JP6887299B2 - 金属粒子環状構造体、組成物、積層体、及び金属粒子環状構造体の製造方法 - Google Patents

金属粒子環状構造体、組成物、積層体、及び金属粒子環状構造体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属粒子環状構造体、組成物、積層体、及び金属粒子環状構造体の製造方法
に関する。
近年、金属、誘電体、磁性体などを、人工的に入射光の波長以下の構造で形成し、媒質の誘電率や透磁率を人工的に変化させる材料(メタマテリアル)が提案されている。メタマテリアルとは、光を含む電磁波に対して、自然界の物質にはない振る舞いをする人工物質のことである。
メタマテリアルは、光を含む電磁波に応答する、マイクロ〜ナノメートルスケールの共振器アンテナ素子を大量に集積化した人工物質をいい、共振器アンテナ素子を適切に設計することで、物質の光学特性を人工的に操作できるという特性をもっている。
典型的なメタマテリアルにおいて光などの電磁波の伝搬特性の基盤となるのは、媒体に埋め込まれた多数の金属微小共振器である。その金属微小共振器の大きさは、メタマテリアルとして作用を及ぼす電磁波の波長(以下、「動作波長」という)の1/4〜1/10程度とされる。例えば、マイクロ波よりも短い動作波長に対しては、金属微小共振器のための微細構造のサイズにおいて、マイクロメートルオーダーや、ナノメートルオーダーという微小さが要求される。金属微小共振器を作製するために必要な微細加工の難易度は、要求される微小さに応じて急速に高まってゆくため、多くのメタマテリアルの動作波長はミリメートルスケールのマイクロ波又はそれよりも長い波長域とされる。実証される大半のメタマテリアルの事例もそのような波長範囲のものである。
メタマテリアルの微細加工技術としては、トップダウン的な手法とボトムアップ的な手法がある。
トップダウン的な手法とは、光リソグラフィー法等のように、露光パターンをはじめとする全てのプロセスを人間が精密に制御することにより、微細な構造を高い精度で加工する手法である。トップダウン的な手法としては、レジスト塗布、電子線描画、金属薄膜蒸着、リフトオフという一連の工程を繰り返す手法が提案され、実証されている(例えば、非特許文献1参照)。
一方、ボトムアップ的な手法とは、水の分子が集まって雪の結晶ができたり、生物の体がひとりでに形作られたりするように、物質の特性を利用して自己組織的に形を作り上げる手法である。低コストで大量かつ高速な加工ができるが、精度や加工形状の自由度に制約がある。ボトムアップ的な手法としては、流体に分散されている微粒子に外部磁場を印加すると、様々な規則構造を形成することを利用した手法等がある。芯部品を常磁性あるいは強磁性体とし、周辺部品を芯部品より小さい反磁性の物体とすれば、芯部品の赤道付近に、周辺部品がいくつか並ぶ微小な構造体が形成される。この構造体を上述したメタマテリアルのための微小共振器として機能させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、トップダウン的な手法とボトムアップ的な手法とを融合させた手法も提案されている。シリコン基板にポリメチルメタクリレート(PMMA)レジスト材料を電子線描画してパターンを形成する。次に、この基板に金属の薄膜を真空蒸着し、残ったPMMA膜を除去することで、金属のリボン構造を形成する。次に、基盤のシリコンだけをドライエッチングで削ると、金属リボンが湾曲し、シリコン基板表面に垂直に自立したリング構造が形成される。このリング構造を、メタマテリアルを構成するひとつの共振器アンテナとして機能させる(例えば、非特許文献2参照)。
特開2013−005044号公報
N. Liu, H.C. Guo, L.W. Fu, S. Kaiser, H. Schweizer, and H. Giessen, "Three-dimensional photonic metamaterials at optical frequencies", Nature Materials, 2008, 7, 31-37 C.-. Chen, A. Ishikawa, Y.-H. Tang, M.-H. Shiao, D. P. Tsai, and T. Tanaka, "Uniaxial-isotropic Metamaterials by Three-Dimensional Split-Ring Resonators", Advanced Optical Materials, 2015, 3 , 44-48
非特許文献1で開示される手法は、従来の半導体微細加工技術を採用することにより、2次元構造を1層ずつ積層して3次元構造を作製するアプローチを採用する手法である。このため、3次元構造を作製する際に、構造誤差が蓄積しやすいという問題点がある。さらに、作製に多大な時間を要するため、大面積、大容積のメタマテリアル構造を作製することは困難であった。
特許文献1で開示される手法は、共振器として機能させる微細構造を作製する際に、磁場の印加が必要であり、特殊な製造装置を必要とする。また、磁場の印加方向が一方向のため、共振器が一定方向にしか配列されない。そのため、ある特定方向の電磁波に対してはメタマテリアルとして機能するものの、入射方向が変わるとその機能が失われるという強い異方性をもってしまう。
非特許文献2で開示される手法は、3次元構造を形成できるものの、複数の半導体微細加工技術が必要である。そのため、非特許文献1で開示される手法と同様に、作製工程を実行するためには多大な時間を要するという問題も有しており、大面積、大容積のメタマテリアル構造を作製することは困難を伴う。
本発明が解決しようとする課題は、メタマテリアルとして機能できる新規の金属粒子環状構造体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、これまでと全く異なる金属粒子の構造制御手法を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するにいたった。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]
金属粒子(A)と、刺激応答性セグメントを有する高分子(B)とを含み、前記高分子(B)がLCST型ポリマー、UCST型ポリマー、pH応答性ポリマー、光応答性ポリマー、及び溶媒変化応答性ポリマーからなる群から選ばれる少なくとも一種のポリマーであり、前記高分子(B)の周囲に該金属粒子(A)が円環状に配列した金属粒子環状構造体(C)。
[2]
刺激応答性セグメントを有する高分子(B)の数平均分子量Mnは1000〜1000000であることを特徴とする、[1]に記載の金属粒子環状構造体(C)。
[3]
金属粒子(A)の平均粒径が5〜100nmであることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の金属粒子環状構造体(C)。
[4]
金属粒子(A)が、直径15〜1000nmの円環状に配列していることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の金属粒子環状構造体(C)。
[5]
金属粒子(A)は、金、銀、銅、鉛、亜鉛、錫、鉄、及びアルミニウムからなる群から選ばれる導体であることを特徴する、[1]〜[4]のいずれかに記載の金属粒子環状構造体(C)。
[6]
金属粒子(A)の表面が絶縁体で被覆されていることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の金属粒子環状構造体(C)。
[7]
金属粒子(A)と刺激応答性セグメントを有する高分子(B)が相互作用することを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載の金属粒子環状構造体(C)。
[8]
金属粒子(A)と、刺激応答性セグメントを有する高分子(B)と、溶媒とを含む原料組成物に、温度上昇、温度下降、光照射、pH上昇、pH下降、及び溶媒の変更からなる群から選ばれる少なくとも一種の刺激を与えることにより、刺激応答性セグメントを有する高分子(B)の刺激応答性セグメント部を疎溶媒化させることを特徴とする、[1]に記載の金属粒子環状構造体(C)の製造方法。
[9]
[1]〜[7]のいずれかに記載の金属粒子環状構造体(C)と、水及び/又は有機溶媒とを含む組成物。
[10]
[1]〜[7]のいずれかに記載の金属粒子環状構造体(C)と、有機化合物及び/又は無機化合物とを含む組成物。
[11]
[9]又は[10]に記載の組成物を含む層と基材とを有する積層体。
本発明の新規の金属粒子環状構造体は、メタマテリアルとして機能できる。
図1は、実施例1で得られた金属粒子環状構造体のSEM画像である。なお、図1(a)は30℃で1日加熱後の金属粒子環状構造体の写真であり、図1(b)は30℃で加熱6日後の金属粒子環状構造体の写真であり、図1(c)は、図1(b)中の1個の金属粒子環状構造体の拡大写真である。
[金属粒子環状構造体(C)]
本発明の金属粒子環状構造体(C)は、金属粒子(A)と、刺激応答性セグメントを有する高分子(B)とを含み、該金属粒子(A)が円環状に配列している。
なお、本明細書において、刺激応答性セグメントを有する高分子(B)を、単に「高分子(B)」と称する場合がある。
本実施形態の金属粒子環状構造体(C)は、複数の金属粒子(A)を含むことが好ましい。また、上記金属粒子(A)は、1種であってもよいし複数種であってもよい。
本実施形態の金属粒子環状構造体(C)に含まれる高分子(B)は、1種であってもよいし複数種であってもよい。
本実施形態の金属環状構造体(C)は、金属粒子(A)、高分子(B)以外に、クエン酸等の安定剤、pH調整剤等の他の成分を含んでいてもよい。
(金属粒子(A))
金属粒子(A)を構成する金属としては、金、銀、銅、鉛、亜鉛、錫、鉄、アルミニウム等が挙げられ、導電性と安定性の観点から、金が好ましい。金属粒子(A)は、金、銀、銅、鉛、亜鉛、錫、鉄、及びアルミニウムからなる群から選ばれる導体であることが好ましく、金粒子であることが好ましい。
金属粒子(A)の平均粒径としては、透明性の観点から、5〜100nmであることが好ましく、5〜80nmであることが更に好ましい。
なお、金属粒子(A)の平均粒径は、SEM画像から測定することができる。
金属粒子(A)はその表面が絶縁体で被覆されていることが好ましい。上記絶縁体としては、有機材料としても、無機材料としてもよい。有機材料としては、ポリエチレングリコール等の有機化合物等が挙げられ、無機材料としては、シリカ等が挙げられる。
(刺激応答性セグメントを有する高分子(B))
高分子(B)は、刺激応答性セグメントを有し、さらに刺激に応答しないセグメントを有していてもよい。
上記刺激としては、例えば、温度上昇又は温度下降等の温度変化、光照射、pH上昇又はpH下降等のpH変化、溶媒の変化、溶質濃度の変化、イオン強度の変化、電場印加、磁場印加、超音波照射等が挙げられる。
上記刺激応答性セグメントは、上記刺激により、メタノール等のアルコール、ヘキサン等の有機溶媒、水等に対する溶解性の変化、ゾルゲル転移変化、体積変化等の変化をすることが好ましく、有機溶媒及び/又は水に対する溶解性が変化することがより好ましく、水に対する溶解性が変化することが更に好ましい。
なお、刺激応答性セグメントの溶解性の変化とは、波長500nmの光透過率の変化により測定される溶媒に対する溶解性が変化すること(例えば、温度変化等の刺激により波長500nmの光透過率が、光路長1cmにおいて10%以上変化すること)をいい、例えば、溶媒に対して可溶であったものが不溶になる変化、不溶であったものが可溶になる変化を目視で観察されること等であってもよい。
なお本明細書において、ある刺激により、可溶であったポリマーが不溶になる変化を、「相分離挙動」と称する場合がある。
上記高分子(B)は、刺激応答性セグメントを有することにより、高分子全体として、上記刺激により、上記有機溶媒、水等に対する溶解性の変化、ゾルゲル転移変化、体積変化等の応答性が変化することが好ましく、上記刺激によって溶解性が変化することがより好ましく、有機溶媒及び/又は水に対する溶解性が変化することがさらに好ましく、水に対する溶解性が変化することが特に好ましい。
上記高分子(B)としては、例えば、ある特定の温度(例えば、LCST(下限臨界溶解(溶液、共溶)温度)、曇点等)を超えるとゾルゲル転移、相分離挙動等の上記変化をするポリマー(LCST型ポリマー);ある特定の温度(例えば、UCST(上限臨界溶解(溶液、共溶)温度)、曇点等)を下回るとゾルゲル転移、相分離挙動等の上記変化をするポリマー(UCST型ポリマー);ある特定のpHを下回る又は上回るとゾルゲル転移、相分離挙動等の上記変化をするポリマー(pH応答性ポリマー);ある特定の波長の光を照射するとゾルゲル転移、相分離挙動等の上記変化をするポリマー(光応答性ポリマー);溶媒の組成を変化させるとゾルゲル転移、相分離挙動等の上記変化をするポリマー(溶媒変化応答性ポリマー);等が挙げられる。
上記高分子(B)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記LCST型ポリマーとしては、例えば、下記化学式
Figure 0006887299
(式中、nは0〜100の整数を表し、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表し、R’は下記化学式
Figure 0006887299
のいずれかを表す。)
で表される少なくとも一種の構成単位(例えば、2−メトキシエチルビニルエーテル、2−エトキシエチルビニルエーテル等)を含むポリマー;ポリ(N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド)、ポリ(N−ビニルイソブチルアミド)、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(相分離温度32℃)、ポリ(N−イソプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド)、ポリ(N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド)、ポリ(N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド)、ポリ(N−エチルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)、等のポリ(N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド)やポリ(N,N−ジアルキル置換(メタ)アクリルアミド)及びその誘導体;ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合体、ポリエチレンオキシド等のポリエーテル類;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体;ポリメチルビニルエーテル;及びこれらのポリマーの構成単位を含む単独重合体又は共重合体;等が挙げられ、2−メトキシエチルビニルエーテルと2−エトキシエチルビニルエーテルとの共重合体、2−エトキシエチルビニルエーテルの単独重合体、ポリエチレングリコールが好ましい。
上記LCST型ポリマーの相分離等の変化を起こす温度(例えば、LCST、曇点等)としては、−50〜150℃であってもよい。
上記UCST型ポリマーとしては、例えば、下記化学式
Figure 0006887299
(式中、R’は、下記化学式
Figure 0006887299
を表す。)
で表される少なくとも一種の構成単位を含むポリマー等の側鎖にイミダゾリウム塩を有するポリマー;下記化学式
Figure 0006887299
(式中、Rは、炭素数10〜30のアルキル基を表す。)
で表される長鎖のアルキル基を有するビニルエーテルのポリマー;下記化学式
Figure 0006887299
(式中、Rfは、炭素数1〜30のパーフルオロアルキル基を表す。)
で表されるフルオロアルキル基を有するフッ素含有ポリビニルエーテル;及びこれらのポリマーの構成単位を含む単独重合体又は共重合体;等が挙げられる。
上記UCST型ポリマーの相分離等の変化を起こす温度(例えば、UCST、曇点等)としては、−50〜150℃であってもよい。
上記pH応答性ポリマーとしては、下記化学式
Figure 0006887299
で表される少なくとも一種の構成単位を含むポリマー等の側鎖に疎水基を導入したカルボキシル基含有ポリマー(特に、パラ位にカルボキシル基を有するフェノキシエチルビニルエーテルポリマー(相分離pH6.5));及びこれらのポリマーの構成単位を含む単独重合体又は共重合体;等が挙げられる。上記pH応答性ポリマーの相分離等の変化を起こすpHとしては、例えば、pH1〜12が挙げられる。上記pH応答性ポリマーは、上記pHよりも高いpHとすることで変化をしてもよいし、上記pHより低いpHとすることで相分離をしてもよい。
上記光応答性ポリマーとしては、ポリ(4−[2−(ビニルオキシ)エトキシ]アゾベンゼン等のアゾベンゼンを含むビニルエーテルのポリマー(波長450nmの光で相分離し、波長360nmの光で可溶化);オキシエチレン鎖を含むビニルエーテルとアゾベンゼン構造を含むビニルエーテルとのジブロック共重合体;及びこれらのポリマーの構成単位を含む単独重合体又は共重合体;等が挙げられる。
上記溶媒変化応答性ポリマーとしては、溶媒を水から20〜40質量%メタノールに変えることで不溶になるポリ(N−イソプロピルアクリルアミド);2−メトキシエチルビニルエーテル、2−エトキシエチルビニルエーテル、フェノキシエチルビニルエーテル、アルキルビニルエーテルのポリマー;及びこれらのポリマーの構成単位を含む単独重合体又は共重合体;等が挙げられる。
上記高分子(B)は、単一種の単量体からなる単独重合体であってもよいし、複数種の単量体からなる共重合体であってもよい。上記共重合体は、ランダムコポリマーであってもよいし、ブロックコポリマーやグラフトコポリマー、スターポリマー等であってもよいが、刺激により単分子又は多分子ミセルを形成することにより機能を得られやすいという観点から、ブロックコポリマーやグラフトコポリマー、スターポリマーが好ましい。
上記高分子(B)が共重合体である場合、例えば、水系溶媒の場合では、構成単位として、アクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ビニルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、アクリル酸、オキシエチレン等の水溶性モノマー等を含んでいてもよい。
上記高分子(B)は、複数のポリマーが凝集した凝集体であってもよく、例えば、複数の高分子(B)の疎水性セグメントが中心部に集まってコアを形成し、親水性セグメントが放射状に伸びてシェルを形成する球状ミセル等の多分子集合体等が挙げられる。
上記高分子(B)の数平均分子量(Mn)は、500〜1000000であることが好ましく、より好ましくは1000〜1000000、さらに好ましくは2000〜800000、特に好ましくは3000〜500000である。数平均分子量が500以上であることにより、刺激に応答して集合体が得られる。また、1000000以下であることにより、取扱い性に優れる。
なお、数平均分子量は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
上記高分子(B)の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、1.0〜10.0であることが好ましく、より好ましくは1.0〜5.0、更に好ましくは1.0〜2.0である。分子量分布が2.0以下であることにより、狭い温度範囲や濃度範囲等で刺激応答が得られる。
なお、重量平均分子量は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
(金属粒子環状構造体(C)の全体構造)
本実施形態の金属粒子環状構造体(C)に含まれる金属粒子(A)の数は、メタマテリアルとしての機能が得られやすい観点から、3個以上であることが好ましく、より好ましくは3〜30個、更に好ましくは3〜10個である。
本実施形態の金属粒子環状構造体(C)は、金属粒子(A)が互いに接触せずに円環状に配列していることが好ましく、配列の形態としては、例えば、金属粒子(A)が間隔をあけて配列、金属粒子の表面が絶縁性材料で被覆されたコアシェル型金属粒子の絶縁性材料が接触するように並んで配列、等の形態が挙げられる。本実施形態の金属粒子環状構造体(C)は、金属粒子(A)が互いに接触していないことにより、メタマテリアルとしての機能を発揮し、金属粒子(A)間に電気が流れないことで一層優れた機能が得られる。
隣り合う金属粒子(A)間の間隔としては、メタマテリアルとしての機能に一層優れる観点から、0.5〜20nmが好ましく、より好ましくは1〜10nmである。本実施形態の金属粒子環状構造体(C)に含まれる少なくとも1組の隣り合う金属粒子(A)の間隔が上記範囲を満たすことが好ましく、全ての隣り合う金属粒子の間隔が上記範囲を満たすことがより好ましい。
なお、金属粒子間(A)間の間隔とは、隣り合う金属粒子の外端間の距離(被覆されている場合は被覆部を除いた金属粒子の外端間の距離)をいう。上記金属粒子(A)間の間隔は、例えば、SEM画像から測定することができる。
本実施形態の金属粒子環状構造体(C)において、金属粒子環状構造体(C)の少なくとも一つの断面上に、3個以上の金属粒子(A)が、円環状に配列している構造体を含有する。
なお、円環状とは、メタマテリアルとして機能すれば特に限定されず、楕円状、円周に凹凸等を有する形状等も含む。また、断面とは、金属粒子環状構造体を切断した時に現れる面をいう。ここで、断面に配列とは、断面のみに配列している場合に限定されず、本発明の効果が得られる範囲で、断面から外れて配列している場合も含まれるものとする。金属粒子環状構造体(C)における金属粒子(A)の配列は、例えば、SEM画像等により確認することができる。
本実施形態の金属粒子環状構造体(C)は、円環状に配列する金属粒子(A)の中心に高分子(B)があってもよいし、中心になくてもよい。中でも、金属粒子環状構造体(C)の構造安定性の観点から、中心に高分子(B)があり、高分子(B)の周囲に円環状に複数個の金属粒子(A)が配列していることが好ましい。
本実施形態の金属粒子環状構造体(C)は、メタマテリアルとしての機能に一層優れる観点から、金属粒子(A)が直径15〜1000nmの円環状に配列していることが好ましく、直径30〜500nmの円環状に配列していることがより好ましい。
なお、金属粒子(A)が配列する円環状の直径とは、金属粒子の外端を結んで形成される円のうち最も直径が大きい円の直径をいう。ここで、金属粒子が真円状に配列していない場合は、任意の3個の金属粒子から測定される円環状の直径のうち、最も大きい直径をいうものとする。
本実施形態の金属粒子環状構造体(C)は、構造安定性の観点から、金属粒子(A)と高分子(B)とが相互作用していることが好ましい。
上記相互作用としては、共有結合以外の作用をいい、例えば、イオン間相互作用(イオン結合)、水素結合、双極子相互作用、ロンドン分散力(ファンデルワールス力)電荷移動相互作用(二分子間で電子が移動し、クローン力によって錯体を作る作用)、π−π相互作用(渡環相互作用、芳香環の間に働く分散力)、疎水性相互作用等が挙げられる。
本実施形態の金属粒子環状構造体(C)に含まれる、金属粒子(A)と高分子(B)との少なくとも一つの組み合わせで上記相互作用をしていることが好ましく、全ての金属粒子(A)と高分子(B)とが上記相互作用をしていることがより好ましい。
[金属粒子環状構造体(C)の製造方法]
本実施形態の金属粒子環状構造体(C)の製造方法としては、例えば、金属粒子(A)と、刺激応答性セグメントを有する高分子(B)と、溶媒とを含む原料組成物に刺激を与えることにより、刺激応答性セグメントを有する高分子(B)の刺激応答性セグメント部を疎溶媒化させる方法等が挙げられる。上記原料組成物は、金属粒子(A)、高分子(B)、溶媒のみを含んでいてもよい。
上記原料組成物における金属粒子(A)の含有割合としては、金属粒子環状構造体(C)の生産効率の観点から、原料組成物1mLに対して、1.0×1011〜2.0×1016個の割合であることが好ましく、1.0×1012〜3.0×1015個の割合であることがより好ましい。
上記原料組成物における高分子(B)の含有割合としては、金属粒子環状構造体(C)の生産効率の観点から、原料組成物(100質量%)に対して、0.001〜20質量%であることが好ましく、0.003〜4質量%であることがより好ましい。
上記原料組成物における、金属粒子(A)と高分子(B)との質量割合(高分子(B)の質量に対する金属粒子(A)の質量)としては、金属粒子環状構造体(C)が得られやすいという観点から、0.01〜100が好ましく、より好ましくは0.1〜20である。
上記原料組成物に含まれる溶媒としては、水、メタノール等のアルコール類等が挙げられる。
上記原料組成物には、任意成分として、更に、クエン酸等の安定剤、pH調整剤等が含まれていてもよい。
ここで、温度上昇による刺激を例に、本実施形態の金属粒子環状構造体の製造方法について説明する。
高分子(B)(例えば、LCST型ポリマー)の溶解性が変化する特定の温度(例えば、LCST、曇点等)よりも低い温度で、原料組成物中に高分子(B)を溶解させる。溶解させる温度としては、例えば、上記特定の温度(例えば、LCST、曇点等)よりも5℃以上低い温度が好ましく、10℃以上低い温度がより好ましく、20℃以上低い温度が更に好ましい。
その後、上記特定の温度よりも高い温度に加熱し、高分子(B)における刺激応答性セグメント部を疎溶媒化させ、高分子(B)の構造変化(例えば、球状ミセルへの構造変化)に伴って、金属粒子(A)が円環状に配列する。上記特定の温度より高い温度としては、例えば、上記特定の温度(例えば、LCST、曇点等)より5℃以上高い温度が好ましく、10℃以上高い温度がより好ましく、20℃以上高い温度が更に好ましい。
上記特定の温度より高い温度に加熱する時間としては、例えば、1分以上10日以内が好ましく、より好ましくは30分以上8日以内、更に好ましくは1時間以上6日以内である。
上記と同様にして、温度下降(例えば、曇点やUCST未満に温度を下降させる等)、光照射(例えば、波長360〜450nmの光を照射する等)、pH上昇、pH下降、溶媒の変更(例えば、溶媒中の有機溶媒濃度を高くする等)、等によっても、高分子(B)が可溶な状態で金属粒子(A)と混合し、刺激によって高分子(B)中の刺激応答性セグメント部を疎溶媒化させて高分子(B)を不溶化させることにより、金属粒子環状構造体を製造することができる。
本実施形態の金属粒子環状構造体(C)は、例えば、メタマテリアルの原料等として用いることができる。特に、金属粒子環状構造体(C)の集合体とすることで、メタマテリアルとしての機能を発揮する。
[組成物]
本実施形態の組成物としては、例えば、上記金属粒子環状構造体(C)と、水及び/又は有機溶媒とを含む組成物が挙げられる。
上記有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;ジメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;ペンタン、ヘキサン等のアルカン;シクロヘキサン等の環状アルカン;エチルメチルケトン;エチレングリコール;クロロホルム;ジクロロメタン;テトラヒドロフラン;アセトン;酢酸;酢酸エチル;1,4ジオキサン;ベンゼン;トルエン;アセトニトリル;ジメチルホルムアルデヒド;ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。
本実施形態の組成物としては、例えば、上記金属粒子環状構造体(C)と、有機化合物及び/又は無機化合物とを含む組成物が挙げられる。
上記有機化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル等の重合開始剤;メタクリル酸メチル等のモノマー類;エポキシ化合物;等が挙げられる。
上記無機化合物としては、白金錯体等の触媒;ビニルシリコーン等のシリコーン化合物類;シリカ等の無機粒子;等が挙げられる。
本実施形態の組成物は、上記金属粒子環状構造体(C)と、上記水、上記有機溶媒、上記有機化合物、及び上記無機化合物からなる群から選択される少なくとも一種を含む組成物であってもよい。
本実施形態の組成物は、メタマテリアルの原料等として用いることができる。
[積層体]
本実施形態の積層体は、本実施形態の組成物を含む層と、基材とを有する積層体である。
上記基材としては、例えば、樹脂フィルム、樹脂発泡体、金属板、不織布、織布、紙、ガラス、樹脂板、ゴム、木材、鉱物、繊維等が挙げられる。
上記基材は、透明であることが好ましく、波長500nmの光透過率が20%〜100%であることが好ましい。
上記組成物を含む層の厚さは、5nm以上100cm以下であることが好ましい。
本実施形態の積層体は、光学レンズや光ファイバー等として用いることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
本実施例における測定方法及び評価方法は、以下の通りである。
(モノマー転化率)
重合反応開始後特定時間、又は重合反応終了後の溶液から、溶媒及び未反応モノマーを、エバポレーターを用いて留去してポリマーを得た。モノマーの転化率は、下記式(I)を用いて重量法にて算出した。
モノマー転化率(%)=(得られたポリマーの重量(g)/重合反応終了までに重合系に加えた全モノマー重量(g))×100 (I)
(数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mn)
数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mnは、GPCにより同定した。
実施例、比較例で調製したポリマー100mgを、2gのクロロホルム溶媒に溶解し、0.45μmのフィルターにて濾過したものを測定試料溶液とした。
溶離液としてクロロホルム(flow rate=1.0mL/min)、カラム温度40℃で、デュアルポンプTosoh DP−8020、カラムオーブンCO−8020、示差屈折率検出器RI−8020、及び可視紫外吸収検出器UV−8020に接続された3つのポリスチレンゲルカラム(TSKgel G−4000HXL、G−3000HXL、G−2000HXL;internal diameter7.8mm、length 300mm)を用いて測定した。標準物質には、Polymer Laboratories社製の分子量7,500,000、2,560,000、841,700、320,000、148,000、59,500、28,500、10,850、2,930、580の、分子量既知の単分散ポリポリスチレン、及びスチレンモノマー(分子量104)を用い、RI検出による溶出時間から求めた検量線を予め作成した。
測定試料溶液の溶出時間と検出強度から、上記の検量線を用いて、数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw、分子量分布Mw/Mnを算出した。
(金属粒子環状構造体の外観)
シリコンウエハーをセミコクリーン56(フルウチ化学株式会社)で15分間超音波洗浄し、その後超純水で15分間超音波洗浄した。その後、エタノールで洗い流し、空気中で乾燥させた。
洗浄、乾燥したシリコンウエハーに、実施例、比較例で得られた加熱6日後の金属粒子環状構造体組成物10μLを滴下し、スピンコーター(K−359SD−1 SPINNER、株式会社共和理研)を用いて、3000rpmで15秒間スピンコートした。その後、真空乾燥機(AVO−310N、アズワン株式会社)を用いて、0.1MPaの圧力下で一晩乾燥させた。
半導体製造用エキシマ VUV/O3洗浄装置(UER20−172VB、ウシオ電機株式会社)を用いて、波長172nmの紫外線を20分間照射し、ポリマーを分解した。試料の導電性を得るために、オスミウムプラズマコーター(OSMIUM PLASMA COATER OPC60A、フィルジェン株式会社)を用いて、内圧0.9Pa、電流2mA、膜厚3nmで四酸化オスミウムを蒸着した。
電解放出走査型電子顕微鏡(JSM−7500FA、日本電子株式会社)を用いて、加速電圧15.0kVで金属粒子環状構造体の外観を観察した。
そして、以下の基準で金属粒子環状構造体の外観を評価した。
良好(○):金属粒子が一つの断面上に円環状に配列した金属粒子環状構造体が観察された。
不良(×):金属粒子が円環状に配列した金属粒子環状構造体が観察されなかった。
(金属粒子の配列割合)
上記金属粒子環状構造体の外観と同様にして観察し、得られる画像中の、全金属粒子数に対する金属粒子環状構造体を形成する金属粒子の数を計算し、以下の基準で金属粒子の配列割合を評価した。
(評価基準)
優れる(◎):金属粒子環状構造体を形成している金属粒子の割合が、全ての金属粒子に対して80%以上。
良好(○):金属粒子環状構造体を形成している金属粒子の割合が、全ての金属粒子に対して50%以上80%未満。
普通(△):金属粒子環状構造体を形成している金属粒子の割合が、全ての金属粒子に対して10%以上50%未満。
不良(×):金属粒子環状構造体を形成している金属粒子の割合が、全ての金属粒子に対して10%未満。
(実施例1)
<ポリ(2−エトキシエチル)ビニルエーテルとポリ(2−メトキシエチル)ビニルエーテルとのブロックコポリマーの製造>
窒素雰囲気下、トルエン3mL中に、1,4−ジオキサン0.35mL、第一モノマーとしての2−エトキシエチルビニルエーテル(EOVE)0.22mL、開始剤CH3CH(OiBu)OCOCH3のヘキサン溶液(200mM)0.08mL、をこの順に加えた。さらに触媒としてEt1.5AlCl1.5トルエン溶液(200mM)0.4mLを加えて、0℃(氷浴中)においてリビングカチオン重合を行った。反応開始1時間後、系中に第二モノマーとしての2−メトキシエチルビニルエーテル(MOVE)0.55mLを逐次添加した。4時間後、停止剤のアンモニア水入りメタノール3mLを添加することで、ポリ(2−エトキシエチル)ビニルエーテルとポリ(2−メトキシエチル)ビニルエーテルとのブロックコポリマー(EOVE−MOVE)を得た。
反応開始後1時間で、2−エトキシエチルビニルエーテルのほぼ100%が、ポリ(2−エトキシエチル)ビニルエーテルとなり、GPCで測定したこのポリマーの数平均分子量Mnは約12000で、分子量分布(Mw/Mn)は1.06であった。2−メトキシエチルビニルエーテルを逐次添加後4時間で、2−エトキシエチルビニルエーテルはほぼ100%、2−メトキシエチルビニルエーテルは81%以上がポリ(2−エトキシエチル)ビニルエーテルとポリ(2−メトキシエチル)ビニルエーテルとのブロックコポリマー(EOVE96−block−MOVE281)となり、GPCで測定したこのブロックコポリマーの数平均分子量Mnは約34000、分子量分布(Mw/Mn)は1.2であった。
なお、得られたブロックコポリマーのLCSTは、20℃及び60℃であった。20℃未満では、ポリ(2−エトキシエチル)ビニルエーテルセグメント及びポリ(2−メトキシエチル)ビニルエーテルセグメントの両方が水へ溶解した。20℃以上60℃未満では、ポリ(2−エトキシエチル)ビニルエーテルセグメントが水に対して不溶となり、ポリ(2−メトキシエチル)ビニルエーテルセグメントは水に溶解した状態の球状ミセルを形成して、水に溶解し、溶解性が変化した。60℃以上では、ポリ(2−エトキシエチル)ビニルエーテルセグメント及びポリ(2−メトキシエチル)ビニルエーテルセグメントの両方が、水に対して不溶となり白濁、沈殿した。
<金属ナノ粒子>
金ナノ粒子懸濁液として、商品名「金ナノ粒子 Product#765473(3.27×1013個/ml)」(Aldrich社製)を使用した。
<金属粒子環状構造体>
ポリ(2−エトキシエチル)ビニルエーテルとポリ(2−メトキシエチル)ビニルエーテルとの上記ブロックコポリマー1.0mgをシリンジ針でサンプル瓶に測り取り、金ナノ粒子懸濁液0.25g、超純水0.75gを添加した。冷蔵庫中で1時間程度氷浴し、高分子を溶解させた。高分子の溶解を確認した後、30℃の恒温槽で6日間加熱して、金属粒子環状構造体組成物を得た。
(実施例2)
金ナノ粒子懸濁液として、商品名「金ナノ粒子 Product#765570(3.27×1013個/ml)」(Aldrich社製)を使用し、EOVEの添加量を0.44mL、MOVEの添加量を1.10mLとしてポリ(2−エトキシエチル)ビニルエーテルとポリ(2−メトキシエチル)ビニルエーテルとのブロックコポリマー(EOVE192−block−MOVE562)を調製したこと以外は実施例1と同様にして金属粒子環状構造体を得た。
なお、得られたブロックコポリマーのLCSTは、20℃及び60℃であった。20℃未満では、ポリ(2−エトキシエチル)ビニルエーテルセグメント及びポリ(2−メトキシエチル)ビニルエーテルセグメントの両方が水へ溶解した。20℃以上60℃未満では、ポリ(2−エトキシエチル)ビニルエーテルセグメントが水に対して不溶となり、ポリ(2−メトキシエチル)ビニルエーテルセグメントは水に溶解した状態の球状ミセルを形成して、水に溶解し、溶解性が変化した。60℃以上では、ポリ(2−エトキシエチル)ビニルエーテルセグメント及びポリ(2−メトキシエチル)ビニルエーテルセグメントの両方が、水に対して不溶となり白濁、沈殿する。
(実施例3)
金ナノ粒子懸濁液として、商品名「金ナノ粒子 Product#765333(3.27×1013個/ml)」(Aldrich社製)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして金属粒子環状構造体を得た。
(実施例4)
金ナノ粒子懸濁液として、商品名「金ナノ粒子 Product#765406(3.27×1013個/ml)」(Aldrich社製)を使用したこと以外は、実施例2と同様にして金属粒子環状構造体を得た。
(実施例5)
金ナノ粒子懸濁液として、商品名「金ナノ粒子 Product#765716(3.27×1013個/ml)」(Aldrich社製)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして金属粒子環状構造体を得た。
(実施例6)
金ナノ粒子懸濁液として、商品名「金ナノ粒子 Product#765678(3.27×1013個/ml)」(Aldrich社製)を使用したこと以外は、実施例2と同様にして金属粒子環状構造体を得た。
(実施例7)
金ナノ粒子懸濁液として、商品名「金ナノ粒子 Product#747572(8.75×1011個/ml)」(Aldrich社製)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして金属粒子環状構造体を得た。
(実施例8)
金ナノ粒子懸濁液として、商品名「金ナノ粒子 Product#741965(6.54×1011個/ml)」(Aldrich社製)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして金属粒子環状構造体を得た。
(実施例9)
金ナノ粒子懸濁液として、商品名「金ナノ粒子 Product#742007(7.19×1011個/ml)」(Aldrich社製)を使用したこと以外は、実施例2と同様にして金属粒子環状構造体を得た。
(実施例10)
高分子(B)として、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(商品名「PNIPAM Product#806471(3.27×1013個/ml)」、(Aldrich社製)を使用し、刺激温度を42℃としたこと以外は、実施例1と同様にして金属粒子環状構造体を得た。
なお、上記PNIPAMは、LCSTが32℃であり、LCSTを境に水への溶解性が変化するポリマーであった。
(実施例11)
高分子(B)として、EOVEのホモポリマー(数平均分子量12000、分子量分布1.1)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして金属粒子環状構造体を得た。
なお、上記EOVEのホモポリマーは、LCSTが20℃であり、LCSTを境に水への溶解性が変化するポリマーであった。
(比較例1)
高分子(C)として、ポリビニルアルコール(PVA、商品名「ポリビニルアルコール Product#341584(3.27×1013個/ml)」、(Aldrich社製)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして金属粒子環状構造体を得た。
なお上記ポリビニルアルコールは、刺激により応答性が変化するセグメントを有していなかった。
(比較例2)
ポリ(2−エトキシエチル)ビニルエーテルとポリ(2−メトキシエチル)ビニルエーテルとの上記ブロックコポリマー1.0mgをシリンジ針でサンプル瓶に測り取り、金ナノ粒子懸濁液0.25g、超純水0.75gを添加し、30℃で混合し、30℃の恒温槽で1〜6日間加熱したこと以外は、実施例1と同様にして金属粒子環状構造体を得た。
実施例1〜11、比較例1〜2の結果を表1に示す。実施例の金属粒子環状構造体は、メタマテリアルとして有用であった。
Figure 0006887299

Claims (11)

  1. 金属粒子(A)と、刺激応答性セグメントを有する高分子(B)とを含み、前記高分子(B)がLCST型ポリマー、UCST型ポリマー、pH応答性ポリマー、光応答性ポリマー、及び溶媒変化応答性ポリマーからなる群から選ばれる少なくとも一種のポリマーであり、前記高分子(B)の周囲に該金属粒子(A)が円環状に配列した金属粒子環状構造体(C)。
  2. 刺激応答性セグメントを有する高分子(B)の数平均分子量Mnは1000〜1000000であることを特徴とする、請求項1に記載の金属粒子環状構造体(C)。
  3. 金属粒子(A)の平均粒径が5〜100nmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の金属粒子環状構造体(C)。
  4. 金属粒子(A)が、直径15〜1000nmの円環状に配列していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属粒子環状構造体(C)。
  5. 金属粒子(A)は、金、銀、銅、鉛、亜鉛、錫、鉄、及びアルミニウムからなる群から選ばれる導体であることを特徴する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属粒子環状構造体(C)。
  6. 金属粒子(A)の表面が絶縁体で被覆されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属粒子環状構造体(C)。
  7. 金属粒子(A)と刺激応答性セグメントを有する高分子(B)が相互作用することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の金属粒子環状構造体(C)。
  8. 金属粒子(A)と、刺激応答性セグメントを有する高分子(B)と、溶媒とを含む原料組成物に、温度上昇、温度下降、光照射、pH上昇、pH下降、及び溶媒の変更からなる群から選ばれる少なくとも一種の刺激を与えることにより、刺激応答性セグメントを有する高分子(B)の刺激応答性セグメント部を疎溶媒化させることを特徴とする、請求項1に記載の金属粒子環状構造体(C)の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の金属粒子環状構造体(C)と、水及び/又は有機溶媒とを含む組成物。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の金属粒子環状構造体(C)と、有機化合物及び/又は無機化合物とを含む組成物。
  11. 請求項9又は10に記載の組成物を含む層と基材とを有する積層体。
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