JP6887829B2 - ブロック共重合体、及びポリマーミセル、並びに薬粧品組成物、及び経皮吸収用製剤 - Google Patents

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本発明は、ブロック共重合体、及びポリマーミセル、並びに薬粧品組成物、及び経皮吸収用製剤に関する。
ナノテクノロジーの発展によりナノ粒子をキャリアとした経皮薬物デリバリーが注目されている。しかし、前記ナノ粒子自体は角層を介して皮内に浸透することは非常に難しく、主に角層表面に留まるか毛嚢などの付属器官に集積する。したがって、ナノ粒子を用いた皮内送達を可能にするためには、物理的促進法による角層バリアの突破が必要となる。
また、化粧品分野では、活性成分を角層までに浸透させることが法律上許されている。現状、低分子薬剤は真皮まで浸透するものが多く、更に、高分子薬剤は角層に浸透しないという不具合がある。
例えば、ポリエチレングリコール重合体を利用した経皮化粧品組成物及び経皮吸収剤用担体が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
前記特許文献1には、活性成分を内包したポリエチレングリコールとポリアミン共重合体ポリマーミセルの経皮化粧品組成物が開示されている。
前記特許文献2には、リポソームを担体とした経皮吸収剤が開示されている。
本発明は、電気刺激によっても崩壊しにくいか又は崩壊せず、初期バーストが生じないポリマーミセルが得られるブロック共重合体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のブロック共重合体は、下記一般式(I)で表される。
[一般式(I)]
Figure 0006887829
ただし、前記一般式(I)中、Aは、非置換又は置換の炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、置換されている場合のアルコキシ基の置換基は、ホルミル基、及びRCH−基(ただし、R及びRは、各々独立して、炭素数1〜4のアルコキシ基、若しくはRとRとは一緒になって−OCHCHO−、−O(CHO−、又は−O(CHO−)のいずれかを表す。
は、単結合、−(CHS−、−CO(CHS−、−(CHNH−、−(CHCO−(ただし、cは1〜5の整数である)、−CO−、−COO−、及び−CONH−から選択される連結基を表す。
Rは、単結合、−(CH−、及び−(CHCH−(ただし、pは1〜10の整数を表す)から選択されるいずれかを表す。
Xは、メチルイミノ(−CHNH−)、メチルイミノメチル(−CHNHCH−)、メチルオキシ(−CHO−)、メチルオキシメチル(−CHOCH−)、メチルエステル(−CHOCO−)、メチルエステルメチル(−CHOCOCH−)、及び下記構造式で表される置換基のいずれかを表す。
mは、20〜10,000である。
nは、3〜1,000である。
Figure 0006887829
本発明によると、電気刺激によっても崩壊しにくいか又は崩壊せず、初期バーストが生じないポリマーミセルが得られるブロック共重合体を提供することを目的とする。
図1は、実施例1で得られたPEG−b−PCMSブロック共重合体のH NMRスペクトル図である。 図2は、参考例2で得られたPEG−b−PTMSPMA AIBN1のH NMRスペクトル図である。 図3は、参考例3で得られたPEG−b−PTMSPMA AIBN10のH NMRスペクトル図である。 図4は、参考例4で得られたPEG−b−PTMSPMA AIBN100のH NMRスペクトル図である。 図5は、実施例で得られたPEG−b−PCMSブロック共重合体のTEM像(40,000倍)である。 図6Aは、参考例4で得られたポリマーミセルのコロジオン膜分散後のTEM像(10,000倍)である。 図6Bは、参考例4で得られたポリマーミセルのコロジオン膜分散後のTEM像(50,000倍)である。 図6Cは、参考例4で得られたポリマーミセルのコロジオン膜分散後のTEM像(50,000倍)である。 図7は、実施例における第1の崩壊性試験の評価結果を示す写真である。 図8は、実施例1及び5の第2の崩壊性試験の評価結果を示す写真である。 図9は、実施例における徐放性試験の結果を示すグラフである。 図10は、実施例における薬剤放出性試験の結果を示すグラフである。
(ブロック共重合体)
本発明のブロック共重合体は、下記一般式(I)で表されるブロック共重合体であり、ポリ(エチレングリコール)鎖セグメント(A)と、シラノール基連結セグメント(B)とを含み、好ましくは、AB型のジブロック共重合体であるが、ABA型のトリブロック共重合体、ABBA型のテトラブロック共重合体であってもよい。
本発明のブロック共重合体は、前記特許文献1(特許第5183378号公報)では、活性成分の均一な分配性、水中や有機溶媒中でのポリマーミセルの安定性、及び徐放性については十分ではないという知見に基づくものである。
本発明のブロック共重合体は、前記特許文献2(特許第6026339号公報)では、毛穴から浸透するため活性成分の均一な分配性、安定性、及び徐放性の点で十分ではなく、特に外部刺激を与えると顕著に不具合が発生するという知見に基づくものである。
[一般式(I)]
Figure 0006887829
前記一般式(I)において、Aは、非置換又は置換の炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、置換されている場合のアルコキシ基の置換基は、ホルミル基、及びRCH−基(ただし、R及びRは、各々独立して、炭素数1〜4のアルコキシ基、若しくはRとRとは一緒になって−OCHCHO−、−O(CHO−、又は−O(CHO−)のいずれかを表す。
前記Aの炭素数1〜12のアルコキシ基におけるアルキル部分は、直鎖又は分岐のアルキルであることが好ましく、例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、ドデカニルなどが挙げられる。
前記Aが、式:RCH−で置換されたアルコキシ基を表し、かつ、R及びRは独立して、炭素数1〜4アルコキシ又はRとRは一緒になって−OCHCHO−、−O(CHO−もしくは−O(CHO−を表す場合には、このような置換基は酸性条件下で容易に開裂してホルミル基に転化できるので、タンパク質(例えば、抗体その他のリガンド)等をそのアミノ基を介して容易に共有結合できる。このような置換基は、存在する場合には、アルコキシ基の未結合末端に存在するのが好ましい。
前記一般式(I)において、Lは、単結合、−(CHS−、−CO(CHS−、−(CHNH−、−(CHCO−(ただし、cは1〜5の整数である)、−CO−、−COO−、及び−CONH−から選択される連結基を表す。cは1又は2が好ましい。
前記一般式(I)において、Rは、単結合、−(CH−、及び−(CHCH−(ただし、pは1〜10の整数を表す)から選択されるいずれかを表す。pは1又は2が好ましい。
前記一般式(I)において、Xは、メチルイミノ(−CHNH−)、メチルイミノメチル(−CHNHCH−)、メチルオキシ(−CHO−)、メチルオキシメチル(−CHOCH−)、メチルエステル(−CHOCO−)、メチルエステルメチル(−CHOCOCH−)、及び下記構造式で表される置換基のいずれかを表す。
Figure 0006887829
前記一般式(I)において、mは、20〜10,000であり、20〜500が好ましい。
前記一般式(I)において、nは、3〜1,000であり、3〜50が好ましい。
前記一般式(I)において、Lが−CHS−、Xが下記構造式で表される置換基であり、Rが−CHCH−であることが、電気刺激によっても崩壊しにくいか又は崩壊せず、初期バーストが生じないポリマーミセルが得られる点から好ましい。
Figure 0006887829
<ブロック共重合体の製造方法>
前記一般式(I)で表されるブロック共重合体は、例えば、以下のようにして合成することができる。
まず、α−末端にメトキシ基、ω−末端にチオール基を有しているヘテロ二官能性ポリエチレングリコール(PEG−SH)とトルエンを反応容器に加える。
次に、反応容器にアゾビスイソブチロニトリルとクロロメチルスチレンを加え、60℃まで加熱し、24時間攪拌する。得られた反応混合物をヘキサン中に流し込んだところ、白い沈殿が生じる。ポリクロロメチルスチレンホモポリマーを除去するために、得られた沈殿物をポリクロロエチルスチレンホモポリマーに対しての良溶媒であるジエチルエーテルを用いて3回洗浄操作を行い、ベンゼン凍結乾燥を行い、α−末端にメトキシ基を有するポリエチレングリコール−b−ポリクロロメチルスチレン(PEG−b−PCMS)を合成する。
次に、得られたPEG−b−PCMSを反応容器に入れ、3−アミノプロピルトリメトキシシランをジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、反応容器に加え、室温で2時間攪拌を行う。反応終了後、−15℃に冷却した2−プロパノール中に反応混合物を注ぎ、次に、2−プロパノールを用いて3回、再沈殿を行い、ベンゼン凍結乾燥を行うことにより、PEG−b−PTMSPAMS PEG−Block−(Trimethoxysilyl)propylamine−polymethylstyreneを合成することができる。
前記一般式(I)で表されるブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は、5,000以上1,000,000以下が好ましい。また、前記ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は、5,000以上1,000,000以下が好ましい。また、前記ブロック共重合体のMw/Mnは、1.0以上2.0以下が好ましい。
前記ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及びMw/Mnは、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC;Size Exclusion Chromatography)により測定することができる。
(ポリマーミセル)
本発明のポリマーミセルは、本発明のブロック共重合体を含み、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記一般式(I)で表されるブロック共重合体からなる本発明のポリマーミセルは、「ミセルのコア部の架橋」が優れ、「水中や有機溶媒中でもミセル構造を安定に保持することができ、外部刺激による崩壊の抑制と活性成分の長期徐放性」を高めることができる。更に、角層に浸透し、貯溜することができるため均一に分配することができる。
前記一般式(I)で表されるブロック共重合体がコア・シェル構造からなり、シェル部はA−(CHCHO)−(ただし、A、mは、前記一般式(I)と同じ意味を表す)であり、コア部はシラノール部分であることが好ましい。
前記ポリマーミセルの平均粒径は、1nm以上1μmが好ましく、10nm以上500nm以下がより好ましい。
前記ポリマーミセルのゼータ電位は、−30mV以上50mV以下が好ましく、−10mV以上40mV以下がより好ましい。
前記平均粒径及びゼータ電位は、例えば、スペクトリシス株式会社製のマルバーンゼータサイザーZSPなどを用いて測定することができる。
前記ポリマーミセル内に、有効成分を内包することができる。
前記有効成分を内包させる方法としては、例えば、ポリマーミセルと有効成分を攪拌し、取り込まれなかった有効成分はゲル濾過で取り除く方法、ポリマーミセルを作製する際の透析時に透析膜中に内包させたい有効成分を導入する方法などが挙げられる。
前記有効成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アスコルビン酸、ビタミンCエチル、ビタミンCグリコシド、パルミチン酸アスコルビル、コウジ酸、ルシノール、トラネキサム酸、油用性甘草エキス、ビタミンA誘導体、プラセンタエキス等の美白成分;レチノール、レチノイン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、EGF、細胞培養エキス、アセチルグルコサミン等の抗しわ成分;酢酸トコフェロール、カプサイン、ノリル酸バニリルアミド等の血行促進成分;ラズベリーケトン、月見草エキス、海草エキス等のダイエット成分;イソプロピルメチルフェノール、感光素、酸化亜鉛等の抗菌成分;ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンK等のビタミン類;グルコース、トレハロース、マルトース等の糖類などが挙げられる。
また、高分子薬効成分としては、例えば、生理活性ペプチド類又はその誘導体、核酸、オリゴヌクレオチド、各種の抗原蛋白質、バクテリア、ウイルスの断片などが挙げられる。
また、経皮吸収性を促進させる目的で、モノステアリン酸グリセリル、ショ糖脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤;カルボン酸等の水溶性高分子化合物;EDTA等の水溶性キレート剤、サリチル酸又はその誘導体等の芳香族カルボン酸化合物;カプリン酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸化合物;胆汁酸塩、プロピレングリコール、水素添加ラノリン、イソプロピルミリステート、ジエチルセバケート、尿素、乳酸、エイゾン等を添加することができる。
更に、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を内包してもよい。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等の桂皮酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAメチルエステル等のパラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;3−(4’−メチルベンジリデン)−d−カンファー、3−ベンジリデン−d,1−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、オクチルトリアゾン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタンなどが挙げられる。
前記紫外線散乱剤としては、例えば、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどが挙げられる。
その他の成分としては、ポリマーミセルに内包される添加成分を内包させることもでき、その種類や量は、安定性や有効成分の所望の効果を損なわない範囲で適宜選択することができる。
前記添加成分としては、例えば、グアーガム、タマリンドガム等の非イオン性ポリマー;カチオン化セルロース、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドポリマー等のカチオン性ポリマー;キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム等のアニオン性ポリマー;その他天然水溶性化合物又はその誘導体;界面活性剤、油分、着色剤、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤、保湿剤、低級アルコール、多価アルコール、香料、清涼剤、pH調整剤などが挙げられる。
前記界面活性剤としては、乳化、可溶化、分散を目的として添加され、例えば、POE脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、POE高級アルコールエーテル、POE.POPブロックポリマー等の非イオン性界面活性剤;脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム、高級アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アシルサルコシン酸塩、スルホコハク酸塩等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、塩化ベンザルコニウム等のカチオン性界面活性剤;イミダゾリン系やベタイン系の両性界面活性剤などが挙げられる。
前記油分としては、例えば、オリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、コメヌカ油、ヤシ油等の植物油;スクワラン、牛脂、ラノリン等の動物油;シリコーン油、ポリイソブテン、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリン等の合成油;ミツロウ、モクロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ等のロウ;流動パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素;セタノール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール;ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ポリエーテル変性シリコーン、パーフルオロエーテルなどが挙げられる。
前記着色剤としては、例えば、青色1号、緑色3号、赤色202号、赤色227号、黄色4号、クロロフィル、βーカロチン等の有機色素や天然色素などが挙げられる。
前記保湿剤としては、例えば、ビタミンA、B、C、E又はこれらの誘導体、各種アミノ酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トリメチルグリシンなどが挙げられる。
前記ポリマーミセルは、前記ポリマーミセル形成時に酸性又は塩基性溶液中で縮合させて得られることが、ポリマーミセルのコア部であるシラノール部分の縮合が進むことで内部架橋が向上する点から好ましい。
<ポリマーミセルの製造方法>
前記ポリマーミセルは、例えば、PEGブロック共重合体を200mLの超純水に攪拌懸濁後、超高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー、Microfluidics Corporation社製、マサチューセッツ州、米国)に入れて、圧力1,000bar、流速150mL/分の条件により製造することができる。もしくは、透析をすることで製造することができる。
本発明のポリマーミセルは、水や有機溶媒中で分散性に優れるとともに皮膚などに対して角層に貯溜させることができ、かつ有効成分の徐放性、ポリマーミセルの安定性に優れている。また、シラノール部分の架橋を利用することで、薬剤をポリマーと架橋することで粒子自体に機能性を付与もしくは内包することで安定な長期徐放性が得られる。
前記ポリマーミセルは、医薬品、医薬部外品、化粧品などの経皮分野で有用な生体適合性ポリマーミセルであり、以下に説明する本発明の薬粧品組成物、本発明の経皮吸収用製剤などに好適に用いられる。
(薬粧品組成物)
本発明の薬粧品組成物は、本発明のポリマーミセルを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記薬粧品組成物の剤型は、ポリマーミセルが崩壊しない限り特に限定されないが、例えば、軟膏剤、硬膏剤、塗布剤、噴霧剤、ローション剤、クリーム剤、吸入剤、点鼻剤などが挙げられる。
(経皮吸収用製剤)
本発明の経皮吸収用製剤は、本発明のポリマーミセルを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記経皮吸収用製剤の剤型は、ポリマーミセルが崩壊しない限り特に限定されないが、例えば、軟膏剤、硬膏剤、塗布剤、噴霧剤、ローション剤、クリーム剤、吸入剤、点鼻剤などが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
α−末端にメトキシ基を有するポリエチレングリコール−b−ポリクロロメチルスチレン(PEG−b−PCMS)の合成
α−末端にメトキシ基、ω−末端にチオール基を有しているヘテロ二官能性ポリエチレングリコール(PEG−SH)(Mn:5000;0.2mmol、1g)とトルエン10mLを反応容器に加えた。
次に、反応容器にアゾビスイソブチロニトリル(2mmol、164.2mg)とクロロメチルスチレン(10mmol、1.38mL)を加え、60℃まで加熱し、24時間攪拌した。得られた反応混合物をヘキサン中に流し込んだところ、白い沈殿が生じた。ポリクロロメチルスチレンホモポリマーを除去するために、得られた沈殿物をポリクロロエチルスチレンホモポリマーに対しての良溶媒であるジエチルエーテルを用いて3回洗浄操作を行った後、ベンゼン凍結乾燥を行い、白い粉体(PEG−b−PCMS)を得た。
得られたPEG−b−PCMSのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)測定により、数平均分子量(Mn)=9,504、重量平均分子量(Mw)=13,173、Mw/Mn=1.386であった。
H NMRスペクトルを測定した結果を図1に示した。
前記サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)測定は、株式会社資生堂製のHPLC NANO SPACEを用いて行った。
H NMRスペクトルは、Bruker AVANCE III 500 MHz N0MR分光器を用いて行った。
PEG−b−PTMSPAMS PEG−Block−(Trimethoxysilyl)propylamine−polymethylstyreneの合成
反応容器に、PEG−b−PCMS(Mn:9504;1g)を加えた。
次に、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(2.5g、10mmol)を10mLのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、反応容器に加え、室温で2時間攪拌を行った。反応終了後、−15℃に冷却した2−プロパノール中に反応混合物を注ぎ、次に、2−プロパノールを用いて3回、再沈殿を行った後、ベンゼン凍結乾燥を行った
−ポリマーミセルの調製−
スクリューに0.2μmのシリンジフィルターを通したN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)2mLと、両親媒性ブロックポリマー:PEG−b−PTMSPAMS 10mgとを入れ、ドライヤーを用いて熱を与え、ポリマーを完全に溶解した。あらかじめ水に浸し膨潤させておいた分画分子量3,500の透析膜にポリマーのDMF溶液をパスツールピペットで移し、2Lの蒸留水に対して透析を行った。数時間おきに外液の蒸留水を交換し、24時間透析を行った。回収した溶液に蒸留水を加え全量を6.5mLとした。
得られたポリマーミセルについて、スペクトリシス株式会社製のマルバーンゼータサイザーZSPを用いて、平均粒径及びゼータ電位を測定した。結果を表3に示した。
参考例2)AIBN1
PEG−b−PTMSPMA PEG−Block−(3−(trimethoxysilyl)propylmethacrylate)の合成
反応容器に、PEG−SH(Mn:4,600;0.2mmol、1g)とトルエン10mlを反応容器に加えた。次に、反応容器にアゾビスイソブチロニトリル(0.2mmol、16.42mg)を加えた。
次に、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリラート(2.5g、10mmol)を10mLのトルエンに溶解し、反応容器に加え、室温で2時間攪拌を行った。
H NMRスペクトルを測定した結果を図2に示した。
得られたPEG−b−PCMSブロック共重合体のTEM像(40,000倍)を図5に示した。
−ポリマーミセルの調製−
スクリューに0.2μmのシリンジフィルターを通したN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)2mLと両親媒性ブロックポリマーポリマー:PEG−b−PTMSPAMS 10mgを入れ、ドライヤーを用いて熱を与え、ポリマーを完全に溶解した。
あらかじめ水に浸し膨潤させておいた分画分子量3,500の透析膜にポリマーのDMF溶液をパスツールピペットで移し、2Lの蒸留水に対して透析を行った。数時間おきに外液の蒸留水を交換し、24時間透析を行った。
得られたポリマーミセルについて、実施例1と同様にして、平均粒径及びゼータ電位を測定した。結果を表3に示した。
参考例3)AIBN10
参考例2において、アゾビスイソブチロニトリル(2mmol、164.2mg)に変えた以外は、参考例2と同様にして、ポリマーの合成及びポリマーミセルの調製を行った。
H NMRスペクトルを測定した結果を図3に示した。
得られたポリマーミセルについて、実施例1と同様にして、平均粒径及びゼータ電位を測定した。結果を表3に示した。
参考例4)AIBN100
参考例2において、アゾビスイソブチロニトリル(20mmol、1,642mg)に変えた以外は、参考例2と同様にして、ポリマーの合成及びポリマーミセルの調製を行った。
H NMRスペクトルを測定した結果を図4に示した。
得られたポリマーミセルについて、実施例1と同様にして、平均粒径及びゼータ電位を測定した。結果を表3に示した。
得られたポリマーミセルのコロジオン膜分散後のTEM像を、図6A(10,000倍)、図6B(50,000倍)、及び図6C(50,000倍)に示した。
(実施例5)
−ポリマーミセルの形成−
実施例1において、ポリマーミセルを形成する際に、2Lの蒸留水にトリエチルアミンを適量滴下し、pH試験紙でアルカリ性になったことを確認して透析を行い、2回目以降の蒸留水の交換では通常の蒸留水を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリマーミセルの形成を行った。
得られたポリマーミセルについて、実施例1と同様にして、平均粒径及びゼータ電位を測定した。結果を表3に示した。
(実施例6)
実施例1において、ポリマーミセルを形成する際に、透析膜中にオルトケイ酸エチルテトラエチル(TEOS)を5mLの透析膜に入れるポリマー溶液に対して0.4mL添加した以外は、実施例1と同様にして、ポリマーミセルの形成を行った。
得られたポリマーミセルについて、実施例1と同様にして、平均粒径及びゼータ電位を測定した。結果を表3に示した。
(実施例7)
実施例1において、実施例6と同様にして、ポリマーミセルを形成する際に、透析膜中にオルトケイ酸エチルテトラエチル(TEOS)を5mLの透析膜に入れるポリマー溶液に対して0.4mL添加し、実施例5と同様にして、外層にTEA(トリエチルアミン)を添加した以外は、実施例1と同様にして、ポリマーミセルの形成を行った。
得られたポリマーミセルについて、実施例1と同様にして、平均粒径及びゼータ電位を測定した。結果を表3に示した。
(実施例8)
−ポリマーミセルに薬剤を連結する方法−
実施例1において、ポリマーミセルを形成する際に、透析膜中にローダミンBイソチオシアネートを適量加えた以外は、実施例1と同様にして、ポリマーミセルの形成を行った。
得られたポリマーミセルについて、実施例1と同様にして、平均粒径及びゼータ電位を測定した。結果を表3に示した。
(実施例9)
−ポリマーミセルに薬剤を内包する方法−
実施例1において、ポリマーミセルを形成する際に、透析膜中にローダミンBを適量加えた以外は、実施例1と同様にして、ポリマーミセルの形成を行った。
得られたポリマーミセルについて、実施例1と同様にして、平均粒径及びゼータ電位を測定した。結果を表3に示した。
(比較例1)
<リポソームの生成>
(1)作りたい脂質の濃度と体積を決め、脂質の保存溶液の必要量を計算し、適当な大きさのバイアル瓶を準備した。
(2)脂質のクロロホルム溶液をピペット又はマイクロシリンジで測り、バイアルに移した。
(3)窒素ガス吹き付け装置でクロロホルムを飛ばす。数分でクロロホルムは蒸発した。
(4)残留クロロホルムを完全に蒸発させるため、真空デシケーター中に1時間以上放置した。
(5)蒸留水をバイアルの中に入れ、ローダミンBを添加し、超音波によってリポソームを作製した。
(6)バイアル内の液面が、超音波水槽の液面よりも低くなるように、バイアルを手で持ち、超音波の出力を最大にして、30秒間程度超音波をかけた。取り出してすぐに試験管ミキサーで激しく撹拌した。この操作を3〜4回繰り返した。これで、脂質のフィルムが壁面からはがれ、リポソームが生成された。
得られたリポソームについて、実施例1と同様にして、平均粒径及びゼータ電位を測定した。結果を表4に示した。
(比較例2)
<mPEG−PLGAの合成>
Sigma−aldrich m−PEG−PLGA(5,000Da−10,000Da)76513(Sigma−aldrich社製)を用いてミセルを作製した。
ジクロロメタンにm−PEG−PLGAを5%(w/v)となるように溶解した。
また、ローダミンBを溶剤としてn−ブタノールを用い、p−トルエンスルホン酸存在下で加熱した。その後、処理の抽出の際にp−トルエンスルホン酸ナトリウムを添加した脂溶性の蛍光色素を合成し、2.5%(w/v)になるようにジクロロメタンに溶解した。それを、それぞれ1mLと0.1mL混合し、シンチレーションバイアルを蒸留水20mLで満たし、オーバーヘッドスターラーを用い、2,000rpmの速度で攪拌しながら、前記混合した溶液を滴下し、1時間以上攪拌した。その後、平均孔径0.45μmのPVDFフィルタを通し、ろ過した。
得られたmPEG−PLGAについて、実施例1と同様にして、平均粒径及びゼータ電位を測定した。結果を表4に示した。
次に、得られたポリマー及びポリマーミセルについて、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表3及び表4に示した。
<電気泳動性試験 in vitro>
モデル分散液として、ローダミンBを内包するリポソームの水分散液を調製した。
電流発生器は、直流電圧・電流源を利用し、株式会社エーディーシー6242を利用した。
ウレタンシートに作製した引き出し電極部分とつなぎ、電流を流した。
アガロースゲルは関東化学株式会社のアガロースKANTOを利用した。1×TAEバッファーで希釈し、終濃度3質量%のゲルを作製した。
銀/塩化銀電極パッチを縦1cm×横1cmを、アガロースゲルに貼り付けた状態でマイナス電極側に設置し、20℃で0.45mA/cmの電流を流した。
プラス電極とマイナス電極の距離は3cm離した。
その後、アガロースゲルのマイナス電極側の断面をカットし、マイナスからプラス側に浸透した距離を目視又は蛍光顕微鏡を用いて観察し、下記基準で評価した。移動距離はモデル分散液であるローダミンBを内包するリポソームの水分散液の移動距離である。
[評価基準]
1:120分間経過した後のローダミンBの移動距離が2cm以上である
2:120分間経過した後のローダミンBの移動距離が1.5cm以上2cm未満である
3:120分間経過した後のローダミンBの移動距離が1cm以上1.5cm未満である
4:120分間経過した後のローダミンBの移動距離が0cm以上1cm未満である
−実験条件−
・アガロースゲル3%(終濃度)TAEバッファーで作製
・添加量:50μm
・電流:2mA×2hr
・ゼータ電位薬剤セット:マイナス
Figure 0006887829
*ポリスチレン(PS)粒子(Fluoresbrite YG Carboxylate Microspheres0.05μm、Polysciences社製)は、電気泳動しないことが分かった。
Figure 0006887829
本発明の実施例1のポリマーミセルは、カルセインに対比して、広範囲に広がりながら泳動することがわかった。
ポリスチレン粒子であると、電気をかけても泳動せず、貯溜したままである一方、本発明のポリマーミセルは幅広く泳動する挙動が得られる。
また、カルセインやローダミンBのような低分子は、移動距離と別に、幅広く泳動する挙動を示す。
<第1の崩壊性試験>
2mLのチューブに1.5mLの各試料を加えた。次に、直流電流発生器(ADC社製、6421A)を用いて白金電極をチューブに差し込み、1時間電流を加えた。定電流を5mA流した。白濁の程度を目視で観察し、下記基準で評価した。結果を表1及び図7に示した。なお、図7には、実施例1、参考例2〜4、実施例5の結果を1〜5として示した。測定できた粒径データのみ表1に示した。
[評価基準]
1:白濁なし
2:若干の白濁がある
3:白濁がある
4:白濁が酷い
5:白濁が酷く、凝集も見られる
Figure 0006887829
*表3中「−」は未測定を意味する。
Figure 0006887829
*表4中「−」は未測定を意味する。
<第2の崩壊性試験>
−崩壊性−
2mLのチューブに1.5mLの比較例2、実施例1、及び実施例5の各試料を加えた。次に、直流電流発生器(ADC社製、6421A)を用いて白金電極をチューブに差し込み、1時間電流を加えた。定電流を1mA流した。その後、DLS測定を行い、平均粒径の測定を行った。結果を表5に示した。
なお、図8に実施例1と実施例5の第2の崩壊性試験の結果を示した。
Figure 0006887829
<徐放性試験>
ポリマーミセル作製時に、超純粋に希釈したローダミンB(4μM)を透析膜に1mL投入し、ミセル形成時にローダミンBを内包させた。1日間経過後、終夜で凍結乾燥を行った。乾燥後、10mg/mLになるように超純粋に溶解させ、再度ミセルを形成した。その溶液を透析膜中に投入した透析膜を、外層である37度PBS(pH7)に投入し、攪拌した。その外層を一日置きに採取し、外層に漏出したローダミンBの蛍光量を測定した。
ローダミンB(4μM)を超純水で10倍、100倍に希釈したものを比較として評価した。結果を図9に示した。
図9の結果から、内包するローダミンB量が多いほど、より多く徐放し、少ないほど徐放量が少なくなることがわかった。内包量により、徐放したい量を制御できることがわかった。
<薬剤放出性試験>
透析膜に各試料を3mL加え、蒸留水3Lに対して透析を行った。1日置きに外層の水を採取し、蛍光測定した。蒸留水は毎日を交換した。蛍光分光測定器(HITACHI製、Fluorescence Spectropfotometer F−2500)を用いて蛍光強度を測定した。
TEOS添加の狙い(透析膜中に添加)は、内部架橋促進である。
TEA添加の狙い(外層液に添加)は、内部架橋促進である。
薬剤放出性試験の結果を図10に示した。
図10の結果から、徐放性の促進のし易さは、RhB>RhB−TEOS−TES>RhB−TEOS>RhB−iso>RhB−iso−TEOS−TES>RhB−iso−TEOSであった。
TEAの添加の効果は見られなかったが、架橋を促進することで、徐放性の制御ができることがわかった。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 下記一般式(I)で表されることを特徴とするブロック共重合体である。
[一般式(I)]
Figure 0006887829
ただし、前記一般式(I)中、Aは、非置換又は置換の炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、置換されている場合のアルコキシ基の置換基は、ホルミル基、及びRCH−基(ただし、R及びRは、各々独立して、炭素数1〜4のアルコキシ基、若しくはRとRとは一緒になって−OCHCHO−、−O(CHO−、又は−O(CHO−)のいずれかを表す。
は、単結合、−(CHS−、−CO(CHS−、−(CHNH−、−(CHCO−(ただし、cは1〜5の整数である)、−CO−、−COO−、及び−CONH−から選択される連結基を表す。
Rは、単結合、−(CH−、及び−(CHCH−(ただし、pは1〜10の整数を表す)から選択されるいずれかを表す。
Xは、メチルイミノ(−CHNH−)、メチルイミノメチル(−CHNHCH−)、メチルオキシ(−CHO−)、メチルオキシメチル(−CHOCH−)、メチルエステル(−CHOCO−)、メチルエステルメチル(−CHOCOCH−)、及び下記構造式で表される置換基のいずれかを表す。
mは、20〜10,000である。
nは、3〜1,000である。
Figure 0006887829
<2> 前記一般式(I)において、Lが−CHS−、Xが下記構造式で表される置換基であり、Rが−CHCH−である前記<1>に記載のブロック共重合体である。
Figure 0006887829
<3> 前記<1>から<2>のいずれかに記載のブロック共重合体を含むことを特徴とするポリマーミセルである。
<4> 前記一般式(I)で表されるブロック共重合体がコア・シェル構造からなり、シェル部がA−(CHCHO)−(ただし、A、mは、前記一般式(I)と同じ意味を表す)である前記<3>に記載のポリマーミセルである。
<5> 平均粒径が1nm以上1μmである前記<3>から<4>のいずれかに記載のポリマーミセルである。
<6> 前記ポリマーミセル内に、有効成分を内包した前記<3>から<5>のいずれかに記載のポリマーミセルである。
<7> ポリマーミセル形成時に酸性又は塩基性溶液中で縮合させて得られる前記<3>から<6>のいずれかに記載のポリマーミセルである。
<8> 前記<3>から<7>のいずれかに記載のポリマーミセルを含有することを特徴とする薬粧品組成物である。
<9> 前記<3>から<7>のいずれかに記載のポリマーミセルを含有することを特徴とする経皮吸収用製剤である。
前記<1>から<2>のいずれかに記載のブロック共重合体、前記<3>から<7>のいずれかに記載のポリマーミセル、前記<8>に記載の薬粧品組成物、及び前記<9>に記載の経皮吸収用製剤によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特許第5183478号公報 特許第6026339号公報

Claims (9)

  1. 下記一般式(I)で表されることを特徴とするブロック共重合体。
    [一般式(I)]
    Figure 0006887829
    ただし、前記一般式(I)中、Aは、非置換又は置換の炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、置換されている場合のアルコキシ基の置換基は、ホルミル基、及びRCH−基(ただし、R及びRは、各々独立して、炭素数1〜4のアルコキシ基、若しくはRとRとは一緒になって−OCHCHO−、−O(CHO−、又は−O(CHO−)のいずれかを表す。
    は、単結合、−(CHS−、−CO(CHS−、−(CHNH−、−(CHCO−(ただし、cは1〜5の整数である)、−CO−、−COO−、及び−CONH−から選択される連結基を表す。
    Rは、単結合、−(CH−、及び−(CHCH−(ただし、pは1〜10の整数を表す)から選択されるいずれかを表す。
    Xは、メチルイミノ(−CHNH−)、メチルイミノメチル(−CHNHCH−)、メチルオキシ(−CHO−)、メチルオキシメチル(−CHOCH−)、メチルエステル(−CHOCO−)、メチルエステルメチル(−CHOCOCH−)、及び下記構造式で表される置換基のいずれかを表す。
    mは、20〜10,000である。
    nは、3〜1,000である。
    Figure 0006887829
  2. 前記一般式(I)において、Lが−CHS−又は−CH CH S−、Xが、メチルエステル(−CH OCO−)、メチルエステルメチル(−CH OCOCH −)、又は下記構造式で表される置換基であり、Rが−CH −CH −CH である請求項1に記載のブロック共重合体。
    Figure 0006887829
  3. 請求項1から2のいずれかに記載のブロック共重合体を含むことを特徴とするポリマーミセル。
  4. 前記一般式(I)で表されるブロック共重合体がコア・シェル構造からなり、シェル部がA−(CHCHO)−(ただし、A、mは、前記一般式(I)と同じ意味を表す)である請求項3に記載のポリマーミセル。
  5. 平均粒径が1nm以上1μmである請求項3から4のいずれかに記載のポリマーミセル。
  6. 前記ポリマーミセル内に、有効成分を内包した請求項3から5のいずれかに記載のポリマーミセル。
  7. ポリマーミセル形成時に酸性又は塩基性溶液中で縮合させて得られる請求項3から6のいずれかに記載のポリマーミセル。
  8. 請求項3から7のいずれかに記載のポリマーミセルを含有することを特徴とする薬粧品組成物。
  9. 請求項3から7のいずれかに記載のポリマーミセルを含有することを特徴とする経皮吸収用製剤。
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