JP6885260B2 - 動態画像解析装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、X線画像等の医療用画像に患部が含まれている場合に、当該患部を関心領域としてその位置と大きさ情報を抽出する。そして、画像を周波数成分毎のサブバンド成分のデータに変換し、この成分データ中、関心領域にある成分データと関心領域外の成分データとを分離して符号化し、関心領域外とを識別するための情報を付加して出力することが記載されている。
また、特許文献2には、胸部の放射線写真撮影による画像において肺領域のための2Dの統計的形状モデルを自動構成するための手法が記載されている。
具体的には、胸部の放射線写真撮影画像を手動で輪郭トレーシングを行うことにより、胸部の放射線写真撮影画像から肺領域の形状標本を抽出し、形状アライメントアルゴリズムを用いることによって、全ての形状標本を所定のテンプレート形状に可能な限り近づけて位置合わせし、位置合わせされた形状標本を用いて主成分分析によって肺領域の統計的モデル形状を生成する。
さらに、特許文献3には、動態画像を含む医用画像から対象部位を抽出する際、安定的かつ高速に抽出精度の向上を実現する画像処理技術が記載されている。
これに対して、近時、動態画像を撮影することが可能な撮影システムにおいて撮影された動態画像について、画像中の特定部位、例えば肺野や心臓等に対して、派生的な解析画像を生成するための画像解析処理を行うことが検討されている。
ここでは、時間的に連続して動画状に撮影された複数のフレームの放射線画像を「動態画像」と称し、各フレームの放射線画像を「フレーム画像」と称するものとする。
このような動態画像では、人体内に含まれている各種の動的な構造物(例えば肺や心臓等動きのある構造物)を含む画像を撮影し、動的な構造物の時系列的な変化を捉えることが可能である。
この点、各構造物(例えば肺野や心臓等)は、撮影対象である患者の体格、体厚、性別、人種等によって人体内での配置やサイズ等が異なるため、各構造物の成分構成も異なる。
しかし、これらパラメーターの最適解を得ようとする場合、その調整量は一定でなく、マニュアル操作によって最適なパラメーターを設定し、安定して価値ある画像の提供を行うことは難しいとの問題がある。
時系列的に連続して取得される複数のフレーム画像で構成される動態画像において各フレーム画像内における信号値構成又は信号値の集積傾向から特定の構造物と類推される特徴的な領域を抽出し、当該特徴的な領域のフレーム画像内における占有率を算出するとともに、各フレーム画像において同一定義にて抽出された特徴的な領域である同種領域のフレーム画像内における占有率が前記複数のフレーム画像においてどの程度変化しているかを示す占有率の変化率を算出する画像分析処理部と、
前記画像分析処理部の算出結果及び前記動態画像に付帯する付帯情報を含めた当該動態画像に関する情報のうち少なくとも1つ以上に基づいて、前記動態画像をモデリングし、類別テーマについての判定を行い、この判定結果に基づいて前記動態画像につき画像類別インデックスを生成する類別インデックス付与部と、
前記画像分析処理部により算出された算出結果及び前記類別インデックス付与部により生成された前記画像類別インデックスを、元の動態画像から派生的に導出された画像取扱情報として保存する画像取扱情報保存部と、
を備えていることを特徴とする。
ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
本実施形態の解析装置は、撮影システムから動態画像を受信して、受信した動態画像や動態画像の解析結果を表示するものである。
まず、前提として、本実施形態で想定される撮影システムと解析装置との関係につき、図1を参照しつつ説明する。
また、本実施形態における解析装置3は、通信ネットワークNTを介して撮影システム10と接続されており、撮影装置1により取得された動態画像が撮影用コンソール2を介して解析装置3に送られるようになっている。
なお、図1では撮影装置1とこれを制御する撮影用コンソール2とが1台ずつ設けられている例を示しているが、撮影装置1とこれを制御する撮影用コンソール2の数は1台に限定されず、複数台設けられていてもよい。
また、本実施形態において動態画像解析装置である解析装置3は、診断に供する画像等(動画像や動画像の解析結果)を生成し表示させる診断用コンソールである。
撮影システム10や解析装置3は、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、DICOM規格に則って行われる。
なお、解析装置3や撮影装置1は常時通信ネットワークNTに接続されている必要はない。
撮影装置1は、前述のように、動態画像を撮影可能なものである。
本実施形態において「動態画像」の撮影とは、被写体Mに対し、X線等の放射線をパルス状にして所定時間間隔で繰り返し照射するか(パルス照射)、もしくは、低線量率にして途切れなく継続して照射する(連続照射)ことで、被写体の動態を示す複数の画像を取得する動態撮影をいう。すなわち本実施形態における「動態画像」とは、このような撮影により得られた、被写体の動態を示す複数の一連の画像を意味する。また、この動態画像を構成する複数の画像のそれぞれをフレーム画像と呼ぶ。
本実施形態では、「動態画像」として、被写体である人体及びこれに含まれる動的な構造物が撮影される。撮影装置1により撮影される動的な構造物としては、例えば肺野、横隔膜、心臓等がある(図3(a)〜図3(d)、図4(a)及び図4(b)等参照)。なお、動的な構造物はこれに限定されない。
後述するように、撮影装置1の放射線照射制御装置12及び放射線検出部13は撮影用コンソール2に接続されており、放射線照射制御装置12は撮影用コンソール2から入力された放射線照射条件に基づいて放射線源11を制御して放射線撮影を行う。また、放射線検出部13は、撮影用コンソール2から入力された画像読取条件に基づいて各画素のスイッチング部を制御して、各画素に蓄積された電気信号を読み取ることにより画像データを取得し、取得したフレーム画像の画像データを撮影用コンソール2に出力する。
放射線照射制御装置12は、撮影用コンソール2に接続されており、撮影用コンソール2から入力された放射線照射条件に基づいて放射線源11を制御して放射線撮影を行う。撮影用コンソール2から入力される放射線照射条件は、例えば、パルスレート、パルス幅、パルス間隔、1撮影あたりの撮影フレーム数、X線管電流の値、X線管電圧の値、付加フィルター種等である。パルスレートは、1秒あたりの放射線照射回数であり、後述するフレームレートと一致している。パルス幅は、放射線照射1回当たりの放射線照射時間である。パルス間隔は、1回の放射線照射開始から次の放射線照射開始までの時間であり、後述するフレーム間隔と一致している。
放射線検出部13は、被写体Mを挟んで放射線源11と対向するように設けられている。
ここで、放射線照射制御装置12と読取制御装置14は互いに接続され、互いに同期信号をやりとりして放射線照射動作と画像の読み取りの動作を同調させるようになっている。
撮影用コンソール2は、放射線照射条件や画像読取条件を撮影装置1に出力して撮影装置1による放射線撮影及び放射線画像の読み取り動作を制御するとともに、撮影装置1により取得された動態画像を撮影技師等の撮影実施者によるポジショニングの確認や診断に適した画像であるか否かの確認用に表示する。
撮影用コンソール2は、図1に示すように、制御部21、記憶部22、操作部23、表示部24、通信部25を備えて構成され、各部はバス26により接続されている。
各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
また、記憶部22は、撮影の種別や検査対象部位(すなわち撮影部位。ここでは胸部とする)に対応する撮影条件(放射線照射条件及び画像読取条件)を記憶している。
放射線照射条件は、例えば、X線管電流の値、X線管電圧の値、フィルター種、SID(Source to Image−receptor Distance)、動画撮影時のパルスレート、パルス幅、パルス間隔等である。また、画像読取条件は、例えば、画素サイズ、画像サイズ(マトリックスサイズ)、動画撮影時のフレームレート、フレーム間隔等である。フレームレートは、パルスレートと一致している。
さらに、記憶部22には、図示しないRIS(Radiology Information System)等から送信される撮影オーダー情報が記憶されている。撮影オーダー情報には、患者情報、検査情報(検査ID、検査対象部位(ここでは、胸部)、解析の種類(例えば、換気解析、肺血流解析、最大換気量の測定等)、データ属性(緊急、外来一般、病棟経過観察)等)等が含まれる。
また、撮影装置1で撮影された画像を表示させてポジショニングの確認等を行うことができるようにしてもよい。
解析装置3は、撮影装置1で撮影された動態画像に対して動態解析を行うことが可能な動態画像解析装置である。
解析装置3は、図1に示すように、制御部31、記憶部32、操作部33、表示部34、通信部35を備えて構成され、各部はバス36により接続されている。
本実施形態では、解析装置3は、撮影用コンソール2から動態画像を受信し、受信した動態画像を解析したり、画像処理を行う等して、解析装置3の表示部34(後述)や外部の図示しない表示装置に解析結果等を表示させたり、再解析を行ったりする画像処理装置であり医師による診断を支援する診断用コンソールである。
本実施形態において、解析装置3は、例えば撮影用コンソール2から送信された胸部の動態画像(図3(a)〜図3(d)、図4(a)及び図4(b)等参照)に基づいて、胸部の動態解析を行う。
例えば、診断用コンソールとしての解析装置3が撮影用コンソール2としての機能をも備える兼用装置として構成され、この解析装置3と撮影装置1とが通信ネットワークNTにより接続されていてもよい。
解析結果を表示するための外部の表示装置としては、例えば、医師の診察室等に設置されている電子カルテや、読影医の読影室等に設置されている読影用の端末装置、手術室等に用意され放射線技師や手術を執刀する外科医等が参照する端末装置(コンソール)等が想定される。このように表示装置が解析装置3とは別体で設けられている場合、解析装置3から解析結果等が表示装置に送信される。この場合、解析結果を受け取った表示装置の操作部からパラメーターの調整指示等が入力されると、入力された指示内容が解析装置3側に送信され、解析装置3は、当該指示に従って調整されたパラメーターによる再解析等を行う。
記憶部32は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部32は、制御部31で診断支援処理を実行するためのプログラムを始めとする各種プログラムやプログラムによる処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部31は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
また、解析装置3がDICOMに則って撮影システム10等との情報の送受信を行う場合には、動態画像のデータとともに、上記のような患者情報が送信され、記憶部32には動態画像に対応付けてこれらの患者情報が記憶される。
さらに、記憶部32には、動態画像に対応付けてその解析結果が記憶される。
図2に示すように、本実施形態の制御部31は、機能的に見た場合、画像取扱情報生成部5、画像解析処理パラメーター選定部6、画像解析部7、画像提供部8等を備えている。
制御部31は、プログラムとの協働により画像取扱情報生成部5、画像解析処理パラメーター選定部6、画像解析部7、画像提供部8等としての機能を果たす。
画像取扱情報生成部5は、本実施形態における画像取扱情報を生成するものである。
画像取扱情報は、画像解析処理パラメーター選定部6がアプリケーションソフトウエア等と協働して動態画像を解析するためのパラメーターを設定する際に、参照する情報であり、画像解析処理パラメーター選定部6は、画像取扱情報に基づいて、画像解析を行う際に最適なパラメーターを設定するようになっている。
また、画像提供部8は、画像解析部7による画像解析の結果を表示部34等に出力して診断用の画像を表示部34等に表示させるものである。
画像取扱情報生成部5は、機能的役割として画像分析処理部51、類別インデックス付与部52、画像取扱情報保存部53を備えている。
まず、画像分析処理部51は、時系列的に連続した複数のフレーム画像で構成される動態画像において各フレーム画像内における信号値構成又は信号値の集積傾向から特定の構造物と類推される特徴的な領域を抽出する。
信号値構成とは、こうした信号値(画素信号値)のフレーム画像内における構成・分布であり、信号値構成を見ることで、フレーム画像内のどの位置にどのような範囲・形状で信号値の低い部分(すなわち、何らかの構造物と推定される部分)があるかを判断することができる。また、信号値の集積傾向とは、フレーム画像の画素信号値の集積傾向であり、フレーム画像内における濃度値の変化状況等を示す。
画像分析処理部51は、各フレーム画像内におけるこうした信号値の分布状況やその濃度の変化状況等を見ることで、特定の構造物と類推される特徴的な領域を抽出する。
図3(a)は、信号値構成又は信号値の集積傾向から判断して背景Bと区別される特徴的な領域として人体胸部輪郭R1を特定の構造物と類推される領域として抽出した例を示している。
また、図3(b)は、フレーム画像FDのうち、ある特定の構造物である人体胸部輪郭R1と区別される特徴的な領域として肺野R2を特定の構造物と類推される領域として抽出した例を示している。
また、図3(c)は、肺野R2のうち、特に画像中左側に位置する肺野R2aを特定の構造物と類推される領域として抽出した例を示しており、図3(d)は、肺野R2のうち、特に画像中右側に位置する肺野R2bを特定の構造物と類推される領域として抽出した例を示している。
また、図4(a)は、フレーム画像FDのうち、ある特定の構造物である人体胸部輪郭R1と区別される特徴的な領域として横隔膜R3を特定の構造物と類推される領域として抽出した例を示しており、図4(b)は、フレーム画像FDのうち、ある特定の構造物である人体胸部輪郭R1と区別される特徴的な領域として心臓R4を特定の構造物と類推される領域として抽出した例を示している。
ここで、信号値マップとは、フレーム画像FDを構成する各画素の信号値(画素ごとの濃度値)をマップ状に構成したものである。
放射線画像において、人体における構造物等は、放射線の透過のしやすさに応じて放射線濃度を示す信号値(すなわち、濃度値)が変化する。例えば、骨等の部分は放射線が透過しにくいため、放射線濃度を示す信号値が低くなり、画像の見た目上は白っぽく写る。また、肺野R2等は比較的放射線を透過しやすいため、放射線濃度を示す信号値が高くなり、画像の見た目上は黒っぽく写る。
このため、画像分析処理部51では、動態画像Dの各フレーム画像FD内において信号値マップを作成し、他の部分と区別されるような特徴的な領域(信号値集合体)を何らかの構造物を示すものとして抽出する。そして抽出された特徴的な領域(信号値集合体)を、予め記憶部等に記憶されているモデルとフィッティングすることにより、当該信号値で表される領域がいかなる構造物であるかを判定する。
また、例えば、図3(b)であれば、画像分析処理部51は、肺野R2がフレーム画像FD全体に占める占有率を算出する。
さらに、図3(b)〜図3(d)や図4(a)及び図4(b)のように、特徴的な領域が複数抽出された場合には、画像分析処理部51は、特徴的な領域同士の間における占有率も算出する。例えば、図3(b)であれば、画像分析処理部51は、肺野R2が人体胸部輪郭R1に占める占有率を算出する。また、例えば、図4(a)であれば、画像分析処理部51は、横隔膜R3が人体胸部輪郭R1に占める占有率を算出し、図4(b)であれば、画像分析処理部51は、心臓R4が人体胸部輪郭R1に占める占有率を算出する。
また、図5(b)においては、画像分析処理部51は、肺野R2が人体胸部輪郭R1に占める占有率、心臓R4が人体胸部輪郭R1に占める占有率を算出する他、心臓R4が肺野R2に占める占有率を算出する。
このため、本実施形態において画像分析処理部51は、各フレーム画像FD内において複数段階で濃度又は階調域を定義し、各濃度又は階調域において信号値構成又は信号値の集積傾向から特徴的な領域を抽出するようになっている。
すなわち、例えば、背景Bから人体胸部輪郭R1を切り出したら、人体胸部輪郭R1と肺野R2等の人体内の構造物とが区別できるレベルまで画像の濃度や階調を変化させて、さらに特徴的な領域を抽出する。
このように、複数段階に濃度又は階調域を変化させながら特徴的な領域の抽出を行うことで、わずかな信号値の差しかないような構造物同士も適切に区別して抽出することができる。
例えば、図6(a)に示す左右の肺野R2a,R2bが、動態画像Dを構成する各フレーム画像FDから抽出できる場合に、時系列的に連続したフレーム画像FDにおいて各構成物である左右の肺野R2a,R2bが経時的にどのように変化しているかを変化率として算出する。
これにより、左右の肺野R2a,R2bが先天的に大きさが異なっているだけで特に異常を示すものではないのか、それとも、左右の肺野R2a,R2bのうち肺野R2bのみが呼吸に伴って大きく拡張・収縮を繰り返しており、何らかの疾病が疑われるケースであるのかを区別することが可能となる。
なお、画像分析処理部51による構造物同士の比率や変化率の算出は、抽出された特徴的な領域(本実施形態では、人体胸部輪郭R1、肺野R2、横隔膜R3、心臓R4を例示)について様々な組み合わせで行うことができる。
ここで類別テーマとは、動態画像の画像解析を行う際に有効な分類であり、例えば、体格、体格(ここでは人体胸部輪郭R1)に対する肺野R2の占有率、体格(ここでは人体胸部輪郭R1)に対する横隔膜R3の占有率、体格(ここでは人体胸部輪郭R1)に対する心臓R4の占有率、左右の肺野R2a,R2bの比率、肺野R2と心臓R4との比率、左右の肺野R2a,R2bの経時的な変化率等である。
類別インデックス付与部52は、設定された類別テーマについて画像分析処理部51の算出結果及び当該動態画像Dに付帯する付帯情報等に基づいて判定を行う。
そして、例えば左右の肺野R2a,R2bの比率が一定の閾値を超えると判定される場合(例えば、通常人の平均値を上回る場合)には、類別インデックス付与部52は、図5(a)のフレーム画像FDの動態画像Dについて、「左右の肺野R2a,R2bの比率」との類別テーマに関して「肺野R2a,R2bの左右比率大」であるとの画像類別インデックスを生成し、これを付帯情報として当該動態画像Dに付与する。
そして、例えば、体格に対する心臓R4の占有率が一定の閾値を超えると判定される場合(例えば、通常人の平均値を上回る場合)には、類別インデックス付与部52は、当該動態画像Dについて、「体格に対する心臓R4の占有率」との類別テーマに関して「体格に対する心臓R4の占有率大」であるとの画像類別インデックスを生成し、これを付帯情報として当該動態画像Dに付与する。
この場合、類別インデックス付与部52が、当該動態画像Dが小柄な女性のものであると判定した場合には、類別インデックス付与部52は、「性別」との類別テーマについて「女性」、「体格」との類別テーマについて「小柄」等の画像類別インデックスを生成し、これを付帯情報として当該動態画像Dに付与する。
すなわち、例えば、特徴的な領域として抽出された部分が肺野R2である場合には、当該領域が肺野R2であるとの情報を付与して三次付帯データとして保存する。
例えば、「性別:男性」「年齢35」で「人体胸部輪郭R1に対する心臓R4の比率○%が通常人の平均値よりも大きい」とされた過去の例で、特定の心臓疾患の患者数が多いとのデータが蓄積されている場合には、心臓疾患が疑われるとの四次付帯データを生成し、保存する。
また、例えば、体格、性別、人種等と「人体胸部輪郭R1に対する心臓R4の比率」等のデータとを組み合わせて統計的にデータを蓄積することで、体格、性別、人種等の別による心臓R4の大きさの正常値範囲等を設定し、これを四次付帯データとして保存してもよい。これにより、多角的、階層的なデータを蓄積することができる。
次に、図7を参照しつつ、本実施形態における動態画像解析装置である解析装置3の作用について説明する。
画像データを受信すると、制御部31の画像取扱情報生成部5において画像取扱情報生成処理が行われる。
そして、抽出された特徴的な領域(本実施形態では、人体胸部輪郭R1、肺野R2、横隔膜R3、心臓R4を例示)について他の領域に占める占有率を算出する(ステップS3)。
さらに、この特徴的な領域の占有率が複数のフレーム画像FDにおいて経時的にどのように変化しているかの変化率を算出する(ステップS4)。
そして、判定結果に応じて画像類別インデックスを付与し、適宜更新する(ステップS7)。
画像取扱情報保存部53では、類別インデックス付与部52によって付与・更新された画像類別インデックスと動態画像Dのモデリング結果とをマッチングさせ、対応付けを行う(ステップS8)。
そして、画像取扱情報保存部53は、導出されたすべてのデータを保存する(ステップS9)。
この際、画像解析処理パラメーター選定部6は、画像取扱情報生成部5により生成・保存された画像取扱情報を参照して、当該動態画像を解析するのに最適な画像解析パラメーターを設定する。
そして、画像解析処理パラメーター選定部6によって選択・設定されたパラメーターを用いて、画像解析部7により動態画像の画像解析が行われる。画像解析部7による画像解析結果は、画像提供部8により表示部34等に出力され、診断用の画像として表示部34等に表示される。
以上のように、本実施形態に係る動態画像解析装置である解析装置3によれば、画像分析処理部51は、時系列的に連続した複数のフレーム画像で構成される動態画像において各フレーム画像内における信号値構成又は信号値の集積傾向から特定の構造物と類推される特徴的な領域を抽出する。これにより、各フレーム画像FDに含まれる構造物(例えば、人体胸部輪郭R1、肺野R2、横隔膜R3、心臓R4等)を適切に抽出することができる。
このように信号値マップに基づいて構造物の抽出を行うことにより、放射線濃度を示す信号値の分布を把握することができ、正確に構造物の抽出を行うことができる。
これにより、構造物の相対的な大きさを明らかにすることができる。
さらに本実施形態における画像分析処理部51は、特徴的な領域が複数抽出された場合に、特徴的な領域同士の間における占有率も算出する。
これにより、特徴的な領域間での相対的な占有率を把握することができる。
このように、複数段階に濃度又は階調域を変化させながら特徴的な領域の抽出を行うことにより、同一の濃度、同一の階調の中ではわずかな信号値の差しかないような構造物同士も適切に区別して抽出することができ、より多くの構造物が抽出可能となる。
これにより、静止画を観察するのみでは分からない、各構造物の経時的な変化を捉えることができ、診断等に資する動態画像解析ならではの情報を得ることができる。
このように、元の動態画像そのものから算出可能な一次データの情報から複数要素で派生データを算出することにより、各種の1.5次データを算出することができ、類別インデックス付与部52、画像取扱情報保存部53において利用可能な材料が増加し、より多角的な分析に寄与する。
これにより、画像分析処理結果(例えば、フレーム画像毎の信号値マップ、各構造物型の領域に占める占有率、動態画像Dとして時系列的に見た場合の変化率)、元の画像に付帯していた情報、画像データ自体等から、人体モデリングのテーマ毎(例えば体格や疾病傾向等)の画像類別インデックス情報が生成され、当該動態画像を解析するその後のアプリケーションソフトウエア上での取り扱いの際に有効となる派生的な付帯情報を形成することができる。
このように画像取扱情報を動態画像Dと紐付けて保存しておき、画像解析を行うアプリケーションソフトウエアの機能特性に応じて適宜適用することにより、動態画像の画像解析を行う際に、各人、各部位等に応じた最適な画像解析パラメーターの自動的選択(自動カスタマイズ)が可能となり、ユーザーの手を煩わせることなく、最適な画像解析を行うことができ、安定して価値ある画像の解析結果を提供することができる。
このようなデータを生成、蓄積することにより、元々目的としている画像解析パラメーターの最適解導出以外にも、派生的に当該元の動態画像の初期表示の最適フレーム導出やフレーム内における最適な関心領域(ROI)の選出、アノテーションの自動選定・配置等をアプリケーションソフトウエア上で実現する際に利用可能な情報を持つことができる。
このような四次付帯データを生成し、保存することにより、データマイニング可能な多角的な階層構造データを形成することができ、統計的なデータの算出に寄与する。
なお、本発明が上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
2 撮影用コンソール
3 解析装置
5 画像取扱情報生成部
10 撮影システム
31 制御部
51 画像分析処理部
52 類別インデックス付与部
53 画像取扱情報保存部
Claims (6)
- 時系列的に連続して取得される複数のフレーム画像で構成される動態画像において各フレーム画像内における信号値構成又は信号値の集積傾向から特定の構造物と類推される特徴的な領域を抽出し、当該特徴的な領域のフレーム画像内における占有率を算出するとともに、各フレーム画像において同一定義にて抽出された特徴的な領域である同種領域のフレーム画像内における占有率が前記複数のフレーム画像においてどの程度変化しているかを示す占有率の変化率を算出する画像分析処理部と、
前記画像分析処理部の算出結果及び前記動態画像に付帯する付帯情報を含めた当該動態画像に関する情報のうち少なくとも1つ以上に基づいて、前記動態画像をモデリングし、類別テーマについての判定を行い、この判定結果に基づいて前記動態画像につき画像類別インデックスを生成する類別インデックス付与部と、
前記画像分析処理部により算出された算出結果及び前記類別インデックス付与部により生成された前記画像類別インデックスを、元の動態画像から派生的に導出された画像取扱情報として保存する画像取扱情報保存部と、
を備えていることを特徴とする動態画像解析装置。 - 前記画像分析処理部は、前記各フレーム画像内において複数段階で濃度又は階調域を定義し、各濃度又は階調域において前記信号値構成又は前記信号値の集積傾向から前記特徴的な領域を抽出することを特徴とする請求項1に記載の動態画像解析装置。
- 前記画像分析処理部は、前記各フレーム画像について信号値マップを形成し、この信号値マップを用いて前記信号値構成、前記信号値の集積傾向を判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の動態画像解析装置。
- 前記画像分析処理部は、前記特徴的な領域が複数抽出された場合に、前記特徴的な領域同士の間における占有率及び変化率を算出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
- 前記画像取扱情報保存部は、前記元の動態画像に付帯する付帯情報及び前記画像分析処理部による算出結果を一次付帯データ、前記類別インデックス付与部により生成された前記画像類別インデックスを二次付帯データとしたとき、前記一次付帯データと前記二次付帯データとを複合的に判定することにより、三次付帯データを生成・保存することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
- 前記画像取扱情報保存部は、前記三次付帯データ同士を複合的に判定し、前記三次付帯データから派生する四次付帯データを生成・保存することを特徴とする請求項5に記載の動態画像解析装置。
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