JP6884631B2 - パッチパネル - Google Patents

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Description

本発明は、情報配線システムにおいて、電気又は光通信用のSCアダプタやLCアダプタ、電話用モジュラアダプタ等を含む各種のアダプタを適宜組み合わせて実装するパッチパネルに関するものである。
従来、オフィスや工場等において、音声信号、LAN等のディジタル信号、画像信号といった様々な情報を伝達するために、ツイストペアケーブルを用いた情報配線システムが広く用いられている。因みに、シールドが施されていないツイストペアケーブルをUTP(アンシールデッドツイステッドペアー)ケーブルと称し、電話線やイーサネット(登録商標)などのほか、特に取り回しが簡単で安価なため、高速伝送を求められないイーサネット(登録商標)のLAN用途に標準的に使用されている。このような情報配線システムでは、オフィスのレイアウト変更等の理由により情報配線の変更が必要となる場合に備えて、パッチパネルと称するネットワークの配線作業を支援するための中継端子盤が用いられている。
具体的には特許文献1に示す電話用のモジュラジャックを実装するパッチパネルが公知である。このパッチパネルは、モジュラプラグが着脱自在に接続される6個のモジュラジャックを一列に並べて保持する取付枠(保持部材たるカバー)を4個の一列に並べて(モジュラジャックが合計24個)パネルに取り付けられ、このパネルはラック等の被固定部位に取り付けられることで構成されている。
モジュラジャックが取り付けられた取付枠をパネルに取り付ける場合には、先ず取付枠を斜めにして、パネルに形成されている窓孔に前面側から挿入し、取付枠の下縁部内側に形成されている当接片に突設された突起をパネルの貫通孔に差し込むと、取付枠前面と突起との間の溝に貫通孔の開口縁が挟持される。その後、貫通孔の開口縁を軸として取付枠上部をパネルの窓孔に挿入すると、取付枠の上縁部内側に向けて形成されている係止片の先端上面に突設された嵌合爪と、パネルの開口縁とが当接して、係止片が下方に押し撓められ、嵌合爪が開口縁を乗り越えて開口縁の背面側と係止し、パネルの窓孔に固定される。
一方、取付枠をパネルから取り外す際は、取付枠前面に形成された工具挿入溝とパネルに設けた凹部との間にマイナスドライバなどの工具の先端を差し込んで、係止片に下方への力を加えることにより、嵌合爪と開口縁との嵌合状態を解除し、取付枠をパネルから取り外す。
特許第3482907号公報
しかしながら、前記した特許文献1によれば、取付枠の前面に形成された工具挿入溝とパネルに設けた凹部との間の隙間は非常に狭いため、指先で抉じ開けることが不可能であるばかりでなく、マイナスドライバなどの工具の先端を隙間に差し込んで取付枠をパネルから取り外すのは非常に面倒である。例えば、パネルが上下方向に複数段となってラック等の被固定部位に実装されている場合には、多数の狭い隙間に工具を差し込んで取付枠をパネルから取り外すのは手間と時間が掛かり作業性が悪いという問題があった。
しかも、取付枠の係止片に下方へ無理やり力を加えると、この係止片が折損することもあり、さらに工具を差し込み抉じ開けることによって、取付枠前面に形成された工具挿入溝とパネルに設けた凹部との間の隙間から周囲に亀裂損傷を生じる虞もあった。
そこで、本発明は、叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、パネルからの取付枠の取り外しに際し、パネルと取付枠を損傷させることなく、指先を使うか、あるいはマイナスドライバなどの工具を使って、取付枠をパネル前面側から容易且つスムーズに取り外すことができる使い勝手の良いパッチパネルを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明にあっては、電気又は光通信用のSCアダプタやLCアダプタ、電話用モジュラアダプタ等を含む各種のアダプタを適宜組み合わせて実装する複数の取付枠をパネルの前面側から窓孔を介して挿入可能に形成したパッチパネルであって、4ポート仕様の取付枠(4ポート枠)と、6ポート仕様の取付枠(6ポート枠)との2種のポート枠からなる取付枠が前記複数の窓孔に合計24ポートとなるよう混載可能に形成され、
前記取付枠の上縁端内側に形成された複数のリブ相互間にパネルの窓孔の上側開口縁の部位に形成された突起部が係脱する係止凹部を備えるとともに、
取付枠の下縁端中央に形成された切欠部と、
取付枠の下縁端内側に両端が固定された状態で前記切欠部の内側を跨ぐように横架され且つ中央部が上下方向に撓曲自在となした弾性を有する被係止部と、
パネルの窓孔の下側開口縁に係止されるよう被係止部の下面に突設された係止爪とを備え、
前記切欠部を介して被係止部の中央部を上方に撓ませることでパネルの窓孔の下側開口縁による前記係止爪の係止を解除するものとしたことを特徴とする。
前記係止爪の先端にはテーパ面が形成され、前記パネルの窓孔の下側開口縁にテーパ面を当接させた状態で取付枠の下部を押し込むことで、被係止部の中央部が上方に撓曲しつつ窓孔の下側開口縁がテーパ面に沿って移動することにより、前記窓孔の下側開口縁に係止爪が係止するものとしてある。
本発明によれば、パネルと取付枠を損傷させることなく、指先を使うか、あるいはマイナスドライバなどの工具を使って、取付枠をパネル前面側から容易且つスムーズに取り外すことができるものである。
すなわち、本発明は、電気又は光通信用のSCアダプタやLCアダプタ、電話用モジュラアダプタ等を含む各種のアダプタを適宜組み合わせて実装する複数の取付枠をパネルの前面側から窓孔を介して挿入可能に形成したパッチパネルであって、4ポート仕様の取付枠(4ポート枠)と、6ポート仕様の取付枠(6ポート枠)との2種のポート枠からなる取付枠が前記複数の窓孔に合計24ポートとなるよう混載可能に形成されているので、パネルの窓孔横1列に6ポート仕様の取付枠(6ポート枠)を2個、4ポート仕様の取付枠(4ポート枠)を3個を並べて配置することができ、また、6ポート仕様の取付枠(6ポート枠)だけを使用する場合には、この取付枠(6ポート枠)の4個をパネルの窓孔に一列となって取り付け、さらに、4ポート仕様の取付枠(4ポート枠)だけを使用する場合には、この取付枠(4ポート枠)の6個をパネルの窓孔に一列となって取り付ける等々、互いに異なるポート仕様の取付枠が適宜数、配列にてパネルの窓孔に混載された状態で各窓孔を塞ぐことができる。
一方、本発明では、取付枠が下縁側中央に形成された切欠部を介して被係止部の中央部を上方に撓ませることでパネルの窓孔の下側開口縁による係止爪の係止を解除することから、各種のアダプタにコード付きプラグを接続したたままの取付枠をパネル前面側から容易且つスムーズに取り外すことができる。
また、前記係止爪の先端にはテーパ面が形成され、パネルの窓孔の下側開口縁にテーパ面を当接させた状態で取付枠の下部を押し込むことで、被係止部の中央部が上方に撓曲しつつ窓孔の下側開口縁がテーパ面に沿って移動することにより、窓孔の下側開口縁に係止爪が係止するものとしたので、各種のアダプタにコード付きプラグを接続したたままの取付枠をパネル前面側から窓孔に容易に装着することができる。
本発明を実施するための一形態におけるパッチパネルの一部の取付枠と各種アダプタを分解した状態を示す斜視図である。 各種アダプタを取り付けてなる4ポートと6ポートの取付枠を組み合わせて実装したパッチパネルの斜視図である。 各種アダプタを取り付けてなる4ポートと6ポートの取付枠を組み合わせて実装したパッチパネルの一例を示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。 パネルから取付枠を取り外す手順を示すもので、(a)はロック状態にある図3(a)のA−A断面図、(b)はロック押し上げ状態にある図3(a)のA−A断面図、(c)はロック解除状態にある図3(a)のA−A断面図、(d)はロック状態にある図3(a)のB−B断面図である。 各種アダプタを取り付けてなる4ポートと6ポートの取付枠を組み合わせて実装したパッチパネルを上下2段に配した状態の正面図である。 取付枠が実装されるパネルの一例を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は側面図である。 取付枠が実装されるパネルの他の例を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は側面図である。 6ポートの取付枠の一例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は背面図、(e)は側面図である。 同じく6ポートの取付枠の一例を示し、(a)は前方の斜め上方から視た斜視図、(b)は後方の斜め上方から視た斜視図、(c)は後方の斜め下方から視た斜視図である。 4ポートの取付枠の一例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は背面図、(e)は側面図である。 同じく4ポートの取付枠の一例を示し、(a)は前方の斜め上方から視た斜視図、(b)は後方の斜め上方から視た斜視図、(c)は後方の斜め下方から視た斜視図である。 各種アダプタを取り外した状態の4ポートと6ポートの取付枠を組み合わせて実装したパッチパネルの斜視図である。 各種アダプタを取り外した状態の複数の6ポートの取付枠を実装したパッチパネルの斜視図である。 各種アダプタを取り外した状態の複数の4ポートの取付枠を実装したパッチパネルの斜視図である。 取付枠に実装されるSCアダプタ用のアタッチメントの一例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は側面図、(e)は背面図、(f)は後方の斜め上方から視た斜視図、(g)は後方の斜め下方から視た斜視図である。 アタッチメントにSCアダプタを装着した状態を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は側面図、(e)は背面図、(f)は前方の斜め上方から視た斜視図、(g)は前方の斜め下方から視た斜視図、(h)は後方の斜め上方から視た斜視図、(i)は後方の斜め下方から視た斜視図である。 取付枠に実装されるLCアダプタ用のアタッチメントの一例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は側面図、(e)は背面図、(f)は後方の斜め上方から視た斜視図、(g)は後方の斜め下方から視た斜視図である。 アタッチメントにLCアダプタを装着した状態を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は側面図、(e)は背面図、(f)は前方の斜め上方から視た斜視図、(g)は前方の斜め下方から視た斜視図、(h)は後方の斜め上方から視た斜視図、(i)は後方の斜め下方から視た斜視図である。 アタッチメントに電話用モジュラアダプタを装着した状態を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は側面図、(e)は背面図、(f)は前方の斜め上方から視た斜視図、(g)は前方の斜め下方から視た斜視図、(h)は後方の斜め上方から視た斜視図である。 取付枠のアダプタが装着されていない部位に取り付けられるダミーキャップの一例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は背面図、(e)は前方の斜め上方から視た斜視図、(f)は前方の斜め下方から視た斜視図である。
以下、図面を参照して本発明に係るパッチパネルの実施の一形態を詳細に説明する。
<パッチパネルの外観構成>
本実施形態におけるパッチパネルは、図1に示すように、プラグ(図示せず)が着脱自在に接続される電気又は光通信用のLCアダプタQ1やSCアダプタQ2、電話用モジュラアダプタQ3を含む各種のアダプタを保持する複数の取付枠1A、1Bを一列に並べて、プラグの接続ポートが合計24個となるようにパネル11に取り付けられ、このパネル11は不図示のラック等の被固定部位に取り付けられることで構成される。
<パネルの構成>
パネル11は、図1、図6に示すように、前面が略矩形状で且つ側面で略コの字形状に形成されており、パネル11前面の長手方向における両端部は、パネル11をラック等の被固定部位にねじ止めするための取付ネジを挿通する一対の長孔13Aがそれぞれ穿設された支持部13となっている。また、パネル11の内側には、略矩形状の窓孔12が形成されており、そこには互いに異なるポート仕様の取付枠1A、1Bが横一列となって適宜数、配列にて混載された状態で塞がれる。なお、取付枠1A、1Bの前面には、後述する各種のアダプタQ1、Q2、Q3が取り付けられる開口枠2の位置に対応して、テプラナンバーリングNが上下に付設されている。また、パネル11の中央には補強のための仕切部14が設けられているが、この仕切部14はパネル11の強度が十分で必要なければ切除してもよい。
また、図7に示すように、パネル11の他の例として、一対の長孔13Aがそれぞれ穿設された支持板部13を、パネル11前面の長手方向における両端部から前方に延びた連結板15を介して形成しても良い。これにより、パネル11をラック等の被固定部位に取り付けた際には、パネル11前面に脆弱なプラグとコード(例えば光コネクタプラグのブーツ部分)との接続部分の過度な曲げに対する保護スペースが確保される。
<取付枠の配置構成>
本実施形態では、図1乃至図3、図5、図12に示すように、互いに異なるポート仕様の取付枠1A、1Bをパネル11の窓孔12に混載させている。すなわち、図8及び図9に示す6ポート仕様の取付枠(6ポート枠)1Aと、図10及び図11に示す4ポート仕様の取付枠(4ポート枠)1Bと、の2種のポート枠を用意してあり、パネル11は、図12に示すように、4ポート仕様の取付枠(4ポート枠)1Bを3個と、6ポート仕様の取付枠(6ポート枠)1Aを2個とをパネル11の窓孔12に適宜の配列にて混載させることで、合計24ポートを有するものとしている。
具体的には、図1乃至図3に示すように、パネル11の窓孔12に前方から視て左側から右側に沿って横1列に6ポート仕様の取付枠(6ポート枠)1Aを2個、4ポート仕様の取付枠(4ポート枠)1Bを3個を並べて配置する。
また、図13に示すように、6ポート仕様の取付枠(6ポート枠)1Aだけを使用する場合には、この取付枠(6ポート枠)1Aの4個がパネル11の窓孔12に一列となって取り付けられる。
更に、図14に示すように、4ポート仕様の取付枠(4ポート枠)1Bだけを使用する場合には、この取付枠(4ポート枠)1Bの6個がパネル11の窓孔12に一列となって取り付けられる。
<パネルに対する取付枠の脱着構造>
複数の取付枠1A、1Bは、パネル11の前面側から窓孔12を介して挿入される。すなわち、図4、図8乃至図11に示すように、取付枠1A、1Bの上縁端内側には複数のリブ3が形成され、これらリブ3相互間には、窓孔12の上側開口縁の部位に下方に向けて形成された幅広舌片状の突起部4が係脱する横長矩形凹状の係止凹部5を備えている。
また、図1、図2、図3(a)、図4(a)〜(c)、図5、図8(b)〜(d)、図9(a)〜(c)、図10(b)〜(d)、図11(a)〜(c)、図12、図13、図14に示すように、取付枠1A、1Bの下縁端中央には、図1に示す手指Hの例えば親指腹部側を上方に向けて若干差し込めることができる程度、あるいはマイナスドライバ等の工具Dを差し込める程度の縦横幅に十分な広さを有する略台形状の切欠部6が形成されている。
そして、図3(a)、図5、図8(b)〜(d)、図9(c)、図10(b)〜(d)、図11(c)に示すように、取付枠1A、1Bの下縁端内側には、切欠部6の内側を跨ぐようにして、弾性を有する横長板状の被係止部7が、その両端が取付枠1A、1Bに固定された状態で横架されている。
さらに、図4、図8(c)〜(d)、図9(c)、図10(b)〜(e)、図11(c)に示すように、被係止部7の下面には、先端がテーパ面8Aとなった係止爪8が形成されており、パネル11の窓孔12の下側開口縁にテーパ面8Aを当接させた状態で取付枠1A、1Bの下部を押し込むことで、被係止部7の中央部が上方に撓曲しつつ窓孔12の下側開口縁がテーパ面8Aに沿って移動することにより、窓孔12の下側開口縁に係止爪8が係止するものとしてある。
また、前記取付枠1A、1Bの下縁中央に形成された切欠部6を介して被係止部7の中央部を手指Hの例えば親指腹部側で上方に撓ませるか、あるいは切欠部6にマイナスドライバ等の工具Dを差し込んで被係止部7の中央部を上方に撓ませるか、等することでパネル11の窓孔12の下側開口縁による係止爪8の係止が解除され、窓孔12から取付枠1A、1Bを取り外せるものとしてある。
而して、図5に示すように、パネル11が上下方向に複数段となってラック等の被固定部位に実装されている場合であっても、上下のパネル11の取付枠1A、1B相互間に、切欠部6によって手指Hやマイナスドライバ等の工具Dが容易に差し込める十分な隙間が形成されるため、この隙間を介して被係止部7の中央部を容易に上方に撓曲させることができ、これによって、窓孔12から取付枠1A、1Bが容易且つスムーズに取り外せることとなる。
<LCアダプタQ1の構造>
LCアダプタQ1は、図18に示すように、双方向から光コネクタプラグが受け入れ可能となっている両端開口の一体構造によるハウジング41を備え、ハウジング41の一方の嵌合部には、斜め配置で当該嵌合部を閉鎖するためのシャッタ板42が内側で開閉可能となるように配置されている。
<SCアダプタQ2の構造>
SCアダプタQ2は、図16に示すように、ハウジング51の両端に、光学軸が一致するように光コネクタの嵌合部と、光コネクタその他の光学部品の嵌合部とをそれぞれ備え、前記ハウジング51の光コネクタの嵌合部に、斜め配置で前記嵌合部を閉鎖するシャッタ板52と、このシャッタ板52を閉鎖方向へ付勢する板バネ(図示せず)とを配設し、前記ハウジング51の嵌合部に光コネクタを嵌合させることによって前記シャッタ板52を板バネの押圧力に抗して開放させるように構成してある。
<アダプタのアタッチメントによる取付構造>
図15〜図18に示すように、電気又は光通信用のLCアダプタQ1及びSCアダプタQ2は、それぞれのアダプタQ1、Q2に対応したアタッチメント21A、21Bを介して、取付枠1A、1Bの一列に設けられたポートに対応して後方に延びる矩形筒状の開口枠2に後方から挿入される。図8〜図11に示すように、開口枠2の例えば下壁部2Aには、各アタッチメント21A、21Bの下壁面に形成された例えば段差状の係止部16と対向する左右一対のラッチ片17が設けられ、開口枠2に後方から挿入した際に、各ラッチ片17は係止部16によって係止されるものとしてある。
SCアダプタQ2のアタッチメント21Bは、図15に示すように、ハウジング51をシャッタ板52側から挿入する角筒状の駒部材によって形成され、アタッチメント21Bの左右側面には後方端部中央から前方に向けて矩形の切欠溝22が形成されることで側面視略コ字型をなす。また、アタッチメント21Bの内底面には、正面視で左右一対のガイドレール23が形成されている。
図16に示すように、SCアダプタQ2のコネクタハウジング51の左右外壁面には、縦長矩形状のフランジ部56と、該フランジ部56に対応して後側において前方に向け斜行状に突設された係止突片53とが形成されている。コネクタハウジング51をアタッチメント21Bに取り付けたとき、前記フランジ部56と係止突片53との間に、アタッチメント21B側面の切欠溝22奥側の側面に挟持されつつ、前記係止突片53によってアタッチメント21Bからのコネクタハウジング51の抜けが阻止される。なお、図中、符号24はコネクタハウジング51の上壁面に形成されたキー突起54を挿入ガイドするためのキー溝である。
LCアダプタQ1のアタッチメント21Aは、図17に示すように、ハウジング41をシャッタ板42側から挿入する角筒状の駒部材によって形成され、アタッチメント21Bの左右側面には後方端部中央から前方に向けて短尺矩形状の切欠溝25が形成されている。
図18に示すように、LCアダプタQ1のハウジング41の左右外壁面の後部側には、弾性を付与した状態で前方に向けて突設された係止突片55が形成されている。ハウジング41がアタッチメント21Aに取り付けられたとき、前記係止突片55の弾性力によってアタッチメント21Aからのハウジング41の抜けが阻止される。
<電話用モジュラアダプタの構成>
電話用モジュラアダプタQ3は、従来のモジュラジャックの構造を直接利用している。すなわち、本実施形態における取付枠1A、1Bの開口枠2は、上記図4(d)に示すように、従来のモジュラジャックを後方から挿入した際に、ラッチ片17はモジュラジャックのハウジング31に形成されている係止部16によって係止されるものとしてある。前記ハウジング31は、図19に示すように、絶縁性を有する透明な合成樹脂の成形品からなり、前面が略矩形状に形成されている。ハウジング31の前面にはモジュラプラグ(図示せず)が挿入されるプラグ挿入孔32が開口し、前後スライド式のシャッタ33で開閉できるようにしてある。プラグ挿入孔32内にはモジュラプラグの接触子と弾接するように複数本のコンタクト34が配設されている(図4(d)参照)。
また、図4(d)及び図19に示すように、ハウジング31後部の上面からは、各コンタクト34と夫々電気的に接続された複数の端子35が突出している。端子35はIDC端子と呼ばれる周知のものであり、一対の歯の間に上端縁を開放した圧接スリットを有するフォーク状に形成された圧接形のものであって、圧接スリットの幅は接続する電線の芯線に圧接スリットの両側縁が圧接する程度に設定されている。つまり、絶縁被覆を有する電線を圧接スリットに上方から圧入すると、電線の絶縁被覆を圧接スリットの両側縁で切ることにより絶縁被覆を剥ぎながら圧接スリットの中に芯線を導入し、圧接スリットの両側縁間に芯線を挟持するようになっている。
さらに、図4(d)及び図19に示すように、別途の工具や治具を用いることなく端子35に電線を接続可能とするために、複数本の電線をまとめて保持する整列機能および電線を端子35に圧入する圧入機能を兼ね備えた合成樹脂成形品のカバー36をハウジング31の上面に設けている。前記カバー36はフック構造によって脱着可能であって、前記ハウジング31から突出する端子35に被さる位置と、端子35を開放する位置との間で開閉可能になっている。
而して、前記カバー36によりUTPバンドル型のケーブルK(図1参照)の各対を保持し、所定の端子35に整列させ、カバー36をハウジング31側に被せることによって、ケーブルKの各対が所定の端子35に圧接され、所定のコンタクト34と電気的に接続される。
前記取付枠1A、1Bの不使用のポートに対応する開口枠2には、図1に示すように、後方からダミーキャップ61が嵌着される。ダミーキャップ61は、図20に示すように、上記したLCアダプタQ1及びSCアダプタQ2それぞれに対応したアタッチメント21A、21Bと略同じ角筒状に形成されているが、その前端面だけが閉塞板62によって閉鎖されている。
また、このダミーキャップ61の左右側面には後方端部中央から前方に向けて短尺矩形状の切欠溝63が形成され、ダミーキャップ61の下壁面には上記アタッチメント21A、21Bと同様に係止部16が形成されている。
次に、以上のように構成された形態についての使用の一例について説明する。
まず、図4に示すように、取付枠1A、1Bの開口枠2に、従来のモジュラジャックを後方側から挿入する。同時に、図15〜図18に示すように、電気又は光通信用のLCアダプタQ1及びSCアダプタQ2それぞれをアタッチメント21A及び21Bを介して、取付枠1A、1Bの後方に延びる矩形筒状の開口枠2に後方側から挿入する。
図1乃至図3に示すように、前記パネル11の窓孔12に前方から視て左側から右側に沿って横1列に6ポート仕様の取付枠(6ポート枠)1Aを2個、4ポート仕様の取付枠(4ポート枠)1Bを3個を並べて配置する。この場合、パネル11の窓孔12の下側開口縁にテーパ面8Aを当接させた状態で取付枠1A、1Bの下部を押し込めば、窓孔12の下側開口縁がテーパ面8Aに沿って移動することにより被係止部7の中央部が上方に撓曲され、窓孔12の下側開口縁に係止爪8が係止される。
次いで、前記パネル11の窓孔12の上側開口縁に下方に向けて形成された複数の幅広舌体状の突起部4を係止凹部5に係止させることによって各取付枠1A、1Bはパネル11の窓孔12に装着される。
前記パネル11の窓孔12から取付枠1A、1Bを取り外す場合には、当該取付枠1A、1Bの下縁中央に形成された切欠部6に手指Hもしくはマイナスドライバ等の工具Dを差し込んで、被係止部7の中央部を押し上げ、上方に撓ませることで窓孔12の下側開口縁による係止爪8の係止を解除すると共に、前記窓孔12の上側開口縁側に設けられた複数の突起部4の係止凹部5に対する係止を解除することにより、取付枠1A、1Bは容易にパネル11から取り外せることとなる。
なお、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
Q1 LCアダプタ
Q2 SCアダプタ
Q3 電話用モジュラアダプタ
H 手指
D 工具
N テプラナンバーリング
K ケーブル
1A、1B 取付枠
2 開口枠
2A 下壁部
3 リブ
4 突起部
5 係止凹部
6 切欠部
7 被係止部
8 係止爪
8A テーパ面
11 パネル
12 窓孔
13 支持板部
13A 長孔
14 仕切部
15 連結板
16 係止部
17 ラッチ片
21A、21B アタッチメント
22 切欠溝
23 ガイドレール
24 キー溝
25 切欠溝
31 ハウジング
32 プラグ挿入孔
33 シャッタ
34 コンタクト
35 端子
36 カバー
41 ハウジング
42 シャッタ板
51 ハウジング
52 フランジ部
53 係止突片
55 係止突片
56 フランジ部
61 ダミーキャップ
62 閉塞板
63 切欠溝

Claims (2)

  1. 電気又は光通信用のSCアダプタやLCアダプタ、電話用モジュラアダプタ等を含む各種のアダプタを適宜組み合わせて実装する複数の取付枠をパネルの前面側から窓孔を介して挿入可能に形成したパッチパネルであって、4ポート仕様の取付枠(4ポート枠)と、6ポート仕様の取付枠(6ポート枠)との2種のポート枠からなる取付枠が前記複数の窓孔に合計24ポートとなるよう混載可能に形成され、
    前記取付枠の上縁端内側に形成された複数のリブ相互間にパネルの窓孔の上側開口縁の部位に形成された突起部が係脱する係止凹部を備えるとともに、
    取付枠の下縁端中央に形成された切欠部と、
    取付枠の下縁端内側に両端が固定された状態で前記切欠部の内側を跨ぐように横架され且つ中央部が上下方向に撓曲自在となした弾性を有する被係止部と、
    パネルの窓孔の下側開口縁に係止されるよう被係止部の下面に突設された係止爪とを備え、
    前記切欠部を介して被係止部の中央部を上方に撓ませることでパネルの窓孔の下側開口縁による前記係止爪の係止を解除するものとしたことを特徴とするパッチパネル。
  2. 前記係止爪の先端にはテーパ面が形成され、前記パネルの窓孔の下側開口縁にテーパ面を当接させた状態で取付枠の下部を押し込むことで、被係止部の中央部が上方に撓曲しつつ窓孔の下側開口縁がテーパ面に沿って移動することにより、前記窓孔の下側開口縁に係止爪が係止するものとした請求項1記載のパッチパネル。
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