図1は部品実装システム10の構成の概略を示す構成図であり、図2は部品実装機20の構成の概略を示す構成図であり、図3はフィーダ30の構成の概略を示す構成図である。また、図4は第2交換ロボット50の構成の概略を示す構成図であり、図5はフィーダ保管庫60の構成の概略を示す構成図であり、図6は部品実装システム10の制御に関する構成図である。なお、図1の左右方向がX方向であり、前後方向がY方向であり、上下方向がZ方向である。
部品実装システム10は、図1に示すように、基板上に半田を印刷する印刷機12と、印刷された半田の状態を検査する印刷検査機14と、フィーダ30から供給された部品を基板に実装する複数の部品実装機20と、部品の実装状態を検査する実装検査機(図示省略)と、複数のフィーダ30を保管可能なフィーダ保管庫60と、ライン全体を管理する管理装置80などを備える。部品実装システム10では、印刷機12と印刷検査機14と複数の部品実装機20とが、この順番で基板の搬送方向(X方向)に並べて設置されている。また、フィーダ保管庫60は、部品実装システム10のライン内に組み込まれており、複数の部品実装機20のうち基板の搬送方向の最も上流側の部品実装機20と印刷検査機14との間に設置されている。即ち、フィーダ保管庫60は、最も上流側の部品実装機20よりも上流位置に設置されている。本実施形態では、作業者がフィーダ保管庫60にフィーダ30を補給したり、フィーダ保管庫60からフィーダ30を回収したりする。フィーダ保管庫60に対するフィーダ30の補給や回収を、フィーダ30の搬入出ともいう。
また、部品実装システム10は、複数の部品実装機20とフィーダ保管庫60との間でフィーダ30の自動交換を行う第1交換ロボット46と、複数の部品実装機の間でフィーダ30の自動交換を行う第2交換ロボット50と、を備える。第1交換ロボット46及び第2交換ロボット50は、複数の部品実装機20の前面およびフィーダ保管庫60の前面に基板の搬送方向(X方向)に対して平行に設けられたX軸レール18に沿って移動可能となっている。なお、図2や図5では、X軸レール18の図示を省略した。
部品実装機20は、図2に示すように、基板SをX方向に搬送する基板搬送装置21と、フィーダ30が供給した部品を吸着する吸着ノズルを有するヘッド22と、ヘッド22をXY方向に移動させるヘッド移動機構23と、装置全体を制御する実装制御装置28(図6参照)とを備える。実装制御装置28は、周知のCPUやROM、RAMなどで構成され、基板搬送装置21やヘッド22、ヘッド移動機構23などに駆動信号を出力する。
フィーダ30は、部品を所定ピッチで収容するテープを送り出すテープフィーダとして構成されている。フィーダ30は、図3に示すように、テープが巻回されたテープリール32と、テープリール32からテープを引き出して送り出すテープ送り機構33と、突出する2本の位置決めピン34を有するコネクタ35と、下端に設けられたレール部材37と、フィーダ全体の制御を行うフィーダ制御装置39(図6参照)と、を備える。フィーダ制御装置39は、周知のCPUやROM、RAMなどで構成され、テープ送り機構33に駆動信号を出力する。また、フィーダ制御装置39は、コネクタ35を介してフィーダ30の取り付け先の制御部(実装制御装置28や管理装置80など)と通信可能となっている。
部品実装機20は、図2に示すように、前方にフィーダ30を取り付け可能な上下2つのエリアを有する。上のエリアはフィーダ30が部品を供給可能な部品供給エリア20Aであり、下のエリアはフィーダ30をストック可能なストックエリア20Bである。供給エリア20Aとストックエリア20Bには、それぞれ複数のフィーダ30が取り付けられるフィーダ台40が設けられる。フィーダ台40は、側面視がL字状の台であり、フィーダ30のレール部材37が挿入可能な間隔でX方向に複数配列されたスロット42と、フィーダ30の2本の位置決めピン34が挿入可能な2つの位置決め穴44と、2つの位置決め穴44の間に設けられコネクタ35が接続されるコネクタ45とを備える。
また、部品実装機20は、フィーダ30が部品を供給した後のテープを下方へ送るテープダクト24と、テープダクト24を通過したテープを細かく切断するテープカッタ25と、テープカッタ25により切断された廃テープが落下するテープシュート26と、テープシュート26の下方に配置された廃テープ搬送装置27とを備える。本実施形態の廃テープ搬送装置27は、X方向の右側から左側に向かってコンベアベルトにより廃テープを搬送するベルトコンベア装置として構成されている。廃テープ搬送装置27は、コンベアベルトがX方向の右側から左側に向かって上り勾配となるよう傾いた状態で固定される。また、廃テープ搬送装置27は、部品実装機20の左側からコンベアベルトの左端部がはみ出て、左側(搬送方向上流側)に隣接する部品実装機20の廃テープ搬送装置27(コンベアベルト)の右端部の上方に位置するように、部品実装機20のX方向の幅を超える長さとなっている。このため、隣接する部品実装機20の廃テープ搬送装置27は、互いにオーバーラップして廃テープを受け渡し可能となり、各部品実装機20の廃テープ搬送装置27が基板Sの搬送方向と逆方向に一の廃テープ搬送ラインを構成するものとなる。
複数の部品実装機の間でフィーダ30の自動交換を行う
第2交換ロボット50は、図4に示すように、X軸レール18に沿って第2交換ロボット50を移動させるロボット移動機構51と、フィーダ30を複数の部品実装機20の間で移載するフィーダ移載機構53と、ロボット全体を制御するロボット制御装置59(図6参照)とを備える。ロボット移動機構51は、第2交換ロボット50を移動させるための駆動用ベルトを駆動するサーボモータなどのX軸モータ52aと、X軸レール18に沿った第2交換ロボット50の移動をガイドするガイドローラ52bなどを備える。フィーダ移載機構53は、フィーダ30をクランプするクランプ部54およびクランプ部54をY軸ガイドレール55bに沿って移動させるY軸モータ55aを搭載するY軸スライダ55と、Y軸スライダ55をZ軸ガイドレール56bに沿って移動させるZ軸モータ56aとを備える。第2交換ロボット50は、この他に、X方向の移動位置を検出するエンコーダ57(図6参照)を備える。
第2交換ロボット50のY軸スライダ55は、Z軸モータ56aの駆動により部品実装機20の供給エリア20Aに対向する上部移載エリア50Aと、部品実装機20のストックエリア20Bに対向する下部移載エリア50Bとを移動する。ロボット制御装置59は、クランプ部54によりフィーダ30をクランプしているY軸スライダ55を、Y軸モータ55aの駆動により上部移載エリア50Aから供給エリア20Aに移動させてフィーダ30のレール部材37をフィーダ台40のスロット42に挿入させ、クランプ部54のクランプを解除することにより、フィーダ30を供給エリア20Aのフィーダ台40に取り付ける。また、ロボット制御装置59は、供給エリア20Aのフィーダ台40に取り付けられているフィーダ30をクランプ部54によりクランプして、Y軸モータ55aの駆動によりY軸スライダ55を供給エリア20Aから上部移載エリア50Aに移動させることにより、フィーダ30を供給エリア20Aのフィーダ台40から取り外す(上部移載エリア50Aに引き込む)。ロボット制御装置59は、ストックエリア20Bのフィーダ台40へのフィーダ30の取り付けやストックエリア20Bのフィーダ台40からのフィーダ30の取り外しは、Z軸モータ56aの駆動によりY軸スライダ55を下部移載エリア50Bに移動させて、上部移載エリア50Aに代えて下部移載エリア50Bで行う以外は同様の処理を行うため、説明は省略する。
第1交換ロボット46は、第2交換ロボット50とほぼ同様の構成であるが、Y軸スライダ55が上下方向(Z軸方向)に昇降しないため、Z軸モータ56aやZ軸ガイドレール56bは備えない構成となっている。
フィーダ保管庫60は、図5に示すように、筐体61の前方右側の下部にフィーダ30を取り付け可能な保管エリア60Aを有する。保管エリア60Aは、部品実装機20の供給エリア20Aやストックエリア20Bに設けられるフィーダ台40と同じ構成のフィーダ台40が設けられる。また、保管エリア60Aのフィーダ台40は、ストックエリア20Bのフィーダ台40と同じ高さ(Z方向高さ)に設けられる。このため、第1交換ロボット46のロボット制御装置59は、クランプ部54によりフィーダ30をクランプしているY軸スライダ55を、Y軸モータ55aの駆動により下部移載エリア50Bから保管エリア60Aに移動させてフィーダ30のレール部材37をフィーダ台40のスロット42に挿入させ、クランプ部54のクランプを解除することにより、フィーダ30を保管エリア60Aのフィーダ台40に取り付けることができる。なお、ここでいう同じ高さ(Z方向高さ)とは、Z軸(昇降)機構を備えない第1交換ロボット46が、保管エリア60Aのフィーダ台40とストックエリア20Bのフィーダ台40との間で、フィーダ30が交換可能な高さであればよく、厳密に同じ高さでなくてもよい。
ロボット制御装置59は、保管エリア60Aのフィーダ台40に取り付けられているフィーダ30をクランプ部54によりクランプして、Y軸モータ55aの駆動によりY軸スライダ55を保管エリア60Aから下部移載エリア50Bに移動させることにより、フィーダ30を保管エリア60Aのフィーダ台40から取り外す(下部移載エリア50Bに引き込む)ことができる。即ち、第1交換ロボット46は、部品実装機20のストックエリア20Bのフィーダ台40にフィーダ30を着脱するのと同じ動作で、フィーダ保管庫60の保管エリア60Aのフィーダ台40にフィーダ30を着脱することができる。なお、フィーダ保管庫60の保管エリア60Aと部品実装機20のストックエリア20Bには、いずれも使用中でない(部品供給中でない)フィーダ30を収納可能である。例えば、ストックエリア20Bは、残り部品があるフィーダ30や使用予定時期が比較的近いフィーダ30を収納し、保管エリア60Aは、残り部品がない使用済みのフィーダ30を収納するものなどとすることができる。
フィーダ保管庫60は、筐体61の後方上部に、基板SをX方向に搬送する基板搬送装置62を備える。この基板搬送装置62は、印刷検査機14の図示しない基板搬送装置および隣接する部品実装機20の基板搬送装置21と、前後方向および上下方向の位置が同じ位置となっている。このため、基板搬送装置62は、印刷検査機14の基板搬送装置から受け取った基板Sを搬送して隣接する部品実装機20の基板搬送装置21に受け渡すことが可能となっている。
フィーダ保管庫60の筐体61の後方下部の下部スペース63Aには、廃テープ搬送ラインにより搬送された廃テープを回収する回収容器64が配置されている。前述したように、各部品実装機20の廃テープ搬送装置27は各部品実装機20の左側から左端部がはみ出るから、フィーダ保管庫60に隣接する部品実装機20の廃テープ搬送装置27も左側がはみ出て筐体61内に侵入することになる。回収容器64は、筐体61内に侵入した廃テープ搬送装置27の左端部の下方に配置されることで、廃テープを回収可能となっている。回収容器64は筐体61の後方から出し入れ可能に構成されている。
フィーダ保管庫60の筐体61の前方左側には、下部に直方体状に開口した収納部65Aが形成され、上部に水平面を有する置き台65Bが形成されている。収納部65Aは、管理装置80の本体よりも一回り大きなサイズに形成され、図1に示すように、管理装置80の本体が収納される。また、上部の置き台65Bには、図1に示すように、ディスプレイ82と入力デバイス84とが載置される。このように、フィーダ保管庫60の設置スペースは、回収容器64や管理装置80の配置スペースとしても利用される。
管理装置80は、図6に示すように、周知のCPU80aやROM80b、HDD80c、RAM80dなどで構成され、LCDなどのディスプレイ82と、キーボードやマウスなどの入力デバイス84とを備える。管理装置80は、基板Sの生産プログラムなどを記憶している。基板Sの生産プログラムは、どの基板Sにどの部品を実装するか、また、そのように実装した基板Sを何枚作製するかなどを定めたプログラムをいう。管理装置80は、実装制御装置28と有線により通信可能に接続されると共にロボット制御装置59と無線により通信可能に接続される他、印刷機12や印刷検査機14、実装検査機の各制御装置と通信可能に接続される。管理装置80は、実装制御装置28から部品実装機20の実装状況に関する情報を受信したり、ロボット制御装置59から第1交換ロボット46、第2交換ロボット50の駆動状況に関する情報を受信したりする。また、本実施形態の管理装置80は、フィーダ保管庫60の管理も行う。管理装置80は、保管エリア60Aのフィーダ台40に取り付けられたフィーダ30のフィーダ制御装置39とコネクタ35,45を介して通信可能に接続される。また、管理装置80は、フィーダ保管庫60の基板搬送装置62に駆動信号を出力して基板搬送装置62に基板Sを搬送させる。また、管理装置80は、保管庫前範囲11a内の作業者の存在を監視する赤外線センサなどの保管庫前監視センサ86からの検知信号が入力される。
以下は、部品実装システム10の管理装置80が行う処理の説明である。図7は保管エリア情報更新処理の一例を示すフローチャートである。なお、保管エリア情報は、保管エリア60Aのフィーダ台40にセットされているフィーダ30の取り付け位置やID情報、収容部品に関する情報でありHDD80cに記憶される。保管エリア情報更新処理では、管理装置80のCPU80aは、まず、保管エリア60Aのフィーダ台40にフィーダ30が新たに取り付けられたか否かを判定する(S100)。CPU80aは、フィーダ30が新たに取り付けられたと判定すると、取り付けられたコネクタ45の位置に基づいて取り付け位置の位置情報を取得すると共に(S105)、取り付けられたフィーダ30のフィーダ制御装置39からフィーダ30のID情報や収容されている部品種や部品量などのフィーダ情報を取得する(S110)。そして、CPU80aは、位置情報に対応付けてフィーダ情報を登録することで保管エリア情報を更新して(S115)、次のS120の処理に進む。また、CPU80aは、S100でフィーダ30が新たに取り付けられてないと判定すると、S105〜S115の処理をスキップして、次のS120の処理に進む。
次に、管理装置80のCPU80aは、保管エリア60Aのフィーダ台40からフィーダ30が取り外されたか否かを判定し(S120)、フィーダ30が取り外されてないと判定すると、保管エリア情報更新処理を終了する。一方、CPU80aは、フィーダ30が取り外されたと判定すると、取り外されたコネクタ45の位置に基づいて取外位置の位置情報を取得すると共に(S125)、位置情報に対応付けられたフィーダ情報を削除することで保管エリア情報を更新して(S130)、保管エリア情報更新処理を終了する。
ここで、図8は保管エリア情報の一例を示す説明図である。保管エリア情報には、フィーダ30の取り付位置の位置情報に対応付けて、フィーダ30のID情報や部品種の情報、部品量の情報などが記憶される。なお、位置情報は、フィーダ台40の複数のスロット42のうち基準スロット(例えば左端のスロット42)を先頭位置「001」として順に定められている。図8の例では、位置情報が「001」や「002」の位置には、部品種が「A−001」で部品量が「Full」(作業者が補給してから未使用)のフィーダ30が取り付けられていることを示す。また、位置情報が「003」の位置には、フィーダ30が取り付けられていないことを示す。また、位置情報が「004」や「005」の位置には、部品種が「B−005」で部品量が「Empty」(既に部品実装機20で使用済み)のフィーダ30が取り付けられていることを示す。「Empty」のフィーダ30が予め決められた数を超えると、作業者に対し、音声で報知される。なお、保管エリア情報は、部品量に「Full」か「Empty」かを記憶するものに限られず、部品の残数の値を記憶するものなどとしてもよい。また、管理装置80は、作業者の要求に基づいてディスプレイ82に保管エリア情報を視認可能に表示してもよい。なお、各部品実装機20の実装制御装置28は、保管エリア情報と同様に、供給エリア20A内の位置情報とフィーダ情報とを対応付けた供給エリア情報やストックエリア20B内の位置情報とフィーダ情報とを対応付けたストックエリア情報を記憶する。
図9はフィーダ交換処理1の一例を示すフローチャートである。この処理は、フィーダ保管庫60の保管エリア60A内のフィーダ30と、部品実装機20のストックエリア20B内のフィーダ30とを交換する場合に実行される。フィーダ30の交換は、管理装置80が基板Sの生産プログラムに基づいて、次の実装処理に必要な部品を収容したフィーダ30を、第1保管エリア60Aから取り外して各部品実装機20のストックエリア20Bに取り付けることにより行われる。フィーダ30の交換処理は、フィーダ保管庫60(保管エリア60A)でフィーダ30を着脱する場合と、部品実装機20のストックエリア20Bでフィーダ30を着脱する場合とがある。
フィーダ交換処理では、管理装置80のCPU80aは、まず、フィーダ保管庫60(保管エリア60A)でフィーダ30を着脱する着脱タイミングであるか否かを判定し(S200)、着脱タイミングでないと判定すると次のS225の処理に進む。一方、CPU80aは、着脱タイミングであると判定すると、保管エリア情報に基づいてフィーダ30を着脱する位置である処理対象位置を設定する(S205)。また、CPU80aは、その処理対象位置でフィーダ30を着脱するために第1交換ロボット46が移動すべき位置を目標位置に設定する(S210)。例えば、フィーダ保管庫60(保管エリア60A)のフィーダ30を取り外す場合、そのフィーダ30が取り付けられているスロット42の位置(取り付け位置)が処理対象位置となり、その処理対象位置からフィーダ30の取り外しが可能となる第1交換ロボット46の位置が目標位置となる。また、使用済みのフィーダ30をフィーダ保管庫60(保管エリア60A)に取り付ける場合、そのフィーダ30を取り付け可能な空きスロット42の位置が処理対象位置となり、その処理対象位置でフィーダ30の取り付けが可能となる第1交換ロボット46の位置が目標位置となる。CPU80aは、目標位置を設定すると、第1交換ロボット46を目標位置に移動させる第1交換ロボット移動処理を実行し(S215)、目標位置で第1交換ロボット46を駆動制御してフィーダ保管庫60(保管エリア60A)の処理対象位置に対するフィーダ30の着脱処理を行って(S220)、次のS225の処理に進む。
次に、CPU80aは、部品実装機20のストックエリア20Bでフィーダ30を着脱する着脱タイミングであるか否かを判定し(S225)、着脱タイミングでないと判定するとフィーダ交換処理を終了する。一方、CPU80aは、着脱タイミングであると判定すると、処理対象の部品実装機20を特定し(S230)、特定した部品実装機20の供給エリア情報やストックエリア情報に基づいて処理対象位置を設定すると共に(S235)、第1交換ロボット46の目標位置を設定する(S240)。例えば、部品実装機20のストックエリア20Bのフィーダ30を取り外す場合、そのフィーダ30が取り付けられているスロット42の位置(取り付け位置)が処理対象位置となり、その処理対象位置でフィーダ30の取り外しが可能となる第1交換ロボット46の位置が目標位置となる。また、フィーダ30を部品実装機20のストックエリア20Bに取り付ける場合、そのフィーダ30を取り付け可能な空きスロット42の位置が処理対象位置となり、その処理対象位置でフィーダ30の取り付けが可能となる第1交換ロボット46の位置が目標位置となる。CPU80aは、目標位置を設定すると、第1交換ロボット46を目標位置に移動させる交換ロボット移動処理を実行し(S245)、目標位置で第1交換ロボット46を駆動制御して部品実装機20のストックエリア20Bの処理対象位置に対するフィーダ30の着脱処理を行って(S250)、フィーダ交換処理を終了する。
図10はフィーダ交換処理2の一例を示すフローチャートである。この処理は、部品実装機20の供給エリア20A内のフィーダ30と、ストックエリア20B内のフィーダ30とを交換する場合に実行される。フィーダ30の交換は、管理装置80が基板Sの生産プログラムに基づいて、次の実装処理に必要な部品を収容したフィーダ30を、ストックエリア20Bから取り外して各部品実装機20の供給エリア20Aに取り付けることにより行われる。フィーダ30の交換処理は、供給エリア20Aでフィーダ30を着脱する場合と、ストックエリア20Bでフィーダ30を着脱する場合とがある。
CPU80aは、部品実装機20の供給エリア20A(ストックエリア20B)でフィーダ30を着脱する着脱タイミングであるか否かを判定し(S255)、着脱タイミングでないと判定するとフィーダ交換処理を終了する。一方、CPU80aは、着脱タイミングであると判定すると、処理対象の部品実装機20を特定し(S260)、特定した部品実装機20の供給エリア情報やストックエリア情報に基づいて処理対象位置を設定すると共に(S265)、第2交換ロボット50の目標位置を設定する(S270)。例えば、部品実装機20の供給エリア20A(ストックエリア20B)のフィーダ30を取り外す場合、そのフィーダ30が取り付けられているスロット42の位置(取り付け位置)が処理対象位置となり、その処理対象位置でフィーダ30の取り外しが可能となる第2交換ロボット50の位置が目標位置となる。また、フィーダ30を部品実装機20のストックエリア20B(供給エリア20A)に取り付ける場合、そのフィーダ30を取り付け可能な空きスロット42の位置が処理対象位置となり、その処理対象位置でフィーダ30の取り付けが可能となる第2交換ロボット50の位置が目標位置となる。CPU80aは、目標位置を設定すると、第2交換ロボット50を目標位置に移動させる交換ロボット移動処理を実行し(S275)、目標位置で第2交換ロボット50を駆動制御して部品実装機20のストックエリア20B(供給エリア20A)の処理対象位置に対するフィーダ30の着脱処理を行って(S280)、フィーダ交換処理を終了する。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のフィーダ30が部品供給ユニットに相当し、部品実装機20が部品実装機に相当し、部品実装システム10が部品実装システムに相当し、フィーダ保管庫60がユニット保管庫に相当し、第1交換ロボット46が第1ユニット交換装置に相当し、第2交換ロボット50が第2ユニット交換装置に相当し、供給エリア20Aが吸着作業エリアに相当し、ストックエリア20Bが部品供給ユニットストックエリアに相当する。
以上説明した部品実装システム10は、基板の搬送方向に沿って並んだ複数の部品実装機20と、部品実装機20に着脱可能なフィーダ30を複数保管するフィーダ保管庫60と、フィーダ保管庫60と各部品実装機20との間でフィーダ30を交換可能な第1交換ロボット46と、部品実装機20の供給エリア20Aとストックエリア20Bとの間でフィーダ30を交換可能な第2交換ロボット50とを備え、フィーダ保管庫60が複数の部品実装機20と同じ並びに設置されており、第1交換ロボット46及び第2交換ロボット50が基板の搬送方向に沿って移動してフィーダ30を並行して交換できる。これにより、部品供給ユニット交換作業が集中する場合においても、生産効率の低下を防止可能な部品実装システムを得ることができる。
また、本実施形態の部品実装システム10は、ストックエリア20Bのフィーダ30保持高さが、フィーダ保管庫60のフィーダ30保持高さと同じであるため、第1交換ロボット46のZ軸(昇降)機構を省くことができ、コストを抑えた部品実装システムを得ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、フィーダ保管庫60のフィーダ30保持高さとストックエリア20Bのフィーダ30保持高さを同じにしたが、フィーダ保管庫60のフィーダ30保持高さと供給エリア20Aのフィーダ30保持高さを同じにしてもよい。
また、上述した実施形態では、第1交換ロボット46がフィーダ保管庫60とストックエリア20Bとの間でフィーダ30を交換可能としたが、第1交換ロボット46を第2交換ロボット50と同じ構成とし、第1交換ロボット46がフィーダ保管庫60と供給エリア20Aとストックエリア20Bとの間でフィーダ30を交換可能とするようにしてもよい。