JP6888537B2 - 回転電機の冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機を冷却する冷却装置に関する。
ステータコアを備える回転電機の上方に配置され、冷媒を吐出する吐出孔が形成された冷却油パイプを備え、吐出孔から吐出した冷媒をコイルエンドに掛けて冷却する冷却装置が知られている(特許文献1)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2が存在する。
特開2006−115652号公報 特開2011−153365号公報
特許文献1の冷却装置が車両に搭載された場合、車両の傾斜時に冷却パイプの姿勢が変化し、回転電機に対して高い位置への冷媒の供給が不足する偏りが生じる。そのため、車両の傾斜時において回転電機の冷却効率が低下するおそれがある。
そこで、本発明は、車両の傾斜時において回転電機の冷却効率の低下を抑制できる回転電機の冷却装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る回転電機の冷却装置は、車両に搭載された回転電機に適用される回転電機の冷却装置であって、前記車両と一体的に傾斜するようにして前記回転電機の上方に配置され、冷媒を吐出する吐出孔が形成された冷却パイプと、開口面積が異なる複数の開口部が形成され、前記車両の傾斜に応じて前記冷却パイプに対して相対変位可能な状態で前記冷却パイプの外周に設けられたスリーブ部と、を備え、前記冷却パイプの前記吐出孔は、前記スリーブ部の相対変位の方向に沿って複数の位置に設けられ、前記車両の傾斜に応じて前記スリーブ部が変位した場合において、前記スリーブ部の前記開口面積が大きい開口部と前記開口面積の小さい開口部のそれぞれが前記冷却パイプの異なる吐出孔と重なり、かつ前記開口面積が大きい開口部が前記開口面積の小さい開口部よりも高く位置するように、前記スリーブ部の前記複数の開口部と前記冷却パイプの前記吐出孔との関係が設定されているものである。
本発明の第1の形態に係る冷却装置の要部を示した図。 図1のII-II線に関する断面図。 車両の平坦時及び傾斜時の状態を示した図。 本発明の第2の形態に係る冷却装置の要部を示した図。 図4のV-V線に関する断面図。 平坦時の状態を示した図。 登坂時(後退降坂時)の状態を示した図。 降坂時(後退登坂時)の状態を示した図。 第1の形態の変形例を示した図。 第1の形態の他の変形例を示した図。
(第1の形態)
図1のモータ・ジェネレータ1は、ハイブリッド車両(以下、車両という。)Aに搭載され、車両Aの走行用の駆動源となる電動機の機能と回生発電用の発電機の機能とを備えている。なお、図1及び他の図において、矢印Rは車両Aの右側、矢印Lは車両Aの左側、矢印Uは車両Aの上方、矢印Dは車両Aの下方、矢印Frは車両Aの前方、矢印Rrは車両Aの後方をそれぞれ示している。
モータ・ジェネレータ1は車両Aに設けられた不図示のトランスアクスルケースに固定されたステータ2と、ステータ2の内周に配置されていて軸線Axの回りを回転可能なロータ3とを有する。車両Aには、軸線Ax方向が車幅方向に一致する向きにモータ・ジェネレータ1が搭載されている。ステータ2はコイル4を含んでいて、コイル4のリード側及び反リード側のそれぞれの端部にはコイルエンド4aが設けられている。モータ・ジェネレータ1は上記態様の回転電機の一例に相当する。
車両Aには、モータ・ジェネレータ1を冷却する冷却装置10が設けられている。冷却装置10は、上記態様の冷媒の一例としてのオートマティックトランスミッションフルード(ATF)をオイルポンプ11にて汲み上げて冷却パイプ12に供給する。冷却パイプ12は、車両Aと一体的に傾斜するようにしてモータ・ジェネレータ1の上方に配置される。より詳細には、冷却パイプ12は、車両上下方向に延びて軸線Axと直交する直線L1(図2参照)上に配置された状態で車両Aに固定され、かつ軸線Axと平行な直線L2の方向に延びている。冷却パイプ12の先端部12aは塞がれている。図2にも示したように、冷却パイプ12の周壁には、ATFを吐出する複数個の(本形態では6個の)吐出孔13が形成されている。これらの吐出孔13は2つ一組となって直線L2の方向にほぼ等間隔で配置されている。各組の吐出孔13は、図2に示したように、直線L1に関して左右対称に斜め下向きに形成されている。
冷却パイプ12の外周には、3つの回転スリーブ14が冷却パイプ12の吐出孔13を覆うようにして、車両Aの傾斜に応じて冷却パイプ12に対して相対回転可能な状態で装着されている。すなわち、各回転スリーブ14は、直線L2の回りを冷却パイプ12に対して相対回転可能な状態で冷却パイプ12の外周に設けられている。相対回転可能な状態は上記態様の相対変位可能な状態の一例に相当する。各回転スリーブ14の構成は互いに同じである。3つの回転スレーブ14を組み合わせたものが上記態様のスリーブ部の一例に相当する。各回転スリーブ14の鉛直下部には所定の重量を有する錘15が取り付けられている。各回転スリーブ14は、この錘15によって、車両Aが傾斜して冷却パイプ12の姿勢が変化しても図2に示した姿勢に保持される。換言すれば、各回転スリーブ14は車両Aの傾斜に応じて冷却パイプ12に対して相対回転する。なお、各回転スリーブ14は、冷却パイプ12の半径方向に突出するストッパ16によって直線L2方向の移動が規制されている。
図2に示したように、各回転スリーブ14には大中小の三種類の開口面積を持つ開口部17L、17M、17Sが形成されている。なお、以下必要に応じて、これらを大開口部17L、中開口部17M、小開口部17Sと称する場合がある。また、これらの区別が不要な場合は開口部17と称する場合がある。各開口部17は、各回転スリーブ14の周方向に関してほぼ45°の間隔で設けられている。大開口部17Lの開口面積は冷却パイプ12の吐出孔13の開口面積とほぼ同じである。したがって、中開口部17M及び小開口部17Sのそれぞれの開口面積は吐出孔13の開口面積よりも小さい。
回転スリーブ14の水平方向には2つの大開口部17Lが対向するように形成され、鉛直下方には一つの小開口部17Sが形成され、かつ大開口部17Lと小開口部17Sとの間には2つの中開口部17Mが形成されている。なお、図2は、直線L1と鉛直線Lvとが一致する状態、すなわち車両Aが水平である平坦時の状態を示している。各回転スリーブ14の開口部17と冷却パイプ12の吐出孔13とが重なった場合はATFが吐出される。大開口部17Lと吐出孔13とが重なる場合はATFの吐出量が最大となり、小開口部17Sと吐出孔13とが重なる場合はATFの吐出量が最小となり、中開口部17Mと吐出孔13とが重なる場合はATFの吐出量がこれら場合の中間となる。
冷却装置10は、車両Aの傾斜に応じて開口部17と吐出孔13とが重なる組み合わせが変化するように各開口部17の位置が設定されている。図3に示したように、車両Aが水平の平坦時には、直線L1と鉛直線Lvとが一致し、かつ2つの中開口部17Mと吐出孔13とが重なる(図2も参照)。そのため、矢印で示したように直線L1を基準として左右対称にATFが吐出され、このように吐出されたATFがモータ・ジェネレータ1に掛かるため冷却に偏りがない。なお、図3及び他の図に図示された矢印線の太さはATFの流量の大きさを示している。
一方、車両Aの前部が上向きとなる登坂時又は後退降坂時には、モータ・ジェネレータ1、冷却パイプ12及び回転スリーブ14が全体として図3の時計回りに回転し、平坦時と比べて冷却パイプ12の位置がモータ・ジェネレータ1に対して一方向(図3の右方向)にずれる。そのため、冷却パイプ12の位置を基準とした場合、モータ・ジェネレータ1を冷却すべき領域が図3の左側が広く、図3の右側が狭くなる。仮に、平坦時と同条件でATFが吐出された場合は、図3の左側の領域へのATFの供給が不足する一方、図3の右側の領域へのATFの供給が過剰となるので冷却効率が低下する。しかしながら、冷却装置10は、回転スリーブ14が同一姿勢に維持された状態で冷却パイプ12と回転スリーブ14とが相対回転し、図3の左側の大開口部17Lと吐出孔13とが重なるとともに、図3の下側の小開口部17Sと吐出孔13とが重なる。したがって、平坦時のATFの供給量と比べて、大開口部17からの供給量が増加する一方で、小開口部17Sからの供給量が低下する。これにより、冷却すべき領域が広い図3の左側にはATFの供給量が多くなる一方で、冷却すべき領域が狭い図3の右側にはATFの供給量が少なくなる。
また、車両Aの前部が下向きとなる降坂時又は後退登坂時には、上記登坂時とは反対に、モータ・ジェネレータ1、冷却パイプ12及び回転スリーブ14が全体として図3の反時計回りに回転し、平坦時と比べて冷却パイプ12の位置がモータ・ジェネレータ1に対して反対方向(図3の左方向)にずれる。そのため、モータ・ジェネレータ1を冷却すべき領域は、上記とは反対に、図3の右側が広く、図3の左側が狭くなる。冷却装置10は、回転スリーブ14が同一姿勢に維持された状態で冷却パイプ12と回転スリーブ14とが相対回転し、図3の右側の大開口部17Lと吐出孔13とが重なるとともに、図3の下側の小開口部17Sと吐出孔13とが重なる。これにより、冷却すべき領域が広い図3の右側にはATFの供給量が多くなる一方で、冷却すべき領域が狭い図3の左側にはATFの供給量が少なくなる。
このように、車両Aが傾斜する登坂時又は降坂時のいずれにおいても、各開口部17と吐出孔13とが重なる組み合わせが、大開口部17Lが小開口部17Sよりも高い位置となる組み合わせとなる。このため、車両Aの傾斜に応じて変化するモータ・ジェネレータ1を冷却すべき領域の広狭に合わせてATFの供給量が調整される。したがって、車両Aの傾斜による冷却効率の低下を抑制できる。
(第2の形態)
次に、第2の形態を説明する。以下の説明において、第1の形態と共通する構成には同一の参照符号を図面に付して説明を省略ないし簡略化する。図4に示したように、冷却装置20は冷却対象となるモータ・ジェネレータ1の搭載方向が第1の形態の車両Aと異なる車両Bに設けられている。車両Bはハイブリッド車両として構成されており、車両Bには車両前後方向に軸線Axが一致する向きにモータ・ジェネレータ1が搭載されている。冷却装置20は、車両Bと一体的に傾斜するようにしてモータ・ジェネレータ1の上方に配置された冷却パイプ22を備えている。より詳細には、冷却パイプ22は車両上下方向に延びて軸線Axと直交する直線L3上(図5参照)に配置された状態で車両Bに固定され、かつ軸線Axと平行な直線L4の方向に延びている。冷却パイプ22の先端部22aは塞がれている。
図5にも示したように、冷却パイプ22の周壁には、ATFを吐出する複数個(本形態では18個)の吐出孔23が形成されている。これらの吐出孔23は6つ一組となって直線L4の方向に各組が間隔を空けて配置されている。各組に含まれる6個の吐出孔23は直線L3(図5参照)に関して左右対称に斜め下向きに形成された3つのペアに分けられる。各ペアは直線L4の方向にほぼ等間隔に配置される(図4参照)。
冷却パイプ22の外周には、3つの移動スリーブ24F、24M、24Rが設けられている。なお、以下必要に応じて、車両前方側に位置するものを前方移動スリーブ24F、車両後方側に位置するものを後方移動スリーブ24R、及びこれらの中間に位置するものを中間移動スリーブ24Fとそれぞれ称する場合がある。また、これらを区別する必要がない場合は移動スリーブ24と称する場合がある。
各移動スリーブ24は、冷却パイプ22に形成された吐出孔23を覆うようにして、車両Bの傾斜に応じて冷却パイプ22に対して相対移動可能な状態で冷却パイプ22の外周に設けられている。すなわち、各移動スリーブ24は冷却パイプ22に対して直線L4の方向に相対移動可能な状態で冷却パイプ22の外周に装着されている。3つの移動スリーブ24を組み合わせたものが上記態様のスリーブ部の一例に相当する。相対移動可能な状態は上記態様の相対変位可能な状態の一例に相当する。
各移動スリーブ24の鉛直下部には所定の重量を有する錘25が取り付けられている。車両Bが車両前後方向に傾斜して冷却パイプ22の姿勢が変化した場合、この錘25及び各移動スリーブ24に生じる重力の直線L4方向の分力によって各移動スリーブ24は直線L4方向に移動する。また、冷却パイプ22の外周と各移動スリーブ24の内周との間には直線L4方向に移動した各移動スリーブ24を図4の基準位置に復帰させるばね機構26が設けられている。錘25の重量は直線L4方向の上記分力がばね機構26のばね力に打ち勝つことができるように設定されている。図5に示したように、各移動スリーブ24にはその上部に溝24aが形成され、かつ冷却パイプ22の外周には半径方向に突出して溝24aと噛み合う突出部22aが形成されている。これにより、冷却パイプ22に対する各移動スリーブ24の相対回転が阻止されている。
図4に示したように、前方移動スリーブ24Fには、車両前方側から車両後方側に向かって開口面積が大中小の3段階で小さくなるように大開口部27L、中開口部27M、及び小開口部27Sがほぼ等間隔で形成されている。また、図5から推測できるように、図4の紙面の裏側にもこれらの開口部27L、27M、27Sが同じ配置で形成されている。後述する中間移動スリーブ24M及び後方移動スリーブ24Rについても同様である。なお、これらの開口部27L、27M、27Sを互いに区別する必要がない場合、開口部27と称する場合がある。
大開口部27Lの開口面積は冷却パイプ22の吐出孔23の開口面積とほぼ同じである。したがって、中開口部27M及び小開口部27Sのそれぞれの開口面積は吐出孔23の開口面積よりも小さい。また、中間移動スリーブ24Mには、3つの中開口部27Mがほぼ等間隔で形成されている。そして、後方移動スリーブ24Rには、前方移動スリーブ24Fとは反対に、車両前方側から車両後方側に向かって開口面積が小中大の3段階で大きくなるように小開口部27S、中開口部27M、及び大開口部27Lがほぼ等間隔で形成されている。なお、図4は、軸線Ax及び直線L4が水平の状態、すなわち車両Bが水平である平坦時の状態を示している。前方移動スリーブ24F及び後方移動スリーブ24Rのそれぞれの中開口部27Mは、車両Bが平坦時の場合において、モータ・ジェネレータ1のコイルエンド4aの鉛直上方に位置するように設定されている。
移動スリーブ24の開口部27と冷却パイプ22の吐出孔23とが重なった場合はATFが吐出される。大開口部27Lと吐出孔23とが重なる場合はATFの吐出量が最大となり、小開口部27Sと吐出孔23とが重なる場合はATFの吐出量が最小となり、中開口部27Mと吐出孔23とが重なる場合はATFの吐出量がこれら場合の中間となる。
冷却装置20は、車両Bの傾斜に応じて開口部27と吐出孔23とが重なる組み合わせが変化するように各開口部27の位置が設定されている。図6Aに示したように、車両Bが水平の平坦時には、前方移動スリーブ24Fの中開口部27Mと吐出孔23とが重なり、中間移動スリーブ24Mの中央の中開口部27Mと吐出孔23とが重なり、かつ後方移動スリーブ24Rの中開口部27Mと吐出孔23とが重なる(図4も参照)。このため、モータ・ジェネレータ1の各コイルエンド4aにATFが供給されるとともに、ステータ2のほぼ中央にATFが供給されるので冷却に偏りがない。
一方、図6Bに示すように、車両Bの前部が上向きとなる登坂時又は後退降坂時にはモータ・ジェネレータ1、冷却パイプ22及び移動スリーブ24は車両後方側が下向きに傾く。そのため、モータ・ジェネレータ1の冷却すべき位置は、冷却パイプ22の先端部22aを通る鉛直線Lvを基準とした場合、図6Aの平坦時と比べて車両前方側にずれる。そして、モータ・ジェネレータ1の車両後方側が下向きに傾いて車両前方側が高位に、車両後方側が低位になるから車両前方側に供給されたATFが車両後方側に重力によってすべり落ちてくる状況となる。仮に、平坦時と同条件でATFが吐出された場合、供給位置のずれによってコイルエンド4aにATFが掛からない。しかも、ステータ2の中央よりも車両後方側にATFの供給位置がずれるため、モータ・ジェネレータ1の車両前方側へのATFの供給が不足する一方、車両後方側へのATFの供給が過剰となって冷却効率が低下する。しかしながら、冷却装置20は、各移動スリーブ24が冷却パイプ22に対して車両後方側へ相対移動することにより、前方移動スリーブ24Fの大開口部27Lと吐出孔23とが重なり、中間移動スリーブ24Mの車両前方側の中開口部27Mと吐出孔23とが重なり、かつ後方移動スリーブ24Rの小開口部27Sと吐出孔23とが重なる。したがって、ATFの各吐出位置が車両前方側へシフトすることにより車両Bの傾斜に伴うATFの供給位置のずれが修正されるとともに、平坦時のATFの供給量と比べて、車両前方側へのATFの供給量が多く、かつ車両後方側へのATFの供給量が少なくなる。
また、図6Cに示すように、車両Bの前部が下向きとなる降坂時又は後退登坂時には、上記登坂時とは逆に、モータ・ジェネレータ1、冷却パイプ22及び回転スリーブ24は車両前方側が下向きに傾く。そのため、モータ・ジェネレータ1の冷却すべき位置は、冷却パイプ22の先端部22aを通る鉛直線Lvを基準とした場合、図6Aの平坦時と比べて車両後方側にずれる。そして、モータ・ジェネレータ1の車両前方側は下向きに傾いて車両前方側が低位に、車両後方側が高位になるから車両後方側に供給されたATFが車両前方側に重力によってすべり落ちてくる状況となる。仮に、平坦時と同条件でATFが吐出された場合、供給位置のずれによってコイルエンド4aにATFが掛からない。しかも、ステータ2の中央よりも車両前方側にATFの供給位置がずれるため、モータ・ジェネレータ1の車両後方側へのATFの供給が不足する一方、車両前方側へのATFの供給が過剰となって冷却効率が低下する。しかしながら、冷却装置20は、各移動スリーブ24が冷却パイプ22に対して車両前方側へ相対移動することにより、前方移動スリーブ24Fの小開口部27Sと吐出孔23とが重なり、中間移動スリーブ24Mの車両後方側の中開口部27Mと吐出孔23とが重なり、かつ後方移動スリーブ24Rの大開口部27Lと吐出孔23とが重なる。したがって、ATFの各吐出位置が車両後方側へシフトすることにより車両Bの傾斜に伴うATFの供給位置のずれが修正されるとともに、平坦時のATFの供給量と比べて、車両後方側へのATFの供給量が多く、かつ車両前方側へのATFの供給量が少なくなる。
このように、車両Bが傾斜する登坂時又は降坂時のいずれにおいても、開口部27と吐出孔23とが重なる組み合わせが、大開口部27Lが小開口部27S又は中開口部27Mよりも高い位置となる組み合わせとなる。
このため、車両Bの傾斜に応じて変化するモータ・ジェネレータ1を冷却すべき位置のずれに合わせてATFの供給位置が調整されるとともに、車両前後方向に関するATFの供給必要量の偏りに合わせてATFの供給量が調整される。したがって、車両Bの傾斜による冷却効率の低下を抑制できる。
(変形例)
上記各形態は、ハイブリッド車両である車両A又は車両Bに搭載されるモータ・ジェネレータ1を冷却するものであるが、モータ・ジェネレータ1は車両に搭載される回転電機の一例にすぎない。例えば、電気自動車を車両とし、当該車両に搭載されるモータ・ジェネレータを回転電機の他の一例とした形態に変更できる。また、これらのモータ・ジェネレータを電動機又は発電機に置換した形態に変更できる。この形態では、電動機又は発電機が上記態様の回転電機の一例に相当する。
第1の形態は、各回転スリーブ14の直線L2方向の移動をストッパ16にて規制しているが一例にすぎない。例えば、図7Aに示したように、冷却パイプ12に半径方向に後退する窪み12aを形成し、その窪み12aに嵌り合う突出部14aを各回転スリーブ14の内周面に形成する形態に変更して、各回転スリーブ14の直線L2方向の移動を規制することができる。また、例えば、図7Bに示したように、各回転スリーブ14の両端部に隣接するようにしてゴム系のシールリングSを冷却パイプ12の外周に装着する形態に変更して、各回転スリーブ14の直線L2方向の移動を規制することができる。
上記各形態は、3つの回転スリーブ14が冷却パイプ12の外周に装着され、又は3つの移動スリーブ24が冷却パイプ22の外周に装着されているが一例である。例えば、これらの3つの回転スリーブ14又は移動スリーブ24と同一機能を有する単一のスリーブに変更することもできる。この場合、単一のスリーブが上記態様のスリーブ部の一例に相当する。
開口部の総数の中に開口面積が互いに異なる2個以上の開口部が含まれていればよい。例えば、開口面積が互いに異なる開口部が4個以上含まれる形態に変更できる。
上記各形態ではATFを使用して冷却するが、ATFの代わりに、例えば、ハイブリッド車両用に開発されたハイブリッドトランスアクスルフルードやその他のギアオイルを使用することもできる。
上記各形態及び上記各変形例と上記態様との対応関係をまとめて示すと次の通りとなる。すなわち、上記各形態及び上記各変形例において、モータ・ジェネレータ1、電動機、又は発電機が、上記態様の回転電機の一例に相当し、ATF、ハイブリッドトランスアクスルフルード、又はその他のギアオイルが、上記態様の冷媒の一例に相当し、3つの回転スリーブ14又は3つの移動スリーブ24が、上記態様のスリーブ部の一例に相当する。
上記形態及び上記変形例のそれぞれから導き出される本発明の態様を以下に記載する。
本発明の一態様に係る回転電機の冷却装置は、車両(A、B)に搭載された回転電機(1)に適用される回転電機の冷却装置(10、20)であって、前記車両と一体的に傾斜するようにして前記回転電機の上方に配置され、冷媒(ATF)を吐出する吐出孔(13、23)が形成された冷却パイプ(12、22)と、開口面積が異なる複数の開口部(17L、17M、17S、27L、27M、27S)が形成され、前記車両の傾斜に応じて前記冷却パイプに対して相対変位可能な状態で前記冷却パイプの外周に設けられたスリーブ部(14、24F、24M、24R)と、を備え、前記車両の傾斜に応じて前記スリーブ部が変位した場合において、前記スリーブ部の前記複数の開口部と前記冷却パイプの前記吐出孔とが重なる組み合わせが、前記開口面積の大きい開口部が前記開口面積の小さい開口部よりも高く位置する組み合わせとなるように、前記複数の開口部の位置が設定されているものである。なお、上記各形態に係る参照符号を括弧書きにて付記したが、上記各形態に限定する趣旨ではない。
この態様の冷却装置によれば、車両の傾斜に応じて、複数の開口部と冷却パイプの吐出孔とが重なる組み合わせが、開口面積の大きい開口部が開口面積の小さい開口部よりも高く位置する組み合わせとなるように複数の開口部の位置が設定されている。そのため、回転電機に対して高い位置への冷媒の供給が増加し、低い位置への冷媒の供給が減少するので、回転電機に対して高い位置への冷媒の供給が不足する偏りが解消される。これにより、車両の傾斜時における冷却効率の低下を抑制できる。
1 モータ・ジェネレータ(回転電機)
10、20 冷却装置
12、22 冷却パイプ
13、23 吐出孔
14 回転スリーブ(スリーブ部)
17L、27L 大開口部(開口部)
17M、27M 中開口部(開口部)
17S、27S 小開口部(開口部)
14 回転スリーブ
24F 前方移動スリーブ(スリーブ部)
24M 中間移動スリーブ(スリーブ部)
24R 後方移動スリーブ(スリーブ部)
A、B 車両

Claims (1)

  1. 車両に搭載された回転電機に適用される回転電機の冷却装置であって、
    前記車両と一体的に傾斜するようにして前記回転電機の上方に配置され、冷媒を吐出する吐出孔が形成された冷却パイプと、
    開口面積が異なる複数の開口部が形成され、前記車両の傾斜に応じて前記冷却パイプに対して相対変位可能な状態で前記冷却パイプの外周に設けられたスリーブ部と、
    を備え、
    前記冷却パイプの前記吐出孔は、前記スリーブ部の相対変位の方向に沿って複数の位置に設けられ、
    前記車両の傾斜に応じて前記スリーブ部が変位した場合において、前記スリーブ部の前記開口面積が大きい開口部と前記開口面積の小さい開口部のそれぞれが前記冷却パイプの異なる吐出孔と重なり、かつ前記開口面積が大きい開口部が前記開口面積の小さい開口部よりも高く位置するように、前記スリーブ部の前記複数の開口部と前記冷却パイプの前記吐出孔との関係が設定されている回転電機の冷却装置。
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