JP6888708B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
運転者の操舵トルクに応じて電動モータを駆動し、この電動モータの回転力を軸方向直動力に変換してラック軸に伝達することによって運転者の操舵を補助する方式の電動パワーステアリング装置(以下、「ラックアシスト式電動パワーステアリング装置」と記すこともある)が知られている。ラックアシスト式電動パワーステアリング装置においては、電動モータの回転力をラック軸の軸方向直動力に変換するために、ボールねじを用いる場合がある。
例えばベルト減速機は、電動モータの回転軸に取り付けられた入力プーリと、ボールねじのナットに取り付けられた出力プーリと、入力プーリと出力プーリとに掛け渡されて入力プーリの回転を出力プーリに伝達する無端ベルトと、を備えている。そして、電動モータの回転がベルト減速機によって減速されつつボールねじのナットに伝達され、ボールねじによって軸方向直線運動に変換されてラック軸に伝達されるようになっている。
第二の発明は、第一の発明において、前記ナットの外周面には、第1接触面が設けられ、前記出力プーリの内周面には、前記第1接触面に対向する第2接触面が設けられ、前記弾性部材は、前記第1接触面と前記第2接触面との間に介在し、前記第1接触面と前記第2接触面とのそれぞれに当接し、前記ナットと前記出力プーリとの相対移動の際、前記弾性部材は、前記第1接触面との当接位置が変化することを特徴とする。
第三の発明は、前記第1接触面は、第1平面を有し、前記第2接触面は、第2平面を有していることを特徴とする。
第四の発明は、前記第2平面は、前記第2平面の径方向内端と、前記ねじ軸の中心と、を通る仮想経線に対して傾いており、前記第2平面に対して直交する直交方向に前記ねじ軸の中心が配置されていないことを特徴とする。
本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態の電動パワーステアリング装置は、後述するラック軸7と電動モータ12の回転軸12aとを平行に配置してオフセットさせる方式のラックアシスト式電動パワーステアリング装置であり、ピニオン機構2とラック機構3を備える例えば車両用の操舵ギヤ機構1に対して好適に適用されるものである。
操舵ギヤ機構1のラック機構3は、ラックハウジング6内に摺動可能に支持されたラック軸7を備えている。ラック軸7はピニオン軸5と噛み合っており、ピニオン軸5の回転に応じてラック軸7の軸方向(長手方向)に直動するようになっている。すなわち、ピニオン軸5に伝達された回転が、ラックアンドピニオンギヤによってラック軸7の直線運動に変換される。
電動モータ12は、ラックハウジング6の軸受収容部16の径方向外方に一体に形成されたモータ支持部18のピニオン機構2側に固定され、その回転軸12aが、モータ支持部18に形成された貫通孔18aを通じてピニオン機構2とは軸方向反対側に突出している。
また、2つの凸部41、41のうち一方の凸部41Aの内部には、ナット15の軸方向に延びる貫通孔が形成されていて、この貫通孔によりボール循環路22が構成されるエンドデフレクタタイプを用いている。
この貫通孔は、図3に示すように、凸部41Aの周方向中央に形成されていてもよいし、凸部41Aの周方向端部近傍に形成されていてもよい。2つの凸部41、41のうち他方の凸部41Bには貫通孔(ボール循環路22)は形成されていない。
この構成は、弾性部材25を介在した結合となるため、ナット15と出力プーリ20とが直接接触する結合で無くなり、接触に関係する部分の加工精度を緩和することができる。また、出力プーリ20とナット15の結合に関係する部分の加工精度を緩和することができ、且つ、出力プーリ20とナット15の位相ズレが生じにくい。
また、樹脂の種類は特に限定されるものではなく、例えば、ポリアミド、ポリアセタール、フェノール樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート等があげられる。
また、弾性部材25の素材は、例えば、ばね鋼、ステンレス鋼、黄銅、りん青銅、ベリリウム銅等の一般的な材料が用いられる。
さらに、詳細に説明すると、弾性部材25は、端部25bがナット15の2つの凸部41A、41Bとの圧縮によりズレずに端部25bが凹部43に形成された保持部43cに保持されるとともに、弾性部材の中央部25aが凸部41A、41Bの接触面に接触している。その接触面は、図5に示すように、出力プーリ20の芯出し用に設けている嵌合面15aから凸部41A、41Bの先端に向けて形成された凸部41、41Bの両側面(図では正面からみて左右の両側面)である。すなわち、凸部41Aの左右に1対の第1接触面41A(a)、41A(b)と、凸部41Bの左右に1対の第1接触面41B(a)、41B(b)である。なお、弾性部材25の端部25bは、収容領域43dの第2接触面43e(第2平面43f)に当接している。よって、凸部41A、41Bとの圧縮により第1接触面41A(a)、41A(b)、41B(a)、41B(b)から離隔しないようになっている。言い換えると、弾性部材25は、第1接触面41A(a)、41A(b)、41B(a)、41B(b)と、第2接触面43e(第2平面43f)とのそれぞれに当接している。
この1対の内の凸部41Aの第1接触面41A(a)、41A(b)は循環路22を挟み込む構成となっている。
また、ナット15の外周形状は、ナット15の軽量化と低イナーシャ化を図るため、接触面以外の駄肉(不要部分)を取り除いた形状とされるが、ここでは、その外周面の駄肉(不要部分)を低減したナット15の外側形状を利用する実施形態としている。
また、オフセットさせる方式のラックアシスト式電動パワーステアリング装置ではナット15と出力プーリ20から構成される減速機構における慣性が大きいため、路面からタイヤへの逆入力(衝撃荷重)があった場合にボールねじに荷重が集中してしまうが、弾性部材25を介することで衝撃荷重を緩和する効果がある。
また、位相ズレを防ぐための部材(例えばねじ)が不要であるため、本実施形態の電動パワーステアリング装置は部品点数を少なくすることができる。さらに、このような結合方法であれば、出力プーリ20のナット15に対する結合(組み立て)に時間や手間を要することがなく、結合(組み立て)が容易である。さらに、ナット15と出力プーリ20を結合するための部材が不要であるため、本実施形態の電動パワーステアリング装置は部品点数が少ない。
これに対して、本実施形態のように、凸部41はそれぞれ特定の凹部43にしか嵌め合わせることができないため、間違った位相で出力プーリ20をナット15に結合してしまう組み付けミスが生じることがない。
さらに、凸部41をボールねじ11の正面側から見た形状は略台形であったが、凸部41をボールねじ11の正面側から見た形状は略台形に限定されるものではなく、接触面が形成できれば他の形状でもよい。例えば、半円形、半楕円形、三角形、矩形等があげられる。
本実施形態は、図9に示すように、弾性部材25の内側と出力プーリ20の凹部43の収容領域43dとの空間に減衰部材26を設けている。また、弾性部材25は、所定の厚みを持った帯板を中央部25aで内向きに湾曲(アーチ形状)させた略長方形の弓形板バネであることは第一実施形態と同じであるが、端部25bについては内側に丸められておらず第一実施形態と異なる。
このような減衰部材26を設けることで、樹脂のクリープ変形が抑えられ、弾性部材25の保持力を維持することができ、かつ、衝撃力の緩和の効果がある。
なお、第一実施形態の図3の構成と同じ構成の説明にあっては、説明内容が重複するため省略する。
本実施形態は、図10に示すように、第一実施形態及び第二実施形態において、弾性部材25を出力プーリ20とは別部材として構成していたが、出力プーリ20の凹部43に一体成形した弾性形状27を設けている。第一実施形態及び第二実施形態における弾性部材25に相当する弾性形状27は、出力プーリ20の内周面の凹部43A、43Bのそれぞれに弓形(アーチ)の半円弧形状に成形されている。
このように、出力プーリ20に弾性形状27を成形し、弾性部材25を保持する保持部が無い構成としているため、ナット15に出力プーリ20を組んだ後に弾性部材25を組み込む場合に比べ、さらに、ナット15との結合工程における時間が短縮できる。また、出力プーリ20を軽量化することができる。
なお、第一実施形態及び第二実施形態の構成と同じ構成の図の説明にあっては、説明内容が重複するため省略する。
2 ピニオン機構
3 ラック機構
4 ピニオンハウジング
5 ピニオン軸
6 ラックハウジング
7 ラック軸
9 ねじ軸
11 ボールねじ
12 電動モータ
13 伝達機構
14 ボール
15 ナット
19 入力プーリ
20 出力プーリ
21 無端ベルト
22 ボール循環路
25 弾性部材
26 減衰部材
41 凸部
43 凹部
41A(a)、41A(b)、41B(a)、41B(b) 第1接触面
44a 第1平面
43e 第2接触面
43f 第2平面
Claims (3)
- 運転者の操舵に応じて回転するピニオン軸に噛み合い前記ピニオン軸の回転に応じて直動するラック軸と、前記運転者の操舵トルクに応じて回転駆動される電動モータと、前記電動モータの回転力を前記ラック軸の軸方向に沿う方向の直動力に変換して前記ラック軸に伝達するボールねじと、前記電動モータの回転を前記ボールねじに伝達する伝達機構と、を備え、
前記ボールねじは、螺旋状のねじ溝を外周面に有し且つ前記ラック軸と同軸に連結されたねじ軸と、前記ねじ軸のねじ溝に対向するねじ溝を内周面に有し且つ前記電動モータの回転が前記伝達機構を介して入力されて回転するナットと、前記両ねじ溝により形成される螺旋状のボール転動路に転動自在に装填される複数のボールと、前記ボールを前記ボール転動路の終点から始点へ戻し循環させるボール循環路と、を備え、前記電動モータによって前記ナットを回転させることにより、前記ボール転動路内での前記ボールの転動を介して、前記ねじ軸が前記ラック軸の軸方向に直動可能とされており、
前記伝達機構は、前記電動モータの回転が伝達される入力プーリと、前記ナットに連結され前記ナットに回転を伝達する出力プーリと、前記入力プーリ及び前記出力プーリに掛け渡されて前記入力プーリの回転を前記出力プーリに伝達する無端ベルトと、を備え、
前記出力プーリは前記ナットの外周面を覆うように配置され、
前記ナットと前記出力プーリとが弾性部材を介して嵌め合わされ前記ナットと前記出力プーリとが結合され、
前記ナットの外周面には、第1接触面が設けられ、
前記出力プーリの内周面には、前記第1接触面に対向する第2接触面が設けられ、
前記弾性部材は、前記第1接触面と前記第2接触面との間に介在し、前記第1接触面と前記第2接触面とのそれぞれに当接し、
前記ナットと前記出力プーリとの相対移動の際、前記弾性部材は、前記第1接触面との当接位置が変化することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記第1接触面は、第1平面を有し、
前記第2接触面は、第2平面を有している
請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記第2平面は、前記第2平面の径方向内端と、前記ねじ軸の中心と、を通る仮想経線に対して傾いており、前記第2平面に対して直交する直交方向に前記ねじ軸の中心が配置されていない
請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020068805A JP6888708B2 (ja) | 2020-04-07 | 2020-04-07 | 電動パワーステアリング装置 |
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