JP6886849B2 - 熱処理炉及び循環方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱処理室から排出した加熱気体を循環路から前記熱処理室に供給する熱処理炉及び加熱気体の循環方法に関する。
熱処理炉として、例えば炭素繊維用の前駆体繊維を耐炎化処理する耐炎化炉がある。前駆体繊維としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系繊維、レーヨン系繊維、セルロース系繊維及びピッチ系繊維等がある。
耐炎化炉としては、所謂熱風循環タイプがあり、複数本の前駆体繊維が通過する耐炎化室と、耐炎化室から排出された気体を再度加熱して耐炎化室へ供給する循環路とを備える(例えば、特許文献1)。
特開2014−159658号公報
熱風循環タイプの熱処理炉では、加熱気体が循環路及び熱処理室内の略同じ個所を通過して循環するため、熱処理室内に温度斑が生じやすい。
また、温度斑の大きい熱処理室で前駆体繊維を耐炎化処理すると、耐炎化度にバラつきが生じやすい。なお、耐炎化度のバラつきが大きいと、炭素繊維の性能バラつきも大きくなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、熱処理室内での温度斑を一層小さくできる熱処理炉及び加熱気体の温度斑を一層小さくできる循環方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る熱処理炉は、熱処理室から排出した加熱気体を循環路から前記熱処理室に供給する熱処理炉において、前記循環路は、前記熱処理室から排出された前記加熱気体が前記熱処理室に供給されるまでに5回以上の方向転換をするように、構成されている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る循環方法は、熱処理室から排出した加熱気体を循環路を経由して前記熱処理室に供給する加熱気体の循環方法において、前記熱処理室から排出された前記加熱気体を前記熱処理室に供給するまでに5回以上の方向転換をさせる。
本発明の一態様に係る熱処理炉及び循環方法によれば、5回以上の方向転換をするため、熱処理室内の温度斑を小さくできる。
本発明の一態様に係る循環方法によれば、5回以上の方向転換をするため、加熱気体の温度斑を小さくできる。
実施形態に係る炭素繊維の製造方法を説明する概略図である。 実施形態に係る1組の耐炎化室と循環路の概略斜視図である。 実施形態に係る耐炎化炉の断面を上方から見た概略図である。 実施形態に係る耐炎化炉の循環路を説明する概略図である。 変形例1に係る耐炎化炉の循環路を説明する概略図である。 変形例2に係る耐炎化炉の循環路を説明する概略図である。
<<概要>>
本発明の一態様に係る熱処理炉は、熱処理室から排出した加熱気体を循環路から前記熱処理室に供給する熱処理炉において、前記循環路は、前記熱処理室から排出された前記加熱気体が前記熱処理室に供給されるまでに5回以上の方向転換をするように、構成されている。
本発明の別態様に係る熱処理炉において、前記循環路は、前記熱処理室から排出された前記加熱気体が前記熱処理室へ直行する経路の一部を有する直行路と、前記直行路の途中に設けられた迂回路とを有する。これにより加熱気体が5回以上方向転換される。
本発明の別態様に係る熱処理炉において、前記直行路の内部を進行する加熱気体の中心の軌道は、前記熱処理室の排出口と供給口の中心を含む同一仮想平面内に存在し、前記迂回路は前記仮想平面と直交する方向に迂回している。これにより熱処理炉を小型化できる。
本発明の別態様に係る熱処理炉において、前記熱処理炉は、前記熱処理室を通過する炭素繊維用の前駆体繊維を耐炎化する耐炎化炉である。これにより性能バラつきの小さな炭素繊維が得られる。
本発明の別態様に係る熱処理炉において、前記循環路は前記前駆体繊維の走行方向に沿って複数あり、走行方向に隣接する2つの循環路を1セットとすると、1セット内の2つの循環路の迂回路は前記走行方向の両側で互い違いに配されている。これにより熱処理炉が大型化するのを抑制できる。
本発明の一態様に係る循環方法は、熱処理室から排出した加熱気体を循環路を経由して前記熱処理室に供給する加熱気体の循環方法において、前記熱処理室から排出された前記加熱気体を前記熱処理室に供給するまでに5回以上の方向転換をさせる。
<炭素繊維の製造>
図1を参照して炭素繊維の製造について説明する。
炭素繊維は前駆体繊維であるプリカーサを用いて製造される。1本のプリカーサは、複数本、例えば、12,000[本]のフィラメントが束になったものである。
プリカーサ1aは、アクリロニトリルを90[質量%]以上含有する単量体を重合した紡糸溶液を湿式紡糸法又は乾湿式紡糸法において紡糸した後、水洗・乾燥・延伸して得られる。なお、共重合する単量体としては、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、アクリル酸、アクリルアミド、イタコン酸、マレイン酸等が利用される。
プリカーサ1aは、例えばボビン30から引き出され、下流側に向かって走行する。その途中で、各種の処理がなされて、炭素繊維1gとしてボビン39に巻き取られる。
炭素繊維1gは、プリカーサ1aを耐炎化処理する耐炎化工程と、耐炎化処理された繊維(以下、「耐炎繊維」という。)1bを炭素化処理する炭素化工程と、炭素化処理された繊維(以下、「炭素化後の繊維」ともいう。)1dの表面を改善する表面処理工程と、表面処理された繊維1eに樹脂を付着させるサイジング工程と、樹脂が付着した繊維1fを乾燥させる乾燥工程とを経て製造される。乾燥された繊維1gは炭素繊維1gとしてボビン39に巻き取られる。なお、炭素化後の繊維1dを炭素繊維としてもよい。
(1)耐炎化工程
耐炎化工程は温度が200[℃]〜350[℃]の酸化性雰囲気に設定された耐炎化炉3を利用して行う。耐炎化炉3は本発明の熱処理炉の一例に相当する。
具体的には、酸化性雰囲気の一例である空気雰囲気中の耐炎化炉3内をプリカーサ1aが1回又は複数回通過することで耐炎化が行われる。なお、酸化性雰囲気は、酸素、二酸化窒素等を含んでいてもよい。ここでは、プリカーサ1aはローラ5〜11により耐炎化炉3を例えば5回繰り返して通過する。耐炎繊維1bはローラ13,19により炭素化工程へと案内される。
(2)炭素化工程
炭素化工程は耐炎繊維1bを加熱することで熱分解反応を生じさせて炭素化する。炭素化は、耐炎繊維1bが第1の炭素化炉15を通過し、さらに、第1の炭素化炉15を通過した繊維1cが第2の炭素化炉17を通過することで行われる。なお、炭素化後の繊維1dは例えばニップローラ23により表面処理工程へと誘導される。また、炭素化は1つの炭素化炉により炭素化処理してもよい。
(3)表面処理工程〜乾燥工程
表面処理工程は炭素化後の繊維1dが表面処理装置25内を通過することで行われる。表面処理は一般に炭素繊維1dの表面を酸化することにより行われる。表面処理として、例えば、液相中又は気相中の処理がある。表面処理された繊維1eはローラ26によりサイジング工程へと案内される。
サイジング工程は例えば樹脂液29が貯留されている樹脂浴27内をローラ31,33を利用して繊維1eが通過することで行われる。
乾燥工程は繊維1fが乾燥炉35内を通過することで行われる。乾燥した繊維1gは、乾燥炉35の外であって下流側のローラ37を介してボビン39に巻き取られる。
<耐炎化炉>
図2〜図4を用いて耐炎化炉3について説明する。
1.概要
耐炎化炉3は耐炎化室110と循環路120とを少なくとも備える。耐炎化室は熱処理室の一例であり、プリカーサ1aの耐炎化処理は熱処理の一例である。
耐炎化室110へ供給される加熱気体は循環路120に沿って循環する循環熱風である。正確には、循環熱風は耐炎化室110と循環路120とを通過して循環しており、循環路120は循環用通路といえる。加熱気体は循環路120内を進行する間に加熱される。なお、加熱気体は図2に示すようなダクト内を進行し、ダクトにより循環路120が構成される。
ここでの複数本のプリカーサ1aは耐炎化室110を水平方向に走行する。ここで、プリカーサ1aが走行する方向(「走行方向」ともいう。)と平行な方向を「平行方向」ともいい、複数本のプリカーサ1aが並ぶ方向を「左右方向」や「横方向」ともいい、プリカーサ1aの走行方向と左右方向とに直交する方向を「上下方向」や「縦方向」ともいう。
図3においては、プリカーサ1aの走行方向に4個の耐炎化室110a,110b,110c,110dがあり、各耐炎化室110a,110b,110c,110dに対して循環路120a,120b,120c,120dが設けられている。なお、4個の耐炎化室や循環路を区別する必要がない場合、耐炎化室の符号は「110」を使用し、循環路の符号は「120」を使用する。
ここでの耐炎化炉3はプリカーサ1aの走行方向に沿う4個の耐炎化室110(正確には、送風機152等を含めた循環路120と等耐炎化室110とである。)とを2段で有する。なお、1組の耐炎化室100と、送風機152等を含む循環路120とで1つの耐炎化炉を構成することも可能である。
図1で説明すると、耐炎化炉3に最初に進入してからローラ11までのプリカーサ1aが上段の耐炎化室110内を走行し、ローラ11からローラ13までのプリカーサ1aが下段の耐炎化室110内を走行する。なお、上段の耐炎化室110と下段の耐炎化室110とでは供給される加熱気体の設定温度が異なる。通常、プリカーサ1aの走行方向の下流側に位置する耐炎化室110の方が温度が高い。
本例では、加熱気体が耐炎化室110に対して上下方向に供給される。このため、耐炎化炉3は、上段の耐炎化室110と下段の耐炎化室110との間に循環路120用の空間を有している。
実際の耐炎化炉3は、耐炎化室110を断熱するため、断熱壁(断熱材)により構成された筐体100を備えている。
(1)耐炎化室
耐炎化室110は箱状をしている。なお、耐炎化室110は循環気体(加熱気体)が通過する領域を仮想的に定めたものである。なお、図3及び図4に示す耐炎化室110は横方向に長い直方体状をしている。
(2)循環路
循環路120は、耐炎化室110の排出口と供給口とを耐炎化室110の外部で接続する。循環路120は、耐炎化室110の排出口から排出された加熱気体が耐炎化室110の供給口に達するまでに5回以上の方向転換をするように、構成されている。ここでの循環路120における供給口側部分及び排出口側部分の横断面の面積は、耐炎化室の仮想の上壁の面積及び下壁の面積と略同じである。
ここでいう「方向転換」は、循環路120内におけるある位置を移動(進行)する加熱気体がその位置から直進すると仮定した軌道から外れることをいう。
本例の循環路120は、耐炎化室110内を走行するプリカーサ1aに対して加熱気体が直交する方向に供給されるように、構成されている。ここでは、耐炎化室110の下部側に排出口が、耐炎化室110の上部側に供給口がそれぞれ位置する。
循環路120は、排出口から供給口へ直行する経路の一部を有する直行路130と、直行路130の途中に設けられた迂回路140とを連続して有する。循環路120には、図4に示すように、循環路120内を加熱気体が移動するように加熱気体を送出する送風機152や、加熱気体からごみ等を除去するフィルタ154,155や、加熱気体を所定の温度に加熱する加熱機156等が設けられている。
以下、主に図4を用いて、直行路130及び迂回路140並びに送風機152等について説明する。
(2−1)直行路
直行路130は、直行路130の内部を進行する加熱気体の中心の軌道(以下、単に、「加熱気体の中心軌道」という。)が排出口の中心と供給口の中心とを含む仮想平面内に位置するように、構成されている。前記仮想平面は耐炎化室110内を走行する複数本のプリカーサ1aと直交する。
耐炎化室110、排出口を経由して供給口から再び耐炎化室110へと直行する経路(耐炎化室110と循環路120とかなる経路である。)は、全体として四角環状をし、その一部(大部分)である直行路は、一対の直行縦路131,133と一対の直行横路135,137とを備える。排出口及び供給口側に位置する直行縦路を直行第1縦路131とし、反対側に位置する直行縦路を直行第2縦路133とする。同様に、排出口側に位置する直行横路を直行第1横路135とし、供給口側に位置する直行横路を直行第2横路137とする。なお、縦方向に直進する路を縦路とし、横方向に直進する路を横路とし、平行方向に直進する路を平行路とする。
直行第1縦路131は、その中間に耐炎化室110があり、耐炎化室110の下側に位置する直行第1下縦路131aと、耐炎化室110の上側に位置する直行第1上縦路131bとを有する。直行第1横路135の下流端には迂回路140がある。
直行路130は、排出口から下方へ直進する直行第1下縦路131aと、直行第1下縦路131aから横方向を迂回路140の手前まで直進する直行第1横路135と、迂回路140から上方へと直進する直行第2縦路133と、直行第2縦路133から横方向に直進する直行第2横路137と、直行第2横路137から下方の供給口へ直進する直行第1上縦路131bとを有している。
直行路130の内部を進行する加熱気体は、直行路130から迂回路140に進入する際及び迂回路140から直行路130に進入する際の方向転換を含めずに、3回の方向転換を行う。なお、迂回路140がない場合、循環路内を進行する加熱気体は4回の方向転換を行う。
(2−2)迂回路
迂回路140は直行路130と交差する方向に延伸する。より具体的には、迂回路140の内部を進行する加熱気体の中心軌道の一部又は全部(ここでは大部分である。)は、直行路130の内部を進行する加熱気体の中心軌道を含んだ仮想平面と直交する仮想平面内に含まれるように、設けられている。
迂回路140は、迂回縦路143、一対の迂回平行路145,147及び迂回横路149を備える。直行第1横路135に連続する迂回平行路を迂回第1平行路145とし、迂回第1平行路145と平行であって当該迂回第1平行路145の下流側に位置する迂回平行路を迂回第2平行路147とする。
迂回縦路143は迂回第1平行路145と迂回第2平行路147とにおける直行路130から遠い側の端部を接続する。なお、ここでの迂回路140は直進路により構成されている。
より具体的には、迂回路140は、直行第1横路135から平行方向に直進する迂回第1平行路145と、迂回第1平行路145から縦方向に直進する迂回縦路143と、迂回縦路143から平行方向に直進する迂回第2平行路147と、迂回第2平行路147から横方向に直進して直行第2縦路133に接続する迂回横路149とを有している。
なお、迂回縦路143及び一対の迂回平行路145,147の内部を進行する加熱気体の中心軌道は同一平面内に含まれる。
迂回路140の内部を進行する加熱気体は、直行路130から進入する際及び直行路130へ進入する際の方向転換を含めて、5回の方向転換を行う。つまり、ここでの循環路120の内部を進行する加熱気体は直行路130及び迂回路140を含めて合計8回の方向転換を行う。
耐炎化炉3はプリカーサ1aの走行方向に2個以上の耐炎化室110を有している。ここでは直体状の耐炎化室110を4個有している(図3参照)。プリカーサ1aの走行方向に隣接する2個の耐炎化室110(例えば、耐炎化室110a,110bである。)及びその循環路120(例えば循環路120a,120bである。)を1セットすると、1セット内の2つの循環路120はプリカーサ1aに対して同じ側に存在しない。つまり、複数個の循環路120はプリカーサ1aの走行方向の両側を交互になるように配されている。
1セットの一方の耐炎化室110の迂回路140は、図4に示すように、他方の耐炎化室110に沿って設けられている。つまり、上方から見た循環路120は「L」字状をし、1セット内において、「L」字状の循環路120と逆「L」字状の循環路120とが組み合わさるように配されている。これにより、耐炎化室110の大きさを変えずに耐炎化炉3を小型化できる。
(2−3)送風機、フィルタ及び加熱機等
送風機152は迂回路140中の下流側に設けられている。より具体的には、送風機152は迂回横路149に設けられている。これにより、送風機152が耐炎化室110に近くなり、安定した風速の加熱気体を耐炎化室110に供給できる。なお、安定した風速とは、一定の風速で速度差の少ないことをいう。
フィルタ154,155は、排出口から供給口までの循環路120の内、排出口に近い側に設けられている。ここでのフィルタ154,155は迂回路140内に設けられている。より具体的には、フィルタ154は迂回第1平行路145に、フィルタ155は迂回第2平行路147にそれぞれ設けられている。これにより、排出口から近い位置で加熱気体を清浄化できる。なお、ここでのフィルタ154,155としては、金属フィルタ、アラミド不織布等が好ましく利用できる。
加熱機156,157は、循環路の内、例えば排出口に近い側に設けられている。ここでの加熱機156,157は迂回路140内に設けられている。より具体的には、第1加熱機156は迂回第1平行路145に設けられ、第2加熱機157は迂回第2平行路147に設けられている。これにより、加熱された加熱気体が迂回路140及び直行路130の内部を方向転換しながら進行することになり、加熱気体の温度斑を小さくできる。なお、ここでの加熱機156はガスヒータが利用されている。
加熱機156はフィルタ154の下流側に配されている。これにより、加熱気体に含まれたごみ等が燃焼するようなことを防げる。
<<変形例>>
以上、実施形態に基づいて説明したが、本発明は実施形態に限られない。例えば、以下で説明する変形例と実施形態のいずれかを適宜組み合わせてもよいし、複数の変形例を適宜組み合わせてもよい。
1.耐炎化炉
(1)前駆体繊維の走行方向
実施形態では、複数本の前駆体繊維が耐炎化室を水平方向に繰り返し通過していたが、例えば、1本又は複数本の前駆体繊維が垂直(上下)方向に繰り返し通過してもよいし、1本又は複数本の前駆体繊維が水平方向、垂直方向又は他の方向に耐炎化室を1回通過してもよいし、1本又は複数本の前駆体繊維が水平方向、垂直方向や他の方向に複数個の熱処理室を繰り返し又は1回通過してもよい。
(2)排出口と供給口
実施形態の排出口と供給口は、耐炎化室の上下壁に設けられているが、例えば、耐炎化室の左右壁に設けられてもよい。
実施形態では、供給口を耐炎化室の上部側に、排出口を耐炎室の下部側にそれぞれ設けているが、例えば、供給口を下部側に、排出口を上部側にそれぞれ設けてもよい。
(3)耐炎化室数
耐炎化炉は、前駆体繊維の走行方向に4個の耐炎化室を備えているが、5個以上の耐炎化室を備えてもよいし、3個以下の耐炎化室を備えてもよい。また、耐炎化炉は上下方向に耐炎化室を2段で備えていたが、耐炎化室を1段で備えてもよいし、耐炎化室を3段以上の段数で備えてもよい。また、前駆体繊維の走行方向が上下方向の場合、左右方向に1段又は複数段の耐炎化室を備えてもよい。なお、本パラグラフにおける耐炎化室は、送風機等が設けられた循環路を含むものとして説明している。
耐炎化室の数、段数、大きさ等は、耐炎化室へ投入する前駆体繊維の本数、前駆体繊維の走行速度、前駆体繊維の耐炎化室の通過回数等により適宜設定される。
実施形態の耐炎化炉は、複数の耐炎化室(循環路等を含む。)を有しているが、耐炎化炉は1つの耐炎化室と1つの循環路とで構成してもよい。この場合、前記体繊維の走行方向に複数個の耐炎化炉があり、走行方向に隣接する2つの耐炎化炉を1セットすると、1セット内の2つの耐炎化炉の循環路の迂回路は前記走行方向の両側で互い違いに配されていることが好ましい。
(4)耐炎化室の構造
実施形態では供給された加熱気体を混合させる静的混合器について説明していないが、静的混合器を設けてもよい。これにより、耐炎化室の温度や加熱気体の風速を均一化できる。
ここでの静的混合器としては、例えば、多数のパンチ孔を有する板材や、加熱気体の進行方向に沿って加熱気体を分散させるフィン等がある。
2.循環路
実施形態の循環路120の内部を進行する加熱気体は合計で8回の方向転換をしているが、循環路は5回以上の方向転換を加熱気体が行えるような経路を有していればよく、循環路の経路は実施形態で説明した経路でなくてもよい。
以下、循環路の経路の変形例を図5及び図6を用いて説明する。
(1)変形例1
図5に示す変形例1に係る循環路200は直行路210と迂回路220とを有している。循環路200の内部を進行する加熱気体の方向転換数は8回である。
直行路210は、例えば排出口から下方へ直進する直行第1下縦路211aと、直行第1下縦路211aから横方向を迂回路220の手前まで直進する直行第1前横路215aと、迂回路220から横方向の奥まで直進する直行第1奥横路215bと、直行第1奥横路215bから上方へと直進する直行第2縦路213と、直行第2縦路213から横方向に直進する直行第2横路217と、直行第2横路217から下方の供給口へ直進する直行第1上縦路211bとを有している。なお、直行路210の内部を進行する加熱気体の中心軌道は同一仮想平面内に含まれている。
迂回路220は、直行第1前横路215aから平行方向に直進する迂回第1平行路221と、迂回第1平行路221から横方向に直進する迂回横路223と、迂回横路223から迂回第1平行路221と平行に直進する迂回第2平行路225とを有している。
迂回路220の内部を進行する加熱気体の中心軌道は、直行路210の内部を進行する加熱気体の中心軌道を含む仮想平面と交差する(ここでは直交している。)仮想平面に含まれる。迂回路220の内部を進行する加熱気体の中心軌道が含まれる仮想平面には直行路210の直行第1前横路215aの内部を進行する加熱気体の中心軌道と直行第1奥横路215bの内部を進行する加熱気体の中心軌道と(つまり、直行第1横路215の内部を進行する加熱気体の中心軌道である。)が含まれる。
(2)変形例2
図6に示す変形例2に係る循環路300は直行路310と2つの迂回路320,330とを有している。つまり、循環路は複数の迂回路を有してもよい。排出口に近い側の迂回路を第1迂回路320とし、供給口に近い側の迂回路を第2迂回路330とする。循環路300の内部を進行する加熱気体の方向転換数は12回である。
直行路310は、例えば排出口から下方へ直進する直行第1下縦路311aと、直行第1下縦路311aから横方向を第1迂回路320の手前まで直進する直行第1前横路315aと、第1迂回路320から横方向の奥まで直進する直行第1奥横路315bと、直行第1奥横路315bから上方へと直進する直行第2縦路313と、直行第2縦路313から横方向を第2迂回路330の手前まで直進する直行第2前横路317aと、第2迂回路330から横方向に直進する直行第2奥横路317bと、直行第2奥横路317bから下方の供給口へ直進する直行第1上縦路311bとを有している。なお、直行路310の内部を進行する加熱気体の中心軌道は同一仮想平面内に含まれている。なお、直行第1前横路315aと直行第1奥横路315bとで直行第1横路315が構成され、直行第2前横路317aと直行第2奥横路317bとで直行第2横路317が構成される。
第1迂回路320は、直行第1前横路315aから縦方向に直進する第1迂回第1縦路321と、第1迂回第1縦路321から横方向に直進する第1迂回横路323と、第1迂回横路323から第1迂回第1縦路321と平行に直進する第1迂回第2縦路325とを有している。第1迂回路320の内部を進行する加熱気体の中心軌道は直行路310の内部を進行する加熱気体の中心軌道を含む同一仮想平面内に含まれる。
第2迂回路330は、直行第2前横路317aから縦方向に直進する第2迂回第1縦路331と、第2迂回第1縦路331から横方向に直進する第2迂回横路333と、第2迂回横路333から第2迂回第1縦路331と平行に直進する第2迂回第2縦路335とを有している。第2迂回路330の内部を進行する加熱気体の中心軌道は直行路310の内部を進行する加熱気体の中心軌道を含む同一仮想平面に含まれる。
ここでの循環路300の内部を進行する加熱気体の中心軌道は同一仮想平面に含まれるが、第1迂回路320及び第2迂回路330の少なくとも一方の迂回路は直行路310の内部を進行する加熱気体の中心軌道を含む仮想平面に対して交差するように構成してもよい。
第1迂回路320及び第2迂回路330は直行路310により形成される経路よりも外側に張り出すように構成されているが、内側に張り出す(凹む)ように構成されてもよい。
実施形態の迂回路140、変形例1の迂回路220及び変形例3の第1迂回路320は、直行路130,210,310の直行第1横路135,215,315の途中に設けられているが、直行第1横路の端に設けられてもよいし、さらには、直行路130,210,310の直行第2縦路133,213,313の途中又は端に設けられてもよい。
3.空気混合器
実施形態では加熱気体に新鮮な空気を混合させる空気混合器について説明していないが、循環路に空気混合器を設けてもよい。これにより、循環路及び耐炎化室にきれいな加熱気体を供給することができる。なお、ここでの「きれいな加熱気体」とは、耐炎化室において前駆体繊維の耐炎化により発生したガスが少ないことをいい、供給口でのガスの濃度が排出口でのガスの濃度よりも低いことをいう。なお、新鮮な空気の混合は、排出された加熱気体の一部を排出し、耐炎化炉3の外部から新しい空気を循環路の内部に送り込むことで行われる。なお、新鮮な空気の混合度を考慮すると、空気混合器は排出口側で行うのが好ましい。
4.送風機
実施形態の送風機152は、フィルタ154,155や加熱機156の下流側に配されていたが、フィルタや加熱機との位置関係は特に限定するものではなく、例えば、フィルタの上流側に送風機が配されてもよいし、フィルタと加熱機の間に送風機が配されてもよい。
実施形態の送風機152は1個設けられていたが、送風機は複数個設けられてもよい。複数の場合、同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
5.フィルタ
本発明で用いるフィルタは、気体中のごみを除去できればよく、その種類は特に限定するものではない。フィルタは、例えば、金属フィルタやアラミド不織布等が好ましく用いられる。
フィルタは、1個でもよいし、3個以上設けられてもよい。複数の場合、同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。フィルタ154,155はヒータ156の上流側と下流側に配されていたが、加熱機や送風機との位置関係は特に限定するものではなく、例えば、ヒータの上流側に複数個配してもよいし、ヒータの下流側に複数個配してもよいし、送風機の下流側に配されてもよい。
6.ヒータ
実施形態の加熱機156はガスヒータを利用したが、気体を加熱できるものであればよく、その種類は特に限定するものではない。加熱機は、例えば、抵抗加熱、誘電加熱、マイクロ加熱、誘導加熱、ヒートポンプ等の加熱機であってもよい。また、加熱機は、1個又は複数個設けられてもよい。複数の場合、同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
実施形態では、加熱機156はフィルタ154の下流側に配されていたが、加熱機とフィルタとの位置関係は特に限定するものではなく、例えば、フィルタの上流側に加熱機が配されてもよい。
7.その他
実施形態の循環路は迂回路を有していたが、例えば迂回路を設けなくても、温度斑を小さくできる。
(1)例えば、直行路の内部を進行する加熱気体の中心軌道を仮想の同一平面内に含まれないように、各路を構成することで、方向変換により加熱気体が混ざり易くなる。この場合、方向転換回数が4回でも温度斑を小さくできる。
(2)例えば、直行路の内部を進行する加熱気体の中心軌道が仮想平面に含まれていても、加熱気体の方向を変換させるための壁を傾斜状にしたり、湾曲させたりすることで、加熱気体が不規則に反転して加熱気体が混ざり易くなる。この場合、方向転換回数が4回でも温度斑を小さくできる。
3 耐炎化炉(熱処理炉)
110 耐炎化室(加熱処理室)
120 循環路
130 直行路
140 迂回路

Claims (4)

  1. 熱処理室から排出した加熱気体を、前記熱処理室と異なる他の熱処理室を通過しない循環路から前記熱処理室に供給する熱処理炉において、
    前記循環路は、前記熱処理室から排出された前記加熱気体が前記熱処理室に供給されるまでに5回以上の方向転換をするように、構成され
    前記循環路は、前記熱処理室から排出された前記加熱気体が前記熱処理室へ直行する経路の一部を有する直行路と、前記直行路の途中に設けられた迂回路とを有し、
    前記直行路は、前記熱処理室内を進む前記加熱気体の中心の軌道と平行な一対の直行縦路と、前記軌道と直交する一対の直行横路とを有し、
    前記直行路の内部を進行する前記加熱気体の中心の軌道は、前記熱処理室の排出口と供給口の中心を含む同一仮想平面内に存在し、
    前記迂回路は、前記直行縦路及び前記直行横路の少なくとも1つに設けられ、前記仮想平面と直交するように迂回する
    熱処理炉。
  2. 前記熱処理炉は、前記熱処理室を通過する炭素繊維用の前駆体繊維を耐炎化する耐炎化炉である
    請求項1に記載の熱処理炉。
  3. 前記前駆体繊維は複数本あり、複数本の前記前駆体繊維が前記走行方向と直交する方向に並ぶ状態で走行し、
    前記循環路は前記前駆体繊維の走行方向に沿って複数あり、
    前記循環路は、前記前駆体繊維の走行方向と複数本の前記前駆体繊維が並ぶ方向とに直交する方向から見たときに「L」字状をし、
    前記走行方向に隣接する2つの前記循環路を1セットとすると、1セット内の2つの「L」字状の前記循環路は、前記直交する方向から見たときに、前記走行方向に沿って「L」字と逆「L」字とが組み合わさるように配されている
    請求項2に記載の熱処理炉。
  4. 熱処理室から排出した加熱気体を、前記熱処理室と異なる他の熱処理室を通過しない循環路を経由して前記熱処理室に供給する加熱気体の循環方法において、
    前記熱処理室から排出された前記加熱気体を前記熱処理室に供給するまでに5回以上の方向転換をさせ
    前記循環路は、前記熱処理室から排出された前記加熱気体が前記熱処理室へ直行する経路の一部を有する直行路と、前記直行路の途中に設けられた迂回路とを有し
    前記直行路は、前記熱処理室内を進む前記加熱気体の軌道と平行な一対の直行縦路と、前記軌道と直交する一対の直行横路とを有し、
    前記直行路の内部を進行する前記加熱気体の中心の軌道は、前記熱処理室の排出口と供給口の中心を含む同一仮想平面内に存在し、
    前記迂回路は、前記直行縦路及び前記直行横路の少なくとも1つに設けられ、前記仮想平面と直交するように迂回する
    循環方法。
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