JP6888602B2 - 水電解システム - Google Patents

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Description

本発明は、水電解システムに関し、さらに詳しくは、複数個の高分子電解質膜形(PEM形)水電解スタックを備えており、各PEM形水電解スタックの劣化診断が可能であり、さらに、劣化したPEM形水電解スタックの再生が可能な水電解システムに関する。
水電解装置としては、高分子電解質膜を隔膜に用いた水電解装置(PEM形水電解装置)、アルカリ電解液を隔壁で仕切った水電解装置、固体酸化物を電解質に用いた高温水電解装置などが知られている。これらの中でも、PEM形水電解装置は、水のみを用いて水素を発生させることができる、水素ガス中に水以外の不純物は含まれない、作動温度が低い、などの利点がある。
水電解装置を用いて水素を生成させる場合、直流電源が必要となる。この直流電源として、太陽光、水力、風力、波力、バイオマス、地熱などの再生可能エネルギー由来の電源を用いることが検討されている。しかし、再生可能エネルギー由来の電源は、供給される電力量が大きく変動しやすいという問題がある。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、
複数の水電解スタックを有する水電解装置と、
水電解装置に電力を供給するための電圧変動電源と、
電圧変動電源から各水電解スタックに供給される電力を個別に制御する電力調整部と、
電圧変動電源からの供給電力量に応じて、各電力調整部を一括して制御する制御部と
を備えた水電解システムが開示されている。
同文献には、このような水電解システムを用いると、電圧変動電源からの供給電力量の変動に応じて、最良の電解効率を確実に得ることができる点が記載されている。
特許文献2には、
複数のセグメントに電気的に分割された電気分解スタックを備え、
各セグメントは、それぞれ、所定の個数の電気分解セルを有し、かつ、スイッチ手段を使用して電気的に短絡可能である
電気分解装置が開示されている。
同文献には、スイッチ手段により稼働中の電気分解セルの個数が変化すると、電気分解装置の特性曲線も変化し、その動作点も変化する点が記載されている。
特許文献3には、電力網と、電力網に接続された電気分解装置と、ガス消費者に天然ガスを搬送すると同時に電気分解装置で製造された水素を貯蔵するための天然ガスシステムとを備えたエネルギーシステムが開示されている。
同文献には、
(a)電力網の一領域で過剰に生産された電気を電気分解装置で消費すると、電力網の過電圧を防止することができる点、及び
(b)電気分解装置では電気エネルギーを水素に変換し、その水素を天然ガスシステム内に貯蔵することによって、エネルギーシステム内にエネルギーを貯蔵できる点
が記載されている。
さらに、非特許文献1には、集光型太陽光発電モジュール(concentrator photovoltaic mojules)と、電解装置と、DC/DCコンバータとを備えた太陽光−水素変換システムが開示されている。
同文献には、
(a)このようなシステムにより、1日の太陽光−水素(solar-to-hydrogen、STH)効率が18.78%に達する点、及び、
(b)電気化学(EC)セルの過電圧がSTH効率の向上の障害となっている点
が記載されている。
供給電力が変動する電源を用いて水電解を行う場合、例えば、特許文献2に開示されているように、電力変動に応じて、複数のスタックの中から、作動させるスタックを選別するという方法が考えられる。
この方法は、一見すると効率が良く、かつ、スタックを長時間使用できると思われる方法である。しかし、このような方法が破綻するケースもある。例えば、性能が良いと判断された結果、長時間の連続運転を行ったスタックでは、部材の酸化が過度に進行し、不可逆的な酸化状態に陥るおそれがある。
また、スタックの設置場所や初期特性が異なっているために、使用期間が長くなると、スタック間の劣化状態が異なってくる。スタック間の個体差が顕在化してくると、一見すると性能が良く見えるスタックであっても、長時間の運転が不向きの場合もある。
例えば、一見すると性能は高いように見えるが、直近の劣化速度が速いスタックは、急速に劣化が進行するおそれがあるため、長時間の運転には不向きである。PEM形水電解装置において、電解質膜のイオン伝導度の低下が既に進行しており、電解質膜の不可逆的な劣化が懸念される場合も同様である。
複数のスタックを備えたシステムにおいて、各スタックの劣化が進行している時には、劣化の程度に応じた適切な使い方があると考えられる。そのためには、各スタックの劣化の程度を正確に判断する必要がある。しかし、スタックの電圧を監視するだけでは、劣化の程度を正確に判断することは困難である。また、劣化がさらに進行すると、スタックの交換が必要となる。このような状況に陥った場合において、不必要な交換コストの増加を避けるためには、スタック交換のための適切な判断基準も必要である。
しかしながら、スタックの劣化の程度を適切に判断する方法、あるいは、スタックの交換時期を適切に判断する方法が提案された例は、従来にはない。
特開2007−031813号公報 特表2016−518519号公報 特表2015−528851号公報
Yasuyuki Ota et al., Appl. Phys. Express 11 077101
本発明が解決しようとする課題は、複数個のPEM形水電解スタックを備えた水電解システムにおいて、特定のPEM形水電解スタックのみを酷使することに起因するPEM形水電解スタックの短寿命化及び交換コストの増加を抑制することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、複数個のPEM形水電解スタックの劣化の程度を適切に判断することが可能な水電解システムを提供することにある。
さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、複数個のPEM形水電解スタックの交換時期を適切に判断することが可能な水電解システムを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る水電解システムは、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記水電解システムは、
n個(n≧2)のPEM形水電解スタックと、
前記PEM形水電解スタックに個別に電力を供給する電源と、
前記PEM形水電解スタックの酸素極に水を供給する水供給装置と、
前記PEM形水電解スタックの抵抗値を計測する抵抗値計測装置と、
前記PEM形水電解スタックの温度を計測する温度計測装置と、
前記水電解システムの動作を制御する制御装置と
を備えている。
(2)前記制御装置は、平準化手段を備え、
前記平準化手段は、
前記抵抗値計測装置及び前記温度計測装置で計測された前記抵抗値及び前記温度を用いて、前記抵抗値の温度依存性を算出する温度依存性算出手段と、
前記温度依存性に基づいて、前記抵抗値の変化を、電極触媒の酸化に起因する可逆劣化と、前記電極触媒の溶出に起因する不可逆劣化に分離する分離手段と、
前記可逆劣化及び/又は前記不可逆劣化の大きさに基づいて、前記PEM形水電解スタックに対して劣化の程度に関する序列を付与する序列化手段と、
前記電源から供給される電力の大きさに応じて、作動させる前記PEM形水電解スタックの数を決定し、前記序列に基づいて、作動させる前記PEM形水電解スタックを選択するスタック選択手段と
を備えている。
前記制御装置は、
(a)前記PEM形水電解スタックの前記可逆劣化の大きさが第1閾値以上であり、かつ、前記不可逆劣化の大きさが第2閾値未満である時に、前記PEM形水電解スタックの再生処理を実行する再生手段、及び/又は、
(b)操作者に対して、前記不可逆劣化の大きさが前記第2閾値以上である前記PEM形水電解スタックの交換を促す警告手段
をさらに備えているのが好ましい。
経時劣化によりPEM形水電解スタックの抵抗値が増加した場合、抵抗値の増分は、イオン抵抗成分の増分と接触抵抗成分の増分に分離することができる。イオン抵抗成分の増分は、電極触媒が溶出し、電解質膜のプロトンが触媒金属イオンでイオン交換されることにより生じる抵抗値の増分(不可逆劣化)を表し、温度依存性が強い。一方、接触抵抗成分の増分は、電極触媒が酸化されることにより生じる抵抗値の増分(可逆劣化)を表し、温度依存性が殆どない。
そのため、PEM形水電解スタックの温度−抵抗曲線を取得し、経時劣化による抵抗値の増分を不可逆変化と可逆変化に分離すれば、PEM形水電解スタックの再生処理及び/又は交換の時期を適切に判断することができる。また、可逆劣化及び不可逆劣化の大きさを考慮して作動させるPEM形水電解スタックが選択されるので、特定のPEM形水電解スタックのみが酷使されることがない。また、可逆劣化が進行したPEM形水電解スタックから優先して再生処理を行うこともできる。そのため、PEM形水電解スタックの寿命が長くなり、スタック交換に要する費用の増加も抑制することができる。
本発明に係る水電解システムの模式図(作動スタックが少ない場合)である。 本発明に係る水電解システムの模式図(作動スタックが多い場合)である。 不可逆劣化が生じたPEM形水電解スタックの面積抵抗値の変化の一例である。 可逆劣化が生じたPEM形水電解スタックの面積抵抗値の変化の一例である。 PEM水形電解スタックの面積抵抗値の温度依存項と非温度依存項の模式図である。 面積抵抗値の温度依存項と、温度との関係を表す一群の予測式の一例である。
実測された面積抵抗値と温度との関係式(温度−抵抗曲線)の一例である。 実測された温度−抵抗曲線(図7)を予測式(図6)の上に重ね合わせた状態を表す模式図である。 PEM形水電解スタックの電圧の経時変化の一例である。 電圧降下手段を用いてセル電圧を降下させた時の最低セル電圧と電圧回復との関係を示す図である。 平準化手段、再生手段及び警告手段を実行するための制御プログラムのフロー図である。
図11に示すフロー図の続きである。 図13(A)は、入力電力の経時変化の一例を示す。図13(B)〜図13(D)は、それぞれ、スタック1〜スタック3の動作状況の模式図である。 水電解システムの運転中に検出された抵抗値変化ΔRの温度依存性の模式図である。 分離手段を用いて分離された抵抗値変化ΔRの内訳の模式図である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 水電解システム]
図1に、本発明に係る水電解システムの模式図(作動スタックが少ない場合)を示す。図2に、本発明に係る水電解システムの模式図(作動スタックが多い場合)を示す。図1及び図2において、水電解システム10は、
n個(n≧2)のPEM形水電解スタック20と、
PEM形水電解スタック20に個別に電力を供給する電源30と、
PEM形水電解スタック20の酸素極に水を供給する水供給装置(図示せず)と、
PEM形水電解スタック20の抵抗値を計測する抵抗値計測装置(図示せず)と、
PEM形水電解スタック20の温度を計測する温度計測装置(図示せず)と、
水電解システム10の動作を制御する制御装置(図示せず)と
を備えている。
[1.1. PEM形水電解スタック]
[1.1.1. 構成]
PEM形水電解スタック(以下、単に「スタック」ともいう)20は、高分子電解質膜を隔膜に用いた単セルが複数個積層されたものからなる。単セルは、高分子電解質膜の両面に電極(酸素極、水素極)が接合された膜電極接合体(MEA)と、MEAの両側に配置されたセパレータとを備えている。スタック20の構造は、水電解が可能である限りにおいて、特に限定されない。例えば、スタック20は、
(a)酸素極側及び水素極側の双方において、水を循環させる両極循環方式、
(b)酸素極側のみ水を循環させる片側循環方式
のいずれであっても良い。
[1.1.2. スタックの個数]
図1及び図2に示す例において、水電解システム10は、合計12個のスタック20を備えているが、これは単なる例示である。スタック20の個数(n)は、目的に応じて最適な個数を選択することができる。
スタック20の個数(n)は、次の式(1)の関係を満たしているのが好ましい。
n×WPEM−WS≧WPEM …(1)
但し、
PEMは、前記PEM形水電解スタック1個当たりの定格電力、
Sは、前記電源の最大電力。
式(1)は、電源30から最大電力が供給された場合であっても、最低1個のスタック20を休止させることができることを表す。後述するように、本発明においては、所定の条件が満たされた時にスタック20の再生処理又は交換が行われる。式(1)を満たす場合、電源30から最大電力が供給された場合であっても、供給された電力のすべてを水電解に消費しながら、劣化が進行している特定のスタック20の再生処理又は交換を行うことができる。
スタック20の作動数及び作動させる個体は、目的に応じて任意に選択することができる。図1に示す例では、合計4個のスタック20を作動させている。一方、図2に示す例では、合計8個のスタック20を作動させている。いずれの場合においても、作動中のスタック20の水素極において生成した水素ガスは、水素タンク22に貯蔵される。
なお、電気分解の際には、スタック20の酸素極において酸素が生成する。生成した酸素は、通常、大気中に排出されるが、生成した酸素を酸素タンク(図示せず)に貯蔵し、他の用途に用いても良い。
[1.2. 電源]
電源30は、スタック20に個別に電力を供給するためのものである。本発明において、電源30の種類は、特に限定されない。電源30は、商用電源であっても良く、あるいは、太陽光、風力などの再生可能エネルギー由来の電源であっても良い。
図1及び図2に示す水電解システム10において、電源30には、再生可能エネルギー由来の電源が用いられている。また、同図に示す水電解システム10は、電力調整器32と、二次電池34をさらに備えている。電力調整器32は、電源30から供給される電力の全部又は一部をスタック20のいずれか1以上に分配するためのものである。二次電池34は、電力と水素の需給バランスが崩れた時に、余剰電力を一時的に貯蔵するためのものである。二次電池34に貯蔵された電力は、電力が不足した時にスタック20に供給され、電解に利用される。
[1.3. 水供給装置]
水供給装置(図示せず)は、スタック20の酸素極に水を供給するためのものである。酸素極に供給される水は、電解の原料となる。水供給装置の構造は、作動中のスタック20に必要量の水を供給可能なものである限りにおいて、特に限定されない。スタック20の酸素極に水を供給しても、電力が供給されない限り電解は行われない。そのため、水供給装置は、すべてのスタック20に同時に水を供給するものでも良く、あるいは、作動中の特定のスタック20に選択的に水を供給するものでも良い。
なお、水電解システム10は、スタック20の水素極に水を供給するための第2水供給装置をさらに備えていても良い。電解中に水素極に水を供給すると、水素極の表面に吸着した水素ガスの脱離を促進させることができる。
[1.4. 抵抗値計測装置]
抵抗値計測装置(図示せず)は、スタック20の抵抗値を計測するためのものである。本発明において、抵抗値計測装置の構造は、特に限定されない。
抵抗値の計測は、水電解システム10に含まれるすべてのスタック20について行われる。計測された抵抗値は、必要に応じて面積抵抗値などの制御に適した物性値に換算され、スタック20の再生処理や交換を実行する時期を判断するために用いられる。この点については、後述する。
[1.5. 温度計測装置]
温度計測装置(図示せず)は、スタック20の温度を計測するためのものである。本発明において、温度計測装置の構造は、特に限定されない。
温度の計測は、水電解システム10に含まれるすべてのスタック20について行われる。計測された温度は、スタック20の再生処理や交換を実行する時期を判断するために用いられる。この点については、後述する。
[1.6. 制御装置]
制御装置(図示せず)は、水電解システム10の動作を制御するためのものである。制御装置は、水電解システム10の一般的動作を制御する手段に加えて、特定のスタック20のみが酷使されるのを回避するための平準化手段を備えている。また、制御装置は、可逆劣化が進行したスタック20の再生処理を実行するための再生手段、及び/又は、不可逆劣化が進行したスタック20の交換を促す警告手段をさらに備えていても良い。
これらの手段の詳細については、後述する。
[2. 可逆劣化と不可逆劣化]
従来のPEM形水電解スタックにおいて、セル電圧は、しばしば診断に用いられてきた。しかし、セル電圧は、触媒性能、触媒被毒、電解質膜のイオン抵抗、接触抵抗(例えば、電極触媒の酸化)などの様々な要因により変化する。そのため、セル電圧は、スタック20の劣化診断には適さない。これに対し、抵抗値は、イオン抵抗成分及び接触抵抗成分に限定された情報であるため、他の要因(例えば、触媒被毒)の影響を受けがたく、劣化状態を診断する指標として適している。
なお、本発明において、「抵抗値」という時は、特に断らない限り、
(a)抵抗値計測装置により計測された狭義の抵抗値(Ω)、又は、
(b)狭義の抵抗値(Ω)から算出される物性値であって、水電解システム10の制御に適したもの(例えば、面積抵抗値(Ω・cm2)など)、
の双方を表す。
劣化の前後においてスタック20に寸法変化はないので、スタック20の再生時期及び交換時期を判断する際には、いずれを用いても同じ結果が得られる。
スタック20の抵抗値は、経時劣化により増加する。抵抗値の増分は、接触抵抗成分の増分と、イオン抵抗成分の増分に分けられる。
「可逆劣化」とは、接触抵抗成分の増分をいう。「接触抵抗成分の増分」とは、電極触媒が酸化されることにより生じる抵抗値の増分をいう。可逆劣化は、温度依存性が殆どない。可逆劣化により性能が低下したスタック20は、再生処理により、ある程度性能を回復させることができる。
「不可逆劣化」とは、イオン抵抗成分の増分をいう。「イオン抵抗成分の増分」とは、電極触媒が溶出し、電解質膜のプロトンが触媒金属イオンでイオン交換されることにより生じる抵抗値の増分をいう。不可逆劣化は、温度依存性が強い。不可逆劣化により性能が低下したスタックは、再生処理による性能回復が期待できない。そのため、不可逆劣化が過度に進行したスタック20は、速やかに交換するのが好ましい。
図3に、不可逆劣化が生じたPEM形水電解スタックの面積抵抗値の変化の一例を示す。図4に、可逆劣化が生じたPEM形水電解スタックの面積抵抗値の変化の一例を示す。電解質膜のプロトン伝導度は、温度が高くなるほど、高くなる。そのため、初期状態にあるスタック20の温度−抵抗曲線は、右下がりの曲線となる。このようなスタック20が長期間の使用により劣化すると、温度−抵抗曲線が上方向にシフトする。
この時、面積抵抗値の増加ΔRが主としてイオン抵抗成分の増加である場合、図3に示すように、ΔRは、温度が低くなるほど、大きくなる。一方、ΔRが主として接触抵抗成分の増加である場合、図4に示すように、ΔRは、温度にほとんど依存しない。
そのため、複数の温度で抵抗値を測定すれば、初期値に対して温度−抵抗曲線がどのように変化しているかを読み取ることができる。例えば、どの温度でもΔRが一律に上昇していれば、接触抵抗成分の増加と診断することができる。また、ΔRの温度依存性が強ければ、イオン抵抗成分の増加が多く占めていると診断することができる。さらに、ΔRが両者の中間的挙動を示した場合には、両現象が混ざっていると診断することができる。この場合、数値解析から、各々の寄与分を求めることができる。
[3. 平準化手段]
制御装置は、平準化手段を備えている。平準化手段は、具体的には、
前記抵抗値計測装置及び前記温度計測装置で計測された前記抵抗値及び前記温度を用いて、前記抵抗値の温度依存性を算出する温度依存性算出手段と、
前記温度依存性に基づいて、前記抵抗値の変化を、電極触媒の酸化に起因する可逆劣化と、前記電極触媒の溶出に起因する不可逆劣化に分離する分離手段と、
前記可逆劣化及び/又は前記不可逆劣化の大きさに基づいて、前記PEM形水電解スタックに対して劣化の程度に関する序列を付与する序列化手段と、
前記電源から供給される電力の大きさに応じて、作動させる前記PEM形水電解スタックの数を決定し、前記序列に基づいて、作動させる前記PEM形水電解スタックを選択するスタック選択手段と
を備えている。
[3.1. 温度依存性算出手段]
抵抗値の変化を可逆劣化と不可逆劣化に分離するためには、まず、抵抗値計測装置及び温度計測装置を用いて、スタック20の抵抗値及び温度を定期的に計測する必要がある。計測された抵抗値及び温度は、制御装置のメモリに記憶される。
次に、抵抗値計測装置及び温度計測装置で計測された抵抗値及び温度を用いて、スタック20の抵抗値の温度依存性を算出する(温度依存性算出手段)。
スタック20の温度依存性は、具体的には、
(a)予め抵抗値の計測期間を決めておき、
(b)計測期間内に異なる温度条件下で抵抗値を測定し、
(c)計測期間毎に、測定された温度と抵抗値の関係を集計する
ことにより得られる。
温度依存性は、長期間の使用により生ずる経時劣化の有無を判断するためのものであるため、計測期間は、短期間(例えば、数日)ではなく、相対的に長く(例えば、1ヶ月〜数ヶ月)設定するのが好ましい。
スタック20の温度は、前歴により異なる。例えば、抵抗値の計測時点以前に停止していたスタック20の温度は低く、連続運転を行ってたスタック20の温度は高い。あるいは、低負荷運転を行っていたスタック20の温度は低く、高負荷運転を行っていたスタック20の温度は高い。そのため、相対的に長い計測期間を設定し、その計測期間内に定期的に抵抗値を計測すれば、自然にスタック20の抵抗成分の温度依存性を取得することができる。
なお、抵抗値は、電流値が異なっても変化が小さいので、経時劣化を表す指標として好適である。一方、セル電圧は、電流値に依存するので、指標として好ましくない。
[3.2. 分離手段]
次に、算出された温度依存性に基づいて、抵抗値の変化を、電極触媒の酸化に起因する可逆劣化と、電極触媒の溶出に起因する不可逆劣化に分離する(分離手段)。分離方法は、抵抗値の変化を可逆劣化と不可逆劣化に分離可能なものである限りにおいて、特に限定されない。
分離方法としては、具体的には、
(a)PEM形水電解スタック20について、予め不可逆劣化と、温度との関係を表す一群の予測式を取得しておき、
(b)実測された抵抗値と温度との関係式(温度−抵抗曲線)に最も適合する1つの予測式を選択し、
(c)実測された関係式と選択された予測式とを対比することにより、実測された抵抗値を可逆劣化と不可逆劣化に分離する
ものが好ましい。以下、予測式を用いた分離方法について説明する。
[3.2.1. 予測式の取得]
図5に、PEM水電解スタックの面積抵抗値の温度依存項と非温度依存項の模式図を示す。スタック20の面積抵抗値Rは、非温度依存項R1と温度依存項R2に分けることができる。図5中、破線は、R1とR2の境界を表す。但し、後述する解析を行わない限り、通常、境界の位置は不明である。不可逆劣化が進行すると、温度依存項R2の傾きが大きくなり、その結果として曲線全体の傾きが大きくなる。一方、可逆劣化が進行すると、非温度依存項R1の絶対値が大きくなり、その結果として曲線全体が上方に平行移動する。
実際の抵抗値の変化を可逆劣化と不可逆劣化に分離するためには、温度依存項R2を知る必要がある。温度依存項R2を求める方法としては、
(a)経験式を用いる方法(参考文献1参照)、
(b)可逆劣化が生じていないスタック20に対し、意図的に電解質膜のプロトンを種々のイオン交換率で触媒金属イオンによりイオン交換し、イオン交換率毎に温度−抵抗曲線を実験により求める方法、
などがある。本発明においては、いずれの方法を用いても良い。
[参考文献1]Abdol Rahim et al., Journal of Power Sources 309(2016)56-65
図6に、面積抵抗値の温度依存項と、温度との関係を表す一群の予測式の一例を示す。図6中、各曲線に付された数字は、劣化倍率を表す。「劣化倍率」とは、ある温度Tにおける初期状態の温度依存項R20に対する、温度Tにおけるt時間経過後の温度依存項R2tの比(=R2t/R20)をいう。劣化倍率は、不可逆劣化の大きさを表す尺度の一つであり、劣化倍率が大きいほど、不可逆劣化が進行していることを表す。
図6より、不可逆劣化が進行するほど(すなわち、劣化倍率が大きくなるほど)、低温域の曲線の勾配が大きくなることが分かる。このような温度依存項R2に関する一群の予測式を予め取得しておき、制御装置のメモリに記憶させておく。
[3.2.2. 予測式の選択]
次に、実測された抵抗値と温度との関係式(温度−抵抗曲線)に最も適合する1つの予測式を選択する。
上述した[3.1.]の方法により、ある計測期間内に定期的に温度と抵抗値を計測すると、蓄積されたデータに基づいて、抵抗値と温度との関係式(温度−抵抗曲線)を求めることができる。図7に、実測された面積抵抗値と温度との関係式(温度−抵抗曲線)の一例を示す。
実測された温度−抵抗曲線のみでは、非温度依存項R1と温度依存項R2の分離ができない。そのため、データベースに保存されている温度依存項R2に関する一群の予測式の中から、実測された温度−抵抗曲線と曲線の勾配が最も適合するものを選択する。
[3.2.3. 実測された関係式と予測式との対比]
次に、実測された関係式と選択された予測式とを対比することにより、実測された抵抗値を可逆劣化と不可逆劣化に分離する。
図8に、実測された温度−抵抗曲線(図7)を予測式(図6)の上に重ね合わせた状態を表す模式図を示す。図8に示すように、一群の予測式の中から、実測された関係式(温度−抵抗曲線)の勾配に最も適合する予測式を選択する。
次に、予測式の上に関係式を重ね合わせる。この時、関係式をX軸方向に移動させることなく、両者の曲線部分が重なるように、関係式をY軸方向に移動させる。両者の曲線部分がうまく重なる場合、温度依存項R2は、予測式のX軸から曲線までの長さとして求められる。一方、非温度依存項R1は、予測式のX軸から関係式のx軸までの長さとして求められる。図8の場合、R1は、0.05Ωcm2と読み取ることができる。
[3.3. 序列化]
次に、可逆劣化及び/又は不可逆劣化の大きさに基づいて、スタック20に対して劣化の程度に関する序列を付与する(序列化手段)。上述した方法を用いると、抵抗値Rを非温度依存項R1と温度依存項R2に分離することができる。そのため、長期間に渡って温度−抵抗曲線を定期的に取得し、データを蓄積しておくと、各スタック20について、
(a)非温度依存項R1の経時変化(すなわち、可逆劣化ΔR1)の大きさ、及び、
(b)温度依存項R2の経時変化(すなわち、不可逆劣化ΔR2)の大きさ、
を知ることができる。
可逆劣化ΔR1及び不可逆劣化ΔR2の大きさは数値化されているので、これらを用いてスタック20の劣化の程度を容易に序列化することができる。
[3.4. スタック選択手段]
次に、電源30から供給される電力の大きさに応じて、作動させるスタック20の数を決定し、序列に基づいて、作動させるスタック20を選択する(スタック選択手段)。これにより、特定のスタック20のみが酷使されるのを回避することができる。また、各スタック20の作動期間が平準化されるので、スタック20の寿命が長くなり、スタック20の交換に要する費用の増加も抑制することができる。
作動させるスタック20の選択方法は、目的に応じて最適な方法を選択することができる。選択方法としては、具体的には、以下のような方法がある。
(1)例えば、スタック選択手段は、作動させるスタック20として、可逆劣化ΔR1の程度が低いものを優先的に選択する手段を含んでいても良い。この場合、スタック20が急激に劣化する可能性は低いので、相対的に長時間の連続運転を行うことができる。
ここで、「可逆劣化ΔR1の程度が低い」とは、可逆劣化ΔR1の程度の低い順(性能の高い順)にスタック20を序列化したときに、序列が1位以上n/2位未満までの位置にあることを言う。
(2)また、スタック選択手段は、作動させるスタック20として、可逆劣化ΔR1の程度が高いものをあえて選択する手段を含んでいても良い。
後述するように、電圧降下手段を用いて可逆劣化が進行したスタック20を再生させることができる。そのため、水素製造を主目的として他のスタック20を作動させている間に、再生処理を主目的として可逆劣化ΔR1の程度が高いスタック20を選択しても良い。選択されたスタック20に対して、停止・再起動(すなわち、電圧降下手段による再生処理)を複数回繰り返すと、還元による性能回復が期待できる。
ここで、「可逆劣化ΔR1の程度が高い」とは、可逆劣化ΔR1の程度の低い順(性能の高い順)にスタック20を序列化したときに、序列がn/2位以上n位以下までの位置にあることをいう。
(3)また、スタック選択手段は、作動させるスタック20として、不可逆劣化ΔR2の程度が高いものをあえて選択する手段を含んでいても良い。
停止・再起動の頻度が低いと予想される運転パターンの場合、あるいは、スタック20の作動温度が低いと予想される運転パターンの場合、不可逆劣化ΔR2が進行したスタック20を用いて水電解を行っても、劣化の進行速度は遅い。そのため、このような運転パターンが選択されることが予測される場合、不可逆劣化ΔR2が進行したスタック20を選択して水電解を行うと、スタック20の延命を図ることができる。
ここで、「不可逆劣化ΔR2の程度が高い」とは、不可逆劣化ΔR2の程度の低い順(性能の高い順)にスタック20を序列化したときに、序列がn/2位以上n位以下までの位置にあることをいう。
[4. 再生手段]
制御装置は、再生手段をさらに備えていても良い。「再生手段」とは、可逆劣化が進行しているスタック20の再生処理を行い、性能を回復させるための手段をいう。
再生手段は、具体的には、前記PEM形水電解スタックの前記可逆劣化の大きさが第1閾値以上であり、かつ、前記不可逆劣化の大きさが第2閾値未満である時に、前記PEM形水電解スタックの再生処理を実行するものが好ましい。
[4.1. 第1閾値及び第2閾値]
再生処理は、可逆劣化の大きさが第1閾値C1以上であり、かつ、不可逆劣化の大きさが第2閾値C2未満である場合に行うのが好ましい。可逆劣化の大きさが第1閾値C1未満である場合、通常、再生処理は行われない。これは、可逆劣化があまり進行していない段階で再生処理を実行するのは実益がないためである。また、不可逆劣化の大きさが第2閾値C2以上である場合にも、通常、再生処理は行われない。これは、不可逆劣化が過度に進行している場合、再生処理しても性能回復が期待できないためである。
第1閾値C1及び第2閾値C2の種類及びその値は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なものを選択することができる。
可逆劣化ΔR1は温度依存性がないので、第1閾値C1には、例えば、基準状態からの抵抗値の変化量ΔR1thrを用いるのが好ましい。「基準状態」とは、製造直後の状態(初期状態)、又は、前回の再生処理が終了した直後の状態をいう。
一方、不可逆劣化ΔR2は温度依存性があるので、第2閾値C2には、例えば、
(a)ある温度Tにおける基準状態からの抵抗値の変化量ΔR2thr@T、
(b)劣化倍率、
などを用いることができる。
[4.2. 再生処理の方法]
可逆劣化は、電極触媒が酸化することにより生じる接触抵抗成分の増加である。そのため、酸化した電極触媒を還元すれば、性能を回復させることができる。再生処理の方法は、電極触媒を還元可能なものである限りにおいて、特に限定されない。
再生処理の方法としては、例えば、
(a)水電解を停止させる際に、PEM形水電解スタック20のセル電圧を0.1V/msec未満の降下速度で1.0V以下まで降下させる手段(電圧降下手段)を用いて、電圧をゆっくり降下させる方法、
(b)電極表面に還元ガスを供給する方法、
(c)電極(酸素極)表面に窒素などの不活性ガスを供給し、対極(水素極)から透過してくる水素により還元する方法、
などがある。特に、電圧降下手段を用いた方法は、特別な装置を必要としないので、再生処理の方法として好適である。
[4.3. 電圧降下手段]
図9に、PEM形水電解スタックの電圧の経時変化の一例を示す。図9は、2個のスタック20(スタックA、スタックB)を備えており、各スタック20が2セルからなる水電解システムの例である。縦軸は、スタック20全体の電圧(スタック電圧)を示す。従って、縦軸の目盛りの1/2が1セル当たりの電圧(セル電圧)となる。
また、スタック電圧が不連続に変化しているところは、水電解を数秒〜数十秒停止させた後、水電解を再開したことを表す。さらに、「△」は、水供給装置に水を供給した日及びその時の給水量を表す。
図9より、以下のことが分かる。
(a)スタックAとスタックBとでは、スタック電圧の絶対値が異なった。これは、スタック電圧には、イオン抵抗や接触抵抗以外の要因も含まれているためと考えられる。
(b)給水を行ってもスタック電圧に変化がなかった。よって、スタック電圧の増加は、水電解システム10内を循環している水質の劣化が原因ではないと考えられる。
(c)水電解を継続すると、スタックA及びスタックBのいずれも、スタック電圧が徐々に増加した。これは、長時間の使用により、イオン抵抗成分及び/又は接触抵抗成分が増加したためと考えられる。
(d)水電解を一時的に停止させた後、水電解を再開すると、スタックA及びスタックBのいずれも、水電解の一時停止前に比べてスタック電圧が低下した。これは、水電解を一時的に停止させた時にセル電圧が低下し、これによって酸化した電極触媒が還元されるためと考えられる。
電圧降下手段を用いてスタック20の再生を行う場合、セル電圧をある一定の値以下に下げる必要がある。電圧降下時に到達する最低セル電圧が高すぎると、十分な再生効果が得られない。従って、最低セル電圧は、1.0V以下が好ましい。最低セル電圧は、好ましくは、0.5V以下である。
また、電圧降下時の降下速度が速すぎると、かえって可逆劣化が促進される。これは、スタック20を含む回路がコイル成分(インダクタンス成分)を持っており、降下速度が速すぎると、電圧降下時に逆起電力が発生するためと考えられる。逆起電力が発生すると、比較的還元状態にある触媒表面(すなわち、溶けやすい状態にある触媒表面)が急激に高電位に曝されるため、触媒の溶出速度が速くなる。
触媒の溶出を抑制するためには、電圧降下時のセル電圧の降下速度は、0.1V/msec未満が好ましい。
図10に、電圧降下手段を用いてセル電圧を降下させた時の最低セル電圧と電圧回復との関係を示す。ここで、「電圧回復」とは、水電解停止直前のセル電圧V1と水電解再開直後のセル電圧V2の差(=V1−V2)を表す。図10より、最低セル電圧を1.0V以下にすると、電圧回復が大きくなることが分かる。
[5. 警告手段]
制御装置は、警告手段をさらに備えていても良い。「警告手段」とは、操作者に対して、前記不可逆劣化の大きさが前記第2閾値以上である前記PEM形水電解スタックを交換するよう促す手段をいう。
警告方法は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な方法を選択することができる。警告方法としては、例えば、
(a)制御装置のモニターに交換を要するスタック20の識別番号を表示させる方法、
(b)警告音、警告ランプ等を用いて、操作者に告知する方法
などがある。
[6. 制御プログラム]
図11に、平準化手段、再生手段及び警告手段を実行するための制御プログラムのフロー図を示す。図12に、図11に示すフロー図の続きを示す。
[6.1. 平準化手段]
まず、ステップ1(以下、単に「S1」という)において、始動時のスタック20を選択して水電解を開始する。始動時のスタック20の選択方法は、特に限定されない。例えば、水電解システム10が初めて水電解を行う場合、すべてのスタック20の劣化の程度の序列が1位になっているので、どのスタック20を選択しても良い。一方、過去に何度も起動・停止を繰り返している場合、制御装置内のメモリには各スタック20の過去の履歴(すなわち、劣化の程度に関する序列)が記憶されているので、始動時には、劣化の程度の低いスタック20を優先して選択しても良い。
次に、S2において、抵抗値計測装置及び温度計測装置を用いて、スタック20の抵抗値R及び温度Tを計測し、これらをメモリに記憶させる。
次に、S3において、抵抗値計測装置及び温度計測装置で計測された抵抗値R及び温度Tを用いて、スタック20の抵抗値Rの温度依存性を算出する(温度依存性算出手段)。メモリ内には過去のデータが蓄積されているので、これに新たに取得したデータを追加する。そして、予め定められた計測期間及び蓄積されたデータベースに基づいて、温度−抵抗曲線を逐次算出し、あるいは、所定の時間間隔で温度−抵抗曲線を更新する。温度−抵抗曲線が新たに算出されたときは、これをメモリに記憶させる。
次に、S4において、算出された温度依存性に基づいて、抵抗値Rの変化を、電極触媒の酸化に起因する可逆劣化ΔR1と、電極触媒の溶出に起因する不可逆劣化ΔR2に分離する(分離手段)。分離方法の詳細は、上述した通りであるので、説明を省略する。
次に、S5において、可逆劣化ΔR1及び/又は不可逆劣化ΔR2の大きさに基づいて、スタック20に対して劣化の程度に関する序列を付与する(序列化手段)。
次に、S6において、現在の供給電力を検出し、これをメモリに記憶させる。
次に、S7において、電源30から供給される電力の大きさに応じて、作動させるスタック20の数を決定し、序列(すなわち、可逆劣化及び/又は不可逆劣化の大きさ)に基づいて、作動させるスタック20を選択する(スタック選択手段)。
例えば、供給電力に変動がなく、かつ、スタック20の劣化の序列に変更がない場合、現在作動しているスタック20をそのまま選択すれば良い。一方、S5において序列に変動があった場合、あるいは、S6において供給電力の変動を検出した場合には、供給電力の大きさ、並びに、可逆変化及び/又は不可逆変化の大きさに基づいて、作動させるスタック20の数を特定し、かつ、どのスタック20を作動させるかを特定する。
これにより、特定のスタック20のみが酷使されることがないので、スタック20の寿命が長くなり、スタック20の交換に要する費用の増加も抑制することができる。
次に、S8に進む。S8では、再生手段を実行するか否かが判断される。再生手段を実行するか否かの基準は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なものを選択することができる。例えば、供給電力が相対的に少なく、休止させることが可能なスタック20がある場合において、作動していたスタック20を停止させる時には、常に再生処理を実行するように設定しても良い。あるいは、所定の間隔をおいて、定期的に再生手段を実行するように設定しても良い。再生処理を実行しない場合(S8:NO)には、S9に進む。
S9では、警告手段を実行するか否かが判断される。警告手段を実行するか否かの基準は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なものを選択することができる。例えば、システムを起動している限り、常に警告手段を実行するように設定しても良い。また、所定の間隔をおいて、定期的に警告手段を実行するように設定しても良い。あるいは、再生手段が実行された時に、合わせて警告手段を実行するように設定しても良い。警告手段を実行しない場合(S9:NO)には、S10に進む。
S10では、水電解を継続するか否かが判断される。水電解を継続する場合(S10:YES)には、S2に戻る。そして、水電解を終了させる(S10:NO)まで、上述したS2〜S10の各ステップを繰り返す。
[6.2. 再生手段]
S8において、再生手段を実行する場合(S8:YES)には、S11に進む。S11では、再生処理を行うことが可能なスタック20(すなわち、現時点において休止中のスタック20、又は、これから作動を停止させるスタック20)を識別するための変数mに初期値「1」を代入する。
次に、S12に進む。S12では、m番目のスタック20の不可逆劣化ΔR2が第2閾値C2以上であるか否かが判断される。ΔR2がC2以上である場合(S12:YES)、性能回復の見込みは少ないので、m番目のスタック20に対して再生処理を実行する実益はない。このような場合には、S15に進む。一方、ΔR2がC2未満である場合(S12:NO)、S13に進む。
S13では、m番目のスタック20の可逆劣化ΔR1が第1閾値C1以上であるか否かが判断される。ΔR1がC1未満である場合(S13:NO)、m番目のスタック20は、性能が劣化していないので、これに対して再生処理を実行する実益はない。このような場合には、S15に進む。一方、ΔR1がC1以上である場合(S13:YES)には、S14に進み、m番目のスタック20に対して再生処理を実行する。
S15では、変数mに「1」を加算する。次に、S16に進む。S16では、変数mが最大値mmaxを超えたか否かが判断される。mがmmax以下である場合(S16:NO)、再生処理が実行される可能性があるスタック20が残っていることを意味する。このような場合には、S12に戻り、上述したS12〜S16の各ステップを繰り返す。一方、mがmmaxを超えた場合(S16:YES)、S9に戻る。そして、水電解を終了させる(S10:NO)まで、上述したS2〜S16の各ステップを繰り返す。
[6.3. 警告手段]
S9において、警告手段を実行する場合(S9:YES)には、S17に進む。S17では、スタック20を識別するための変数mに初期値「1」を代入する。
次に、S18に進む。S18では、m番目のスタック20の不可逆劣化ΔR2が第2閾値C2以上であるか否かが判断される。ΔR2がC2未満である場合(S18:NO)、警告は不要であるので、S20に進む。一方、ΔR2がC2以上である場合(S18:NO)、S19に進み、操作者に対して警告を発する。
S20では、変数mに「1」を加算する。次に、S21に進む。S21では、変数mがスタック20の総数(n)を超えたか否かが判断される。mがn以下である場合(S21:NO)、警告手段が実行される可能性があるスタック20が残っていることを意味する。このような場合には、S18に戻り、上述したS18〜S21の各ステップを繰り返す。一方、mがnを超えた場合(S21:YES)、S10に戻る。そして、水電解を終了させる(S10:NO)まで、上述したS2〜S21の各ステップを繰り返す。
なお、図11及び図12に示す例では、警告手段を実行するための独立したステップ(S17〜S21)を備えている。この場合、再生処理を実行するか否かに関わらず、不可逆変化ΔR2が第2臨界値C2を超えた時点で、直ちに操作者に警告を発することができるという利点がある。
一方、このような独立したステップに代えて、S12において、ΔR2≧C2と判断された時点で、操作者に対して警告を発するようにしても良い。
[7. 水電解システムの運転方法の具体例]
以下に、合計3個のスタックを備えた水電解システムの運転方法について説明する。図13(A)に、入力電力の経時変化の一例を示す。図13(B)〜図13(D)に、それぞれ、スタックA〜スタックCの動作状況の模式図を示す。
まず、時刻t1において、水電解が開始される。水電解開始直後は、入力電力が少ないので、上述したスタック選択手段を用いて、3個のスタックの中から作動させる1個のスタックを選択する。図13に示す例では、作動させるスタックとして、スタックAが選択されている。時刻t2になると、入力電力がスタック1個当たりの定格電力WPEMを超えるので、スタック選択手段を用いて2番目のスタックを作動させる。図13に示す例では、2番目に作動させるスタックとして、スタックBが選択されている。
スタックAを継続して作動させると、やがてスタックAの可逆劣化ΔR1が増大し、スタックAの可逆劣化の序列が最下位となる。その結果、時刻t3において、スタック選択手段によりスタックCが選択され、スタックCの作動を開始すると同時に、スタックAを休止させる。スタックAについては、必要に応じて再生処理又は警告が行われる。
同様に、時刻t4になると、スタックBの可逆劣化の序列が最下位となる。この場合、スタックBを休止させ、スタックAを再度、作動させる。スタックBについては、必要に応じて再生処理又は警告が行われる。
時刻t5になると、入力電力がWPEM以下となるので、作動しているスタックの数を1個に減らす。図13に示す例では、作動スタックとして、スタックAが選択されている。休止させるスタックCについては、必要に応じて再生処理又は警告が行われる。さらに、時刻t6で水電解を終了させる。
例えば、スタックAの場合、時刻t1〜t2の区間は、セル温度が相対的に低い。そのため、この区間において低温時のデータを取得することができる。一方、時刻t2〜t3の区間は、セル温度が上昇するため、この区間において中温時のデータを取得することができる。さらに、時刻t5〜t6の区間は、累積運転時間が長いために、セル温度が相対的に高い。そのため、この区間において高温時のデータを取得することができる。
同様に、スタックBの場合、時刻t2〜t3の区間で低温時のデータを取得することができ、時刻t3〜t4の区間で中温時のデータを取得することができる。同様に、スタックCの場合、時刻t3〜t4の区間で低温時のデータを取得することができ、時刻t4〜t5の区間で中温時のデータを取得することができる。
そのため、定期的に抵抗値を取得し、所定の計測期間に渡って取得されたデータを集計すれば、抵抗の温度依存性を取得することができる。
なお、抵抗値の温度依存性を取得する際には、再生処理直後のデータを除くのが好ましい。再生処理直後のデータは、再生の影響を受けているので、抵抗値の温度依存性を算出するためのデータとして好ましくない。むしろ、再生処理直後のデータは、回復程度の把握に用いるのが好ましい。
また、電流が常に一定であれば、電圧の温度依存性も劣化診断に使用することができる。しかし、実際には、水電解用の電源30やDC−DCコンバータの事情によっては、必ずしも電流値が同一である時の電圧のデータを取得できるとは限らない。そうした点でも、電圧よりも抵抗値の方が判断指標として好ましい。
図14に、水電解システムの運転中に検出された抵抗値変化ΔRの温度依存性の模式図を示す。図15に、分離手段を用いて分離された抵抗値変化ΔRの内訳の模式図を示す。定期的に温度と抵抗値のデータを取得し、計測期間内のデータを集計すると、図14に示すような温度−ΔR曲線を得ることができる。
また、上述した分離手段を用いると、図15に示すように、抵抗値変化ΔRを、酸化に起因する可逆劣化ΔR1と、溶出に起因する不可逆劣化ΔR2に分離することができる。図15の例では、抵抗値変化ΔRだけを見るとスタックBの方が劣化が進んでいるように見えるが、再生処理による性能回復幅はスタックBの方が大きいこと(すなわち、実質的にはスタックAの方が劣化が進行していること)を示している。
[8. 作用]
経時劣化によりPEM形水電解スタックの抵抗値が増加した場合、抵抗値の増分は、イオン抵抗成分の増分と接触抵抗成分の増分に分離することができる。イオン抵抗成分の増分は、電極触媒が溶出し、電解質膜のプロトンが触媒金属イオンでイオン交換されることにより生じる抵抗値の増分(不可逆劣化)を表し、温度依存性が強い。一方、接触抵抗成分の増分は、電極触媒が酸化されることにより生じる抵抗値の増分(可逆劣化)を表し、温度依存性が殆どない。
そのため、PEM形水電解スタックの温度−抵抗曲線を取得し、経時劣化による抵抗値の増分を不可逆変化と可逆変化に分離すれば、PEM形水電解スタックの再生処理及び/又は交換の時期を適切に判断することができる。また、可逆劣化及び不可逆劣化の大きさを考慮して作動させるPEM形水電解スタックが選択されるので、特定のPEM形水電解スタックのみが酷使されることがない。また、可逆劣化が進行したPEM形水電解スタックから優先して再生処理を行うこともできる。そのため、PEM形水電解スタックの寿命が長くなり、スタック交換に要する費用の増加も抑制することができる。
劣化が進行したスタックを再生する方法としては、種々の方法があるが、電解停止時に所定の降下速度で電圧を降下させる方法が好適である。抵抗値の特性から、酸化が進んでいる傾向が強いことが示されたスタックについては、停止・再起動の頻度が高めのパターンでその後の運転を実施するのが好ましい。停止時に電圧の降下速度を制御することにより、水電解を停止させる毎に還元による性能回復が期待できる。
また、溶出が進んでいる傾向が強いスタックについては、停止・再起動の頻度が低めのパターンや高温での運転を避けるなどの運転を実施することで、延命が図れる。
さらに、こうした対策を以てしても性能が所定レベル以下に達した場合、この抵抗による診断結果を交換の目安とすれば良い。特に、イオン抵抗成分の上昇が進んでいるスタックについては、回復の見込みが薄いため、優先的に交換するのが好ましい。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る水電解システムは、燃料電池車に水素を供給するための水素ステーションに設置される水素源として用いることができる。
10 水電解システム
20 PEM形水電解スタック
30 電源

Claims (8)

  1. 以下の構成を備えた水電解システム。
    (1)前記水電解システムは、
    n個(n≧2)のPEM形水電解スタックと、
    前記PEM形水電解スタックに個別に電力を供給する電源と、
    前記PEM形水電解スタックの酸素極に水を供給する水供給装置と、
    前記PEM形水電解スタックの抵抗値を計測する抵抗値計測装置と、
    前記PEM形水電解スタックの温度を計測する温度計測装置と、
    前記水電解システムの動作を制御する制御装置と
    を備えている。
    (2)前記制御装置は、平準化手段を備え、
    前記平準化手段は、
    前記抵抗値計測装置及び前記温度計測装置で計測された前記抵抗値及び前記温度を用いて、個々の前記PEM形水電解スタック毎に前記抵抗値の温度依存性を算出する温度依存性算出手段と、
    前記温度依存性に基づいて、経時劣化による前記抵抗値の増分を、電極触媒の酸化に起因する可逆劣化と、前記電極触媒の溶出に起因する不可逆劣化に分離する分離手段と、
    前記可逆劣化及び/又は前記不可逆劣化の大きさに基づいて、前記PEM形水電解スタックに対して劣化の程度に関する序列を付与する序列化手段と、
    前記電源から供給される電力の大きさに応じて、作動させる前記PEM形水電解スタックの数を決定し、前記序列に基づいて、作動させる前記PEM形水電解スタックを選択するスタック選択手段と
    を備えている。
  2. 前記スタック選択手段は、作動させる前記PEM形水電解スタックを、前記可逆劣化の程度が低いものの中から優先的に選択する手段を含む請求項1に記載の水電解システム。
  3. 前記制御装置は、前記PEM形水電解スタックの前記可逆劣化の大きさが第1閾値以上であり、かつ、前記不可逆劣化の大きさが第2閾値未満である時に、前記PEM形水電解スタックの再生処理を実行する再生手段をさらに備えている請求項1又は2に記載の水電解システム。
  4. 前記再生手段は、水電解を停止させる際に、前記PEM形水電解スタックのセル電圧を0.1V/msec未満の降下速度で1.0V以下まで降下させる電圧降下手段を含む請求項3に記載の水電解システム。
  5. 前記スタック選択手段は、作動させる前記PEM形水電解スタックを、前記可逆劣化の程度が高いものの中から選択する手段を含み、
    前記再生手段は、前記可逆劣化の程度が高い前記PEM形水電解スタックに対して、前記電圧降下手段による再生処理を複数回繰り返す手段を含む
    請求項4に記載の水電解システム。
  6. 前記制御装置は、操作者に対して、前記不可逆劣化の大きさが前記第2閾値以上である前記PEM形水電解スタックの交換を促す警告手段をさらに備えている請求項1から5までのいずれか1項に記載の水電解システム。
  7. 以下の構成をさらに備えた請求項1から6までのいずれか1項に記載の水電解システム。
    (1)前記分離手段は、
    前記PEM形水電解スタックについて、予め前記不可逆劣化と、前記温度との関係を表す一群の予測式を取得しておき、
    実測された前記抵抗値と前記温度との関係式(温度−抵抗曲線)と曲線の勾配が最も適合する1つの前記予測式を選択し、
    実測された前記関係式と選択された前記予測式とを対比することにより、実測された前記抵抗値を前記可逆劣化と前記不可逆劣化に分離するものである。
    (2)前記分離手段は、
    前記関係式から、ある温度Tにおける抵抗値Rを求め、かつ、選択された前記予測式から前記温度Tにおける温度依存項R 2 を求め、
    前記Rから前記R 2 を差し引くことにより、非温度依存項R 1 を算出し、
    前記R 1 の経時変化から前記可逆劣化を算出し、
    前記R 2 の経時変化から前記不可逆劣化を算出する
    ことによって、前記対比及び前記分離を行うものからなる。
  8. 前記PEM形水電解スタックの個数(n)は、次の式(1)の関係を満たす請求項1から7までのいずれか1項に記載の水電解システム。
    n×WPEM−WS≧WPEM …(1)
    但し、
    PEMは、前記PEM形水電解スタック1個当たりの定格電力、
    Sは、前記電源の最大電力。
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