JP6886182B2 - 光造形装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光造形装置に関するものである。
本願は、2015年12月16日に出願された日本国特願2015−245452号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、光硬化性樹脂を用いた光造形法を実施する光造形装置が知られている。公知の光造形装置としては、液状の光硬化性樹脂を貯留する貯留槽の下部から、光硬化性樹脂を硬化させる光を照射し、硬化物を上に引き上げながら造形を行う構成が知られている。「光硬化性樹脂を硬化させる光」とは、例えば紫外線である。
このような装置構成では、硬化物が貯留槽の底面に付着し、硬化物の引き上げが困難となることがある。
これに対し、貯留槽の底面への付着を抑制した光造形装置が検討されている(例えば、非特許文献1参照)。
非特許文献1に記載された装置では、貯留槽の底面は、紫外線と酸素とを透過させる性質を有している。そのため、底面近傍の光硬化性樹脂においては、酸素濃度が高くなっており、光硬化反応が阻害されている。
これにより、非特許文献1に記載されている装置においては、貯留槽内で硬化した樹脂の貯留槽底面への付着を抑制し、従来の装置よりも高速な造形を可能としている。
John R. Tumbleston, "Continuous liquid interface production of 3D objects", Science, 20 March 2015, Vol.347, no.6228, p.1349-1352
上記非特許文献1に記載された光造形装置においては、貯留槽底面の近傍の光硬化性樹脂における酸素濃度が変化すると、光重合が阻害される範囲が変化する。そのため、硬化物を引き上げる方向において所望の解像度を実現しようとする場合、貯留槽底面の近傍の光硬化性樹脂における酸素濃度を制御する必要が生じる。酸素濃度の制御のためには、貯留槽の底面を透過する酸素量を制御する必要があるが、このような制御は困難である。
そのため、酸素による光重合阻害を利用した方法に代えて、貯留槽への硬化物の付着を抑制可能な光造形装置が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、光硬化性樹脂を貯留する貯留槽への硬化物の付着を抑制した新規な光造形装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は以下の態様を採用した。
(1)本発明の一態様に係る光造形装置は、液状の光硬化性樹脂を貯留する貯留槽と、前記貯留槽の内部に配置され、前記貯留槽の底面との離間距離を変更可能に設けられたステージと、前記光硬化性樹脂を硬化させる光を照射する第1照射部と、前記光硬化性樹脂の硬化を阻害する阻害光を照射する第2照射部と、を備え、前記貯留槽の底部は、前記光を透過させる透過窓であり、前記第1照射部は、前記光を射出する第1光源と、前記第1光源と前記透過窓との間の前記光の光路上に配置され、前記透過窓の前記貯留槽内側の表面から離間した位置に焦点位置が設定された集光光学系と、を有し、前記第2照射部は、前記表面に前記阻害光を照射する。
(2)上記(1)の態様においては、1光子吸収を利用して構造物を造形する光造形装置であって、前記第1光源から射出される前記光の出力を制御する制御部を有し、前記制御部は、前記表面における前記光の光強度が、前記光硬化性樹脂が硬化する光強度の閾値を下回るように前記出力を制御し、前記第2照射部は、前記焦点位置と前記表面との間に、前記阻害光を照射する構成としてもよい。
(3)上記(1)または2の態様においては、前記第2照射部は、前記透過窓を介して前記貯留槽に入射する前記光の光線束の中心軸と交差する方向から、前記阻害光を照射する構成としてもよい。
(4)上記(1)〜(3)の態様においては、前記第2照射部は、前記阻害光を射出する第2光源と、前記阻害光を前記表面に導光する導光手段と、を有する構成としてもよい。
(5)上記(4)の態様においては、前記導光手段は、前記阻害光が内部に入射されるとともに、前記内部で前記阻害光を全反射させる導光板であり、前記導光板は、前記透過窓を兼ねる構成としてもよい。
(6)上記(4)の態様においては、前記導光手段は、前記阻害光を走査する走査装置である構成としてもよい。
(7)上記(4)の態様においては、前記導光手段は、シリンドリカルレンズを含む光学系である構成としてもよい。
(8)上記(1)〜(6)のいずれか1つの態様においては、前記ステージを照明する照明光源と、照明された前記ステージを撮像する撮像装置と、を有する構成としてもよい。
(9)上記(1)〜(8)の態様においては、前記集光光学系は、集光レンズと、前記集光レンズの位置を、前記光の光線束の中心軸と同方向に変更可能とする駆動系と、を有する構成としてもよい。
本発明によれば、光硬化性樹脂を貯留する貯留槽への硬化物の付着を抑制した新規な光造形装置を提供することができる。
第1実施形態に係る光造形装置の説明図である 第1照射部および撮像部の構成を示す模式図である。 光硬化性樹脂のエネルギー準位図である。 光硬化性樹脂のエネルギー準位図である。 透過窓の近傍の様子を示す拡大図である。 第2実施形態に係る光造形装置の説明図である。
[第1実施形態]
以下、図1〜図4を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る光造形装置について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
図1は、第1実施形態に係る光造形装置100の説明図である。図に示すように、本実施形態の光造形装置100は、貯留槽10と、ステージ20と、駆動部30と、第1照射部40と、第2照射部50と、撮像部60と、を有している。光造形装置100は、1光子吸収を利用して液状の光硬化性樹脂Rを硬化させ、構造物1000を造形する。
また、以下の説明においては、図1に示す+Z方向を「上」、−Z方向を「下」として示すことがある。
貯留槽10は、液状の光硬化性樹脂Rを貯留する容器である。貯留槽10は、上方が開口した容器であり、液状の光硬化性樹脂Rを貯留する内部空間Sを有している。貯留槽10の底部は、光透過性を有する透過窓11となっている。透過窓11の形成材料としては、光透過性を有するならば種々の材料を用いることができるが、ガラス、石英などの無機材料を用いることが好ましい。
ステージ20は、貯留槽10の内部空間Sに配置される板状部材である。ステージ20は、ステージ20の下面20aに製造される構造物1000を保持する。
本実施形態のステージ20は、光透過性を有する形成材料を用いて形成されている。ステージ20の形成材料としては、光透過性を有するならば種々の材料を用いることができるが、ガラス、石英などの無機材料やアクリル樹脂などのプラスチックを用いることが好ましい。
駆動部30は、ステージ20を上下移動させる機能を有する。駆動部30は、ステージ20を上方から保持する保持部31と、保持部31が接続され上下移動するアーム32とを有している。光造形装置100では、駆動部30が上下移動することにより、駆動部30が接続されたステージ20が上下移動する。これにより、ステージ20は、貯留槽10の底面との離間距離を変更可能である。
アーム32は、ステージ20の上方の位置に、光透過性を有する窓33が設けられていてもよい。図では、窓33として光透過性を有する部材が配置されていることとして示しているが、これに限らない。アーム32は、窓33の位置が開口し、窓33の位置に光透過性を有する部材などの構造物が配置されていない構成であってもよい。
第1照射部40は、光硬化性樹脂Rを硬化させる光L1を射出する。第2照射部50は、光硬化性樹脂Rの硬化を阻害する阻害光L2を射出する。これら、第1照射部40および第2照射部50については、後に詳述する。
撮像部60は、ステージ20において造形される構造物1000を撮像する。具体的には、撮像部60は、構造物1000を照明する照明光源61と、照明された構造物1000を撮像する不図示のカメラと、を有している。不図示のカメラは、本実施形態における「撮像装置」に該当する。
照明光源61は、光透過性を有するステージ20に対し貯留槽10とは反対側に配置されている。照明光源61から射出された照明光L3は、光透過性を有する窓33およびステージ20を透過し、ステージ20の下面20aに製造される構造物1000を照明する。カメラでは、照明された構造物1000の像を撮像する。これにより、仕上がりを確認しながら構造物1000を造形することができる。また、構造物1000の造形を開始する際、位置合わせが容易となり精度良く構造物1000を造形することができる。
図2は、第1照射部40および撮像部60の構成を示す模式図である。
図1に示した照明光源61から射出された照明光L3は、透過窓11、集光光学系48、ガルバノミラー47を介してビームスプリッター46に入射する。照明光L3は、ビームスプリッター46において光L1の光路から分けられ、撮像部60が有するミラー63および結像レンズ64を介してカメラ62に入射する。カメラ62は、本実施形態における「撮像装置」に該当する。
カメラ62としては、例えばCCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサや、CMOS(Complementary MOS)イメージセンサを用いたビデオカメラを採用することができる。カメラ62では、ステージ20において造形される構造物1000を撮像している。
一方、図2に示すように、第1照射部40は、第1光源41、ミラー42、減光光学系43、ミラー44、拡大光学系45、ビームスプリッター46、ガルバノミラー47、集光光学系48、制御部49を有している。
第1光源41は、光硬化性樹脂Rを硬化させる光L1を射出する。ミラー42、減光光学系43、ミラー44、拡大光学系45、ビームスプリッター46、ガルバノミラー47、集光光学系48は、第1光源41と光L1の光路上に配置されている。
第1光源41は、光L1を射出するレーザー光源である。光L1の波長は、用いる光硬化性樹脂Rの吸収波長帯域に応じて適宜選択することができる。光L1としては、所望の位置以外における光硬化性樹脂Rの硬化を抑制するため、例えば波長405nmの青色光のような可視光領域の光を用いるとよい。
第1光源41から射出された光L1は、ミラー42で反射し、減光光学系43に入射する。減光光学系43は、波長に影響を与えることなく入射した光の光量を少なくする機能を有する。減光光学系43としては、例えば、公知の減光フィルタを用いることができる。減光光学系43を透過した光L1は、光量が低下する。
また、光L1の光量を低下させることができるならば、減光光学系43として減光フィルタ以外の構成を採用してもよい。例えば、光L1が直線偏光である場合、減光光学系43として偏光板を用いてもよい。減光光学系43が偏光板である場合、光L1の光線束の中心軸回りに偏光板の配置角度を調整する構成を採用する。これにより、偏光板の吸収軸と光L1の偏光の振動方向との角度を調整し、光L1の透過量を制御することができる。この場合、偏光板は、偏光板の配置角度を変更可能とする駆動系を有しているとよい。
減光光学系43を透過した光L1は、ミラー44で反射し、拡大光学系45に入射する。拡大光学系45は、光L1の光線幅を拡大させる機能を有する。拡大光学系45は、単一のレンズで構成されていてもよく、複数のレンズで構成されていてもよい。
拡大光学系45を透過した光L1は、ビームスプリッター46を透過し、ガルバノミラー47に入射する。ガルバノミラー47は、光L1の中心軸を、ステージ20の下面20aにおける第1の方向に変化させる第1走査ミラー47aと、光L1の中心軸をステージ20の下面20aにおける第2の方向に変化させる第2走査ミラー47bとを含んでいる。例えば、第1の方向と第2の方向とは、下面20aにおいて互いに直交する方向である。
ガルバノミラー47を介した光L1は、集光光学系48に入射する。集光光学系48は、光L1を集光光学系48の焦点位置に集光する機能を有する。集光光学系48は、単一のレンズで構成されていてもよく、複数のレンズで構成されていてもよい。
本実施形態の光造形装置100においては、集光光学系48の焦点位置Fが、透過窓11の貯留槽内側の表面11aから離間した位置に設定されている。焦点位置Fにおける光L1の光強度が、光硬化性樹脂Rが硬化する光強度の閾値を超えると、焦点位置Fにおいて光硬化性樹脂Rが硬化する。これにより、構造物1000を造形することができる。
集光光学系48は、集光レンズと、集光レンズの位置を光Lの光線束の中心軸と同方向に変更可能とする駆動系を有する構成としてもよい。この場合、集光レンズは、単一のレンズで構成されていてもよく、複数のレンズで構成されていてもよい。
このような駆動系としては、例えば公知のピエゾアクチュエータが挙げられる。集光光学系48がこのような駆動系を有している場合、駆動部30によるステージ20の位置制御と、集光光学系48の駆動系による集光レンズの位置制御とを協働させ、焦点位置Fの位置を好適に制御することができる。また、集光光学系48の駆動系は、駆動部30よりも焦点位置Fの微細な位置制御が可能である。そのため、構造物1000の解像度を好適に高めることができる。
なお、本実施形態においては、第1光源41から射出された光L1が、ガルバノミラー47に入射した後に、集光光学系48に入射することとして示した。しかし、ガルバノミラー47と集光光学系48との配置は、光L1の光路において逆になってもよい。
制御部49は、第1光源41から射出される光L1の出力を制御する。具体的には、制御部49は、表面11aにおける光L1の光強度が、光硬化性樹脂Rが硬化する光強度の閾値を下回るように、第1光源41の出力を制御する。
また、減光光学系43が偏光板である場合、制御部49は、減光光学系43における光の透過量を制御する。具体的には、制御部49は、第1光源41の出力を制御した上で、減光光学系43により光量の微調整を行う。これにより、表面11aにおける光L1の光強度が、光硬化性樹脂Rが硬化する光強度の閾値を下回るように、より細かく制御することができる。
さらに、集光光学系48が駆動系を有する場合、制御部49は、当該駆動系を制御する。
光造形装置100においては、光硬化性樹脂Rの硬化が焦点位置Fにおいて生じ、かつ表面11aにおいて生じないようにするため、光L1の出力、集光光学系48の集光特性を適宜制御するとよい。これにより、光造形装置100においては、光硬化性樹脂Rの硬化が透過窓11の表面11aにおいて生じず、得られる構造物1000が透過窓11に付着することを抑制可能である。
光造形装置100においては、上述のように、表面11aにおける光L1の光強度を制御している。しかし、造形時間が長時間になると、焦点位置Fと表面11aとの間の光硬化性樹脂Rの光重合が進行し、光硬化性樹脂Rが硬化してしまう。すると、焦点位置Fと表面11aとの間に光硬化性樹脂Rのゲルが滞留して造形の解像度が低下する、または構造物1000が表面11aに付着する、といった不具合を生じるおそれがある。
そのため、本実施形態の光造形装置100では、光硬化性樹脂Rの硬化を阻害する阻害光L2を射出する第2照射部50を用い、阻害光L2を表面11aに照射することとしている。
図1に示すように、第2照射部50は、透過窓11を介して貯留槽10に入射する光L1の光線束の中心軸CAと交差する方向から、阻害光L2を照射する。
第2照射部50は、阻害光L2を射出する第2光源51と、阻害光L2が内部に入射されるとともに、内部で阻害光L2を全反射させる導光板52と、を有している。本実施形態の光造形装置100においては、導光板52は、透過窓11を兼ねている。
ここで、阻害光L2により光硬化性樹脂Rの硬化が阻害されるメカニズムについて概略を説明する。図3A,3Bは、光硬化性樹脂Rのエネルギー準位図であり、図3Aは光硬化性樹脂Rの硬化反応を示し、図3Bは阻害光L2により光硬化性樹脂Rの硬化が阻害される様子を示す。
まず、図3Aに示すように、基底状態の軌道Gにある電子Eは、光L1のエネルギーを吸収すると、第1励起状態の軌道E1に励起する。軌道E1に励起した電子Eは、内部転換により反応状態の軌道R1に遷移し、重合反応を開始する。
一方、図3Bに示すように、軌道E1に励起した電子Eに対し、阻害光L2を照射すると、次の2種のエネルギー状態の変化を生じ、光硬化性樹脂Rの硬化を阻害する。
第1に、阻害光L2が、軌道Gと軌道E1とのエネルギー差に相当するエネルギーを有する場合、軌道E1に励起した電子Eに対し阻害光L2を照射すると、励起した電子はエネルギーを誘導放出する。その結果、軌道E1に励起した電子Eは、軌道Gに遷移する。これにより、電子Eが軌道E1から軌道R1に遷移しなくなり、光硬化性樹脂Rの硬化が阻害される。
第2に、阻害光L2が、軌道E1と第1励起状態よりも高い励起状態にある軌道E2とのエネルギー差に相当するエネルギーを有する場合、軌道E1に励起した電子Eに対し阻害光L2を照射すると、励起した電子はエネルギーを吸収する。その結果、軌道E1に励起した電子Eは、軌道E2に遷移する。これにより、電子Eが軌道E1から軌道R1に遷移しなくなり、光硬化性樹脂Rの硬化が阻害される。
図4は、透過窓11または導光板52の近傍の様子を示す拡大図である。第2照射部50においては、導光板52の端部から導光板52の内部に向けて、阻害光L2が入射される。その際、阻害光L2は、導光板52の内壁において全反射する角度で入射される。
このように阻害光L2が入射された導光板52の表面では、全反射の際に阻害光L2のエバネッセント光が生じる。エバネッセント光のしみ出す幅Wは、全反射した光の波長以下であることが知られている。そのため、導光板52の幅全体に阻害光L2を入射すると、導光板52の表面、すなわち透過窓11の表面11aの全体に薄く阻害光L2が漏れ出すこととなる。
阻害光L2は、上述したメカニズムで光硬化性樹脂Rの硬化を阻害するため、阻害光L2が照射された透過窓11の表面11aの近傍では、光硬化性樹脂Rの硬化が阻害される。したがって、光造形装置100では、焦点位置Fと表面11aとの間において光硬化性樹脂Rのゲルの生成を抑制し、造形の解像度の低下を抑制することができる。また、光造形装置100では、構造物1000の表面11aへの付着を抑制することができる。
以上のような構成の光造形装置100によれば、光硬化性樹脂Rを貯留する貯留槽10への硬化物の付着を抑制した新規な光造形装置とすることができる。
なお、本実施形態においては、光造形装置100が阻害光L2を射出する第2照射部50を有することとしたが、光造形装置100が第2照射部50を有さないこととしてもよい。
また、本実施形態においては、制御部49は、表面11aにおける光L1の光強度が、光硬化性樹脂Rが硬化する光強度の閾値を下回るように、第1光源41の出力を制御することとしたが、これに限らない。表面11aに光硬化性樹脂Rの硬化物が付着するかどうかは、光L1による光硬化性樹脂Rの硬化反応と、阻害光L2による光硬化性樹脂Rの硬化反応阻害との競争となる。そのため、表面11aにおける光L1の光強度が、光硬化性樹脂Rが硬化する光強度の閾値を上回るとしても、阻害光L2の光量を増やすことで、表面11aへの硬化物の付着を抑制することが可能である。
また、本実施形態においては、光造形装置100が1光子吸収を利用して構造物を造形することとしたが、これに限らない。光造形装置100は、2光子吸収を利用して構造物を造形することとしてもよい。2光子吸収を利用した硬化反応では、焦点位置Fにおける硬化反応をより狭い領域に絞ることが可能である。一方で、長時間使用することにより、焦点位置Fと表面11aとの間において光硬化性樹脂Rの硬化が徐々に進行することが想定される。
そのような場合であっても、第2照射部50から阻害光L2を照射することにより、確実に表面11aへの硬化物の付着を抑制することが可能である。
また、本実施形態においては、ステージ20に対し貯留槽10とは反対側に照明光源61を配置し、ステージ20を介してステージ20の下面20aの構造物1000を照明することとしたが、これに限らない。
例えば、ステージ20が光透過性を有さない場合、光L1と同軸で照明光L3を入射させる必要がある。そのような場合には、照明光L3が光L1と同軸となるよう、照明光源61から射出された照明光L3を導光する公知の光学系を配置してもよい。このような光学系としては、例えば、図2において拡大光学系45とビームスプリッター46との間の光路上に配置されるハーフミラーが挙げられる。これにより、ステージ20が不透明であったとしても、ステージ20において構造物を造形する下面20aを照明光L3で確実に照明することができる。
[第2実施形態]
図5は、本発明の第2実施形態に係る光造形装置200の説明図である。本実施形態の光造形装置200は、第1実施形態の光造形装置100と一部共通している。したがって、本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
光造形装置200が有する貯留槽10は、側壁12における側壁12と、底部である透過窓11との境界付近に、表面11aと平行に延在する透過窓13が設けられている。
また、光造形装置200が有する第2照射部55は、透過窓13を介して、焦点位置Fと表面11aとの間に、阻害光L2を照射している。第2照射部55は、阻害光L2を射出する第2光源51と、透過窓13を介して阻害光L2を表面11aと平行に走査する走査装置56と、を有している。走査装置56としては、例えばガルバノミラーを用いることができる。走査装置56は、本実施形態における「導光手段」に該当する。
このような光造形装置200では、第1照射部40から照射される光L1の中心軸CAと重なるように、第2照射部55から阻害光L2を照射する。また、第2照射部50は、光L1の照射位置の変化に伴って阻害光L2を走査し、光L1の照射位置に追随して阻害光L2を照射する。
阻害光L2が照射された光硬化性樹脂Rは、上述したように硬化反応が阻害されるため、表面11aの近傍においては、光硬化性樹脂Rの硬化が阻害される。
このような構成の光造形装置200によっても、光硬化性樹脂Rを貯留する貯留槽10への硬化物の付着を抑制した新規な光造形装置とすることができる。
なお、図5では、光造形装置200が第2照射部55を1つ備え、貯留槽10の側壁12に設けられた透過窓13を介して阻害光L2を照射することとして示したが、これに限らない。
阻害光L2は、光硬化性樹脂Rの内部を進行する際に減衰するため、透過窓13から遠い位置の光硬化性樹脂Rには、硬化阻害に十分な光量の阻害光L2が到達しないおそれがある。そのため、透過窓13を貯留槽10の周方向に延在して設け、かつ第2照射部55を複数設けて、焦点位置Fと表面11aとの間に複数方向から阻害光L2を照射する構成としても構わない。「複数方向から」とは、例えば「貯留槽10の四方から」である。このような構成とすると、表面11aの近傍において、阻害光L2の光量が不足する場所を低減、または無くすことができる。その結果、光硬化性樹脂Rを貯留する貯留槽10への硬化物の付着を一層抑制することができる。
また、図5では、導光手段として走査装置56を用い、走査装置56にて阻害光L2を走査し、光L1の照射位置に追随して阻害光L2を照射することとしたが、これに限らない。例えば、導光手段としてシリンドリカルレンズを用い、シリンドリカルレンズを介した阻害光L2を透過窓13から入射させることとしてもよい。
シリンドリカルレンズを含む複数のレンズを組み合わせることで、阻害光L2を一方向には拡大するとともに当該一方向と直交する方向には拡大させないこととして、幅広のシート状の光とすることができる。このような阻害光L2を、透過窓11の表面に沿うように透過窓13から入射させると、阻害光L2の操作が不要となる。その結果、表面11aの全面を阻害光L2で容易に照明することができる。
このような構成の場合も、透過窓13を貯留槽10の周方向に延在して設け、焦点位置Fと表面11aとの間に複数方向からシート状の阻害光L2を照射する構成としても構わない。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
10…貯留槽、11,13…透過窓、11a…表面、20…ステージ、33…窓、40…第1照射部、41…第1光源、48…集光光学系、49…制御部、50,55…第2照射部、51…第2光源、52…導光板、56…走査装置、61…照明光源、100,200…光造形装置、1000…構造物、CA…中心軸、F…焦点位置、L1…光、L2…阻害光、L3…照明光、R…光硬化性樹脂、S…内部空間

Claims (9)

  1. 液状の光硬化性樹脂を貯留する貯留槽と、
    前記貯留槽の内部に配置され、前記貯留槽の底面との離間距離を変更可能に設けられたステージと、
    前記光硬化性樹脂を硬化させる光を照射する第1照射部と、
    前記光硬化性樹脂の硬化を阻害する阻害光を照射する第2照射部と、を備え、
    前記貯留槽の底部は、前記光を透過させる透過窓であり、
    前記第1照射部は、前記光を射出する第1光源と、
    前記第1光源と前記透過窓との間の前記光の光路上に配置され、前記透過窓の前記貯留槽内側の表面から離間した位置に焦点位置が設定された集光光学系と、を有し、
    前記第2照射部は、前記表面に前記阻害光を照射する光造形装置。
  2. 1光子吸収を利用して構造物を造形する請求項1に記載の光造形装置であって、
    前記第1光源から射出される前記光の出力を制御する制御部を有し、
    前記制御部は、前記表面における前記光の光強度が、前記光硬化性樹脂が硬化する光強度の閾値を下回るとともに、前記焦点位置における前記光の光強度が、前記閾値を超えるように前記出力を制御し、
    前記第2照射部は、前記焦点位置と前記表面との間に、前記阻害光を照射する光造形装置。
  3. 前記第2照射部は、前記透過窓を介して前記貯留槽に入射する前記光の光線束の中心軸と交差する方向から、前記阻害光を照射する請求項1または2に記載の光造形装置。
  4. 前記第2照射部は、前記阻害光を射出する第2光源と、
    前記阻害光を前記表面に導光する導光手段と、を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の光造形装置。
  5. 前記導光手段は、前記阻害光が内部に入射されるとともに、前記内部で前記阻害光を全反射させる導光板であり、
    前記導光板は、前記透過窓を兼ねる請求項4に記載の光造形装置。
  6. 前記導光手段は、前記阻害光を走査する走査装置である請求項4に記載の光造形装置。
  7. 前記導光手段は、シリンドリカルレンズを含む光学系である請求項4に記載の光造形装置。
  8. 前記ステージを照明する照明光源と、
    照明された前記ステージを撮像する撮像装置と、を有する請求項1から6のいずれか1項に記載の光造形装置。
  9. 前記集光光学系は、集光レンズと、
    前記集光レンズの位置を、前記光の光線束の中心軸と同方向に変更可能とする駆動系と、を有する請求項1から8のいずれか1項に記載の光造形装置。
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