JP6887944B2 - 抗fgfr2抗体と他剤を含む組成物 - Google Patents
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Description
(1)下記(i)乃至(ix)の特徴を有するモノクローナル抗体もしくはその機能断片、および、トポイソメラーゼ阻害剤、微小管阻害剤、プラチナ製剤、抗VEGFR2抗体及び5−フルオロウラシル系抗がん剤よりなる群から選択される一つ又は二つ以上の他剤の組合せ、又は、該抗体もしくはその機能断片、および、トポイソメラーゼ阻害剤、微小管阻害剤、プラチナ製剤、抗VEGFR2抗体及び5−フルオロウラシル系抗がん剤よりなる群から選択される一つ又は二つ以上の他剤を含む医薬組成物:
(i)ヒト2型線維芽細胞増殖因子受容体(hFGFR2)IIIb及びIIIcに特異的に結合する;
(ii)hFGFR2の免疫グロブリン様ドメイン2又は免疫グロブリン様ドメイン3に結合する;
(iii)ヒト1型線維芽細胞増殖因子受容体(hFGFR1)、ヒト3型線維芽細胞増殖因子受容体(hFGFR3)及びヒト4型線維芽細胞増殖因子受容体(hFGFR4)には特異的に結合しない;
(iv)抗体依存性細胞傷害活性を有する;
(v)抗体依存性細胞媒介食活性を有する;
(vi)hFGFR2に対する中和活性を有する;
(vii)in vivo抗腫瘍活性を有する;
(viii)hFGFR2へのFGFの結合を阻害する;
(ix)キメラ抗体、ヒト化抗体又はヒト抗体である、
(2)
該抗体が配列表の配列番号1(図1)に示されるアミノ酸配列からなるCDRL1、配列表の配列番号2(図2)に示されるアミノ酸配列からなるCDRL2及び配列表の配列番号3(図3)に示されるアミノ酸配列からなるCDRL3を含むことからなる軽鎖、並びに、配列表の配列番号4(図4)に示されるアミノ酸配列からなるCDRH1、配列表の配列番号5(図5)に示されるアミノ酸配列からなるCDRH2及び配列表の配列番号6(図6)に示されるアミノ酸配列もしくは該アミノ酸配列のアミノ末端から数えて1つ目又は2つ目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されてなるアミノ酸配列からなるCDRH3を含むことからなる重鎖からなる、(1)に記載の組合せ又は医薬組成物、
(3)
該抗体が下記(i)乃至(vi)から選択される、(1)又は(2)に記載の組合せ又は医薬組成物:
(i)配列番号は8(図7)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号21乃至235を含む軽鎖、および、配列番号18(図12)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号20乃至467を含む重鎖、を含んでなるヒト化抗体(hFR2−14_H19/L1);
(ii)配列番号8(図7)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号21乃至235を含む軽鎖、および、配列番号16(図11)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号20乃至467を含む重鎖、を含んでなるヒト化抗体(hFR2−14_H12/L1);
(iii)配列番号8(図7)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号21乃至235を含む軽鎖、および、配列番号12(図9)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号20乃至467を含む重鎖、を含んでなるヒト化抗体(hFR2−14_H8/L1);
(iv)配列番号8(図7)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号21乃至235を含む軽鎖、および、配列番号20(図16)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号20乃至467を含む重鎖、を含んでなるヒト化抗体(hFR2−14_H9/L1);
(v)配列番号8(図7)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号21乃至235を含む軽鎖、および、配列番号14(図10)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号20乃至467を含む重鎖、を含んでなるヒト化抗体(hFR2−14_H11/L1);
(vi)配列番号8(図7)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号21乃至235を含む軽鎖、および、配列番号10(図8)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号20乃至467を含む重鎖、を含んでなるヒト化抗体(hFR2−14_H5/L1)、
(4)
該抗体が(3)の(i)乃至(vi)のいずれか一つに記載の抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列とそれぞれ95%以上同一なアミノ酸配列を含む重鎖および軽鎖を含んでなり、且つヒトFGFR2に結合する、(1)に記載の組合せ又は医薬組成物、
(5)
該抗体もしくはその機能断片が、(2)又は(3)の(i)乃至(vi)のいずれか一つに記載の抗体が認識する抗原上の部位に結合する、(1)に記載の組合せ又は医薬組成物、
該抗体もしくはその機能断片が、(2)又は(3)の(i)乃至(vi)のいずれか一つに記載の抗体と、hFGFR2への結合において競合する、(1)に記載の組合せ又は医薬組成物、
(7)
下記の工程(i)及び(ii)を含むことからなる方法により得られる抗体もしくはその機能断片および他剤の組合せ又は該抗体もしくはその機能断片および他剤を含む医薬組成物:
(i)下記(ア)又は(イ)に記載の細胞を培養する工程;
(ア)下記(a)乃至(c)のいずれか一つに記載のヌクレオチドが挿入された組換えベクター又は該ヌクレオチドが導入された組換え細胞:
(a)(1)乃至(6)のいずれか一つに記載の抗体の重鎖または軽鎖の一部または全部のアミノ酸配列をコードする塩基配列を含んでなるヌクレオチド;
(b)(1)乃至(6)のいずれか一つに記載の抗体の重鎖または軽鎖の一部または全部のアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む塩基配列からなるヌクレオチド;
(c)(1)乃至(6)のいずれか一つに記載の抗体の重鎖または軽鎖の一部または全部のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるヌクレオチド;
(イ)(1)乃至(6)のいずれか一つに記載の抗体又はその機能断片を産生する細胞、
および
(ii)前記工程(i)で得られた培養物から(1)乃至(6)のいずれか一つに記載の抗体又はその機能断片を回収する工程、
(8)
該抗体の重鎖または軽鎖のアミノ末端またはカルボキシル末端において1乃至5個のアミノ酸が欠失してなる、(1)乃至(7)のいずれか一つに記載の組合せ又は医薬組成物、
(9)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の抗体もしくはその機能断片の糖鎖修飾体および他剤の組合せ、又は、該修飾体および他剤を含む医薬組成物、
(10)
癌の治療もしくは予防に使用される、(1)乃至(9)のいずれか一つに記載の組合せ又は医薬組成物、
癌がhFGFR2陽性である、(10)に記載の組合せ又は医薬組成物、
(12)
該抗体もしくはその機能断片がさらなる化合物とコンジュゲートされた、(1)乃至(11)のいずれか一つに記載の組合せ又は医薬組成物、
(13)
他剤がトポイソメラーゼ阻害剤である、(1)乃至(12)のいずれか一つに記載の組合せ又は医薬組成物、
(14)
トポイソメラーゼ阻害剤と併用するための、(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体を含む医薬組成物、
(15)
トポイソメラーゼ阻害剤を含み、(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体と併用することにより、該抗体、該機能断片又は該修飾体の作用を上昇させる医薬組成物、
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体を含み、トポイソメラーゼ阻害剤と併用することにより、該トポイソメラーゼ阻害剤の作用を上昇させる医薬組成物、
(17)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、トポイソメラーゼ阻害剤が組み合わせて投与されることを特徴とする医薬組成物、
(18)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、トポイソメラーゼ阻害剤が、それぞれ別の製剤に有効成分として含有され、同時にまたは異なる時間に投与されることを特徴とする、(17)に記載の医薬組成物、
(19)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、トポイソメラーゼ阻害剤が、単一の製剤に有効成分として含有されることを特徴とする、(17)に記載の医薬組成物、
(20)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、トポイソメラーゼ阻害剤が組み合わせて投与されることを特徴とする癌の治療方法、
トポイソメラーゼ阻害剤がイリノテカン、トポテカン及びエトポシドよりなる群から選択される一つ又は二つ以上である、(13)乃至(19)のいずれか一つに記載の医薬組成物又は(20)に記載の治療方法、
(22)
他剤が微小管阻害剤である、(1)乃至(12)のいずれか一つに記載の組合せ又は医薬組成物、
(23)
微小管阻害剤と併用するための、(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体を含む医薬組成物、
(24)
微小管阻害剤を含み、(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体と併用することにより、該抗体、該機能断片又は該修飾体の作用を上昇させる医薬組成物、
(25)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体を含み、微小管阻害剤と併用することにより、該微小管阻害剤の作用を上昇させる医薬組成物、
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、微小管阻害剤が組み合わせて投与されることを特徴とする医薬組成物、
(27)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、微小管阻害剤が、それぞれ別の製剤に有効成分として含有され、同時にまたは異なる時間に投与されることを特徴とする、(26)に記載の医薬組成物、
(28)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、微小管阻害剤が、単一の製剤に有効成分として含有されることを特徴とする、(26)に記載の医薬組成物、
(29)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、微小管阻害剤が組み合わせて投与されることを特徴とする癌の治療方法、
(30)
微小管阻害剤がパクリタキセル、ドセタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エリブリン、ビンデシン及びビノレルビンよりなる群から選択される一つ又は二つ以上である、(22)乃至(28)のいずれか一つに記載の医薬組成物又は(29)に記載の治療方法、
他剤がプラチナ製剤である、(1)乃至(12)のいずれか一つに記載の組合せ又は医薬組成物、
(32)
プラチナ製剤と併用するための、(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体を含む医薬組成物、
(33)
プラチナ製剤を含み、(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体と併用することにより、該抗体、該機能断片又は該修飾体の作用を上昇させる医薬組成物、
(34)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体を含み、プラチナ製剤と併用することにより、該プラチナ製剤の作用を上昇させる医薬組成物、
(35)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、プラチナ製剤が組み合わせて投与されることを特徴とする医薬組成物、
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、プラチナ製剤が、それぞれ別の製剤に有効成分として含有され、同時にまたは異なる時間に投与されることを特徴とする、(35)に記載の医薬組成物、
(37)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、プラチナ製剤が、単一の製剤に有効成分として含有されることを特徴とする、(35)に記載の医薬組成物、
(38)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、プラチナ製剤が組み合わせて投与されることを特徴とする癌の治療方法
(39)
プラチナ製剤がシスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン及びネダプラチンよりなる群から選択される一つ又は二つ以上である、(31)乃至(37)のいずれか一つに記載の医薬組成物又は(38)に記載の治療方法、
(40)
他剤が抗VEGFR2抗体である、(1)乃至(12)のいずれか一つに記載の組合せ又は医薬組成物、
抗VEGFR2抗体と併用するための、(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体を含む医薬組成物、
(42)
抗VEGFR2抗体を含み、(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体と併用することにより、該抗体、該機能断片又は該修飾体の作用を上昇させる医薬組成物、
(43)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体を含み、抗VEGFR2抗体と併用することにより、該抗VEGFR2抗体の作用を上昇させる医薬組成物、
(44)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、抗VEGFR2抗体が組み合わせて投与されることを特徴とする医薬組成物、
(45)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、抗VEGFR2抗体が、それぞれ別の製剤に有効成分として含有され、同時にまたは異なる時間に投与されることを特徴とする、(44)に記載の医薬組成物、
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、抗VEGFR2抗体が、単一の製剤に有効成分として含有されることを特徴とする、(44)に記載の医薬組成物、
(47)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は医薬組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、抗VEGFR2抗体が組み合わせて投与されることを特徴とする癌の治療方法、
(48)
抗VEGFR2抗体がラムシルマブである、(40)乃至(46)のいずれか一つに記載の医薬組成物又は(47)に記載の治療方法、
(49)
他剤が5−フルオロウラシル系抗がん剤である、(1)乃至(12)のいずれか一つに記載の組合せ又は医薬組成物、
(50)
5−フルオロウラシル系抗がん剤と併用するための、(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体を含む医薬組成物、
5−フルオロウラシル系抗がん剤を含み、(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体と併用することにより、該抗体、該機能断片又は該修飾体の作用を上昇させる医薬組成物、
(52)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体を含み、5−フルオロウラシル系抗がん剤と併用することにより、該5−フルオロウラシル系抗がん剤の作用を上昇させる医薬組成物、
(53)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、5−フルオロウラシル系抗がん剤が組み合わせて投与されることを特徴とする医薬組成物、
(54)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、5−フルオロウラシル系抗がん剤が、それぞれ別の製剤に有効成分として含有され、同時にまたは異なる時間に投与されることを特徴とする、(53)に記載の医薬組成物、
(55)
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、5−フルオロウラシル系抗がん剤が、単一の製剤に有効成分として含有されることを特徴とする、(53)に記載の医薬組成物、
(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の組合せ又は組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は(9)に記載の組合せ又は組成物に含まれる修飾体、および、5−フルオロウラシル系抗がん剤が組み合わせて投与されることを特徴とする癌の治療方法、及び、
(57)
5−フルオロウラシル系抗がん剤がフルオロウラシル、テガフール、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム、テガフール・ウラシル、カペシタビン、カルモフール、ドキシフルリジンである、(49)乃至(55)のいずれか一つに記載の医薬組成物又は(56)に記載の治療方法、等に関する。
本発明において、「遺伝子」とは、蛋白質のアミノ酸をコードする塩基配列が含まれるヌクレオチドまたはその相補鎖を意味し、例えば、蛋白質のアミノ酸をコードする塩基配列が含まれるヌクレオチドまたはその相補鎖であるポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、DNA、mRNA、cDNA、cRNA等は「遺伝子」の意味に含まれる。かかる遺伝子は一本鎖、二本鎖又は三本鎖以上のヌクレオチドであり、DNA鎖とRNA鎖の会合体、一本のヌクレオチド鎖上にリボヌクレオチド(RNA)とデオキシリボヌクレオチド(DNA)が混在するもの及びそのようなヌクレオチド鎖を含む二本鎖又は三本鎖以上のヌクレオチドも「遺伝子」の意味に含まれる。本発明の「FGFR2遺伝子」としては、例えば、FGFR2蛋白質のアミノ酸配列をコードする塩基配列が含まれるDNA、mRNA、cDNA、cRNA等をあげることができる。
(2−1)特性
FGFRsは線維芽細胞増殖因子(FGF)に結合する受容体蛋白質である。本発明において、FGFRsは脊椎動物由来、好適には哺乳動物由来であり、より好適にはヒト由来である。ヒトFGF及びFGFRsは、22のFGF(FGF1乃至14、および、FGF16乃至23)、ならびにチロシンキナーゼドメインを有する4つのFGFR(FGFR1乃至4)にそれぞれ分類される。FGFRsは、2つあるいは3つの免疫グロブリン様ドメイン(IgD1乃至3)から成るリガンド結合部位を含む細胞外領域、1回膜貫通領域、およびチロシンキナーゼドメインを含む細胞内領域から構成されている。このうち、FGFR1、FGFR2およびFGFR3には、IIIbおよびIIIcと呼ばれる各2つのスプライシングバリアントが存在する。これらのアイソフォームはIgD3の後半において約50のアミノ酸配列が異なっており、異なる組織分布およびリガンド特異性を示す。FGFRsは次のような活性を有する:(1)FGFに結合する;(2)かかる結合によりFGFRsは二量体化する;(3)かかる二量体化によりFGFRsの特定のチロシン残基がリン酸化される;(4)かかるリン酸化によりFGFR基質2α(FRS2α)等のアダプター蛋白質のリクルートが促進される;(5)該FGFRsを発現している細胞又は組織にFGF刺激によるシグナルを伝達するか又はシグナル伝達を活性化する。
本発明においてFGFR2蛋白質は以下の性質を有する。
(i)FGFに結合する。
FGFR2IIIb蛋白質は、通常、FGF1、FGF3、FGF7(KGF)、FGF10,FGF22及びFGF23からなる群より選択される1又は2以上に結合するが、他のFGFに結合してもよく、変異型の場合は前記群に含まれるFGFであっても結合しないことがある。
(ii)FGFR2発現細胞又は組織内にFGF刺激により生じるシグナルを伝達する。
(iii)本発明においてFGFR2IIIb蛋白質は、次の(a)乃至(d)のいずれか一つに記載のアミノ酸配列(以下、「FGFR2IIIbアミノ酸配列」という)を含んでなるか、FGFR2IIIbアミノ酸配列を含むアミノ酸配列からなるか、またはFGFR2IIIbアミノ酸配列からなる:
(a)NP_075259のアミノ酸配列;
(b)NP_075259のアミノ酸配列と80%、82%、84%、86%、88%、90%、92%、94%、96%、98%又は99%以上の配列同一性を示し且つFGF結合活性を有するポリペプチドのアミノ酸配列;
(c)NP_075259のアミノ酸配列において1乃至50,40、35、30、25、20、15、12、10、8、6、5、4、3もしくは2個、または1個のアミノ酸が置換、欠失、付加または挿入してなり且つFGF結合活性を有するポリペプチドのアミノ酸配列;及び、
(d)NP_075259のアミノ酸配列をコードする塩基配列に相補的な塩基配列を有するヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチドの有する塩基配列によりコードされ、且つ、FGF結合活性を有するポリペプチドのアミノ酸配列。
(a)NP_000132のアミノ酸配列;
(b)NP_000132のアミノ酸配列と80%以上、82%以上、84%以上、86%以上、88%以上、90%以上、92%以上、94%以上、96%以上、98%以上又は99%以上の配列同一性を示し且つFGF結合活性を有するポリペプチドのアミノ酸配列;
(c)NP_000132のアミノ酸配列において1乃至50、45、40、35、30、25、20、15、12、10、8、6、5、4、3もしくは2個、または1個のアミノ酸が置換、欠失、付加または挿入してなり且つFGF結合活性を有するポリペプチドのアミノ酸配列;及び、
(d)NP_000132のアミノ酸配列をコードする塩基配列に相補的な塩基配列を有するヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチドの有する塩基配列によりコードされ、且つ、FGF結合活性を有するポリペプチドのアミノ酸配列。
(2−2)抗原遺伝子
本発明においてFGFR2IIIb遺伝子は、FGFR2IIIbアミノ酸配列をコードする塩基配列(以下、「FGFR2遺伝子配列」という)を含んでなるか、FGFR2遺伝子配列を含む塩基配列からなるか、またはFGFR2遺伝子配列からなる。 本発明においてFGFR2IIIc遺伝子は、FGFR2IIIcアミノ酸配列をコードする塩基配列(以下、「FGFR2遺伝子配列」という)を含んでなるか、FGFR2遺伝子配列を含む塩基配列からなるか、またはFGFR2遺伝子配列からなる。
(2−3)抗原蛋白質の調製
本発明のFGFR2蛋白質は、動物組織(体液を含む)、該組織由来の細胞もしくは該細胞培養物からの精製及び単離、遺伝子組換え、インビトロ翻訳、化学合成等により調製することができる。
(3−1)抗体の分類
本発明の抗体は、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体のいずれであってもよい。本発明のモノクローナル抗体としては、非ヒト動物由来の抗体(非ヒト動物抗体)、ヒト由来の抗体(ヒト抗体)、キメラ化抗体(「キメラ抗体」ともいう)、ヒト化抗体等をあげることができる。
(3−2)抗体の結合特異性
本発明の抗体はFGFR2蛋白質を認識する。言い換えれば、本発明の抗体はFGFR2蛋白質に結合する。かかる抗体は「抗FGFR2抗体」と表記される。また、本発明の好適な抗体はFGFR2蛋白質を特異的に認識する。言い換えれば、本発明の好適な抗体はFGFR2蛋白質に特異的に結合する。さらに、本発明の、より好適な抗体はFGFR2IIIb蛋白質及び/又はFGFR2IIIc蛋白質に特異的に結合し、より一層好適な抗体はFGFR2IIIb蛋白質及び/又はFGFR2IIIc蛋白質の有する免疫グロブリン様ドメイン(以下、「Ig様ドメイン」という)に特異的に結合する。かかるIg様ドメインとしては、Ig様ドメイン2、Ig様ドメイン3等を例示することができる。
(3−3)抗体の抗腫瘍活性
本発明の抗体は、抗腫瘍活性を有し、好適にはイン・ビボ(in vivo)で抗腫瘍活性を有する。本発明において、抗腫瘍活性と抗癌活性は同義である。
(3−4)抗体の細胞傷害活性
本発明の抗FGFR2抗体は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性及び/又は補体依存性細胞傷害(CDC)活性及び/又は抗体依存性細胞媒介食活性(ADCP)活性を有していてもよい。本発明の好適な抗体はADCC活性を有し、より好適な抗体は、FGFR2発現細胞に対してADCC活性を有する。ADCC活性、CDC活性およびADCP活性は公知の方法により測定することができる。
(3−5)シグナル伝達に対する抗体の作用
本発明の抗FGFR2抗体の有する生物学的活性及び性質は、FGFR2を介したFGFシグナルを通じて評価することもできる。FGFR2を介したFGF刺激によるシグナル伝達としては、特に限定されるものではないが、例えば、FGFR2自己リン酸化、FGFR基質のリクルート及びその促進、それらを介したMAPK,PI3K、Akt、細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)等のシグナル経路の活性化等をあげることができる。
(3−6)抗体の受容体−リガンド間の結合を阻害する活性
本発明の好適な抗体はFGFR2とそのリガンドの結合を阻害し、より好適にはFGFR2IIIb及び/又はFGFR2IIIcとFGFの結合を阻害する。かかる受容体−リガンド間の結合阻害は、競合的阻害および非競合的阻害のいずれであってもよい。FGFR2IIIbおよびFGFR2IIIcに対するリガンドとしては、FGF1、FGF3、FGF7、FGF10、FGF22およびFGF23、ならびに、FGF1、FGF2、FGF4、FGF6、FGF9、FGF17、FGF18、FGF21およびFGF23を、それぞれ例示することができる。
(3−7)モノクローナル抗体
本発明はモノクローナル抗体を提供する。モノクローナル抗体には、ラット抗体、マウス抗体、ウサギ抗体、ニワトリ抗体、魚類抗体等の非ヒト動物由来のモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、それらの機能断片、それらの修飾体等が含まれる。このうち、ラットモノクローナル抗体の例としては、FR2−14抗体(WO2013/154206)等をあげることができる。
FR2−14重鎖CDRH3のアミノ酸が置換された好適な変異体としては、例えば、(i)1番目のアミノ酸であるアスパラギン酸がグルタミン酸で置換された変異体(配列番号10並びに図8:118番目のアミノ酸がGlu)、(ii)2番目のアミノ酸であるグリシンがチロシン、アラニン、トリプトファン、バリン、アルギニン、アスパラギン、メチオニン、ロイシン、リジン、イソロイシン、ヒスチジン、フェニルアラニン、グルタミンまたはグルタミン酸で、好適にはフェニルアラニン、ヒスチジン、リジン又はロイシン(配列番号12、14、16、18、20並びに図9乃至12及び16:119番目のアミノ酸がPhe、Lys、His又はLeu)で、より好適にはロイシンで置換された変異体(配列番号16又は18並びに図11又は12:119番目のアミノ酸がLeu)、(iii)8番目のアミノ酸であるスレオニンがアラニンで置換されたヒト化抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、その機能断片等を例示することができる。具体的には、配列表の配列番号8、10、12、14、16、18及び20に示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号118−126からなるCDRH3が挙げられる。
(3−8)抗体の機能断片
本発明は一つの態様として、本発明の抗FGFR2抗体の機能断片を提供する。抗体の機能断片とは、該抗体の有する機能の少なくとも一部を保持する断片を意味する。かかる抗体の機能としては、一般的には、抗原結合活性、抗原の活性を調節する活性、抗体依存性細胞障害(ADCC)活性及び抗体依存性細胞媒介食(ADCP)活性等を挙げることができる。本発明の抗FGFR2抗体の機能としては、例えば、FGFR2蛋白質結合活性、ADCC活性、ADCP活性、FGFR2に対する中和活性、イン・ビボ抗腫瘍活性、FGFR2とそのリガンドの結合を阻害する活性等をあげることができる。
(3−9)ヒト化抗体およびヒト抗体
本発明はその一つの態様において、ヒト化抗体又はその機能断片を提供する。
(3−10)エピトープに結合する抗体
本発明の提供する抗体と「同一の部位に結合する抗体」も本発明の抗体に含まれる。ある抗体と「同一の部位に結合する抗体」とは、該抗体が認識する抗原分子上の部位に結合する他の抗体を意味する。第一抗体が結合する抗原分子上の部分ペプチド又は部分立体構造に第二抗体が結合すれば、第一抗体と第二抗体は同一の部位に結合すると判定することができる。また、第一抗体の抗原に対する結合に対して第二抗体が競合する、すなわち、第二抗体が第一抗体と抗原の結合を妨げることを確認することによって、具体的な結合部位のペプチド配列又は立体構造が決定されていなくても、第一抗体と第二抗体が同一の部位に結合すると判定することができる。さらに、第一抗体と第二抗体が同一の部位に結合し、且つ第一抗体が抗腫瘍活性など本発明の抗体の一つの態様に特徴的な効果を有する場合、第二抗体も同様の活性を有する蓋然性は極めて高い。従って、第一の抗FGFR2抗体の結合する部位に第二の抗FGFR2抗体が結合すれば、第一抗体と第二抗体がFGFR2蛋白質上の同一の部位に結合すると判定することができる。また、第一の抗FGFR2抗体のFGFR2蛋白質への結合に対して第二の抗FGFR2抗体が競合することを確認できれば、第一抗体と第二抗体がFGFR2蛋白質上の同一の部位に結合する抗体と判定することができる。
(3−11)抗体の修飾体
本発明は、抗体又はその機能断片の修飾体を提供する。本発明の抗体又はその機能断片の修飾体とは、本発明の抗体又はその機能断片に化学的又は生物学的な修飾が施されてなるものを意味する。化学的な修飾体には、アミノ酸骨格への化学部分の結合、N−結合またはO−結合炭水化物鎖の化学修飾体等が含まれる。生物学的な修飾体には、翻訳後修飾(例えば、N−結合またはO−結合への糖鎖付加、N末またはC末のプロセッシング、脱アミド化、アスパラギン酸の異性化、メチオニンの酸化)されたもの、原核生物宿主細胞を用いて発現させることによりN末にメチオニン残基が付加したもの等が含まれる。また、本発明の抗体または抗原の検出または単離を可能にするために標識されたもの、例えば、酵素標識体、蛍光標識体、アフィニティ標識体もかかる修飾物の意味に含まれる。このような本発明の抗体又はその機能断片の修飾物は、元の本発明の抗体又はその機能断片の安定性および血中滞留性の改善、抗原性の低減、かかる抗体又は抗原の検出又は単離等に有用である。
本発明においては抗体の修飾体、その機能断片の修飾体を、単に「抗体」、「抗体の機能断片」と呼ぶことがある。
hFR2−14_H19/L1は糖鎖修飾が調節された、すなわち脱フコース化されたヒト化抗体であり(WO2013/154206の実施例9)、本発明の抗体、本発明の抗体の修飾体に包含される。
(4−1)ハイブリドーマを用いる方法
本発明の一つの態様として、抗FGFR2抗体は、例えば、コーラーとミルスタインの方法(Kohler and Milstein,Nature (1975)256,p.495−497、Kennet,R.ed.,Monoclonal Antibodies,p.365−367,Plenum Press,N.Y.(1980))に従って取得することができる(WO2013/154206)。
(4−2)細胞免疫法
天然型のFGFR2蛋白質を発現する細胞、組換え型FGFR2蛋白質またはその断片を発現する細胞等を免疫原として使用することにより、前記のハイブリドーマ法により抗FGFR2抗体を調製することができる(WO2013/154206)。
(4−3)遺伝子組換え
本発明の抗体は、その重鎖アミノ酸配列をコードする塩基配列が含まれるヌクレオチド(重鎖ヌクレオチド)及びその軽鎖アミノ酸配列をコードする塩基配列が含まれるヌクレオチド(軽鎖ヌクレオチド)、又は、かかる重鎖ヌクレオチドが挿入されたベクター及び軽鎖ヌクレオチドが挿入されたベクターを宿主細胞に導入し、該細胞を培養した後その培養物からかかる抗体を回収することにより調製することができ、そのようにして得られた抗体も本発明に含まれる(WO2013/154206)。
(4−4)DNA免疫法
本発明の抗FGFR2抗体は、DNA免疫法を使用して得ることもできる。抗原発現プラスミドをマウスやラットなどの動物個体に遺伝子導入し、抗原を個体内で発現させることによって、抗原に対する免疫を誘導する。遺伝子導入の手法には、直接プラスミドを筋肉に注射する方法や、リポソームやポリエチレンイミンなどの導入試薬を静脈注射する方法、ウイルスベクターを用いる手法、プラスミドを付着させた金粒子をGene Gunにより射ち込む手法、急速に大量のプラスミド溶液を静脈注射するHydrodynamic法などが存在する。
(4−5)ヒト化抗体のデザイン法および調製法
ヒト化抗体としては、非ヒト動物抗体のCDRのみがヒト由来の抗体に組込まれた抗体(Nature(1986)321,p.522−525参照)、CDR移植法によりCDRの配列に加え一部のフレームワークのアミノ酸残基もヒト抗体に移植した抗体(WO90/07861号、US6972323号公報参照)、それらのいずれかにおける非ヒト動物抗体の1つまたは2つ以上のアミノ酸がヒト型のアミノ酸で置換されてなる抗体等を挙げることができるが、それらに限定されるものではない。
(4−6)ヒト抗体の調製法
本発明の抗体としては、さらに、ヒト抗体を挙げることができる。抗FGFR2ヒト抗体とは、ヒト由来の抗体のアミノ酸配列からなる抗FGFR2抗体を意味する。抗FGFR2ヒト抗体は、ヒト抗体の重鎖と軽鎖の遺伝子を含むヒトゲノムDNA断片を有するヒト抗体産生マウスを用いた方法、ヒト抗体ライブラリーより選別したファージディスプレイ由来のヒト抗体を取得する方法等の公知の方法により取得することができる(WO2013/154206)。
(4−7)抗体の機能断片の調製法
一本鎖抗体を作成する方法は公知である。scFvにおいて、重鎖可変領域と軽鎖可変領域は、コンジュゲートを作らないようなリンカー、好ましくはポリペプチドリンカーを介して連結される。scFvにおける重鎖可変領域及び軽鎖可変領域は、同一の抗体に由来してもよく、別々の抗体に由来してもよい。 本発明の抗体は、多量化して抗原に対する親和性を高めたものであってもよい。多量化する抗体としては、1種類の抗体であっても、同一の抗原の複数のエピトープを認識する複数の抗体であってもよい。
(4−8)抗体の精製
得られた抗体は、均一にまで精製することができる。抗体の分離、精製は通常の蛋白質で使用されている分離、精製方法を使用すればよい。
(4−9)組換抗体
本発明は、本発明の抗体もしくはその機能断片またはその修飾体をコードするヌクレオチド(抗体遺伝子)又はベクターが導入された細胞を培養し、その培養物から抗体もしくはその機能断片またはその修飾体を回収する工程、を含む、抗体もしくはその機能断片またはその修飾体の製造方法により得られた抗体もしくはその機能断片またはその修飾体も、本発明に含まれる。
本発明は抗FGFR2抗体もしくはその機能断片またはその修飾体を含む医薬組成物を提供する。
ヒト胃癌細胞株SNU―16(ATCCより購入)をPBSとマトリゲル(日本BDより購入)1:1の混液にて5×107cells/mLに調整し、細胞懸濁液をヌードマウス(CAnN.Cg−Foxnlnu/CrlCrlj、雌性、5〜6週齢、日本チャールス・リバーより購入)の腋窩部皮下に0.1mL移植した。腫瘍体積値を用いて群分けを行い(各群n=5)、hFR2−14_H19/L1(WO2013/154206)は10mg/kgにて腹腔内に投与し、CPT−11は40mg/kgにてマウスに尾静脈内投与した。hFR2−14_H19/L1は移植10、17、24日後に投与し、CPT−11は移植10日後に投与した。経時的に腫瘍の長径(mm)および短径(mm)を電子デジタルノギス(株式会社ミツトヨ製)で計測し、以下に示す計算式により腫瘍体積を算出した。
抗腫瘍効果は、移植36日後に以下に示す計算式により腫瘍増殖抑制率(TGI%)で評価した。
A : 化合物投与群の判定日の平均腫瘍体積
B : 無処置対照群の判定日の平均腫瘍体積
hFR2−14_H19/L1単独投与、CPT−11単独投与、およびhFR2−14_H19/L1とCPT−11併用投与の結果を図13に示した。数値は平均値±標準誤差(SE)を示す。移植36日後におけるTGIは、hFR2−14_H19/L1単独投与群で24%、CPT−11単独投与群で41%であったのに対し、hFR2−14_H19/L1とCPT−11併用投与群では80%であり、併用により抗腫瘍効果が増強されることが示された。
ヒト胃癌細胞株SNU―16(ATCCより購入)をPBSとマトリゲル(日本BDより購入)1:1の混液にて5×107cells/mLに調整し、細胞懸濁液をNOD−scidマウス(NOD.CB17−Prkdcscid/J、雌性、5〜6週齢、日本チャールス・リバーより購入)の腋窩部皮下に0.1mL移植した。腫瘍体積値を用いて群分けを行い(Paclitaxel単独投与群はn=4、他の群はn=5)、hFR2−14_H19/L1は10mg/kgにて腹腔内に投与し、Paclitaxelは15mg/kgにてマウスに尾静脈内投与した。hFR2−14_H19/L1は移植10、17、24日後に投与し、Paclitaxelは移植10日後に投与した。経時的に腫瘍の長径(mm)および短径(mm)を電子デジタルノギス(株式会社ミツトヨ製)で計測し、以下に示す計算式により腫瘍体積を算出した。
腫瘍体積(mm3)=1/2×[腫瘍長径]×[腫瘍短径]×[腫瘍短径]
抗腫瘍効果は、移植39日後に以下に示す計算式により腫瘍増殖抑制率(TGI%)で評価した。
A : 化合物投与群の判定日の平均腫瘍体積
B : 無処置対照群の判定日の平均腫瘍体積
hFR2−14_H19/L1単独投与、Paclitaxel単独投与、およびhFR2−14_H19/L1とPaclitaxel併用投与の結果を図14に示した。数値は平均値±標準誤差(SE)を示す。移植39日後におけるTGIは、hFR2−14_H19/L1単独投与群で60%、Paclitaxel単独投与群で53%であったのに対し、hFR2−14_H19/L1とPaclitaxel併用投与群では、98%であった。先行技術の抗FGFR2抗体では、Paclitaxelとの併用により、抗腫瘍効果が増強することが示されているが、腫瘍が縮退するには到らなかった(US2015/0050273 A1)。一方、本発明におけるCPT−11あるいはPaclitaxelとの併用においては、併用効果により大幅な抗腫瘍活性の増強と、腫瘍縮退が認められ、とりわけPaclitaxelとの併用では、39日において5例中3例に腫瘍の完全消失が認められた。
ヒト肺癌細胞株KNS―62(財団法人ヒューマンサイエンス振興財団、ヒューマンサイエンス研究資源バンクより購入)をPBSとマトリゲル(日本BDより購入)1:1の混液にて1.4×107cells/mLに調整し、細胞懸濁液をNOD−scidマウス(NOD.CB17−Prkdcscid/J、雌性、5〜6週齢、日本チャールス・リバーより購入)の腋窩部皮下に0.1mL移植した。腫瘍体積値を用いて群分けを行い(各群n=5)、hFR2−14_H19/L1は10mg/kgにて腹腔内に投与し、Cisplatinは5mg/kgにてマウスに尾静脈内投与した。hFR2−14_H19/L1は移植7、14、21日後に投与し、Cisplatinは移植7、21日後に投与した。経時的に腫瘍の長径(mm)および短径(mm)を電子デジタルノギス(株式会社ミツトヨ製)で計測し、以下に示す計算式により腫瘍体積を算出した。
抗腫瘍効果は、移植36日後に以下に示す計算式により腫瘍増殖抑制率(TGI%)で評価した。
A : 化合物投与群の判定日の平均腫瘍体積
B : 無処置対照群の判定日の平均腫瘍体積
hFR2−14_H19/L1単独投与、Cisplatin単独投与、およびhFR2−14_H19/L1とCisplatin併用投与の結果を図15に示した。数値は平均値±標準誤差(SE)を示す。移植36日後におけるTGIは、hFR2−14_H19/L1単独投与群で16%、Cisplatin単独投与群で27%であったのに対し、hFR2−14_H19/L1とCisplatin併用投与群では、52%であった。無処置対照群(Untreated control)とhFR2−14_H19/L1とCisplatin併用投与群との間に、有意差(t検定、p<0.05)が認められ、併用効果が示された。
ヒト胃癌細胞株SNU−16(ATCCより購入)をPBSとマトリゲル(日本BDより購入)1:1の混液にて5×107cells/mLに調整し、細胞懸濁液をヌードマウス(CAnN.Cg−Foxn1[nu]/CrlCrlj[Foxn1nu/Foxn1nu]、雌性、5〜6週齢、日本チャールス・リバーより購入)の腋窩部皮下に0.1mL移植した。腫瘍体積値を用いて群分けを行い(各群n=8)、hFR2−14_H19/L1は1mg/kgにて、Cisplatinは5mg/kgにてマウスにそれぞれ尾静脈内投与した。hFR2−14_H19/L1は移植6、13、20日後に投与し、Cisplatinは移植6日後に投与した。経時的に腫瘍の長径(mm)および短径(mm)を電子デジタルノギス(株式会社ミツトヨ製)で計測し、以下に示す計算式により腫瘍体積を算出した。
腫瘍体積(mm3)=1/2×[腫瘍長径]×[腫瘍短径]×[腫瘍短径]
抗腫瘍効果は、移植27日後に以下に示す計算式により腫瘍増殖抑制率(TGI%)で評価した。
A : 化合物投与群の判定日の平均腫瘍体積
B : 無処置対照群の判定日の平均腫瘍体積
hFR2−14_H19/L1単独投与、Cisplatin単独投与、およびhFR2−14_H19/L1とCisplatin併用投与の結果を図17に示した。数値は平均値±標準誤差(SE)を示す。移植27日後におけるTGIは、hFR2−14_H19/L1単独投与群で68%、Cisplatin単独投与群で23%であったのに対し、hFR2−14_H19/L1とCisplatin併用投与群では、87%であった。Cisplatin単独投与群と、hFR2−14_H19/L1とCisplatin併用投与群との間に、有意差(Dunnett型多重比較検定、p<0.0001)が認められ、併用効果が示された。
ヒト胃癌細胞株SNU−16(ATCCより購入)をPBSとマトリゲル(日本BDより購入)1:1の混液にて5×107cells/mLに調整し、細胞懸濁液をヌードマウス(CAnN.Cg−Foxn1[nu]/CrlCrlj[Foxn1nu/Foxn1nu]、雌性、5〜6週齢、日本チャールス・リバーより購入)の腋窩部皮下に0.1mL移植した。腫瘍体積値を用いて群分けを行い(各群n=8)、hFR2−14_H19/L1は1mg/kgにて、Docetaxelは1mg/kgにてマウスにそれぞれ尾静脈内投与した。hFR2−14_H19/L1は移植6、13、20日後に投与し、Docetaxelは移植6日後に投与した。経時的に腫瘍の長径(mm)および短径(mm)を電子デジタルノギス(株式会社ミツトヨ製)で計測し、以下に示す計算式により腫瘍体積を算出した。
腫瘍体積(mm3)=1/2×[腫瘍長径]×[腫瘍短径]×[腫瘍短径]
抗腫瘍効果は、移植27日後に以下に示す計算式により腫瘍増殖抑制率(TGI%)で評価した。
A : 化合物投与群の判定日の平均腫瘍体積
B : 無処置対照群の判定日の平均腫瘍体積
hFR2−14_H19/L1単独投与、Docetaxel単独投与、およびhFR2−14_H19/L1とDocetaxel併用投与の結果を図18に示した。数値は平均値±標準誤差(SE)を示す。移植27日後におけるTGIは、hFR2−14_H19/L1単独投与群で68%、Docetaxel単独投与群で16%であったのに対し、hFR2−14_H19/L1とDocetaxel併用投与群では、73%であった。Docetaxel単独投与群と、hFR2−14_H19/L1とDocetaxel併用投与群との間に、有意差(Dunnett型多重比較検定、p<0.005)が認められ、併用効果が示された。
ヒト胃癌細胞株SNU−16(ATCCより購入)をPBSとマトリゲル(日本BDより購入)1:1の混液にて5×107cells/mLに調整し、細胞懸濁液をヌードマウス(CAnN.Cg−Foxn1[nu]/CrlCrlj[Foxn1nu/Foxn1nu]、雌性、5〜6週齢、日本チャールス・リバーより購入)の腋窩部皮下に0.1mL移植した。腫瘍体積値を用いて群分けを行い(各群n=8)、hFR2−14_H19/L1は1mg/kgにて、抗マウスVEGFR2抗体DC101(Bio−X−cellより購入)は20mg/kgにてマウスにそれぞれ尾静脈内投与した。hFR2−14_H19/L1は移植6、13、20日後に投与し、抗VEGFR2抗体は移植6、9、13、16、20日後に投与した。経時的に腫瘍の長径(mm)および短径(mm)を電子デジタルノギス(株式会社ミツトヨ製)で計測し、以下に示す計算式により腫瘍体積を算出した。
腫瘍体積(mm3)=1/2×[腫瘍長径]×[腫瘍短径]×[腫瘍短径]
抗腫瘍効果は、移植27日後に以下に示す計算式により腫瘍増殖抑制率(TGI%)で評価した。
A : 化合物投与群の判定日の平均腫瘍体積
B : 無処置対照群の判定日の平均腫瘍体積
hFR2−14_H19/L1単独投与、抗VEGFR2抗体単独投与、およびhFR2−14_H19/L1と抗VEGFR2抗体併用投与の結果を図19に示した。数値は平均値±標準誤差(SE)を示す。移植27日後におけるTGIは、hFR2−14_H19/L1単独投与群で68%、抗VEGFR2抗体単独投与群で28%であったのに対し、hFR2−14_H19/L1と抗VEGFR2抗体併用投与群では、91%であった。抗VEGFR2抗体単独投与群と、hFR2−14_H19/L1と抗VEGFR2抗体併用投与群との間に、有意差(Dunnett型多重比較検定、p<0.0001)が認められ、併用効果が示された。
ヒト胃癌細胞株SNU−16(ATCCより購入)をPBSとマトリゲル(日本BDより購入)1:1の混液にて5×107cells/mLに調整し、細胞懸濁液をヌードマウス(CAnN.Cg−Foxn1[nu]/CrlCrlj[Foxn1nu/Foxn1nu]、雌性、5〜6週齢、日本チャールス・リバーより購入)の腋窩部皮下に0.1mL移植した。腫瘍体積値を用いて群分けを行い(各群n=8)、hFR2−14_H19/L1は1mg/kgにて、5−FUは50mg/kgにてマウスにそれぞれ尾静脈内投与した。hFR2−14_H19/L1は移植7、14日後に投与し、5−FUは移植7、10、14、17日後に投与した。経時的に腫瘍の長径(mm)および短径(mm)を電子デジタルノギス(株式会社ミツトヨ製)で計測し、以下に示す計算式により腫瘍体積を算出した。
腫瘍体積(mm3)=1/2×[腫瘍長径]×[腫瘍短径]×[腫瘍短径]
抗腫瘍効果は、移植21日後に以下に示す計算式により腫瘍増殖抑制率(TGI%)で評価した。
A : 化合物投与群の判定日の平均腫瘍体積
B : 無処置対照群の判定日の平均腫瘍体積
hFR2−14_H19/L1単独投与、5−FU単独投与、およびhFR2−14_H19/L1と5−FU併用投与の結果を図20に示した。数値は平均値±標準誤差(SE)を示す。移植21日後におけるTGIは、hFR2−14_H19/L1単独投与群で49%、5−FU単独投与群で32%であったのに対し、hFR2−14_H19/L1と5−FU併用投与群では、79%であった。5−FU単独投与群と、hFR2−14_H19/L1と5−FU併用投与群との間に、有意差(Dunnett型多重比較検定、p<0.0001)が認められ、併用効果が示された。
配列番号2:ヒト化FR2−14軽鎖(hFR2−14_L1)のCDR2のアミノ酸配列(図2)
配列番号3:ヒト化FR2−14軽鎖(hFR2−14_L1)のCDR3のアミノ酸配列(図3)
配列番号4:ヒト化FR2−14重鎖(hFR2−14_H19)のCDR1のアミノ酸配列(図4)
配列番号5:ヒト化FR2−14重鎖(hFR2−14_H19)のCDR2のアミノ酸配列(図5)
配列番号6:ヒト化FR2−14重鎖(hFR2−14_H19)のCDR3のアミノ酸配列(図6)
配列番号7:ヒト化FR2−14軽鎖(hFR2−14_L1)の塩基配列。うちヌクレオチド番号1乃至60はシグナル配列をコードする配列である。
配列番号8:ヒト化FR2−14軽鎖(hFR2−14_L1)のアミノ酸配列(図7)。うちアミノ酸番号1乃至20はシグナル配列であり、通常大部分の成熟hFR2−14_L1のアミノ酸配列には含まれない。
配列番号9:ヒト化FR2−14重鎖(hFR2−14_H5)の塩基配列。うちヌクレオチド番号1乃至57はシグナル配列をコードする配列である。
配列番号10:ヒト化FR2−14重鎖(hFR2−14_H5)のアミノ酸配列(図8)。うちアミノ酸番号1乃至19はシグナル配列であり、通常大部分の成熟hFR2−14_H5のアミノ酸配列には含まれない。
配列番号11:ヒト化FR2−14重鎖(hFR2−14_H8)の塩基配列。うちヌクレオチド番号1乃至57はシグナル配列をコードする配列である。
配列番号12:ヒト化FR2−14重鎖(hFR2−14_H8)のアミノ酸配列(図9)。うちアミノ酸番号1乃至19はシグナル配列であり、通常大部分の成熟hFR2−14_H8のアミノ酸配列には含まれない。
配列番号13:ヒト化FR2−14重鎖(hFR2−14_H11)の塩基配列。うちヌクレオチド番号1乃至57はシグナル配列をコードする配列である。
配列番号14:ヒト化FR2−14重鎖(hFR2−14_H11)のアミノ酸配列(10)。うちアミノ酸番号1乃至19はシグナル配列であり、通常大部分の成熟hFR2−14_H11のアミノ酸配列には含まれない。
配列番号15:ヒト化FR2−14重鎖(hFR2−14_H12)の塩基配列。うちヌクレオチド番号1乃至57はシグナル配列をコードする配列である。
配列番号16:ヒト化FR2−14重鎖(hFR2−14_H12)のアミノ酸配列(図11)。うちアミノ酸番号1乃至19はシグナル配列であり、通常大部分の成熟hFR2−14_H12のアミノ酸配列には含まれない。
配列番号17:ヒト化FR2−14重鎖(hFR2−14_H19)の塩基配列。うちヌクレオチド番号1乃至57はシグナル配列をコードする配列である。
配列番号18:ヒト化FR2−14重鎖(hFR2−14_H19)のアミノ酸配列(図12)。うちアミノ酸番号1乃至19はシグナル配列であり、通常大部分の成熟hFR2−14_H19のアミノ酸配列には含まれない。
配列番号19:ヒト化FR2−14重鎖(hFR2−14_H9)の塩基配列。うちヌクレオチド番号1乃至57はシグナル配列をコードする配列である。
配列番号20:ヒト化FR2−14重鎖(hFR2−14_H9)のアミノ酸配列(図16)。うちアミノ酸番号1乃至19はシグナル配列であり、通常大部分の成熟hFR2−14_H9のアミノ酸配列には含まれない。
Claims (17)
- 下記(i)乃至(ix)の特徴を有するモノクローナル抗体もしくはその機能断片、および、イリノテカンを含む医薬組成物:
(i)ヒト2型線維芽細胞増殖因子受容体(hFGFR2)IIIb及びIIIcに特異的に結合する;
(ii)hFGFR2の免疫グロブリン様ドメイン2又は免疫グロブリン様ドメイン3に結合する;
(iii)ヒト1型線維芽細胞増殖因子受容体(hFGFR1)、ヒト3型線維芽細胞増殖因子受容体(hFGFR3)及びヒト4型線維芽細胞増殖因子受容体(hFGFR4)には特異的に結合しない;
(iv)抗体依存性細胞傷害活性を有する;
(v)抗体依存性細胞媒介食活性を有する;
(vi)hFGFR2に対する中和活性を有する;
(vii)in vivo抗腫瘍活性を有する;
(viii)hFGFR2へのFGFの結合を阻害する;
(ix)キメラ抗体、ヒト化抗体又はヒト抗体、
であって、該抗体が配列表の配列番号1(図1)に示されるアミノ酸配列からなるCDRL1、配列表の配列番号2(図2)に示されるアミノ酸配列からなるCDRL2及び配列表の配列番号3(図3)に示されるアミノ酸配列からなるCDRL3を含むことからなる軽鎖、並びに、配列表の配列番号4(図4)に示されるアミノ酸配列からなるCDRH1、配列表の配列番号5(図5)に示されるアミノ酸配列からなるCDRH2及び配列表の配列番号6(図6)に示されるアミノ酸配列もしくは該アミノ酸配列のアミノ末端から数えて1つ目又は2つ目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されてなるアミノ酸配列からなるCDRH3を含むことからなる重鎖からなるモノクローナル抗体。 - 該抗体が下記(i)乃至(vi)から選択される、請求項1に記載の医薬組成物:
(i)配列番号8(図7)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号21乃至235を含む軽鎖、および、配列番号18(図12)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号20乃至467を含む重鎖、を含んでなるヒト化抗体(hFR2−14_H19/L1);
(ii)配列番号8(図7)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号21乃至235を含む軽鎖、および、配列番号16(図11)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号20乃至467を含む重鎖、を含んでなるヒト化抗体(hFR2−14_H12/L1);
(iii)配列番号8(図7)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号21乃至235を含む軽鎖、および、配列番号12(図9)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号20乃至467を含む重鎖、を含んでなるヒト化抗体(hFR2−14_H8/L1);
(iv)配列番号8(図7)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号21乃至235を含む軽鎖、および、配列番号20(図16)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号20乃至467を含む重鎖、を含んでなるヒト化抗体(hFR2−14_H9/L1);
(v)配列番号8(図7)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号21乃至235を含む軽鎖、および、配列番号14(図10)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号20乃至467を含む重鎖、を含んでなるヒト化抗体(hFR2−14_H11/L1);
(vi)配列番号8(図7)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号21乃至235を含む軽鎖、および、配列番号10(図8)で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号20乃至467を含む重鎖、を含んでなるヒト化抗体(hFR2−14_H5/L1)。 - 該抗体が請求項2の(i)乃至(vi)のいずれか一つに記載の抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列とそれぞれ95%以上同一なアミノ酸配列を含む重鎖および軽鎖を含んでなり、且つヒトFGFR2に結合する、請求項1に記載の医薬組成物。
- 該抗体もしくはその機能断片が、請求項2の(i)乃至(vi)のいずれか一つに記載の抗体が認識する抗原上の部位に結合する、請求項1に記載の医薬組成物。
- 該抗体もしくはその機能断片が、請求項2の(i)乃至(vi)のいずれか一つに記載の抗体と、hFGFR2への結合において競合する、請求項1に記載の医薬組成物。
- 下記の工程(i)及び(ii)を含むことからなる方法により得られる抗体もしくはその機能断片、および、イリノテカンを含む医薬組成物:
(i)下記(ア)又は(イ)に記載の細胞を培養する工程;
(ア)下記(a)乃至(c)のいずれか一つに記載のヌクレオチドが挿入された組換えベクター又は該ヌクレオチドが導入された組換え細胞:
(a)請求項1乃至5のいずれか一つに記載の抗体の重鎖または軽鎖の一部または全部のアミノ酸配列をコードする塩基配列を含んでなるヌクレオチド;
(b)請求項1乃至5のいずれか一つに記載の抗体の重鎖または軽鎖の一部または全部のアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む塩基配列からなるヌクレオチド;
(c)請求項1乃至5のいずれか一つに記載の抗体の重鎖または軽鎖の一部または全部のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるヌクレオチド;
(イ)請求項1乃至5のいずれか一つに記載の抗体又はその機能断片を産生する細胞、
および
(ii)前記工程(i)で得られた培養物から請求項1乃至5のいずれか一つに記載の抗体又はその機能断片を回収する工程。 - 該抗体の重鎖または軽鎖のアミノ末端またはカルボキシル末端において1乃至5個のアミノ酸が欠失してなる、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の医薬組成物。
- 請求項1乃至7のいずれか一つに記載の抗体もしくはその機能断片の糖鎖修飾体、および、イリノテカンを含む医薬組成物。
- 癌の治療もしくは予防に使用される、請求項1乃至8のいずれか一つに記載の医薬組成物。
- 癌がhFGFR2陽性である、請求項9に記載の医薬組成物。
- 該抗体もしくはその機能断片がさらなる化合物とコンジュゲートされた、請求項1乃至10のいずれか一つに記載の医薬組成物。
- イリノテカンと併用するための、請求項1乃至7のいずれか一つに記載の組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は請求項8に記載の組成物に含まれる修飾体を含む医薬組成物。
- イリノテカンを含み、請求項1乃至7のいずれか一つに記載の組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は請求項8に記載の組成物に含まれる修飾体と併用することにより、該抗体、該機能断片又は該修飾体の作用を上昇させる医薬組成物。
- 請求項1乃至7のいずれか一つに記載の組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は請求項8に記載の組成物に含まれる修飾体を含み、イリノテカンと併用することにより、該イリノテカンの作用を上昇させる医薬組成物。
- 請求項1乃至7のいずれか一つに記載の組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は請求項8に記載の組成物に含まれる修飾体、および、イリノテカンが組み合わせて投与されることを特徴とする医薬組成物。
- 請求項1乃至7のいずれか一つに記載の組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は請求項8に記載の組成物に含まれる修飾体、および、イリノテカンが、それぞれ別の製剤に有効成分として含有され、同時にまたは異なる時間に投与されることを特徴とする、請求項15に記載の医薬組成物。
- 請求項1乃至7のいずれか一つに記載の組成物に含まれる抗体もしくはその機能断片又は請求項8に記載の組成物に含まれる修飾体、および、イリノテカンが、単一の製剤に有効成分として含有されることを特徴とする、請求項15に記載の医薬組成物。
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