから求めた、年齢と、喪失歯の本数の平均値および理想目標値の関係となる。
また、グラフについても、年齢と喪失歯の本数の平均値および理想目標について、散布図の近似曲線ではなく、一歳刻みの歯の寿命進行レベルの平均値、理想目標の散布図のデータの点を、直線や曲線で結ぶようにしてもよいし、散布図ではなく、折れ線グラフを描いてもよい。
次に、第5の近似式(15)について、図14を参照して説明する。
図14(A)は、図10(B)の年齢階級の中間値とかぶせ物(FMC)から根面板を除いた本数の平均値との関係を示す表を示している。
かぶせ物の歯の本数は、「歯科疾患実態調査」の表III−2−2「1人平均健全歯数・
処置(F)歯数(処置の内容別)・未処置(D)歯数(う蝕の程度別)、性・年齢階級別(5歳以上・永久歯)」の、年齢階級別(5歳刻み)のクラウン(非支台歯)、クラウン(支台歯)の総数から、親知らずのクラウンの処置歯の数を除去した数である。親知らずのクラウンの処置数は、「歯科疾患実態調査」の表X−18(顎右側第3大臼歯)、X−28(上顎左側第3大臼歯)、X−38(下顎左側第3大臼歯)、X−48(下顎右側第3大臼歯)についての、男女の総数のうち、クラウン(非支台歯)、クラウン(支台歯)、根面板の和である。III−2−2処置数のクラウンは、根面板を含まない。根面板の数
は、ごく少ないので、本実施形態では根面板の数は含めていないが、根面板を含めてもよい。
このグラフは、年齢(x)を横軸、かぶせ物の本数(w)を縦軸とし、各年齢階級の中間年齢として、22歳、27歳、32歳、37歳、42歳、47歳、52歳、57歳、62歳、67歳、77歳でのかぶせ物の本数の平均値の座標位置が白丸として表示されている。中間年齢としては、歯の寿命進行レベルの平均値と同様に、22.5歳から5歳刻みで、27.5歳、32.5歳、・・・、82.5歳としてもよいし、23歳から5歳刻みで、28歳、33歳、・・・83歳としてもよいし、他の中間的な年齢を選択してもよい。この各年齢階級の中間年齢のかぶせ物の本数の平均値の多項式近似曲線が、第5の近似曲線L5である。
w1=I1{(x−2)/5−3)}6+J1{(x−2)/5−3)}5+K1{(x−2)/5−3)}4+L1{(x−2)/5−3)}3+M1{(x−2)/5−3)}2+NG1{(x−2)/5−3)}+O1・・・・・・(5)
I1:−0.000056
J1:0.002664
K1:−0.046295
L1:0.351898
M1:−1.085964
N1:1.567395
O1:−0.40297684
{(x−2)/5−3)}は、(x−17)/5の意味である。すなわち、17歳がゼロ、中間年齢である年齢(22歳,27歳,・・・77歳,82歳)と、5歳刻みで、1,2,・・・12、13となるように横軸の座標をとっている。この座標の取り方は任意であるし、数式を展開してもよい。
(歯の寿命進行レベルの算出)
算出部210は、記憶部204に記憶されている計算式(10)を読み出して計算処理を実行し、歯の寿命進行レベルを算出して受診者データベース206に格納する。
たとえば、健全歯を22本、詰め物が4本、かぶせ物が2本、喪失歯が1本の場合は、歯の寿命進行レベルは13.5点となる。
歯の年齢の算出は、記憶部204に記憶されている第1の近似式(11)を読み出し、計算式(10)で計算した受診者の歯の寿命進行レベルの値を代入して、年齢xの解を算出する。二次関数で、解は2つ出てくるので、プラスの解を、受診者の歯の年齢として受診者データベース206に格納する。さらに、理想目標から実年齢を引いて、差分を算出し、受診者データベースに格納する。この差については、プラス、マイナスを明確にしておく。
理想目標の算出は、記憶部204に記憶されている第2の近似式(12)を実行するプログラムを読みだし、計算式(10)で計算した受診者の歯の寿命進行レベルの値を代入して、年齢xの解を算出する。二次関数で、解は2つ出てくるので、プラスの解を、受診者の理想目標とし、さらに、理想目標から実年齢を引いて、差分を算出し、受診者データベースに格納する。この差分についても、プラス、マイナスを明確にしておく。
算出部210は、記憶部204に記憶されている、年齢と喪失歯の平均値の関係を示す第3の近似式(13)を読み出し、第3の近似式(13)に受診者データベースから読み出した実年齢を代入し、受診者の実年齢に対応する喪失歯の平均本数を算出して受診者データベース206に格納する。さらに、受診者データベースから読み出した受診者の喪失歯の本数から、受診者の実年齢での喪失歯の平均値を引いて差を算出し、受診者データベース206に格納する。平均より良い状態はマイナス、平均より悪い状態はプラスとなるので、プラス、マイナスを明確にする。
算出部210は、記憶部204に記憶されている、年齢と喪失歯の理想目標の関係を示す第4の近似式(14)を読み出し、第4の近似式(14)に受診者データベース206から読み出した実年齢を代入し、受診者の実年齢に対応する喪失歯の理想目標を算出して受診者データベース206に格納する。さらに、受診者データベースから読み出した受診者の喪失歯の本数から、受診者の実年齢での喪失歯の理想目標を引いて差を算出し、受診者データベース206に格納する。平均より良い状態はマイナス、平均より悪い状態はプラスとなるので、プラス、マイナスを明確にする。
算出部210は、記憶部204に記憶されている、年齢とかぶせ物の歯の平均値の関係を示す第5の近似式(15)に、受診者データベース206から読み出した実年齢を代入し、受診者の実年齢に対応するかぶせ物の歯の平均本数を算出し、受診者のかぶせ物の歯の本数から受診者の実年齢でのかぶせ物の歯の平均本数を引いて差を算出し、受診者データベースに格納する。受診者の実年齢に対応するかぶせ物の歯の平均本数を受診者データベース206に格納してもよい。
算出部210は、記憶部204に記憶されている第1の近似式(11)を読み出し、受診者データベース206から読み出した受診者の実年齢を代入して対応する歯の寿命進行レベルの平均値を算出し、さらに、実年齢より10歳上の年齢を代入して対応する歯の寿命進行レベルの平均値を算出し、その増加点数を演算して、歯の寿命進行レベルの平均値の10年度の増加点数として、受診者データベース206に格納する。さらに、この増加点数の25%の値、50%の値、および75%の値を演算して受診者データベース206に格納する。
たとえば、実年齢が45歳の受診者の場合には、対応する年齢の歯の寿命進行レベルの平均値は、18.5729点、55歳では27.6807点、10年後の増加点数は、9.1078となる。また、増加点数の25減の値は、6.8309、50%減の値は、3.4439、75%減の値は、2.2770となる。
評価画面生成部205は、歯科医療機関端末10から、評価画面の要求を受信すると、評価画面を生成して、歯科医療機関端末10に送信する。
たとえば、評価画面の要求があると、最初に、歯の年齢に関する評価画面302が生成されて、歯科医療機関端末10に送信され、歯科医療機関端末10のディスプレイに、歯の年齢に関する評価画面301が表示される。この最初に表示された評価画面301には、他の評価画面へのページのリンクが付されており、リンクをクリックすると、対応する評価画面の生成要求が診断支援サーバ200に送信され、診断支援サーバ200において、評価画面生成部205が、対応する評価画面を生成する。
たとえば、喪失歯に関する評価画面を要求した場合には、喪失歯に関する評価画面302が生成されて、歯科医療機関端末10に送信され、歯科医療機関端末10の画面は、歯の年齢に関する評価画面301から、喪失歯に関する評価画面302に遷移する。かぶせ物の評価画面303、今後の目標に関する評価画面についても、同様であり、歯科医療機関端末10においては、これら、歯の年齢に関する評価画面301、喪失歯に関する評価画面302、かぶせ物に関する評価画面303、今後の目標に関する評価画面304を、リンクをクリックすることによって、任意の画面を閲覧することができる。
歯の年齢に関する評価画面301の生成は、予め、記憶部204に記憶されている定型文書を読み出し、定型文書の各情報入力欄に、受診者データベース206から、評価情報を読み出して組み込むことで生成される。すなわち、受診者データベース206から、歯の寿命進行レベル、受診者の歯の年齢、歯の年齢と実年齢との差、歯の年齢と理想目標との差を読み出して、定型文書に組み込む。
定型文書には、歯の寿命進行レベルの平均値と年齢との関係を示すグラフG1、歯の寿命進行レベルの平均値と理想目標の年齢ごとの早見表T11が、定型の情報として組み込まれている。グラフG1については、受診者の実年齢と歯の寿命進行レベルの座標位置にマークP1が付される。
歯の年齢に関する評価画面302の生成は、予め、記憶部204に記憶されている定型文書を読み出し、定型文書の各情報入力欄に、受診者データベース206から、評価情報を読み出して組み込むことで生成される。すなわち、受診者データベース206から、受診者の喪失歯の本数、受診者の喪失歯の本数と受診者の実年齢に対応する喪失歯の平均本数との差、受診者の喪失歯の本数と受診者の実年齢に対応する喪失歯の理想目標の本数との差を読み出し、定型文書の該当箇所に組み込む。
定型文書には、喪失歯の本数の平均値および理想目標と年齢との関係を示すグラフG2、喪失歯の本数の平均値および理想目標の年齢ごとの早見表T12が、定型の情報として組み込まれている。グラフG2については、受診者の実年齢と喪失歯の本数の座標位置にマークP2が付される。
かぶせ物に関する評価画面303の生成は、予め、記憶部204に記憶されているかぶせ物に関する定型文書を読み出し、定型文書の各情報入力欄に、受診者データベース206から、評価情報を読み出して組み込むことで生成される。すなわち、受診者データベース206から、受診者のかぶせ物の歯の本数とかぶせ物の歯の平均値との差を読み出して、定型文書に組み込む。
定型文書には、かぶせ物の本数の平均値と年齢との関係を示すグラフG3が、定型の情報として組み込まれ、受診者の実年齢とかぶせ物の本数の座標位置にマークP3が付される。
今後の目標に関する評価画面304の生成は、予め、記憶部204に記憶されている今後の目標画面の定型文書を読み出し、定型文書の各情報入力欄に、受診者データベースから、評価情報を読み出して組み込むことで生成される。すなわち、受診者データベース206から、受診者の実年齢から10年後の歯の寿命進行レベルの平均値の増加点数、平均値の増加点数から25%減じた増加点数、平均値の増加点数から50%減じた増加点数、平均値の増加点数から75%減じた増加点数、を読み出して、定型文書に組み込む。
受診者についても、診断支援サーバ200にアクセスして自身の評価画面を閲覧することができる。たとえば、受診者端末20から、診断支援サーバ200にアクセスすると、たとえば、評価サイトの初期画面が表示され、受診者の氏名、IDを入力して評価書の要求ボタンを押すと、診断支援サーバ200が評価書要求を受信し、評価画面生成部205が評価画面を生成し、受診者端末20に評価画面を送信する。評価画面の生成は、医療機関端末101からの要求の場合と、同様である。
複数回、診断を受けている場合には、診断日を特定することにより、それぞれの回の評価画面が生成される。
評価画面は、9ページのウェブページから構成される評価書として生成される。印刷物とすることを想定し、説明文、イラスト等を配置して構成される。このうち、第4ページが、図4の歯の年齢に関する評価画面に対応し、第5ページが、図5に対応する喪失歯に関する評価画面に対応し、第6ページが、図6に対応するかぶせ物に関する評価画面に対応する。第8ページが、図7に対応する10年後の目標に関する評価画面に対応する。同一の構成部分については、同一の符号を付して、内容については、説明を省略するものとする。
図15は、評価書のフロントページの画面構成を示している。
この第1ページ1001には、歯の年齢についての説明が表示されている。すなわち、上から順に、タイトルを表示するタイトル表示欄111、三世代の人のイラストを表示したイラスト表示欄112、歯の年齢についての説明欄113が配置されている。
タイトル表示欄111には、受診者の氏名が表示される氏名表示欄115、診断日が表示される日付表示欄116が設けられ、歯の年齢についての説明欄113には、診断結果にアクセスできるQRコード(登録商標)等の識別コード117が表示される。
タイトル表示欄111、イラスト表示欄112、歯の年齢についての説明欄113の説明文、イラスト表示欄112は、定型文書であり、診断支援サーバ200は、記憶部204から定型文書を読み出し、受診者データベース206から受診者の氏名、診断日の日付を読み出し、氏名表示欄115および日付表示欄116に組み込んで画面が生成される。
図16は、評価書の第2ページを示している。
第2ページ1002は、定型文書のみによるページで、上から順に、年齢による歯の状態を説明する説明欄121と、虫歯が進行して歯の抜けるまでの歯の寿命のステージを説明する説明欄122が、配置されている。
年齢による歯の状態の説明欄121には、口腔内の28本の歯の全体について、歯の状態が、年齢により悪化していく過程を描いた歯の状態説明図123が、20歳、30歳、40歳、50歳、60歳、70歳、80歳と、10年ごとに表示されている。悪化していく過程は、統計データに基づいて、健全歯、詰め物、かぶせ物、喪失歯の変化として、表示されている。
歯の寿命のステージの説明欄122には、一本の歯の寿命ステージのイラスト124が表示されている。イラスト124は、図3のステージ1〜4の配置を、縦にジグザグ状に変えただけで、内容は同じである。健康な歯はステージ1、詰め物をした歯はステージ2、小さいかぶせ物のある歯はステージ3、神経を失った大きなかぶせ物をした歯はステージ4である。
図17は、第3ページを示している。
第3ページ1003は、歯の寿命進行レベルについての計算過程を含めて表示している。
この第3ページ1003は、上から順に、歯の寿命進行レベルの説明表示欄301A、歯の寿命進行レベルの計算過程表示欄301B、計算結果の歯の寿命進行レベルを表示する結果表示欄301Cが、配置されている。
歯の寿命進行レベルの説明表示欄301Aには、歯の寿命進行レベルの説明文と、第2ページと同様の、歯の寿命ステージのイラスト124が表示されている。
さらに、積表示欄315、316、317をプラスの記号で足し合わせる形で横に配列し、基礎点2点を加えて、右横にイコールの記号を付して、合計点として、寿命進行レベルの点数が表示されてる寿命進行レベル表示欄318が配置されている。
さらに、計算過程表示欄301Bの下の結果表示欄301Cに、拡大した寿命進行レベル表示欄318が配置されている。また、結果表示欄301Cには、受診日を表示する日付表示欄116と、歯科医院の名称を表示する医院名表示欄132が設けられている。
図18は、第4ページの画面を示している。
この第4ページ1004は、図4の歯の年齢に関する評価画面に対応するもので、評価情報は同じで、その配置が異なり、説明文、イラストが加えられている。
評価情報の表示欄は、図4と同様に、次の通りである。
・グラフG1を表示するグラフ表示欄325
・年齢別の歯の寿命進行レベルのデータを表形式の早見表T11を表示する早見表表示欄326
・歯の寿命進行レベル表示欄318
・歯の年齢を表示する歯の年齢表示欄321
・歯の年齢と実年齢との差を表示する年齢差表示欄322
・理想目標と実年齢との差を表示する年齢差表示欄323
図19は、第5ページの画面を示している。
この第5ページ1005は、図5の喪失歯に関する評価画面に対応するもので、評価情報は同じで、その配置が異なり、説明文、イラストが加えられている。
評価情報の表示欄は、図5と同様に、次の通りである。
・年齢と喪失歯の関係を示すグラフG2を表示するグラフ表示欄336、
・年齢別の喪失歯を表形式の早見表T12として表示する早見表表示欄337、
・受診者の喪失歯の本数を表示する、喪失歯の本数表示欄331、
・受診者の喪失歯の本数と平均値との差を表示する喪失歯の差分表示欄333、
・受診者の喪失歯の本数と理想目標との差を表示する喪失歯の差分表示欄335、
この第5ページの評価画面303では、図5と異なり、上段にグラフ表示欄336が配置され、中段に早見表表示欄337と喪失歯の本数表示欄331が配置され、下段に、平均との差の差分表示欄333、理想目標との差分表示欄335が、並べて大きく配置されている。
図20は、第6ページの画面を示している。
この第6ページ1006は、図6のかぶせ物の歯に関する評価画面に対応するもので、評価情報は同じで、説明文、イラストが加えられている。
評価情報の表示欄は、図6と同様に、次の通りである。
・受診者のかぶせ物の歯の本数を表示する、かぶせ物の本数表示欄341
・年齢と前記かぶせ物の歯の本数の関係のグラフG3を表示する、グラフ表示欄345
・かぶせ物の歯の本数と平均値との差を表示する差分表示欄343
この第6ページの画面では、上段にかぶせ物の本数表示欄341が配置され、中段にかぶせ物のグラフ表示欄345が配置され、下段に、かぶせ物の歯の本数と平均値との差を表示する差分表示欄343が、大きく配置されている。
図21は、第7ページを示している。
第7ページ1007には、歯の写真画像が表示される。
画面には、中央に歯の前面の写真が表示される前面表示欄371を中心に、その上に上顎の歯の写真を表示する上顎写真表示欄372、下側に下顎の歯の写真を表示する下顎写真表示欄373、左側に、歯の左側の写真を表示する左側面写真表示欄374、右側に、歯の右側の写真を表示する右側面写真表示欄375が配置されている。
診断支援サーバ200は、受診者データベース206に格納されている写真データを読み出し、前面表示欄371、上顎写真表示欄372、下顎写真表示欄373、左側面写真表示欄374、右側面写真表示欄375に、組み込んで第7ページの評価画面を生成する。
このように歯の写真を表示することで、健全歯、詰め物、かぶせ物、喪失歯の本数を写真でも確認することができるし、歯茎の状態等の他の疾患についても確認することができる。
図22は、第8ページを示している。
第8ページ1008は、図7に対応し、歯を長く残すための目標設定の支援のために、歯の寿命進行レベルの10年後の増加点数が表示された画面である。
画面は、上中下の3段に分かれ、上段には、歯の寿命を延ばすために必要なこととして、歯の寿命進行レベルの増加を減らすことの重要性が、図と共に記載された説明欄351が配置され、中段には受診者の実年齢から10年後の歯の寿命進行レベルの平均値の増加点数の表示欄352、下段にコメント欄353が配置されている。
説明欄351には、図3に示した虫歯の悪化ステージを示すイラスト354と、歯周病の悪化状態を示すイラスト355と、歯の病気と治療のサイクルを描いたイラスト356、表示されている。
増加点数の表示欄352には、図7と同様に、以下の4つの表示欄が配置されている。
・10年後の平均増加点数の表示欄352a、
・増加点数の25%減の表示欄352b
・増加点数の50%減の表示欄352c
・増加点数の75%点の表示欄352d
たとえば、受診者の現在の歯の寿命進行レベルが、平均値より悪い場合、平均値における増加数と同じに推移すれば、10年経過した時点で、平均値からの差が同じである。平均値における増加数に対して、所定比率減じれば、10年経過した時点で、平均値との差が縮小、あるいは平均値より小さくすることができる。また、平均値と同じであれば、理想目標に向けて、減点することで、理想曲線に近づけることができる。現在の寿命進行レベルと平均値との乖離度合いを勘案し、受診者と歯科医師との間で、客観的に、数値目標を設定することができる。
図23は、第9ページの画面構成を示している。
第9ページ1009は最終頁である。このページには、歯の寿命を延ばす意味の説明が表示されている。すなわち、上から下に順番に、説明文記載欄391、年齢別の歯の平均本数を表示するグラフ表示欄392、歯科医師からのアドバイス表示欄393、歯科医院情報表示欄394が、配置されている。歯科医院情報表示欄394には、診断結果にアクセスするための識別コード117が表示されている。
アドバイス表示欄393に記入された事項は、診断支援サーバ200に送られ、受診者データベース206に格納される。
また、歯科医院情報表示欄394には、歯科医院名、住所、電話等の歯科医院の情報が表示される。この情報は、診断支援サーバ200が有している歯科医療機関のデータベースから読み出して、自動的に組み込まれる。
また、これらのウェブページは、診断書として印刷することができる。さらに、一つの文書ファイルとして、受診者データベースに格納しておいてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、簡易に、かつ、より客観的に歯の悪化状態を知ることができ、歯に健康に対する啓蒙、ひいては前進の健康状態の増進を図ることができる。
治療だけでなく、歯の状態を客観的に知ることで自分の健康増進の意識が芽生える。8020(80歳で自身の歯が20本)を目指すとしても、80歳にならないと分からない問題であったが、本発明によれば、何歳であっても歯の寿命進行レベルの数値を目標にすれば良いかが分かる。
また歯の本数が多いと医療費全体の削減につながる統計データが各種あるため、国の財政負担が減る。また歯だけでなく受診者の体の健康にもつながる。
また、第3の近似式(13),第4の近似式(14)については、5歳刻みの年齢階級の中間年齢での喪失歯の平均本数の散布図について、4次の多項式近似としているが、第1の近似式(11),第2の近似式(12)と同様に、多項式近似の次数は、データに応じて適切に選択される。また、多項式近似に限定されず、データに応じて、直線近似、指数近似としてもよいし、複数の直線近似式、あるいは直線近似式と多項式近似式との組み合わせとすることもできる。
また、第5の近似式(15)については、5歳刻みの年齢階級の中間年齢でのかぶせ物の平均本数の散布図について、6次の多項式近似としているが、やはり、第1の近似式(11),第2の近似式(12)と同様に、多項式近似の次数は、データに応じて適切に選択される。また、多項式近似に限定されず、データに応じて、直線近似、指数近似としてもよいし、複数の直線近似式、あるいは直線近似式と多項式近似式との組み合わせとすることもできる。
また、上記実施の形態の厚生労働省の「歯科疾患実態調査」は平成28年度版であり、新しい「歯科疾患実態調査」が出た場合、健全歯の本数、詰め物の本数、かぶせ物の本数
の平均値、これらのデータから求めた歯の寿命進行レベルの平均値、第1の近似式(11)〜第5の近似式(15)等、第1の近似曲線L1〜第5の近似曲線L5、早見表T11,T12等の指標は、適宜、更新される。その場合には、管理者端末30から、診断支援
サーバ200に記憶されているこれらの指標を変更することができる。
20 受診者端末(情報端末)
40 通信ネットワーク
200 診断支援サーバ(歯の寿命診断支援サーバ)
203 入力画面生成部
204 記憶部
205 評価画面生成部
206 受診者データベース
230 入力画面
231 氏名入力欄、232 年齢入力欄、233 日付入力欄
234a 健全歯の本数入力欄
234b 詰め物の本数入力欄
234c かぶせ物の本数入力欄
234d 喪失歯の本数入力欄
302 歯の年齢に関する評価画面、1004 第4ページ
318 歯の寿命進行レベル表示欄
321 歯の年齢表示欄
322 平均値との年齢差表示欄
323 理想目標との年齢差表示欄
325 グラフ表示欄、
G1 グラフ、
L1 第1の近似曲線(歯の寿命進行レベルの平均値)
L2 第2の近似曲線(歯の寿命進行レベルの理想目標)
326 早見表表示欄、T11 早見表
303 喪失歯に関する評価画面、1004 第5ページ
331 喪失歯の本数表示欄
333 平均値との差分表示欄
335 理想目標との差分表示欄
336 グラフ表示欄、
G2 グラフ、
L3 第3の近似曲線(喪失歯の本数の平均値の近似曲線)
L4 第4の近似曲線(喪失歯の本数の理想目標の近似曲線)
337 早見表表示欄、T12 早見表
304 かぶせ物に関する評価画面、1006 第6ページ
341 かぶせ物の本数表示欄
343 平均との差分表示欄
345 グラフ表示欄、G3 グラフ
305 歯の寿命進行レベルの増加点数に関する評価画面、1007 第7ページ
352a 歯の寿命進行レベルの平均値の10年後の増加点数表示欄
352b 増加点数の25%減の表示欄
352c 増加点数の50%減の表示欄
352d 増加点数の75%減の表示欄
Claims (31)
- 利用者の情報端末との間で、通信回線を介して情報の送受信を可能とする、歯の寿命診断支援サーバであって、
前記情報端末に対して、入力画面を表示する、入力画面生成手段と、
前記情報端末に対して、評価画面を表示する、評価画面生成手段と、を有し、
前記入力画面には、
複数段階に区分された悪化レベルに対応する受診者の歯の本数を入力する本数入力欄、が含まれ、
前記評価画面には、
前記本数入力欄に入力された本数に基づいて予め定められた計算式により算出される歯の寿命進行レベルを表示する寿命進行レベル表示欄、
前記受診者の歯の寿命進行レベルに基づいて求められる歯の年齢を表示する、歯の年齢表示欄が含まれ、
前記歯の年齢は、厚生労働省の「歯科疾患実態調査」の統計データから求めた、年齢と歯の寿命進行レベルの平均値との関係が予め記憶されており、前記年齢と寿命進行レベルの平均値の関係に、前記受診者の歯の寿命進行レベルを当てはめて算出されることを特徴とする、
歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記評価画面には、さらに、
前記歯の年齢と実年齢との差を表示する、年齢差表示欄、
が含まれることを特徴とする、
請求項1に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記歯の寿命進行レベルを算出する計算式は、前記各悪化レベルに対応する本数に、前記各悪化レベルに対応して設定される基準点数を掛けて積を算出し、さらに各積の値を足し合わせ、基礎点を加えて前記歯の寿命進行レベルを算出する計算式である、請求項1または2に記載の歯の寿命診断支援サーバ。
- 前記評価画面には、さらに、
歯の年齢の理想目標と、実年齢との年齢差を表示する、年齢差表示欄、
が含まれ、
前記歯の年齢の理想目標は、80歳で20本以上の歯を達成するように理想的に推移する、年齢と歯の寿命進行レベルの理想目標の関係が予め記憶されており、前記理想的に推移する年齢と歯の寿命進行レベルの関係に、前記受診者の歯の寿命進行レベルを当てはめて算出される年齢である、
請求項2または3に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記統計データから求めた年齢と歯の寿命進行レベルの平均値の関係は、第1の近似式によって近似され、
前記歯の年齢は、前記第1の近似式に受診者の歯の寿命進行レベルを当てはめることによって算出される、
請求項4に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記歯の寿命進行レベルの平均値のデータは、年齢階級別の平均値のデータであり、
前記第1の近似式は年齢階級の間の特定の年齢の平均値の近似式である
請求項5に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記年齢と歯の寿命進行レベルの理想目標の関係は、第2の近似式によって近似され、
前記歯の年齢の理想目標は、前記第2の近似式に受診者の歯の寿命進行レベルを当てはめることによって算出される、
請求項5または6に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記評価画面には、さらに、
前記年齢と歯の寿命進行レベルの関係を示すグラフ、
が含まれ、
前記グラフには、前記第1の近似式に対応する第1の近似曲線と、前記受診者の実年齢での歯の寿命進行レベルの座標位置を示すマークと、
が含まれる請求項7に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記グラフには、さらに、
前記第2の近似式に対応する第2の近似曲線、
が含まれる請求項8に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記グラフには、さらに、
前記統計データの歯の寿命進行レベルの平均値のデータに基づいて、前記平均値より悪いデータと年齢との関係を示す曲線
が含まれる請求項9に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記平均値より悪いデータは、前記平均値より10歳悪いデータと20歳悪いデータである請求項10に記載の歯の寿命診断支援サーバ。
- 前記評価画面には、さらに、
年齢別の歯の寿命進行レベルの平均値を表形式の早見表として表示する、早見表表示欄、
が含まれる請求項8に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記早見表には、さらに、
年齢別の歯の寿命進行レベルの理想目標
が含まれる請求項12に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記評価画面には、さらに、受診者の実年齢より年数を経た年齢についての、歯の寿命進行レベルの平均値の増加点数を表示する増加点数表示欄と
前記増加点数に対して、所定比率減じた点数を表示する表示欄と、
が含まれる請求項7に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記歯の悪化状態に応じて予め定めた基準点数は、歯の悪化状態が悪いほど、高い点数とする請求項1に記載の歯の寿命診断支援サーバ。
- 前記歯の悪化状態は、健全歯、詰め物の有る歯、かぶせ物のある歯、喪失歯の4つのレベルに区分される請求項15に記載の歯の寿命診断支援サーバ。
- 前記喪失歯にインプラントが施術された場合は、マイナスの点数とする請求項16に記載の歯の寿命診断支援サーバ。
- 前記評価画面には、さらに、
歯の全体について、年齢により悪化していく過程を描いた年齢による歯の状態の説明図が含まれている請求項1に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記入力画面の本数入力欄は、悪化レベルに対応する少なくとも喪失歯の本数が入力される本数入力欄を備え、
前記評価画面には、さらに、
受診者の喪失歯の本数を表示する、喪失歯の本数表示欄、
前記受診者の喪失歯の本数と、喪失歯の本数の平均値との差を表示する、喪失歯の本数の平均値との差表示欄、
が含まれ、
前記喪失歯の本数の平均値は、厚生労働省の「歯科疾患実態調査」の統計データから求めた、年齢と喪失歯の本数の平均値との関係が予め記憶されており、前記年齢と喪失歯の本数の平均値の関係に、受診者の実年齢を当てはめて求められる、
請求項1に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記評価画面には、さらに、
前記受診者の喪失歯の本数と、喪失歯の本数の理想目標との差を表示する、喪失歯の理想目標との差表示欄が含まれ、
前記喪失歯の本数の理想目標は、80歳で20本以上の歯を達成するように理想的に推移する、年齢と喪失歯の本数の理想目標の関係が予め記憶されており、前記理想的に推移する年齢と喪失歯の本数の関係に、前記受診者の実年齢を当てはめて求められる
請求項19に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記統計データから求められた年齢と喪失歯の本数の平均値との関係は、第3の近似式によって近似され、
前記受診者の実年齢に対応する前記喪失歯の本数の平均値は、前記第3の近似式に受診者の実年齢を当てはめることによって算出される、
請求項20に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記年齢と喪失歯の本数の理想目標との関係は、第4の近似式によって近似され、
前記受診者の実年齢に対応する前記喪失歯の本数の理想目標は、第4の近似式に受診者の実年齢を当てはめることによって算出される、
請求項21に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記評価画面には、さらに、
年齢と喪失歯の本数の平均値との関係を示すグラフを表示する、グラフ表示欄、
が含まれ、
前記グラフには、前記第3の近似式に対応する第3の近似曲線と、前記受診者の実年齢での喪失歯の本数の座標位置を示すマークと、
が含まれる請求項22に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記グラフは、さらに、
前記第4の近似式に対応する第4の近似曲線、
が含まれる請求項23に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記評価画面に、さらに、
年齢別の喪失歯の平均値を表形式の早見表として表示する、早見表表示欄、
が含まれる
請求項24に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記早見表は、さらに、
年齢別の年齢と喪失歯の理想目標が含まれる請求項25に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記評価画面に、さらに、
受診者のかぶせ物の歯の本数を表示する、かぶせ物の本数表示欄、および、
前記受診者のかぶせ物の歯の本数と、かぶせ物の歯の本数の平均値との差を表示する、かぶせ物の歯の平均値との差分表示欄、
が含まれ、
前記かぶせ物の歯の本数の平均値は、厚生労働省の「歯科疾患実態調査」の統計データから求めた、年齢とかぶせ物の歯の本数の平均値との関係が予め記憶されており、前記年齢とかぶせ物の歯の本数の平均値の関係に、受診者の実年齢を当てはめて求められる、
請求項1に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記統計データから求められた年齢とかぶせ物の歯の本数の平均値との関係は、第5の近似式によって近似され、
前記受診者の実年齢に対応する前記かぶせ物の歯の本数の平均値は、前記第5の近似式に受診者の実年齢を当てはめることによって算出される、
請求項27に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記評価画面に、さらに、
前記年齢と前記かぶせ物の歯の本数の平均値との関係を示すグラフが表示される、グラフ表示欄が含まれ、
前記グラフには、前記第5の近似式に対応する第5の近似曲線と、前記受診者の実年齢でのかぶせ物の歯の本数の座標位置を示すマークと、が含まれる、
請求28に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 前記評価画面に、さらに、
一つの歯が、健全歯から、詰め物の治療をし、さらに悪化してかぶせ物をし、最後は抜歯に至る過程を示す、歯の寿命ステージの画像情報、
含まれる請求項1、2、14、28または29に記載の歯の寿命診断支援サーバ。 - 歯の寿命を評価する歯の寿命診断支援システムであって、
請求項1乃至30のいずれか1項に記載の歯の寿命診断支援サーバと、前記歯の寿命診断支援サーバと通信ネットワークを介して接続される情報処理端末と、を備えたことを特徴とする歯の寿命診断支援システム。
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